JP4166382B2 - 中空構造物における中空室遮断具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空構造物における中空室遮断具に関し、主として複数枚のパネルによって中空の箱形閉じ断面に構成された車両ボディのピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等の中空パネルの制振・防音等を高めるための中空構造物における中空室遮断具に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の中空構造物における中空室遮断具には、例えば、特開平8−276448号公報に開示されている。
このような中空構造物における中空室遮断具において、中空構造物の中空室に取り付けられるホルダ体と、そのホルダ体によって支持されかつ外部加熱によって発泡し発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡性基材と、を備えている。また、ホルダ体は、中空構造物の中空室の長手方向に直交する方向に設けられ、かつ発泡性基材の両側面を支持して同発泡性基材の発泡方向を規制するための左右一対のホルダプレートと、中空構造物に対する取付クリップとを備え、耐熱性の合成樹脂材によって一体成形されている。
【0003】
前記ホルダ体において、左右一対のホルダプレートによって発泡性基材の両側面を支持するように構成すると、中空室の長手方向に対する発泡性基材の発泡は左右一対のホルダプレートよって良好に制限することができ、中空室の長手方向に直交する方向に発泡性基材の発泡を促進させて、中空室を効率よく遮断することが可能となる。
ところが、左右一対のホルダプレートと取付クリップとを一体に備えたホルダ体は構造が複雑で、そのホルダ体の成形するための成形型の製作費が高くなり、コスト高となる不具合があった。
また、図14と図15に示すように、1つのホルダプレート121と取付クリップ131によってホルダ体120を形成し、そのホルダプレート121の片側面に対し、発泡性基材111を支持するように構成することで、ホルダ体120の成形型の製作費の低減を図ることが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図14と図15に示すように、発泡性基材111の片側面のみを1つのホルダプレート121によって支持する構造においては、発泡性基材111が外部加熱によって発泡する際、発泡性基材111のホルダプレート121と反対側の面においては、その発泡が制限されることなく中空室107の長手方向にも自由に発泡することとなる。
このため、図16と図17に示すように、発泡性基材111が発泡して発泡体115となったときには、その発泡体115の外周面と中空室107の内周壁面との間の一部に隙間Sが生じ、遮断不良が発生しやすくなる。
【0005】
この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑み、ホルダ体を1つのホルダプレートを主体として構成することで、構造を簡単化し、しかも、一対のホルダプレートを一体に備えたホルダ体と略同等の遮断効果が得られる中空室遮断具を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、第1の発明に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項1に記載のとおりの構成を要旨とする。
したがって、発泡性基材が発泡する際、その発泡性基材の片側面は、中空室の長手方向に直交する方向の1つのホルダプレートによって支持されため、反対側面は剛性を有する支持プレートによって支持される。
このため、中空室の長手方向に対してはホルダプレートと支持プレートよって発泡性基材の発泡が制限され、中空室の長手方向に直交する方向に対して発泡性基材の発泡が効果的に促進される。これによって、中空室が効率よくかつ遮断不良なく良好に遮断される。
【0007】
また、第2の発明に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項2に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダ体は、耐熱性の合成樹脂よりなり、かつ1つのホルダプレートと取付クリップとを一体に備えるとともに、そのホルダプレートの片側面には所要数の保持クリップが一体に形成され、
支持プレートには、前記所要数の保持クリップがそれぞれ差し込まれて弾性的に係合する保持孔が形成されている。
したがって、ホルダ体の1つのホルダプレートと取付クリップとを耐熱性の合成樹脂によって一体に成形すると同時に、そのホルダプレートの片側面に所要数の保持クリップを形成することができる。このため、ホルダプレートと別個に所要数の保持クリップを製作して組み付ける手間を削減することができる。
【0008】
第3の発明に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項3に記載のとおりの構成を要旨とするもので、支持プレートは、耐熱性の合成樹脂よりなり、その支持プレートの片側面には所要数の保持クリップが一体に形成され、
