JP6869096B2 - 木質耐震壁 - Google Patents

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本発明は、構造物に設置される木質耐震壁に関するものであり、特に、直交集成板(CLT:Cross Laminated Timber)を壁体に用いた木質耐震壁に関するものである。
従来、CLTと呼ばれる直交集成板が知られている。CLTは、ひき板または小角材(これらをその繊維方向を互いにほぼ平行にして長さ方向に接合接着して調整したものを含む。以下、ラミナということがある。)をその繊維方向を互いにほぼ平行にして幅方向に並べ、または接着したものを、主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして積層接着し3層以上の構造を持たせた木質板材であり、耐震・耐火性能が高いという特長がある。
このCLTを壁体に用いたCLT耐震壁は、CLTからなる床スラブを介して上下階のCLT耐震壁と金物にて緊結することで、耐震壁としての性能を確保することが告示等で要請されている。
一方、従来の木質耐震壁として、例えば特許文献1に記載の構造が知られている。
特開2015−218462号公報
しかしながら、木質中高層建物を合理的に計画するに当たっては、上記のようなCLT要素のみによる構造体の構築は耐震性能確保の観点から難しく、木質以外の構造体とのハイブリッド化が現実的であり、かつCLT耐震壁自体にも相応の抵抗力(壁倍率)が求められる。一例として梁を鉄骨もしくはRC(鉄筋コンクリート)構造とし、そこにCLT耐震壁を接合することが考えられる。この場合、CLT耐震壁は上下の梁に直接接合する必要があるが、通常のドリフトピンもしくはLSB(ラグスクリューボルト)等による接合とした場合、初期剛性の不足やCLT接合部の脆性破壊等のためにその性能を十分に発揮できないおそれがある。このため、剛性、靱性、耐力のいずれにも優れた構造が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、剛性、靱性、耐力に優れた木質耐震壁を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る木質耐震壁は、CLTからなる壁体を備え、この壁体の上端と下端が鉄骨または鉄筋コンクリートからなる上梁と下梁に梁接合部を介してそれぞれ接合された木質耐震壁であって、梁接合部は、上梁または下梁に固定され、壁体に向けて突出する梁側の鋼板と、壁体の上端または下端から上梁または下梁に向けて突出するとともに壁体の内部に挿入配置される壁体内部側の鋼板と、これらの鋼板を接合するボルトと、壁体の上端面または下端面に配置され、壁体内部側の鋼板に接合する端面側の鋼板とを含んで構成され、壁体と壁体内部側の鋼板は、これらを貫通して配置される棒状の鋼製部材によって一体的に固定され、壁体と端面側の鋼板は、端面側の鋼板の外側から壁体の内部に挿入配置される外周にねじが形成された棒状のねじ付き鋼製部材によって一体的に固定されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の木質耐震壁は、上述した発明において、壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材と、壁体と端面側の鋼板を固定する棒状のねじ付き鋼製部材とは、交互に隣接して配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の木質耐震壁は、上述した発明において、ねじ付き鋼製部材は、CLTの繊維方向と直交する方向に挿入配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の木質耐震壁は、上述した発明において、梁接合部は、壁体の上下左右の四隅に設置されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の木質耐震壁は、上述した発明において、壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材は、降伏が生じる破壊モードで破壊する部材であることを特徴とする。
