JP4160143B2 - 直動アクチュエータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力部材を略一直線方向へ移動させる直動アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のドアロック装置には、ドアを自動的にロックしたり解除したりするために、ロック機構に連結されたレバーなどを一直線方向へ移動させる直動アクチュエータが用いられている。図9〜図12は、車両のドアロック装置の一例(未公知)を示す図で、図9は平面図、図10は図9におけるX−X断面図、図11はドアロック装置の構成部品であるオープンリフトレバー4およびポール3を分解して示す斜視図、図12は他の図に比べて上下反対方向からオープンリフトレバー4およびポール3の近傍部分を示す斜視図である。これらの図において、ドアロックボディ1およびベース2によって構成されるドアロック装置のハウジング内部には、ラッチ6、ポール3、およびオープンリフトレバー4などが収容されている。ラッチ6は、ベース2に固設されたラッチピン7によりハウジング内部に回動自在に支持されている。ポール3は、ラッチ6と同一平面上でベース2に固設されたポールピン5によりハウジング内部に回動自在に支持されている。ポール3は樹脂部3aにより被覆されており、この樹脂部3aには、オープンリフトレバー4を同軸的に枢支する筒状部3dがポールピン5まわりに形成されているとともに、ポール3には更には筒状部3dと同じ方向に突き出す突起部3bが設けられている。ラッチ6およびポール3は互いに係脱自在であって、ラッチ6には、図示はしないが車両ドアの閉操作に伴い車両ボディに固定されたストライカを受け入れるU字状の溝が形成されている。このストライカとラッチ6がU字状の溝を介して係合した際に、スプリング15の付勢力によりポール3の係合部3cとラッチ6とを係合させ、車両ドアを閉鎖状態とする。
【0003】
オープンリフトレバー4は、ポール3の筒状部3dに嵌合される第1孔部4aと、ポール3の突起部3bに嵌合される第2孔部4bと、ポール3の側面に当接する壁部4dと、ドアロックボディ1に形成された第2開口部1cと後述するブラケット20に形成された第1開口部20dを挿通してドアロックボディ1の外側へ突出する第1係合部4cと、ドアロックボディ1に形成された第1開口部1bを挿通してドアロックボディ1の外側へ突出する第2係合部4eとを備えている。このオープンリフトレバー4はポール3と重なるように配設され、ポール3の筒状部3dをオープンリフトレバー4の第1孔部4aに挿入することで、その筒状部3dを介してポールピン5に枢支され、ポール3の突起部3bをオープンリフトレバー4の第2孔部4bに挿通させることにより、ポールピン5を中心としてポール3と一体的にドアロックボディ1に回動自在に支持される。また、オープンリフトレバー4の壁部4dは、ポール3の側面と係合している。なお、突起部3bおよび筒状部3dはポール3に、第1孔部4aおよび第2孔部4bはオープンリフトレバー4にそれぞれ設けられているが、突起部3bおよび筒状部3dをオープンリフトレバー4に、第1孔部4aおよび第2孔部4bをポール3にそれぞれ設けるようにしても良い。
【0004】
ポール3は、スプリング15によりオープンリフトレバー4の壁部4dを介してラッチ6との係合方向に同一平面上の付勢力を常時受ける。このスプリング15は、オープンリフトレバー4の壁部4dに当接するように、ドアロックボディ1に設けられた溝1aに収容されている。ポールピン5は、ドアロックボディ1およびドアロックボディ1に固設されたブラケット20を貫通して配設されており、ドアロック装置のハウジング外部においてロッキングレバー11をカラー16を介して回動自在に支持している。ロッキングレバー11は、施錠または開錠操作によりポールピン5の軸心まわりに回動させられるとともに、その回動範囲は、脚部11cによりブラケット20の壁部20aの端部とストッパ部20bとの間で制限される。脚部11cとブラケット20の壁部20aの端部またはストッパ部20bとが当接した状態に保持するためのターンオーバスプリング19が、ロッキングレバー11とブラケット20との間に配設されている。ロッキングレバー11には突起部11bが形成されており、この突起部11bは、オープンリンク10の長孔10cを挿通してオープンリンク10とロッキングレバー11とを連結している。
【0005】
オープンリンク10は、ブッシュ9の外れ止め部9aによりオープンレバー13に連結されているとともに、ドアロック装置のハウジング外部に突出したオープンリフトレバー4の第1係合部4c、第2係合部4eにそれぞれ係合可能な第1係合部10a、第2係合部10bを有している。オープンレバー13は、オープンレバーピン17によりブラケット20に回動可能に支持され、一端をブラケット20の壁部20aにインサイドオープンレバーピン18により回動可能に支持されたL字形状のインサイドオープンレバー12と係合可能とし、他端をブッシュ9を介してアウトサイドオープンロッド8に連結している。また、一端をブラケット20のフック部20cに係止されたスプリング14が、オープンレバー13のフック部13aに係止されており、オープンレバー13は、このスプリング14の付勢力により常時開操作に伴う回動方向と反対方向へ付勢されている。インサイドオープンレバー12には、車内側からの車両のドアの開操作がブッシュ21を介して伝達され、アウトサイドオープンロッド8には、車外側からの車両のドアの開操作が伝達される。
【0006】
このようなドアロック装置において、車両ドアを開操作する場合、オープンレバー13は、車内側からの開操作を伝達するインサイドオープンと車外側からの開操作を伝達するアウトサイドオープンによるオープンレバーピン17を中心とした図9における左まわりの回動をする2通りの作動があり、これら2通りの作動のうちどちらかが作動すると、オープンレバー13に係合されたオープンリンク10が、図9の左方向へ押されて移動する。ロッキングレバー11が図9のポールピン5を中心として左まわりに付勢されている状態、すなわちターンオーバスプリング19によりロッキングレバー11の脚部11cがブラケット20の壁部20aに当接した状態であるならば、オープンリンク10の移動によりオープンリンク10の第1係合部10aがオープンレバー4の第1係合部4cと係合して、オープンリフトレバー4をポールピン5を中心とした左まわりに回動させる。これにより、オープンリフトレバー4が突起部3bによりポール3と一体的に回動するため、ポール3はラッチ6との係合が解除される方向に回動し、ラッチ6がストライカから離脱して車両ドアの開放を許容する。
