JP7254590B2 - 制振壁 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 旭化成ホームズ株式会社が、2018年6月26日付で、出願に係る発明を、旭化成住宅建設、カミモト工業及びオーシカに施工させることにより公開。
本発明は、制振壁に関する。
従来から、地震時の建物の振動を速やかに減衰させる制振構造が提案されている。例えば、特許文献1には、建物の躯体に、高摩擦材を介して、カーテンウォールを取り付けることで、建物全体の剛性の向上させる防振構造が開示されている。
特開2002-088956号公報
一方、近年、CO2削減等の環境配慮の観点から、住宅だけでなく多用途の中高層建物にも木材利用の促進が求められている。
しかしながら、特許文献1の技術では、地震等による振動によって、建物から壁パネルに所定量以上のせん断応力が加えられた場合に、摩擦ダンパーに滑りが生じ、建物の躯体及び摩擦ダンパーと壁パネルとが相対的に変位した状態で固定される。このため、壁パネルを木製の壁パネルとした場合、建物の躯体及び摩擦ダンパーと壁パネルとが相対的に変位した状態で固定され、摩擦ダンパーから壁パネルに応力が加えられることで、壁パネルの変形又は破損する恐れがあった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、地震等の振動で加えられるせん断応力により木質パネルが変形又は破損する恐れを低減させた、制振壁を提供することである。
本発明に係る制振壁は、建物の上階の梁と下階の基礎又は梁との間に設置される制振壁であって、木質パネルと、摩擦ダンパーである第1のダンパーと、粘弾性ダンパー、粘性ダンパー、又はオイルダンパーである第2のダンパーと、を備え、前記第1のダンパーと前記第2のダンパーとは、直列に接続されている。
本発明に係る制振壁では、前記木質パネルの少なくとも1つの小口面には、接合部材が接着固定されていることが好ましい。
本発明に係る制振壁では、前記接合部材は、鉄筋を有し、前記鉄筋は、前記小口面に設けられた長孔に挿入されて、前記木質パネルと接着固定されていることが好ましい。
本発明に係る制振壁では、前記木質パネルの前記接合部材は、前記下階の基礎又は梁にボルト接合されることが好ましい。
本発明に係る制振壁では、前記木質パネルの前記接合部材は、前記第1のダンパー及び前記第2のダンパーを含むダンパー装置にボルト接合されていることが好ましい。
本発明に係る制振壁では、前記ダンパー装置は、前記上階の梁にボルト接合されることが好ましい。
本発明によれば、地震等の振動で加えられるせん断応力により木質パネルが変形又は破損する恐れを低減させた、制振壁を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る制振壁を、梁及び基礎に設置した状態で示す、概略図である。 図1の制振壁の第1の要部の一部分解斜視図である。 図1の制振壁の第2の要部の一部分解斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る制振壁を、梁及び基礎に設置した状態で示す、概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る制振壁を、梁及び基礎に設置した状態で示す、概略図である。 本発明の第4の実施形態に係る制振壁を、梁及び基礎に設置した状態で示す、概略図である。
まず、本発明の第1の実施形態に係る制振壁について、図面を参照して説明する。各図面の記載において、同一又は類似の部品又は部分には、同一又は類似の符号を付している。
はじめに、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る制振壁1の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る制振壁1を、梁及び基礎に設置した状態で示す、概略図である。ここで、制振壁1が取り付けられる建物は、例えば、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造及びこれらの混構造等の建物である。このような建物は、例えば、地盤に支持された鉄筋コンクリート造の布基礎等である基礎構造体(基礎8)と、柱部材及び梁部材(梁9)等の軸組部材で構成された軸組架構を有し、基礎構造体に支持された上部構造体と、で構成されている。梁9は、例えば鉄骨であるが、鉄筋コンクリート又は木材等であってもよい。本実施形態では、制振壁1が、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置されるものとして説明するが、この限りではない。例えば、制振壁1は、建物の上階と下階に並ぶ2つの梁9の間に設置されてもよい。
