JP5995822B2 - 梁補強方法および構造、ならびに補助梁支持具 - Google Patents

梁補強方法および構造、ならびに補助梁支持具 Download PDF

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Description

本発明は、梁補強方法および構造、補助梁の仮固定構造、ならびに補助梁支持具に関し、特に、建物における既存梁の下方に補助梁を配置することによって既存梁を補強する方法および構造、補助梁の仮固定構造、ならびに、補助梁の一方側端部を既存躯体部に支持させるための補助梁支持具に関する。
既存住宅の間取りを変更する際に、既存柱(中間柱)を撤去することがある。このような場合、その既存柱が支えていた既存梁の下方または側方に補助梁を設置することで、既存梁の剛性を高める補強工事が行われる。また、耐震性の向上を目的として、補助梁による既存梁の補強が行なわれることもある。
補助梁を既存梁に隣接する位置で固定するための方法や部材は、従来から提案されている。特開2011−26916号公報(特許文献1)には、既存梁の直下に補助梁を配置する場合に、一対の既存柱の対向側面に雌ネジ部材を有する接合具本体を固定し、補助梁の材端に形成されたスリットに連通する雌ネジ挿通孔に、上記雌ネジ部材が挿通されるように補助梁を持ち上げ、雌ネジ部材に雄ネジを螺合させて、補助梁と既存梁とを接着することが開示されている。
特開2011−26916号公報
一般的に、補助梁は重量物であるであるため、補助梁を既存梁の高さまで持ち上げるには多くの作業員が必要となる。特許文献1の部材を用いたとしても、作業員は梁の両端に分かれて補助梁を同時に持ち上げる必要がある。このような高所での作業は不安定であり、危険を伴っていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、補助梁の取り付け作業を少人数で安全に行うことのできる梁補強方法および構造、補助梁の仮固定構造、ならびに補助梁支持具を提供することである。
この発明のある局面に従う梁補強方法は、建物における既存梁の下方に補助梁を配置し、既存梁に連結され互いに離れて配置された第1および第2の既存躯体部に補助梁の一方側端部および他方側端部をそれぞれ支持させることによって既存梁を補強する方法である。梁補強方法は、補助梁の一方側端部に係合部を設ける工程と、係合部に係合される被係合部を有する被係合部材を、第1の既存躯体部に固定する工程と、補助梁の一方側端部を持ち上げて、係合部を、第1の既存躯体部に固定された被係合部材の被係合部に引掛ける工程と、係合部が被係合部に引掛けられた状態で、補助梁の他方側端部を持ち上げる工程とを備える。
好ましくは、係合部および被係合部の一方は、補助梁の回動軸心に沿って延びる軸であり、係合部および被係合部の他方は、軸の外周面に当接する当接面を含む。
係合部および被係合部の他方は、軸の中心から等距離にある複数の当接面を含むことが望ましい。
また、複数の当接面によって、軸の外周面に沿う円弧面が形成されていることが望ましい。
好ましくは、第1の既存躯体部に固定された被係合部材が、軸を有しており、当接面を有する係合部は、補助梁の一方側端部に固定された係合部材に含まれる。
引掛ける工程では、係合部が、被係合部のうち第1の既存躯体部から側方に突出した仮置き位置に引掛けられてもよい。この場合、梁補強方法は、補助梁の他方側端部が持ち上げられた後、係合部を被係合部の正規位置にまでスライド移動させることによって、補助梁を既存梁の真下に配置する工程をさらに備えてもよい。
補助梁の他方側端部には、係止位置と非係止位置との間を変位し得るように係止部材が予め保持されていてもよい。この場合、梁補強方法は、第2の既存躯体部に、係止位置のときに係止部材に係止し得る被係止部材を予め取付ける工程と、補助梁の他方側端部を持ち上げた状態で、第2の既存躯体部に取付けられた被係止部材に係止部材を係止させて、補助梁の他方側端部の位置を保持することによって、補助梁の他方側端部を第2の既存躯体部に仮固定する工程とをさらに備える。
仮固定する工程では、補助梁の他方側端部を持ち上げた状態で、係止部材を、非係止位置から係止位置にスライドさせることによって、被係止部材に係止部材を係止させることが望ましい。
この発明の他の局面に従う梁補強方法は、建物における既存梁の下方に補助梁を配置し、既存梁に連結され互いに離れて配置された第1および第2の既存躯体部に、補助梁の一方側端部および他方側端部をそれぞれ支持させることによって既存梁を補強する方法である。梁補強方法は、補助梁の他方側端部に、補助梁の下面に沿ってスライド可能な係止部材を係止位置と非係止位置との間を変位し得るように保持する保持部材を取付ける工程と、第2の既存躯体部に、係止位置のときに係止部材に係止し得る被係止部材を予め取付ける工程と、補助梁の一方側端部が持ち上げられ、かつ、保持部材によって係止部材が非係止位置にて保持された状態で、補助梁の他方側端部を持ち上げる工程と、補助梁の他方側端部が持ち上げられた状態で、第2の既存躯体部に取付けられた被係止部材に向けて係止部材をスライド移動させ、係止部材を被係止部材に係止させることによって、補助梁の他方側端部を第2の既存躯体部に対して仮固定する工程とを備える。
なお、係止部材が被係止部材に係止された状態で、補助梁および第2の既存躯体部に係止部材を固定する工程をさらに備えていてもよい。また、係止部材が補助梁および第2の既存躯体部に固定された後に、保持部材と被係止部材とを取り外す工程をさらに備えてもよい。
この発明のさらに他の局面に従う梁補強構造は、建物における既存梁を補強するための構造であって、既存梁に連結され互いに離れて配置された一対の既存躯体部と、既存梁の下方に配置され、その一方側端部および他方側端部が一対の既存躯体部にそれぞれ支持される補助梁とを備える。梁補強構造は、補助梁の一方側端部に設けられた係合部と、一対の既存躯体部のうち一方側の既存躯体部に固定され、係合部に引掛けられることによって係合される被係合部を有する被係合部材とをさらに備える。
