JP4160654B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合にいわゆる“大当り”となり、可変入賞球装置が開放状態になるなどして遊技者にとって有利な遊技状態となる遊技機があった。
【0003】
この種の遊技機では、たとえば、始動入賞口への始動入賞が発生するなどして所定の可変表示条件が成立したことに基づいて可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御が行なわれる。また、可変表示制御途中等に成立した可変表示条件を有効に後の可変表示制御に活用できるようにするために、可変表示条件が成立したことを所定の上限数まで累積的に記憶し、前記可変表示制御の実行毎に記憶数の減算を行なう条件成立数記憶手段が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の従来の遊技機では、条件成立数記憶手段の記憶数次第では遊技が単調になる可能性があるという問題点があった。たとえば、条件成立数記憶手段の記憶が無い状態では、その後、新たな可変表示条件が成立しない限り可変表示制御が実行されないために、遊技が単調になってしまう。特に、条件成立数記憶手段の記憶が無く、かつ、現時点で可変表示制御が実行されていないような遊技状況においては、より一層、遊技が単調になりがちである。
【0005】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、条件成立数記憶手段の記憶数に関連させて遊技に変化をもたらせることにより興趣の向上を図ることの可能な遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
所定の可変表示条件が成立したことに基づいて前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かを前記可変表示制御の実行前に決定する表示結果決定手段と、
前記可変表示条件が成立したことを所定の上限数まで累積的に記憶し、前記可変表示制御の実行毎に記憶数の減算を行なう条件成立数記憶手段と、
今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が特別状態となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告を実行するか否か決定する予告有無決定手段と、
該予告有無決定手段の決定結果に基づいて前記予告を実行する特別状態予告手段とを含み、
前記予告有無決定手段は、前記条件成立数記憶手段の記憶数に対応して異なる割合で前記予告を実行するか否かを決定することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記予告は、前記特別状態として今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、
前記遊技機は、前記可変表示装置の表示結果が複数種類の前記特定の表示態様のうちの確変表示態様となった場合に、前記大当り遊技状態となった後、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が高い確率変動状態にさらに制御可能となり、
前記予告有無決定手段は、
前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とする可変表示制御については、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数および当該可変表示条件の成立に基づいた前記可変表示制御が実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶数のいずれにも関連しない所定の割合で、前記予告を実行すると決定し、
前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とする可変表示制御については、当該可変表示制御を実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在する場合には前記予告を実行しないと決定し、当該可変表示制御を実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在しない場合には、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数が多いときほど当該成立した可変表示条件に基づいた可変表示制御において前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように前記予告を実行するか否かを決定し、
前記可変表示装置の表示結果を前記確変表示態様とする可変表示制御のときの方が前記確変表示態様以外の前記特定の表示態様とする可変表示制御のときよりも、前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように、前記予告を実行するか否かを決定することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記予告は、前記特別状態として今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、
前記予告有無決定手段は、前記可変表示条件が成立した際に、前記条件成立数記憶手段の記憶が無く、かつ、前記可変表示制御が実行されていない状態では、それ以外の状態のときよりも高い割合で前記予告を実行すると決定することを特徴とする。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、可変表示制御手段の働きにより、所定の可変表示条件が成立したことに基づいて可変表示装置の表示結果が導出表示される。表示結果決定手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かが前記可変表示制御の実行前に決定される。条件成立数記憶手段の働きにより、可変表示条件が成立したことが所定の上限数まで累積的に記憶され、可変表示制御の実行毎に記憶数の減算が行なわれる。予告有無決定手段の働きにより、今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が特別状態となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告を実行するか否かが決定される。特別状態予告手段の働きにより、該予告有無決定手段の決定結果に基づいて前記予告が実行される。前記予告有無決定手段の働きにより、前記条件成立数記憶手段の記憶数に対応して異なる割合で前記予告を実行するか否かが決定される。
【0011】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記予告有無決定手段の決定および前記特別状態予告手段の実行に関わる前記予告は、今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、前記遊技機は、前記可変表示装置の表示結果が複数種類の前記特定の表示態様のうちの確変表示態様となった場合に、前記大当り遊技状態となった後、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が高い確率変動状態にさらに制御可能となる。前記予告有無決定手段の働きにより、前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とする可変表示制御については、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数および当該可変表示条件の成立に基づいた前記可変表示制御が実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶数のいずれにも関連しない所定の割合で、前記予告を実行すると決定され、前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とする可変表示制御については、当該可変表示制御を実行する際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在する場合には前記予告を実行しないと決定され、当該可変表示制御を実行する際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在しない場合には、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数が多いときほど当該成立した可変表示条件に基づいた可変表示制御において前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように前記予告を実行するか否かが決定され、前記可変表示装置の表示結果を前記確変表示態様とする可変表示制御のときの方が前記確変表示態様以外の前記特定の表示態様とする可変表示制御のときよりも、前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように、前記予告を実行するか否かが決定される。
【0013】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記予告有無決定手段の決定および前記特別状態予告手段の実行に関わる前記予告は、今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、前記予告有無決定手段の働きにより、可変表示条件が成立した際に、前記条件成立数記憶手段の記憶が無く、かつ、前記可変表示制御が実行されていない状態では、それ以外の状態のときよりも高い割合で前記予告を実行すると決定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0015】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1の正面図である。
パチンコ遊技機1の遊技盤には、遊技領域3が形成されている。パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル28が設けられており、この打球操作ハンドル28を遊技者が操作することにより、上皿29内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、区画レール2の間を通って遊技領域3内に導かれる。
【0016】
遊技領域3の中央には、識別情報の一例となる特別図柄を可変表示させることが可能な可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4の下方には、可変入賞球装置12が設けられている。この可変入賞球装置12は、ベース板23を遊技領域3に固定することにより取付けられている。可変入賞球装置12は、後述するソレノイド50が励磁されることにより開閉板22が開成して打玉が入賞可能な遊技者にとって有利となる第1の状態と、ソレノイド50が消磁されることにより開閉板22が閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能に構成されている。可変入賞球装置12には、遊技状態に応じて点灯または点滅表示する6個のLED24が設けられている。
