JP4157810B2 - 中間搬送部付き大量給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、印刷機、ファクシミリ、プリンタ、プロッタ等の画像形成装置に画像形成すべき用紙を供給する中間搬送部付き大量給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、印刷機、ファクシミリ、インキジェットプリンタを含むプリンタ、プロッタ等の画像形成装置の中でも、印刷機、取り分け孔版印刷機やオフセット印刷機のような画像形成装置の場合は、複写機のような場合と異なり、原稿画像の版を使用するために、1枚の原稿から製作した版に基づき大量の印刷を行う際に使用するのに適しており、1枚の原稿から多いときでは数千枚の印刷を行うことも多い。
【0003】
このような印刷機等の画像形成装置に機械的に連結して、画像形成すべき大量の用紙を供給することが可能な中間搬送部付き大量給紙装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この米国特許第5441247号明細書に記載されている中間搬送部付き大量給紙装置は、少なくとも数千枚の用紙を積載して昇降可能な大量給紙台を備えた積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備している。
上記米国特許第5441247号明細書記載の発明は、裁断され積み重ねられた紙片(カット紙とも呼ばれるいわゆる枚用紙であり、以下、「用紙」という)を収納機から取り出し、図形高速印刷機と連動し供給する装置とのその方法に関するものである。同発明によれば、最近の印刷機および複写機の高速化に伴い、その生産能力に対応し、また各種の機械に対応でき、携帯可能で、用紙収納量の大きい低価格の装置を供給できるというものである。
【0004】
ところで、中間搬送部付き大量給紙装置が接続される上記種々の画像形成装置のうちでも取り分け孔版印刷機(以下、「孔版印刷装置」という)では、多種類のサイズの用紙が使用されている。一般に、孔版印刷装置で使用される用紙のサイズとしては、後述するように、「はがきサイズ」を除いても10種類の用紙サイズが常用されている。
孔版印刷装置では、製版済みの感熱孔版マスタを印刷ドラムとも呼ばれる版胴の外周面に巻き付け、プレスローラや圧胴等の押圧手段によって給送されてくる用紙を版胴の外周面に押し付けることで版胴の開孔部分および感熱孔版マスタの穿孔部分からインキを滲出させ、このインキを用紙に転移させて印刷画像を得るものである。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5441247号明細書(SHEET FEEDING APPARATUS AND METHOD FOR THE SAME:図1ないし図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、米国特許第5441247号明細書(特許文献1)に開示された技術では、孔版印刷装置と中間搬送部付き大量給紙装置とが、電気的にあるいは通信可能に接続されていないいわゆる「オフライン」状態においても、中間搬送部付き大量給紙装置から給紙して印刷することができるものであったが、例えば大量給紙台上に積載された用紙中に所望する印刷物に対応した用紙サイズ(以下、「製版・印刷サイズ」というときがある)よりも小さいサイズの用紙が混載していた場合、大量給紙台上の用紙について1枚ごとにそのサイズを検出して判別できないため、次の問題点が発生してしまう。以下、所望する印刷物に対応した用紙サイズに対応して製版・印刷する意味合いから、「所望する印刷物に対応した用紙サイズ」のことを、「製版・印刷サイズ」というときがある。
【0007】
すなわち、製版・印刷サイズ(所望する印刷物に対応した用紙サイズ)に対応して版胴上に巻装されている製版済みの感熱孔版マスタの製版画像形成部分が、中間搬送部付き大量給紙装置から給送されてくる小さいサイズの用紙の外周輪郭よりもはみ出してしまうことにより、その用紙の外周輪郭からはみ出た部分に対応したプレスローラや圧胴の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったりするという問題点があった。
【0008】
上記問題点は、孔版印刷装置本体側の給紙台上に積載された用紙中に製版・印刷サイズよりも小さいサイズの用紙が混載していた場合においても、上記と同様の問題点があった。見方を変えて言うと、中間搬送部付き大量給紙装置と機械的にも連結されていない単独の孔版印刷装置においても、その給紙部の給紙台上に積載された用紙中に製版・印刷サイズよりも小さいサイズの用紙が混載していた場合に上記と同様の問題点が発生してしまうという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明者らは、孔版印刷装置と中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態において、中間搬送部が給紙機構部から給送されてきた用紙を順次搬送するための比較的長い中間搬送路を備えていることに着目し、その長い中間搬送路を利用して給紙機構部から給送されてきた用紙のサイズを順次検出する用紙サイズ検出機構を配設することにより、大量給紙台上の用紙中に製版・印刷サイズと異なるサイズの用紙が混載されていた場合でも、そのサイズの異なる用紙の孔版印刷装置本体への搬送・受け渡しを未然に防止できる発明を完成するに至った。
したがって、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、上記問題点を解決して、後述する効果を奏する新規な中間搬送部付き大量給紙装置を提供することを主な目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、各請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、上記中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、上記各用紙搬送手段を駆動する少なくとも一つの駆動手段と、上記中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出することにより、用紙長さサイズを検出する用紙検出手段とを有し、上記画像形成装置と上記中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態にある場合であって、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時に、上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、上記初期化時以降に搬送される用紙について判断される上記用紙長さサイズが異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、上記中間搬送部は、上記中間搬送路と直交する用紙幅方向に間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の用紙幅サイズを検出する用紙幅検出手段を有し、上記制御手段は、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時に、上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび上記複数の用紙幅検出手段からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズと比較して、上記初期化時以降に搬送される用紙について判断される上記用紙長さサイズおよび上記用紙幅サイズのうちの少なくとも一方が異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、上記積載部は、大量の用紙を積載可能な大量給紙台と、該大量給紙台の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記大量給紙台上の用紙の用紙長さサイズを検出する用紙長さ検出手段とを有し、上記中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、上記各用紙搬送手段を駆動する少なくとも一つの駆動手段と、上記中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出することにより、用紙長さサイズを検出する用紙検出手段とを具備し、上記画像形成装置と上記中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態にある場合であって、上記複数の用紙長さ検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙について上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズが異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、上記積載部は、大量の用紙を積載可能な大量給紙台と、該大量給紙台の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記大量給紙台上の用紙の用紙長さサイズを検出する用紙長さ検出手段および上記大量給紙台の用紙幅方向に間隔を置いて複数配置され、上記大量給紙台上の用紙の用紙幅サイズを検出する大量給紙台用用紙幅検出手段とを有し、上記中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、上記各用紙搬送手段を駆動する少なくとも一つの駆動手段と、上記中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出することにより、用紙長さサイズを検出する用紙検出手段と、上記中間搬送路と直交する用紙幅方向に間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の用紙幅サイズを検出する用紙幅検出手段とを有し、上記画像形成装置と上記中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態にある場合であって、上記複数の用紙長さ検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび上記複数の大量給紙台用用紙幅検出手段からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズと比較して、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙について上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび上記複数の用紙幅検出手段からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズが異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のうちの何れか一つに記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、上記初期化時状態は、上記中間搬送路の最下流側に配置された上記用紙搬送手段に上記用紙が位置し、かつ、該用紙の先端が上記本体給紙手段によって給紙可能となる位置に設定されていることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5のうちの何れか一つに記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、上記画像形成装置が、製版済みの感熱孔版マスタを巻装する印刷ドラムを有し、該印刷ドラムの内部からインキを供給することにより、上記中間搬送部から給送されてきた用紙を上記印刷ドラム上の感熱孔版マスタに押し付けて印刷を行う孔版印刷装置であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0017】
(第1の実施形態)
図1〜図36を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。この第1の実施形態には、後述するオフライン状態に関する未公開の複数の発明が含まれているため、その未公開部分を含めて説明する。
まず、図1および図2に基づいて、本実施形態に係る中間搬送部付き大量給紙装置を含む全体の装置構成を説明する。両図において、符号1は中間搬送部付き大量給紙装置としての大量給紙搬送ユニットを、符号100は画像形成装置の一例としての孔版印刷装置を、符号200は大量排紙収納装置としての大量排紙収納ユニットをそれぞれ示す。
【0018】
大量給紙搬送ユニット1と大量排紙収納ユニット200とは、図示しない電源ケーブルで電気的に接続されている。大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とは、通信可能に接続されておらず互いに信号の授受も無いいわゆる「オフライン」と呼ばれる状態に置かれている。また、大量給紙搬送ユニット1は、孔版印刷装置100に対して、大量排紙収納ユニット200は、孔版印刷装置100に対して、それぞれ機械的に連結可能ないしは着脱可能になっていて、図1に示す状態はそれぞれ機械的に連結している状態を表している。
【0019】
大量給紙搬送ユニット1は、自身が用紙搬送方向Xに沿って移動されることにより、図1に示すように後述する中間搬送部4(以下、「中間搬送ユニット4」というときがある)の第3搬送ローラ32−3が孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111の下方に挿入されて該本体給紙ローラ111の外周面下部と圧接して大量給紙搬送ユニット1から給送される用紙Pを確実に受け渡し可能となる接続位置と、図2に示すように自身が用紙搬送方向Xと反対方向X’に沿って移動されることにより、中間搬送ユニット4の第3搬送ローラ32−3と本体給紙ローラ111との圧接状態が解除される非接続位置との間で移動可能になっている。上記のとおり、大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めた時、第3搬送ローラ32−3は本体給紙ローラ111から適度な給紙圧に相当する圧接力を受けるように各位置関係が設定されている。
【0020】
換言すれば、大量給紙搬送ユニット1は、図1および図2に示すように、自身が用紙搬送方向Xに沿って移動されることにより、大量給紙搬送ユニット1を構成する中間搬送ユニット4が所定の高さに保持されたままの本体給紙台110(本実施形態例では、給紙側板に配置されている下限検知センサ(図示せず)によって検知される本体給紙台110の最下降位置でもある下限位置に保持されたままの本体給紙台110)上に載置された状態で、すなわち本体給紙台110が上昇せずに下限位置を占めた状態のままで中間搬送ユニット4から給送される用紙Pを本体給紙ローラ111によって受け取られ給紙可能となる接続位置と、図2に示すように自身が用紙搬送方向Xと反対方向X’に沿って移動されることにより上記接続位置から離間した非接続位置との間で移動可能に構成されている。
【0021】
接続位置は、「本体給紙台110が上昇せずに下限位置を占めた状態のまま…」に限定されず、本体給紙台が下限位置より少し上昇して給紙可能な位置を占めたままでもよく、つまり、中間搬送ユニット4が所定の高さに保持されたままの本体給紙台110上に載置された状態で中間搬送ユニット4から給送される用紙Pを本体給紙ローラ111により受け取られ給紙可能となる位置であればよい。
【0022】
図1および図2において、符号6は大量給紙搬送ユニット1の後述する積載部2および給紙機構部3を収納している大量給紙装置本体としての骨組みをなす本体筐体を、符号7は大量給紙搬送ユニット1の後述する中間搬送部本体の骨組みをなす筐体を、符号107は画像形成装置本体としての孔版印刷装置100の本体側の骨組みをなす本体筐体を、符号204は排紙収納装置本体としての大量排紙収納ユニット200の本体側の骨組みをなす排紙ユニット筐体をそれぞれ示している。
【0023】
説明の都合上から、孔版印刷装置100、大量排紙収納ユニット200、大量給紙搬送ユニット1の順に説明する。
孔版印刷装置100は、例えば、本願出願人が提案した特開平8−67061号公報の図1に記載されている孔版印刷装置と実質的に同様の構成を具備している。すなわち、孔版印刷装置100は、本体筐体107の上部に配設され原稿画像を読み取る画像読取部101と、画像読取部101によって読み取られた画像情報または図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器により入力された画像情報に基づいてロール状に巻かれた図示しない感熱孔版マスタを製版すると共に給版する製版給版部103と、本体給紙台110に積載される図示しない印刷用紙(以下、単に「用紙」という)や大量給紙搬送ユニット1側から給送されてくる用紙Pを後述する印刷部102に向けて分離給送する画像形成装置本体側の給紙部としての本体給紙部104と、製版給版部103等で製版された図示しない感熱孔版マスタを外周面に巻装する版胴を外周部に備えた印刷ドラム115を有し、給送されてきた用紙Pに印刷画像を形成する画像形成部としての印刷部102と、印刷された画像を本体筐体107の外部に排出する排紙部106等を具備している。孔版印刷装置100は、本体筐体107を介してキャスタ109を有する専用テーブル108上に載置されている。
【0024】
本体給紙部104は、本体筐体107の右方に配設され用紙Pを積載して昇降可能な本体給紙台110と、本体給紙台110上の最上の用紙(図示せず)や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pを送り出す本体給紙ローラ111と、送り出されてきた用紙Pを1枚ずつ分離してレジストローラ対114に向けて給送する本体分離ローラ112と、本体分離ローラ112との協働作用により用紙Pを1枚ずつに分離する摩擦部材としての本体分離パッド113と、1枚ずつ分離・給送されてきた用紙を画像形成部としての印刷部102に所定のタイミングを取って送り出すレジストローラ対114等とを有している。
【0025】
本体給紙台110は、本体筐体107の給紙口125を塞ぐ位置と、図1に示す位置を占めることが可能なように折り畳み可能になっている。本体給紙台110の内部には、本体給紙台110上の用紙の有無を検知するための用紙有無検知手段としての用紙有無センサ127と、本体給紙台110上の用紙の長さを検知するための用紙長さ検知手段としての用紙長さセンサ128とが配設されている。用紙長さセンサ128は、本体給紙台110上を用紙幅方向Yに移動可能である図示しない左右一対のサイドフェンスの用紙揃え操作時の移動に連動して用紙の縦サイズおよび横サイズの両方の用紙サイズを検知する用紙サイズ検知手段を構成している。用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128は共に、発光素子および受光素子を備えた反射型フォトセンサ(以下、単に「反射型センサ」というときがある)である。
【0026】
本体給紙台110は、例えば実公平5−18342号公報の第3図および第8図に示されている自動間欠上昇機構と同様の構成を備えた昇降機構を採用していて、複数ないしは多数枚の用紙Pを積載して昇降可能になされている。本体給紙台110は、前記昇降機構により、積載された用紙の最上が常に本体給紙ローラ111に所定の給紙圧(用紙が搬送可能な押圧力)をもって接触する給紙位置を占めるように昇降駆動制御される。
本体給紙台110の昇降機構は、前記したものに限定されず、例えば特開昭59−124633号公報の第1図に示されているようなワイヤー等を用いた機構も用いられる。
【0027】
本体給紙ローラ111は、本体給紙部104の給紙手段を構成している。本体分離ローラ112および本体分離パッド113は、本体筐体107側の分離給紙手段を構成している。なお、給紙手段としては、上述したものに限らず、給紙ローラと分離パッドの組み合わせ、あるいは一対の分離ローラからなるものも含まれる。上記した分離給紙手段のような摩擦分離方式、つまりフリクションパッド分離方式では、2つの分離ローラ対で用紙を1枚ずつ分離・給送するいわゆるリバースローラ分離方式と比較して、簡単な構成で低コストに済むという利点がある。
【0028】
本体給紙ローラ111は、図9に詳しく示すように、本体給紙部104の給紙口125における本体筐体107側の給紙側板(図示せず)に本体分離ローラ112の軸112aを中心として揺動自在に支持された図示しない給紙アーム(下向きに開口を有する断面コ字形状をなす)の自由端部に、軸111aを介して揺動自在かつ回転自在に設けられている。本体給紙ローラ111および本体分離ローラ112は、例えば本願出願人が提案した特開2002−326732号公報の図1〜図3に示されている給紙駆動手段(30)と同様の、図9に示す本体給紙機構130によって回転駆動される。
すなわち、同図に簡略的に示すように、本体給紙ローラ111とその軸111aの間、本体分離ローラ112とその軸112aとの間には、それぞれ図示しないワンウェイクラッチがそれぞれ介装されている。本体給紙ローラ111の軸111aにはタイミングプーリ119が、本体分離ローラ112の軸112aにはタイミングプーリ120がそれぞれ取り付けられている。タイミングプーリ119とタイミングプーリ120との間には、タイミングベルト121が掛け渡されていて、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とはタイミングベルト121および各ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して駆動力伝達関係にある。図示しない各ワンウェイクラッチのクラッチロック方向(回転駆動力の接続方向)は、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とが用紙Pを分離して給送するために回転される図中矢印で示されている時計回り方向に設定されている。これにより、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とは、時計回り方向のみに回転可能となっている。本体分離ローラ112は、本体給紙駆動手段としての給紙モータ122によって回転駆動される。
【0029】
本体分離ローラ112の軸112aと給紙モータ122の出力軸(図示せず)とは、各タイミングプーリ(図示せず)およびこれらのタイミングプーリ間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して駆動力伝達関係にある。給紙モータ122は、ステッピングモータからなる。したがって、給紙の場合には、給紙モータ122を例えば正転させることで、本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111が共に時計回り方向に回転し、本体給紙台110上に積載された最上の用紙(図示せず)や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pが図1に示すレジストローラ対114に向けて給送されることとなる。