この発明のさらに他の局面に従う補助梁の仮固定構造は、建物における既存梁の下方に補助梁を配置し、既存梁に連結され互いに離れて配置された第1および第2の既存躯体部に、補助梁の一方側端部および他方側端部をそれぞれ支持させることによって既存梁を補強するために、補助梁の一方側端部が持ち上げられた状態で、補助梁の他方側端部を第2の既存躯体部に仮固定する構造である。仮固定構造は、補助梁の他方側端部に取付けられ、補助梁の下面に沿ってスライド可能な係止部材を係止位置と非係止位置との間を変位し得るように保持する保持部材と、第2の既存躯体部に取付けられ、係止位置のときに係止部材に係止し得る被係止部材とを備える。係止部材は、補助梁の他方側端部が持ち上げられた状態で、第2の既存躯体部に取付けられた被係止部材に向けてスライド移動させられることによって、被係止部材に係止する。
この発明のさらに他の局面に従う補助梁支持具は、建物における既存梁の下方に配置される補助梁の一方側端部を、既存梁に連結され互いに離れて配置された一対の既存躯体部のうちの一方側の既存躯体部に支持させるための支持具である。補助梁支持具は、補助梁の一方側端部に固定され、係合部を有する係合部材と、一対の既存躯体部のうち一方側の既存躯体部に固定され、係合部に引掛けられることによって係合される被係合部を有する被係合部材とを備える。
なお、上記補助梁の仮固定構造で用いられた保持部材と被係止部材とを、補助梁の他方側端部を仮固定するための仮固定具として提供してもよい。仮固定具は、係止部材をさらに含んでもよい。
本発明によれば、補助梁の取り付け作業を少人数で安全に行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る梁補強構造を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1における被係合部材および係合部材の構造例を示す図である。 本発明の実施の形態1における被係合部材を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における係合部材を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における梁補強方法の工程順序を示すフローチャートである。 図5のフローチャートにおける工程P4の状態を示す図である。 図5のフローチャートにおける工程P6の状態を示す図である。 図5のフローチャートにおける工程P8の状態を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例1における被係合部材および係合部材の構造例を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例2における被係合部材および係合部材の構造例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る梁補強方法の工程順序を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、保持部材によって係止部材が非係止位置にて保持された状態を示す図である。 本発明の実施の形態2において、保持部材によって係止部材が非係止位置にて保持された状態を示す図である。 本発明の実施の形態2において、保持部材によって係止部材が係止位置にて保持された状態を示す図である。 本発明の実施の形態2で用いられる保持部材の他の構造例を示す図である。 本発明の実施の形態2で用いられる保持部材の他の構造例を示す図である。 本発明の実施の形態3において、一方の既存柱に固定された被係合部材を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3において、他方の既存柱に固定された支持具を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3における梁補強方法の工程順序を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3において、既存柱に被係合部材および支持具が固定された状態を模式的に示す上面図である。 本発明の実施の形態3において、補助梁の一方側端部の係合部が被係合部に仮置きされた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3において、補助梁の他方側端部が支持具に仮置きされた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3において、補助梁がスライド移動される様子を模式的に示す上面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本発明の各実施の形態では、建物における既存梁の下方に補助梁が配置されることによって、既存梁が補強される。建物は、典型的には木造住宅である。
<実施の形態1>
(梁補強構造の概略について)
はじめに、本実施の形態に係る梁補強構造の概略について説明する。
図1に示されるように、既存住宅には、既存の躯体部として、基礎(図示せず)上に設けられた土台11と、土台11上に設置された既存柱12,13,14と、これら既存柱12,13,14に支えられた既存梁15と、既存梁15に対して直交する既存梁16,17とが含まれているものとする。これらの構造躯体は、たとえば全て、四角柱形状である。
一対の既存柱12,13は、既存梁15の両端部に連結され、既存梁15を支持している。本実施の形態では、既存梁15の両端部は、既存柱12,13によってそれぞれ間接的に支持されている。より具体的には、既存梁15の一端側は、既存梁17に連結されており、その既存梁17が既存柱13によって支持されている。同様に、既存梁15の他端側は、既存梁16に連結されており、その既存梁16が既存柱12によって支持されている。なお、既存梁15の少なくとも一方側端部は、既存柱12または13によって直接的に支持されていてもよい。
