JP4164253B2 - 被覆型徐放性混合粒剤およびその製法 - Google Patents

被覆型徐放性混合粒剤およびその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP4164253B2
JP4164253B2 JP2001339830A JP2001339830A JP4164253B2 JP 4164253 B2 JP4164253 B2 JP 4164253B2 JP 2001339830 A JP2001339830 A JP 2001339830A JP 2001339830 A JP2001339830 A JP 2001339830A JP 4164253 B2 JP4164253 B2 JP 4164253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
physiologically active
active substance
water
granulated product
coated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001339830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003137704A (ja
Inventor
前川  弘志
満 貞本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001339830A priority Critical patent/JP4164253B2/ja
Publication of JP2003137704A publication Critical patent/JP2003137704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4164253B2 publication Critical patent/JP4164253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品・医薬品・農薬などの分野において、水溶解度の大きく異なる生理活性物質を2種類あるいはそれ以上含有してなる徐放性粒剤に関するものであり、さらにそれぞれの生理活性物質の溶出速度を別々に制御可能な徐放性粒剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、食品・医薬品・農薬などの薬物徐放化に関する検討が数多く行われている。特に、農業分野においては、施薬回数を減らすことによる省力化、必要以上の農薬活性成分流失を防止する目的で、徐放性製剤の役割は重要であり、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、肥料などさまざまな薬剤で徐放性製剤が開発されている。また、近年、省力化の目的で、複数の薬剤を同時に施薬できる徐放性混合製剤の開発が盛んである。水稲においては田植えの際、あるいは、畑作においては種まきの際に施薬するだけで、種々の農薬活性成分が徐放化され、あらゆる病害虫・雑草の防除でき、植物成長に必要な肥料成分を供給することができれば、非常に省力化が可能であり、そのような技術開発が進められている。複数の農薬活性成分を含有した農業用製剤の例としては、肥料成分と農薬成分を同一剤中に配合した徐放性農薬肥料、殺虫成分と殺菌成分を同時に施薬できる徐放性殺虫殺菌剤、などが挙げられる。
【0003】
このような2種以上の農薬活性成分を徐放化する例として特開2000−44404号公報には、徐放化の必要な生理活性物質を内核に含有し、その表面を樹脂で被覆した後、別の生理活性物質を被覆した混合製剤が開示されている。ここに記載されていることで重要な点は、内核および外層部に含有される農薬活性成分は比較的水溶解度差の小さいものを対照としていることである。当該公報の試験例1(溶出試験)の表4からは、被覆樹脂の有無による内核に含有されている農薬活性成分の溶出速度の差はわずかであり、該発明の被覆樹脂の内核に含有される農薬活性成分に対する溶出抑制効果は比較的小さい。よって、この方法では、水溶解度差が大きく乖離する農薬活性成分の溶出制御は困難である。
【0004】
また、特開2000−186004号公報には、過溶出性質を有する農薬活性成分(A)の溶出を抑制して、水溶解度の低い農薬活性成分(B)の溶出を促進する二重被覆型農薬粒剤が開示されている。ここに記載されている溶出制御の機構は、ポリ酢酸ビニルエマルジョンで被覆することにより第一層目の農薬活性成分(A)の過溶出を抑制し、ベントナイトの水膨潤性を利用して農薬活性成分(B)を含む層を崩壊させることにより農薬活性成分(B)の溶出を促進させるというものである。実施例の第1表の溶出試験から、ポリ酢酸ビニルエマルジョンの有無による両農薬活性成分の溶出速度差を読み取ったところ、それらの差はあまり大きくなかった。さらに、ポリ酢酸ビニルエマルジョンは、農薬活性成分(A)を被覆する際のバインダーとして使用されるため、無制限に増加させるわけにはいかず、実質的には5重量%以下で用いざる得ない。また、同様に実施例の第1表の溶出試験から、ベントナイトの有無による両農薬活性成分の溶出速度差を読み取ったところ、それらの差もあまり大きくなかった。よって、ポリ酢酸ビニルエマルジョンの農薬活性成分(A)に対する溶出抑制効果と、ベントナイトの農薬活性成分(B)に対する溶出抑制効果を組み合わせても、水溶解度差が大きくかい離する農薬活性成分の溶出制御は困難である。また、実施例に示された製剤例の有効期間は長く見積もっても1ヶ月程度で、現場で求められている2〜3ヶ月間にわたる長期持続型製剤を供することはできない。
【0005】
特開平10−1405号公報には、農薬活性成分と水膨潤性物質を含有する農薬粒剤の表面を、熱可塑性樹脂を主成分とする皮膜材料で被覆することにより、一定期間農薬活性成分の溶出を抑制する機能を有する被覆農薬粒剤であって、該粒剤が異なる溶出抑制期間を有する被覆農薬粒剤の混合物が記載されている。この方法では、水膨潤性物質の効果により粒剤が崩壊するため、水溶解度の高い農薬活性成分では崩壊直後に高濃度の農薬活性成分が溶出し薬害を起こす恐れがあり、また持続性も期待できない。
【0006】
特開平9−236475号公報には、粒状肥料表面を、農薬を含有した熱可塑性樹脂により被覆した、肥料成分と農薬成分の溶出挙動を制御した農薬含有の緩効性被覆肥料が記載されている。この方法において、熱可塑性樹脂皮膜層の役割は、皮膜内部の肥料成分に対する溶出制御と、皮膜に含有される農薬成分に対する溶出制御の2つの役割を兼ねている。このため、肥料成分と農薬成分の溶出制御を別々に行うことはできず、適用できる農薬の水溶解度の範囲は非常に狭い。つまり、低い水溶解度の農薬成分を用いる場合は、農薬成分の溶出を促進する目的で疎な皮膜を配するため、肥料成分の溶出は極端に速くなり肥料の緩効性が乏しくなり、また、高い水溶解度の農薬成分を用いる場合は、農薬成分の溶出を抑制する目的密な皮膜を配するため、肥料成分の溶出は極端に遅くなり肥料効果が低くなるため、農薬成分と肥料成分が適度な溶出制御ができる農薬水溶解度範囲は非常に狭いと言わざる得ない。また、同じ理由で、現場から要求される農薬成分と肥料成分の木目細やかな溶出制御も困難である。
【0007】
