JP2010121358A - 既存の木造住宅における土台の補強方法 - Google Patents

既存の木造住宅における土台の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンカーボルトの劣化等により土台に対する基礎の支持力が低下している場合に、土台を基礎に強固に固定することができる土台の補強方法を提供する。
【解決手段】 土台2の上面から両側面に亘って被覆し得る断面U字状に形成された補強金具5を土台2に立設している隣接する柱3、3間の土台部分に被せて、該補強金具5の上端水平板部5aを土台2の上面に受止させると共に両側板部5b、5bを土台2と基礎1の両側面に沿って垂下させ、この両側板部5b、5bの下端フランジ部5c、5cを基礎1のフ−チング1aに埋設しているアンカーボルト7にナット9を介して締結することにより、補強金具5の水平板部5aを土台2の上面に圧着させてこの補強金具5により土台2を基礎1に強固に固着させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、既存の木造住宅において、土台が長年の経過によるアンカーボルトの腐食や基礎コンクリートの劣化等によって基礎との結合力が弱体化した際に、土台を強固に補強するための土台の補強方法に関するものである。
従来から、地震等によって或いは長年の経過によって、住宅の柱を支持した土台を基礎に固定させているアンカーボルトが腐食したり、基礎コンクリートが劣化した場合には、土台の固定が緩んだ状態となって地震が再び発生した際に、住宅が容易に傾いたり倒壊したりする虞れが生じることになる。そのため、例えば、特許文献1に記載されているように、既存の木造住宅のリフォーム時において、基礎と土台、柱材とを一体化して、基礎上の土台・柱材等の位置ずれ、分離等を未然に防止する補強方法が開発されている。
この補強方法は、具体的には、土台上に支持されている柱材部分において、該柱材の幅(太さ)よりも幅狭い縦長長方形状に形成されたアラミッド繊維製シート又は炭素繊維製シートからなる補強帯を、基礎、土台、柱材に跨がってこれらの一側面に柱材の下端部から基礎の下端部に亘って固着することにより行われ、この補強帯によって基礎と土台、柱材とを一体に結合して、基礎に対する土台等の位置ずれの発生を防止するように構成している。
特開2008−2179号公報
しかしながら、上記のような補強構造によれば、土台から立設している柱材の下端部一側面とこの柱材を支持した土台部分の一側面を補強帯によって基礎の一側面に一体に固着しているものであるから、土台上の柱材を補強帯を介して基礎に連結、支持させることによる柱材の耐震補強を行うことができても、柱材を支持した土台を基礎に固定させているアンカーボルトが長年の経過によって腐食したり、或いは、基礎コンクリートが劣化している場合には、アンカーボルドによる土台の引き抜き抵抗力等の支持力が弱化して土台自体の耐震強度が低下し、地震発生時には土台から住宅全体が傾く虞れがあった。
さらに、基礎に対する土台の固定は、柱材の幅よりも狭い縦長長方形状の補強帯の一部を柱材を支持している土台の一側面の一部に固着することにより行われているものであるから、補強帯による土台の基礎に対する固定強度は充分ではなく、このため、上述したように基礎に対して土台を固定しているアンカーボルトに腐食等が生じていると基礎上で土台がずれ易くなって有効な耐震補強とはならないといった問題点がある。
また、木造住宅が地震によって傾きが生じた場合、ジャッキアップによって土台を基礎から持ち上げて傾きを修正すると、基礎に埋設されているアンカーボルトにおける土台から上方に突出する突出長が短くなって基礎に土台を固定させることが困難となる事態が発生するが、上記補強帯による土台の固定手段では、アンカーボルトを使用しないと基礎に対して土台を強固に固定させることができないといった問題点がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、土台を基礎に固定しているアンカーボルトが長年の経過によって腐食したり、或いは、基礎コンクリートの劣化によってアンカーボルトの支持力が低下していても、リフォーム時において土台全体を基礎に対して強固に固定することができる既存の木造住宅における土台の補強方法を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の既存住宅における土台の補強方法は、請求項1に記載したように、土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなる補強金具を使用し、この補強金具を柱間に露出している土台部分に被せて、該土台部分の上面に上記水平板部を重ね合わせると共に両側板部を土台部分の上端から基礎の下端に亘ってこれらの土台部分と基礎の両側面に沿って垂設し、この両側板部の下端部を基礎のフーチングにアンカーボルトによって固着することにより、補強金具の上記水平板部を土台部分の上面に圧着させた状態にして土台部分を基礎に固定することを特徴とする。
一方、請求項2に係る発明は、土台を固定する補強金具を既存の基礎ではなくリフォーム時に築造した補強基礎に固着するものであって、土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなる補強金具を使用し、この補強金具を柱間に露出している土台部分に被せて、該土台部分の上面に上記水平板部を重ね合わせると共に両側板部を土台部分の両側面に沿って該土台部分の下端まで垂設し、この両側板部の下端部を土間コンクリートから上記基礎の両側壁面に亘って造成された補強基礎の上端面にアンカーボルトによって固着することにより、補強金具の上記水平板部を土台部分に圧着させて土台部分を基礎に固定することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明において、土間コンクリートと補強基礎は、木造住宅における既存の基礎で囲まれた土間の地面上に鉄筋を格子状に配筋すると共にこの格子状配筋の端部を既存の基礎の壁面に沿って上方に屈曲させて立ち上がり鉄筋部に形成し、この立ち上がり鉄筋部に上記既存の基礎の壁面に沿って上下方向に一定間隔毎に配設した鉄筋を組み込むことによって側面配筋を形成したのち、上記土間の地面上からこの基礎の壁面に亘って一定厚みのコンクリートを打設することにより一体に造成されたものであることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなる補強金具を使用し、この補強金具を柱間に露出している土台部分に被せて、該土台部分の上面に上記水平板部を重ね合わせると共に両側板部を土台部分の上端から基礎の下端に亘ってこれらの土台部分と基礎の両側面に沿って垂設し、この両側板部の下端部を基礎のフーチングにアンカーボルトによって固着するものであるから、土台を基礎に固定させているアンカーボルトが長年の経過によって腐食したり、或いは、基礎コンクリートの劣化によりアンカーボルドの引き抜き抵抗力等が弱化していても、上記補強金具によって土台を基礎上に強固に固定することができ、基礎に対する取付強度を補強することができる。
この際、補強金具は土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなるものであるから、全体の形状が断面U字状に形成されていて構造が簡単で取扱いが容易となるばかりでなく、補強金具を土台上に立設した隣接する柱間に露出している土台部分に簡単且つ正確に被せることができると共にその両側板部の下端部を基礎のフーチングにアンカーボルトによって固着することにより、能率よく且つ確実に補強金具による土台の補強作業を行うことができ、その上、基礎のフーチングに埋設している上記アンカーボルトに補強金具の両側板部の下端部をナットによって締結した時に、その締め付け方向が補強金具の頂部である水平板部を押し下げる方向に作用するから土台を基礎上に強固に圧着、固定させることができ、従って、土台から立設している柱の支持が安定するばかりでなく、柱が地震により揺動或いは上下方向に移動しようとする力を土台を介して該土台に被嵌している補強金具全体に均等に分散、受止させることができて住宅の耐震強度を増大させることができる。
