(1) 複数種類の識別情報を変動表示する変動表示部(演出表示装置9)を備え、前記変動表示部に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否かを事前に決定する事前決定手段(図16、19)と、
前記識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦変動表示の態様を前記特定表示結果と異なる特殊態様で仮停止させた後に変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示パターン(擬似連1回〜4回)を含む複数種類の変動表示パターンから1の変動表示パターンを選択する変動表示パターン選択手段(図20)と、
前記変動表示パターン選択手段により選択された変動表示パターンに基づき、前記識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの演出を制御する演出制御手段(図27のS556、図28〜図29など)とを備え、
前記変動表示パターン選択手段は、前記再変動の回数が多いほど前記特定表示結果となる割合が高くなるように、前記事前決定手段による決定結果に基づいて、前記複数種類の変動表示パターンから1の変動表示パターンを選択し(図9、図10参照)、
前記演出制御手段は、変動表示の態様を前記特定表示結果および前記特殊態様と異なる特定態様とした後に、該特定態様を前記特殊態様に変化させるときと変化させないときがある変化演出を実行する手段であって、実行する変化演出の種類に応じて前記特殊態様に変化させる割合が異なるように(図46(B)参照)複数種類の変化演出(滑りパターン、特殊パターン、ボタン操作パターン、図柄キャラクタパターン、図38参照)のうちから選択して実行する変化演出実行手段(図45のS687、S693〜S696、S707〜S712、図46)を含み、
前記再変動表示パターンは、前記特殊態様で仮停止させるまでに前記特定表示結果の一部を構成するリーチ態様とし、該リーチ態様の識別情報の少なくとも一方を再変動させるパターンを含む(図38(j)参照)。
上記の遊技機における前記変動表示部は、前記複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域を複数有し(左,中,右の変動表示領域、図柄表示エリア9L、9C、9R)、
前記複数種類の変化演出には、前記複数の変動表示領域のうちいずれかが変動表示中でかつ変動表示していない変動表示領域の識別情報が前記特殊態様の一部を構成していないとき(たとえば、左および右の変動表示領域の演出図柄がチャンス目の一部を構成していないとき、図38(a)参照)に、前記変化演出実行手段により所定の演出が実行される種類の変化演出(図38参照)を含むものであってもよい。
また、上記の遊技機における前記変動表示部は、前記複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域を複数有し(左,中,右の変動表示領域、図柄表示エリア9L、9C、9R)、前記変化演出が実行されないときには、前記変動表示装置において前記変動表示が開始されてから前記複数の変動表示領域各々が所定の順番(左→右→中の順)で停止され、
前記複数種類の変化演出には、前記変動表示装置において前記変動表示を開始してから、前記変化演出実行手段により前記複数の変動表示領域各々が前記所定の順番と異なる順番(たとえば、右→左→中など)で停止されることにより実行される種類の変化演出を含むものであってもよい(変形例(1)参照)。
(4) 上記(1)〜(3)のうちいずれかの遊技機において、前記変動表示部は、前記複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域を複数有し(左,中,右の変動表示領域)、
前記複数種類の識別情報は、キャラクタにより識別可能なキャラクタ識別情報(「1」〜「8」の演出図柄)を含み、
前記変化演出実行手段は、前記複数種類の変化演出のうち前記キャラクタ識別情報により実行される変化演出(図柄キャラクタパターン)を選択したときには、前記複数の変動表示領域のうちいずれかよりも先に変動表示を停止する変動表示領域に前記キャラクタ識別情報を停止させた後、当該キャラクタ識別情報のキャラクタを用いた変化演出を実行する(図38の(d)、(e)参照)。
前記演出制御手段は、前記再変動表示パターンにおける最後の再変動より前の変動においてリーチ状態を構成する表示結果を仮停止せず、前記最後の再変動においてのみリーチ状態を構成する表示結果を導出表示するものであってもよい。
(6) 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、複数種類の入賞用識別情報(リール502L,502C,502Rに描かれた入賞用の図柄500)を変動表示させる入賞用変動表示部(図柄表示装置5000)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該入賞用変動表示部に導出された表示結果に応じて入賞(小役、再遊技役、特別役等の入賞)が発生可能である遊技機(第2実施形態のスロットマシン501)であって、
前記入賞用変動表示部の表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ボーナス)への移行を伴う特定入賞(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)を含む複数種類の入賞(小役、再遊技役、特別役等の入賞)各々の発生を許容するか否かを決定する入賞用事前決定手段(メイン制御部、内部抽選を行なう処理プログラム)と、
前記入賞用事前決定手段の決定結果に応じて、前記入賞用変動表示部に表示結果を導出させる制御を行なう入賞用導出制御手段(メイン制御部、リール502L,502C,502Rで表示結果を導出表示させる制御を行なう処理プログラム)と、
前記特定入賞に対応する特定入賞表示結果(ボーナスの組合せ、「777」など)が前記入賞用変動表示部に導出されたときに、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(メイン制御部、ボーナスの遊技状態に制御するプログラム)と、
複数種類の演出用識別情報を変動表示し、表示結果を導出表示可能な演出用変動表示部(液晶表示器55)と、
前記演出用識別情報の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに、変動表示の態様を前記特定入賞表示結果に対応する演出用特定入賞表示結果(「7−7−7」)と異なる特殊態様で一旦仮停止させた後に変動表示を再度実行する再変動を1回または複数回実行する再変動表示パターン(擬似連1回〜4回)を含む複数種類の変動表示パターンから1の変動表示パターンを選択する変動表示パターン選択手段(図20参照)と、
前記変動表示パターン選択手段により選択された変動表示パターンに基づき、前記演出用識別情報の変動表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの演出を制御する演出制御手段(図27のS556、図28〜図29など参照)とを備え、
前記演出制御手段は、変動表示の態様を前記特定入賞表示結果および前記特殊態様と異なる特定態様とした後に、該特定態様を前記特殊態様に変化させるときと変化させないときがある変化演出を実行する手段であって、実行する変化演出の種類に応じて前記特殊態様に変化させる割合が異なるように(図46(B)参照)複数種類の変化演出(滑りパターン、特殊パターン、ボタン操作パターン、図柄キャラクタパターン、図38参照)のうちから選択して実行する変化演出実行手段(図45のS687、S693〜S696、S707〜S712、図46参照)を含む。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機およびスロットマシンを示すが、本実施の形態に示す遊技機は、遊技者にとって有利な状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技用媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、複数種類の識別情報を変動表示する変動表示領域が複数設けられている。本実施の形態における複数の変動表示領域として、たとえば演出図柄表示領域のうち、左の領域において識別情報を変動表示する左の図柄表示エリア9Lと、中央の領域において識別情報を変動表示する中の図柄表示エリア9Cと、右の領域において識別情報を変動表示する右の図柄表示エリア9Rとが設けられている。各図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに「1」〜「8」の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、変動表示の開始を許容する開始条件(たとえば、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了しているとき)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。すなわち、変動表示の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したことにより成立する。なお、始動条件は、始動領域に入賞することにより成立するものに限らず、始動領域を通過することにより成立するものであってもよい。また、変動表示の開始を許容する開始条件は、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了することにより成立する。実行条件は成立しているが開始条件が成立していない保留記憶、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ変動表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことであるが、通過ゲーム等の予め通過領域として定められている領域を遊技球が通過することであってもよい。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させて表示結果として確定することである。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ変動表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を複数の図柄表示エリア9L、9C、9R各々において行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、後述する予告演出が実行されるとき等、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、後述する予告演出が実行されるときに点滅する。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、後述する予告演出が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。なお、所定数の景品遊技球の払出を行なう条件は、所定の入賞領域に設けられている入賞口に入賞することにより成立するものに限らず、所定の入賞領域を通過することにより成立するものであってもよい。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。
なお、確変状態または時短状態であるときには、通常状態に比べて特別図柄の変動表示時間を短縮させる特図変動短縮制御、通常状態に比べて普通図柄の停止図柄が当り図柄とすることに決定される確率を向上させる普図確変制御、通常状態に比べて普通図柄の変動表示時間を短縮させる普図変動短縮制御、通常状態に比べて可変入賞球装置15の開放時間および開放回数のうち少なくとも一方が遊技者にとって有利な開放態様(開放時間延長、開放回数増大など)とする普電開放延長制御のうち、少なくともいずれか一つの制御を行なうものであってもよく、選択的に複数の制御を組合せて行なうものであってもよく、全ての制御を行なうものであってもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。なお、操作ボタン30は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、第1保留記憶数あるいは第2保留記憶数を1増やすとは、具体的には、後述するように必要な乱数を抽出し、RAM55に設けられている所定の乱数格納領域に当該抽出した乱数を格納することを含む。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン30からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン30からの操作信号に応じて所定の演出を行なう。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。演出表示装置9において変動表示されるとともに停止表示される演出図柄としては、「1」〜「8」の計8個の図柄が設けられている。各演出図柄は、「1」〜「8」のいずれかの数字と、図柄毎に定められたキャラクタとから構成されている。たとえば、「7」の演出図柄としては、「7」の数字と、「7」用のキャラクタ(たとえば髪の毛を下ろした女の子のキャラクタなど、図38参照)とから構成されている。なお、図1、図24〜図26において示される演出図柄としては、説明の便宜上、数字のみ図示しているが、本実施の形態における演出図柄は図38に図示されるように、数字とキャラクタとから構成されている。
VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材84を動作させるためにモータ88を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S12〜S17)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S9〜S11の処理)を行なう。
また、CPU56は、電力供給復旧時のコマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(S11)。そして、S16に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S12)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S14)。
S13およびS14の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S15)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S16)。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S17)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S12〜S17)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S19)および初期値用乱数更新処理(S20)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S18)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S21)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS25〜S39のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S25)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S26)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S27)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S37,S38で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S28)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S29)および表示用乱数更新処理(S30)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S31)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S32)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S33)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S34)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S35)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S36)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S37)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S27において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S38)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S27において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S39)、処理を終了する。
始動入賞を契機として、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の変動表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、小当り図柄が導出表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態では、特別図柄として、「1」〜「8」の8種類の数字が設定されている。「1」〜「8」の特別図柄のうち、「1」〜「3」が15R確変大当り図柄に、「4」および「5」が15R非確変大当り図柄に、「6」が2R確変大当り図柄に、「7」が小当り図柄に、「8」がはずれ図柄に、各々設定されている。なお、“R”は、ラウンドを示す。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに、15R大当りの図柄(「1」〜「5」)が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(たとえば、29秒間)または所定個数(たとえば、10個)の入賞が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる単位ラウンドが開始される。15R大当り状態では、ラウンドの回数は15回である。
また、第1特別図柄表示器8aに2R確変大当りの図柄(「6」)が停止表示された場合には、ラウンドの回数が2回である大当り遊技状態(2R大当り状態)に移行する。また、2R大当り状態では、各ラウンドの開閉板の開時間は、15R大当り状態であるときよりも短い期間(たとえば、0.5秒間)になる。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の変動表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。
2R大当り状態が終了した後にも、遊技状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2R大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄(「7」)が停止表示された場合には、遊技状態が、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に、可変入賞球装置20における開閉板が所定期間(たとえば、0.5秒間)開放状態になって大入賞口が開放される。開放状態になる回数は2回である。ただし、2R大当り状態とは異なり、遊技状態は変更されない。すなわち、小当り遊技状態に制御される前の遊技状態が継続する。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、予め定められた大当り判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口13が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、予め定められた普通図柄当り判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。この実施の形態では、確変状態において、大当りに決定される確率が高くなることに加えて、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる例を示した。しかし、確変状態においては、少なくとも、大当りに決定される確率が高くなればよい。
演出表示装置9の表示領域において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示に対応して、演出図柄の変動表示が行なわれる。すなわち、演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動が開始され、たとえば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて所定順序で演出図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(変動表示期間=変動時間)で、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、演出図柄の変動表示中に、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、演出図柄の変動表示態様等によって遊技者に報知するための演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった演出が実行可能である。
滑り演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(たとえば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(たとえば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(たとえば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方、本実施の形態においては「右」の図柄表示エリア9R)において演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に演出図柄を再変動させること等によって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を仮停止させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
擬似連演出では、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、すべての図柄列(左,中,右)について仮停止させた後に、変動表示を再開(以下、再変動ともいう)する再変動表示を所定回数実行した後、最終の変動において最終停止図柄を停止表示させる演出表示が行なわれる。
擬似連演出が行なわれる変動パターンは、たとえば、その他の変動パターンよりも、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなるように、複数種類の変動パターンから選択される。また、擬似連演出が行なわれる変動パターンは、再変動表示の実行回数(再変動回数)が多い程、大当りとなる信頼度が高くなるように、複数種類の擬似連演出が行なわれる変動パターンから選択される。
擬似連演出が行なわれる変動パターンにおいては、最終の変動以前に行なわれる各変動において演出表示装置9に仮停止される図柄の組合せを、仮停止図柄の組合せという。各変動における仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる予め定められた複数種類のチャンス目のうちからいずれかのチャンス目に決定される。このため、チャンス目が停止されることにより、その後再変動表示が実行されることに対する期待感および大当りとなることに対する期待感を向上させることができる。
また、本実施の形態では、後述するように、演出図柄を停止表示させるタイミングにおいてチャンス目が停止表示される可能性があることを予告するチャンス目予告を実行することができる。これにより、実際にチャンス目が停止されるかやチャンス目が停止される回数だけでなく、演出図柄を停止表示させるタイミングに遊技者の注意を惹くことができ、かつ変動表示中の演出のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上させることができる。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」(「通常はずれ」、「通常変動」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、リーチ状態を構成する演出図柄と異なる演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに2R大当りの図柄である「6」または小当り図柄である「7」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、「非リーチはずれ」の変動表示態様と同様の変動表示態様で変動表示が行なわれる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダムRは、大当りにするか否か、および小当りにするか否かを判定する、当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2−1は、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)を決定する大当り種別判定用のランダムカウンタである。ランダム2−1は、2msec毎に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である9まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2−2は、リーチとするか否か決定するリーチ判定用のランダムカウンタである。ランダム2−2は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である239まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム3は、変動パターンの種類(種別)を決定する変動パターン種別判定用のランダムカウンタである。ランダム3は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である109まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用のランダムカウンタである。ランダム4は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である99まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム5は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する普通図柄当り判定用のランダムカウンタである。ランダム5は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム6は、ランダム5の初期値を決定するランダム5初期値決定用のランダムカウンタである。ランダム6は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度0から加算更新される。
図5に示された遊技制御処理におけるS28では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム2−1)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2−2、ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、ランダムRの値とする当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、当り判定を行なうときに用いるテーブルを示す説明図である。図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。図7(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。図7(C)は、第1特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7(D)は、第2特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。図7(A)および(B)に示すテーブルは、ランダムRと比較される判定値が設定されているテーブルである。
図7(A)に示す大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値に設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値に設定されている。大当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている大当り判定値と一致するか否かを判定することにより行なわれる。一致すると判定したときには、上記の15R確変、15R非確変、2R確変のうちいずれかの大当り遊技状態に制御される。
図7(A)に示されるように、確変時であるときの方が、通常時であるときよりも、大当り判定値が多く設定されている。なお、ランダムRから抽出した値が「1020〜1080」または「13320〜13477」であるときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定される。「1020〜1080」または「13320〜13477」の範囲内の判定値は、確率状態に関わらず、共通の大当り判定値である。
図7(B)に示す小当り判定テーブルには、第1特別図柄用の小当り判定に用いられる第1特図用判定テーブルと、第2特別図柄用の小当り判定に用いられる第2特図用判定テーブルとがある。第1特図用判定テーブルには、図7(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、第2特図用判定テーブルには、図7(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定することにより行なわれる。一致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図7(B)に示されるように、第1特別図柄用の方が、第2特別図柄用よりも、小当り判定値が多く設定されている。なお、小当り判定値の数を第1特別図柄用および第2特別図柄用のうち一方を他方よりも多く設定することにより、小当り確率が異なる例について説明するが、これに限らず、小当り判定値の数を双方同じ数だけ設定することにより、小当り確率が同じになるようにしてもよい。
図7(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値と小当り判定値とを、「当り判定値」とまとめて表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定と小当り判定とを、「当り判定」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値をランダムRの値とするのであるが、ランダムRの値が図7(A),(B)に示すいずれかの判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りまたは小当りにすることに決定する。なお、図7(A),(B)に示す「確率」は、各々、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(C)は、第1特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特図用大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)に基づいて、大当りの種別を「15R確変」、「15R非確変」、「2R確変」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1特図用大当り種別判定テーブルには、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「15R確変」、「15R非確変」、「2R確変」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(D)は、第2特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特図用大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)に基づいて、大当りの種別を「15R確変」、「15R非確変」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2特図用大当り種別判定テーブルには、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「15R確変」、「15R非確変」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、第2特図用大当り種別判定テーブルには、大当り種別のうち、「2R確変」が割振られていないが、「15R確変」の判定値数が第1特図用大当り種別判定テーブルよりも多く設定されている。2R確変大当りおよび小当りは、後述するように、開閉板開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球が得られない当りである。よって、確変中や時短中においては、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるため、第2始動入賞口14への入賞が増えるが、2R確変大当りおよび小当りの発生する割合が低減される。このため、確変状態中においては、15R大当りとなる割合が高まるために出玉性能を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、たとえば、確変大当りが連続した場合の遊技者にとっての有利度合いをより一層高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、第2特図用大当り種別判定テーブルには、大当り種別のうち、「2R確変」が割振られていない例について説明したが、これに限らず、第2特図用大当り種別判定テーブルについて、第1特図用大当り種別判定テーブルと異なる割合となるように、「2R確変」の判定値が設定されているものであってもよい。具体的には、「2R確変」になる割合が、第1特図用大当り種別判定テーブルを用いた場合には2/10であるのに対し、第2特図用大当り種別判定テーブルを用いた場合には1/10となるように、「2R確変」の判定値が設定されているものであってもよい。
また、第1特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合とが等しくなるように設定されている。
大当り種別が「15R確変」または「15R非確変」であるときには、1ラウンドの開放態様として、大入賞口が29秒開放するか所定数入賞することにより閉鎖される。15Rの大当り遊技状態では、1ラウンドの開放態様が、15ラウンド、すなわち15回繰り返し行なわれる。
また、大当り種別が「2R確変」であるときには、1ラウンドの開放態様として、大入賞口が0.5秒開放した後に閉鎖して終了する。2Rの大当り遊技状態では、1ラウンドの開放態様が、2ラウンド、すなわち2回繰り返し行なわれる。また、当り種別が「小当り」であるときには、「2R確変」であるときと同様に、1回開放時の開放態様として、大入賞口が0.5秒開放した後に閉鎖して終了する。小当り遊技状態では、1回開放時の開放態様が、2回繰り返し行なわれる。