一方、特開2000−26206号公報に示されるように、水溶解度の高い生理活性物質の徐放化にワックスを使用することは既に知られている。しかしながら、本法で2種以上の生理活性物質、特に水に対する溶解度が極端に異なるものを同時に徐放化しようとした場合、一方の生理活性物質の放出速度が極端に速くなるかまたは極端に遅くなるなどの課題を有していた。即ち、水溶解度が極端に異なる2種以上の生理活性物質を同時に徐放化した農薬製剤として好適なものは知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水溶解度の大きく異なる2種類以上の生理活性物質の溶出速度をそれぞれ制御可能な徐放性粒剤を提供することにある。
【0009】
以上に述べたように、二種以上の生理活性物質を含有し、少なくともその一方の生理活性物質に関して、徐放化された製剤は提案されているものの、水溶解度が極端に異なる生理活性物質を少なくとも二種含有する製剤において、その双方とも、それぞれ所望の溶解速度で放出されるように同時に徐放化できる製剤の提案は、これまで、見当たらない。
【0010】
本発明は、前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、一つの製剤中に、異なる二種類またそれ以上の、水溶解度が極端に異なる生理活性物質を含有し、この水溶解度が極端に異なる生理活性物質の個々について、それぞれ所望の溶出速度で放出されるように同時に徐放化がなされた新規な剤型の徐放性粒剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく生理活性物質の粒剤中での存在箇所、粒剤の構造、粒剤構造体の崩壊性等に留意して鋭意検討した結果、本発明を完成した。つまり、少なくとも一種の水溶解度が高い生理活性物質を第一の造粒物に含有させ、一方、水溶解度の低い生理活性物質は崩壊剤と共に第二の造粒物に含有させてこれらを内核とし、その表面を粉末担体とワックスを用いて外層部で被覆することにより、二層構造の粒剤とすることを考えた。
【0012】
本発明者らは、かかる構成を採用することにより、第一の造粒物中の水溶解度の高い生理活性物質と、第二の造粒物中の水溶解度の低い生理活性物質の双方ともに、徐放化されることを見出した。
【0013】
本発明者らの検討によれば、本発明の粒剤においては、以上のように二種類の造粒物を被覆して調製される二層構造を採用することで、第一の造粒物に含有される生理活性物質は、その水溶解度が高いにも係わらず、外層部の拡散抑制作用により十分な徐放化が達成され、一方、第二の造粒物に含有される他の難水溶性生理活性物質は、元来水への溶解速度は遅く、水媒体との接触面積を減少させるだけで、十分に徐放化させることが可能であり、本発明においては、ワックスマトリックス中に難水溶性生理活性物質を分散させることで水媒体との接触面積を減少させた上、その造粒物を崩壊剤を用いて崩壊・細分化させることで、造粒物中の難水溶性生理活性物質の水媒体との接触面積を調整し、溶出速度制御することができる。外層部の被覆は、第二の造粒物中の崩壊剤の働きによる崩壊を完全に抑制しない程度強度の材料を選択し被覆することが重要である。この様な材料で被覆した第二の造粒物は、崩壊剤の働きによる崩壊効果と外層部の溶解抑制効果を加味して設計することで、適当な溶出速度に制御することができる。結局、一種の混合粒剤中で二種類あるいはそれ以上の水溶解度が異なる生理活性物質がそれぞれ適正に溶出制御され得ることが判明した。溶出制御の観点からは、第二の造粒物は外層部で被覆する根拠はないが、混合製剤として製造する工程では二種の粒剤の混合が必須の工程であること、偏積防止や均一混合のために被覆粒剤と未被覆粒剤で大きさや形状を揃えることは困難であることを考慮し、第一の造粒物と第二の造粒物を混合した後、外層部を被覆する方法を見出した。本発明者らは、これらの研究・検討により自ら取得した知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の徐放性混合粒剤は以下のとおりである。
[1] 水媒体へ生理活性物質を持続的に溶出供給するために利用される被覆型徐放性混合粒剤であって、
内核とその表面を被覆する外層部とからなる被覆型粒剤の構成を有し、
前記内核は20℃における水溶解度が1000ppm以上10%以下の少なくとも一種類の生理活性物質(第一の生理活性物質)及び水に難溶性である熱可塑性材料を含有する第一の造粒物と、20℃における水溶解度が0.1ppm〜500ppmの少なくとも一種類の生理活性物質(第二の生理活性物質)と崩壊剤及び水に難溶性である熱可塑性材料を含有する第二の造粒物とからなり、
前記外層部は、粉末担体と、水に難溶性であり内核で使用する熱可塑性材料より融点の低い熱可塑性材料を含有する
ことを特徴とする被覆型徐放性混合粒剤。
[2] 第二の造粒物に含有される崩壊剤が、水膨潤性物質であることを特徴とする[1]記載の被覆型徐放性混合粒剤。
[3] 水膨潤性物質が、水溶性天然高分子、水溶性半合成高分子又は水溶性合成高分子であることを特徴とする[2]記載の被覆型徐放性混合粒剤。
[4] 第一及び第二の少なくとも何れか一方の造粒物に、無機系希釈担体を含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
[5] 第一の生理活性物質、および第二の生理活性物質のうち、少なくとも一方が農薬活性成分であることを特徴とする[1]〜[]のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
[6] 第一の農薬活性物質が(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンであることを特徴とする[1]〜[]のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
[7] 第二の農薬活性物質がジクロシメットであることを特徴とする[1]〜[]のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
[8] 第一の造粒物と、第二の造粒物を混合した後、外層部を被覆することを特徴とする、[1]〜[]のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤の製造法。
[9] 前記外層部を被覆する際に加熱することを特徴とする[8]記載の被覆型徐放性混合粒剤の製造法。
[10] 前記加熱を行う際の温度が、前記外層部に含有される熱可塑性材料の融点以上で、かつ前記内核に含有される熱可塑性材料の融点以下であることを特徴とする[9]記載の被覆型徐放性混合粒剤の製造法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の徐放性混合粒剤についてより詳しく説明する。
本発明の農薬混合粒剤はより具体的に以下のようにして作成される。
【0016】
まず、少なくとも一種以上の水溶解度の高い生理活性物質を含有させた造粒物と、少なくとも一種以上の水溶解度の低い生理活性物質と崩壊剤を含有させた造粒物を調製する。次いで、前記内核となる二種以上の造粒物を混合するのだが、外層部の被覆工程において転動流動法などの攪拌を伴う被覆装置を用いるため、特別に混合工程を必要とせず、被覆工程にて均一に混合することができる。このような被覆装置にて混合した二種以上の造粒物表面に、粉末担体と、水に難溶である熱可塑性材料とを、混合して得られる各成分が均一に分散した混合物を、被覆した後冷却して、本発明の二層構造の混合粒剤を作成する。