また、地震によって生じた木造住宅の傾きを修正した際に、基礎に埋設しているアンカーボルトによる土台の固定が充分に行えなかったり困難となる事態が生じても、アンカーボルトに関係なく上記補強金具によって土台を基礎に強固に固定することができ、耐震強度を有する木造住宅に簡単にリフォームすることができる。
一方、請求項2に係る発明によれば、土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなる補強金具を使用し、この補強金具を柱間に露出している土台部分に被せて、該土台部分の上面に上記水平板部を重ね合わせると共に両側板部を土台部分の両側面に沿って該土台部分の下端まで垂設し、この両側板部の下端部を土間コンクリートから上記基礎の両側壁面に亘って造成された補強基礎の上端面にアンカーボルトによって固着するものであるから、上記請求項1に記載の既存の木造住宅における土台の補強方法と同様に、土台を基礎に固定させているアンカーボルトが長年の経過によって腐食したり、或いは、基礎コンクリートの劣化によりアンカーボルドの引き抜き抵抗力等が弱化していても、上記補強金具によって土台を基礎上に強固に固定することができ、基礎に対する取付強度を補強することができると共に、この補強金具による土台の補強作業が能率よく且つ確実に行うことができるのは勿論、既存の基礎も補強基礎によって強固に補強され、地震が発生しても破壊が生じ難い耐震性を有する基礎を得ることができる。
そして、この補強基礎の上端面に上記土台に被嵌させた補強金具における両側板部の下端部をアンカーボルトによって固着するものであるから、補強金具の取付強度が極めて大きくてこの補強金具による土台の固定が一層、強固に行うことができ、基礎の耐震強度と共に土台上に築造した木造住宅の耐震強度を増大させることができる。また、既存の基礎の両側面に上記補強基礎を予め一体に設けておくことによって、地震等により生じた木造住宅の傾きの修正を行う際にその補強基礎の上端面をジャッキの設置面に利用して容易に行うことができると共に、傾き修正後においてはこの補強基礎の上端面に対する上記補強金具の固着作業も容易に行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、請求項2に記載の土台の補強方法において、上記土間コンクリートと補強基礎は、木造住宅における既存の基礎で囲まれた土間の地面上に鉄筋を格子状に配筋すると共にこの格子状配筋の端部を既存の基礎の壁面に沿って上方に屈曲させて立ち上がり鉄筋部に形成し、この立ち上がり鉄筋部に上記既存の基礎の壁面に沿って上下方向に一定間隔毎に配設した鉄筋を組み込むことによって側面配筋を形成したのち、上記土間の地面上からこの基礎の壁面に亘って一定厚みのコンクリートを打設することにより一体に造成されたものであるから、土間コンクリートから既存の基礎の両側面に亘って一連に連続した補強コンクリート層を造成することができると共に補強基礎によって既存の基礎を強固に補強することができて、地震が発生しても破壊が生じ難い耐震性を有する基礎を得ることができる。
さらに、補強基礎を介して既存の基礎を土間コンクリートにも支持させることができると共に、土間を囲んでいる基礎全体が土間コンクリートを介して一体化しているので、基礎を支持している地盤の一部が地震によって沈下しても、土間コンクリートによって基礎全体を強固に支持して一部の基礎が沈降したり、破壊するのを防止することができ、上記補強金具と共に木造住宅が傾かないように安定した支持を行うことができる。
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は、既存の木造住宅における土台の補強構造を示す簡略縦断正面図、図2は土台の補強構造を示す一部の斜視図、図3は縦断正面図であって、既存の基礎1は、布基礎と呼ばれている連続フーチング基礎であり、フーチング1aにより上部構造からの荷重を地盤に伝えるように構成している。この既存の基礎1上には、木質の角材からなる土台2が固着されていると共に土台2に所定間隔毎に柱3を立設し、柱間に架設した梁(図示せず)と共に建物の軸組を構成している。
