JP4169843B2 - 気化器のスロットル・チョーク制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用の気化器のスロットル・チョーク制御機構に関する。特に、チョークバルブが完全に閉止したときスロットルバルブを自動的に「やや開」に位置させるチョークスロットル冷間始動設定ラッチ機構を備えた制御機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
チェーンソー、ウイードホイップ(雑草取り)、芝刈り機、庭トラクタ、その他小さな芝、庭、森用の可搬機器のような低排気量のガソリン燃料エンジンとともに用いるように設計した小さな気化器において、手動動作チョーク・スロットル制御装置が典型的に設けられ、しばしばハンドクランクがエンジンを始動させるために用いられる。1970年代以前においては、このようなチョーク・スロットル制御装置を備えたチェーンソーは問題が多い基本的な始動手順を必要としていた。最初に、チョークバルブが、完全に開始動位置に閉じられ、始動ロープがエンジンが点火するまで、引っ張られた。通常、閉じられたチョークバルブによって、空燃(A/F)混合物を過剰濃縮するためにこの第1点火後直ちに「エンスト」に追いやられる。これは、通常、誤始動と呼ばれる。この時点で、チョークバルブは開放されなければならなかった。そして、スタータロープは、エンジンが最終的に運転を開始するまで、再度引っ張られていた。
【0003】
次に、この始動手順は、別の始動アップ制御器をチェーンソーに加えることによって、改良され、それによってスロットルバルブは、高速アイドル位置として知られる、部分開位置に保持することができた。これによって、増大した空気流がスロットルバルブを通過するのが許されるため、「誤始動」が避けられる。
【0004】
三つの別々の手動式制御、すなわち、スロットル制御、チョーク制御および高速アイドル開始制御の必要性を避けるために、1978年10月31日にヨハンソン(Johansson)に許可された、米国特許第4,123,480号(参考のために引用される)が改良されたチェーンソーエンジン制御機構を開示している。ヨハンソン特許4,123,480号の自動高速アイドル設定機構は、'480号特許の図1、3および4にそれぞれ対応する本願図1、2および3に示されている。これらの図面において、気化器スロートを流れる空気流の方向は矢印「A」で示されている。便宜上、図1、2および3において用いられた参照番号は、構造の詳細およびその動作のために付されている '480号において用いられているものと同じである。
【0005】
'480号特許においては、高速アイドル二次レバー9が、チョークバルブシャフト11上にピボット止めされ、スロットルバルブシャフト2上に固定されたスロットルレバー4のラッチアームと係合するように動作可能で、スロットルバルブ1を高速アイドル位置(図2)に対応する所定の角度まで開放させる(図2)。この構造では、オペレータがスロットルバルブ1を高速アイドル状態に設定するためには、単一の始動アップ制御装置、すなわちチョークシャフトレバー12に結合されたチョークバルブ制御装置(図示しない)を操作するだけでよい。オペレータがチョーク制御装置を移動させて、チョークバルブ10を完全開位置(図1)から完全閉開始位置(図2)に揺動させるとき、隣接した高速レバー9上の連結舌片14を経由したチョーク軸制御レバー12の旋回動作が高速アイドルレバー9を旋回しさせ、そのノッチ8をスロットルレバーラッチアーム舌片7と係止させ、それによって自動的に高速アイドルラッチ機構を設定する。各チョーク・スロットル軸復帰バネ15、3のバイアスはまた、ラッチを閉止する力を与える。
【0006】
チェーンソーエンジンが誤始動に遭遇する場合は、チョークレバー12を開位置(図3)に移動させ、高速アイドルレバー9を移動させずに、スロットルレバーと係合させたままにして、スロットルバルブ1を高速アイドル位置に保持するようにしてもよい。チェーンソーエンジンが始動すると、オペレータは、単にスロットル制御トリガ6を押してスロットルバルブ1を開放するだけである。これによって、スロットルシャフトレバー4が旋回され、それによって、高速アイドルレバー9から脱離され、ラッチを開放させる。この時点で、チョークバルブ10が未だ閉位置にあるならば、チョーク偏倚バネ15は、高速アイドルレバー9とそれをチョークレバーに連結させる舌片14を介して動作して、スロットルレバー4からの高速アイドルレバー9のアンラッチの際に、チョークバルブ10を完全開位置に自動的に復帰させる。
【0007】
この '480特許での設計の欠点の一つは、高速のアイドルラッチ始動システムを設定するとき、チョークバルブ10の完全且つ(または)変わらない閉鎖を量産時に確保することができなかった。この特殊な問題は、オペレータがチョーク制御装置を完全に指示始動位置に合わせたとしても、チョークバルブはしばしば完全には閉止しないとことによることが判っている。さらに、この問題は、高速のアイドルラッチ機構の組立のために製造された部品の通常の製造公差の累積によるものであることが判っている。
【0008】
このような製造公差は、最小の寸法範囲限界または公差を設定し、許容可能な製造コストレベルで通常の製造機器性能を得るのに必要である。これは、チェーンソー、草刈り器、クリアリングソー(伐採用のこ)、ウイードホイップ(雑草取り)など、このような民生用製品の低小売り価格による超低価格が必要な製品のエンジン用の気化器を製造する際の特有の問題である。問題は、このような小さなエンジンの気化器の小さな寸法によって、気化器機構に含まれたチョーク・スロットル部品の対応する寸法によって生じている。これらの要素によって、機構の動作のために組み立てられたとき、このような小さな部品の避けられない製造寸法変化の悪影響を減少するため製造公差を減少することが困難となる。
【0009】
