JP2018021443A - 木部材の接合構造及び木部材の接合方法 - Google Patents

木部材の接合構造及び木部材の接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工を可能とした木部材の接合構造を提供する。【解決手段】木部材の接合構造J1は、木口面を接合面14とし、接合面14と、互いに反対側にある側面12、13との間に、貫通して設けられた対となる通し側下孔15、16、15a、16aを有する連結梁1と、両側面の一方側に前記接合面14と接合する接合面24を形成し、接合面24から他方の側面23へ向け所要深さで行き止まるように設けられた、各通し側下孔と同一直線上にあって対となる止め側下孔25、26、25a、26aを有する主梁2、2aと、各通し側下孔を通り、各止め側下孔に挿通されて、連結梁1と主梁2、2aを接合する接合ピン3、3a、3b、3cとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、木部材の接合構造及び木部材の接合方法に関するものである。詳しくは、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要にすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工を可能としたものに関する。
木質の軸組構造体は、例えば木造家屋、木造の橋、あるいは大屋根等の各種構造物の骨組として広く用いられている。軸組構造体の構成部材である柱材や梁材等の木部材は、従来、在来工法である蟻接ぎやホゾ接ぎ等の各種接手構造、あるいは金属製の接合具等で接合されていたが、近年においては、施工の簡易化を図った特許文献1に開示されたような軸組構造も提案されている。
従来の軸組構造は、各端部の当接面で当接された梁、桁、母屋等を形成する2本の横架構造部材と、各横架構造部材の外周壁部から当接面に対し傾斜角度αが、例えば30°≦α≦60°で連通して穿孔された1以上のボルト挿通孔部と、外周壁部のボルト挿通孔部の端部に切削形成され前記ボルト挿通孔部と直交する1以上のナット座と、ボルト挿通孔部に挿通された少なくとも一端部に螺着部を有するボルトと、ナット座に配設されボルトの螺着部に螺着されるナットとを備えた構成を有しており、複雑な仕口や接手構造を簡単な構造とし、施工時に仮固定ができ、施工性を向上させると共に構造強度を向上させ、仕口や接手あるいは接合の作業性を高め、施工期間を短縮化することができるというものである。
特開平11−256687号公報
しかしながら、上記軸組構造の施工においては、木部材の表面にV字溝であるナット座を形成する作業、ボルト挿通孔を形成する作業、ボルト・ナットを好適な締付力によって締め付ける作業、及びナット座の内部に表れるボルト両端部のボルトヘッドやナットを隠すために溝に接着剤を埋設して表面と面一に成形する作業等の各作業を行うために相当な手間と時間がかかり、実際の施工においては、準備を含めると施工を効率よく短期で行うことは難しかった。
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要にすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工を可能とした、木部材の接合構造及び木部材の接合方法を提供することを目的とするものである。
(1)上記の目的を達成するために本発明の木部材の接合構造は、接合面と、該接合面と側面との間に、互いを避けるように、軸線方向に対して所要角度で傾斜し、貫通した通し側下孔を有する一方の木部材と、接合面と、該接合面から側面へ向け所要深さで行き止まるように、前記通し側下孔と同一直線上にある止め側下孔を有する他方の木部材と、前記一方と他方の木部材の接合面を合わせ、接合体を前記各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔へ通し、同一方と他方の木部材を接合する接合体とを備える木部材の接合構造である。
本願発明の木部材の接合構造によれば、接合する一方の木部材を他方の木材間に入れて、その後で通し側下孔、及び止め側下孔を形成し、各下孔への接合体の打ち込みと固定が可能である。したがって、施工の際の木部材を組み込む順序の自由度が高く、施工後の変更も容易にできるので、施工がしやすい。
また、接合体を、一方の木部材の各通し側下孔から他方の木部材の各止め側下孔まで、例えば打ち込むようにして固定することにより、一方の木部材の接合面と他方の木部材の接合面を接合し、その状態で維持することができる。また、各通し側下孔とそれぞれに対応する各止め側下孔は同一直線上にあるので、各通し側下孔と各止め側下孔に接合体を通し接合することにより、各接合面は、ほぼ隙間なく合致する。
そして、接合状態では、接合体によって、各接合面間に作用する剪断荷重を支持することができる。また、一方の木部材と他方の木部材が離れる方向の荷重に対しては、両木部材が離れる方向に対し、各接合体が所要の角度で傾斜していることにより、各接合体がストッパーとなる。このようにして、一方の木部材と他方の木部材は強固に接合される。
また、従来の構造のように、例えばナット座の内部に表れるボルト両端部のボルトヘッドやナットを隠すために溝に接着剤を埋設して、表面と面一に成形する作業のような補修を特に行わなくても、木部材の接合に使用する付帯物が表面に表れることはないので、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる。
このように、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工が可能となる。
(2)上記の目的を達成するために本発明の木部材の接合構造は、木口面を第1の接合面とし、該第1の接合面と、互いに反対側にある両側面との間に、互いを避けるように、かつ対称方向となるように軸線方向に対し所要角度で傾斜し、貫通して設けられた対となる通し側下孔を有する第1の木部材と、互いに反対側にある両側面の一方側に前記第1の接合面と接合する第2の接合面を形成し、該第2の接合面から他方の側面へ向け所要深さで行き止まるように設けられた、前記各通し側下孔と同一直線上にあって対となる止め側下孔を有する第2の木部材と、前記第1の木部材の各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔に挿通されて、同第1の木部材と同第2の木部材を接合する直棒状の接合体とを備えている。