【0017】
本発明の徐放性粒剤は、少なくとも二種の作用を有する生理活性物質を混合製剤とする際に、好適に利用できる剤型である。すなわち、施薬した後、お互いに異なった期間を徐々に溶出させ、所望の濃度を維持することを必要とする二種以上の、その作用が異なる生理活性物質の供給を行う際、二層構造を有する本発明の徐放性混合粒剤を利用することで、第一の造粒物を含む粒剤からは一定期間一方の生理活性物質の放出を持続させ、第二の造粒物を含む粒剤からは他の生理活性物質を長期にわたり放出を持続させることができ、それぞれ任意の溶出速度に制御可能となる。従って、本発明の徐放性混合粒剤で達成される溶出制御とは、それぞれ第一の造粒物および第二の造粒物に含有される異なる種類の生理活性物質が、同時に且つ徐々に溶出することを示すものである。
【0018】
本発明の徐放性粒剤においては、内核と外層部からなる構成の二層構造であり、その内核に2種類以上の生理活性物質を含有させるが、水溶解度が高い生理活性物質を含む第一の造粒物と、水溶解度が低い生理活性物質を含む第二の造粒物をそれぞれ別々に製造し、第二の造粒物には崩壊剤を添加しておくことで施薬時の溶出速度を高める配合としている。具体的には、第一及び第二の生理活性物質の水溶解度が顕著に異なる組み合わせとしている。
【0019】
その際、第一の造粒物に含有される、格段に水溶解度の高い生理活性物質(第一の生理活性物質)について、その溶解放出速度を制御し、十分な徐放性を付与するために、第一の造粒物の表面に、粉末担体と水に難溶性である熱可塑性材料からなる外層部を形成することにより、溶出抑制層として機能する結果、第一の造粒物に含有される生理活性物質を徐放させることができる。また、外層部の粉末担体と熱可塑性材料の配合組成を変えることで、第一の造粒物の生理活性物質の外層部での拡散速度を制御することが可能である。一方、第二の造粒物に含有される、水溶解度の低い生理活性物質については、その溶解放出速度を制御するためには、ワックスマトリックス中に分散した形態とし、その外層部ワックスマトリックスの崩壊度合いを制御するが、そのマトリックス用ワックス成分として、水に難溶性である熱可塑性材料を、崩壊度合いの制御に、崩壊剤を利用する。水溶解度の低い成分は、元来溶解速度が遅く、水媒体との接触面積変えることで、容易に溶出を制御することができる。よって、第二の造粒物に含有される水溶解度の低い生理活性物質は、第二の造粒物の崩壊度合いの違いで溶出制御可能である。つまり、崩壊度合いを高くし、第二の造粒物をより細分化させるに従い、第二の造粒物の表面積が増大し、第二の造粒物に含有される生理活性物質の溶出速度を大きくすることができる。第二の造粒物が崩壊する際、外層部も同時に破壊するため第二の造粒物に含有する生理活性物質の溶出を抑制する効果は、比較的小さい。また、外層部による、第二の造粒物からの生理活性物質の溶出抑制効果を考慮して、第二の造粒物の組成を設計することで、第二の造粒物含有の生理活性物質の溶出を所望の速度に制御することが可能である。
【0020】
このように、本発明の徐放性粒剤においては、含有する2種以上の生理活性物質について、その水溶解度に応じて、内核と外層部とで構成される二層構造における存在個所が選択され、加えて、その水溶解度に合わせて、溶出を抑制する外層を付与し、あるいは崩壊剤を添加することで崩壊度合いを制御することができ、二種類以上の生理活性物質の溶出速度をそれぞれ独立して制御可能な機構によって、それぞれ所望の溶出速度に制御することができる。
【0021】
なお、本発明の徐放性粒剤における二層構造においては、内核という用語を、本発明の粒剤の内側の中心部の農薬などの核となる部分の意味に用いられ、外層部という用語は、本発明の粒剤の表面、即ち前記内核の外周を覆う部分の意味に用いられる。
【0022】
以下に本発明の粒剤の構成を、内核として使われる第一の造粒物及び第二の造粒物、外層部の順に説明する。
【0023】
まず初めに、内核の一つである第一の造粒物について説明する。
本発明の第一の造粒物に含まれる第一の生理活性物質は、殺虫活性、殺菌活性、肥効、解毒、治療などの生理活性効果を有しており、比較的水溶解度の高い物質が好ましい。具体的には、20℃における水溶解度は1000ppm以上10%以下、好ましくは5000ppm以上10%以下、より好ましくは10000ppm以上10%以下である。
【0024】
これらの条件を満たす生理活性物質として具体的には次のようなものがある。例えば殺虫剤では、20℃における水溶解度がそれぞれ括弧内に示す値を有する、チオシクラム(約8%)、アセタミプリド(4200ppm)、チアメトキサム(4100ppm)、あるいは特開平7−179448号に示された化合物(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(54000ppm)を例示することができ、また、殺菌剤としては、ピロキロン(4000ppm)、ブラストサイジンS(3%)などが挙げられる。中でも(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンを、第一の造粒物に含有した本発明の被覆型徐放性混合粒剤は好適である。本発明の内核に適用できる第一の生理活性物質は、ここに挙げたものに限定されることはなく、性質が合致すれば使用できる。また、混合して問題なければ2種類以上の生理活性物質を同時に使用することができる。
【0025】
本発明で使用される第一の造粒物は、保存中や施薬後に、膨張し中層部を破壊したりして、生理活性物質の徐放化機能を喪失してしまうものでなければ、生理活性物質を担持できいずれの粒状物であればよく、また材質も限定されない。例えば、発多孔性セルロース、多孔性スチレン樹脂、多孔性ウレタン、多孔性シリカ、多孔性活性炭、発泡ガラス等の多孔性物質に担持させてもよく、また水に難溶性の熱可塑性材料を結着剤として調整したマトリックス体の中に含有させてもよく、また水溶性高分子を結着剤として調整したマトリックス体の中に含有させてもよい。なかでも、内核に含有される生理活性物質は、比較的水溶解度の高いものであり、その溶出速度を抑制する観点から、難水溶性の熱可塑性材料を結着剤として調整したマトリックス体が好ましい。ここでいう熱可塑性樹脂とは、常温で固体状の有機物であり、融点が70℃〜110℃、好ましくは72℃〜100℃、より好ましくは74℃〜98℃の範囲のものをいう。また、内核の生理活性物質の溶出抑制効果を発揮するために、20℃における水溶解度が0.5重量%未満の、水に不溶または難溶性であるほうが好ましい。こうした特徴を有する熱可塑性樹脂の例としては、キャンデリラワックス、カルナバロウワックス、シュガーケンワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、モンタン酸ワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成炭化水素、モンタン酸ワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体の水素化ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン等が挙げられる。中でも、シュガーケンワックス(融点;75℃)やモンタン酸ワックス(BASF社製、商品名Luwax S、融点;75℃)、モンタン酸エステルワックス(BASF社製、商品名Luwax E、融点;76℃)などは徐放性を付与しながらも製剤中の生理活性物質を100%近く放出でき、好適である。尚、これらのワックスは、二種以上を使用してもよく、その使用量は、本発明の内核組成物全重量に対して通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上であるが、内核の生理活性物質の水溶解度、希釈担体の物性によって決めることができる。好ましくは、経済的な面から添加量の上限は20重量%である。