従って, '480特許の構造の高速アイドル開始システムの動作のチョークバルブの不完全な且つ(または)変わり易い閉鎖の場合には、全ての部品の公差の一方の限度までの変化(公差スタックアップ)のために、チョークバルブが完全に閉鎖した位置に到達できないようになる。これによって、エンジンの開始が妨げられ、或いは少なくともエンジンの始動が阻害される。一方、対向する他方の公差限度までに全ての部品が変化すると、高速アイドルレバーがスロットルレバーと係合し損ねて、ラッチアップ動作が起こらない。これによって、チョークスロットル高速アイドルシステム全体の機能にロスが生じる。
【0010】
この問題の原因は、舌片14を経由するチョークレバー12と高速アイドルレバー9の間の押圧結合であることが判った。このことは、閉鎖位置に向かって揺動したときのチョークバルブ10の実際の位置が、図8〜図13に関連して、後に、より詳細に説明するように、作動力が機器の手動制御から除かれた後に、ラッチの係合した舌片およびノッチ部品7、8(実際に係合している場合)が、そのバネ保持され、安定し、ラッチされた位置に揺動して少し戻るときに高速アイドルレバー9のラッチアップ位置によって制御されることを意味する。'480特許は、第4欄、60〜65行において、いくつかの切欠および突起を備えた高速のアイドルレバーおよびスロットルレバーを設計することによって、スロットルレバーとチョークレバーをいくつかの組み合わせ位置に止めることができるような態様で '480特許の機構を設計することができると記載している(図示されていない)。この一般的な記載は、明らかに、曖昧で且つ不明瞭であるけれども、この変形は、一定の機器応用のためにまたは、その適用が、負荷および機器の利用の条件に合致する種々のエンジン動作モード条件を満足させるのに適するかまたは望ましいエンジンのために用いられる一部開チョークバルブ位置のような一連のエンジン操作段階を提供する目的を有している。
【0011】
スロットルバルブの自動高速アイドル設定を達成する問題に対する別の先行技術による解決手段は、1993年4月6日に発行され、本願と同一の譲受人である、カスシチィ、ミシガン州のウォルブロコーポレイション(Walbro Crporation)に譲受されたヘルムル(Hermle)に対する米国特許第5200118号において見いだされる。’118特許による自動解除手段を備えた高速アイドルスロットルラッチシステムは、本願図4、5、6、7(A)および7(B)(’118特許の図5、3、2、1及び4に対応する)に示されている。便宜上、図4〜図7(B)において用いられた参照番号は、’118特許の図と同じものである。’118特許には、詳細な構造および動作が示されているが、本明細書に、参考として引用されている。
【0012】
図4〜図7(B)および、'118特許の明細書およびクレームを参照することによって、チョークバルブ10が、そのオペレータ制御ハンドル16およびそのリンケージが高速アイドルレバー20に対する制御ハンドル28およびそのリンケージから切り離され、高速アイドルレバー20に係合される。それによって、ベルクランク20のクランクアーム24を介して独立に動作される。’118特許は、チョークバルブ10を動作させる別の手動制御装置を提供し、同様に、高速アイドルレバー20はそれ自身の制御部材28を動かすだけで作動される。オペレータに対する便宜上、図4および図7(A)に示されるように、これら二つの別々の作動部材16および28は、一つのユニットとして容易に連携して操作可能であり、または所望の場合は、個別にも操作可能である。
【0013】
'118特許のシステムには、チョークレバーアーム12と高速アイドルラッチベルクランク20との舌片結合はなく、従って、'118特許のシステムでは、'480特許システムの上記不完全なチョーク閉鎖問題は起こらない。これは、ベルクランク20のラッチアップ位置が、それが、自身の作動制御16によって個別にこの状態に操作されるとき、チョークバルブ10の完全な閉鎖に影響しないか、または阻害しないからである。同様に、スロットルレバー8をラッチアップするためにハンドル28とともにベルクランク20を設定することは、チョークバルブ10に何ら影響を与えない。それにも関わらず、’480特許におけるように、チェーンソーエンジンが始動され、つぎにスロットルトリガが押されたとき、高速アイドルレバーが自動的に脱離してバネを図4および図7(B)に示されるような休止位置に戻す。
【0014】
'118特許の発行後のある時点で、'118特許の制御機構を実現する気化器の製造において総業の変更がなされた。ラッチアップ位置の範囲で調整可能に設定された作動ハンドル28とともに高速アイドルベルクランクラッチ20の設定を可能にするために、いくつかの比較的大きなノッチが、図4の単一のノッチの代わりにベルクランクアーム22の自由端の縁上に備えられた。これらのノッチは、スロットルレバー8の自由端の縁23と個々に係合するように設計され、スロットルバルブ6を図5、6の高速アイドル位置に設定するが、これらの限界位置内にかかわらず、作動ハンドル28が設定されている。
【0015】
それにもかかわらず、上記先行技術は、上記の問題と取り組んでいないし、また大量生産される、’480特許の高速アイドル機構の場合には、チョークが、高速アイドルラッチアップで完全閉鎖位置に到達可能であることを確保する解決策を提供していない。それ故、まずい始動、最悪の場合には「始動しない」という問題が、’480システムを利用するいくつかの大企業の気化器製造業者によって提供される480システムの広い普及にもかかわらず何年も引き続いていた。
【0016】
’480特許の高速アイドル始動システムのチョークバルブの不完全かつ(または)変わり易い閉鎖から生じる問題は、図8−13に示されたチョークバル・スロットルバルブおよびアクチュエータレバーのレイアウトを参照することによって理解されるだろう。
【0017】