本実施の形態に係る梁補強構造では、このような住宅において、一対の既存柱12,13間に位置する既存柱14(以下「中間柱14」という)が撤去されている。また、既存梁15の下方に、補助梁21が配置されている。補助梁21は、たとえば木材で形成されている。補助梁21の一方側端部211は、被係合部材4と係合部材5とを含む支持具(補助梁支持具)2を介して既存柱13に支持されている。補助梁21の他方側端部212は、たとえば公知のL字形状の支持部材6を介して既存柱12に支持されている。被係合部材4、係合部材5および支持部材6は、剛性を有する材料により形成されている。なお、既存梁15と補助梁21とを確実に連結させるためには、既存梁15と補助梁21とをまたぐ位置に側板22がさらに設けられることが望ましい。
(支持具2の構造例および配置例について)
次に、図2〜図4を参照して、支持具2の構造例および配置例について説明する。図2は、支持具2を構成する被係合部材4および係合部材5の構造例を示す図である。図3は、被係合部材4を示す斜視図であり、図4は、係合部材5を示す斜視図である。なお、図3では、既存梁17の延びる方向(長手方向)が矢印A1で示されており、本実施の形態では当該方向を幅方向という。つまり、幅方向は、既存梁15および補助梁21の延びる方向(長手方向)に直交する方向を表わす。また、既存梁15および補助梁21の延びる方向を奥行方向ともいう。
図2および図3を参照して、被係合部材4は、ベース部41と、被係合部42とを含む。ベース部41は、たとえば、略L字状断面を有しており、略垂直方向に延びる垂直部411と、略水平方向に延びる水平部412とを含む。垂直部411は、既存柱13の内側面130に当接され、当該部分において既存柱13に固定される。たとえば垂直部411には、釘やボルトなどの複数の固定具91が貫通される複数の貫通穴43が設けられていてもよい。水平部412は、垂直部411の上端部に連結されている。
被係合部42は、補助梁21の回動軸心に沿って延びる軸として形成されていることが望ましい。本実施の形態において「軸」とは、軸線方向に直交して切断した場合の断面視において、外周縁が略円形状である部材を表わす。軸である被係合部42は、水平部412上に溶接等によって固定されている。取り付け状態において、被係合部42と既存柱13との間には、後述の係合部52の回動(摺動)動作を妨げないように隙間が設けられている。被係合部42の幅は、たとえば、補助梁21の幅寸法L2(図4)以上である。
図2および図4を参照して、係合部材5は、ベース部51と、被係合部42に係合する係合部52とを含む。係合部52は、ベース部51の奥行方向外側端部に連結されている。係合部52が被係合部42に係合することによって、被係合部材4と係合部材5とを一つの支持具2として一体的に使用することができる。ベース部51は、たとえば、略水平方向に延在する板状部材として形成されている。ベース部51は、補助梁21の一方側端部211の下面210に当接され、固定される。ベース部51にも、固定具91が貫通される複数の貫通穴53が設けられていてもよい。
係合部52は、たとえばC字状断面を有するフックとして形成されており、被係合部42としての軸に引掛けられる。係合部52は、被係合部42としての軸の外周面上を摺動可能とするために、被係合部42の外周面に沿う円弧面520を有している。円弧面520の中心角は、90°以上であることが望ましい。円弧面520は、ベース部51の表面510と段差なく隣接している。係合部52が円弧面520を有することで、係合部52が設けられた補助梁21は、被係合部材4の被係合部42を支点として回動可能とされる。係合部52の幅は、たとえば、補助梁21の幅寸法L2以下である。
(梁補強方法について)
ここで、本実施の形態における既存梁15の補強方法について説明する。図5は、本実施の形態における梁補強方法の工程順序を示すフローチャートである。
図5を参照して、はじめに、補助梁21の一方側端部211に係合部材5が固定される(工程P2)。係合部材5の固定は、たとえば、ベース部51の表面510側から各貫通穴53を貫通するように固定具91が補助梁21に打ち込まれることによって行われる。
また、一方の既存柱13に、被係合部材4が固定される(工程P4)。図2および図3に示されるように、被係合部材4は、被係合部42の上端が、既存梁15の下面より、補助梁21の高さ寸法L3(図4)以上、下方に位置するように配置される。被係合部材4の固定も、係合部材5の固定と同様に、たとえば、ベース部41の垂直部411の表面側から各貫通穴43を貫通するように固定具91が既存柱13に打ち込まれることによって行われる。被係合部材4が既存柱13に固定された状態の正面図が図6に示されている。図6には、中間柱14が示されているが、中間柱14は、たとえば工程P2およびP4の後に撤去される。なお、工程P2,P4の順序は逆でもよい。
被係合部材4および係合部材5が固定されると、補助梁21の一方側端部211を持ち上げ、補助梁21に固定された係合部52を、被係合部材4の被係合部42に引掛ける(工程P6)。これにより、補助梁21の一方側端部211が、取り付け高さにて既存柱13に仮支持される。このときの状態が図7に示されている。図7に示されるように、補助梁21の一方側端部211のみが引掛けられた状態では、補助梁21の他方側端部212は土台11や既存の床面などに支えられている。
続いて、補助梁21の他方側端部212が持ち上げられる(工程P8)。このとき、図8に示されるように、既存柱13側の被係合部42としての軸を支点として、補助梁21が回動される。なお、回動の際に既存梁15の下面に補助梁21の上角が干渉する場合には、予め、補助梁21の上角を削っておけばよい。
