JP4168729B2 - 生ごみ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主に家庭の台所で発生する生ごみを減量及び減容させる生ごみ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の生ごみを減量したり、減容したりする生ごみ処理装置について説明する(例えば、特許文献1参照)。図7は従来の生ごみ処理装置の断面図を示す。
【0003】
図7に示すように、微生物の生息場所となるおがくず等の微生物担体1を入れた微生物分解槽2と、投入された生ごみ3と微生物担体1とを混合、撹拌するための回転撹拌棒4及びその駆動装置5を有し、投入された生ごみ3を微生物により最終的には二酸化炭素と水に分解し、生ごみ3を減量するもので、微生物分解槽2内の温度を適正に保つための加熱手段6、酸素(空気)を供給するための換気ファン7と吸気口8、それらの制御を行う制御手段(図示せず)を備え、微生物の働きにより生ごみを分解し減量する生ごみ処理装置が一般的に知られている。また、排出部9は吸気口8を介して微生物分解槽2に連通している。
【0004】
生ごみ処理装置は微生物が生ごみ3を分解する方式のため、この微生物を生息させ、活性化させるための環境を作る必要がある。1つには、微生物が多く生息でき増殖するための場所が必要であり、微生物担体1には、おがくずのような木片チップ、多孔質のプラスチック片等が用いられている。2つには、微生物による分解に必要な条件である酸素(空気)が、微生物担体1に回転撹拌棒4の攪拌作用により供給される。
【0005】
また、3つには、適度の湿度が必要であり、乾燥しすぎの状態では、微生物は生存できなし、水分の多い状態でも分解の能力が低下する。なお、微生物担体1は微生物分解槽2内の湿度を適度に調整するバッファーの役目も果たしている。また、微生物分解槽2内にたまった未分解の生成物(例えば、セルロース、無機物、骨等)は吸気口8から排出部9に落下し、貯まる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−84526号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、制御手段が加熱手段6の加熱量と換気ファン7の換気能力を調整して微生物担体1の水分を一定に保っている。しかし、大量の生ごみ3や水分の多い生ごみ3が投入された場合、制御手段が加熱手段6の加熱量と換気ファン7の換気能力を上げても微生物担体1の水分調整、すなわち水分を減らすことに限度がある。この結果、微生物担体1が粒や塊になり通気性が悪化して、回転撹拌棒4の攪拌作用による酸素(空気)供給が阻害されて微生物の活性が低下するので、生ごみの分解性能が悪化するという課題を有していた。そして、微生物は生ごみ3を十分に分解できずに強烈な悪臭が発生した。
【0008】
また、換気ファン7により吸気口8から流入する空気は主に微生物担体1の表面を流れるために、微生物担体1内や生ごみ3から発生する水蒸気が効率良く排出できない。このことを補うために加熱手段6の加熱量を大きくしなければならず、電気代がかかるという課題を有していた。また、微生物分解槽2に投入された生ごみは微生物担体1に混ざりながら比較的短時間(例えば24時間)で分解するので、臭気成分の発生ピークが大きく、臭気が強いという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、生ごみの分解性能の確保と省エネルギ及び低臭気化を図った生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の生ごみ処理装置は、内蔵した微生物担体の微生物により生ごみを分解させる微生物分解処理部と、前記微生物分解処理部に内蔵した回転攪拌棒と、前記微生物分解処理部の側面上部に開口した排出口と、前記微生物分解処理部側面における前記排出口の下縁とほぼ同じ高さに配列され中央ほど多数開口した複数の空気噴出口を有し前記微生物分解処理部の側面から中央に向かって空気を噴出する送風乾燥処理部と、前記微生物分解処理部の上部または天上部で且つ送風乾燥処理部側に開口した排気口と、前記送風乾燥処理部に連通した送風ファンとを備え、前記空気噴出口から噴出した空気は、前記回転攪拌棒が停止した状態で前記微生物担体上に溜まった生ごみの側面から上部に貫通しながら前記生ごみの表面を乾燥させ、前記排気口へ向けて気流の向きを換える際の気流の乱れで水蒸気を拡散して乾燥性能を向上するものである。
【0011】