【0007】
車両ドアを施錠する場合は、ロッキングレバー11のリンク部11aから施錠操作力が伝達され、図9のポールピン5を中心としたロッキングレバー11が右まわりに回動てしブラケット20のストッパ部20bと当接した状態となる。そして、オープンリンク10がロッキングレバー11の突起部11bとの係合により、オープンレバー13との係合部を中心に回動させられ、オープンリンク10の第1係合部10aとオープンリフトレバー4の第1係合部4cとが係合しなくなり、車両ドアを開操作しようとしても開放できなくなる。
【0008】
また、鍵を使用せずにドアを施錠するため、ドアの閉操作前にロッキングレバー11をポールピン5の中心の右まわりに回動させて、ブラケット20のストッパ部20bと当接した状態すなわち施錠状態にしてドアの閉操作を行う場合がある。その場合、鍵の車両内への閉じ込みを防止するため、車両外側のドアノブを引いた状態、つまりアウトサイドオープンロッド8を作動させた状態にしなければ、ドアの閉操作により、ラッチ6がストライカとの係合によりラッチピン7を中心に回動させられ、それに伴いポール3と一体的に回動するオープンリフトレバー4が図9においてポールピン5を中心に左まわりに回動し、オープンリフトレバー4の第2係合部4eとオープンリンク10の第2係合部10bとが係合して、ロッキングレバー11を開錠状態にする。
【0009】
一方、上記ロッキングレバー11の脚部11cにはポールピン5と平行に連結ピン22が設けられ、図9に二点鎖線で示されているように長手板状のリンク24が、その一端部において連結ピン22まわりの相対回転可能に連結されている。このリンク24は、車室内に配設されたスイッチの操作で作動させられる直動アクチュエータによって図9における左右方向へ略直線的に往復移動させられ、ロッキングレバー11を図9に示す開錠状態と、脚部11cがストッパ部20bに当接する施錠状態とに切り換える。
【0010】
直動アクチュエータとしては、例えば特開平2−96072号公報に記載されているようにウォームおよびウォームホイールを利用したものが知られている。図13は、そのような直動アクチュエータの一例で、(a) に示されているように、リンク24の移動平面と平行な平面内に配設されたウォームホイール26、およびウォームホイール26と噛み合わされたウォーム28と、ウォームホイール26の外周部に立設されてリンク24の係合穴24aと係合させられた係合ピン30とを備えて構成される。そして、ウォーム28が電動モータなどによって正逆両方向へ回転駆動され、ウォームホイール26が軸心Oまわりに所定の角度範囲で往復回動させられることにより、係合ピン30を介してリンク24が所定の移動ストロークDだけ直線移動させられる。
【0011】
図13の(a) は、リンク24が開錠側の移動端に保持され、且つウォームホイール26が原位置に保持された状態であり、その状態からウォームホイール26が矢印で示すように左まわりに回動させられると、同図の(b) に示すように係合ピン30と係合穴24aとの係合によってリンク24が施錠側の移動端まで直線移動させられる。これにより、前記ロッキングレバー11が図9の右まわりに回動させられて施錠状態とされる。その後、ウォームホイール26は(b) において係合ピン30が点線で示されている原位置まで戻り回動させられるが、係合穴24aは、移動ストロークD分の遊びを有する状態で係合ピン30と係合させられるようになっており、リンク24は施錠側の移動端に保持されたままである。また、そのような施錠状態においてウォームホイール26が原位置から右まわりに回動させられると、同図の(c) に示すように係合ピン30と係合穴24aとの係合によってリンク24が開錠側の移動端まで直線移動させられる。これにより、前記ロッキングレバー11が図9の左まわりに回動させられて開錠状態とされる。この場合も、ウォームホイール26は(c) において係合ピン30が点線で示されている原位置まで戻り回動させられるが、リンク24は開錠側の移動端に保持されたままである。なお、このようにウォームホイール26が原位置へ戻されることにより、手動操作で施錠または開錠される際にウォームホイール26を回転させる必要がなく、容易に操作できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の直動アクチュエータは、リンク24と係合させられる係合ピン30が軸心Oまわりに回動させられるため、例えばリンク24の幅寸法が制限されている場合など配設条件や作動条件によっては、リンク24が揺動するようになったり、充分な移動ストロークを確保できなかったり、ウォームホイール26の径寸法が大きくなったりするなど、機能や配設スペース等の点で必ずしも充分に満足できない場合があった。
【0013】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、比較的小さな配設スペースでリンク等の出力部材を大きな移動ストロークで直線移動させることができる新たな機構の直動アクチュエータを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、出力部材を略一直線方向へ移動させる直動アクチュエータであって、(a) 前記出力部材の一部が外部に突き出す状態で、その出力部材を前記一直線方向の移動可能に保持するケースと、(b) 前記一直線と直交する一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に内歯が設けられ、前記ケース内に位置固定に設けられた内歯車と、(c) 前記内歯車の1/2の径寸法を有するとともに、前記一中心線まわりに公転可能且つ自身の軸心まわりに自転可能に前記ケース内に配設されて、前記内歯車と噛み合わされた遊星歯車と、(d) その遊星歯車のピッチ円上に一体的に設けられ、その遊星歯車の公転に伴って前記一中心線と直交する所定の方向へ直線移動させられるとともに、前記出力部材と係合させられてその出力部材を前記一直線方向へ移動させる係合部材と、(e) 