【0026】
内核に熱可塑性樹脂を結着剤とするマトリックス体を用いる場合には、生理活性物質の含有量や溶出速度の調整のため、同時に希釈担体を使用してもよく、これらは特に限定されるものではなく、例えば、クレー、珪石、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、酸性白土、活性白土、アタパルガスクレー、軽石、ケイソウ土、バーミキュライト、パーライト、アタパルジャイトなどの鉱物系希釈担体や、ホワイトカーボン、二酸化チタンなどの合成鉱物系希釈担体や、木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻、粉末セルロース、でんぷん、デキストリンなどが挙げられ、通常農薬粉剤や粒剤に利用される、いわゆる増量剤や担体が1種またはそれ以上を併用できる。希釈担体の組成や使用量は、希釈担体の吸油能や熱可塑性樹脂の性質、要求される内核の生理活性物質の溶出速度から決めることができる。
【0027】
次に、第一の造粒物とは異なる種類の第二の造粒物について説明する。本発明の粒剤の第二の造粒物に含まれる第二の生理活性物質は、殺虫活性、殺菌活性、肥効、解毒、治療などの生理活性効果を有しており、水に難溶性の物質が好ましい。具体的には、20℃における水溶解度が0.1〜500ppm、好ましくは0.1〜300ppm、より好ましくは0.5〜200ppm、さらに好ましくは0.5〜100ppmである。この条件を満たす生理活性物質として具体的には次のようなものがある。例えば殺虫剤では、20℃における水溶解度とがそれぞれ括弧内に示す値を有する、NAC(水溶解度約100ppm)、ベンダイオカルブ(水溶解度約40ppm)、クロチアニジン(水溶解度約270ppm)、ピメトロジン(水溶解度約270ppm)、フィプロニル(水溶解度約1.9ppm)、ブプロフェジン(水溶解度約0.9ppm)、テブフェノジド(水溶解度約0.83ppm)、また殺菌剤としてはチウラム(水溶解度約30ppm)、イプロジオン(水溶解度約13ppm)、フルトラニル(水溶解度約9.6ppm)、チフルザミド(水溶解度約1.59ppm)、カルプロパミド(水溶解度約3.6ppm)、アゾキシストロビン(水溶解度約10ppm)、ジクロシメット(水溶解度約5ppm)、オキソリニック酸(水溶解度約3.2ppm)、テクロフタラム(水溶解度約14ppm)、フェリムゾン(水溶解度約162ppm)、ジクロメジン(水溶解度約0.74ppm)、キャプタン(水溶解度約3.3ppm)などが挙げられる。
【0028】
本発明の第二の造粒物に適用できる第二の生理活性物質は、ここに挙げたものに限定されることはなく、性質が合致すれば使用できる。また、混合して問題なければ2種類以上の生理活性物質を同時に使用することができる。
【0029】
第二の造粒物は崩壊剤を含有することが必須である。崩壊状態とは、ひび割れが生じた状態から、細分化され本体から脱落した状態をいう。第二の造粒物に含有される第二の生理活性成分は、水溶解度が低い物質であるため、本発明のようにワックスマトリックス中に分散させた状態では、ワックスの溶出抑制効果のため、溶出が遅く、また、完全に溶出されないことが多い。しかしながら、水溶解度が低い生理活性成分を、ワックスマトリックス中に分散させた状態であっても、ワックスマトリックスを崩壊させ細分化することで、水媒体との接触する面積が増大し、生理活性成分の溶出を促進させ、かつ、完全に溶出させることが可能となる。崩壊剤による崩壊機構としては、さまざまなものが考えられるがいずれの機構でも構わない。例えば、水膨潤性物質を添加し、水分を吸収させその膨潤圧力を利用して崩壊させる膨潤型崩壊機構、生分解性樹脂を構成材料に用い、微生物の分解により崩壊する生分解型崩壊機構、水溶解性物質を結着剤として用いて、水中で溶解させることにより崩壊させる溶解型崩壊機構、炭酸水素ナトリウムなどと酸性物質を添加し、水との反応で発泡することにより崩壊する発泡型崩壊機構などが挙げられる。なかでも、崩壊速度が容易に制御可能な点、崩壊速度が適当な点、製造が容易な点、保存性が良好な点などから、水膨潤性物質を添加した膨潤型崩壊機構が好ましい。
【0030】
本発明の粒剤の第二の造粒物に含有される崩壊剤としては、水膨潤物質が使用できる。水膨潤物質とは、実質的に水を吸収し膨張する物質で、その膨張により外層部を崩壊させる物質のことである。水膨潤物質としては、水溶性天然高分子、水溶性半合成高分子、水溶性合成高分子を挙げることができる。水溶性天然高分子としては、デンプン、可溶性デンプン、デキストリン、αデンプン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ゼラチン、トラガントガム、ローカストビーンガム、カゼイン、キサンタンガム、ペクチン、プルラン、グアーガム、カラギーナン、コラーゲンなどが挙げられる。水溶性半合成高分子としては、リグニンスルホン酸塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、カルボキシルメチル化デンプンナトリウム塩、ヒドロキシルエチル化デンプン、デンプンリン酸エステルナトリウム塩などが挙げられる。水溶性合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、部分ケン化酢酸ビニルとビニルエーテルの共重合体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそのエステル又は塩の重合体又は共重合体などが挙げられる。
【0031】
第二の造粒物に含まれる崩壊剤は、一般にその使用比率を増加させるに従い、崩壊度合いが高まり、外層部がより細分化される。該崩壊剤の第二の造粒物部分に対する使用率は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15%がさらに好ましい。0.1%以下では、崩壊度合いが低く溶出促進効果が発現しがたく、また、20%以上では、一般に水膨潤性物質は高価なものが多いため、経済的理由から好ましくない。また、該崩壊剤は、必要に応じて、二種以上を混合して使用してもよい。
【0032】
第二の造粒物にも結着剤が含有される。そのようなものとしては、水に難溶性の熱可塑性材料が使用でき、第一の造粒物で例示したものと同じ種類の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0033】
第二の造粒物に使用できる熱可塑性樹脂としては、本発明で使用される第二の造粒物全体に占める割合は、5〜80重量%が好ましく、20〜50重量%がさらに好ましい。
