以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて識別情報の可変表示を実行し表示結果を導出表示する可変表示部を備え、前記可変表示部に導出表示される表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であればよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技用媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の可変表示を行なう可変表示装置(可変表示部)に相当する。なお、以下の説明においては、「可変表示」を「変動表示」と称し、「可変表示装置(可変表示部)」を「変動表示装置(変動表示部)」と称する場合がある。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、「1」〜「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「8」の8種類の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、「1」〜「8」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに「1」〜「8」の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、可変表示の開始を許容する開始条件(たとえば、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了しているとき)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。すなわち、可変表示の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したことにより成立する。なお、始動条件は、始動領域に入賞することにより成立するものに限らず、始動領域を通過することにより成立するものであってもよい。また、可変表示の開始を許容する開始条件は、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了することにより成立する。実行条件は成立しているが開始条件が成立していない保留記憶、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ可変表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させて表示結果として確定することである。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したが未だ可変表示の開始を許容する開始条件が成立していない保留記憶数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、後述する予告演出が実行されるとき等、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、後述する予告演出が実行されるときに点滅する。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、後述する予告演出が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。なお、所定数の景品遊技球の払出を行なう条件は、所定の入賞領域に設けられている入賞口に入賞することにより成立するものに限らず、所定の入賞領域を通過することにより成立するものであってもよい。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められる。
なお、確変状態または時短状態であるときには、通常状態に比べて特別図柄の変動表示時間を短縮させる特図変動短縮制御、通常状態に比べて普通図柄の停止図柄が当り図柄とすることに決定される確率を向上させる普図確変制御、通常状態に比べて普通図柄の変動表示時間を短縮させる普図変動短縮制御、通常状態に比べて可変入賞球装置15の開放時間および開放回数のうち少なくとも一方が遊技者にとって有利な開放態様(開放時間延長、開放回数増大など)とする普電開放延長制御のうち、少なくともいずれか一つの制御を行なうものであってもよく、選択的に複数の制御を組合せて行なうものであってもよく、全ての制御を行なうものであってもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。なお、操作ボタン30は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン30に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、第1保留記憶数あるいは第2保留記憶数を1増やすとは、具体的には、後述するように必要な乱数を抽出し、RAM55に設けられている所定の乱数格納領域に当該抽出した乱数を格納することを含む。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(後述する演出制御用マイクロコンピュータ100)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
また、操作ボタン30からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、操作ボタン30からの操作検出信号に応じて、たとえば、演出の態様を特定するための演出モードを選択し、該選択した演出モードによる演出を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材84を動作させるためにモータ88を駆動する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S12〜S17)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S9〜S11の処理)を行なう。
また、CPU56は、電力供給復旧時のコマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(S11)。そして、S16に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S12)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S14)。
S13およびS14の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(S15)。たとえば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S16)。
そして、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S17)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S12〜S17)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S19)および初期値用乱数更新処理(S20)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S18)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S21)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS25〜S39のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S25)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S26)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S27)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S37,S38で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S28)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S29)および表示用乱数更新処理(S30)を実行する。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S31)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S32)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S33)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S34)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S35)。具体的にCPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S36)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S37)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S27において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S38)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S27において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S39)、処理を終了する。
始動入賞を契機として、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の変動表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。小当りにすることに決定されている場合には、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、小当り図柄が導出表示された場合には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態では、特別図柄として、「1」〜「8」の8種類の数字が設定されている。「1」〜「8」の特別図柄のうち、「1」〜「3」が15R確変大当り図柄に、「4」および「5」が15R非確変大当り図柄に、「6」が2R確変大当り図柄に、「7」が小当り図柄に、「8」がはずれ図柄に、各々設定されている。なお、“R”は、ラウンドを示す。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに、15R大当りの図柄(「1」〜「5」)が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(たとえば、29秒間)または所定個数(たとえば、10個)の入賞が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる単位ラウンドが開始される。15R大当り状態では、ラウンドの回数は15回である。
また、第1特別図柄表示器8aに2R確変大当りの図柄(「6」)が停止表示された場合には、ラウンドの回数が2回である大当り遊技状態(2R大当り状態)に移行する。また、2R大当り状態では、各ラウンドの開閉板の開時間は、15R大当り状態であるときよりも短い期間(たとえば、0.5秒間)になる。
また、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の変動表示における特別図柄の変動時間が短縮される。時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。
2R大当り状態が終了した後にも、遊技状態が確変状態(高確率状態)に制御される。2R大当り状態が終了した後に制御される確変状態を、突然確変(突確)状態ともいう。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄(「7」)が停止表示された場合には、遊技状態が、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、2R大当り状態と同様に、可変入賞球装置20における開閉板が所定期間(たとえば、0.5秒間)開放状態になって大入賞口が開放される。開放状態になる回数は2回である。ただし、2R大当り状態とは異なり、遊技状態は変更されない。すなわち、小当り遊技状態に制御される前の遊技状態が継続する。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、予め定められた大当り判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口13が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、予め定められた普通図柄当り判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。この実施の形態では、確変状態において、大当りに決定される確率が高くなることに加えて、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる例を示した。しかし、確変状態においては、少なくとも、大当りに決定される確率が高くなればよい。
演出表示装置9の表示領域において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示に対応して、演出図柄の変動表示が行なわれる。すなわち、演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動が開始され、たとえば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて所定順序で演出図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(変動表示期間=変動時間)で、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、演出図柄の変動表示中に、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、演出図柄の変動表示態様等によって遊技者に報知するための演出が実行されることがある。この実施の形態では、右図柄が一旦停止してから再変動するすべり演出が実行可能である。
すべり演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(たとえば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(たとえば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(たとえば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方、本実施の形態においては「右」の図柄表示エリア9R)において演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に演出図柄を再変動させること等によって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を仮停止させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」(「通常はずれ」、「通常変動」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに応じて、リーチ演出が実行された後に、リーチ状態を構成する演出図柄と異なる演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに2R大当りの図柄である「6」または小当り図柄である「2」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、「非リーチはずれ」の変動表示態様と同様の変動表示態様で変動表示が行なわれる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。ランダムRは、大当りにするか否か、および小当りにするか否かを判定する、当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2−1は、大当りの種類(15R確変大当り、15R非確変大当り、2R確変大当り)を決定する大当り種別判定用のランダムカウンタである。ランダム2−1は、2msec毎に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である9まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム2−2は、リーチとするか否か決定するリーチ判定用のランダムカウンタである。ランダム2−2は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である239まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム3は、変動パターンの種類(種別)を決定する変動パターン種別判定用のランダムカウンタである。ランダム3は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である241まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム4は、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン判定用のランダムカウンタである。ランダム4は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、0から加算更新されてその上限である251まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム5は、普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する普通図柄当り判定用のランダムカウンタである。ランダム5は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度0から加算更新される。
ランダム6は、ランダム5の初期値を決定するランダム5初期値決定用のランダムカウンタである。ランダム6は、2msec毎および割り込み処理の余り時間に1ずつ加算され、3から加算更新されてその上限である13まで加算更新された後再度0から加算更新される。
図5に示された遊技制御処理におけるS28では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム2−1)の大当り種別判定用乱数、および(ランダム5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2−2、ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、ランダムRの値とする当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、当り判定を行なうときに用いるテーブルを示す説明図である。図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。図7(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。図7(C)は、第1特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7(D)は、第2特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図7で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。図7(A)および(B)に示すテーブルは、ランダムRと比較される判定値が設定されているテーブルである。
図7(A)に示す大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値に設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値に設定されている。大当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている大当り判定値と一致するか否かを判定することにより行なわれる。一致すると判定したときには、上記の15R確変、15R非確変、2R確変のうちいずれかの大当り遊技状態に制御される。
図7(A)に示されるように、確変時であるときの方が、通常時であるときよりも、大当り判定値が多く設定されている。なお、ランダムRから抽出した値が「1020〜1080」または「13320〜13477」であるときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定される。「1020〜1080」または「13320〜13477」の範囲内の判定値は、確率状態に関わらず、共通の大当り判定値である。
図7(B)に示す小当り判定テーブルには、第1特別図柄用の小当り判定に用いられる第1特図用判定テーブルと、第2特別図柄用の小当り判定に用いられる第2特図用判定テーブルとがある。第1特図用判定テーブルには、図7(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、第2特図用判定テーブルには、図7(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定することにより行なわれる。一致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図7(B)に示されるように、第1特別図柄用の方が、第2特別図柄用よりも、小当り判定値が多く設定されている。なお、小当り判定値の数を第1特別図柄用および第2特別図柄用のうち一方を他方よりも多く設定することにより、小当り確率が異なる例について説明するが、これに限らず、小当り判定値の数を双方同じ数だけ設定することにより、小当り確率が同じになるようにしてもよい。
図7(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値と小当り判定値とを、「当り判定値」とまとめて表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定と小当り判定とを、「当り判定」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値をランダムRの値とするのであるが、ランダムRの値が図7(A),(B)に示すいずれかの判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りまたは小当りにすることに決定する。なお、図7(A),(B)に示す「確率」は、各々、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りまたは小当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄または小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(C)は、第1特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第1特図用大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)に基づいて、大当りの種別を「15R確変」、「15R非確変」、「2R確変」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第1特図用大当り種別判定テーブルには、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「15R確変」、「15R非確変」、「2R確変」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(D)は、第2特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。第2特図用大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)に基づいて、大当りの種別を「15R確変」、「15R非確変」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。第2特図用大当り種別判定テーブルには、ランダム2−1の値と比較される数値であって、「15R確変」、「15R非確変」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム2−1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、第2特図用大当り種別判定テーブルには、大当り種別のうち、「2R確変」が割振られていないが、「15R確変」の判定値数が第1特図用大当り種別判定テーブルよりも多く設定されている。2R確変大当りおよび小当りは、後述するように、開閉板開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球が得られない当りである。よって、確変中や時短中においては、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるため、第2始動入賞口14への入賞が増えるが、2R確変大当りおよび小当りの発生する割合が低減される。このため、確変状態中においては、15R大当りとなる割合が高まるために出玉性能を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、たとえば、確変大当りが連続した場合の遊技者にとっての有利度合いをより一層高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、第2特図用大当り種別判定テーブルには、大当り種別のうち、「2R確変」が割振られていない例について説明したが、これに限らず、第2特図用大当り種別判定テーブルについて、第1特図用大当り種別判定テーブルと異なる割合となるように、「2R確変」の判定値が設定されているものであってもよい。具体的には、「2R確変」になる割合が、第1特図用大当り種別判定テーブルを用いた場合には2/10であるのに対し、第2特図用大当り種別判定テーブルを用いた場合には1/10となるように、「2R確変」の判定値が設定されているものであってもよい。