ここで、「小当り」となったときと「2R確変」となったときとの開放態様を対比すると、「小当り」となったときには、「2R確変」となったときと実質的に同じ態様で当り遊技が行なわれる。このため、遊技者は、当り遊技の開放態様から、小当りであったのか2R確変であったのかを特定することができない。その結果、小当りとなって当り遊技が行なわれたときにも、遊技者に対して2R確変が発生したかのような印象を抱かせることができる。すなわち、小当りを2R確変のいわゆる偽(ガセ)の当りとして用いることができる。また、「小当り」は、大入賞口の開放態様から「2R確変」であるのか「小当り」であるのか見分けが付かない。このため、当り遊技の開放態様から、確変になったのか否か特定できないような状態(いわゆる隠れ確変状態)を作ることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
このような「小当り」となる確率は、図7(B)に示すように、第2特別図柄側よりも第1特別図柄側の方が高くなるように設定されている。また、「小当り」となる確率と対応させて、図7(C)および(D)に示すように、大当りの種別として、第1特別図柄側においては「2R確変」が選択されるのに対し、第2特別図柄側においては「2R確変」が選択されないように設定されている。すなわち、「2R確変」となる確率は、第2特別図柄側よりも第1特別図柄側の方が高くなるように設定されている。たとえば、「2R確変」となる確率が低い第2特別図柄側における「小当り」の確率を、第1特別図柄側と同程度に設定した場合には、第2特別図柄側において2回開放の当りとなったときの当り種類が「小当り」である割合が高まり、遊技者に「小当り」であることが予想されてしまうため、上記のような隠れ確変状態を作りにくくなり、遊技の興趣低下につながる虞がある。よって、本実施の形態においては、遊技者に「小当り」であることが予想されにくいようにし、上記のような隠れ確変状態を作りやすくするために、第2特別図柄側においては、「2R確変」となる確率を低減させるとともに、「小当り」の確率についても低くなるように設定されている。
図8は、当り判定によりはずれと判定されたときであってリーチを発生させるか否かのリーチ判定を行なうときに用いるリーチ判定テーブルを示す説明図である。なお、リーチ判定テーブルとランダム2−2から抽出した値とを用いて、リーチありか否かを判定することを、リーチ判定という。
図8で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。図8に示すテーブルは、ランダム2−2と比較される判定値が設定されているテーブルである。本実施の形態における、リーチ判定に用いる判定値は、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて異なる判定値が設定されている。
保留記憶数が「0〜2」であるときで、ランダム2−2から抽出した値が、「1〜30」であるときにはリーチありと判定され、「31〜239」であるときにはリーチなしと判定される。
保留記憶数が「3〜5」であるときで、ランダム2−2から抽出した値が、「1〜25」であるときにはリーチありと判定され、「26〜239」であるときにはリーチなしと判定される。
保留記憶数が「6〜8」であるときで、ランダム2−2から抽出した値が、「1〜20」であるときにはリーチありと判定され、「21〜239」であるときにはリーチなしと判定される。
以上のように、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数が多いほど、当該変動表示においてリーチになる確率が低くなり、当該保留記憶数が少ないほど当該変動表示においてリーチになる確率が高くなるように、リーチ判定テーブルの判定値が設定されている。本実施の形態における変動パターンから特定される変動時間は、リーチとならない変動パターンよりも、リーチとなる変動パターンの方が長くなるように設定されている。これにより、保留記憶数が多いときには、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低くなる。その結果、平均変動時間を短縮させることができ、保留記憶数が上限であるために保留記憶されないような無効始動の発生を低減することができる。
なお、リーチ判定値のうち「1〜20」の判定値は、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に関わらず、必ずリーチありと判定される、共通のリーチ判定値である。
図8のテーブルで示す保留記憶数は、判定対象となる保留記憶を含めない数をいう。すなわち、保留記憶がされる直前における保留記憶数を示している。このため、図8に示すように保留記憶数の上限数を“8”とすると、判定対象となる保留記憶を含めた場合に保留記憶数の上限数は、実質的に“9”まで記憶することが可能となる。しかし、これは、後述する図14のS302(図18のS58)において合算保留記憶数を1減算する処理を行なってから、S303においてリーチ判定が行なわれるまでの間に、始動入賞する場合も予想され、このような状況における始動入賞をも踏まえてリーチ判定を行なうことができるように構成されている。
次に、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。変動パターンテーブルとしては、ROM54に、非リーチはずれ時判定テーブル、リーチはずれ時判定テーブル、15R大当り時判定テーブル、および、2R確変・小当り時判定テーブルが記憶されており、選択的に用いられる。
非リーチはずれ時判定テーブルは、当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、リーチ判定によりリーチとしないことが決定されたとき、すなわち「非リーチはずれ」とすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。リーチはずれ時判定テーブルは、当り判定によりはずれとすることが決定され、かつ、リーチ判定によりリーチとすることが決定されたとき、すなわち「リーチはずれ」とすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。15R大当り時判定テーブルは、当り判定により15R大当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。2R確変・小当り時判定テーブルは、当り判定により2R確変あるいは小当りとすることが決定されたときに用いられる変動パターンテーブルである。
図9は、非リーチはずれ時判定テーブルおよびリーチはずれ時判定テーブルを示す説明図である。非リーチはずれ時判定テーブルは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
非リーチはずれ時判定テーブルおよびリーチはずれ時判定テーブルにおいては、変動パターン種別により、リーチの種類等変動パターンの大分類(種別)が特定される。変動パターンは、演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。
図9において、(A)には非リーチはずれ時判定テーブルが示され、(B)にはリーチはずれ時判定テーブルが示されている。
(A)および(B)のそれぞれにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図9(B)を例にとれば、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム3(0〜109)のすべての値が、r5で示される第1の数値範囲、r6で示される第2の数値範囲、および、r7で示される第3の数値範囲のような複数の数値範囲で割振られている。所定のタイミングで抽出したランダム3の値がr6の数値範囲のいずれかの数値と一致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチA」とすることが決定される。
(A)および(B)のそれぞれにおいて、「ランダム4範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム4範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図9(B)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なしノーマルはずれ」、「擬似連1回ノーマルはずれ」、「擬似連2回ノーマルはずれ」、および、「滑り」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム4(0〜99)のすべての値が、たとえばr8〜r11というような複数の数値範囲で割振られている。たとえば、「スーパーリーチA」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム4の値がr12〜r15の数値範囲のうちのr12の数値範囲のいずれかの数値と一致すると、変動パターンとして「擬似連なしスーパーチAはずれ」とすることが決定される。
また、(A)および(B)のそれぞれにおいて、変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図9(B)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「擬似連なしノーマルはずれ」、「擬似連1回ノーマルはずれ」、「擬似連2回ノーマルはずれ」、および、「滑り」である。
(A)においては、変動パターン種別として「第1通常」と「第2通常」との種別が設定されている。非リーチはずれとなるときには、「第1通常」と「第2通常」とのいずれかの種別に属する変動パターンが選択される。
(B)の「変動パターン種別」の欄において、「ノーマルリーチ」の種別は、変動中にリーチになるものの特別なリーチ演出が行なわれることなく停止する変動パターンであるノーマルリーチが属する種別である。また、「スーパーリーチA」の種別は、変動中に特別なリーチ演出が行なわれる複数種類の「スーパーリーチA,B」のうち、大当りとなるときに選択される割合がスーパーリーチBよりも低く設定されたスーパーリーチAが属する種別である。また、「スーパーリーチB」の種別は、複数種類の「スーパーリーチA,B」のうち、大当りとなるときに選択される割合がスーパーリーチAよりも高く設定されたスーパーリーチBが属する種別である。
変動パターンの欄において、「擬似連なし」は、擬似連演出が行なわれない変動パターンである。「通常」はリーチとならずはずれとなる変動表示を示している。「滑り」は、滑り演出が行なわれる変動表示を示している。「ノーマル」はリーチ状態となったときのノーマルパターンのリーチ演出が行なわれる変動表示を示している。「スーパーA」は、リーチ状態となったときのスーパーAに対応するパターン(たとえば、スーパーA用のキャラクタ出現)のリーチ演出が行なわれる変動表示を示している。「スーパーB」は、リーチ状態となったときのスーパーBに対応するパターン(たとえば、スーパーB用のキャラクタ出現)のリーチ演出が行なわれる変動表示を示している。「擬似連あり」あるいは「擬似連1回」は、擬似連で再変動が1回行なわれる変動パターンである。なお、「擬似連あり」が選択された場合には、再変動が1回行なわれた後、最終変動においてリーチ状態とならず非リーチはずれとなる。「擬似連2回」は、擬似連で再変動が2回行なわれる変動パターンである。「擬似連3回」は、擬似連で再変動が3回行なわれる変動パターンである。「擬似連4回」は、擬似連で再変動が4回行なわれる変動パターンである。「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。これらに基づいて、たとえば、「擬似連2回ノーマルはずれ」という変動パターンは、擬似連で再変動が2回行なわれるときに最後の再変動でノーマルリーチの演出が行なわれる変動パターンである。
図9(A)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「擬似連なし通常変動」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連あり」や「滑り」のような特定の演出が実行され得る変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。
図9(B)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合の方が、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」のようなスーパーリーチとなる変動パターン種別が選択される割合よりも高くなるように、ランダム3の値と比較される数値であって、変動パターン種別を判定するために用いられる変動パターン種別判定値が割振られている。また、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「スーパーリーチ」の変動パターン種別については、「スーパーリーチA」が選択される割合の方が「スーパーリーチB」が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。
また、図9(B)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「擬似連なし」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連1回」および「擬似連2回」のような擬似連となる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、擬似連の変動パターンについては、再変動回数が少ない程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、スーパーリーチとなる変動パターン種別においては、「擬似連3回」というノーマルリーチとなる変動パターン種別に属していない変動パターンが属する。これにより、擬似連における再変動の回数が多いほどスーパーリーチとなりやすくなるように設定することができる。
図10は、15R大当り時判定テーブルを示す説明図である。15R大当り時判定テーブルは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。15R大当り時判定テーブルにおけるランダム3と変動パターン種別との対応関係、および、ランダム4と変動パターンとの対応関係は、リーチはずれ時判定テーブルの場合と同様である。
15R大当り時判定テーブルにおいては、変動パターン種別により、変動パターンにおけるリーチの種類等変動パターンの大分類(種別)が特定される。変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。
図10に示すように、15R大当り時変動パターン種別判定テーブルでは、「15R非確変大当り」、および、「15R確変大当り」という大当り種別ごとに、非リーチはずれ時判定テーブルと同様に「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチA」、および、「スーパーリーチB」の変動パターン種別が設定されている。各大当り種別の変動パターン種別のそれぞれには、図9のリーチはずれ時変動パターン種別テーブルと同様に、ランダム3(0〜109)のすべての値が、複数の数値範囲で割振られている。これにより、15R大当りとなるときには、所定のタイミングで抽出したランダム3の値が一致する数値範囲に対応する変動パターン種別とすることが決定される。図10の変動パターンの欄において、「ノーマル」、「スーパーA」および「スーパーB」のように、図9(B)の変動パターンの欄に示された変動パターン名と同じ変動パターン名の変動パターンは、同じ変動態様で変動表示が実行される変動パターンである。これにより、大当りとなるときも、はずれとなるときも、変動表示が実行されるときにおいて、ある程度の時間が経過するまでは、同様の変動態様で変動表示が行なわれるので、はずれとなることが早々と遊技者に知られてしまわないようにすることができる。
「15R非確変大当り」における「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「ノーマル大当り」、「擬似連3回ノーマル大当り」、および、「滑り」が属する。「15R確変大当り」における「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「ノーマル大当り」、「擬似連4回ノーマル大当り」、および、「滑り」が属する。したがって、擬似連においてノーマルリーチとなるときには、擬似連での再変動回数が3回のような所定回数以上になると所定回数未満のときよりも大当りになる割合が高く(たとえば、100%)、かつ、擬似連での再変動回数が4回のような予め定められた回数になると所定回数未満のときよりも確変状態になる割合が高く(たとえば、100%)なるようにデータが設定されている。なお、擬似連においてノーマルリーチとなるときには、擬似連での再変動回数が多い程、大当りになる割合が高く、かつ、確変状態になる割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
「15R非確変大当り」、および、「15R確変大当り」のそれぞれの「スーパーリーチA」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「擬似連なしスーパーA大当り」、「擬似連1回スーパーA大当り」、「擬似連2回スーパーA大当り」、「擬似連3回スーパーA大当り」、および、「擬似連4回スーパーA大当り」が属している。また、「15R非確変大当り」、および、「15R確変大当り」のそれぞれの「スーパーリーチB」の変動パターン種別には、変動パターンとして、「擬似連なしスーパーB大当り」、「擬似連1回スーパーB大当り」、「擬似連2回スーパーB大当り」、「擬似連3回スーパーB大当り」、および、「擬似連4回スーパーB大当り」が属している。
また、図10の変動パターンの欄において、「擬似連4回」が特定された変動パターンは、大当りとなるときにのみ選択される変動パターンである(はずれとなるときの最大の擬似連回数は3回)。したがって、変動表示において擬似連の再変動が4回実行されたときには、必ず大当りとなる。これにより、擬似連における再変動の回数が多いほど大当りとなりやすくなるように設定することができる。
図10においては、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」のようなスーパーリーチとなる変動パターン種別が選択される割合の方が、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。また、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「スーパーリーチ」の変動パターン種別については、「スーパーリーチB」が選択される割合の方が「スーパーリーチA」が選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。このように大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「スーパーリーチ」となる変動パターンが選択される割合が高いので、「スーパーリーチ」となる変動パターンで変動表示が実行されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。さらに、このように大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「スーパーリーチA,B」のうち「スーパーリーチB」となる変動パターンが選択される割合が高いので、「スーパーリーチB」となる変動パターンで変動表示が実行されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、図10においては、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「擬似連1回」〜「擬似連4回」のような擬似連となる変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連なし」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、擬似連の変動パターンについては、再変動回数が多い程、選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られている。これにより、擬似連の変動パターンが実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高め、さらに、擬似連での再変動回数が多くなるほど、遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができる。
また、変動パターン種別のうちスーパーリーチAおよびスーパーリーチBについては、はずれリーチ時よりも15R大当り時の方が選択される割合が高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。すなわち、リーチのうちスーパーリーチAおよびスーパーリーチBは、ノーマルリーチよりも15R大当りとなる信頼度が高い変動パターン種別であるといえる。15R大当りとなる信頼度とは、15R大当りになるときとそれ以外(はずれや小当りを含む)になるときとを含むすべての選択割合に対して、15R大当りとなるときに選択される割合の度合い、あるいは15R大当りとなる割合の程度、すなわち、15R大当りとなる信頼性の度合いをいう。
また、スーパーリーチのうち特に、スーパーリーチBは、スーパーリーチAよりも信頼度が高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。このため、スーパーリーチBを特定変動パターン種別といい、変動パターン種別としてスーパーリーチBが選択されたときに、決定され得る変動パターンを特定変動パターンという。また、スーパーリーチB以外の変動パターン種別を非特定変動パターン種別といい、非特定変動パターン種別が選択されたときに決定され得る変動パターンを非特定変動パターンという。特定変動パターンとは、本実施の形態においては、前述した15R大当りとなる信頼度が高い変動パターンをいう。
特定変動パターンにより変動表示が実行されなかったときよりも、特定変動パターンにより変動表示が実行されたときの方が、大当りとなる信頼度が高くなるように判定値数が設定されている。言い換えると、特定変動パターンは、識別情報の表示結果が非特定表示結果となるときよりも特定表示結果となるときの方が実行される割合が高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。その結果、特定変動パターンにより変動表示が実行されなかったときよりも、特定変動パターンにより変動表示が実行されたときの方が、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる。
また、本実施の形態では、後述するように、15R大当りとなる信頼度が高い特定変動パターンとなる可能性があることを、当該変動表示以前に実行される変動表示中において予告する先読み予告演出を実行することができる。これにより、特定変動パターンにより変動表示が実行される以前の段階から遊技者の注意を惹くことができ、かつ変動表示中の演出のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上させることができる。本実施の形態における先読み予告演出は、変動表示の表示結果として、複数種類のチャンス目のうちからいずれかのチャンス目を停止表示させることにより行なわれる。このため、チャンス目が停止されることにより、その後において特定変動パターンにより変動表示が行なわれることに対する期待感および大当りとなることに対する期待感を向上させることができる。
また、本実施の形態では、後述するように、演出図柄の表示結果を停止させる停止タイミングにおいて、当該変動表示の表示結果としてチャンス目が停止される可能性があることを予告するチャンス目予告演出を実行することができる。これにより、実際にチャンス目が停止されるかやチャンス目が連続して停止される回数だけでなく、演出図柄の停止タイミングに遊技者の注意を惹くことができ、かつ変動表示中の演出のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を向上させることができる。
図11は、2R確変・小当り時判定テーブルを示す説明図である。2R確変・小当り時判定テーブルは、ランダム3と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム4と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。2R確変・小当り時判定テーブルにおけるランダム3と変動パターン種別との対応関係、および、ランダム4と変動パターンとの対応関係は、非リーチはずれ時判定テーブルの場合と同様である。
図11に示すように、2R確変・小当り時変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別として「第1当り」と「第2当り」との種別が設定されている。変動パターンの欄において、「当り」は2R確変あるいは小当りとなる変動表示を示している。図11では、「擬似連なし当り変動」のような擬似連とならない変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連あり」や「滑り」のような特定の演出が実行され得る変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。
図11の変動パターンは、図9(A)の変動パターンと同じ変動態様で変動表示が実行される。すなわち、図11の擬似連なし当り変動、擬似連あり当り変動、および滑り変動は、各々、図9(A)の擬似連なし通常変動、擬似連あり通常変動、および滑り変動と同じ変動態様で変動表示が行なわれる。これにより、2R確変あるいは小当りとなるときでも、はずれとなるときと同じ変動表示が実行されため、2R確変あるいは小当りとなることを遊技者に知られてしまわないようにすることができる。
なお、図9〜図11に示すテーブルでは、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に関わらず、同じ割合で変動パターン種別判定が行なわれて変動パターンが選択される例について説明した。しかし、変動パターン種別および変動パターンのうち少なくとも一方は、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて選択される割合が異なるように判定値が設定されているテーブルを用いて選択するように構成してもよい。たとえば、保留記憶数に応じて異なる変動パターン種別判定値が設定されている場合(変動パターン種別の選択割合を異ならせる場合)において、保留記憶数が多いほど変動パターン種別としてノーマルリーチが決定されやすいように判定値が設定されているテーブルを用いてもよい。ノーマルリーチは、スーパーリーチと比べて短い変動時間が設定されている。これにより、保留記憶数が多いときの平均変動時間を短縮させることができ、無効始動の発生を低減することができる。
なお、保留記憶数に応じて異なる変動パターン種別判定値が設定されている場合(変動パターン種別の選択割合を異ならせる場合)、前述した特定変動パターン種別の判定値として、保留記憶数に関わらず、共通の変動パターン種別判定値が割り当てられており、特定変動パターン種別以外の変動パターン種別については保留記憶数に応じて異なる変動パターン種別判定値が割り当てられているように構成してもよい。たとえば、ランダム2−2から抽出した乱数値が、図8で示した、保留記憶数に関わらずリーチありと判定される「1〜20」の判定値であり、かつ、ランダム3から抽出し得る乱数値のうち、所定の判定値(たとえば、90〜99)であれば、保留記憶数に関わらず必ず特定変動パターンに決定されるように構成してもよい。これにより、たとえば保留記憶数に応じて特定変動パターン種別に決定される確率が低下し、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。本実施の形態においては、後述するように15R大当りとなる信頼度が高い特定変動パターンとなることを予告する先読み予告演出が実行される。前述したように、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くならないようにすることができるため、その結果、予告演出が実行される頻度についても著しく低くなることを防止することができる。また、特定変動パターン種別に決定される判定値と一致するときには、保留記憶数に関わらず、常に特定変動パターン種別に決定される。このため、予告演出が実行されたにも関わらず、特定変動パターンが発生しないといった不都合の発生を防止あるいは低減させることができる。
なお、本実施の形態においては、変動パターン種別を決定する手法として、まず当り判定結果に応じてリーチ判定を行ない、該判定結果に応じたテーブルを用いて変動パターン種別を決定する2段階決定手法を採用した例について説明した。しかし、変動パターン種別を決定する手法としては、これに限らず、たとえば、当り判定の結果に応じて変動パターン種別を決定するためのテーブルを設けて、1段階決定するものであってもよい。すなわち、図8のようなテーブルを備えていないものであってもよい。
具体的には、15R大当り時用として図10のテーブルが、2R確変・小当り時用として図11のテーブルが、はずれ時用として第1通常、第2通常、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBのうちいずれかに決定するテーブルが設けられているものであってもよい。はずれ時用のテーブルが参照された場合、変動パターン種別を決定することにより、リーチ状態にするか否かも決定される。このように構成する場合であっても、特定変動パターン種別の判定値として、保留記憶数に関わらず、共通の判定値を割り当て、特定変動パターン種別以外の変動パターン種別の判定値については保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられるように構成してもよい。これにより、変動パターン種別を決定する手法として2段階決定手法を採用した場合と比較して、決定回数が少なくなるために、特定変動パターンおよび予告が実行される頻度を高めることができ、遊技者の期待を煽る機会を増大させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図9〜図11で示したテーブルでは、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に関わらず、決定される例について説明した。しかし、これに限らず、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に応じたテーブルを用いて、決定されるようにしてもよい。たとえば、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態各々に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するためのテーブルが設けられているものであってもよい。
図9〜図11などに示すテーブルを用いて変動パターンが決定されると、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドが、変動表示の開始を示す演出制御コマンドとして、遊技制御用マイクロコンピュータから演出制御用マイクロコンピュータへ送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータは、そのような変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信したときに、受信したコマンドの指示内容を解析し、受信したコマンドに対応して、演出図柄の制御に加え、スピーカ27からの音の出力制御、および、各種ランプの発光制御を行なう。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。言い換えると、図9〜図11に示されたテーブルを用いて決定され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な変動パターンコマンドが予め設定されている。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄変動表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、当りとするか否か、および当りの種別(はずれ、15R確変、15R非確変、2R確変、小当り)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C08(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
図12に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄(演出図柄)の変動表示と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄(演出図柄)の変動表示とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行なうのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行なうのかを判定するために使用される。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C0」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C1」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。図13に示すように、始動入賞指定コマンドの下位バイトにより、当りの種類および変動パターン種別などの情報を含む先読み判定結果を特定することができる。
先読みとは、始動入賞時に抽出されている乱数値に基づいて変動開始時に当り判定や変動パターン設定を行なう前、すなわち、始動入賞が発生したときに抽出した乱数値が当該始動入賞に基づき変動が開始されるタイミングでどのように決定されるかを事前に判定することをいう。また、先読み判定結果とは、先読みによって得た判定結果をいう。本実施の形態では、始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、始動入賞時に早々と、当り判定、リーチ判定および変動パターン種別を先読みして先読み判定結果を得るための制御が実行される。先読み判定結果は、始動入賞指定コマンドの下位バイトである「XX」により判定結果が特定されるように構成されている。本実施の形態においては、後述するように当該始動入賞指定コマンドに基づき、当該始動入賞による変動表示開始前の段階から予告が実行される。
コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を特定するための合算保留記憶数指定コマンドを送信して指定するようにしてもよい。
以上説明した演出制御コマンドは、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、このようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、有効な始動入賞に基づいて保留表示を行なう場合に、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に前述した先読みを行なった場合には、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信する。
本実施の形態においては、先読み判定結果と、始動入賞があったことすなわち保留記憶されたこととを、始動入賞指定コマンドにより特定される例について説明するが、始動入賞指定コマンドにより先読み判定結果のみが特定されるようにし、保留記憶されたことについては始動入賞指定コマンドと別のコマンド(たとえば、第1保留記憶および第2保留記憶のうちいずれの保留記憶が増加したかを特定可能な保留記憶コマンドなど)により特定されるように構成してもよい。
図13は、始動入賞指定コマンドを具体的に説明するための図である。前述したように、始動入賞指定コマンドの上位バイトとしては、第1始動入賞口13への入賞が第1始動口スイッチ13aによって検出された場合に「C0」が設定され、第2始動入賞口14への入賞が第2始動口スイッチ14aによって検出された場合に「C1」が設定される。