【0034】
第二の造粒物に含有される粉末担体としては、第一の造粒物でマトリックス体を用いる場合に例示した希釈担体とほぼ同等の材料が使用でき、二種以上を混合して使用してもよい。使用する粉末担体の量や比率は、粉末担体の吸油能や熱可塑性樹脂の性質、要求される内核の生理活性物質の溶出速度から決めることができる。また、第一の造粒物と第二の造粒物は混合した後、外層部で被覆し、被覆型混合製剤として供せられるので、両造粒物の偏積を防止するため、両造粒物の比重はほぼ等しいことが好ましいので、造粒物の比重調整の目的で、粉末担体の種類や配合比を決めることができる。
【0035】
次に外層部について説明する。
【0036】
本発明の粒剤の外層部は、内核を被覆する層であり、粉末担体と水に難溶性である熱可塑性材料を含有する層である。外層部の存在により内核の一つである第一の造粒物に含有される水溶解度の高い生理活性物質の溶出が制御される。そのため、外層部には保存中や施薬後に、溶解・溶融・崩壊したりして、内核の一つの第一の造粒物に含有される生理活性物質の溶出を、全く抑制できなくなるような材料を使用すべきではない。一方、外層部は、内核の一つである第二の造粒物中の崩壊剤の働きにより、施薬後に崩壊する際に、その崩壊を完全に妨げるほどの強靭性あるいは柔軟性を有する材料を使用すべきではならず、ほど良い脆弱性を持ち合わした材料を使用すべきである。
【0037】
外層部に含有される粉末担体としては、第一の造粒物でマトリックス体を用いる場合に例示した希釈担体とほぼ同等の材料が使用でき、二種以上を混合して使用してもよい。使用する粉末担体の量や比率は、粉末担体の吸油能や熱可塑性樹脂の性質、要求される内核の生理活性物質の溶出速度から決めることができる。
【0038】
外層部に含有される難水溶性の熱可塑性材料はその融点が内核の形状維持に関わっている構造材料の融点より低いものである。外層部に使用される難水溶性の熱可塑性材料の融点が、内核の構造材料の融点より高い場合は、内核に外層部を被覆する際、内核構造材料の軟化・溶融による内核粒同士の付着・融着、更には、混合層内壁への内核の付着・圧着したりして、被覆できなくなるからである。例えば、内核に熱可塑性樹脂を結着剤の主成分として使用する場合、外層部の難水溶性の熱可塑性材料の融点は、内核に含まれる熱可塑性材料よりも融点が低いほうが好ましい。具体的には40℃〜70℃、好ましくは50℃〜69℃、より好ましくは60℃〜68℃の範囲であり、さらに溶融粘度が低いものであれば、被覆時の粒同士の付着なども少なく好適である。
【0039】
かかる外層部に含有される難水溶性の熱可塑性材料としては具体例に、キャンデリラワックス、木ロウ等の植物系ワックス、蜜ロウ、ラウリン、鯨ロウ、牛脂等の動物系ワックス、パラフィンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックス等の合成炭化水素、パラフィンワックス誘導体等の変性ワックス等が挙げられる。この中でも特にパラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名パラフィンワックス140、融点;61℃や、商品名SP−0145、融点;62℃、パラフィンワックス150、融点;66℃)が好ましい。
【0040】
その使用量は、添加される生理活性物質の量、粉末担体の物性によって決まるが、本発明の組成物全重量に対して通常1重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%である。添加量は外層部の組成物の総給油能以下に設定される。また、外層部の難水溶性の熱可塑性材料は、二種以上を混合して使用してもよい。
外層部の製剤全体に占める割合は、1〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。外層部の製剤全体に占める割合が、1重量%未満では内核含有の生理活性物質の溶出抑制効果が十分でなく、51重量%以上では生理活性物質を担持できる部分の比率が低くなり生理活性物質を必要量担持させることが困難になるためである。
【0041】
尚、本発明で使用される外層部は、内核からの生理活性物質の溶出抑制機能を損なわない範囲において生理活性物質を含有させてもよい。
【0042】
また本発明の被覆型徐放性粒剤の外層部被覆の際、熱可塑性材料を溶融・冷却することで結着させるので、特開2000−44404号公報記載の方法では必要である乾燥工程を省くことが出来るため、製造コストを低く抑えることができるメリットもある。
【0043】
また、本発明に使用される外層部には、本発明の目的と効果を損なわない範囲で、界面活性剤及び補助剤を含有させることもできる。
【0044】
本発明に使用される外層部の界面活性剤としては、農薬製剤に通常使用される非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。例えば、アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポチオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン性界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート等の陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩アルキルベタイン、アミンオキサイド等の陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種でもよいが、同種のものあるいは異種のものを併用してもよい。
【0045】
界面活性剤以外の補助剤としては、芳香族カルボン酸、多価カルボン酸、糖誘導型カルボン酸等の固体状の有機酸や水溶性高分子などが挙げられる。具体的に有機酸としては蓚酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等の二塩基酸、あるいはリンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシ置換二塩基酸、アスコルビン酸、クエン酸等の糖誘導型カルボン酸が挙げられる。また、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ペクチン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。界面活性剤及び補助剤の添加量は組成物全重量に対して、通常0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.01重量%〜10重量%である。
【0046】
かくして、異なる2種類またはそれ以上の、特に水溶解度が極端に異なる生理活性物質を個々の溶出速度で放出されるように徐放化することができる水稲の混合被覆粒剤を得ることができる。
【0047】
本発明の内核は、2種類以上の造粒物を使用してもよく、異なる種類の第一の生理活性物質を含む造粒物を併用してもよく、また、崩壊剤の種類や含有量が異なる第二の造粒物を併用して崩壊具合を制御し溶出に時間差をつけてもよく、異なる種類の第二の生理活性物質を含む第二の造粒物を併用してもよい。第一の造粒物と第二の造粒物の割合は特に限定されないが、施薬後効果をより均一に行き渡らせるため、造粒物の重量比で第一の造粒物:第二の造粒物=1:2〜2:1の範囲である。