上記給紙アームには、遮光板とも呼ばれる図示しない給紙フィラーが取り付けられている。上記給紙フィラー近傍の本体筐体107側に配設された図示しない不動部材には、上記給紙フィラーの自由端部を選択的に挟む態様で、給紙位置を検知するための発光素子および受光素子を備えた透過型フォトセンサ(以下、単に「透過型センサ」というときがある)からなる適正高さ検知センサ126(図2参照)が固設されている。図9において、符号123は、本体分離パッド113を本体分離ローラ112の外周面に押し付ける向きに付勢する付勢部材としての圧縮ばねを収納し移動可能な分離パッドホルダを、符号124は、本体給紙台110上に積載される用紙(図示せず)の先端を突き当て揃える前面板をそれぞれ示す。
【0030】
印刷部102は、本体筐体107の略中央に配設されており、内部にインキ供給手段を備え外周面に製版された感熱孔版マスタが巻装される印刷ドラム115と、本体給紙部104や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pを印刷ドラム115の外周面に押圧させてこれにインキを転写させる押圧手段としてのプレスローラ116等とを有している。押圧手段としては、例えば特開2000−141856号公報の図1等に示されていると同様に、印刷ドラム115の外径と略等しい外周面を備え印刷ドラム115と同期して回転し、その外周部に用紙の先端を保持する用紙クランパ(保持手段)を備えた圧胴等も用いられる。
【0031】
印刷ドラム115は、例えば上記特開2000−141856号公報に記載されていると同様に、その印刷速度が「版付け速度」(例えば16枚/min:16rpmや、30枚/min:30rpm)から正規の通常印刷時の複数の印刷速度(本実施形態例では5段階の印刷速度、例えば60,75,90,105,120枚/min:60,75,90,105,120rpm)で印刷を行うべく回転自在に構成されている。ここで、例えば120枚/min:120rpmは、孔版印刷装置100の最高印刷速度である。
印刷ドラム115は、例えば本願出願人が提案した特開2002−36511号公報の図3に示されていると同様の、印刷ドラム115を回転駆動する駆動手段としてのDCモータからなるメインモータを備えた周知の印刷ドラム駆動機構(共に図示せず)によって回転駆動される。
【0032】
一方、画像読取部101の上部には、孔版印刷装置100の上記各装置・部に指示を与えて所望する動作を行わせるように操作したり、上記各装置・部の状態等を確認・認識したりするための操作パネル(図示せず)が配設されている。上記操作パネルには、例えば上記特開2000−141856号公報の図17に示されている操作パネル(90)と略同様に、それぞれその図示を省略した、原稿画像の画像読み取りから給版に至る各動作を起動させるスタート信号を生成する製版スタートキーと、印刷枚数等を設定・入力するテンキーと、このテンキーで設定・入力された印刷枚数の印刷動作を行わせる印刷スタート信号を生成する印刷スタートキーと、5段階の印刷速度(1速〜5速)の中から1つの印刷速度を選択的に設定して印刷ドラム115を回転するための印刷速度設定手段としての速度ダウンキーおよび速度アップキーからなる印刷速度設定キーと、速度ダウンキーまたは速度アップキーにより設定された印刷速度を表示するためのLEDランプ群からなる速度表示器と、原稿画像の画像読み取りから印刷に至る各動作工程での設定・検知情報を随時表示するためのLCD(液晶表示装置)表示部等とが配置されている。
【0033】
排紙部106は、本体筐体107の左方に配設されており、印刷ドラム115の外周面より印刷された用紙を剥離する剥離爪117と、剥離された用紙を本体筐体107の用紙排出口(図示せず)より機外の大量排紙収納ユニット200へ吸引しつつ排出する吸着搬送ユニット118等を有している。
【0034】
大量排紙収納ユニット200は、本願出願人が提案した特開2002−226122号公報の図1〜図9に示されている排紙収納装置(1)と略同様の構成を有していて、略同様の動作が行われる。大量排紙収納ユニット200は、排紙収納装置(1)と比較して、排紙収納装置(1)が有している第1排紙トレイ(23)および第2排紙トレイ(24)に代えて、単一の大量排紙台201を有している点が主に相違するだけであるため、その構成の詳細および動作説明を省略する。
図1において、符号202は用紙排出方向に沿って大量排紙台201の左右両側に配設され排出される用紙の幅方向(排紙の両側端面)揃えを行う一対のサイドフェンスを、符号203は排出される用紙の先端を突き当て揃えるエンドフェンスをそれぞれ示す。大量排紙台201は、上記公報の第1排紙トレイ(23)および第2排紙トレイ(24)と同様に、図示しない移動体を介して排紙ユニット筐体204に移動自在(昇降自在)に支持されている周知のものである。なお、大量排紙収納ユニット200は、これに限らず、例えば特開2002−226122号公報の図1〜図9に示されている排紙収納装置(1)と全く同様の構成であっても勿論構わない。大量排紙収納ユニット200は、排紙ユニット筐体204の下部に設けられたキャスタ205を介して、孔版印刷装置100の排紙部106の図示しない排紙口に接続される排紙接続位置とこの排紙接続位置から離間した非排紙接続位置との間で移動自在に構成されている。
【0035】
大量給紙搬送ユニット1は、上述したように中間搬送部としての中間搬送ユニット4と大量給紙装置としての大量給紙ユニット5とを有する。大量給紙ユニット5は、用紙Pを大量に積載可能な積載部2と、積載部2の用紙Pを1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部3と、上述した本体筐体6とを有する。中間搬送ユニット4は、給紙機構部3から給送されてきた1枚の用紙を本体給紙部104の本体給紙ローラ111が臨む給紙口125近傍に搬送する機能・構成を具備している。大量給紙ユニット5は、本体筐体6の下部に設けられたキャスタ9を有する基台8上に取り付け固定されている。
【0036】
以下、積載部2、給紙機構部3、中間搬送ユニット4について詳述するが、これらを構成する構成要素の配置説明の簡明化を図るため、用紙搬送方向Xに見て紙面の手前側を「左」ないしは「操作側」と、紙面の奥側を「右」ないしは「反操作側」ということがある。また、同趣旨から、用紙搬送方向Xの下流側を「前」と、その上流側を「後」ということがある。図1に示されている本体筐体6の左右両側には、補助側板対29が立設されている。
【0037】
積載部2は、大量の用紙Pを積載して昇降可能な大量給紙台10と、大量給紙台10上の用紙Pの幅(左右の両側端)を揃える用紙幅整合部材としての左右一対のサイドフェンス15,16(図4参照)と、大量給紙台10を昇降する給紙台昇降手段としての給紙台昇降機構25と、大量給紙台10の上限位置もしくは給紙ローラ11が給紙位置を占めたことを検知する給紙位置検知手段もしくは上限検知手段としての適正高さセンサ26と、大量給紙台10の下限位置を検知する下限検知手段としての下限センサ27とを具備している。
適正高さセンサ26および下限センサ27は、共に透過型センサである。適正高さセンサ26および下限センサ27は、本体筐体6内の所定位置にそれぞれ配設されている。
【0038】
大量給紙台10は、例えばA3サイズの普通紙を少なくとも3000枚積載して昇降可能な構造と、各サイドフェンス15,16を用紙幅方向Yに移動可能とするための4箇所の切欠き10aとを有する。大量給紙台10の内部には、大量給紙台10上の用紙Pの有無を検知する用紙有無検知手段としての用紙有無センサ66が配置されている。用紙有無センサ66は、反射型センサである。本実施形態で「用紙サイズ」というときは、特に断らない限り用紙搬送方向Xに沿う長さを指すものとする。
【0039】
各サイドフェンス15,16は、図4に示すように、中空の矩形状断面を有する四角柱状をなし、用紙搬送方向Xの前後および用紙幅方向Yの左右に各2本ずつ設けられている。各サイドフェンス15,16は、サイドフェンス操作用ハンドル17を回動操作することによって、本体筐体6の上下に2組配設された図示しないサイドフェンスセンタ合わせ機構を介して、各サイドフェンス15,16を用紙幅方向Yに移動させてサイドフェンス15,16のセンタ合わせを行えるようになっている。
【0040】
給紙台昇降機構25は、上記特開2002−226122号公報の図7および図8および段落番号「0024」〜「0026」に示されている排紙収納装置(1)のトレイ昇降機構(25)、移動体(57)と略同様の基本的構成を具備していて、大量給紙台10を略水平状態に保ちつつ昇降するようになっている。給紙台昇降機構25は、上述したとおり周知の構成であり、また本発明の要旨でもないことから重複説明を避けるためその詳細説明を省略することとし、本実施形態では図1に模式的に示す、大量給紙台10を昇降駆動する昇降駆動手段としての正逆転可能な昇降モータ28を挙げるに留める。大量給紙台10は、給紙台昇降機構25を介して、積載された用紙Pの最上が常に給紙ローラ11に所定の給紙圧(用紙が搬送可能な押圧力)をもって接触する給紙位置を占めるように、後述する制御装置によって制御される。
【0041】
給紙機構部3は、積載部2の配置より上部の補助側板対29周りに配設されている。給紙機構部3は、図5において部材の厚み等を無視してやや簡略的に示すように、上述した本体給紙部104の給紙手段、分離給紙手段、給紙駆動手段および駆動力伝達手段等を具備する本体給紙機構130と同様の機能・構成を有しているため、重複説明を避ける上から本体給紙機構130の各構成要素の符号から数値「100」を減じた符号をもってその詳細説明に代えることとする。分離ローラ12および給紙ローラ11は、給紙駆動手段としてのステッピングモータからなる給紙モータ22によって回転駆動される。給紙モータ22および駆動力伝達手段等は、図1における紙面奥側の補助側板29の外壁面に配置されている。
【0042】
給紙ローラ11および分離ローラ12を回転自在に支持している本体給紙機構130と同様の図示しない給紙アームには、本体給紙部104と同様の給紙フィラーとも呼ばれる図示しない給紙フィラーが取り付けられている。上記給紙フィラー近傍の本体筐体6側に配設された図示しない不動部材には、上記給紙フィラーの自由端部を選択的に挟む態様で適正高さセンサ26が固設されている。図1、図2、図5において、符号14は、大量給紙台10上に積載される用紙Pの先端を突き当て揃える面板を示す。面板14は、補助側板対29にねじ等の締結手段で取り付け固定されている。
【0043】
大量給紙装置は、上述した大量給紙ユニット5に限らず、例えば本願出願人が提案した特開平8−259008号や特開平8−259009号公報に開示されている大容量給紙ユニットとしての給紙装置(100)を用いてもよい。すなわちLCT(大容量給紙テーブル)を搭載して昇降可能であり、かつ、給紙手段や分離給紙手段を備えることにより給紙可能である構成を有する大量給紙ユニットであってもよい。
【0044】
次に、本発明の特徴的な構成に係る中間搬送ユニット4について説明する。 図1、図5、図9および図10等において、符号18は、給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを孔版印刷装置100の給紙口125に向けて搬送するための中間搬送路を示す。中間搬送ユニット4は、本体筐体6の補助側板対29に対して着脱可能に取り付けられている。
【0045】
中間搬送ユニット4は、図5等に示すように、給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送する複数(本実施形態例では3つ)の第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3と、第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3に対応して設けられそれぞれを独立して駆動する駆動手段としての複数の(本実施形態例では3つ)用紙搬送モータである第1モータ33−1、第2モータ33−2、第3モータ33−3と、第1モータ33−1、第2モータ33−2、第3モータ33−3の回転駆動力を第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3に伝達する第1駆動力伝達手段34−1、第2駆動力伝達手段34−2、第3駆動力伝達手段34−3と、第1〜第3用紙搬送手段30−1〜30−3により搬送される用紙Pを孔版印刷装置100側の給紙口125近傍に案内する一対の案内手段を構成する後述する上案内部材および下案内部材と、第1〜第3用紙搬送手段30−1〜30−3、上記一対の案内手段を収納する上記した筐体7と、中間搬送路18の上流から下流に亘り所定の間隔を置いて上案内部材に複数配置され、搬送される用紙Pの先端およびその後端のうちの少なくとも一方(本実施形態例では用紙Pの先端およびその後端の両方)を検出する用紙検出手段としての8個の第1センサ50−1〜第8センサ50−8と、図12に示すように中間搬送路18と直交する用紙幅方向Yに所定の間隔を置いて複数配置され、二点鎖線で示すように搬送される用紙Pの用紙幅サイズを検出する用紙幅検出手段としての4個の第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4とを有する。
【0046】
第1用紙搬送手段30−1は、第1搬送ローラ32−1とこれに圧接する第1加圧ローラ31−1とからなる。第2用紙搬送手段30−2は、第2搬送ローラ32−2とこれに圧接する第2加圧ローラ31−2とからなる。第3用紙搬送手段30−1は、第3搬送ローラ32−3からなる。第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3は、中間搬送路18の上流側から下流側に亘り所定の間隔を置いてこの順に配置されている。
第1加圧ローラ31−1は、少なくともその外周面を含む外周部が樹脂でできている。第1搬送ローラ32−1は、少なくともその外周面を含む外周部が大量給紙搬送ユニット1で使用される用紙Pに対して摩擦係数の高い適宜のゴム等の高摩擦弾性体で形成されている。他の第2加圧ローラ31−2、第2搬送ローラ32−2および第3搬送ローラ32−3も、上記と同様である。
【0047】
以下、第1用紙搬送手段30−1と第2用紙搬送手段30−2とは、配置位置のみ異なりそれぞれが同様の構成要素を有していて共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、一方の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、中間搬送路18の上流側から下流側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第3」という接頭語を省略することがある。
上記と同様に、第1モータ33−1と第2モータ33−2と第3モータ33−3とは、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、一方の詳細な説明をもって他方の説明に代える。
【0048】
同じく、第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、例えば一つの第1センサ50−1の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、中間搬送路18の上流側から下流側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第8」という接頭語を省略することがある。
【0049】
同じく、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4は、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、例えば一つの第1用紙幅センサ95−1の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、用紙幅方向Yに最も長い側から短い側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第4」という接頭語を省略することがある。
【0050】
まず、筐体7について説明する。図1、図2、図3、図8等に示すように、筐体7は、中間搬送ユニット4の骨組みをなすものであり、平面視でH字状をなし、上に開口した略箱体形状に形成されている。筐体7は、例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。図8において、符号7aを筐体7の後部側壁と、符号7bを筐体7の前面壁と、符号7cを底壁とそれぞれ名付ける。底壁7cは、図5および図8等に示すように正面視で階段状をなす。図5において、符号57は、同図にのみ示すベルトカバーを表す。ベルトカバー57は、第2駆動力伝達手段34−2のタイミングベルトの外部露出を保護するものである。
【0051】
図5、図6、図9、図10等を参照して、上記一対の案内手段周りについて説明する。
図5に示すように、該一対の案内手段は、上案内部材を構成する上ガイド部材としての上ガイド板35および補助上ガイド板36と、これに対向した下案内部材としての下ガイド板37とからなる。上ガイド板35、補助上ガイド板36、下ガイド板37は、それぞれが例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。上ガイド板35および補助上ガイド板36と、下ガイド板37とで囲まれた空間が、中間搬送路18となる。
【0052】
図5、図6および図9に示すように、上ガイド板35の前端部両端には、上向きに切り曲げられた軸支部35dが一体成形されている。これらの軸支部35dは、図7に示す下ガイド板37の前端部両端に一体成形された軸受部37dと共に、図6に二点鎖線で示す支軸45を貫通された上、止め輪で抜け止めされる。これにより、上ガイド板35は、その基端部が支軸45を中心として所定角度回動自在、すなわちその自由端部側が下ガイド板37に対して揺動自在、かつ、開閉自在になされている。
【0053】
一方、図6に示すように、上ガイド板35の後端部両端には、上向きに切り曲げられた切曲部35eが一体成形されている。これらの切曲部35eには、外向きに突出した固定軸47がそれぞれ固着されている。各固定軸47は、図7および図8に示すように、筐体7の後部側壁7aの左右両端に所定角度回動自在に設けられた上ガイド板固定用貫通軸48(以下、単に「貫通軸48」という)に固定された開閉用カム49(図6に二点鎖線で示す)の揺動によって選択的に係合され固定・ロックされる。図7において、符号51は、下ガイド板37の前端部に固定される例えば板金で形成された傾斜部材を示す。
【0054】
図6、図9および図10において、符号35cは、下向きに凸形状の補強リブを示す。補強リブ35cは、図に示されている以外に、上ガイド板35の中央部にも適宜の本数形成されている。
上ガイド板35上には、図5および図6に示すように、第1センサ50−1がセンサ取付部材38を介して、第2センサ50−2〜第7センサ50−7がセンサ取付部材39を介してそれぞれねじ(図示せず)等の締結手段で取り付け・固定されている。図5および図6等では、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4の図示を省略しており、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4は、図12に示すように第1センサ50−1と共に図示している。また、図6では、各センサ取付部材38,39の図示を省略している。
【0055】
第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、反射型センサからなる。上ガイド板35には、第1センサ50−1〜第7センサ50−7にそれぞれ対応して各センサ50−1〜50−7からの投射光および反射光を透過させるための開口35aが7箇所形成されている。
第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4は、反射型センサからなる。上ガイド板35には、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4にそれぞれ対応して各センサ95−1〜95−4からの投射光および反射光を透過させるための開口35aが4箇所形成されている。
【0056】
図6および図10に示すように、上ガイド板35には、第1加圧ローラ31−1と第2加圧ローラ31−2との各外周部の一部を突出させるための開口部35bが前後、左右に各2箇所ずつ形成されている。
補助上ガイド板36には、第8センサ50−8がセンサ取付部材38を介して、ねじ(図示せず)等の締結手段で取り付け・固定されている。補助上ガイド板36にも、第8センサ50−8からの投射光および反射光を透過させるための上記開口35aと同様の図示しない開口が形成されている。図5、図6および図9に示すように、補助上ガイド板36の前後の両端部は、上向きに傾斜するように曲げ成形されている。図9に示すように、補助上ガイド板36の用紙搬送路18の下流端中央部には、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙ローラ111の外周部の一部を突出させるための開口部36bが形成されている。開口部36bの下方近傍には、図5に示すように後述する第3搬送ローラ32−3の外周部の一部が露出するようになっている。
【0057】
上ガイド板35は、図10に示す支持部材40によって、上ガイド板35の上方に配置された上カバー23に実質一体的に取り付けられている。上カバー23と上ガイド板35とを合わせて、以下、「上案内ユニット46」というときがある。支持部材40は、図10では1つのみが示されているが、第1加圧ローラ31−1付近にも配設されていて、上ガイド板35と上カバー23とを結合している。上カバー23は、例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。上記構成のとおり、上案内ユニット46の大量給紙ユニット5寄りの自由端部側は、支軸45を中心として下ガイド板37に対して揺動自在に、すなわち上ガイド板35を含む上案内ユニット46は、図5に実線で示す閉位置と、同図に二点鎖線で示す開放位置との間で開閉自在に構成されている。
【0058】