上記土台2は、この土台2を基礎1に固着しているアンカーボルト4が長年の経過によって腐食したり基礎コンクリートの劣化等によって基礎との結合力が弱体化している場合には、補強金具5によって基礎1に対する固着強度を補強される。この補強金具5は、一定厚みの金属板をU字状に折り曲げてなり、図2〜図4に示すように、土台2の上面を所望長さ、被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部5aの両側端に、該水平板部5aに対して下方に向かって直角に屈折してなる両側板部5b、5bを一体に設けていると共に、両側板部5b、5bの下端部を外側方に屈折させて一定幅を有するフランジ部5c、5cを形成してなるものである。
具体的には、補強金具5は、矩形状の金属板における幅方向の中央部を全長に亘って、土台2の幅に等しい幅を有する水平板部5aとして、この水平板部5aの両側端に連なる金属板の両側部を水平板部5aの両側端から下方に向かって直角に屈折して互いに平行に対向した両側板部5b、5bを形成すると共にこの両側板部5b、5bの下端部を外側方に向かって直角に屈折させて一定幅を有するフランジ部5c、5cを形成してなるものであり、このフランジ部5c、5cには長さ方向に一定間隔毎にアンカーボルト挿通孔6を穿設している。
この補強金具5を使用して既存の基礎1上の土台2を基礎1に強固に固着することにより土台2を補強するには、予め、基礎1における該基礎1から両側方に突設している上記フ−チング1aに、補強金具5の両側フランジ部5c、5cに穿設しているアンカーボルト挿通孔6と同一間隔毎にアンカーボルト7を埋設しておく。しかるのち、図1〜図3に示すように、土台2に立設した隣接する柱3、3間に露出している該土台2の所定長さ部分にこの補強金具5を被せて、該土台部分の上面に補強金具5の水平板部5aを重ね合わせにようにしてその下面を当接させると共に両側板部5b、5bを土台2の両側端から該土台2の両側面と基礎1の両側面に沿って下方に垂下させた状態にし、この両側板部5b、5bの下端の上記フランジ部5c、5cに穿設している各アンカーボルト挿通孔6を、それぞれの挿通孔6に対向する上記アンカーボルト7のフ−チング1aからの突出端部に挿通させる。
各アンカーボルト7にはその突出基端部にワッシャ或いはパッキン等の介在物8を配設可能にしてあり、この介在物8を補強金具5の上記両側フランジ部5c、5c上に重ね合わせた状態にしてアンカーボルト7にナット9を螺合させることにより、補強金具5を締めつけて土台2を基礎1に押し付けた状態で固定させる。この際、アンカーボルト7に螺合したナット9を介在物8を介して締めつけていくと、補強金具5の両側フランジ部5c、5cが下方に押圧されて両側板部5b、5bが下方に引き寄せられ、その引き寄せ方向の作用力によって補強金具5の水平板部5aが土台2の上面に強く圧着して土台2を基礎1に強固に固着することができる。
土台2に被せる補強金具5の長さは、土台2上に立設した隣接する柱3、3間の土台2の部分を被覆、固定できる長さに形成され、最大長は隣接する柱3、3間の長さ寸法に略等しい長さに形成されているが、土台2を確実に且つ強固に固定するには、少なくとも土台2の幅よりも長い寸法、即ち、補強金具5の水平板部5aが土台2の長さ方向に長い長方形状に形成しておくことが望ましい。補強金具5の長さが図2に示すように、基礎1に土台2を固定しているアンカーボルト4と一方の柱3間の長さ寸法よりも長い場合には、その水平板部5aにおける上記アンカーボルト4に対応する部分に該アンカーボルト4の挿通孔10を設けておく。また、補強金具5の長さが短い場合には、その水平板部5aにアンカーボルト挿通孔10を必ずしも設けておく必要はないが、土台2を固定しているアンカーボルト4を中央にした土台2の長さ部分を固定する場合には、アンカーボルト挿通孔10を設けておけばよい。
