以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。先ず制御コマンドを送受信して表示制御を行う遊技機の構成や動作を説明してから、本発明の主要な動作を説明することによって本発明の理解の容易化を図る。
図1は、遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、役割の異なる複数種類の図柄を表示可能な各種抽選結果表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されていて、この特別図柄始動口104の両側には普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。そして、本発明の実施形態の各種抽選結果表示装置100は、同一の表示画面内に特別図柄、普通図柄、確率変動図柄のそれぞれ抽選結果を表示可能にされ、その表示制御は各種抽選結果表示装置100側に設けたCPU1020が一括して行うとともに、これらの図柄表示に対する報知演出を他の周辺装置で行なわせる点に特徴がある。また、各種抽選結果表示装置100は、特定遊技状態中のキャラクタ画像、エラー発生中のエラー報知用画像等も表示可能となっている。
さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、アウト口114がこの順で配設されており、さらに、特別図柄始動口104の両斜め上方にはランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
そして、特別図柄始動口104に遊技玉が入賞されて乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、後に説明する特別図柄表示エリア1800において特別図柄の変動表示が開始され、その後、所定パターン(例えば「7、7、7」)の表示が各種抽選結果表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態(特定遊技状態)となる。また、前述した乱数抽選によって大当り値が選択される確率(前記所定パターンが表示させる確率)は低確率時(例えば確率300分の1)と高確率時(例えば確率50分の1)と複数存在する。この高確率時は確率変動状態や確変状態と称される。この確変状態か否かの抽選過程や抽選結果を表示するにはキャラクタ等の図柄を用いる。
この確率変動状態を生起させるか否かの抽選結果の表示は、特別図柄が前記所定パターンになったときにのみ行われ、変動する確率変動図柄が所定パターンとなった場合、例えば確率変動図柄であるキャラクタが他のキャラクタに格闘で勝った表示演出が行われた場合に特定遊技状態終了後から次回の特定遊技状態が生起されるまでの期間中に確率変動状態が生起される。
また、普通図柄作動ゲート102が遊技玉の通過を検出すると、乱数抽選が行われこの抽選された乱数が小当り値である時には、各種抽選結果表示装置100の普通図表示エリア1810の当選マークを特定色で塗りつぶすような表示が行われ、その後に、開閉部材120が数秒間だけ開状態(準特定遊技状態)となって遊技玉が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われこの抽選された乱数が大当り値である時には、後に説明する特別図柄表示エリア1800における変動表示が開始され、その後、所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が各種抽選結果表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り状態となる。一方、入賞されない打玉はアウト口114を介して排出される。なお、特別図柄の大当り確率が向上しているときには普通図柄の小当り確率も向上させるようにされている。
大入賞口106に遊技球が入賞し易くなる開状態の場合において、10個の遊技球の入賞が行なわれるに際し、その特定領域であるVゾーン(図示せず)を通過する遊技球がある場合には、一度、大入賞口106を閉状態としてから再度、大入賞口106を開状態として遊技球を入賞し易くする。これを1ラウンドと称して、最大16回のラウンドが消化された場合に、大入賞口106を遊技者にとって有利な状態とする大当り動作制御を終了するようにされている。
図2は、このような遊技の進行状況に応じた遊技機制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載していて、後に説明する、各種抽選結果表示装置100を制御するための各種のコマンドを、少なくとも含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202および一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納するROM201とワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて、一体型のワンチップマイコンとなっている。
主制御部200には、入力ポート210を介して、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技玉の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技玉のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、および、大入賞口106の内部に設けられ遊技玉の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308が接続され、主制御部200は各検出信号を受信可能となっている。なお、Vゾーン入賞スイッチ等は図示省略している。