【0017】
可変表示装置4の左側方部分および右側方部分には、ワープ入口17が設けられている。このワープ入口17に進入した打玉は、可変表示装置4の裏面側を通って下方に流下してワープ出口10から再度遊技領域3に放出される。このため、ワープ出口10から放出された打玉は、始動口9に比較的入賞しやすい状態となる。可変表示装置4の左側方部分に設けられたワープ入口17に進入した打玉の通過経路には、普通図柄始動ゲート8が設けられている。この普通図柄始動ゲート8には、玉の通過を検出するための通過球検出器13が設けられている。
【0018】
遊技領域3内に打込まれた打玉が普通図柄始動ゲート8に進入すれば、その通過球が通過球検出器13により検出され、その検出出力に基づいて普通図柄表示器20が可変開始される。
【0019】
普通図柄表示器20はたとえば7セグメント表示器で構成されており、普通図柄と呼ばれる識別情報が可変表示される。この普通図柄表示器20の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となれば、後述するソレノイド49が励磁されて、始動口9に設けられた左右1対の可動片14が所定期間だけ開成し、打玉がより始動入賞しやすい状態となる。この始動口9に入賞した始動入賞球は後述する始動球検出器34により検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始される。
【0020】
可変表示装置4は、たとえば液晶表示可能なCRT表示機53(図2参照)で構成されている。この可変表示装置4には、可変表示される特別図柄や後述する大当り予告のための所定のメッセージ、その他の画像を表示可能な画像表示部5が設けられている。画像表示部5は、左図柄が可変表示される左可変表示部と、中図柄が可変表示される中可変表示部と、右図柄が可変表示される右可変表示部とを表示可能に構成されており、各可変表示部の特別図柄が一斉に可変開始することにより、各可変表示部の上から下に向かって複数種類の特別図柄からなる識別情報がスクロール表示される。
【0021】
画像表示部5で左図柄、中図柄、右図柄の可変表示が一斉に開始した後、パチンコ遊技機1内部の制御によって定められる所定の順序で各図柄が順次停止制御される。画像表示部5には、上段、中段、下段の3本、および斜めの2本の計5本の当りラインが設定されており、すべての可変表示部の図柄が完全に停止して可変表示装置4の表示結果が導出表示された段階で、いずれかの当りラインに予め定められた大当り図柄のゾロ目(たとえば777)が表示されている場合には、いわゆる“大当り”となる。大当りとなれば、可変入賞球装置12が第1の状態に制御され、開閉板22が傾動して打玉を可変入賞球装置12内へ入賞させることが可能となり、遊技状態が遊技者にとって有利な状態となる。
【0022】
可変入賞球装置12内には、特定入賞領域が設けられており、この特定入賞領域に入賞した入賞球が特定球検出スイッチ33(図2参照)により検出される。また、前記特定入賞領域および該特定入賞領域以外の領域からなる通常入賞領域の2領域に入賞した入賞球、すなわち、可変入賞球装置12内に入賞したすべての入賞球が球数検出スイッチ32(図2参照)により検出され、その検出個数が7セグメント表示器よりなる個数表示器25に表示される。
【0023】
第1の状態となった可変入賞球装置12内に進入した打玉が所定個数(たとえば9個)だけ球数検出スイッチ32により検出されるか、または所定期間(たとえば30秒間)経過するかのうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に可変入賞球装置12の第1の状態が終了して開閉板22が閉成し、遊技状態が遊技者にとって不利な第2の状態となる。そして、可変入賞球装置12が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、可変入賞球装置12が第2の状態になった後に特定球検出スイッチ33により検出されれば、再度可変入賞球装置12を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置12が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置12が第1の状態にされ得る。
【0024】
特に大当りが予め定められた確変図柄により発生した場合には、大当りとともに、いわゆる“確率変動(確変)”が生じ、確率向上状態となる。確変が生じることにより、たとえば、その後、大当りが2回発生するまで大当りの発生する確率が高くなる。なお、確変中に再度、確変図柄で大当りが発生した場合には、その大当り発生後、さらに大当りが2回発生するまで確変が継続する。以降、確変図柄で発生した大当りを“確変大当り”という。
【0025】
可変表示装置4が可変表示中に打玉が始動口9に始動入賞して始動球検出器34により検出されれば、その始動入賞球が記憶され、可変表示装置4が可変停止した後、再度可変開始可能な状態になってから始動記憶に基づいて可変表示装置4が再度可変開始される。この始動記憶の上限は、たとえば「4」と定められている。現時点における始動記憶個数が始動記憶表示器6により表示される。
【0026】
遊技領域3内には、さらに風車19、通常の入賞口7,11,15、および、遊技領域3内に打込まれた打玉がいずれの入賞領域や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口16が設けられている。さらに、遊技領域3の両サイドには、飾り図柄表示用のサイドランプ18が設けられている。
【0027】
始動口9、可変入賞球装置12、通常の入賞口7,11,15などの各種入賞領域に打玉が入賞すると、その入賞口に応じた所定個数の景品玉が上皿29に払出される。上皿29の下方には、上皿玉抜きレバー26を操作することにより上皿29から排出される打玉を貯留しておくための下皿31が設けられている。下皿31に貯留された打玉は、下皿玉抜きレバー30を操作することにより排出できる。
【0028】
遊技領域3の上部の左右には、ステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ81,81が設けられている。また、図中27は、パチンコ遊技機1の前面側の枠である前面枠を開閉できないようにするための鍵である。
【0029】
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる制御回路について説明する。図2および図3は、遊技制御基板(コントロール基板)66(図4参照)に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。
【0030】
図2および図3を参照して、制御回路は、基本回路45、入力回路35、情報出力回路37、初期リセット回路38、定期リセット回路39、電飾信号回路40、アドレスデコード回路41、LED回路46、ソレノイド回路48、CRT回路54、ランプ回路55、音声合成回路56、音量増幅回路57、電源回路58を含む。
【0031】
基本回路45は、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1の各種機器を制御する。基本回路45の内部には、マイクロコンピュータ(マイコン)68が設けられている。マイクロコンピュータ68には、遊技制御プログラムを記憶しているROM69(Read Only Memory)、遊技制御プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit )71、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)70、その他図示を省略するがI/O(Input/Output)ポート、クロック発生回路などが設けられている。
【0032】
入力回路35は、始動口9に始動入賞した打玉を検出するための始動玉検出器13と、可変入賞球装置12の特定入賞領域に入賞した打玉を検出するための特定球検出スイッチ33と、可変入賞球装置12の大入賞口に入賞した打玉を検出するための球数検出スイッチ32と、普通図柄始動ゲート8を通過した打玉を検出するための通過球検出器13とそれぞれ接続される。入力回路35は、始動玉検出器34から出力される始動入賞信号など、各検出器から出力される検出信号を基本回路45へ送信する。
【0033】
LED回路46には、普通図柄表示器20の個数表示LED21、始動記憶表示器6のLED、普通図柄表示器20の普通図柄を表示するためのLED、通過記憶表示器21のLED、LED47と接続される。LED回路46は、基本回路45から出力される制御信号に応じて、上記各LEDの点灯状態を制御する。
【0034】
初期リセット回路38は、電源投入時に基本回路45をリセットするための回路である。初期リセット回路38から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路45はパチンコ遊技機1を初期化する。
【0035】
定期リセット回路39は、基本回路45に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、ROM69に記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
【0036】
ソレノイド回路48は、始動口9の可動片14を駆動するためのソレノイド49、および可変入賞球装置12の開閉板22を駆動するためのソレノイド50を制御するための回路である。ソレノイド回路48は、基本回路45から出力される制御信号に応答して、所定のタイミングでソレノイド49およびソレノイド50を作動させる。
【0037】
アドレスデコード回路41は、基本回路45内のマイクロコンピュータ68から送られてきたアドレス信号をデコードし、マイクロコンピュータ68内部に含まれるROM69、RAM70などのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。
【0038】
情報出力回路37は、基本回路45から与えられるデータ信号に基づいて、大当り情報や図柄確定情報、確率変動情報などの各種遊技情報をホストコンピュータであるホール用管理コンピュータなどに対して出力する。ここで、大当り情報とは、大当りの発生を示すための情報であり、図柄確定情報とは、始動口9に入賞した打玉の入賞個数のうち実際に可変表示装置4における図柄の可変表示の始動に使用された個数を示すための情報であり、確率変動情報とは、確率向上状態の発生に関する情報である。
【0039】
電飾信号回路40は、パチンコ遊技機1に設けられた複数種類の電飾の点灯状態を制御する電飾基板(図示省略)へランプ制御データD0〜D3を送信する。ランプ制御データD0〜D3は、電飾の点灯状態を制御するためのデータであり、大当り時、あるいは確変時などにおいて、電飾の点灯状態を指定する。なお、ランプ制御データコモンは共通線信号である。
【0040】