始動入賞指定コマンドの下位バイトとしては、たとえば、すでに大当りとなることが先読み判定されているときなど、先読みの禁止状態に設定されているときで当該始動入賞に対する先読みが行なわれなかった場合に判定なしを特定する「00」が設定され、先読み判定結果がはずれで第1通常と判定されたときに「01」が設定され、先読み判定結果が15R確変でノーマルリーチと判定されたときに「09」が設定される。その他の先読み判定結果についても同様に、一の先読み判定結果が特定されるように予め定められているデータが、始動入賞指定コマンドの下位バイトとして設定される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、当該始動入賞指定コマンドに基づき、保留表示するための処理、先読み予告を実行するか否かを判定するための処理などを行なう。先読み予告とは、先読み判定結果に関する情報を、当該始動入賞に起因する変動表示開始前の段階から、複数回の変動表示に亘り連続して予告報知する演出をいう。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示を開始する度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに基づき、飾り図柄変動表示を開始するように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
図14は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S31)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S300,S301)。そして、S302〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S302〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。S302〜S312の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S303でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307またはS310に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
ラウンド開始前処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。ラウンド開始前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによってラウンド中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では6)に更新する。なお、ラウンド開始前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、ラウンド開始前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が時短状態であり、時短フラグがセットされていたときには、時短フラグがリセットされる。
ラウンド中処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中または小当り遊技中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では5)に更新する。本実施の形態における大入賞口の閉成条件は、たとえば、遊技球が大入賞口に所定数(たとえば10)入賞することや、大入賞口が開放してから所定時間(たとえば29秒)経過することにより成立するように設定されている。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。具体的に、15R確変大当り図柄や2R確変大当り図柄が停止して発生する確変大当りが終了したときには、確変フラグがセットされ、15R非確変大当り図柄が停止して発生する非確変大当りが終了したときには、時短フラグがセットされる。また、大当りフラグをリセットする処理を行なう。また、先読み大当りフラグがセットされているときには、当該フラグをリセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。
なお、先読み大当りフラグは当該保留記憶に基づく変動表示が終了したタイミングにリセットするように構成してもよい。これにより、大当り遊技中に入賞した始動入賞について後述する先読み判定を行なうことができるため、当該大当りが終了したときから先読み判定結果に基づく先読み予告演出を行なうことができる。たとえば、大当り遊技が終了した後、初回の変動表示から以降複数回の変動表示に亘り先読み予告演出を行なうことができる。
小当り開放前処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS311に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S311):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS312に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S312):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。また、小当りフラグをリセットする処理を行なう。
図15は、S301の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(S212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、S221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図17(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図17(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図17(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図17(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図17(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図17(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、保留記憶方式は、上記のように、保有特定領域および保存領域など、複数の領域を用いるものに限らず、一の所定領域を用いて記憶されるものであってもよい。保留記憶方式は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々への入賞に起因して抽出される乱数を、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々に定められた上限数(たとえば4)まで、入賞順を特定可能に記憶される方式であれば、どのような方式であってもよい。たとえば、一の領域を用いて、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のうちいずれへの入賞かを特定するためのデータと当該入賞に起因して抽出される乱数を特定するためのデータとを対応付けて、入賞順に、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々に定められた上限数(たとえば4)まで記憶する方式であってもよい。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S215)。なお、S215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2−1、2−2、3、4(図6参照)が、保存領域に格納される。これにより、大当り判定用の乱数、大当り種類決定用の乱数、リーチ判定用の乱数、変動パターン種別決定用の乱数、および変動パターン決定用の乱数が抽出されて保留記憶される。なお、変動パターン決定用の乱数(ランダム4)は、変動開始時に抽出するようにしてもよい。なぜなら、本実施の形態において始動入賞時に行なわれる先読み処理では、変動パターン種別について判定されるが、変動パターンまで判定しないように構成されているためである。これにより、たとえば変動開始時にランダム4から抽出した乱数値をレジスタに読み出して変動パターンの決定に用いることができるため、乱数の格納領域を削減することができ、RAM50の使用領域を削減できる。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S216)。そして、CPU56は、後述する先読み処理において15R大当りになると判定されたときにセットされる先読み大当りフラグがセットされているか否か、すなわち15R大当りとなる保留記憶が存在するか否かを判定する(S217)。
先読み大当りフラグがセットされていないときには、後述する第1先読み処理を行ない(S218)、S219に移行する。第1先読み処理においては、今回の第1始動入賞により抽出した乱数値に基づき、当りになるか否かおよび変動パターン種別がどの種別であるかを先読みする処理が行なわれる。
S219においては、第1先読み処理における先読み判定結果に応じた第1始動入賞指定コマンドをセットする。セットされたコマンドは、演出制御コマンド制御処理(図5のS33)において、送信する処理が行なわれる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドに基づき、保留表示を行なうとともに、先読み予告を実行するか否かの決定を行なう。
S217において先読み大当りフラグがセットされていると判定されたときには、15R大当りになる保留記憶がすでに存在するために、当該始動入賞について先読み処理を行なうことなく、S220に移行する。これにより、すでに15R大当りになる保留記憶が存在するときに、その後の保留記憶に対して先読み処理が行なわれること、および先読み予告の途中で大当りになるなど不自然な先読み予告が行なわれることを防止することができる。
なお、図15の始動口スイッチ通過処理においては、S217の処理、および後述するS227の処理を行なわずに、全ての始動入賞に対して先読み処理を行なわせるようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側において始動入賞指定コマンドを受信したときにS217の処理とS227の処理とに相当する処理を行なうように構成してもよい。このように構成した場合であっても、先読み予告の途中で大当りになるなど不自然な先読み予告が行なわれることを防止することができる。
S220においては、判定結果なしの第1始動入賞指定コマンドをセットする。これにより、始動入賞に基づく保留表示が行なわれる。
S221〜S230については、S211〜S220で示した処理と同様に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことを条件として、保留特定領域に「第2」をセットし抽出した乱数を第2保留記憶数バッファに保存し(S224、S225)、合算保留記憶数カウンタの値および先読み大当りフラグなどに基づいて第2先読み処理が行なわれたときには該先読み判定結果に応じた第2始動入賞指定コマンドをセットし(S229)、第2先読み処理が行なわれなかったときには判定結果なしの第2始動入賞指定コマンドをセットする(S230)処理が行なわれる。
なお、S213〜220bの処理とS223〜230bの処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。このようにS213〜218の処理とS223〜228の処理とを1つの共通ルーチンで実現する場合には、図17に示す保留記憶バッファを、第1保留記憶(第1特別図柄)と、第2保留記憶(第2特別図柄)とで共通使用してもよい。具体的には、そのような共通の保留記憶バッファにおいて、各保存領域に、入賞が生じた順に、「第1」,「第2」のどちらの保留記憶であるかという情報、および、抽出した乱数値(ランダムR、ランダム2−1、2−2、3、4など)を示す情報を格納していき、格納した順番にしたがって読出して変動表示に用いるようにすればよい。そして、前述した実施形態の場合と同様に、「第1」,「第2」の各保留記憶については、別個に保留記憶数の最大値を管理すればよい。
図16は、S218の第1先読み処理を示すフローチャートである。CPU56は、S215において抽出したランダムRの値が通常時の大当り判定値(図7(A)における通常時の判定値(共通の大当り判定値))であるか否かを判定する(S240)。このように、先読み処理での大当り判定においては、通常時の大当り判定値(共通の大当り判定値)が用いられる。このため、実際に変動表示を開始するときの遊技状態が確変状態であるか否かまで先読みすることなく、先読み処理において大当りと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてはずれになるといった不都合の発生を防止することができる。なお、先読み処理における大当り判定は、確変状態中であるときには確変時であるときの大当り判定値を用いて行なってもよい。この場合でも、図15のS217やS227において先読み大当りフラグがセットされているときには先読み処理自体行なわれないため、先読み処理において大当りと判定されたにも関わらず変動開始時において大当りにならないと判定されるような、先読み処理時と変動開始時とにおいて齟齬が生じることを防止することができる。
S240において、通常時の大当り判定値であると判定されたときには、図7(C)で示した第1特図用大当り種別判定テーブルを選択し(S241)、S215においてランダム2−1から抽出した値に基づいて大当り種別を判定する(S242)。そして、CPU56は、当該大当り種別が15R大当りであったか否かを判定し(S243)、15R大当りであったときには先読み大当りフラグをセットする(S244)一方、15R大当りでなかったときにはS244へ移行させずに、S245へ移行する。S245においては、S242で判定された大当り種別に応じた大当り用変動パターン種別判定テーブルを選択し、S215においてランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する(S252)。なお、S240で大当りと判定されたときには、大当り種別および変動パターン種別を判定することなく、大当りを示す始動入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、S240で大当りと判定されたときには、15R大当りになるか否かを判定し、15R大当りとなるときに変動パターン種別を判定することなく、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。
一方、S240において通常時の大当り判定値でないと判定されたときには、小当り判定値(図7(B)、第1特図の場合には左欄の判定値参照)であるか否かを判定する(S246)。小当り判定値であると判定されたときには、図9(E)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択し(S247)、S252に移行してランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する。
S246において小当り判定値でないと判定されたときには、図8に示すリーチ判定テーブルを参照し、保留記憶数が6〜8の判定値(共通のリーチ判定値)とS215において抽出したランダム2−2からの値とに応じてリーチの有無を判定する(S248)。このように、先読み処理でのリーチ判定においては、保留記憶数が6〜8の判定値(共通のリーチ判定値)が用いられる。このため、たとえば、先読み処理においてリーチと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてリーチにならないといった不都合の発生を防止することができる。
S248による判定の結果、リーチにするか否かを判定し(S249)、リーチにすると判定されたときには、図9(B)に示すはずれリーチ用変動パターン種別判定テーブルを選択し(S250)、リーチにしないと判定されたときには、図9(A)に示す非リーチはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択し(S251)、S252に移行してランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する。
なお、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて異なる割合で変動パターン種別を選択し、かつ特定変動パターン種別については保留記憶数に関わらず共通の判定値が割り当てられている場合、S252においては、共通の判定値(保留記憶数に関わらず常に特定変動パターンに決定される判定値)を用いて特定変動パターン種別となるか否かを先読み判定するように構成してもよい。これにより、たとえば保留記憶数に応じて特定変動パターン種別に決定される確率が低下し、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。また、先読みで特定変動パターン種別と判定されたときには、実際の変動表示においても特定変動パターンにより変動表示が行なわれる。その結果、たとえば、先読み処理において特定変動パターンにより変動表示が行なわれてスーパーリーチBが実行されると判定されたにも関わらず実際の変動表示において特定変動パターンにより変動表示が行なわれずスーパーリーチBが実行されないといった不都合の発生を防止することができる。
図16において第1先読み処理について説明したが、第2先読み処理においても、第1先読み処理と同様に、第2始動入賞に基づき抽出した乱数値に基づき所定のテーブルを参照して先読み判定を行なう処理が行なわれる。具体的に、第2先読み処理においては、第1先読み処理における「第1」を「第2」に読み換え、かつ、S243に相当する判定処理を行なわずに、S242に相当する処理を実行した後にS244に相当する処理に移行する。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S302)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図17(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および保存領域各々の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。
特別図柄通常処理では、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S302〜S312の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、当り判定を実行する(S61、S62)。当り判定では、遊技状態に応じて予め決められている大当り判定値(図7(A)、(B)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行する。なお、変動開始時における当り判定では、現在の遊技状態に対応する判定値が用いられる。このため、先読み時において当りでないと判定されたときであっても変動開始時において当りと判定される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み予告が行なわれていないときであっても、当りになることに対し遊技者に期待感を抱かせることができる。
当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。S61において大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次の大当りが発生したときの大当り遊技の開始時においてリセットされる(次の大当りが確変となる大当りであっても、大当り遊技の開始時に一旦リセットされる)。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(S62)。一致した場合には、小当りフラグをセットする(S63)。そして、S75に移行する。小当り判定値に一致しない場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第1特別図柄を対象とする場合には図7(C)に示すテーブルを選択し、第2特別図柄を対象とする場合には図7(D)に示すテーブルを選択する(S72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変」、「15R非確変」、「2R確変」)を大当りの種別に決定する(S73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「15R非確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「2R確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「8」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」〜「6」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「2R確変」に決定した場合には、2R大当り図柄となる「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変」に決定した場合には「1」〜「3」のいずれかを、「15R非確変」に決定した場合には「4」または「5」を、特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S303)に対応した値に更新する(S76)。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S303)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S95)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、S74で記憶される大当り種別に基づいたテーブルを選択する(S96)。たとえば、15R確変大当りであったときには、図10の15R大当り時判定テーブルの15R確変大当りのテーブルを選択し、2R確変大当りであったときには、図11の2R確変・小当り時判定テーブルを選択する。そして、S103に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S97)。小当りフラグがセットされている場合(S97でYの場合)には、図11の2R確変・小当り時判定テーブルを選択する(S98)。そして、S103に移行する。
S97で小当りフラグがセットされていない場合(S97でNの場合)、すなわち、大当りフラグも小当りフラグもセットされていない場合には、図8に示すリーチ判定テーブルを参照して、現在の保留記憶数と乱数バッファ領域に格納されたリーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値とに応じて、リーチ状態にするか否かを決定する(S99)。
そして、S99による決定において、リーチ状態にすることに決定したか否かを判定する(S100)。リーチ状態にすることに決定した場合には、図9(B)に示すテーブルを選択する(S101)。一方、リーチ状態にしないことに決定した場合には、図9(A)に示すテーブルを選択する(S102)。そして、S103に移行する。
S103では、CPU56は、S96、S98、S101、およびS102のうちいずれかにより選択されたテーブルの判定値にしたがい、乱数バッファ領域に格納された変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値に基づいて、変動パターン種別を決定する。なお、変動開始時におけるリーチ判定では、現在の保留記憶数に対応する判定値が用いられる。このため、先読み時においてリーチでないと判定されたときであっても変動開始時においてリーチと判定される場合や、先読み時において特定変動パターン種別でないと判定されたときであっても変動開始時において特定変動パターンが選択される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み予告が行なわれていないときであっても、スーパーリーチBにより変動表示が行なわれること、および15R大当りが発生することに対し遊技者に期待感を抱かせることができる。
なお、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて異なる割合で変動パターン種別を選択する場合、S103においては、S96、S98、S101、およびS102のうちいずれかにより選択されたテーブルのうち現在の保留記憶数に対応する判定値にしたがい、乱数バッファ領域に格納された変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値に基づいて、変動パターン種別を決定する。この場合には、先読み時において特定変動パターン種別でないと判定されたときであっても変動開始時において特定変動パターンが選択される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み予告が行なわれていないときであっても、スーパーリーチBにより変動表示が行なわれること、および15R大当りが発生することに対し遊技者に期待感をより一層向上させることができる。
次いで、CPU56は、S103で決定された変動パターン種別に応じた変動パターン判定テーブル(図10参照)を選択する(S104)。また、CPU56は、S104により選択されたテーブルを参照して、乱数バッファ領域に格納された変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値に基づいて、変動パターンを決定する(S105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)をセットする(S106)。これにより、変動パターンコマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
なお、変動パターンコマンドをセットする際には、変動表示を開始させる特別図柄に対応する図柄変動指定コマンドもセットされる。これにより、図柄変動指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。なお、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと共に同一割込処理において演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるように構成してもよい。また、本実施の形態では、後述するように、図21の表示結果指定コマンド送信処理において、表示結果指定コマンドがセットされる。これにより、表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。その結果、たとえば、変動開始時において図5のタイマ割込処理が行なわれたときに図柄変動指定コマンドが送信され、次のタイマ割込処理が行なわれたときに変動パターンコマンドが送信され、その次のタイマ割込処理が行なわれたときに表示結果指定コマンドが送信される。
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S38の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S304)に対応した値に更新する(S109)。
図21は、表示結果指定コマンド送信処理(S304)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種別、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信するための制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。大当りフラグがセットされている場合には、大当りの種別(15Rか否か、確変か否か)に応じた表示結果指定コマンドをセットする(S111)。これにより、表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
S110において、大当りフラグがセットされていない場合には、S112に移行し、小当りフラグがセットされているか否か確認する。CPU56は、S112の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドをセットする(S113)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドをセットする(S114)。これにより、セットされた表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(S115)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果指定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S305)に対応した値に更新する(S116)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S305)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S306)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S306)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S37の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドをセットする(S135)。これにより、大当り開始指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R非確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。なお、大当り発生時には、大当り表示時間タイマと同じ値が大入賞口制御タイマに設定される。以降、ラウンド開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。また、大当り種別に応じた開放態様をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をラウンド開始前処理(S307)に対応した値に更新する(S138)。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S143)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドをセットする(S144)。これにより、小当り/突確開始指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S145)。なお、小当り発生時には、当該小当り発生から小当り表示時間経過後に大入賞口を開放開始させるために、小当り表示時間タイマと同じ値が大入賞口制御タイマに設定される。以降、小当り開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放開始される。また、小当りに応じた開放態様をセットする(S146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S310)に対応した値に更新する(S147)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S302)に対応した値に更新する(S148)。
次に、変動表示中、演出表示装置9において実行される演出の具体例を、図24〜図26の説明図を参照して説明する。
図24では、変動パターンの一例として、「擬似連なし通常変動」、「擬似連1回ノーマルはずれ」、および「滑り」である場合各々について、演出表示装置9における表示動作例を説明する。
変動パターン指定コマンドによって、「擬似連なし通常変動」の変動パターンが指定されたときには、図24(C1),(C2)に示すように、キャラクタが出現するなどの特別な演出は実行されない。「擬似連1回ノーマルはずれ」の変動パターンが指定されたときには、図24(D1)〜(D6)に示すような滑り演出が実行されることなく擬似連演出が実行される。「滑り」の変動パターンが指定されたときには、図24(E1)〜(E4)に示すような滑り演出が実行される。
図24(A)に示す例は、たとえば、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、図24(B)に示すように、「左」の図柄表示エリア9Lで「6」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
その後、たとえば、図24(C1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図24(C2)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「4」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。
擬似連演出が実行される場合には、最終の変動を除く各変動において複数種類のチャンス目のうちいずれかが停止表示される。たとえば、図24(D1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図24(D2)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)することによって、チャンス目となる演出図柄が停止表示される。これにより、初回変動が終了する。また、再変動表示することが遊技者に報知される。
その後、図24(D3)に示すようにすべての図柄表示エリア9L、9C、9Rで演出図柄を再び変動させて、再変動が行なわれる。その後、たとえば、図24(D4)〜(D6)に示すように、「左」→「右」といった所定順序で、「6」の演出図柄を順次に停止表示してリーチ状態とした後に、「中」に「4」の演出図柄が停止されて、はずれの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。なお、本実施の形態においては、変動パターンが、「擬似連1回」〜「擬似連4回」である場合には最終の変動においてリーチ状態となるが、「擬似連あり」である場合には最終の再変動においてリーチ状態にならない。このため、「擬似連あり」の変動パターンを擬似連ガセともいう。
以上のように、擬似連演出が実行される場合には、最終の再変動を除き、各変動においてチャンス目となる演出図柄が停止表示されることにより、再変動表示することが遊技者に報知される。また、本実施の形態においては、各変動の停止タイミングにおいて、チャンス目が停止される可能性を予告するチャンス目予告演出が実行される。
滑り演出が実行される場合には、たとえば、図24(E1)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「5」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)してから、図24(E2)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を高速に再変動させる。その後、図24(E3)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで「7」の演出図柄になるように、停止表示させる演出図柄を変更させる。その後、たとえば、図24(E4)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cで「4」の演出図柄を停止表示(仮停止表示)した後、非リーチの組合せとなる演出図柄が停止表示(最終停止表示)される。なお、リーチとなる場合には、図24(E2)に示すように「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を高速に再変動させた後、「右」の図柄表示エリア9Rで「左」の演出図柄と同じ「6」の演出図柄になるように停止表示させる演出図柄を変更させ、リーチ状態となる。
