JP4652606B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの特別図柄が複数の識別図柄を備えて表示され成るように構成された遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機にあっては、大当り抽選に関する結果を表示するに際して同一の特別図柄を使用していた。例えば「0〜9」までの数字図柄と他の複数個のキャラクタ図柄を図柄リールデータとしこれを変動表示させ、大当り抽選結果はこの図柄リールデータのいずれかの図柄を左、中、右図柄として表示するようにしていた。
【発明が解決しようとする課題】
したがって、一種類の特別図柄群を使用して大当り抽選の結果を表示していたため、演出効果に乏しかったり遊技性に欠けていたりした。
【0003】
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、1つの図柄を識別可能な複数の識別図柄で成るようにして演出効果や遊技性を向上するようにした遊技機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、特別図柄始動口に遊技球が入賞することにより抽選を行いこの抽選に応じて複数の図柄それぞれに変動表示を行わせる遊技機において、前記複数の図柄のそれぞれは、1つの表示物変動表示可能な複数種類の識別図柄を含んで構成され、前記抽選が行われると、前記複数の図柄それぞれに対して、前記複数種類の識別図柄の変動表示とその後の停止表示を実行し、前記抽選の結果に応じた態様で停止表示させる表示制御手段を備え、前記表示制御手段は、前記抽選の結果の1つである第1の抽選の結果が外れの場合、前記図柄を前記表示物とともに変動表示させて、前記複数種類の識別図柄のうちの最初に変動表示を開始する第1の識別図柄前記抽選の結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させることにより報知し、前記第1の抽選に続いて前記抽選の結果の1つである第2の抽選の結果の報知を、前記複数の図柄それぞれに対して、前記第1の抽選の結果が外れであることを示す前記第1の識別図柄が表示された前記表示物を前記第1の識別図柄とともに固定表示させながら、前記複数種類の識別図柄のうちの第2の識別図柄変動表示を行わせた後当該第2の識別図柄前記第2の抽選の結果に応じた表示態様で停止表示させることにより実行することを特徴とするようにした。
【0005】
この発明においては、今回の抽選結果を或る識別図柄で表示して次回の抽選結果を他の識別図柄で表示するという処理を、最後の識別図柄での抽選結果が表示されるまで繰り返す。したがって、複数の識別図柄で多段階の抽選に基づく表示演出を行いその結果を表示することができ、演出効果や遊技性を向上することができる。
【0006】
前記表示制御手段は、いずれかの抽選結果が当選を示すものである場合には、この当選結果表示に使用される識別図柄が当選を示す識別図柄を表示して停止した後、前記第1の識別図柄を前記当選を示す表示にして残し、他の識別図柄を消滅させる手段を備えるようにすることができる。また、前記表示制御手段は、いずれかの抽選結果が当選を示すものである場合には、前記複数の図柄それぞれに対して、前記複数種類の識別図柄のうちの、前記抽選の結果が外れであることを示す表示物を表示している識別図柄を当選を示すものである識別図柄に変更して表示させる手段を備えるようにすることができる。
【0007】
なお、このような表示制御は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に表示制御プログラムを記録しておき、コンピュータがこの記録媒体に記録した表示制御プログラムを読み取って実行することによって実現できる。このような記録媒体としては、ROM、半導体IC等の半導体記録媒体、DVDROM、CDROM等の光記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体が挙げられる。また、この表示制御プログラムを通信網を介して情報処理装置からダウンロードするようにしても良い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。先ず制御コマンドを送受信して表示制御を行う遊技機の一般的な構成や動作を説明してから、本発明の主要な動作を説明することによって本発明の理解の容易化を図る。
【0009】
図1は遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアを有していて、各表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタによる図柄で構成される識別情報が変動表示可能である特別図柄表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されていて、この特別図柄始動口104の両側には普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。
【0010】
さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、普通図柄表示装置108、アウト口114がこの順で配設されており、さらに、特別図柄始動口104の両斜め上方にはランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
【0011】
そして、特別図柄始動口104に遊技玉が入賞されて乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおいて少なくとも1つの識別情報の変動表示が開始されその後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる。
【0012】
また、普通図柄作動ゲート102が遊技玉の通過を検出すると、乱数抽選が行われこの抽選された乱数が小当り値である時には、普通図柄表示装置108の表示部を所定パターン(例えば「7」や「3」)に表示させ、その後に、開閉部材120が開状態となって遊技玉が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われこの抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおける変動表示が開始されその後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り状態となる。一方、入賞されない打玉はアウト口114を介して排出される。
【0013】
図2は、このような遊技の進行状況に応じた遊技機制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載していて、後に説明する、特別図柄表示装置100を制御するための各種のコマンドを、少なくとも含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202および一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等の遊技制御プログラムを格納するROM201とワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて、一体型のワンチップマイコンとなっている。主制御部200が所定周期でこの遊技制御プログラムを繰り返して実行することによって遊技動作が行われることになる。