CRT回路54は、基本回路45から出力される制御信号に従って、CRT表示機53を駆動制御するための回路である。CRT回路54からCRT表示機53に送信される信号の中には、コマンド信号としてのCD0〜CD7と、表示制御通信トリガ信号(割込信号)であるINTとが含まれる。さらに、CRT回路54とCRT表示機53とを接続する信号線には、電源供給のための+5V線と、+12V線と、グランド信号線であるGND線とがある。基本回路45は、定期リセット回路39からの定期リセット信号が入力されたタイミングでCRT回路54を介してCRT表示機53の可変表示制御基板(サブ基板)216(図4参照)へ、割込信号(INT)と画像表示制御信号(コマンド信号CD0〜CD7)とを出力する。
【0041】
ランプ回路55は、サイドランプ18と接続される。ランプ回路55は、基本回路45から出力される制御信号に応じて、サイドランプ18の点灯状態を制御する。
【0042】
電源回路58は、AC24Vの交流電源に接続され、+30V、+21V、+12V、+5Vの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。なお、電源回路58から発生される+30Vの直流電圧はCRT表示機53へ出力される。
【0043】
音声合成回路56は、基本回路45から出力される音声発生指令信号に応じて効果音データを合成し、合成した効果音データを音量増幅回路57に与える。音量増幅回路57は、効果音を増幅して電飾基板(図示省略)へ出力する。
【0044】
図4は、可変表示制御基板(サブ基板)216に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。可変表示制御基板216は、遊技制御基板(コントロール基板)66からの制御信号に応じて可変表示装置4の表示状態を制御する。
【0045】
可変表示制御基板216には、CRTコントロール回路67、VDP(Video Display Processor)59、リセット回路64、発振回路65、VRAM60、キャラクタROM61、DA変換回路62が設けられている。
【0046】
CRTコントロール回路67は、図2、図3に示した回路が形成されている遊技制御基板66と接続されている。CRTコントロール回路67は、遊技制御基板66から画像表示のためのコマンドデータCD0〜CD7、INT信号を定期的に受ける。さらに、CRTコントロール回路67は、+12Vおよび+5Vの2種類の電源電圧の供給を受ける。また、可変表示制御基板216は、遊技制御基板66から延びるGND線により接地されている。
【0047】
CRTコントロール回路67は、受信したコマンドデータCD0〜CD7に応答して、可変表示制御基板216に形成された回路全体を制御する。CRTコントロール回路67は、VDP59にアドレス信号、データ信号および制御信号を送り、VDP59とCRTコントロール回路67との間で、データ信号の送受信を行なう。そして、CRTコントロール回路67は、受信したデータに基づいて、可変表示制御基板216に形成された回路全体の制御を行なう。
【0048】
VDP59は、発振回路65から供給されるクロック信号を受けて動作し、リセット回路64から供給されるリセット信号を受けて動作がリセットされる。このVDP59は、CRTコントロール回路67からの制御信号に応答して、画像データを生成する。VDP59は、VRAMアドレス信号、VRAMデータ信号、およびVRAM制御信号などの信号をVRAM60へ送信する。VRAM60からVDP59へは、VRAMデータ信号などの信号が返信される。VDP59は、キャラクタROMアドレス信号、キャラクタROMデータ信号およびキャラクタROM制御信号をキャラクタROM61へ送信する。キャラクタROM61からVDP59へは、キャラクタROMデータ信号などの信号が返信される。
【0049】
VDP59は、CRTコントロール回路67から出力される制御信号に応答して、画像表示部5に表示される画像を構成するための画像データを生成する。VRAM60は、VDP59が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP59が生成し、VRAM60に記憶される画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。
【0050】
画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配置関係に従って含まれている。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、CRTコントロール回路67内に予め記憶されている。画像表示部5に表示される画面を構成するために必要なキャラクタの識別番号がCRTコントロール回路67から読出され、VDP59により、表示画面におけるキャラクタの配置関係を示すためのマップデータとして、VRAM60に記憶される。
【0051】
キャラクタROM61は、キャラクタの識別番号に対応するドットデータを予め記憶している。VDP59は、所定のタイミングでVRAM60からマップデータを読出し、マップデータに含まれる各キャラクタの識別番号に基づいて、各キャラクタのドットデータを読出す。VDP59は、読出したドットデータに基づいて、画像表示信号を生成する。生成された信号は、DA変換回路62によりアナログのRGB(RED,GREEN,BLUE)信号に変換されて表示装置63に入力される。さらにVDP59は、複合同期信号SYNCを表示装置63へ供給する。表示装置63は、送信されてきたRGB信号、複合同期信号SYNCに基づいて、画像表示部5に画像を表示する。なお、表示装置63は、遊技制御基板66から延びるGND線により接地されている。
【0052】
図5は、大当り予告に関連してパチンコ遊技機1の制御に使用されるランダムカウンタやフラグ、作業領域などを説明するための説明図である。
【0053】
このパチンコ遊技機1では、所定の予告条件が成立した場合に大当りが発生することを予告する所定の大当り予告が行なわれる。なお、この予告条件は、常に、大当りとすることが事前に決定されていることを前提にして成立するようには定義されていない。したがって、予告通りに大当りが発生するとは限らず、中には、大当り予告がされたにも係わらず可変表示結果がはずれの結果となる、“がせ予告”も含まれている。
【0054】
以下に図5を参照して、この大当り予告に関連してパチンコ遊技機1の制御に使用される各種ランダムカウンタやフラグ、作業領域等の内容について説明する。なお、図5に示したラベル名により識別される各種ランダムカウンタ等のデータはCPU71のワーク用メモリとして機能するRAM70内に記憶されている。
【0055】
まず、WD_DG1は、始動記憶表示器6を構成する4つのLEDの点灯状態を決定するために用いられるLEDデータである。このWD_DG1は、1バイトのデータである。WD_DG1の7ビット目を1に設定することによりLED1が点灯(ON)する。6ビット目を1に設定することによりLED2が点灯(ON)する。5ビット目を1に設定することによりLED3が点灯(ON)する。4ビット目を1に設定することによりLED4が点灯(ON)する。たとえば、4ビット目を1に設定し、5ビット目〜7ビット目のすべてを0に設定することにより、LED1のみが点灯し、始動記憶数が「1」を示す表示状態となる。また、4ビット目〜7ビット目のすべてを1に設定することにより、すべてのLED1〜4が点灯し、始動記憶数が「4」を示す表示状態となる。なお、WD_DG1のビット数0〜3は未使用である。このため、WD_DG1は、その4ビット目から7ビット目によって、0(0000H)、8(1000H)、12(1100H)、14(1110H)、15(1111H)のうちのいずれかの値をとる。
【0056】
WD_TRPOは、特別図柄プロセスフラグである。この特別図柄プロセスフラグのフラグ状態により、複数種類のサブルーチンプログラムからなる遊技制御プログラムのうち、いずれのサブルーチンプログラムを実行すべきであるかが指定される。特別図柄プロセスフラグが「00H」に設定されている場合には、特別図柄変動待ち処理が指定される。特別図柄プロセスフラグが「01H」の場合には、特別図柄判定処理が指定される。特別図柄プロセスプロセスが「02H」の場合には、停止図柄設定処理が指定される。このWD_TRPOは、1バイトのデータである。
【0057】
WB_BANK0〜WB_BANK3は、始動入賞に関連する各種情報を始動入賞別に記憶するためのバンクである。WB_BANK0〜WB_BANK3により、始動入賞を最大4つ記憶することが可能になる。各バンクWB_BANK0〜WB_BANK3は、始動入賞毎に次の3種類のデータを記憶するための各々1バイトのデータ長からなる3つの記憶領域に分割されている。
【0058】
1つ目の記憶領域は、始動入賞に伴って抽出された大当り判定用乱数を記憶するための領域「特別図柄バンク」である。この特別図柄バンクには、後述する大当り判定用乱数「0〜255」のうちのいずれかの値が記憶される。
【0059】
2つ目の記憶領域は、始動入賞に伴って抽出された確率変動判定用乱数を記憶するための領域「特定図柄バンク」である。この特定図柄バンクには、後述する確率変動判定用乱数「0〜9」のうちのいずれかの値が記憶される。
【0060】
3つ目の記憶領域は、始動入賞が発生した際のWD_DG1の値(すなわち、始動記憶数)を記憶するための領域「入賞時バンクデータ記憶領域」である。前述したようにWD_DG1は、「0、8、12、14、15」のうちのいずれかの値をとる。この入賞時バンクデータ記憶領域には、そのうちの「15」を除くいずれかの値が記憶される。「15」が除外されのは、始動入賞が発生した時点でWD_DG1の値が15(1111H)となっている場合には、始動記憶数がその時点で最大数「4」に達しているために、WB_BANK0〜WB_BANK3に空きがなく、始動記憶されることはないためである。
【0061】
始動入賞が発生した場合には、以下の手順で始動入賞に関連する各種情報がバンクに記憶される。たとえば、始動入賞が発生した時点で始動記憶が無い場合には、WB_BANK0に始動入賞関連の各種情報が記憶される。一方、始動入賞が発生した時点で始動記憶が存在する場合には、記憶のなされていないバンクのうち、最も若いバンク番号のバンクに始動入賞関連の各種情報が記憶される。なお、4つのバンクすべてに記憶がなされている場合には、新たな始動入賞に関連する各種情報は記憶されることはない。このため、その始動入賞は無効になる。
【0062】
C_RND_Hは、大当り判定用乱数を発生させるためのランダムカウンタである。このランダムカウンタにより、「0〜255」の範囲内で各カウンタ値が繰返し更新されている。始動入賞の発生に伴って抽出された大当り判定用ランダムカウンタの値が大当り判定値「7」の場合には、その始動入賞に基づく可変表示の結果、大当りとすることが事前に決定される。また、遊技状態が確変状態にある場合には、大当り判定値が「7」、「57」、「77」、「107」、「157」とされる。なお、始動入賞の発生に伴って抽出された大当り判定用乱数は、前述した「特別図柄バンク」に記憶される。
【0063】