上部構造体は、例えば、複数の柱部材及び柱部材間に架設された複数の梁部材から構成される軸組架構と、この軸組架構の外周部に配置される外壁と、軸組架構の内部に配置される間仕切壁と、を備える。なお、本発明に係る制振壁1は、屋内と屋外とを区画する外壁としても、建物の内部において空間を区画する間仕切壁としても採用することができる。
本実施形態に係る制振壁1は、木質パネル2、接合部材3、接合部材4、及びダンパー装置5を備える制振壁である。本実施形態において、ダンパー装置5は、摩擦ダンパーと粘弾性ダンパーとを含む装置とすることができる。図1において、制振壁1は、建物において互いに平行に延在している、上階の梁9と下階の基礎8との間に設置され、当該梁9及び基礎8に固定されている。より詳細には、制振壁1において、木質パネル2は、接合部材4を介してダンパー装置5と接続されており、かつ、接合部材3を介して下階の基礎8の上に固定されている。さらに、ダンパー装置5は、上階の梁9に固定されている。
本明細書において、木質パネル2の外表面のうち最も表面積が大きい面を表面と称し、それ以外の面を小口面と称する。また、木質パネル2の表面において、制振壁1が設置されている上下に並ぶ基礎8及び梁9の延在する方向と平行な方向を幅方向と、幅方向に垂直な方向を長さ方向と、それぞれ称する。さらに、幅方向及び長さ方向に垂直な方向を厚さ方向という。木質パネル2における長さ方向は、当該木質パネル2を含む制振壁1が建物に設置された時には、建物の高さ方向となる。なお、本明細書において、「垂直」又は「平行」という記載は、それぞれ実質的に垂直又は平行である状態をも含むものとする。
本実施形態において、木質パネル2は、木質の厚板である。例えば、木質パネル2は、複数の長尺の木材21を互いに集成接着させた集成材とすることができる。複数の木材21の少なくとも1部は、木の繊維方向が木質パネル2の長さ方向に対して平行となるように配置されている。これによって、地震等の振動によって、木質パネル2に主として幅方向及び厚さ方向のせん断応力が加えられた場合に、木質パネル2が変形又は破損しにくくなる。木質パネル2は、例えば、複数の木材21が木質パネル2の幅方向に積層されて形成された、WOOD.ALC(登録商標)等の集成材であるが、これに限られず、CLT(Cross Laminated Timber)、またはLVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)等の任意の集成材であってもよい。木質パネル2は集成材に限られず、無垢木板等を含む、任意の木質材料であってもよい。
木質パネル2の形状は、略矩形であるが、これに限られない。木質パネル2の厚さは、略75mm以上とすることができる。さらに、木質パネル2の厚さを略12cm以上とすることによって、制振壁1は、制振性能を有するとともに、耐火性能を有し得る。また、木質パネル2は、軽量気泡コンクリート(ALC)製壁パネル等の鉄筋コンクリート製のパネルに比べて、パネル加工においてパネルに含まれる鉄筋の位置等に配慮する必要がなく、後述する長孔23を設ける加工をより広い範囲で実施し得る。
木質パネル2の少なくとも1つの小口面22には、接合部材3又は4が接着固定されている。接合部材3及び4は、木質パネル2と他の部材とを接合するための部材である。本実施形態では、基礎8に対向する木質パネル2の小口面22Aには、接合部材3が接着固定されており、梁9に対向する木質パネル2の小口面22Bには、接合部材4が接着固定されている。接合部材3及び4を構成する部材は、例えば鋼材であるが、これに限られず、エンジニアリングプラスチック等の任意の材料であってもよい。
以下に、図2及び図3を参照して、木質パネル2に接着固定される接合部材3及び4について説明する。
図2は、図1の制振壁1の第1の要部の一部分解斜視図である。本実施形態において、接合部材3は、木質パネル2の小口面22Aと対向する略矩形の面を有する鉄骨31である。鉄骨31の幅方向及び厚さ方向の長さは、木質パネル2の小口面22Aの幅方向及び厚さ方向の長さと略等しい。