また、第1特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合とが等しくなるように設定されている。
大当り種別が「15R確変」または「15R非確変」であるときには、1ラウンドの開放態様として、大入賞口が29秒開放するか所定数入賞することにより閉鎖される。15Rの大当り遊技状態では、1ラウンドの開放態様が、15ラウンド、すなわち15回繰り返し行なわれる。
また、大当り種別が「2R確変」であるときには、1ラウンドの開放態様として、大入賞口が0.5秒開放した後に閉鎖して終了する。2Rの大当り遊技状態では、1ラウンドの開放態様が、2ラウンド、すなわち2回繰り返し行なわれる。また、当り種別が「小当り」であるときには、「2R確変」であるときと同様に、1回開放時の開放態様として、大入賞口が0.5秒開放した後に閉鎖して終了する。小当り遊技状態では、1回開放時の開放態様が、2回繰り返し行なわれる。
ここで、「小当り」となったときと「2R確変」となったときとの開放態様を対比すると、「小当り」となったときには、「2R確変」となったときと実質的に同じ態様で当り遊技が行なわれる。このため、遊技者は、当り遊技の開放態様から、小当りであったのか2R確変であったのかを特定することができない。その結果、小当りとなって当り遊技が行なわれたときにも、遊技者に対して2R確変が発生したかのような印象を抱かせることができる。すなわち、小当りを2R確変のいわゆる偽(ガセ)の当りとして用いることができる。また、「小当り」は、大入賞口の開放態様から「2R確変」であるのか「小当り」であるのか見分けが付かない。このため、当り遊技の開放態様から、確変になったのか否か特定できないような状態(いわゆる隠れ確変状態)を作ることができる。これにより、遊技の興趣を向上させることができる。
このような「小当り」となる確率は、図7(B)に示すように、第2特別図柄側よりも第1特別図柄側の方が高くなるように設定されている。また、「小当り」となる確率と対応させて、図7(C)および(D)に示すように、大当りの種別として、第1特別図柄側においては「2R確変」が選択されるのに対し、第2特別図柄側においては「2R確変」が選択されないように設定されている。すなわち、「2R確変」となる確率は、第2特別図柄側よりも第1特別図柄側の方が高くなるように設定されている。たとえば、「2R確変」となる確率が低い第2特別図柄側における「小当り」の確率を、第1特別図柄側と同程度に設定した場合には、第2特別図柄側において2回開放の当りとなったときの当り種類が「小当り」である割合が高まり、遊技者に「小当り」であることが予想されてしまうため、上記のような隠れ確変状態を作りにくくなり、遊技の興趣低下につながる虞がある。よって、本実施の形態においては、遊技者に「小当り」であることが予想されにくいようにし、上記のような隠れ確変状態を作りやすくするために、第2特別図柄側においては、「2R確変」となる確率を低減させるとともに、「小当り」の確率についても低くなるように設定されている。
図8は、当り判定によりはずれと判定されたときであってリーチを発生させるか否かのリーチ判定を行なうときに用いるリーチ判定テーブルを示す説明図である。なお、リーチ判定テーブルとランダム2−2から抽出した値とを用いて、リーチありか否かを判定することを、リーチ判定という。
図8で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。図8に示すテーブルは、ランダム2−2と比較される判定値が設定されているテーブルである。本実施の形態における、リーチ判定に用いる判定値は、可変表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて異なる判定値が設定されている。
保留記憶数が「0〜2」であるときで、ランダム2−2から抽出した値が、「1〜30」であるときにはリーチありと判定され、「31〜239」であるときにはリーチなしと判定される。
保留記憶数が「3〜5」であるときで、ランダム2−2から抽出した値が、「1〜25」であるときにはリーチありと判定され、「26〜239」であるときにはリーチなしと判定される。
保留記憶数が「6〜8」であるときで、ランダム2−2から抽出した値が、「1〜20」であるときにはリーチありと判定され、「21〜239」であるときにはリーチなしと判定される。
以上のように、可変表示の開始条件が成立したときの保留記憶数が多いほど、当該変動表示においてリーチになる確率が低くなり、当該保留記憶数が少ないほど当該変動表示においてリーチになる確率が高くなるように、リーチ判定テーブルの判定値が設定されている。本実施の形態における変動パターンから特定される変動時間は、リーチとならない変動パターンよりも、リーチとなる変動パターンの方が長くなるように設定されている。これにより、保留記憶数が多いときには、リーチとなる変動パターンが選択される割合が低くなる。その結果、平均変動時間を短縮させることができ、保留記憶数が上限であるために保留記憶されないような無効始動の発生を低減することができる。
なお、リーチ判定値のうち「1〜20」の判定値は、可変表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に関わらず、必ずリーチありと判定される、共通のリーチ判定値である。
図8のテーブルで示す保留記憶数は、判定対象となる保留記憶を含めない数をいう。すなわち、保留記憶がされる直前における保留記憶数を示している。このため、図8に示すように保留記憶数の上限数を“8”とすると、判定対象となる保留記憶を含めた場合に保留記憶数の上限数は、実質的に“9”まで記憶することが可能となる。しかし、これは、後述する図13のS302(図17のS58)において合算保留記憶数を1減算する処理を行なってから、S303においてリーチ判定が行なわれるまでの間に、始動入賞する場合も予想され、このような状況における始動入賞をも踏まえてリーチ判定を行なうことができるように構成されている。
図9は、変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態においては、変動パターン種別により、変動パターンの大分類(種別)が特定される。たとえば、非リーチの場合にはすべり演出の有無が特定され、リーチの場合にはリーチ演出の種類が特定される。
なお、図9で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。また、図9に示すテーブルは、ランダム3と比較される判定値が設定されているテーブルである。また、変動パターン種別判定に用いる判定値は、可変表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて異なるように設定されている。
図9(A)は、当り判定においてはずれと判定されかつリーチ判定においてリーチなしと判定されたときに参照される非リーチはずれ用の変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
保留記憶数が「0〜2」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜235」であるときには第1通常に決定され、「236〜241」であるときには第2通常に決定される。
第1通常および第2通常は、変動中においてリーチにならずにはずれとなる変動パターンを特定する変動パターン種別をいう。なお、第1通常は、すべり演出が実行されない変動パターンが必ず選択される変動パターン種別をいう。第2通常は、すべり演出が実行される変動パターンが必ず選択される変動パターン種別をいう。本実施の形態においては、非リーチはずれとなる場合であっても、変動パターン種別として、すべり演出が実行される変動パターンを選択可能に設定されている。このため、演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
保留記憶数が「3〜8」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜235」であるときには第1通常に決定され、「236〜241」であるときには第2通常に決定される。
図9(B)は、当り判定においてはずれと判定されかつリーチ判定においてリーチありと判定されたときに参照されるはずれリーチ用の変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
保留記憶数が「0〜2」であるとき、ランダム3から抽出した値が、「1〜90」であるときにはノーマルリーチに決定され、「91〜179」であるときにはスーパーリーチ1に決定され、「180〜241」であるときにはスーパーリーチ2に決定される。
はずれリーチ用のノーマルリーチ、スーパーリーチ1、およびスーパーリーチ2は、変動中にリーチになった後にはずれとなる変動パターンを特定する変動パターン種別をいう。以下に説明するように、スーパーリーチ1およびスーパーリーチ2については、はずれリーチ時よりも15R大当り時の方が高い割合で選択されるように構成されている。すなわち、スーパーリーチ1およびスーパーリーチ2は、ノーマルリーチよりも15R大当りとなる信頼度が高い変動パターン種別であるといえる。15R大当りとなる信頼度とは、15R大当りになるときとそれ以外(はずれや小当りを含む)になるときとを含むすべての選択割合に対して、15R大当りとなるときに選択される割合の度合い、あるいは15R大当りとなる割合の程度、すなわち、15R大当りとなる信頼性の度合いをいう。
また、スーパーリーチのうち特に、スーパーリーチ2は、スーパーリーチ1よりも信頼度が高くなるように設定されている。このため、スーパーリーチ2を特定変動パターン種別といい、変動パターン種別としてスーパーリーチ2が選択されたときに、決定され得る変動パターンを特定変動パターンという。また、スーパーリーチ2以外の変動パターン種別を非特定変動パターン種別といい、非特定変動パターン種別が選択されたときに決定され得る変動パターンを非特定変動パターンという。特定変動パターンとは、本実施の形態においては、前述した15R大当りとなる信頼度が高い変動パターンをいう。
保留記憶数が「3〜8」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜100」であるときにはノーマルリーチに決定され、「101〜179」であるときにはスーパーリーチ1に決定され、「180〜241」であるときにはスーパーリーチ2に決定される。
図9(B)のテーブルにおいては、保留記憶数が多いほど変動パターンの種別としてノーマルリーチが決定されやすいように判定値数が設定されている。ノーマルリーチは、スーパーリーチと比べて短い変動時間が設定されている。これにより、保留記憶数が多いときの平均変動時間を短縮させることができ、無効始動の発生を低減することができる。
図9(C)は、当り判定において大当りと判定されかつ大当り種別判定において15R非確変に決定されたときに参照される変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
保留記憶数が「0〜2」であるとき、ランダム3から抽出した値が、「1〜30」であるときにはノーマルリーチに決定され、「31〜89」であるときにはスーパーリーチ1に決定され、「90〜241」であるときにはスーパーリーチ2に決定される。
15R非確変用のノーマルリーチ、スーパーリーチ1、およびスーパーリーチ2は、変動中にリーチになった後に非確変大当りとなる変動パターンを特定する変動パターン種別をいう。なお、スーパーリーチ2は、特定変動パターン種別である。
保留記憶数が「3〜8」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜39」であるときにはノーマルリーチに決定され、「40〜89」であるときにはスーパーリーチ1に決定され、「90〜241」であるときにはスーパーリーチ2に決定される。
図9(D)は、当り判定において大当りと判定されかつ大当り種別判定において15R確変に決定されたときに参照される変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
保留記憶数が「0〜2」であるとき、ランダム3から抽出した値が、「1〜15」であるときにはノーマルリーチに決定され、「16〜59」であるときにはスーパーリーチ1に決定され、「60〜241」であるときにはスーパーリーチ2に決定される。
15R確変用のノーマルリーチ、スーパーリーチ1、およびスーパーリーチ2は、変動中にリーチになった後に確変大当りとなる変動パターンを特定する変動パターン種別をいう。
保留記憶数が「3〜8」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜25」であるときにはノーマルリーチに決定され、「26〜59」であるときにはスーパーリーチ1に決定され、「60〜241」であるときにはスーパーリーチ2に決定される。
ここで、図9(A)および(B)のはずれ時用のテーブルと、図9(C)および(D)の大当り時用のテーブルとを対比すると、はずれ時用のテーブルよりも大当り時用のテーブルの方が、変動パターンの種別として特定変動パターン種別(スーパーリーチ2)が決定されやすいように判定値数が設定されている。すなわち、特定変動パターンにより変動表示が実行されなかったときよりも、特定変動パターンにより変動表示が実行されたときの方が、大当りとなる信頼度が高くなるように判定値数が設定されている。言い換えると、特定変動パターンは、識別情報の表示結果が非特定表示結果となるときよりも特定表示結果となるときの方が実行される割合が高くなるように選択割合が設定されている。その結果、特定変動パターンにより変動表示が実行されなかったときよりも、特定変動パターンにより変動表示が実行されたときの方が、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる。
また、図9(C)のテーブルと、図9(D)のテーブルとを対比すると、図9(C)のテーブルよりも図9(D)のテーブルの方が、変動パターンの種別として特定変動パターン種別が決定されやすいように判定値数が設定されている。すなわち、非特定変動パターンにより変動が行なわれたときよりも、特定変動パターンにより変動が行なわれたときの方が、15R確変大当りとなる信頼度が高くなるように判定値数が設定されており、その結果遊技者に15R確変大当りに対する期待感を抱かせることができる。
図9(E)は、当り判定において2R確変あるいは小当りと判定されたときに参照される変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
保留記憶数が「0〜2」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜200」であるときには第1当りに決定され、「201〜241」であるときには第2当りに決定される。
第1当りおよび第2当りは、変動中においてリーチにならずに2R確変あるいは小当りとなる変動パターンを特定する変動パターン種別をいう。なお、第1当りは、すべり演出が実行されない変動パターンが必ず選択される変動パターン種別をいう。第2当りは、すべり演出が実行される変動パターンが必ず選択される変動パターン種別をいう。
保留記憶数が「3〜8」であるときで、ランダム3から抽出した値が、「1〜200」であるときには第1当りに決定され、「201〜241」であるときには第2当りに決定される。
図9(E)のテーブルにおいては、図9(A)のテーブルと比較して、変動パターンの種別としてすべり演出が実行される変動パターン種別が決定されやすいように判定値数が設定されている。また、当り種別が「2R確変」になる場合と「小当り」になる場合とで、共通の複数種類の変動パターン種別のうちから選択される。これにより、変動パターン種別から「2R確変」であるか「小当り」であるかについて、遊技者が特定できないように構成されている。また、前述したように、当り遊技状態の開放態様からも「2R確変」であるか「小当り」であるかについて、遊技者が特定できないように構成されている。その結果、小当りを2R確変のいわゆる偽(ガセ)の当りとして用いることができる。これにより、大当りにならなかった場合であっても、すべり演出が実行されたか否かにより、いわゆる隠れ確変となっていることに対する期待感を異ならせることができる。
図9で示した(A)〜(F)のテーブルでは、特定変動パターン種別の判定値として、保留記憶数に関わらず、共通の判定値(たとえば、(C)のテーブルではスーパーリーチ2の判定値参照)が割り当てられているのに対し、特定変動パターン種別以外の変動パターン種別の判定値として保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている(たとえば、(C)のテーブルでは、ノーマルリーチおよびスーパーリーチ1の判定値参照)。このため、たとえば保留記憶数に応じて特定変動パターン種別に決定される確率が低下し、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。本実施の形態においては、後述するように15R大当りとなる信頼度が高い特定変動パターンとなることを予告する予告演出が実行される。前述したように、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くならないようにすることができるため、その結果、予告演出が実行される頻度についても著しく低くなることを防止することができる。また、ランダム3の抽出値が保留記憶数「3〜8」に対応して設定されている判定値のうち特定変動パターン種別に決定される判定値と一致するときには、保留記憶数に関わらず、常に特定変動パターン種別に決定される。このため、予告演出が実行されたにも関わらず、特定変動パターンが発生しないといった不都合の発生を防止あるいは低減させることができる。
なお、図9で示すテーブルについても、図8で示したテーブルと同様に、後述する図13のS302(図17のS58)において合算保留記憶数を1減算する処理を行なってから、S303においてリーチ判定が行なわれるまでの間に、始動入賞する場合も予想され、このような状況における始動入賞をも踏まえて変動パターン種別を決定することができるように構成されている。
なお、本実施の形態においては、変動パターン種別を決定する手法として、まず当り判定結果に応じてリーチ判定を行ない、該判定結果に応じたテーブルを用いて変動パターン種別を決定する2段階決定手法を採用した例について説明した。しかし、変動パターン種別を決定する手法としては、これに限らず、たとえば、当り判定の結果に応じて変動パターン種別を決定するためのテーブルを設けて、1段階決定するものであってもよい。すなわち、図8のようなテーブルを備えていないものであってもよい。具体的には、確変大当り用として図9(D)のテーブルが、非確変大当り用として図9(C)のテーブルが、2R確変および小当り用として図9(E)のテーブルが、はずれ用として第1通常、第2通常、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2のうちいずれかに決定するテーブルが設けられているものであってもよい。はずれ用のテーブルが参照された場合、変動パターン種別を決定することにより、リーチ状態にするか否かも決定される。このように構成する場合であっても、特定変動パターン種別の判定値として、保留記憶数に関わらず、共通の判定値を割り当て、特定変動パターン種別以外の変動パターン種別の判定値については保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられるように構成してもよい。これによっても、特定変動パターンおよび予告演出が実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。
図10は、図9で決定された変動パターン種別に属する複数種類の変動パターンから1の変動パターンを選択するために用いる変動パターン選択テーブルの一例を示す説明図である。本実施の形態においては、リーチ用の変動パターンにより、すべり演出の有無など、具体的な変動パターンが特定される。なお、図10で示すテーブルは、ROM54に記憶されている。また、図10に示すテーブルは、ランダム4と比較される判定値が設定されているテーブルである。
図10(A)は、非リーチはずれ時において、第1通常または第2通常に決定されているときの変動パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1通常が決定されているときには、ランダム4から抽出した値に関わらず、すべり演出がないすべり無し第1通常の変動パターンに決定される。
第2通常が決定されているときには、ランダム4から抽出した値に関わらず、すべり演出があるすべり有り第1通常の変動パターンに決定される。
図10(B)は、はずれリーチ時において、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、およびスーパーリーチ2のうちいずれかに決定されているときの変動パターン選択テーブルを示す説明図である。
ノーマルリーチが決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜248」であるときにはすべり演出が行なわれずにリーチになるものの特別なリーチ演出が行なわれることなく停止するすべり無しノーマルリーチに決定され、「249〜251」であるときにはすべり演出が行なわれてリーチになるものの特別なリーチ演出が行なわれることなく停止するすべり有りノーマルリーチに決定される。
スーパーリーチ1が決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜243」であるときにはすべり演出が行なわれずにリーチになりリーチ演出としてスーパーリーチ1用のキャラクタを出現させるすべり無しスーパーリーチ1に決定され、「244〜251」であるときにはすべり演出が行なわれてリーチになりリーチ演出としてスーパーリーチ1用のキャラクタを出現させるすべり有りスーパーリーチ1に決定される。
スーパーリーチ2が決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜150」であるときにはすべり演出が行なわれずにリーチになりリーチ演出としてスーパーリーチ2用のキャラクタを出現させるすべり無しスーパーリーチ2に決定され、「151〜251」であるときにはすべり演出が行なわれてリーチになりリーチ演出としてスーパーリーチ2用のキャラクタを出現させるすべり有りスーパーリーチ2に決定される。
図10(C)は、15R非確変時において、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、およびスーパーリーチ2のうちいずれかに決定されているときの変動パターン選択テーブルを示す説明図である。