また、主制御部200には、出力ポート215を介して各種の周辺装置が接続されている。具体的には、LCD等で実現される各種抽選結果表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、および、大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302等が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御コマンドを送信可能となっている。そして、主制御部200は、特に各種抽選結果表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっていて、各種抽選結果表示装置100は受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。さらに主制御部200から各種抽選結果表示装置100へコマンドを送信するのみの一方向通信による通信形態を採っている。
また、主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212と所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されていて、さらに、リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
さて、図12に示すように、主制御部200から各種抽選結果表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっている。図6乃至図9、図15乃至図18は、ROM201に格納されたコマンドデータテーブル領域202上の表示制御用及び報知演出制御用コマンドデータの一部である。図6乃至図9に示すコマンドは特別図柄抽選結果の表示制御に関するコマンド、図15に示すコマンドは普通図柄抽選結果の表示制御に関するコマンド、図16に示すコマンドは確率変動図柄抽選結果の表示制御に関するコマンド、図17に示すコマンドは効果音発生装置116の効果音出力制御に関するコマンド、図18に示すコマンドはランプ表示装置110(112)の点灯制御に関するコマンドである。
図6乃至図9に示すように、特別図柄抽選の表示制御用コマンドには、「特別図柄を変動させるとともに、変動パターンを指定するためのコマンド(第1のコマンド)」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄を停止させるためのコマンド(第3のコマンド)」がある。
また、図15に示すように、普通図柄抽選結果の表示制御用コマンドは、変動開始とその変動時間を指定するとともに、当りまたは外れを指定するようになっている。更に、図16に示すように、確変図柄抽選結果の表示制御用コマンドは、変動開始を指定するとともに、当りまたは外れに応じたいずれかの表示パターンを指定するコマンドとなっている。
また、図17に示すように、効果音出力制御用のコマンドは効果音出力パターンを指定して、効果音出力での報知演出を行なうためのコマンドとなっている。更に、図18に示すように、点灯制御用のコマンドは点灯パターンを指定して、ランプの点消灯での報知演出を行なうためのコマンドになっている。なお、各コマンドは特別図柄抽選の表示制御用コマンドつまり、図6に示される特別図柄変動パターンのいずれかに応じた報知演出を行うように定義づけられたものであり、これら以外に、図示はしないが普通図柄、確率変動図柄、特定遊技状態中のキャラクタ画像等に応じた報知演出を行なうように定義づけられたものも存在する。
図21(a)に示すように、主制御部200は、大当り値が抽選された場合には確率変動抽選を行いその抽選結果を反映させた表示パターンを指定する第4のコマンド(丸6)を第3のコマンドに次いで送信する。なお、第1のコマンドには、(丸1)図柄変動パターン、(丸2)それに付随するキャラクタの演出動作、(丸3)表示される背景画像等を指定することを含むコマンドとなっていて、これら(丸1)〜(丸3)を総称して変動パターンと称する。主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったときこれらの5つのコマンド(または6つのコマンド)を1回の変動表示制御において所定のタイミングで各種抽選結果表示装置100に送信する。また、図21(c)に示すように、主制御部200が普通図柄での抽選を行いその抽選結果を表示させるための普通図柄表示制御用コマンドを適宜のタイミングで各種抽選結果表示装置100に送信する。
したがって、図柄の変動表示速度変化等の細かな表示制御は各種抽選結果表示装置100側が担うことになるので、主制御部200用のプログラムが簡素化され表示内容が変更してもプログラム変更をしなくても良くなり汎用的なプログラムを構築できるので、主制御部200側での制御負担が軽減される。
図3は、各種抽選結果表示装置100のブロック構成図である。各種抽選結果表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120と、点灯制御コマンドや効果音出力制御コマンドをランプ表示装置110(112)や効果音発生装置116に出力するための出力ポート1300とを有している。
図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有していて、キャラクタデータは、特定の圧縮方法で圧縮された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は、色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