接合部材3において、木質パネル2の小口面22Aと対向する鉄骨31の表面には、表面に対して垂直方向に延在している円柱形の鉄筋32が少なくとも1つ設けられている。更に、当該表面と反対側の表面には、少なくとも1つのボルト孔33が設けられている。
接合部材3の鉄筋32は、木質パネル2の小口面22Aに設けられた、小口面22Aに対して垂直方向に延在する長孔23Aに、エポキシ系接着剤等の接着剤と共に挿入されている。長孔23Aの開口の面積は、鉄筋32の断面積以上とすることができる。また、長孔23Aの長さは、鉄筋32の長さ以上とすることができる。このようにして、接合部材3は、木質パネル2の小口面22Aに接着固定されている。
図3は、図1の制振壁1の第2の要部の一部分解斜視図である。本実施形態において、接合部材4は、木質パネル2の小口面22Bと対向する略矩形の平板41の表面の厚さ方向略中央部分に、平板41に対して垂直方向に延在している略矩形の平板42が立設してなる、幅方向に垂直な断面がT字型の部材である。平板41の厚さ方向の長さは、木質パネル2の小口面22Bの厚さ方向の長さと略等しい。平板42の表面には、少なくとも1つのボルト孔43が設けられている。更に、接合部材4の平板41の、平板42が立設している表面と反対側の表面には、平板41に対して垂直方向に延在している円柱形の鉄筋44が少なくとも1つ設けられている。
接合部材4の鉄筋44は、木質パネル2の小口面22Bから小口面22Bに対して垂直方向に延在している長孔23Bに、エポキシ系接着剤等の接着剤と共に挿入されている。長孔23Bの開口の面積は、鉄筋44の断面積以上とすることができる。また、長孔23Bの長さは、鉄筋44の長さ以上とすることができる。このようにして、接合部材4は、木質パネル2の小口面22Bに接着固定されている。
上述した、木質パネル2及び接合部材3の接着固定の態様、並びに木質パネル2及び接合部材4の接着固定の態様は、一例であって、これに限られない。例えば、木質パネル2の小口面22A及び22Bのそれぞれと、接合部材3又は4の小口面のそれぞれとが、接着剤によって接着固定されてもよい。さらに、接合部材3及び4の木質パネル2への固定は、接着固定に限られず、釘、ボルト、及びドリフトピン等による接合等、任意の方法による固定とされてもよい。
再び図1を参照して、木質パネル2は、接合部材3によって、下階の基礎8に固定されている。本実施形態では、木質パネル2の接合部材3は、ボルト10によってボルト孔33を介して、下階の基礎8にボルト接合される。ただし、接合部材3と下階の基礎8との固定には、例えば、溶接、接着剤による接着、及びボルト10以外の部材による接合などが適用されてもよい。
また、木質パネル2は、接合部材4によって、ダンパー装置5に固定されている。本実施形態では、木質パネル2の接合部材4は、ボルト10によってボルト孔43を介して、ダンパー装置5にボルト接合されている。ただし、接合部材4とダンパー装置5との固定には、例えば、溶接、接着剤による接着、及びボルト10以外の部材による接合などが適用されてもよい。本実施形態では、ダンパー装置5が梁9に固定されているため、木質パネル2は、接合部材4によって、梁9に間接的に固定されている。
次に、図1を参照して、ダンパー装置5について説明する。本実施形態において、ダンパー装置5は、木質パネル2の接合部材4と上階の梁9とのそれぞれとボルト10によって固定されている。ただし、ダンパー装置5と接合部材4との固定、及びダンパー装置5と上階の梁9との固定には、例えば、溶接、接着剤による接着、及びボルト10以外の部材による接合などが適用されてもよい。
ダンパー装置5は、第1のダンパー6と第2のダンパー7とを含んでいる。
第1のダンパー6は、摩擦ダンパーである。摩擦ダンパーは、例えば、摩擦材を重ね合わせて構成された摩擦面を有し、摩擦材をボルト等により締め付けることで摩擦面に力が加えられているダンパーである。
第1のダンパー6は、大規模の地震等の振動によって、主として木質パネル2の幅方向及び厚さ方向の所定量以上のせん断応力が加えられた場合に、摩擦面に滑りが生じるように構成されている。当該所定量は、例えば、木質パネル2に変形又は破損が生じ得るせん断応力の大きさとすることができる。当該所定量は、例えば、摩擦面の摩擦係数と締め付ける力に応じて調整され得る。