本願発明の木部材の接合構造によれば、接合する一方の木部材を他方の木材間に入れて、その後で通し側下孔、及び止め側下孔を形成し、各下孔への接合体の打ち込みと固定が可能である。したがって、施工の際の木部材を組み込む順序の自由度が高く、施工後の変更も容易にできるので、施工がしやすい。
また、接合体を、第1の木部材の各通し側下孔から第2の木部材の各止め側下孔まで、例えば打ち込むようにして固定することにより、第1の木部材の第1の接合面と第2の木部材の第2の接合面を接合し、その状態で維持することができる。また、各通し側下孔とそれぞれに対応する各止め側下孔は同一直線上にあるので、各通し側下孔と各止め側下孔に直棒状の接合体を通し接合することにより、各接合面は、ほぼ隙間なく合致する。
そして、接合状態では、対となる接合体によって、第1、第2の接合面間に作用する剪断荷重を支持することができる。また、第1の木部材と第2の木部材が離れる方向の荷重に対しては、両木部材が離れる方向に対し、各接合体が所要の角度で傾斜していることにより、各接合体がストッパーとなる。このようにして、第1の木部材と第2の木部材は強固に接合される。
また、従来の構造のように、例えばナット座の内部に表れるボルト両端部のボルトヘッドやナットを隠すために溝に接着剤を埋設して、表面と面一に成形する作業のような補修を特に行わなくても、木部材の接合に使用する付帯物が表面に表れることはないので、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる。
このように、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工が可能となる。
(3)本発明の木部材の接合構造は、前記第1の木部材の前記各通し側下孔同士が、所要の間隔を以て設けられている構成としてもよい。
この場合は、木口を接合面とする第1の木部材が、各通し側下孔を木繊維方向に近い方向に比較的長尺に設けることができることも相まって、各下孔の接合体の挿通による強度の確保に必要な各下孔の長さを、第1の木部材側において大きく稼いでいる形となる。
したがって、各止め側下孔を設ける第2の木部材に奥行きをあまり必要とせず、それほど太くない木部材も利用可能で、建物の大きさや規模の選択肢に合わせた材料選択の幅が広がることが期待できる。
なお、特許請求の範囲にいう「互いを避(よ)けるように交差」の文言は、両孔が連通することなく、あるいは両孔への接合体の挿通に支障のない範囲であれば、僅かな連通があってもよく、つまりは、各下孔がややずれた状態で交わる位置関係、もしくは少なくとも各下孔に挿通された各接合体に、互いの接触はなくても投影的な交差が生じる位置関係にあるという意味で使用している。
(4)本発明の木部材の接合構造は、前記第1の木部材の前記各通し側下孔、及び前記第2の木部材の前記各止め側下孔が、それぞれの木部材の天地方向において、木部材の軸線方向と平行に設けられている構成としてもよい。
この場合は、両木部材を接合した後、各接合面において接合体にかかる剪断荷重は、例えば天地方向に傾斜している場合と比較して、接合体と木部材の間に滑りなどを生じにくく、力のベクトルが分散しにくいので、支持力に無駄が生じない、より強固な支持が可能になる。また、木部材側の各下孔の孔口の周りが変形しにくく、傷みにくい利点もある。
なお、本発明、及び明細書にいう「天地方向」の用語は、「施工後の状態において、上下となる方向」の意味で使用している。
(5)本発明の木部材の接合構造は、対となる前記第1の木部材の前記各通し側下孔、及び前記第2の木部材の前記各止め側下孔が、それぞれの木部材の天地方向において、複数段設けられている構成としてもよい。
この場合は、各段の下孔に挿着される接合体によって、第1、第2の接合面における、接合体の剪断荷重を支持する支持部材としての機能、及び両木部材が離れる方向の荷重に対するストッパーとしての機能が向上する。これにより、両木部材の更に強固な接合が可能になる。また、接合体が複数段設けられていることにより、剪断荷重等が各段の接合体に分散するので、荷重による木部の破壊等が抑制でき、耐久性が向上する。
(6)本発明の木部材の接合構造は、接合体が、ラグスクリューである構成としてもよい。
この場合は、ラグスクリューを各下孔にねじ込んだ後、ラグスクリューと孔壁との間で滑りが殆どなく、木繊維と交差し、強く食い込むので、ラグスクリューの緩みや抜けが抑制され、木部材の、より強固な接合が可能である。
ラグスクリューは、ヘッド部が六角ボルトのヘッドと同様であるので、六角ボルトを締める場合と同じように、回転させて下孔にねじ込むようにする。この際、ヘッド形状に対応したボルト締め付け機を使用することができるので、効率的な施工が可能になる。また、接合体であるラグスクリューや後述する接合ピンは、比較的安価であるので、大量に使用することがあっても施工費用を抑えることができる。
なお、ラグスクリューは、例えば木ネジが有するような、木質材料に対して利くネジ部を有し、ヘッド部がナット様のボルト状の金物であり、ラグスクリューボルト、あるいはコーチボルトともいう。
(7)上記の目的を達成するために本発明の木部材の接合方法は、一方の木部材に接合面を形成し、該接合面と側面との間に、互いを避けるように、軸線方向に対して所要角度で傾斜し、貫通した通し側下孔を形成する工程と、他方の木部材に接合面を形成し、該接合面から側面へ向け所要深さで行き止まるように、前記通し側下孔と同一直線上にある止め側下孔を形成する工程と、前記一方と他方の木部材の接合面を合わせ、接合体を前記各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔へ通し、同一方と他方の木部材を接合する工程とを備える。