前記ケース内に配設されて前記遊星歯車を前記一中心線まわりに公転させる駆動手段とを有し、且つ、 (f) その駆動手段は、 (f-1) 前記一中心線まわりの回転可能に配設されるとともにその一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に外歯が設けられており、且つ前記遊星歯車が軸心まわりの回転可能に配設されたウォームホイールと、 (f-2) そのウォームホイールと噛み合わされたウォームと、 (f-3) のウォームを回転駆動する電動モータとを有して構成されている一方、 (g) 前記内歯車は有底円筒形状を成すもので、その円筒部分の内周面に前記内歯が設けられているものであり、 (h) 前記遊星歯車に一体的に設けられる前記係合部材は、前記内歯車の有底円筒形状の底部と反対側である開口側に配設されて前記出力部材と係合させられるようになっており、 (i) 前記ウォームホイールは、前記ケースに位置固定に配設される前記内歯車の有底円筒形状の底部とそのケースとの間に配設され、その底部とそのケースとに跨がって配設された支持軸により前記一中心線まわりの回転可能に支持されているとともに、前記遊星歯車をその一中心線まわりに180°以下の所定の角度範囲で公転させるものであり、 (j) 前記遊星歯車は、前記内歯車の有底円筒形状の底部に前記一中心線を中心とする円弧形状に形成された切欠を挿通して前記ウォームホイールに立設された連結軸を介してそのウォームホイールに配設され、前記一中心線まわりに公転させられるようになっていることを特徴とする。
【0015】
第2発明は、出力部材を略一直線方向へ移動させる直動アクチュエータであって、 (a) 前記出力部材の一部が外部に突き出す状態で、その出力部材を前記一直線方向の移動可能に保持するケースと、 (b) 前記一直線と直交する一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に内歯が設けられ、前記ケース内に位置固定に設けられた内歯車と、 (c) 前記内歯車の1/2の径寸法を有するとともに、前記一中心線まわりに公転可能且つ自身の軸心まわりに自転可能に前記ケース内に配設されて、前記内歯車と噛み合わされた遊星歯車と、 (d) その遊星歯車のピッチ円上に一体的に設けられ、その遊星歯車の公転に伴って前記一中心線と直交する所定の方向へ直線移動させられるとともに、前記出力部材と係合させられてその出力部材を前記一直線方向へ移動させる係合部材と、 (e) 前記ケース内に配設されて前記遊星歯車を前記一中心線まわりに公転させる駆動手段とを有し、且つ、 (f) その駆動手段は、前記係合部材が前記一中心線上に位置する状態を前記遊星歯車の原位置として、その遊星歯車をその原位置からその一中心線まわりの正逆両方向へそれぞれ90°以下の所定の角度範囲で公転させるもので、公転させられたその遊星歯車をその原位置へばね力で機械的に復帰させる原位置復帰機構を備えており、 (g) 前記出力部材は、前記遊星歯車が前記原位置から一方の公転端まで公転させられることによる前記係合部材の前記一直線方向の移動ストロークに相当する寸法の遊びを有する状態でその係合部材と係合させられるようになっていることを特徴とする。
第3発明は、第2発明の直動アクチュエータにおいて、前記駆動手段は、(a) 前記一中心線まわりの回転可能に配設されるとともにその一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に外歯が設けられており、且つ前記遊星歯車が軸心まわりの回転可能に配設されたウォームホイールと、(b) そのウォームホイールと噛み合わされたウォームと、(c) そのウォームを回転駆動する電動モータとを有して構成されていることを特徴とする。
【0016】
発明は、第発明の直動アクチュエータにおいて、(a) 前記内歯車は有底円筒形状を成すもので、その円筒部分の内周面に前記内歯が設けられているものであり、(b) 前記遊星歯車に一体的に設けられる前記係合部材は、前記内歯車の有底円筒形状の底部と反対側である開口側に配設されて前記出力部材と係合させられるようになっており、(c) 前記ウォームホイールは、前記ケースに位置固定に配設される前記内歯車の有底円筒形状の底部とそのケースとの間に配設され、その底部とケースとに跨がって配設された支持軸により前記一中心線まわりの回転可能に支持されているとともに、前記遊星歯車をその一中心線まわりに180°以下の所定の角度範囲で公転させるものであり、(d) 前記遊星歯車は、前記内歯車の有底円筒形状の底部に前記一中心線を中心とする円弧形状に形成された切欠を挿通して前記ウォームホイールに立設された連結軸を介してそのウォームホイールに配設され、前記一中心線まわりに公転させられるようになっていることを特徴とする。
【0018】
第5発明は、第2発明または第3発明の直動アクチュエータにおいて、前記内歯車は、可撓性を有する材料にて構成された多数の噛合歯を有する直線状の歯車部材が円弧形状に湾曲させられて前記ケースに一体的に固設されたものであることを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】
すなわち、本発明の直動アクチュエータはハイポサイクロイド機構を利用したもので、内歯車の1/2の径寸法の遊星歯車をその内歯車と噛み合わせて公転させると、その遊星歯車のピッチ円上に設けられた係合部材は内歯車の中心である一中心線と直交する方向へ、内歯車の直径寸法を最大ストロークとして直線移動させられるため、その係合部材によって出力部材を直線移動させるようにしたのである。したがって、出力部材の移動方向である一直線方向と係合部材の移動方向とを一致させれば、狭いスペースで効率良く出力部材を直線移動させることができるとともに、最大で内歯車の直径寸法と同じストロークだけ出力部材を移動させることができるなど、配設スペースや機能などにおいてウォームホイールに直接係合部材を配設していた従来の直動アクチュエータでは得られない特有な作用効果が得られる。
【0020】