図25〜図26は、変動表示の表示結果が「15R大当り」となる場合の表示動作例を示す説明図である。図25(A)に示す例では、たとえば、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、図25(B)に示すように、「左」の図柄表示エリア9Lで「6」の演出図柄が停止表示(仮停止表示)される。
そして、たとえば、滑り演出が実行される変動パターンである場合には、図25(C1)〜(C3)に示すように、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるように、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。また、たとえば、擬似連演出が実行される変動パターンである場合には、図25(D1)〜(D5)に示すように、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいてチャンス目となる演出図柄を仮停止表示させた後、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を再び変動させる演出表示が行なわれる。その後、最終の再変動において、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで「6」の演出図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることによって、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になる。
図25(C3)や図25(D5)に示すようリーチ状態となった場合には、図26(A)に示すように、「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が低下する。そして、変動パターンの種別がノーマルリーチであるとき等には、図26(B)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」を示す数字が「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rと揃って停止表示(仮停止表示)される「ノーマル」のリーチ演出が行なわれる。なお、図26(B)に示す例では、変動表示の表示結果が「15R大当り」である場合に対応して、大当りの組合せを構成する演出図柄が停止表示されているが、変動表示結果がリーチになるがはずれとなる場合には、たとえば、「中」の図柄表示エリア9Cで「6」以外の数字(たとえば「5」など)を示す数字以外の演出図柄を停止表示させること等によって、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了すればよい。
また、スーパーリーチAやスーパーリーチBが実行される場合には、図26(C)に示すように、低下していた「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。
スーパーリーチAのリーチ演出では、図26(D)に示すようなキャラクタ画像CH1が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
また、スーパーリーチBのリーチ演出では、図26(E)に示すようなキャラクタ画像CH2が表示された後、図26(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、図26(G)および(H)に示すように、2段階目の演出表示に進む。
図26(H)に示すように2段階目の演出表示が進行すると、図26(I)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。
なお、変動表示結果が「はずれ」になる場合には、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了させる。また、リーチ状態とならない場合には、非リーチの組合せとなる演出図柄(左図柄と右図柄とが異なる)を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了させる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S551)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S552)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S553)、S554〜S559の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S554)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S555)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S556)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S557)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S558)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S559)。その後、S552に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図28および図29は、コマンド解析処理(S554)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図12参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、その始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞指定コマンド格納領域に格納するとともに、保留表示処理が未だなされていない始動入賞数を示す未処理数カウンタを1加算する(S650)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、保留が加算表示される。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに対応する処理を実行し(S651)、S611に移行する。対応する処理とは、たとえば、受信したコマンドに対応するフラグをセットする処理が行なわれる。また、対応する処理としては、受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンドであれば、保留表示を減算更新させるための保留減算カウンタを1加算する処理が該当する。後述するように、保留減算カウンタの値に基づき、保留が減算表示される。
図30は、飾り図柄の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図30に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図30(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図30(B)参照)。
図31は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図31には、一例として、演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3、滑り時仮停止図柄決定用のSR2、チャンス目パターン決定用のSR3、先読み予告実行決定用の乱数SR4、先読み予告開始保留決定用の乱数SR5、チャンス目予告実行決定用の乱数SR6、チャンス目予告種類決定用の乱数SR7、再抽選確率決定用の乱数SR8、再抽選決定用の乱数SR9、および擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10を用いる。乱数SR1−1〜SR10は、予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出される。乱数SR1−1〜SR10各々の更新範囲は上記のものに限らず、どのようなものであってもよい。なお演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR2は、滑り演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおけるすべてまたは一部(本実施の形態においては「右」の図柄表示エリア9R)において仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
チャンス目パターン決定用のSR3は、擬似連中においてチャンス目を連続して停止させる場合に、初回変動において仮停止表示させるチャンス目(以下、初回チャンス目ともいう)に基づき以降の各変動において停止させるチャンス目を特定するためのチャンス目パターンを決定するために用いられる乱数である。
先読み予告実行決定用の乱数SR4は、始動入賞指定コマンドに基づき、先読み予告を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。すなわち、先読み予告実行決定用の乱数SR4から抽出した乱数により、連続して実行される変動表示においてチャンス目を停止表示するか否かが決定される。先読み予告開始保留決定用の乱数SR5は、先読み予告を実行する場合に、保留記憶数に基づき、先読み予告を開始する保留記憶、すなわち先読み予告を開始するタイミングを決定するために用いられる乱数である。
チャンス目予告実行決定用の乱数SR6は、先読み予告を開始するときや擬似連を開始する状態であるか否かに基づく割合にしたがって、チャンス目予告を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。すなわち、チャンス目予告実行決定用の乱数SR6から抽出した乱数により、チャンス目を連続して停止表示することが可能な状態であるか否かに基づく割合にしたがって、演出図柄を停止表示するタイミングにおいてチャンス目予告を実行するか否かが決定される。
予告演出には、予告の対象となる保留記憶よりも先に記憶されている保留記憶に基づく変動表示が開始される以前から特定変動パターンとなる可能性があることを予告する先読み予告と、演出図柄を停止表示(仮停止を含む)させるタイミングにおいてチャンス目が停止表示される可能性があることを予告するチャンス目予告とを含む。
先読み予告は、予告の対象となる保留記憶および当該保留記憶よりも先に記憶されている保留記憶のうち決定された保留記憶以降の保留記憶(以下、予告実行保留記憶ともいう)各々に基づく変動表示の表示結果としてチャンス目を停止させることにより実行される。たとえば、予告の対象となる保留記憶よりも先に3つ保留記憶されているときには、当該3つの保留記憶のうちランダムに決定された保留記憶以降にされた保留記憶および予告の対象となる保留記憶に基づく複数回の変動表示において先読み予告が行なわれる。このため、予告の対象となる変動表示よりも先に開始される各変動表示において特定変動パターンとなる可能性があることを予告することができる。なお、先読み予告は、予告実行保留記憶各々に基づく変動表示において、所定タイミングで所定期間に亘り実行される所定演出を含むものであってもよい。所定タイミングとは、変動表示が開始されてから終了するまでの間におけるタイミングであればよく、たとえば、変動表示が開始されるタイミング、「左」〜「右」のいずれかの演出図柄が停止表示するタイミング、前述したリーチ演出が実行される以前または以後のタイミングなど、どのようなタイミングであってもよい。また、所定期間とは、遊技者に認識させることができる期間であればよく、たとえば、先読み予告を開始してから、所定時間経過するまでの期間、「左」〜「右」のいずれかの演出図柄が停止表示するまでの期間、前述したリーチ演出が実行される以前までの期間など、どのような期間であってもよい。所定演出とは、遊技者に認識される態様であればよく、たとえば、演出表示装置9にキャラクタを表示することによる表示演出であってもよく、スピーカ27から効果音を発生させることによる音演出であってもよく、装飾LED25などを点灯させることによる光演出であってもよく、これらを任意に組合せた演出であってもよい。また、所定タイミング、所定期間、および所定は、各々、複数種類設けられており、先読み予告を実行するときにどの種類にするかが決定されるものであってもよい。
前述したように、チャンス目は、先読み予告実行中であるか否かに関わらず、擬似連の変動表示中の各変動(最終の変動を除く)においても停止表示される。これにより、チャンス目が停止表示されたときには、特定変動パターンあるいは擬似連となることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
チャンス目の種類は、当該チャンス目を停止表示させる変動表示を開始するときに、SR1−1およびSR1−2から抽出した乱数に基づき決定される。具体的には、先読み予告実行中であって擬似連以外の変動パターンによる変動表示が開始されるときには、SR1−1から抽出した乱数に基づき最終停止図柄として停止表示するチャンス目を決定する。また、先読み予告実行中であるか否かに関わらず擬似連の変動パターンによる変動表示が開始されるときには、SR1−1から抽出した乱数に基づき初回チャンス目を決定し、SR1−2から抽出した乱数に基づき初回以降のチャンス目を決定し、SR1−1〜SR1−3から抽出した乱数に基づき最終の変動において停止させる最終停止図柄を決定する。本実施の形態においては、先読み予告実行中および擬似連中に停止させるチャンス目を、演出図柄の左、中の最終停止図柄を決定するためのSR1−1およびSR1−2を兼用して決定する例について説明したが、SR1−1およびSR1−2とは別の専用のランダムカウンタを設け、当該ランダムカウンタから抽出した乱数に基づき決定するように構成してもよい。
チャンス目予告種類決定用の乱数SR7は、チャンス目予告の種類を決定するために用いられる乱数である。具体的には、チャンス目予告種類決定用の乱数SR7の値に基づいて、先読み予告を開始するときや擬似連を開始する状態でありその後連続して停止表示させる一連のチャンス目のうち、初回のチャンス目を停止させるときに実行するチャンス目予告の種類および後述する再抽選時のチャンス目予告の種類各々が決定される。チャンス目予告の種類は、その後にチャンス目が停止表示される割合が異なるように決定される。
再抽選確率決定用の乱数SR8は、先読み予告を開始するときや擬似連を開始する状態でありその後連続して停止表示させる一連のチャンス目のうち、直近に停止表示されるチャンス目に対応して実行されるチャンス目予告の種類を再度抽選する再抽選確率を決定するために用いられる乱数である。再抽選決定用の乱数SR9は、決定された再抽選確率にしたがって、実行するチャンス目予告の種類を再抽選するか否かを決定するために用いられる乱数である。
擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10は、擬似連中においてチャンス目予告を連続して実行する場合で再抽選すると決定された場合において、当該擬似連における初回チャンス目予告に基づき、それ以降の各変動において実行するチャンス目予告の種類を特定するための擬似連時チャンス目予告パターンを決定するために用いられる乱数である。
複数の変動において実行されるチャンス目予告の出現パターンは、チャンス目予告実行決定用の乱数SR6、チャンス目予告種類決定用の乱数SR7、再抽選確率決定用の乱数SR8、再抽選決定用の乱数SR9、および擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10各々の値に基づいて決定される。
次に、変動表示において停止させる停止図柄を決定するときに用いるテーブルについて説明する。図32は、非リーチはずれ時の最終停止図柄決定テーブルを示す説明図である。図33は、左右出目判定テーブルを示す説明図である。図34は、リーチはずれ時の最終停止図柄決定テーブルを示す説明図である。図35は、大当り時の最終停止図柄決定テーブルを示す説明図である。図36は、チャンス目を示す説明図である。図37は、停止表示させるチャンス目の種類を決定するためのチャンス目決定テーブルを示す説明図である。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、所定の非リーチはずれの組合せを決定するためのテーブルとして、たとえば、図32(A)〜(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160A〜160Cが含まれている。
図32(A)に示す最終停止図柄決定テーブル160Aは、所定の非リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ1−1を、左停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Aは、左停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図32(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bは、所定の非リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄のうち、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ1−2を、左最終停止図柄FZ1−1や右停止図柄決定用の乱数SR1−3に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル160Bは、左最終停止図柄FZ1−1として決定された演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に応じて、右停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)であって、右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図32(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cは、所定の非リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄のうち、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて停止表示される確定演出図柄となる中最終停止図柄FZ1−3を、左最終停止図柄FZ1−1や右最終停止図柄FZ1−2、中停止図柄決定用の乱数SR1−2に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、図33に示すような左右出目判定テーブル161が含まれている。左右出目判定テーブル161では、左最終停止図柄FZ1−1と右最終停止図柄FZ1−2との組合せから、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18、LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定が行なわれる。最終停止図柄決定テーブル160Cは、左右出目タイプDC1−1がLR0、LR11〜LR18,LR31〜LR38のいずれに該当するかの判定結果に応じて、中停止図柄決定用の乱数SR1−2の値と比較される数値(判定値)であって、中最終停止図柄FZ1−3となる演出図柄の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図32(B)に示す最終停止図柄決定テーブル160Bでは、左最終停止図柄FZ1−1となる演出図柄の図柄番号と右最終停止図柄FZ1−2となる演出図柄の図柄番号とが同一となる部分には、右停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割り当てられていない。このような割当てによって、最終停止図柄として所定の非リーチはずれの組合せになる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄の組合せがリーチの組合せや大当りの組合せにならないようにすることができる。
また、図32(C)に示す最終停止図柄決定テーブル160Cでは、チャンス目になる部分には、中停止図柄決定用の乱数SR1−3の値と比較される数値(判定値)が割り当てられていない。このような割当てによって、最終停止図柄として所定の非リーチの組合せとなる確定演出図柄を決定する場合に、その確定演出図柄がチャンス目にならないようにすることができる。なお、非リーチはずれの組合せとなる場合であっても、チャンス目に決定される場合が生じるように、判定値が割り当てられているものであってもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている決定テーブルには、リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、たとえば、図34に示す最終停止図柄決定テーブル162Aが含まれている。
図34に示す最終停止図柄決定テーブル162Aは、リーチはずれの組合せとなる確定演出図柄のうち、「左」の図柄表示エリア9Lにおいて停止表示される確定演出図柄となる左最終停止図柄FZ2−1と、「右」の図柄表示エリア9Rにおいて停止表示される確定演出図柄となる右最終停止図柄FZ2−2とを、左停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。最終停止図柄決定テーブル162Aは、左停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左最終停止図柄FZ2−1および右最終停止図柄FZ2−2として同一になる演出図柄(左右最終停止図柄FZ2−1、FZ2−2)の図柄番号「1」〜「8」に対応するデータ(判定値)を含む。なお、リーチはずれ組合せを構成する中最終停止図柄FZ2−3は、左右最終停止図柄FZ2−1およびFZ2−2の演出図柄から、大当りの組合せとならない演出図柄のうちから決定される。たとえば、左右最終停止図柄FZ2−1およびFZ2−2の演出図柄が「8」に決定された場合には、中最終停止図柄FZ2−3の演出図柄として「1」〜「7」のうちいずれかが決定される。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている判定テーブルには、大当り組合せとなる確定演出図柄を決定するためのテーブルとして、たとえば、図35に示す最終停止図柄決定テーブル163A,163Bが含まれている。図35(A)に示す最終停止図柄決定テーブル163Aは、15R確変大当り図柄となる確定演出図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、左停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
最終停止図柄決定テーブル163Aは、左停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図35(B)に示す最終停止図柄決定テーブル163Bは、15R非確変大当り図柄となる確定演出図柄として、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止表示される左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3を、左停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
最終停止図柄決定テーブル163Bは、左停止図柄決定用の乱数SR1−1の値と比較される数値(判定値)であって、左中右最終停止図柄FZ3−1、FZ3−2、FZ3−3として同一になる通常図柄の図柄番号「2」、「4」、「6」、「8」に対応するデータ(判定値)を含む。
図35を用いて、15R大当りとなる図柄組合せは、SR1−1から抽出した値に基づいてランダムに決定される例について説明した。これと同様に、2R確変大当りおよび小当りの図柄組合せについては、SR1−1などから抽出した値に基づいて複数種類定められた特定の図柄組合せ(たとえば、135、139など)からランダムに決定される。また、これに限らず、2R確変大当りおよび小当りとなる図柄組合せは、非リーチはずれ時と同様に、SR1−1〜SR1−3から抽出した値に基づいてランダムに決定されるように構成してもよい。
図36は、チャンス目を示す説明図である。図36に示すチャンス目GC1〜GC8は、先読み予告実行中の各変動表示(予告対象の変動表示を除く)および先読み予告実行中であるか否かに関わらず擬似連中の各変動(最終変動を除く)において停止表示される。「左図柄」は「左」の図柄表示エリア9Lに停止表示される演出図柄であり、「中図柄」は「中」の図柄表示エリア9Cに停止表示される演出図柄であり、「右図柄」は「右」の図柄表示エリア9Rに停止表示される演出図柄である。
図37(A)に示すテーブルは、先読み予告実行中の各変動表示(擬似連の場合は初回変動)および先読み予告実行中であるか否かに関わらず擬似連中の初回変動において停止表示させるチャンス目の種類を決定するために参照されるチャンス目決定用テーブルである。
チャンス目決定用テーブルは、図36に示した複数種類のチャンス目のうちから左停止図柄決定用の乱数SR1−1に基づいて、停止表示させるチャンス目を決定するために参照されるテーブルである。たとえば、乱数SR1−1から抽出した値が、「1〜10」のいずれかであるときには、チャンス目GC1の「112」が停止表示されることが決定される。
図37(B)に示すテーブルは、図37(A)のテーブルを参照して決定した擬似連における初回変動において停止させる初回チャンス目を基準にして、初回以降の各変動(最終の変動を除く)において停止表示させるチャンス目を特定するためのチャンス目パターンを決定するために参照されるチャンス目パターン決定用テーブルである。
チャンス目パターンの種類としては、初回チャンス目を以降の各変動においても停止表示させる不変パターン(図36のチャンス目GC1→GC1→GC1→…とする一定のパターン)、前回変動において停止表示したチャンス目の次のチャンス目を次の変動において停止表示させる昇順パターン(図36のチャンス目GC1→GC2→…GC8→GC1→…と変動毎に変化させるパターン)、前回変動において停止表示したチャンス目の一つ前のチャンス目を次の変動において停止表示させる降順パターン(図36のチャンス目GC8→GC7→…GC1→GC8→…と変動毎に変化させるパターン)が設けられている。
チャンス目パターンは、チャンス目パターン決定用テーブルを参照し、再変動回数に応じた割合にしたがい、中停止図柄決定用の乱数SR1−2に基づいて決定される。たとえば、再変動回数が2回の擬似連である場合で、乱数SR1−2から抽出した値が、「1〜50」のいずれかであるときには不変パターンが、「51〜60」のいずれかであるときには昇順パターンが、「61〜70」のいずれかであるときには降順パターンに決定される。
本実施の形態におけるチャンス目パターン決定用テーブルは、再変動回数が多い擬似連である程、昇順パターンあるいは降順パターンに決定される割合が高くなるように、また、再変動回数が大当り確定となる4回の擬似連であるときには降順パターンよりも昇順パターンに決定される割合が高くなるように、判定値が設定されている。擬似連において再変動回数が多い程、大当りとなる信頼度が高くなることを説明したが、これにより、連続して停止表示されるチャンス目が変化する方が大当りとなることに対する期待感を抱かせることができる。また、連続して停止表示されるチャンス目が昇順で変化する場合には、降順で変化する場合より大当りとなることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
次に、変動表示中に実行される予告のうち、チャンス目予告の具体例を図38を参照して説明する。図38は、チャンス目予告が実行されるときの演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。
チャンス目予告は、「左」の図柄表示エリア9Lおよび「右」の図柄表示エリア9Rに、チャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる演出図柄の組合せを停止表示させ、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態において実行される。
チャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる演出図柄の組合せとしては、たとえば、「左」の演出図柄として、図37のテーブルを用いて停止表示すると決定されているチャンス目、あるいは、チャンス目が停止されないときには最終停止図柄のうちの「左」の演出図柄を停止表示し、「右」の演出図柄として、「左」の演出図柄とチャンス目以外でかつリーチの組合せ以外の所定の関係となる演出図柄を停止表示する。所定の関係とは、本実施の形態においては、「左」の演出図柄から所定図柄数離れた図柄(たとえば、4図柄離れた図柄)を例示するが、これに限らず、「左」の演出図柄との関係においてチャンス目とならずかつリーチの組合せともならない図柄からランダムに決定された図柄であってもよい。
図38(a)では、「左」の図柄表示エリア9Lに「7」の演出図柄が停止され、「右」の図柄表示エリア9Rに、「7」の演出図柄と4図柄離れた「3」の演出図柄が停止されて、「中」の図柄表示エリア9Cにおいて変動表示が行なわれている状態を示している。
チャンス目予告としては、滑りパターン、図柄キャラクタパターン、特殊パターン、およびボタン操作パターンを含む複数種類のチャンス目予告が設けられている。
滑りパターンとは、図38(b)および(c)に示すように、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方(たとえば、「右」の演出図柄)を再度変動させることにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターンをいう。
図柄キャラクタパターンとは、図38(d)および(e)に示すように、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方(たとえば、「左」の演出図柄)の図柄のキャラクタを用いた所定の演出を実行させることにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターンをいう。図38(d)および(e)では、「7」の演出図柄を構成していたキャラクタが飛び出すような演出が行なわれた後、当該キャラクタが「右」の演出図柄に対して魔法をかけるような演出が行なわれている。なお、図柄キャラクタパターンは、一旦停止している演出図柄の種類に応じて、他の演出図柄とは異なる当該演出図柄独自の演出が実行されるように構成されている。
特殊パターンとは、図38(f)および(g)に示すように、一旦停止された後に、特殊キャラクタを出現させて所定の演出を実行させることにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターンをいう。
ボタン操作パターンは、図38(h)および(i)に示すように、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方(たとえば、「右」の演出図柄)を再度変動させた後、操作ボタン30の操作を促進させるための促進画像を表示し、当該促進画像が表示されている間に操作ボタン30を操作することにより、その後チャンス目が停止表示される可能性があることを予告するパターンをいう。図38(i)では、促進画像として、「ボタンを押して!」といったメッセージと、ボタンを指で押す画像とが表示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、促進画像を表示する間、操作ボタン30からの操作信号を有効に受付ける処理を行なう。
チャンス目予告が行なわれた後、停止タイミングにおいて、予め決定されている演出図柄を停止表示させる演出が行なわれる。たとえば、リーチ状態となる場合には、図38(k)に示すように、「右」の演出図柄として、「左」と同じ「7」が停止表示されてリーチの組合せとなる。また、チャンス目となる場合には、図38(l)に示すように、「左」の演出図柄との関係においてチャンス目GC7を構成する「8」が停止表示されてチャンス目となり得る組合せとなる。
なお、図38の(h)および(i)で示したボタン操作パターンが擬似連中(先読み予告中の擬似連を含む)の変動(最終の変動を除く)で実行された場合において、操作ボタン30が操作されなかった場合には、予め決定されている演出図柄を停止表示する前(変動における停止タイミング前)に、図38(j)に示すように、「右」の演出図柄として、「左」と同じ「7」が停止表示されてリーチの組合せとなるかのような演出が行なわれる。これにより、操作ボタン30が操作されなかったことにより今回の変動が最終の変動であるかのような印象を遊技者に抱かせることができる。
なお、ボタン操作パターンが擬似連中(先読み予告中の擬似連を含む)の変動(最終の変動を除く)で実行された場合でかつ操作ボタン30が操作されなかった場合であって、その後、再変動が行なわれる場合には、上記のようにリーチの組合せを一旦停止表示した後、さらに、一旦停止された「左」および「右」の演出図柄のうち少なくとも一方(たとえば、「右」の演出図柄)を再度変動させて、予め決定されているチャンス目を仮停止させる演出が実行される。
一方、ボタン操作パターンが擬似連中の最終の変動で実行された場合においては、擬似連の最終の変動においてリーチ状態となるため、操作ボタン30が操作されたか否かに関わらず、予め決定されているリーチ状態となる図柄が停止表示される。
また、ボタン操作パターンが先読み予告中(擬似連中を除く)に実行された場合において、操作ボタン30が操作されなかった場合には、予め停止表示させる図柄として決定されている図柄に替えて、演出図柄「右」の演出図柄として、「左」の演出図柄とチャンス目以外でかつリーチの組合せ以外の所定の関係となる特別はずれ図柄を停止させる演出が行なわれる。これにより、操作ボタン30が操作されなかったことにより今回の変動で先読み予告が終了したかのような印象を遊技者に抱かせることができる。
なお、先読み予告中の変動表示において特別はずれ図柄が停止された場合であっても、当該先読み予告の対象となる変動表示までの残り変動表示においては、再びチャンス目が停止表示される。これにより、特別はずれ図柄が停止表示された次の変動表示においてチャンス目が再び停止表示されること、および特定変動表示パターンとなることに対する期待感を持続させることができる。
図39は、S555の保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理では、保留記憶を表示するための処理や、始動入賞指定コマンドに基づきチャンス目を連続して停止表示させる先読み予告の実行に関する処理が行なわれる。まず、S650により加算される未処理数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S660)。未処理数カウンタの値が「1」以上であると判定されたときには、保留表示を行なうための処理が実行される。
S661においては、先読み予告実行中フラグ、または先読み予告フラグがセットされているか否かを判定する(S661)。先読み予告実行中フラグとは、先読み予告が既に実行されている旨を示すフラグであり、後述する図45のS683でセットされる。先読み予告フラグとは、先読み予告演出を行なうことが決定されている旨を示すフラグであり、図39のS668でセットされる。
S661において先読み予告実行中フラグおよび先読み予告フラグのいずれもセットされていないと判定されたときには、今回の保留記憶を含む未だ変動表示が開始されていない保留記憶の数(以下、未変動の保留記憶数という)が2以上であるか否かを判定する(S662)。これにより、今回記憶された保留記憶に基づく変動表示以外に未だ変動表示が開始されていない保留記憶がある状況であり、先読み予告を実行可能な保留記憶状態であるか否かが判定される。S662において未変動の保留記憶数が2以上でないと判定されたときには、後述するS672へ移行する。
S662において未変動の保留記憶数が2以上であると判定されたときには、対応する始動入賞指定コマンドが所定コマンドであるかを判定する(S663)。所定コマンドとは、大当りになることに対する期待感を遊技者に抱かせる演出を実行させることとなるコマンドであればよく、本実施の形態においては、先読み判定結果が15R大当りを示す始動入賞指定コマンドおよびスーパーリーチBの特定変動パターン種別を示す始動入賞指定コマンドをいう。S663により、今回の保留記憶が、所定条件としての15R大当りになるあるいは特定変動パターンになることを満たすか否か判定される。