その後、作業員は、補助梁21の他方側端部212を持ち上げた状態で、公知の支持部材6により、補助梁21の他方側端部212を既存柱12に固定する(工程P10)。支持部材6は、水平方向に延びる天板部61と、垂直方向に延びる立板部62とを含み、それぞれが、補助梁21の他方側端部212の下面210、および、既存柱12の内側面120とに固定される。
補助梁21の他方側端部212が固定されると、既存梁15および補助梁21の両側面に、側板22を取り付ける(工程P12)。これにより、既存梁15と補助梁21とが一体的に連結される。側板22の梁15,21への取り付けは公知の手法により行われてよい。なお、本実施の形態では、既存梁15および補助梁21の両側面に側板22を取り付けることとしたが、一方の側面にのみ側板22が取り付けられてもよい。あるいは、側板22を用いなくても、既存梁15と補助梁21との間に生じた隙間をパッキン等によって埋めることによって、両者を一体的に連結してもよい。あるいは、既存梁15と補助梁21とは、単純に、ボルトや公知の金物で連結されてもよい。
上述のように、本実施の形態によれば、重量物である補助梁21を片方ずつ持ち上げて、補助梁21を既存梁15の真下に配置することができる。補助梁21が重量物であればあるほど補助梁21の両端部に分かれて同時に高所まで持ち上げて固定作業を行うことは不安定であり危険を伴っていたが、本実施の形態の支持具2を用いることで、少人数の作業員で安全に補助梁21の取り付けを行うことができる。
また、被係合部42が軸として形成され、係合部52がその軸の外周面に沿う円弧面520を有するため、補助梁21の回動をスムーズに行うことができる。
また、補助梁21の他方側端部212を持ち上げた後、他方側端部212を既存柱12に頑強に固定することで、補助梁21の一方側端部211の再固定をしなくてもよい場合もある。したがって、このような場合には、補助梁21の一方側端部211の固定作業を簡易化することもできる。なお、補助梁21の一方側端部211の脱落を防止するために、たとえば被係合部42としての軸の幅方向(軸方向)両側に、軸よりも上方に立ち上がる立上片(図示せず)を設けてもよい。この場合、被係合部材4の幅は、補助梁21の幅寸法よりも大きい。
なお、支持具2としての被係合部材4および係合部材5の構造は、図2〜図4に示したような例に限定されない。以下に、被係合部材4および係合部材5の他の構造例を、本実施の形態の変形例として説明する。
(変形例1)
図9は、本実施の形態の変形例1において、支持具2を構成する被係合部材4Aおよび係合部材5Aの構造例を示す図である。図9を参照して、被係合部材4Aのベース部41Aは、実施の形態1の水平部412に代えて、垂直部411から奥行方向内側に向けて斜め上方に立ち上がる立上部413を有している。本変形例では、被係合部42としての軸は、立上部413上に一体的に連結されている。また、係合部材5Aの係合部52Aは、L字状のフックとして形成されている。係合部52Aは、被係合部42としての軸の外周面に当接する2つの当接面520Aを有している。各当接面520Aは、軸の中心(軸線)から等距離に位置する。
本変形例のように、係合部52Aが、軸の外周面に沿う円弧面を有していなくても、複数の当接面520Aを有することで、被係合部42と係合部52Aとの係合状態を保ったまま、被係合部42を支点として補助梁21を回動させることができる。なお、被係合部42と係合部52Aとの係合状態を保ったまま、被係合部42を支点として補助梁21を回動させることができれば、当接面は1つでもよい。
(変形例2)
図10は、本実施の形態の変形例2において、支持具2を構成する被係合部材4Bおよび係合部材5Bの構造例を示す図である。図10を参照して、本変形例では、補助梁21に固定された係合部材5Bの係合部52Bが、軸として形成されており、被係合部材4Bの被係合部42Aが、フックとして形成されている。被係合部42Aは、係合部52Bとしての軸の外周面に当接する複数の当接面420を有している。本変形例のように、補助梁21側の係合部52Bが軸として形成されていても、被係合部42Aと係合部52Bとの係合状態を保ったまま、係合部52Bを中心として補助梁21を回動させることができる。
なお、本実施の形態およびその変形例1,2では、被係合部および係合部のいずれか一方が軸であることとしたが、係合部が被係合部に引掛けられた状態で、補助梁21の他方側端部212を持ち上げることができれば、いずれも軸でなくてもよい。たとえば、図9では、被係合部42は、略円柱状の軸として形成されたが、図9よりも上方に長い立上部413(板状部材)の上端部によって形成されてもよい。なお、この場合、立上部413の上端部が面取りされていてもよい。または、被係合部は、水平方向に延びる板状部材に、上下方向に貫通する貫通孔を設けることによって、形成されてもよい。この場合、係合部は、この貫通孔に引掛けられる。
また、補助梁21の一方側端部211に、係合部を有する係合部材が固定されることとしたが、補助梁21の一方側端部211を加工することによって、補助梁21の一方側端部211に係合部が設けられてもよい。
<実施の形態2>
本実施の形態において、補助梁の一方側端部の既存柱への固定方法は上記実施の形態1と同様であるが、補助梁の他方側端部の既存柱への固定方法が実施の形態1とは異なる。以下に、上記実施の形態1との相違点のみ詳細に説明する。
図11は、本実施の形態に係る梁補強方法の工程順序を示すフローチャートである。図12〜図14は、本実施の形態における、補助梁21の他方側端部212の既存柱12への固定方法を説明するための図である。なお、図11において実施の形態1と同様の作業を行う固定については、図5と同じ工程番号を付けてある。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、本実施の形態では、幅方向のうち、図12の正面側を前方といい、その逆側を後方という。