【0014】
主制御部200には、入力ポート210を介して、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技玉の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技玉のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、および、大入賞口106の内部に設けられ遊技玉の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308が接続さされ、主制御部200は各検出信号を受信可能となっている。
【0015】
また、主制御部200には、出力ポート215を介して、特別図柄やキャラクタを表示する表示部を3つ有して夫々を独立して可変表示可能でLCD等で実現される特別図柄表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、例えば7セグメント表示デバイスで実現される普通図柄表示装置108、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、および、大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0016】
そして、主制御部200は、特に特別図柄表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっていて、特別図柄表示装置100は受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。さらに主制御部200から特別図柄表示装置100へコマンドを送信するのみの一方向通信による通信形態を採っている。
【0017】
そして、特別図柄始動口104への遊技球の入賞に応じて図柄表示演出を行なう特別図柄表示装置100、この図柄表示演出と共に効果音発生による音出力演出を行う効果音発生装置116、および、この図柄表示演出と共に図示しない点灯部の点消灯制御を行って点消灯演出を行なうランプ表示装置110(112)が演出用周辺装置群を構成している。
【0018】
また、主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212と所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されていて、さらに、リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
【0019】
さて、図12に示すように、主制御部200から特別図柄表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっており、図6乃至図9は、ROM201に格納されたコマンドデータテーブル領域202上の表示制御用コマンドデータの一部を示している。
【0020】
図6乃至図9に示すように、表示制御用のコマンドには、「特別図柄を変動させるとともに、変動パターンを指定するためのコマンド(第1のコマンド)」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄を停止させるためのコマンド(第3のコマンド)」がある。なお、第1のコマンドには図柄をどのようなパターンで変動表示させるか、キャラクタをどのようなパターンで表示演出させるか等の変動パターンを指定する情報を含んだコマンドとなっている。主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったときこれらの5つのコマンドを1回の変動表示制御において所定のタイミングで特別図柄表示装置100に送信する。
【0021】
図3は、特別図柄表示装置100のブロック構成図である。特別図柄表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120とを有している。
【0022】
図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、および、キャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有していて、キャラクタデータは、特定の圧縮方法で圧縮された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は、色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
【0023】
そして、特別図柄表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
【0024】
また、図5は、コマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなっていて、この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して、特別図柄表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
【0025】
次に、先ず、主制御部200や特別図柄表示装置100のCPU1020が行う通常の制御動作を図10(遊技制御のゼネラルフローチャート)や図11を参照して説明し、その後、本発明の特徴的な表示制御について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は主制御部200がROM201に格納されている図示しない遊技制御プログラムを実行することによって行われる。より具体的には、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行され、この一連の処理が繰り返し実行されるようになっている。
【0026】
先ず、図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
【0027】
ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない、大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
【0028】
次に、ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート210を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
【0029】
次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
【0030】
そして、ステップS180において、普通図柄表示装置108の表示制御に必要なデータをRAM203の所定領域に格納すると共に、特別図柄表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は、遊技制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
【0031】
次に、ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御し、次いで、ステップS220において、図示しない賞球払出装置に払出し動作を行わせるための制御情報を出力するための賞球セット処理を実行し、さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技状態に対応させて効果音発生制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
