以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機およびスロットマシンを示すが、本実施の形態に示す遊技機は、遊技者にとって有利な状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技用媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域が複数設けられている。本実施の形態における複数の変動表示領域として、たとえば演出図柄表示領域のうち、左の領域において識別情報を変動表示する左の図柄表示エリア9Lと、中央の領域において識別情報を変動表示する中の図柄表示エリア9Cと、右の領域において識別情報を変動表示する右の図柄表示エリア9Rとが設けられている。各図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに「1」〜「8」の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁など、複数桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
遊技球が第1始動入賞口13に入賞することにより、始動条件のうち第1始動条件が成立し、遊技球が第2始動入賞口14に入賞することにより、始動条件のうち第2始動条件が成立する。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、第1始動条件または第2始動条件が成立した後、変動表示の開始を許容する開始条件(たとえば、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了しているとき)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、始動条件は、始動領域に入賞することにより成立するものに限らず、始動領域を通過することにより成立するものであってもよい。また、変動表示の開始を許容する開始条件は、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了することにより成立する。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない保留記憶、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ変動表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことであるが、通過ゲーム等の予め通過領域として定められている領域を遊技球が通過することであってもよい。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させて表示結果として確定することである。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ変動表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を複数の図柄表示エリア9L、9C、9R各々において行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、後述する予告演出が実行されるときに点滅する。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、後述する予告演出が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。なお、所定数の景品遊技球の払出を行なう条件は、所定の入賞領域に設けられている入賞口に入賞することにより成立するものに限らず、所定の入賞領域を通過することにより成立するものであってもよい。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。
なお、確変状態または時短状態であるときには、通常状態に比べて特別図柄の変動表示時間を短縮させる特図変動短縮制御、通常状態に比べて普通図柄の停止図柄が当り図柄とすることに決定される確率を向上させる普図確変制御、通常状態に比べて普通図柄の変動表示時間を短縮させる普図変動短縮制御、通常状態に比べて可変入賞球装置15の開放時間および開放回数のうち少なくとも一方が遊技者にとって有利な開放態様(開放時間延長、開放回数増大など)とする普電開放延長制御のうち、少なくともいずれか一つの制御を行なうものであってもよく、選択的に複数の制御を組合せて行なうものであってもよく、全ての制御を行なうものであってもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。なお、操作ボタン30は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、第1保留記憶数あるいは第2保留記憶数を1増やすとは、具体的には、後述するように必要な乱数を抽出し、RAM55に設けられている所定の乱数格納領域に当該抽出した乱数を格納することを含む。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン30からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン30からの操作信号に応じて所定の演出を行なう。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。演出表示装置9において変動表示されるとともに停止表示される演出図柄としては、「1」〜「8」の計8個の図柄が設けられている。各演出図柄は、「1」〜「8」のいずれかの数字と、図柄毎に定められたキャラクタとから構成されている。たとえば、「7」の演出図柄としては、「7」の数字と、「7」用のキャラクタ(たとえば髪の毛を下ろした女の子のキャラクタなど)とから構成されている。なお、演出図柄としては、説明の便宜上、数字のみ図示しているが、本実施の形態における演出図柄は、数字とキャラクタとから構成されている。
VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材84を動作させるためにモータ88を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S12〜S17)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S9〜S11の処理)を行なう。
また、CPU56は、電力供給復旧時のコマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(S11)。そして、S16に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S12)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S14)。
S13およびS14の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S15)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S16)。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S17)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S12〜S17)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S19)および初期値用乱数更新処理(S20)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S18)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S21)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS25〜S39のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S25)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S26)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S27)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S37,S38で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S28)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S29)および表示用乱数更新処理(S30)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S31)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S32)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S33)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S34)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S35)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S36)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S37)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S27において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S38)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S27において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S39)、処理を終了する。
始動入賞を契機として、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の変動表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態では、特別図柄として、「1」〜「8」の8種類の数字が設定されている。「1」〜「8」の特別図柄のうち、「1」〜「3」が確変当り図柄(15Rの確変大当りとなる図柄)に、「4」および「5」が通常当り図柄(15Rの非確変大当りとなる図柄)に、「6」が突確当り図柄(2Rの確変大当りとなる図柄)に、「7」および「8」がはずれ図柄に、各々設定されている。なお、“R”は、ラウンドを示す。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに、15R大当りの図柄(「1」〜「5」)が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(たとえば、29秒間)または所定個数(たとえば、10個)の入賞が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる単位ラウンドが開始される。15R大当り状態では、ラウンドの回数は15回である。
また、第1特別図柄表示器8aに突確当りの図柄(「6」)が停止表示された場合には、ラウンドの回数が2回である大当り遊技状態(2R大当り状態)に移行する。また、2R大当り状態では、各ラウンドの開閉板の開時間は、15R大当り状態であるときよりも短い期間(たとえば、0.5秒間)になる。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の変動表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。
2R大当り状態が終了した後にも、遊技状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2R大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、予め定められた大当り判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口13が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、予め定められた普通図柄当り判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。この実施の形態では、確変状態において、大当りに決定される確率が高くなることに加えて、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる例を示した。しかし、確変状態においては、少なくとも、大当りに決定される確率が高くなればよい。
演出表示装置9の表示領域において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示に対応して、演出図柄の変動表示が行なわれる。すなわち、演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動が開始され、たとえば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて所定順序で演出図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(変動表示期間=変動時間)で、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。リーチ演出には、後述するように、実行された変動表示において大当りとなる信頼度が低く設定されたノーマルリーチ演出と、当該ノーマルリーチ演出よりも信頼度が高く設定されたスーパーリーチ演出とを含む。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」(「通常はずれ」、「通常変動」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、リーチ状態を構成する演出図柄と異なる演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに2R大当りの図柄である「6」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、「非リーチはずれ」の変動表示態様と同様の変動表示態様で変動表示が行なわれる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダムRは、大当りにするか否かを判定する、当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2は、大当りの種類(確変当り、通常当り、突確当り)を決定する大当り種別判定用のランダムカウンタである。ランダム2は、2msec毎に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である99まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム3は、変動パターンの種類(種別)を決定する変動パターン種別判定用のランダムカウンタである。ランダム3は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である999まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用のランダムカウンタである。ランダム4は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である99まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム5は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する普通図柄当り判定用のランダムカウンタである。ランダム5は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム6は、ランダム5の初期値を決定するランダム5初期値決定用のランダムカウンタである。ランダム6は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度0から加算更新される。
図5に示された遊技制御処理におけるS28では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム2)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、ランダムRの値とする当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側における各種判定に用いられるテーブルの振分率を説明するための図である。図7で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。