また、キャラクタイメージデータ領域には、図22に示すようなキャラクタ等の画像データが格納されている。この遊技機では例えば5つのリーチゲームモードの内のいずれかのリーチゲームモードに突入可能となっていて、各リーチゲームモードにおいては夫々異なるキャラクタが登場して表示演出させる。リーチゲームモード1の場合にはメインキャラクタである「ゼウス」が登場する。このリーチゲームモード1は全リーチゲームモードの内で、大当り状態となる場合の図柄変動の時に最も突入する確率を高く設定したもので、このリーチゲームモード1で登場するキャラクタをメインキャラクタと称している。
またこれ以外のリーチゲームモードであるリーチゲームモード2、3、4、5の夫々に登場するキャラクタは「ポセイドン」、「メデューサ」、「アテナ」、「ヘラクレス」であり、これらはメインキャラクタに対してサブキャラクタを構成している。なお、リーチゲームモードの種類や登場させるキャラクタの種類をこの例に限定させなくて良いことは言うまでもない。
そして、各種抽選結果表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
また、図5は、コマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなっていて、この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して、各種抽選結果表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
次に、まず、主制御部200や各種抽選結果表示装置100のCPU1020が行う通常の制御動作を図10(遊技制御のゼネラルフローチャート)や図11を参照して説明し、その後、図17等を参照して本発明の特徴的な表示制御について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は主制御部200が実行するが、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行する。
まず、図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
次に、ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート203を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
そして、ステップS180において、各種抽選結果表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は、遊技制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
次に、ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御し、次いで、ステップS220において、図示しない賞球払出装置に払出し動作を行わせるための制御情報を出力するための賞球セット処理を実行し、さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技状態に対応させて効果音発生制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
次に、ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、各種抽選結果表示装置100に対して、まず、ストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、各種抽選結果表示装置100には、例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され、受信することになる。
ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技機制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新等が挙げられる。
次に、コマンドを受け取った各種抽選結果表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は、自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行いステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
次に、ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータを、プログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
次に、ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像の表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
