JP4860826B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定条件が成立することにより遊技者にとって有利な遊技状態を付与するか否かの各種抽選を行い、この抽選結果を表示可能な遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の表示制御技術は以下のようなものが挙げられる。例えば、特開平8−229223号公報に記載の遊技機は、確変決定判定装置に関するもので、特別図柄、確率変動決定図柄および普通図柄の総ての抽選結果を図柄の組合わせで表示するものであった。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる従来技術によれば、特別図柄の抽選結果が大当りとならなければ確率変動決定図柄を用いた抽選が開始されないため、特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことができなかった。
【0003】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、特定遊技状態の抽選に関する情報を表示開始する前または表示中にもかかる期待感を持てるようにした遊技機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技者にとって有利な遊技状態として大入賞口を開放する特定遊技状態を生起させるか否かを決定するための第1の抽選と、前記特定遊技状態を生起させる可能性を向上させるか否かを決定するための第2の抽選と、を行う抽選手段を備え、前記第1の抽選の結果及び前記第2の抽選の結果のそれぞれを表示手段によって表示可能な遊技機において、前記表示手段における前記第1の抽選の結果の表示及び前記第2の抽選の結果の表示のそれぞれを制御する表示制御手段と、前記抽選手段が行った前記第1の抽選の結果が、前記特定遊技状態を生起させることが決定されたことを示す特定の結果となった場合にのみ、前記第2の抽選の結果を予告する情報である所定予告情報の表示を行うか否かを決定する予告決定手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記第1の抽選の結果が、前記特定の結果となった場合に、前記表示手段において、図柄のスクロール変動表示を複数列で行い、停止表示させた図柄によって該特定の結果の表示を行った後に、前記第2の抽選の結果を表示するための演出表示を開始し、前記予告決定手段により前記所定予告情報の表示を行うことが決定された場合に、前記表示手段において、前記複数列の前記図柄のスクロール変動表示を開始した後であって、前記特定の結果を表示する前に、前記所定予告情報を事前に表示可能としており、前記複数列の前記図柄のスクロール変動表示を維持しつつ、該複数列でスクロール変動表示されている図柄を縮小して表示した状態で、前記所定予告情報の表示を行うことを特徴とする遊技機。
【0005】
この発明によれば、所定予告情報の表示を行うことが決定された場合に、表示手段において、複数列の図柄のスクロール変動表示を開始した後であって、特定の結果を表示する前に、所定予告情報を事前に表示可能としており、複数列の図柄のスクロール変動表示を維持しつつ、複数列でスクロール変動表示されている図柄を縮小して表示した状態で、所定予告情報の表示を行うので、例えば、特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことが可能になる。
【0006】
また、上記遊技機において、前記第1の抽選が行われた場合に、複数の演出パターンのうちから、該第1の抽選の結果の表示を行う際に表示する演出パターンを決定する演出パターン決定手段を備え、前記複数の演出パターンには、前記所定予告情報の表示を行う演出パターンが含まれ、前記表示制御手段は、前記表示手段において、前記第1の抽選の結果の表示を行う際に、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンを表示し、前記演出パターン決定手段は、前記予告決定手段により前記所定予告情報の表示を行うことが決定された場合、該第1の抽選結果の表示を行う際に表示する演出パターンとして、前記所定予告情報の表示を行う演出パターンを決定することを特徴とするようにすることができる。この場合、表示制御手段が、表示手段の表示画面の所定領域において、前記第1の抽選に関する情報を縮小表示するとともに、前記表示画面上の他の領域において、第2の抽選の結果を表示するための演出を表示するようにしても良い。
【0007】
更に、上記遊技機において、開閉可能な開閉部材を有し、遊技球の入賞によって前記第1の抽選を行う契機を与える特別入賞口と、前記遊技者にとって有利な遊技状態として前記特別入賞口の前記開閉部材を開放する準特定遊技状態を生起させるか否かを決定するための第3の抽選を行う抽選手段と、前記第3の抽選の結果を表示する第2表示手段と、を備え、前記第2表示手段には、常時、前記第3の抽選の結果が表示されるようにしても良い。
【0008】
なお、上記各発明における各種抽選に関する情報の表示とは、例えば、何らかの表示対象物が一連の動作を行ないこの一連の動作終了後に当落選の結果を識別可能となるような情報を表示することを指す。より具体的には、例えば3桁の数字図柄が変動表示しこの変動表示終了後に同一図柄が揃って停止表示された場合には当選状態を示しこれ以外の場合には落選状態を示すことを指す。また、キャラクタ同士のレース、格闘等の対戦によって勝者となったキャラクタの種類が特定のものである場合には当選状態を示しこれ以外の場合には落選状態を示すこと等も含む趣旨である。なお、表示装置としては液晶表示装置やLED等の電気的に表示されるものでも良いし、モータやソレノイド等の電気的駆動源を使用して駆動するドラム等による表示でも良いしこれらを適宜組合わせて使用しても良い。
【0009】
なお、このような表示制御は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に表示制御手順を記録しておき、コンピュータがこの記録媒体に記録した表示制御手順を読み取って実行することによって実現できる。このような記録媒体としては、ROM、半導体IC等の半導体記録媒体、DVDROM、CDROM等の光記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体が挙げられる。また、このようなプログラムは情報処理装置から通信網を介してダウンロードするようにしても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。先ず制御コマンドを送受信して表示制御を行う遊技機の構成や動作を説明してから、本発明の主要な動作を説明することによって本発明の理解の容易化を図る。