図7(A)は、大当り判定を行なうときに用いる大当り判定テーブルを示す図である。大当り判定は、変動表示を開始することが許容されたときに、始動入賞時にランダムRから抽出した値と、大当り判定テーブルに示された振分率となるように定められた判定値とを用いて行なわれる。
大当り判定テーブルについて、非確変状態においては、0.33%の割合で大当りにすると判定され、99.67%の割合ではずれにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。判定値数が振り分けられているとは、具体的にたとえば、「0〜65535」が判定値数として設定され得る場合、非確変状態においては、大当りにすると判定される判定値数として「0〜215」が定められており、はずれにすると判定される判定値数として「216〜65535」が定められていることなどをいう。
また、大当り判定テーブルについて、確変状態においては、非確変状態における10倍の割合である3.3%の割合で大当りにすると判定され、96.7%の割合ではずれにすると判定される。
なお、ランダムRから抽出した値が所定値であるときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定されるように判定値が定められている。たとえば、非確変状態において大当りにすると判定される判定値数は、確変状態においても大当りにすると判定される判定値数として設定されている。これにより、非確変状態において設定されている判定値数と比較して大当りと判定されたときには、確変状態においても大当りと判定されることになる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、始動入賞時に乱数回路503のランダムRから抽出した値に基づき、図7(A)で示した振分率に従って大当りにするか否かを決定する。
図7(B)は、大当り種別の判定を行なうときに用いる大当り種別判定テーブルを示す図である。大当り種別判定は、変動表示を開始することが許容されたときに、始動入賞時にランダム2から抽出した値と、大当り種別判定テーブルに示された振分率となるように定められた判定値とを用いて行なわれる。
大当り種別判定テーブルについて、特別図柄の種類が第1特別図柄側であるときには、25%の割合で通常当りにすると判定され、50%の割合で確変当りにすると判定され、25%の割合で突確当りにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。判定値数が振り分けられているとは、具体的にたとえば、「0〜99」が判定値数として設定され得る場合、通常当りにすると判定される判定値数として「0〜24」が定められており、確変当りにすると判定される判定値数として「25〜74」が定められており、突確当りにすると判定される判定値数として「75〜99」が定められていることなどをいう。
また、大当り種別判定テーブルについて、特別図柄の種類が第2特別図柄側であるときには、25%の割合で通常当りにすると判定され、75%の割合で確変当りにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、始動入賞時にランダム2から抽出した値に基づき、図7(B)で示した振分率に従って大当り種別を決定する。
なお、第2特別図柄側の大当り種別判定テーブルには、大当り種別のうち、2R大当りである「突確」が割振られていないが、15R大当りでかつ確変となる「確変当り」の判定値数が第1特別図柄側の大当り種別判定テーブルよりも多く設定されている。突確当りは、後述するように、開閉板開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球が得られない当りである。よって、確変中や時短中においては、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるため、第2始動入賞口14への入賞が増え、突確当りの発生する割合が低減される。このため、確変状態中においては、15R大当りとなる割合が高まるために出玉性能を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、たとえば、確変大当りが連続した場合の遊技者にとっての有利度合いをより一層高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、第2特別図柄側の大当り種別判定テーブルには、大当り種別のうち、「突確当り」が割振られていない例について説明したが、これに限らず、第2特別図柄側の大当り種別判定テーブルについて、第1特別図柄側の大当り種別判定テーブルと異なる割合となるように、「突確当り」の判定値が設定されているものであってもよい。具体的には、「突確当り」になる割合が、第1特別図柄側の大当り種別判定テーブルを用いた場合には25/100であるのに対し、第2特別図柄側の大当り種別判定テーブルを用いた場合には5/100となるように、「突確当り」の判定値が設定されているものであってもよい。
また、第1特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合とが等しくなるように設定されている。
大当り種別が15R大当りである「通常当り」または「確変当り」であるときには、1ラウンドの開放態様として、大入賞口が29秒開放するか所定数入賞することにより閉鎖される。15Rの大当り遊技状態では、1ラウンドの開放態様が、15ラウンド、すなわち15回繰り返し行なわれる。
また、大当り種別が2R大当りである「突確当り」であるときには、1ラウンドの開放態様として、大入賞口が0.5秒開放した後に閉鎖して終了する。2Rの大当り遊技状態では、1ラウンドの開放態様が、2ラウンド、すなわち2回繰り返し行なわれる。
図7(C)は、変動パターン種別の判定を行なうときに用いる変動パターン種別判定テーブルを示す図である。変動パターン種別とは、リーチの種類等の変動パターンを大分類(種別)した区分をいう。変動パターン種別としては、たとえば、リーチ演出が実行されない非リーチ、ノーマルリーチ演出が実行されるノーマルリーチ、スーパーリーチ演出が実行されるスーパーリーチが設けられている。変動パターン種別は、大当り判定および大当り種別判定の判定結果に応じた振分率となるように定められた判定値と、変動表示を開始することが許容されたときにランダム3から抽出した値とを用いて行なわれる。
変動パターン種別判定テーブルについて、判定結果が通常当り時であるときには、40%の割合でノーマルリーチにすると判定され、60%の割合でスーパーリーチにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。判定値数が振り分けられているとは、具体的にたとえば、「0〜999」が判定値数として設定され得る場合、ノーマルリーチにすると判定される判定値数として「0〜399」が定められており、スーパーリーチにすると判定される判定値数として「400〜999」が定められていることなどをいう。
また、変動パターン種別判定テーブルについて、判定結果が確変当り時であるときには、15%の割合でノーマルリーチにすると判定され、85%の割合でスーパーリーチにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。このように、15R大当りとなるときには、変動パターン種別としてノーマルリーチよりも高い割合でスーパーリーチが決定されるように構成されている。
また、変動パターン種別判定テーブルについて、判定結果が突確当り時であるときには、40%の割合で非リーチにすると判定され、60%の割合でノーマルリーチにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。
また、変動パターン種別判定テーブルについて、判定結果がはずれかつ変動開始時における保留記憶数が2以下であるときには、85%の割合で非リーチにすると判定され、14%の割合でノーマルリーチにすると判定され、1%の割合でスーパーリーチにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。
また、変動パターン種別判定テーブルについて、判定結果がはずれかつ変動開始時における保留記憶数が3以上であるときには、95%の割合で非リーチにすると判定され、4%の割合でノーマルリーチにすると判定され、1%の割合でスーパーリーチにすると判定されるように、判定値数が振り分けられている。
このように、15R大当り以外となるときには、変動パターン種別として非リーチが高い割合で選択され、またリーチとなる変動パターン種別としてはノーマルリーチが高い割合で選択されるように、構成されている。
ここで、図7(D)を用いて、はずれ時において変動パターン種別を判定するための割合に応じて設定されている判定値数について説明する。図7(D)は、はずれ時における保留記憶数に応じた判定値数を説明するための図である。
はずれかつ保留記憶数が2以下であるときの判定値数としては、非リーチにすると判定される判定値数として「0〜849」が定められており、ノーマルリーチにすると判定される判定値数として「850〜989」が定められており、スーパーリーチにすると判定される判定値数として「990〜999」が定められて、図7(C)で示した割合に設定されている。
また、はずれかつ保留記憶数が3以上であるときの判定値数としては、非リーチにすると判定される判定値数として「0〜949」が定められており、ノーマルリーチにすると判定される判定値数として「950〜989」が定められており、スーパーリーチにすると判定される判定値数として「990〜999」が定められて、図7(C)で示した割合に設定されている。
なお、図7(C)で示した通常当り時、確変当り時、突確当り時のいずれにおいても、ノーマルリーチにすると判定される判定値数として「950〜989」を含む判定値数が定められており、スーパーリーチにすると判定される判定値数として「990〜999」を含む判定値数が定められている。
以上より、ランダム3から抽出した値が特定値である「950〜989」であるときには、当りはずれおよび保留記憶数に関わらず、ノーマルリーチと判定されるように判定値が定められている。たとえば、はずれかつ保留記憶数が3以上においてノーマルリーチにすると判定される判定値は、はずれかつ保留記憶数が2以下においてもノーマルリーチにすると判定される判定値、すなわち共通の判定値として設定されている。また、はずれかつ保留記憶数が3以上においてノーマルリーチにすると判定される判定値は、通常当り時、確変当り時、突確時のいずれにおいてもノーマルリーチにすると判定される判定値、すなわち共通の判定値として設定されている。
また、ランダム3から抽出した値が特別値である「990〜999」であるときには、当りはずれおよび保留記憶数に関わらず、スーパーリーチと判定されるように判定値が定められている。たとえば、はずれかつ保留記憶数が3以上においてスーパーリーチにすると判定される判定値は、はずれかつ保留記憶数が2以下においてもスーパーリーチにすると判定される判定値、すなわち共通の判定値として設定されている。また、はずれかつ保留記憶数が3以上においてスーパーリーチにすると判定される判定値は、通常当り時、確変当り時、突確時のいずれにおいてもスーパーリーチにすると判定される判定値、すなわち共通の判定値として設定されている。
また、はずれとなるときには、変動開始時の保留記憶数が、2以下であるときよりも3以上であるとき、すなわち多いほど、当該変動表示においてリーチになる確率が低くなり、当該保留記憶数が少ないほど当該変動表示においてリーチになる確率が高くなるように、振分率が設定されている。本実施の形態における変動パターンから特定される変動時間は、リーチとならない変動パターンよりも、リーチとなる変動パターンの方が長くなるように設定されている。これにより、保留記憶数が多いときには、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低くなる。その結果、平均変動時間を短縮させることができ、保留記憶数が上限であるために保留記憶されないような無効始動の発生を低減することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、始動入賞時にランダム3から抽出した値に基づき、図7(C)で示した振分率に従って変動パターン種別を決定する。
以上のように振分率が設定されている場合における、各種変動パターン種別の出現率について説明する。
図8は、判定結果および変動パターン種別の組合せ毎の出現率を説明するための図である。出現率は、図7(A)〜(C)に示す各種テーブルに定められた振分率に従って算出され、具体的には、図7(A)および(B)に示す振分率から算出される各判定結果となる割合、および図7(C)に示す各判定結果に応じた振分率とを掛け合わせることにより算出される。なお、図8に示す出現率は、確率変動状態中の大当り確率ではなく、通常遊技状態中の大当り確率であるときを例示している。
図8(a)は、第1特別図柄側において大当りになるときの変動パターン種別毎の出現率を説明するための図である。
確変当り+ノーマルリーチの出現率は、大当り確率「0.33%」、第1特別図柄側で確変当りの振分率「50%」、および確変当り時でノーマルになる確率「15%」各々を掛け合わせることにより、「0.025%」であることが算出される。以下同様に、確変当り+スーパーリーチの出現率は「0.14%」、通常当り+ノーマルの出現率は「0.033%」、通常当り+スーパーリーチの出現率は「0.05%」、突確+ノーマルリーチの出現率は「0.05%」、突確+非リーチの出現率は「0.03%」となる。
図8(b)は、第2特別図柄側において大当りになるときの変動パターン種別毎の出現率を説明するための図である。
確変当り+ノーマルリーチの出現率は「0.038%」、確変当り+スーパーリーチの出現率は「0.21%」、通常当り+ノーマルリーチの出現率は「0.033%」、通常当り+スーパーリーチの出現率は「0.05%」となる。
図8(c)は、変動開始時の保留記憶数が2以下であってはずれとなるときの変動パターン種別毎の出現率を説明するための図である。ノーマルリーチの出現率は「13.9%」、スーパーリーチの出現率は「0.99%」、非リーチの出現率は「84.7%」となる。
図8(d)は、変動開始時の保留記憶数が3以上であってはずれとなるときの変動パターン種別毎の出現率を説明するための図である。ノーマルリーチの出現率は「3.98%」、スーパーリーチの出現率は「0.99%」、非リーチの出現率は「94.6%」となる。
次に、図8で示した変動パターン種別毎の出現率に基づき、リーチとなる変動パターン種別毎の大当りとなる割合である大当り信頼度について説明する。図9は、リーチとなる変動パターン種別毎の大当り信頼度を説明するための図である。
図9(a)は、保留記憶数が2以下であって第1特別図柄側の変動パターン種別として出現したときの大当り信頼度を示す図である。
ノーマルリーチの大当り信頼度は、図8(a)で示した確変当り+ノーマルリーチと、通常当り+ノーマルリーチと、突確+ノーマルリーチと、図8(c)で示したノーマルリーチとの合計出現率のうち、図8(a)で示した確変当り+ノーマルリーチと通常当り+ノーマルリーチと突確+ノーマルリーチとの合計出現率が占める割合から、「0.77%」であることが算出される。以下同様に、スーパーリーチの大当り信頼度は「16%」となる。
図9(b)は、保留記憶数が3以上であって第1特別図柄側の変動パターン種別として出現したときの大当り信頼度を示す図である。ノーマルリーチの大当り信頼度は「2.6%」、スーパーリーチの大当り信頼度は「16%」となる。
図9(c)は、図9(a)および(b)で示した、第1特別図柄側の変動パターン種別として出現したときの大当り信頼度の平均値を示す図である。第1特別図柄側におけるノーマルリーチの大当り信頼度は「1.7%」となり、スーパーリーチの大当り信頼度は「16%」となる。
図9(d)は、保留記憶数が2以下であって第2特別図柄側の変動パターン種別として出現したときの大当り信頼度を示す図である。ノーマルリーチの大当り信頼度は「0.5%」、スーパーリーチの大当り信頼度は「20%」となる。
図9(e)は、保留記憶数が3以上であって第2特別図柄側の変動パターン種別として出現したときの大当り信頼度を示す図である。ノーマルリーチの大当り信頼度は「1.7%」、スーパーリーチの大当り信頼度は「21%」となる。
図9(f)は、図9(d)および(e)で示した、第2特別図柄側の変動パターン種別として出現したときの大当り信頼度の平均値を示す図である。第2特別図柄側におけるノーマルリーチの大当り信頼度は「1.1%」となり、スーパーリーチの大当り信頼度は「21%」となる。
以上より、第1特別図柄側であるか第2特別図柄側であるか、および保留記憶数が2以下であるかなどに関わらず、変動パターン種別として、スーパーリーチであるときの方がノーマルリーチであるときよりも、大当り信頼度が高いといえる。