これによって、第1のダンパー6は、所定量以上のせん断応力が加えられた場合に、第1のダンパー6の摩擦面に滑りが生じることで、建物の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、木質パネル2に所定量以上のせん断応力が加えられる恐れを低減させることができる。このように、第1のダンパー6は、木質パネル2が変形又は破損する恐れを低減させることができる。
第2のダンパー7は、第1のダンパー6が作動する以前に短期的な外力に対しても、長期的な外力に対しても変形を吸収するものである。例えば粘弾性ダンパーであるが、これに限られず、粘性ダンパー又はオイルダンパーであってもよい。
これによって、第2のダンパー7は、木質パネル2にクリープ、又は湿度の影響等により寸法変化が生じた場合第2のダンパー7が木質パネル2の変化を吸収することがきる。また梁部材にたわみが生じたとしても木質パネルに過度な応力が発生しない。このように、第2のダンパー7は、木質パネル2が変形又は破損する恐れを低減させることができる。
図1に模式的に示すように、ダンパー装置5において、第1のダンパー6及び第2のダンパー7は、互いに直列に接続されている。具体的には、上階の梁9と第1のダンパー6とが、第1のダンパー6と第2のダンパー7とが、そして第2のダンパー7と接合部材4とが、順にそれぞれ接続されている。図1に示されるように、ダンパー装置5において、互いに長さ方向に直列に接続されているが、この限りではない。第1のダンパー6及び第2のダンパー7は、例えば厚さ方向又は幅方向に直列に接続されていてもよく、任意の方向において直列に接続されていてもよい。
このように、第1のダンパー6及び第2のダンパー7が直列に接続されていることで、第1のダンパー6に滑りが生じて、第1のダンパー6と木質パネル2とが相対的に変位した状態で固定された場合に、第2のダンパー7は、当該変位によって第1のダンパー6から木質パネル2に加えられる副次的な応力を減衰させることができる。また、木質パネル2に副次的な応力が持続的に加え続けられることによって、木質パネル2にクリープ等による寸法変化が起こった場合であっても、第2のダンパー7が木質パネル2の変化を吸収して、第1のダンパー6単体よりも木質パネル2の損傷を軽減することができる。したがって、第1のダンパー6及び第2のダンパー7を備える制振壁1は、木質パネル2が変形又は破損する恐れを低減させることができる。
なお、図1に示される第1のダンパー6及び第2のダンパー7の並び順は一例であって、第1のダンパー6及び第2のダンパー7が異なる順番で直列に接続されていてもよい。即ち、上階の梁9と第2のダンパー7とが、第2のダンパー7と第1のダンパー6とが、そして第1のダンパー6と接合部材4とが、順にそれぞれ接続されていてもよい。また、本実施形態では、第1のダンパー6及び第2のダンパー7がダンパー装置5に含まれる例を示したが、この限りではない。ダンパー装置5の代わりに、それぞれが別体とされた第1のダンパー6と第2のダンパー7とが直列に接続されて、接合部材4に接続されていてもよい。
次に、図4~図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る制振壁1とは異なる実施形態に係る制振壁1の構成について説明する。図4~6は、本発明の第1の実施形態とは異なる実施形態に係る制振壁1を、梁9及び基礎8に設置した状態で示す、概略図である
はじめに、図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係る制振壁1の構成について説明する。第2の実施形態では、第1のダンパー6及び第2のダンパー7の配置位置が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第2の実施形態に係る制振壁1は、木質パネル2、接合部材3、接合部材4、第1のダンパー6、及び第2のダンパー7を備える制振壁である。制振壁1は、第1の実施形態と同様に、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置されるものとして説明する。
制振壁1において、木質パネル2は、長さ方向に面する2つの小口面のうち、一方の小口面に固定された接合部材3を介して第1のダンパー6と接続されており、また、他方の小口面に固定された接合部材4を介して第2のダンパー7と接続されている。即ち、制振壁1において、第1のダンパー6及び第2のダンパー7は、木質パネル2の長さ方向において、木質パネル2を挟んで互いに直列に接続されている。これによって、制振壁1は、第2のダンパー7が木質パネル2と上階の梁9との間に接続され、第1のダンパー6が木質パネル2と下階の基礎8との間に接続されるように、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置され得る。