本発明に係る木質耐震壁によれば、CLTからなる壁体を備え、この壁体の上端と下端が鉄骨または鉄筋コンクリートからなる上梁と下梁に梁接合部を介してそれぞれ接合された木質耐震壁であって、梁接合部は、上梁または下梁に固定され、壁体に向けて突出する梁側の鋼板と、壁体の上端または下端から上梁または下梁に向けて突出するとともに壁体の内部に挿入配置される壁体内部側の鋼板と、これらの鋼板を接合するボルトと、壁体の上端面または下端面に配置され、壁体内部側の鋼板に接合する端面側の鋼板とを含んで構成され、壁体と壁体内部側の鋼板は、これらを貫通して配置される棒状の鋼製部材によって一体的に固定され、壁体と端面側の鋼板は、端面側の鋼板の外側から壁体の内部に挿入配置される外周にねじが形成された棒状のねじ付き鋼製部材によって一体的に固定されるので、剛性、靱性、耐力に優れた木質耐震壁を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材と、壁体と端面側の鋼板を固定する棒状のねじ付き鋼製部材とは、交互に隣接して配置されるので、棒状の鋼製部材と棒状のねじ付き鋼製部材のそれぞれの拘束効果により壁体の割裂破壊を遅らせて強度、靱性を高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、ねじ付き鋼製部材は、CLTの繊維方向と直交する方向に挿入配置されるので、繊維方向に挿入配置した場合と比較して最大耐力時の変形を大きくすることができ、棒状の鋼製部材(ドリフトピン)の耐力発揮との同時性を実現することが可能となる。このため、木質耐震壁の耐力をより高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、梁接合部は、壁体の上下左右の四隅に設置されるので、壁体が負担するせん断力、付加曲げモーメント偶力による軸方向力を処理可能な応力伝達機構を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材は、降伏が生じる破壊モードで破壊する部材であるので、靱性的な破壊が可能となり、木質耐震壁の靱性をより高めることができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る木質耐震壁の実施の形態を示す正面図である。 図2は、図1のA部分の拡大図である。 図3は、図1のB−B線に沿った断面図である。 図4は、本発明の効果の検証実験に使用した試験体を示す正面図である。 図5は、実験結果の履歴ループを示す図である。 図6は、接合部付近の最終破壊状態(実施例1の場合)を示す写真図である。 図7は、壁倍率計算結果を示す図である。
以下に、本発明に係る木質耐震壁の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図3に示すように、本発明の実施の形態に係る木質耐震壁100は、CLTからなる壁体10を備え、この壁体10の上端と下端が上梁12と下梁14に梁接合部16を介してそれぞれ接合された矩形の壁である。CLTの繊維方向は鉛直面内の方向としてある。なお、本実施の形態では、壁体10の高さ300cm程度、幅200cm程度、壁厚20cm程度(7層7プライ)を想定しているが、本発明はこれに限るものではない。また、本実施の形態の上梁12および下梁14はH形鋼(鉄骨)で構成されているが、本発明の上梁12および下梁14はこれに限るものではなく、別の形態の鉄骨や鉄筋コンクリートなどで構成されていてもよい。
梁接合部16は、壁体10の上下左右の四隅に配置されている。上下左右の梁接合部16は同じ構造であるため、以下においては、壁体10の左上側(図1のA部分)の梁接合部16を例にとり説明する。
図2および図3に示すように、梁接合部16は、上梁12に固定され、壁体10に向けて突出するプレート18(梁側の鋼板)と、壁体10の上端から上梁12に向けて突出するとともに壁体10の内部に挿入配置されるプレート20(壁体内部側の鋼板)とを備える。壁体内部側のプレート20は壁厚方向の中央に配置される。プレート18、20は上下に突き合わされており、その前後面にはプレート18、20を跨ぐ形でプレート22が配置される。各プレート18、20、22は貫通孔に通された複数の高力ボルト24によって接合されている。壁体10の外側においてプレート20の左右縁にプレート26が溶接しており、上梁12側のプレート18の左右縁にもプレート28が溶接している。これらプレート26、28同士もプレート30と複数の高力ボルト32によって接合されている。一方、壁体10の上端面にはプレート34(端面側の鋼板)が当接配置されており、このプレート34と壁体内部側のプレート20は溶接されている。