【0011】
図1は遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、遊技者にとって有利な遊技状態を付与するか否かの各種抽選結果を表示可能な各種抽選結果表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されていて、この特別図柄始動口104の両側には普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。そして、本発明の実施形態の各種抽選結果表示装置100は、同一の表示画面内に各種抽選結果を表示するための特別図柄、普通図柄、確率変動決定図柄を表示可能にされているとともに、特別図柄と確率変動決定図柄とを関連付けた点に特徴がある。また、各種抽選結果表示装置100は特定遊技状態中のキャラクタ画像、エラー発生中のエラー報知用画像等も表示可能となっている。
【0012】
さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、アウト口114がこの順で配設されており、さらに、特別図柄始動口104の両斜め上方にはランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
【0013】
そして、特別図柄始動口104に遊技玉が入賞されて乱数抽選(第1の抽選)が行われ、この抽選された乱数が大当り値(特定遊技状態を生起させる値)である時には、後に説明する特別図柄表示エリア1800において特別図柄の変動表示が開始され、その後、当り有効ライン上に所定パターン(例えば「7、7、7」)の表示が各種抽選結果表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)となる。また、前述した乱数抽選によって大当り値が選択される確率(前記所定パターンが表示させる確率)は低確率時(例えば確率300分の1)と高確率時(例えば確率50分の1)と複数存在する。この高確率時は確率変動状態や確変状態と称される。
【0014】
この確率変動状態を生起させるか否かの抽選(第2の抽選)結果の表示は特別図柄が前記所定パターンになったときに行われ、後述するように、特定のキャラクタが揃った場合や、当り有効ライン上に揃った味方キャラクタとこれ以外の敵キャラクタとが対戦し味方キャラクタが格闘で勝った表示演出が行われた場合に、特定遊技状態終了後から次回の特定遊技状態が生起されるまでの期間中に確率変動状態が生起される。また、特別図柄が変動中もしくは変動前に第2の抽選結果の表示が開始される場合もある。
【0015】
また、普通図柄作動ゲート102が遊技玉の通過を検出すると、乱数抽選(第3の抽選)が行われこの抽選された乱数が小当り値(準特定遊技状態を生起させる値)である時には、各種抽選結果表示装置100の普通図表示エリア1810の当選マークを特定色で塗りつぶすような表示が行われ、その後に、開閉部材120が数秒間だけ開状態(準特定遊技状態)となって遊技玉が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われこの抽選された乱数が大当り値である時には、後に説明する特別図柄表示エリア1800における変動表示が開始され、その後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が各種抽選結果表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り状態となる。一方、入賞されない打玉はアウト口114を介して排出される。なお、特別図柄が高確率中の時には普通図柄の小当り確率も向上させるように構成されている。
【0016】
そして、大入賞口106に遊技球が入賞し易くなる開状態の場合において、10個の遊技球の入賞が行なわれるに際し、その特定領域であるVゾーン(図示せず)を通過する遊技球がある場合には、一度、大入賞口106を閉状態としてから再度、大入賞口106を開状態として遊技球を入賞し易くする。これを1ラウンドと称して、最大16回のラウンドが消化された場合に大入賞口106を遊技者にとって有利な状態とする大当り動作制御を終了するようにされている。
【0017】
図2は、このような遊技の進行状況に応じた遊技機制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載していて、後に説明する、各種抽選結果表示装置100を制御するための各種のコマンドを、少なくとも含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202および一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納するROM201とワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて、一体型のワンチップマイコンとなっている。
【0018】
主制御部200には、入力ポート210を介して、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技玉の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技玉のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、および、大入賞口106の内部に設けられ遊技玉の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308が接続さされ、主制御部200は各検出信号を受信可能となっている。なお、Vゾーン入賞スイッチ等は図示省略している。
【0019】
また、主制御部200には、出力ポート215を介して、LCD等で実現される各種抽選結果表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、および、大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。そして、主制御部200は、特に各種抽選結果表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっていて、各種抽選結果表示装置100は受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。さらに主制御部200から各種抽選結果表示装置100へコマンドを送信するのみの一方向通信による通信形態を採っている。