そして、送風ファンから送風された空気は、送風乾燥処理部の空気噴出口から噴出し、微生物分解処理部に投入された生ごみの側面から上部に貫通しながら生ごみを乾燥する。この乾燥分、大量の生ごみや水分の多い生ごみが投入された場合でも、微生物分解処理部での水分調整(水分を減らすこと)ができるので、微生物分解処理部では通気性が確保でき、生ごみの分解性能が継続できる。
【0012】
また、エネルギ消費の大きい加熱手段等の熱源を使わず、送風ファンの送風により生ごみを乾燥させるので、省エネルギが図れる。更に、生ごみの表面が乾いているので、生ごみの表面が湿ってくるまでの間、微生物分解が抑えられる(生ごみの分解性能が平準化)ので、臭気成分の発生ピークが小さくなり、臭いが少なくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、内蔵した微生物担体の微生物により生ごみを分解させる微生物分解処理部と、前記微生物分解処理部に内蔵した回転攪拌棒と、前記微生物分解処理部の側面上部に開口した排出口と、前記微生物分解処理部側面における前記排出口の下縁とほぼ同じ高さに配列され中央ほど多数開口した複数の空気噴出口を有し前記微生物分解処理部の側面から中央に向かって空気を噴出する送風乾燥処理部と、前記微生物分解処理部の上部または天上部で且つ送風乾燥処理部側に開口した排気口と、前記送風乾燥処理部に連通した送風ファンとを備え、前記空気噴出口から噴出した空気は、前記回転攪拌棒が停止した状態で前記微生物担体上に溜まった生ごみの側面から上部に貫通しながら前記生ごみの表面を乾燥させ、前記排気口へ向けて気流の向きを換える際の気流の乱れで水蒸気を拡散して乾燥性能を向上することを特徴とする生ごみ処理装置とするものである。
【0014】
そして、送風ファンから送風された空気は、送風乾燥処理部の空気噴出口から噴出し、噴出された空気は微生物分解処理部に投入された生ごみの側部から上部へ貫通しながら生ごみの表面を乾燥する。この乾燥分、大量の生ごみや水分の多い生ごみが投入された場合でも、微生物分解処理部での水分調整ができるので、微生物分解処理部では通気性が確保でき、生ごみの分解性能が継続できる。
【0015】
また、エネルギ消費の大きい加熱手段等の熱源を使わず、大気熱を利用する送風ファンの送風により生ごみを乾燥させるので、省エネルギが図れる。更に、生ごみの表面が乾いているので、生ごみの表面が微生物担体等から吸湿して湿ってくるまでの間、微生物分解が抑えられるので(生ごみの分解性能が平準化され)、臭気成分の発生ピークが小さくなり、臭いが少なくなる。
【0016】
また、送風乾燥処理部から噴出した空気は微生物分解処理部に投入された生ごみの側部から上部へ貫通しながら生ごみを乾燥する。その際、空気は排気口へ流れの向きを換えるので、空気の主流は生ごみの中央を横断しながら乾燥する。さらに、空気の流れが乱れるので、水蒸気の拡散が容易になる。これらの結果、生ごみの乾燥性能が向上する。
【0017】
そして、人により微生物分解処理部に投入された生ごみは、微生物分解処理部の中央の方が周囲より量が多くなる。他方、送風乾燥処理部から噴出した空気は、微生物分解処理部の中央に向かう。これらの結果、空気は微生物分解処理部に投入された生ごみに均一に貫通しながら生ごみを乾燥する。すなわち、生ごみが集まった微生物分解処理部の中央には空気が大量に噴出されるので、生ごみの乾燥性能が向上できる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、直方体の箱形状をした微生物分解処理部と、前記微生物分解処理部における送風乾燥処理部を設けた側面に隣り合った側面の上部に開口した排出口とを備えたものである。
【0019】
そして、送風乾燥処理部から噴出した空気は微生物担体と生成物との混合物や生ごみに衝突し、これらの小片を微生物分解処理部の側面まで吹き飛ばす。すなわち、排出口を送風乾燥処理部側に対向しない位置に開口したので、小片が直接排出口から流出することを防止できる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明に加えて、生ごみを投入する際に微生物分解処理部の天上部を開閉する蓋を備え、前記生ごみを微生物分解処理部内に投入し前記蓋を閉じてからの所定時間内に、回転攪拌棒が停止している状態で微生物担体 上に溜まった生ごみの表面を送風ファンからの送風で乾燥し、前記所定時間経過後に、前記生ごみと前記微生物担体を前記回転攪拌棒で攪拌して微生物分解するものである。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の所定時間は、生ごみの水分を10〜50%減少させる時間としたものである。