補強金具5の両側板部5b、5bの高さ(縦幅)寸法は、土台2の上端からフ−チング1aの上端間の高さに略等しい寸法に形成されていて、その下端のフランジ部5c、5cを基礎1のフ−チング1aに埋設しているアンカーボルト7に上述したようにナット9によって締結した際に、その水平板部5aが土台2の上面に圧着するように構成しているが、土台2の上端からフ−チング1aの上端間の高さよりも僅かに短く形成しておき、そのフランジ部5c、5cと基礎1のフ−チング1aとの間にパッキン等を介在させた状態にして該フランジ部5c、5cをナット9によってアンカーボルト7に螺締してもよく、或いは、土台2の上端からフ−チング1aの上端間の高さよりも僅かに高く形成しておき、その水平板部5aと土台2の上面との間に弾性を有する介在物を配設した状態にしてフランジ部5c、5cをナット9によってアンカーボルト7に螺締してもよいものであり、要するに、フランジ部5c、5cを基礎1のフ−チング1aに埋設しているアンカーボルト7にナット9によって締結した際に、その水平板部5aが土台2の上面に圧着するように構成しておけばよい。
また、補強金具5の両側板部5b、5bの対向面間の幅は、土台2の幅や基礎1の厚みに等しくしてその対向面を土台2から基礎1の両側面に接するように形成しておいてもよいが、土台2の幅が基礎1の厚みよりも小さい場合には、基礎1の両側面に接する幅寸方に形成しておけばよい。いずれにしても、土台2に被せたこの補強金具5によって土台2が基礎1の上面に押付けられた状態で固着されて、ずれたりする虞れは全く生じない。この補強金具5は、各隣接する柱3、3間の土台部分に被せて全ての土台2を基礎1に対して強固に固着する。
図5〜図7は本発明の別な実施例を示すもので、上記実施例においては、補強金具5を既存の基礎1のフ−チング1aに固着しているが、この実施例においては、補強金具5'を既存の基礎1に被せることなく土台2のみに被せてその下端フランジ部5c、5cを既存の基礎1のリフォーム時に築造した補強基礎11、11の上面に固着するように構成しているものである。
具体的には、上記補強金具5'は、矩形状の金属板における幅方向の中央部を全長に亘って、土台2の幅に等しい幅を有する水平板部5aとして、この水平板部5aの両側端に連なる金属板の両側部を水平板部5aの両側端から下方に向かって直角に屈折して土台2の側面を上端から下端に亘り被覆できる高さ(縦幅)を有する互いに平行に対向した両側板部5b、5bを形成すると共に、この両側板部5b、5bの下端部を外側方に向かって直角に屈折させて一定幅を有するフランジ部5c、5cを形成してなるものであり、このフランジ部5c、5cには長さ方向に一定間隔毎にアンカーボルト挿通孔6を穿設している。
この補強金具5'を使用して、既存の基礎1上に土台2を固定させているアンカーボルト4が長年の経過によって腐食したり基礎コンクリートの劣化等によって基礎との結合力が弱体化して土台2の固定が緩んでいる場合等において、土台2を基礎に強固に固着させて土台2を補強するには、予め、既存の基礎1の両側面に該基礎1のフ−チング1aにおける基礎1からの外側方への突出幅と同一厚みでもってフ−チング1aから基礎1の上端にまで補強基礎11、11を築造して既存の基礎1に一体化させると共に、これらの両側補強基礎11、11に、補強金具5'の両側フランジ部5c、5cに穿設している上記アンカーボルト挿通孔6と同一間隔毎にアンカーボルト7を埋設しておく。
しかるのち、図5〜図7に示すように、土台2に立設した隣接する柱3、3間に露出している該土台2の所定長さ部分にこの補強金具5'を被せて、該土台部分の上面に補強金具5'の水平板部5aを重ね合わせにようにしてその下面を当接させると共に両側板部5b、5bを土台2の両側端から該土台2の両側面に接して下方に垂下させた状態にし、これらの両側板部5b、5bの下端フランジ部5c、5cに穿設している各アンカーボルト挿通孔6を、それぞれの挿通孔6に対向する上記アンカーボルト7の補強基礎11、11からの突出端部に挿通させると共にフランジ部5c、5cの下面を補強基礎11、11の上面に載置させた状態にする。