本実施形態において、木質パネル2は接合部材3及び接合部材4と、第1の実施形態と同様に、鉄筋を介して接着剤により接着固定されている。また、接合部材3及び第1のダンパー6と、接合部材4及び第2のダンパー7とは、長さ方向に隣接する、制振壁1を構成する他の部材と互いにボルト10によってボルト接合されている。ただし、制振壁1を構成する部材同士の固定には、溶接、接着剤による接着、及びボルト10等の部材による接合などが適用されてもよい。
図4に示すように、本実施形態に係る制振壁1は、例えば、第1のダンパー6が下階の基礎8にボルト10等で固定され、第2のダンパー7が上階の梁9にボルト10等で固定されることで、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置される。
図4において、第1のダンパー6が接合部材3に固定されており、第2のダンパー7が接合部材4に固定されているが、この限りではない。第1のダンパー6と第2のダンパー7は、互いの位置に交換して固定されていてもよい。これによって、制振壁1は、第1のダンパー6が木質パネル2と上階の梁9との間に接続され、第2のダンパー7が木質パネル2と下階の基礎8との間に接続されるように、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置され得る。
次に、図5を参照して、本発明の第3の実施形態に係る制振壁1の構成について説明する。第3の実施形態では、第1のダンパー6及び第2のダンパー7の配置位置が第1の実施形態と異なっており、第1のダンパー6は、2つの木質パネル2A及び2Bの間に接続されている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第3の実施形態に係る制振壁1は、木質パネル2A、木質パネル2B、接合部材3、3つの接合部材4、第1のダンパー6、及び第2のダンパー7を備える制振壁である。制振壁1は、第1の実施形態と同様に、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置されるものとして説明する。
制振壁1において、上側の木質パネル2Bは、長さ方向に面する2つの小口面のうち、一方の小口面に固定された接合部材4を介して第1のダンパー6と接続されており、また、他方の小口面に固定された接合部材4を介して第2のダンパー7と接続されている。即ち、第1のダンパー6及び第2のダンパー7は、木質パネル2Bの長さ方向において、木質パネル2Bを挟んで互いに直列に接続されている。第1のダンパー6には、長さ方向において、木質パネル2Bが接続されている側とは反対側に、下側の木質パネル2Aの小口面に固定された接合部材4が接続されている。木質パネル2Aには、接合部材4が固定された小口面と対向する小口面に接合部材3が接続されている。これによって、制振壁1は、第2のダンパー7が木質パネル2Bと上階の梁9との間に接続され、第1のダンパー6が木質パネル2Bと下階の基礎8との間に接続されるように、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置され得る。
本実施形態において、木質パネル2A及び2Bは、第1の実施形態と同様に、接合部材3及び接合部材4と、鉄筋を介して接着剤により接着固定されている。また、接合部材3、接合部材4、第1のダンパー6、第2のダンパー7のそれぞれは、長さ方向に隣接する、制振壁1を構成する他の部材と互いにボルト10によってボルト接合されている。ただし、制振壁1を構成する部材同士の固定には、溶接、接着剤による接着、及びボルト10等の部材による接合などが適用されてもよい。なお、本実施形態において、木質パネル2A及び2Bの長さ方向における長さは略等しいが、この限りではない。
図5に示すように、本実施形態に係る制振壁1は、接合部材3が下階の基礎8にボルト10等で固定され、第2のダンパー7が上階の梁9にボルト10等で固定されることで、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置される。