本発明の木部材の接合方法によれば、接合する一方の木部材を他方の木材間に入れて、その後で通し側下孔、及び止め側下孔を形成し、各下孔への接合体の打ち込みと固定が可能である。したがって、施工の際の木部材を組み込む順序の自由度が高く、施工後の変更も容易にできるので、施工がしやすい。
また、一方と他方の木部材の接合面を合わせ、接合体を、一方の木部材の各通し側下孔から他方の木部材の各止め側下孔まで、例えば打ち込むようにして固定することにより、各接合面を接合し、その状態で維持することができる。また、各通し側下孔とそれぞれに対応する各止め側下孔は同一直線上にあるので、各通し側下孔と各止め側下孔に直棒状の接合体を通し接合することにより、各接合面は、ほぼ隙間なく合致する。
そして、接合状態では、接合体によって、各接合面における剪断荷重が支持される。また、一方と他方の木部材が離れる方向の荷重に対しては、両木部材が離れる方向に対し各接合体が所要の角度で傾斜していることにより、各接合体がストッパーとなる。このようにして、一方と他方の木部材は強固に接合される。
また、本発明の木部材の接合方法によれば、例えばナット座の内部に表れるボルト両端部のボルトヘッドやナットを隠すために溝に接着剤を埋設して表面と面一に成形する作業のような補修を特に行わなくても、木部材の接合に使用する付帯物が表面に表れることはないので、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる。
このように、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工が可能となる。
(8)上記の目的を達成するために本発明の木部材の接合方法は、第1の木部材の木口面に第1の接合面を形成し、該第1の接合面と、互いに反対側にある両側面との間に、互いを避けるように、かつ対称方向となるように軸線方向に対し所要角度で傾斜し、貫通した対となる通し側下孔を形成する工程と、第2の木部材の互いに反対側にある両側面の一方側に第2の接合面を形成し、該第2の接合面から他方の側面へ向け所要深さで行き止まるように、前記通し側下孔と同一直線上にあって対となる止め側下孔を形成する工程と、前記第1の接合面と第2の接合面を合わせ、直棒状の接合体を前記第1の木部材の前記各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔へ挿通し、同第1の木部材と同第2の木部材を接合する工程とを備えている。
本発明の木部材の接合方法によれば、例えば接合する第1の木部材を第2の木材間に入れて、その後で通し側下孔、及び止め側下孔を形成し、各下孔への接合体の打ち込みと固定が可能である。したがって、施工の際の木部材を組み込む順序の自由度が高く、施工後の変更も容易にできるので、施工がしやすい。
また、第1の接合面と第2の接合面を合わせ、接合体を、第1の木部材の各通し側下孔から第2の木部材の各止め側下孔まで、例えば打ち込むようにして固定することにより、第1の木部材の第1の接合面と第2の木部材の第2の接合面を接合し、その状態で維持することができる。また、各通し側下孔とそれぞれに対応する各止め側下孔は同一直線上にあるので、各通し側下孔と各止め側下孔に直棒状の接合体を通し接合することにより、各接合面は、ほぼ隙間なく合致する。
そして、接合状態では、対となる接合体によって、第1、第2の接合面における剪断荷重が支持される。また、第1の木部材と第2の木部材が離れる方向の荷重に対しては、両木部材が離れる方向に対し各接合体が所要の角度で傾斜していることにより、各接合体がストッパーとなる。このようにして、第1の木部材と第2の木部材は強固に接合される。
また、本発明の接合方法によれば、例えばナット座の内部に表れるボルト両端部のボルトヘッドやナットを隠すために溝に接着剤を埋設して表面と面一に成形する作業のような補修を特に行わなくても、木部材の接合に使用する付帯物が表面に表れることはないので、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる。
このように、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工が可能となる。
(9)本発明の木部材の接合方法は、接合体を、ラグスクリューとしてもよい。
この場合は、ラグスクリューを各下孔にねじ込んだ後、ラグスクリューと孔壁との間で滑りが殆どなく、木繊維と交差し、強く食い込むので、ラグスクリューの緩みや抜けが抑制され、木部材の、より強固な接合が可能である。
ラグスクリューは、ヘッド部が六角ボルトのヘッドと同様であるので、六角ボルトを締める場合と同じように、回転させて下孔にねじ込むようにする。この際、ヘッド形状に対応したボルト締め付け機を使用することができるので、効率的な施工が可能になる。
本発明は、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工を可能とした、木部材の接合構造及び木部材の接合方法を提供することができる。
本発明に係る接合構造の第1の実施の形態を示す斜視説明図である。 図1に示す接合構造の平面視説明図である。 図1に示す接合構造の側面視説明図である。 梁材の加工穴の構造を示し、(a)は図3のA−A断面図で接梁側の説明図、(b)は図3のB−B断面図で主梁側の説明図である。 本発明に係る接合構造の施工方法の一例を示し、(a)は主梁と接梁を合わせた状態の説明図、(b)は下側の接ぎ棒を装着した状態の説明図、(c)は更に上側の接ぎ棒を装着して梁材の接合が完了した状態の説明図である。 本発明に係る接合構造の第2の実施の形態を示す、一部を断面した平面図である。 本発明に係る接合構造の第2の実施の形態を示し、(a)は側面図、(b)は接梁の接合面である木口の孔口の位置を表した説明図である。 本発明に係る接合構造の第3の実施の形態を示す、一部を断面した平面図である。 本発明に係る接合構造の第3の実施の形態を示す側面図である。 本発明に係る接合構造の第4の実施の形態を示す平面図である。 本発明に係る接合構造の第4の実施の形態を示す側面図である。 本発明に係る接合構造の第5の実施の形態を示す平面図である。 本発明に係る接合構造の第5の実施の形態を示す、一部を断面した側面図である。