C_RND_RCHは、リーチ判定用乱数を発生するためのランダムカウンタである。このランダムカウンタにより「0〜55」の範囲内で各数値が繰返し更新されている。そして、所定のタイミングで抽出されたリーチ判定用乱数の値が「0〜5」の場合には、各値に対応して予め定められたリーチ動作が設定される。一方、抽出値が「6〜55」の場合には、リーチを発生させることなく可変表示結果をはずれとする設定が行なわれる。
【0064】
C_RND_KAは、確率変動を発生させるか否かを決定する際に用いられる確率変動判定用乱数を発生させるためのランダムカウンタである。このランダムカウンタのカウント範囲は、「0〜9」である。なお、始動入賞の発生に伴って抽出された確率変動判定用乱数は、前述した「特定図柄バンク」に記憶される。
【0065】
C_RND_YOは、大当り予告を行なうか否かを決定するために用いられる予告用乱数を発生させるランダムカウンタである。このランダムカウンタのカウンタ値が始動入賞に基づく可変表示制御の開始前に抽出され、後述する予告判定値と比較されることにより、その可変表示制御に関して大当り予告を行なうか否かが決定される。このランダムカウンタC_RND_YOのカウント範囲は、「0〜255」である。
【0066】
図6は、可変表示制御のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。以下に示す手順により可変表示制御の内容が可変表示制御の開始前に決定される。
【0067】
まず、現在の遊技状態が高確率状態にあるか否かが判断される(SA1)。高確率状態にある場合には高確率時の大当り判定値「7、57、77、107、157」が設定され(SA3)、確変状態にない場合には通常時の大当り判定値「7」が設定される(SA2)。次に、大当りの発生を示す大当りフラグがクリアされる(SA4)。次に、WB_BANK0の特別図柄バンク0に格納されている大当り判定用乱数が読出され、SA2またはSA3で設定された大当り判定値と一致しているか否かが判断される(SA5)。大当り判定値と一致していない場合にはバンクのシフト処理が行なわれる(SA13)。
【0068】
バンクのシフト処理とは、WB_BANK0のバンクデータをWB_BANK1に記憶されているデータにより更新した後、WB_BANK1のバンクデータをWB_BANK2に記憶されているデータにより更新し、続いてWB_BANK2のバンクデータをWB_BANK3に記憶されているデータにより更新する処理である。詳細については図7で後述する。バンクのシフト処理の後、WB_BANK3に記憶されている各種データ(特別図柄バンク3のデータ、特定図柄バンク3のデータ、入賞時バンクデータ記憶領域のデータ)がクリアされ(SA14)、処理が終了する。
【0069】
SA5で抽出された大当り判定用乱数が大当り判定値と一致している場合には、大当りの発生を示す大当りフラグが設定される(SA6)。続いてリーチの発生を示すリーチフラグが設定される(SA7)。次に、WB_BANK0の特定図柄バンク0から確率変動判定用乱数が抽出される(SA8)。次に、確率変動継続回数が予め規定された最大値に達しているか否かが判断される(SA9)。確率変動継続回数が最大値が達している場合には、確変大当りが発生しないように特別図柄データが通常図柄に設定される(SA11)。なお、特別図柄データとは、各種特別図柄に対応して定められた図柄番号が記憶されたデータであり、停止図柄の種類を定める際に参照されるデータである。特別図柄データが通常に設定されることにより、停止図柄から確変図柄が除外される。
【0070】
一方、SA9で確率変動継続回数が最大値に達していない場合には、特別図柄データが確変図柄をも含むすべての図柄に設定される(SA10)。SA10またはSA11で特別図柄データが設定された後、特別図柄データから各停止図柄を設定する処理が行なわれる(SA12)。その後、前述したバンクのシフト処理とWB_BANK3に記憶されている各種データをクリアする処理とが実行され(SA13、SA14)、処理が終了する。
【0071】
図7は、バンク(WB_BANK0〜WB_BANK3)のシフト処理を説明するためのフローチャートである。まず、シフト(転送)させるべき転送データが抽出される(SB1)。転送データには、バンクに記憶されている大当り判定用乱数と確率変動判定用乱数と始動記憶数とが含まれる。たとえば、バンクのシフト処理の開始直後では、最初にWB_BANK1のデータをWB_BANK0へシフトさせる必要があるため、SB1ではWB_BANK1の上記3種類のデータが抽出される。
【0072】
次に、SB1で抽出されたデータを転送させる転送先アドレスが抽出される(SB2)。たとえば、SB1でWB_BANK1のデータが抽出されている場合には、WB_BANK0のアドレスが抽出される。
【0073】
次に、抽出されている転送データを転送先アドレスにより指定される記憶領域へ転送する処理が実行される(SB3)。たとえば、転送データとしてWB_BANK1のデータが抽出されている場合には、抽出されているWB_BANK1のデータがWB_BANK0へ転送されることになる。
【0074】
次に、転送先アドレスが更新される(SB4)。これにより、たとえば、現在、データ転送先がWB_BANK0に指定されている場合、再度SB1〜SB3の処理を実行する際、データの転送先がWB_BANK1に更新される。
【0075】
次に、シフト作業がすべて終了したか否かが判断される(SB5)。WB_BANK1〜WB_BANK3までのすべてのデータについて上記SB1〜SB4のシフト作業が終了しているときには処理が終了する。すべてのシフト作業が終了していない場合には再び処理がSB1に移行し、各バンクに記憶されているデータをシフトする処理が繰返し実行される。
【0076】
次に、第1実施形態〜第4実施形態に係わる大当り予告の制御手順について詳細に説明する。
【0077】
第1実施形態に係わる大当り予告の制御手順
図8および図9は、第1実施形態に係わる大当り予告の制御手順を説明するための図である。特に、図8は、図5に示した各種ランダムカウンタ等に加えて大当り予告の制御に用いられる予告判定値を説明するための説明図である。また、図9は、大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【0078】
この第1実施形態に係わる大当り予告の制御の特徴は、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合には、その可変表示制御が実行される時点における始動記憶数が少ないほど、大当り予告(この場合は、“がせ予告”になる)がされる確率が高くなる点にある。
【0079】
まず、図8を参照して、予告判定値について説明する。予告判定値として、可変表示結果を大当り(確変大当りを除く)とすることが事前に決定された可変表示制御に対応して使用される予告判定値XD_TOK_HIa1(大当り時判定値)と、可変表示結果を確変大当りとすることが事前に決定された可変表示制御に対応して使用される予告判定値XD_TOK_HIa2(確変大当り時判定値)と、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御に対応して使用される予告判定値XD_TOK_HIa3(はずれ時判定値)とが定義されている。
【0080】
さらに、XD_TOK_HIa3には、可変表示制御を開始する時点での始動記憶数別に4種類(始動記憶無、始動記憶1個、始動記憶2個、始動記憶3個)の予告判定値が定義されている。なお、「始動記憶4個」に対応する予告判定値が定義されていないのは、始動記憶に基づいた可変表示制御が開始される時点で始動記憶が1個消化されるためである。したがって、図示の始動記憶の個数は、WB_BANK0の始動記憶に基づいて可変表示制御が開始される場合におけるそのWB_BANK0の始動記憶を除いた個数である。
XD_TOK_HIa1(大当り時判定値)は、「50」である。XD_TOK_HIa2(確変大当り時判定値)は、「128」である。XD_TOK_HIa3(はずれ時判定値)は、始動記憶が無い場合には「100」、始動記憶が1個の場合には「80」、始動記憶が2個の場合には「50」、始動記憶が3個の場合には「25」である。なお、XD_TOK_HIa3(はずれ時判定値)の各値は、始動記憶に基づく可変表示制御が実行される時点における始動記憶数であるため、この第1実施形態ではWB_BANK0の入賞時バンクデータ記憶領域に記憶されている始動記憶数は大当り予告に使用されない。
【0081】
次に、図9を参照して、大当り予告の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに基づく制御は、可変表示制御の開始直前に実行される。まず、遊技状態が高確率状態にあるか否かが判断される(SC1)。高確率状態にある場合には処理が終了する。すなわち、高確率状態にある場合には大当り予告は行なわれない。高確率状態にない場合には大当りとすることが決定されているか否かが判断される(SC2)。この判断は、たとえば、WB_BANK0に記憶されている大当り判定用乱数に基づいて、あるいは、図6のSA6で設定される大当りフラグのフラグ値に基づいて行なわれる。
【0082】
大当りとすることが決定されている場合にはXD_TOK_HIa1の記憶値が参照され、予告判定値として大当り時判定値「50」が設定される(SC4)。続いて、確変大当りとすることが決定されているか否かが判断され(SC5)、確変大当りとすることが決定されている場合には先のSC4で設定された予告判定値を確率大当り時判定値「128」に変更する処理が行なわれる(SC6)。一方、確変大当りでない場合には、SC4で設定された大当り時判定値が予告判定値として維持される。
【0083】
SC2ではずれとすることが決定されている場合には、現時点におけるWD_DG1の値が参照され、現時点の始動記憶数に対応したはずれ時判定値(100、80、50、または25)が設定される(SC3)。たとえば、始動記憶数が1個の場合には「80」に設定され、始動記憶数が2個の場合には「50」に設定されることになる(図8参照)。
【0084】
SC3、SC4、SC6において予告判定値が設定された後、ランダムカウンタC_RND_YOから予告用乱数が抽出され、抽出された予告用乱数が設定された予告判定値以下の値であるか否かが判断される(SC7)。予告用乱数が予告判定値を超過する値である場合には、大当り予告の設定が行なわれることなく処理が終了する。一方、予告用乱数が予告判定値以下の場合には、大当り予告を行なうための設定がなされる(SC8)。このため、設定された予告判定値が大きい値であるほど、大当り予告を行なう設定がされる確率が高くなる。たとえば、大当り(確変大当りを除く)とすることが決定されている場合に採用される大当り時判定値はその値が「50」であるために、抽出された予告用乱数が「0〜50」のうちのいずれかの値であれば、大当り予告を行なう設定がされる。この場合の予告確率は、「51/256」になる。同様に、確変大当りとすることが決定されている場合に採用される確変大当り時判定値はその値が「128」であるために、抽出された予告用乱数が「0〜128」のうちのいずれかの値であれば、大当り予告を行なう設定がされる。この場合の予告確率は、「129/256」になる。
【0085】