そして、出力許可フラグが「1」でない場合(No)にはステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す一方、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)にはステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力し、次いでステップS1122において図柄表示制御信号を遊技機外部に出力する。画像処理用LSI1060は、ステップS1120での処理に応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して画像展開し、画像展開されたデータはビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、各種抽選結果表示装置100における設定された表示位置において、設定された速度での図柄変動表示や背景画像の表示等が行われる。
以上に渡る、CPU1020の動作により、特定遊技状態を生起させるか否かの抽選結果を表示する第1の表示制御処理と、準特定遊技状態を生起させるか否かの抽選結果を表示する第2の表示制御処理と、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させるか否かの抽選結果を表示する第3の表示制御処理がそれぞれ必要に応じて適宜実行される。
図13、図14は主制御部200から各種抽選結果表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、送信コマンドの説明図であり、これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、まず、「図柄変動を開始させるとともに変動パターンを指定するためのコマンドを送信し(丸1)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(丸2)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(丸3)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(丸4)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(丸5)を送信し、さらに、これらのコマンドを受信した各種抽選結果表示装置100のCPU1020は、丸1を受信すると、指定された変動パターンで変動速度変化等の細かな表示制御を行って一連の変動表示制御を行い、第3のコマンドの受信を契機として変動表示制御を終了する。なお、先にも説明したように大当り値が抽選された場合には確変抽選を行うのでその抽選結果に応じて表示パターンを指定するため、主制御部200は各種抽選結果表示装置100に第4のコマンド(丸6)を送信する(図16参照)。更に図13、14では図示はしないが主制御部200は、普通図柄表示制御用コマンドを適宜のタイミングで送信する。
(本発明の主要部)
(第1の実施形態)
本発明の実施の形態である表示制御を説明するためのフローチャートである図19、表示の変化の様子を示した説明図である図23、図24、図25等を参照して本発明の特徴である表示制御について説明する。これらの処理は、図11のステップS1110〜1116におけるデータを適宜設定変更することによって実現できる。CPU1020は以下に示すような表示制御を行う。
なお、以下の実施形態の説明では効果音発生装置116による報知演出を例にとって説明する。ランプ表示装置110(112)等の他の報知演出用の周辺装置を採用しても(あるいは併用しても)同様に本発明を適用し得る。
図20に示すように、効果音発生装置116は、CPU2000と、制御プログラムを記録したROM2010と、ワークエリアとなるRAM2020と、音声合成LSI2030と、スピーカー2040とを備えている。そして、CPU2000は、受信した効果音出力制御用コマンドに応じた駆動態様で音声合成LSI2030を駆動制御すると、受信した効果音出力制御用コマンドで指定された効果音出力パターンでの効果音がスピーカー2040から出力される。
この動作例では大当り及び小当り時の表示制御及び報知演出制御を想定している。まず、CPU1020は、普通図柄表示制御用コマンドと第1のコマンド(図14の丸1参照)を受信しているものとする。ステップS1900において、CPU1020は、受信した第1のコマンドに応答して、LCDパネル1120の横長の表示エリア1121の特別図柄表示エリア1800内において左、右、右の縦3列で図柄のスクロール変動表示を開始するとともに、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内の丸印マーク1811、1812を交互に点滅させるような表示制御を行う。この様子を図23に示す。なお、この際、主制御部200は図21(b)に示すように、出力ポート215を介して、第1のコマンドの送信の後に効果音出力制御用コマンドを効果音発生装置116に送信する。また、主制御部200は、図21(c)に示すように、出力ポート215を介して、普通図柄表示制御用コマンドの各種抽選結果表示装置100への送信の後に効果音出力制御用コマンドを効果音発生装置116に送信する。
このような効果音出力制御用コマンドを受信した効果音発生装置116のCPU2000は、受信した効果音出力制御用コマンドに応じた駆動態様で音声合成LSI2030を駆動制御するので、受信した効果音出力制御用コマンドで指定された効果音出力パターンでの効果音がスピーカー2040から出力される。
次に、ステップS1902において、受信した第3のコマンドに応答して第2のコマンドで指定される特別図柄を停止図柄として表示するが、この場合、表示エリア1121の左上方に位置する、縮小された特別図柄表示エリア1801内に停止特別図柄を表示する(「333」)。この際、CPU1020は、普通図柄表示制御用コマンドも受信しているので、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内にこのコマンドで指定された当落選結果に応じて、丸印マーク1811または1812を固定点灯させるような表示制御を行う。そして、この普通図柄表示エリア1810はその大きさが他の図柄表示エリアに比べて最も小さくされていて、表示制御中では常時確保される。