図1ないし図5を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。
木部材の接合構造J1は、第1の木部材である連結梁1と、連結梁1が接合される第2の木部材である主梁2、2aと、それらを接合する接合体である接合ピン3、3a、3b、3cを備えている。なお、図2、図3における接合構造J1の構造は、左右側で同様(対称)であるので、以下の説明では一方側(図2、図3で左側)について説明し、右側の説明は省略する。また、以下の各実施の形態では、「木部材の接合構造」を、単に「接合構造」という場合がある。
連結梁1は、木製の角材であり、木口が表れる断面形状は、天地方向(施工時、上下方向)にやや長い四角形状である(図1参照)。また、連結梁1は、自重による撓みを抑制するため、図1において上面10と下面11が柾目面となるように、両側面12、13は板目面となるようにして使用されている。連結梁1の軸線方向の一端(図2、図3における左側の先端)の木口は、軸線方向と直角な平面に形成されており、この面が第1の接合面である接合面14となっている(図4(a)参照)。
連結梁1には、接合面14に開口した、四本の円孔である通し側下孔15、16及び15a、16aが設けられている。通し側下孔15、16は上段に設けられ、通し側下孔15a、16aは通し側下孔15、16と下方へやや間隔をあけて設けられており、それぞれの二本は、角度を違えて、互いに対称方向となるように対を成している。
通し側下孔15は、各通し側下孔のうち最上部に位置し、一方の側面12における接合面14寄りの所要の位置から接合面14へ水平方向において所要角度を以て両面12、14間を貫通して設けられている。なお、本実施の形態では、軸線方向と45°であるが、限定はされず適宜設定が可能であると共に、必ずしも水平方向でなくてよく、傾斜していてもよい。通し側下孔15の両端は、両面12、14に開口しており、それぞれが楕円形の孔口120、140を形成している。
また、通し側下孔15の直ぐ下には、通し側下孔16が、通し側下孔15に対して避けることで、互いに通じないように(重ならないように)設けてある。通し側下孔16は、他方の側面13における接合面14寄りの所要の位置から接合面14へ水平方向において所要角度(本実施の形態では、軸線方向と45°であり、通し側下孔15とは90°を成し、互いに対称方向となるように傾斜している)を以て両面13、14間を貫通して設けられている。通し側下孔16の両端は、両面13、14に開口しており、それぞれが楕円形の孔口130、141を形成している。
また、対となった通し側下孔15、16の下方には、上記したように所要間隔をおいて、同じく対となった通し側下孔15a、16aが設けられている。通し側下孔15a、16aは、通し側下孔15、16に対し全体として平行になるように同様の構造で設けられているので、その構造の説明について、ここでは通し側下孔15、16の説明を援用し、説明を省略する(図1、図3参照)。
なお、図1ないし図5において、通し側下孔15a、16aに関連する部分については、上記通し側下孔15、16に関連する部分の符号の末尾に「a」を付けた符号を付与して示している(孔口120a、140a、130a、141aなど)。
主梁2、2aは、第2の木部材を構成し、互いに同じ高さ、かつ平行になるように、所要間隔をおいて水平に設けられている(図2、図3参照)。主梁2、2aは、木製の角材であり、木口が表れる断面形状は、天地方向(施工時、上下方向)に長い四角形状であり、上記連結梁1より更に縦に長く形成されている(図1参照)。
一方の主梁2は、自重による撓みを抑制するため、図1において上面20と下面21が柾目面となるように、両側面22、23は板目面となるようにして使用されている。なお、上記連結梁1の接合面14と接合される接合面24は、側面22の一部として側面22の上端から下方へ向け接合面14と同じ大きさ、及び形状となるように設けられている(図4(b)参照)。
接合面24には、上記連結梁1の接合面14を合わせたときに、接合面14に設けられている孔口140、141、140a、141aのそれぞれに対応する位置に孔口240、241、240a、241aが設けられている。
孔口240につながる止め側下孔25は、上記連結梁1の通し側下孔15と同径であり、かつ同一直線上に設けられ、側面23へ貫通せず行き止まりとなる孔底250を設けた構造である。また、孔口241につながる止め側下孔26は、上記連結梁1の通し側下孔16と同径であり、かつ同一直線上に設けられ、止め側下孔25と同様に側面23へ貫通せず行き止まりとなる孔底260を設けた構造である。
また、対となった止め側下孔25、26の下方には、所要間隔をおいて、同じく対となった止め側下孔25a、26aが設けられている。通し側下孔25a、26aは、止め側下孔25、26に対し全体として平行になるように同様の構造で設けられているので、その構造の説明について、ここでは止め側下孔25、26の説明を援用し、説明を省略する(図1、図3参照)。
なお、図1ないし図5において、止め側下孔25a、26aに関連する部分については、上記止め側下孔25、26に関連する部分の符号の末尾に「a」を付けた符号を付与して示している(孔口240a、241a、孔底250a、260aなど)。
そして、連結梁1の接合面14と主梁2の接合面24を合わせているので、接合面14の孔口140、141、140a、141aと接合面24の孔口240、241、240a、241aがそれぞれ対応する。つまり、孔口140は孔口240と、孔口141は孔口241と、孔口240は孔口240aと、孔口241は孔口241aと対応している。
これにより、通し側下孔15と止め側下孔25、通し側下孔16と止め側下孔26、通し側下孔15aと止め側下孔25a、及び通し側下孔16aと止め側下孔26aの各孔は真っ直ぐになるよう(同一直線上にあるよう)連通する。次に、真っ直ぐに連通した各孔に、金属製(鉄製、ステンレススチール製など)の所要長さの真っ直ぐ(直棒状)な丸棒である接合ピン3、3a、3b、3cをハンマー等を使用して打ち込む。各接合ピンの直径は、各孔の内径よりやや径大となるように形成されており、打ち込むことで各下孔内に強固に固定される。