また、第1発明では、駆動手段がウォームホイール、ウォーム、および電動モータを含んで構成されており、それ等は前記一中心線と直角な比較的平坦な平面内に配設されるとともに、その配設平面は前記内歯車の配設平面や出力部材の移動平面と平行であるため、アクチュエータ全体として一中心線方向の寸法が小さい平坦でコンパクトな構成となる。これにより、例えば車両のドアなど幅寸法が狭い場所にも好適に配置できる。第3発明も同様の作用効果が得られる。
【0021】
第1発明では更に、有底円筒形状の内歯車が用いられ、その底部とケースとの間にウォームホイールが配設されるとともに、そのウォームホイールは底部とケースとに跨がって配設された支持軸によって回転可能に支持されるため、片持ち状の支持軸に比較して簡単な構造で高い剛性が得られるとともに、ウォームホイールやそのウォームホイールに配設される遊星歯車の作動が安定する。すなわち、本発明の直動アクチュエータは、ウォームホイールの回転中心が一中心線と一致し、且つその一中心線と直交するように係合部材や出力部材が移動させられるため、ウォームホイールの支持軸をウォームホイールの両側でケースによって支持することが困難なのであり、内歯車を有底円筒形状とするとともに底部に切欠を形成して連結軸を挿通させることにより、支持軸を両端で支持できるようになるのである。なお、底部を別体に構成してケースに固定したり、底部に相当する部分を隔壁として予めケースに一体に設けたりすることも可能であるが、部品点数が多くなったり組付作業が面倒になったりする。第4発明も同様の作用効果が得られる。
【0022】
一方、第2発明の直動アクチュエータは、前記車両のドアロック装置に好適に用いられるもので、遊星歯車は係合部材が一中心線上に位置する原位置へ復帰させられるとともに、出力部材と係合部材との間には所定の遊びが設けられているため、手動操作でドアロック装置をロック(施錠)したりそのロックを解除(開錠)したりする際に、係合部材や遊星歯車などを移動させる必要がなく、その操作を容易に行うことができる。また、遊星歯車は、原位置復帰機構によりばね力で機械的に原位置へ復帰させられるため、例えば電動モータなどで遊星歯車を公転させて原位置へ戻す場合に比較し、誤差の蓄積などで原位置がずれる恐れがない。なお、このような直動アクチュエータは、車両のドアロック装置に限定されず、住宅用のドアロック装置など種々の分野で使用され得る。
【0023】
第5発明では、可撓性を有する材料にて構成された多数の噛合歯を有する直線状の歯車部材が円弧形状に湾曲させられてケースに一体的に固設されることによって内歯車が構成されているため、内歯車の製造が容易で安価に構成される。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の直動アクチュエータは、車両や住宅などのドアロック装置を電気的にロックしたりそのロックを解除したりする機構に好適に用いられるが、直線移動させる他の種々の動力源として用いることが可能である。第1発明の実施に際しては、遊星歯車は必ずしも機械的に原位置へ復帰させる必要はないし、係合部材と出力部材との間に遊びを設けることも要件ではない。
【0025】
直動アクチュエータは、駆動手段によって出力部材を往復移動させるものでも良いが、移動ストロークの一端である原位置から他端まで駆動手段によって移動させるだけで、原位置への復帰は外力によって行われるようになっていても良い。移動ストロークの中間位置を原位置とし、その両側へ駆動手段によって移動させるとともに、外力によって原位置まで戻されるようにしても良いなど、種々の態様を採用できる。
【0026】
遊星歯車の公転に伴う係合部材の移動方向は、出力部材の移動方向である一直線方向と一致させることが望ましいが、遊星歯車の内歯車に対する噛合位相を変化させることにより両者の移動方向を積極的に相違させて、係合部材の移動ストローク(遊星歯車の公転角度範囲)を変更することなく出力部材の移動ストロークを変更することもできる。その場合は、出力部材に一直線方向と直角な方向に延びる係合部を設けて係合部材と係合させる必要がある。但し、出力部材の移動方向を例えば一直線方向と一致させたまま、係合部材の移動ストローク(遊星歯車の公転角度範囲)を変更して出力部材の移動ストロークを変更しても良いことは勿論である。
【0027】
遊星歯車を一中心線まわりに連続回転させて出力部材を連続的に往復移動させることもできるが、遊星歯車を一中心線まわりにおいて例えば180°以下など所定の公転角度範囲で往復回動させ、出力部材を直線往復移動させるようにしても良い。遊星歯車の公転角度範囲が360°より小さい場合、内歯車や第発明、第3発明のウォームホイールは必ずしも完全な円筒形状や円板形状である必要はなく、一部が欠けた部分円筒形状や部分円板形状などであっても良い。その場合は、第5発明のように、例えばナイロン樹脂などの可撓性を有する材料にて直線状の歯車部材(ラック状のもの)を成形し、円弧形状に湾曲させて各歯車を構成することもできる。
【0028】
係合部材は、一中心線と平行な円柱形状の係合ピンにて構成することが望ましく、その場合は遊星歯車の自転に伴う回転に拘らず係合部材の姿勢が一定であるため、出力部材が滑らかに移動させられる。係合部材の移動方向が出力部材の移動方向である一直線方向であれば、係合ピンと係合部材とは1点で係合させられることになり、出力部材の移動が更に滑らかになる。係合部材として、軸心まわりの回転可能に一中心線と平行な姿勢で遊星歯車に配設された円柱形状のローラなどを用いることもできる。
【0029】
駆動手段は、例えば第発明、第3発明ではウォームホイールやウォーム、電動モータを含んで構成されるが、第2発明の実施に際しては、他の歯車機構を用いて電動モータなどで回転駆動したり、リンク機構およびシリンダなどで所定の角度範囲で回転駆動したりするものなど、種々の態様を採用できる。
【0030】
発明、第4発明では有底円筒形状の内歯車が用いられているが、他の発明の実施に際しては底部を別体に構成してケースに固定するようにしたり、底部に相当する部分を隔壁として予めケースに一体に設けたりすることも可能である。ケースに一体に設ける場合、支持軸やウォームホイールをケース内に組み付けるために、それ等の両側でケースを分割することが望ましい。ケースは、必ずしも構成部品の総てを覆蓋するものである必要はなく、構成部品の一部が外部に露出していても良い。