次いで、各アンカーボルト7の突出部にワッシャ或いはパッキン等の介在物8を挿通して補強金具5'の上記両側フランジ部5c、5c上に載せたのち、アンカーボルト7にナット9を螺合させることにより、補強金具5'を締めつけて土台2を既存の基礎1上に押し付けた状態で固定させる。この際、アンカーボルト7に螺合したナット9を介在物8を介して締めつけていくと、上述したように、補強金具5'の両側フランジ部5c、5cが下方に押圧されて両側板部5b、5bが下方に引き寄せられ、その引き寄せ方向の作用力によって補強金具5'の水平板部5aが土台2の上面に強く圧着して土台2を基礎1に強固に固着することができる。
土台2に被せる補強金具5'の長さは、上記実施例と同じく、その最大長は隣接する柱3、3間の長さ寸法に略等しい長さに形成されているが、土台2を確実に且つ強固に固定するには、少なくとも土台2の幅よりも長い寸法、即ち、補強金具5'の水平板部5aが土台2の長さ方向に長い長方形状に形成しておくことが望ましい。補強金具5'の長さが図6に示すように、基礎1に土台2を固定しているアンカーボルト4と一方の柱3間の長さ寸法よりも長い場合には、その水平板部5aにおける上記アンカーボルト4に対応する部分に該アンカーボルト4の挿通孔10を設けておく。また、補強金具5'の長さが短い場合には、その水平板部5aにアンカーボルト挿通孔10を必ずしも設けておく必要はないが、土台2を固定しているアンカーボルト4を中央にした土台2の長さ部分を固定する場合には、アンカーボルト挿通孔10を設けておけばよい。
補強金具5'の両側板部5b、5bの高さ(縦幅)寸法は土台2の高さ(縦幅)に略等しい寸法に形成されていて、その下端のフランジ部5c、5cを補強基礎11、11に埋設しているアンカーボルト7に上述したようにナット9によって締結した際に、その水平板部5aが土台2の上面に圧着するように構成しているが、土台2の高さよりも僅かに短く形成しておき、そのフランジ部5c、5cと補強基礎11、11の上面との間にパッキン等を介在させた状態にして該フランジ部5c、5cをナット9によってアンカーボルト7に螺締してもよく、或いは、土台2の高さよりも僅かに高く形成しておき、その水平板部5aと土台2の上面との間に弾性を有する介在物を配設した状態にしてフランジ部5c、5cをナット9によってアンカーボルト7に螺締してもよいものであり、要するに、フランジ部5c、5cを補強基礎11、11に埋設しているアンカーボルト7にナット9によって締結した際に、その水平板部5aが土台2の上面に圧着するように構成しておけばよい。なお、補強基礎11、11の両側板部5b、5bの対向面間の幅は、土台2の横幅に等しく形成されていて両側板部5b、5bを土台2の両側面に接するように形成している。
既存の基礎1の両側面に築造している上記補強基礎11、11は、土間コンクリート12と一体的に築造されているものであり、既存の基礎1を補強して地震が発生しても破壊が生じ難い耐震性を有する基礎に改造していると共に、既存の基礎1は補強基礎11、11を介して土間コンクリート12にも支持させて一層、強固に補強されてあり、さらに、基礎を支持している地盤の一部が地震によって沈下しても、土間コンクリート12によって基礎全体を強固に支持して一部の基礎が沈降したり、破壊するのを防止することができ、建物が傾かないように安定した支持を行うことができる。また、地震等により木造住宅が傾いた場合には、上記補強基礎11、11の上端面をジャッキの設置面に利用して傾きの修正作業が容易に能率よく行うことができる。
このように既存の基礎1補強する補強基礎11、11と土間コンクリート12との築造方法を説明すると、まず、既存の基礎1で囲まれた土間13の地面上に鉄筋を格子状に配筋14すると共にこの格子状配筋14の四方の端部を各端部が対向している四方の基礎1のコンクリート壁面である側面に沿って上方に垂直に屈曲させることにより立ち上がり鉄筋部14a を形成し、このこの立ち上がり鉄筋部14a に直交するように基礎1の壁面に沿って、上下方向に一定間隔毎に鉄筋を組み込むことにより、側面配筋15を形成する。