図15は、第1実施形態に関連して、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合の始動記憶数と大当り予告の設定がされる確率との関係を示す図である。ここでの始動記憶数は、始動記憶に基づいた可変表示制御が開始される時点での始動記憶数、換言すれば、大当り予告に関する判定を行なう際の始動記憶数である。
【0086】
カッコ書きの数値は、各始動記憶数に対応するはずれ時判定値(図8参照)と予告用乱数とから割出した確率である。たとえば、始動記憶数が1個の場合には、はずれ時判定値が「80」であるために(図8参照)、抽出された予告用乱数が「0〜80」のいずれかであれば大当り予告の設定がされる。このため、この場合に大当り予告の設定がされる確率は、図示の通り「81/256」となる。なお、予告用乱数の数値範囲は、前述の通り、「0〜255」である。
【0087】
さらに、×、△、○、◎は、カッコ書きの数値に対応して大当り予告の設定がされる確率を記号化したものであり、その順に大当り予告の設定がされる確率が高いことを意味する。図示で明らかな通り、この第1実施形態では、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合(SC2でNOの判断)には、始動記憶数が少ない程、大当り予告の設定がされる確率が高い。
【0088】
第2実施形態に係わる大当り予告の制御手順
図10および図11は、第2実施形態に係わる大当り予告の制御手順を説明するための図である。特に、図10は、図5に示した各種ランダムカウンタ等に加えて大当り予告の制御に用いられる予告判定値を説明するための説明図である。また、図11は、大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【0089】
この第2実施形態は、可変表示結果を大当り(確変大当りを除く)または確変大当りとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合に、一定の確率で大当り予告が行なわれる点において、先に説明した第1実施形態と同様である。この第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合には、その可変表示制御が実行される時点で始動記憶が存在しないことを条件として、所定確率で大当り予告(この場合は、“がせ予告”である)がされる点にある。
【0090】
さらに、第1実施形態と異なる点は、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される時点で始動記憶が存在しない場合に大当り予告が行なわれる確率が、その可変表示制御を実行させる要因となった始動入賞が発生した過去の時点における始動記憶数(すなわち、WB_BANK0に記憶されている始動記憶数)が多いほど高くなる点にある。この点を遊技者の立場から見ると、次のような状況で大当り予告が行なわれる可能性が高くなることになる。すなわち、過去のある時点では、始動入賞が頻発して小気味のよいテンポで遊技を行なっていたにもかかわらず、ある時点から始動入賞が疎らにしか発生しなくなって遊技に変化が無くなったために遊技にも飽きてそろそろ遊技を止めようかと感じるような状況である。このような状況で始動入賞が発生したタイミングで大当り予告が行なわれることにより、単調化した遊技に変化をもたらせて遊技に飽き始めた遊技者の遊技意欲を再度、引出すことができる。
【0091】
まず、図10を参照して、予告判定値について詳細に説明する。予告判定値としては、第1実施形態と同様に、予告判定値XD_TOK_HIb1(大当り時判定値)と、予告判定値XD_TOK_HIb2(確変大当り時判定値)と、予告判定値XD_TOK_HIb3(はずれ時判定値)とが定義されている。
【0092】
さらに、XD_TOK_HIb3には、WB_BANK0に記憶されているWD_DG1により特定可能な始動記憶数別に4種類(始動記憶無、始動記憶1個、始動記憶2個、始動記憶3個)の予告判定値が定義されている。すなわち、始動記憶に基づいた可変表示制御が開始される時点での始動記憶数に基づいてはずれ時判定値が定められている第1実施形態とは異なり、この第2実施形態では、始動入賞が発生した時点の始動記憶数に基づいてはずれ時判定値が定められている。なお、「始動記憶4個」に対応する予告判定値が定義されていないのは、第1実施形態と同様に始動記憶に基づいた可変表示制御が開始される時点で始動記憶が1個消化されるためである。したがって、図示の始動記憶の個数は、WB_BANK0の始動記憶に基づいて可変表示制御が開始される場合におけるそのWB_BANK0の始動記憶を除いた個数である。
【0093】
次に、図11を参照して、大当り予告の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに基づく制御は、可変表示制御の開始直前に実行される。まず、遊技状態が高確率状態にあるか否かが判断される(SD1)。高確率状態にある場合には処理が終了する。すなわち、高確率状態にある場合には大当り予告は行なわれない。高確率状態にない場合には大当りとすることが決定されているか否かが判断される(SD2)。この判断は、たとえば、WB_BANK0に記憶されている大当り判定用乱数に基づいて、あるいは、図6のSA6で設定される大当りフラグのフラグ値に基づいて行なわれる。
【0094】
大当りとすることが決定されている場合にはXD_TOK_HIb1の記憶値が参照され、予告判定値として大当り時判定値「50」が設定される(SD5)。続いて、確変大当りとすることが決定されているか否かが判断され(SD6)、確変大当りとすることが決定されている場合には先のSD5で設定された予告判定値を確率大当り時判定値「128」に変更する処理が行なわれる(SD7)。一方、確変大当りでない場合には、SD5で設定された大当り時判定値が予告判定値として維持される。
【0095】
SD2ではずれとすることが決定されている場合には、現時点におけるWD_DG1の値が参照され、現時点で始動記憶が存在しないか否かが判断される(SD3)。そして、始動記憶が存在する場合には、大当り予告を行なうための設定がされることなく、処理が終了する。一方、始動記憶が存在しない場合には、WB_BANK0に記憶されているWD_DG1の値(すなわち、可変表示制御に対応する始動入賞が発生した時点における始動記憶数)が参照され、参照値に基づいてはずれ時判定値が設定される(SD4)。たとえば、始動入賞の発生時に始動記憶が無かった場合には「15」に設定され、始動記憶数が1個であった場合には「50」に設定され、始動記憶数が2個であった場合には「80」に設定され、始動記憶数が3個であった場合には「100」に設定されることになる(図10参照)。
【0096】
SD4、SD5、SD6において予告判定値が設定された後、ランダムカウンタC_RND_YOから予告用乱数が抽出され、抽出された予告用乱数が設定された予告判定値以下の値であるか否かが判断される(SD8)。予告用乱数が予告判定値を超過する値である場合には、大当り予告の設定が行なわれることなく処理が終了する。一方、予告用乱数が予告判定値以下の場合には、大当り予告を行なうための設定がなされる(SD9)。このため、第1実施形態と同様に、設定された予告判定値が大きい値であるほど、大当り予告を行なう設定がされる確率が高くなる。たとえば、可変表示結果をはずれとすることが決定されている場合に採用されるはずれ時判定値は、その可変表示制御を実行させる要因となった始動入賞が発生した過去の時点における始動記憶数が多いほど大きい値に定義されているために(図10参照)、前述した通り、その始動記憶数が多いほど大当り予告の行なわれる確率は高くなる。
【0097】
第3実施形態に係わる大当り予告の制御手順
図12および図13は、第3実施形態に係わる大当り予告の制御手順を説明するための図である。特に、図12は、図5に示した各種ランダムカウンタ等に加えて大当り予告の制御に用いられる予告判定値を説明するための説明図である。また、図13は、大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【0098】
この第3実施形態に係わる大当り予告の制御の特徴の1つは、複数種類の予告内容が定義されている点にある。具体的には、大当りを予告する予告1と、確変大当りを予告する予告2と、リーチの成立を強調して大当りを予告する予告3とが定義されている。
【0099】
予告1は、単に大当りを予告する内容のものである。予告2は、大当りが確変大当りであることを予告する内容のものである。予告3は、たとえば、リーチの成立に関しては予告1や予告2と同程度の期待を抱くことができるが、大当りの予告に関しては予告1や予告2に比べて、信頼性が少し低いかもしれないと遊技者が予見するような予告である。たとえば、大当り予告を表示手段を用いて行なう場合には、予告1や予告2に比べて大当り予告のメッセージが小さいようなものや、期待度を具体的にパーセント表示する場合には、リーチ成立の期待度は予告1や予告2と同程度のものが表示されながらも、大当りの期待度については予告1や予告2に比べて低い数値が表示されるようなものである。以下、予告3を特に“リーチ予告”ともいう。
【0100】
さらに第3実施形態の特徴点として、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合であってもその途中にリーチが成立する場合には、始動記憶数とは無関係に所定確率で大当り予告が行なわれる点を挙げることができる。
【0101】
なお、可変表示結果を大当り(確変大当りを除く)または確変大当りとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合に、一定の確率で大当り予告が行なわれる点については、先に説明した第1実施形態および第2実施形態と同様である。
【0102】
また、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される場合には、その可変表示制御が実行される時点で始動記憶が存在しないことを条件として所定確率で大当り予告がされる点と、可変表示結果をはずれとすることが事前に決定された可変表示制御が実行される時点で始動記憶が存在しない場合に大当り予告が行なわれる確率が、その可変表示制御を実行させる要因となった始動入賞が発生した過去の時点における始動記憶数(すなわち、WB_BANK0に記憶されている始動記憶数)が多いほど高くなる点については、可変表示制御の途中にリーチを成立させる場合を除き、先に説明した第2実施形態と同様である。
【0103】
まず、図12を参照して、予告判定値について詳細に説明する。予告判定値としては、第1実施形態および第2実施形態と同様に、予告判定値XD_TOK_HIc1(大当り時判定値)と、予告判定値XD_TOK_HIc2(確変大当り時判定値)と、予告判定値XD_TOK_HIc3(はずれ時判定値)とが定義されている。さらに、XD_TOK_HIc3については、第2実施形態と同様に、WB_BANK0に記憶されているWD_DG1により特定可能な始動記憶数別に4種類(始動記憶無、始動記憶1個、始動記憶2個、始動記憶3個)の予告判定値が定義されている。
【0104】