【0031】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例では、車両のドアロック装置を電気的にロックしたりそのロックを解除したりする機構に用いられる直動アクチュエータ50について説明する。
【0032】
図1は、直動アクチュエータ50の構成部材を分解して示す斜視図で、図2は縦断面図、図3は図2における III− III断面図であり、第1ケース部材52および第2ケース部材54によってケースが構成され、前記リンク24として用いられる出力部材56を備えている。出力部材56は、リンク24と同様に長手板形状を成し、前記係合穴24aと同様な長方形の係合穴56aを有するとともに、一端部には前記ロッキングレバー11に連結される連結穴56bが形成されており、その一端部がケースから外部に突き出す状態で長手方向である一直線方向の移動可能にケースに配設されている。第1ケース部材52および第2ケース部材54は、何れも偏平な容器形状を成しており、その開口周縁部が互いに突き合わされることによって、偏平なケースを構成するようになっており、前記出力部材56は、偏平なケースと略平行に配設され、第2ケース部材54に設けられた開口部54aから一端部が外部に突き出している。
【0033】
上記ケース内には、一中心線Sを中心として円筒形状の第1収容空間58が設けられ、第1ケース部材52側から、捩りコイルスプリング60、ウォームホイール62、有底円筒形状の内歯車64が一中心線Sと同心に配設されている。ウォームホイール62は全周に噛合歯が設けられているとともに、下方へ突き出して設けられた円柱形状の着座部62aが第1ケース部材52の底部52aに接する状態で、一中心線S上に配設された支持軸66によりその一中心線Sまわりの回転可能に支持されている。図3から明らかなように、着座部62aには外周側へ突き出す係合突部62bが設けられているとともに、その係合突部62bの外周側には、一中心線Sまわりにおいて係合突部62bと略同じ角度範囲に位置決め突部52bが第1ケース部材52に一体に設けられており、その外側に前記捩りコイルスプリング60が一中心線Sと同心に配設されている。捩りコイルスプリング60は、その一端60aおよび他端60bが前記係合突部62bおよび位置決め突部52bの一端および他端に係止され、常には一中心線Sまわりにおいて係合突部62bが位置決め突部52bと一致する基準位置にウォームホイール62を位置決めする。これ等の係合突部62b、位置決め突部52b、および捩りコイルスプリング60によって原位置復帰機構68が構成されている。
【0034】
内歯車64は、一中心線Sと同心になるように前記第1ケース部材52に圧入や接着剤等により位置固定に配設されており、その内歯車64の底部64aと第1ケース部材52の底部52aとの間に配設された前記ウォームホイール62を回転可能に支持している支持軸66の両端は、これ等の底部64aおよび52aに圧入や接着剤等によって固定されている。内歯車64は全周に噛合歯が設けられており、その噛合歯には、内歯車64の1/2の径寸法の遊星歯車70が噛み合わされている。遊星歯車70は、ウォームホイール62に一中心線Sと平行に一体的に立設された連結軸72によって軸心まわりの回転可能に支持されているとともに、そのウォームホイール62が前記基準位置から一中心線Sまわりに正逆両方向へそれぞれ略90°回転させられることにより、一中心線Sまわりにおいて計180°の角度範囲で公転させられる。連結軸72は、ウォームホイール62が基準位置に保持された状態で、図4の(a) に示すように一中心線Sまわりにおいて出力部材56の移動方向である一直線方向Aから90°回転した位置に設けられており、内歯車64の底部64aには、この時の連結軸72の回転を許容するように一中心線Sを中心として円弧形状の切欠64bが設けられている。
【0035】
遊星歯車70には、内歯車64の底部64a側と反対側の端部に、前記出力部材56の係合穴56aと係合させられる係合部70aが一体に設けられている。係合部70aは係合部材に相当するもので一中心線Sと平行な平坦な円柱形状を成しており、遊星歯車70のピッチ円上の任意の1箇所に設けられていて、遊星歯車70が一中心線Sまわりに公転されつつ軸心まわりに自転させられることにより、一中心線Sと交差する方向へ直線移動させられる。本実施例では、この係合部70aの移動方向が一直線方向Aと一致するように、ウォームホイール62が基準位置に保持された状態、言い換えれば図4の(a) に示すように連結軸72が一中心線Sまわりにおいて一直線方向Aから90°回転した位置とされている状態において、係合部70aが一中心線Sと同心となるように、遊星歯車70の内歯車64に対する噛合位相が設定されている。この状態が遊星歯車70の原位置であり、この状態から連結軸72が一中心線Sまわりに正逆両方向へ90°公転させられると、係合部70aは、一直線方向Aの両方向へそれぞれ内歯車64の半径寸法だけ直線移動させられる。内歯車64の半径は、出力部材56の移動ストローク、すなわち前記リンク24の移動ストロークDと略同じ寸法に設定されている。
【0036】
第1ケース部材52にはまた、ウォームホイール62と噛み合うウォーム74、およびそのウォーム74を回転駆動する電動モータ76を収容する各収容空間78、80が設けられており、それ等のウォーム74および電動モータ76をウォームホイール62と略同じ平面上で保持するようになっている。電動モータ76には、車両のドア等に配設されたドアロック装置のスイッチが操作されることにより、図示しない電気ケーブルを介して電気が通電され、ウォーム74を介してウォームホイール62を正逆両方向へそれぞれ90°ずつ回転させるようになっている。これ等のウォームホイール62、ウォーム74、および電動モータ76を含んで、遊星歯車70を一中心線Sまわりに公転させる駆動手段82が構成されている。
【0037】