図8、図9および図10は、垂直配列を示し、’480高速アイドルシステムの市販の製品の構造と動作に関する上記問題点を本発明が分析する際に開発されたレイアウトを示している。このシステムレイアウトは、スロットルバルブ板1、スロットルレバー4、高速アイドルレバー9、チョークバルブ板10およびチョークレバー12を示している。スロットル板1およびスロットルレバー4は、回転のためにスロットルシャフト2上に装着される。チョークレバー12は、チョーク板10を回転させるためのチョークシャフト11上に装着され、それとの回転のために固定される。高速アイドルレバー9は、自由な回転のためにチョークシャフト11上に支承されている。寸法B、CおよびDはそれぞれ、気化器成形体の幅、シャフト2と11の中心間距離および気化器体の出口面からのシャフト2の中心までの距離を示す。
【0018】
寸法Eは、スロットルレバー4の舌片7の自由端と高速アイドルレバー9のノッチ8の面と間の空隙の寸法を示す。チョーク動作ケーブル(図示しない)にオペレータによって印加された手動力によって図9に示された完全閉鎖チョーク位置までチョークレバー12によってチョーク軸11が回転されたときのノッチ8の面8bに舌片7が載っている。図10は、オペレータ作動力がチョークレバー12から除かれたとき部品の位置を示し、その部品は“バックアップ”することが許され、それによって、個々の復帰バネのバイアス力によってのみ保持された完全ラッチ係止位置をとる。
【0019】
図8、図9および図10は、定格の設計寸法仕様に製造されたとき部品の動作、すなわち部品において現在許容されている公差変動を用いて特定された各製造部品の平均寸法バルブを用いて製造されたときの動作を示す。従って、現在の製造の理想化された状態を示す。これらの図面から、高速アイドルアーム9がチョークレバー12上に引っ張る制御リンケージによって図8の休止位置から揺動され、図8〜10に示されるように反時計回りに回転することがわかる。チョークレバー12は、高速アイドルレバー9の舌片14との係合を介して、図8の位置からレバー9を反時計回りに揺動させるので、レバー自由端前縁9aは、最初に、ノッチ8より前ににスロットルレバー4の舌片7と係合して図9に到達する。この場合、戻り止めとして働く舌片7はノッチ8に付勢されている。レバー9は図10位置を経由してこの反時計回りを継続する。この場合、舌片7は、依然、ノッチ8に回り止め結合して、ノッチ面8aに当接し、部品が図9の位置に到達するときのオペレータ駆動の揺動を完成する。チョークバルブ板10の対応する揺動は、気化器スロート穴面と衝突することによって積極的に停止させられる。
【0020】
図9の設計レイアウトは、気化器のスロート軸Xと直角に交叉する設計面PCから15°の角度で完全に閉鎖した位置でチョーク板10が積極的に停止されていることを要求する。この相互係合ラッチ位置は、レバー9に作用する復帰バネ(図示しない)のバイアスおよびスロットルレバー4に作用する復帰バネ(図示しない)のバイアスに対して働くチョークレバー12に取付けられた制御ケーブルに印加されたオペレータ手動力によって達成される。
【0021】
しかし、オペレータはその制御操作力をを解除するとき、復帰バネは、レバー9および4を図9位置から図10位置へ旋回することになることに注意されたい。図10位置は、従って、スロットルバルブ1が単独で高速アイドル位置にバネ保持され、チョークバルブ板10が単独で定格閉鎖位置にバネ保持されている定格の(すなわち理想の)ラッチアップ状態を示している。空隙Eの寸法は、図9の位置から図10の位置へラッチ部品の3°の後退旋回運動を可能にし、それによって、復帰バネが、シャフト軸2に一致し、気化器スロート軸Xと垂直に交叉する設計面PTに関して31°の傾斜から28°の傾斜へスロットルバルブ板1を移動させることが可能となる。すなわち、チョークバルブ板10は揺動して、図9に示された15°位置から図10の18°傾斜位置へ3°だけ開くことになる。
【0022】
図11、12および13は、それぞれ図8、9および10に対応し、高速ラッチシステムの可動部品が図8、9および10と同じスケールで配列されているが、理論的には、設計公差の累積の一つの限界を表す寸法公差の限界に形成されているレイアウトである。図12の寸法Eは、図9の対応する寸法Eよりかなり大きい。図10に比較して、図13の部品の相対角度設定に示されているように、高速アイドルレバー9は揺動路において早く舌片7と係合することがわかる。チョーク板10が現実の完全閉止位置で気化器穴の表面に向かって付勢されるときレバー9が最終的に図12の停止限界位置に達し、従って、気化器スロート軸Xから75°の角度で傾斜される。さらに、オペレータ手動力が制御作動から解除されるとき、レバー4、9に作用する復帰バネの偏倚力がそれらを図12の位置から図13の完全係合単独ラッチ位置に旋回させる。
【0023】
図12の公差総計空隙Eによって、チョーク板10が面PCから25°に傾いた位置に旋回することが可能にされ、図12の完全閉鎖位置からさらに10°開く。同様にして、スロットル板1は面PTから26°だけ傾いた高速アイドル位置に旋回しており、図10の対応する定格の28°設計位置よりさらに2°だけ閉じた位置にある。従って、部品が図11〜図13の累積公差で形成されるとき、このようなバルブ板のA/F濃縮機能が不適当に開始されることになる。各ラッチアップ状態において、チョークバルブ10を一部開いたままにすること、およびスロットル板1を所望より閉じたままにすることを可能にすることによって、始動の困難さから始動の失敗に至る何らかの性能の低下を生じさせる。
【0024】
他方、設計の累積公差の限界(図示しない)で、チョークバルブ板10は、スロットルレバー4の舌片7が高速アイドルレバーの自由端縁面と係合してしまう前に、完全閉止位置(完全開から75度の回転)に到達する。したがって、高速アイドルシステムが働くことが完全に失敗してしまう。
【0025】
限定するわけではないが例示として、図8〜図13に示された前述の分析に対して用いられた寸法値はつぎの通りであった(部品は工学スケールで示され、例えば、寸法Bは定格の場合で33. 66 mm.