次いで、主制御部200での確率変動抽選結果に応じた表示パターンを指定する第4のコマンド(図21参照)を受信すると、ステップS1904で、CPU1020は指定された表示パターンでの表示制御を行う。その一例を図24、図25を参照して説明する。なお、主制御部200は、図21(b)に示すように、第4のコマンドの送信を契機として効果音出力制御用コマンドを出力ポート215を介して効果音発生装置116に送信する。これを受信した効果音発生装置116のCPU2000は、受信した効果音出力制御用コマンドに応じた駆動態様で音声合成LSI2030を駆動制御するので、受信した効果音出力制御用コマンドで指定された効果音出力パターンでの効果音がスピーカー2040から出力される。
CPU1020が表示制御を行う確変抽選結果を示す表示パターンの一例では以下のような表示制御が行われる。図24、図25に示すように、CPU1020は、メインキャラクタ「ゼウス」と、サブキャラクタの一例である「ポセイドン」とを最も広い確率変動抽選結果表示エリア1820内で対戦させるようなアクション演出を行なう。そして、サブキャラクタ「ポセイドン」がこの確率変動抽選結果表示エリア1820内から消滅させられ、メインキャラクタ「ゼウス」が残った場合には「ゼウス」が勝利したとして確変状態となり、これをメッセージにて表示する。なお、この処理中においても、普通図柄表示エリア1810が確保されていて当選結果を表示している。
したがって、この実施形態1によれば、特別図柄、普通図柄、確変図柄を一括して表示制御するCPU1020と、これら図柄が表示制御させることに対する効果音報知演出を行なう効果音発生装置116とを別個に設けたので、周辺装置側での制御系が簡素化され、しかも、CPU1020を周辺装置側に設ければ主制御部200側の制御負担も大幅に低減できる。なお、上述した実施形態では、普通図柄に対する効果音報知演出を行なうように説明してきたが、これを行なうようにしても良いし行なわないようにしても良い。
また、CPU1020が、主制御部200からの表示制御用コマンドを受信し、受信した表示制御用コマンドに応じた表示制御を行ない、CPU2000が、主制御部200からの効果音出力制御用コマンド(報知制御用コマンド)を受信し、受信した効果音出力制御用コマンド(報知制御用コマンド)に応じた効果音出力制御(報知制御)を行なうので(図20の符号A参照)、周辺装置側の制御系が一層体系化されて検査等も行ない易く、主制御部200の制御負担も低減できる。
(第2の実施形態)
この実施形態は、図20の符号Bで示すように、各種抽選結果表示装置100のCPU1020が効果音発生装置116に効果音出力制御用コマンドを送信する点に特徴がある。つまり、図11に示す各種抽選結果表示装置100のCPU1020の動作に効果音出力制御用コマンドの出力処理が追加される。また、図17および図18のような報知演出制御制御用コマンドデータテーブルは各種抽選結果表示装置100のプログラムROM1040が格納している構成となる。
まず、CPU1020は、普通図柄表示制御用コマンドと第1のコマンド(図14の(丸1)参照)を受信しているものとする。ステップS1900において、CPU1020は、受信した第1のコマンドに応答して、LCDパネル1120の横長の表示エリア1121の特別図柄表示エリア1800内において左、右、右の縦3列で図柄のスクロール変動表示を開始するとともに、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内の丸印マーク1811、1812を交互に点滅させるような表示制御を行う。この様子を図23に示す。なお、この際、CPU1020は、出力ポート1300を介して、第1のコマンドの受信の後に効果音出力制御用コマンドを効果音発生装置116に送信する。また、CPU1020は、出力ポート1300を介して、普通図柄表示制御用コマンドの受信の後に効果音出力制御用コマンドを効果音発生装置116に送信する。
このような効果音出力制御用コマンドを受信した効果音発生装置116のCPU2000は、受信した効果音出力制御用コマンドに応じた駆動態様で音声合成LSI2030を駆動制御するので、受信した効果音出力制御用コマンドで指定された効果音出力パターンでの効果音がスピーカー2040から出力される。
次に、ステップS1902において、受信した第3のコマンドに応答して第2のコマンドで指定される特別図柄を停止図柄として表示するが、この場合、表示エリア1121の左上方に位置する、縮小された特別図柄表示エリア1801内に停止特別図柄を表示する(「333」)。この際、CPU1020は、普通図柄表示制御用コマンドも受信しているので、表示エリア1121の右下の普通図柄表示エリア1810内にこのコマンドで指定された当落選結果に応じて、丸印マーク1811または1812を固定点灯させるような表示制御を行う。そして、この普通図柄表示エリア1810はその大きさが最も小さくされていて、表示制御中では常時確保される。
次いで、主制御部200での確率変動抽選結果に応じた表示パターンを指定する第4のコマンド(図21参照)を受信すると、ステップS1904で、CPU1020は指定された表示パターンでの表示制御を行う。その一例は先に図24、25を参照して説明した。なお、CPU1020は、第4のコマンドの受信を契機として効果音出力制御用コマンドを出力ポート1300を介して効果音発生装置116に送信する。これを受信した効果音発生装置116のCPU2000は、受信した効果音出力制御用コマンドに応じた駆動態様で音声合成LSI2030を駆動制御するので、受信した効果音出力制御用コマンドで指定された効果音出力パターンでの効果音がスピーカー2040から出力される。