ノーマルリーチが決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜150」であるときにはすべり無しノーマルリーチに決定され、「151〜251」であるときにはすべり有りノーマルリーチに決定される。
スーパーリーチ1が決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜130」であるときにはすべり無しスーパーリーチ1に決定され、「131〜251」であるときにはすべり有りスーパーリーチ1に決定される。
スーパーリーチ2が決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜30」であるときにはすべり無しスーパーリーチ2に決定され、「31〜251」であるときにはすべり有りスーパーリーチ2に決定される。
図10(D)は、15R確変時において、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、およびスーパーリーチ2のうちいずれかに決定されているときの変動パターン選択テーブルを示す説明図である。
ノーマルリーチが決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜70」であるときにはすべり無しノーマルリーチに決定され、「71〜251」であるときにはすべり有りノーマルリーチに決定される。
スーパーリーチ1が決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜50」であるときにはすべり無しスーパーリーチ1に決定され、「51〜251」であるときにはすべり有りスーパーリーチ1に決定される。
スーパーリーチ2が決定されているときには、ランダム4から抽出した値が、「1〜10」であるときにはすべり無しスーパーリーチ2に決定され、「11〜251」であるときにはすべり有りスーパーリーチ2に決定される。
図10(E)は、2R確変または小当り時において、第1当りまたは第2当りに決定されているときの変動パターン選択テーブルを示す説明図である。
第1当りが決定されているときには、ランダム4から抽出した値に関わらず、すべり演出がなく所定の演出図柄の組合せとなるすべり無し通常当り1の変動パターンに決定される。
第2当りが決定されているときには、ランダム4から抽出した値に関わらず、すべり演出が行なわれて所定の演出図柄の組合せとなるすべり有り通常当り1の変動パターンに決定される。
ここで、図10(B)〜(D)のテーブル各々を比較すると、はずれリーチになるときよりも15R大当りになるときの方が、すべり有りの変動パターンが選択される割合が高くなるように判定値が設定されている。すなわち、変動表示中にすべり演出が行なわれなかったときよりも、すべり演出が行なわれたときの方が、15R大当りとなる信頼度が高くなるように判定値数が設定されており、15R大当りとなる期待感を遊技者に抱かせることができる。
図10では、複数種類の変動パターンとして、リーチとなるときのすべり演出の有無、リーチ演出の内容などが異なる例について説明した。しかし、複数種類の変動パターンは、上記の点が異なるものに限るものではない。複数種類の変動パターンは、たとえば、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9R各々の停止順序や停止タイミングが異なるもの、変動時間が異なるものであってもよい。
なお、図10で示すテーブルについても、図8および図9で示したテーブルと同様に、保留記憶数に応じた判定値にしたがい変動パターンを決定するように構成してもよい。この場合、保留記憶数は、0〜8の範囲で場合分けするように構成してもよい。これにより、図13のS302(図17のS58)において合算保留記憶数を1減算する処理を行なってから、S303においてリーチ判定が行なわれるまでの間に、始動入賞する場合も予想され、このような状況における始動入賞をも踏まえて変動パターンを選択することができるように構成することができる。
なお、図9および図10で示したテーブルでは、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に関わらず、決定される例について説明した。しかし、これに限らず、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に応じたテーブルを用いて、決定されるようにしてもよい。たとえば、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態各々に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するためのテーブルが設けられているものであってもよい。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。言い換えると、図9および図10に示されたテーブルを用いて決定され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な変動パターンコマンドが予め設定されている。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、第1飾り図柄表示器9aまたは第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄変動表示を開始するように制御し、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、当りとするか否か、および当りの種別(はずれ、15R確変、15R非確変、2R確変、小当り)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C08(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
図11に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した飾り図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
なお、コマンド8D01(H)(第1図柄変動指定コマンド)およびコマンド8D02(H)(第2図柄変動指定コマンド)は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aにおいて飾り図柄の変動を行なうのか、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bにおいて飾り図柄の変動を行なうのかを判定するために使用される。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(および飾り図柄)の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄および飾り図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドまたは小当り開始指定コマンドには、大当りの種類または小当りに応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突確開始指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当り遊技の終了または突然確変の遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突確終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C0」により第1始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)は、上位バイト(MODE)である「C1」により第2始動入賞があったことを指定し、下位バイト(EXT)である「XX」により先読み判定結果を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。図12に示すように、始動入賞指定コマンドの下位バイトにより、当りの種類および変動パターン種別などの情報を含む先読み判定結果を特定することができる。
先読みとは、始動入賞時に抽出されている乱数値に基づいて変動開始時に当り判定や変動パターン設定を行なう前、すなわち、始動入賞が発生したときに抽出した乱数値が当該始動入賞に基づき変動が開始されるタイミングでどのように決定されるかを事前に判定することをいう。また、先読み判定結果とは、先読みによって得た判定結果をいう。本実施の形態では、始動入賞時に抽出した乱数の値に基づいて、始動入賞時に早々と、当り判定、リーチ判定および変動パターン種別を先読みして先読み判定結果を得るための制御が実行される。先読み判定結果は、始動入賞指定コマンドの下位バイトである「XX」により判定結果が特定されるように構成されている。本実施の形態においては、後述するように当該始動入賞指定コマンドに基づき、当該始動入賞による変動表示開始前の段階から予告が実行される。
コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を特定するための合算保留記憶数指定コマンドを送信して指定するようにしてもよい。
以上説明した演出制御コマンドは、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、このようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、有効な始動入賞に基づいて保留表示を行なう場合に、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に前述した先読みを行なった場合には、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信する。
本実施の形態においては、先読み判定結果と、始動入賞があったことすなわち保留記憶されたこととを、始動入賞指定コマンドにより特定される例について説明するが、始動入賞指定コマンドにより先読み判定結果のみが特定されるようにし、保留記憶されたことについては始動入賞指定コマンドと別のコマンド(たとえば、第1保留記憶および第2保留記憶のうちいずれの保留記憶が増加したかを特定可能な保留記憶コマンドなど)により特定されるように構成してもよい。
図12は、始動入賞指定コマンドを具体的に説明するための図である。前述したように、始動入賞指定コマンドの上位バイトとしては、第1始動入賞口13への入賞が第1始動口スイッチ13aによって検出された場合に「C0」が設定され、第2始動入賞口14への入賞が第2始動口スイッチ14aによって検出された場合に「C1」が設定される。
始動入賞指定コマンドの下位バイトとしては、たとえば、すでに大当りとなることが先読み判定されているときなど、先読みの禁止状態に設定されているときで当該始動入賞に対する先読みが行なわれなかった場合に判定なしを特定する「00」が設定され、先読み判定結果がはずれで第1通常と判定されたときに「01」が設定され、先読み判定結果が15R確変でノーマルリーチと判定されたときに「09」が設定される。その他の先読み判定結果についても同様に、一の先読み判定結果が特定されるように予め定められているデータが、始動入賞指定コマンドの下位バイトとして設定される。
演出制御用マイクロコンピュータ100では、当該始動入賞指定コマンドに基づき、保留表示するための処理、先読み予告を実行するか否かを判定するための処理などを行なう。先読み予告とは、先読み判定結果に関する情報を、当該始動入賞に起因する変動表示開始前の段階から、複数回の変動表示に亘り連続して予告報知する演出をいう。このような先読み予告は、特定演出の一例である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示を開始する度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに基づき、飾り図柄変動表示を開始するように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S31)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(S300,S301)。そして、S302〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S302〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。S302〜S312の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合計保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合計保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合計保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かや小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。また、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグや小当りフラグは、大当り遊技または小当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S303でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信するための制御を行なう。そして、大当りフラグまたは小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307またはS310に対応した値(この例では5または8)に更新する。大当りフラグも小当りフラグもがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。
ラウンド開始前処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。ラウンド開始前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによってラウンド中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では6)に更新する。なお、ラウンド開始前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、ラウンド開始前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、当該大当り遊技状態となったときの状態が時短状態であり、時短フラグがセットされていたときには、時短フラグがリセットされる。
ラウンド中処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中または小当り遊技中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では5)に更新する。本実施の形態における大入賞口の閉成条件は、たとえば、遊技球が大入賞口に所定数(たとえば10)入賞することや、大入賞口が開放してから所定時間(たとえば29秒)経過することにより成立するように設定されている。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行なう。具体的に、15R確変大当り図柄や2R確変大当り図柄が停止して発生する確変大当りが終了したときには、確変フラグがセットされ、15R非確変大当り図柄が停止して発生する非確変大当りが終了したときには、時短フラグがセットされる。また、大当りフラグをリセットする処理を行なう。また、先読み大当りフラグがセットされているときには、当該フラグをリセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。
なお、先読み大当りフラグは当該保留記憶に基づく変動表示が終了したタイミングにリセットするように構成してもよい。これにより、大当り遊技中に入賞した始動入賞について後述する先読み判定を行なうことができるため、当該大当りが終了したときから先読み判定結果に基づく先読み予告演出を行なうことができる。たとえば、大当り遊技が終了した後、初回の変動表示から以降複数回の変動表示に亘り先読み予告演出を行なうことができる。
小当り開放前処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS311に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S311):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS312に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S312):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では0)に更新する。また、小当りフラグをリセットする処理を行なう。
図14は、S301の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(S212)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、S221に移行する。
第1保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S214)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図16(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図16(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図16(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保され、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図16(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、保留記憶方式は、上記のように、保有特定領域および保存領域など、複数の領域を用いるものに限らず、一の所定領域を用いて記憶されるものであってもよい。保留記憶方式は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々への入賞に起因して抽出される乱数を、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々に定められた上限数(たとえば4)まで、入賞順を特定可能に記憶される方式であれば、どのような方式であってもよい。たとえば、一の領域を用いて、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のうちいずれへの入賞かを特定するためのデータと当該入賞に起因して抽出される乱数を特定するためのデータとを対応付けて、入賞順に、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14各々に定められた上限数(たとえば4)まで記憶する方式であってもよい。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S215)。なお、S215の処理では、ランダムR(大当り判定用乱数)およびソフトウェア乱数であるランダム2−1、2−2、3、4(図6参照)が、保存領域に格納される。これにより、大当り判定用の乱数、大当り種類決定用の乱数、リーチ判定用の乱数、変動パターン種別決定用の乱数、および変動パターン決定用の乱数が抽出されて保留記憶される。なお、変動パターン決定用の乱数(ランダム4)は、変動開始時に抽出するようにしてもよい。なぜなら、本実施の形態において始動入賞時に行なわれる先読み処理では、変動パターン種別について判定されるが、変動パターンまで判定しないように構成されているためである。これにより、たとえば変動開始時にランダム4から抽出した乱数値をレジスタに読み出して変動パターンの決定に用いることができるため、乱数の格納領域を削減することができ、RAM50の使用領域を削減できる。
次いで、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S216)。そして、CPU56は、後述する先読み処理において15R大当りになると判定されたときにセットされる先読み大当りフラグがセットされているか否か、すなわち15R大当りとなる保留記憶が存在するか否かを判定する(S217)。
先読み大当りフラグがセットされていないときには、後述する第1先読み処理を行ない(S218)、S219に移行する。第1先読み処理においては、今回の第1始動入賞により抽出した乱数値に基づき、当りになるか否かおよび変動パターン種別がどの種別であるかを先読みする処理が行なわれる。
S219においては、第1先読み処理における先読み判定結果に応じた第1始動入賞指定コマンドをセットする。セットされたコマンドは、演出制御コマンド制御処理(図5のS33)において、送信する処理が行なわれる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドに基づき、保留表示を行なうとともに、先読み予告を実行するか否かの決定を行なう。
S217において先読み大当りフラグがセットされていると判定されたときには、15R大当りになる保留記憶がすでに存在するために、当該始動入賞について先読み処理を行なうことなく、S220に移行する。これにより、すでに15R大当りになる保留記憶が存在するときに、その後の保留記憶に対して先読み処理が行なわれること、および先読み予告の途中で大当りになるなど不自然な先読み予告が行なわれることを防止することができる。
なお、図14の始動口スイッチ通過処理においては、S217の処理、および後述するS227の処理を行なわずに、全ての始動入賞に対して先読み処理を行なわせるようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100側において始動入賞指定コマンドを受信したときにS217の処理とS227の処理とに相当する処理を行なうように構成してもよい。このように構成した場合であっても、先読み予告の途中で大当りになるなど不自然な先読み予告が行なわれることを防止することができる。
S220においては、判定結果なしの第1始動入賞指定コマンドをセットする。これにより、始動入賞に基づく保留表示が行なわれる。
S221〜S230については、S211〜S220で示した処理と同様に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことを条件として、保留特定領域に「第2」をセットし抽出した乱数を第2保留記憶数バッファに保存し(S224、S225)、合算保留記憶数カウンタの値および先読み大当りフラグなどに基づいて第2先読み処理が行なわれたときには該先読み判定結果に応じた第2始動入賞指定コマンドをセットし(S229)、第2先読み処理が行なわれなかったときには判定結果なしの第2始動入賞指定コマンドをセットする(S230)処理が行なわれる。
なお、S213〜220bの処理とS223〜230bの処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶数バッファ(第1保留記憶数バッファまたは第2保留記憶数バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。このようにS213〜218の処理とS223〜228の処理とを1つの共通ルーチンで実現する場合には、図16に示す保留記憶バッファを、第1保留記憶(第1特別図柄)と、第2保留記憶(第2特別図柄)とで共通使用してもよい。具体的には、そのような共通の保留記憶バッファにおいて、各保存領域に、入賞が生じた順に、「第1」,「第2」のどちらの保留記憶であるかという情報、および、抽出した乱数値(ランダムR、ランダム2−1、2−2、3、4など)を示す情報を格納していき、格納した順番にしたがって読出して変動表示に用いるようにすればよい。そして、前述した実施形態の場合と同様に、「第1」,「第2」の各保留記憶については、別個に保留記憶数の最大値を管理すればよい。