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ヘルムル(Hermle)特許第5,200,118号の代替システムに比較して、ヨハンソン(Johansson)特許4,123,480の利点を享受し、と同時に’480特許のシステムを用いる気化器の大量生産の際に遭遇する際の上記問題を解決する自動スロットル高速アイドル設定性能を与える改良されたチョーク・スロットル機構を提供することである。それによって、部品が寸法公差の全範囲で製造されるとき、チョークバルブ板が全閉位置に移動し、そこに留まり、それによって上記した欠陥のある始動、ひどい場合には無始動の状態を除くように高速アイドルレバーがスロットルレバーと適正に係合するようになる。
【0027】
本発明の別の目的は、上記性質の改良された気化器チョーク・スロットル自動高速アイドル機構を提供し、一部品のみ、すなわち対応するがしかし改良された高速アイドルレバー部品を少ないコストで置き換えることによって、上記問題を解決し、製造の際の操業変更として置き換え可能で、従来の機構の製造においてすでに用いられた製造組立工程を大きく変化させず、所望の場合は、修理項目として、現存する気化器に容易に取り付け可能で、現存する製造公差の何らの厳格化も必要とせず、それによって、組立装置と同様に処理方法および機械の精度を高めるためのコストを避けようとするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
一般に、そして限定的でなく、要約的に言うと、本発明は、従来の高速アイドルレバー部品を新規な高速アイドルレバー部品のみでただ置き換え、気化器自動高速アイドル機構を保持したままで変更なしに用いることによって目的を達成しうる。
【0029】
この高速アイドルレバーの自由端キャッチ面は、高速アイドルラッチシステムの協動的歯止めとして機能する現存するスロットルレバーの舌片縁と係合したとき正確なラチェットとして働くギザギザを与える小さな歯列によって特徴づけられる。従って、オペレータ動作力の解除の際、完全閉鎖設計位置からチョークバルブの逆行動作を防止または大きく減じる一方向の精密クラッチ動作が達成される。これは、事前に存在する公差仕様で大量生産するとき現存する動作的に協動する機構部品とともに、公差累積位置の範囲を通じてスロットルレバーの舌片に関して高速アイドルレバー自由端の相対的な方向の角度範囲の変化に関係なく達成される。
【0030】
別の特徴として、高速アイドルレバー上のラチェット歯のギザギザの周囲の範囲は、チョーク閉鎖状態で方位されたときチョークレバーおよびそれに関連した高速アイドルレバーの揺動公差限界の角度範囲内で歯止め係合を確保するのに十分な程度に大きくされる。さらに、高速アイドルレバーのラチェット歯の列は、拡大された幅寸法を有しており、それによって、チョークレバー舌片ギザギザと高速アイドルレバーの自由端縁との間の事前に存在する横方向のミスアラインメント公差が特に広い列のラチェット歯によって収容されるようになる。望ましくは、改良された高速レバーが低コストでしかも高精度でインジェクションモールドされた部品(モールドされたとき、仕上げ状態にある)として大量生産される。
【0031】
所望の場合は、協動する高速アイドル・チョークレバー上のラチェット歯および舌片歯止めは反転してもよい。しかし、これによって、従来の技術の’480特許の型式の機械的チョーク・スロットル高速アイドルインターロック機構を用いた現存する気化器の製造における運転変更として実現される場合、このような唯一の部品の代わりに二つの新しい代替部品を製造することが必要となろう。従って、このような従来の気化器機構に対する野外サービスおよび野外取り付けの単純化とともに製造コスト削減の両方の理由で、高速アイドルレバー部品のみに本発明の特徴を与えることが好ましい。
【0032】
本発明の上述したおよび他の目的、特徴および利点は、好適実施例、請求項、および添付図面(特に断りがなければ工学設計スケールで描かれている)の詳細な説明から明らかとなろう。
【発明の実施の形態】
【0033】
図面を参照すると、図14〜図17は、本発明の改良されたスロットル・チョーク自動高速アイドルスロットル設定機構を示す。図1〜図3および図8〜図13に関連して前述した従来の構造の高速アイドルレバー9を除いて、図14〜図17のシステムは、同一の改良された態様で動作する。従って、同一の参照番号は、同一の部品を特定するのに用いられ、図14〜図17に関して説明を繰り返さない。
【0034】
図14〜図17を図8〜図13と比較することによって、本発明の目的を達成するのに必要な唯一の変更は、図8〜図13の従来のシステムの高速アイドルレバー9に直接の代替物として新しい高速のアイドルレバー50を提供することであることがわかる。高速アイドルレバー50は、チョークレバー12に隣接して配置されたレバー9と同様に自由回転のためにチョークレバー12上に装着され、レバー9の舌片14と同じ態様でチョークレバー12の側と組立の際重なり、隣接して係合する横方向に突出する舌片52を有している。部品50の全体の長さ、厚さおよび幅は、一般的に部品9と同じであり、従って、製造において、古い部品9を新しい部品50で取り替えるとき、製造または組立プロセス、設備、装置および手続きの変更があったとしても、ごくわずかである。
【0035】
改良された高速アイドルレバー50の詳細な構造は、図18〜21の設計詳細図における設計スケールで示されている。大量生産で精密に成形された、「セラネックス 3300(Celanex 3300)」というブランド名で販売されている適当な高耐久力プラスチック材料から射出成形された部品として、高速アイドルレバー50が製造されているのが望ましい。レバー50は、チョークシャフト11上の緊密滑り回転嵌合用のアーム9内の同様の装着穴に対応する装着穴54を有している。レバー50の対向する両側面56および58は平らで且つお互いに平行であり、従来のレバー9に対応する厚さを与えるように離れていて、代替物の取付けを容易にするようになっている。