【0032】
次に、ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、特別図柄表示装置100に対して、先ず、ストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、特別図柄表示装置100には、例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され受信することになる。
【0033】
ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技機制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新等が挙げられる。
【0034】
次に、コマンドを受け取った特別図柄表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行いステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
【0035】
ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
【0036】
次に、ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータを、プログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
【0037】
次に、ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像の表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
【0038】
そして、出力許可フラグが「1」でない場合(No)にはステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す一方、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)にはステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力する。画像処理用LSI1060はこれに応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して画像展開し、画像展開されたデータはビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、特別図柄表示装置100における設定された表示位置において、設定された速度での図柄変動表示や背景画像の表示等が行われる。
【0039】
図13、図14は主制御部200から特別図柄表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、送信コマンドの説明図であり、これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、まず、「図柄変動を開始させるとともに変動パターンを指定するためのコマンドを送信し(▲1▼)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(▲2▼)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(▲3▼)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(▲4▼)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(▲5▼)を送信し、さらに、これらのコマンドを受信した特別図柄表示装置100のCPU1020は、コマンド▲5▼を受信する前に、変動速度変化等の細かな表示制御を行って一連の変動表示制御を行い、変動開始からT時間経過後に変動表示制御を終了する。
【0040】
(本発明の主要部)
図15はキャラクタROM1180に格納される図柄リールデータ1500の説明図であり、実際には左、中、右図柄用の3本の図柄リールデータ1500を格納しておく。図柄リールデータ1500中の1つの特別図柄は、それぞれが別種類の図柄であることが識別可能な3種類の識別図柄で成っている。即ち、1つの特別図柄は封筒を模した表示物である封筒部1501と、その封筒部1501の前面に表示される数字図柄1502(図15の場合は「0」)と、その数字図柄1502の一部に重なるように表示される絵図柄1503と、封筒部1501の中部に存在するような印象を与えるように封筒部1501の上部開封部1501aから1部表出した状態で表示される手紙あるいはカード等の帳票をイメージした帳票図柄1504とを含んで成る。
【0041】
かくして、1つの特別図柄が3つの識別図柄から成っているので3回での大当り抽選が可能となるようにされている。
【0042】
(動作)
図18を参照して動作を説明する。なお、この例では1回目、2回目の抽選結果が外れで最後の3回目の抽選結果が当りとなる場合を想定しているが、1回目や2回目の抽選で大当りとなっても良い。さて、主制御部200から大当り抽選結果を反映させた制御コマンドが送信されると、CPU1020は、LCDパネル1120に図16に示すように左・中・右の3図柄を表示させ、図16の矢印1520から矢印1521方向に各3図柄をそれぞれ変動表示する(図柄変動表示)。これによって3つの識別図柄から成る特別図柄1510が図面上方向から下方向へとスクロール表示される。そして、識別図柄1502での外れ抽選結果を図19のように表示する。この場合には識別図柄1502が「787」とゾロ目にならないので外れとなる。
【0043】
次いで、主制御部200から2回目の大当り抽選結果を反映させた制御コマンドが送信されると、CPU1020は各特別図柄1510の識別図柄1501、1502を固定表示させながら、各特別図柄1510の数字図柄1502の一部に重なるように表示されている各絵図柄1503のみを図17に示すように「LUCKY」、「BAD」、「LUCKY」とそれぞれについて交互に変動表示させる(絵図柄変動演出)。そして、識別図柄1503での外れ抽選結果を図20のように表示する。この場合には識別図柄1503が「LUCKY」でゾロ目にならないので外れとなる。なお、この絵図柄1503の変動は必ずしも3図柄すべてについて行う必要はなく、図19を例にすれば不ぞろいな数字図柄1502を持つ中図柄に表示されている絵図柄1503についてのみ図17に示す変動を行わせても良い。
【0044】
さらに、主制御部200から3回目の大当り抽選結果を反映させた制御コマンドが送信されると、CPU1020は各図柄の識別情図柄1501、1502、1503を固定表示させながら、図21に示すように抽選結果が当りの場合には各識別図柄1501の開封部1501aから当りを示す表示物である例えば「当り」と表記された帳票図柄1504が飛び出るように表示する(封筒部演出)。なお、図示はしないが外れの場合には識別図柄1501から外れを示す表示物、例えば「外れ」と表記された帳票図柄が飛び出るように表示しても良い。
【0045】