図12〜図14に示されるように、本実施の形態では、実施の形態1の構成に加え、被係止部材7および保持部材8を含む仮固定具がさらに用いられる。被係止部材7および保持部材8の構造例については、図11のフローチャートを参照しながら説明する。なお、これらの部材7,8も、剛性を有する材料により形成されている。
図11を参照して、本実施の形態では、図5で示した工程に加え、工程P3,P5,P9,P11の作業が追加されている。また、図5の工程P10の作業に代えて、工程P10Aの作業が行われる。
工程P3では、補助梁21の他方側端部212に保持部材8を取り付け、係止部材を非係止位置にて保持させる。係止部材は、たとえば実施の形態1で示した支持部材6である。したがって、以下の説明では、係止部材を支持部材6という。図13に示されるように、支持部材6の天板部61および立板部62には、それぞれ、複数の貫通穴63,64が設けられている。天板部61には、幅方向および奥行方向に沿って、複数の貫通穴63が整列して設けられている。立板部62にも同様に、たとえば、幅方向および上下方向に沿って複数の貫通穴64が整列して設けられている。
保持部材8は、係止位置と非係止位置との間を変位し得るように支持部材6を保持する。保持部材8によって支持部材6が非係止位置にて保持されている状態が図12および図13に示されている。保持部材8は、補助梁21の側面に当接されるベース部81と、ベース部81の下端部に連結された保持部82とを含む。ベース部81は、補助梁21よりも下方側へ突出している。ベース部81は、固定具92によって補助梁21に取り付けられている。保持部82は、補助梁21の下面210に沿って延在し、補助梁21の幅寸法以上の長さ(幅)を有している。保持部82は、補助梁21よりも前方側へ突出していてもよい。保持部82は、たとえば、補助梁21の下面210より支持部材6の天板部61の厚み分の隙間分離れて配置された2つの板状部材により形成されている。
当該工程において、支持部材6は、天板部61の後方側の一部のみが保持部82と補助梁21の下面210とに挟まれて保持されている。保持部材8は、支持部材6をこのような非係止位置にて保持可能とするために、保持部82の先端部上面側に、支持部材6の天板部61の後列側の貫通穴63に嵌まり込む凸部83を有していてもよい。
工程P5では、他方の既存柱12に被係止部材7を固定する。被係止部材7は、既存柱12の内側面120に当接されるベース部71と、ベース部71の上端部に連結された被係止部72とを含む。ベース部71には、複数の貫通穴が形成されており、これらの貫通穴に固定具92が貫通されることによって、被係止部材7が柱12に固定される。被係止部72は、支持部材6の立板部62の下端部を受入れて支持部材6を支持する。被係止部72は、保持部材8の保持部82の先端部に支持部材6が非係止位置にて保持された状態にあるとき、幅方向において支持部材6と重ならない位置に固定されている。
具体的には、被係止部72は、支持部材6の立板部62の下端部をスライド可能に支持する支持部721と、上下方向に延び、立板部62の内側面に当接される当接部722とを有している。当接部722は、既存柱12の内側面120から支持部材6の立板部62の厚み分だけ離れた位置に配置されている。当接部722の幅は、補助梁21の幅寸法よりも短い。より望ましくは、当接部722の幅は、支持部材6の立板部62の幅方向に整列する貫通穴64間の間隔よりも短いことが望ましい。なお、工程P2〜P5の順序は、上記例に限定されない。
工程P9では、補助梁21の他方側端部212が持ち上げられた状態で、支持部材6を後方側へスライド移動させる。補助梁21の他方側端部212が持ち上げられた直後は、図13に示されるように、支持部材6が非係止位置にて保持されているが、この状態で、げんのう等により前方から支持部材6を叩き付けることによって、支持部材6を補助梁21の下面210に沿って後方へスライドさせる。これにより、支持部材6は、図14に示されるように、保持部材8によって係止位置にて保持され、被係止部材7に係止される。保持部材8および被係止部材7はそれぞれ補助梁21および既存柱12に固定されているため、保持部材8に保持された支持部材6が被係止部材7に係止されると、補助梁21の他方側端部212の位置は取り付け位置にて保持される。つまり、補助梁21の他方側端部212は既存柱12に仮固定される。なお、補助梁21の取り付け位置とは、補助梁21が取り付けられるべき幅方向の位置を表わす。
工程P10Aでは、図14に示した状態で、支持部材6を補助梁21の他方側端部212および既存柱13に固定(本固定)する。ここでも、支持部材6の貫通穴63,64を貫通するように固定具(図示せず)が、補助梁21の下面210および既存柱13の内側面130に挿通されることによって固定される。前工程で補助梁21は既存柱12に仮固定されているため、作業者自身が補助梁21を支えなくても支持部材6の固定作業を行うことができる。
工程P11では、保持部材8および被係止部材7を取り外す。これにより、保持部材8および被係止部材7を使い回すことができるため、補強工事のコストを抑えることができる。
上記実施の形態1では、補助梁21の他方側端部212の固定作業中も補助梁21の荷重を支えておく必要があったが、上述のように、仮固定具としての保持部材8および被係止部材7を用いることで、補助梁21の他方側端部212を既存柱12に仮固定することができる。したがって、本実施の形態によれば、補助梁21の他方側端部212の本固定も少人数で安全に行うことができる。また、補助梁21の他方側端部212の本固定を正確に行うことができる。なお、保持部材8および被係止部材7だけでなく、本固定に用いられる係止部材(支持部材6)を含めたユニットを、仮固定具として提供することもできる。