次に、変動パターンについて説明する。変動開始時においては、決定された変動パターン種別に属する変動パターンから、ランダム4から抽出した乱数に基づき、一の変動パターンが決定される。変動パターンは、前述した複数種類の変動パターン種別毎に対応して複数種類定められている。変動パターンは、変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの変動表示時間を特定するものである。なお、当該変動パターンに基づき、図柄を変動表示させるときの変動表示態様や、変動表示中に実行する演出も特定される。
非リーチに属する変動パターンとしては、リーチを発生させない変動パターンが含まれる。ノーマルリーチに属する変動パターンとしては、リーチを発生させるが、特別な演出を発生させない変動パターンが含まれる。スーパーリーチに属する変動パターンとしては、リーチを発生させ、特別な演出を発生させる変動パターンが含まれる。変動パターンから特定される変動時間は、非リーチに属する変動パターンが最も短く、ノーマルリーチに属する変動パターンが次に短く、スーパーリーチに属する変動パターンが最も長く成るように設定されている。複数種類の変動パターンには、たとえば「滑り」、「擬似連」といった演出が実行可能な変動パターンが含まれる。
滑り演出が実行される変動パターンでは、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(たとえば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(たとえば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(たとえば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方、本実施の形態においては「右」の図柄表示エリア9R)において演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に演出図柄を再変動させること等によって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を仮停止させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
擬似連演出が実行される変動パターンでは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、すべての図柄列(左,中,右)について予め定められた図柄組合せを仮停止させた後に、変動表示を再開(以下、再変動ともいう)する再変動表示を所定回数実行した後、最終の変動において最終停止図柄を停止表示させる演出表示が行なわれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示を開始するときに、変動表示の開始を示すとともに決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドと、当りとするか否かおよび当りの種別(はずれ、確変当り、通常当り、突確当り)を示す表示結果指定コマンドとを、演出制御用マイクロコンピュータ100へ出力する。なお、変動パターンコマンドは、第1特別図柄側に対応する変動表示を開始するものであるか、あるいは第2特別図柄側に対応する変動表示を開始するものであるかを特定可能なコマンドであってもよい。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに基づき、飾り図柄変動表示を開始するように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンコマンドを送信してから、該決定されていた変動パターンから特定される変動時間が経過して表示結果を確定表示させるときに、図柄確定指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータへ出力する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドに基づき、飾り図柄変動表示の終了を確定させるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示の終了を確定させるように制御する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15R大当りの開始を指定するための大当り開始指定コマンド、当該15R大当りの終了を指定するための大当り終了指定コマンド、突確当りの開始を指定するための突確開始指定コマンド、当該突確当りの終了を指定するための突確終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータへ出力する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドとを、演出制御用マイクロコンピュータへ出力する。これら、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドは、始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、後述するように、当りの種類および変動パターン種別などの情報を含む先読み判定の結果を特定することができる。
先読みとは、始動入賞時に抽出されている乱数値に基づいて変動開始時に当り判定や変動パターン設定を行なう前、すなわち、始動入賞が発生したときに抽出した乱数値が当該始動入賞に基づき変動が開始されるタイミングでどのように決定されるかを事前に判定することをいう。また、先読み判定結果とは、先読みによって得た判定結果をいう。本実施の形態では、始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、始動入賞時に早々と、当り判定、変動パターン種別を先読みして先読み判定結果を得るための制御が実行される。先読み判定結果は、始動入賞指定コマンドにより特定されるように構成されている。本実施の形態においては、後述するように当該始動入賞指定コマンドに基づき、当該始動入賞による変動表示開始前の段階から予告が実行される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、当該始動入賞指定コマンドに基づき、保留表示するための処理、先読み演出を実行するか否かを判定するための処理などを行なう。先読み演出とは、先読み判定結果に関する情報を、当該始動入賞に起因する変動表示開始前の段階から、複数回の変動表示に亘り連続して予告報知する演出をいい、本実施の形態においては保留表示の表示態様を変化させることにより実行される。
なお、本実施の形態においては、先読み判定結果と、始動入賞があったことすなわち保留記憶されたこととを、始動入賞指定コマンドにより特定される例について説明するが、始動入賞指定コマンドにより先読み判定結果のみが特定されるようにし、保留記憶されたことについては始動入賞指定コマンドと別のコマンド(たとえば、第1保留記憶および第2保留記憶のうちいずれの保留記憶が増加したかを特定可能な保留記憶コマンドなど)により特定されるように構成してもよい。
以上のように、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータからのコマンドに基づき、指示内容を解析し、受信したコマンドに対応して、演出図柄の制御、スピーカ27からの音の出力制御、および、各種ランプの発光制御など、各種演出制御を行なう。なお、演出制御コマンドは、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの種類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの内容)を表す。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S31)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S300,S301)。そして、S302〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S302〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。S302〜S312の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、ランダム3およびランダム4から抽出した乱数値に基づき、変動パターン種別を決定し、当該変動パターン種別に属する変動パターンから一の変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S303でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄の停止を確定させるように制御する。
ラウンド開始前処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。ラウンド開始前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによってラウンド中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では6)に更新する。なお、ラウンド開始前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、ラウンド開始前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が時短状態であり、時短フラグがセットされていたときには、時短フラグがリセットされる。
ラウンド中処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では5)に更新する。本実施の形態における大入賞口の閉成条件は、たとえば、遊技球が大入賞口に所定数(たとえば10)入賞することや、大入賞口が開放してから所定時間(たとえば15R大当り時には29秒、2R大当り時には0.5秒)経過することにより成立するように設定されている。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。具体的に、確変当り図柄や突確当り図柄が停止して発生する確変大当りが終了したときには、確変フラグがセットされ、通常当り図柄が停止して発生する非確変大当りが終了したときには、時短フラグがセットされる。また、大当りフラグをリセットする処理を行なう。また、先読み大当りフラグがセットされているときには、当該フラグをリセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。
なお、先読み大当りフラグは当該保留記憶に基づく変動表示が終了したタイミングにリセットするように構成してもよい。これにより、大当り遊技中に入賞した始動入賞について後述する先読み判定を行なうことができるため、当該大当りが終了したときから先読み判定結果に基づく先読み演出を行なうことができる。たとえば、大当り遊技が終了した後、初回の変動表示から以降複数回の変動表示に亘り先読み演出を行なうことができる。
図11は、S301の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(S212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、S221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図13(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、保留記憶方式は、上記のように、保有特定領域および保存領域など、複数の領域を用いるものに限らず、一の所定領域を用いて記憶されるものであってもよい。保留記憶方式は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々への入賞に起因して抽出される乱数を、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々に定められた上限数(たとえば4)まで、入賞順を特定可能に記憶される方式であれば、どのような方式であってもよい。たとえば、一の領域を用いて、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のうちいずれへの入賞かを特定するためのデータと当該入賞に起因して抽出される乱数を特定するためのデータとを対応付けて、入賞順に、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々に定められた上限数(たとえば4)まで記憶する方式であってもよい。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S215)。なお、S215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2、3、4(図6参照)が、保存領域に格納される。これにより、大当り判定用の乱数、大当り種類決定用の乱数、変動パターン種別決定用の乱数、および変動パターン決定用の乱数が抽出されて保留記憶される。
なお、変動パターン決定用の乱数(ランダム4)は、変動開始時に抽出するようにしてもよい。なぜなら、本実施の形態において始動入賞時に行なわれる先読み処理では、変動パターン種別について判定されるが、変動パターンまで判定しないように構成されているためである。これにより、たとえば変動開始時にランダム4から抽出した乱数値をレジスタに読み出して変動パターンの決定に用いることができるため、乱数の格納領域を削減することができ、RAM50の使用領域を削減できる。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S216)。そして、CPU56は、後述する先読み処理において大当りになると判定されたときにセットされる先読み大当りフラグがセットされているか否か、すなわち大当りとなる保留記憶が存在するか否かを判定する(S217)。
先読み大当りフラグがセットされていないときには、後述する第1先読み処理を行ない(S218)、S219に移行する。第1先読み処理においては、今回の第1始動入賞により抽出した乱数値に基づき、当りになるか否かおよび変動パターン種別がどの種別であるかを先読みする処理が行なわれる。
S219においては、第1先読み処理における先読み判定結果に応じた第1始動入賞指定コマンドをセットする。セットされたコマンドは、演出制御コマンド制御処理(図5のS33)において、送信する処理が行なわれる。先読み判定結果に応じた第1始動入賞指定コマンドとは、第1始動入賞があったこと、および当該始動入賞の当り判定結果および変動パターン種別を特定するためのコマンドをいう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドに基づき、保留表示を行なうとともに、先読み演出を実行するか否かの決定を行なう。
S217において先読み大当りフラグがセットされていると判定されたときには、大当りになる保留記憶がすでに存在するために、当該始動入賞について先読み処理を行なうことなく、S220に移行する。これにより、すでに大当りになる保留記憶が存在するときに、その後の保留記憶に対して先読み処理が行なわれること、および先読み演出の途中で大当りになるなど不自然な先読み演出が行なわれることを防止することができる。
なお、図11の始動口スイッチ通過処理においては、S217の処理、および後述するS227の処理を行なわずに、全ての始動入賞に対して先読み処理を行なわせるようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側において始動入賞指定コマンドを受信したときにS217の処理とS227の処理とに相当する処理を行なうように構成してもよい。このように構成した場合であっても、先読み演出の途中で大当りになるなど不自然な先読み演出が行なわれることを防止することができる。
S220においては、判定結果なしの第1始動入賞指定コマンドをセットする。これにより、始動入賞に基づく保留表示が行なわれる。
S221〜S230については、S211〜S220で示した処理と同様に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことを条件として、保留特定領域に「第2」をセットし抽出した乱数を第2保留記憶数バッファに保存し(S224、S225)、合算保留記憶数カウンタの値および先読み大当りフラグなどに基づいて第2先読み処理が行なわれたときには該先読み判定結果に応じた第2始動入賞指定コマンドをセットし(S229)、第2先読み処理が行なわれなかったときには判定結果なしの第2始動入賞指定コマンドをセットする(S230)処理が行なわれる。
なお、S213〜220の処理とS223〜230の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。このようにS213〜220の処理とS223〜230の処理とを1つの共通ルーチンで実現する場合には、保留記憶バッファを、第1保留記憶(第1特別図柄)と、第2保留記憶(第2特別図柄)とで共通使用してもよい。具体的には、そのような共通の保留記憶バッファにおいて、各保存領域に、入賞が生じた順に、「第1」,「第2」のどちらの保留記憶であるかという情報、および、抽出した乱数値(ランダムR、ランダム2、3、4など)を示す情報を格納していき、格納した順番にしたがって読出して変動表示に用いるようにすればよい。そして、前述した実施形態の場合と同様に、「第1」,「第2」の各保留記憶については、別個に保留記憶数の最大値を管理すればよい。