ホルダ体のホルダプレートには、前記所要数の保持クリップがそれぞれ差し込まれて弾性的に係合する保持孔が形成されている。
したがって、支持プレートを耐熱性の合成樹脂によって成形すると同時に、その支持プレートの片側面に所要数の保持クリップを形成することができる。このため、支持プレートと別個に所要数の保持クリップを製作して組み付ける手間を削減することができる。
【0009】
第4の発明に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項4に記載のとおりの構成を要旨とするもので、支持プレートは金属製プレートより形成されている。
したがって、プレスの打ち抜き加工によって所望とする形状の支持プレートを容易に製作することができるとともに、その支持プレートのプレス加工と同時に、支持プレートの所要位置に複数の保持孔を打ち抜き加工することができる。
また、外部加熱によって発泡性基材が発泡する際、金属製プレートよりなる支持プレートによって発泡性基材の加熱が促進される。このため、発泡性基材の加熱不足による発泡不良を防止することができる。
【0010】
第5の発明に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項5に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダ体のホルダプレートと支持プレートとの対向面のうち、少なくとも一方のプレートの対向面の周縁部に沿って略環状をなす環状支持壁が形成され、発泡性基材は、前記支持壁の外周面に沿って略環状に形成されている。
したがって、発泡性基材は、環状支持壁の外周面と中空室7の内周壁面との間において発泡し、かつ発泡体となって中空室を遮断する。このため、中空室を遮断するのに必要な発泡性基材の量を極めて少量に押さえることができ、コスト低減に効果が大きい。
【0011】
第6の発明に係る中空構造物における中空室遮断具は、請求項6に記載のとおりの構成を要旨とするもので、ホルダ体のホルダプレート、支持プレート及び環状支持壁によって囲まれた内部空間部を遮音空間層としている。
したがって、ホルダプレートと支持プレートとの間の全域にわたって発泡充填された発泡体によって遮音するものと比べ、環状支持壁の内側に構成された遮音空間層によって遮音効果をより一層向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
この発明の実施の形態1を図1〜図7にしたがって説明する。
図3と図4において、中空構造物としての車両ボディのピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等の中空パネル1は、インナパネル2とアウタパネル4とが、これら両パネル2、4のフランジ3、5においてスポット溶接されることで、中空の箱形閉じ断面に形成されている。
前記インナパネル2の所定位置には、後述するホルダ体20が、その取付クリップ31において回止めされて嵌込まれる長円形、だ円形、四角形等の非円形の取付孔6が貫設されている。
【0013】
前記中空パネル1の中空室7を遮断するための中空室遮断具10は、発泡性基材11、ホルダ体20及び支持プレート40を備えている。
前記発泡性基材11は、110℃〜190℃前後の温度によって発泡する発泡剤混入の合成樹脂系の発泡性材料(金属接着性を有する発泡性材料が望ましい)よりなる。さらに、発泡性基材11は、未発泡の状態において、中空室7の内周壁面との間に適宜の隙間(塗料が通過できる程度の隙間)が生じる大きさ及び形状をなすとともに、所定板厚を有する平板状をなしている。また、発泡性基材11の所定位置には、後述する複数(所要数)の保持クリップ24が挿通される挿通孔12が貫設されている。
【0014】
図1と図2に示すように、前記ホルダ体20は、耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)よりなり、射出成形によって一体成形されている。このホルダ体20は、1つのホルダプレート21と取付クリップ31とを一体に備えている。
ホルダプレート21は、中空パネル1の中空室7の長手方向に直交する方向の平板状に形成されている。さらに、ホルダプレート21は、発泡性基材11と略同じ大きさ又は若干大きい又は若干小さい形状をなしており、中空室7の内周壁面との間には塗料が通過可能な適宜の隙間が設定されている。
ホルダプレート21の周縁部の一側(図1に向かって下側)の略中央部には、前記インナパネル2の取付孔6に対応する位置において取付クリップ31が一体に形成されている。
取付クリップ31は、ホルダプレート21の周縁部の一側の略中央部に張り出す台座部32と、その台座部32の下面から突出されかつ取付孔6に延びる脚部33と、その脚部33の先端部両側から折り返し状に延出されかつ取付孔6と弾性的に係合する一対の弾性係止片34とを備えている。
【0015】
図1と図2に示すように、ホルダプレート21の片側面には、発泡性基材11を間に挟んで保持するための剛性を有する支持プレート40が複数の保持クリップ24によって装着されている。