なお、本実施の形態でも、補助梁21の一方側端部211は、被係合部材4および係合部材5を用いて既存柱13に固定されることとしたが、補助梁21の一方側端部211の既存柱13への固定は、他の部材により実現されてもよい。また、本実施の形態では、支持部材6の本固定が終われば保持部材8および被係止部材7を取り外すこととしたが、取り外さなくてもよい。
また、被係止部材7は、支持部材6をスライド移動可能に支持し、かつ、支持部材6が取り付け位置(係止位置)に配置された状態で、支持部材6の複数の貫通穴64の少なくとも一部が露出されるように構成されていれば、上記構造に限定されない。
また、保持部材8は、支持部材6を、係止位置および非係止位置の双方において補助梁21との間に挟み込んで保持することができ、かつ、支持部材6が取り付け位置(係止位置)に配置された状態で、支持部材6の複数の貫通穴63の少なくとも一部が露出されるように構成されていれば、上記構造に限定されない。保持部材8の他の構造例を以下に示す。
図15および図16は、本実施の形態で用いられる保持部材の他の構造例を示す図である。図15には、保持部材8Aが支持部材6を非係止位置にて保持している状態が示され、図16には、保持部材8Aが支持部材6を係止位置にて保持している状態が示されている。図15および図16を参照して、保持部材8Aは、ベース部81Aおよび保持部82Aを含む。ベース部81Aは、補助梁21の下面210に当接し、補助梁21の幅方向に延びている。ベース部81Aは、補助梁21の前方側に突出している。保持部82Aは、ベース部81Aの奥行方向外側端部に連結されている。
保持部82Aは、支持部材6の天板部61の先端部(奥行方向内側端部)を受入れて支持部材6を支持する。保持部82Aは、支持部材6の移動ガイドとしても機能する。具体的には、保持部82Aは、幅方向に沿って延び、支持部材6の天板部61の先端部に当接される当接部821と、水平方向に延在し、立板部62を下方から支持する支持部822とを有している。また、保持部82Aの支持部822は、支持部材6の貫通穴に嵌合する凸部83を有さず、摩擦により支持部材6を非係止位置にて保持している。
本例によれば、保持部材8Aが補助梁21の他方側端部212に固定された場合、支持部材6を非係止位置から係止位置に変位させる際に、支持部材6の天板部61の先端部と当接部821との当接状態を保ったままスライドさせることができる。そのため、支持部材6をげんのうで叩いているうちに、支持部材6の向きがずれてしまうことを防止することができる。
<実施の形態3>
上記実施の形態1では、補助梁の一方側端部を既存梁の直下の位置に持ち上げて、その取り付け位置(正規位置)にて既存柱に支持させる構成であった。これに対し、本実施の形態では、補助梁の一方側端部がその取り付け位置よりも側方側に位置した状態でも既存柱に支持される構成である。以下に、実施の形態1との相違点のみ詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において、一方の既存柱13に固定された被係合部材4Cを示す斜視図である。図18は、本実施の形態において、他方の既存柱12に固定された支持具3を示す斜視図である。
ここでまず、他方の既存柱12に固定された支持具3の構造例について説明する。本実施の形態では、支持具3として、たとえば、特願2013−1869989号として出願済の支持具を用いている。図18を参照して、支持具3は、たとえば略L字形状を有しており、略水平に配置される板状部(以下「水平板部」という)31と、水平板部31に直交し、既存柱12に固定される板状部(以下「垂直板部」という)32とを含む。取り付け状態において、水平板部31の奥行方向端部が、垂直板部32の上端部に連結されている。支持具3は、剛性を有する材料、たとえば鋼材により形成されている。
本実施の形態では、水平板部31が、既存梁15の下面から補助梁21の高さ寸法(図4の「L3」)以上離れた位置に配置されている。支持具3における水平板部31の上面(すなわち水平面)310は、補助梁21の他方側端部212が本置きされる正規位置311と、補助梁21の他方側端部212が仮置きされる仮置き位置312とを有している。水平板部31の正規位置311が、既存梁15の下面に対向するように配置され、仮置き位置312が、既存梁15よりも側方(前方側)に突出するように配置されている。たとえば、正規位置311の幅は、補助梁21の幅寸法(図4の「L2」)と略同一であり、仮置き位置312の幅は、補助梁21の幅寸法以上である。なお、水平板部31における、仮置き位置312側の幅方向端縁には、仮置き位置312からの補助梁21の転倒を防止するために、上面310から立ち上がる立上片35などが設けられていてもよい。
垂直板部32の幅は水平板部31の幅と同じであるため、垂直板部32も、既存柱12の内側面120に当接する部分と、既存柱12の側方(前方側)に突出する部分とを有している。水平板部31の正規位置311、および、垂直板部32の当接部分には、固定具93が挿通される複数の貫通穴34が設けられている。なお、図18では、水平板部31の仮置き位置312および垂直板部32の非当接部分にも、複数の貫通穴34が設けられている。
図17を参照して、被係合部材4Cは、基本的には図3に示した被係合部材4と同様の構造を有しているが、その幅が異なる。被係合部材4Cの幅は、たとえば、支持具3の幅と略同一であり、補助梁21の幅寸法の2倍以上である。被係合部材4Cの軸(被係合部42)の外周面は、幅方向において既存梁15の真下に位置する正規位置421と、既存梁15よりも側方(前方側)に張出した仮置き位置422とを有している。正規位置421の幅は、補助梁21の幅寸法と略同一であり、仮置き位置422の幅は、補助梁21の幅寸法以上である。被係合部材4Cの仮置き位置422側の幅方向端縁には、仮置き位置422からの補助梁の転倒を防止するために、軸(被係合部42)よりも上方に立ち上がる立上片(図示せず)などが設けられることが望ましい。