予告判定値XD_TOK_HIc1(大当り時判定値)として、「100、125、135」の3つの判定値が定義されているが、これらの判定値により、予告を行なうか否か、および、予告を行なう場合の予告の内容(予告1〜予告3)とが決定される。具体的には、抽出された予告用乱数が「0〜100」の判定範囲に含まれる場合には、予告1として定義される大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「101〜125」の判定範囲に含まれる場合には、予告2として定義される確変大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「126〜135」の判定範囲に含まれる場合には、予告3として定義されるリーチ予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「135」を越える値の場合には、予告を行なわないことが決定される。すなわち、図示する各判定値は、予告1、予告2、予告3のそれぞれに対応する各判定範囲の最終値を示したものである。
【0105】
また、予告判定値XD_TOK_HIc2(確変大当り時予告判定値)として、「50、120、130」の3つの判定値が定義されているが、これらの判定値により、大当り時判定値の場合と同様にして予告を行なうか否か、および、予告を行なう場合の予告の内容とが先のXD_TOK_HIc1と同様にして決定される。すなわち、抽出された予告用乱数が「0〜50」の判定範囲に含まれる場合には、予告1として定義される大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「51〜120」の判定範囲に含まれる場合には、予告2として定義される確変大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「121〜130」の判定範囲に含まれる場合には、予告3として定義されるリーチ予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「130」を越える値の場合には、予告を行なわないことが決定される。
【0106】
予告判定値XD_TOK_HIc2(はずれ時判定値)は始動記憶数別に定義されているが、予告を行なうか否かの決定方法と、予告を行なう場合の予告の内容の決定方法は、大当り時判定値を用いて行なう場合と同様である。
【0107】
たとえば、始動記憶が無い場合、次のようにして決定される。すなわち、抽出された予告用乱数が「0〜3」の判定範囲に含まれる場合には、予告1として定義される大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「4〜5」の判定範囲に含まれる場合には、予告2として定義される確変大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「6〜100」の判定範囲に含まれる場合には、予告3として定義されるリーチ予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「101」を越える値の場合には、予告を行なわないことが決定される。
【0108】
同様に、始動記憶数が1個の場合、次のようにして決定される。すなわち、抽出された予告用乱数が「0〜5」の判定範囲に含まれる場合には、予告1として定義される大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「6〜15」の判定範囲に含まれる場合には、予告2として定義される確変大当り予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「16〜150」の判定範囲に含まれる場合には、予告3として定義される所定の態様でリーチ予告を行なうことが決定される。その予告用乱数が「151」を越える値の場合には、予告を行なわないことが決定される。
【0109】
始動記憶数が2個の場合、3個の場合についても同様にして予告に関する決定が行なわれるが、ここでは、これ以上の説明を省略する。
【0110】
次に、図13を参照して、大当り予告の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに基づく制御は、可変表示制御の開始直前に実行される。まず、遊技状態が高確率状態にあるか否かが判断され(SE1)、高確率状態にある場合には予告の設定は行なわれることなく処理が終了する。遊技状態が高確率状態にない場合には大当りとすることが決定されているか否かが判断される(SE2)。はずれとすることが決定されている場合には、リーチ表示を行なうことが決定されているか否かが判断される(SE3)。はずれとすることが決定され、かつ、リーチ表示を行なわないことが決定されている場合には、可変表示制御を行なう現時点において、始動記憶が無いか否かが判断される(SE5)。始動記憶が存在する場合には予告の設定が行なわれることなく、処理が終了する。このように、リーチも成立しないようなはずれの場合には、大当り予告がなされるための条件を厳しくして大当り予告が設定される確率を下げることにより、大当り予告の信頼性が低下することを防止できる。
【0111】
一方、SE5で現時点において始動記憶が存在しないと判断された場合には、WB_BANK0に記憶されているWD_DG1の値(すなわち、可変表示制御に対応する始動入賞が発生した時点における始動記憶数)が参照され、参照値に基づいてはずれ時判定値が設定される(SE6)。たとえば、始動入賞の発生時に始動記憶が無かった場合には「3、5、100」に設定され、始動記憶数が1個であった場合には「5、15、150」に設定され、始動記憶数が2個であった場合には「10、30、200」に設定され、始動記憶数が3個であった場合には「10、30、200」に設定されることになる(図12参照)。
【0112】
SE2で大当りとすることが決定されている場合には、予告判定値として大当り時判定値「100、125、135」が設定される(SE7)。続いて、確変大当りとすることが決定されているか否かが判断される(SE8)。確率大当りとすることが決定されている場合にはSE7で設定された予告判定値に代えて確変時判定値「50、120、130」が予告判定値として設定される(SE9)。一方、確変大当り以外の通常の大当りの場合にはSE7で設定された大当り時判定値が維持される。
【0113】
SE2ではずれとすることが決定されていると判断され、かつ、SE3でリーチ表示を行なうことが決定されていると判断された場合には、予告判定値としてリーチ時判定値「10、30、200」が設定される(SE4)。
【0114】
SE4、SE6、SE7、SE9のそれぞれにおいて予告判定値が設定された後、ランダムカウンタC_RND_YOから予告用乱数が抽出され、抽出された予告用乱数が設定された予告判定値で定められる3種類の判定範囲のいずれかに含まれる値であるか否かが判断される(SE10)。予告用乱数が3種類の判定範囲のいずれにも含まれない場合には、予告の設定が行なわれることなく処理が終了する。一方、予告用乱数がいずれかの判定範囲に含まれる場合には、その判定範囲に対応した予告1、予告2、予告3のうちのいずれかの態様で大当り予告を行なうための設定がなされ(SD8)、処理が終了する。
【0115】
図16は、第3実施形態に関連して、各種予告判定値によって定まる判定値範囲と、予告の設定がされる確率との関係を示す図である。
【0116】
特に、図16(a)は、はずれ時判定値に関し、始動記憶数と予告の設定がされる確率との関係を示す図である。なお、ここでの始動記憶数とは、始動記憶に基づいた可変表示制御が開始される時点での始動記憶数ではなく、その可変表示制御を実行させる要因となった始動入賞が発生した過去の時点における始動記憶数(すなわち、WB_BANK0に記憶されている始動記憶数)を意味する。この点については、図11のSD4と対応している。
【0117】
また、図16(b)は、はずれ時判定値を除く、その他の判定値(大当り時判定値、確変大当り時判定値、リーチ表示時判定値)の各々により定まる判定値範囲と、予告の設定がされる確率との関係を示している。
【0118】
図16(a)および図16(b)ともに、カッコ書きの数値は、その判定値範囲に含まれる予告用乱数の数から割出した確率である。
【0119】
たとえば、図16(a)において、始動記憶数が3個の場合には、はずれ時判定値が「10、30、200」であるために(図12参照)、抽出された予告用乱数が「0〜10」のいずれかであれば予告1の設定がされ、抽出された予告用乱数が「11〜30」のいずれかであれば予告2の設定がされ、抽出された予告用乱数が「31〜200」のいずれかであれば予告3の設定がされる。このため、この場合に予告の設定がされる確率は、図示の通りとなる。なお、予告用乱数の数値範囲は、前述の通り、「0〜255」である。
【0120】
同様に、図16(b)において、たとえば、大当り時判定値に基づいて予告内容が定められる場合(図13のSE7)には、大当り時判定値が「100、125、135」であるために(図12参照)、抽出された予告用乱数が「0〜100」のいずれかであれば予告1の設定がされ、抽出された予告用乱数が「101〜125」のいずれかであれば予告2の設定がされ、抽出された予告用乱数が「126〜135」のいずれかであれば予告3の設定がされる。このため、この場合に予告の設定がされる確率は、図示の通りとなる。
【0121】
さらに、×、△、○、◎は、カッコ書きの数値に対応して予告の設定がされる確率を記号化したものであり、その順に予告の設定がされる確率が高いことを意味する。
【0122】
図16から、次のようなことがいえる。まず、可変表示結果を大当りとすることが決定されている可変表示制御が行なわれる場合には、図16(b)を参照して理解できるように、予告2や予告3が設定される確率よりも予告1の大当り予告が設定される確率が高い。このため、予告1による大当り予告の信頼性を担保できる。また、特に確変大当りとすることが決定されている場合には、予告1または予告2の設定がされる確率が高く、予告1と予告2とでは、予告2の確変大当り予告が設定される確率が高くなる。このため、予告2による確変大当り予告の信頼性を高めることができる。
【0123】
一方、可変表示結果をはずれとすることが決定されている可変表示制御が行なわれる場合には、図16(a)を参照して理解できるように、予告1や予告2の大当り予告に対して、予告3のリーチ予告がされる確率が極めて高い。このため、可変表示結果がはずれとなるにも係わらず、大当り予告(予告1)や確変大当り予告(予告2)が多発することにより予告の信頼性が低下してしまうことを防止できる。前述した通り、予告3の具体的な内容は、大当りの予告に関しては予告1や予告2に比べて、信頼性が少し低いかもしれないと遊技者が予見するようなものだからである。また、特に、リーチを成立させた後、可変表示結果をはずれとすることが決定されている可変表示制御が行なわれる場合には、図16(b)を参照して理解されるように、予告1や予告2の大当り予告に対して、予告3のリーチ予告がされる確率が極めて高い。このため、少なくとも予告3についてのリーチ予告に関する信頼性を担保できる。
【0124】
第4実施形態に係わる大当り予告の制御手順