図12は、S218の第1先読み処理を示すフローチャートである。CPU56は、S215において抽出したランダムRの値が通常時(非確変状態)の大当り判定値、すなわち共通の大当り判定値(図7(A)参照))であるか否かを判定する(S241)。このように、先読み処理での大当り判定においては、通常時の大当り判定値(共通の大当り判定値)が用いられる。このため、実際に変動表示を開始するときの遊技状態が確変状態であるか否かまで先読みすることなく、先読み処理において大当りと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてはずれになるといった不都合の発生を防止することができる。なお、先読み処理における大当り判定は、確変状態中であるときには確変時であるときの大当り判定値を用いて行なってもよい。この場合でも、図11のS217やS227において先読み大当りフラグがセットされているときには先読み処理自体行なわれないため、先読み処理において大当りと判定されたにも関わらず変動開始時において大当りにならないと判定されるような、先読み処理時と変動開始時とにおいて齟齬が生じることを防止することができる。
S241において大当り判定値でないと判定されたときには、S242において、図7(C)のはずれかつ保留記憶数が3以上であるときの振分率に従って、変動パターン種別を判定する。図7(D)を参照して説明したように、実際の変動表示において当りになる場合や、実際の変動表示が開始されるときの保留記憶数に関わらず、ランダム3から抽出した値が、図7(C)のはずれかつ保留記憶数が3以上であるときにおいてノーマルリーチにすると判定される特定値である場合には、実際の変動表示において必ずノーマルリーチとなり、図7(C)のはずれかつ保留記憶数が3以上であるときにおいてスーパーリーチにすると判定される特別値である場合には、実際の変動表示において必ずスーパーリーチとなる。よって、先読み処理においてノーマルリーチと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてノーマルリーチに属する変動パターンにならないといった不都合の発生を防止することができる。また、先読み処理においてスーパーリーチと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてスーパーリーチに属する変動パターンにならないといった不都合の発生を防止することができる。
一方、S241において大当り判定値であると判定されたときには、図7(B)で示した第1特別図柄側の大当り種別判定テーブルを参照して、S215においてランダム2から抽出した値に基づいて大当り種別を判定する(S243)。そして、CPU56は、当該大当り種別が大当りであったときには先読み大当りフラグをセットする(S244)。なお、突確当りであるときには、先読み大当りフラグをセットしないようにしてもよい。
S245においては、図7(C)で示したテーブルのうち、S243で判定された大当り種別に応じた変動パターン種別判定テーブルを参照し、S215においてランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する。なお、S241で大当りと判定されたときには、大当り種別および変動パターン種別を判定することなく、大当りを示す始動入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図12において第1先読み処理について説明したが、第2先読み処理においても、第1先読み処理と同様に、第2始動入賞に基づき抽出した乱数値に基づき所定のテーブルを参照して先読み判定を行なう処理が行なわれる。具体的に、第2先読み処理においては、第1先読み処理における「第1」を「第2」に読み換えた処理を実行する。
図14および図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S302)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および保存領域各々の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。
特別図柄通常処理では、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S302〜S309の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、当り判定を実行する(S61、S62)。当り判定では、遊技状態に応じて予め決められている大当り判定値(図7(A)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行する。なお、変動開始時における当り判定では、現在の遊技状態に対応する判定値が用いられる。このため、先読み時において当りでないと判定されたときであっても変動開始時において当りと判定される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み演出が行なわれていないときであっても、当りになることに対し遊技者に期待感を抱かせることができる。
当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時の大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時の大当り判定テーブル(図7(A)参照)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時の大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時の大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。S61において大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変当りまたは突確当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次の大当りが発生したときの大当り遊技の開始時においてリセットされる(次の大当りが確変となる大当りであっても、大当り遊技の開始時に一旦リセットされる)。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第1特別図柄を対象とする場合には図7(B)に示す第1特別図柄側のテーブルを選択し、第2特別図柄を対象とする場合には図7(B)に示す第2特別図柄側のテーブルを選択する(S72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「通常当り」、「確変当り」、「突確当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「通常当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突確当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「7」または「8」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」〜「6」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突確当り」に決定した場合には、突確当り図柄となる「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変当り」に決定した場合には「1」〜「3」のいずれかを、「通常当り」に決定した場合には「4」または「5」を、特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S303)に対応した値に更新する(S76)。
図16は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S303)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S100)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、S74で記憶される大当り種別に基づいたテーブルを選択する(S101)。たとえば、確変当りであったときには、図7(C)の確変当り時の振分率となるように定められたテーブルを選択し、突確当りであったときには、図7(C)の突確当り時の振分率となるように定められたテーブルを選択する。そして、S103に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、S102において、図7(C)のはずれかつ現在の保留記憶数に応じた振分率となるように定められたテーブルを選択する。そして、S103に移行する。
S103では、CPU56は、S101またはS102により選択されたテーブルの判定値にしたがい、乱数バッファ領域に格納された変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値に基づいて、変動パターン種別を決定する。
次いで、CPU56は、S103で決定された変動パターン種別に応じて、複数種類の変動パターンから一の変動パターンを選択するために用いる変動パターン判定テーブルを選択する(S104)。また、CPU56は、S104により選択されたテーブルを参照して、乱数バッファ領域に格納された変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値に基づいて、変動パターンを決定する(S105)。これにより、変動パターン種別に属する変動パターンのうちいずれかに決定することができる。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)をセットする(S106)。これにより、変動パターンコマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
なお、変動パターンコマンドをセットする際には、変動表示を開始させる特別図柄に対応する図柄変動指定コマンドもセットされる。これにより、図柄変動指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。なお、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと共に同一割込処理において演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるように構成してもよい。また、本実施の形態では、図10のS304の表示結果指定コマンド送信処理において、表示結果指定コマンドがセットされる。これにより、表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。その結果、たとえば、変動開始時において図5のタイマ割込処理が行なわれたときに図柄変動指定コマンドが送信され、次のタイマ割込処理が行なわれたときに変動パターンコマンドが送信され、その次のタイマ割込処理が行なわれたときに表示結果指定コマンドが送信される。
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S38の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S304)に対応した値に更新する(S109)。
表示結果指定コマンド送信処理(S304)では、決定されている大当りの種別に応じて、表示結果指定コマンドを送信するための制御が行なわれる。特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S305)では、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S306)に対応した値に更新する。特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S306)では、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なうとともに、図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図17は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S551)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S552)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S553)、S554〜S559の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S554)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S555)。前述した先読み演出は、保留記憶表示制御処理により、合算保留記憶表示部18cにおいて行なわれる。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S556)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S557)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S558)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S559)。その後、S552に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図18および図19は、コマンド解析処理(S554)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンドであるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンドを、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが突確開始突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが電源が投入されたときに受信する電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電が復旧したときに受信する停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口の開放が開始されたときに受信する大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口の開放が終了したときに受信する大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、その始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞指定コマンド格納領域に格納するとともに、保留表示処理が未だなされていない始動入賞数を示す未処理数カウンタを1加算する(S650)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、保留が加算表示される。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに対応する処理を実行し(S651)、S611に移行する。対応する処理とは、たとえば、受信したコマンドに対応するフラグをセットする処理が行なわれる。また、対応する処理としては、受信した演出制御コマンドが変動開始時に受信する変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドであれば、保留表示を減算更新させるための保留減算カウンタを1加算する処理が該当する。後述するように、保留減算カウンタの値に基づき、保留が減算表示される。
図20は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図20には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数SR2、先読み演出を開始する保留を決定するための乱数SR3を用いる。乱数SR1−1〜SR3は、予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出される。乱数SR1−1〜SR3各々の更新範囲は上記のものに限らず、どのようなものであってもよい。なお演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
乱数SR1−1〜SR1−3から抽出した乱数、および変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドに基づき、演出図柄の左〜右停止図柄が決定される。たとえば、15R大当りのときには、3つ揃いの組合せに決定される。突確当りのときおよびはずれのときには、変動パターンコマンドに基づきリーチの有無に応じて3つ揃い以外の組合せに決定される。