【0048】
本発明の混合被覆粒剤において、その内核と外層部の組成比は特に限定されるものではなく、第一の造粒物および第二の造粒物に含まれる生理活性物質の溶出速度、拡散速度、新陳代謝速度および対象物内への吸収速度、生理活性物質の防除効果発現濃度および濃度維持すべき期間等を考慮して決めればよい。また、本発明でいう混合被覆粒剤は、固形であれば剤形を限定されず、通常の粒剤タイプ、丸薬タイプ、錠剤タイプなど、いかなる形状でもよく、その大きさも直径または長さが0.1〜30mmの範囲内であれば特に限定されない。
【0049】
また、本発明の徐放性混合粒剤には、本発明の目的と効果を損なわない範囲で、酸化防止剤や紫外線吸収剤、帯電防止剤などの各種添加剤を用いて粒剤とすることもできる。該酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤や、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミンE系酸化防止剤などが挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、二酸化チタンなどの無機化合物系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾールやベンゾフェノン、トリアジン、ベンゾエート、サリシレートなどの有機化合物系紫外線吸収剤などが挙げられ、これら酸化防止剤や紫外線吸収剤は生理活性物質の物理化学的性質によって選択すればよく、またその効果が認められる量を配合すればよい。
【0050】
該帯電防止剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの無機化合物、リン酸カルシウム系化合物などが挙げられる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル系界面活性剤も帯電防止剤として使用することができる。尚、該帯電防止剤は必要に応じて使用すればよく、その配合量も本発明の目的と効果を損なわない範囲で、帯電防止効果が認められる量とすればよい。
【0051】
最後に本発明の混合被覆粒剤の具体的な製造例を示すと、以下のようになる。尚、これは、一製造例であり、これに限定されるものでない。
【0052】
工程▲1▼ まず第一の造粒物には第一の生理活性物質、熱可塑性材料および無機系希釈担体を、第二の造粒物には第二の生理活性物質、熱可塑性材料、無機系希釈担体および崩壊剤を、加熱装置を装着した混合機(例えば、フローティングミキサー)等によりそれぞれ加熱混合する。この時の加熱温度はそれぞれの熱可塑性材料の溶融温度以上で且つ生理活性物質の融点未満である。
【0053】
工程▲2▼ 加熱混合の後、得られた混合物を加熱装置を装着した造粒機にてそれぞれ造粒する。具体的には、円柱状の成型物を得る場合は目的の粒径に合ったスクリーンを備えた押し出し造粒機、球状の成形物を得る場合は転動造粒機等が例示される。造粒する温度は、用いる熱可塑性材料が溶融する温度以上で且つ生理活性物質の融点未満が好ましい。
【0054】
工程▲3▼ 得られた造粒物を解砕し、必要により篩で分画して目的とする第一の造粒物および第二の造粒物(内核)とする。
【0055】
工程▲4▼ 得られた造粒物の表面に内核に含有される熱可塑性材料とは異なりかつ該熱可塑性材料よりも融点が低い、難水溶性の熱可塑性材料および無機系希釈担体の混合物を一緒に混合機(例えば、フローティングミキサー)等で混合し、外層部原料粉末を得る。
【0056】
工程▲5▼ 加熱装置を装着した混合機(例えば、フローティングミキサー、転動造粒機、クーラーミキサー、ドラムミキサー、マルメライザー等)に内核となる第一の造粒物と第二の造粒物を所定の割合で入れ、加熱させながら混合し、工程▲4▼で準備した外層部原料粉末を定量的に投入し、目標の粒度分布をもつ粒子となるように被覆させることにより、本発明の被覆型徐放性混合粒剤を得る。
【0057】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、被覆型徐放性混合粒剤の調製方法および製剤処方はこれら例に何ら限定されるものではない。例えば、第一の造粒物に含まれる第一の生理活性物質として例示した(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン、第二の造粒物に含まれる第二の生理活性物質として例示したジクロシメットを前記した各種の生理活性物質に代えて、あるいは例示した熱可塑性材料、無機系希釈担体を前記した他のものに代えるなどして、本発明の徐放性混合粒剤を得ることができる。
尚ここで示す配合割合はすべて重量%とする。
【0058】
参考例1
第1表(表1)に示す配合割合で、以下に示す方法で参考例1の内核を得た。生理活性物質として特開平7−179448号記載の方法に従って合成された(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(以下「化合物1」と略称する)、熱可塑性材料としてモンタン酸ワックス(BASF社製、商品名Luwax S、融点;75℃)、無機系希釈担体としてホワイトカーボン、タルク、炭酸カルシウムを一括して加熱装置を装着したフローティングミキサーに入れ、83℃または90℃まで加熱し混合した。この混合物を加熱装置により90℃に保持した横形押出し造粒機(目開き0.8mmのスクリーン)を用いて押出し造粒した。得られた造粒物を解砕後、篩別し、参考例1の内核を得た。
【0059】
参考例2〜4
第1表(表1)に示す配合割合で、以下に示す方法で参考例2〜4の内核を得た。生理活性物質としてジクロシメット、熱可塑性材料としてモンタン酸ワックス(BASF社製、商品名Luwax S、融点;75℃)、無機系希釈担体としてホワイトカーボン、タルク、炭酸カルシウム、ならびに水溶性天然高分子としてキサンタンガムを一括して加熱装置を装着したフローティングミキサーに入れ、83℃または90℃まで加熱し混合した。この混合物を加熱装置により90℃に保持した横形押出し造粒機(目開き0.8mmのスクリーン)を用いて押出し造粒した。得られた造粒物を解砕後、篩別し、参考例2〜4の内核を得た。
【0060】
【表1】
Figure 0004164253
【0061】
試験例1〜4(内核の溶出試験)
参考例1で得られた内核から放出される生理活性物質(化合物1)の溶出率を以下に示す方法で測定した。
即ち、標準3度硬水25mlを入れた50mlの密栓付きサンプル管に、参考例1〜6で得られた内核をそれぞれ生理活性物質として920ppm相当の量を投入して水中に沈め、25℃下所定時間静置後、全量を濾別し、濾液中の生理活性物質量をHPLCにて測定した。測定より下記式に基づき溶出率を計算し、結果を第2表(表2)にまとめた。
溶出率=(濾液中の生理活性物質量/粒剤中の生理活性物質量)×100
参考例2〜4で得られた内核から放出される生理活性物質(ジクロシメット)の溶出率を以下に示す方法で測定した。
即ち、イオン交換水1000mlを入れた1000mlの密栓付き三角フラスコに、参考例2〜4で得られた内核をそれぞれ生理活性成分として3ppm相当の量を投入して水中に沈め、25℃下静置した。次いで所定時間毎に水深5cmの深さより採水し、その採水中の殺菌活性成分濃度をHPLCにて測定した。供試粒剤中の生理活性成分全量が三角フラスコ中の水1000mlに溶出したときの濃度は理論上3ppmであるから、その測定値より溶出率を算出し、結果を第2表(表2)にまとめた。