接合ピン3、3a、3b、3cは、各孔口120、130、120a、130aから、それぞれの先端が各孔の孔底250、260、250a、260aに当たるまで打ち込まれ、各孔内に強固に固定される。なお、接合ピン3、3a、3b、3cの長さは、先端が各孔底に当たったところで、基端がちょうど各孔口から出ないでちょうど収まる位置に止まるようになっている(図1ないし図3参照)。
また、連結梁1において、上記連結梁1と主梁2との接合構造J1と反対側(図2、図3において右側)には、連結梁1と主梁2aを接合する接合構造J1が設けられている。これら二つの接合構造J1は、位置関係が対称であるだけで、構造は実質的に同様なので、その構造の説明について、ここでは上記接合構造J1の説明を援用し、説明を省略する。また、符号については、要所に付与するに止める。
(接合方法)
ここで、図1ないし図5を参照して、接合構造J1を構築しながら主梁2と連結梁1を接合する方法を説明する。
(1)角材の両端側の木口を平面に加工し、両端部に接合面14を有する所要長さの連結梁1を形成する。なお、木部材として、例えば丸太材など、角材以外の材を採用することもできる。
(2)連結梁1の互いに反対側にある板目面である側面12、13の各々と接合面14との間に、軸線方向に対し所要角度を以て互いを避けるように、つまり互いに連通はしないように、かつ両面を貫通して、互いに対称方向となるよう所要角度で傾斜し、対となる通し側下孔15、16を形成する。なお、接合ピン3、3aの挿通に支障を来さない限度で、平面視において交差する部分で多少連通することは許容される。
(3)通し側下孔15、16のやや下方に、通し側下孔15、16と同様の構造の通し側下孔15a、16aを設ける。
(4)例えば角材の板目面である一方側の側面22の一部を平面に加工し、上記接合面14を合わせる接合面24を有する所要長さの主梁2を形成する。
(5)主梁2の側面22に設けられている接合面24から反対側の側面23へ向け所要深さで行き止まるように、互いに対称方向となるよう所要角度で傾斜し、対となる止め側下孔25、26を、止め側下孔25は前記通し側下孔15と同一直線上にあるように、止め側下孔26は前記通し側下孔16と同一直線上にあるように形成する。
(6)止め側下孔25、26のやや下方に、止め側下孔25、26と同様の構造の止め側下孔25a、26aを設ける。
(7)連結梁1の接合面14を主梁2の接合面24に合わせて当接させ、仮止めをする。これにより、連結梁1の接合面14側の孔口140、141、140a、141aが、主梁2の接合面24側の孔口240、241、240a、241aと合って、通し側下孔15は止め側下孔25と、通し側下孔16は止め側下孔26と、通し側下孔15aは止め側下孔25aと、通し側下孔16aは止め側下孔26aと連通する。
(8)上記のように主梁2と連通梁1を仮止めした状態(図5(a)参照)で、接合ピン3aを通し側下孔16から止め側下孔26に打ち込み(図5(b)参照)、接合ピン3を通し側下孔15から止め側下孔25に(図5(c)参照)に打ち込む。同様に、接合ピン3cを通し側下孔16aから止め側下孔26aに、接合ピン3bを通し側下孔15aから止め側下孔25aに打ち込んで固定し、主梁2と連通梁1の各接合面14、24を接合して接合する。なお、各接合体を打ち込む順番は特に限定するものではない。
なお、接合方法の他の例として、連結梁と主梁の各接合面を合わせて仮止め(仮固定)し、この状態でドリルと冶具を使用して、上記通し側下孔15と止め側下孔25、通し側下孔16と止め側下孔26、通し側下孔15aと止め側下孔25a、及び通し側下孔16aと止め側下孔26aの各孔と同様の孔を形成し、それら各孔に接合体を挿入し固定する方法を採用することもできる。
(作用)
本発明の実施の形態に係る接合構造J1の作用を説明する。
接合構造J1によれば、接合ピン3、3a、3b、3cを、連結梁1の各通し側下孔15、16、15a、16aから主梁2、2aの各止め側下孔25、26、25a、26aまで、打ち込むようにして固定することにより、連結梁1の接合面14と主梁2、2aの接合面24を接合し、その状態で維持することができる。
また、各通し側下孔15、16、15a、16aと各止め側下孔25、26、25a、26aに直棒状の接合ピン3、3a、3b、3cを通し接合することにより、各通し側下孔15、16、15a、16aとそれぞれに対応する各止め側下孔25、26、25a、26aは同一直線上にあるので、各接合面14、24は、ほぼ隙間なく合致し密着する。
そして、接合状態では、各接合ピン3、3a、3b、3cによって、各接合面14、24における剪断荷重が支持される。また、接合ピン3、3a、3b、3cが複数段設けられていることにより、剪断荷重等が各段の接合ピン3、3a、3b、3cに分散するので、荷重による木部の破壊等が抑制でき、耐久性が向上する。
連結梁1と主梁2、2aが離れる方向(接合面14と接合面24とが離れる方向)の荷重(力)に対しては、連結梁1と主梁2、2aが離れる方向に対し各接合ピン3、3a、3b、3cが所要の角度で傾斜していることにより、各接合ピン3、3a、3b、3cがストッパーとなる。このようにして、連結梁1と主梁2、2aは強固に接合される。
本実施の形態の接合構造及び接合方法によれば、従来のように、例えばナット座の内部に表れるボルト両端部のボルトヘッドやナットを隠すために溝に接着剤を埋設して表面と面一に成形する作業のような補修を特に行わなくても、木部材の接合に使用する接合ピン3、3a、3b、3c等の付帯物が表面に表れることはないので、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる。
また、連結梁1は、主梁2、2aの間に入れて、その後で、各梁に通し側下孔15、16、15a、16a、及び止め側下孔25、26、25a、26aを形成し、各下孔への接合ピン3、3a、3b、3cを打ち込み、固定することが可能である。したがって、施工の際の各梁を組み込む順序、または組んでいく順序の自由度が高く、施工後の変更も容易にできるので、施工がしやすい。