図14は、第4実施形態に係わる大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【0125】
この第4実施形態に係わる大当り予告の制御の特徴は、始動記憶が無く、かつ、可変表示制御が行なわれていない遊技状態で始動入賞が発生した場合には、その他の遊技状態で可変表示制御が行なわれる場合に比較して、その始動入賞に基づく可変表示制御で大当り予告が行なわれる確率が高くなる点にある。このような制御が行なわれることにより、始動入賞もあまり発生しておらず、かつ、現時点において可変表示装置4での特別図柄の変動もされていないような単調化した遊技に変化をもたらせて遊技に飽き始めた遊技者の遊技意欲を再度、引出すことができる。
【0126】
第4実施形態に係わる大当り予告の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。まず、SF1において始動入賞が発生したか否かが判断される。始動入賞が発生していない場合には処理が終了するが、始動入賞が発生した場合には大当り入賞カウンタのカウンタ値が参照され、始動記憶があるか否かが判断される(SF2)。大当り入賞カウンタは、可変表示制御途中等に始動入賞が発生した場合にその始動入賞を最大4つを上限として記憶するために利用されるカウンタである。
【0127】
大当り入賞カウンタに始動記憶がある場合には大当り入賞カウンタのカウンタ値が最大値「4」に達しているか否かが判断され、既に大当り入賞カウンタのカウンタ値が最大値に達している場合には処理が終了する。この場合、新たに発生した始動入賞は無効になる。一方、大当り入賞カウンタのカウンタ値が最大値に達していない場合には処理が後述するSF6に進む。
【0128】
SF2で大当り入賞カウンタに始動記憶が1つも存在しないと判断された場合には、特別図柄が変動中であるか否か、すなわち、可変表示制御が行なわれている最中であるか否かが判断される(SF3)。特別図柄が変動中であるか否かの判断は、特別図柄プロセスフラグWD_TPRO(図5参照)のフラグ値に基づいて行なわれる。特別図柄プロセスフラグのフラグ値が「00H」以外の場合には、特別図柄が変動中であると判断され、処理が前記SF4に進む。
【0129】
一方、特別図柄プロセスフラグのフラグ値が「00H」である場合には特別図柄変動待ち処理が実行されている最中であり、特別図柄は変動していないものと判断される。特別図柄が変動していない場合には高確率で大当り予告を行なう旨の決定がされるように予告判定値が通常の値と異なる値に設定される(SF5)。たとえば、通常は、予告判定値が「20」に設定され、抽出された予告用乱数(図5参照)が0〜20のうちのいずれかの値でなければ大当り予告の設定が行なわれないのに対し、SF5では、予告判定値が「200」に設定される。これにより、予告用乱数が0〜200のうちのいずれかの値であれば大当り予告の設定が行なわれることになる。
【0130】
次に、格納先バンクアドレスが算出される(SF6)。なお、SF5で予告判定値が高確率値に設定された場合には、始動記憶は存在しない状態であったために、WB_BANK0〜WB_BANK3のうち、最も若いバンク番号のWB_BANK0のアドレスが算出されることになる。
【0131】
次に、算出されたバンクアドレスに対応するバンクに大当り判定用乱数と確率変動判定用乱数とが格納される(SF7)。最後に大当り入賞カウンタが加算更新(+1)され(SF8)、処理が終了する。
【0132】
なお、SF5で予告判定値が高確率値に設定された場合には、図示しない別のサブルーチンで即座にWB_BANK0のデータが読出されて、SF5で設定された予告判定値に基づいて大当り予告を行なうか否かが決定される。このため、始動記憶が無い状態で始動入賞が発生し、かつ、その時点で可変表示制御が行なわれていない場合には、高確率で大当り予告を行なう旨の決定がされることになる。
【0133】
また、SF7の処理において、現時点の始動記憶数を併せてバンクに格納するようにして、別の図示しないサブルーチンによって行なわれる大当り予告の設定の許否判断において、この始動記憶数をも参照して大当り予告の設定を行なうか否かを判断するように構成してもよい。
【0134】
図17は、大当り予告の方法について、その具体例を説明するための説明図である。この図17では、可変表示装置4に特有の表示を行なうことにより、遊技者に大当り予告を行なう例について説明する。
【0135】
まず、図17(a)を参照して、画像表示部5には特別図柄102が可変表示されているとともに、紙幣(紙吹雪あるいは花びら等であってもよい)104が舞うような表示がなされている。たとえば、可変表示制御が開始されて各可変表示部で特別図柄が始動した後、所定期間が経過した時点で、図示のように紙幣104が舞うような表示を行なうことにより、大当り予告を行なう。遊技者は、紙幣104が舞い降りるようなこの種の表示が行なわれることによって大当りが発生することに対して大きな期待感をもって遊技を行なうことができる。
【0136】
次に、図17(b)には、所定の大当り予告用キャラクタ105により大当り予告を行なう例が示されている。この例では、可変表示制御の開始後、所定期間が経過すれば画像表示部5の上部に大当り予告用キャラクタ105が登場し、登場したキャラクタ105の目が光る(目が燃える、あるいは、キャラクタ105が笑うなどの表示であってもよい)ことにより、大当り予告が行なわれる。
【0137】
次に、以上、説明した実施形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 大当りが発生するか否か、あるいは確変大当りが発生するか否かについての予告を、「当たっているかも!」、「確変かも!」などの表現により文字で予告報知するようにしてもよい。また、成立するリーチの種類別に予告の内容を変化させるようにしてもよい。
【0138】
(2) 図17では、大当り予告を表示手段の一例となる可変表示装置4を利用して行なったが、スピーカ81を利用して音声により報知してもよい。また、画像表示部5の枠外にLED等の予告用ランプを設け、その予告用ランプの点滅位置により、大当り予告するようにしてもよい。
【0139】
(3) 大当り予告を行なう場合に、その予告の確からしさ(期待度)を併せて表示するように構成してもよい。たとえば、期待度の高さに比例して予告表示用キャラクタ105の大きさを大きくすることなどが考えられる。あるいは、期待度を直接、数値(%)で表示するようにしてもよい。第3実施形態を例に挙げれば、予告1や予告2に比較して信頼性の低い予告3について、予告表示用キャラクタ105の大きさを小さくすることなどが考えられる。
【0140】
(4) WB_BANK0〜WB_BANK3の入賞時バンクデータ記憶領域には、WD_DG1の値を記憶することに代えて、第4実施形態で説明した大当り入賞カウンタのカウンタ値を記憶するようにしてもよい。
【0141】
(5) 図11のSD3において、現時点で始動記憶があると判断された場合には、続いて図9のSC3に処理が移行し、現時点の始動記憶数に対応したはずれ時判定値(100、80、50、または25)が設定されて大当り予告が所定確率で行なわれるようにしてもよい。
【0142】
(6) 図9のフローチャートのSC3等により、前記特別状態予告手段は、予告の内容と実際の可変表示装置の表示態様とが一致しない予告をも行なうことが可能であることが示されている。
【0143】
(7) 特別図柄により、可変表示部で可変表示される複数種類の識別情報が構成されている。図13のSE4、SE10、SE11により、リーチが成立することを予告可能なリーチ予告手段が構成されている。なお、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0144】
(8) ドラム式のパチンコ遊技機やパチスロにあっては、ドラムのバックランプ等により、大当り予告を行なうようにしてもよい。
【0145】
(9) 始動記憶数が所定の記憶数である場合には、予告を行なわないように制御されるように構成してもよい。また、たとえば大当り予告に複数の予告形態があり、ある始動記憶数のときは予告1が出やすく、また他の始動記憶数のときには予告2が出やすくなるようにしてもよい。
【0146】
(10) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0147】
【課題を解決するための手段の具体例】
パチンコ遊技機1により、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御可能となる遊技機が構成されている。可変表示装置4に大当り図柄(たとえば7)のゾロ目が揃う表示態様により、前記特定の表示態様が構成されている。
【0148】
可変表示制御基板(サブ基板)216により、所定の可変表示条件が成立したことに基づいて前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段が構成されている。始動入賞が発生することにより、前記所定の可変表示条件が構成されている。図6のSA5により、前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かを前記可変表示制御の実行前に決定する表示結果決定手段が構成されている。RAM70に記憶されるWB_BANK0〜WB_BANK3と、図7のフローチャートにより、前記可変表示条件が成立したことを所定の上限数まで累積的に記憶し、前記可変表示制御の実行毎に記憶数の減算を行なう条件成立数記憶手段が構成されている。図9のSC7により、今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が特別状態となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告を実行するか否か決定する予告有無決定手段が構成されている。可変表示装置4の画像表示部5により、該予告有無決定手段の決定結果に基づいて前記予告を実行する特別状態予告手段が構成されている。
【0149】
なお、前記特別状態とは、前記可変表示装置の表示結果(大当り表示、確変大当り表示)の他、前記可変表示装置の表示結果が導出表示されるまでに前記可変表示装置に現れる表示態様、たとえば、リーチ、すべての図柄の可変表示が一旦終了した後に図柄が再変動する表示状態をも含む概念である。
【0150】
図9のフローチャートのSC3、図11のフローチャートのSD3、SD4、図13のフローチャートのSE5、SE6、図14のフローチャートのSF2、SF5により、前記予告有無決定手段は、前記条件成立数記憶手段の記憶数に対応して異なる割合で前記予告を実行するか否かを決定することが開示されている。
【0151】