【0036】
レバー9とレバー50の差異は、レバー50の自由端縁60とその頂部および底部の側縁62及び64の構造にある。レバー50の自由端縁60は、各歯がシャフト11での組立においてレバー50の回転軸RX(図18)に平行に延びる頂部68を有している小さな歯の一列によってギザギザのあるラチェット面を有している。図18〜21のスケールで示された高速アイドルレバー50の好適ではあるが例示的な実施例において、歯66によって定義された合計7個のラチェットノッチが存在し、これらは、高速アイドルレバー50の自由端縁上の小さな歯の列の形成において非常に密集して離隔している。
【0037】
図21において、中央において離隔した歯70と72は、その間に90°の角度を形成し、その間の歯根は中心線CLの下で好適には2.34°離れている半径線上に置かれている。この半径線から歯72の隣接面への角度形成は、好適には57°の角度を確定することになる。射出成形を促進するためには、この57°の角度は好適には、半径R1の回りに移動するにつれて4°増加するのが望ましく、また、製造の際、公差は累積されるべきではない。各歯の頂部68および根74は、好適には、鋭角で形成されるのが望ましい。
【0038】
図18と図19の比較において見られるように、レバー50の自由端縁は、横方向突起または側方の延長部76を有しており、歯66の列の上部二つの歯80および82を除いた全て歯は、高速アイドルレバー50の主側壁56及び58の間の厚さ寸法より大きい(225%)長さ寸法(図19の面に平行)を有している。上部縁62はまた、側壁58に掛かり、レバー50の組立嵌合に干渉しない強化リブとなる。
【0039】
高速アイドルレバー50の組立および動作において、次のことがわかる。すなわち、この小さな歯列66は、密集して離隔した角度増分で構成、配置された一連のラチェットキャッチノッチ78を与え、いずれもスロットルレバー4の舌片7の自由端縁80と個々にラチェット係合可能で、スロットルレバー4の高速アイドルレバー50とのロックアップラッチ状態を確定する。図15に示されるように、システム部品が、定格の平均公差で製造されるとき、舌片7の外部角縁80は、歯70と72との間の歯ノッチと係合する。従って、オペレータの力が開放された後でも、チョークバルブ板10とスロットルバルブ板1は、図15に示された本発明のラッチ機構によって単に角度的に位置決めされる。単独でラッチ保持されたバルブの保持角は、図10に示されたものより改良されていることに注意されたい。
【0040】
図17は、現存の公差限界の一方で全ての部品を製造することから結果する最悪の場合のラッチアップの下でのレバー50の角度形成における上方変化を示す。こうして製造されたときの部品によって、組立の際、舌片縁80が歯面において1ノッチだけスリップダウンまたはラチェットダウンすることが可能になった。図17において、図15と同様に、レバー50とスロットルレバー4の位置が、オペレータの力が印加されない制御機構のバルブシャフト復帰バネによって単独に維持される。図17を図15と比較することからわかるように、これらの状態の下では、スロットル板1の角度は、図15の示された29°(面PTから)の傾きから図17に示された28°の傾きへ、すなわち1°だけ変化するに過ぎない。このことから、本発明の改良された高速アイドルレバー50は、上記した従来の制御機構に対して、組立および動作において大きく改良されたかつ驚くべき効果を達成することは明らかであろう。
【0041】
本発明の主たる特徴によれば、かつ高速アイドルレバー50の自由端縁上の複数の小さな歯のため、どんな歯ノッチが舌片縁80に与えられても、チョーク板10が図15および図17の完全閉鎖位置に積極的に停止されたとき、それらはスロットルレバー4の舌片7とラチェット係止するだろう。
【0042】
スロットル・チョーク高速アイドルラッチ機構の部品の製造に対して特定された公差範囲の極小または極大の許容限度で製造されるかどうかにかかわらず、この最適化されたラッチアップが生じる。その理由は、歯列66全体の外周範囲がチョークレバー12の移動の二つの外部の公差限界を丁度、越えるように製造されるからである。従って、最下の歯ノッチは、チョークレバー12の角度(その中心線からチョーク板10の面へ測定される)が極大の公差限界にあるとき、完全閉鎖チョークの場合に最下の歯ノッチが舌片縁と噛み合うことになろう。図に例示的に示されるように、その角度はプラスマイナス2°の公差で55°となる。反対に、チョークレバーの角度がチョークレバー12とチョーク板10の間の角度で最小の公差にあるとき、完全に閉鎖されたチョークの状態において舌片ギザギザ縁80と噛み合う位置において、最上の歯は、レバー50の自由端縁上に配列されている。
【0043】
高速アイドルレバー50およびスロットルレバー4を偏倚する復帰バネは、チョークおよびバルブシャフトを復帰バイアスするために用いられものであり、それぞれ、時計方向の回転モーメントを高速アイドルレバー50に、また反時計回りの回転モーメントをスロットルレバー4に及ぼすように方位され、また配置されており、それによって、両方のバルブ復帰バネが高速アイドル状態に自動的にラッチアップされたときのシステムにロックアップ力を及ぼすようになる。従って、機構のアンラッチされた状態において、チョーク板10は図14および図16の完全開状態にバネ偏倚され、ストットル板1は、図14および図16の完全閉(低速運転)位置にバネ偏倚され、それによって従来の気化器・エンジン作動安全規格に合致する。