【0020】
また、主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212と所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されていて、さらに、リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
【0021】
さて、図12に示すように、主制御部200から各種抽選結果表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっており、図6乃至図9は、ROM201に格納されたコマンドデータテーブル領域202上の表示制御用コマンドデータの一部を示している。
【0022】
図6乃至図9に示すように、表示制御用のコマンドには、「特別図柄を変動させるとともに、変動パターンを指定するためのコマンド(第1のコマンド)」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄を停止させるためのコマンド(第3のコマンド)」がある。
【0023】
さらに、図16に示すように、主制御部200は、大当り値が抽選された場合には確率変動抽選を行いその抽選結果を反映させた表示パターンを指定する第4のコマンド(▲6▼)を第1のコマンドに次いで送信する。なお、第1のコマンドには、▲1▼図柄変動パターン▲2▼それに付随するキャラクタの演出動作、▲3▼表示される背景画像等を指定することを含むコマンドとなっていて、これら▲1▼〜▲3▼を総称して変動パターンと称する。
【0024】
さらに、主制御部200は、大当り時には、例えば1から10までの内で1から5までを抽選すると確率変動予告することになる予告用乱数を抽選して予告を行うか否かを判定し、予告を行うことを決定した場合にはこの予告を行うような変動パターンを第1のコマンドで指定する。したがって、上記変動パターンには予告情報を含むものも存在する。なお、予告用乱数抽選を大当り時以外すなわち外れ時にも行うようにしても良い。そして、主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったときこれらの5つのコマンド(または6つのコマンド)を1回の変動表示制御において所定のタイミングで各種抽選結果表示装置100に送信する。さらに、主制御部200が普通図柄での抽選を行いその抽選結果を表示させるための普通図柄当落選表示用コマンドを各種抽選結果表示装置100に適宜送信する。
【0025】
したがって、図柄の変動表示速度変化等の細かな表示制御は各種抽選結果表示装置100側が担うことになるので、主制御部200用のプログラムが簡素化され表示内容が変更してもプログラム変更をしなくても良くなり汎用的なプログラムを構築でき、しかも、主制御部200は、図柄の変動表示を開始してから停止させるまでの時間を定義したコマンドと、図柄を指定するためのコマンド等とを送信するだけなので、一層プログラムの簡素も図られている。また、抽選確率を意図的に改良したりする不正が懸念される主制御部200の制御容量が軽減することによって検査機関での検査量軽減や不正発見が容易になる。
【0026】
図3は、各種抽選結果表示装置100のブロック構成図である。各種抽選結果表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータとして例えば図17に示す特別図柄や確率変動図柄等のデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120とを有している。
【0027】
なお、図示しないが各種抽選結果表示装置100には抽選結果表示関連信号として第1、第2、第3の抽選によって行われるそれぞれの図柄変動中であることを示す信号、各種図柄が確定したことを示す信号、各種確定した図柄の種類を示す信号、コマンド通信不良等のエラー信号等を遊技機外部に出力するための出力ポートや信号線を備えていて、これにより検査機関での検査が容易になるとともに遊技情報の把握が容易になる。
【0028】
図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有していて、キャラクタデータは、特定の圧縮方法で圧縮された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は、色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
【0029】
図17は図柄データを示したものであり、後に説明する第1の実施形態では数字「0〜9」までとその一部に数字を備えたキャラクタ1700〜1704とが特別図柄となっているとともに、キャラクタ1700〜1704が確率変動決定図柄ともなっている。つまり、第1の実施形態では、その一部に数字を備えたキャラクタ1700が特別図柄となっているとともに確率変動決定図柄となっている。より具体的には、第3の抽選において「ゼウス」、「メデューサ」、「ヘラクレス」が3つ揃った場合には確率変動状態に突入する。一方、これ以外のキャラクタが3つ揃った場合には確率変動状態には突入しない。また、キャラクタ1700〜1704は、特定遊技状態中のキャラクタ画像にも登場する。
【0030】
また、後述する第2の実施形態では、キャラクタが当り有効ライン上に揃って大当りとなった場合に、その揃ったキャラクタである味方キャラクタ(1700〜1704のいずれか)とこれ以外の敵キャラクタ(1700〜1704のいずれか)とが格闘を行なって味方キャラクタが勝利した場合に確率変動状態に突入するように構成されている。
【0031】
また、各種抽選結果表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
【0032】
また、図5は、コマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなっていて、この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して、各種抽選結果表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