図15は、S218の第1先読み処理を示すフローチャートである。CPU56は、S215において抽出したランダムRの値が通常時の大当り判定値(図7(A)における通常時の判定値(共通の大当り判定値))であるか否かを判定する(S240)。このように、先読み処理での大当り判定においては、通常時の大当り判定値(共通の大当り判定値)が用いられる。このため、実際に変動表示を開始するときの遊技状態が確変状態であるか否かまで先読みすることなく、先読み処理において大当りと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてははずれになるといった不都合の発生を防止することができる。なお、先読み処理における大当り判定は、確変状態中であるときには確変時であるときの大当り判定値を用いて行なってもよい。この場合でも、図14のS217やS227において先読み大当りフラグがセットされているときには先読み処理自体行なわれないため、先読み処理において大当りと判定されたにも関わらず変動開始時において大当りにならないと判定されるような、先読み処理時と変動開始時とにおいて齟齬が生じることを防止することができる。
S240において、通常時の大当り判定値であると判定されたときには、図7(C)で示した第1特図用大当り種別判定テーブルを選択し(S241)、S215においてランダム2−1から抽出した値に基づいて大当り種別を判定する(S242)。そして、CPU56は、当該大当り種別が15R大当りであったか否かを判定し(S243)、15R大当りであったときには先読み大当りフラグをセットする(S244)一方、15R大当りでなかったときにはS244へ移行させずに、S245へ移行する。S245においては、S242で判定された大当り種別に応じた大当り用変動パターン種別判定テーブル(図9(C)〜(E))を選択し、S215において保留記憶数が3〜8の判定値にしたがいランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する(S252)。なお、S240で大当りと判定されたときには、大当り種別および変動パターン種別を判定することなく、大当りを示す始動入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。また、S240で大当りと判定されたときには、15R大当りになるか否かを判定し、15R大当りとなるときに変動パターン種別を判定することなく、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドを送信するようにしてもよい。
一方、S240において通常時の大当り判定値でないと判定されたときには、小当り判定値(図7(B)、第1特図の場合には左欄の判定値参照)であるか否かを判定する(S246)。小当り判定値であると判定されたときには、図9(E)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択し(S247)、S252に移行して保留記憶数が3〜8の判定値にしたがいランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する。
S246において小当り判定値でないと判定されたときには、図8に示すリーチ判定テーブルを参照し、保留記憶数が6〜8の判定値(共通のリーチ判定値)とS215において抽出したランダム2−2からの値とに応じてリーチの有無を判定する(S248)。このように、先読み処理でのリーチ判定においては、保留記憶数が6〜8の判定値(共通のリーチ判定値)が用いられる。このため、たとえば、先読み処理においてリーチと判定されたにも関わらず実際の変動表示においてリーチにならないといった不都合の発生を防止することができる。
S248による判定の結果、リーチにするか否かを判定し(S249)、リーチにすると判定されたときには、図9(B)に示すはずれリーチ用変動パターン種別判定テーブルを選択し(S250)、リーチにしないと判定されたときには、図9(A)に示す非リーチはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択し(S251)、S252に移行して保留記憶数が3〜8の判定値にしたがいランダム3から抽出した値に基づいて変動パターン種別を判定する。なお、図9で説明した各テーブルにおける特定変動パターン種別の判定値は、保留記憶数に関わらず、共通の判定値が割り当てられているのに対し、特定変動パターン種別以外の変動パターン種別の判定値は、保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。このため、たとえば保留記憶数に応じて特定変動パターン種別に決定される確率が低下し、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。また、先読みで特定変動パターン種別と判定されたときには、実際の変動表示においても特定変動パターンにより変動表示が行なわれる。その結果、たとえば、先読み処理においてすべり演出が実行されると判定されたにも関わらず実際の変動表示においてすべり演出が実行されないといった不都合の発生を防止することができる。
図15において第1先読み処理について説明したが、第2先読み処理においても、第1先読み処理と同様に、第2始動入賞に基づき抽出した乱数値に基づき所定のテーブルを参照して先読み判定を行なう処理が行なわれる。
図17および図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S302)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図16(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(S53)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(S54)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および保存領域各々の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(S57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。
特別図柄通常処理では、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S302〜S312の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、当り判定を実行する(S61、S62)。当り判定では、遊技状態に応じて予め決められている大当り判定値(図7(A)、(B)参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りまたは小当りとすることに決定する処理を実行する。なお、変動開始時における当り判定では、現在の遊技状態に対応する判定値が用いられる。このため、先読み時において当りでないと判定されたときであっても変動開始時において当りと判定される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み予告が行なわれていないときであっても、当りになることに対し遊技者に期待感を抱かせることができる。
当り判定では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。S61において大当りとすることに決定した場合には、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、次の大当りが発生したときの大当り遊技の開始時においてリセットされる(次の大当りが確変となる大当りであっても、大当り遊技の開始時に一旦リセットされる)。
ランダムRの値が大当り判定値のいずれにも一致しない場合には、ランダムRの値が小当り判定値のいずれかと一致するか否か確認する(S62)。一致した場合には、小当りフラグをセットする(S63)。そして、S75に移行する。小当り判定値に一致しない場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、第1特別図柄を対象とする場合には図7(C)に示すテーブルを選択し、第2特別図柄を対象とする場合には図7(D)に示すテーブルを選択する(S72)。乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム2−1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変」、「15R非確変」、「2R確変」)を大当りの種別に決定する(S73)。また、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「15R非確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「2R確変」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「8」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」〜「5」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「2R確変」に決定した場合には、2R大当り図柄となる「6」を特別図柄の停止図柄に決定する。「15R確変」に決定した場合には「1」〜「3」のいずれかを、「15R非確変」に決定した場合には「4」または「5」を、特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S303)に対応した値に更新する(S76)。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S303)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S95)。
大当りフラグがセットされている場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、S74で記憶される大当り種別に基づいて図9(C)、(D)、(E)のうちいずれかのテーブルを選択する(S96)。そして、S103に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S97)。小当りフラグがセットされている場合(S97でYの場合)には、図9(E)に示すテーブルを選択する(S98)。そして、S103に移行する。
S97で小当りフラグがセットされていない場合(S97でNの場合)、すなわち、大当りフラグも小当りフラグもセットされていない場合には、図8に示すリーチ判定テーブルを参照して、現在の保留記憶数と乱数バッファ領域に格納されたリーチ判定用の乱数(ランダム2−2)の値とに応じて、リーチ状態にするか否かを決定する(S99)。
そして、S99による決定において、リーチ状態にすることに決定したか否かを判定する(S100)。リーチ状態にすることに決定した場合には、図9(B)に示すテーブルを選択する(S101)。一方、リーチ状態にしないことに決定した場合には、図9(A)に示すテーブルを選択する(S102)。そして、S103に移行する。
S103では、CPU56は、S96、S98、S101、およびS102のうちいずれかにより選択されたテーブルのうち現在の保留記憶数に対応する判定値にしたがい、乱数バッファ領域に格納された変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値に基づいて、変動パターン種別を決定する。なお、変動開始時におけるリーチ判定および変動パターン種別判定では、現在の保留記憶数に対応する判定値が用いられる。このため、先読み時においてリーチでないと判定されたときであっても変動開始時においてリーチと判定される場合や、先読み時において特定変動パターン種別でないと判定されたときであっても変動開始時において特定変動パターンが選択される場合が生じ得る。その結果、前述した先読み予告が行なわれていないときであっても、スーパーリーチ2により変動表示が行なわれること、および15R大当りが発生することに対し遊技者に期待感を抱かせることができる。
次いで、CPU56は、S103で決定された変動パターン種別に応じた変動パターン判定テーブル(図10参照)を選択する(S104)。また、CPU56は、S104により選択されたテーブルを参照して、乱数バッファ領域に格納された変動パターン判定用の乱数(ランダム4)の値に基づいて、変動パターンを決定する(S105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)をセットする(S106)。これにより、変動パターンコマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
なお、変動パターンコマンドをセットする際には、変動表示を開始させる特別図柄に対応する図柄変動指定コマンドもセットされる。これにより、図柄変動指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、本実施の形態では、後述するように、図20の表示結果指定コマンド送信処理において、表示結果指定コマンドがセットされる。これにより、表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。その結果、たとえば、変動開始時において図5のタイマ割込処理が行なわれたときに図柄変動指定コマンドが送信され、次のタイマ割込処理が行なわれたときに変動パターンコマンドが送信され、その次のタイマ割込処理が行なわれたときに表示結果指定コマンドが送信される。
また、特別図柄の変動を開始する(S107)。たとえば、S38の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S304)に対応した値に更新する(S109)。
図20は、表示結果指定コマンド送信処理(S304)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種別、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの演出制御コマンド(図11参照)を送信するための制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。大当りフラグがセットされている場合には、大当りの種別(15Rか否か、確変か否か)に応じた表示結果指定コマンドをセットする(S111)。これにより、表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
S110において、大当りフラグがセットされていない場合には、S112に移行し、小当りフラグがセットされているか否か確認する。CPU56は、S112の処理で小当りフラグがセットされていることを確認したときには、表示結果5指定コマンドをセットする(S113)。小当りフラグがセットされていないときには、表示結果1指定コマンドをセットする(S114)。これにより、セットされた表示結果指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
そして、合算保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信する(S115)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。また、CPU56は、送信した表示結果指定コマンドをRAM55における演出図柄種類格納領域に保存しておく。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S305)に対応した値に更新する(S116)。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S305)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S306)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S306)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S37の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドをセットする(S135)。これにより、大当り開始指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突確開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R非確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。なお、大当り発生時には、大当り表示時間タイマと同じ値が大入賞口制御タイマに設定される。以降、ラウンド開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。また、大当り種別に応じた開放態様をセットする(S137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をラウンド開始前処理(S307)に対応した値に更新する(S138)。
S139では、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S140)。そして、時短回数カウンタの値が0になったか否かを確認し(S141)、時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをリセットする(S142)。そして、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S143)。小当りフラグがセットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突確開始指定コマンドをセットする(S144)。これにより、小当り/突確開始指定コマンドが図5のS33において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S145)。なお、小当り発生時には、小当り表示時間タイマと同じ値が大入賞口制御タイマに設定される。以降、小当り開始前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放開始される。また、小当りに応じた開放態様をセットする(S146)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S310)に対応した値に更新する(S147)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S302)に対応した値に更新する(S148)。
次に、変動表示中、演出表示装置9において実行される演出の具体例を、図23の説明図を参照して説明する。なお、図23においては、変動表示中にリーチ状態になる場合について説明する。
図23(A)に示す例では、たとえば、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で演出図柄の変動が開始される。その後、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで「6」の演出図柄が揃って停止表示(仮停止表示)されることによって、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になる。
本実施の形態においては、すべり有りの変動パターンが設定されているときには、たとえば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rで演出図柄を仮停止表示させた後、「右」の図柄表示エリア9Rで演出図柄を再変動させた後に停止表示させるすべり演出が行なわれる。なお、仮停止表示される「左」および「右」の演出図柄は、リーチの組合せ(同一図柄)とならないように決定される。そして、リーチ変動パターンの場合には、すべり演出が行なわれた後に演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となり、非リーチ変動パターンの場合にはリーチ状態にならない。
リーチ状態が発生した場合には、たとえば「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が低下する。そして、変動パターンの種別がノーマルリーチであるときであって、15R大当りとなるときには、図23(B)に示すように「中」の図柄表示エリア9Cで「6」を示す数字が「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9Rと揃って停止表示(仮停止表示)され、15R大当りとならないときには「中」の図柄表示エリア9Cに「6」以外の図柄で停止表示される「ノーマル」のリーチ演出が行なわれる。
また、スーパーリーチが実行される場合には、図23(C)に示すように、たとえば低下していた「中」の図柄表示エリア9Cにおける演出図柄の変動速度が再び上昇し、各種のリーチ演出表示が開始される。
スーパーリーチのうちスーパーリーチ1のリーチ演出では、図23(D)に示すようなキャラクタ画像CH1が表示された後、対応するリーチ演出表示が進行する。
また、スーパーリーチのうちスーパーリーチ2のリーチ演出では、図23(E)に示すようなキャラクタ画像CH2が表示された後、図23(F)に示すようなリーチ演出表示が進行する。そして、図23(G)および(H)に示すように、2段階目の演出表示に進む。
図23(H)に示すように2段階目の演出表示が進行すると、図23(I)に示すように、2段階目の演出表示で停止表示(仮停止表示)される演出図柄が出現する。
なお、変動表示結果が「はずれ」になる場合には、リーチはずれ組合せを構成する演出図柄を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了させる。また、リーチ状態とならない場合には、非リーチの組合せとなる演出図柄(左図柄と右図柄とが異なる)を停止表示させ、演出図柄の変動表示を終了させる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図24は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、S704〜S709の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等をするコマンド解析処理を行なう(S704)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S705)。また、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S708)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図25および図26は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、RAMに形成されているコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
コマンド受信バッファとして、たとえば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、コマンド受信バッファに保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドが、予め定められたコマンドのうち、どのコマンド(図11参照)であるのか解析する。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確開始指定コマンドであれば(S625)、演出制御用CPU101は、小当り/突確開始指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが小当り/突確終了指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、小当り/突確終了指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをセットする(S646)。また、受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(S647)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをセットする(S648)。
受信した演出制御コマンドが始動入賞指定コマンドであれば(S649)、演出制御用CPU101は、その始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞指定コマンド格納領域に格納するとともに、保留表示処理が未だなされていない始動入賞数を示す未処理数カウンタを1加算する(S650)。後述するように、未処理数カウンタの値に基づき、保留が加算表示される。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに対応する処理を実行し(S651)、S611に移行する。対応する処理とは、たとえば、受信したコマンドに対応するフラグをセットする処理が行なわれる。また、対応する処理としては、受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定コマンドであれば、保留表示を減算更新させるための保留減算カウンタを1加算する処理が該当する。後述するように、保留減算カウンタの値に基づき、保留が減算表示される。