このように、木質の軸組構造体における柱や梁等の木部材の接合構造において、在来工法である各種接手等の剪断荷重を受ける部分の複雑な加工や組み込みを不要とすると共に、充分な接合強度を確保しつつ構造をより簡易化することにより、短期での施工が可能となる。
図6、図7を参照する。
木部材の接合構造J2は、上記木部材の接合構造J1とは、通し側下孔、及び止め側下孔の位置、及び方向が異なり、各下孔に挿着される接合体も異なる。
以下、その構造を詳細に説明するが、図示の都合上、図に表れない部分に関しては、簡易な説明に止め、説明、及び図において、符号を省略する場合がある。
木部材の接合構造J2は、所要間隔で配される第1の木部材である主梁4、4aと、主梁4、4aの間に配され、主梁4、4aに両端が接合される、第2の木部材である連結梁1aと、それらを接合する接合体であるラグスクリュー8を備えている。なお、図6、図7における接合構造J2の構造は、左右側で同様(対称配置)であるので、以下の説明では一方側(図6、図7で左側)についてのみ説明し、右側の説明は省略する。
連結梁1aは、木製の角材であり、木口が表れる断面形状は、天地方向(施工時、上下方向)にやや長い四角形状である。また、連結梁1aは、自重による撓みを抑制するため、図7において上面10aと下面11aが柾目面となるように、両側面12a、13aが板目面となるようにして使用されている。連結梁1aの軸線方向の一端(図6、図7において左側の先端)の木口は、軸線方向と直角な平面に形成されており、この面が第2の接合面である接合面14aとなっている。
連結梁1aには、接合面14aに開口して、円孔である止め側下孔15b、16b及び15c、16cが設けられている。止め側下孔15b、16bは、上段に設けられ、止め側下孔15c、16cは、下段に設けられている。止め側下孔15c、16cは、止め側下孔15b、16bと、下方へやや間隔を開けて設けられており、それぞれの二本は角度を違えて、互いに対称方向となるように、対を成している。
止め側下孔15bは、各止め側下孔のうち最上部に位置し、接合面14aから一方の側面12aへ向けて、水平方向において所要角度を以て、側面12a近傍で行き止まるよう設けられている。なお、本実施の形態では、止め側下孔15bの水平方向の角度は、連結梁1aの軸線方向と30°であるが、限定はされず適宜設定が可能である。また、必ずしも水平方向でなくてよく、天地方向に傾斜していてもよい。止め側下孔15bの一端は、接合面14aに開口しており、楕円形の孔口150を形成している(図7(b)参照)。
止め側下孔15bのすぐ下には、止め側下孔16bが、止め側下孔15bに対して所要距離を以て避けることで、互いに通じないように設けてある。止め側下孔16bは、接合面14aから他方の側面13aへ向けて、水平方向において所要角度を以て、側面13a近傍で行き止まるよう設けられている。なお、本実施の形態では、止め側下孔16bの水平方向の角度は、連結梁1aの軸線方向と30°、かつ止め側下孔15bとは60°であるが、限定はされず適宜設定が可能である。また、必ずしも水平方向でなくてよく、天地方向に傾斜していてもよい。止め側下孔16bの一端は、接合面14aに開口しており、楕円形の孔口160を形成している(図7(b)参照)。
また、対となった通し側下孔15b、16bの下方には、所要間隔をおいて、同じく対となった止め側下孔15c、16cが設けられている。止め側下孔15c、16cは、止め側下孔15b、16bに対し全体として平行になるように同様の構造で設けられているので、その構造の説明について、ここでは止め側下孔15b、16bの説明を援用し、説明を省略する。なお、図7(b)に表れた、接合面14aの孔口のうち、止め側下孔15c、16cに対応するものは、孔口151、161である。
主梁4、4aは、互いに同じ高さ、かつ平行になるように、所要間隔をおいて水平に設けられている(図7(a)参照)。主梁4、4aは、木製の角材であり、木口が表れる断面形状は、天地方向(施工時、上下方向)に長い四角形状である。
一方の主梁4は、自重による撓みを抑制するため、上面40と下面41が柾目面となるように、両側面42、43は板目面となるようにして使用されている。なお、上記連結梁1aの接合面14aと接合される接合面44は、側面42の一部として側面42の上端から下方へ向け接合面14aと同じ大きさ、及び形状となるように設けられている。
接合面44には、上記連結梁1aの接合面14aを合わせたときに、接合面14aに設けられている孔口150、160、151、161のそれぞれに対応する位置に孔口(符号省略)が設けられている。
最上段の孔口につながる通し側下孔45は、上記連結梁1aの止め側下孔15bとつながり、互いに同径で、かつ同一直線上に設けられ、側面43へ貫通した構造である。また、次の段の孔口につながる通し側下孔46は、連結梁1aの止め側下孔16bとつながり、互いに同径で、かつ同一直線上に設けられ、通し側下孔45と同様に側面43へ貫通した構造である。
また、対となった通し側下孔45、46の下方には、所要距離をおいて、同じく対となった通し側下孔45a、46aが設けられている。通し側下孔45a、46aは、通し側下孔45、46に対し全体として平行になるように同様の構造で設けられているので、その構造の説明について、ここでは通し側下孔45、46の説明を援用し、説明を省略する(図1、図3参照)。
そして、止め側下孔15bと通し側下孔45、止め側下孔16bと通し側下孔46、止め側下孔15cと通し側下孔45a、及び止め側下孔16cと通し側下孔46aの各孔は、互いに真っ直ぐになるよう(同一直線上にあるよう)連通する。
なお、主梁4に設けられた通し側下孔45、46、45a、46aの一端には、側面43に開口して、スクリュー座400が設けられている。スクリュー座400は、各孔の軸線方向と直角な座面(符号省略)を有している。
次に、真っ直ぐに連通した各孔に、金属製(鉄製、ステンレススチール製など)の所要長さのラグスクリュー8を、通し側下孔45、46、45a、46aからねじ込む。