この実施の形態1にでは、ホルダプレート21が射出成形されると同時に、そのホルダプレート21の片側面の上下左右、計4箇所に保持クリップ24が一体に形成されている。これら保持クリップ24は、台座部25、弾性保持片26及び位置決め片27を一体に備えている。
各保持クリップ24の台座部25は、発泡性基材11の厚さ寸法と略同じ高さ寸法をもってホルダプレート21の片側面から略直角状に突出されている。そして、台座部25先端面の片側寄りに弾性変形可能な弾性保持片26が突設され、同台座部25先端面の反対側寄りに位置決め片27が突出されている。
【0016】
これに対し、支持プレート40は、耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)によって前記ホルダプレート21と略同じ大きさ形状の平板に形成されるとともに、ホルダプレート21の複数の保持クリップ24にそれぞれ対応する位置において、保持孔41と位置決め孔42とがそれぞれ隣接して形成されている。
そして、まず、ホルダプレート21の各保持クリップ24に対し発泡性基材11が、その各挿通孔12においてそれぞれ挿入される。次に、ホルダプレート21の各保持クリップ24に対し、支持プレート40が、その各保持孔41と位置決め孔42においてそれぞれ挿入される。すると、各保持クリップ24の弾性保持片26が各保持孔41に弾性的に係合し、ホルダプレート21の片側面に対し発泡性基材11を間に挟んで支持プレート40が装着される。そして、ホルダプレート21と支持プレート40との間に発泡性基材11が位置決めされて保持され、これによって中空室遮断具10が構成されるようになっている。
【0017】
上述したように構成されるこの実施の形態1の中空室遮断具10において、中空構造物としての中空パネル1を構成するインナパネル2とアウタパネル4とを、その相互のフランジ3、5においてスポット溶接する前に、インナパネル2の取付孔6に対し、中空室遮断具10が、そのホルダプレート21の取付クリップ31が嵌込まれる。すると、取付クリップ31の一対の弾性係止片34が取付孔6に係合する。これによって、図3と図4に示すように、中空室遮断具10が取付クリップ31を介して取付孔6に回止めされた状態で取付けられる。
前記したようにインナパネル2に中空室遮断具10が保持された後、前記インナパネル2とアウタパネル4とが、その相互のフランジ3、5においてスポット溶接され、中空の箱形閉じ断面をなす中空パネル1が構成される。
ここで、外部からの加熱、例えば、前記中空パネル1を有する車両ボディの焼付塗装の際の外部加熱によって前記中空室遮断具10の発泡性基材11が、図5と図6に示すように発泡し発泡体15となる。
【0018】
図5に示すように、前記発泡性基材11が発泡する際、その発泡性基材11の両側面は、ホルダプレート21と支持プレート40との間に挟持されて支持されているため、中空室7の長手方向に対しては、その発泡性基材11の発泡がホルダプレート21と支持プレート40とによってそれぞれ制限される。
このため、中空室7の長手方向に直交する方向に対しては、発泡性基材11の発泡が効果的に促進される。そして、発泡性基材11の発泡による発泡体15の周縁部が中空室7の内周壁面に確実かつ良好に密着する。この結果、前記発泡体15によって中空室7が効率よくかつ遮断不良なく良好に遮断される。
【0019】
すなわち、この実施の形態1において、従来の左右一対のホルダプレートと取付クリップとを備えてホルダ体が成形されるものと比べ、1つのホルダプレート21と取付クリップ31とを備えてホルダ体20が成形される。
このようにホルダ体20の構造を簡単化することで、ホルダ体20の成形型の製作費の低減を図ることができる。
また、ホルダ体20の1つのホルダプレート21に対し発泡性基材11を間に挟んで支持プレート40を複数の保持クリップ24と保持孔41との弾性的な係合によって容易にかつ手早く装着することができる。
そして、発泡性基材11の両側面をホルダプレート21と支持プレート40によって支持することで、一対のホルダプレートを一体に備えたホルダ体と略同等の遮断効果が得られる。
【0020】
また、この実施の形態1において、ホルダ体20の1つのホルダプレート21と取付クリップ31とを耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)によって一体に成形すると同時に、そのホルダプレート21の片側面に複数の保持クリップ24を形成することができる。このため、ホルダプレート21と別個に複数の保持クリップ24を製作して組み付ける手間を削減することができる。
また、ホルダプレート21の片側面に複数の保持クリップ24を形成することで、所要とする形状の平板材に、複数の保持クリップ24に対応する保持孔41(この実施の形態1では、保持孔41と位置決め孔42)を形成するのみで、支持プレート40を容易に形成することが可能となる。
例えば、支持プレート40を、剛性を有する合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)プレートの他、剛性を有する厚紙、段ボール、木質系ハードボード、金属製プレート等によっても容易に形成することができる。
【0021】