上カバー23の大量給紙ユニット5(給紙機構部3)寄りの上面には、上案内ユニット46を下ガイド板37に対して開閉操作するための摘み24が取り付けられている。これにより、中間搬送ユニット4で用紙ジャムが発生した場合、摘み24を持って上案内ユニット46を、つまり上ガイド板35ごと上カバー23を開くことができるので、ジャム用紙を簡単に取り除くことができる。また、各加圧ローラ31−1,31−2や各搬送ローラ32−1〜32−3を清掃するときも、上ガイド板35ごと上カバー23を開放させて行うことができるため、メンテナンス性もよい。また、反射型フォトセンサからなる各センサ50−1〜50−7のセンサ面に付着した紙粉や汚れも容易に除去することができる。
さらに、揺動支点としての支軸45を孔版印刷装置100側に配置することにより、ジャム用紙を除去する際、手を入れるスペースが大きいため、余裕を持って安全にその作業を行うことができる。例えば、支軸45を上記したと反対に大量給紙ユニット5側に配置した場合、孔版印刷装置100側から手を入れようとすると、図1に示すように本体筐体107が邪魔になり手を入れずらいものとなってしまう。
【0059】
第1加圧ローラ31−1は、図6に示すように、その軸31a1と一体的に形成されていて、軸31a1の左右両端部に対称な位置関係で一対配置されている。第2加圧ローラ31−2も同様である。第1加圧ローラ31−1と第2加圧ローラ31−2とは、図6および図10に示す支持構造(第1加圧ローラ31−1側は、省略しているが同様である)で上カバー23と上ガイド板35との間に回転自在に配設されていて、第1、第2加圧ローラ31−1,31−2は、共にその外周部の一部が上ガイド板35の開口部35bから下方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。
【0060】
上記支持構造は、一対の第2加圧ローラ31−2の両端部の軸31a2を回転自在に支持する左右一対のばねガイド42と、上ガイド板35に溶接で固着され各ばねガイド42を上下方向に移動可能に案内する左右一対の上下案内部材43と、一対のばねガイド42を上方から覆うように支持部材40にねじで固定されたばね固定部材41と、各ばねガイド42に一体形成された上向きの凸部と各ばね固定部材41に一体形成された下向きの凸部との間に介装された左右一対の圧縮ばね44とから主に構成されている。
ばねガイド42は、軸31a2を回転自在に支持するため摺接抵抗が少なく耐磨耗性の良好な材料が適宜選定される。圧縮ばね44は、第2加圧ローラ31−2の外周面を下ガイド板37上から突出した第2搬送ローラ32−2の外周面に圧接する向きに付勢する付勢部材としての機能を有する。一対の第1加圧ローラ31−1側も上記と同様である。
本実施形態例に限らず、各加圧ローラを下案内部材側に、各搬送ローラを上案内部材側にそれぞれ配設して、各加圧ローラを各搬送ローラに圧接する向きに付勢する付勢部材(例えば上記圧縮ばね)を下案内部材側に配置してもよい。
【0061】
次に、図5、図7、図9、図10を参照して、下ガイド板37および筐体7の上部周りについて説明する。
下ガイド板37は、適宜の補強部材等を介して、図示しないねじ等の締結手段で上に開口した箱体状の筐体7の上部に取付・固定されている。下ガイド板37には、上ガイド板35に形成された7つの開口35aおよび補助上ガイド板36に形成された1つの開口36aにそれぞれ対応した下方の部位に8つの開口37aが形成されている。これらの8つの開口37aは、上ガイド板35に取り付けられた第1センサ50−1〜第8センサ50−8にそれぞれ対応して各投射光を透過するためのものである。
なお、図7に示す下ガイド板37には、上ガイド板35に取り付けられた4個の第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4とにそれぞれ対応して各投射光を透過するための開口37aと同様の開口が形成されているが、これらの図示を省略している。
【0062】
図7、図9、図10に示すように、下ガイド板37には、その後端部側に第1搬送ローラ32−1と第2搬送ローラ32−2との各外周部の一部を突出させるための開口部37bが前後、左右に各2箇所ずつ形成されている。また、下ガイド板37の前端部中央部には、第3搬送ローラ32−3の外周部の一部を突出させるための開口部37bが形成されている。
【0063】
図7に示すように、下ガイド板37の前端部には、その前端側が下向きに傾斜した傾斜部材51が固着されている。傾斜部材51は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるべく用紙搬送方向Xに移動する際、本体給紙ローラ111および上記した図示しない給紙フィラー下端部のコロにスムーズに当接することにより、上記した図示しない給紙アームの揺動を介して上記図示しない給紙フィラーを適正高さセンサ126に係合させる向きに揺動させるためのものである。
【0064】
下ガイド板37の前端寄りの左右端部には、位置決め部材52がそれぞれねじで締結・固定されている。各位置決め部材52は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるべく用紙搬送方向Xに移動する際、給紙口125の左右に位置し本体筐体107に固設された左右一対の給紙側板107Aに対して用紙幅方向Yの位置決めを行うものである。
下ガイド板37の後端部寄りの左右両端上には、所定の厚みを有する当接部材53がそれぞれねじで締結・固定されている。当接部材53は、上案内ユニット46(上カバー23およびガイド板35)が閉位置を占めた時、上ガイド板35の下面と下ガイド板37の上面との隙間(例えば1.2mmの用紙高さを確保)を一定に保持して安定した中間搬送路18を形成するためのものである。
【0065】
図7に示すように、下ガイド板37の後部側(図において右側)には、筐体7の後部側壁7aの一部が示されている。左右両側の後部側壁7aの上部には、一部上述した貫通軸48が軸受部材を介して回動自在に支持されている。貫通軸48の左右両端部には、その位相を同じくした開閉用カム49がそれぞれ固着されている。また、貫通軸48の左端には、固定手段としての開閉用ハンドル55が固着されている。
【0066】
開閉用カム49には、図6に示した固定軸47に沿って摺接する溝部(図示せず)とロック・固定するための嵌合部(図示せず)とが連通・形成されている。図1〜図3に示されている開閉用カム49および開閉用ハンドル55は、上ガイド板35を含む上案内ユニット46が閉位置に固定されている位置状態を表している。
すなわち、閉位置にある上案内ユニット46に対して、開閉用ハンドル55を図7において時計回りに揺動させると、貫通軸48を介して2つの開閉用カム49が揺動し、これにより図6に示した各固定軸47に対して各開閉用カム49が位相を同じくして上記嵌合部が係合することとなり、上案内ユニット46を閉位置近傍に確実に固定することができる。図7の右側(紙面の奥側、反操作側)の図示しない補助側板29には、開閉用カム49の上記嵌合部が上案内ユニット46側の固定軸47と係合して上ガイド板35を含む上案内ユニット46が下ガイド板37に対して固定・ロックされたことを検知する固定状態検知手段としての開閉センサ67(図13および図14に示す)が固着されている。開閉センサ67は、透過型センサからなる。
【0067】
図7、図9および図10において、符号37cは、上向きに凸形状の補強リブを示す。補強リブ37cは、図に示されている以外に、下ガイド板37の中央部にも適宜の本数形成されている。図5および図7において、符号54は、本体筐体6側に固定された上給紙板を示す。図7において、符号56は、各開閉用カム49近傍の後部側壁7aに固定されたストッパを示す。ストッパ56は、開閉用カム49に当接して開側位置を規制するものである。
【0068】
上述したとおり、本実施形態例によれば、上案内部材を構成する上ガイド部材としての上ガイド板35および補助上ガイド板36と、これに対向した下案内部材としての下ガイド板37との両方が、共に給紙口125近傍に延在しているので、例えば更紙のように薄く腰の強さのバラツキが大きい品質の安定しない用紙Pであっても、大量給紙ユニット5の給紙機構部3から中間搬送ユニット4を経由して孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111に用紙Pを確実に搬送して受け渡すことができ、これにより、本体給紙ローラ111の突起部(ローラ外周部に形成された鋸歯状部を指す)に用紙Pの先端が引っ掛かったり、用紙Pの先端折れやキズ、ジャム等が発生したりすることがない、という利点を奏する。
【0069】
上記本実施形態例ほどの利点を望まなくてもよいのであれば、上案内部材および下案内部材のうちの少なくとも一方が、本体給紙台110または給紙口125近傍に延在している構成であってもよい。ここで、本体給紙台110または給紙口125近傍に「延在している」とは、上記本実施形態例を示す図5を見てすぐ分かるように、補助上ガイド板36が下ガイド板37から分離・独立している場合も含むことを意味するものである。
【0070】
次に、図5、図8〜図10を参照して、筐体7周りについて説明する。
第1〜第3モータ33−1〜33−3は、それぞれパルス入力で駆動するステッピングモータである。各モータ33−1〜33−3は、それぞれ図示を省略したモータブラケットを介して筐体7の決められた底壁7cに、第1〜第3駆動力伝達手段34−1〜34−3を構成する各タイミングベルトの張力調整ができるように微移動可能にねじ等の締結手段で取り付け・固定されている。
【0071】
上記実施形態例ほどの利点を望まなくてもよいのであれば、上記実施形態例に限定されず、例えば各搬送ローラ32−1〜32−3を回転駆動する少なくとも一つの駆動手段(例えばステッピングモータ)を有している構成であっってもよい。この場合、各搬送ローラ32−1〜32−3のうちの少なくとも2つに例えば電磁クラッチ等を配設して、駆動手段(例えばステッピングモータ)の駆動力を適宜のタイミングで断接(オン/オフ)制御すればよい。
【0072】
第1搬送ローラ32−1は、図8に示すように、その軸32a1の左右両端部に一対配置されている。これらの第1搬送ローラ32−1は、軸32a1および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取り付け・固定された第1ブラケット58に回転自在に支持されている。各第1搬送ローラ32−1と軸32a1との間には、一方向性回転駆動力伝達手段としてのワンウェイクラッチ61が介装されていて、各第1搬送ローラ32−1は、図5において反時計回りにのみ、つまり給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを用紙搬送方向Xに搬送する方向のみに回転可能になっている。第2搬送ローラ32−2も、上記と同様であり、軸32a2および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取り付け・固定された第2ブラケット59に回転自在に支持されている。第2搬送ローラ32−2側も上記と同様である。
図10に示すように、第1、第2搬送ローラ32−1,32−2は、共にその外周部の一部が下ガイド板37の開口部37bから上方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。
【0073】
第3搬送ローラ32−3は、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3のうちで中間搬送路18の最下流側に配置されており、単一のローラからなる。第3搬送ローラ32−3は、その軸32a3および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取り付け・固定された第3ブラケット60に回転自在に支持されている。第3搬送ローラ32−3と軸32a3との間には、上記と同様のワンウェイクラッチ61が介装されていて、第3搬送ローラ32−3は、図5において反時計回りにのみ、つまり給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを用紙搬送方向Xに搬送する方向のみに回転可能になっている。
図9に示すように、第3搬送ローラ32−3も、その外周部の一部が下ガイド板37の開口部37bから上方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。第3搬送ローラ32−3は、孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111と対向する位置であって、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙ローラ111外周面の下に潜り込んでこれと圧接可能となるように中間搬送ユニット4の筐体7の各図に示す所定の位置に配置されている。
【0074】
図9に示すように、筐体7の前面壁7bの内側には、第3搬送ローラ32−3に適度の制動力を付与する制動力付与手段としての板ばね62がねじ等の締結手段で取付・固定されている。板ばね62による制動力は、同図に実線で示すように、第3駆動力伝達手段34−3およびワンウェイクラッチ61を介して第3モータ33−3の回転駆動力が伝達される側の第3搬送ローラ32−3の軸部としての芯金部32bに付与される。
これに限らず、板ばね62による制動力を、同図に二点鎖線で示すように、第3駆動力伝達手段34−3およびワンウェイクラッチ61を介して第3モータ33−3の回転駆動力が伝達される側でもある第3搬送ローラ32−3自体に付与するようにしてもよい。この際、第3搬送ローラ32−3に及ぼす耐久性やその駆動手段である第3モータ33−3に過度の負荷を掛けない範囲で制動力を付与することは当然である。
上記した適度の制動力を付与することにより、第3搬送ローラ32−3の搬送時の慣性による影響を抑えて安定した用紙の停止位置を確保でき、用紙搬送の精度向上を図れる。
【0075】
上記本実施形態例に限らず、一方向性回転駆動力伝達手段としてのワンウェイクラッチ61は、中間搬送路18のうちの最下流側に配置された第3搬送ローラ32−3の軸部に配置してもよい。また、制動力付与手段としての板ばね62による制動力は、中間搬送路18のうちの下流側に配置された第2搬送ローラ32−2や第1搬送ローラ32−1をも含めて適度に付与するようにしてもよい。この場合、板ばね62による制動力は、孔版印刷装置100の本体給紙ローラ111に近付くにつれて大きく設定されるようにするとよい。
【0076】
第1駆動力伝達手段34−1は、第1モータ33−1の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−1と、第1搬送ローラ32−1の軸32a1の一端部に固定されたタイミングプーリ64−1と、タイミングプーリ63−1とタイミングプーリ64−1との間に掛け渡されたタイミングベルト65−1とから主に構成される。
第2駆動力伝達手段34−2は、第2モータ33−2の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−2と、第2搬送ローラ32−2の軸32a2の一端部に固定されたタイミングプーリ64−2と、タイミングプーリ63−2とタイミングプーリ64−2との間に掛け渡されたタイミングベルト65−2とから主に構成される。
同じように、第3駆動力伝達手段34−3は、第3モータ33−3の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−3と、第3搬送ローラ32−3の軸32a3の一端部に固定されたタイミングプーリ64−3と、タイミングプーリ63−3とタイミングプーリ64−3との間に掛け渡されたタイミングベルト65−3とから主に構成される。
【0077】
図1、図5および図9に示すように、筐体7の下部には、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙台110の内部に配置された用紙長さセンサ128と対向してこれを選択的に遮蔽するための用紙長さ検知用シャッタ機構としての用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1と、用紙有無センサ127と対向してこれを選択的に遮蔽するための用紙有無検知用シャッタ機構としての用紙有無センサ用シャッタ機構70−2とが配設されている。用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1および用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、略同様に構成されているため、用紙有無センサ用シャッタ機構70−2側の細部構成を説明することで用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1側の説明を省略する。
【0078】
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、図9(a)の正面図および同図(b)の側面図に詳しく示すように、遮蔽部材としてのシャッタ71−2、遮蔽駆動手段としてのプル型のソレノイド72−2、付勢手段としての引張ばね73−2、シャッタ機構保護部材74−2、支点軸75−2、ホルダ76−2から主に構成されている。
【0079】
シャッタ機構保護部材74−2は、不動部材であり、例えば板金でできていて、正面視で概略コ字状に曲げられて形成されている。シャッタ機構保護部材74−2、筐体7の底壁7c下面にねじ等の締結手段で取り付け・固定されている。シャッタ機構保護部材74−2の底壁には、用紙有無センサ127からの投射光・反射光を透過させる開口74a2が形成されている。シャッタ機構保護部材74−2の図9(a)における右側面には、ねじでソレノイド72−2を取り付け・固定すると共に支点軸75−2を固着するホルダ76−2がねじで取り付け・固定されている。これにより、ホルダ76−2はシャッタ機構保護部材74−2と同様に不動部材となる。ホルダ76−2の図9(b)における中央右端には、引張ばね73−2の一端を引っ掛け・係止するばね係止部76a2が折り曲げ形成されている。
【0080】
シャッタ71−2は、例えば板金でできていて、その自由端が、図9(b)に実線で示すように開口74a2を介して用紙有無センサ127の投射光を遮蔽・反射する用紙有り擬制位置と、図9(b)に二点鎖線で示すように用紙有無センサ127の投射光を透過する用紙無し擬制位置との間で、支点軸75−2を中心として揺動自在になっている。シャッタ71−2の図9(b)における上部右端には、引張ばね73−2の他端を引っ掛け・係止するばね係止部71a2が折り曲げ形成されている。シャッタ71−2の図9(b)における上部左端には、ソレノイド72−2のプランジャの先端部に圧入されたピン72a2を緩く嵌合する嵌合孔が形成されている。ソレノイド72−2のピン72a2は、ホルダ76−2に開けられたピン挿通長孔(図示せず)およびシャッタ71−2の上記嵌合孔を挿通してシャッタ71−2に連結される。
シャッタ71−2の下部は、L字状に折り曲げられていて、その下面には用紙の表面と同等程度に用紙有無センサ127からの投射光を反射する適宜の表面処理が施されている。引張ばね73−2は、ホルダ76−2のばね係止部76a2とシャッタ71−2のばね係止部71a2との間に張設されていて、シャッタ71−2の自由端(図における下面)を常に用紙有り擬制位置を占めさせる向きである図9(b)において時計回りに揺動させる向きに付勢している。また、引張ばね73−2の付勢力は、シャッタ71−2を介して、ソレノイド72−2のプランジャおよびピン72a2の復帰を補助している。
【0081】
ここで、前もって用紙有無センサ用シャッタ機構70−2の動作を説明しておく。ソレノイド72−2に電力が供給されてソレノイド72−2がオンすると、引張ばね73−2の付勢力に抗してその吸磁力によってプランジャおよびピン72a2が図9(a),(b)の略下側へ揺動変位し、これによりシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における反時計回りに揺動して同図(b)に二点鎖線で示す用紙無し擬制位置を占める。
一方、ソレノイド72−2への電力が断たれてソレノイド72−2がオフすると、引張ばね73−2の付勢力によってプランジャおよびピン72a2が図9(a),(b)の略上側へ揺動変位し、これによりシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における時計回りに揺動して同図(b)に実線で示す用紙有り擬制位置を占めることとなる。
【0082】
大量給紙搬送ユニット1が図1および図9に示す接続位置を占めたとき、後述する制御装置からの指令によってソレノイド72−2はオフしたままであり、これによりシャッタ71−2の自由端は用紙有無センサ127の投射光を遮蔽・反射する用紙有り擬制位置にある。そして、積載部2および中間搬送ユニット4に用紙が無くなると、上記制御装置からの指令によってソレノイド72−2がオンされることにより、引張ばね73−2の付勢力に抗してシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における反時計回りに揺動して同図(b)に二点鎖線で示す用紙無し擬制位置を占めるので、孔版印刷装置100側の図示しない制御装置は用紙無しと認識する。
一方、中間搬送ユニット4に用紙があると、上記制御装置からの指令によってソレノイド72−2がオフされ、上記したと同様にシャッタ71−2の自由端は用紙有り擬制位置にあり、孔版印刷装置100側の上記制御装置が用紙有りと認識することで、中間搬送ユニット4から孔版印刷装置100側への通紙が可能な状態となる。
【0083】
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1と比較して、大量給紙搬送ユニット1が図9に示す接続位置を占めているとき、シャッタ機構保護部材74−2が本体給紙部104の前面板124に当接して傾斜部材51と共に接続位置決めを行う機能を有している点が主に相違するだけである。それ故に、用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1は一部形状が異なるものの用紙有無センサ用シャッタ機構70−2と実質的に同一の構成要素を有していて、各構成要素の符号のハイフォンの後に数字1を付すことでその説明を省略する。
【0084】
図8において、符号135は、印刷センタ合わせ用(用紙Pの幅方向調整)回転軸を示す。回転軸135の一端部は、雄ねじ(図示せず)を切られている。これは、回転軸135の一端部の雄ねじを、本体筐体6の左右一対の補助側板29の上部に雌ねじを切られた螺合部材(図示せず)に螺合させることにより、そのねじ機構による用紙幅方向Yへの移動を利用して用紙Pの幅方向調整を行うものである。
【0085】