なお、支持具3の仮置き位置312および被係合部材4Cの仮置き位置422の幅は、補助梁21の幅寸法よりも小さくてもよい。つまり、支持具3において、仮置き位置312と正規位置311とは部分的に重なっていてもよい。同様に、被係合部材4Cにおいて、仮置き位置422と正規位置421とは部分的に重なっていてもよい。
図19は、本実施の形態における梁補強方法の工程順序を示すフローチャートである。なお、図19において実施の形態1と同様の作業を行う固定については、図5と同じ工程番号を付けてある。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図19を参照して、本実施の形態では、図5に示した工程に加え、工程P5B,P9Bの作業が追加されている。また、図5の工程P6,P8,P10の作業に代えて、工程P6B,P8B,P10Bの作業が行われる。
工程P5Bでは、他方の既存柱12に支持具3が固定される。本実施の形態では、支持具3の水平板部31の上面(水平面)310が、補助梁21の高さ寸法以上、既存梁15の下面より下方に配置される。支持具3は、たとえば、複数の固定具93が、垂直板部32の内側面側から貫通穴34を貫通するように既存柱12に打ち込まれることによって固定される。このように固定されることで、支持具3の水平板部31のうち仮置き位置312の部分のみが、既存梁15の側方側へ張出される。既存柱12,13に、それぞれ、支持具3および被係合部材4Cが固定された状態(上方から見た状態)が、図20において模式的に示されている。
工程P6Bでは、補助梁21の一方側端部211を持ち上げ、補助梁21側の係合部52を、被係合部材4Cの被係合部42の仮置き位置422に引掛ける。工程P8Bでは、補助梁21の他方側端部212を持ち上げ、支持具3の仮置き位置312に仮置きする。本実施の形態では、上述のように、被係合部材4Cの仮置き位置422と支持具3の仮置き位置312との幅は略同一である。そのため、たとえば次のような手順で、補助梁21の他方側端部212が仮置きされる。すなわち、まず、補助梁21の他方側端部212が支持具3の水平板部31付近まで持ち上げられた段階で、補助梁21を一方の既存柱13側に少しスライドさせる。そして、他方側端部212を支持具3の上面310よりも上方に持ち上げてから、補助梁21を他方の既存柱12側に戻すようにして支持具3の仮置き位置312に他方側端部212を載置する。これにより、補助梁21が、取り付け位置よりも側方かつ取り付け高さにて、既存柱12,13に支持される。このときに、補助梁21の一方側端部211の係合部52が被係合部材4Cの被係合部42の仮置き位置422に係合された状態が図21に示され、補助梁21の他方側端部212が支持具3の仮置き位置312に載置された状態が図22に示される。なお、本実施の形態では、中間柱14はこの工程の後に撤去されてもよい。
工程P9Bでは、図23に示されるように、補助梁21の両端部を正規位置311,421に向けてスライド移動させる。具体的には、補助梁21の側面を叩くなどして、補助梁21を既存梁15に隣接する取り付け位置(すなわち、既存梁15の真下)に移動させる。これにより、補助梁21の一方側端部211の係合部52は、被係合部材4Cの被係合部42との係合状態を保ったまま、仮置き位置422から正規位置421に移動し、補助梁21の他方側端部212は、支持具3の上面310上を仮置き位置312から正規位置311に移動する。
工程P10Bでは、補助梁21の他方側端部212と支持具3とを固定する。より具体的には、固定具93が、支持具3の水平板部31の下面側から正規位置311の貫通穴34を貫通するように、補助梁21の下面210に打ち込まれる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、一旦、補助梁21の両端部を取り付け高さにて仮置きすることができる。したがって、既存梁15の直下に隙間なく補助梁21を取り付ける場合でも、既存梁15の下面に補助梁21の上角が干渉することがないため、補助梁21の加工(上角の切断)をする必要がない。
なお、本実施の形態では、実施の形態1で示した被係合部材4および係合部材5を用いたが、実施の形態1の変形例1,2に示した被係合部材4A,4Bおよび係合部材5A,5Bを用いてもよい。
また、本実施の形態では、被係合部42の仮置き位置422の幅と支持具3の仮置き位置312の幅とは略同じであることとした。しかし、補助梁21の他方側端部212の仮置き位置312への載置を容易にするために、支持具3の仮置き位置312の幅を被係合部42の仮置き位置422の幅より小さくしてもよい。
なお、上記各実施の形態では、補助梁21の両端部は、一対の既存柱12,13間に配置されることとしたが、既存梁15の両端部に連結された一対の既存躯体部間に配置されていれば、既存柱12,13間でなくてもよい。この場合、各実施の形態において既存柱12,13に固定された部材は、一対の既存躯体部の対向面(内側面)に固定されていればよい。一対の既存躯体部は、互いに対向する対向面(内側面)を有しており、既存柱に加え、たとえば既存梁を含む。具体的には、たとえば上述の既存梁16,17が下方側に長い場合には、実施の形態1の被係合部材4は、一方の既存梁17に固定されてもよい。また、実施の形態2の被係止部材7、および、実施の形態3の支持具3は、他方の既存梁16に固定されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2,3 支持具、4,4A,4B,4C 被係合部材、5,5A,5B 係合部材、6 支持部材、7 被係止部材、8,8A 保持部材、11 土台、12,13 既存柱、14 中間柱(既存柱)、15,16,17 既存梁、21 補助梁、22 側板、31 水平板部、32 垂直板部、35 立上片、41,41A,51,71,81,81A ベース部、42,42A 被係合部、52,52A,52B 係合部、61 天板部、62 立板部、72 被係止部、82,82A 保持部、83 凸部、91,92,93 固定具、311,421 正規位置、312,422 仮置き位置、411 垂直部、412 水平部、413 立上部、420,520A 当接面、520 円弧面、721,822 支持部、722,821 当接部。