S663において始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときには、いわゆるガセ予告が実行されることを規制している状態であるか否かを判定するための予告禁止カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S664)。予告禁止カウンタは、後述するように15R大当りにならずかつスーパーリーチBにもならないガセの先読み予告が終了したことを条件として設定されて、その後変動表示が行なわれる毎に減算される。S664において予告禁止カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、後述するS672へ移行する。これにより、予告禁止カウンタの値が「0」でないときには、15R大当りにもスーパーリーチBにもならない保留記憶を対象とした先読み予告の実行が禁止される。
S663において所定コマンドであると判定されたとき、またはS664において予告禁止カウンタの値が「0」であると判定されたときには、S666に移行して先読み予告を実行するか否かを決定する。これにより、始動入賞指定コマンドが所定コマンドであるとき、および予告禁止カウンタの値が「0」であり先読み予告が禁止されていないときに、先読み予告が実行され得る。先読み予告を実行するか否かの決定は、図40に示すテーブルを用いて行なわれる。これについては、後述する。なお、S666においては、判定なしの始動入賞指定コマンドである場合には、先読み予告を実行しない旨が決定される。
S667では、S666において先読み予告を実行することが決定されたか否かを判定する。S667において先読み予告を実行しないと判定されたときには、後述するS672へ移行する。一方、S667において先読み予告を実行すると判定されたときには、当該始動入賞指定コマンドの下位バイトのデータを先読み予告フラグとしてセットする(S668)。これにより、予告設定処理において、先読み予告フラグに基づき、図13で示した先読み判定結果のいずれかを特定することができ、たとえば、15R確変大当りであるか、15R非確変大当りであるか、および変動パターン種別が特定変動パターン種別であるか非特定変動パターン種別であるかなどを特定することができる。
S669では、先読み予告を開始する保留記憶を決定する。先読み予告を開始する保留記憶は、予告開始保留ともいう。予告開始保留の決定は、図41に示すテーブルを用いて行なわれる。これについては、後述する。
S670では、予告開始保留に基づく変動表示が開始されるまでに実行される変動表示回数を先読み予告開始カウンタにセットする。先読み予告開始カウンタの値により、先読み予告を開始するまでに実行される変動表示の回数を特定することができる。たとえば、未だ変動表示が開始されていない保留記憶が3個のときで、予告開始保留が2番目に記憶された保留に決定されたときには、先読み予告開始カウンタとして「1」がセットされる。
S671では、今回の保留記憶を含む未変動の保留記憶数を先読み予告終了カウンタにセットする。先読み予告終了カウンタにより、先読み予告を終了するまでに実行される変動表示の回数、すなわち先読み予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示と当該変動表示以前に実行される変動表示との合計回数を特定することができる。たとえば、未だ変動表示が開始されていない保留記憶が2個のときに始動入賞した場合には、先読み予告終了カウンタとして「3」がセットされる。
S672においては、保留メモリカウンタの値を1加算した後、保留表示をする。次いで、未処理数カウンタの値を1減算し(S668)、再びS660へ移行する。
S661に戻り、先読み予告実行中フラグまたは先読み予告フラグがセットされていると判定されたとき、すなわち先読み予告がすでに実行中あるいは実行される予定であるときには、当該先読み予告の対象が15R大当り以外を示す保留記憶であって、かつ現在判定の対象となっている始動入賞指定コマンドである今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンド(15R大当りを示す始動入賞指定コマンド、スーパーリーチBを示す始動入賞指定コマンド)であるか否かを判定する(S674)。実行中あるいは実行される予定である先読み予告の対象が15R大当りを示す保留記憶であるとき、あるいは今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときのいわゆるガセ予告しか行なえないときには、S672へ移行する。すなわち、実行中あるいは実行される予定である先読み予告の対象の保留記憶により15R大当りとなるときや今回の始動入賞指定コマンドに基づき先読み予告をしたとしてもいわゆるガセ予告となるときには、S672へ移行する。
なお、S663において判定される所定コマンドと、S674において判定される所定コマンドとは、ともに、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドおよびスーパーリーチBを示す始動入賞指定コマンドであり、全く同じコマンドである例について説明した。しかし、S663において判定される所定コマンドと、S674において判定される所定コマンドとは、一部または全部が異なるコマンドであってもよい。たとえば、S663において判定される所定コマンドは、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドおよびスーパーリーチBを示す始動入賞指定コマンドであり、S674において判定される所定コマンドは、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドのみであってもよい。
一方、先読み予告の対象が15R大当り以外を示す保留記憶であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドであると判定されたとき、すなわち実行中あるいは実行される予定である先読み予告の対象の保留記憶が15R大当りとなる保留記憶でなく、かつ今回の始動入賞指定コマンドによりいわゆる真予告が可能となるときには、予告終了カウンタの値を今回の始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶を含む未変動の保留記憶数に更新し、S672へ移行する。これにより、15R大当りとならない保留記憶を対象として先読み予告を実行中あるいは実行されるときに、15R大当りあるいはスーパーリーチBとなる始動入賞指定コマンドを受信したときには、今回の始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶に基づく変動表示まで、先に決定されている先読み予告を延長させて実行させることができる。
S660において未処理数カウンタの値が「1」以上でないと判定されたとき、すなわち未処理数が0であると判定されたときには、S651において加算される保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かが判定される(S676)。1以上でないと判定されたときには、そのまま保留記憶表示制御処理を終了する。1以上であると判定されたときには、保留メモリカウンタの値を減算した後、保留表示を減算更新(1つシフト)する処理を行なう(S677)。次いで、保留減算カウンタの値を1減算し(S678)、保留記憶表示制御処理を終了する。
本実施の形態においては、始動入賞時に送信される始動入賞指定コマンド受信に基づき未処理数カウンタを1加算させて(S650)、当該未処理数カウンタに基づき保留メモリカウンタを1加算させて保留表示加算更新を行ない(S672)、変動表示開始時に送信される保留記憶数減算指定コマンド受信に基づき保留減算カウンタを1加算し(S651)、当該保留減算カウンタに基づき保留メモリカウンタを1減算させて保留表示減算更新を行なう(S678)例について説明した。しかし、保留メモリカウンタの加算方式、および保留表示更新方式については、これに限らず、どのようなものであってもよい。たとえば、未処理数カウンタや保留減算カウンタを設けることなく、始動入賞指定コマンド受信に基づき保留メモリカウンタを1加算するとともに保留表示加算更新を行ない、変動パターン指定コマンドなど変動開始時に送信されるコマンド受信に基づき保留メモリカウンタを1減算するとともに保留表示減算更新を行なうように構成してもよい。
また、未処理数カウンタと保留減算カウンタとを設けるものに限らず、たとえば、現在の保留メモリカウンタと、前回の保留メモリカウンタとを設けて、図29のS650において始動入賞指定コマンド受信に基づき現在の保留メモリカウンタを1加算更新し、図39のS660においては現在の保留メモリカウンタの値と前回の保留メモリカウンタの値とを比較し、現在の保留メモリカウンタの値が前回の保留メモリカウンタの値よりも大きいときにはS661に移行させるとともに前回の保留メモリカウンタの値を1加算更新するように構成してもよい。また、図29のS651において保留記憶数減算指定コマンド受信に基づき現在の保留メモリカウンタを1減算更新し、図39のS660においては現在の保留メモリカウンタの値と前回の保留メモリカウンタの値とを比較し、前回の保留メモリカウンタの値が現在の保留メモリカウンタの値よりも大きいときには保留表示減算更新するとともに前回の保留メモリカウンタの値を1減算更新するように構成してもよい。
図40は、図39のS666において先読み予告を実行するか否かを決定するために用いる先読み予告実行決定用テーブルを説明するための図である。先読み予告実行決定用テーブルは、受信した始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りであるか否か、および特定変動パターン種別であるか否かに応じて、先読み予告の実行を決定するための判定値が定められている。
始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りかつ特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜95」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「96〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
また、始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りかつ非特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜70」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「71〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
また、始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当り以外(はずれ、2R確変大当り、小当りなど)でかつ特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜30」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「31〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
また、始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当り以外でかつ非特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜20」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「21〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
以上のように、図39のS666においては、始動入賞指定コマンドに応じて設定されている判定値およびランダムSR4から抽出した値に基づき、先読み予告を実行するか否かが決定される。
図40の先読み予告実行決定用テーブルは、15R大当り以外のときよりも15R大当りであるときの方が高い割合で先読み予告が実行されるように、また、非特定変動パターン種別のときよりも特定変動パターン種別であるときの方が高い割合で先読み予告が実行されるように、それぞれ判定値が設定されている。これにより、先読み予告が実行されたときには、先読み予告が実行されなかったときよりも、15R大当りになることおよび特定変動パターンになることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図41は、図39のS669において予告開始保留を決定するために用いる予告開始保留決定用テーブルを説明するための図である。予告開始保留決定用テーブルは、受信した始動入賞指定コマンドに基づき15R大当りまたは特定変動パターン種別であるか否かに応じてテーブルが設けられており、現在の未変動の保留記憶数に応じて予告開始保留を決定するための判定値が定められている。
受信した始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りまたは特定変動パターン種別であるときには、図41(A)の第1テーブルが参照される。そして、未変動の保留記憶数が「2」であるときには、ランダムSR5から抽出した値に関わらず、1番目に記憶された保留(保留記憶のうち最も先に記憶された保留、次に変動表示が開始される保留)が、予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「3」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜90」であるときに1番目に記憶された保留が、「91〜100」であるときに2番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「8」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜65」であるときに1番目に記憶された保留が、「66〜70」であるときに2番目に記憶された保留が、「71〜85」であるときに3番目に記憶された保留が、「86〜90」であるときに4番目に記憶された保留が、「91〜95」であるときに5番目に記憶された保留が、「96〜98」であるときに6番目に記憶された保留が、「99〜100」であるときに7番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数がその他の数であるときにも同様に、ランダムSR5から抽出した値に応じて、予告開始保留が決定される。
受信した始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りでなくかつ非特定変動パターン種別であるときには、図41(B)の第2テーブルが参照される。そして、未変動の保留記憶数が「2」であるときには、ランダムSR5から抽出した値に関わらず、1番目に記憶された保留が、予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「3」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜70」であるときに1番目に記憶された保留が、「71〜100」であるときに2番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「8」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜45」であるときに1番目に記憶された保留が、「46〜60」であるときに2番目に記憶された保留が、「61〜80」であるときに3番目に記憶された保留が、「81〜90」であるときに4番目に記憶された保留が、「91〜95」であるときに5番目に記憶された保留が、「96〜98」であるときに6番目に記憶された保留が、「99〜100」であるときに7番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数がその他の数であるときにも同様に、ランダムSR5から抽出した値に応じて、予告開始保留が決定される。
以上のように、図39のS669においては、始動入賞指定コマンドおよび現在の未変動の保留記憶数に応じて設定されている判定値と、ランダムSR5から抽出した値とに基づき、予告開始保留が決定される。そして、図39のS670においては、先読み予告開始カウンタの値として、決定された予告開始保留が、たとえば1番目であるときには「0」をセットし、5番目であるときには「4」をセットする。これにより、たとえば、1番目に決定されたときには、次の変動表示(1回目の変動表示)において先読み予告が開始され、5番目に決定されたときには、5回目の変動表示において先読み予告が開始される。
図41の予告開始保留決定用テーブルは、第2テーブルが参照されたときよりも第1テーブルが参照されたときの方が高い割合でより先に記憶された保留記憶(たとえば、1番目)が予告開始保留として決定されやすいように、それぞれ判定値が設定されている。その結果、第2テーブルが参照されたときよりも第1テーブルが参照されたときの方が高い割合で、先読み予告が実行される回数が多くなる。これにより、先読み予告が開始されるタイミングや先読み予告が実行される回数が多くなり、チャンス目が停止表示される回数が多くなるほど、15R大当りや特定変動パターンになる可能性が高いといえる。その結果、チャンス目が停止表示される回数が多くなるほど、15R大当りや特定変動パターンになることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図42は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S556)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図43は、図42に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に応じた値に更新する(S813)。
図44は、図42に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、今から開始しようとする変動表示において実行する予告を設定するための予告設定処理を行ない(S515)、当該変動表示において停止表示する演出図柄を設定するための停止図柄設定処理を行なう(S516)。
予告設定処理において設定される「今から開始しようとする変動表示において実行する予告」には、先読み予告中において擬似連以外の変動パターンによる変動表示における最終停止に対応して実行するチャンス目予告、先読み予告中であるか否かに関わらず擬似連の変動パターンによる変動表示における各変動に対応して実行するチャンス目予告が含まれる。すなわち、予告設定処理により、チャンス目予告が設定される。
停止図柄設定処理において設定される「変動表示において停止表示する演出図柄」には、最終停止図柄、擬似連の場合には各変動において仮停止させる仮停止図柄、チャンス目予告を実行する前に仮停止する図柄(図38の演出図柄など)、ボタン操作パターンによるチャンス目予告実行時において操作ボタン30が操作されなかった場合に仮停止する図柄(図38(j)の演出図柄など)が含まれる。すなわち、停止図柄設定処理により、先読み予告として停止表示するチャンス目が設定される。
S516の停止図柄設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S517)。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、S515の処理で設定した予告、S516の処理で設定した停止図柄などにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、滑り演出や擬似連演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替タイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出を含む演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S517で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S518)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S519)。
演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を開始する(S520)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S521)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S522)。
図45は、S515の予告設定処理を示すフローチャートである。まず、先読み予告フラグがセットされているか否かを判定する(S680)。先読み予告フラグは、図39のS668においてセットされる。先読み予告フラグがセットされていると判定されたときには、先読み予告開始カウンタの値が「0」であるか否か、すなわち今から変動表示を開始する保留記憶が予告開始保留であるか否かを判定する(S681)。先読み予告開始カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、当該先読み予告開始カウンタの値を1減算して(S682)、S6821へ移行する。
S6821においては、今から開始しようとする今回の変動表示においてリーチとなるか否か、あるいは擬似連ガセであるか否かが判定される。リーチとなるか否か、および擬似連ガセであるか否かは、受信した変動パターン指定コマンドに基づき特定される。なお、本実施の形態においては、「擬似連1回」〜「擬似連4回」となる場合には、最終の変動において必ずリーチとなるため、リーチとなるか否かの判定においてリーチとなると判定される。
今回の変動表示においてリーチおよび擬似連ガセのいずれにもならないと判定されたときには、S697へ移行される。一方、今回の変動表示においてリーチあるいは擬似連ガセとなると判定されたときには、S6822に移行されて先読み予告終了カウンタの値、および先読み予告開始カウンタの値を各々「0」にセットするとともに、先読み予告フラグをリセットする処理を行なう。これにより、先読み予告が実行される予定であって未だ当該先読み予告が開始されていないときであっても、リーチあるいは擬似連ガセとなるときには、先読み予告が実行されないようにすることができるため、リーチあるいは擬似連ガセとなった後に先読み予告が実行されることがなく、遊技者に不信感を抱かせる不都合の発生を防止することができる。
次に、S6823においては、今回の変動表示において擬似連演出が実行されるか否かが判定される。擬似連演出が実行されるか否かは、受信した変動パターン指定コマンドに基づき特定され、「擬似連あり」や「擬似連1回」〜「擬似連4回」であるときに擬似連演出が実行されると判定される。今回の変動表示において擬似連演出が実行されないと判定されたときには、チャンス目が停止表示されないため、そのまま予告設定処理を終了する。
一方、S6823において、今回の変動表示において擬似連演出が実行されると判定されたときには、チャンス目が停止表示されるため、以降の処理において、各変動(最終変動を含む)において実行するチャンス目予告が設定される。S6824においては、チャンス目予告(擬似連の初回変動における初回チャンス目予告)の種類を決定して設定した後、S709に移行される。
S709においては、初回変動以降の各変動(擬似連1回や擬似連ガセの場合は最終変動)に対応して実行するチャンス目予告の種類を再抽選する再抽選確率を決定して設定する。S709の処理においては、再抽選確率決定用の乱数SR8から値を抽出して、図46(C)に示すテーブルを用いて、再抽選確率を決定する。これについては、後述する。
S710においては、S709で設定されている再抽選確率にしたがい再抽選を実行するか否かを決定し、再抽選を実行すると決定されたか否かを判定する。S710の処理においては、再抽選決定用の乱数SR9から値を抽出して、図46(D)に示すテーブルを用いて、再抽選を実行するか否かを決定する。これについては、後述する。
S710において再抽選を実行しないと判定されたときには、S712に移行されて、S707で設定された初回チャンス目予告を再変動回数に応じて初回以降の各変動においても実行させるように設定し、予告設定処理を終了する。これにより、擬似連の各変動(最終変動を含む)において、初回変動と同じ種類のチャンス目予告が実行される。
一方、S710において再抽選を実行すると判定されたときには、S711に移行されて、擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、擬似連時チャンス目予告パターンおよび初回チャンス目予告に応じて特定されるチャンス目予告を、再変動回数に応じて初回以降の各変動において実行させるように設定し、予告設定処理を終了する。S710の処理においては、擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10から値を抽出して、図46(E)に示すテーブルを用いて擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、初回チャンス目予告以降の各変動におけるチャンス目予告の種類を特定して設定する。これにより、擬似連の初回変動において初回チャンス目予告が実行され、以降の各変動において擬似連時チャンス目予告パターンから特定されるチャンス目予告が実行される。
一方、S681において先読み予告開始カウンタの値が「0」であると判定されたときには、S683において、先読み予告実行中フラグをセットする。これにより、先読み予告およびチャンス目予告は、第1始動条件成立に起因する変動表示であるか、第2始動条件成立に起因する変動表示であるかに関わらず、いずれの始動条件成立に起因する変動表示であっても、決定された予告開始保留に基づく変動表示から開始することができる。すなわち、何れの特別図柄の変動表示に基づく場合でも先読み予告およびチャンス目予告の決定は区別無く行なわれ、決定された先読み予告およびチャンス目予告の内容は何れの特別図柄の変動表示が開始される場合でも同じように反映されるため、何れの特別図柄の変動表示でも同様に先読み予告およびチャンス目予告を実行することができる。
S684では、チャンス目予告を実行するか否かを決定し、チャンス目予告を実行すると決定されたか否かを判定する。S684の処理においては、チャンス目予告実行決定用の乱数SR6から値を抽出して、図46(A)に示すテーブルを用いて、チャンス目予告を実行するか否かを決定する。これについては、後述する。S684において、チャンス目予告を実行しないと決定されたときにはS688へ移行され、チャンス目予告を実行すると決定されたときにはS685〜S687が実行される。
S685においては、チャンス目予告を複数の連続する変動表示中において実行させるためのチャンス目予告実行中フラグをセットする。チャンス目予告実行中フラグは、図13で示した先読み判定結果のいずれかを特定することができるように、現在設定されている先読み予告フラグと同じ値がセットされる。これにより、以後の処理において、先読み予告対象の変動表示に関する情報を特定することができる。
S686においては、直近に実行されるチャンス目予告の種類を再抽選する再抽選確率を決定して設定する。S686の処理においては、再抽選確率決定用の乱数SR8から値を抽出して、図46(C)に示すテーブルを用いて、再抽選確率を決定する。これについては、後述する。S686において設定された再抽選確率は、複数の連続する変動表示中において実行するチャンス目予告の種類を再抽選するか否かの決定に用いられる。
S687においては、チャンス目予告(今回が擬似連の場合は初回チャンス目予告)の種類を決定して設定する。S687の処理においては、チャンス目予告種類決定用の乱数SR7から値を抽出して、図46(B)に示すテーブルを用いて、初回チャンス目予告の種類を決定する。
S684〜S687の処理が終了した後に、S688において、図13で示した先読み判定結果のいずれかを特定することができる先読み予告フラグがセットされている場合にはリセットする。
S689においては、今から開始しようとする今回の変動表示においてリーチとなるか否か、あるいは擬似連ガセであるか否かが判定される。
今回の変動表示においてリーチおよび擬似連ガセのいずれにもならないと判定されたときには、S697へ移行される。一方、今回の変動表示においてリーチとなると判定されたときには、S690に移行されて先読み予告終了カウンタの値を「0」にセットする処理を行なう。これにより、リーチあるいは擬似連ガセとなるときには、チャンス目を停止表示させることによる先読み予告が強制的に終了させることができるため、その後において予告が継続されることがなく、遊技者に不信感を抱かせる不都合の発生を防止することができる。
S691においては、チャンス目予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する。チャンス目予告実行中フラグがセットされていないときには、S6911へ移行される。
S6911においては、今回の変動表示において擬似連演出が実行されるか否かが判定される。今回の変動表示において擬似連演出が実行されないと判定されたときには、S697へ移行する。
一方、S6911において、今回の変動表示において擬似連演出が実行されると判定されたときには、チャンス目が停止表示されるため、以降の処理において、各変動(最終変動を含む)において実行するチャンス目予告が設定される。これにより、先読み予告中においてチャンス目予告を実行しないと決定されているときであっても、擬似連演出が実行される場合には、停止表示されるチャンス目に対応させてチャンス目予告が実行される。
S6912においては、チャンス目予告(擬似連の初回変動における初回チャンス目予告)の種類を決定して設定する。また、S6913においては、初回変動以降の各変動(擬似連1回や擬似連ガセの場合は最終変動)に対応して実行するチャンス目予告の種類を再抽選する再抽選確率を決定して設定した後、後述するS694へ移行される。
S691に戻り、チャンス目予告実行中フラグがセットされているときには、S692へ移行されてチャンス目予告実行中フラグをリセットする。これにより、今回の変動表示の終了を以て、チャンス目予告が強制的に終了される。
S693においては、今回の変動表示において擬似連演出が実行されるか否かが判定される。擬似連演出が実行されるか否かは、受信した変動パターン指定コマンドに基づき特定される。今回の変動表示において擬似連演出が実行されないと判定されたときには、当該変動表示中においてS687や後述するS705で設定されたチャンス目予告を実行することで足りるため、S697へ移行される。
一方、今回の変動表示において擬似連演出が実行されると判定されたときには、当該変動表示中における各変動において実行するチャンス目予告を設定する必要があるため、S694に移行されて、一連のチャンス目予告実行開始時にS686で設定された再抽選確率にしたがい再抽選を実行するか否かを決定し、再抽選を実行すると決定されたか否かを判定する。S694の処理においては、再抽選決定用の乱数SR9から値を抽出して、図46(D)に示すテーブルを用いて、再抽選を実行するか否かを決定する。これについては、後述する。
S694において再抽選を実行しないと判定されたときには、S695に移行されて、S687あるいは後述するS705で設定されている初回チャンス目予告を、再変動回数に応じて初回以降の各変動においても実行させるように設定する。これにより、擬似連の各変動において、初回変動と同じ種類のチャンス目予告が実行される。
一方、S694において再抽選を実行すると判定されたときには、S696に移行されて、擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、擬似連時チャンス目予告パターンおよび初回チャンス目予告に応じて特定されるチャンス目予告を、再変動回数に応じて初回以降の各変動において実行させるように設定する。S696の処理においては、擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10から値を抽出して、図46(E)に示すテーブルを用いて擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、初回チャンス目予告以降の各変動におけるチャンス目予告の種類を特定して設定する。これについては、後述する。これにより、擬似連の初回変動において初回チャンス目予告が実行され、以降の各変動において擬似連時チャンス目予告パターンから特定されるチャンス目予告が実行される。
S697においては、先読み予告終了カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、今回の変動表示が先読み予告対象の変動表示であるため、あるいはS689においてリーチとなると判定されたために、今回の変動表示で先読み予告が終了するか否かが判定される。先読み予告終了カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、先読み予告終了カウンタの値を1減算して(S701)、予告設定処理を終了する。
一方、S697において先読み予告終了カウンタの値が「0」であると判定されたとき、すなわち、今回の変動表示が予告対象の変動表示であるために今回の予告で先読み予告を終了するとき、あるいは先読み予告中にリーチとなる変動表示が行なわれるために先読み予告を終了するときには、S698において先読み予告実行中フラグをリセットする。なお、リーチにならないときにもチャンス目予告が実行され得るため、先読み予告終了カウンタの値が「0」であっても、S692の処理が実行されていない場合も生じる。このため、S698においては、未だチャンス目予告実行中フラグがセットされているときに、当該チャンス目予告実行中フラグをリセットする。
また、S699においては、受信しているコマンド(変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドなど)に基づき、今回の変動表示の結果が15R大当りになるか、あるいは今回の変動表示がスーパーリーチBであるかが判定される。すなわち、実行中の先読み予告が、いわゆる真予告であるかガセ予告であるかが判定される。
S699において今回の変動表示の結果が15R大当りになる、あるいは今回の変動表示がスーパーリーチBであると判定されたとき、すなわち実行中の先読み予告が真予告であると判定されたときには、そのまま、予告設定処理を終了する。一方、S699において今回の変動表示の結果が15R大当りにならず、かつ今回の変動表示がスーパーリーチBでもないと判定されたとき、すなわち実行中の先読み予告がガセ予告であると判定されたときには、以後変動表示が規定回数(たとえば、4回)行なわれるまで、ガセ予告が行なわれることを禁止させるための予告禁止カウンタの値に「4」をセットし(S700)、予告設定処理を終了する。これにより、今回の変動表示が終了した後、3回の変動表示が行なわれるまでの間、ガセ予告が行なわれることを禁止することができる。
一方、S680において先読み予告フラグがセットされていないと判定されたときには、S683においてセットされる先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S702)。先読み予告実行中フラグがセットされていると判定されたときには、S685においてセットされるチャンス目予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S703)。
S703において、チャンス目予告実行中フラグがセットされていると判定されたときには、S704において、一連のチャンス目予告実行開始時にS686で設定された再抽選確率にしたがい再抽選を実行するか否かを決定し、再抽選を実行すると決定されたか否かを判定する。S704の処理においては、再抽選決定用の乱数SR9から値を抽出して、図46(D)に示すテーブルを用いて、再抽選を実行するか否かを決定する。
S704において再抽選を実行しないと判定されたときには、S705に移行されて、直近(前回の変動表示)に実行されたチャンス目予告と同じ種類のチャンス目予告を設定する(今回が擬似連の場合は初回チャンス目予告)。これにより、チャンス目予告が実行されてから2回目以降の今から開始しようとする変動表示(擬似連の場合は初回変動)において、直近に実行されたチャンス目予告と同じ種類のチャンス目予告が実行される。