図11〜図13を参照して、上述した大量給紙搬送ユニット1の後述する動作を制御する電気的制御構成について説明する。なお、図の簡明化をはるため、各センサ26,27,66,67、第1〜第8センサ50−1〜50−8、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4等の図示を三角形状にして、また各モータ22,28,33−1〜33−3,各ソレノイド72−1,72−2等も模式的にかつ簡略化して示す。図11〜図13では、第1〜第8センサ50−1〜50−8や第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4が、あたかも下ガイド板37側に配置されているような図示になっているが、これはあくまでも制御構成や動作説明を簡明にするためのものであって、第1〜第8センサ50−1〜50−8や第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は上述したとおり上ガイド板35側に配置されていることに変わりはない。
【0086】
まず図11に基づいて、第1〜第8センサ50−1〜50−8等の配置状態を補足説明する。
第1〜第8センサ50−1〜50−8は、具体的には中間搬送路18における用紙搬送方向Xに沿って上流から下流に亘り図11に示す寸法間隔を空けて上ガイド板35に配置・固定されている。これは、同図に括弧を付しておよび図15に示すように、用紙搬送方向Xに沿う用紙Pの長さが10種類の用紙サイズにそれぞれ対応して設定されていることに基づく。図11および図16において、ちなみに、例えばA3Y(横)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが420mmであることを、A4T(縦)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが210mmであることを、DLY(ダブルレター)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが本実施形態例では最長の432mmであることを、それぞれ表している。また、DLY(ダブルレター)サイズに対応して、中間搬送路18の用紙搬送長さは、480mmに設定されている。図11には、第1加圧ローラ31−1と第1搬送ローラ32−1とで形成されるニップ部中心から第2加圧ローラ31−2と第2搬送ローラ32−2とで形成されるニップ部中心までの距離170mm、第2加圧ローラ31−2と第2搬送ローラ32−2とで形成されるニップ部中心から本体給紙部104側の本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで形成されるニップ部中心までの距離170mm等についても例示されている。
【0087】
図12および図13に基づいて、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4の配置状態を補足説明する。
第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は、具体的には用紙幅方向Yに沿って所定の間隔を空けて上ガイド板35に配置・固定されている。これは、図12に括弧を付して示すように、用紙幅方向Yに沿う用紙Pの長さが中央振り分けで例えば7種類の用紙サイズにそれぞれ対応して設定されていることに基づく。図12において、ちなみに、例えばA3Y(横)、A4T(縦)サイズとは、用紙幅方向Yに沿う長さが297mmであることを、B4Y(横)、B5T(縦)サイズとは、用紙幅方向Yに沿う長さが257mmであることを、A4Y(横)、A5T(縦)サイズとは、用紙幅方向Yに沿う長さが210mmであることを、B5Y(横)サイズとは本実施形態例では最短の182mmであることを、それぞれ表している。
【0088】
第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は、図12では上記したように用紙幅方向Yに沿って所定の間隔を空けて配置されていると共に、用紙搬送方向Xの上流側から下流側へ少しずつずれて上ガイド板35に配置・固定されているが、用紙幅サイズを検出するという機能からは上記した配置状態に限らず、例えば図13に簡略的に示すように用紙搬送方向Xの同一位置に配置しても構わない。
【0089】
ここで、図1に示すように大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めている状態において、孔版印刷装置100の印刷部102、本体給紙部104、中間搬送ユニット4との主な位置関係の一実施例を補充説明する。
印刷ドラム115とプレスローラ116との押圧状態におけるニップ部中心からレジストローラ対114のニップ部中心までの距離は約120mm、レジストローラ対114のニップ部中心から本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3との圧接により形成されるニップ部中心までの距離は約120mmであり、印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部中心から本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とのニップ部中心までの距離は約240mmである。それ故に、最短サイズのB5T(182mm)を用いて中間搬送ユニット4から本体給紙部104へ給送したとき、B5Tの先端が印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部に達した点からB5Tの後端が位置する部位は、レジストローラ対114と本体分離ローラ112との間になる。
【0090】
説明が前後するが、レジストローラ対114の上側ローラは、図示しないタイミング用カムや引張ばね等の付勢手段を具備した接離機構によって、下側のローラに対して接離自在に構成されている。この構成により、印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部に用紙の先端部がある程度の長さをもって完全に挟持された状態では、上記接離機構によってレジストローラ対114の上側ローラが下側のローラから離間してレジストローラ対114のニップ部での圧接による負荷を用紙および印刷ドラム115の回転等に与えないようになっている。これと同様の目的から、本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111の各軸部に介装されたワンウェイクラッチにより本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111に連結されている駆動力伝達手段や給紙モータ122(ステッピングモータ)等による負荷を搬送される用紙および印刷ドラム115の回転等にでき得る限り与えないようになっている。
【0091】
また、本実施形態例では共通のステッピングモータからなる第1〜第3モータ33−1〜33−3を使用しているため、上述したとおりのそれぞれ予め決められた距離を有する中間搬送路18や孔版印刷装置100側の用紙搬送路間を用紙を搬送する場合、各ステッピングモータへ供給するパルス数でその用紙搬送距離(もしくは用紙搬送量)を制御することができるから、簡単に精度の高い用紙搬送を行うことができる。これは、給紙モータ22や孔版印刷装置100側の給紙モータ122や本体給紙部104のレジストローラ対114を回転駆動するステッピングモータからなる図示しないレジストモータでも同様である。
【0092】
図13を参照して、上述した制御構成要素の補足説明を含め本実施形態で使用する制御構成要素を説明する。
図13において、符号78は電源基板を、符号78aは例えば商用の外部電源と接続するための電源ケーブルを、二点鎖線で示す符号79は後述する制御装置等を設置している制御基板を、符号80は電源ケーブル78aを介して供給される電力を断接する電源スイッチを、符号81は大量給紙搬送ユニット1の動作を初期化、すなわち初期化(もしくは初期セット)状態に起動する指示を与える初期セット設定手段としてのリセットスイッチを、符号82は所定の時間押下・操作することにより昇降モータ28を制御して大量給紙台10の最終下降位置を設定するための給紙台下降スイッチをそれぞれ示す。
電源スイッチ80は操作側の左側壁に、リセットスイッチ81および給紙台下降スイッチ82は、大量給紙搬送ユニット1の操作パネルとも呼ぶべき本体筐体6の上部にそれぞれ配置されている。給紙台下降スイッチ82は、積載部2の大量給紙台10に用紙の補充・継ぎ足しを行う場合、その継ぎ足し分に相当するだけ大量給紙台10を下降させて用紙を供給したり、また給紙機構部3等でジャム等の発生があった場合、大量給紙台10を少し下降させてその処理等を行ったりする場合に操作するものである。
【0093】
図14は、大量給紙搬送ユニット1の主な制御構成をブロック図的に示している。同図において、制御装置85は、内部にCPU(中央演算処理装置)86、RAM(読み書き可能な記憶装置)87、計時手段としてのタイマ88、記憶手段としてのROM(読み出し専用記憶装置)89等を有し、CPU86とROM89とがアドレスバス90、データバス91で接続されると共に、CPU86とRAM87とタイマ88とがそれぞれ図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。制御装置85は、図13に示した制御基板79の配置部に設けられている。
なお、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とが通信不能に接続されているオフライン状態(以下、「オフラインモード」というときがある)で使用される場合、図12〜図14に示した第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は無くても成立する。後述するように大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とが通信可能に接続されているオンライン状態(以下、「オンラインモード」というときがある)にあって、後述する本発明に特有の制御が実行可能な場合には、必要な制御構成となるため説明の便宜上から図14に敢えて示したものである。
【0094】
CPU86は、大量給紙ユニット5側に設けられた適正高さセンサ26、下限センサ27、用紙有無センサ66、電源スイッチ80、リセットスイッチ81、給紙台下降スイッチ82と、図示しない各センサ入力回路やスイッチ入力回路および入力ポート92を介して、また中間搬送ユニット4側に設けられた第1〜第8センサ50−1〜50−8、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4、開閉センサ67と図示しない各センサ入力回路および入力ポート92を介して、それぞれ電気的に接続されていて、これらの各センサや各スイッチからの各種信号を受信する。
【0095】
CPU86は、大量給紙ユニット5側に設けられた給紙モータ22、昇降モータ28と図示しないモータ駆動回路および出力ポート93を介して、また中間搬送ユニット4側に設けられた第1〜第3モータ33−1〜33−3、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1、用紙有無センサ用ソレノイド72−2と図示しないモータ駆動回路、ソレノイド駆動回路および出力ポート93を介して、それぞれ電気的に接続されていて、上記各センサや上記各スイッチからの各種信号およびROM89から呼び出された動作に係るプログラム等に基づいて、上記各モータや上記各ソレノイド等の作動を制御する各種指令信号を送信して、大量給紙搬送ユニット1の上記各制御対象手段の起動、停止およびタイミング等の動作全体のシステムを制御している。
【0096】
ROM89には、大量給紙搬送ユニット1全体の動作あるいは用紙搬送動作フローを表す後述するフローチャートに示されているプログラムやCPU86の制御機能を発揮するための各種の関係データが記憶されており、これら動作プログラムや関係データはCPU86によって適宜呼び出される。RAM87は、CPU86の計算結果を一時的に記憶する機能、上記各スイッチや上記各センサからの各種設定・入力されたオン・オフ信号やデータ信号等の各種信号を随時記憶する機能等を有している。タイマ88は、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動による本体給紙ローラ111による給紙開始に対応して各センサ50−1〜50−8上の用紙Pの搬送が始まる時、その用紙Pの後端が移動する時の各センサ50−1〜50−8間の時間を計測する計時手段としての機能を有する。
【0097】
CPU86(以下、説明の便宜上から「制御装置85」というときがある)は、オフラインモード時において、孔版印刷装置100側の印刷速度の如何に関わらず、孔版印刷装置100側の最高印刷速度(本実施形態例では120枚/min:120rpm)に対応した用紙搬送速度で、各搬送ローラ32−1〜32−3が給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送するように各モータ33−1〜33−3を制御する用紙搬送速度制御手段としての機能を有する。
【0098】
上記用紙搬送速度制御手段としての機能を有する制御装置85によれば、以下の従来技術の問題点を解決することができるものである。すなわち、孔版印刷装置側で上述したような6段の速度差がある場合には、中間搬送部に配設されていて用紙を搬送する搬送ローラ(用紙搬送手段)の用紙搬送速度も、孔版印刷装置の印刷速度に比例・対応して「版付け速度」を含め上述した6段の用紙搬送制御によって搬送されるのが通常であるが、中間搬送部の搬送ローラの用紙搬送速度を孔版印刷装置本体側の印刷速度に対応して設定する制御方式を採用すると、低速時の用紙搬送条件と高速時の用紙搬送条件とが同じにならないため、用紙搬送速度ごとに搬送制御を持つ必要があった。このように従来の中間搬送部付き大量給紙装置における搬送ローラの用紙搬送速度制御方式では、印刷速度情報に合わせて搬送ローラの周速度でもある用紙搬送速度を制御するようになっていた。 換言すれば、オンラインモード時には、印刷速度情報に合わせての搬送ローラの用紙搬送速度制御方式を使用することができるが、オフラインモード時には、印刷速度情報に合わせての搬送ローラの用紙搬送速度制御方式を簡単に使用することができないという問題点があった。
【0099】
制御装置85(CPU86)は、オフラインモード時において、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時であるリセット時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙サイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式を変える制御を行う用紙搬送制御方式変更制御手段としての機能を有する。
上記リセット時の状態は、中間搬送路18の最下流側に配置された第3搬送ローラ32−3に用紙Pが位置し、かつ、その用紙Pの先端が図13に二点鎖線で示す本体給紙ローラ111によって給紙可能となる位置、図11に示す用紙の停止位置P0になるように予め設定されている。ちなみに、停止位置P0は、図11に示すとおり、本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とが圧接することにより形成されるニップ部中心から大体38.5mm程度用紙搬送方向Xに進んだ位置に設定されている。
【0100】
制御装置85(CPU86)の上記用紙搬送制御方式変更制御手段としての機能は、別言すれば、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙サイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式を切り換えるように各モータ33−1〜33−3を制御すると言い替えることができる。
【0101】
本実施形態では、上記用紙搬送制御方式変更制御手段としての機能により各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送速度を変える必要はないが、他の目的で用紙搬送速度を変える場合、共通のステッピングモータからなる第1〜第3モータ33−1〜33−3を使用しているため、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送速度(周速度もしくは回転速度)の変更は、制御装置85(CPU86)によって第1〜第3モータ33−1〜33−3に供給するパルスの周波数(pps:pulse per second)を変えること、すなわちパルス間隔を変える(パルス間隔を狭くしていけば加速、一定間隔では等速、パルス間隔を広くしていけば減速)ことで容易かつ正確に行える。
【0102】
次に、オフライン状態にある大量給紙搬送ユニット1の特有の制御動作の詳細を説明する前に、図15に基づいて、中間搬送ユニット4における用紙搬送動作の原理的な制御内容を説明しておく。同図において、説明の簡単化のために、用紙搬送方向Xに所定の間隔を置いて配置された第1〜第3センサ50−1〜50−3を用いて、前用紙P1と次用紙P2との各先端およびその各後端の位置に係る用紙搬送制御方式について簡単に説明しておく。以下、前用紙P1とは、中間搬送ユニット4の中間搬送路18に載っていて本体給紙部104に取り込まれる用紙を指し、次用紙P2とは、大量給紙台10および給紙機構部3から中間搬送路18へ前用紙P1に続いて連続的に給送・搬送される用紙を指す。なお、汎用的には、前用紙P1をPnと、次用紙P2をPn+1とそれぞれ書き直すことができる。但し、nは自然数である。
【0103】
まず、図15(a)に示すように、前用紙P1の後端が第2センサ50−2を通過していないので、次用紙P2の先端は用紙搬送方向Xの最上流に位置する第1センサ50−1に検出される前の位置で停止している。但し、この場合、第1センサ50−1で次用紙P2の先端を検出してからも、その次用紙P2はこれに対応した搬送ローラの慣性(上記したようなワンウェイクラッチ61を内蔵しているため搬送ローラの慣性とみなせる)によるスローダウン分進んで停止することとなる。
【0104】
次いで、図15(b)に示すように、前用紙P1の後端が第2センサ50−2を通過したら(反射型センサの遮蔽・反射→透過)、次用紙P2の搬送が開始される。次用紙P2の先端が第2センサ50−2によって検出されるまで、次用紙P2が搬送され進む。この次用紙P2が用紙搬送方向Xの下流側に搬送されて進むか停止するかは、前用紙P1の後端と第3センサ50−3との位置関係および用紙搬送方向Xに沿う用紙サイズ(以下、「用紙長さサイズ」というときがある)よって異なる。
【0105】
図15(c)に示すように、前用紙P1の後端が第3センサ50−3を通過している場合は、次用紙P2はその速度(用紙搬送速度)を落とすことなく同図に二点鎖線で示すように第2センサ50−2を通過して、その先端が第3センサ50−3まで到達可能となる。しかし、前用紙P1の後端が第3センサ50−3を通過していない場合は、次用紙P2は同図に実線で示すように第2センサ50−2の位置で停止する。
【0106】
このように、本実施形態例では、前用紙P1および次用紙P2の各先端およびその各後端の位置を各センサ50−1〜50−8で常に検出しながら、前用紙P1の後端と次用紙P2の先端とを接触させることなく順次搬送可能となるように、用紙搬送制御方式を切り換える、換言すれば予め設定された用紙搬送制御パターンをROM89から選択する特有の制御が行われる。本実施形態例によれば、図11や図16に示す10種類の用紙サイズを最少の8個のセンサ50−1〜50−8で検出できるので、用紙長さサイズの検出構成が簡素になると共にコストダウンを図れる。
【0107】
それ故に、本発明は、例えば本実施形態例のように中間搬送路18に配置された8個のセンサ50−1〜50−8に限らず、これを第1〜第Nセンサ50−1〜50−N、但しNは自然数と一般的に置き換えて多数配置(例えば8を超えて配置)すると共に、中間搬送路18を上記したよりもさらに長く延長したような場合でも、前用紙P1(Pn)後端と次用紙P2(Pn+1)先端とを接触させることなく順次搬送可能となるように、例えば各搬送ローラ32−1〜32〜3の起動・停止を変えることができるものであり、また第1〜第Nセンサ50−1〜50−N上に用紙Pが3枚以上載っている場合でも、搬送する用紙長さサイズに合わせ搬送ローラを増やすことにより勿論制御可能となるものである。
【0108】
上述したことから、上記実施形態例に限定されず、中間搬送部としての中間搬送ユニットは、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出する用紙検出手段としての第1〜第Nセンサ50−1〜50−Nとを有するものであってもよい。
【0109】
図11、図16〜図19を参照して、制御装置85による大量給紙搬送ユニット1の特に中間搬送ユニット4における特有の用紙搬送動作を説明する。
図11に具体的に示すように、本実施形態における用紙長さサイズの検出は、図32に示す後述するリセット時の動作を介して、1枚の用紙Pが各センサ50−1〜50−8上へ搬送終了された停止後に、すなわち、図11においてその1枚の用紙P、つまり前用紙P1の先端部が本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とのニップ部で挟持されて停止した停止位置P0において、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて制御装置85によって判断される。
【0110】
ちなみに、リセット時において、用紙搬送方向Xに最長のDLY(ダブルレター)サイズおよびA3Yサイズの用紙Pでは、第8センサ50−8から第1センサ50−1に至るまでこれらのセンサ上(厳密にはセンサ下)に位置していることにより、第8センサ50−8〜第1センサ50−1がオンしていることで最大用紙長であると判定する。また、最短のB5Tサイズの用紙Pでは、第8センサ50−8から第5センサ50−5に至るまでこれらのセンサ上に位置していることにより、第8センサ50−8〜第5センサ50−5がオンしていることで最短用紙長であると判定する。
図16の図表において、「初期用紙後端位置:センサ間(…0−〜−5)」とは、リセット時において1枚の用紙Pの後端を検出する第1〜第8センサ50−1〜50−8に対応しているセンサ番号を指している。この例で、センサ番号「0」は、分離ローラ12の配置位置を表す。また、「2枚目取込センサ」とは、リセット状態にある前用紙の後端に続いて次用紙の先端を接触させることなく給紙機構部3から次用紙を取込開始可能とするための、孔版印刷装置100側に前用紙が取り込まれ搬送されることによりその前用紙の後端位置を検出しているセンサがオフとなるそのセンサ番号を表す。2枚目取込センサのセンサ番号は、同表に括弧を付して表すように後述する搬送タイプ1〜5の番号に対応している。
【0111】
上述した内容から、大量給紙ユニット5から1枚に分離されて給送されてきた用紙Pを搬送する際の用紙搬送制御方式に係る用紙搬送制御パターンは、次の5通りの搬送タイプに分類することができる。つまり、中間搬送ユニット4にある前用紙P1の先端が孔版印刷装置100側の給紙ローラ111の回転開始によって持っていかれた時、どの時点で次用紙P2の搬送開始を行うかの制御を行っているわけである。本実施形態例では、中間搬送路18が比較的短いため1枚の用紙Pのみを順次搬送しているが、中間搬送部の中間搬送路が長ければそれぞれの用紙長さサイズにより、中間搬送路に用紙Pが載る枚数分だけの搬送制御を行うことができるのは言うまでもない。