そして、先にも説明したように、サブキャラクタ「ポセイドン」がこの確率変動抽選結果表示エリア1820内から消滅させられ、メインキャラクタ「ゼウス」が残った場合には「ゼウス」が勝利したとして確変状態となり、これをメッセージにて表示する。なお、この処理中においても、普通図柄表示エリア1810が確保されていて当選結果を表示している。
したがって、この第2の実施形態によれば、CPU1020が、主制御部200からの表示制御用コマンドを受信し、受信した表示制御用コマンドに応じた表示制御を行ない、効果音出力制御用コマンド(報知制御用コマンド)をCPU2000に送信し、CPU2000が、CPU1020から送信されてくる効果音出力制御用コマンド(報知制御用コマンド)を受信し、受信した効果音出力制御用コマンド(報知制御用コマンド)に応じた効果音出力制御(報知制御)を行なうので、両CPU間での制御同期が取り易くなるとともに主制御部200の制御負担を更に軽減可能とする。
(他の実施形態)
次に他の実施形態を説明する。この実施形態は、主制御部200が各種抽選結果表示装置100に送信する表示指令信号であるコマンドを単純化させた点に特徴がある。先ず主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した際に特定遊技状態(大当り状態)が成立するか否か、準特定遊技状態(小当り)が成立するか否か、および、確変となるか否かの乱数抽選を行う。
そして、主制御部200は、この抽選結果を示す情報(例えば3ビットのデータ)をコマンドとして各種抽選結果表示装置100に送信する。このコマンドを受信した各種抽選結果表示装置100は、各種抽選結果に応じた表示制御を行うべく表示パターンを適宜選択する。まず、選択した表示パターンで特別図柄を変動させ、所定時間経過後に抽選結果に応じた特別図柄を停止させる表示制御を特別図柄表示エリア1800内にて行うとともに、普通図柄表示エリア1810内に普通図柄の当落選結果を表示する。そして更に、各種抽選結果表示装置100は、確率変動抽選結果表示エリア1820内に抽選結果に応じた表示パターンでの表示を行なう。つまり、前述したように図19、23〜25に示す表示制御を行う。この場合の効果音発生装置116等への報知演出用コマンドの送信は、主制御部200または各種抽選結果表示装置100のいずれかが担うようにすれば良い。
このように、主制御部200は、各種抽選の当落結果の情報を送信するのみで、各図柄の表示パターン(背景画像、キャラクタ画像の表示パターン等も含む)や停止図柄は主制御部200による抽選の当落結果に反しない限りにおいて、各種抽選結果表示装置100が任意に選択可能となるので、主制御部200の制御負担が軽減する。さらに、コマンドが単純化するのでノイズによる通信エラーも低減させる効果がある。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。例えば、大当り状態の確変抽選に替えてあるいはこれとともに小当り状態の確変抽選を主制御部200が行い、この抽選結果も同一の表示画面内に表示させるようにすること、報知演出を効果音発生装置116以外の他の装置、例えばランプ表示装置110(112)等に行なわせること、また効果音出力制御とランプ点灯制御を併用する等のように2種以上の報知演出を同時に行なうようにすること、等が挙げられる。
この2種以上の報知演出を同時に行なうようにする場合には、例えばCPU1020は出力ポート1300を介して効果音発生装置116とランプ表示装置110(112)のそれぞれに効果音出力制御用コマンド、ランプ点灯制御用コマンドを同時あるいは若干の時間差を設けて送信するようにすれば良い。もちろん、この両者へのコマンド送信は主制御部200が担うようにしても良い。
また、上述してきた実施形態では各種抽選結果を1つの表示装置で表示させるようにしたが、図26に示すように周辺装置側のCPU1020が、特別図柄の表示制御を行うための特別図柄表示用液晶装置2600、普通図柄の表示制御を行なうための普通図柄表示LED2610および確変図柄の表示制御を行うための確変図柄表示EL装置2620を一括して駆動制御することによって、これらの図柄を一括して表示制御するような構成にすること等も考えられる。もちろん、モーターを駆動制御することによってドラムや他の回転体を回転動作させるような機構を用いても良い。
なお、本実施形態では、確率変動図柄をキャラクタの動作態様によりその結果を表示したが、特別図柄のように数字図柄を使用して所定パターンになるか否かの表示を行なっても良い。普通図柄も同様に数字図柄を使用しても良いことは言うまでもない。また、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させる状態を、当りとなる確率を向上させるようにして生成するようにしたが、これ以外に図柄変動時間を通常時よりも短縮させたり、図柄始動記憶数を通常時よりも増加させること、更には準特定遊技状態による開閉部材の開時間を増加させる等によって当りとなる可能性を向上させるようにしても良く、さらにはこれらの組合せを採用しても良い。さらに、特定遊技状態および準特定遊技状態の内の少なくとも一方を生起させる可能性を向上させるか否かを抽選表示する時期はこれに限定されず、特定遊技状態中、特定遊技状態終了後、特定遊技状態の生起とは無関係に行われるようにしても良い。
なお、以上の説明では、遊技機としてパチンコ機を例にとり説明してきたが、パチスロ機はもちろんのこと、表示演出可能な表示部を備える他の遊技機に対しても適用可能であることはいうまでもない。