【0022】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の送風乾燥処理部は、空気噴出口を覆うように微生物分解処理部の内側に向けて下方に傾斜した傾斜板が設けられており、前記微生物分解処理部の底部に向かって空気を噴出するものである。
【0023】
そして、送風ファンから送風された空気は、送風乾燥処理部から微生物分解処理部の底部に向かって噴出するので、噴出された空気は微生物担体と未分解の生成物との混合物の表面に沿って流れ、微生物分解処理部に投入され、かつ混合物の表面に位置する生ごみの側部で、かつ生ごみの底部近傍から上部へ貫通しながら生ごみを乾燥する。すなわち、空気が生ごみの底部から上部まで貫流する分、生ごみの乾燥性能が向上できる。
【0024】
また、微生物分解処理部の混合物が少ない場合でも、常に微生物分解処理部の底部に向かって噴出した空気は生ごみの側部や上部に衝突し、生ごみを貫通しながら生ごみを乾燥する。この結果、安定した生ごみの乾燥性能が得られる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0026】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における生ごみ処理装置の側面構成図を、図2は、同生ごみ処理装置の平面構成図を、図3は、同生ごみ処理装置のフローチャートをそれぞれ示すものである。
【0027】
図1と図2において、21は箱形状の微生物分解処理部であり、微生物分解槽22と3本の回転撹拌棒23とから構成されている。24は微生物の生息場所となるおがくず等の微生物担体である。25は回転撹拌棒23を駆動する駆動装置である。
【0028】
そして、回転撹拌棒23は投入された生ごみ26と微生物担体24とを混合、撹拌し、微生物担体24に酸素(空気)を供給する。27は微生物分解槽22内の温度を適正に保つための電気ヒータからなる加熱手段である。28は微生物分解槽22の上部に生ごみ26を投入時に開閉する蓋であり、排気口29を開口している。30は送風により生ごみ26を乾燥させる送風乾燥処理部であり、微生物分解処理部21の側面上部に多数開口した空気噴出口31と、この空気噴出口31を覆う箱形状の空気室32とから構成されている。33は空気室32に連通した送風ファンである。34は吸気口、35は空気や水蒸気を排出する換気ファンである。また、36は着脱自在の箱形状した排出部であり、排出口37を介して微生物分解槽22に連通している。
【0029】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0030】
まず、蓋28を開けて、生ごみ26を微生物分解槽22に投入後、再び蓋28を閉める。そして、送風ファン33が送風を開始し、空気室32に空気が送り込まれる。次に、空気室32で整流された空気は、空気噴出口31から微生物分解処理部21に噴出するので、噴出された空気は生ごみ26の側面から上部へ貫通しながら排気口29から排出される。その際に、空気が生ごみ26から発生する水蒸気を直ちに運び出す(生ごみ26の雰囲気の水蒸気分圧が下がる)ので、生ごみ26は速やかに乾燥する。
【0031】
送風ファン33が送風を開始して所定時間経過後(例えば3時間後)、送風ファン33が停止する。続いて、駆動装置25により駆動する回転撹拌棒23が乾燥した生ごみ26(水分は10〜50%減)と微生物担体24とを混合する。他方、微生物分解槽22の微生物担体24が所定の温度(例えば30℃程度)に維持するように、加熱手段27がON/OFF制御される。
【0032】
また、駆動装置25により駆動する回転撹拌棒23は微生物担体24と乾燥した生ごみ26を間欠的に混合、撹拌し、微生物担体24に酸素(空気)を供給する。同時に、回転撹拌棒23の攪拌動作は微生物担体24の水蒸気を微生物分解処理部21の上部空間に放出させる。
【0033】
更に、駆動している換気ファン35が、微生物分解処理部21内の水蒸気や空気等を排出するので、微生物担体24の水分調整(水分を減らす)ができる。
【0034】
また、換気ファン35が微生物分解処理部21へ外気を導入する。次に、微生物担体24に生息する微生物は乾燥した生ごみ26を最終的には二酸化炭素と水に分解し、乾燥した生ごみ26を減量する。
【0035】