また、金属製プレートより形成される支持プレート40において、プレスの打ち抜き加工によって所望とする形状の支持プレート40を容易に製作することができるとともに、その支持プレート40のプレス加工と同時に、支持プレート40の所要位置に複数の保持孔41及び位置決め孔42を隣接して打ち抜き加工することができる。
また、外部加熱によって発泡性基材11が発泡する際、金属製プレートよりなる支持プレート40によって発泡性基材11の加熱が促進される。このため、発泡性基材11の加熱不足による発泡不良を確実に防止することができる。
【0022】
なお、前記実施の形態1では、ホルダ体20の1つのホルダプレート21と取付クリップ31とを耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)によって一体に成形すると同時に、そのホルダプレート21の片側面に複数の保持クリップ24を形成したが、これに限定するものではない。
例えば、図7に示すように、支持プレート40は、耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)よりなり、その支持プレート40の片側面には複数の保持クリップ24が一体に形成されてもよい。この場合、支持プレート40を耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)によって成形すると同時に、その支持プレート40の片側面に複数の保持クリップ24を形成することができる。このため、支持プレート40と別個に複数の保持クリップ24を製作して組み付ける手間を削減することができる。
但し、この場合、ホルダ体20のホルダプレート21には、複数の保持クリップ24がそれぞれ差し込まれて弾性的に係合する保持孔41及び位置決め孔42がそれぞれ隣接して形成される。
【0023】
また、前記実施の形態1においては、複数の保持クリップ24が台座部32の両側部に突設された弾性保持片26と位置決め片27とを一体に備えて構成されている場合を例示したが、これに限るものではなく、例えば、複数の保持クリップ24が弾性保持片26のみによって構成されてもよい。
【0024】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2を図8〜図13にしたがって説明する。
この実施の形態2の中空室遮断具50においても、実施の形態1と略同様にして、発泡性基材51、ホルダ体60及び支持プレート80を備えている。
すなわち、図8と図9に示すように、耐熱性の合成樹脂の射出成形によって一体成形されるホルダ体60は、1つのホルダプレート61と、取付クリップ71とを一体に備えている。なお、取付クリップ71は、実施の形態1と同様にして、台座部72、脚部73、及び弾性係止片74をそれぞれ有している。
【0025】
中空パネル1の中空室7の長手方向に直交する方向の平板状に形成されるホルダプレート61には、その片側面(支持プレート80に対向する面)の周縁部4箇所において、保持クリップ64がそれぞれ一体成形されている。これら保持クリップ64は一対の弾性係止片69をそれぞれ有している。
前記ホルダプレート61の片側面には、その複数の保持クリップ64によって剛性を有する支持プレート80が発泡性基材51を間に挟んで装着されている。この支持プレート80は、耐熱性の合成樹脂によって前記ホルダプレート61と略同じ大きさ形状の平板に形成されるとともに、ホルダプレート61の複数の保持クリップ64にそれぞれ対応する位置において、保持孔81が形成されている。
【0026】
さて、前記ホルダ体60のホルダプレート61との対向面のうち、少なくとも一方のプレートの対向面の周縁部に沿って略環状をなす環状支持壁62が形成されている。
この実施の形態2において、ホルダプレート61の片側面には、その周縁部近傍に沿って略環状をなす環状支持壁62が、発泡性基材51の厚さ寸法と略同じ高さ寸法をもって一体成形されるとともに、その環状支持壁62の外側の周縁部4箇所において、前記した保持クリップ64がそれぞれ一体成形されている。
これに対し、発泡性基材51は、環状支持壁62の外周面に嵌込まれる内孔53を有して略環状に形成され、その周縁部の4箇所には、ホルダプレート61の各保持クリップ64が差し込まれる挿通孔52がそれぞれ形成されている。
【0027】
そして、まず、ホルダプレート61の各保持クリップ64に対し発泡性基材51が、その各挿通孔52においてそれぞれ挿入されながら、同ホルダプレート61の環状支持壁62の外周に沿って発泡性基材51が嵌込まれる。
次に、ホルダプレート61の各保持クリップ64に対し、支持プレート80が、その各保持孔81においてそれぞれ挿入される。すると、各保持クリップ64の弾性保持片69が各保持孔81に弾性的に係合し、ホルダプレート61の片側面に対し発泡性基材51を間に挟んで支持プレート80が装着される。これによって、図9に示すように、ホルダプレート61と支持プレート80との間に発泡性基材51が位置決めされて保持され、中空室遮断具50が構成されるようになっている。
前記したように構成される中空室遮断具50において、ホルダ体60のホルダプレート61、支持プレート80及び環状支持壁62によって囲まれた内部空間部を遮音空間層62aとしている。
【0028】