図5において、第1のダンパー6が木質パネル2Aと2Bの間に固定されており、第2のダンパー7が木質パネル2Bの第1のダンパー6が接続された小口面と対向する小口面に固定されているが、この限りではない。第1のダンパー6と第2のダンパー7は、互いの位置に交換して固定されていてもよい。これによって、制振壁1は、第1のダンパー6が木質パネル2Bと上階の梁9との間に接続され、第2のダンパー7が木質パネル2Bと下側の基礎8との間に接続されるように、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置され得る。
次に、図6を参照して、本発明の第4の実施形態に係る制振壁1の構成について説明する。第4の実施形態では、第1のダンパー6及び第2のダンパー7を含むダンパー装置5の配置位置が第1の実施形態と異なっている。以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成を有する部位には同じ符号を付す。
第4の実施形態に係る制振壁1は、木質パネル2、接合部材3、接合部材4、及びダンパー装置5を備える制振壁である。制振壁1は、第1の実施形態と同様に、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置されるものとして説明する。
制振壁1において、木質パネル2は、長さ方向に面する2つの小口面のうち、一方の小口面に固定された接合部材3を介してダンパー装置5と接続されていて、他方の小口面には接合部材4が固定されている。第1のダンパー6及び第2のダンパー7は、第1の実施形態と同様に、ダンパー装置5において互いに直列に接続されている。これによって、制振壁1は、第1のダンパー6及び第2のダンパー7が木質パネル2と下階の基礎8との間に接続されるように、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置され得る。
本実施形態において、木質パネル2は接合部材3及び接合部材4と、第1の実施形態と同様に、鉄筋を介して接着剤により接着固定されている。また、接合部材3及びダンパー装置5は、互いにボルト10によってボルト接合されている。ただし、制振壁1を構成する部材同士の固定には、溶接、接着剤による接着、及びボルト10等の部材による接合などが適用されてもよい。
図6に示すように、本実施形態に係る制振壁1は、ダンパー装置5が下階の基礎8にボルト10等で固定され、接合部材4が上階の梁9にボルト10等で固定されることで、建物の上階の梁9と下階の基礎8との間に設置される。
以上述べたように、上記の各実施形態に係る制振壁1は、建物の上階の梁9と下階の基礎8又は梁9との間に設置される制振壁1であって、木質パネル2と、摩擦ダンパーである第1のダンパー6と、粘弾性ダンパー、粘性ダンパー、又はオイルダンパーである第2のダンパー7と、を備え、第1のダンパー6と第2のダンパー7とは、直列に接続されている。かかる構成によれば、地震等による所定量以上の振幅の揺れには、第1のダンパー6が滑りを生じることで、木質パネル2に所定量以上のせん断応力が加えられる恐れを低減させることができる。更に、第1のダンパー6と第2のダンパー7とが直列に接続されていることによって、第1のダンパー6に滑りが生じて、第1のダンパー6と木質パネル2とが相対的に変位した状態で固定された場合に、第2のダンパー7は、当該変位によって第1のダンパー6から木質パネル2に加えられる副次的な応力を減衰させることができる。また、木質パネル2に副次的な応力が持続的に加え続けられることによって、木質パネル2にクリープ等による寸法変化が起きた場合であっても、第2のダンパー7が木質パネル2の変化を吸収して、第1のダンパー6単体よりも木質パネル2の損傷を軽減させることができる。したがって、第1のダンパー6及び第2のダンパー7を備える制振壁1は、木質パネル2が変形又は破損する恐れを低減させることができる。また、上述した構成を有することによって、制振壁1は、地震等の振動によって制振壁1にせん断応力が加えられた場合であっても、木質パネル2が変形又は破損しなければ、滑りが生じた第1のダンパー6を交換又は再調整することによって、制振壁1は繰り返し利用可能となる。
上記の各実施形態に係る制振壁1では、木質パネル2の少なくとも1つの小口面22には、接合部材3又は4が接着固定されていることが好ましい。かかる構成によれば、木質パネル2を接合部材3を介して基礎8、梁9、又はダンパー装置5等に固定することができ、建設現場において、木質材料から成る木質パネル2を鋼材等から成る基礎8、梁9、又はダンパー装置5等に安定的に固定することを容易にさせ得る。また、木質パネル2の表面には接合部材3又は4が取り付けられていないため、制振壁1に用いられる木質パネル2の意匠性が損なわる恐れが低減される。