【0112】
搬送タイプ1:第8センサ50−8〜第1センサ50−1までオン状態
搬送タイプ2:第8センサ50−8〜第2センサ50−2までオン状態
搬送タイプ3:第8センサ50−8〜第3センサ50−3までオン状態
搬送タイプ4:第8センサ50−8〜第4センサ50−4までオン状態
搬送タイプ5:第8センサ50−8〜第5センサ50−5までオン状態
図17に示すフローチャートは、制御装置85(CPU86)によってリセット動作終了後にROM89から呼び出される搬送タイプ1〜搬送タイプ5に係る搬送制御分岐処理内容を示している。
まず、同図のステップS1では、リセット時において、1枚の用紙Pの後端が第1センサ50−1に位置しているか否かが判断される。用紙Pの後端が第1センサ50−1に位置していれば(第1センサ50−1・オン)、ステップS4へ進んで搬送タイプ1に係る用紙搬送制御のサブルーチンプログラムが実行される。用紙Pの後端が第1センサ50−1に位置していなければ(第1センサ50−1・オフ)、ステップS2へ進み、その用紙Pの後端が第2センサ50−2に位置しているか否かが判断される。用紙Pの後端が第2センサ50−2に位置していれば、ステップS5へ進んで搬送タイプ2に係る用紙搬送制御のサブルーチンプログラムが実行される。用紙Pの後端が第2センサ50−2に位置していなければ、その用紙Pの後端が第3センサ50−3に位置しているか否かが判断される。以下、同様な内容となるため、途中の搬送タイプ3〜4を含めその説明を省略する。
【0113】
次に、図16の図表、図18および図19の用紙搬送遷移状態、図20〜図23のフローチャートおよび図24のタイミングチャートを参照しながら、制御装置85の制御の下に実行される用紙搬送制御例を詳細に説明する。この用紙搬送制御例は、例えば搬送タイプ3で印刷速度16、30〜120rpmの何れかであって、かつ短サイズ(図16に示すA4Y、B5Y、レターYサイズ)の場合である。
図24は、図18〜図23に示した用紙搬送制御動作のうち、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端に追い付いていない場合についての、第1〜第8センサ50−1〜50−8のオン・オフ、給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3の各オン(起動)・オフ(停止)に係るタイミングチャートの一例を示している。
【0114】
図20〜図23のフローチャートは、ステップS10から始まる。まず、ステップS10において、各モータ速度が予め標準設定されている。この場合の各モータ速度の標準設定とは、孔版印刷装置100側の印刷速度の如何に関わらず、孔版印刷装置100側の最高印刷速度(本実施形態例では120枚/min:120rpm)に対応した用紙搬送速度で、給紙ローラ11および分離ローラ12が大量給紙台10上の最上の用紙をピックして1枚ずつ分離・搬送するように給紙モータ22が、各搬送ローラ32−1〜32−3が給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送するように各モータ33−1〜33−3が、制御装置85からの指令によってそれぞれ制御されることを意味する。
【0115】
このときの用紙搬送速度は、印刷ドラム115による最高印刷速度120rpm(用紙搬送速度換算で1130mm/sec相当)に対応して設定されている(実施例的には、1130mm/sec相当よりもやや速度アップした1370mm/secに設定されている)。孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111、本体分離ローラ112による用紙搬送速度も上記と同様(実施例的には1272mm/sec)となるように孔版印刷装置100側の図示しない制御装置で給紙モータ122が制御される。
【0116】
図16に示されているとおり、短サイズの搬送タイプ3の初期用紙後端位置は第3センサ50−3と第2センサ50−2との間にあり、2枚目取込センサは第3センサ50−3(がオフになった時)である。
図18に示す用紙の状態は、大量給紙台10上の最上の用紙Pの1枚が分離されて取り出され中間搬送路18に給送・搬送されたリセット動作終了後の1枚の前用紙P1を示す。この前用紙P1のリセット停止状態は、第8センサ50−8〜第3センサ50−3までがオンしている搬送タイプ3を示していて、搬送タイプ3での搬送制御が行われる。
【0117】
まず、前用紙P1が図18に示すリセット位置を占めていた状態から、図19(a)に示す状態に進む。すなわち、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動・スタートにより、本体給紙ローラ111が一定の回転速度(上記したように印刷ドラム115の最高印刷速度120rpm(周速度)に対応した本体給紙ローラ111の周速度、すなわち用紙搬送速度でもある)で時計回りに回転開始されることで、本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで挟持されていた前用紙P1が本体給紙部104へと取り込まれ・搬送されて行く。この時、第3搬送ローラ32−3は本体給紙ローラ111から適度の給紙圧を受けているため、前用紙P1と第3搬送ローラ32−3外周面の高摩擦面(ゴム面)との摩擦で前用紙P1の動きに合わせて図19(a)に破線で示すように反時計回りに連れ回り・従動回転し始める。この際の第3モータ33−3の負荷は第3搬送ローラ32−3の軸部に内蔵されたワンウェイクラッチ61の働きでほとんど無視できるくらい小さいものとなっている。
以下、本体給紙ローラ111、各搬送ローラ33−1〜33−3、分離ローラ12、給紙ローラ11等の回転については、実線で示すものが自身による回転、破線で示すものが連れ回りないしは従動回転を表すものとして区別することとする。
【0118】
こうして前用紙P1が孔版印刷装置100側へ進み出すと、前用紙P1の後端が第3センサ50−3から抜けて第3センサ50−3〜第1センサ50−1が共にオフになったか否かが判断される(ステップS11参照)。すなわち、ここでは図16に示した2枚目取込センサのチエックがなされる。2枚目取込センサである第3センサ50−3がオフになったので、給紙モータ22が起動(回転駆動開始)されることにより、給紙ローラ11および分離ローラ12が時計回りに回転し始めることで、次用紙P2が1枚に分離されて中間搬送路18に向けて搬送開始される。この際、次用紙P2の先端は第1センサ50−1により検出される。これと同時的に、第1モータ33−1が起動されることにより、第1搬送ローラ32−1が反時計回りに回転し始めることで、次用紙P2は第1搬送ローラ32−1と第1加圧ローラ31−1とにより挟持されつつ回転・搬送されて用紙搬送方向Xの下流側へと搬送される。給紙モータ22は、給紙ローラ11および分離ローラ12を介して次用紙P2の先端部を第1搬送ローラ32−1まで搬送すべく駆動された後、自動的に停止する(ステップS12参照)。
なお、ステップS11において、第3センサ50−3がオフのままであるようなとき、同判断処理動作が繰り返される。
【0119】
次いで、ステップS13において、次用紙P2が搬送されてその先端の到達位置によって第2センサ50−2がオンになったか否かが判断される。次用紙P2の先端が第2センサ50−2に到達せずに同センサ50−2がオフのとき、同判断処理動作が繰り返される(以下、このようなフローの説明は同フローチャートから自明であるため省略する)。第2センサ50−2がオンであれば、ステップS14へ進む。
ステップS14において、前用紙P1が搬送されて第4センサ50−4がオフになったか否かが判断される。第4センサ50−4がオフのとき、ステップS15に進み、第2モータ33−2が起動する。ここで、第4センサ50−4がオンのままであるとき、ステップS28に進んで、前用紙P1が搬送されずにその後端が第4センサ50−4上に載っていると判断し、第1モータ33−1の回転駆動が停止される。この時、第3センサ50−3はオフで前用紙P1の後端が第3センサ50−3を抜けて通り過ぎているが、第4センサ50−4がオンのままで前用紙P1の後端が第4センサ50−4上にあるために、次用紙P2の先端を第3センサ50−3まで搬送することができない。すなわち、用紙搬送間(前用紙P1の後端と次用紙P2の先端との間)の2つ分の第3センサ50−3および第4センサ50−4が共にオフになって空くまで、次用紙P2が第2センサ50−2と第3センサ50−3との間の中間搬送路18に停止するように搬送制御される。
【0120】
一方、ステップS14において、前用紙P1の後端が第4センサ50−4上に位置することで、同センサ50−4がオンしているノーのとき、次用紙P2の先端が第3センサ50−3まで進まないように一旦第1モータ33−1を停止させる(ステップS28参照)。
次いで、前用紙P1が進み出して第4センサ50−4がオフになったか否かが判断される(ステップS29参照)。第4センサ50−4がオフのとき、ステップS30に進み、第1および第2モータ33−1,33−2共に起動する。
上述したステップS13〜ステップS15およびステップS28〜ステップS30が、前用紙P1の後端および次用紙P2の先端の搬送位置チエックの基本パターンとなる。以下の動作については、本質的にはこのような基本パターンの繰り返しとなる。
【0121】
次いで、ステップS16において、次用紙P2が搬送されて第3センサ50−3がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第3センサ50−3がオンしたとき、図21に示すステップS17に進み、前用紙P1が搬送されて第5センサ50−5がオフされたか否かが判断される。
ステップS17において、前用紙P1が搬送されてその後端が第5センサ50−5を抜けて第5センサ50−5がオフした時、図22のステップS18に進む。ステップS18において、次用紙P2が搬送されて第4センサ50−4がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第4センサ50−4がオンしたとき、ステップS19に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けて同センサ50−6がオフされたか否かが判断される。前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けたとき、ステップS20に進み、次用紙P2が搬送されてその先端が第5センサ50−5に到達して同センサ50−5がオンされたか否かが判断される。
【0122】
一方、ステップS17において、前用紙P1が搬送されずにその後端が第5センサ50−5上に位置することで、同センサ50−5がオンしているノーのとき、次用紙P2が進まないように一旦第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる(ステップS31参照)。
次いで、前用紙P1が進み出して第5センサ50−5がオフになったか否かが判断される(ステップS32参照)。第5センサ50−5がオフのとき、ステップS33に進み、第1および第2搬送ローラ32−1,32−2を回転させるように第1および第2モータ33−1,33−2が再び起動することにより、次用紙P2が搬送されて(ステップS33参照)、図22のステップS18に進む。
【0123】
ステップS14からステップS17に至るまで、およびステップS28からステップS30に至るまでの動作が、図19(b)に示されている。同図に示すように、次用紙P2が第4センサ50−4と第5センサ50−5との2個のセンサで前用紙P1の後端位置をチエックしながら搬送される。この場合、第3センサ50−3がオンで次用紙P2の先端が同センサ50−3に到達していて、かつ、第5センサ50−5がオフでなくオンであって前用紙P1の後端が同センサ50−5上にあるので、前用紙P1の後端と次用紙P2の先端との用紙搬送間の2つ分の第4センサ50−4および第5センサ50−5が共にオフになって空くまで、次用紙P2が図19(b)に示す位置に停止するように搬送制御される。
【0124】
一方、ステップS19において、第6センサ50−6がオンになっているままであるとき、すなわち前用紙P1が搬送されずにその後端が第6センサ50−6上にあるとき、次用紙P2が進まないように、一旦、第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる(ステップS34参照)。次いでステップS35に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けたイエスのとき、第1および第2搬送ローラ32−1,32−2を回転させるように第1および第2モータ33−1,33−2が起動する(ステップS36参照)。
【0125】
次に、図23のステップS21に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第7センサ50−7を抜けて同センサ50−7がオフされたか否かが判断される。前用紙P1が搬送されてその後端が第7センサ50−7を抜けたとき、ステップS22に進み、一旦、第1モータ33−1を停止させる。これは、次用紙P2の先端が既に第2搬送ローラ32−2に達して同ローラ32−2上を通過しているため、第1モータ33−1を停止させるためである。
【0126】
一方、ステップS21において、第7センサ50−7がオンになっているままであるとき、すなわち前用紙P1が搬送されずにその後端が第7センサ50−7上にあるとき、次用紙P2が進まないように、一旦、第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる(ステップS37参照)。次いでステップS38に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第7センサ50−7を抜けて同センサ50−7がオフであるイエスのとき、第2搬送ローラ32−2だけを回転させるように第2モータ33−2が起動する(ステップS39参照)。
【0127】
次いで、ステップS23に進み、次用紙P2が搬送されて第6センサ50−6がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第6センサ50−6がオンしたとき、ステップS24に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第8センサ50−8を抜けて同センサ50−8がオフされたか否かが判断される。前用紙P1が搬送されてその後端が第8センサ50−8を抜けたとき、ステップS25に進み、第3搬送ローラ32−3を回転させるように第3モータ33−3が起動する(ステップS25参照)。
【0128】
一方、ステップS24において、第8センサ50−8がオンになっているままであるとき、すなわち前用紙P1が搬送されずにその後端が第8センサ50−8上にあるとき、次用紙P2が進まないように、一旦、第2モータ33−2を停止させる(ステップS40参照)。次いでステップS41に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第8センサ50−8を抜けて同センサ50−8がオフであるイエスのとき、第2および第3搬送ローラ32−2,32−3を回転させるように第2および第3モータ33−2,33−3が起動する(ステップS42参照)。
【0129】
次いで、ステップS26に進み、次用紙P2が搬送されて第8センサ50−8がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第8センサ50−8がオンしたとき、ステップS27に進み、第2および第3モータ33−2、33−3共に停止させる。
こうして、前用紙P1が孔版印刷装置100の印刷部102に搬送されて中間搬送ユニット4から完全に無くなると、図18に示したと同様に今度は前用紙P1に代えた次用紙P2が本体給紙ローラ111の回転駆動によって孔版印刷装置100の印刷部102に搬送されるまでリセット位置に停止されることとなる。
【0130】
上述したステップS11〜ステップS27までの一連の制御処理動作は、前用紙P1後端に次用紙P2先端が追い付いていない場合を表している。また、ステップS28〜ステップS30、ステップS31〜ステップS33、ステップS34〜ステップS36、ステップS37〜ステップS39、ステップS40〜ステップS42の各制御処理動作は、前用紙P1後端に次用紙P2先端が追い付いた場合を表している。
図19(b)を参照して説明したように、大量給紙台10上から搬送開始される用紙P(次用紙P2)は搬送開始後、(1)前用紙P1の後端チエックのため直前の数個のセンサ50(用紙長さにより変化する)の空きをチエックする。(2)次用紙P2は、前用紙P1の後端が所定個数のセンサ50上に用紙Pがない(つまり前用紙P1が進んでいる)時に、次のセンサ50まで進むことができる。前用紙P1が進んでいない場合は、前用紙P1が進むまで停止する。(3)次用紙P2の先端が次のセンサ50に到達した時に上記(1)に戻る。これを搬送定位置(用紙P後端が第8センサ50−8を通り過ぎる位置)まで繰り返すという用紙搬送制御が実行される。
【0131】
次に、図16の図表、図25、図26の用紙搬送遷移状態および図27のタイミングチャートを参照しながら、制御装置85の制御の下に実行される用紙搬送制御例として、例えば搬送タイプ1で印刷速度16、30〜120rpmの何れかであって、かつ長手サイズ(図16に示すDLY、A3Y)の場合について簡単に説明する。
図27は、以下説明する用紙搬送制御動作のうち、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端に追い付いていない場合についての、第1〜第8センサ50−1〜50−8のオン・オフ、給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3の各オン(起動)・オフ(停止)に係るタイミングチャートの一例を示している。
【0132】
搬送タイプ1の用紙搬送制御例においても、上述した搬送タイプ3の場合と同様に各モータ速度が予め標準設定されていて、孔版印刷装置100側の印刷速度の如何に関わらず、孔版印刷装置100側の最高印刷速度(本実施形態例では120枚/min:120rpm)に対応した用紙搬送速度で、給紙ローラ11および分離ローラ12が大量給紙台10上の最上の用紙をピックして1枚ずつ分離・搬送するように給紙モータ22が、各搬送ローラ32−1〜32−3が給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送するように各モータ33−1〜33−3が、制御装置85からの指令によってそれぞれ制御される。
【0133】
図16に示すとおり、長手サイズの搬送タイプ1の初期用紙後端位置は分離ローラ12と第1センサ50−1との間にあり、2枚目取込センサは第1センサ50−1がオフになった時である。
図25に示す用紙の状態は、大量給紙台10上の最上の用紙Pの1枚が分離されて取り出され中間搬送路18に給送・搬送されたリセット動作終了後の1枚の前用紙P1を示す。この前用紙P1のリセット停止状態は、第8センサ50−8〜第1センサ50−1までがオンしている搬送タイプ1を示していて、搬送タイプ1での搬送制御が行われる。
【0134】
まず、前用紙P1が図25に示すリセット位置を占めていた状態から、図26(a)に示す状態に進む。すなわち、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動により、本体給紙ローラ111が一定の回転速度(上記したように印刷ドラム115の最高印刷速度120rpm(周速度)に対応した本体給紙ローラ111の周速度、すなわち用紙搬送速度でもある)で時計回りに回転開始されることで、本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで挟持されていた前用紙P1が本体給紙部104へと取り込まれ・搬送されて行く。
【0135】
こうして前用紙P1が孔版印刷装置100側へ進み出すと、前用紙P1の後端が第1センサ50−1を抜けて通り過ぎることにより、第1センサ50−1がオフとなる。2枚目取込センサとしての第1センサ50−1がオフになったので、給紙モータ22が起動されることにより、給紙ローラ11および分離ローラ12が時計回りに回転し始めることで、次用紙P2が1枚に分離されて中間搬送路18に向けて搬送開始される。給紙ローラ11および分離ローラ12の回転・搬送によって、次用紙P2が中間搬送路18の下流側へと搬送され始め、その先端が第1センサ50−1により検出される。
この時、図27に示すタイミングで第1モータ33−1が起動されることにより、次用紙P2の先端が第1搬送ローラ32−1と第1加圧ローラ31−1とにより挟持されつつ回転・搬送されて第2センサ50−2がオンするまで搬送される。なお、給紙モータ22は、給紙ローラ11および分離ローラ12を介して次用紙P2の先端部を第1搬送ローラ32−1まで搬送すべく駆動された後、自動的に停止する。
【0136】
一方、前用紙P1が用紙搬送方向Xの下流側へとさらに搬送されて、図26(b)に示すように、第2センサ50−2はオフで前用紙P1の後端が第2センサ50−2を抜けて通り過ぎているが、第3センサ50−3がオンのままで前用紙P1の後端が同センサ50−3上にあるとき、すなわち前用紙P1の後端に次用紙P2の先端が追い付こうとしている時には、次用紙P2の先端を第3センサ50−3まで搬送することができない。もしも、次用紙P2の先端を第3センサ50−3まで搬送してしまうと、前用紙P1の後端と次用紙P2の先端とが接触してしまう虞があると共に、前用紙P1の後端と次用紙P2の先端との間(境界)が分からなくなって各用紙P1,P2の区別がつかなくなってしまうために用紙搬送間にあるセンサを1つ分空けて、次用紙P2を搬送する制御を行う。すなわち、同図に示すように、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端との間にオフのセンサが1個あるかどうかをチエックしながら搬送される。ここでは、次用紙P2の先端が第2センサ50−2オンとなる位置にあり、かつ、前用紙P1の後端が第3センサ50−3オンとなる位置にあることにより、用紙搬送間のオフのセンサが0個なので、第1モータ33−1がオフされることにより次用紙P2は図26(b)に示す位置に停止する。
【0137】
その後、さらに前用紙P1が用紙搬送方向Xの下流側へと搬送されて、その後端が第3センサ50−3から抜けて第3センサ50−3がオフになると、用紙搬送間のオフのセンサが1個空くので、この時に再び第1モータ33−1が起動されることにより、次用紙P2の先端が第3センサ50−3がオンするまで搬送される。