前記予告有無決定手段の決定および前記特別状態予告手段の実行に関わる前記予告は、今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、前記遊技機は、前記可変表示装置の表示結果が複数種類の前記特定の表示態様のうちの確変表示態様となった場合に、前記大当り遊技状態となった後、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が高い確率変動状態にさらに制御可能となり、前記予告有無決定手段は、前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とする可変表示制御については、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数および当該可変表示条件の成立に基づいた前記可変表示制御が実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶数のいずれにも関連しない所定の割合で、前記予告を実行すると決定し、前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とする可変表示制御については、当該可変表示制御を実行する際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在する場合には前記予告を実行しないと決定し、当該可変表示制御を実行する際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在しない場合には、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数が多いときほど当該成立した可変表示条件に基づいた可変表示制御において前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように前記予告を実行するか否かを決定し、前記可変表示装置の表示結果を前記確変表示態様とする可変表示制御のときの方が前記確変表示態様以外の前記特定の表示態様とする可変表示制御のときよりも、前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように、前記予告を実行するか否かを決定する(第2実施形態)。
【0153】
前記予告有無決定手段は、前記可変表示条件が成立した際に、前記条件成立数記憶手段の記憶が無く、かつ、前記可変表示制御が実行されていない状態では、それ以外の状態のときよりも高い割合で前記予告を実行すると決定する(第4実施形態)。
【0154】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、条件成立数記憶手段の記憶数に対応して異なる割合で予告を実行するか否かが決定されて予告が実行されるために、可変表示制御の実行状況からして遊技が単調化している場合において、遊技内容に変化をもたらせることにより、興趣向上を図ることが可能となる。
【0155】
請求項2に関しては、請求項1に関する効果に加えて、可変表示装置の表示結果を特定の表示態様とする可変表示制御については、可変表示条件が成立した際の条件成立数記憶手段の記憶数および当該可変表示条件の成立に基づいた可変表示制御が実行可能となった際の条件成立数記憶手段の記憶数のいずれにも関連しない所定の割合で、予告を実行すると決定され、可変表示装置の表示結果を特定の表示態様以外とする可変表示制御については、当該可変表示制御を実行する際の条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在する場合には予告を実行しないと決定され、当該可変表示制御を実行する際の条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在しない場合には、可変表示条件が成立した際の条件成立数記憶手段の記憶数が多いときほど当該成立した可変表示条件に基づいた可変表示制御において予告を実行すると決定する割合が高くなるように予告を実行するか否かが決定され、可変表示装置の表示結果を確変表示態様とする可変表示制御のときの方が確変表示態様以外の特定の表示態様とする可変表示制御のときよりも、予告を実行すると決定する割合が高くなるように、予告を実行するか否かが決定される。
【0156】
請求項3に関しては、請求項1に関する効果に加えて、可変表示条件が成立した際に条件成立数記憶手段の記憶が無く、かつ、可変表示制御が実行されていない状態では、それ以外の状態のときよりも高い割合で前記予告を実行すると決定されるために、可変表示条件もあまり成立しておらず、かつ、現時点において可変表示装置での可変表示制御もされていないような単調化した遊技に変化をもたらせて遊技に飽き始めた遊技者の遊技意欲を再度、引出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技制御基板に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】遊技制御基板に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】可変表示制御基板に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】大当り予告に関連してパチンコ遊技機の制御に使用されるランダムカウンタやフラグ、作業領域などを説明するための説明図である。
【図6】可変表示制御のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。
【図7】バンク(WB_BANK0〜WB_BANK3)のシフト処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】第1実施形態に係わる大当り予告の制御に用いられる予告判定値を説明するための説明図である。
【図9】第1実施形態に係わる大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係わる大当り予告の制御に用いられる予告判定値を説明するための説明図である。
【図11】第2実施形態に係わる大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態に係わる大当り予告の制御に用いられる予告判定値を説明するための説明図である。
【図13】第3実施形態に係わる大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【図14】第4実施形態に係わる大当り予告の制御手順を示すフローチャートである。
【図15】第1実施形態に関連して、大当り予告に関する判定を行なう際の始動記憶数と大当り予告の設定がされる確率との関係を示す図である。
【図16】第3実施形態に関連して、各種予告判定値によって定まる判定値範囲と、予告の設定がされる確率との関係を示す図である。
【図17】大当り予告の方法について、その具体例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1はパチンコ遊技機、3は遊技領域、4は可変表示装置、5は画像表示部、45は基本回路、6は始動記憶表示器、9は始動口、66は遊技制御基板、67はCRTコントロール回路、68はマイクロコンピュータ(マイコン)、104は大当り予告のために表示される紙幣、105は予告表示用キャラクタ、102は変動中の特別図柄、216は可変表示制御基板である。

Claims (3)

  1. 表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
    所定の可変表示条件が成立したことに基づいて前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう可変表示制御手段と、
    前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かを前記可変表示制御の実行前に決定する表示結果決定手段と、
    前記可変表示条件が成立したことを所定の上限数まで累積的に記憶し、前記可変表示制御の実行毎に記憶数の減算を行なう条件成立数記憶手段と、
    今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が特別状態となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告を実行するか否か決定する予告有無決定手段と、
    該予告有無決定手段の決定結果に基づいて前記予告を実行する特別状態予告手段とを含み、
    前記予告有無決定手段は、前記条件成立数記憶手段の記憶数に対応して異なる割合で前記予告を実行するか否かを決定することを特徴とする、遊技機。
  2. 前記予告は、前記特別状態として今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、
    前記遊技機は、前記可変表示装置の表示結果が複数種類の前記特定の表示態様のうちの確変表示態様となった場合に、前記大当り遊技状態となった後、前記可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が高い確率変動状態にさらに制御可能となり、
    前記予告有無決定手段は、
    前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様とする可変表示制御については、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数および当該可変表示条件の成立に基づいた前記可変表示制御が実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶数のいずれにも関連しない所定の割合で、前記予告を実行すると決定し、
    前記可変表示装置の表示結果を前記特定の表示態様以外とする可変表示制御については、当該可変表示制御を実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在する場合には前記予告を実行しないと決定し、当該可変表示制御を実行可能となった際の前記条件成立数記憶手段の記憶が当該可変表示制御に対応する記憶以外に存在しない場合には、前記可変表示条件が成立した際の前記条件成立数記憶手段の記憶数が多いときほど当該成立した可変表示条件に基づいた可変表示制御において前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように前記予告を実行するか否かを決定し、
    前記可変表示装置の表示結果を前記確変表示態様とする可変表示制御のときの方が前記確変表示態様以外の前記特定の表示態様とする可変表示制御のときよりも、前記予告を実行すると決定する割合が高くなるように、前記予告を実行するか否かを決定することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記予告は、前記特別状態として今回の可変表示制御における前記可変表示装置の表示態様が前記特定の表示態様となる可能性の高いことを遊技者に報知する予告であって、
    前記予告有無決定手段は、前記可変表示条件が成立した際に、前記条件成立数記憶手段の記憶が無く、かつ、前記可変表示制御が実行されていない状態では、それ以外の状態のときよりも高い割合で前記予告を実行すると決定することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
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