先読み演出決定の乱数SR2は、始動入賞指定コマンドに基づき、先読み演出を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。本実施の形態においては、先読み演出決定の乱数SR2から抽出した乱数により、当該始動入賞指定コマンドに基づいて、合算保留記憶表示部18cに表示する保留記憶表示の表示色を、通常色(たとえば黄色)と異なる予告用の色(たとえば赤色)で表示するか否かが決定される。先読み演出開始保留決定用の乱数SR3は、先読み演出を実行する場合に、保留記憶数に基づき、先読み演出を開始する保留記憶、すなわち先読み演出を開始するタイミングを決定するために用いられる乱数である。
本実施の形態における先読み演出は、特定の表示態様となる可能性があることを予告する対象となる保留記憶よりも先に記憶されている保留記憶のうち決定された保留記憶に基づく変動表示に関連するタイミングで、予告の対象となる保留記憶表示の表示色を予告用の色で表示することにより実行される。決定された保留記憶に基づく変動表示に関連するタイミングとは、当該変動表示が開始されてから終了するまでの間におけるタイミングであればよく、たとえば、変動表示が開始されるタイミング、「左」〜「右」のいずれかの演出図柄が停止表示するタイミング、前述したリーチ演出が実行される以前または以後のタイミング、変動表示が終了するタイミングなど、どのようなタイミングであってもよい。
予告の対象となる保留記憶よりも先に3つ保留記憶されているときには、当該3つの保留記憶のうちランダムに決定された保留記憶に基づく変動表示に関連するタイミングで、予告の対象となる保留記憶表示の表示色を予告用の色で表示することにより先読み演出が行なわれる。このため、予告の対象となる変動表示よりも先に開始される各変動表示において特定の表示態様となる可能性があることを予告することができる。
図21は、S555の保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理では、保留記憶を表示するための処理や、始動入賞指定コマンドに基づき先読み演出の実行に関する処理が行なわれる。まず、S650により加算される未処理数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S660)。未処理数カウンタの値が「1」以上であると判定されたときには、保留表示を行なうための処理が実行される。
S661においては、先読み演出実行中フラグ、または先読み演出フラグがセットされているか否かを判定する(S661)。先読み演出実行中フラグとは、保留記憶表示が予告用の色で表示されて先読み演出が現に実行されている旨を示すフラグであり、後述するS677でセットされる。先読み演出フラグとは、先読み演出を行なうことが決定されている旨を示すフラグであり、図21のS668でセットされる。
S661において先読み演出実行中フラグおよび先読み演出フラグのいずれもセットされていないと判定されたときには、今回の保留記憶を含む未だ変動表示が開始されていない保留記憶の数(以下、未変動の保留記憶数という)が2以上であるか否かを判定する(S662)。これにより、今回記憶された保留記憶に基づく変動表示以外に未だ変動表示が開始されていない保留記憶がある状況であり、先読み演出を実行可能な保留記憶状態であるか否かが判定される。S662において未変動の保留記憶数が2以上でないと判定されたときには、後述するS671へ移行する。
S662において未変動の保留記憶数が2以上であると判定されたときには、対応する始動入賞指定コマンドが所定コマンドであるかを判定する(S663)。所定コマンドとは、大当りになることに対する期待感を遊技者に抱かせる演出を実行させることとなるコマンドであればよく、本実施の形態においては、大当りを示す始動入賞指定コマンドや、スーパーリーチ演出を実行させる変動パターン種別を示す始動入賞指定コマンドをいう。S663により、今回の保留記憶が、所定条件を満たすか否か判定される。
S663において始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときには、いわゆるガセ予告が実行されることを規制している状態であるか否かを判定するための先読み演出禁止カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S664)。先読み演出禁止カウンタは、先読み演出が実行された保留記憶に基づく変動表示において、大当りにならずかつスーパーリーチにもならなかったとき、すなわちガセの先読み演出が実行されたことを条件として設定(たとえばカウンタ値として「4」が設定)されて、その後所定回数(たとえば4回)変動表示が行なわれるまで、新たに先読み演出が実行されることを規制するためのカウンタである。先読み演出禁止カウンタは、1以上であるときであって変動表示が終了する毎に1減算される。S664において先読み演出禁止カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、後述するS671へ移行する。これにより、先読み演出禁止カウンタの値が「0」でないときには、大当りにもスーパーリーチにもならない保留記憶を対象とした先読み演出の実行が禁止される。
S663において所定コマンドであると判定されたとき、またはS664において先読み演出禁止カウンタの値が「0」であると判定されたときには、S666に移行して先読み演出を実行するか否かを決定する。これにより、始動入賞指定コマンドが所定コマンドであるとき、および先読み演出禁止カウンタの値が「0」であり先読み演出が禁止されていないときに、先読み演出が実行され得る。先読み演出を実行するか否かの決定は、図22に示すテーブルを用いて行なわれる。これについては、後述する。なお、S666においては、判定なしの始動入賞指定コマンドである場合には、先読み演出を実行しない旨が決定される。
S667では、S666において先読み演出を実行することが決定されたか否かを判定する。S667において先読み演出を実行しないと判定されたときには、後述するS671へ移行する。一方、S667において先読み演出を実行すると判定されたときには、当該始動入賞指定コマンドから特定される当りの種類および変動パターン種別などの情報を含む先読み判定結果を先読み演出フラグとしてセットする(S668)。これにより、先読み演出設定処理において、先読み演出フラグに基づき、先読み判定結果のいずれかを特定することができ、たとえば、確変当りであるか、通常当りであるか、突確当りであるか、および変動パターン種別がノーマルリーチであるかスーパーリーチであるかなどを特定することができる。
S669では、先読み演出を開始する保留記憶を決定する。先読み演出を開始する保留記憶は、演出開始保留ともいう。演出開始保留の決定は、図28に示すテーブルを用いて行なわれる。これについては、後述する。
S670では、演出開始保留に基づき、先読み演出を開始するタイミングを特定するための演出開始タイミングをセットする。演出開始タイミングとは、演出開始保留が開始されるまでの変動表示回数などをいう。
S671においては、保留メモリカウンタの値を1加算した後、保留表示をする。次いで、未処理数カウンタの値を1減算し(S668)、再びS660へ移行する。
S661に戻り、先読み演出実行中フラグまたは先読み演出フラグがセットされていると判定されたとき、すなわち先読み演出がすでに実行中あるいは実行される予定であるときには、当該先読み演出の対象が大当り以外を示す保留記憶であって、かつ現在判定の対象となっている始動入賞指定コマンドである今回の始動入賞指定コマンドが大当りを示す始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S674)。実行中あるいは実行される予定である先読み演出の対象の保留記憶により大当りとなるときや今回の始動入賞指定コマンドに基づき先読み演出をしたとしてもいわゆるガセ予告となるときには、S671へ移行する。
一方、先読み演出の対象が大当り以外を示す保留記憶であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが大当りであると判定されたとき、すなわち実行中あるいは実行される予定である先読み演出の対象の保留記憶が大当りとなる保留記憶でなく、かつ今回の始動入賞指定コマンドによりいわゆる真予告が可能となるときには、今回の始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶表示により先読み演出を実行させるために、S671へ移行して、当該保留記憶表示を予告用の色で表示させる。これにより、大当りとならない保留記憶を対象として先読み演出を実行中あるいは実行されるときに、大当りとなる始動入賞指定コマンドを受信したときには、実行中の先読み演出を終了あるいは実行予定であった保留記憶表示に換えて、今回の始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶表示により先読み演出を実行させることができる。
S660において未処理数カウンタの値が「1」以上でないと判定されたとき、すなわち未処理数が0であると判定されたときには、S670においてセットされた演出開始タイミングであるか否かが判定される(S676)。具体的には、S669で決定された演出開始保留に基づく変動表示に関連するタイミングであるか否かが判定される。
S676において、演出開始タイミングであると判定されたときには、S677において、先読み演出実行中フラグをセットし、S678で先読み演出対象の保留記憶表示の表示色を予告用の色に切り換えて先読み演出を実行する。これにより、先読み演出は、第1始動条件成立に起因する変動表示中であるか、第2始動条件成立に起因する変動表示中であるかに関わらず、いずれの始動条件成立に起因する変動表示であっても、決定された演出開始保留に基づく変動表示に関連するタイミングから開始することができる。すなわち、何れの特別図柄の変動表示に基づく場合でも先読み演出の決定は区別無く行なわれ、決定された先読み演出の内容は何れの特別図柄の変動表示が開始される場合でも同じように反映されるため、何れの特別図柄の変動表示でも同様に先読み演出を実行することができる。S676において演出開始タイミングではないあるいは演出開始タイミングがセットされていないと判定されたとき、およびS678の処理が行なわれた後には、S679へ移行される。
S679においては、S651において加算される保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かが判定される。1以上でないと判定されたときには、そのまま保留記憶表示制御処理を終了する。1以上であると判定されたときには、保留メモリカウンタの値を減算した後、保留表示を減算更新(1つシフト)する処理を行なう(S680)。次いで、保留減算カウンタの値を1減算する(S681)。
また、S682においては、保留表示を減算更新したことにより、先読み演出が終了したか否かが判定される。S682において終了したと判定されたときには、S683において、先読み演出フラグに基づき、先読み演出の対象であった変動表示の結果が大当りになるか、あるいは今回の変動表示がスーパーリーチであるか判定される。すなわち、実行された先読み演出が、いわゆる真予告であるかガセ予告であるかが判定される。
S683において先読み演出の対象であった変動表示の結果が大当りになる、あるいはスーパーリーチとなると判定されたとき、すなわち実行された先読み演出が真予告であると判定されたときには、S685に移行されて、先読み演出フラグおよび先読み演出実行中フラグをリセットし、保留記憶表示制御処理を終了する。
一方、S683において実行された先読み演出が真予告であると判定されなかったときには、以後変動表示が規定回数(たとえば、4回)行なわれるまで、ガセ予告が行なわれることを禁止させるための先読み演出禁止カウンタの値に「4」をセットし(S684)、S685へ移行する。これにより、規定回数変動表示が行なわれる間、ガセ予告として先読み演出が行なわれることを禁止することができる。
本実施の形態においては、始動入賞時に送信される始動入賞指定コマンド受信に基づき未処理数カウンタを1加算させて(S650)、当該未処理数カウンタに基づき保留メモリカウンタを1加算させて保留表示加算更新を行ない(S671)、変動表示開始時に送信される保留記憶数減算指定コマンド受信に基づき保留減算カウンタを1加算し(S651)、当該保留減算カウンタに基づき保留メモリカウンタを1減算させて保留表示減算更新を行なう(S681)例について説明した。しかし、保留メモリカウンタの加算方式、および保留表示更新方式については、これに限らず、どのようなものであってもよい。たとえば、未処理数カウンタや保留減算カウンタを設けることなく、始動入賞指定コマンド受信に基づき保留メモリカウンタを1加算するとともに保留表示加算更新を行ない、変動パターンコマンドなど変動開始時に送信されるコマンド受信に基づき保留メモリカウンタを1減算するとともに保留表示減算更新を行なうように構成してもよい。
また、未処理数カウンタと保留減算カウンタとを設けるものに限らず、たとえば、現在の保留メモリカウンタと、前回の保留メモリカウンタとを設けて、図19のS650において始動入賞指定コマンド受信に基づき現在の保留メモリカウンタを1加算更新し、図21のS660においては現在の保留メモリカウンタの値と前回の保留メモリカウンタの値とを比較し、現在の保留メモリカウンタの値が前回の保留メモリカウンタの値よりも大きいときにはS661に移行させるとともに前回の保留メモリカウンタの値を1加算更新するように構成してもよい。また、図19のS651において保留記憶数減算指定コマンド受信に基づき現在の保留メモリカウンタを1減算更新し、図21のS660においては現在の保留メモリカウンタの値と前回の保留メモリカウンタの値とを比較し、前回の保留メモリカウンタの値が現在の保留メモリカウンタの値よりも大きいときには保留表示減算更新するとともに前回の保留メモリカウンタの値を1減算更新するように構成してもよい。
図22は、図21のS666において先読み演出を実行するか否かを決定するために用いる先読み演出決定テーブルを説明するための図である。先読み演出決定テーブルは、演出制御基板側のROMに記憶されている。先読み演出決定テーブルは、受信した始動入賞指定コマンドから特定される先読み判定結果、および現在の保留記憶数に応じて、図22に示す確率となるように、先読み演出の実行を決定するための判定値が定められている。
先読み演出を実行するか否かは、大当り時であるときには、大当り種別および変動パターン種別の組合せ毎に定められた振分率に従って決定される。
図22(A)は、大当り時に参照される大当り時先読み演出決定テーブルを説明するための図である。先読み演出実行確率は、第1特別図柄側において大当りとなるときであって、確変当り+ノーマルリーチであるときには「80%」、確変当り+スーパーリーチであるときには「70%」、通常当り+ノーマルリーチであるときには「75%」、通常当り+スーパーリーチであるときには「60%」、突確当り+ノーマルリーチであるときには「80%」に設定されている。
また、第2特別図柄側において大当りとなるときの先読み演出実行確率は、第1特別図柄側で説明した確率と同じ確率に設定されている。なお、大当りとなるときの先読み演出実行確率は、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで異ならせてもよい。
図22(B)は、はずれ時に参照されるはずれ時先読み演出決定テーブルを説明するための図である。先読み演出実行確率は、はずれかつ現在(先読み時)の保留記憶数(未変動の保留記憶数)が2以下である場合、ノーマルリーチであるときには「25%」、スーパーリーチであるときには「30%」に設定されている。また、はずれかつ現在の保留記憶数が3以上である場合、ノーマルリーチであるときには「30%」、スーパーリーチであるときには「40%」に設定されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100のCPU101は、ランダムSR2から抽出した値に基づき、図22で示した振分率に従って先読み演出を実行するか否かを決定する。
以上のように振分率が設定されている場合において、先読み演出が実行された場合における大当り信頼度について説明する。
図23は、先読み演出実行時の大当り信頼度を説明するための図である。図23(a)は、第1特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに先読み演出の実行が決定され、当該先読み演出の対象となる変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図である。