壁体10と壁体内部側のプレート20には、それぞれ対応する位置に水平方向の貫通孔が格子点状に複数設けられており、各貫通孔には連結用のドリフトピン36(棒状の鋼製部材)が通されている。このドリフトピン36によって壁体10と壁体内部側のプレート20は一体的に固定されている。ドリフトピン36は、それ自体に降伏が生じる降伏モード(例えば降伏モードIII、IV)で破壊する仕様となっている。このため、靱性的な破壊が可能となり、木質耐震壁100の靱性をより高めることができる。なお、ドリフトピン36の代わりにボルトなどの円形鋼棒型の接合具を用いてもよいが、接合具に降伏が生じる降伏モードの接合具を用いることが好ましい。また、割裂に対する補強のためにビス38等をさらに追加してもよい。なお、図の例では、ドリフトピン36が正面視で上下方向に2列、左右方向に3列、それぞれ若干の間隔をあけて配置されているが、本発明はこれに限るものではない。
また、端面側のプレート34には貫通孔が複数設けられており、各貫通孔から壁体10の内部に向けてLSB40(棒状のねじ付き鋼製部材)が挿入配置されている。このLSB40は外周に雄ねじが加工された鋼棒からなる。LSB40の上端部には図示しない開口が形成されており、この開口に連通する中空孔の内周面に雌ねじが加工されている。LSB40の開口が壁体10の端面側に露出するように、壁体10にねじ込んで固定しておき、端面側のプレート34の貫通孔からLSB40の雌ねじにボルト42を螺合することによって、壁体10と端面側のプレート34は一体的に固定される。このLSB40は、CLTの繊維方向Xと直交する方向(繊維直交層)に挿入することが好ましく、本実施の形態でもそのような配置となっている。これにより、LSB40を繊維方向Xに挿入配置した場合と比較して最大耐力時の変形を大きくすることができ、棒状の鋼製部材(ドリフトピン)の耐力発揮との同時性を実現することが可能となる。このため、木質耐震壁100の耐力をより高めることができる。
LSB40は、ドリフトピン36同士の間に配置される。つまり、LSB40とドリフトピン36は交互に隣接して配置される。このようにすることで、LSB40とドリフトピン36のそれぞれの拘束効果により壁体10の割裂破壊を遅らせて強度、靱性を高めることができる。なお、図の例では、LSB40が平面視で前後方向に2列、左右方向に4列、それぞれ若干の間隔をあけて配置されているが、本発明はこれに限るものではない。
なお、本実施の形態では、壁体10に対する壁体内部側のプレート20の埋込長350mm、幅500mm、厚さ12mm程度を想定し、端面側のプレート34の壁厚方向の長さ210mm、幅550mm、厚さ32mm程度を想定している。また、ドリフトピン36の長さ210mm、径φ32mm程度を想定し、壁体10に対するLSB40の埋込長L=780mm程度、LSB40の径φ24mm程度を想定している。さらに、LSB40の埋込長Lを壁体内部側のプレート20の埋込長の2倍程度として想定し、隣り合うLSB40とドリフトピン36の間隔として50mm程度を想定しているが、本発明はこれらの寸法に限るものではない。上記の各プレート20、34等の寸法および埋込長、LSB40、ドリフトピン36の配置数、配置間隔、位置、埋込長等については、要求される耐力性能に応じて適宜選択可能である。
このように、本実施の形態では、梁接合部16でLSB40とドリフトピン36を独立して直列的に併用している。このため、本実施の形態によれば、通常用いられるLSBとドリフトピンとの組み合わせでありながら、その相乗効果により剛性、靱性、耐力のいずれにも優れるCLT耐震壁(木質耐震壁)が実現可能となる。例えば上記の実施の形態の仕様では、壁倍率が120倍程度は見込めるので、中高層木質構造の耐震要素として十分に期待できる。
また、梁接合部16を、壁体10の上下左右の四隅に設置することで、せん断力、および付加曲げモーメント偶力による軸方向力を処理することができる。この応力伝達機構は木質耐震壁100の厚さや幅によらず同じであり、プロポーションによらず常にこのディテールを用いた汎用的な設計、納まりを実現することが可能となる。