【0033】
次に、まず、主制御部200や各種抽選結果表示装置100のCPU1020が行う通常の制御動作を図10(遊技制御のゼネラルフローチャート)や図11を参照して説明し、その後、図15等を参照して本発明の特徴的な表示制御について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は主制御部200が実行するが、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行する。
【0034】
まず、図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
【0035】
ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用、確率変動突入判定等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
【0036】
次に、ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート203を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
【0037】
次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
【0038】
そして、ステップS180において、各種抽選結果表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は、遊技制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
【0039】
次に、ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御し、次いで、ステップS220において、図示しない賞球払出装置に払出し動作を行わせるための制御情報を出力するための賞球セット処理を実行し、さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技状態に対応させて効果音発生制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
【0040】
次に、ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、各種抽選結果表示装置100に対して、まず、ストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、各種抽選結果表示装置100には、例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され、受信することになる。
【0041】
ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技機制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新等が挙げられる。
【0042】
次に、コマンドを受け取った各種抽選結果表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行いステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
【0043】
ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
【0044】
次に、ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータを、プログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
【0045】
次に、ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像の表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
【0046】
そして、出力許可フラグが「1」でない場合(No)にはステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す一方、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)にはステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力する。画像処理用LSI1060はこれに応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して画像展開し、画像展開されたデータはビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、各種抽選結果表示装置100における設定された表示位置において、設定された速度での図柄変動表示や背景画像の表示等が行われる。
【0047】
これら処理以外に遊技機外部に抽選結果表示関連信号を送信する外部情報送信処理を実行する。以上に渡る、CPU1020の動作により特定遊技状態を生起させるか否かの抽選に関する情報を表示する第1の表示制御処理と、準特定遊技状態を生起させるか否かの抽選に関する情報を表示する第2の表示制御処理と、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させるか否かの抽選に関する情報を表示する第3の表示制御処理がそれぞれ必要に応じて適宜実行される。このように抽選結果表示手段を単一構成とすることで、表示内容毎にそれぞれの表示制御手段(表示用CPU)を備える必要が無いので、抽選結果を表す表示制御系が1つになり、表示制御が簡素化される。なお、本発明にあっては、抽選結果表示制御手段を2つ以上設けた構成としても良い。
【0048】