第1特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに先読み演出の実行が決定され、当該先読み演出の対象となる変動表示においてノーマルリーチが発生したときの大当り信頼度は、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた合計と、保留記憶数が2以下であっても先読み処理において保留記憶数が3以上のときの判定値でノーマルリーチと判定されることより図8(d)で示したノーマルリーチ出現率に、図22(B)で示した保留記憶数が2以下のノーマルリーチ時の先読み演出実行確率を掛け合わせた合計とのうち、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた合計の占める割合として、「7.8%」であることが算出される。以下同様に、第1特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに先読み演出の実行が決定され、当該先読み演出の対象となる変動表示においてスーパーリーチが発生したときの大当り信頼度は、「30%」であることが算出される。
図23(b)は、第1特別図柄側において保留記憶数が3以上であるときに先読み演出の実行が決定され、当該先読み演出の対象となる変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図であり、ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「6.6%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「24%」であることが算出される。
図23(c)は、図23(a)および(b)で示した、先読み演出が実行されて、当該先読み演出の対象となる変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度の平均値を示す図である。ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「7.2%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「27%」であることが算出される。
図23(d)は、第2特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに先読み演出の実行が決定され、当該先読み演出の対象となる変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図であり、ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「5.2%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「37%」であることが算出される。
図23(e)は、第2特別図柄側において保留記憶数が3以上であるときに先読み演出の実行が決定され、当該先読み演出の対象となる変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図であり、ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「4.3%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「30%」であることが算出される。
図23(f)は、図23(d)および(e)で示した、先読み演出が実行されて、当該先読み演出の対象となる変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度の平均値を示す図である。ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「4.8%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「34%」であることが算出される。
図24は、先読み演出が実行されなかった時の大当り信頼度を説明するための図である。図24(a)は、第1特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに先読み演出の非実行が決定され、当該先読み演出の対象とならなかった変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図である。
第1特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに、先読み演出が実行されなかった変動表示においてノーマルリーチが発生したときの大当り信頼度は、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を100%から差し引いて得られる先読み演出非実行確率を各々掛け合わせた合計と、保留記憶数が2以下であっても先読み処理において保留記憶数が3以上のときの判定値でノーマルリーチと判定されることより図8(d)で示したノーマルリーチ出現率に、図22(B)で示した保留記憶数が2以下のノーマルリーチ時の先読み演出実行確率を100%から差し引いて得られる先読み演出非実行確率を掛け合わせた合計とのうち、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を100%から差し引いて得られる先読み演出非実行確率を各々掛け合わせた合計の占める割合として、「0.17%」であることが算出される。以下同様に、第1特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに、先読み演出が実行されなかった変動表示においてスーパーリーチが発生したときの大当り信頼度は、「8.2%」であることが算出される。
図24(b)は、第1特別図柄側において保留記憶数が3以上であるときに、先読み演出が実行されなかった変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図であり、ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「0.82%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「9.4%」であることが算出される。
図24(c)は、図24(a)および(b)で示した、先読み演出が実行されなかった変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度の平均値を示す図である。ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「0.5%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「8.8%」であることが算出される。
図24(d)は、第2特別図柄側において保留記憶数が2以下であるときに、先読み演出が実行されなかった変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図であり、ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「0.12%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「10%」であることが算出される。
図24(e)は、第2特別図柄側において保留記憶数が3以上であるときに、先読み演出が実行されなかった変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度を説明するための図であり、ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「0.56%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「12%」であることが算出される。
図24(f)は、図24(d)および(e)で示した、先読み演出が実行されなかった変動表示におけるリーチ種別毎の大当り信頼度の平均値を示す図である。ノーマルリーチとなったときの大当り信頼度は「0.34%」であることが算出され、スーパーリーチとなったときの大当り信頼度は「11%」であることが算出される。
次に、先読み演出が実行されて当該先読み演出の対象となる変動表示で大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合と、先読み演出が実行されずに大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合とを説明する。
図25は、先読み演出が実行されて大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合と、先読み演出が実行されずに大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合とを説明するための図である。
図25(a)は、先読み演出が実行されて、第1特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合と、先読み演出が実行されずに、第1特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合とを説明するための図である。
先読み演出が実行されて、第1特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合は、図8(a)で示した当り種別毎の出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた合計のうち、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた合計の占める割合として、「39%」であることが算出される。以下同様に、先読み演出が実行されずに、第1特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合は、「19%」であることが算出される。
図25(b)は、先読み演出が実行されて、第2特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合と、先読み演出が実行されずに、第2特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合とを説明するための図である。
先読み演出が実行されて、第2特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合は、図8(a)で示した当り種別毎の出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を100%から差し引いて得られる先読み演出非実行確率を各々掛け合わせた合計のうち、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を100%から差し引いて得られる先読み演出非実行確率を各々掛け合わせた合計の占める割合として、「23%」であることが算出される。以下同様に、先読み演出が実行されずに、第2特別図柄側において大当りとなる場合においてノーマルリーチで大当りとなる割合は、「15%」であることが算出される。
次に、先読み演出が実行されてノーマルリーチで大当りとなる場合に確変当りとなる割合、および先読み演出が実行されずにノーマルリーチで大当りとなる場合に確変当りとなる割合について説明する。
図26は、先読み演出が実行されてノーマルリーチで大当りとなる場合に確率変動を伴う確変当りおよび突確当り(以下、確率変動当りという)となる割合、および先読み演出が実行されずにノーマルリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合を説明するための図である。
先読み演出が実行されてノーマルリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合は、図8(a)で示した当り種別毎のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた合計のうち、図8(a)で示した確変当りおよび突確当り各々のノーマルリーチ出現率に図22(A)で示した確変当りおよび突確当り各々の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた割合の占める割合として、「70.5%」であることが算出される。以下同様に、先読み演出が実行されずにノーマルリーチで大当りとなる場合に確変当りとなる割合は、「64.2%」であることが算出される。
次に、先読み演出が実行されてスーパーリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合、および先読み演出が実行されずにスーパーリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合について説明する。
図27は、先読み演出が実行されてスーパーリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合、および先読み演出が実行されずにスーパーリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合を説明するための図である。
先読み演出が実行されてスーパーリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合は、図8(a)で示した当り種別毎のスーパーリーチ出現率に図22(A)で示した当り種別毎の先読み演出実行確率を各々掛け合わせた合計のうち、図8(a)で示した確変当りのスーパーリーチ出現率に図22(A)で示した確変当りの先読み演出実行確率を各々掛け合わせた割合の占める割合として、「76.7%」であることが算出される。以下同様に、先読み演出が実行されずにスーパーリーチで大当りとなる場合に確率変動当りとなる割合は、「68%」であることが算出される。
図28は、図21のS669において演出開始保留を決定するために用いる演出開始保留決定用テーブルを説明するための図である。演出開始保留決定用テーブルは、受信した始動入賞指定コマンドに基づき大当りまたはスーパーリーチの変動パターン種別であるか否かに応じてテーブルが設けられており、現在の未変動の保留記憶数に応じて演出開始保留を決定するための判定値が定められている。
受信した始動入賞指定コマンドに基づき、大当りまたはスーパーリーチの変動パターン種別であるときには、図28(A)の第1テーブルが参照される。そして、未変動の保留記憶数が「2」であるときには、ランダムSR3から抽出した値に関わらず、1番目に記憶された保留(保留記憶のうち最も先に記憶された保留、次に変動表示が開始される保留)が、演出開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「3」であるときには、ランダムSR3から抽出した値が、「1〜90」であるときに1番目に記憶された保留が、「91〜100」であるときに2番目に記憶された保留が、各々演出開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「8」であるときには、ランダムSR3から抽出した値が、「1〜65」であるときに1番目に記憶された保留が、「66〜70」であるときに2番目に記憶された保留が、「71〜85」であるときに3番目に記憶された保留が、「86〜90」であるときに4番目に記憶された保留が、「91〜95」であるときに5番目に記憶された保留が、「96〜98」であるときに6番目に記憶された保留が、「99〜100」であるときに7番目に記憶された保留が、各々演出開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数がその他の数であるときにも同様に、ランダムSR3から抽出した値に応じて、演出開始保留が決定される。
受信した始動入賞指定コマンドに基づき、はずれかつノーマルリーチの変動パターン種別であるときには、図28(B)の第2テーブルが参照される。そして、未変動の保留記憶数が「2」であるときには、ランダムSR3から抽出した値に関わらず、1番目に記憶された保留が、演出開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「3」であるときには、ランダムSR3から抽出した値が、「1〜70」であるときに1番目に記憶された保留が、「71〜100」であるときに2番目に記憶された保留が、各々演出開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「8」であるときには、ランダムSR3から抽出した値が、「1〜45」であるときに1番目に記憶された保留が、「46〜60」であるときに2番目に記憶された保留が、「61〜80」であるときに3番目に記憶された保留が、「81〜90」であるときに4番目に記憶された保留が、「91〜95」であるときに5番目に記憶された保留が、「96〜98」であるときに6番目に記憶された保留が、「99〜100」であるときに7番目に記憶された保留が、各々演出開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数がその他の数であるときにも同様に、ランダムSR3から抽出した値に応じて、演出開始保留が決定される。
以上のように、図21のS669においては、始動入賞指定コマンドおよび現在の未変動の保留記憶数に応じて設定されている判定値と、ランダムSR3から抽出した値とに基づき、演出開始保留が決定される。そして、図21のS670においては、先読み演出開始カウンタの値として、決定された演出開始保留が、たとえば1番目であるときには「0」をセットし、5番目であるときには「4」をセットする。これにより、たとえば、1番目に決定されたときには、次の変動表示(1回目の変動表示)において先読み演出が開始され、5番目に決定されたときには、5回目の変動表示において先読み演出が開始される。