第2表より明らかなように、本発明の造粒物1に相当する参考例1の内核は生理活性物質(化合物1)を、ほぼ完全に放出させることが可能である。また、造粒物2に相当する参考例2〜4の内核は生理活性物質(ジクロシメット)の溶出を、水溶性天然高分子のキサンタンガムの配合量で自在に制御することができることが明らかである。
【0062】
【表2】
Figure 0004164253
【0063】
実施例1〜4
第3表(表3)に示す配合割合で、以下に示す方法により実施例1〜4の徐放性混合粒剤を得た。
まず外層部の原料粉末として、炭酸カルシウム、クレー、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、商品名パラフィンワックス150、融点66℃)を一括してフローティングミキサーに入れ混合した。
参考例1〜4にて得られた内核を、所定の混合比で加熱装置を装着したフローティングミキサーの中に入れ70℃まで加熱しながら混合し、まず先の外層部原料粉末を定量的に添加していき、目標の粒度分布をもつ粒子となるように被覆して、実施例1〜4の徐放性混合粒剤を得た。
【0064】
【表3】
Figure 0004164253
【0065】
比較例1
殺虫活性成分(化合物1)を含む内核と、殺菌成分(ジクロシメット)を含むが崩壊剤を添加していない内核の組み合わせの混合製剤を得るため、第3表(表3)に示す配合割合で実施例1〜3と同様の方法で比較例1の粒剤を得た。
【0066】
比較例2
殺虫活性成分(化合物1)を含む内核と、殺菌成分(ジクロシメット)および崩壊剤を含む内核を、外層部で被覆されていない粒剤を得るために、第3表(表3)に示す配合割合で内核を混合し被覆せずに比較例2の粒剤を得た。
【0067】
試験例2(徐放性粒剤の溶出試験)
実施例および比較例で得られた粒剤から放出される生理活性物質の溶出率を測定した。
(1)殺虫活性成分(化合物1)の溶出率
実施例および比較例で得られた粒剤から放出される生理活性物質のうち、殺虫活性成分(化合物1)の溶出率を以下に示す方法で測定した。
即ち、標準3度硬水25mlを入れた50mlの密栓付きサンプル管に、実施例および比較例で得られた粒剤をそれぞれ殺虫活性成分として920ppm相当の量を投入して水中に沈め、25℃下所定時間静置後、全量を濾別し、濾液中の溶出活性成分をHPLCにて測定した。測定より下記式に基づき溶出率を計算し、結果を第4表(表4)にまとめた。
溶出率=(濾液中の活性成分量/粒剤中の活性成分量)×100
【0068】
【表4】
Figure 0004164253
【0069】
(2)殺菌活性成分(ジクロシメット)の溶出率
実施例および比較例で得られた粒剤から放出される生理活性物質のうち、殺菌活性成分(ジクロシメット)の溶出率を以下に示す方法で測定した。
即ち、イオン交換水1000mlを入れた1000mlの密栓付き三角フラスコに、実施例および比較例で得られた粒剤をそれぞれ殺菌活性成分として3ppm相当の量を投入して水中に沈め、25℃下静置した。次いで所定時間毎に水深5cmの深さより採水し、その採水中の殺菌活性成分濃度をHPLCにて測定した。供試粒剤中の殺菌活性成分全量が三角フラスコ中の水1000mlに溶出したときの濃度は理論上3ppmであるから、その測定値より溶出率を算出し、結果を第4表(表4)にまとめた。
第4表(表4)より明らかなように、実施例1の粒剤は約2ヶ月間、実施例4の粒剤は約3ヶ月間、各生理活性物質を持続して放出させることできが、しかもほぼ完全に放出された。実施例2は第一の造粒物と外層部の組成を同じにして、第二の造粒物のキサンタンガムの量を実施例1から減らした例である。キサンタンガムの量を減らすと、ジクロシメットの溶出速度が遅くなっているが、化合物1の溶出速度はほぼ変わらない。実施例1,3,5は第一の造粒物及び第二の造粒物の組成を同じにして、外層部の組成を変えた例である。クレーの量が増えるに従い、化合物1の溶出速度が速まっているが、ジクロシメットの溶出速度はほぼ変わらない。以上の結果より、第一の造粒物に含まれる化合物1と、第二の造粒物に含まれるジクロシメットの溶出速度を、それぞれ制御することが示された。
これに対して、第二の造粒物へ崩壊剤を添加していない比較例1は、ジシクロメットの溶出が遅く完全に溶出しなかった。また、外層部を持たない比較例2は、化合物1を徐放化することができず2週間ほどで完全に溶出した。
【0070】
試験例3(徐放性粒剤の殺虫・殺菌効果試験)
実施例および比較例で得られた粒剤の殺虫・殺菌効果を試験した。
(1)ウンカ類に対する殺虫効果試験
実施例及び比較例で調製した粒剤を水稲(品種:コシヒカリ)の育苗箱(30×60cm、全面積0.18m2)に各50gずつ施用し、翌日に1/5000aポットに2.5葉期の稚苗5株を定植した。定植後ガラス温室内に置き、20、40、60日後に金網円筒で稲体を覆い、これにセジロウンカあるいはトビイロウンカ雄成虫10頭を放飼した。放飼48時間後に死虫数を計測し、死虫率(%)を求め、結果を第5表(表5)にまとめた。
【0071】
(2)イネいもち病防除効果試験
実施例及び比較例で調製した粒剤を水稲(品種:コシヒカリ)の育苗箱(30×60cm、全面積0.18m2)に各50gずつ施用し、翌日に1/5000aポットに2.5葉期の稚苗5株を定植した。定植後ガラス温室内に置き、20、40、60日後にイネいもち病菌(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁液(胞子数106ヶ/ml)を1ポット当り5〜10mlとなる量を噴霧接種した。接種後加湿条件(25℃、95%RH)の人工気象室に7日間置き、ポット当りの病斑数を数え、次式より防除価(%)を算出した。試験はすべて3反復制とし、結果を平均し第5表(表5)にまとめた。
防除価=(1−処理区の病斑数/無処理区の病斑数)×100
【0072】
【表5】
Figure 0004164253
【0073】
【発明の効果】
本発明により、水溶解度が低い生理活性物質の溶出速度を、1〜3ヶ月の長期にわたりそれぞれ任意の溶出速度に徐放化することができる徐放性粒剤が得られる。また本発明の徐放性粒剤は、含有する生理活性物質をほぼ完全に放出することができるため、粒剤中に残留する恐れがない。
本発明の被覆型粒剤は、前記内核に含まれる生理活性物質と外層部に含まれる生理活性物質とがそれぞれ別個に徐放性溶出制御されることを特徴とする。そのため、水媒体へ生理活性物質を持続的に溶出供給するために好適に利用される、

Claims (10)

  1. 水媒体へ生理活性物質を持続的に溶出供給するために利用される被覆型徐放性混合粒剤であって、
    内核とその表面を被覆する外層部とからなる被覆型粒剤の構成を有し、
    前記内核は20℃における水溶解度が1000ppm以上10%以下の少なくとも一種類の生理活性物質(第一の生理活性物質)及び水に難溶性である熱可塑性材料を含有する第一の造粒物と、20℃における水溶解度が0.1ppm〜500ppmの少なくとも一種類の生理活性物質(第二の生理活性物質)と崩壊剤及び水に難溶性である熱可塑性材料を含有する第二の造粒物とからなり、