図13、図14は主制御部200から各種抽選結果表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、特別図柄の変動に関連する送信コマンドの説明図であり、これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、まず、「図柄変動を開始させるとともに変動パターンを指定するためのコマンドを送信し(▲1▼)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(▲2▼)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(▲3▼)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(▲4▼)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(▲5▼)を送信し、さらに、これらのコマンドを受信した各種抽選結果表示装置100のCPU1020は、▲1▼を受信して指定された変動パターンで図柄速度変化等の細かな表示制御を行い、第3のコマンドの受信を契機として変動表示制御を終了する。なお、先にも説明したように大当りの場合には確変抽選を行うのでその抽選結果に応じて表示パターンを指定するため、主制御部200は各種抽選結果表示装置100に第4のコマンド(▲6▼)を送信する(図16参照)。なお、これらコマンド以外に普通図柄を変動させるコマンドや特定遊技状態中のキャラクタ画像を指定するコマンドやエラー発生中のエラー報知用画像を指定するコマンド等がある。
【0049】
(本発明の主要部)
さて、本発明の実施の形態である表示制御を説明するためのタイミングチャートである図15、表示の変化の様子を示した説明図である図18〜図23等を参照して本発明の特徴である表示制御について説明する。これらの処理は、図11のステップS1110〜1116におけるデータを適宜設定変更すること等によって実現できる。CPU1020は以下に示すような表示制御を行う。なお、以下の実施形態の説明においては大当り状態で確率変動予告情報を表示する場合を想定して説明する。
【0050】
(第1の実施形態)
まず、CPU1020は、小当りの当選表示を指定する普通図柄抽選結果表示用コマンド(図示せず)と第1のコマンド(図14の▲1▼参照)を受信するものとする。すると、図15(a)に示すように、CPU1020は、受信した第1のコマンドに応答して、LCDパネル1120の横長の表示エリア1121の特別図柄表示エリア1800内において左、中、右の縦3列で図柄のスクロール変動表示を開始するとともに、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内の当選に対する丸印マーク1811を特定色で塗りつぶすような表示制御を実行する。このように普通図柄抽選結果は当落に応じたマークを択一的に表示制御して抽選結果を表示する。この様子を図18に示す。
【0051】
このときの表示領域は、特別図柄および普通図柄を表示するエリアで構成される。これにより、確率変動図柄を表示するエリアが存在しないため、特別図柄および普通図柄を表示するエリアの大きさを確保でき、遊技者は特定遊技状態および準特定遊技状態を生起させるか否かの抽選結果が見易くなる。
【0052】
次に、CPU1020は、図15(a)に示すように特別図柄を変動させたまま縮小表示するとともに確率変動予告表示を行なう。図21はこの時の表示エリア1121の様子を示している。この表示エリア1121内の特別図柄表示エリア1801には縮小された特別図柄が変動表示させるとともに、確率変動予告用のメッセージ1830「確率変動になるかもしれません!」が同一表示エリア1121内に表示させる。なお、この状態でも普通図柄表示エリア1810は確保されている。なお、この予告表示は前述した予告用乱数による抽選で決定されるため、毎回表示されるわけではない。この予告表示により、遊技者は特別図柄変動時や開始前から確率変動抽選結果を予想できるし、また大当りが決定されたのでないかと推測しながら遊技を楽しむことができる。
【0053】
さらに、主制御部200は確率変動状態を生起させるか否かの抽選を行っているため、確率変動抽選結果に応じた表示パターンを指定する第4のコマンドを送信しCPU1020はこの第4のコマンドを受信する(図15(c)参照)。これに応答してCPU1020は確率変動図柄表示処理を開始する。CPU11020は、確率変動決定用図柄である1700〜1704を図21の特別図柄表示エリア1801、普通図柄表示エリア1810を除いたエリアにスクロール変動表示させ、特別図柄の停止表示の後に確率変動決定用図柄も停止表示させる。なお、この特別図柄変動時や開始前から確率変動図柄が変動する態様は、第2の抽選により特定の値を抽選した場合にのみ行われる。特定の値ではない場合、つまり通常時には、特別図柄が停止しかつその停止図柄が大当りを示す特定のパターンにならないと確率変動決定用図柄が変動しない。また、第2の抽選により、特定の値を抽出される可能性は、特定の値を抽出されないときより低く設定されているため、遊技者はこの特別図柄変動時や開始前から確率変動決定用図柄が変動する態様が表示されることにより大当りが決定されたのではないかと推測しながら遊技を楽しむことができる。
【0054】
次いで、図15(a)に示すように、CPU1020が、第2のコマンドおよび第3のコマンドを受信し、第3のコマンドに応答して第2のコマンドで指定される特別図柄を停止表示させる表示制御を行う。この場合は図18と同じ表示エリアで停止した特別図柄(「333」)を表示する。
【0055】
即ち、CPU1020は、縮小された特別図柄表示エリア1801内に停止特別図柄を表示(「333」)するので、特別図柄の抽選結果は3桁の図柄組合せで表示させることになる。この際、CPU1020は、落選表示を指定する普通図柄抽選結果表示用コマンドも受信しているので、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内の落選に対する丸印マーク1812を特定色で塗りつぶすような表示制御を実行する。そして、この普通図柄表示エリア1810はその大きさが他の図柄表示エリアに比べて最も小さくされていて、表示制御中では常時確保される。
【0056】
さらに、図15(c)に示すように、CPU1020は変動している確率決定用図柄を停止表示させる。その一例を図21、図22を参照して説明する。図21に示すように、CPU1020が、例えば確率変動図柄を変動表示させた後にキャラクタ1700を3つ揃って停止表示した場合には、主制御部200は、特定遊技状態終了後に遊技機を確率変動状態となるように制御する。なお、CPU1020は、特別図柄表示エリア1801に確率変動図柄の停止結果を表示するとともに、表示エリア1121の下部に「確変当選」なるメッセージ2110を表示する。なお、図22に示すように、CPU1020が、例えばキャラクタ1701を3つ揃って停止表示した場合には、主制御部200は遊技機を確率変動状態非突入とする。なお、CPU1020は、特別図柄表示エリア1801に確率変動図柄の停止結果を表示するとともに、表示エリア1121の下部に「確変落選」なるメッセージ2111を表示する。