図28の演出開始保留決定用テーブルは、第2テーブルが参照されたときよりも第1テーブルが参照されたときの方が高い割合でより先に記憶された保留記憶(たとえば、1番目)が演出開始保留として決定されやすいように、それぞれ判定値が設定されている。その結果、第2テーブルが参照されたときよりも第1テーブルが参照されたときの方が高い割合で、先読み演出が実行される回数が多くなる。これにより、先読み演出が開始されるタイミングが早く実行期間が長いほど、大当りやスーパーリーチになる可能性が高く、期待感を遊技者に抱かせることができる。
図29は、図17に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S556)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。すなわち、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに応じた変動パターンを設定し、表示結果指定コマンドに応じた停止図柄を設定し、該設定された変動パターンや停止図柄などにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、所定の図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):選択決定された演出制御パターンに基づき、各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
なお、上記の実施の形態では、変動表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態によれば、図22で示したように、先読み判定結果から「通常当り」「確変当り」「突確当り」になると判定されたときや、はずれであっても「スーパーリーチ」になると判定されたときに、はずれで「ノーマルリーチ」になると判定されたときよりも高い割合で先読み演出が実行される。このため、先読み演出が実行されたときに、当該先読み演出の対象となる保留記憶に基づく変動表示において「通常当り」「確変当り」「突確当り」「スーパーリーチ」となることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、図25で示したように、先読み判定結果から「通常当り」「確変当り」「突確当り」のうちいずれかの大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合を、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるようにした。換言すれば、大当りとなると判定された保留記憶であって先読み演出の対象となった保留記憶に基づく変動表示において「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合が、大当りとなると判定された保留記憶であって先読み演出の対象とならなかった保留記憶に基づく変動表示において「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合よりも高くなるようにした。このため、先読み演出が実行されノーマルリーチ演出が実行された後に大当りとなる頻度が高まる。その結果、先読み演出が実行された後に、ノーマルリーチ演出が実行されたときであっても大当りとなることに対する期待感の低下を極力抑止でき、遊技の興趣を低下させないあるいは極力最小限度に抑止できる。また、ノーマルリーチ演出が実行された変動表示において大当りとなるといった意外性を付与しつつ、大当りに制御されることに対する喜びを遊技者に与える機会を高めることができる。
(2) 前述した実施の形態によれば、図26で示したように、大当りとなる保留記憶に基づく変動表示においてノーマルリーチ演出が実行された後に確率変動当り(確率変動状態)となる割合が、当該保留記憶に基づいて先読み演出が実行されたときの方が実行されなかったときよりも高い。換言すれば、ノーマルリーチ演出が実行された後に大当りとなる保留記憶であって先読み演出の対象となった保留記憶に基づく変動表示の表示結果として確率変動当りとなる割合が、ノーマルリーチ演出が実行された後に大当りとなる保留記憶であって先読み演出の対象とならなかった保留記憶に基づく変動表示の表示結果として確率変動当りとなる割合よりも高くなるようにした。このため、先読み演出が実行されノーマルリーチ演出が実行された後に確率変動状態となる頻度が高まる。その結果、先読み演出が実行された後に、ノーマルリーチ演出が実行されたときであっても大当りとなることに対する期待感の低下を極力抑止できるとともにさらに確率変動状態となることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態によれば、図12のS242およびS252に示すように、先読み処理により保留記憶数に関わらずノーマルリーチにすると判定される共通の判定値である、保留記憶数3以上であるときの変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別が判定される。このため、始動入賞時に実行される先読み処理において、変動パターン種別がノーマルリーチとなると判定されたときには、変動開始時に実行される図16の変動パターン設定処理におけるS103でも、必ずノーマルリーチに決定される。このため、たとえば設計段階において、先読み処理によりノーマルリーチとなると判定されたにも関わらず、変動パターン設定処理によってノーマルリーチと異なる変動パターン種別に決定され得る場合を考慮することなく、大当りとなる保留記憶に基づく変動表示におけるリーチ演出としてノーマルリーチ演出を実行する割合が当該保留記憶に基づいて先読み演出が実行されたときの方が実行されなかったときよりも高くなるように定めることができる。その結果、設計し易くすることができる。
(4) 前述した実施の形態によれば、図22(B)に示すように、保留記憶数に応じて先読み演出の実行割合を異ならせることができるとともに、図22(A)に示すように、保留記憶数に関わらず大当りとなる保留記憶に基づく変動表示におけるリーチ演出としてスーパーリーチ演出が実行されるとき(確変当り+スーパーリーチ、通常当り+スーパーリーチの先読み演出実行確率参照)よりもノーマルリーチ演出が実行されるとき(確変当り+ノーマルリーチ、通常当り+ノーマルリーチ、突確当り+ノーマルリーチの先読み演出実行確率参照)の方が高い割合で先読み演出を実行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図16のS103〜S106に示すように、変動パターンを決定するための手段が、変動パターン種別を決定する手段(変動パターン種別を決定する処理)と、変動パターンを決定する手段(変動パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、変動パターン種別を決定する手段により決定可能な変動パターン種別の数と、変動パターンを決定する手段により決定可能な変動パターン数との組合せにより、多種類の変動パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動パターン種別に属する各変動パターンを選択する割合を変更しなくても、各変動パターン種別ごとの変動パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動パターンに関し、実行可能とする変動パターン数の変更設定、および、変動パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動パターンについて、実行可能な変動パターン数の設定、および、変動パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。そして、このように設計を簡素化することにより、パチンコ遊技機1の開発に関し、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることができる。
(6) 図21のS663において、始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときは、S664において先読み演出禁止カウンタの値が「0」であるか否かを判定することにより前回の先読み演出が終了してから所定回数変動表示が行なわれているか否かを判定し、所定回数変動表示が行なわれているときにだけS666へ移行して先読み演出の実行の有無を決定する。また、図28で示したように、先読み演出が連続して実行される回数を保留記憶の上限数である「8」以下の「7」に制限している。これにより、「7」よりも多い回数の変動表示に亘って、ガセ予告が実行されることを防止することができる。これにより、「7」よりも多い回数の変動表示に亘って先読み演出を連続して実行することにより遊技者の期待感を煽ったにも関わらず、大当りにならず、かつ、スーパーリーチにもならなかったために、遊技者に大きな失望感を抱かせてしまうような不都合の発生を防止することができる。その結果、連続して実行される複数回の変動表示各々において先読み演出を行なうことにより遊技の興趣を向上させつつ、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止することができる。
なお、ガセ予告が連続して実行される上限回数を「7」に制限した例について説明したが、上限回数は「7」に限らず、保留記憶の上限数以下であれば任意の数値であってもよい。たとえば、上限回数は「5」に設定されているものであってもよく、また、一方の特別図柄の保留記憶の上限数である「4」に設定されているものであってもよい。
(7) 図21のS667において先読み演出を実行すると判定されたときには、さらに、S669において演出開始保留が決定されて、当該演出開始保留に基づく変動表示から先読み演出を開始させるための処理が行なわれる。これにより、先読み演出を開始するタイミングを変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図21のS682〜S684、およびS663、S664の処理のような、比較的簡単な制御処理を設けることにより、ガセ予告としての先読み演出が終了したときに先読み演出禁止カウンタをセットし、所定回数変動表示が行なわれる間ガセ予告が行なわれることを防止することができ、その結果、「7」よりも多い回数の変動表示に亘ってガセ予告が連続して実行されてしまうことを防止することができる。
(9) 図21のS661において、先読み演出実行中フラグまたは先読み演出フラグがセットされているときであっても、S674において実行中または実行される予定の先読み演出の対象が大当り以外となる保留記憶であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが大当りであると判定したときには、S675において今回の始動入賞に対応する保留記憶表示で先読み演出が実行される。これにより、先読み演出を今回の保留記憶に基づく変動表示にするあるいは変更することができる。その結果、たとえば先読み演出の対象が変更された場合には、大当りとならない保留記憶を対象とする先読み演出を真予告の一部として有効活用することができる。また、連続して先読み演出が実行される回数が多く成り得るため、遊技者の期待感を向上させることができる。
(10) 図7(B)で示したように、大当り種別決定において突確当りとなる割合が低く、15R大当りとなる割合が高い点において、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞した方が遊技者にとって有利であるといえる。また、確変状態に制御されているときには、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、第2始動入賞口14への入賞頻度が向上する。このため、確変状態に制御されているときには、15R大当りになる割合が向上し、出玉性能を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 図21で説明したように、先読み演出を実行するか否かが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により決定される。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560が先読み演出を実行するか否かの決定を行なう場合と比較して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(12) 遊技制御用マイクロコンピュータ560より始動入賞指定コマンドを送信することにより、図21で示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により保留表示するための処理が行なわれるとともに先読み演出を実行するための処理が行なわれる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留表示するためのコマンドと別に、先読み演出を実行するためのコマンドを送信する必要がない。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信するコマンド数を増大させることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100により保留表示させるとともに先読み演出を実行させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態において、図22(A)で示した大当り時に参照される大当り時先読み演出決定テーブルでは、先読み判定結果に基づき、当り種別および変動パターン種別の組合せに応じて、先読み演出実行確率を異ならせる例について説明した。しかし、大当り時先読み演出決定テーブルは、これに限らず、さらに、現在(先読み時)の保留記憶数(未変動の保留記憶数)に応じて、先読み演出実行確率を異ならせるように構成してもよい。より具体的には、現在の保留記憶数に応じて、異なる大当り時先読み演出決定テーブルを設けてもよい。これにより、現在の保留記憶数によっても先読み演出の実行頻度を異ならせることができ、大当りとなるか否かあるいはスーパーリーチとなるか否かについて遊技者が予測する際の参考材料が増えるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記のように構成した場合であっても、保留記憶数に関わらず大当りとなる保留記憶に基づく変動表示におけるリーチ演出としてスーパーリーチ演出が実行されるとき(確変当り+スーパーリーチ、通常当り+スーパーリーチの先読み演出実行確率参照)よりもノーマルリーチ演出が実行されるとき(確変当り+ノーマルリーチ、通常当り+ノーマルリーチ、突確当り+ノーマルリーチの先読み演出実行確率参照)の方が高い割合で先読み演出を実行させることができるように先読み演出実行確率が定められている。このため、大当りとなると判定された保留記憶であって先読み演出の対象となった保留記憶に基づく変動表示において「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合が、大当りとなると判定された保留記憶であって先読み演出の対象とならなかった保留記憶に基づく変動表示において「ノーマルリーチ」の変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合よりも高くなり、先読み演出が実行されノーマルリーチ演出が実行された後に大当りとなる頻度が高まる。その結果、先読み演出が実行された後に、ノーマルリーチ演出が実行されたときであっても大当りとなることに対する期待感の低下を極力抑止でき、遊技の興趣を低下させないあるいは極力最小限度に抑止できる。
(2) 前述した実施の形態における先読み演出は、図28で示したように、1番目に決定された場合であっても、先読み演出の対象となる始動入賞後、次の変動表示に関連するタイミングで開始される例について説明した。しかし、先読み演出は、当該先読み演出の対象となる始動入賞直後から開始されるようにしてもよい。たとえば、図28で示した演出開始保留に「0番目」を設定し、所定割合で選択されるように構成されたテーブルを用いて演出開始保留が決定され、「0番目」に決定されたときには、当該先読み演出の対象となる始動入賞直後から当該始動入賞に対応する保留記憶表示の表示色を予告用の色で表示するようにしてもよい。