上述したように構成されるこの実施の形態2の中空室遮断具50において、図10に示すように、中空パネル1の中空室7内に中空室遮断具50が保持された後、外部からの加熱、例えば、前記中空パネル1を有する車両ボディの焼付塗装の際の外部加熱によって前記中空室遮断具50の発泡性基材51が、図11に示すように発泡し発泡体55となる。
【0029】
図11に示すように、前記発泡性基材51が発泡する際、その発泡性基材51の両側面は、ホルダプレート61と支持プレート80との間に挟持されて支持されているため、中空室7の長手方向に対しては、その発泡性基材51の発泡がホルダプレート61と支持プレート80とによってそれぞれ制限される。
このため、中空室7の長手方向に直交する方向に対しては、発泡性基材51の発泡が効果的に促進される。そして、発泡性基材51の発泡による発泡体55の周縁部が中空室7の内周壁面に確実かつ良好に密着する。この結果、前記発泡体55によって中空室7が効率よくかつ遮断不良なく良好に遮断される。
【0030】
また、この実施の形態2において、ホルダプレート61の環状支持壁62の外周に沿って略環状をなす発泡性基材51が配設される。このため、発泡性基材51は、環状支持壁62の外周面と中空室7の内周壁面との間において発泡し、かつ発泡体55となって中空室7を遮断する。このため、中空室7を遮断するのに必要な発泡性基材51の量を実施の形態1と比べても極めて少量に押さえることができ、コスト低減に効果が大きい。
【0031】
また、この実施の形態2において、ホルダ体60のホルダプレート61、支持プレート80及び環状支持壁62によって囲まれた内部空間部を遮音空間層62aとしている。
このため、この実施の形態2においては、ホルダプレート61と支持プレート80との間の全域にわたって発泡充填された発泡体55によって遮音する実施の形態1と比べ、環状支持壁62の内側に構成された遮音空間層62aによって遮音効果をより一層向上させることができる。
図12に示すような遮音測定装置によって、実施の形態1及び2の各中空室遮断具10、50と、中空室遮断具10又は50がない遮断具未設定の状態の遮音特性を測定した結果、図13に示すような結果が得られた。
【0032】
すなわち、図12に示すように、遮音測定装置(リオン社製)において、遮音壁97によって仕切られた音源室90と測定室91のうち、音源室90には周波数/ノイズ発生器92に対しアンプ93を介して接続されたスピーカ94が設置され、測定室91には測定器95に接続されたマイク96が設置される。また、遮音壁97の中央部には金属製パイプ98が組み付けられる。
そして、金属製パイプ98に対し中空室遮断具10又は50が設置されない遮断具未設定の状態と、実施の形態1の中空室遮断具10が設置された状態と、実施の形態2の中空室遮断具50とが設置された状態おいて、スピーカ94から80dBの音を発生させて遮音測定を行った。
【0033】
図13の右側部分に示すように、スピーカ94から125Hz〜8KHzの周波数成分を含む80dBのノイズを発生させた場合、金属製パイプ98に対し遮断具未設定の状態では、測定器95において略80dBの音が測定された。
また、金属製パイプ98に対し実施の形態1の中空室遮断具10が設置され状態では、測定器95において略60dBの音が測定され、20dB低下された。
さらに、金属製パイプ98に対し実施の形態2の中空室遮断具50が設置され状態では、測定器95において略53dBの音が測定され、27dB低下された。
また、図13に示すように、125Hz、250Hz、500Hz、・・・8KHzの各周波数帯においても実施の形態1及び2の各中空室遮断具10、50による遮断効果が確認され、特に、実施の形態2の中空室遮断具50においては、500Hz〜2KHの範囲において遮音効果が大きいことが確認された。
【0034】
なお、前記実施の形態2においては、ホルダ体60のホルダプレート61に環状支持壁62が形成されている場合を例示したが、これに限るものではなく、支持プレート80に環状支持壁62を形成しても略同等の作用効果を奏する。
また、前記実施の形態1及び2においては、中空構造物が車両ボディのピラー、ロッカパネル、ルーフサンドパネル等の中空パネル1であるで場合を例示したが、これに限るものではなく、車両ボディ以外、例えば、建築物、船舶等の建造物を構成する中空構造物であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、1つのホルダプレートを備えてホルダ体を構成することで、ホルダ体の構造を簡単化することができ、ホルダ体の成形型の製作費の低減を図ることができるとともに、そのホルダ体の1つのホルダプレートに対し発泡性基材を間に挟んで剛性を有する支持プレートを容易に装着可能に構成することができる。
そして、ホルダ体の1つのホルダプレートと、剛性を有する支持プレートによって、発泡性基材の両側面を支持することで、中空室の長手方向に直交する方向に発泡性基材の発泡を効果的に促進させることができ、中空室の遮断不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の中空構造物における中空室遮断具の発泡性基材、ホルダ体及び支持プレートが分離された状態を示す斜視図である。
【図2】同じく発泡性基材、ホルダ体及び支持プレートが相互に組み付けられて中空室遮断具が構成された状態を示す斜視図である。