図27は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図27に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図27(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図27(B)参照)。
図28は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図28に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、すべり時仮停止図柄決定用の乱数SR3、先読み予告実行決定用の乱数SR4、先読み予告開始保留決定用の乱数SR5、単独予告実行決定用の乱数SR6、予告時の出現キャラクタ決定用の乱数SR7、および予告時の背景決定用の乱数SR8を用いる。乱数SR1−1〜SR8は、予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出される。
なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。なお、SR4〜SR8のような予告演出に関する乱数値の上限値が、すべて同じとなる例について説明したが、これに限らず、SR4〜SR8各々の上限値が異なるように設定してもよい。また、SR4〜SR8各々の上限値が素数となるように設定してもよい。このようにすれば、異なる振り分けで予告演出の実行態様を決定することができる。
すべり仮停止図柄決定用の乱数SR3は、すべり演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおけるすべてまたは一部(本実施の形態においては「右」の図柄表示エリア9R)において仮停止表示させる演出図柄(仮停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。
先読み予告実行決定用の乱数SR4は、始動入賞指定コマンドに基づき、先読み予告を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。先読み予告開始保留決定用の乱数SR5は、先読み予告を実行する場合に、保留記憶数に基づき、先読み予告を開始する保留記憶、すなわち先読み予告を開始するタイミングを決定するために用いられる乱数である。
単独予告実行決定用の乱数SR6は、変動パターンコマンドに基づき、当該変動パターンコマンドにしたがって開始される変動表示中において、単独予告を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。
予告演出には、予告の対象となる保留記憶よりも先に記憶されている保留記憶に基づく変動表示から複数回の変動表示に亘って実行される先読み予告と、先読み予告のように複数回の変動表示に亘って実行されるものではなく、予告の対象となる変動表示中のみで実行され当該変動表示で完結する単独予告とを含む。
先読み予告は、予告の対象となる保留記憶および当該保留記憶よりも先に記憶されている保留記憶のうち決定された保留記憶以降の保留記憶(以下、予告実行保留記憶ともいう)各々に基づく変動表示において、所定タイミングで所定期間に亘り実行される。たとえば、予告の対象となる保留記憶よりも先に3つ保留記憶されているときには、当該3つの保留記憶のうちランダムに決定された保留記憶以降にされた保留記憶および予告の対象となる保留記憶に基づく複数回の変動表示において先読み予告が行なわれる。このため、予告の対象となる変動表示よりも先に開始される各変動表示において特定変動パターンとなる可能性があることを予告することができる。
単独予告演出は、予告の対象となる変動表示中において所定タイミングで所定期間に亘り実行される。
先読み予告や単独予告が実行される所定タイミングとは、変動表示が開始されてから終了するまでの間におけるタイミングであればよく、たとえば、変動表示が開始されるタイミング、「左」〜「右」のいずれかの演出図柄が停止表示するタイミング、前述したリーチ演出が実行される以前または以後のタイミングなど、どのようなタイミングであってもよい。また、先読み予告や単独予告が実行される所定期間とは、遊技者に認識させることができる期間であればよく、たとえば、先読み予告を開始してから、所定時間経過するまでの期間、「左」〜「右」のいずれかの演出図柄が停止表示するまでの期間、前述したリーチ演出が実行される以前までの期間など、どのような期間であってもよい。また、先読み予告の所定タイミングと、単独予告の所定タイミングとは、異なるタイミングであっても、同じタイミングであってもよい。また、先読み予告の所定期間と、単独予告の所定期間とは、異なる期間であっても、同じ期間であってもよい。また、所定タイミングや所定期間は、複数種類設けられており、先読み予告や単独予告を実行するときにどの種類にするかが決定されるものであってもよい。
本実施の形態においては、先読み予告や単独予告が実行される所定タイミングとして演出図柄の変動表示が開始されたときに予め設定されており、先読み予告や単独予告が実行される所定期間として演出図柄の変動表示が開始してから「左」の演出図柄が停止するまでの期間に予め設定されている(図29(E1)、(E2)参照)。
予告時の出現キャラクタ決定用の乱数SR7は、先読み予告や単独予告において出現させるキャラクタの種類を決定するために用いられる乱数である。予告時の背景決定用の乱数SR8は、予告演出が実行される場合における演出表示装置9の背景の種類を決定するために用いられる乱数である。本実施の形態では、予告演出が実行される変動において、選択された背景画像に変更されて予告演出を含む変動表示が行なわれる。予告時の出現キャラクタ決定用の乱数SR7および背景決定用の乱数SR8の値に基づいて、先読み予告や単独予告の予告パターンが決定される。
次に、変動表示中に実行される予告の具体例を図29および図30を参照して説明する。図29は、予告演出の一例として先読み予告演出が実行されたときの演出表示装置9における表示動作例を示す説明図である。
図29(A)は、特別図柄の変動停止に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rの全部で確定演出図柄が停止表示されて変動表示が終了している状態を示している。
図29(B)は、特別図柄の変動表示における特別図柄の変動開始等に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rのすべてで演出図柄の変動が開始された状態を示している。
図29(C)は、図29(B)で開始した変動中に始動入賞して保留表示が加算された状態を示している。図29(C)では、保留記憶が3個である旨が表示されている。
図29(D)は、特別図柄の変動停止に対応して、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rのすべてで確定演出図柄が停止表示されて変動表示が終了している状態を示している。
図29(E1)および(E2)は、特別図柄の変動開始に対応して新たに開始された演出図柄の変動中であって、いずれの図柄表示エリアにも演出図柄が停止されていないときに、15R大当りとなる変動パターンやスーパーリーチ2により変動表示が行なわれる可能性がある旨を予告する先読み予告が実行されたときの表示状態を示している。図29(E1)および(E2)は、ともに、“メモリの中にスーパーリーチあるかも”といったメッセージが記されたプラカードを持ったキャラクタが出現することにより、先読み予告が実行されている。
なお、図29(E1)の先読み予告と、(E2)の先読み予告とは、出現するキャラクタの種類が異なっている。出現するキャラクタの種類は、図39(A)で後述するように、先読み予告の対象となる変動表示における変動パターン種別が特定変動パターン種別であるスーパーリーチ2であるか否かおよび15R大当りとなる変動パターン種別であるか否かに応じて選択される。先読み予告では、図29(E1)で示すキャラクタまたは(E2)で示すキャラクタを出現させる演出が行なわれる。これにより、予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示が開始される前段階から15R大当りとなる変動パターンやスーパーリーチ2により変動表示が行なわれる可能性があることを報知することができる。
本実施の形態において先読み予告として出現するキャラクタの種類は、スーパーリーチ2であるか否かおよび15R大当りであるか否かに基づいて選択される例について説明するが、これに限らず、15R大当りであるか否かのみに基づいて選択されるように構成してもよい。
なお、先読み予告演出が実行されて予告の対象となる変動表示となったとき、あるいは単独予告演出が実行されるときには、予告として、“スーパーリーチになって当るかも”といった異なるメッセージが記されたプラカードを持ったキャラクタを出現させるようにしてもよい。なお、先読み予告演出は、前述したように、予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示まで、繰り返し実行される。
なお、図29では、背景画像を図示していない。しかしながら、予告演出が実行される場合には、選択された種類の背景画像が表示される。図30は、予告演出が実行される場合に表示される背景画像の種類を説明するための図である。背景画像の種類は、図39(B)で後述するように、予告対象の変動パターン種別に応じて選択される。本実施の形態において予告演出が実行される場合の背景画像の種類は、予告対象の変動パターン種別に基づいて選択される例について説明するが、これに限らず、15R大当りであるか否かのみに基づいて選択されるように構成してもよい。
図30(A)は、背景Aの表示態様を説明するための図である。背景Aが選択されたときには、図30(A)に示すように、海の態様(海を想起させる画像(たとえば、魚、海草、水など)を表示する態様)に変更される。
図30(B)は、背景Bの表示態様を説明するための図である。背景Bが選択されたときには、図30(B)に示すように、山の態様(山を想起させる画像(たとえば、山、鳥、雲など)を表示する態様)に変更される。
図30(C)は、背景Cの表示態様を説明するための図である。背景Cが選択されたときには、図30(C)に示すように、夜空の態様(夜空を想起させる画像(たとえば、月、星など)を表示する態様)に変更される。
先読み予告演出である場合には、先読み予告演出が実行される変動表示が開始されてから、先読み予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示が終了するまで(リーチ演出が実行される期間を除く)、当該選択された種類の背景が表示される。また、単独予告演出である場合には、今回の変動表示が開始されてから終了するまで(リーチ演出が実行される期間を除く)、当該選択された種類の背景が表示される。
本実施の形態における先読み予告または単独予告は、選択された種類のキャラクタを出現させるとともに、選択された種類の背景画像を表示することにより実行される例について説明したが、キャラクタおよび背景画像のうちいずれか一方を表示することにより実行されるものであってもよい。
本実施の形態においては、特定演出の一例として図29および図30で示した画像を用いた先読み予告演出を例にして説明する。特定演出とは、変動表示開始以前の段階から、将来的に特定変動パターン(特定可変表示パターン)が発生する可能性がある旨を、複数回の変動表示に亘り連続的に予告する演出をいう。このような演出を行なうものであれば、特定演出としては、演出表示装置9により表示される画像を用いた演出に限らず、これに換えてあるいはこれに加えて、たとえば、スピーカ27による音を用いた予告演出、装飾LED25によるランプを用いた予告演出、可動部材84を用いた予告演出など、演出表示装置9と異なる演出装置を用いた予告演出のうち、少なくともいずれか一つの予告演出であってもよく、選択的に複数の予告演出を組合せたものであってもよく、全ての予告演出を行なうものであってもよい。また、特定演出としては、これらの予告演出のうちから、変動表示毎に選択して実行するものであってもよい。
図31は、S705の保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。まず、S650により加算される未処理数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する(S660)。未処理数カウンタの値が「1」以上であると判定されたときには、保留表示を行なうための処理が実行される。
S661においては、先読み予告実行中フラグ、または先読み予告フラグがセットされているか否かを判定する(S661)。先読み予告実行中フラグとは、先読み予告が既に実行されている旨を示すフラグであり、後述する図37のS685でセットされる。先読み予告フラグとは、先読み予告演出を行なうことが決定されている旨を示すフラグであり、図31のS668でセットされる。
S661において先読み予告実行中フラグおよび先読み予告フラグのいずれもセットされていないと判定されたときには、今回の保留記憶を含む未だ変動表示が開始されていない保留記憶の数(以下、未変動の保留記憶数という)が2以上であるか否かを判定する(S662)。これにより、今回記憶された保留記憶に基づく変動表示以外に未だ変動表示が開始されていない保留記憶がある状況であり、先読み予告を実行可能な保留記憶状態であるか否かが判定される。S662において未変動の保留記憶数が2以上でないと判定されたときには、後述するS672へ移行する。
S662において未変動の保留記憶数が2以上であると判定されたときには、対応する始動入賞指定コマンドが所定コマンドであるかを判定する(S663)。所定コマンドとは、大当りになることに対する期待感を遊技者に抱かせる演出を実行させることとなるコマンドであればよく、本実施の形態においては、先読み判定結果が15R大当りを示す始動入賞指定コマンドおよびスーパーリーチ2の特定変動パターン種別を示す始動入賞指定コマンドをいう。S663により、今回の保留記憶が、所定条件としての15R大当りになるあるいは特定変動パターンになることを満たすか否か判定される。
S663において始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときには、いわゆるガセ予告が実行されることを規制している状態であるか否かを判定するための予告禁止カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S664)。予告禁止カウンタは、後述するように15R大当りにならずかつスーパーリーチ2にもならないガセの先読み予告が終了したことを条件として設定されて、その後変動表示が行なわれる毎に減算される。S664において予告禁止カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、後述するS672へ移行する。これにより、予告禁止カウンタの値が「0」でないときには、15R大当りにもスーパーリーチ2にもならない保留記憶を対象とした先読み予告の実行が禁止される。
S663において所定コマンドであると判定されたとき、またはS664において予告禁止カウンタの値が「0」であると判定されたときには、S666に移行して先読み予告を実行するか否かを決定する。これにより、始動入賞指定コマンドが所定コマンドであるとき、および予告禁止カウンタの値が「0」であり先読み予告が禁止されていないときに、先読み予告が実行され得る。先読み予告を実行するか否かの決定は、図32に示すテーブルを用いて行なわれる。これについては、後述する。なお、S666においては、判定なしの始動入賞指定コマンドである場合には、先読み予告を実行しない旨が決定される。
S667では、S666において先読み予告を実行することが決定されたか否かを判定する。S667において先読み予告を実行しないと判定されたときには、後述するS672へ移行する。一方、S667において先読み予告を実行すると判定されたときには、当該始動入賞指定コマンドの下位バイトのデータを先読み予告フラグとしてセットする(S668)。これにより、後述する図37のS683において、先読み予告フラグに基づき、図12で示した先読み判定結果のいずれかを特定することができ、たとえば、15R確変大当りであるか、15R非確変大当りであるか、および変動パターン種別が特定変動パターン種別であるか非特定変動パターン種別であるかなどを特定することができる。
S669では、先読み予告を開始する保留記憶を決定する。先読み予告を開始する保留記憶は、予告開始保留ともいう。予告開始保留の決定は、図33に示すテーブルを用いて行なわれる。これについては、後述する。
S670では、予告開始保留に基づく変動表示が開始されるまでに実行される変動表示回数を予告開始カウンタにセットする。予告開始カウンタの値により、先読み予告を開始するまでに実行される変動表示の回数を特定することができる。たとえば、未だ変動表示が開始されていない保留記憶が3個のときで、予告開始保留が2番目に記憶された保留に決定されたときには、予告開始カウンタとして「1」がセットされる。
S671では、今回の保留記憶を含む未変動の保留記憶数を先読み予告終了カウンタにセットする。先読み予告終了カウンタにより、先読み予告を終了するまでに実行される変動表示の回数、すなわち先読み予告の対象となる保留記憶に基づく変動表示と当該変動表示以前に実行される変動表示との合計回数を特定することができる。たとえば、未だ変動表示が開始されていない保留記憶が2個のときに始動入賞した場合には、先読み予告終了カウンタとして「3」がセットされる。
S672においては、保留メモリカウンタの値を1加算した後、保留表示をする。次いで、未処理数カウンタの値を1減算し(S668)、再びS660へ移行する。
S661に戻り、先読み予告実行中フラグまたは先読み予告フラグがセットされていると判定されたとき、すなわち先読み予告がすでに実行中あるいは実行される予定であるときには、当該先読み予告の対象が15R大当り以外を示す保留記憶であって、かつ現在判定の対象となっている始動入賞指定コマンドである今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンド(15R大当りを示す始動入賞指定コマンド、スーパーリーチ2を示す始動入賞指定コマンド)であるか否かを判定する(S674)。実行中あるいは実行される予定である先読み予告の対象が15R大当りを示す保留記憶であるとき、あるいは今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときのいわゆるガセ予告しか行なえないときには、S672へ移行する。すなわち、実行中あるいは実行される予定である先読み予告の対象の保留記憶により15R大当りとなるときや今回の始動入賞指定コマンドに基づき先読み予告をしたとしてもいわゆるガセ予告となるときには、S672へ移行する。
なお、S663において判定される所定コマンドと、S674において判定される所定コマンドとは、ともに、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドおよびスーパーリーチ2を示す始動入賞指定コマンドであり、全く同じコマンドである例について説明した。しかし、S663において判定される所定コマンドと、S674において判定される所定コマンドとは、一部または全部が異なるコマンドであってもよい。たとえば、S663において判定される所定コマンドは、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドおよびスーパーリーチ2を示す始動入賞指定コマンドであり、S674において判定される所定コマンドは、15R大当りを示す始動入賞指定コマンドのみであってもよい。
一方、先読み予告の対象が15R大当り以外を示す保留記憶であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドであると判定されたとき、すなわち実行中あるいは実行される予定である先読み予告の対象の保留記憶が15R大当りとなる保留記憶でなく、かつ今回の始動入賞指定コマンドによりいわゆる真予告が可能となるときには、予告終了カウンタの値を今回の始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶を含む未変動の保留記憶数に更新し、S672へ移行する。これにより、15R大当りとならない保留記憶を対象として先読み予告を実行中あるいは実行されるときに、15R大当りあるいはスーパーリーチ2となる始動入賞指定コマンドを受信したときには、今回の始動入賞指定コマンドに対応する保留記憶に基づく変動表示まで、先に決定されている先読み予告を延長させて実行させることができる。
S660において未処理数カウンタの値が「1」以上でないと判定されたとき、すなわち未処理数が0であると判定されたときには、S651において加算される保留減算カウンタの値が「1」以上であるか否かが判定される(S676)。1以上でないと判定されたときには、そのまま保留記憶表示制御処理を終了する。1以上であると判定されたときには、保留メモリカウンタの値を減算した後、保留表示を減算更新(1つシフト)する処理を行なう(S677)。次いで、保留減算カウンタの値を1減算し(S678)、保留記憶表示制御処理を終了する。
本実施の形態においては、始動入賞時に送信される始動入賞指定コマンド受信に基づき未処理数カウンタを1加算させて(S650)、当該未処理数カウンタに基づき保留メモリカウンタを1加算させて保留表示加算更新を行ない(S672)、変動表示開始時に送信される保留記憶数減算指定コマンド受信に基づき保留減算カウンタを1加算し(S651)、当該保留減算カウンタに基づき保留メモリカウンタを1減算させて保留表示減算更新を行なう(S678)例について説明した。しかし、保留メモリカウンタの加算方式、および保留表示更新方式については、これに限らず、どのようなものであってもよい。たとえば、未処理数カウンタや保留減算カウンタを設けることなく、始動入賞指定コマンド受信に基づき保留メモリカウンタを1加算するとともに保留表示加算更新を行ない、変動パターン指定コマンドなど変動開始時に送信されるコマンド受信に基づき保留メモリカウンタを1減算するとともに保留表示減算更新を行なうように構成してもよい。
また、未処理数カウンタと保留減算カウンタとを設けるものに限らず、たとえば、現在の保留メモリカウンタと、前回の保留メモリカウンタとを設けて、図26のS650において始動入賞指定コマンド受信に基づき現在の保留メモリカウンタを1加算更新し、図31のS660においては現在の保留メモリカウンタの値と前回の保留メモリカウンタの値とを比較し、現在の保留メモリカウンタの値が前回の保留メモリカウンタの値よりも大きいときにはS661に移行させるとともに前回の保留メモリカウンタの値を1加算更新するように構成してもよい。また、図26のS651において保留記憶数減算指定コマンド受信に基づき現在の保留メモリカウンタを1減算更新し、図31のS660においては現在の保留メモリカウンタの値と前回の保留メモリカウンタの値とを比較し、前回の保留メモリカウンタの値が現在の保留メモリカウンタの値よりも大きいときには保留表示減算更新するとともに前回の保留メモリカウンタの値を1減算更新するように構成してもよい。
図32は、図31のS666において先読み予告を実行するか否かを決定するために用いる先読み予告実行決定用テーブルを説明するための図である。先読み予告実行決定用テーブルは、受信した始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りであるか否か、および特定変動パターン種別であるか否かに応じて、先読み予告の実行を決定するための判定値が定められている。
始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りかつ特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜95」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「96〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
また、始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りかつ非特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜70」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「71〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