特に、大量の生ごみ26や水分の多い生ごみ26が投入された場合でも、送風ファン33から供給され、送風乾燥処理部30から噴出する空気が生ごみ26を乾燥する。この乾燥分、微生物担体24の水分調整ができるので、微生物担体24が粒や塊にならず、通気性が確保できる。すなわち、回転撹拌棒23の間欠的な混合、撹拌により微生物担体24に酸素(空気)を供給できるので、微生物分解処理部21での乾燥した生ごみ26の分解性能が継続できる。
【0036】
また、エネルギ消費の大きい加熱手段(電気ヒータやバーナ)の熱源を使わず、大気熱を利用する送風ファン33の送風により生ごみ26を乾燥させるので、省エネルギが図れる。
【0037】
更に、生ごみ26の表面が乾いているので、生ごみ26の表面が微生物担体24から水
分を吸収するまでの間、生ごみ26の分解が抑えられる。この結果、投入された生ごみ26の分解性能が平準化され、臭気成分の発生ピークが小さくなり、臭いが少なくなる。
【0038】
なお、空気噴出口31は丸穴である必要はなく、例えば長穴でも効果は変わらない。また、送風ファン33は押し込み式であるが、生ごみ26に空気が貫流できるなら吸い込み式でよい。
【0039】
以上のように、本実施例においては、微生物分解処理部21の上部に設けた排気口と、微生物分解処理部21側面の上部に設けた生ごみを乾燥させる空気を噴出する送風乾燥処理部30と、送風乾燥処理部30に連通した送風ファン33を備えたことにより、大量の生ごみ26や水分の多い生ごみ26が投入された場合でも、微生物分解処理部21での乾燥した生ごみ26の分解性能が継続できる。
【0040】
また、エネルギ消費の大きい加熱手段の熱源を使わず、送風ファン33により生ごみ26を乾燥させるので、省エネルギが図れる。更に、投入された生ごみ26の分解性能が平準化され、臭気成分の発生ピークが小さくなり、臭いが少なくなる。
【0041】
(実施例2)
図1は、本発明の実施例2における生ごみ処理装置の側面構成図を示すものである。図2は、本発明の実施例2における生ごみ処理装置の平面構成図を示すものである。
【0042】
実施例1の構成に追加するところは、微生物分解処理部21に形成した処理物が排出する排出口37の下縁は、送風乾燥処理部30の空気噴出口31より下方に位置している点である。
【0043】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0044】
そして、微生物担体24に生息する微生物は乾燥した生ごみ26を最終的には二酸化炭素と水に分解し、乾燥した生ごみ26を減量する。ただし、微生物分解処理部21にたまっていく未分解の生成物は排出口37から排出部36へ排出されるので、微生物担体24の表面位置は排出口37の下縁近傍になる。この結果、微生物分解処理部21に投入され、微生物担体24の表面に位置する生ごみ26と空気噴出口31との位置関係はほぼ決まってくる。したがって、空気噴出口31から噴出した空気は生ごみ26の側部に常に衝突するので、安定した生ごみ26の乾燥性能が得られる。
【0045】
以上のように、本実施例においては、微生物分解処理部21に形成した処理物を排出する排出口37は、送風乾燥処理部30より下方に位置するので、安定した生ごみ26の乾燥性能が得られる。
【0046】
(実施例3)
図1は、本発明の実施例3における生ごみ処理装置の側面構成図を示すものである。図2は、本発明の実施例3における生ごみ処理装置の平面構成図を示すものである。
【0047】
実施例1の構成に追加するところは、排出口37は、微生物分解処理部21の上部に、かつ送風乾燥処理部30側に対向しない位置に開口した点である。
【0048】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0049】
そして、生ごみ26が微生物分解槽22に投入されると、送風ファン33が送風を開始し、空気室32に空気が送り込まれる。次に、空気噴出口31から噴出された空気は生ご
み26や微生物担体24等に衝突する。続いて、これらの小片が微生物分解処理部21の側面まで吹き飛ばす。すなわち、排出口37を送風乾燥処理部側30に対向しない位置に開口したので、小片が直接排出口37から流出することを防止できる。
【0050】
以上のように、本実施例においては、排出口37は、微生物分解処理部21の上部に、かつ送風乾燥処理部30側に対向しない位置に開口したので、生ごみ26や微生物担体24等が直接排出口37から流出することを防止できる。
【0051】
(実施例4)
図1は、本発明の実施例4における生ごみ処理装置の側面構成図を示すものである。図2は、本発明の実施例4における生ごみ処理装置の平面構成図を示すものである。
【0052】