一方、S704において再抽選を実行すると判定されたときには、S687に移行されて、チャンス目予告(擬似連の場合は初回チャンス目予告)の種類を決定して設定する。これにより、チャンス目予告が実行されてから2回目以降の今から開始しようとする変動表示(擬似連の場合は初回変動)において、改めてチャンス目予告の種類が決定される。これにより、チャンス目予告が実行されてから2回目以降の今から開始しようとする変動表示(擬似連の場合は初回変動)において、改めて決定された種類のチャンス目予告が実行される。
S703においてチャンス目予告実行中フラグがセットされていると判定されなかったとき、およびS705の処理が実行されたときには、S689へ移行される。これにより、チャンス目予告が実行されてから2回目以降の今から開始しようとする変動表示についても、S689〜S701の処理が実行される。チャンス目予告が実行されてから2回目以降の今から開始しようとする変動表示とは、たとえば、先読み予告が開始されて1回目のチャンス目を停止表示して変動表示が終了した後においては新たに変動が開始されて2回目のチャンス目を停止表示することになる変動表示や、2回目のチャンス目を停止表示して変動表示が終了した後においては新たに変動が開始されて3回目のチャンス目を停止表示することになる変動表示など、新たに変動が開始されて前回の変動表示から連続してチャンス目を停止表示することになる変動表示をいう。
なお、S703を経由して実行されるS689〜S701の処理のうち、S694においては、再抽選決定用の乱数SR9から値を抽出して、一連のチャンス目予告実行開始時にS686で設定された再抽選確率にしたがい、図46(D)に示すテーブルを用いて、再抽選を実行するか否かが決定される。また、当該S694において再抽選を実行しないと判定されたときには、S695に移行されて、S687あるいはS705で設定されている初回チャンス目予告を初回以降の各変動においても実行させるように設定する。また、S694において再抽選を実行すると判定されたときには、S696に移行されて、擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10から値を抽出して、図46(E)に示すテーブルを用いて擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、擬似連時チャンス目予告パターンおよびS687あるいはS705で設定されている初回チャンス目予告に応じて特定されるチャンス目予告を、初回以降の各変動において実行させるように設定する。
S702において、先読み予告実行中フラグがセットされていないときには、先読み予告が開始される予定もなくかつ実行中でもないときであり、この場合においては、S706において、今から開始しようとする変動表示のみにおいてチャンス目予告を実行するか否かを決定し、チャンス目予告を実行すると決定されたか否かを判定する。S706の処理においては、チャンス目予告実行決定用の乱数SR6から値を抽出して、図46(A)に示すテーブルを用いて、チャンス目予告を実行するか否かを決定する。S706において、チャンス目予告を実行しないと決定されたときにはそのまま予告設定処理を終了し、チャンス目予告を実行すると決定されたときにはS707に移行する。
S707においては、チャンス目予告(擬似連の場合は初回チャンス目予告)の種類を決定して設定する。S707の処理においては、チャンス目予告種類決定用の乱数SR7から値を抽出して、図46(B)に示すテーブルを用いて、初回チャンス目予告の種類を決定する。
S708においては、今回の変動表示において擬似連演出が実行されるか否かが判定される。擬似連演出が実行されるか否かは、受信した変動パターン指定コマンドに基づき特定される。今回の変動表示において擬似連演出が実行されないと判定されたときには、そのまま予告設定処理を終了する。これにより、今から開始しようとする擬似連でない変動表示においてチャンス目が停止表示されないけれども、所定のタイミングにおいてチャンス目予告が実行される。
一方、今回の変動表示において擬似連演出が実行されると判定されたときには、S709に移行されて、初回変動以降の各変動に対応して実行するチャンス目予告の種類を再抽選する再抽選確率を決定して設定する。S709の処理においては、再抽選確率決定用の乱数SR8から値を抽出して、図46(C)に示すテーブルを用いて、再抽選確率を決定する。
S710においては、S709で設定されている再抽選確率にしたがい再抽選を実行するか否かを決定し、再抽選を実行すると決定されたか否かを判定する。S710の処理においては、再抽選決定用の乱数SR9から値を抽出して、図46(D)に示すテーブルを用いて、再抽選を実行するか否かを決定する。
S710において再抽選を実行しないと判定されたときには、S712に移行されて、S707で設定された初回チャンス目予告を再変動回数に応じて初回以降の各変動においても実行させるように設定し、予告設定処理を終了する。これにより、擬似連の各変動において、初回変動と同じ種類のチャンス目予告が実行される。
一方、S710において再抽選を実行すると判定されたときには、S711に移行されて、擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、擬似連時チャンス目予告パターンおよび初回チャンス目予告に応じて特定されるチャンス目予告を、再変動回数に応じて初回以降の各変動において実行させるように設定し、予告設定処理を終了する。S710の処理においては、擬似連時チャンス目予告パターン決定用のSR10から値を抽出して、図46(E)に示すテーブルを用いて擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、初回チャンス目予告以降の各変動におけるチャンス目予告の種類を特定して設定する。これにより、擬似連の初回変動において初回チャンス目予告が実行され、以降の各変動において擬似連時チャンス目予告パターンから特定されるチャンス目予告が実行される。
なお、S687やS705の処理により、リーチになる変動表示についてもチャンス目予告が設定される。また、S695、S696、S711、S712の処理は、擬似連の最終変動(擬似連ガセの場合は非リーチはずれとなる変動、擬似連1回〜4回の場合はリーチになる変動)についてもチャンス目予告が設定される。そして、リーチになる変動表示や擬似連の最終変動においても、チャンス目予告が実行される。これにより、実際には非リーチはずれやリーチとなるときであっても当該停止表示前にチャンス目予告が実行されるため、再度チャンス目が停止表示されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
本実施の形態においては、図45のS702においてNOと判定されたとき、すなわち先読み予告が実行中でなくかつ実行される予定もないときにのみ、今から開始しようとする変動表示のみにおいてチャンス目予告を実行する例について説明した。しかし、今から開始しようとする変動表示のみにおいてチャンス目予告を実行するための処理は、先読み予告が実行される予定であるときに行なってもよい。
図46(A)は、チャンス目予告実行決定用テーブルを示す説明図である。チャンス目予告実行決定用テーブルは、チャンス目予告を実行するか否かを決定するために、図45のS684やS706において参照されるテーブルである。
チャンス目予告実行決定用テーブルは、変動表示を開始するときにおいて先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときであるか否かに応じて、判定値が設定されている。なお、先読み予告を開始するときとは、たとえば、図45のS681でYESと判定されるときをいい、擬似連を開始するときとは、たとえば擬似連の変動パターン指定コマンドを受信しているときをいう。
先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときであるときには、ランダムSR6から抽出した値に基づき、「1〜8」のときにチャンス目予告実行に決定され、「9」のときにチャンス目予告不実行に決定される。
これに対し、先読み予告を開始するときでも擬似連を開始するときでもないときには、ランダムSR6から抽出した値に基づき、「1」のときにチャンス目予告実行に決定され、「2〜9」のときにチャンス目予告不実行に決定される。
以上のように、チャンス目予告実行決定用テーブルは、演出状態が先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときの方が、先読み予告を開始するときでもなく擬似連を開始するときでもないときよりも、高い割合でチャンス目予告実行に決定されるように、判定値数が設定されている。これより、チャンス目予告が実行されたときの方が、チャンス目予告が実行されないときよりも、その後にチャンス目が停止表示される割合を高くすることができる。
なお、図46(A)では、変動表示を開始するときにおいて先読み予告を開始するときでもなく擬似連を開始するときでもないとき、すなわちチャンス目が停止表示されないときやリーチにもならないときであっても、チャンス目予告実行に決定され得る例について説明した。これに限らず、チャンス目予告が実行されたときには、必ず、リーチが発生するか、チャンス目が停止表示されるように、チャンス目予告を実行するか否かを決定するように構成してもよい。たとえば、図46(A)のテーブルにおいて、先読み予告を開始するときでも擬似連を開始するときでもないときには、さらに、リーチとなる変動表示を開始するときであることを条件として、ランダムSR6から抽出した値に基づき、「1」のときにチャンス目予告実行に決定され、「2〜9」のときにチャンス目予告不実行に決定されるように構成してもよい。そして、先読み予告を開始するときでも擬似連を開始するときでもなく、さらに、リーチとなる変動表示を開始するときでもないときには、チャンス目予告が実行されないように構成してもよい。これにより、チャンス目予告が実行されたときには、必ず、リーチが発生するか、チャンス目が停止表示されるため、遊技者の期待を向上させることができる。
なお、擬似連を開始するときには、必ずチャンス目予告を実行するように構成してもよい。
図46(B)は、チャンス目予告種類決定用テーブルを示す説明図である。チャンス目予告種類決定用テーブルは、実行するチャンス目予告の種類を決定するために、図45のS687、S707、S6824、S6912などにおいて参照されるテーブルである。
チャンス目予告種類決定用テーブルは、先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときであるか否か、および先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときにはさらに予告対象の変動パターン種別に応じて、判定値が設定されている。チャンス目予告の種類としては、前述したように、滑りパターン、特殊パターン、ボタン操作パターン、および図柄キャラクタパターンが設けられている。
先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときであって、予告対象が非特定変動パターン種別であるときには、ランダムSR7から抽出した値に基づき、「1〜30」のときに滑りパターンに決定され、「31〜55」のときに特殊パターンに決定され、「56〜75」のときにボタン操作パターンに決定され、「76〜100」のときに図柄キャラクタに決定される。
また、先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときであって、予告対象が特定変動パターン種別であるときには、ランダムSR7から抽出した値に基づき、「1〜10」のときに滑りパターンに決定され、「11〜24」のときに特殊パターンに決定され、「25〜44」のときにボタン操作パターンに決定され、「45〜100」のときに図柄キャラクタに決定される。
予告対象が特定変動パターン種別であるか否かは、予告対象が今回の変動表示であるときには今回受信した変動パターン指定コマンドにより特定され、予告対象が今回よりも後の変動表示であるときにはS685で設定されるチャンス目予告実行中フラグにより特定される。
また、先読み予告を開始するときでも擬似連を開始するときでもないときには、ランダムSR7から抽出した値に基づき、「1〜70」のときに滑りパターンに決定され、「71〜81」のときに特殊パターンに決定され、「82〜90」のときにボタン操作パターンに決定され、「91〜100」のときに図柄キャラクタに決定される。
以上のように、チャンス目予告種類決定用テーブルは、チャンス目が停止表示される状態であるとき(すなわち先読み予告を開始するときや擬似連を開始するときであるとき)の方が、チャンス目が停止表示されない状態であるとき(すなわち先読み予告を開始するときでも擬似連を開始するときでもないとき)よりも、高い割合で特殊パターン、ボタン操作パターン、図柄キャラクタパターンに決定されるように、滑りパターンに決定される割合が低くなるように、判定値数が設定されている。また、チャンス目予告種類決定用テーブルは、チャンス目が停止表示される状態であるときと、チャンス目が停止表示されない状態であるときとの選択比率から、実行されたときにその後にチャンス目が停止表示される割合(信頼度)が、図柄キャラクタパターンが最も高く、次にボタン操作パターンが高く、その次に特殊パターンが高く、滑りパターンが最も低くなるように、判定値数が設定されている。これより、実行されたチャンス目予告の種類によって、その後にチャンス目が停止表示されることに対する期待感を異ならせることができる。
なお、擬似連を開始するときには、さらに当該擬似連の再変動回数に応じて異なる割合にしたがい、チャンス目予告の種類を決定するように構成してもよい。たとえば、擬似連を開始するときにはさらに当該擬似連の再変動回数毎にチャンス目予告の種類を決定するための判定値数が割り振られているテーブルを用いて、チャンス目予告の種類を決定するように構成してもよい。なお、このようなテーブルにおいては、たとえば、チャンス目予告の種類によって、その後にチャンス目が停止表示される割合(信頼度)に加えて、再変動回数が多くなる割合が、たとえば、図柄キャラクタパターンが最も高く、次にボタン操作パターンが高く、その次に特殊パターンが高く、滑りパターンが最も低くなるように、判定値数が設定されているものであってもよい。これより、実行されたチャンス目予告の種類によって、その後にチャンス目が停止表示されることに加えて、再変動回数が多くなることに対する期待感を異ならせることができる。
なお、図46(A)で説明したように、チャンス目予告が実行されたときには、必ず、リーチが発生するか、チャンス目が停止表示されるように、チャンス目予告を実行するか否かを決定するように構成した場合には、たとえば、図46(B)のテーブルにおいて、先読み予告を開始するときでも擬似連を開始するときでもないときで、さらに、リーチとなる変動表示を開始するときであることを条件として、ランダムSR7から抽出した値に基づき、「1〜70」のときに滑りパターンに決定され、「71〜81」のときに特殊パターンに決定され、「82〜90」のときにボタン操作パターンに決定され、「91〜100」のときに図柄キャラクタに決定されるように構成してもよい。
図46(C)は、再抽選確率決定用テーブルを示す説明図である。再抽選確率決定用テーブルは、再抽選確率を決定するために、図45のS686、S709、S6913において参照されるテーブルである。
再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示において15R大当りになるか否か、予告対象の変動パターン種別が特定変動パターン種別であるか否か、および再変動回数に応じて、判定値が設定されている。なお、15R大当りになるか否か、予告対象の変動パターン種別が特定変動パターン種別であるか否か、および擬似連回数(再変動回数)の組合せ毎に対応させて、図46(C)中に示すように、Aパターン〜Hパターンと称して、以下説明する。たとえば、予告対象において、15R大当りとなるときであって、特定変動パターン種別に属しかつ擬似連なしあるいは擬似連1回(「擬似連あり」の場合における1回を含む)〜擬似連2回の変動パターンで変動表示が行なわれる組合せを、Aパターンと称する。また、たとえば、予告対象において、15R大当り以外となるときであって、特定変動パターン種別に属しかつ擬似連2回〜3回の変動パターンで変動表示が行なわれる組合せを、Fパターンと称する。なお、予告対象における、15R大当りとなるか否か、どの変動パターン種別であるか、および再変動回数は、S685で設定されるチャンス目予告実行中フラグにより特定される。
たとえば、予告対象の変動表示がAパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜5」のときに50%に決定され、「6〜40」のときに30%に決定され、「41〜100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がBパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜3」のときに50%に決定され、「4〜35」のときに30%に決定され、「36〜100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がCパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜10」のときに50%に決定され、「11〜50」のときに30%に決定され、「51〜100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がDパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜8」のときに50%に決定され、「9〜45」のときに30%に決定され、「46〜100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がEパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜85」のときに50%に決定され、「86〜95」のときに30%に決定され、「96〜100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がFパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜80」のときに50%に決定され、「81〜92」のときに30%に決定され、「93〜100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がGパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜95」のときに50%に決定され、「96〜98」のときに30%に決定され、「99、100」のときに10%に決定される。
予告対象の変動表示がHパターンであるときには、再抽選確率が、ランダムSR8から抽出した値に基づき、「1〜90」のときに50%に決定され、「91〜96」のときに30%に決定され、「97〜100」のときに10%に決定される。
以上より、再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示において15R大当りとなるときの方が、15R大当り以外となるときよりも、高い割合で再抽選確率として30%あるいは10%に決定され、50%に決定される割合が低くなるように、判定値数が設定されている。また、再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示において15R大当りとなるときと、15R大当り以外となるときとの選択比率から、選択されたときに15R大当りである割合(信頼度)が、再抽選確率10%が最も高く、次に再抽選確率30%が高く、再抽選確率50%が最も低くなるように、判定値数が設定されている。これより、再抽選が実行されて、チャンス目予告が変化する割合が高いほど、15R大当りとなる信頼度が低く、逆に再抽選が実行されずに同じチャンス目予告が実行される割合が高いほど、15R大当りとなる信頼度が高くなる。その結果、一連のチャンス目予告のうち、その種類が変化した割合に応じて、その後に15R大当りとなることに対する期待感を異ならせることができる。
また、再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示が特定変動パターン種別に属する変動パターンにより実行されるときの方が、非特定変動パターン種別に属する変動パターンにより実行されるときよりも、高い割合で再抽選確率として10%に決定されるように、判定値数が設定されている。また、再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示が特定変動パターン種別に属する変動パターンにより実行されるときと、非特定変動パターン種別に属する変動パターンにより実行されるときとの選択比率から、選択されたときに特定変動パターン種別に属する変動パターンにより変動表示が実行される割合(信頼度)が、再抽選確率10%が最も高くなるように、判定値数が設定されている。これより、再抽選が実行されて、チャンス目予告が変化する割合が高いほど、特定変動パターン種別に属する変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が低く、逆に再抽選が実行されずに同じチャンス目予告が実行される割合が高いほど、特定変動パターン種別に属する変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が高くなる。その結果、一連のチャンス目予告のうち、その種類が変化した割合に応じて、その後に特定変動パターン種別に属する変動パターンにより変動表示が実行されることに対する期待感を異ならせることができる。なお、図9(B)および図10を用いて前述したように、リーチはずれ時判定テーブルよりも15R大当り時判定テーブルの方が、特定変動パターン種別が決定されやすいように判定値数が設定されている。このため、一連のチャンス目予告のうち、その種類が変化した割合が低いときの方が、15R大当りに対する期待感を高めることができる。
なお、再抽選が実行されて、チャンス目予告が変化する割合が高いほど、特定変動パターン種別に属する変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が高く、逆に再抽選が実行されずに同じチャンス目予告が実行される割合が高いほど、特定変動パターン種別に属する変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が低くなるように、判定値数が割り振られたテーブルを用いて、再抽選確率を決定するようにしてもよい。
また、再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示が擬似連でありかつ再変動回数が多い方が、擬似連でなくあるいは擬似連であったとしても再変動回数が少ないときよりも、高い割合で再抽選確率として10%に決定されるように、判定値数が設定されている。また、再抽選確率決定用テーブルは、予告対象の変動表示が擬似連でありかつ再変動回数が多いときと、擬似連でなくあるいは擬似連であったとしても再変動回数が少ないときとの選択比率から、選択されたときに擬似連でありかつ再変動回数が多くなる割合(信頼度)が、再抽選確率10%が最も高くなるように、判定値数が設定されている。これより、再抽選が実行されて、チャンス目予告が変化する割合が高いほど、擬似連でありかつ再変動回数が多い変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が低く、逆に再抽選が実行されずに同じチャンス目予告が実行される割合が高いほど、擬似連でありかつ再変動回数が多い変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が高くなる。その結果、一連のチャンス目予告のうち、その種類が変化した割合に応じて、その後に擬似連でありかつ再変動回数が多い変動パターンにより変動表示が実行されることに対する期待感を異ならせることができる。なお、図9(B)および図10を用いて前述したように、リーチはずれ時判定テーブルよりも15R大当り時判定テーブルの方が、再変動回数が多い擬似連が決定されやすいように判定値数が設定されている。このため、一連のチャンス目予告のうち、その種類が変化した割合が低いときの方が、15R大当りに対する期待感を高めることができる。
なお、再抽選が実行されて、チャンス目予告が変化する割合が高いほど、擬似連でありかつ再変動回数が多い変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が高く、逆に再抽選が実行されずに同じチャンス目予告が実行される割合が高いほど、擬似連でありかつ再変動回数が多い変動パターンにより変動表示が実行される信頼度が低くなるように、判定値数が割り振られたテーブルを用いて、再抽選確率を決定するようにしてもよい。
図46(D)は、再抽選決定用テーブルを示す説明図である。再抽選決定用テーブルは、再抽選を実行するか否かを決定するために、図45のS694、S704、S710において参照されるテーブルである。再抽選決定用テーブルは、図46(C)を参照して決定される再抽選確率に応じて、判定値が設定されている。
再抽選確率が50%であるときには、ランダムSR9から抽出した値に基づき、「1〜5」のときに再抽選実行に決定され、「6〜10」のときに再抽選不実行に決定される。すなわち、50%の割合で、再抽選が実行されるように判定値数が設定されている。なお、再抽選実行に決定されたときには、たとえば図45のS694、S704、S710各々においてYESと判定される。一方、再抽選不実行に決定されたときには、たとえば図45のS694、S704、S710各々においてNOと判定される。
再抽選確率が30%であるときには、ランダムSR9から抽出した値に基づき、「1〜3」のときに再抽選実行に決定され、「4〜10」のときに再抽選不実行に決定される。すなわち、30%の割合で、再抽選が実行されるように判定値数が設定されている。
再抽選確率が10%であるときには、ランダムSR9から抽出した値に基づき、「1」のときに再抽選実行に決定され、「2〜10」のときに再抽選不実行に決定される。すなわち、10%の割合で、再抽選が実行されるように判定値数が設定されている。
図46(E)は、擬似連時チャンス目予告パターン決定用テーブルを示す説明図である。擬似連時チャンス目予告パターン決定用テーブルは、擬似連時チャンス目予告パターンを決定するために、図45のS696やS711において参照されるテーブルである。擬似連時チャンス目予告パターン決定用テーブルは、擬似連における再変動回数に応じて、判定値が設定されている。
擬似連における再変動回数が1回(「擬似連あり」の場合における1回を含む)または2回であるときには、ランダムSR10から抽出した値に基づき、「1〜3」のときに信頼度向上パターンに決定され、「4〜15」のときに信頼度低下パターンに決定される。
擬似連における再変動回数が3回または4回であるときには、ランダムSR10から抽出した値に基づき、「1〜12」のときに信頼度向上パターンに決定され、「13〜15」のときに信頼度低下パターンに決定される。
信頼度向上パターンとは、図46(B)で説明したように、実行されたときにその後にチャンス目が停止表示される割合(信頼度)が向上するチャンス目予告の種類に変化させるパターンをいう。たとえば、信頼度向上パターンとは、初回チャンス目予告が滑りパターンであるときには、2回目の変動においては特殊パターンに決定され、3回目の変動においてはボタン操作パターンに決定され、4回目の変動においては図柄キャラクタパターンに決定されるパターンをいう。なお、チャンス目予告の種類が最も信頼度が高い図柄キャラクタパターンであるときに、それ以上信頼度が高いチャンス目予告がないために、その後の変動においても当該図柄キャラクタパターンが維持される。この場合には、再抽選確率が低いために再抽選が実行されていないのかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、維持するものに限らず、通常では選択されることのない特別パターンに変化させるようにしてもよい。
また、信頼度低下パターンとは、図46(B)で説明したように、実行されたときにその後にチャンス目が停止表示される割合(信頼度)が低下するチャンス目予告の種類に変化させるパターンをいう。たとえば、信頼度低下パターンとは、初回チャンス目予告が図柄キャラクタパターンであるときには、2回目の変動においてはボタン操作パターンに決定され、3回目の変動においては特殊パターンに決定され、4回目の変動においては滑りパターンに決定されるパターンをいう。なお、チャンス目予告の種類が最も信頼度が低い滑りパターンであるときに、それ以上信頼度が低いチャンス目予告がないために、その後の変動においても当該滑りパターンが維持される。この場合には、再抽選確率が低いために再抽選が実行されていないのかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、維持するものに限らず、通常では選択されることのない特別パターンに変化させるようにしてもよい。
以上のように、擬似連時チャンス目予告パターン決定用テーブルは、擬似連における再変動回数が多いときの方が、擬似連における再変動回数が少ないときよりも、高い割合で信頼度向上パターンに決定されるように、判定値数が設定されている。これより、チャンス目予告が変化した場合であっても、信頼度向上パターンにしたがって変化したときの方が、信頼度低下パターンにしたがって変化したときよりも、その後に再変動回数が多い擬似連により変動表示が実行される割合を高くすることができる。その結果、チャンス目予告が変化した場合であっても、信頼度向上パターンにしたがって変化したときの方が、信頼度低下パターンにしたがって変化したときよりも、その後に15R大当りになることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図47は、S516の停止図柄設定処理を示すフローチャートである。まず、今回の変動表示において擬似連演出が実行されるか否かが判定される。擬似連演出が実行されるか否かは、受信した変動パターン指定コマンドに基づき特定される(S720)。S720において擬似連演出が実行されると判定されたときには、以下の処理において、最終停止図柄、擬似連の場合には各変動において仮停止させる仮停止図柄、チャンス目予告を実行する前に仮停止する図柄、ボタン操作パターンによるチャンス目予告実行時において操作ボタン30が操作されなかった場合に仮停止する非操作時の停止図柄が設定される。
具体的には、S721において、図37(A)で示したチャンス目決定用テーブルを参照して、ランダムSR1−1から抽出した値に基づき、初回変動において停止表示させる初回チャンス目を決定して設定する。
S722においては、当該擬似連の変動表示における最終停止図柄を左中右停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3から抽出した値に基づき、左中右最終停止図柄を決定して設定する。この場合、表示結果指定コマンドあるいは変動パターン指定コマンドに基づき、15R確変大当りとするか、15R非確変大当りとするか、リーチはずれにするか、非リーチはずれにするかなどを特定して、対応する演出図柄の組合せが決定される。なお、擬似連の最終の変動では、最終停止図柄がリーチ図柄の組合せとなる。
S723においては、再変動回数が2回以上であるか、すなわち初回チャンス目および最終停止図柄以外にも停止図柄を決定する必要があるか否かを判定する。S723において再変動回数が2回以上でないと判定されたときには、S726へ移行する。
S723において再変動回数が2回以上であると判定されたときには、S724において、図37(B)で示したチャンス目パターン決定用テーブルを参照して、ランダムSR1−2から抽出した値および再変動回数に基づき、チャンス目パターンを決定する。そして、S725においては、S724において決定したチャンス目パターンおよびS721で設定された初回チャンス目に基づき、初回および最終の変動以外の各変動のチャンス目を設定する。
S726においては、図45のS687、S696、S705、S707、あるいはS711において今回の擬似連の各変動(最終の変動を除く)において実行するチャンス目予告としてボタン操作パターンが設定されているか否かを判定する。S726においてボタン操作パターンが設定されていないと判定されたときには、そのまま停止図柄設定処理を終了する。一方、S726においてボタン操作パターンが設定されていると判定されたときには、S727において非操作時に一旦停止表示させるリーチ図柄を設定する。これにより、図38(j)に示すように、非操作時に一旦停止表示させるリーチ図柄が設定される。
ボタン操作パターンが擬似連中(最終の変動を除く)に実行された場合において、操作ボタン30が操作された場合には、S725で設定されたチャンス目が停止表示され、操作ボタン30が操作されなかった場合には、チャンス目に替えてS727で設定されたリーチ図柄を停止表示させた後に、S725で設定されたチャンス目に変化させる演出が実行される。なお、ボタン操作パターンが擬似連中の最終の変動に実行された場合においては、操作ボタン30が操作されたか否かに関わらず、S722で設定された最終停止図柄が停止表示される。
S733においては、今回の変動表示中において実行するチャンス目予告が設定されているか否かを判定する。S733においてチャンス目予告が設定されていないと判定されたときには、S735へ移行する。一方、S733においてチャンス目予告が設定されていると判定されたときには、S734においてチャンス目予告を実行する直前に仮停止させる左および右の演出図柄として、今回の変動表示において停止表示させる図柄としてS720〜S732において設定された停止図柄に応じた演出図柄を設定する。これにより、図38(a)に示すように、チャンス目予告を実行する前に停止させる演出図柄が設定される。本実施の形態においては、前述したように、チャンス目予告を実行する直前に仮停止させる左および右の演出図柄として、今回の変動表示において停止表示させる図柄としてS720〜S732において設定された停止図柄のうち「左」の演出図柄と、当該「左」の演出図柄から所定図柄数離れた図柄(たとえば、4図柄離れた図柄)とを設定する。
S735においては、今回の変動表示において滑り演出が実行されるか否かが判定される。滑り演出が実行されるか否かは、受信した変動パターン指定コマンドに基づき特定される。S735において滑り演出が実行されると判定されなかったときには、そのまま停止図柄設定処理を終了する。一方、S735において滑り演出が実行されると判定されたときには、S736において、滑り時仮停止図柄決定用の乱数SR2から抽出した値に基づき、右仮停止図柄を決定して設定し、停止図柄設定処理を終了する。この場合、決定された左最終停止図柄と異なる図柄、すなわちリーチの組合せとならない図柄から決定する。
S720において擬似連演出が実行されると判定されなかったときには、S728において先読み予告実行中フラグがセットされているか否か、すなわちチャンス目を停止表示させるか否かを判定する。S728において、先読み予告実行中フラグがセットされているときには、図37(A)で示したチャンス目決定用テーブルを参照して、ランダムSR1−1から抽出した値に基づき、今から開始しようとする変動表示の最終停止図柄として停止表示させるチャンス目を決定して設定する。
S730においては、図45のS687、S696、S705、S707、あるいはS711において今回の変動表示中に実行するチャンス目予告としてボタン操作パターンが設定されているか否かを判定する。S730においてボタン操作パターンが設定されていないと判定されたときには、そのまま停止図柄設定処理を終了する。一方、S730においてボタン操作パターンが設定されていると判定されたときには、S731において非操作時に一旦停止表示させる非操作時の図柄であってリーチ図柄でもなくかつチャンス目でもない予め定められた特別はずれ図柄(たとえば、113など)を設定して、S733へ移行する。これにより、非操作時に停止表示させる特別はずれ図柄が設定される。特別はずれ図柄は、1種類であってもよく、複数種類設けられておりランダムに選択決定されるように構成されているものであってもよい。ボタン操作パターンが先読み予告中(擬似連中を除く)に実行された場合において、操作ボタン30が操作された場合には、S729で設定されたチャンス目が停止表示され、操作ボタン30が操作されなかった場合には、チャンス目に替えてS731で設定された特別はずれ図柄が停止表示される。
なお、S731においては、非操作時に一旦停止表示させる非操作時の図柄として、リーチ図柄でもなくかつチャンス目でもない特別はずれ図柄を設定する例について説明したが、これに限らず、リーチ図柄を設定するようにしてもよい。なお、リーチ図柄を設定した場合には、変動パターンから特定される変動時間で変動表示を終了させるために、たとえばリーチ状態となった直後に最後に停止される「中」図柄を停止表示させるように構成してもよい。