【0044】
【発明の効果】
前述の説明および図面から、本発明のラッチシステムは上述した目的を十分に達成し、従来技術に対して多くの利点を有している。高速アイドル位置にスロットル板を配置するための本発明による自動ラッチシステムは、単一制御すなわち気化器の始動アップ状態下のチョーク制御を保持しながら、と同時に、’480号システム(これは、これまで「不良の始動」または最悪の場合は、「始動なし」の状態になった)の単一の制御特性を利用する現在の気化器の高速アイドル始動システムにおけるチョークバルブの不完全かつ(または)一貫しない閉鎖の問題を解決する。従って、本発明は、’118特許システムの利点に対する’480特許の利点、すなわち、低製造コスト、少ない部品およびエンドユーザに対する使い勝手などの利点を保持する。
【0045】
また、現存する‘480号制御システムの気化器において、新規の高速アイドルレバー50に交換されるとき、現在の製造規格の変更なしに製造されたシステム部品の公差全体の範囲を通じて、高速アイドルレバー50は常にスロットルレバー4と係合し、チョークレバー10は、オペレータの操縦力がシステムから除かれたときに完全閉鎖状態に移動、保持され、それによって、機構のバルブ復帰バネ偏倚力の制御下に置かれることになる。これは、従来のシステムに対する部品コストの増加なしに、また、製造ラインにおける最小の取り替えコストで達成される。
【0046】
上述した前記の説明および図面から、改良された高速アイドルレバー50の新規な特徴が、スワンソン等(Swanson et al)の米国特許第5,611,312号(参考のために本明細書に加入されている)において記載され、かつクレームされた改良された種々の形式の自動高速アイドルラッチシステムの改良として簡単に編成されうるということが判るであろう。さらに、所望の場合、’118特許の高速アイドルラッチシステムの二重始動制御システムを用いて製造された気化器は、チョークレバー12とベルクランク20のアーム24を舌片押圧結合することによって単一の制御始動作動に容易に変更可能であり、それによってアクチュエータリンケージの一端をチョークレバー12に、その他端を作動部材16または18の一方(他方は除去)に結合することになる。その場合、ベルクランク20のクランクアーム22の自由端は、高速アイドルレバー50の態様で小さな歯列を備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】、
【図2】、
【図3】それぞれ、ヨハンソン米国特許第4,123,480号の図1、3および4に対応する図面である。
【図4】、
【図5】、
【図6】、
【図7】それぞれ、ヘルムル米国特許第5200118号の図5、3、2、1および4に対応する図面である。
【図8】、
【図9】、
【図10】現存の製造公差の定格平均に設計され、組立の際の存在部品と作動位置の現在達成可能な協同を説明する、それぞれ、図1乃至図3のシステムの市販の実施部品の連続した設計レイアウト図である。
【図11】、
【図12】、
【図13】それぞれ図8、図9および図10に対応するが、最悪の場合の一方の製造公差限界に設計され、そのように製造されたときの結果的に生じる不完全な閉止を説明する部品を示す図である。
【図14】、
【図15】それぞれ、本発明の改良された気化器スロットル・チョーク高速アイドル自動ラッチ機構設計レイアウト図(図8および10に対応する)であって、図8乃至図10の従来の市販のシステムのレイアウトに用いられたものに対応する定格(平均)の設計公差に製造されたときの、チョークバルブの完全開および完全閉位置、並びにスロットルバルブの完全閉および高速アイドル位置を示すものである。
【図16】、
【図17】図14および図15に示されたが、製造公差の一限界に製造されたときのラッチ保持され最悪の場合の状態を説明する位置での部品の同様の平面レイアウト図である。
【図18】それ自身、側面図で示された本発明の改良された高速アイドルレバーの立面図である。
【図19】図18の高速アイドルレバーのギザギザ歯端の立面図である。
【図20】図18に示された高速アイドルレバーに対向する高速アイドルレバーの側の立面図である。
【図21】図20の円によって囲まれているが、大きく拡大され高速アイドルレバーのラチェット歯の詳細を説明する部分図である。
【符号の説明】
1 スロットルバルブ
2 スロットルバルブシャフト
4 スロットルレバー
7 舌片
10 チョークバルブ
11 チョークバルブシャフト
12 チョークレバー
50 アイドルレバー
52 舌片
54 装着穴
56、58 側面
60 自由端縁
62、64 側縁部
66 歯列
74 根部
76 延長部
78 ラチェットキャッチノッチ
80、82 歯
PT、PC 面
CL 中心線
R1、R2、R3 半径
Claims (11)
- 閉じた低速アイドル位置、高速アイドル冷間始動位置および最高速度開位置を有するスロットルバルブと、冷間始動閉位置および最高速度開位置を有するチョークバルブを有する燃料・空気混合装置用の制御機構において、
前記スロットルバルブをそのアイドル位置の方へ偏倚する第1の偏倚手段と、
前記チョークバルブをその最高速度位置の方へ偏倚する第2の偏倚手段と、
各バルブに結合された係合可能な自動的機械的解除可能なラッチであって、前記偏倚手段に対向して両方のバルブを冷間始動位置に解除可能に保持すると同時に前記チョークバルブのそのアイドル位置から最高速度位置に向かう移動を可能にするものであり、冷間始動位置から最高速度位置に向かう前記スロットルバルブによって解除され、更に、チョークレバーとそれに結合した高速アイドルラッチレバーを備えたものと、