図4は、出力部材56が開錠側(直動アクチュエータ50としては突き出し側)の移動端に保持され、且つ遊星歯車70が原位置に保持された状態で、ドアロック装置をロック(施錠)すべきスイッチ操作が為された場合の作動を説明する図で、電動モータ76によってウォームホイール62が図4において一中心線Sの右まわりに90°回動させられることにより、遊星歯車70は図4の(a) から(b) 、(c) のように公転しつつ自転させられ、係合部70aは一直線方向Aにおいて図4の下方側へ内歯車64の半径寸法分、すなわち移動ストロークDだけ直線移動させられる。これにより、出力部材56も移動ストロークDだけ下方(直動アクチュエータ50としては引き込み側)へ直線移動させられ、前記ロッキングレバー11が図9の右まわりに回動させられて施錠状態とされる。その後、電動モータ76への通電が停止すると、ウォームホイール62は前記原位置復帰機構68の捩りコイルスプリング60の付勢力によりウォーム74更には電動モータ76を回転させつつ基準位置まで戻り回転させられ、遊星歯車70が図4の(d) に示すように原位置へ戻される。出力部材56の係合穴56aは、移動ストロークDに係合部70aの直径寸法を加算した寸法の長さ寸法を有しており、遊星歯車70の戻り回転に拘らず施錠側の移動端に保持される。
【0038】
また、図5は、出力部材56が施錠側(直動アクチュエータ50としては引き込み側)の移動端に保持され、且つ遊星歯車70が原位置に保持された状態で、ドアロック装置のロックを解除(開錠)すべきスイッチ操作が為された場合の作動を説明する図で、電動モータ76によってウォームホイール62が図5において一中心線Sの左まわりに90°回動させられることにより、遊星歯車70は図5の(a) から(b) 、(c) のように公転しつつ自転させられ、係合部70aは一直線方向Aにおいて図5の上方側へ内歯車64の半径寸法分、すなわち移動ストロークDだけ直線移動させられる。これにより、出力部材56も移動ストロークDだけ上方(直動アクチュエータ50としては突き出し側)へ直線移動させられ、前記ロッキングレバー11が図9の左まわりに回動させられて開錠状態とされる。その後、電動モータ76への通電が停止すると、ウォームホイール62は前記原位置復帰機構68の捩りコイルスプリング60の付勢力によりウォーム74更には電動モータ76を回転させつつ基準位置まで戻り回転させられ、遊星歯車70が図5の(d) に示すように原位置へ戻される。この遊星歯車70の戻り回転に拘らず出力部材56は開錠側の移動端に保持される。
【0039】
このような本実施例の直動アクチュエータ50によれば、出力部材56の移動方向である一直線方向Aと係合部70aの移動方向とが一致しているため、狭いスペースで効率良く出力部材56を直線移動させることができるとともに、係合部70aは内歯車64の直径寸法と同じストロークだけ直線移動させられるなど、配設スペースや機能などにおいてウォームホイールに直接係合部材を配設していた従来の直動アクチュエータでは得られない特有な作用効果が得られる。特に、係合部70aは一中心線Sと平行な円柱形状を成しているため、遊星歯車70の自転に伴う回転に拘らず姿勢が一定であり、且つ係合穴56aに対する接触位置が1点であるため、出力部材56が係合部70aと共に滑らかに移動させられる。
【0040】
また、本実施例では駆動手段82がウォームホイール62、ウォーム74、および電動モータ76を含んで構成されており、それ等は一中心線Sと直角な比較的平坦な平面内に配設されているとともに、その配設平面は内歯車64の配設平面や出力部材56の移動平面と平行であるため、直動アクチュエータ50が全体として一中心線S方向の寸法が小さい平坦でコンパクトな構成となる。これにより、幅寸法が狭い車両のドア内に好適に配置できる。
【0041】
また、ウォームホイール62は、第1ケース部材52の底部52aと、その第1ケース部材52に位置固定に配設される内歯車64の底部64aとの間に配設され、そのウォームホイール62を回転可能に支持している支持軸66は、ウォームホイール62の両側においてそれ等の底部64aおよび52aに固定されているため、片持ち状の支持軸に比較して簡単な構造で高い剛性が得られるとともに、ウォームホイール62やそのウォームホイール62に配設される遊星歯車70の作動が安定する。すなわち、本実施例の直動アクチュエータ50は、ウォームホイール62の回転中心が一中心線Sと一致し、且つその一中心線Sと直交するように係合部70aや出力部材56が移動させられるため、ウォームホイール62の支持軸66をウォームホイール62の両側でケースによって支持することが困難なのであり、内歯車64を有底円筒形状とするとともに底部64aに切欠64bを形成して連結軸72を挿通させることにより、支持軸66を両端で支持できるようになるのである。なお、底部64aを別体に構成して第1ケース部材52に固定したり、底部64aに相当する部分を隔壁として予め第1ケース部材52に一体に設けたりすることも可能であるが、部品点数が多くなったり組付作業が面倒になったりする。
【0042】
また、遊星歯車70は係合部70aが一中心線S上に位置する原位置へ復帰させられるとともに、出力部材56と係合部70aとの間には移動ストロークDと略等しい遊びが設けられているため、ドアロック装置が開錠状態時に手動操作でロック(施錠)したり、施錠状態時に手動操作でロックを解除(開錠)したりする際に、係合部70aや遊星歯車70などを移動させる必要がなく、その操作を容易に行うことができる。また、遊星歯車70は、原位置復帰機構68の捩りコイルスプリング60によって機械的に原位置へ復帰させられるため、例えば電動モータ76によりウォームホイール62を回転駆動して遊星歯車70を原位置へ戻す場合に比較し、誤差の蓄積などで原位置がずれる恐れがない。
【0043】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例で前記実施例と実質的に共通する部分には、共通の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0044】
図6の直動アクチュエータ90は、前記直動アクチュエータ50に比較して、内歯車96がウォームホイール62の下側すなわち第1ケース部材52の底部52a側に配設されている場合で、ウォームホイール62には、円筒形状の内歯車96の内側を通過する挿通部62cが設けられており、前記着座部62aおよび係合突部62bはその挿通部62cの下に設けられているとともに、挿通部62cには、内歯車96と噛み合わされる遊星歯車94を軸心まわりの回転可能に収容する収容空間が設けられている。このウォームホイール62は、その外周部において第1ケース部材52により一中心線Sまわりの回転可能にガイドされるとともに、例えば第1ケース部材52の底部52aに立設される図示しない支持軸が着座部62aに設けられた支持穴に嵌合されるか、着座部62aから下方へ突設される支持部が底部52aに形成された支持穴内に嵌合されることにより、一中心線Sまわりの回転可能に支持されるようになっている。