【0057】
なお、図15に示す例では予告や確率変動決定用図柄の変動開始を特別図柄変動中に行うようにしたが、これらを特別変動図柄が開始させる前に行うようにして良い。
【0058】
したがって、この第1の実施形態によれば、CPU1020は、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させるか否かの第2の抽選に関する情報(具体的には確率変動決定用図柄の変動表示)を、特定遊技状態を生起させるか否かの第1の抽選に関する情報を表示開始する前またはその表示中(具体的には特別図柄変動表示前または変動表示中)に表示するので、例えば特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことが可能になる。
【0059】
また、CPU1020が表示する第2の抽選に関する情報を第2の抽選結果の予告情報とすれば、特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことが可能になり、この場合、CPU1020が、各種抽選結果表示装置100の表示エリア1121の特別図柄表示エリア1801に第1の抽選に関する情報(具体的には変動する特別図柄)を縮小表示するとともに、表示エリア1121上の他の領域に予告情報を表示するので、特別図柄の変動表示を見ながら確率変動突入への予告情報を確認することができて遊技者の期待感は一層増す。
【0060】
更に、CPU1020は、特別図柄変動表示中に、確率変動決定用図柄の変動開始(第2の抽選が開始されたことを示す情報)を行うのでこれによっても特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことが可能になる。そして、CPU1020は、準特定遊技状態を生起させるか否かの抽選に関する情報を、第1、第2の抽選に関する情報とともに同一の表示エリア1121に表示するので各種抽選に関する情報を集中させて視点移動を少なくさせることができる。
【0061】
(第2の実施形態)
この実施形態においては、特別図柄としても機能する味方キャラクタと敵キャラクタとの格闘の結果によって第2の抽選結果を表示するものに、本発明を適用した点に特徴がある。まず、CPU1020は、小当りの当選表示を指定する普通図柄抽選結果表示用コマンド(図示せず)と第1のコマンド(図14の▲1▼参照)を受信しているものとする。図15(a)に示すように、CPU1020は、受信した第1のコマンドに応答して、LCDパネル1120の横長の表示エリア1121の特別図柄表示エリア1800内において左、中、右の縦3列で図柄のスクロール変動表示を開始するとともに、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内の当選に対する丸印マーク1811を特定色で塗りつぶすような表示制御を実行する。このように普通図柄抽選結果は当落に応じたマークを択一的に表示制御して抽選結果を表示する。この様子を図18に示す。
【0062】
このときの表示領域は、特別図柄および普通図柄を表示するエリアで構成される。これにより、確率変動図柄を表示するエリアが存在しないため、特別図柄および普通図柄を表示するエリアの大きさを確保でき、遊技者は特定遊技状態および準特定技状態を生起させるか否かの抽選結果が見易くなる。
【0063】
次に、CPU1020は、図15(a)に示すように特別図柄を変動させたまま縮小表示するとともに確率変動予告表示を行なう。図21はこの時の表示エリア1121の様子を示している。この表示エリア1121内の特別図柄表示エリア1801には縮小された特別図柄が変動表示させるとともに、確率変動予告用のメッセージ1830「確率変動になるかもしれません!」が同一表示エリア1121内に表示させる。なお、この状態でも普通図柄表示エリア1810は確保されている。なお、この予告表示は前述した予告用乱数による抽選で決定されるため、毎回表示されるわけではない。この予告表示により、遊技者は特別図柄変動時や開始前から確率変動抽選結果を予想できるし、また大当りが決定されたのでないかと推測しながら遊技を楽しむことができる。
【0064】
さらに、主制御部200は確率変動状態を生起させるか否かの抽選を行っているため、確率変動抽選結果に応じた表示パターンを指定する第4のコマンドを送信しCPU1020はこの第4のコマンドを受信する(図15(c)参照)。これに応答してCPU1020は確率変動図柄表示処理を開始する。CPU11020は、確率変動決定用図柄である1700〜1704を図21の特別図柄表示エリア1801、普通図柄表示エリア1810を除いたエリアに登場、格闘させ、特別図柄の停止表示の後に勝者キャラクタのみを残す。なお、この特別図柄変動時や開始前から確率変動図柄が変動する態様は、第2の抽選により特定の値を抽選した場合にのみ行われる。特定の値ではない場合、つまり通常時には、特別図柄が停止しかつその停止図柄が大当りを示す特定のパターンにならないと確率変動決定用図柄が変動しない。また、第2の抽選により、特定の値を抽出される可能性は、特定の値を抽出されないときより低く設定されているため、遊技者はこの特別図柄変動時や開始前から確率変動決定用図柄が変動する態様が表示されることにより大当りが決定されたのではないかと推測しながら遊技を楽しむことができる。
【0065】
CPU1020は、図15(c)に示すように第4のコマンドを受信するとこの第4のコマンドに応答して、表示エリア1121の左上方に位置する縮小された特別図柄表示エリア1801内に特別図柄を変動表示するとともに、メインキャラクタと他のキャラクタとを登場させて対戦させる(図19参照)。この際、CPU1020は、落選表示を指定する普通図柄抽選結果表示用コマンドも受信しているので、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内の落選に対する丸印マーク1812を特定色で塗りつぶすような表示制御を実行する。そして、この普通図柄表示エリア1810はその大きさが他の図柄表示エリアに比べて最も小さくされていて、表示制御中では常時確保される。
【0066】