S728において先読み予告実行中フラグがセットされていないと判定されたときには、S732において、今から開始しようとする変動表示における最終停止図柄を左中右停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3から抽出した値に基づき決定して設定し、S733へ移行する。この場合、表示結果指定コマンドあるいは変動パターン指定コマンドに基づき、15R確変大当りとするか、15R非確変大当りとするか、リーチはずれにするか、非リーチはずれにするかを特定して、対応する演出図柄の組合せが決定される。
図48は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、演出制御用CPU101は、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78を制御する。
プロセステーブルにおいては、たとえば、前述した滑り演出や擬似連演出のような演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告を実行することが決定されたことに応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
図48に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、たとえば、前述した図柄変動制御パターンテーブルおよび各種演出制御パターンテーブルなどを、より具体的に示したものに相当する。
図49は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、および可動部材78を制御する処理を繰返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
図50は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替を行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S845)。これにより、設定された演出や予告を所定タイミングで実行することができる。
S846においては、操作演出処理を実行する。操作演出処理においては、まず、チャンス目予告としてボタン操作パターンを行なうプロセスデータが設定されているときであって、ボタン操作パターンを開始するタイミングとなったときに、所定期間(たとえば、2秒)に亘り操作ボタン30への操作を有効に受付けるための処理を行なう。
また、当該所定期間内に操作ボタン30への操作が有効に受付けられたときで、擬似連中における最終の変動以外の各変動であるときにはS721あるいはS725で設定されたチャンス目を停止表示させ、擬似連中でなく先読み予告実行中フラグがセットされているときにはS729で設定されたチャンス目を停止表示させるための処理が行なわれる。
一方、当該所定期間内に操作ボタン30への操作が有効に受付けられなかったときで、擬似連中における最終の変動以外の各変動であるときには、上記チャンス目や最終停止図柄を停止表示する前に、S727で設定された非操作時のリーチ図柄を一旦停止表示させるための処理が行なわれる。そして、その後、上記チャンス目や最終停止図柄を停止表示する演出が行なわれる。
擬似連中における最終の変動であるときには、当該所定期間内に操作ボタン30への操作が有効に受付けられたか否かに関わらず、S722で設定された最終停止図柄を停止表示させための処理が行なわれる。
また、当該所定期間内に操作ボタン30への操作が有効に受付けられなかったときで、擬似連中でなく先読み予告実行中フラグがセットされているときには、S731で設定された非操作時の特別はずれ図柄を停止表示させるための処理が行なわれる。
これにより、リーチになる場合にチャンス目予告としてボタン操作パターンが実行された場合には、操作ボタン30への操作の有無に関わらず、当該チャンス目予告が実行された後にリーチ状態となり、変動パターンから特定されるリーチ演出が実行された後に、図47の停止図柄設定処理で設定された最終停止図柄が停止表示される。
なお、擬似連中でもなく先読み予告実行中フラグもセットされていないときには、S732で設定された最終停止図柄を停止表示させる。
S847で、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S847)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S847でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S849)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S848)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S848でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S848でY)、S849に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S848でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図51は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行なうが、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
次に、予告禁止カウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判定する(S873)。すなわち、予告を実行することが禁止されている状態であるか否かを判定する。予告禁止カウンタの値が「0」より大きい値でなく予告を実行することが禁止されていない状態であるときには、S875へ移行する。一方、予告禁止カウンタの値が「0」より大きい値であり予告を実行することが禁止されている状態であるときには、変動停止に応じて、予告禁止カウンタの値を1減算し(S874)、S875へ移行する。
S875においては、S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示したか否かが確認される。S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S883)。
一方、S872の処理で小当り図柄また大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S879)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S879の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出などのプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を実行する(S881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S882)。
なお、上記の実施の形態では、変動表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
次に、前述した第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 擬似連の変動パターンにより変動表示が行なわれているときには、擬似連演出として図36に示すチャンス目を仮停止表示させた後に変動を再開する再変動表示が所定回数実行される。すなわち、チャンス目が仮停止表示されることにより、その後再変動が実行されることを遊技者に報知することができる。擬似連の変動パターンは、図9および図10で示したように、その他の変動パターンよりも大当りとなる信頼度が高くなるように、かつ再変動回数が多い程大当りとなる信頼度が高くなるように、複数種類の変動パターンから選択される。
また、擬似連の変動パターンにより変動表示が行なわれて演出図柄を停止させるときに、図38で示したチャンス目となる可能性を予告するチャンス目予告を実行する。チャンス目予告の種類は、図46で示したように、種類に応じて実際にチャンス目が停止されて再変動が行なわれる割合が異なるように選択される。これにより、変動表示中の演出のバリエーションを豊富にすることができるとともに、実際にチャンス目が停止されて再変動が実行されるかや再変動が何回実行されるのかといったことに加えて、チャンス目予告が実行されるかやどの種類のチャンス目予告が実行されるかに遊技者の注意を惹くことで遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38(a)に示すように、「左」と「右」の変動表示領域にチャンス目を構成しない図柄組合せが停止された後にチャンス目予告が実行されて、再変動が行なわれるときにはチャンス目が停止されるため、チャンス目を構成しない図柄組合せが停止されたときであっても、遊技者の期待感を持続させることができる。
(1−2) 図9〜図11に示すように、変動パターンを決定するための手段が、変動パターン種別を決定する手段(変動パターン種別を決定する処理)と、変動パターンを決定する手段(変動パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、変動パターン種別を決定する手段により決定可能な変動パターン種別の数と、変動パターンを決定する手段により決定可能な変動パターン数との組合せにより、多種類の変動パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動パターン種別に属する各変動パターンを選択する割合を変更しなくても、各変動パターン種別ごとの変動パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動パターンに関し、実行可能とする変動パターン数の変更設定、および、変動パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動パターンについて、実行可能な変動パターン数の設定、および、変動パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。そして、このように設計を簡素化することにより、パチンコ遊技機1の開発に関し、開発期間を短期化し、開発効率を向上させることができる。
(1−3) 始動入賞時に実行される図15のS218やS228の処理において、当該始動入賞による変動表示において15R大当りになるかやいずれの変動パターン種別の変動パターンで変動表示が実行されるかが事前に判定される。そして、当該事前判定の結果が15R大当りであるかあるいはスーパーリーチBとなる特定変動パターン種別であるかに応じて、図39において先読み予告を実行するか否かが決定される。先読み予告は、予告の対象となる始動入賞に基づく変動表示が開始される以前の段階からチャンス目を強制的に停止表示することにより行なわれる。このため、チャンス目が停止表示されることにより、その後15R大当りになる可能性があることやスーパーリーチBで変動表示が行なわれる可能性があることを遊技者に報知することができる。そして、チャンス目予告の種類は、図46で示したように、種類に応じて実際にチャンス目が停止される割合およびスーパーリーチBで変動表示が実行される割合が異なるように選択される。これにより、変動表示中の演出のバリエーションを豊富にすることができるとともに、実際にチャンス目が停止されるか、チャンス目が何回連続で停止表示されたのか、スーパーリーチBで変動表示が行なわれたかといったことに加えて、チャンス目予告が実行されるかやどの種類のチャンス目予告が実行されるかに遊技者の注意を惹くことで遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−1) 擬似連中であるとき(最終の変動を除く)であって、複数種類のチャンス目予告のうちボタン操作パターンが実行され所定期間中に操作ボタン30が操作されなかったときには、擬似連では最終の変動のときに発生するリーチ状態となるリーチ図柄を一旦停止表示させて、当該変動で擬似連による変動表示が終了するかのような演出を実行することができる。また、擬似連でなくかつ先読み予告中であって、複数種類のチャンス目予告のうちボタン操作パターンが実行され所定期間中に操作ボタン30が操作されなかったときには、リーチ状態とならずかつチャンス目ともならない特別はずれ図柄を停止表示させて、当該変動で先読み予告が終了するかのような演出を実行することができる。これにより、操作をしない遊技者に焦りを与えることができ、遊技の興趣を向上させるとともに、ボタン操作パターンによるチャンス目予告が実行されたときには積極的に操作ボタン30を操作しようといった遊技参加意欲を向上させることができる。なお、前述したように、擬似連でなくかつ先読み予告中であって、複数種類のチャンス目予告のうちボタン操作パターンが実行され所定期間中に操作ボタン30が操作されなかったときには、特別はずれ図柄ではなく、リーチ状態となる図柄を停止表示させて、当該変動で先読み予告が終了するかのような演出を実行した場合にも、同様の効果を奏する。
また、擬似連中であるときであってボタン操作パターンが実行され所定期間中に操作ボタン30が操作されずリーチ図柄が一旦停止表示されたときであっても、その後チャンス目を停止表示させる演出が実行されるため、チャンス目が停止されなかったにも関わらず再変動が実行されるといった遊技者を惑わせる演出が実行されることを防止することができる。
(2−2) 複数種類のチャンス目予告のうちボタン操作パターンが実行され所定期間中に操作ボタン30が操作されなかったときに停止表示されるリーチ図柄や特別はずれ図柄は、図47のS727やS731において当該変動表示が開始されるときに事前に決定されている。このため、操作ボタン30が操作されなかったときには、本来停止表示させる予定であったチャンス目に替えてすでに図47のS727やS731において決定されている図柄を停止表示させればよい。その結果、上記のような演出を行なうための制御を複雑にすることなく、操作されなかったときになって停止表示させる図柄を決定する処理などを実行することにより処理落ちが発生することを未然に防止することができる。
(3) 擬似連による変動パターンにより変動表示が開始されてから終了するまでに実行するチャンス目予告の種類は、図45で示したように、当該変動表示を開始するときに、再変動回数に応じて停止表示させる回数分が決定される。このため、たとえば、擬似連による変動表示を開始した後において再変動が実行されるか否かを判定する処理、該判定結果に応じて予告演出を選択するといった処理を行なう必要がないため、変動表示中に要する処理データ容量を削減するとともに処理負担の軽減を図ることができる。
(4) 複数種類のチャンス目予告には、図38(d)および(e)で示したように、チャンス目予告を実行する前に仮停止された演出図柄を構成するキャラクタを用いて、当該演出図柄独自のチャンス目予告が実行される。このため、いずれの演出図柄が仮停止されるかにも遊技者の注意を惹くことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 先読み予告中および擬似連中に連続して停止表示されるチャンス目に対応して実行される一連のチャンス目予告は、図46(C)で示したように、15R大当りになるか否かに応じた振分率にしたがって決定される再抽選確率に基づき、再抽選せずに直近に実行されたまたは実行されるチャンス目予告を次の変動でも実行するか、あるいは再抽選して選択されたチャンス目予告を実行するかが決定される。これにより、一連のチャンス目予告のうち、前後においてその種類が変化した割合に応じて、15R大当りに対する期待感を異ならせることができる。その結果、一連のチャンス目予告がどのような組合せとなるかにも遊技者の注意を惹くことができ、遊技者の期待感を煽ることができ遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 図39のS663において、始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときは、S664において予告禁止カウンタの値が「0」であるか否かを判定することにより前回の先読み予告が終了してから所定回数変動表示が行なわれているか否かを判定し、所定回数変動表示が行なわれているときにだけS666へ移行して先読み予告の実行の有無を決定する。また、図41で示したように、先読み予告が連続して実行される回数を保留記憶の上限数である「8」以下の「7」に制限している。これにより、「7」よりも多い回数の変動表示に亘って、ガセ予告が実行されることを防止することができる。これにより、「7」よりも多い回数の変動表示に亘って先読み予告を連続して実行することにより遊技者の期待感を煽ったにも関わらず、15R大当りとなる信頼度が高い特定変動パターンで変動表示が実行されなかったために、遊技者に大きな失望感を抱かせてしまうような不都合の発生を防止することができる。その結果、連続して実行される複数回の変動表示各々において先読み予告を行なうことにより遊技の興趣を向上させつつ、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止することができる。
なお、ガセ予告が連続して実行される上限回数を「7」に制限した例について説明したが、上限回数は「7」に限らず、保留記憶の上限数以下であれば任意の数値であってもよい。たとえば、上限回数は「5」に設定されているものであってもよく、また、一方の特別図柄の保留記憶の上限数である「4」に設定されているものであってもよい。
(7) 図39のS667において先読み予告を実行すると判定されたときには、さらに、S669において予告開始保留が決定されて、当該予告開始保留に基づく変動表示から先読み予告を開始させるための処理が行なわれる。これにより、先読み予告を開始するタイミングを変化させることにより、先読み予告の態様がどの保留記憶であるかを遊技者に対して特定不能にすることができる。その結果、先読み予告が実行されている間に行なわれる複数回の変動表示各々に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図45のS699、S700、図51のS873、S874、および図39のS664の処理のような、比較的簡単な制御処理を設けることにより、ガセ予告としての先読み予告が終了したときに予告禁止カウンタをセットし、所定回数変動表示が行なわれる間ガセ予告が行なわれることを防止することができ、その結果、「7」よりも多い回数の変動表示に亘ってガセ予告が連続して実行されてしまうことを防止することができる。
(9) 図39のS661において、先読み予告実行中フラグまたは先読み予告フラグがセットされているときであっても、S674において実行中または実行される予定の先読み予告の対象が15R大当り以外となる保留記憶であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドであると判定したときには、S675において予告終了カウンタの値が今回の保留記憶を含む未変動の保留記憶数に更新される。これにより、先読み予告の実行回数を増加させて、当該先読み予告を今回の保留記憶に基づく変動表示まで延長させて実行させることができる。その結果、15R大当りとならない保留記憶を対象とする先読み予告を真予告の一部として有効活用することができる。また、連続して先読み予告が実行される回数が多くなるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
(10) 図7の(C)および(D)で示したように、大当り種別決定において2R確変大当りとなる割合が低く、15R大当りとなる割合が高い点において、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞した方が遊技者にとって有利であるといえる。また、確変状態に制御されているときには、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、第2始動入賞口14への入賞頻度が向上する。このため、確変状態に制御されているときには、15R大当りになる割合が向上し、出玉性能を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(11) 図39、図45、および図47で説明したように、先読み予告やチャンス目予告を実行するか否かが、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により決定される。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560が先読み予告やチャンス目予告を実行するか否かの決定を行なう場合と比較して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(12) 遊技制御用マイクロコンピュータ560より始動入賞指定コマンドを送信することにより、図39で示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により保留表示するための処理が行なわれるとともに先読み予告を実行するための処理が行なわれる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留表示するためのコマンドと別に、先読み予告を実行するためのコマンドを送信する必要がない。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信するコマンド数を増大させることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100により保留表示させるとともに先読み予告を実行させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態に示した擬似連演出やチャンス目予告に関わる各種制御を、スロットマシンに適用した例を説明する。図52は、第2実施形態によるスロットマシン501の正面図である。
図52を参照して、スロットマシン501においては、メダル投入部504からメダルが投入されるまたはMAXBETボタン506が操作されることにより所定数(たとえば3)の賭数が設定されると、スタートレバー507の操作が有効となりゲームを開始させることが可能となる。
そして、遊技者によってスタートレバー507が操作されると、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する特別役(ビッグボーナス、レギュラーボーナスなど)、所定数のメダルを付与する小役(ベル、メロンなど)、賭数を設定することなくゲームを開始可能にする再遊技役(リプレイ)を含む複数種類の入賞各々の発生を許容するか否かを抽選する内部抽選処理が実行されるとともに、図柄表示装置5000に設けられている各リール502L,502C,502Rが回転を始める。各リール502L,502C,502Rには、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報としての入賞用図柄500が各リールに複数配列されている。
遊技者がリール502L,502C,502Rのそれぞれに対応するストップボタン508L,508C,508Rを操作したことによりすべてのリール502L,502C,502Rが停止した時点で、図柄表示装置5000の表示窓503を介して表示されている各リールの上段、中段、下段の3段の入賞用図柄のうちの賭数に応じて定められる有効な入賞ライン(有効ライン)上に位置する入賞用図柄の組合せによって複数種類の入賞のいずれかが発生したか否かが判定される。特別役(ビッグボーナス、レギュラーボーナスなど)の入賞が発生したとき(ボーナスの組合せ、たとえば「7−7−7」など)には、遊技者にとって有利な特定遊技状態(ボーナス)に制御される。また、小役の入賞が発生したとき(小役の組合せ、たとえば「ベル−ベル−ベル」など)には、該小役に対応するメダルが遊技者に付与される。また、再遊技役の入賞が発生したとき(リプレイの組合せ、たとえば「リプレイ−リプレイ−リプレイ」など)には、メダルを消費することなく次のゲームが開始可能となる。有効ライン上の入賞用図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、液晶表示器551の表示によって所定の遊技演出がなされ、遊技状態が移行する等、入賞に応じた状態に制御される。
液晶表示器551は、遊技の進行に応じて所定の演出を実行可能である。液晶表示器551においては、遊技演出の一例として、たとえば、リール開始に応じて各々を識別可能な複数種類の演出用(装飾用)の識別情報としての演出用左図柄521、演出用中図柄522、演出用右図柄523の演出用図柄を変動開始させた後に、内部抽選結果や入賞の発生などに応じた図柄組合せを停止表示させる演出が行なわれる。演出用図柄は、第1実施形態における「1」〜「8」の演出図柄と同様に、独自の数字と独自のキャラクタとから構成されている。そして、たとえば、特別役のうちボーナスに当選または入賞したことに基づいて、液晶表示器551の変動表示の表示結果として「7−7−7」が停止表示される。
図示を省略するが、スロットマシン501には、図2の遊技制御基板(主基板)31に相当する遊技制御基板、図2の演出制御基板80に相当する演出制御基板、電源基板等が設けられている。電源基板によってスロットマシン501を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。遊技制御基板によって遊技状態が制御される。演出制御基板によって遊技状態に応じた演出および予告が制御される。
遊技制御基板に設けられたメイン制御部のCPUは、演出制御基板に設けられたサブ制御部に、各種のコマンドを送信する。このようなコマンドには、たとえば、内部抽選結果を示す内部抽選結果コマンド、左,中,右のリール502L,502C,502Rのそれぞれの停止を示す停止コマンド(停止したタイミングのみを示すものでもよく、停止したタイミングおよび停止した入賞用図柄500の態様を示すものでもよい)、入賞が生じたことを示す入賞コマンド、および、ゲーム終了時において次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが含まれる。
ゲーム開始可能な状態においてスタートレバー507が操作されると、メイン制御部における内部抽選の処理プログラムによって、内部抽選が実行されて、特別役、小役、再遊技役等の入賞各々の発生を許容するか否かが決定される。
メイン制御部におけるリール502L,502C,502Rで表示結果を導出表示させる制御を行なう処理プログラムにより、内部抽選の結果やストップボタン508L,508C,508Rの操作手順(タイミング、操作順など)に応じた表示結果を、図柄表示装置5000に導出させるリール制御が行なわれる。
演出制御基板に設けられたサブ制御部のCPUは、遊技制御基板から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器551における演出制御、演出効果LED552等の各種発光体の駆動制御、および、スピーカからの音声の出力制御のような各種の演出に関する制御を行ない、演出制御基板に搭載された制御回路の各部を制御する。
特に、サブ制御部のCPUは、内部当選状態や遊技状態に応じて、液晶表示器551において演出用図柄の変動表示に用いる変動パターンおよび停止表示させる演出用図柄を設定する処理(図20、図44、図45、図47に相当する処理)を行ない、該設定した変動パターンにしたがって演出用図柄を変動表示させた後、設定した演出用図柄を停止表示させる処理(図42のS802〜S803に相当する処理)を行なう。
たとえば、変動パターンの選択について、サブ制御部のCPUは、内部抽選結果コマンドに基づき、図20の変動パターン設定処理に対応する処理プログラムにより、図9〜図11のテーブルに対応する変動パターン決定用テーブルを参照して、複数種類の変動パターン種別からいずれかを決定し、該決定した変動パターン種別に属する変動パターンのうちから実行する変動パターンを決定する。なお、図9〜図11のテーブルに対応する変動パターン決定用テーブルは、サブ制御部のROMに格納されている。
複数種類の変動パターンには、第1実施形態で示した擬似連の変動パターンを含む。サブ制御部のCPUは、第1実施形態と同様に、擬似連の変動パターンについてはその他の変動パターンよりも特別役に当選している可能性が高くなるように、かつ再変動回数が多い程特別役に当選している可能性が高くなるように、複数種類の変動パターンから選択する。擬似連の変動パターンにより演出用図柄が変動表示されたときには、第1実施形態と同様に、各変動(最終の変動を除く)においてチャンス目(たとえば、「7−7−8」、図36参照)が仮停止表示され、最終の変動においてリーチ状態となり、ボーナスに当選または入賞したことに基づいて「7−7−7」が停止表示される。
サブ制御部のCPUは、該選択した変動パターンにしたがって、図44の演出図柄変動開始処理に対応する処理プログラムにより、液晶表示器551において演出用図柄の変動表示を行なう演出を実行する。
サブ制御部のCPUは、擬似連の変動パターンを選択したときには、図45のS706〜S712に相当する処理を実行することにより、擬似連の各変動において演出用図柄を停止表示させるタイミングにおいて実行するチャンス目予告を設定し、図47のS720〜S727、S733およびS734に相当する処理を実行することにより、擬似連の最終の変動において停止する最終停止図柄、擬似連の各変動(最終の変動を除く)において仮停止させる仮停止図柄、チャンス目予告を実行する前に仮停止する図柄、ボタン操作パターンによるチャンス目予告実行時において、MAXBETボタン506の左方に設けられている操作ボタン530が操作されなかった場合に仮停止する図柄などを設定する。
より具体的に、サブ制御部のCPUは、擬似連の変動パターンを選択したときには、図45のS706〜S712に相当する処理を実行することにより、たとえば、図46(A)などに示すテーブルを用いて、擬似連の変動パターンが選択されたか否かに応じた割合でチャンス目予告を実行するか否かを決定し(図45のS706相当)、チャンス目予告を実行すると決定されたときには、図46(B)などに示すテーブルを用いて、擬似連の変動パターンが選択されたか否かに応じた割合で初回チャンス目予告の種類を決定する(図45のS707相当)。
チャンス目予告を実行するか否かの決定においては、たとえば、擬似連を開始するときの方が、擬似連を開始しないときよりも、高い割合でチャンス目予告実行に決定されるように構成されている。これより、チャンス目予告が実行されたときの方が、チャンス目予告が実行されないときよりも、その後にチャンス目が停止表示される割合を高くすることができる。
また、チャンス目予告の種類決定においては、たとえば、チャンス目が停止表示される状態であるとき(すなわち擬似連を開始するときであるとき)の方が、チャンス目が停止表示されない状態であるとき(すなわち擬似連を開始するときでもないとき)よりも、高い割合でチャンス目予告として特殊パターン、ボタン操作パターン、図柄キャラクタパターンに決定されるように、滑りパターンに決定される割合が低くなるように決定される。また、チャンス目が停止表示される状態であるときと、チャンス目が停止表示されない状態であるときとの選択比率から、実行されたときにその後にチャンス目が停止表示される割合(信頼度)が、図柄キャラクタパターンが最も高く、次にボタン操作パターンが高く、その次に特殊パターンが高く、滑りパターンが最も低くなるように決定される。これより、実行されたチャンス目予告の種類によって、その後にチャンス目が停止表示されることに対する期待感を異ならせることができる。
サブ制御部のCPUは、初回チャンス目予告の種類を決定した後であって擬似連の変動パターンが選択されているときには、さらに、初回チャンス目以降のチャンス目に対応して実行するチャンス目予告の種類を再抽選する再抽選確率を決定して設定し(図45のS709相当)、図46(C)などに示すテーブルを用いて、内部抽選において特別役に当選しているか否かに応じた割合で再抽選確率を決定し、該決定された再抽選確率にしたがい再抽選を実行するか否かを決定し(図45のS710相当)、再抽選を実行しないときには初回チャンス目予告を再変動回数に応じて初回以降の各変動においても実行させるように設定し(図45のS712相当)、再抽選を実行すると判定されたときには、図46(E)などに示すテーブルを用いて擬似連時チャンス目予告パターンを決定し、初回チャンス目予告以降の各変動におけるチャンス目予告の種類を特定して設定する(図45のS711相当)。
再抽選確率を決定の決定においては、たとえば、内部抽選により特別役に当選しているときの方が、特別役に当選していないときよりも、高い割合で再抽選確率として30%あるいは10%に決定され、50%に決定される割合が低くなるように決定される。また、内部抽選により特別役に当選しているときと、特別役に当選していないときとの選択比率から、内部抽選により特別役に当選している割合(信頼度)が、再抽選確率10%が最も高く、次に再抽選確率30%が高く、再抽選確率50%が最も低くなるように決定される。これより、再抽選が実行されて、チャンス目予告が変化する割合が高いほど、特別役に当選している信頼度が低く、逆に再抽選が実行されずに同じチャンス目予告が実行される割合が高いほど、特別役に当選している信頼度が高くなる。その結果、一連のチャンス目予告のうち、その種類が変化した割合に応じて、特別役に当選していることに対する期待感を異ならせることができる。
再抽選を実行すると判定されたときにおける擬似連時チャンス目予告パターンの決定においては、たとえば、擬似連における再変動回数が多いときの方が、擬似連における再変動回数が少ないときよりも、高い割合で信頼度向上パターンに決定される。これより、チャンス目予告が変化した場合であっても、信頼度向上パターンにしたがって変化したときの方が、信頼度低下パターンにしたがって変化したときよりも、その後に再変動回数が多い擬似連により変動表示が実行される割合を高くすることができる。その結果、チャンス目予告が変化した場合であっても、信頼度向上パターンにしたがって変化したときの方が、信頼度低下パターンにしたがって変化したときよりも、特別役に当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
これにより、スロットマシン501においては、第1実施形態に示した擬似連演出およびチャンス目予告に関する制御と同様の制御を行なうことが可能である。このような第2実施形態によるスロットマシン501においては、第1実施形態によるパチンコ遊技機1と同様の制御が行なわれることにより、擬似連演出およびチャンス目予告に関して、第1実施形態による制御を行なうことにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
すなわち、第2実施形態におけるスロットマシンにおいては、擬似連の変動パターンにより変動表示が行なわれて演出用図柄を停止させるときにチャンス目となる可能性を予告するチャンス目予告を実行でき、かつチャンス目予告の種類に応じて実際にチャンス目が停止されて再変動が行なわれる割合を異ならせることができる。これにより、変動表示中の演出のバリエーションを豊富にすることができるとともに、実際にチャンス目が停止されて再変動が実行されるかや再変動が何回実行されるのかといったことに加えて、チャンス目予告が実行されるかやどの種類のチャンス目予告が実行されるかに遊技者の注意を惹くことで遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態におけるスロットマシンにおいては、擬似連中であるとき(最終の変動を除く)であって、複数種類のチャンス目予告のうちボタン操作パターンが実行され所定期間中に操作ボタン530が操作されなかったときには、擬似連では最終の変動のときに発生するリーチ状態となるリーチ図柄を一旦停止表示させて、当該変動で擬似連による変動表示が終了するかのような演出を実行することができる。これにより、操作をしない遊技者に焦りを与えることができ、遊技の興趣を向上させるとともに、ボタン操作パターンによるチャンス目予告が実行されたときには積極的に操作ボタン530を操作しようといった遊技参加意欲を向上させることができる。
また、リーチ図柄を一旦停止表示されたときであっても、その後チャンス目を停止表示させる演出を実行することができる。このため、チャンス目が停止されなかったにも関わらず再変動が実行されるといった遊技者を惑わせる演出が実行されることを防止することができる。