【0045】
ウォームホイール62の上側には、前記係合部70aと同様な係合部92aを有する転動部材92が配設されている。転動部材92には、一中心線Sと平行となるように下方へ連結ピン92bが一体に突設されており、ウォームホイール62に設けられた挿通穴62e内を軸心まわりの回転可能に挿通させられ、遊星歯車94に圧入や接着剤などにより一体的に固設されている。この連結ピン92bの遊星歯車94に対する固設位相は、遊星歯車94が一中心線Sまわりにおいて一直線方向Aから90°回転した基準位置に保持されている状態で、係合部92aが一中心線S上に位置するように設定されている。これにより、遊星歯車94は、ウォームホイール62の回転に伴って一中心線Sまわりに公転しつつ自転させられ、係合部92aは前記係合部70aと同様に一中心線Sと直交するように一直線方向Aへ直線移動させられ、係合穴56aがその係合部92aと係合させられた出力部材56が前記実施例と同様に一直線方向Aへ直線移動させられる。
【0046】
このような直動アクチュエータ90においても、ウォームホイール62が片持ち状に支持されることを除いて、前記実施例と同様の作用効果が得られる。
【0047】
一方、前記直動アクチュエータ50は、係合部70aの移動方向が一直線方向Aと一致させられていたが、遊星歯車70の内歯車64に対する噛合位相を例えば図7の(a) 、(b) に示すように適宜変更することにより、出力部材の移動ストロークを変更することが可能である。図7の(a) は、連結軸72が一中心線Sまわりにおいて一直線方向Aから60°回転した位置とされている状態において、係合部70aが一中心線Sと同心となるように、遊星歯車70の内歯車64に対する噛合位相を設定した場合で、係合部70aは矢印で示すように一直線方向Aから30°傾斜した方向へ直線移動させられるため、一直線方向Aの全移動ストロークD60は2D sin60°となる。また、図7の(b) は、連結軸72が一中心線Sまわりにおいて一直線方向Aから30°回転した位置とされている状態において、係合部70aが一中心線Sと同心となるように、遊星歯車70の内歯車64に対する噛合位相を設定した場合で、係合部70aは矢印で示すように一直線方向Aから60°傾斜した方向へ直線移動させられるため、一直線方向Aの全移動ストロークD30は2D sin30°となる。
【0048】
ここで、このように遊星歯車70の内歯車64に対する噛合位相を適宜変更して移動ストロークを変更できるようにした場合は、係合部70aに対して一直線方向Aの遊びを設けることなく出力部材を係合させるか、係合部70aと係合する係合穴の大きさが異なる複数種類の出力部材を用意する必要がある。また、係合部70aは一直線方向Aから傾斜した方向へ移動するため、係合穴は、一直線方向Aに対して直角な方向に所定の幅寸法を有するように設ける必要がある。更に、一中心線Sまわりにおける連結軸72の位置が変更されるため、ウォームホイール62の基準位置が変化し、前記原位置復帰機構68による原位置への自動復帰は不可能となり、必要であれば電動モータ76によって電気的に制御することになる。遊星歯車70の内歯車64に対する噛合位相を適宜変更して移動ストロークを変更できるようにする場合は、原位置復帰機構68を省略することが望ましい。なお、図6の直動アクチュエータ90についても、遊星歯車94に対する転動部材92の組付位相を変更することにより、一直線方向Aの移動ストロークを変更することが可能である。
【0049】
また、図6の直動アクチュエータ90における内歯車96は円筒形状を成しているが、実際に遊星歯車94が噛合い回転させられる角度範囲は180°であるため、例えばナイロン樹脂などの可撓性を有する材料にて図8の(a) に示すように多数の噛合歯100aを有する直線状の歯車部材(ラック状のもの)100を成形し、(b) に示すように第1ケース部材52に設けられた円弧形状の収容穴102内に円弧形状に湾曲させて接着剤などにより位置固定に配設することにより、内歯車として使用するようにしても良い。このようにすれば、内歯車の製造が容易になって安価に構成される。
【0050】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である直動アクチュエータを分解して示す斜視図である。
【図2】図1の直動アクチュエータの縦断面図である。
【図3】図2における III− III断面図である。
【図4】図1の直動アクチュエータにおける出力部材の引き込み動作を説明する図である。
【図5】図1の直動アクチュエータにおける出力部材の突き出し動作を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施例の直動アクチュエータを分解して示す斜視図である。
【図7】図1の直動アクチュエータにおいて、遊星歯車の内歯車に対する噛合位相を変更して一直線方向Aの移動ストロークを変更する際の作動を説明する図である。
【図8】内歯車として用いられる歯車部材の一例を説明する図である。
【図9】本発明の直動アクチュエータが好適に用いられる車両のドアロック装置の要部を示す図である。
【図10】図9におけるX−X断面図である。
【図11】図9のドアロック装置のポールおよびオープンリフトレバーを示す斜視図である。
【図12】図11のポールおよびオープンリフトレバーの組付部分を示す斜視図である。
【図13】従来の直動アクチュエータの作動原理を説明する図である。
【符号の説明】
50、90:直動アクチュエータ
52:第1ケース部材(ケース)
54:第2ケース部材(ケース)
56:出力部材
62:ウォームホイール
64、96:内歯車
64b:切欠
66:支持軸
68:原位置復帰機構
70、94:遊星歯車
70a:係合部(係合部材)
72:連結軸
74:ウォーム
76:電動モータ