【図3】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装着された状態を示す縦断面図である。
【図4】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装着された状態を示す横断面図である。
【図5】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された状態を示す縦断面図である。
【図6】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された状態を示す横断面図である。
【図7】同じく支持プレートの片側面に複数の保持クリップが一体に形成された実施態様を示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態2の中空構造物における中空室遮断具の発泡性基材、ホルダ体及び支持プレートが分離された状態を示す斜視図である。
【図9】同じく発泡性基材、ホルダ体及び支持プレートが相互に組み付けられて中空室遮断具が構成された状態を示す斜視図である。
【図10】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装着された状態を示す縦断面図である。
【図11】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された状態を示す縦断面図である。
【図12】中空室遮断具の遮音測定装置を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態1及び2の中空室遮断具の遮音特性を示す説明図である。
【図14】従来の中空パネルの中空室に中空室遮断具が装着された状態を示す横断面図である。
【図15】同じく中空パネルの中空室に中空室遮断具が装着された状態を示す縦断面図である。
【図16】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された状態を示す横断面図である。
【図17】同じく中空室遮断具の発泡性基材が発泡された状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 中空パネル(中空構造物)
6 取付孔
7 中空室
10、50 中空室遮断具
11、51 発泡性基材
15、55 発泡体
20、60 ホルダ体
21、61 ホルダプレート
24、64 保持クリップ
31、71 取付クリップ
40、80 支持プレート
41、81 保持孔
Claims (6)
- 中空構造物の中空室に取り付けられるホルダ体と、そのホルダ体によって支持されかつ外部加熱によって発泡し発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡性基材と、を備えた中空構造物における中空室遮断具であって、
前記ホルダ体は、前記中空室の長手方向に直交する方向に設けられ、かつ前記発泡性基材の片側面を支持して同発泡性基材の発泡方向を規制するための1つのホルダプレートを有し、
前記ホルダプレートの片側面には、前記発泡性基材を間に挟んで保持する剛性を有する支持プレートが所要数の保持クリップによって装着されている中空構造物における中空室遮断具。 - 請求項1に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、ホルダ体は、耐熱性の合成樹脂よりなり、かつ1つのホルダプレートと取付クリップとを一体に備えるとともに、そのホルダプレートの片側面には所要数の保持クリップが一体に形成され、
支持プレートには、前記所要数の保持クリップがそれぞれ差し込まれて弾性的に係合する保持孔が形成されている中空構造物における中空室遮断具。 - 請求項1に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、支持プレートは、耐熱性の合成樹脂よりなり、その支持プレートの片側面には所要数の保持クリップが一体に形成され、
ホルダ体のホルダプレートには、前記所要数の保持クリップがそれぞれ差し込まれて弾性的に係合する保持孔が形成されている中空構造物における中空室遮断具。 - 請求項1又は2に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、支持プレートは金属製プレートより形成されている中空構造物における中空室遮断具。
- 請求項1又は2に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、ホルダ体のホルダプレートと支持プレートとの対向面のうち、少なくとも一方のプレートの対向面の周縁部に沿って略環状をなす環状支持壁が形成され、
発泡性基材は、前記支持壁の外周面に沿って略環状に形成されている中空構造物における中空室遮断具。 - 請求項5に記載の中空構造物における中空室遮断具であって、ホルダ体のホルダプレート、支持プレート及び環状支持壁によって囲まれた内部空間部を遮音空間層としている中空構造物における中空室遮断具。
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