    前記外層部は、粉末担体と、水に難溶性であり内核で使用する熱可塑性材料より融点の低い熱可塑性材料を含有する
    ことを特徴とする被覆型徐放性混合粒剤。
  2. 第二の造粒物に含有される崩壊剤が、水膨潤性物質であることを特徴とする請求項1記載の被覆型徐放性混合粒剤。
  3. 水膨潤性物質が、水溶性天然高分子、水溶性半合成高分子又は水溶性合成高分子であることを特徴とする請求項2記載の被覆型徐放性混合粒剤。
  4. 第一及び第二の少なくとも何れか一方の造粒物に、無機系希釈担体を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
  5. 第一の生理活性物質、および第二の生理活性物質のうち、少なくとも一方が農薬活性成分であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
  6. 第一の農薬活性物質が(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
  7. 第二の農薬活性物質がジクロシメットであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤。
  8. 第一の造粒物と、第二の造粒物を混合した後、外層部を被覆することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の被覆型徐放性混合粒剤の製造法。
  9. 前記外層部を被覆する際に加熱することを特徴とする請求項8記載の被覆型徐放性混合粒剤の製造法。
  10. 前記加熱を行う際の温度が、前記外層部に含有される熱可塑性材料の融点以上で、かつ前記内核に含有される熱可塑性材料の融点以下であることを特徴とする請求項9記載の被覆型徐放性混合粒剤の製造法。
JP2001339830A 2001-11-05 2001-11-05 被覆型徐放性混合粒剤およびその製法 Expired - Lifetime JP4164253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001339830A JP4164253B2 (ja) 2001-11-05 2001-11-05 被覆型徐放性混合粒剤およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001339830A JP4164253B2 (ja) 2001-11-05 2001-11-05 被覆型徐放性混合粒剤およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003137704A JP2003137704A (ja) 2003-05-14
JP4164253B2 true JP4164253B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=19154122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001339830A Expired - Lifetime JP4164253B2 (ja) 2001-11-05 2001-11-05 被覆型徐放性混合粒剤およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4164253B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008247653A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Sumitomo Chemical Co Ltd 粒状肥料組成物の製造方法、並びに、粒状肥料組成物
JP5593043B2 (ja) * 2009-07-10 2014-09-17 住友化学株式会社 被覆粒状組成物
JP2016135793A (ja) * 2016-03-22 2016-07-28 日産化学工業株式会社 水中への溶出が促進される固形農薬組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003137704A (ja) 2003-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2554305B2 (ja) 水の存在下での崩壊性に優れた固形農薬
JP3614773B2 (ja) 被覆型徐放性農薬粒剤
JP4677146B2 (ja) 被覆型徐放性粒剤
JP4091346B2 (ja) 溶出制御された農薬混合粒剤
JP4164253B2 (ja) 被覆型徐放性混合粒剤およびその製法
JP5208066B2 (ja) イネ育苗箱施用被覆粒状物
JPWO2004089091A1 (ja) 徐放性農薬粒剤
JP3746677B2 (ja) 徐放性農薬混合粒剤
CN100581359C (zh) 粒状农药制剂
JP2001139870A (ja) 被覆用組成物
JPH11236301A (ja) 被覆農薬粒剤とそれを用いた農作物の栽培方法、及び植物根の誘引方法
JP2000191407A (ja) 被覆農業用組成物
JPS644483B2 (ja)
JPH06298603A (ja) 農薬粒剤
JPH09118601A (ja) 溶出制御された除草粒剤およびその製法
JP4617530B2 (ja) 固形農薬組成物
JP4189085B2 (ja) モンタンロウ誘導体混合物を含む徐放性農薬製剤及びその製造方法
JP2002029903A (ja) 溶出制御された農薬粒剤およびその製造方法
JPH09132503A (ja) 溶出制御された固形農薬製剤およびその製法
JPH09143005A (ja) 時限崩壊型多層被覆農薬粒剤
JPH07106962B2 (ja) 農薬の徐放性付与剤、徐放性農薬およびその製法
WO1999051091A1 (fr) Granule pesticide a liberation par impulsion presentant un enrobage protecteur hydrophobe contenant de la silice
JP2004155715A (ja) 水面浮遊性農薬固形製剤
JP4573983B2 (ja) 被覆粒状農薬組成物およびその製造方法
JPH07165507A (ja) 農薬粒剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040705

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20071024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080220

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080709

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080728

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4164253

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term