Claims (11)

  1. 建物における既存梁の下方に補助梁を配置し、前記既存梁に連結され互いに離れて配置された第1および第2の既存躯体部に前記補助梁の一方側端部および他方側端部をそれぞれ支持させることによって前記既存梁を補強する方法であって、
    前記補助梁の一方側端部に係合部を設ける工程と、
    前記係合部に係合される被係合部を有する被係合部材を、前記第1の既存躯体部に固定する工程と、
    前記補助梁の一方側端部を持ち上げて、前記係合部を、前記第1の既存躯体部に固定された前記被係合部材の前記被係合部に引掛ける工程と、
    前記係合部が前記被係合部に引掛けられた状態で、前記被係合部を支点として前記補助梁を回動させることにより前記補助梁の他方側端部を持ち上げる工程とを備える、梁補強方法。
  2. 前記係合部および前記被係合部の一方は、前記補助梁の回動軸心に沿って延びる軸であり、
    前記係合部および前記被係合部の他方は、前記軸の外周面に当接する当接を含む、請求項1に記載の梁補強方法。
  3. 前記係合部および前記被係合部の他方は、前記軸の中心から等距離にある複数の前記当接を含む、請求項2に記載の梁補強方法。
  4. 前記当接部は、前記軸の外周面に沿う円弧面により構成される、請求項3に記載の梁補強方法。
  5. 前記第1の既存躯体部に固定された前記被係合部材が、前記軸を有しており、
    前記当接を有する前記係合部は、前記補助梁の一方側端部に固定された係合部材に含まれる、請求項2〜4のいずれかに記載の梁補強方法。
  6. 前記引掛ける工程では、前記係合部が、前記被係合部のうち前記第1の既存躯体部から側方に突出した仮置き位置に引掛けられ、
    前記補助梁の他方側端部が持ち上げられた後、前記係合部を前記被係合部の正規位置にまでスライド移動させることによって、前記補助梁を前記既存梁の真下に配置する工程をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の梁補強方法。
  7. 前記補助梁の他方側端部には、係止位置と非係止位置との間を変位し得るように係止部材が予め保持されており、
    前記第2の既存躯体部に、前記係止位置のときに前記係止部材に係止し得る被係止部材を予め取付ける工程と、
    前記補助梁の他方側端部を持ち上げた状態で、前記第2の既存躯体部に取付けられた前記被係止部材に前記係止部材を係止させて、前記補助梁の他方側端部の位置を保持することによって、前記補助梁の他方側端部を前記第2の既存躯体部に仮固定する工程とをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の梁補強方法。
  8. 前記仮固定する工程では、前記補助梁の他方側端部を持ち上げた状態で、前記係止部材を、前記非係止位置から前記係止位置にスライドさせることによって、前記被係止部材に前記係止部材を係止させる、請求項7に記載の梁補強方法。
  9. 建物における既存梁の下方に補助梁を配置し、前記既存梁に連結され互いに離れて配置された第1および第2の既存躯体部に、前記補助梁の一方側端部および他方側端部をそれぞれ支持させることによって前記既存梁を補強する方法であって、
    前記補助梁の他方側端部に、前記補助梁の下面に沿ってスライド可能な係止部材を係止位置と非係止位置との間を変位し得るように保持する保持部材を取付ける工程と、
    前記第2の既存躯体部に、係止位置のときに前記係止部材に係止し得る被係止部材を予め取付ける工程と、
    前記補助梁の一方側端部が持ち上げられ、かつ、前記保持部材によって前記係止部材が非係止位置にて保持された状態で、前記補助梁の他方側端部を持ち上げる工程と、
    前記補助梁の他方側端部が持ち上げられた状態で、前記第2の既存躯体部に取付けられた前記被係止部材に向けて前記係止部材をスライド移動させ、前記係止部材を前記被係止部材に係止させることによって、前記補助梁の他方側端部を前記第2の既存躯体部に対して仮固定する工程とを備える、梁補強方法。
  10. 建物における既存梁を補強するための梁補強構造であって、
    前記既存梁に連結され互いに離れて配置された一対の既存躯体部と、
    前記既存梁の下方に配置され、その一方側端部および他方側端部が前記一対の既存躯体部にそれぞれ支持される補助梁と、
    前記補助梁の一方側端部に設けられた係合部と、
    前記一対の既存躯体部のうち一方側の既存躯体部に固定され被係合部材とを備え
    前記被係合部材は、前記係合部に係合される部分であって、前記係合部が引掛けられた状態で前記補助梁の他補側端部が持ち上げられる際に前記補助梁の回動の支点となる被係合部を有する、梁補強構造。
  11. 建物における既存梁の下方に配置される補助梁の一方側端部を、前記既存梁に連結され互いに離れて配置された一対の既存躯体部のうちの一方側の既存躯体部に支持させるための補助梁支持具であって、
    前記補助梁の一方側端部に固定され、係合部を有する係合部材と、
    前記一対の既存躯体部のうち一方側の既存躯体部に固定され被係合部材とを備え
    前記被係合部材は、前記係合部に係合される部分であって、前記係合部が引掛けられた状態で前記補助梁の他補側端部が持ち上げられる際に前記補助梁の回動の支点となる被係合部を有する、補助梁支持具。
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