実施例1の構成に追加するところは、排気口29は、微生物分解処理部21の蓋28に、かつ送風乾燥処理部30側に開口している点である。
【0053】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0054】
そして、生ごみ26が微生物分解槽22に投入されると、送風ファン33が送風を開始し、空気室32に空気が送り込まれる。次に、空気噴出口31から噴出された空気は生ごみ26の側面から上部へ貫通しながら生ごみ26を乾燥する。その際、空気は排気口29へ流れの向きを換えるので、空気の主流は生ごみ26の中央を横断しながら乾燥する。更に、流れの向きを換える際に空気の流れが乱れるので、水蒸気の拡散が容易になる。これらの結果、生ごみ26の乾燥性能が向上できる。
【0055】
以上のように、本実施例においては、排気口29は、微生物分解処理部21の蓋28に、かつ送風乾燥処理部30側に開口しているので、生ごみ26の乾燥性能が向上できる。
【0056】
(実施例5)
図1は、本発明の実施例4における生ごみ処理装置の側面構成図を示すものである。図2は、本発明の実施例4における生ごみ処理装置の平面構成図を示すものである。図4は、本発明の実施例4における生ごみ処理装置のフローチャートを示すものである。
【0057】
実施例1の構成と異なるところは、送風ファン33は、送風乾燥処理部30による生ごみ26の乾燥後、送風量を減少する点である。なお、吸気口34と換気ファン35とを削除している。
【0058】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0059】
そして、生ごみ26が微生物分解槽22に投入されると、送風ファン33が送風を開始し、空気室32に空気(例えば200L/分)が送り込まれる。次に、空気噴出口31から噴出された空気は生ごみ26の側面から上部へ貫通しながら生ごみ26を乾燥する。送風ファン33が送風を開始して所定時間経過後(例えば3時間後)、送風量(例えば50L/分)を減少する。続いて、駆動装置25により駆動する回転撹拌棒23は微生物担体24と乾燥した生ごみ26を間欠的に混合、撹拌し、微生物担体24に酸素(空気)を供給する。同時に、回転撹拌棒23の攪拌動作は微生物担体24の水蒸気を微生物分解処理部21の上部空間に放出させる。
【0060】
さらに、駆動している送風ファン33が削減した空気は、排気口29から微生物分解処理部21内のこの水蒸気や空気等を排出するので、微生物担体24の水分調整(水分を減らす)ができる。また、送風ファン33自身が微生物分解処理部21へ外気を導入する。
すなわち、送風ファン33が換気ファン35を兼ねているので、コストが抑制できる。
【0061】
以上のように、本実施例においては、送風ファン33は、送風乾燥処理部30による生ごみ26の乾燥後、送風量を減少するので、送風ファン33が換気ファン35を兼ねる分、コストが抑制できる。
【0062】
(実施例6)
図5は、本発明の実施例6における生ごみ処理装置の側面構成図を示すものである。
【0063】
実施例1の構成と異なるところは、送風乾燥処理部41は、空気噴出口42を覆うように傾斜板43に設け、空気を微生物分解処理部44の底部に向かって噴出させる点である。
【0064】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0065】
そして、送風ファン33から送風され、空気噴出口42から噴出した空気は、傾斜板43により微生物分解処理部44の底部に向かって噴出する。噴出された空気は微生物担体24の表面に沿って流れ、微生物分解処理部44に投入された生ごみ26の側部で、かつ生ごみ26の底部近傍から上部へ貫通しながら生ごみ26を乾燥する。すなわち、空気が生ごみ26の底部から上部まで貫流する分、生ごみ26の乾燥性能が向上できる。
【0066】
また、図5に示したように、微生物分解槽22の微生物担体24が少ない場合でも、常に微生物分解処理部44の底部に向かって噴出した空気は微生物分解処理部44に投入された生ごみ26の側部や上部に衝突し、生ごみ26を貫通しながら生ごみ26を乾燥する。この結果、常に安定した生ごみ26の乾燥性能が得られる。
【0067】
なお、微生物分解処理部44の底部に向かって空気を噴出するように、空気噴出口46を微生物分解処理部44の側面上部に微生物分解処理部44の底部に向かって斜めに開口しても同様の効果が得られる。また、微生物分解処理部44の底部に向かって空気を噴出するためには、傾斜板43を用いる必要はなく、垂直板でもよい。
【0068】