なお、ラグスクリュー8の外径は、各孔の内径よりやや径大となるように形成されており、スクリュー座400の座部に座金(符号省略)を介しヘッドが当たるまでねじ込み、締め付けることで各下孔内に強固に固定される。また、ラグスクリュー8の長さは、好適に締め付けたところで、先端が孔底の近傍に位置するようになっている。
また、連結梁1aにおいて、上記連結梁1aと主梁4との接合構造J2と反対側(図6、図7において右側)には、連結梁1aと主梁4aを接合する接合構造J2が設けられている。これら二つの接合構造J2は、位置関係が対称であるだけで、構造は実質的に同様なので、その構造の説明について、ここでは上記接合構造J2の説明を援用し、説明を省略する。また、符号については、図面が煩雑にならないよう要所に付与するに止める。
(作用)
本発明の実施の形態に係る接合構造J2の作用を説明する。
接合構造J2によれば、ラグスクリュー8を、主梁4、4aの各通し側下孔45、46、45a、46aから連結梁1aの各止め側下孔15、16、15a、16aまで、ねじ込んで固定することにより、主梁4、4aの接合面44と連結梁1aの接合面14aを接合し、その状態で維持することができる。
なお、ラグスクリュー8は、ヘッド部が六角ボルトのヘッドと同様であり、ねじ込む際には、各種ボルト締め付け機(図示省略)を使用することができるので、効率的な施工が可能になる。
また、各通し側下孔45、46、45a、46aとそれぞれに対応する各止め側下孔15、16、15a、16aは同一直線上にあるので、各通し側下孔45、46、45a、46aと各止め側下孔15、16、15a、16aにラグスクリュー8をねじ込むことにより、各接合面44、14aは、ほぼ隙間なく合致して密着する。
そして、接合状態では、各ラグスクリュー8によって、各接合面44、14aにおける剪断荷重が支持される。連結梁1aと主梁4、4aが離れる方向(接合面14aと接合面44とが離れる方向)の荷重(力)に対しては、連結梁1aと主梁4、4aが離れる方向に対し各ラグスクリュー8が所要の角度で傾斜していることにより、各ラグスクリュー8がストッパーとなる。
このようにして、連結梁1aと主梁4、4aは強固に接合される。なお、ラグスクリュー8を各下孔にねじ込んだ後、ラグスクリュー8と孔壁との間で滑りが殆どなく、木繊維と交差し、強く食い込むので、ラグスクリュー8の緩みや抜けが抑制され、各梁1a、及び4、4aの、より強固な接合が可能である。
また、本実施の形態の接合構造J2によれば、従来のように、加工箇所の補修を特に行うことなく、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる点や、短期での施工が可能となる点については、接合構造J1と同様である。
なお、接合構造J2
図8、図9を参照する。
木部材の接合構造J3は、上記接合構造J1と、使用する接合体(接合ピンとラグスクリュー)の数が異なり、接合する木部材が連結梁と主梁でなく、複数の梁を同軸方向に接合する点、及び接合体の投影位置での交差部が接合面にある点で異なるが、接合体を接合される木部材間に渡すように、木部材の軸線方向(離れる方向)に対し所要角度で傾斜させて固定するという接合構造については実質的に同様なので、相違点については補足して説明するが、全体的には簡易な説明に止める。
なお、以下の接合構造J3〜J5においては、説明が煩雑にならないように、ラグスクリュー8をねじ込む各下孔についての説明を省略する。
木部材の接合構造J3は、所要間隔をおいて同一直線上にある第2の木部材である梁5、5aを、第1の木部材である連結梁1bの両端を接合することによって接合するものである。六本のラグスクリュー8は、連結梁1bの側面19、19aから各梁5、5aへ隣接されたもの同士が交差するように、角度を違えてねじ込まれている。
また、各ラグスクリュー8の先端は、各梁5、5aの側面50、51に貫通せず、その近傍に行き止まるようにしてある。これにより、梁5、5a、及び連結梁1bは、二箇所に設けた木部材の接合構造J3によって接合された、一本の梁となる。
また、本実施の形態の接合構造J3によれば、各梁の、より強固な接合が可能である点、加工箇所の補修を特に行うことなく、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる点、及び短期での施工が可能となる点については、接合構造J1と同様である。
図10、図11を参照する。
木部材の接合構造J4は、上記接合構造J1〜J3と、使用する接合体(ラグスクリュー)の数が異なり、隣接するもの同士が投影位置で交差せず、同じ角度である点で異なるが、接合構造については実質的に同様なので、相違する点を補足して説明し、全体的には簡易な説明に止める。
木部材の接合構造J4は、所要間隔をおいて同じ高さにある第2の木部材である主梁6、6aを、第1の木部材である連結梁1cの両端を接合することによって接合するものである。二本のラグスクリュー8は、連結梁1cの上面17から各主梁6、6aへ隣接されたもの同士が下向きに所要の同じ角度で傾斜して、ねじ込まれている。
また、各ラグスクリュー8の先端は、各主梁6、6aの側面60、60aに貫通せず、その近傍に行き止まるようにしてある。これにより、各主梁6、6a、及び連結梁1cは、二箇所に設けた木部材の接合構造J4によって強固に接合される。
また、本実施の形態の接合構造J4によれば、各梁の、より強固な接合が可能である点、加工箇所の補修を特に行うことなく、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる点、及び短期での施工が可能となる点については、接合構造J1と同様である。
図12、図13を参照する。
木部材の接合構造J5は、接合構造J4と、使用する接合体(ラグスクリュー)の数が異なり、隣接するもの同士が投影位置で交差する点、接合する木部材が連結梁と主梁でなく、複数の梁を同軸方向に接合する点で異なるが、接合構造については実質的に同様なので、相違する点を補足して説明し、全体的には簡易な説明に止める。