次いで、図15(a)に示すように、CPU1020が、第2のコマンドおよび第3のコマンドを受信し、第3のコマンドに応答して第2のコマンドで指定される特別図柄を停止表示させる表示制御を行う。この場合は例えば同一キャラクタを3つ停止表示する。そして、図15(c)に示すように、敵キャラクタ「ポセイドン」がこの確率変動抽選結果表示エリア1820内から消滅させられ、味方キャラクタ「ゼウス」が残った場合には「ゼウス」が勝利したとして特定遊技状態終了後に確変状態に移行し、これをメッセージにて表示する(図20参照)。なお、この処理中においても、普通図柄表示エリア1810が確保されていて当選結果を表示している。
【0067】
このようにして、確率変動抽選結果は特別図柄としても機能するキャラクタのアクションによって表示させることになる。特に、本実施形態では、画像データとしては異なるが大当りとなったことを示す特別図柄と同一内容のキャラクタが確率変動抽選に関する情報を表示する際にも登場することで、特別図柄抽選による大当り結果表示とその後の確率変動抽選結果表示を1つの関連した遊技として表示することが可能になるので、異なる抽選に関するそれぞれの表示演出でも相互に関連した遊技であることを遊技者に理解させることができる。
【0068】
なお、この実施形態においても、予告情報表示やキャラクタの格闘開始を特別図柄変動前に行うようにしても良い。
【0069】
したがって、この第2の実施形態においても、特別図柄変動開始前または変動中に確率変動突入の予告表示や確率変動開始(キャラクタの対戦)が行われるので、特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことが可能になる。
【0070】
なお、普通図柄表示エリア1810に表示する小当り抽選結果は、当落結果を択一的に表示する態様以外の表示態様も考えられる。例えばCPU1020は、2桁の図柄組合わせで「37」または「73」とを外れ時に表示し、「33」または「77」を小当り時に表示するような表示制御を行うようにしても良い。
【0071】
したがって、これによれば、CPU1020は、小当り当落を択一的に示すマークの特定色塗りつぶし表示制御に替えて、特別図柄表示エリア1801(第1の表示領域)に表示される3桁の図柄よりも少ない桁数の2桁の図柄での図柄組合わせで小当り(準特定遊技状態)を生起させるか否かの抽選結果を表示するので、これによっても各抽選結果の抽選結果表示態様を異ならせつつ、小当り抽選結果を把握容易に表示できる。さらに、間接的に大当り抽選結果表示や確率変動結果表示に遊技者の意識を向かわせる効果も有する。また、この構成では、図柄枚数が2つ(3と7)だけであり、特別図柄の枚数よりも少なく設定してあり、これによって、小当り抽選結果を更に簡素化した表示を行える。また、小当り抽選結果である普通図柄の表示を複数のLEDにて表示する構成としても良い。
【0072】
(他の実施形態)
次に他の実施形態を説明する。この実施形態は、主制御部200が各種抽選結果表示装置100に送信する表示指令信号であるコマンドを単純化させた点に特徴がある。先ず主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した際に特定遊技状態(大当り状態)が成立するか否か、準特定遊技状態(小当り)が成立するか否か、および、確変となるか否かの乱数抽選を行う。
【0073】
そして、主制御部200は、この抽選結果を示す情報(例えば3ビットのデータ)をコマンドとして各種抽選結果表示装置100に送信する。このコマンドを受信した各種抽選結果表示装置100は、各種抽選結果に応じた表示制御を行うべく表示パターンを適宜選択する。まず、選択した表示パターンで特別図柄を変動させ、所定時間経過後に抽選結果に応じた特別図柄を停止させる表示制御を特別図柄表示エリア1800内にて行うとともに、普通図柄表示エリア1810内に普通図柄の当落選結果を表示する。そして更に、各種抽選結果表示装置100は、確率変動抽選結果表示エリア1820内に抽選結果に応じた表示パターンでの表示を行なう。つまり、前述したように図18〜図23に示す表示制御を行う。
【0074】
このように、主制御部200は、各種抽選の当落結果の情報を送信するのみで、各図柄の表示パターン(背景画像、キャラクタ画像の表示パターン等も含む)や停止図柄は主制御部200による抽選の当落結果に反しない限りにおいて、各種抽選結果表示装置100が任意に選択可能となるので、主制御部200の制御負担が軽減する。さらに、コマンドが単純化するのでノイズによる通信エラーも低減させる効果がある。
【0075】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。例えば、大当り状態の確変抽選に替えてあるいはこれとともに小当り状態の確変抽選を主制御部200が行いこの抽選結果も同一の表示画面内に表示させるようにすること、等が挙げられる。
【0076】
なお、本実施形態では、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させる状態を当りとなる確率を向上させるようにしたが、これ以外に図柄変動時間を通常時よりも短縮させたり、図柄始動記憶数を通常時よりも増加させること、更には準特定遊技状態による開閉部材の開時間を増加させる等によって当りとなる可能性を向上させるようにしても良く、さらにはこれらの組合せを採用しても良い。
【0077】
さらに、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させるか否かを抽選表示する時期はこれに限定されず、特定遊技状態中、特定遊技状態終了後、特定遊技状態の生起とは無関係に行われるようにしても良い。
【0078】
なお、以上の説明では、遊技機としてパチンコ機を例にとり説明してきたが、パチスロ機はもちろんのこと、表示演出可能な表示部を備える他の遊技機に対しても適用可能であることはいうまでもない。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定予告情報の表示を行うことが決定された場合に、表示手段において、複数列の図柄のスクロール変動表示を開始した後であって、特定の結果を表示する前に、所定予告情報を事前に表示可能としており、複数列の図柄のスクロール変動表示を維持しつつ、複数列でスクロール変動表示されている図柄を縮小して表示した状態で、所定予告情報の表示を行うので、例えば、特別図柄変動表示時から確率変動突入するとの期待感を持って遊技を行うことが可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤10の模式的な説明図である。