この時、前用紙P1が搬送されて第4センサ50−4がオフになったか否かが判断され、前用紙P1の後端が第4センサ50−4上にあって同センサ50−4がオンのままであるとき、すなわち前用紙P1の後端に次用紙P2の先端が追い付こうとしている時には、上述したと同様の理由によって次用紙P2の先端を第4センサ50−4まで搬送することができないため、用紙搬送間のセンサを1つ分空けて、次用紙P2を搬送する制御を行う。すなわち、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端との間にオフのセンサが1個あるかどうかをチエックしながら搬送される。ここでは、次用紙P2の先端が第3センサ50−3オンとなる位置にあり、かつ、前用紙P1の後端が第4センサ50−4オンとなる位置にあることにより、用紙搬送間のオフのセンサが0個なので、第1モータ33−1がオフされることにより次用紙P2は第3センサ50−3オンとなる位置に停止する。
【0138】
一方、前用紙P1の後端が第4センサ50−4を抜けて同センサ50−4がオフになると、所定のタイミングで第2モータ33−2が起動されると共に、用紙搬送間のオフのセンサが1個空くので、この時に再び第1モータ33−1が起動されることにより、その先端が第3センサ50−3上で停止していた次用紙P2は第1搬送ローラ32−1と第1加圧ローラ31−1とにより挟持されつつ回転・搬送されると同時に、次用紙P2の先端が第2搬送ローラ32−2と第2加圧ローラ31−2とにより挟持されつつ回転・搬送されて第4センサ50−4がオンするまで搬送される。
【0139】
このような動作を順次繰り返すことで、前用紙P1がさらに用紙搬送方向Xの下流側へと搬送されて、前用紙P1の後端が第8センサ50−8を抜けて同センサ50−8がオフになるまで同様に制御されると、第6センサ50−6をオンさせる状態で停止していた次用紙P2の先端が、所定のタイミングで再度第2モータ33−2が起動されると、次用紙P2が搬送されその先端の到達によって第7センサ50−7がオンになったか否かが判断され、オンになっていれば第3モータ33−3が起動されることにより、第8センサ50−8をオンするまで搬送制御される。
こうして、前用紙P1が孔版印刷装置100の印刷部102に搬送されて中間搬送ユニット4から完全に無くなると、図25に示したと同様に今度は前用紙P1に代えた次用紙P2が本体給紙ローラ111の回転駆動によって孔版印刷装置100の印刷部102に搬送されるまでリセット位置に停止される。
【0140】
次に、図16の図表、図28、図29の用紙搬送遷移状態および図30のタイミングチャートを参照しながら、制御装置85の制御の下に実行される用紙搬送制御例として、例えば搬送タイプ5で印刷速度16、30〜120rpmの何れかであって、かつ短サイズ(図16に示すB5T)の場合について簡単に説明する。
図30は、以下説明する用紙搬送制御動作のうち、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端に追い付いていない場合についての、第1〜第8センサ50−1〜50−8のオン・オフ、給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3の各オン(起動)・オフ(停止)に係るタイミングチャートの一例を示している。
【0141】
搬送タイプ5の用紙搬送制御例においても、上述した搬送タイプ3や1の場合と同様に各モータ速度が予め標準設定されていて、孔版印刷装置100側の印刷速度の如何に関わらず、孔版印刷装置100側の最高印刷速度(本実施形態例では120枚/min:120rpm)に対応した用紙搬送速度で、給紙ローラ11および分離ローラ12が大量給紙台10上の最上の用紙をピックして1枚ずつ分離・搬送するように給紙モータ22が、各搬送ローラ32−1〜32−3が給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送するように各モータ33−1〜33−3が、制御装置85からの指令によってそれぞれ制御される。
【0142】
図16に示すとおり、短サイズの搬送タイプ5の初期用紙後端位置は第4センサ50−4と第5センサ50−5との間にあり、2枚目取込センサは第5センサ50−5がオフになった時である。
図28に示す用紙の状態は、大量給紙台10上の最上の用紙Pの1枚が分離されて取り出され中間搬送路18に給送・搬送されたリセット動作終了後の1枚の前用紙P1を示す。この前用紙P1のリセット停止状態は、第8センサ50−8〜第5センサ50−5までがオンしている搬送タイプ5を示していて、搬送タイプ5での搬送制御が行われる。
【0143】
まず、前用紙P1が図28に示すリセット位置を占めていた状態から、図29(a)に示す状態に進む。すなわち、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動により、本体給紙ローラ111が一定の回転速度(上記したように印刷ドラム115の最高印刷速度120rpm(周速度)に対応した本体給紙ローラ111の周速度、すなわち用紙搬送速度でもある)で時計回りに回転開始されることで、本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで挟持されていた前用紙P1が本体給紙部104へと取り込まれ・搬送されて行く。
【0144】
こうして前用紙P1が孔版印刷装置100側へ進み出すと、前用紙P1の後端が第5センサ50−5を抜けて通り過ぎることにより、第5センサ50−5がオフとなる。2枚目取込センサとしての第5センサ50−5がオフになったので、給紙モータ22が起動(回転駆動開始)されることにより、給紙ローラ11および分離ローラ12が時計回りに回転し始めることで、次用紙P2が1枚に分離されて中間搬送路18に向けて搬送開始される。次いで、第1および第2モータ33−1、33−2が順次起動されることにより、次用紙P2の先端が第1搬送ローラ32−1と第1加圧ローラ31−1とにより、第2搬送ローラ32−2と第2加圧ローラ31−2とにより順次挟持されつつ回転・搬送されて第5センサ50−5がオンするまで搬送される。なお、給紙モータ22は、給紙ローラ11および分離ローラ12を介して次用紙P2の先端部を第1搬送ローラ32−1まで搬送すべく駆動された後、自動的に停止する。
【0145】
そして、図29(b)に示すように、第6センサ50−6はオフで前用紙P1の後端が第6センサ50−6を抜けて通り過ぎているが、第7センサ50−7がオンのままで前用紙P1の後端が第7センサ50−7上にあるために、次用紙P2の先端を第6センサ50−6まで搬送することができない。すなわち、同図に示すように、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端との間にオフのセンサが2個あるかどうかをチエックしながら搬送される。ここでは、次用紙P2の先端が第5センサ50−5がオンとなる位置にあり、かつ、前用紙P1の後端が第7センサ50−7オンとなる位置にあることにより、用紙搬送間のオフのセンサが1個なので、2つ分の第6センサ50−6および第7センサ50−7が共にオフになって空くまで第2モータ33−2がオフされることにより、次用紙P2は図29(b)に示す位置に停止する。
【0146】
その後、さらに前用紙P1が用紙搬送方向Xの下流側へと搬送されて、その後端が第7センサ50−7から抜けて第7センサ50−7がオフになると、次用紙P2の先端が図29(b)に示す位置に停止していることにより、第6センサ50−6および第7センサ50−7がオフのままであるので、この時に第2モータ33−2が再び起動されることによって、次用紙P2が第2搬送ローラ32−2と第2加圧ローラ31−2とにより挟持されつつ回転・搬送されてその先端が第6センサ50−6がオンするまで搬送される。
この時、前用紙P1が搬送されて第8センサ50−8がオフになったか否かが判断される。ここで、前用紙P1の後端が第8センサ50−8上にあって同センサ50−8がオンのままであるとき、上述したと同様の理由によって次用紙P2の先端を第7センサ50−7まで搬送することができないため、用紙搬送間のセンサを2つ分空けて、次用紙P2を搬送する制御を行う。すなわち、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端との間にオフのセンサが2個あるかどうかをチエックしながら搬送される。ここでは、次用紙P2の先端が第6センサ50−6がオンとなる位置にあり、かつ、前用紙P1の後端が第8センサ50−8オンとなる位置にあることにより、用紙搬送間のオフのセンサが1個なので、2つ分の第8センサ50−8および第7センサ50−7が共にオフになって空くまで第2モータ33−2がオフされることによって、次用紙P2の先端は第6センサ50−6がオンとなる位置に停止する。
【0147】
一方、前用紙P1の後端が第8センサ50−8を抜けて同センサ50−8がオフになると、2つ分の第8センサ50−8および第7センサ50−7が共にオフになって空くため、所定のタイミングで再度第2モータ33−2が起動されると、次用紙P2が搬送されその先端の到達によって第7センサ50−7がオンになったか否かが判断され、オンになっていれば第3モータ33−3が起動されることにより、その先端が第6センサ50−6上で停止していた次用紙P2は第8センサ50−8をオンするまで搬送制御される。
【0148】
こうして、前用紙P1が孔版印刷装置100の印刷部102に搬送されて中間搬送ユニット4から完全に無くなると、図28に示したと同様に今度は前用紙P1に代えた次用紙P2が本体給紙ローラ111の回転駆動によって孔版印刷装置100の印刷部102に搬送されるまでリセット位置に停止される。
【0149】
本実施形態によれば、オフライン接続時において、孔版印刷装置100側での給紙速度ないしは印刷速度に合わせての搬送ローラの用紙搬送速度制御方式を使用することができない場合であっても、上記のとおりの制御装置85(CPU86)による特有の用紙搬送制御により、すなわち孔版印刷装置100側の印刷速度の如何に関わらず、孔版印刷装置100側の最高印刷速度(本実施形態例では120枚/min:120rpm)に対応した用紙搬送速度で、各搬送ローラ32−1〜32−3が給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送するように各モータ33−1〜33−3を制御するという用紙搬送制御によって、印刷速度ごとの用紙搬送制御を持つ必要が無くなり、それ故に印刷速度ごとのバラツキが無くなって用紙送りが安定すると共に、用紙搬送制御を簡素化できるという利点がある。
【0150】
また、制御装置85(CPU86)の用紙搬送制御方式変更制御手段としての機能によって、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙長さサイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式である搬送タイプ(用紙搬送パターン)を切り換えるように各モータ33−1〜33−3を制御するものであるから、前用紙P1の後端が第1〜第8センサ50−1〜50−8(複数の用紙検出手段)のどこにあるかだけを判別すれば次用紙P2の搬送が可能となるので、用紙長さサイズの定形サイズ、不定形サイズに関わらず搬送することができ、これにより用紙長さサイズに合った安定した用紙搬送を行うこともできる。
また、リセット状態(初期化状態)は、中間搬送路18の最下流側に配置された第8センサ50−8に1枚の用紙が位置し、かつ、該用紙の先端が本体給紙ローラ111(本体給紙手段)によって給紙可能となる位置に設定されているので、孔版印刷装置100本体(画像形成装置本体)側で確実に用紙を取り込むことができる。
【0151】
次に、図31〜図33を併用して大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めていて、オフラインモードにある場合の装置全体の動作を説明する。 先ず、図31(b)に示すように大量給紙搬送ユニット1側の電源スイッチ80の投入・オンと、図31(a)に示すように孔版印刷装置100に配設されている図示しない電源スイッチの投入・オンとの先後は問わないものの、各電源からの電力の供給がそれぞれ独立になされる。
【0152】
次いで、大量給紙搬送ユニット1側と孔版印刷装置100側の動作の順番は問わないが、大量給紙搬送ユニット1側では、リセットスイッチ81が押下されオンされたか否かが判断される。説明が一部前後するが、ここで図32に示す動作説明図および図33に示すフローチャートに係るリセット処理動作について詳述する。
リセット処理動作は、図33のフローチャートにおいて、ステップS60から始まる。先ず、リセット要求が有るか否かがCPU86によって判断・チエックされる。リセット要求が有るとき、すなわちリセットスイッチ81の押下によってリセット信号が生成され、これが制御装置85に入力され、制御装置85がリセット信号を受け取った場合、ステップS61に進む。一方、ステップS60において、リセット要求が無いノーのとき、同様のチエックが繰り返される。
【0153】
次いでステップS61において、大量給紙台10に用紙Pが積載されているか否かが、用紙有無センサ66からの出力信号に基づいてチエックされる。用紙Pが大量給紙台10に積載されていないとき、リセット要求をキャンセルし、用紙Pが積載されているとき、ステップS62に進んで、中間搬送ユニット4に用紙Pが無いか否か、つまり中間搬送ユニット4に用紙Pが残っていないか否かがチエックされる。用紙Pが残っているとき、リセット要求をキャンセルする。中間搬送ユニット4に用紙Pが残っていないとき、ステップS63に進む。
【0154】
ステップS63において、給紙台昇降機構25の昇降モータ28がオンされ、図32(b)に示すように同給紙台昇降機構25の動作を介して大量給紙台10が上昇する。次いでステップS64に進み、適正高さセンサ26がオンしたか否かがチエックされる。適正高さセンサ26がオンになっていなければ、適正高さセンサ26がオンするまで大量給紙台10は上昇する。上昇中に、停止信号が制御装置85に入力された場合は大量給紙台10の上昇が停止する。適正高さセンサ26がオンすると、大量給紙台10上の最上の用紙Pが給紙可能な位置を占めたもの、つまり給紙ローラ11が給紙位置を占めたものと判断されて昇降モータ28がオフされ、大量給紙台10の上昇が停止する(ステップS65参照)。
【0155】
次いで、給紙機構部3の給紙モータ22がオン駆動されることにより、給紙ローラ11が図32(c)に示すように時計回りに回転され、これにより大量給紙台10上の最上の用紙Pが用紙搬送方向Xに送り出され、さらに時計回りに回転される分離ローラ12と分離パッド13との協働作用によって1枚に分離されて大量給紙ユニット5から取り出される。次いで、第1〜第3モータ33−1〜33−3がオン駆動されることにより、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3がそれぞれ反時計回りに回転され、これに従動する第1、第2加圧ローラ31−1,31−2は時計回りに回転されることで、給送された初期セット用の1枚の用紙Pは用紙搬送方向Xの下流側のリセット位置に向けて搬送される。
この際、初期セット用の1枚目の用紙サイズは分からないため、図16に示した搬送タイプ1(A3,DL:最大の用紙サイズ)の用紙搬送制御方式で搬送されるが、前用紙が中間搬送ユニット4に無いため、次用紙は停止することなく進み、全ての搬送タイプは同様の動きをする。すなわち、どの搬送タイプでも中間搬送ユニット4に前用紙が無いため、次用紙は前用紙に追い付いて停止することがなく、同様の動作によりリセット位置まで次用紙を搬送することとなる。
【0156】
そして、初期セット用の1枚の用紙Pの先端がリセット位置を占めたことが、第8センサ50−8からの用紙有り信号で検知されると、第1〜第3モータ33−1〜33−3がオフされることにより、初期セット用の1枚の用紙Pの先端が、本体給紙部104の前面板124の略手前位置で停止してリセット位置を占めると、リセット動作が終了する(例えば図18、図25、図28参照)。
この際、用紙Pの先端が第8センサ50−8を通過した時点で、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオフ(復帰)して用紙有りとなる。従って、中間搬送路18の用紙Pが無い場合は、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオンすることとなる。
【0157】
次いで、順番は問わないが図9等に示した用紙有無センサ用ソレノイド72−2がオフのままであり、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1がオフのまま(但し、条件として中間搬送路18に用紙Pが有って、かつ、用紙長さが長い場合:用紙長さA4以上の長さサイズでシャッタ71−1遮蔽、用紙長さA4未満の長さサイズでシャッタ71−1開放)であることにより、孔版印刷装置100側の本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128が各シャッタ71−2,71−1で遮蔽されたままである。これにより、あたかも本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128上に用紙が積載されているものとして騙し、用紙有無センサ127のオン・タイミングで初めて孔版印刷装置100側(印刷、製版等)の操作が可能となる。
また、図31にはそのフローを省略しているが、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるために用紙搬送方向Xの下流側に移動されるとき、図9に示した傾斜部材51で本体給紙ローラ111がスムーズに給紙位置を占めるべく図示しない給紙アームと共に上昇揺動し、これにより図示しない給紙フィラーが図2に示す適正高さセンサ126をオンさせることも、本体給紙手段が給紙可能となっていることとして騙している。
【0158】
一方、孔版印刷装置100側では、図示しない操作パネルに配設されている製版スタートキーを押下することにより生成されるスタート信号がトリガとなって、周知の動作、すなわち排版動作、原稿画像読取動作、製版・給版動作終了と同時に試し刷りとも呼ばれる版付けもしくは版付け印刷が通常1枚だけ行われる。この際、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4からは上述したとおりの詳細な用紙搬送制御によって1枚の用紙Pが搬送され、さらにその用紙Pの先端が本体給紙部104の本体給紙ローラ111および本体分離ローラ112の最高印刷速度120rpmに対応した用紙搬送速度でレジストローラ対114に送り出されて、レジスト精度を向上するためにレジストローラ対114のニップ部に突き当たることで一時的に停止され、その用紙Pの先端部上方に所定の大きさの撓みが形成される。
一方、印刷ドラム115は図1中矢印で示す時計回りに極めて低速の回転速度(印刷速度)である、例えば60rpm未満の16〜30rpmで緩やかに回転し始める。そして、印刷ドラム115の外周面に巻装された製版済みの感熱孔版マスタ先端の画像位置に所定のタイミングを取って、ステッピングモータからなる図示しないレジストモータの起動によりレジストローラ対114が回転駆動されることにより、また同時にこれとタイミングを合わせて図1中二点鎖線で示すように上昇変位しているプレスローラ116と印刷ドラム115との間に用紙Pが送出されることによって、印刷ドラム115上の製版済みの感熱孔版マスタに用紙Pが押し付けられることで、印刷ドラム115の内部から供給されるインキの粘着力で製版済みの感熱孔版マスタが外周面に密着されると共に、用紙Pにインキが転移することで版付け印刷が行われる。
【0159】
版付け印刷を終えた用紙Pは周知の排紙動作によって大量排紙ユニット200の大量排紙台201上に整然と排出・積載される。この後、上記操作パネルに配設されている図示しない印刷スタートキーを押下すると、上記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷、排紙の各工程がセットされた印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷工程が終了する。版付け印刷が、通常の正規の印刷動作と相違する点は、上記したように印刷速度が極めて低速であることおよび正規の印刷物としてカウントされないことだけである。
大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めておらず、非接続位置にある場合、孔版印刷装置100側では、本体給紙台110上に用紙を積載しての周知の上記排版動作、原稿画像読取動作、製版・給版動作、給紙・印刷・排紙動作が行われる。
【0160】
上記実施形態において詳述したように、本願には複数の発明が含まれているため、その包含される発明に関する問題点等を補足説明する。すなわち、包含される発明においては、米国特許第5441247号明細書(特許文献1)に記載された技術の以下の問題点を解決するものである。
(1)用紙搬送方向に決まった長さの用紙サイズのものしか搬送できないため、用紙の使用範囲が限定されてしまう。これでは、例えば複写機を始めとして特に多種類サイズの用紙を使用する孔版印刷装置のユーザでは使用できない。
【0161】
(2)上記(1)のとおり決まった長さの用紙サイズの用紙にしか印刷できないため、用紙サイズを判別する必要はない。しかし、多種類サイズの用紙に対応する中間搬送部付き大量給紙装置では、用紙サイズを判別できると、搬送時の用紙間距離を確保する制御が簡単になる。用紙サイズを判別しないで用紙間距離を確保しようとすると、前に搬送された前の用紙(以下、「前用紙」という)の後端と次に搬送される次用紙の先端を検知・検出するセンサの数を増やせば可能であるが、制御が複雑なものになってしまう。これに伴い、コスト高につながるため、できるだけ最少のセンサで制御したいところである。
(3)上記(2)を達成するため、印刷装置等の給紙台で使われている用紙長さを判別する用紙長さセンサに相当するセンサをその積載部に設置することが考えられるが、これでは構造が複雑になるし、センサの配線の処理が面倒であり、コスト高につながる等の問題点がある。また、用紙長さセンサでは、A4横(A4Y)以下、以上の2種類のサイズにしか分類できない問題点もある。
特に、印刷機の中でも孔版印刷装置においては、多種多様な用紙が使用されている。一般に、用紙は、標準紙、薄紙、厚紙に分類されているが、大量給紙用として常用される標準紙だけみても、上質紙(上質55kg紙、孔版上質紙等)、中質紙、再生紙等があるため、これらに対応するものとはなっていなかった。
【0162】