一般に、木質壁を架構内に耐震要素として組み込む場合、壁体自体に先行してその接合部の破壊が進行する。このため、木質中高層建物の実現に際しては、壁体の性能を最大限に引き出すために梁と壁体の接合部における強度と靱性の両方をいかに確保するかがポイントとなる。その接合要素として一般的なものにLSB、GIR(グルードインロッド)およびドリフトピン等がある。このうちLSB、GIRはその機構上設置時のガタがないため初期剛性が高く耐力も期待できるが、破壊が木材の割裂等で決まるため脆性的になりやすい(GIRの径を細くすることで靱性的な鋼材破断モードとすることもできるが、必然的に確保できる耐力に限界が生じる)。一方、ドリフトピンはそれ自体が降伏する破壊モードとなるように設計すれば靱性的な破壊が可能となるが、ガタ等の影響で初期剛性が低く、また曲げ系の破壊となるため耐力も不足するケースが多い。これらの問題に対して、本実施の形態では、CLT耐震壁(木質耐震壁100)に対してLSB40とドリフトピン36を効果的に配置することで以下のように解決し、剛性、靱性、耐力いずれにも優れる機構を実現している。
まず、壁体10にラミナが直交するCLTを用いることにより、割裂を生じにくい機構としている。また、軸力をLSB40で、せん断力をドリフトピン36で処理すると考えれば、例えばドリフトピン36をLSB40の位置から独立させて壁体10の中央部に配置することも可能であるが、本実施の形態では両者を交互に隣接して配置しているため、それぞれの拘束効果により壁体10の割裂破壊を遅らせて強度、靱性を高めることが可能となっている。
抵抗機構としては、まずガタのないLSB40が初期発生応力に対して抵抗することで高い初期剛性を発揮する。その後、壁体10の負担せん断力の増加に伴ってLSB40の負担応力も増すが、上述したようにLSB40はCLTの繊維直交層に挿入しているため、繊維方向Xに挿入する場合と比較して最大耐力時の変形が大きく(例えば繊維方向2〜3mmに対して繊維直交方向6〜7mm)、変形が進むにつれて初期剛性の低いドリフトピン36もLSB40と同時に徐々に抵抗力を発揮していく。
最終的な破壊形式は、梁接合部16付近の木破となるが、上記の通り初期段階ではLSB40が負担していた応力を徐々にドリフトピン36にも移行させるため、大変形に至るまでの各変形領域を通して耐力の落ち込み等のないスムーズな復元力特性の実現が可能となる。
したがって、本実施の形態によれば、以上に示したCLT、LSB、ドリフトピンの相乗効果により、最終的に変形角1/30付近まで耐力低下を生じない高い靱性を有し、さらに壁倍率100倍を超える高い耐力も併せ持つ機構の実現が可能となる。
(本発明の効果の検証)
次に、本発明の効果を検証するために行った実験と、この実験による検証結果について説明する。
本実験は、実寸大CLT耐震壁に対する水平加力実験によってその性能確認を行ったものである。図4に、本実験に用いた試験体の形状および寸法を示す。CLT壁厚は210mm(7層7プライ)とし、壁体の上下左右の4箇所に梁接合部を配置した。また、壁体内部に挿入する鋼板の厚さは12mmとした。ドリフトピンはφ32mmのものを1箇所あたり6本配置した。LSBはφ25mmのものを1箇所あたり8本配置した。LSB埋込長Lは、実施例1では600mmとし、実施例2では500mmとした。
実験結果の履歴ループを図5に、梁接合部付近の最終破壊状態(実施例1の場合)を図6に、また壁倍率計算結果を図7に示す。これらの図に示すように、最終破壊形式は木破となっているにも関わらず、変形角1/30付近まで耐力低下を生じず、かつ壁倍率120を超える高性能な機構が実現されていることが分かる。