また、始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当り以外(はずれ、2R確変大当り、小当りなど)でかつ特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜30」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「31〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
また、始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当り以外でかつ非特定変動パターン種別が特定されたときには、ランダムSR4から抽出した値が、「1〜20」であるときに先読み予告を実行すると決定され、「21〜100」であるときに先読み予告を実行しないと決定される。
以上のように、図31のS666においては、始動入賞指定コマンドに応じて設定されている判定値およびランダムSR4から抽出した値に基づき、先読み予告を実行するか否かが決定される。
図32の先読み予告実行決定用テーブルは、15R大当り以外のときよりも15R大当りであるときの方が高い割合で先読み予告が実行されるように、また、非特定変動パターン種別のときよりも特定変動パターン種別であるときの方が高い割合で先読み予告が実行されるように、それぞれ判定値が設定されている。これにより、先読み予告が実行されたときには、先読み予告が実行されなかったときよりも、15R大当りになることおよび特定変動パターンになることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図33は、図31のS669において予告開始保留を決定するために用いる予告開始保留決定用テーブルを説明するための図である。予告開始保留決定用テーブルは、受信した始動入賞指定コマンドに基づき15R大当りまたは特定変動パターン種別であるか否かに応じてテーブルが設けられており、現在の未変動の保留記憶数に応じて予告開始保留を決定するための判定値が定められている。
受信した始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りまたは特定変動パターン種別であるときには、図33(A)の第1テーブルが参照される。そして、未変動の保留記憶数が「2」であるときには、ランダムSR5から抽出した値に関わらず、1番目に記憶された保留(保留記憶のうち最も先に記憶された保留、次に変動表示が開始される保留)が、予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「3」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜90」であるときに1番目に記憶された保留が、「91〜100」であるときに2番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「8」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜65」であるときに1番目に記憶された保留が、「66〜70」であるときに2番目に記憶された保留が、「71〜85」であるときに3番目に記憶された保留が、「86〜90」であるときに4番目に記憶された保留が、「91〜95」であるときに5番目に記憶された保留が、「96〜98」であるときに6番目に記憶された保留が、「99〜100」であるときに7番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数がその他の数であるときにも同様に、ランダムSR5から抽出した値に応じて、予告開始保留が決定される。
受信した始動入賞指定コマンドに基づき、15R大当りでなくかつ非特定変動パターン種別であるときには、図33(B)の第2テーブルが参照される。そして、未変動の保留記憶数が「2」であるときには、ランダムSR5から抽出した値に関わらず、1番目に記憶された保留が、予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「3」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜70」であるときに1番目に記憶された保留が、「71〜100」であるときに2番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数が「8」であるときには、ランダムSR5から抽出した値が、「1〜45」であるときに1番目に記憶された保留が、「46〜60」であるときに2番目に記憶された保留が、「61〜80」であるときに3番目に記憶された保留が、「81〜90」であるときに4番目に記憶された保留が、「91〜95」であるときに5番目に記憶された保留が、「96〜98」であるときに6番目に記憶された保留が、「99〜100」であるときに7番目に記憶された保留が、各々予告開始保留に決定される。また、未変動の保留記憶数がその他の数であるときにも同様に、ランダムSR5から抽出した値に応じて、予告開始保留が決定される。
以上のように、図31のS669においては、始動入賞指定コマンドおよび現在の未変動の保留記憶数に応じて設定されている判定値と、ランダムSR5から抽出した値とに基づき、予告開始保留が決定される。そして、図31のS670においては、予告開始カウンタの値として、決定された予告開始保留が、たとえば1番目であるときには「0」をセットし、5番目であるときには「4」をセットする。これにより、たとえば、1番目に決定されたときには、次の変動表示(1回目の変動表示)において先読み予告が開始され、5番目に決定されたときには、5回目の変動表示において先読み予告が開始される。
図33の予告開始保留決定用テーブルは、第2テーブルが参照されたときよりも第1テーブルが参照されたときの方が高い割合でより先に記憶された保留記憶(たとえば、1番目)が予告開始保留として決定されやすいように、それぞれ判定値が設定されている。その結果、第2テーブルが参照されたときよりも第1テーブルが参照されたときの方が高い割合で、先読み予告が実行される回数が多くなる。これにより、先読み予告が開始されるタイミングや先読み予告が実行される回数に応じて、15R大当りや特定変動パターンになることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図34は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、演出図柄(および飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう。また、いわゆる確変昇格演出を実行する遊技機では、確変昇格演出の実行を示す確変昇格演出実行中フラグがセットされている場合には確変昇格演出を実行する。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図35は、図34に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に応じた値に更新する(S813)。
図36は、図34に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、はずれとすることに決定されているか否か確認する(S501)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチはずれ変動パターン(図10(A)における第1通常、第2通常など)に対応したコマンドを受信したか否か確認する(S502)。非リーチはずれ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチはずれ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合には、演出制御用CPU101は、リーチにならない演出図柄の停止図柄を決定する(S504)。S504の処理では、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3から抽出した値に基づき、左中右最終停止図柄を決定する。この場合、左中右最終停止図柄が、リーチの組合せや大当りの組合せにならないように決定される。
S501において、はずれと判定されなかったときには、当り図柄を構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S503)、S516aに移行する。S503の処理では、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1から抽出した値に基づき、当りの種別に応じた左中右最終停止図柄を決定する。たとえば、15R確変大当りのときには奇数図柄から決定され、15R非確変大当りのときには偶数図柄から決定される。
また、S502において、非リーチ変動ではない、すなわちリーチ変動であると判定したときには、S505において、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S505)、S516aに移行する。S505の処理では、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1から抽出した値に基づき、左最終停止図柄と右最終停止図柄とを決定し、第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2から抽出した値に基づき、中最終停止図柄を決定する。この場合、左中右最終停止図柄が、大当りの組合せにならないように決定される。
次に、演出制御用CPU101は、演出パターンを設定するための演出設定処理を実行し(図36のS516)、予告パターンを設定するための予告設定処理を実行する(図36のS516a)。S516の演出設定処理においては、たとえば、変動パターンコマンドに基づいて変動表示パターンが選択される。また、受信した変動パターンがすべり演出を行なう変動パターンである場合には、すべり仮停止図柄決定用の乱数SR3から抽出した値に基づき、右仮停止図柄を決定する。この場合、本実施の形態においては、S503〜S505各々において決定された左最終停止図柄と異なる図柄、すなわちリーチの組合せとならない図柄から決定する。S516aの予告設定処理については、後述する。
S516aの予告設定処理を実行した後、演出制御用CPU101は、演出制御パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S517)。演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、S516の処理で決定した演出パターン、S516aの処理で決定した予告パターンなどにより指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、すべり演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替タイミング等が設定されている。なお、図柄変動制御パターンテーブルとしては、演出を含む演出図柄の演出動作を制御するための制御データよりなる図柄制御パターンテーブルと、演出図柄の演出動作とは別の予告演出の演出動作を制御するための制御データよりなる予告制御パターンテーブルとを設け、これら演出図柄の演出動作を制御するための制御データと、予告演出の演出動作を制御するための制御データとを組合せて用いることにより、1つの図柄変動制御パターンテーブルにより図柄の演出動作と予告の演出動作とを実行する場合と同様の演出動作を実行するように構成してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、S517で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S518)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S519)。
演出制御用CPU101は、S519の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を開始する(S520)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S521)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S522)。
図37は、S516aの予告設定処理を示すフローチャートである。まず、先読み予告フラグがセットされているか否かを判定する(S680)。先読み予告フラグは、図31のS668においてセットされる。先読み予告フラグがセットされていると判定されたときには、予告開始カウンタの値が「0」であるか否か、すなわち今から変動表示を開始する保留記憶が予告開始保留であるか否かを判定する(S681)。予告開始カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、当該予告開始カウンタの値を1減算して(S682)、S686へ移行する。
一方、S681において予告開始カウンタの値が「0」であると判定されたときには、先読み予告の予告パターンを決定する(S683)。S683の処理においては、予告時の出現キャラクタ決定用の乱数SR7および予告時の背景決定用の乱数SR8から値を抽出して、図39を用いて後述するテーブルにしたがい、先読み予告の予告パターンを決定する。また、S684においては、先読み予告フラグをリセットする。S685においては、先読み予告実行中フラグをセットする。これにより、先読み予告は、第1始動条件成立に起因する変動表示であるか、第2始動条件成立に起因する変動表示であるかに関わらず、いずれの始動条件成立に起因する変動表示であっても、決定された予告開始保留に基づく変動表示から開始することができる。すなわち、何れの特別図柄の変動表示に基づく場合でも先読み予告の決定は区別無く行なわれ、決定された先読み予告の内容は何れの特別図柄の変動表示が開始される場合でも同じように反映されるため、何れの特別図柄の変動表示でも同様に先読み予告を実行することができる。
S686においては、予告終了カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、今回の変動表示が予告対象の変動表示であるか否かが判定される。予告終了カウンタの値が「0」でないと判定されたときには、予告終了カウンタの値を1減算して(S687)、予告設定処理を終了する。
一方、S686において予告終了カウンタの値が「0」であると判定されたとき、すなわち、今回の変動表示が予告対象の変動表示であるために今回の予告で先読み予告を終了するときには、S689において先読み予告実行中フラグをリセットする。
また、S689においては、受信しているコマンド(変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドなど)に基づき、今回の変動表示の結果が15R大当りになるか、あるいは今回の変動表示がスーパーリーチ2であるかが判定される。すなわち、実行中の先読み予告が、いわゆる真予告であるかガセ予告であるかが判定される。
S689において今回の変動表示の結果が15R大当りになる、あるいは今回の変動表示がスーパーリーチ2であると判定されたとき、すなわち実行中の先読み予告が真予告であると判定されたときには、そのまま、予告設定処理を終了する。一方、S689において今回の変動表示の結果が15R大当りにならず、かつ今回の変動表示がスーパーリーチ2でもないと判定されたとき、すなわち実行中の先読み予告がガセ予告であると判定されたときには、以後変動表示が規定回数(たとえば、4回)行なわれるまで、ガセ予告が行なわれることを禁止させるための予告禁止カウンタの値に「4」をセットし(S690)、予告設定処理を終了する。これにより、今回の変動表示が終了した後、3回の変動表示が行なわれるまでの間、ガセ予告が行なわれることを禁止することができる。
一方、S680において先読み予告フラグがセットされていないと判定されたときには、S685においてセットされる先読み予告実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S691)。先読み予告実行中フラグがセットされていると判定されたときには、今回の変動表示中においても前回の変動表示と同じ予告を行なうために、前回変動と同じ予告パターンに決定する(S692)。これにより、先読み予告の対象となる変動表示(S686でYESと判定された後に開始される変動表示)が終了するまで、先読み予告演出を繰り返し実行することができる。また、第1始動条件成立を契機として記憶された保留記憶に基づく変動表示であるか、第2始動条件成立を契機として記憶された保留記憶に基づく変動表示であるかに関わらず、先読み予告を、連続して実行される複数回の変動表示各々において実行することができる。
なお、今回変動が予告対象の変動表示である場合には、図29で説明した(“スーパーリーチになって当るかも”といった異なるメッセージを報知)ように、異なる態様で予告が行なわれるように予告パターンを決定してもよい。
S691において、先読み予告実行中フラグがセットされていないときには、先読み予告が開始される予定もなくかつ実行中でもないときであるため、後述する単独予告種別決定テーブルを用いて単独予告を実行するか否かおよび単独予告を実行する場合にはその予告種別を決定する(S693)。S693で決定される予告は、いまから開始される変動表示のみにおいて実行される単独予告演出である。これにより、先読み予告演出が行なわれていなかったときでも単独予告演出が実行されるため、遊技者に期待感を抱かせることができる。S693の処理においては、単独予告実行決定用の乱数SR6の値を抽出して、図38を用いて後述するテーブルにしたがい、予告種別を決定する。S694においては、決定された予告種別に応じた予告パターンを決定し、予告設定処理を終了する。
本実施の形態においては、図37のS691においてNOと判定されたとき、すなわち先読み予告が実行中でなくかつ実行される予定もないときにのみ、S693において単独予告を実行するか否かおよび単独予告を実行する場合にはその予告種別を決定する例について説明した。しかし、S693に相当する処理は、先読み予告が実行中であるときに行なってもよく、また先読み予告が実行される予定であるときに行なってもよい。
図38は、単独予告種別決定テーブルを示す説明図である。単独予告種別決定テーブルは、単独予告を実行するか否かおよび実行する単独予告の種別を決定するために、図37のS693において参照されるテーブルである。
単独予告種別決定テーブルは、受信した変動パターンコマンドの種類に応じて、判定値が設定されている。なお、受信した変動パターンコマンドの種類とは、変動パターンコマンドに基づいて、選択される変動表示パターンをいう。
なお、本実施の形態においては、受信した変動パターンコマンドが、図38に示すいずれのパターンに属するかに応じて、パターン毎に定められた判定値にしたがって、単独予告種別を決定する例について説明する。すなわち、No1に示すパターン(すべり無し第1通常、すべり無し第1当り)、No2に示すパターン(すべり有り第2通常、すべり有り第2当り、はずれノーマルリーチ、はずれスーパーリーチ1)、No3に示すパターン(はずれスーパーリーチ2)、No4に示すパターン(15R大当りノーマルリーチ、15R大当りスーパーリーチ1)、No5に示すパターン(15R大当りスーパーリーチ2)各々に対応して単独予告種別を決定するための判定値が設定されており、いまから開始しようとする変動表示パターンが属するパターンに対応して定められた判定値にしたがい単独予告種別を決定する処理が行なわれる。
単独予告の種別決定においては、ランダムSR6から抽出した値に基づき、予告なし、ボタン予告、ステップアップ予告のうちいずれかに決定される。ここで、ボタン予告とは、変動表示中において操作ボタン30が操作されたことを条件として、所定のメッセージを表示する演出をいう。また、ステップアップ予告は、予告の態様を複数段階でステップアップさせる演出をいう。ステップアップ予告では、ステップアップする段階数により大当り(リーチ)となる信頼度が異なる。段階数は、選択される予告パターンの種類により異なるように設定されている。このように、単独予告演出は、所定のキャラクタを出現させる先読み予告と異なる態様で行なわれる。
たとえば、いまから開始しようとする変動表示パターンが、No1に示すパターンである場合には、ランダムSR6から抽出した値が、「1〜80」であるときには予告なしに決定され、「81〜85」であるときにはボタン予告に決定され、「86〜100」であるときにはステップアップ予告に決定される。
また、いまから開始しようとする変動表示パターンが、No2に示すパターンである場合には、ランダムSR6から抽出した値が、「1〜70」であるときには予告なしに決定され、「71〜80」であるときにはボタン予告に決定され、「81〜100」であるときにはステップアップ予告に決定される。
また、いまから開始しようとする変動表示パターンが、No3に示すパターンである場合には、ランダムSR6から抽出した値が、「1〜40」であるときには予告なしに決定され、「41〜65」であるときにはボタン予告に決定され、「66〜100」であるときにはステップアップ予告に決定される。
また、いまから開始しようとする変動表示パターンが、No4に示すパターンである場合には、ランダムSR6から抽出した値が、「1〜15」であるときには予告なしに決定され、「16〜75」であるときにはボタン予告に決定され、「76〜100」であるときにはステップアップ予告に決定される。
また、いまから開始しようとする変動表示パターンが、No5に示すパターンである場合には、ランダムSR6から抽出した値が、「1〜2」であるときには予告なしに決定され、「3〜89」であるときにはボタン予告に決定され、「90〜100」であるときにはステップアップ予告に決定される。
単独予告種別決定テーブルは、15R大当りとなる変動表示がいまから開始される場合には、ボタン予告やステップアップ予告が決定されやすいように判定値が設定されている。これにより、今回の変動表示において当りとなる場合に単独予告演出が行なわれやすくなるため、単独予告演出により遊技の興趣を向上させる機会を増加させることができる。
さらに、15R大当り以外となるとき(はずれや小当りなど)よりも、15R大当りとなるときの方が、ステップアップ予告よりも高い確率でボタン予告が決定されるように判定値が設定されている。これにより、ボタン予告が行なわれたときに、今回の変動表示において15R大当りとなることに対し高い期待感を遊技者に抱かせることができる。
図39は、予告パターン決定テーブルを示す説明図である。図39(A)は、先読み予告の予告パターン決定テーブルを示す説明図である。先読み予告の予告パターンとは、たとえば、先読み予告中に出現させるキャラクタの種類をいう。先読み予告の予告パターン決定テーブルは、予告対象の変動パターン種別に応じて定められた判定値にしたがい、SR7から抽出した値に基づき出現させるキャラクタの種類が決定されるように構成されている。なお、予告対象の変動パターン種別は、前述した先読み予告フラグにより特定される。
予告対象の変動パターン種別が非特定変動パターン種別である場合で、ランダムSR7から抽出した値が、「1〜90」であるときにはキャラクタA(たとえば、図29(E1)に示すキャラクタ)が決定され、「91〜100」であるときにはキャラクタB(たとえば、図29(E2)に示すキャラクタ)が決定される。
予告対象の変動パターン種別が特定変動パターン種別である場合で、ランダムSR7から抽出した値が、「1〜10」であるときにはキャラクタAが決定され、「11〜100」であるときにはキャラクタBが決定される。
以上のように、図39(A)で示した先読み予告の予告パターン決定テーブルは、予告の対象となる変動パターン種別に応じて定められた判定値にしたがい、予告パターンが決定されるように構成されている。また、図39(A)に示す先読み予告の予告パターン決定テーブルは、予告の対象となる変動パターン種別が遊技者にとって15R大当りとなることに対する期待感を高く抱かせることができる特定変動パターン種別であるときほどキャラクタBが決定されやすく、遊技者にとって15R大当りとなることに対する期待感が特定変動パターン種別であるときと比較して低くなる非特定変動パターン種別であるときほどキャラクタAが決定されやすくなるように判定値が設定されている。このため、キャラクタAが出現したときよりも、キャラクタBが出現したときの方が、15R大当りとなることに対する期待感を高めることができる。
図39(B)は、先読み予告演出および単独予告演出各々を実行する変動表示における背景を決定するための予告時背景決定テーブルを示す説明図である。背景決定テーブルは、予告対象の変動パターン種別に応じて定められた判定値にしたがい、SR8から抽出した値に基づき背景の種類が決定されるように構成されている。なお、予告対象の変動パターン種別は、前述した先読み予告フラグにより特定される。