【図2】遊技機の制御ブロック図である。
【図3】各種抽選結果表示装置100のブロック構成図である。
【図4】キャラクタROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。
【図5】コマンド送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図7】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図8】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図9】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図10】遊技機の遊技制御動作を説明するためのゼネラルフローチャートである。
【図11】各種抽選結果表示装置100のCPU1020の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンドのデータ構造の説明図である。
【図13】図柄表示のためのコマンド送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】コマンド送信を説明するための説明図である。
【図15】本発明の実施の形態の表示制御を説明するためのタイミングチャートである。
【図16】大当り時のコマンド送信の説明図である。
【図17】図柄データの説明図である。
【図18】表示の変化の様子を示す説明図である。
【図19】表示の変化の様子を示す説明図である。
【図20】表示の変化の様子を示す説明図である。
【図21】表示の変化の様子を示す説明図である。
【図22】表示の変化の様子を示す説明図である。
【図23】表示の変化の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10 遊技盤
100 各種抽選結果表示装置
102 普通図柄作動ゲート
104 特別図柄始動口
106 大入賞口
108 普通図柄表示装置
110 ランプ表示装置
112 ランプ表示装置
114 アウト口
116 効果音発生装置
120 開閉部材
200 主制御部
201 ROM
202 コマンドデータテーブル領域
203 RAM
210 入力ポート
213 リセット回路
212 電源回路
215 出力ポート
300 始動口作動ソレノイド
302 大入賞口作動ソレノイド
304 特別図柄始動スイッチ
306 普通図柄作動スイッチ
308 大入賞口スイッチ
1020 CPU
1040 プログラムROM
1060 画像処理用LSI
1080 ビデオRAM
1090 RAM
1100 LCDパネル用インターフェイス回路
1120 LCDパネル
1140 データ受信回路
1160 電源回路
1180 キャラクタROM
Claims (4)
- 遊技者にとって有利な遊技状態として大入賞口を開放する特定遊技状態を生起させるか否かを決定するための第1の抽選と、前記特定遊技状態を生起させる可能性を向上させるか否かを決定するための第2の抽選と、を行う抽選手段を備え、前記第1の抽選の結果及び前記第2の抽選の結果のそれぞれを表示手段によって表示可能な遊技機において、
前記表示手段における前記第1の抽選の結果の表示及び前記第2の抽選の結果の表示のそれぞれを制御する表示制御手段と、
前記抽選手段が行った前記第1の抽選の結果が、前記特定遊技状態を生起させることが決定されたことを示す特定の結果となった場合にのみ、前記第2の抽選の結果を予告する情報である所定予告情報の表示を行うか否かを決定する予告決定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記第1の抽選の結果が、前記特定の結果となった場合に、前記表示手段において、図柄のスクロール変動表示を複数列で行い、停止表示させた図柄によって該特定の結果の表示を行った後に、前記第2の抽選の結果を表示するための演出表示を開始し、
前記予告決定手段により前記所定予告情報の表示を行うことが決定された場合に、前記表示手段において、前記複数列の前記図柄のスクロール変動表示を開始した後であって、前記特定の結果を表示する前に、前記所定予告情報を事前に表示可能としており、前記複数列の前記図柄のスクロール変動表示を維持しつつ、該複数列でスクロール変動表示されている図柄を縮小して表示した状態で、前記所定予告情報の表示を行うことを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記第1の抽選が行われた場合に、複数の演出パターンのうちから、該第1の抽選の結果の表示を行う際に表示する演出パターンを決定する演出パターン決定手段を備え、
前記複数の演出パターンには、前記所定予告情報の表示を行う演出パターンが含まれ、
前記表示制御手段は、
前記表示手段において、前記第1の抽選の結果の表示を行う際に、前記演出パターン決定手段により決定された演出パターンを表示し、
前記演出パターン決定手段は、
前記予告決定手段により前記所定予告情報の表示を行うことが決定された場合、該第1の抽選結果の表示を行う際に表示する演出パターンとして、前記所定予告情報の表示を行う演出パターンを決定することを特徴とする遊技機。 - 請求項1又は2に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記表示手段の表示画面の所定領域において、前記第1の抽選の結果を縮小表示するとともに、前記表示画面上の他の領域において、前記第2の抽選の結果を表示するための演出表示を行うことを特徴とする遊技機。 - 請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の遊技機において、
開閉可能な開閉部材を有し、遊技球の入賞によって前記第1の抽選を行う契機を与える特別入賞口と、
前記遊技者にとって有利な遊技状態として前記特別入賞口の前記開閉部材を開放する準特定遊技状態を生起させるか否かを決定するための第3の抽選を行う抽選手段と、
前記第3の抽選の結果を表示する第2表示手段と、を備え、
前記第2表示手段には、常時、前記第3の抽選の結果が表示されることを特徴とする遊技機。
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