以上説明したように、本発明に係る木質耐震壁によれば、CLTからなる壁体を備え、この壁体の上端と下端が鉄骨または鉄筋コンクリートからなる上梁と下梁に梁接合部を介してそれぞれ接合された木質耐震壁であって、梁接合部は、上梁または下梁に固定され、壁体に向けて突出する梁側の鋼板と、壁体の上端または下端から上梁または下梁に向けて突出するとともに壁体の内部に挿入配置される壁体内部側の鋼板と、これらの鋼板を接合するボルトと、壁体の上端面または下端面に配置され、壁体内部側の鋼板に接合する端面側の鋼板とを含んで構成され、壁体と壁体内部側の鋼板は、これらを貫通して配置される棒状の鋼製部材によって一体的に固定され、壁体と端面側の鋼板は、端面側の鋼板の外側から壁体の内部に挿入配置される外周にねじが形成された棒状のねじ付き鋼製部材によって一体的に固定されるので、剛性、靱性、耐力に優れた木質耐震壁を提供することができる。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材と、壁体と端面側の鋼板を固定する棒状のねじ付き鋼製部材とは、交互に隣接して配置されるので、棒状の鋼製部材と棒状のねじ付き鋼製部材のそれぞれの拘束効果により壁体の割裂破壊を遅らせて強度、靱性を高めることができる。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、ねじ付き鋼製部材は、CLTの繊維方向と直交する方向に挿入配置されるので、繊維方向に挿入配置した場合と比較して最大耐力時の変形を大きくすることができ、棒状の鋼製部材(ドリフトピン)の耐力発揮との同時性を実現することが可能となる。このため、木質耐震壁の耐力をより高めることができる。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、梁接合部は、壁体の上下左右の四隅に設置されるので、壁体が負担するせん断力、付加曲げモーメント偶力による軸方向力を処理可能な応力伝達機構を実現することができる。
また、本発明に係る他の木質耐震壁によれば、壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材は、降伏が生じる破壊モードで破壊する部材であるので、靱性的な破壊が可能となり、木質耐震壁の靱性をより高めることができる。
以上のように、本発明に係る木質耐震壁は、CLTを壁体に用いた木質耐震壁に有用であり、特に、剛性、靱性、耐力に優れた木質耐震壁を提供するのに適している。
10 壁体
12 上梁
14 下梁
16 梁接合部
18,20,22,26,28,30,34 プレート(鋼板)
24,32 高力ボルト
36 ドリフトピン(棒状の鋼製部材)
38 ビス
40 LSB(棒状のねじ付き鋼製部材)
42 ボルト
100 木質耐震壁
X 繊維方向

Claims (5)

  1. CLTからなる壁体を備え、この壁体の上端と下端が鉄骨または鉄筋コンクリートからなる上梁と下梁に梁接合部を介してそれぞれ接合された木質耐震壁であって、
    梁接合部は、上梁または下梁に固定され、壁体に向けて突出する梁側の鋼板と、壁体の上端または下端から上梁または下梁に向けて突出するとともに壁体の内部に挿入配置される壁体内部側の鋼板と、これらの鋼板を接合するボルトと、壁体の上端面または下端面に配置され、壁体内部側の鋼板に接合する端面側の鋼板とを含んで構成され、
    壁体と壁体内部側の鋼板は、これらを貫通して配置される棒状の鋼製部材によって一体的に固定され、
    壁体と端面側の鋼板は、端面側の鋼板の外側から壁体の内部に挿入配置される外周にねじが形成された棒状のねじ付き鋼製部材によって一体的に固定されることを特徴とする木質耐震壁。
  2. 壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材と、壁体と端面側の鋼板を固定する棒状のねじ付き鋼製部材とは、交互に隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の木質耐震壁。
  3. ねじ付き鋼製部材は、CLTの繊維方向と直交する方向に挿入配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の木質耐震壁。
  4. 梁接合部は、壁体の上下左右の四隅に設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の木質耐震壁。
  5. 壁体と壁体内部側の鋼板を固定する棒状の鋼製部材は、降伏が生じる破壊モードで破壊する部材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の木質耐震壁。
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