予告対象の変動パターン種別が非特定変動パターン種別である場合で、ランダムSR8から抽出した値が、「1〜70」であるときには背景A(たとえば、図30(A)に示す背景)が決定され、「71〜85」であるときには背景B(たとえば、図30(B)に示す背景)が決定され、「86〜100」であるときには背景C(たとえば、図30(C)に示す背景)が決定される。
予告対象の変動パターン種別が特定変動パターン種別である場合で、ランダムSR8から抽出した値が、「1〜15」であるときには背景Aが決定され、「16〜30」であるときには背景Bが決定され、「31〜100」であるときには背景Cが決定される。
以上のように、図39(C)で示した背景決定テーブルは、予告対象の変動パターン種別に応じて定められた判定値にしたがい、予告パターンが決定されるように構成されている。また、図39(C)に示す背景決定テーブルは、特定変動パターン種別であるときほど背景Cが決定されやすく、非特定変動パターン種別であるときほど背景Aが決定されやすくなるように判定値が設定されている。
なお、図9(B)のはずれリーチ時用のテーブルと、図9(C)および(D)の15R大当り時用のテーブルとを対比して説明したように、はずれリーチ時用のテーブルよりも15R大当り時用のテーブルの方が、特定変動パターン種別が決定されやすいように判定値数が設定されている。このため、背景Aにより予告されたときよりも、背景Cにより予告されたときの方が、15R大当りに対する期待感を高めることができる。また、背景Bにより予告されたときには、背景Aにより予告されたときよりも15R大当りに対する期待感を高めることができる。なお、予告していないときには、背景のデフォルトとしてたとえば背景Aが表示されるものであってもよい。また、予告していないときには、前述したように操作ボタン30を操作して演出モードを選択することにより、背景A〜背景Cのうち選択された演出モードに対応する背景が表示されるものであってもよい。
図40は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データの組合せが複数集まったデータとしてのプロセスデータにより構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行なう。また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。また、演出制御用CPU101は、可動部材制御データに設定されている態様で可動部材78を制御する。
プロセステーブルにおいては、たとえば、前述したすべり演出のような演出図柄の演出動作ごとに異なるプロセスデータが設定されており、さらに、前述のような予告を行なうか否かおよび予告パターンの演出動作に応じて異なるプロセスデータが設定されている。したがって、たとえば、ある変動パターンに基づく変動表示において予告演出を実行することが決定されたことに応じて、当該変動パターンにおいて決定された予告パターンによる予告演出を実行可能なプロセスデータが選択されることとなる。
図40に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各演出制御パターンに応じて用意されている。なお、プロセステーブルは、たとえば、前述した図柄変動制御パターンテーブルおよび各種演出制御パターンテーブルなどを、より具体的に示したものに相当する。
図41は、プロセステーブルの内容にしたがって実行される演出を説明するための説明図である。演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおける演出制御実行データにしたがって表示制御を実行する。すなわち、プロセスタイマ設定値に設定されたタイマ値に応じた時間が経過すると、プロセステーブルにおける次の演出制御実行データにしたがって、演出表示装置9、LED等の発光体、スピーカ27、および可動部材78を制御する処理を繰返すことによって、1回の演出図柄の変動における演出が実現される。なお、変動期間中に制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(たとえば、可動部材制御データ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されている。
図42は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。
演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。そしてプロセスタイマがタイムアウトしているか否かを判断する(S843)。
プロセスタイマがタイムアウトするまで(S843N)は、S846に進む。S843においてプロセスタイマがタイムアウトしたと判断したときは(S843Y)、プロセスデータの切替を行なう(S844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S844)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データおよび可動部材制御データ等のプロセスデータに基づいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S845)。これにより、決定された予告パターンによる予告演出を実行することができる。
S846で、演出制御用CPU101は、変動時間タイマの値に基づいて、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(S846)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S846でY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S848)。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていないときは(S846でN)、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S847)。確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S847でN)、演出図柄変動中処理が終了する。一方、確定コマンド受信フラグがセットされているときは(S847でY)、S848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても(S847でN)、図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、予告演出として前述したボタン予告が実行されるとき、すなわちプロセスデータとしてボタン予告演出を行なうプロセスデータが設定されているときには、当該演出図柄変動中処理において、プロセスデータから特定される操作有効期間中(変動表示の開始時から所定のタイミング(たとえば、左図柄が停止表示されるまでの所定タイミング)が経過した時から所定時間経過するまで)に操作ボタン30が操作されたか否かを判断し、操作ボタン30が操作されていると判断したときにはボタン予告演出の実行を開始させる処理が行なわれる。これにより、遊技者の操作に応じて所定のメッセージを表示する演出が行なわれる。
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S870)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S877に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S871〜S876の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄、小当り図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行なう(S872)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行なうが、変動時間タイマがタイムアップしたことに基づいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
次に、予告禁止カウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判定する(S873)。すなわち、予告を実行することが禁止されている状態であるか否かを判定する。予告禁止カウンタの値が「0」より大きい値でなく予告を実行することが禁止されていない状態であるときには、S875へ移行する。一方、予告禁止カウンタの値が「0」より大きい値であり予告を実行することが禁止されている状態であるときには、変動停止に応じて、予告禁止カウンタの値を1減算し(S874)、S875へ移行する。
S875においては、S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示したか否かが確認される。S872の処理で小当り図柄また大当り表示図柄を表示しなかったと判断した場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S883)。
一方、S872の処理で小当り図柄また大当り図柄を停止表示したと判断した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S876)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)または小当り/突確開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S877)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S878)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S879)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突確開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。また、S879の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出などのプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S880)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78)の制御を実行する(S881)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S882)。
なお、上記の実施の形態では、変動表示部として2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えた遊技機を例にしたが、1つの特別図柄表示器が設けられた遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図31のS663において、始動入賞指定コマンドが所定コマンドでないと判定されたときは、S664において予告禁止カウンタの値が「0」であるか否かを判定することにより前回の先読み予告が終了してから所定回数変動表示が行なわれているか否かを判定し、所定回数変動表示が行なわれているときにだけS666へ移行して先読み予告の実行の有無を決定する。また、図33で示したように、先読み予告が連続して実行される回数を保留記憶の上限数である「8」以下の「7」に制限している。これにより、「7」よりも多い回数の変動表示に亘って、ガセ予告が実行されることを防止することができる。これにより、「7」よりも多い回数の変動表示に亘って先読み予告を連続して実行することにより遊技者の期待感を煽ったにも関わらず、15R大当りとなる信頼度が高い特定変動パターンで変動表示が実行されなかったために、遊技者に大きな失望感を抱かせてしまうような不都合の発生を防止することができる。その結果、連続して実行される複数回の可変表示各々において先読み予告を行なうことにより遊技の興趣を向上させつつ、遊技者の遊技意欲を著しく減退させてしまうことを防止することができる。
なお、ガセ予告が連続して実行される上限回数を「7」に制限した例について説明したが、上限回数は「7」に限らず、保留記憶の上限数以下であれば任意の数値であってもよい。たとえば、上限回数は「5」に設定されているものであってもよく、また、一方の特別図柄の保留記憶の上限数である「4」に設定されているものであってもよい。
(2) 図31のS667において先読み予告を実行すると判定されたときには、さらに、S669において予告開始保留が決定されて、当該予告開始保留に基づく変動表示から先読み予告を開始させるための処理が行なわれる。これにより、先読み予告を開始するタイミングを変化させることにより、先読み予告の態様がどの保留記憶であるかを遊技者に対して特定不能にすることができる。その結果、先読み予告が実行されている間に行なわれる複数回の変動表示各々に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 先読み予告を実行する契機となった保留記憶と先読み予告を実行しようとする変動表示を実行する契機となる保留記憶とが、第1始動入賞口13に遊技球が入賞して記憶されたものであるか第2始動入賞口14に遊技球が入賞して記憶されたものであるかに関わらず、図37のS681で予告開始カウンタの値が「0」であると判定されたときに開始される変動表示において先読み予告を開始し、その後の変動表示においてもS692で示すように予告パターンが決定されて、先読み予告を連続する複数回の変動表示において実行することができる。このため、連続的に実行される一連の先読み予告がわかりやすく、たとえば先読み予告を途中の変動表示において実行せずに途切れさせた後に再開させるような不自然でかつわかりにくい態様で先読み予告が実行されることを防止することができる。
(4) 図9で示したように、スーパーリーチ2の特定変動パターン種別に対しては、保留記憶数に関わらず、共通の判定値が割り当てられ、非特定変動パターン種別に対しては、保留記憶数に応じて異なる判定値が割り当てられている。すなわち、特定変動パターン種別は、保留記憶数に関わらず、一定の確率で選択されるように構成されている。これにより、保留記憶数によって特定変動パターン種別が選択される割合が変化するように構成されているものと比較して、特定変動パターン種別が選択される割合を一定確率以上に保つことができるために、特定変動パターン種別であるときに高確率で実行される先読み予告が実行される頻度が著しく低下してしまうような不都合の発生を防止することができ、保留記憶数に関わらず常に一定の頻度以上で先読み予告を実行することができ遊技の興趣を向上させることができる。
また、図14のS218やS228において特定変動パターン種別となると判定された保留記憶について、図19のS103において特定変動パターン種別が選択されないといった不都合の発生を防止することができる。
なお、図9では、スーパーリーチ2の特定変動パターン種別に対して、保留記憶数に関わらず、同じ判定値(図9(B)では「180〜241」)が割り当てられている例について説明した。しかし、同じ判定値が割り当てられているものに限らず、たとえば、保留記憶数が「3〜8」であるときの判定値がすべて、保留記憶数が「0〜2」であるときの判定値に含まれるように設定されているものであればよい。たとえば、はずれリーチ用のテーブル(図9(B)に相当するテーブル)では、スーパーリーチ2の特定変動パターン種別に決定される判定値として、保留記憶数が「3〜8」であるときに「180〜241」が設定されており、保留記憶数が「0〜2」であるときに「180〜241」をすべて含む範囲(たとえば、「170〜241」)が設定されているものであってもよい。すなわち、先読み処理において変動パターン種別を決定するときに読み出される判定値のうち、スーパーリーチ2の特定変動パターン種別に決定される判定値がすべて、いずれの保留記憶数であってもスーパーリーチ2の特定変動パターン種別に決定される判定値に含まれるように設定されているものであればよい。このように構成されている場合でも、上記同様の効果が奏される。
(5) 図37のS689、S690、図43のS873、S874、および図31のS664の処理のような、比較的簡単な制御処理を設けることにより、ガセ予告としての先読み予告が終了したときに予告禁止カウンタをセットし、所定回数変動表示が行なわれる間ガセ予告が行なわれることを防止することができ、その結果、「7」よりも多い回数の変動表示に亘ってガセ予告が連続して実行されてしまうことを防止することができる。
(6) 図31のS661において、先読み予告実行中フラグまたは先読み予告フラグがセットされているときであっても、S674において実行中または実行される予定の先読み予告の対象が15R大当り以外となる保留記憶であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドであると判定したときには、S675において予告終了カウンタの値が今回の保留記憶を含む未変動の保留記憶数に更新される。これにより、先読み予告の実行回数を増加させて、当該先読み予告を今回の保留記憶に基づく変動表示まで延長させて実行させることができる。その結果、15R大当りとならない保留記憶を対象とする先読み予告を真予告の一部として有効活用することができる。また、連続して先読み予告が実行される回数が多くなるため、遊技者の期待感を向上させることができる。
(7) 図7の(C)および(D)で示したように、大当り種別決定において2R確変大当りとなる割合が低く、15R大当りとなる割合が高い点において、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞した方が遊技者にとって有利であるといえる。また、確変状態に制御されているときには、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、第2始動入賞口14への入賞頻度が向上する。このため、確変状態に制御されているときには、15R大当りになる割合が向上し、出玉性能を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図31および図37で説明したように、先読み予告演出を実行するか否かが、始動入賞時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される始動入賞指定コマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100により決定される。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560が先読み予告演出を実行するか否かの決定を行なう場合と比較して、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(9) 遊技制御用マイクロコンピュータ560より始動入賞指定コマンドを送信することにより、図31で示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100により保留表示するための処理が行なわれるとともに先読み予告演出を実行するための処理が行なわれる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留表示するためのコマンドと別に、先読み予告演出を実行するためのコマンドを送信する必要がない。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信するコマンド数を増大させることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100により保留表示させるとともに先読み予告演出を実行させることができる。
(10) 図31のS661で示すように、始動入賞指定コマンドを受信したときであっても、先読み予告演出が実行されているあるいは開始される予定であるときには、S674においてNOと判定されて先読み予告を延長する条件を満たしていない限り、当該始動入賞に基づく先読み予告演出を実行するための処理が行なわれない。これにより、先読み予告演出が重複して実行されることにより遊技者の射幸心を極端に煽るような不都合の発生、および複数の保留記憶を対象として予告演出が実行されることにより遊技者を混乱させてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
一方、遊技制御用マイクロコンピュータ560側においては、図14のS217およびS227で示したように、すでに先読み処理において先読み大当りフラグがセットされている場合には、当該大当りが終了して当該フラグがリセットされるまで、先読み処理自体を行なわないように構成されている。このため、先読み予告演出が重複して実行される虞があるような場合に、無駄に先読み処理が行なわれないため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(11) 図9、図10、および図19のS103、S105で示したように、変動パターンを決定する方式として、まず、変動パターン種別を決定し、次に、当該変動パターン種別に応じて変動パターンを決定する段階的決定方式を採用している。このため、たとえば、変動パターン種別の決定に用いる判定値の振り分けを変更せずに、変動パターンを決定するために用いる判定値の振り分けを変更するだけで、変動パターンを選択するための設定を変更する設計変更が可能となるので、変動パターンの設計変更を容易化することができる。
(12) 図38、図39、および図37のS693、S694で示したように、単独予告演出を決定する方式として、まず、予告種別を決定し、次に、当該予告種別に応じて予告パターンを決定する段階的決定方式を採用している。このため、たとえば、予告種別の決定に用いる判定値の振り分けを変更せずに、予告パターンを決定するために用いる判定値の振り分けを変更するだけで、単独予告演出を選択するための設定を変更する設計変更が可能となるので、単独予告演出の設計変更を容易化することができる。
(13) 図39(A)で示したように、先読み予告の予告パターン(出現キャラクタ)は、予告対象の変動パターン種別に応じて決定される。このため、先読み予告の予告パターンから、遊技者にとって有利度合いが高い変動パターン(たとえば、特定変動パターン)となることに対する期待感を異ならせることができる。
(14) 図39(B)で示したように、予告演出が実行される場合の背景の種類は、予告対象の変動パターン種別に応じて決定される。このため、背景の種類から、遊技者にとって有利度合いが高い変動パターン(たとえば、特定変動パターン)となることに対する期待感を異ならせることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、図9、図10を用いて説明したように、変動パターン種別のうち非特定変動パターン種別に決定されたときであっても、低確率ではあるが、特定変動パターンが選択され得る例について説明した。しかし、変動パターン種別のうち非特定変動パターン種別に決定されたときには、特定変動パターンが選択されないように構成してもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、図23の(E)で示したようなキャラクタ画像CH2が出現するような特定リーチ演出が実行されるスーパーリーチ2を特定変動パターンとし、当該特定変動パターンを特定可変表示パターンの一例として説明した。しかし、特定可変表示パターンは、スーパーリーチ2に限るものではない。特定可変表示パターンとしては、たとえば、1の始動入賞に対してあたかも複数回の図柄の変動表示が実行されたかのように見せるために1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて左,中,右の全図柄について仮停止と再変動とを所定回数実行する擬似連演出を実行する擬似連変動パターンであってもよく、変動表示中に演出の態様を選択するための操作を受け付けてその後に停止表示される図柄組合せに該操作が関与しているかのような擬似選択演出を実行する擬似選択変動パターン、すべり演出を実行するすべり変動パターンなど、変動表示中に遊技者に期待感を抱かせる特別な演出が実行される変動パターンが含まれる。このような場合、次のように実行する特定可変表示パターンが決定されるようにしてもよい。たとえば、変動パターン種別が特定変動パターン種別(図9ではスーパーリーチ2)に決定されたときに、前述した擬似連変動パターン、擬似選択変動パターン、およびすべり変動パターンなど、複数種類の特定変動パターンから実行する特定変動パターンを決定するように構成してもよい。なお、擬似連変動パターンは、さらに再変動が実行される再変動回数が異なる複数種類の変動パターンを含み、変動パターンを決定することにより擬似連演出の有無および再変動回数が特定されるように構成してもよい。