上記の各実施形態に係る制振壁1では、接合部材3又は4は、鉄筋32又は44を有し、鉄筋32又は44は、小口面22に設けられた長孔23に挿入されて、木質パネル2と接着固定されていることが好ましい。かかる構成によれば、木質パネル2と接合部材3又は4とを容易を強固に固定することができる。
第1の実施形態に係る制振壁1では、木質パネルの接合部材3は、下階の基礎8又は梁9にボルト接合されることが好ましい。かかる構成によれば、木質パネル2が接合部材3を介して下階の基礎8又は梁9に固定されることで、制振壁1の剛性が高くなり、第1のダンパー6及び第2のダンパー7に、振動によるせん断応力が伝わりやすくすることができる。また、木質パネル2に接合部材3を予め接着固定しておくことによって、建設現場において、制振壁1を基礎8又は梁9等にボルトによって取り付けることができ、取り付け作業を容易にすることができる。
第1の実施形態に係る制振壁1では、木質パネルの接合部材4は、第1のダンパー6及び第2のダンパー7を含むダンパー装置5にボルト接合されていることが好ましい。かかる構成によれば、木質パネル2が接合部材4を介して上階の梁9に固定されることで、制振壁1の剛性が高くなり、第1のダンパー6及び第2のダンパー7に、振動によるせん断応力が伝わりやすくすることができる。また、木質パネル2に接合部材4を予め接着固定しておくことによって、建設現場において、制振壁1をダンパー装置5にボルトによって取り付けることができ、取り付け作業を容易にすることができる。
第1の実施形態に係る制振壁1では、ダンパー装置5は、上階の梁9にボルト接合されることが好ましい。かかる構成によれば、制振壁1が建物に取り付けられた際に、地震等の振動による変位が下階に比べて大きくなる上階と制振壁1との間に、ダンパー装置5が位置するため、ダンパー装置5が木質パネル2に加えられるせん断応力をより効率的に吸収することができる。
本発明は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲で記載された内容を逸脱しない範囲で、様々な構成により実現することが可能である。
1 制振壁
2、2A、2B 木質パネル
21 木材
22、22A、22B 小口面
23、23A、23B 長孔
3 接合部材
31 鉄骨
32 鉄筋
33 ボルト孔
4 接合部材
41 平板
42 平板
43 ボルト孔
44 鉄筋
5 ダンパー装置
6 第1のダンパー
7 第2のダンパー
8 基礎
9 梁
10 ボルト

Claims (7)

  1. 建物の上階の梁と下階の基礎又は梁との間に設置される制振壁であって、
    木質パネルと、
    摩擦ダンパーである第1のダンパーと、
    粘弾性ダンパー、粘性ダンパー、又はオイルダンパーである第2のダンパーと、を備え、
    前記第1のダンパーと前記第2のダンパーとは、直列に接続されており、
    前記第1のダンパーは、前記木質パネルの幅方向又は厚さ方向に所定量以上のせん断力が加えられた場合に、摩擦面に滑りが生じるように構成されており、
    前記所定量は、前記木質パネルに変形又は破損が生じ得るせん断応力の大きさである、制振壁。
  2. 前記木質パネルは、複数の木材を集成接着させた集成材であって、前記複数の木材の少なくとも一部は、木の繊維方向が前記木質パネルの長さ方向に対して平行となるように配置されている、請求項1に記載の制振壁。
  3. 前記木質パネルの少なくとも1つの小口面には、接合部材が接着固定されている、請求項1又は2に記載の制振壁。
  4. 前記接合部材は、鉄筋を有し、
    前記鉄筋は、前記小口面に設けられた長孔に挿入されて、前記木質パネルと接着固定されている、請求項3に記載の制振壁。
  5. 前記木質パネルの前記接合部材は、前記下階の基礎又は梁にボルト接合される、請求項3又は4に記載の制振壁。
  6. 前記木質パネルの前記接合部材は、前記第1のダンパー及び前記第2のダンパーを含むダンパー装置にボルト接合されている、請求項3又は4に記載の制振壁。
  7. 前記ダンパー装置は、前記上階の梁にボルト接合される、請求項6に記載の制振壁。
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