前記各偏倚手段に対抗して、前記チョークレバーと高速アイドルレバーの両者を互いに係合させるために前記最高速度位置から冷間始動位置に向かって前記チョークバルブが移動するときに前記高速アイドルレバー上の協同的構成と係合する構成を有する前記チョークレバーと、
前記スロットルバルブに結合し、低速アイドル位置と最高速度位置の間で前記スロットルバルブを移動させ、且つ前記高速アイドルレバーとラッチ係合可能なスロットルレバーを備え、
前記ラッチは、前記高速アイドルレバーおよびスロットルレバーのうちの一方の上に密集して離隔した小ラチェット歯列、および解除可能な一方向クラッチ係合において前記高速アイドルレバーおよびスロットルレバーを保持するために前記ラチェット歯のどれが整列するとしても任意のものと選択的に係合する前記高速アイドルレバーおよびスロットルレバーのうちの他方の上に位置する歯止めを備え、
該制御機構に加わる作動力で、該チョークレバーが該高速アイドルラッチレバーを動かし、該チョークバルブを完全に冷間始動閉位置へ確実に動かし、該高速アイドルラッチラッチレバーが、該スロットルレバーを十分に動かし、該スロットルバルブを閉じた低速アイドル位置から高速アイドル冷間始動位置に動かし、該ラチェット歯列は、正確なクラッチ作用で、十分な歯止め保持位置の提供でラッチ係合を確実にし、該レバー及び作動部の既存の公差仕様での大量生産で、該制御機構の任意の操作可能な協働の作動部に加えて該レバーの公差累積位置の範囲全体に、該歯止めに対する該小ラチェット歯列の向きの範囲の変化に関わらず、該チョークバルブの完全に閉じた位置から不都合な逆向きの開く動きを防止又は少なくとも最小にする、ことを特徴とする前記燃料・空気混合装置用の制御機構。 - さらに、前記チョークレバーに結合され、前記係合可能なラッチの係合の間に冷間始動位置および最高速度位置との間に前記チョークバルブを移動させる制御手段をさらに備えた請求項1に記載の制御機構。
- 前記チョークバルブが回転可能なチョークシャフト上に旋回可能に装着され、前記高速アイドルレバーが前記チョークシャフトの回りに非回転旋回可能になっており、前記チョークレバーおよび高速アイドルレバー上の構成は、前記チョークバルブをその開位置から冷間始動位置に前記チョークバルブを旋回させ、また前記高速アイドルレバーとスロットルレバーを解除可能なラッチ相互係合に置くために一方向に力を前記チョークレバーに加えるときに前記高速アイドルレバーを前記チョークレバーと一致して旋回させる協動接合点を有し、前記チョークレバーは、その冷間始動位置と最高速度開位置との間で前記チョークバルブを旋回させるために前記高速アイドルレバーとスロットルレバーが係合するとき、前記高速アイドルレバーとは独立に旋回可能になっており、前記接合点は、前記係合手段の解除の際、前記高速アイドルレバーと前記チョークレバーをピボットとして用いて前記チョークバルブをその冷間始動位置からその開位置へ旋回するようになっている、請求項2に記載の制御機構。
- 前記第2の偏倚手段は、前記チョークシャフトを包囲し、前記高速アイドルレバーに作用するコイルバネを有する請求項3に記載の制御機構。
- 前記ラチェット歯列は、前記高速アイドルレバーの自由端上に備えられ、前記歯止めは前記スロットルレバーの自由端上に備えられている請求項3に記載の制御機構。
- 前記ラチェット歯列は、旋回の所定の角度範囲内で完全閉冷間始動位置に到達する前記チョークバルブに対応する前記高速アイドルレバーの角度旋回揺動公差の対向端の限界と旋回の角度において少なくとも等しい全体的周辺限界を有している請求項5に記載の制御機構。
- アイドル位置に向かって偏倚され、かつスロットル作動部材によって低速アイドル位置から高速アイドル位置へさらに完全開運転位置へ変位されるようになっているスロットルバルブ手段と、
チョーク作動部材によって閉始動位置と完全開休止位置との間で変位されるようになっているスタータチョークバルブ手段と、
作動されると、前記スロットルバルブ手段を高速アイドル始動位置に移動させ、ラッチ手段を介してこのような位置に前記スロットルバルブ手段を保持する保持・ラッチ手段とを備えた、内燃機関とくにチェーンソー用の気化器であって、
前記ラッチ手段は、前記スロットルバルブ手段を高速アイドル位置から運転位置の方へ移動させるように作動されている前記スロットル作動部材によって解除され、それによって復帰バネ手段の作用の下にその休止位置に戻るようになっており、
前記保持手段は、前記スタータチョークバルブ手段から作動的に離隔し、前記チョーク作動部材によって作動されるようになっており、
前記保持手段は、一対のアームを有し、軸の回りに旋回可能になっており、その一方は前記スロットル作動部材と協同して前記保持ラッチ手段を構成し、他方は前記保持手段のラッチ設定作動部材に作動的に接続されているダブルアームレバーを備え、
前記ダブルアームレバーは、前記復帰バネ手段を介して前記休止位置を確定する接合点に対して付勢されるように配置され、
前記チョーク作動部材と前記ダブルアームレバーの他方のアームは、それらが単一の手動チョーク制御リンケージによって作動可能となるように隣接して構成配置され、前記ダブルアームレバーとは独立して前記チョーク作動部材の移動を可能にし、
前記ラッチ手段はさらに、前記ダブルアームレバーの前記一方の上に密集して離隔した小ラチェット歯列、および前記高速アイドル位置に前記スロットルレバーを保持するために前記ラチェット歯のどれが整列するとしても任意のものと選択的に係合する前記スロットル作動部材の上に位置する歯止めを備え、