木部材の接合構造J5は、所要間隔をおいて同一直線上にある梁7、7aを、連結梁1dの両端を接合することによって接合するものである。二本のラグスクリュー8は、連結梁1dの上面18から各梁7、7aの下面70、70aへ隣接されたもの同士が下向きに同じ角度で傾斜して、ねじ込まれている。
また、他の二本のラグスクリュー8は、梁7の上面71から連結梁1dの下面19へ隣接されたもの同士が下向きに同じ角度で傾斜して、ねじ込まれている。これにより、各ラグスクリュー8は、投影位置において接合面で交差している。
各ラグスクリュー8の先端は、各梁7、7aの下面70、70a、及び連結梁1dの下面19に貫通せず、その近傍に行き止まるようにしてある。これにより、梁7、7a、及び連結梁1dは、二箇所に設けた木部材の接合構造J5によって接合された、一本の梁となる。
また、本実施の形態の接合構造J5によれば、各梁の、より強固な接合が可能である点、加工箇所の補修を特に行うことなく、軸組構造体をきれいな外観に仕上げることができる点、及び短期での施工が可能となる点については、接合構造J1と同様である。
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
J1 木部材の接合構造
1 連結梁
10 上面
11 下面
12、13 側面
120、140 孔口
130、141 孔口
14 接合面
15、16、15a、16a 通し側下孔
140a、141a 孔口
120a、130a 孔口
2、2a 主梁
20 上面
21 下面
22、23 側面
24 接合面
240、241、240a、241a 孔口
25、26、25a、26a 止め側下孔
250、260、250a、260a 孔底
3、3a、3b、3c 接合ピン
J2 木部材の接合構造
4、4a 主梁
40 上面
41 下面
42、43 側面
44 接合面
45 通し側下孔
46 通し側下孔
45a、46a 通し側下孔
1a 連結梁
10a 上面
11a 下面
12a、13a 側面
14a 接合面
15b、16b、15c、16c 止め側下孔
150、160、151、161 孔口
400 スクリュー座
8 ラグスクリュー
J3 木部材の接合構造
5、5a 梁
1b 連結梁
19、19a 側面
50、51 側面
J4 木部材の接合構造
6、6a 主梁
1c 連結梁
17 上面
60、60a 側面
J5 木部材の接合構造
7、7a 梁
1d 連結梁
18 上面
19 下面
70、70a 下面

Claims (9)

  1. 接合面と、該接合面と側面との間に、互いを避けるように、軸線方向に対して所要角度で傾斜し、貫通した通し側下孔を有する一方の木部材と、
    接合面と、該接合面から側面へ向け所要深さで行き止まるように、前記通し側下孔と同一直線上にある止め側下孔を有する他方の木部材と、
    前記一方と他方の木部材の接合面を合わせ、接合体を前記各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔へ通し、同一方と他方の木部材を接合する接合体とを備える
    木部材の接合構造。
  2. 木口面を第1の接合面とし、該第1の接合面と、互いに反対側にある両側面との間に、互いを避けるように、かつ対称方向となるように軸線方向に対し所要角度で傾斜し、貫通して設けられた対となる通し側下孔を有する第1の木部材と、
    互いに反対側にある両側面の一方側に前記第1の接合面と接合する第2の接合面を形成し、該第2の接合面から他方の側面へ向け所要深さで行き止まるように設けられた、前記各通し側下孔と同一直線上にあって対となる止め側下孔を有する第2の木部材と、
    前記第1の木部材の各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔に挿通されて、同第1の木部材と同第2の木部材を接合する直棒状の接合体とを備える
    木部材の接合構造。
  3. 前記第1の木部材の前記各通し側下孔同士が、所要の間隔を以て設けられている
    請求項2の木部材の接合構造。
  4. 前記第1の木部材の前記各通し側下孔、及び前記第2の木部材の前記各止め側下孔が、それぞれの木部材の天地方向において、木部材の軸線方向と平行に設けられている
    請求項2または3の木部材の接合構造。
  5. 対となる前記第1の木部材の前記各通し側下孔、及び前記第2の木部材の前記各止め側下孔が、それぞれの木部材の天地方向において、複数段設けられている
    請求項2、3または4の木部材の接合構造。
  6. 接合体が、ラグスクリューである
    請求項2、3、4または5の木部材の接合構造。
  7. 一方の木部材に接合面を形成し、該接合面と側面との間に、互いを避けるように、軸線方向に対して所要角度で傾斜し、貫通した通し側下孔を形成する工程と、
    他方の木部材に接合面を形成し、該接合面から側面へ向け所要深さで行き止まるように、前記通し側下孔と同一直線上にある止め側下孔を形成する工程と、
    前記一方と他方の木部材の接合面を合わせ、接合体を前記各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔へ通し、同一方と他方の木部材を接合する工程とを備える
    木部材の接合方法。
  8. 第1の木部材の木口面に第1の接合面を形成し、該第1の接合面と、互いに反対側にある両側面との間に、互いを避けるように、かつ対称方向となるように軸線方向に対し所要角度で傾斜し、貫通した対となる通し側下孔を形成する工程と、
    第2の木部材の互いに反対側にある両側面の一方側に第2の接合面を形成し、該第2の接合面から他方の側面へ向け所要深さで行き止まるように、前記通し側下孔と同一直線上にあって対となる止め側下孔を形成する工程と、
    前記第1の接合面と第2の接合面を合わせ、直棒状の接合体を前記第1の木部材の前記各通し側下孔を通り、同各通し側下孔と同一直線上にある前記各止め側下孔へ挿通し、同第1の木部材と同第2の木部材を接合する工程とを備える
    木部材の接合方法。
  9. 前記接合体が、ラグスクリューである
    請求項7または8の木部材の接合方法。
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