以上のように、本実施例においては、送風乾燥処理部41は、微生物分解処理部44の底部に向かって噴出するので、常に安定した生ごみ26の乾燥性能が得られる。
【0069】
(実施例7)
図6は、本発明の実施例7における生ごみ処理装置の正面構成図を示すものである。
【0070】
実施例1の構成と異なるところは、送風乾燥処理部45は、空気噴出口46を微生物分解処理部47の側面上部に中央ほど多数開口し、微生物分解処理部47の中央に向かって空気を噴出する点である。
【0071】
以上のように構成された生ごみ処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0072】
そして、人により微生物分解処理部47に投入された生ごみ26は、微生物担体24表面中央の方が周囲より量が多くなる。他方、送風乾燥処理部45から噴出した空気は、微生物分解処理部47の中央に向かう。これらの結果、空気は微生物分解処理部47に投入された生ごみ26に均一に貫通しながら生ごみ26を乾燥する。すなわち、生ごみ26が集まった微生物分解処理部47の中央には空気が大量に噴出されるので、生ごみ26の乾燥性能が向上できる。
【0073】
なお、微生物分解処理部47の中央に向かって空気を噴出するように、空気噴出口46を微生物分解処理部47の側面上部に微生物分解処理部47の中央に向かって斜めに開口しても同様の効果が得られる。
【0074】
以上のように、本実施例においては、送風乾燥処理部45は、微生物分解処理部47の中央に向かって空気を噴出するので、生ごみ26の乾燥性能が向上できる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、請求項1から5に記載の発明によれば、生ごみの分解性能の確保と省エネルギ及び低臭気化を図った生ごみ処理装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1〜5における生ごみ処理装置の側面構成図
【図2】 本発明の実施例1〜5における生ごみ処理装置の平面構成図
【図3】 本発明の実施例1における生ごみ処理装置のフローチャート
【図4】 本発明の実施例5における生ごみ処理装置のフローチャート
【図5】 本発明の実施例6における生ごみ処理装置の要部部分断面図
【図6】 本発明の実施例7における生ごみ処理装置の正面構成図
【図7】 従来の生ごみ処理装置の構成図
【符号の説明】
21、44、47 微生物分解処理部
30、41、45 送風乾燥処理部
31、42、46 空気噴出口
33 送風ファン
35 換気ファン
37 排出口
43 傾斜板
Claims (5)
- 内蔵した微生物担体の微生物により生ごみを分解させる微生物分解処理部と、前記微生物分解処理部に内蔵した回転攪拌棒と、前記微生物分解処理部の側面上部に開口した排出口と、前記微生物分解処理部側面における前記排出口の下縁とほぼ同じ高さに配列され中央ほど多数開口した複数の空気噴出口を有し前記微生物分解処理部の側面から中央に向かって空気を噴出する送風乾燥処理部と、前記微生物分解処理部の上部または天上部で且つ送風乾燥処理部側に開口した排気口と、前記送風乾燥処理部に連通した送風ファンとを備え、前記空気噴出口から噴出した空気は、前記回転攪拌棒が停止した状態で前記微生物担体上に溜まった生ごみの側面から上部に貫通しながら前記生ごみの表面を乾燥させ、前記排気口へ向けて気流の向きを換える際の気流の乱れで水蒸気を拡散して乾燥性能を向上することを特徴とする生ごみ処理装置。
- 直方体の箱形状をした微生物分解処理部と、前記微生物分解処理部における送風乾燥処理部を設けた側面に隣り合った側面の上部に開口した排出口とを備えた請求項1記載の生ごみ処理装置。
- 生ごみを投入する際に微生物分解処理部の天上部を開閉する蓋を備え、前記生ごみを微生物分解処理部内に投入し前記蓋を閉じてからの所定時間内に、回転攪拌棒が停止している状態で微生物担体上に溜まった生ごみの表面を送風ファンからの送風で乾燥し、前記所定時間経過後に、前記生ごみと前記微生物担体を前記回転攪拌棒で攪拌して微生物分解する請求項1〜2に記載の生ごみ処理装置。
- 所定時間は、生ごみの水分を10〜50%減少させる時間とした請求項3に記載の生ごみ処理装置。
- 送風乾燥処理部は、空気噴出口を覆うように微生物分解処理部の内側に向けて下方に傾斜した傾斜板が設けられており、前記微生物分解処理部の底部に向かって空気を噴出する請求項1〜4のいずれか1項に記載の生ごみ処理装置。
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