また、先読み演出は、図28で示したテーブルで演出開始保留を決定するものに限らず、一律に、当該先読み演出の対象となる始動入賞直後から、開始されるように構成してもよい。この場合、図21のS662、S669、およびS670、S676〜S678の処理を行なう必要がなく処理負担を軽減できるとともに、始動入賞時に予告用の色で保留記憶表示されるかに遊技者を注目させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、始動入賞時に当り種別のみならず変動パターン種別をも先読みし、図25で示したように、大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、ノーマルリーチの変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合が、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるように定められた先読み演出実行確率(図22参照)に従って、先読み演出を実行するか否かを決定する例について説明した。しかし、図25で示したように、大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、ノーマルリーチの変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合が、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるものであれば、上記の手法に限定されるものではない。
たとえば、始動入賞時において大当りになるか否かのみを先読みし、当該先読み判定結果に基づき大当りであるときの方がはずれであるときよりも高い割合で先読み演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。この場合、変動表示を開始するときに変動パターン種別および変動パターンを決定するように構成し、大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、ノーマルリーチの変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合が、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるように、先読み演出の対象となる変動表示の変動パターン種別、および先読み演出の対象となっていない変動表示の変動パターン種別を決定するように構成してもよい。このような構成では、先読み演出を実行するか否かの決定を遊技制御用マイクロコンピュータ560により行なうようにし、先読み演出を実行するか否かの情報を含む始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ560に出力し、当該始動入賞指定コマンドに含まれる情報に基づき、先読み演出を実行するように構成してもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、リーチとなる変動パターン種別として、ノーマルリーチおよびスーパーリーチを例示したが、これに限らず、その他の種別、たとえば大当り信頼度がノーマルリーチよりも高くスーパーリーチよりも低いミドルリーチが設けられているものであってもよい。この場合、大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、ノーマルリーチの変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出を実行する割合が、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるものであってもよく、または、大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、ノーマルリーチおよびミドルリーチの変動パターン種別に属するノーマルリーチ演出あるいはミドルリーチ演出を実行する割合が、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、先読み演出において、変動パターン種別を先読みする例について説明したが、これに限らず、変動パターンを先読みするものであってもよい。この場合、たとえば、大当りとなると判定された保留記憶に基づく変動表示において、複数種類の変動パターンのうち、大当り信頼度が最も低い変動パターン(ノーマルリーチの変動パターン)を実行する割合が、当該保留記憶を対象として先読み演出が実行されたときの方が、先読み演出が実行されなかったときよりも高くなるものであればよい。
(6) 先読み演出の演出内容としては、先読み演出の対象となる保留記憶表示の表示色を予告用の色に変更する例を説明したが、先読み演出が実行されていることを遊技者に認識される態様であればよく、たとえば、当該保留記憶以前の保留記憶に基づく変動表示において演出表示装置9にキャラクタを表示することによる表示演出であってもよく、スピーカ27から効果音を発生させることによる音演出であってもよく、装飾LED25などを点灯させることによる光演出であってもよく、これらを任意に組合せた演出であってもよい。また、先読み演出としては、当該先読み演出の対象となる変動表示が開始される以前に行なわれる変動表示の表示結果として、予め定められた図柄組合せ(たとえば、チャンス目)を強制的に表示することにより行なう演出であってもよい。また、先読み演出としては、可動部材84を回転動作させる演出であってもよい。
(7) 前述した実施の形態の図21のS663においては、大当りになると判定されたとき、およびスーパーリーチになると判定されたときにYESと判定され、S666において先読み演出の実行の有無を決定する例について説明した。しかし、図21のS663においては、大当りになると判定されたときにだけS666に移行させ、それ以外のときにはスーパーリーチになる場合であってもS664へ移行させるように構成してもよい。これにより、所定数として設定されている「7」よりも多い回数の変動表示に亘って予告が連続して実行されたにも関わらず、大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
また、前述した実施の形態の図21のS683においては、先読み演出の対象が大当りであるときにはS684へ移行せず、また、はずれとなるときであってスーパーリーチとなるときにおいてもS684へ移行せずに、先読み演出の実行が制限されない例について説明した。しかし、図21のS683においては、先読み演出の対象が大当りであるときにだけS684へ移行せず、大当り以外であるときにはS684へ移行させて先読み演出の実行を制限するように構成してもよい。これにより、所定数として設定されている「7」よりも多い回数の変動表示に亘って予告が連続して実行されたにも関わらず、大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
(8) 前述した実施の形態においては、図7(B)で示したように、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞した方が大当り種別決定において突確当りとなる割合が低く15R大当りとなる割合が高くなるように判定値数を設定して、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方が遊技者にとって有利となる場合について説明した。これに限らず、第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13の方が遊技者にとって有利となるように、大当り種別決定における突確当りとなる割合および15R大当りとなる割合を設定してもよい。この場合、確変状態に制御されているときには、大当りとなる確率が向上することによる有利度合いと、大当り種別決定における割振りによる有利度合いとが調和して、確変状態に制御されているときとそうでないときとで遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなり過ぎないようにすることができる。その結果、確変状態に制御されることに対する期待感を抱かせつつも、確変状態中の射幸性を抑えることができる。
(9) 前述した実施の形態においては、始動入賞時に先読み処理が行なわれたか否かに関わらず、図15および図16に示すように変動開始時に当り判定、リーチ判定、および変動パターン種別判定を行なう例について説明した。しかし、先読み処理において判定した判定結果を記憶し、変動開始時には当該判定結果を用いて当りにするか否か、リーチにするか否か、変動パターン種別をいずれにするかを特定するように構成してもよい。これにより、始動入賞時の判定結果を変動開始時にそのまま用いることができるため、処理負担を軽減することができる。
なお、前述した実施の形態では、遊技状態が確変状態であるかや保留記憶数がいくつあるかによって、先読み処理時と変動開始時とで判定結果が必ずしも一致しない。このため、上記のように、変動開始時に先読み処理における判定結果を用いるように構成する場合には、先読み処理時に当該始動入賞の変動開始時の遊技状態が確変状態であるか否かを先読みして当該判定結果に基づく確率で当り判定を行なうように構成するとともに、保留記憶数によってリーチ判定や変動パターン種別判定に用いる判定値が変化しないように構成してもよい。
(10) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に変動表示の開始条件を成立させる例について説明した。これに限らず、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。たとえば、図7(B)で示したように、突確当りになる確率が低く設定されている第2始動入賞口14への入賞を優先させるようにしてもよい。第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行するように構成してもよい。これにより、突確当りになる確率が低い点で有利な始動入賞口への入賞を優先させて消化させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 前述した実施の形態における第1先読み処理および第2先読み処理では、図12に示すように、大当り判定(S241)、当り種別判定(S243)、および変動パターン種別判定(S252)を行ない、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信する例について説明した。しかし、第1先読み処理および第2先読み処理では、さらに、図16のS104およびS105と同様の処理、すなわち変動パターン判定を行ない、変動パターンをも含む判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。これにより、先読み処理において変動パターンまで判定されるため、変動パターンの種類に基づく先読み演出を行なうことが可能となる。
(12) 前述した実施の形態における第1先読み処理および第2先読み処理では、図12に示すように、大当りか否か、当りの種別がいずれであるか、変動パターン種別がいずれであるか、などを判定し、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100により先読み演出を実行するための処理を行なう例について説明した。しかし、第1先読み処理および第2先読み処理では、上記の項目について判定するものに限らず、次の項目のいずれかあるいは複数判定し、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100により先読み演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
判定する項目として、たとえば、当りの種別として当り終了後に時短状態に制御される時短付き当りと時短状態に制御されない時短無し当りとが設定されている場合には時短付き当りであるか否かを判定するようにしてもよい。
また、当りとなったときに、当該当り遊技状態中または当り遊技状態終了後にいわゆる昇格演出を実行可能な遊技機においては、当りと判定されたときにさらに昇格演出を行なうか否か判定するようにしてもよい。昇格演出とは、たとえば、非確変大当りとした後に確変大当りへ昇格するか否かに関わる演出、時短無し当りとした後に時短付き当りへ昇格するか否かに関わる演出など、遊技者にとって有利度合いが比較的低い当りとした後に、当該当りよりも有利度合いが高い当りに昇格するか否かに関わる演出をいう。
(13) 前述した実施の形態における始動入賞指定コマンドは、保留表示を加算表示させる情報と、先読み判定結果に関わる情報とを含む例について説明した。しかし、先読み判定結果に関わる情報を示すコマンドを、保留表示を加算表示させる情報を示すコマンドとは別コマンドとして送信するようにしてもよい。また、保留表示を加算表示させる情報を示すコマンドを送信することなく、先読み判定結果に関わる情報を示すコマンドのみを送信するように構成してもよい。
(14) 図11のS217およびS227で示したように、すでに先読み処理において先読み大当りフラグがセットされている場合には、当該大当りが終了して当該フラグがリセットされるまで、先読み処理自体を行なわない例について説明した。しかし、先読み大当りフラグがセットされている場合であっても、先読み処理を行ない、当該先読み判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信しない(具体的には判定なしの始動入賞指定コマンドを送信する)ように構成してもよい。
また、図11のS217およびS227で示す処理を行なうことなく、先読み処理を行ない当該先読み判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。この場合であっても、図21のS661で説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ100側において当該始動入賞指定コマンドが無視されて新たな先読み演出を実行するための処理が行なわれないため、先読み演出が重複して実行されることを未然に防止することができる。
(15) 上記の実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(16) 上記の第1実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(17) 上記の第1実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(18) 上記の第1実施形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(19) 上記の第1実施形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。また、上記の実施形態は、いわゆる1種と2種とが混合した遊技機にも適用することができる。1種と2種とが混合した遊技機とは、たとえば、以下の構成を備える遊技機であってもよい。
(20) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(21) なお、前述したように特別図柄プロセス処理において始動口スイッチ通過処理を第1特別図柄用の処理と第2特別図柄用の処理とに分けて設けるときには、たとえば先読み処理や大当り判定をする処理等の一部の処理については、共通の処理ルーチンを実行することにより共通化するようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(23) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(24) 前述した先読み演出としては、保留記憶を用いた演出を例にして説明したが、これに限らず、画像を用いた演出、音のみを用いた演出、可動部材のみを用いた演出、画像と音とを用いた演出、画像と可動部材とを用いた演出、音と可動部材とを用いた演出、および、画像と音と可動部材とを用いた演出のうち、どのような演出のパターンを用いてもよい。また、予告は、これらの予告パターンのうちから予め定められた順番で選択して実行してもよく、これらの予告パターンのうちからランダムに選択して実行してもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、図11のS219で説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、先読み処理を行なった場合には当該先読み判定結果に関わらず、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信する例について説明した。しかし、これに限らず、先読み判定結果が特定の判定結果(たとえば、大当りとなる判定結果、スーパーリーチとなる判定結果)のときにだけ、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信するように構成し、先読み判定結果が特定の判定結果以外の判定結果(たとえば、はずれかつスーパーリーチ以外の変動パターン種別となる判定結果)のときには当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信しない、あるいは判定なしといった共通の始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。これにより、始動入賞指定コマンドから特定される先読み判定結果に基づいて実行される先読み演出が実行されたときの期待感を向上させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。