(3) 前述した実施の形態の図31のS663においては、15R大当りになると判定されたときだけでなく、特定変動パターンになると判定されたときにもYESと判定され、S666において先読み予告の実行の有無を決定する例について説明した。しかし、図31のS663においては、15R大当りになると判定されたときにだけS666に移行させ、それ以外のときには特定変動パターンになる場合であってもS664へ移行させるように構成してもよい。これにより、所定数として設定されている「7」よりも多い回数の変動表示に亘って予告が連続して実行されたにも関わらず、15R大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
また、前述した実施の形態の図37のS689においては、先読み予告の対象が15R大当りであるときにはS690へ移行せず、また、はずれとなるときであってスーパーリーチ2となるときにおいてもS690へ移行せずに、予告演出の実行が制限されない例について説明した。しかし、図37のS689においては、先読み予告の対象が15R大当りであるときにだけS690へ移行せず、15R大当り以外であるときにはS690へ移行させて予告演出の実行を制限するように構成してもよい。これにより、所定数として設定されている「7」よりも多い回数の変動表示に亘って予告が連続して実行されたにも関わらず、15R大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、先読み予告を実行すると決定されたときには、図31のS671において今回の保留記憶を含む未変動の保留記憶数を先読み予告終了カウンタにセットすることにより、当該先読み予告の対象となる変動表示まで予告を実行して、当該変動表示において先読み予告を終了する例について説明した。しかし、先読み予告を終了するタイミングは、当該先読み予告対象の変動表示に限るものではない。たとえば、先読み予告対象の変動表示の前に実行される変動表示において先読み予告を終了し、当該先読み予告対象の変動表示においては先読み予告を実行しないように構成してもよい。また、先読み予告を終了するタイミングは、ランダムに決定するようにしてもよい。たとえば、予告開始保留を決定する処理と同様に、先読み予告を終了する保留記憶を乱数を用いて決定するように構成してもよい。これにより、先読み予告が終了した後においても15R大当りや特定変動パターンとなることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態の図31のS674においては、当該先読み予告の対象が15R大当り以外であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが所定コマンドであると判定したときであれば、15R大当りとならないときであっても、S675へ移行する例について説明した。しかし、図31のS674においては、当該先読み予告の対象が15R大当り以外であってかつ今回の始動入賞指定コマンドが15R大当りとなると判定されたときにだけS675に移行させるように構成してもよい。これにより、先読み予告が延長された場合には、15R大当りとなることが確定するため、プレミア的な演出として用いることができ、演出のバリエーションを豊富にすることができる。また、先読み予告が延長されたにも関わらず、15R大当りにならないといった状況が発生することを防止することができる。
(6) 前述した実施の形態においては、先読み予告を実行すると決定されたときに、当該決定に基づき先読み予告が実行される最大回数は、「7」回である例について説明した。しかし、先読み予告が実行される最大回数は、保留記憶数の上限である「8」以下に制限されていればよい。たとえば、図33(B)において、現在の未変動の保留記憶数が、「6」であるときに1番目が選択されないように、「7」であるときに1番目および2番目が選択されないように、「8」であるときに1〜3番目が選択されないように判定値数が設定されているものであってもよい。これにより、ガセ予告として先読み予告が行なわれる場合の最大回数を「4」回に低減させることができる。その結果、先読み予告が開始されたときに、「5」回以上連続して実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 前述した実施の形態においては、図7の(C)および(D)で示したように、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞した方が大当り種別決定において2R確変大当りとなる割合が低く15R大当りとなる割合が高くなるように判定値数を設定して、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方が遊技者にとって有利となる場合について説明した。これに限らず、第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13の方が遊技者にとって有利となるように、大当り種別決定における2R確変大当りとなる割合および15R大当りとなる割合を設定してもよい。この場合、確変状態に制御されているときには、大当りとなる確率が向上することによる有利度合いと、大当り種別決定における割振りによる有利度合いとが調和して、確変状態に制御されているときとそうでないときとで遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなり過ぎないようにすることができる。その結果、確変状態に制御されることに対する期待感を抱かせつつも、確変状態中の射幸性を抑えることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、始動入賞時に先読み処理が行なわれたか否かに関わらず、図18および図19に示すように変動開始時に当り判定、リーチ判定、および変動パターン種別判定を行なう例について説明した。しかし、先読み処理において判定した判定結果を記憶し、変動開始時には当該判定結果を用いて当りにするか否か、リーチにするか否か、変動パターン種別をいずれにするかを特定するように構成してもよい。これにより、始動入賞時の判定結果を変動開始時にそのまま用いることができるため、処理負担を軽減することができる。
なお、前述した実施の形態では、遊技状態が確変状態であるかや保留記憶数がいくつあるかによって、先読み処理時と変動開始時とで判定結果が必ずしも一致しない。このため、上記のように、変動開始時に先読み処理における判定結果を用いるように構成する場合には、先読み処理時に当該始動入賞の変動開始時の遊技状態が確変状態であるか否かを先読みして当該判定結果に基づく確率で当り判定を行なうように構成するとともに、保留記憶数によってリーチ判定や変動パターン種別判定に用いる判定値が変化しないように構成してもよい。
(9) 前述した実施の形態では、前述した実施の形態においては、S669において決定された予告開始保留から先読み予告を開始することにより、先読み予告の対象を特定不能にする例について説明した。さらに、先読み予告の対象を特定不能にするために、たとえば、先読み予告が開始されたときに、保留表示のいずれかを通常態様(たとえば、白丸)と異なる所定の予告態様(たとえば、黒丸)に変化させるように構成してもよい。予告態様に変化させる保留表示は、乱数などを用いてランダムに決定するように構成してもよい。予告態様に変化させる保留表示は、当該先読み予告の対象となる保留記憶が15R大当りや特定変動パターンが選択される保留記憶であるか否かに応じて異なる割振りで決定されるように構成してもよい。たとえば、15R大当りのときには、15R大当り以外のときよりも高い確率で、先読み予告の対象となる保留記憶に対応する保留表示を予告態様に変化させるように構成してもよい。
(10) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口13への入賞および第2始動入賞口14への入賞に関わりなく、始動入賞が生じた順に可変表示の開始条件を成立させる例について説明した。これに限らず、第1始動入賞口13への入賞と第2始動入賞口14への入賞のうちのいずれかを優先させて可変表示の開始条件を成立させるようにしてもよい。たとえば、図7(B)〜(D)で示したように、2R確変や小当りになる確率が低く設定されている第2始動入賞口14への入賞を優先させるようにしてもよい。第2始動入賞口14への入賞を優先させる場合には、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であれば、第1保留記憶数が0でない場合でも、第2保留記憶数が0になるまで、第2特別図柄の変動表示を続けて実行するように構成してもよい。これにより、2R確変や小当りになる確率が低い点で有利な始動入賞口への入賞を優先させて消化させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。このように、いずれか一方の特別図柄の変動表示を優先させる場合でも、S685やS692において説明したように、何れの特別図柄の変動表示に基づく場合でも先読み予告の決定を区別無く行ない、決定された先読み予告の内容を何れの特別図柄の変動表示が開始される場合でも同じように反映させて実行するように構成してもよい。これにより、何れの特別図柄の変動表示でも同様に先読み予告を実行することができる。
(11) 前述した実施の形態における第1先読み処理および第2先読み処理では、図15に示すように、大当り判定(S240)、当り種別判定(S241)、リーチ判定(S249)、および変動パターン種別判定(S252)を行ない、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信する例について説明した。しかし、第1先読み処理および第2先読み処理では、さらに、図19のS104およびS105と同様の処理、すなわち変動パターン判定を行ない、変動パターンをも含む判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。これにより、先読み処理において変動パターンまで判定されるため、変動パターンの種類に基づく先読み予告演出を行なうことが可能となる。
なお、前述した実施の形態においては、図6で示すように、ランダム2−2、ランダム3、およびランダム4を設け、これらより抽出した値に基づいて変動パターンを決定する例について説明したが、ランダム2−2を設けることなく、ランダム3から抽出した値に基づいてたとえば非リーチはずれ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2などを含む複数種類の変動パターン種別から一の変動パターン種別を決定する、すなわち変動パターン種別を決定することによりリーチの有無をも決定するように構成してもよい。このように構成した場合であっても、スーパーリーチ2の特定変動パターン種別の判定値として、保留記憶数に関わらず共通の判定値を割り当てることにより、たとえば保留記憶数に応じてリーチに決定される確率が低下することにより、特定変動パターン種別に決定される確率が低下し、特定変動パターンが実行される頻度が著しく低くなることを防止することができる。その結果、先読み予告演出が実行される頻度についても著しく低くなることを防止することができる。
(12) 前述した実施の形態における第1先読み処理および第2先読み処理では、図15に示すように、大当りか否か、当りの種別がいずれであるか、リーチであるか、変動パターン種別がいずれであるか、などを判定し、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100により先読み予告演出を実行するための処理を行なう例について説明した。しかし、第1先読み処理および第2先読み処理では、上記の項目について判定するものに限らず、次の項目のいずれかあるいは複数判定し、これらの判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信して、演出制御用マイクロコンピュータ100により先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
判定する項目として、たとえば、当りの種別として当り終了後に時短状態に制御される時短付き当りと時短状態に制御されない時短無し当りとが設定されている場合には時短付き当りであるか否かを判定するようにしてもよい。
また、当りとなったときに、当該当り遊技状態中または当り遊技状態終了後にいわゆる昇格演出を実行可能な遊技機においては、当りと判定されたときにさらに昇格演出を行なうか否か判定するようにしてもよい。昇格演出とは、たとえば、非確変大当りとした後に確変大当りへ昇格するか否かに関わる演出、時短無し当りとした後に時短付き当りへ昇格するか否かに関わる演出など、遊技者にとって有利度合いが比較的低い当りとした後に、当該当りよりも有利度合いが高い当りに昇格するか否かに関わる演出をいう。
(13) 前述した実施の形態における始動入賞指定コマンドは、保留表示を加算表示させる情報と、先読み判定結果に関わる情報とを含む例について説明した。しかし、先読み判定結果に関わる情報を示すコマンドを、保留表示を加算表示させる情報を示すコマンドとは別コマンドとして送信するようにしてもよい。また、保留表示を加算表示させる情報を示すコマンドを送信することなく、先読み判定結果に関わる情報を示すコマンドのみを送信するように構成してもよい。
(14) 図14のS217およびS227で示したように、すでに先読み処理において先読み大当りフラグがセットされている場合には、当該大当りが終了して当該フラグがリセットされるまで、先読み処理自体を行なわない例について説明した。しかし、先読み大当りフラグがセットされている場合であっても、先読み処理を行ない、当該先読み判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信しない(具体的には判定なしの始動入賞指定コマンドを送信する)ように構成してもよい。
また、図14のS217およびS227で示す処理を行なうことなく、先読み処理を行ない当該先読み判定結果に基づく始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。この場合であっても、図31のS661で説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ100側において当該始動入賞指定コマンドが無視されて新たな先読み予告演出を実行するための処理が行なわれないため、先読み予告演出が重複して実行されることを未然に防止することができる。
(15) 前述した実施の形態において、先読み予告演出が開始されてから該予告の対象となる変動まで、図37のS683で決定された先読み予告演出が繰り返し実行される例について説明した。しかし、図37のS683で決定された先読み予告演出が繰り返し実行されるものに限らず、たとえば、予告の対象となる変動までであって先読み予告を実行する各変動ごとに予告パターンを決定して当該予告パターンで先読み予告演出を実行するように構成してもよい。これにより、先読み予告演出が開始されてから該予告の対象となる変動までに実行される先読み予告演出のバリエーションが増えるため、遊技の興趣を向上させることができる。
この場合には、さらに、変動表示が行なわれる毎に、予告パターンの種類がステップアップされるように先読み予告演出の予告パターンを決定してもよい。具体的には、変動表示が行なわれる毎に、出現するキャラクタの数が増加するものや、背景画像が朝を想起させる画像から昼を想起させる画像に変化し、さらに夜を想起させる画像に変化するものなど、変動表示が行なわれる毎に段階的に遊技者の期待感を向上させるものであればどのようなものであってもよい。
(16) 前述した実施の形態では、先読み予告演出の予告パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定する例について説明した。しかし、先読み予告演出の予告パターンは、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するように構成してもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、有効な始動入賞が確認されたときに、先読み処理を行なう例について説明した。しかし、先読み処理は、始動入賞時に限らず、当該始動入賞に基づく変動表示が開始される以前の段階であればどのようなタイミングで行なわれるものであってもよい。たとえば、先読み処理は、最も古い保留記憶に基づく変動表示が開始されるときに行なわれるものであってもよい。この場合、たとえば、前回の変動表示が開始されてから今回の変動表示が開始されるまで、すなわち前回先読み処理が行なわれてから今回先読み処理が行なわれるまでに確認されたすべての始動入賞について先読み判定を行なうように構成してもよい。このように構成した場合にも、15R大当りと判定されたときには、以降の始動入賞について先読み処理を行なわないように構成してもよい。
(18) 上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(19) 上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(20) 演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの変動表示手段における変動表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
(21) 上記の各実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。たとえば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(22) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、前述した実施の形態は、いわゆる1種と2種とが混合した遊技機にも適用することができる。1種と2種とが混合した遊技機とは、たとえば、以下の構成を備える遊技機であってもよい。
遊技領域に遊技球を打ち込むことにより遊技が行なわれ、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態と該第1の状態に比べて遊技球を受入れにくい遊技者にとって不利な第2の状態とに変化する可変入賞装置(いわゆる役物)と、前記遊技領域に設けられた始動領域(始動口)に遊技球が進入した後、可変表示の開始条件の成立に基づいて複数種類の可変表示パターンのうちのいずれかで複数種類の識別情報を可変表示させた後に表示結果を導出表示する可変表示部とを備え、前記可変表示部に所定表示結果(小当り図柄)が導出されたときに所定の始動態様で前記可変入賞装置を前記第2の状態から前記第1の状態に制御し、前記可変入賞装置に進入した遊技球が特定進入領域(いわゆるVゾーン)に進入したことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態(いわゆる大当り)に制御し、前記可変表示部に特定表示結果(大当り図柄)が導出されたときに前記前記特定進入領域への遊技球の進入によることなく前記特定遊技状態(直撃大当り)に制御する遊技機においては、たとえば、先読み処理において始動入賞時に直撃大当り判定、小当り判定、変動パターン種別判定を行ない、当該先読み判定結果に基づき先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
なお、上記の遊技機において、さらに、複数の始動態様のうちから前記可変入賞装置の始動態様(役物開放回数、役物開放時間、役物開放タイミングなど)を決定する始動態様決定手段(いわゆる開放態様判定)を備える場合には、先読み処理において始動入賞時にさらに開放態様判定を行ない、当該先読み判定結果に基づき先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
(23) 前述した実施の形態においては、演出表示装置9において表示する演出図柄を、特別図柄に対応させて変動させる例について説明した。しかし、これに限らず、演出表示装置9において表示する演出図柄を、普通図柄に対応させて変動させるようにし、表示結果を導出するまでの変動パターンに前述した擬似連に相当する変動パターンが含まれるように構成してもよい。この場合、可変表示の実行条件は、遊技球がゲート32を通過したことにより成立する。また、可変表示の開始条件は、第2始動入賞口14が開放中(普通図柄当り中)でなくかつ先にゲート通過した保留記憶に起因する普通図柄の変動表示が終了することにより成立する。このように構成した場合、たとえば、先読み処理において遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたときに当り判定、変動パターン種別判定を行ない、当該先読み判定結果に基づき先読み予告演出を実行するための処理を行なうように構成してもよい。
(24) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(25) なお、前述したように特別図柄プロセス処理において始動口スイッチ通過処理を第1特別図柄用の処理と第2特別図柄用の処理とに分けて設けるときには、たとえば先読み処理や大当り判定をする処理等の一部の処理については、共通の処理ルーチンを実行することにより共通化するようにしてもよい。
(26) 前述した実施の形態においては、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを同じ種類の表示器(7セグメントLED)で構成する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、異なる種類の表示器で構成するようにしてもよい。具体的には、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方をドットマトリックス表示器で構成してもよい。また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、一方を7セグメント表示器で構成し、他方を前述の飾り図柄表示器9a,9bのようなLED表示器で構成してもよい。
(27) 前述した実施の形態においては、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに変動表示される普通図柄表示器10における変動表示の表示結果が所定の表示結果(当り図柄)となったときに可変入賞球装置15が開状態に制御される例を示した。しかし、これに限らず、普通図柄表示器10を設けず、遊技球がゲート32を通過したことが検出されたときに、表示可変入賞球装置15が、開状態に制御されるようにしてもよい。
(28) 前述した予告演出としては、画像を用いた予告演出を例にして説明したが、これに限らず、音のみを用いた予告演出、可動部材のみを用いた予告演出、画像と音とを用いた予告演出、画像と可動部材とを用いた予告演出、音と可動部材とを用いた予告演出、および、画像と音と可動部材とを用いた予告演出のうち、どのような予告演出のパターンを用いてもよい。また、予告演出は、これらの予告パターンのうちから予め定められた順番で選択して実行してもよく、これらの予告パターンのうちからランダムに選択して実行してもよい。
(29) 前述の先読み予告演出については、単独予告演出と同様に、同時に実行するとたとえば演出表示装置9の表示画面上で演出が重複する複数種類の種別の中から選択して、該選択した種別により先読み予告演出を実行するように構成してもよい。
(30) 前述した実施の形態においては、図14のS219で説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、先読み処理を行なった場合には当該先読み判定結果に関わらず、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信する例について説明した。しかし、これに限らず、先読み判定結果が特定の判定結果(たとえば、15R大当りとなる判定結果、スーパーリーチ2となる判定結果)のときにだけ、当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信するように構成し、先読み判定結果が特定の判定結果以外の判定結果(たとえば、2R確変大当り、小当り、スーパーリーチ2以外の変動パターン種別となる判定結果)のときには当該先読み判定結果に応じた始動入賞指定コマンドを送信しない、あるいは図12に示す判定なしといった共通の始動入賞指定コマンドを送信するように構成してもよい。これにより、始動入賞指定コマンドから特定される先読み判定結果に基づいて実行される先読み予告が実行されたときの期待感を向上させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。