82:駆動手段
92a:係合部(係合部材)
100:歯車部材(内歯車)
S:一中心線
A:一直線方向

Claims (5)

  1. 出力部材を略一直線方向へ移動させる直動アクチュエータであって、
    前記出力部材の一部が外部に突き出す状態で、該出力部材を前記一直線方向の移動可能に保持するケースと、
    前記一直線と直交する一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に内歯が設けられ、前記ケース内に位置固定に設けられた内歯車と、
    前記内歯車の1/2の径寸法を有するとともに、前記一中心線まわりに公転可能且つ自身の軸心まわりに自転可能に前記ケース内に配設されて、前記内歯車と噛み合わされた遊星歯車と、
    該遊星歯車のピッチ円上に一体的に設けられ、該遊星歯車の公転に伴って前記一中心線と直交する所定の方向へ直線移動させられるとともに、前記出力部材と係合させられて該出力部材を前記一直線方向へ移動させる係合部材と、
    前記ケース内に配設されて前記遊星歯車を前記一中心線まわりに公転させる駆動手段と
    を有し、且つ、該駆動手段は、
    前記一中心線まわりの回転可能に配設されるとともに該一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に外歯が設けられており、且つ前記遊星歯車が軸心まわりの回転可能に配設されたウォームホイールと、
    該ウォームホイールと噛み合わされたウォームと、
    該ウォームを回転駆動する電動モータとを有して構成されている一方、
    前記内歯車は有底円筒形状を成すもので、その円筒部分の内周面に前記内歯が設けられているものであり、
    前記遊星歯車に一体的に設けられる前記係合部材は、前記内歯車の有底円筒形状の底部と反対側である開口側に配設されて前記出力部材と係合させられるようになっており、
    前記ウォームホイールは、前記ケースに位置固定に配設される前記内歯車の有底円筒形状の底部と該ケースとの間に配設され、該底部と該ケースとに跨がって配設された支持軸により前記一中心線まわりの回転可能に支持されているとともに、前記遊星歯車を該一中心線まわりに180°以下の所定の角度範囲で公転させるものであり、
    前記遊星歯車は、前記内歯車の有底円筒形状の底部に前記一中心線を中心とする円弧形状に形成された切欠を挿通して前記ウォームホイールに立設された連結軸を介して該ウォームホイールに配設され、前記一中心線まわりに公転させられるようになっている
    ことを特徴とする直動アクチュエータ。
  2. 出力部材を略一直線方向へ移動させる直動アクチュエータであって、
    前記出力部材の一部が外部に突き出す状態で、該出力部材を前記一直線方向の移動可能に保持するケースと、
    前記一直線と直交する一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に内歯が設けられ、前記ケース内に位置固定に設けられた内歯車と、
    前記内歯車の1/2の径寸法を有するとともに、前記一中心線まわりに公転可能且つ自身の軸心まわりに自転可能に前記ケース内に配設されて、前記内歯車と噛み合わされた遊星歯車と、
    該遊星歯車のピッチ円上に一体的に設けられ、該遊星歯車の公転に伴って前記一中心線と直交する所定の方向へ直線移動させられるとともに、前記出力部材と係合させられて該出力部材を前記一直線方向へ移動させる係合部材と、
    前記ケース内に配設されて前記遊星歯車を前記一中心線まわりに公転させる駆動手段と
    を有し、且つ、
    該駆動手段は、前記係合部材が前記一中心線上に位置する状態を前記遊星歯車の原位置として、該遊星歯車を該原位置から該一中心線まわりの正逆両方向へそれぞれ90°以下の所定の角度範囲で公転させるもので、公転させられた該遊星歯車を該原位置へばね力で機械的に復帰させる原位置復帰機構を備えており、
    前記出力部材は、前記遊星歯車が前記原位置から一方の公転端まで公転させられることによる前記係合部材の前記一直線方向の移動ストロークに相当する寸法の遊びを有する状態で該係合部材と係合させられるようになっている
    ことを特徴とする直動アクチュエータ。
  3. 前記駆動手段は、
    前記一中心線まわりの回転可能に配設されるとともに該一中心線を中心とする円弧に沿って所定の角度範囲に外歯が設けられており、且つ前記遊星歯車が軸心まわりの回転可能に配設されたウォームホイールと、
    該ウォームホイールと噛み合わされたウォームと、
    該ウォームを回転駆動する電動モータと
    を有して構成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の直動アクチュエータ。
  4. 前記内歯車は有底円筒形状を成すもので、その円筒部分の内周面に前記内歯が設けられているものであり、
    前記遊星歯車に一体的に設けられる前記係合部材は、前記内歯車の有底円筒形状の底部と反対側である開口側に配設されて前記出力部材と係合させられるようになっており、
    前記ウォームホイールは、前記ケースに位置固定に配設される前記内歯車の有底円筒形状の底部と該ケースとの間に配設され、該底部と該ケースとに跨がって配設された支持軸により前記一中心線まわりの回転可能に支持されているとともに、前記遊星歯車を該一中心線まわりに180°以下の所定の角度範囲で公転させるものであり、
    前記遊星歯車は、前記内歯車の有底円筒形状の底部に前記一中心線を中心とする円弧形状に形成された切欠を挿通して前記ウォームホイールに立設された連結軸を介して該ウォームホイールに配設され、前記一中心線まわりに公転させられるようになっている
    ことを特徴とする請求項に記載の直動アクチュエータ。
  5. 前記内歯車は、可撓性を有する材料にて構成された多数の噛合歯を有する直線状の歯車部材が円弧形状に湾曲させられて前記ケースに一体的に固設されたものである
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の直動アクチュエータ。
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