該制御機構に加わる作動力で、該チョークレバーが該高速アイドルラッチレバーを動かし、該チョークバルブを完全に冷間始動閉位置へ確実に動かし、該高速アイドルラッチラッチレバーが、該スロットルレバーを十分に動かし、該スロットルバルブを閉じた低速アイドル位置から高速アイドル冷間始動位置に動かし、該ラチェット歯列は、正確なクラッチ作用で、十分な歯止め保持位置の提供でラッチ係合を確実にし、該レバー及び作動部の既存の公差仕様での大量生産で、該制御機構の任意の操作可能な協働の作動部に加えて該レバーの公差累積位置の範囲全体に、該歯止めに対する該小ラチェット歯列の向きの範囲の変化に関わらず、該チョークバルブの完全に閉じた位置から不都合な逆向きの開く動きを防止又は少なくとも最小にする、ことを特徴とする気化器。 - 前記ラチェット歯列は、前記ラチェット歯列は、その位置が完全閉位置に到達する前記チョークバルブに対応する前記ダブルアームレバーの角度揺動公差の対向する端部の限界と少なくとも等しい全体的周辺限界を有している請求項7に記載の気化器。
- 混合路と、
低速アイドル閉位置と広い開スロットル位置との間で移動可能なスロットルバルブと、
低速アイドル位置の方へ前記スロットルバルブを偏倚するバネ手段と、
低速アイドル位置と広い開位置との間で前記スロットルバルブを可動に変位させるように動作可能な第1の制御レバーと、
前記混合路に可動に装着されたチョークバルブと、
所定の閉始動位置と開休止位置との間で前記チョークバルブを変位させるように動作可能な第2の制御レバーと、前記第2の制御レバーによって作動されるとき、ラッチ手段を介して前記スロットルバルブを所定の冷間始動高速アイドル位置に移動させる冷間始動保持手段とを備え、前記ラッチ手段は、前記スロットルバルブが高速アイドル位置から開位置の方へ移動されるとき解除され、それによって前記スロットルバルブが前記バネの偏倚力に対して低速アイドル閉位置と広い開位置の間で制御可能に変位されるようになる、気化器において、それとの組み合わせにおいて、
前記ラッチ手段は、小ラチェット歯手段と、前記チョークバルブ及びスロットルバルブに協同的に結合された協同的歯止め手段とを備え、前記チョークバルブおよびスロットルバルブが前記ラッチ手段の結合動作によって移動されているときのその所定の冷間始動位置への移動を一方向へ解除可能に停止させ、
該制御機構に加わる作動力で、該チョークレバーが該高速アイドルラッチレバーを動かし、該チョークバルブを完全に冷間始動閉位置へ確実に動かし、該高速アイドルラッチラッチレバーが、該スロットルレバーを十分に動かし、該スロットルバルブを閉じた低速アイドル位置から高速アイドル冷間始動位置に動かし、該ラチェット歯列は、正確なクラッチ作用で、十分な歯止め保持位置の提供でラッチ係合を確実にし、該レバー及び作動部の既存の公差仕様での大量生産で、該制御機構の任意の操作可能な協働の作動部に加えて該レバーの公差累積位置の範囲全体に、該歯止めに対する該小ラチェット歯列の向きの範囲の変化に関わらず、該チョークバルブの完全に閉じた位置から不都合な逆向きの開く動きを防止又は少なくとも最小にする前記気化器。 - 前記各バルブは前記各バルブ位置に旋回され、
前記冷間始動保持手段は、前記第2の制御レバーを備え、前記チョークバルブの回転軸の回りに旋回可能になっており、
前記ラッチ手段は、前記第2の制御レバー上に配置され、
前記第1の制御レバーは、旋回運動のために前記スロットルレバーに動作可能に結合されており、
前記ラッチ手段はまた、前記第1の制御レバー上に配置され、前記冷間始動保持手段として動作するために前記第2の制御レバー上の前記ラッチ手段と協同して動作可能になっている、請求項9に記載の気化器。 - 前記チョークバルブが開位置から完全閉位置に揺動するとき、スロットルバルブを高速アイドル位置でやや開に自動的に位置決めするチョーク・スロットル冷間始動設定ラッチ機構を含む気化器のチョーク・スロットル制御機構において、
チョーク板バルブを担持する回転可能なチョークシャフトと、
スロットル板バルブを担持する回転可能なスロットルシャフトと、
前記チョークシャフトに固定され、チョーク復帰バネのバイアスに対抗して前記チョークバルブを開位置から閉位置に回転させるチョークレバーと、
前記スロットルシャフトに固定され、スロットル復帰バネのバイアスに対抗して前記スロットルバルブを閉位置から開位置に回転させるスロットルレバーと、前記チョークシャフト上にジャーナル軸受けされ、前記スロットルレバーの自由端の移動路とほぼ同一面にあり且つそれと交差する移動路において揺動可能な自由端を有する高速アイドルレバーと、
前記チョークバルブのチョーク閉鎖位置および前記スロットルバルブの高速アイドル位置における前記復帰バネによって保持ラッチされたトグルとして相互に係合可能な前記自由端上に配置された解除可能ラッチ手段とを備え、それと組み合わせて
前記ラッチ手段は、前記自由端の一方の上に位置する小ラチェット歯列、および前記チョークレバーと前記スロットルレバーのトグルラッチ位置において前記ラチェット歯のどれが整列するとしても任意のものと選択的に係合する前記自由端の他方の上に位置する歯止めを備え、
該制御機構に加わる作動力で、該チョークレバーが該高速アイドルラッチレバーを動か し、該チョークバルブを完全に冷間始動閉位置へ確実に動かし、該高速アイドルラッチラッチレバーが、該スロットルレバーを十分に動かし、該スロットルバルブを閉じた低速アイドル位置から高速アイドル冷間始動位置に動かし、該ラチェット歯列は、正確なクラッチ作用で、十分な歯止め保持位置の提供でラッチ係合を確実にし、該レバー及び作動部の既存の公差仕様での大量生産で、該制御機構の任意の操作可能な協働の作動部に加えて該レバーの公差累積位置の範囲全体に、該歯止めに対する該小ラチェット歯列の向きの範囲の変化に関わらず、該チョークバルブの完全に閉じた位置から不都合な逆向きの開く動きを防止又は少なくとも最小にする前記気化器。
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