また、第2実施形態におけるスロットマシンにおいては、複数種類のチャンス目予告のうちボタン操作パターンが実行されて所定期間中に操作ボタン530が操作されなかったときに停止表示されるリーチ図柄は、当該変動表示が開始されるときに事前に決定されている(図47のS727参照)。このため、操作ボタン30が操作されなかったときには、本来停止表示させる予定であったチャンス目に替えてすでに決定されている図柄を停止表示させればよい。その結果、上記のような演出を行なうための制御を複雑にすることなく、操作されなかったときになって停止表示させる図柄を決定する処理などを実行することにより処理落ちが発生することを未然に防止することができる。
また、第2実施形態におけるスロットマシンにおいては、擬似連による変動パターンにより変動表示が開始されてから終了するまでに実行するチャンス目予告の種類は、当該変動表示を開始するときに、再変動回数に応じて停止表示させる回数分一括して決定される(図45参照)。このため、たとえば、擬似連による変動表示を開始した後において再変動が実行されるか否かを判定する処理、該判定結果に応じて予告演出を選択するといった処理を行なう必要がないため、変動表示中に要する処理データ容量を削減するとともに処理負担の軽減を図ることができる。
また、第2実施形態におけるスロットマシンにおいては、複数種類のチャンス目予告には、チャンス目予告を実行する前に仮停止された演出図柄を構成するキャラクタを用いて、当該演出図柄独自のチャンス目予告が実行される(図38(d)および(e)参照)。このため、いずれの演出図柄が仮停止されるかにも遊技者の注意を惹くことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態におけるスロットマシンにおいては、擬似連中に連続して停止表示されるチャンス目に対応して実行される一連のチャンス目予告は、特別役に当選しているか否かに応じた振分率にしたがって決定される再抽選確率に基づき、再抽選せずに直近に実行された(される)チャンス目予告を次の変動でも実行するか、あるいは再抽選して選択されたチャンス目予告を実行するかが決定される(図46(C)参照)。これにより、一連のチャンス目予告のうち、前後においてその種類が変化した割合に応じて、特別役に当選していることに対する期待感を異ならせることができる。その結果、一連のチャンス目予告がどのような組合せとなるかにも遊技者の注意を惹くことができ、遊技者の期待感を煽ることができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、サブ制御部のCPUは、特別役と同時に内部抽選対象役として読み出されて当選し得る入賞役(たとえば、特定のリプレイ、特定の小役、以下、同時当選役ともいう)に入賞したときに、以降に実行される複数回のゲームに亘って、当該複数回のゲーム各々に対応させて、液晶表示器551において演出用図柄の変動表示を行なう演出を実行するように構成してもよい。この場合、複数回のゲームのうち、最終回のゲームを除くゲームに対応する変動表示の表示結果としてチャンス目を停止表示させ、最終回のゲームに対応する変動表示の表示結果として特別役の当選状況に応じた図柄組合せを停止表示させる演出を実行するとともに、各変動表示においてチャンス目予告を実行するように構成してもよい。この場合であっても、チャンス目予告の種類は、図46で示したように、種類に応じて実際にチャンス目が停止される割合および特別役に当選している割合が異なるように選択されるように構成してもよい。これにより、変動表示中の演出のバリエーションを豊富にすることができるとともに、実際にチャンス目が停止されるか、チャンス目が何回連続で停止表示されたのか、特別役に当選しているかといったことに加えて、チャンス目予告が実行されるかやどの種類のチャンス目予告が実行されるかに遊技者の注意を惹くことで遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、このように構成する場合、メイン制御部のCPUでは、同時当選役に入賞したときに、たとえば、特別役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる入賞役(たとえば、リプレイ)の当選確率が通常状態よりも高確率となる遊技者にとって有利な有利状態に制御するように構成してもよい。これにより、同時当選役に入賞したときには、以後開始される複数回のゲーム途中において特別役に入賞してしまう可能性を低減することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施形態においては、図38(b)〜(j)に示すような演出を、チャンス目予告の一例として説明した。しかし、チャンス目予告は、図38(b)〜(j)に示すような演出に限らず、通常と異なることが遊技者に認識され得る態様であればどのようなものであってもよい。たとえば、チャンス目予告は、図柄表示エリア9L、9C、9Rに演出図柄を停止表示する順序を、通常と異ならせることにより実行されるものであってもよい。具体的には、図柄表示エリア9L、9C、9Rに演出図柄を停止表示する順序が通常時では「左」→「右」→「中」の順序である場合において、「右」→「左」→「中」や「中」→「左」→「右」などの順序で演出図柄を停止表示させることによりチャンス目予告を実行するものであってもよい。また、通常と異なる順序のうち、どの順序であるかによってその後実際にチャンス目が停止される割合が異なるように、順序を選択するように構成してもよい。これにより、チャンス目予告として、どの順序で演出図柄が停止表示されるかに遊技者の注意を惹くことで遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した第1実施形態において示した各種制御を、所謂バトルスペックと呼ばれる種類のパチンコ遊技機に適用してもよい。バトルスペックと呼ばれる種類のパチンコ遊技機は、次のようなものである。
大当りの種別として、たとえば、第1実施形態に示したような15R確変大当り、2R確変大当りに加えて、大当り中のラウンドの回数が7回に設定されておりかつ大当り終了後に確変状態に制御される7R確変大当りと、大当り中のラウンドの回数が2回に設定されておりかつ大当り終了後に確変状態に制御されず確変状態を終了させる2R非確変大当りが設けられる。そして、当り判定により大当りとすることが決定されたときに、大当り種別が、これら複数の大当り種別のうちからいずれかの種別にランダムに決定される。
複数の大当り種別のうち、2R大当り(2R確変大当りおよび2R非確変大当り)を除く、7R確変大当りおよび15R確変大当りのいずれかが選択されたときには、当該大当り終了後において、遊技者の味方に相当する味方キャラクタと、遊技者の敵に相当する敵キャラクタとが戦う画像を変動表示装置9に表示する演出であるバトル演出を行なうバトル演出モードが開始される。
バトル演出モードの期間中において、7R確変大当りおよび15R確変大当りのいずれかとすることが決定されたときには、バトル演出において味方キャラクタが勝ったことを示す演出が行なわれる。そして、その大当りにおける大当り遊技状態の終了後には、再びバトル演出モードに突入する。
一方、バトル演出モードの期間中において、2R非確変大当りとすることが決定されたときには、バトル演出において味方キャラクタが負けたことを示す演出が行なわれてバトル演出モードを終了させる制御が行なわれる。なお、バトル演出モードの期間中において、2R確変大当りとすることが決定されたことを条件としても(たとえば、2R確変大当りとすることが決定されたとき、2R確変大当りとすることが決定されかつ所定のバトル演出モードを終了させる抽選に当選したときなど)、バトル演出において味方キャラクタが負けたことを示す演出が行なわれてバトル演出モードを終了させる制御が行なわれるものであってもよい。
バトル演出モードが終了してから所定期間(たとえば10回変動表示が行なわれるまでの期間など)が経過するまで、確変状態であるか否かが遊技者にとって特定不能となる演出(たとえば内部的に確変状態に制御されているか否かに関わらず共通の演出)を実行する。
また、バトル演出モードに制御するパチンコ遊技機においては、発生する大当りのラウンド数に応じて擬似連の再変動回数が選択される割合が異なるように設定してもよい。具体的には、たとえば、擬似連4回が選択されるときには大当りのうち15R確変大当りとなる割合が最も高く、擬似連3回が選択されるときには大当りのうち7R確変大当りとなる割合が最も高くなるように、大当りの種類と擬似連の変動パターンとの相関関係を設定したデータテーブルを、変動パターンを決定するためのテーブルとして用いるようにする。さらに、変動パターンを決定するためのテーブルは、擬似連2回のような再変動回数が比較的少ないときには、2R大当りとなる割合が最も高くなるように大当りの種類と擬似連の変動パターンとの相関関係が設定されているものであってもよい。このようにすれば、擬似連により連続して実行される再変動の回数が増えていくことにより、大当りの発生および大当りのラウンド数に対する遊技者の期待が段階的に向上していくので、遊技の興趣が向上するようにすることができる。一方、擬似連により連続して実行される再変動の回数が少ないときには、バトル演出が終了する(すなわち確変状態が終了する)かもしれないという焦燥感を遊技者に与えることができる。このような期待感および焦燥感を遊技者に与えることができることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
このようなバトル演出モードに制御するパチンコ遊技機においては、バトル演出モードに制御されていないときにのみ、第1実施形態で説明した擬似連演出を含む演出や先読み予告およびチャンス目予告を含む予告を実行するための各種制御を行なうように構成してもよい。
(3) 前述した実施形態においては、チャンス目予告を実行するタイミングが、図38(a)で示すように、複数の変動表示領域のうちいずれかの変動表示領域にチャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる図柄の組合せを仮停止させたタイミングである例について説明した。これにより、チャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる図柄が停止表示されたときであっても遊技者の期待感を持続させることができる。しかし、チャンス目予告を実行するタイミングは、これに限らず、たとえば、変動が開始したとき、変動開始から所定時間経過したとき、いずれかの変動表示領域に図柄が停止表示される直前のタイミングなどであってもよい。また、チャンス目予告を実行するタイミングは、変動表示領域にチャンス目以外でかつリーチの組合せ以外となる図柄の組合せを仮停止させたタイミングであれば、複数の変動表示領域のすべてに図柄を仮停止させたタイミング、すなわちすべての変動表示領域各々に図柄が仮停止表示されたタイミング(たとえば、第3停止される「中」図柄が停止したタイミングなど)であってもよい。
(4) 前述した実施形態においては、図46(B)で示したように、滑りパターン、特殊パターン、ボタン操作パターン、図柄キャラクタパターンのうちいずれによりチャンス目予告が実行されるかに応じて、その後に実際にチャンス目が停止表示される割合が異なるように選択される例について説明した。さらに、図柄キャラクタパターンについては、図柄キャラクタパターンによるチャンス目予告が実行される直前に仮停止される図柄が「1」〜「8」の図柄のいずれであるかに応じて、すなわち仮停止されるキャラクタに応じて、その後に実際にチャンス目が停止表示される割合が異なるように選択されるように構成してもよい。これにより、より一層いずれの図柄が停止されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施形態においては、図45のS684やS706においてチャンス目予告を実行することが決定されたときには、その後の各変動において必ず連続してチャンス目予告が実行される例について説明した。しかし、チャンス目予告は、各変動において必ず連続して実行されるものに限らず、途中の変動において実行されない場合が生じるものであってもよい。たとえば、各変動において、チャンス目予告を実行するか否かを決定するように構成してもよい。これにより、チャンス目予告が途切れた後においても再度チャンス目予告が実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(6) 前述した実施形態における演出図柄および演出用図柄は、数字とキャラクタとから構成される例について説明した。しかし、演出図柄および演出用図柄は、識別可能なキャラクタを含む構成であればよく、キャラクタのみから構成されるものであってもよい。
また、複数種類の演出図柄および演出用図柄は、「1」〜「8」のすべてについて、数字とキャラクタとから構成される例について説明したが、複数種類の演出図柄および演出用図柄の一部(たとえば、「1」〜「4」)は、数字とキャラクタとから構成され、複数種類の演出図柄および演出用図柄の一部(たとえば、「5」〜「8」)は、キャラクタを含まないように構成されているものであってもよい。これにより、図柄キャラクタパターンによるチャンス目予告が実行される可能性のあるキャラクタが含まれる演出図柄や演出用図柄(たとえば、「1」〜「4」)が仮停止されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 前述した実施形態において、擬似連中の各変動において実行するチャンス目予告の組合せは、図45に示したように、当該擬似連の初回変動のチャンス目予告を設定した後、再抽選確率や擬似連時チャンス目予告パターンにしたがってそれ以降の各変動のチャンス目予告を設定する例について説明した。しかし、擬似連中の各変動において実行するチャンス目予告の組合せは、たとえば複数種類のチャンス目予告の組合せから一の組合せを選択可能なテーブルが再変動回数に対応して設けられており、当該テーブルを参照して一回の選択処理で再変動回数分のチャンス目予告の組合せを設定するものであってもよい。また、先読み予告中の各変動表示において実行するチャンス目予告の組合せは、図45に示したように、初回の変動表示のチャンス目予告を設定した後、再抽選確率にしたがってそれ以降の各変動表示のチャンス目予告を設定する例について説明した。しかし、先読み予告中の各変動表示において実行するチャンス目予告の組合せは、たとえば複数種類のチャンス目予告の組合せから一の組合せを選択可能なテーブルが予告実行回数(予告が行なわれる変動表示回数、擬似連が含まれる場合には再変動回数も含む)に対応して設けられており、当該テーブルを参照して一回の選択処理で予告実行回数分のチャンス目予告の組合せを設定するものであってもよい。この場合、一連のチャンス目予告の組合せを設定するために参照されるテーブルは、たとえば、当該一連のチャンス目予告の組合せによってその後15R大当りとなる割合が異なるように、選択に用いる判定値数が設定されているものであればよい。
(8−1) 前述した第1実施形態においては、図45のS690で示したように、先読み予告中における変動表示においてリーチになった場合、先読み予告を強制的に終了させて、当該先読み予告の対象となる変動表示までの残り変動表示においては、再度先読み予告を実行する決定が新たに行なわれるか、擬似連による変動表示が行なわれない限り、先読み予告が再開されない例について説明した。しかし、先読み予告中における変動表示においてリーチになった場合、当該変動表示においてのみ先読み予告せず(チャンス目を停止表示せず)、残り変動表示においては先読み予告を再開する(チャンス目を停止表示する)ように構成してもよい。
また、先読み予告中における変動表示においてリーチになった場合、当該変動表示においてのみ先読み予告せず(チャンス目を停止表示せず)、先読み予告の対象が15R大当りとなるときにのみ残り変動表示において先読み予告を再開し(チャンス目を停止表示する)、先読み予告の対象が15R大当り以外のときには残り変動表示においては先読み予告を再開させないように構成してもよい。これにより、擬似連が終了した後に先読み予告が再開する演出をプレミア演出として用いることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8−2) 前述した第1実施形態においては、先読み予告中における変動表示においてボタン操作パターンによるチャンス目予告が行なわれたときであって、所定期間内に操作ボタン30が操作されなかったときには、当該変動表示においてのみ特別はずれ図柄が停止表示され、次の変動表示以降においてチャンス目が再び停止表示され得る例について説明した。しかし、ボタン操作パターンによるチャンス目予告が行なわれたときであって所定期間内に操作ボタン30が操作されなかったときには、当該変動表示において特別はずれ図柄を停止表示するとともに先読み予告を終了し、残り変動表示においてはチャンス目を停止表示しないように構成してもよい。
また、ボタン操作パターンによるチャンス目予告が行なわれたときであって所定期間内に操作ボタン30が操作されなかったときには、当該変動表示において特別はずれ図柄を停止表示し、先読み予告の対象が15R大当りとなるときにのみ残り変動表示において先読み予告を再開し(チャンス目を停止表示する)、先読み予告の対象が15R大当り以外のときには残り変動表示においては先読み予告を再開させないように構成してもよい。これにより、特別はずれ図柄が停止表示された後に先読み予告が再開する演出をプレミア演出として用いることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 前述した第2実施形態におけるスロットマシンでは、遊技者にとって有利な特定遊技状態として、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの特別役が設けられている例について説明した。しかし、特定遊技状態としては、これに限らず、たとえば、リールの導出条件(たとえば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム(AT))や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップボタン508L,508C,508Rが操作された際に表示されている入賞用図柄500が停止しやすいように制御し、特定の入賞(たとえばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイム(RT)や集中状態)、さらには、これらを組合せた遊技状態(たとえばアシストタイムとリプレイタイムとを組合せたART)が設けられているものであってもよい。そして、複数種類の特定遊技状態毎に移行条件(たとえば内部抽選において対応する入賞役に当選すること、あるいは所定の図柄組合せが入賞ライン上に停止表示することなど)が予め設定されており、成立した移行条件の種類に応じた特定遊技状態に制御されるものであってもよい。
この場合、サブ制御部のCPUは、擬似連の変動パターンが、その他の変動パターンよりも移行条件が成立している可能性あるいはすでに特定遊技状態に制御されている可能性が高くなるように、かつ再変動回数が多い程、移行条件が成立している可能性あるいはすでに特定遊技状態に制御されている可能性が高くなるように、複数種類の変動パターンから選択するように構成してもよい。これにより、擬似連演出が実行された場合の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(10) 前述した実施の形態の図39のS663においては、15R大当りになると判定されたときだけでなく、特定変動パターンになると判定されたときにもYESと判定され、S666において先読み予告の実行の有無を決定する例について説明した。しかし、図39のS663においては、15R大当りになると判定されたときにだけS666に移行させ、それ以外のときには特定変動パターンになる場合であってもS664へ移行させるように構成してもよい。これにより、所定数として設定されている「7」よりも多い回数の変動表示に亘って予告が連続して実行されたにも関わらず、15R大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
また、前述した実施の形態の図45のS699においては、先読み予告の対象が15R大当りであるときにはS700へ移行せず、また、はずれとなるときであってスーパーリーチBとなるときにおいてもS700へ移行せずに、予告演出の実行が制限されない例について説明した。しかし、図45のS699においては、先読み予告の対象が15R大当りであるときにだけS700へ移行せず、15R大当り以外であるときにはS700へ移行させて予告演出の実行を制限するように構成してもよい。これにより、所定数として設定されている「7」よりも多い回数の変動表示に亘って予告が連続して実行されたにも関わらず、15R大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
(11) 前述した実施の形態の図39のS674においては、当該先読み予告の対象が15R大当り以外であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドであると判定したときであれば、15R大当りとならないときであっても、S675へ移行する例について説明した。しかし、図39のS674においては、当該先読み予告の対象が15R大当り以外であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが15R大当りとなると判定されたときにだけS675に移行させるように構成してもよい。これにより、先読み予告が延長された場合には、15R大当りとなることが確定するため、プレミア的な演出として用いることができ、演出のバリエーションを豊富にすることができる。また、先読み予告が延長されたにも関わらず、15R大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
(12) 前述した実施の形態においては、図7の(C)および(D)で示したように、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞した方が大当り種別決定において2R確変大当りとなる割合が低く15R大当りとなる割合が高くなるように判定値数を設定して、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方が遊技者にとって有利となる場合について説明した。これに限らず、第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13の方が遊技者にとって有利となるように、大当り種別決定における2R確変大当りとなる割合および15R大当りとなる割合を設定してもよい。この場合、確変状態に制御されているときには、大当りとなる確率が向上することによる有利度合いと、大当り種別決定における割振りによる有利度合いとが調和して、確変状態に制御されているときとそうでないときとで遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなり過ぎないようにすることができる。その結果、確変状態に制御されることに対する期待感を抱かせつつも、確変状態中の射幸性を抑えることができる。
(13) 前述した実施の形態においては、始動入賞時に先読み処理が行なわれたか否かに関わらず、図19および図20に示すように変動開始時に当り判定、リーチ判定、および変動パターン種別判定を行なう例について説明した。しかし、先読み処理において判定した判定結果を記憶し、変動開始時には当該判定結果を用いて当りにするか否か、リーチにするか否か、変動パターン種別をいずれにするかを特定するように構成してもよい。これにより、始動入賞時の判定結果を変動開始時にそのまま用いることができるため、処理負担を軽減することができる。
なお、前述した実施の形態では、遊技状態が確変状態であるかや保留記憶数がいくつあるかによって、先読み処理時と変動開始時とで判定結果が必ずしも一致しない。このため、上記のように、変動開始時に先読み処理における判定結果を用いるように構成する場合には、先読み処理時に当該始動入賞の変動開始時の遊技状態が確変状態であるか否かを先読みして当該判定結果に基づく確率で当り判定を行なうように構成するとともに、保留記憶数によってリーチ判定や変動パターン種別判定に用いる判定値が変化しないように構成してもよい。
(14) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に変動表示の開始条件を成立させる例について説明した。これに限らず、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて変動表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。たとえば、図7(B)〜(D)で示したように、2R確変や小当りになる確率が低く設定されている第2始動入賞口14への入賞を優先させるようにしてもよい。第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行するように構成してもよい。これにより、2R確変や小当りになる確率が低い点で有利な始動入賞口への入賞を優先させて消化させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(15) 前述した実施の形態における第1先読み処理および第2先読み処理では、図16に示すように、大当り判定(S240)、当り種別判定(S241)、リーチ判定(S249)、および変動パターン種別判定(S252)を行ない、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信する例について説明した。しかし、第1先読み処理および第2先読み処理では、さらに、図20のS104およびS105と同様の処理、すなわち変動パターン判定を行ない、変動パターンをも含む判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。これにより、先読み処理において変動パターンまで判定されるため、変動パターンの種類に基づく先読み予告演出を行なうことが可能となる。
なお、前述した実施の形態においては、図6で示すように、ランダム2−2、ランダム3、およびランダム4を設け、これらより抽出した値に基づいて変動パターンを決定する例について説明したが、ランダム2−2を設けることなく、ランダム3から抽出した値に基づいてたとえば非リーチはずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBなどを含む複数種類の変動パターン種別から一の変動パターン種別を決定する、すなわち変動パターン種別を決定することによりリーチの有無をも決定するように構成してもよい。このように構成した場合であっても、スーパーリーチBの特定変動パターン種別の判定値として、保留記憶数に関わらず共通の判定値を割り当てることにより、たとえば保留記憶数に応じてリーチに決定される確率が低下することにより、特定変動パターン種別に決定される確率が低下し、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。その結果、先読み予告演出が実行される頻度についても著しく低くなることを防止することができる。
(16) 前述した実施の形態における第1先読み処理および第2先読み処理では、図16に示すように、大当りか否か、当りの種別がいずれであるか、リーチであるか、変動パターン種別がいずれであるか、などを判定し、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100により先読み予告演出を実行するための処理を行なう例について説明した。しかし、第1先読み処理および第2先読み処理では、上記の項目について判定するものに限らず、次の項目のいずれかあるいは複数判定し、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100により先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
判定する項目として、たとえば、当りの種別として当り終了後に時短状態に制御される時短付き当りと時短状態に制御されない時短無し当りとが設定されている場合には時短付き当りであるか否かを判定するようにしてもよい。
また、当りとなったときに、当該当り遊技状態中または当り遊技状態終了後にいわゆる昇格演出を実行可能な遊技機においては、当りと判定されたときにさらに昇格演出を行なうか否か判定するようにしてもよい。昇格演出とは、たとえば、非確変大当りとした後に確変大当りへ昇格するか否かに関わる演出、時短無し当りとした後に時短付き当りへ昇格するか否かに関わる演出など、遊技者にとって有利度合いが比較的低い当りとした後に、当該当りよりも有利度合いが高い当りに昇格するか否かに関わる演出をいう。
(17) 前述した実施の形態における始動入賞指定コマンドは、保留表示を加算表示させる情報と、先読み判定結果に関わる情報とを含む例について説明した。しかし、先読み判定結果に関わる情報を示すコマンドを、保留表示を加算表示させる情報を示すコマンドとは別コマンドとして送信するようにしてもよい。また、保留表示を加算表示させる情報を示すコマンドを送信することなく、先読み判定結果に関わる情報を示すコマンドのみを送信するように構成してもよい。
(18) 図15のS217およびS227で示したように、すでに先読み処理において先読み大当りフラグがセットされている場合には、当該大当りが終了して当該フラグがリセットされるまで、先読み処理自体を行なわない例について説明した。しかし、先読み大当りフラグがセットされている場合であっても、先読み処理を行ない、当該先読み判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信しない(具体的には判定なしの始動入賞指定コマンドを送信する)ように構成してもよい。
また、図15のS217およびS227で示す処理を行なうことなく、先読み処理を行ない当該先読み判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。この場合であっても、図39のS661で説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ100側において当該始動入賞指定コマンドが無視されて新たな先読み予告演出を実行するための処理が行なわれないため、先読み予告演出が重複して実行されることを未然に防止することができる。
(19) 上記の実施形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(20) 上記の第1実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(21) 上記の第1実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(22) 上記の第1実施形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(23) 上記の第1実施形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、上記の第1実施形態は、いわゆる1種と2種とが混合した遊技機にも適用することができる。1種と2種とが混合した遊技機とは、たとえば、以下の構成を備える遊技機であってもよい。
遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技が行なわれ、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態と該第1の状態に比べて遊技球を受入れにくい遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する可変入賞装置(いわゆる役物)と、前記遊技領域に設けられた始動領域(始動口)に遊技球が進入した後、変動表示の開始条件の成立に基づいて複数種類の変動表示パターンのうちのいずれかで複数種類の識別情報を変動表示させた後に表示結果を導出表示する変動表示部とを備え、前記変動表示部に所定表示結果(小当り図柄)が導出されたときに所定の始動態様で前記可変入賞装置を前記第2の状態から前記第1の状態に制御し、前記可変入賞装置に進入した遊技球が特定進入領域(いわゆるVゾーン)に進入したことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態(いわゆる大当り)に制御し、前記変動表示部に特定表示結果(大当り図柄)が導出されたときに前記前記特定進入領域への遊技球の進入によることなく前記特定遊技状態(直撃大当り)に制御する遊技機においては、たとえば、先読み処理において始動入賞時に直撃大当り判定、小当り判定、変動パターン種別判定を行ない、当該先読み判定結果に基づき先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
なお、上記の遊技機において、さらに、複数の始動態様のうちから前記可変入賞装置の始動態様(役物開放回数、役物開放時間、役物開放タイミングなど)を決定する始動態様決定手段(いわゆる開放態様判定)を備える場合には、先読み処理において始動入賞時にさらに開放態様判定を行ない、当該先読み判定結果に基づき先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
(24) 前述した実施の形態においては、演出表示装置9において表示する演出図柄を、特別図柄に対応させて変動させる例について説明した。しかし、これに限らず、演出表示装置9において表示する演出図柄を、普通図柄に対応させて変動させるようにし、表示結果を導出するまでの変動パターンに前述した擬似連に相当する変動パターンが含まれるように構成してもよい。この場合、変動表示の実行条件は、遊技球がゲート32を通過したことにより成立する。また、変動表示の開始条件は、第2始動入賞口14が開放中(普通図柄当り中)でなくかつ先にゲート通過した保留記憶に起因する普通図柄の変動表示が終了することにより成立する。このように構成した場合、たとえば、先読み処理において遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたときに当り判定、変動パターン種別判定を行ない、当該先読み判定結果に基づき先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
(25) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(26) なお、前述したように特別図柄プロセス処理において始動口スイッチ通過処理を第1特別図柄用の処理と第2特別図柄用の処理とに分けて設けるときには、たとえば先読み処理や大当り判定をする処理等の一部の処理については、共通の処理ルーチンを実行することにより共通化するようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(28) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、表示可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(29) 前述した予告としては、画像を用いた演出を例にして説明したが、これに限らず、音のみを用いた演出、可動部材のみを用いた演出、画像と音とを用いた演出、画像と可動部材とを用いた演出、音と可動部材とを用いた演出、および、画像と音と可動部材とを用いた演出のうち、どのような演出のパターンを用いてもよい。また、予告は、これらの予告パターンのうちから予め定められた順番で選択して実行してもよく、これらの予告パターンのうちからランダムに選択して実行してもよい。
(30) 前述した実施の形態においては、図15のS219で説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、先読み処理を行なった場合には当該先読み判定結果に関わらず、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信する例について説明した。しかし、これに限らず、先読み判定結果が特定の判定結果(たとえば、15R大当りとなる判定結果、スーパーリーチBとなる判定結果)のときにだけ、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信するように構成し、先読み判定結果が特定の判定結果以外の判定結果(たとえば、2R確変大当り、小当り、スーパーリーチB以外の変動パターン種別となる判定結果)のときには当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信しない、あるいは図13に示す判定なしといった共通の始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。これにより、始動入賞指定コマンドから特定される先読み判定結果に基づいて実行される先読み予告が実行されたときの期待感を向上させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。