したがって、包含される発明では、上述した事情に鑑みてなされたものであって、上記諸問題点を解決して、最終的には多種類の用紙(より広くはシート状記録媒体)のうちで特により多くの用紙サイズを搬送することが可能であって、しかも画像形成装置本体側の印刷速度を含む画像形成速度を制限することなく低速から高速画像形成に対応して給送可能な中間搬送部付き大量給紙装置を提供すること、換言すれば中間搬送部で搬送される用紙サイズおよびその用紙の搬送速度を中間搬送部付き大量給紙装置側で検出して認識することにより、画像形成装置本体側との電気的接続(信号の授受)がない状態でも、画像形成装置本体側の給紙手段またはその給紙口近傍に前用紙の後端と次用紙の先端とを接触させることなく順次搬送することが可能となる中間搬送部付き大量給紙装置およびその用紙搬送方法を提供することを主な目的としている。
【0163】
上記実施形態によれば、後述する効果の他に次の諸利点が得られた。
(1)用紙サイズや、孔版印刷装置100側の印刷速度に関係なく、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4からの用紙搬送が可能となり、孔版印刷装置100と通信可能に接続されておらず例えば電気的接続がない場合でも、用紙供給が可能となった。
ここで、用紙長さサイズが比較的長い場合と比較的短い場合とで、上述したようにあるいは次にまとめて説明するようにその用紙搬送制御を異ならせている理由は、次による。すなわち、短いサイズの場合、長いサイズの場合と比べて搬送ローラ1個で搬送している時間が有り、またその停止時に押さえが少ないため、用紙が進み気味に搬送されるからである。理論的には、用紙搬送手段や用紙検出手段の配置個数を本実施形態例よりも増やすことにより、また搬送時の最高速度を上げることによって時間的余裕を作ることで、長いサイズの用紙も短いサイズの用紙と同様の用紙搬送制御にすることも可能である。本実施形態例では、コスト的なバランスを考慮して、すなわち大量給紙搬送ユニット1から孔版印刷装置100へ搬送すべき用紙の用紙長さサイズに応じて設定される用紙搬送手段や用紙検出手段の配置個数を必要最低限に抑えることによって簡素な構成とし、かつ、コストアップを抑制することで本実施形態のような制御を採用した。
【0164】
用紙長さサイズが長い場合
次用紙は、前用紙の後端が2枚目取込センサがオフになったことで搬送制御を開始される。次用紙の先端が第Nセンサ(番号が大きい程、孔版印刷装置100側にセンサがあることと定義する)に到達した時点で、前用紙の後端の進み具合により第N+1センサがオフであるか確認し、同N+1センサがオフであるならそのまま第N+1センサまで到達してよいとの判断をする。第N+1センサがオンであるなら、同N+1センサがオフになるまで次用紙を停止し待機する制御を基本とすることにより、孔版印刷装置100側の印刷速度に関係なく、常に用紙間距離を確保して、用紙搬送を行うことができる。これにより、一定時間内に供給される次用紙が、複写機、印刷機等の画像形成装置本体に取り付けられている本体給紙台110の本体給紙ローラ111の略対向する位置に設置された第3搬送ローラ32−3上に到達すれば、本体給紙台110上から給紙される用紙と同じ条件で用紙搬送が可能となる。
【0165】
用紙長さサイズが短い場合
次用紙は、前用紙の後端が2枚目取込センサがオフになったことで搬送制御を開始される。次用紙の先端が第Nセンサに到達した時点で、前用紙の後端の進み具合により第N+2センサがオフであるか確認し、同N+2センサがオフであるならそのまま第N+1センサまで到達してよいとの判断をする。第N+2センサがオンであるなら、同N+2センサがオフになるまで次用紙を停止し待機する制御を基本とすることにより、孔版印刷装置100の印刷速度に関係なく、常に用紙間距離を確保して、用紙搬送を行うことができる。これにより、一定時間内に供給される次用紙が、複写機、印刷機等の画像形成装置本体に取り付けられている本体給紙台110の本体給紙ローラ111の略対向する位置に設置された第3搬送ローラ32−3上に到達すれば、本体給紙台110上から給紙される用紙と同じ条件で用紙搬送が可能となる。
【0166】
用紙長さサイズが短い場合、用紙が早く中間搬送ユニット4から無くなることにより、本体給紙ローラ111下に到達できるため、用紙長さの長い用紙に比較して時間的余裕を多く取ることができ、これにより用紙間隔を決定するオフのセンサ個数を2個としている。逆に用紙長さサイズが長い場合、時間的余裕がないため、用紙間隔を決定するオフのセンサ個数は1個としている。
【0167】
(2)上記制御により、孔版印刷装置100の印刷速度を読み取る必要がないため、既に市場にある機械にも適用でき、新しい機械を購入することなく、大量印刷可能な孔版印刷装置を含む印刷装置に容易に変換・変貌可能となる。
(3)本体給紙ローラ111の下に第3搬送ローラ32−3を配置したことにより、第3搬送ローラ32−3の駆動で本体給紙ローラ111を回転させることができ、本体給紙ローラ111の突起部に用紙先端が嵌って傷つくことが防止できる。また、分離パッドとも呼ばれる固定されたゴムパッド(摩擦分離部材)と違ってローラのため、用紙不送りの問題も解決できた。用紙先端停止位置を決めるための正確な送り量を確保できる。
【0168】
(4)搬送ローラ間隔+αが最低搬送用紙長さサイズとなるため、搬送ローラを複数個設置することにより、より短サイズの用紙に対応することができる。 (5)センサ50(用紙検出手段)としては、孔版印刷装置100で使用される用紙長さサイズに対応して、中間搬送ユニット4により搬送可能な10種類の用紙長さサイズを判断するための必要かつ最小の8個が配置されているので、用紙長さサイズを検出する構成を簡素化してコストアップを抑えることができる。この利点をそれ程望まなくてもよいのであれば、センサ(用紙検出手段)をより多数個配置することにより、用紙の後端位置がどのセンサ間で停止したかを検出することにより、用紙間距離を常に開けて制御することができ、多いほど用紙間距離の確保につながることはいうまでもない。
【0169】
(6)用紙送り量を確保するため、正確に用紙移動距離を送れるステッピングモータを第1〜第3モータ33−1〜33−3に使うことによって、制御がより簡単になった。また、ステッピングモータへ供給するパルス数とセンサ間を通過する時間を比較して、どのくらい用紙がスリップしているか判断できるため、より正確な用紙送りが可能となった。
(7)第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の各軸部にワンウェイクラッチ61を内蔵することにより、本体給紙ローラ111による引き込みの力に対して、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の抵抗を軽減することができる。
【0170】
(8)反面、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の慣性により、用紙の停止精度がずれる可能性もある。これを改善するため、各モータが停止したら、一定したブレーキ機構により第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の空走を止めることができ、安定した用紙の停止精度を確保できる。孔版印刷装置100側が用紙供給している場合は、用紙にできるだけ負荷を掛けないように上記したワンウェイクラッチ61を第3搬送ローラ32−3の軸部に介装している。このため、複写機、印刷機等の画像形成装置本体側で使用される用紙長さサイズにより、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3は連続回転や途中停止を繰り返すことになり、ステッピングモータのスローアップあるいはスローダウン領域でも停止状態に入ることもあり、慣性力の差で停止位置がバラツク傾向にある。また、用紙の表面状態の差による摩擦係数の違いや、秤量(重さ)によっても、用紙の進む距離やこれに伴う慣性による用紙の停止位置精度が変化している。これにより、長い用紙で用紙間距離が小さく、本実施形態のように最高印刷速度に対応した速い用紙搬送速度条件では前用紙の後端がNセンサを通過したことで、次用紙の先端がNセンサまで到達してよいとの判断で用紙搬送を行う中間搬送ユニット4において、前用紙の後端がN+1センサを通過していない場合、次用紙の先端はNセンサで停止することになる。ところが、スローアップ制御で停止するかあるいは無理矢理停止させても、上記したワンウェイクラッチ61が使われているため、本体給紙ローラ111(あるいはその軸も含まれる場合もある)の慣性で予定の位置で停止できない。そのため、最悪のケースでは前用紙の後端に次用紙の先端が追い付き・当接して用紙にキズがついたり、当接による用紙の変形で搬送途中でのジャムを引き起こすことがあったが、本実施形態では、第3搬送ローラ32−3に板ばねによる制動力を与えて、慣性による影響を抑えて安定した停止位置を得、これにより用紙搬送の質向上が図れた。
【0171】
次に、図34〜図36を参照して、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とが図1に示すように機械的に連結され、かつ、オンラインモード状態で使用される場合の制御構成について上述したオフラインモード状態のそれと相違する点を中心に説明する。
図34は、孔版印刷装置100と大量給紙搬送ユニット1とが例えば通信ケーブル(図示せず)を介して通信可能に連結されたオンライン状態で使用される場合の概略の制御構成をブロック図的に示している。
【0172】
孔版印刷装置100の本体筐体107には、図34に示すように、孔版印刷装置100の動作を制御するための本体制御装置140が配設されている。本体制御装置140は、内部にCPU(中央演算処理装置)141、図示しないRAM(読み書き可能な記憶装置)、図示しない計時手段としてのタイマ、図示しない記憶手段としてのROM(読み出し専用記憶装置)、大量給紙搬送ユニット1の制御装置85とシリアル通信するためのシリアルI/F(インターフェース)装置144(以下、単に「シリアルI/F144」という)、大量排紙ユニット200の図示しない排紙制御装置とシリアル通信するためのシリアルI/F装置145(以下、単に「シリアルI/F145」という)等を有し、CPU141と上記ROMとがアドレスバス、データバス(共に図示せず)で接続されると共に、CPU141と上記RAMと上記タイマとシリアルI/F144とシリアルI/F145とがそれぞれ図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。本体制御装置140は、本体筐体107内に配置された図示しない制御基板に設けられている。
本体制御装置140には、図34ではその図示を省略しているが、適正高さセンサ126、用紙有無センサ127や用紙長さセンサ128、あるいは給紙モータ122、共に図示しないレジストモータやメインモータ等の入出力に係る制御構成が入力ポートや出力ポート(共に図示せず)等を介して接続されている。
【0173】
大量給紙搬送ユニット1側の制御装置85にも、本体制御装置140とシリアル通信するためのシリアルI/F装置94(以下、単に「シリアルI/F94」という)が配設されている。制御装置85には、図34ではその図示を省略しているが、図14に示したと同様の各センサや各モータあるいは各ソレノイド等の入出力に係る制御構成が入力ポート92や出力ポート93(図34には図示せず)等を介して接続されている。
【0174】
本体制御装置140は、大量給紙搬送ユニット1がシリアル通信可能に接続されていると認識すると、オンラインモードに係る動作(以下、「オンライン動作」という)を行うように孔版印刷装置100の各制御対象手段を制御する。制御装置85は、孔版印刷装置100がシリアル通信可能に接続されていると認識すると、オンライン動作を行うように大量給紙搬送ユニット1の各制御対象手段を制御する。従って、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とがオンラインモードで使用される場合の制御構成は、それらがオフラインモードで使用されることがある場合の制御構成と比較して、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4を具備すると共にオフライン時の制御装置85の上記機能に加えて以下の機能を有することが主に相違する。
【0175】
本体制御装置140(CPU141)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上および第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび各用紙幅センサ95−1〜95−4からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)のサイズと比較して、リセット時以降に搬送される用紙Pについて判断される用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)が異なると制御装置85からコマンドが送信されたとき、本体給紙ローラ111がリセット時以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御する制御手段としての機能を有する。
【0176】
オンラインモードにあるから、本体制御装置140(CPU141)の上記機能を制御装置85に分担させてもよい。すなわち、制御装置85(CPU86)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上および第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび各用紙幅センサ95−1〜95−4からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)のサイズと比較して、リセット時以降に搬送される用紙Pについて判断される用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)が異なるとき、本体給紙ローラ111がリセット時以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御するコマンド(指令信号)を本体制御装置140に送信する。これにより、制御装置85(CPU86)は、本発明の制御手段としての機能を有する。
【0177】
オンラインモード時において、孔版印刷装置100をオンライン動作・制御するために用いる用紙サイズ検知は、本体給紙台110側に配設された用紙長さセンサ128からの用紙サイズ検知信号を使用しないで、大量給紙搬送ユニット1の制御装置85から送信される用紙サイズ検知データに係るコマンド(指令信号)を用いる。
【0178】
また、オンラインモード時において、用紙有無検知は、本体給紙台110側に配設された用紙有無センサ127からの用紙有無検知信号を使用しないで、大量給紙搬送ユニット1の制御装置85から送信される用紙有無検知に係るコマンド(指令信号)を用いる。制御装置85による用紙有無のコマンドは、大量給紙台10に配設されている用紙有無センサ66からの用紙有無検知信号や各センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズおよび用紙有無に係る信号を用いて、用紙有りのときには用紙有りコマンドを、用紙無しのときには用紙無しコマンドを一定間隔で各シリアルI/F94、144を介して本体制御装置140のCPU141へ送信する。
【0179】
用紙サイズ検知には、上述したように用紙長さサイズ検知と用紙幅サイズ検知とがある。図35は、用紙長さサイズ検知に係るフローチャートを、図36は用紙幅サイズ検知に係るフローチャートをそれぞれ表しており、それらサイズの検出例は上述したとおりである。図35および図36のフローチャートの詳細説明は、自明事項に属することからその説明を省略する。
なお、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4の配置位置は、初期化用の1枚の用紙Pを含め初期化時以降に搬送される用紙Pがリセット位置を占めたときにその用紙Pの用紙幅サイズを検出可能な図12および図13に示した位置に限らず、例えば中間搬送路18を搬送中の用紙Pの用紙幅サイズを検出できるような位置であってもよい。また、用紙幅センサの種類としては、上述したような複数個のセンサでなく、用紙幅を検出できる密着イメージセンサ等でもよい。これは、用紙長さを検出するセンサについても同様である。
本実施形態では、第1〜第8センサ50−1〜50−8による用紙長さサイズ検知と第1用紙幅センサ〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4による用紙幅サイズ検知とが同時的に行われ、これらのオン/オフ信号の組み合わせに基づいて、制御装置85は最終的な用紙サイズを正確に判断・認識することとなる。
【0180】
次に、図34〜図36を参照すると共に図31を適宜借りながら大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めていて、オンラインモードにある場合の装置全体の動作について、オフラインモードにある場合と相違する点を中心に説明する。
先ず、図31(b)に示すように大量給紙搬送ユニット1側の電源スイッチ80の投入・オンと、図31(a)に示すように孔版印刷装置100に配設されている図示しない電源スイッチの投入・オンとの先後は問わないものの、各電源からの電力の供給がそれぞれ独立になされる。
【0181】
次いで、孔版印刷装置100側と大量給紙搬送ユニット1側との動作の順番は問わないが、孔版印刷装置100側では上記製版スタートキーが押下されオンされたか否かが、大量給紙搬送ユニット1側ではリセットスイッチ81が押下されオンされたか否かがそれぞれ本体制御装置140、制御装置85によって判断される。オンラインモードでは、リセットスイッチ81がオンされただけではオフラインモードで説明したようなリセット処理動作は自動的に実行されず、必ず、これに加えて上記製版スタートキー・オンにより生成されるスタート信号がトリガとなって、そのスタート信号に係るコマンドが制御装置85に入力されることによって図32および図33に示したリセット処理動作が自動的に実行される。リセットキーを設けてオフラインと同様のリセット処理動作を行ってもよい(手動動作)。
【0182】
初期セット用の1枚の用紙P(説明の簡明化のため前用紙P1とする)の先端がリセット位置を占めたことが、第8センサ50−8からの用紙有り信号で検知されると、第1〜第3モータ33−1〜33−3がオフされる。そして、初期セット用の1枚の用紙Pの先端が、本体給紙部104の前面板124の略手前位置で停止してリセット位置を占めると、リセット動作が終了する(例えば図18、図25、図28参照)。
この時、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は前用紙P1の用紙サイズを判断・認識すると共に、その用紙サイズに係るデータはRAM87に一時的に記憶される。
【0183】
またこの時、用紙Pの先端が第8センサ50−8を通過した時点で、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオフ(復帰)して用紙有りとなる。従って、中間搬送路18の用紙Pが無い場合は、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオンすることとなる。用紙有無センサ用ソレノイド72−2がオフのままであり、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1がオフのままであることにより、孔版印刷装置100側の本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128が各シャッタ71−2,71−1で遮蔽されたままである。これにより、あたかも本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128上に用紙が積載されているものとして騙される。
オフラインの場合には、センサを騙すシャッタは必ずしも必要でなく、大量給紙搬送ユニットからの情報によって動作するようにしてもよい(オフラインの場合は、大量給紙搬送ユニット側の情報を孔版印刷装置本体側の制御装置へ伝達することができないため、センサを騙すシャッタにより用紙の有無や用紙サイズ情報を孔版印刷装置本体側の制御装置へ伝達することを行っている)。
【0184】
一方、孔版印刷装置100側では、上記スタート信号がトリガとなって、上記排版動作、原稿画像読取動作、製版・給版動作終了と同時に試し刷りとも呼ばれる版付けもしくは版付け印刷が通常1枚だけ行われる。この際、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4からは上述したとおりの詳細な用紙搬送制御によって1枚の前用紙P1が搬送され、孔版印刷装置100側での上述した動作によって版付け印刷が行われる。
この後、上記印刷スタートキーを押下することによって、セットされた印刷枚数分に対応した中間搬送ユニット4を介しての連続用紙搬送時において、次用紙P2がリセット位置に停止した時に、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は次用紙P2の用紙サイズを判断し認識すると共に、RAM87に記憶されている前用紙P1の用紙サイズに係るデータを呼び出して、両者を比較する。この比較結果、両者の用紙サイズが同じならば給紙モータ122をオンし本体給紙ローラ111の回転駆動によって次用紙P2の搬送を継続し、違っていた場合には給紙モータ122をオフすることで本体給紙ローラ111の回転駆動を停止・中断させると共に、本体制御装置140にジャムのコマンドを送信する。
【0185】
この際、本体制御装置140からの指令により、孔版印刷装置100の上記操作パネルに配設された報知手段あるいは表示手段としてのLCD(液晶表示装置)の表示部などに「搬送ジャム」や「エラー」のメッセージ表示による報知、あるいはLED(発光ダイオード)の点灯・点滅による「搬送ジャム」や「エラー」の警告表示による報知をさせることによって、用紙の搬送を何故中断したかをユーザに知らせるようになっている。また、大量給紙搬送ユニット1側に、上記操作パネルと同様の報知手段あるいは表示手段を配設して、「搬送ジャム」や「エラー」の警告表示による報知をさせることによって、用紙の搬送を何故中断したかをユーザに知らせるようにしてもよい。以下、上記報知手段による説明は、後述する各実施形態等でも同様である。
【0186】
本実施形態によれば、上述したように例えば大量給紙台10上に積載された用紙P中に所望する印刷物に対応した用紙サイズ(製版・印刷サイズ)よりも小さいサイズの用紙が混載していた場合でも、用紙サイズを1枚ごとに正確に検出して判別することができて、その用紙サイズがリセット時に検出した初期セット用の用紙サイズデータと異なるとき、本体給紙手段による用紙搬送を停止させるので、特にリセット時以降に搬送される用紙の用紙サイズがリセット時に検出した用紙サイズデータよりも小さい場合に発生する不具合、すなわちプレスローラや圧胴の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったり、さらに印刷した用紙が排紙できずにジャムを起こしたりするという不具合を未然に防止できる。これによって、用紙サイズの異なる用紙が印刷時に搬送されて印刷されてしまうことで発生する用紙の汚れを未然に防止したり、ジャムによる機械停止をも未然に防止できる。