そして、図21に示すように表示がなされることにより、大当りが確定したので、CPU1020は、図22に示すように識別図柄1502、1503、1504のうち、数字図柄1502を大当り図柄この場合は「777」に確定させて、この確定させた識別図柄1502のみを残して封筒部1501の開封部1501aも閉じ、これ以外の識別図柄1503、1504を表示画面1121から消滅させる。即ち、CPU1020は「大当り」メッセージ2200を表示画面1121上に表示するとともに各封筒部1501のそれぞれに渡って大当り確定の際の数字図柄「7」を表示して大当り発生を遊技者に把握容易に通知する。
【0046】
ここで大当り確定の際、数字図柄1502のみを残したのは、従来機種の仕様に近づけたためであり、大当り確定の際は数字図柄1502ばかりでなく、絵図柄1503、帳票図柄1504等総ての特別図柄を「7、7、7」、「LUCKY、LUCKY、LUCKY」、「当、当、当」等とそろえた状態で表示させても良い。
【0047】
なお、1回目あるいは2回目の抽選が大当りの場合には即、図22に示すような当り表示を行なうようにしても良い。図示はしないが、この場合にあっても当りを決めた識別図柄以外の識別図柄を表示画面1121から消滅させることができる。
【0048】
このように本発明の実施形態によれば、CPU1020は、今回の抽選結果を或る識別図柄1502で表示して次回の抽選結果を他の識別図柄1503で表示するという処理を、最後の識別図柄1501での抽選結果が表示されるまで繰り返すので、複数の識別図柄で多段階の抽選を行いその結果を表示することができ、演出効果や遊技性を向上することができる。
【0049】
また、CPU1020は、いずれかの抽選結果が当選を示すものである場合には、この当選結果表示に使用される識別図柄を残して他の識別図柄を消滅させることにより、いずれの識別図柄で大当りが決定されたかが把握容易となる。
【0050】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。例えば、1つの特別図柄が4個以上または2個の識別図柄から成るようにして多段階抽選を行うこと、等が挙げられる。
【0051】
なお、以上の説明では、遊技機としてパチンコ機を例にとり説明してきたが、パチスロ機はもちろんのこと、遊技媒体を用いた遊技を行う他の遊技機に対しても適用可能であることはいうまでもない。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の識別図柄で多段階の抽選を行いその結果を表示することができ、演出効果や遊技性を向上することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤10の模式的な説明図である。
【図2】遊技機の制御ブロック図である。
【図3】各種抽選結果表示装置100のブロック構成図である。
【図4】キャラクタROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。
【図5】コマンド送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図7】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図8】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図9】コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。
【図10】遊技機の遊技制御動作を説明するためのゼネラルフローチャートである。
【図11】各種抽選結果表示装置100のCPU1020の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンドのデータ構造の説明図である。
【図13】図柄表示のためのコマンド送信タイミングを示すタイミングチャートである。
【図14】コマンド送信を説明するための説明図である。
【図15】図柄リールデータ1500の説明図である。
【図16】図柄変動演出時の表示例の説明図である。
【図17】絵図柄変動演出の表示例の説明図である。
【図18】動作の説明図である。
【図19】表示例の説明図である。
【図20】表示例の説明図である。
【図21】表示例の説明図である。
【図22】表示例の説明図である。
【符号の説明】
10 遊技盤
100 特別図柄表示装置
102 普通図柄作動ゲート
104 特別図柄始動口
106 大入賞口
110 ランプ表示装置
112 ランプ表示装置
114 アウト口
116 効果音発生装置
120 開閉部材
200 主制御部
201 ROM
202 コマンドデータテーブル領域
203 RAM
210 入力ポート
213 リセット回路
212 電源回路
215 出力ポート
300 始動口作動ソレノイド
302 大入賞口作動ソレノイド
304 特別図柄始動スイッチ
306 普通図柄作動スイッチ
308 大入賞口スイッチ
1020 CPU
1040 プログラムROM
1060 画像処理用LSI
1080 ビデオRAM
1090 RAM
1100 LCDパネル用インターフェイス回路
1120 LCDパネル
1140 データ受信回路
1160 電源回路
1180 キャラクタROM

Claims (3)

  1. 特別図柄始動口に遊技球が入賞することにより抽選を行いこの抽選に応じて複数の図柄それぞれに変動表示を行わせる遊技機において、
    前記複数の図柄のそれぞれは、1つの表示物変動表示可能な複数種類の識別図柄を含んで構成され
    前記抽選が行われると、前記複数の図柄それぞれに対して、前記複数種類の識別図柄の変動表示とその後の停止表示を実行し、前記抽選の結果に応じた態様で停止表示させる表示制御手段を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記抽選の結果の1つである第1の抽選の結果が外れの場合、前記図柄を前記表示物とともに変動表示させて、前記複数種類の識別図柄のうちの最初に変動表示を開始する第1の識別図柄前記抽選の結果が外れであることを示す表示態様で停止表示させることにより報知し、
    前記第1の抽選に続いて前記抽選の結果の1つである第2の抽選の結果の報知を、前記複数の図柄それぞれに対して、前記第1の抽選の結果が外れであることを示す前記第1の識別図柄が表示された前記表示物を前記第1の識別図柄とともに固定表示させながら、前記複数種類の識別図柄のうちの第2の識別図柄変動表示を行わせた後当該第2の識別図柄前記第2の抽選の結果に応じた表示態様で停止表示させることにより実行することを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記表示制御手段は、いずれかの抽選結果が当選を示すものである場合には、この当選結果表示に使用される識別図柄が当選を示す識別図柄を表示して停止した後、前記第1の識別図柄を前記当選を示す表示にして残し、他の識別図柄を消滅させる手段を備えたことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記表示制御手段は、いずれかの抽選結果が当選を示すものである場合には、前記複数の図柄それぞれに対して、前記複数種類の識別図柄のうちの、前記抽選の結果が外れであることを示す表示物を表示している識別図柄を当選を示すものである識別図柄に変更して表示させる手段を備えたことを特徴とする遊技機。
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