なお、上記格子状配筋14は、地面を露出させている既存の土間をそのまま活用してこの土間地盤を基礎1のフーチング1aの上面が露出する程度まで掘削したのち、その地面上に配筋してもよいが、好ましくは、既存の土間地盤を基礎1のフーチング1aの下端から僅かに下方に達する深さにまで掘り下げて基礎1のフーチング1a全体を露出させている凹部を掘削したのち、この凹部に、土砂にセメントやモルタル等の固化材を混練してなる地盤改良材を投入して締め硬めることにより、基礎1のフーチング1aの上端面に達する厚さの地盤改良を施し、この改良地盤16上に格子状配筋14を施工すると共に該格子状配筋14の端部をフーチング1aの露出面上から上記のように基礎1のコンクリート壁面である側面に沿って上方に垂直に屈曲させることによって立ち上がり鉄筋部14a を形成する。
このように配筋したのち、土間13上にコンクリートを打設することにより格子状鉄筋14を埋設した鉄筋コンクリートからなる一定厚みの土間コンクリート12を造成すると共に基礎1の側面に沿って配設している側面配筋15を型枠(図示せず)によって囲み、この型枠内にコンクリートを打設することによって下端部が上記土間コンクリート12の端部及び基礎1のフーチング1aの上面と一体に連らなり、且つ、内部に側面配筋15を埋設した鉄筋コンクリートからなる一定厚みの補強基礎11、11を造成する。
このような補強基礎11、11と土間コンクリート12の造成は、連続フーチング基礎からなる既存の基礎1で囲まれた各土間13に対しても同様にして行われて、基礎1の内外両側面に該基礎1を挟むようにして上記補強基礎11、11を設けるものである。
既存の木造住宅における土台の補強構造を示す簡略縦断正面図。 その一部の拡大斜視図。 その縦断正面図。 補強金具の斜視図。 本発明の別な実施例を示す簡略縦断正面図。 その土台の補強構造を示す一部の斜視図。 補強金具の固着部分の縦断正面図。 補強金具の斜視図。
符号の説明
1 既存の基礎
1a フーチング
2 土台
3 柱
4 アンカーボルト
5 補強金具
5a 水平板部
5b、5b 両側板部
5c、5c フランジ部
7 アンカーボルト
9 ナット
11 補強基礎
12 土間コンクリート

Claims (3)

  1. 既存の木造住宅の基礎上に固定されている土台の補強方法であって、土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなる補強金具を使用し、この補強金具を柱間に露出している土台部分に被せて、該土台部分の上面に上記水平板部を重ね合わせると共に両側板部を土台部分の上端から基礎の下端に亘ってこれらの土台部分と基礎の両側面に沿って垂設し、この両側板部の下端部を基礎のフーチングにアンカーボルトによって固着することにより、補強金具の上記水平板部を土台部分の上面に圧着させた状態にして土台部分を基礎に固定することを特徴とする既存の木造住宅における土台の補強方法。
  2. 既存の木造住宅の基礎上に固定されている土台の補強方法であって、土台の上面を被覆し得る幅と長さを有する平面長方形状の水平板部の両側端に下方に向かって両側板部を屈折形成してなる補強金具を使用し、この補強金具を柱間に露出している土台部分に被せて、該土台部分の上面に上記水平板部を重ね合わせると共に両側板部を土台部分の両側面に沿って該土台部分の下端まで垂設し、この両側板部の下端部を土間コンクリートから上記基礎の両側壁面に亘って造成された補強基礎の上端面にアンカーボルトによって固着することにより、補強金具の上記水平板部を土台部分に圧着させて土台部分を基礎に固定することを特徴とする既存の木造住宅における土台の補強方法。
  3. 土間コンクリートと補強基礎は、木造住宅における既存の基礎で囲まれた土間の地面上に鉄筋を格子状に配筋すると共にこの格子状配筋の端部を既存の基礎の壁面に沿って上方に屈曲させて立ち上がり鉄筋部に形成し、この立ち上がり鉄筋部に上記既存の基礎の壁面に沿って上下方向に一定間隔毎に配設した鉄筋を組み込むことによって側面配筋を形成したのち、上記土間の地面上からこの基礎の壁面に亘って一定厚みのコンクリートを打設することにより一体に造成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の既存の木造住宅における土台の補強方法。
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