【0187】
初期セット用の1枚の用紙P(前用紙P1)や、これに連続して搬送される数枚のみが、所望する印刷物に対応した用紙サイズ(製版・印刷サイズ)と異なる場合が想定されるが、このような場合、通常、ユーザが大量給紙台10に用紙Pを積載したり、補充したときに一番上に有ることから視認できるものであり、このような場合に上記不具合が発生することは極めて稀であると考えられることおよび次の理由により問題にならないと考えられる。
【0188】
このような場合、孔版印刷装置100が比較的高級グレードに属するものにあっては、通常、本体制御装置140によって上記不具合発生を防止するため、印刷ドラム上に巻装されていて印刷に用いられる感熱孔版マスタのサイズ(製版・印刷サイズ)に対応して使用可能な用紙サイズを常に監視・制御されている(但し、例えば本体給紙台110上に積載されている用紙束の用紙サイズを検出していて、本発明のように搬送される用紙P1枚ごとの用紙長さサイズおよび用紙幅サイズ(用紙サイズ)を検出して制御するものではない)から、これを利用するとよい。すなわち、例えばリセット時に検出された初期セット用の用紙サイズが製版・印刷サイズと異なる場合(特に用紙搬送方向や用紙幅方向に小さいときが問題になる)、本体制御装置140から制御装置85に送信される製版・印刷サイズに対応した用紙サイズデータ信号に基づいて、給紙モータ122をオフすることで本体給紙ローラ111の回転駆動を停止・中断させる制御を実行させる。これにより、初期セット用の1枚の用紙P(前用紙P1)が本体給紙ローラ111によって印刷部102に搬送されることが防止される。以下、このような制御方式を製版・印刷サイズ制御方式と名付ける。
【0189】
製版・印刷サイズ制御方式を具備する孔版印刷装置100にあっては、上記動作例に限らず、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は次用紙P2の用紙サイズを判断し認識すると共に、RAM87に記憶されている前用紙P1の用紙サイズに係るデータを呼び出して両者を比較する動作に代えて、RAM87に記憶されている前用紙P1の用紙サイズに係るデータを使用せずに、本体制御装置140から制御装置85に送信される製版・印刷サイズに対応した用紙サイズデータを一旦RAM87に記憶しこれを呼び出して比較するようにしてもよい。
【0190】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4を除去すると共に、本体制御装置140(CPU141)または制御装置85(CPU86)の機能を以下のように変えたことが主に相違する。
【0191】
本体制御装置140(CPU141)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、リセット時以降に搬送される用紙Pについて判断される用紙長さサイズが異なると制御装置85からコマンドが送信されたとき、本体給紙ローラ111がリセット時以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御する制御手段としての機能を有する。
あるいは、制御装置85(CPU86)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、リセット時以降に搬送される用紙Pについて判断される用紙長さサイズが異なるとき、本体給紙ローラ111がリセット時以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御するコマンド(指令信号)を本体制御装置140に送信する。これにより、制御装置85(CPU86)は、本発明の制御手段としての機能を有する。
【0192】
第2の実施形態の動作は、上述した制御構成および第1の実施形態の動作説明により、当業者であれば容易に理解して実施できるからその説明を省略する。 第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる他、第2の実施形態では用紙長さサイズだけを検出してこれを上述した本発明に特有の制御に用いるものであるから、第1の実施形態ほど用紙サイズを正確に検出する必要がない場合、制御構成を簡素化することができてコストを抑えることができるという点からは有利である。
【0193】
(第3の実施形態)
図37および図38に、第3の実施形態を示す。
第3の実施形態は、第1の実施形態と比較して、図37および図38に示すように、2つの用紙長さセンサ131a,131b(以下、「用紙幅センサ群132a,132b」という)および2つの用紙幅センサ132a,132b(以下、「用紙幅センサ群132a,132b」という)を大量給紙台10に配設したこと、ならびに本体制御装置140(CPU141)または制御装置85(CPU86)の機能を以下のように変えたことが主に相違する。
【0194】
大量給紙台10の底部には、図38に示すように、用紙サイズを検出する用紙サイズ検出手段を備えた用紙サイズ検出機構が配設されている。この用紙サイズ検出機構は、サイドフェンス15,16の用紙幅方向Yの移動に連動して用紙サイズを検出し決定するものである。用紙サイズ検出機構は、サイドフェンス15,16と、大量給紙台10の下部に配設されている不動部材に回動自在に取り付け支持されたピニオン139と、図38において左手前側のサイドフェンス15の下部端縁部に形成されピニオン139と噛み合うラック部138と、図38において右奥側のサイドフェンス16の下部端縁部に形成されラック部138に対向してピニオン139と噛み合うラック部137と、このラック部137の下部端縁部において下方に突出し適宜の間隔を持って切り欠かれた複数の切欠きを備えた遮蔽部137aと、大量給紙台10の上流から下流に亘り所定の間隔を置いて複数配置され、大量給紙台10上の用紙Pの後端部を検出することにより用紙長さサイズを検出する用紙長さ検出手段としての用紙長さセンサ群131a,131bと、大量給紙台10の用紙幅方向に所定の間隔を置いて複数配置され遮蔽部137aとそれぞれ選択的に係合することにより用紙幅サイズを検出する大量給紙台用用紙幅検出手段としての用紙幅センサ群132a,132bとを具備している。
用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bは、大量給紙台10の上記不動部材に取り付け・固定されている。用紙幅センサ群132a,132bは、透過型センサである。用紙長さセンサ群131a,131bは、反射型センサである。用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bは、用紙検出手段を構成しており、用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bで検出された用紙長さサイズに係るデータ信号および用紙幅に係るデータ信号を組み合わせて制御装置85のCPU86が判断・認識することにより、最終的な用紙サイズを決定するものである。
上記した用紙サイズ検出機構では、説明の簡明化を図るため各センサの数を2個に限って図示したが、例えば図11および図16に示したように10種類の用紙サイズを自動的に検出できるように、上記各センサを増加し付設してあるものとする。これを簡略的に表すために、用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bと名付けたのである。
【0195】
このような用紙サイズ検出方式の詳細としては、本願出願人が以前に提案した、例えば特開平9−30714号公報等に開示されている技術を挙げることができる。用紙サイズ検出方式としては、上述したような方式に限定されず、他の方式、例えば中間搬送ユニット4に配設されたような反射型センサを用いた用紙サイズ検出方式であってもよいし、また大量給紙台10の最上の用紙Pが給紙可能となる位置を占めた際に、その最上の用紙Pの用紙サイズを検出するような反射型センサ等を配置してもよい。勿論、ハガキや封筒あるいはリーガルサイズも検出可能に各センサを追加しても構わない。
【0196】
本体制御装置140(CPU141)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上および第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、用紙長さセンサ群131a,131bからの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび用紙幅センサ群132a,132bからの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)のサイズと比較して、リセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pについて各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび各用紙幅センサ95−1〜95−4からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)が異なると制御装置85からコマンドが送信されたとき、本体給紙ローラ111がリセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御する制御手段としての機能を有する。
【0197】
オンラインモードにあるから、本体制御装置140(CPU141)の上記機能を制御装置85に分担させてもよい。すなわち、制御装置85(CPU86)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上および第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、用紙長さセンサ群131a,131bからの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび用紙幅センサ群132a,132bからの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)のサイズと比較して、リセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pについて各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび各用紙幅センサ95−1〜95−4からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)が異なるとき、本体給紙ローラ111がリセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御するコマンド(指令信号)を本体制御装置140に送信する。これにより、制御装置85(CPU86)は、本発明の制御手段としての機能を有する。
【0198】
次に、図37および図38を参照すると共に図31を適宜借りながら大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めていて、オンラインモードにある場合の装置全体の動作について、オフラインモードにある場合と相違する点を中心に説明する。
第1の実施形態の動作と同様に、先ず、図31(b)に示すように大量給紙搬送ユニット1側の電源スイッチ80の投入・オンと、図31(a)に示すように孔版印刷装置100に配設されている図示しない電源スイッチの投入・オンとの先後は問わないものの、各電源からの電力の供給がそれぞれ独立になされる。
【0199】
次いで、孔版印刷装置100側と大量給紙搬送ユニット1側との動作の順番は問わないが、孔版印刷装置100側では上記製版スタートキーが押下されオンされたか否かが、大量給紙搬送ユニット1側ではリセットスイッチ81が押下されオンされたか否かがそれぞれ本体制御装置140、制御装置85によって判断される。オンラインモードでは、リセットスイッチ81がオンされただけではオフラインモードで説明したようなリセット処理動作は自動的に実行されず、必ず、これに加えて上記製版スタートキー・オンにより生成されるスタート信号がトリガとなって、大量給紙台1上に積載された用紙Pの用紙サイズの検出動作と共に、そのスタート信号に係るコマンドが制御装置85に入力されることによって図32および図33に示したリセット処理動作が自動的に実行される。
【0200】
ここでのリセット処理動作は、第1の実施形態のそれと比較して、大量給紙台1上に積載された用紙P(用紙束)の用紙サイズの検出、すなわち用紙長さセンサ群131a,131bによって用紙長さサイズが、用紙幅センサ群132a,132bによって用紙幅サイズが検出されることが相違する。そして、用紙長さセンサ群131a,131bからの用紙長さサイズ検知に係る信号と用紙幅センサ群132a,132bからの用紙幅サイズ検知に係る信号に基づいて、制御装置85は用紙Pの用紙サイズを判断・認識すると共に、その用紙サイズに係るデータはRAM87に一時的に記憶される。
【0201】
初期セット用の1枚の用紙P(説明の簡明化のため前用紙P1とする)の先端がリセット位置を占めたことが、第8センサ50−8からの用紙有り信号で検知されると、第1〜第3モータ33−1〜33−3がオフされる。そして、初期セット用の1枚の用紙Pの先端が、本体給紙部104の前面板124の略手前位置で停止してリセット位置を占めると、リセット動作が終了する(例えば図18、図25、図28参照)。
この時、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は前用紙P1の用紙サイズを判断・認識すると共に、RAM87に記憶されている次用紙P2(大量給紙台10上の用紙束)の用紙サイズに係るデータを呼び出して、両者を比較する。この比較結果、両者の用紙サイズが同じならば給紙モータ122をオンし本体給紙ローラ111の回転駆動によって前用紙P1の搬送を継続し、違っていた場合には給紙モータ122をオフすることで本体給紙ローラ111の回転駆動を停止・中断させると共に、本体制御装置140にジャムのコマンドを送信する。従って、本実施形態では、初期化用の1枚の前用紙P1が本体分離ローラ112には搬送されず、孔版印刷装置100側での版付け印刷に使用されることが未然に防止される。次用紙P2の搬送以降の動作は、実施形態1と実質的に同じであり、上述した制御構成や第1および第2の実施形態の動作説明を参照して当業者であれば容易に理解して実施できるからその説明を省略する。
【0202】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の利点に加えて、上記した製版・印刷サイズ制御方式を採用していない孔版印刷装置100であっても、リセット時の初期化用の1枚の用紙P(前用紙P1)を含めこれ以降に搬送される用紙Pの搬送を停止・中断させることができる。
【0203】
第3の実施形態における用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bでは、大量給紙台1に積載された最下位の用紙Pの用紙サイズを検出するものであるから、たとえ最下位の用紙Pのみが異なる用紙サイズであっても用紙束としての用紙サイズを検出することとなるため、比較用の用紙サイズとして問題は生じないと考えられる。
【0204】
製版・印刷サイズ制御方式を具備する孔版印刷装置100にあっては、上記動作例に限らず、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は前用紙P1の用紙サイズを判断・認識すると共に、RAM87に記憶されている次用紙P2(用紙束)の用紙サイズに係るデータを呼び出して、両者を比較する動作に代えて、RAM87に記憶されている次用紙P2(用紙束)の用紙サイズに係るデータを使用せずに、本体制御装置140から制御装置85に送信される製版・印刷サイズに対応した用紙サイズデータを一旦RAM87に記憶しこれを呼び出して比較してもよい。
【0205】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、第3の実施形態と比較して、中間搬送ユニット4から第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4を除去すると共に、大量給紙台10から用紙幅センサ群132a,132bを除去したこと、本体制御装置140(CPU141)または制御装置85(CPU86)の機能を以下のように変えたことが主に相違する。
【0206】
本体制御装置140(CPU141)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、用紙長さセンサ群131a,131bからの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、リセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pについて各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズが異なると制御装置85からコマンドが送信されたとき、本体給紙ローラ111がリセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御する制御手段としての機能を有する。
【0207】
オンラインモードにあるから、本体制御装置140(CPU141)の上記機能を制御装置85に分担させてもよい。すなわち、制御装置85(CPU86)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了したリセット時に、用紙長さセンサ群131a,131bからの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、リセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pについて各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズが異なるとき、本体給紙ローラ111がリセット時を含めこれ以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御するコマンド(指令信号)を本体制御装置140に送信する。これにより、制御装置85(CPU86)は、本発明の制御手段としての機能を有する。
【0208】
第4の実施形態の動作は、上述した制御構成や第3の実施形態の動作説明を参照して当業者であれば容易に理解して実施できるからその説明を省略する。
第4の実施形態によれば、第2の実施形態と同様の利点に加えて、上記した製版・印刷サイズ制御方式を採用していない孔版印刷装置100であっても、リセット時の初期化用の1枚の用紙P(前用紙P1)を含めこれ以降に搬送される用紙Pの搬送を停止・中断させることができる。
【0209】
上述した実施形態等では、孔版印刷装置100で通常使用される図11および図16に示した10種類の用紙長さサイズ(最小通紙可能サイズ「B5T」)の用紙を用いて、上述した特有の用紙搬送制御を行えると共に、制御の複雑化を回避してコストを抑え込むことも考慮して、必要最低限の用紙搬送手段として第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の3個の搬送ローラを使用する構成としたが、これに限らず、次のようであってもよい。
例えば、用紙搬送手段として上述した実施形態例に加えて合計4個の搬送ローラを使用すれば、最小通紙可能サイズを「はがきサイズ」まで拡張することが可能となる(この場合、搬送ローラ間の距離は大体130〜140mmになる)。なお、搬送ローラを2個だけ使用した場合、A4縦(A4T:オペレータから見た向きのサイズでA4サイズの短辺となる)が通紙できないため、多少実用的でなくなるため、本実施形態例では好適な例として3個とした。
【0210】
大量給紙搬送ユニット1が接続される画像形成装置は、上記したような外周部に版胴を備えた印刷ドラム115の内部に配設されたインキ供給部材が該版胴の内周面に接触することにより、版胴の内側から該版胴上の製版済みの感熱孔版マスタにインキを供給して印刷を行う孔版印刷装置100に限らず、例えば複写機、印刷機、ファクシミリ、インキジェットプリンタを含むプリンタ、プロッタ等の画像形成装置に上述したと同様に接続して構成したり、使用することができることは言うまでもない。
【0211】
本発明が適用される中間搬送部付き大量給紙装置は、例えば米国特許第5441247号明細書(特許文献1)のような限定された用紙サイズを使用する装置にも適用できる。
また、本発明から当業者であれば直ちに次のような発明が想定できるが、これも本願発明が開示する範囲に過ぎない。すなわち、例えば孔版印刷装置等を含む画像形成装置において、給紙部を有するかまたは大量給紙装置等が連結可能な場合において、比較的長い給紙路または用紙搬送路等を具備している場合であって、かつ、用紙長さサイズ検出手段および用紙幅サイズ検出手段のうちの少なくとも一方の手段を画像形成部に搬送される前の適宜の位置に配置することにより、搬送される用紙の1枚ごとに用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズを検出してそのサイズが異なるとき(特に、用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズが小さいときに有効)、その用紙の搬送を停止・中断させる制御を実行させるというものである。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成および動作は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成したり動作させたりしてもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0212】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な中間搬送部付き大量給紙装置を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1または6記載の発明によれば、大量給紙台上に積載された用紙中に所望する印刷物に対応した用紙長さサイズ(製版・印刷サイズのうちの長さサイズ)よりも例えば小さいサイズの用紙が混載していた場合でも、用紙長さサイズを1枚ごとに検出して判別することができると共に、その用紙長さサイズが初期化時に検出した用紙長さサイズデータと異なるとき、本体給紙手段による用紙搬送を停止させるので、特に初期化時以降に搬送される用紙の用紙長さサイズが初期化時に検出した用紙長さサイズデータよりも小さい場合に発生する不具合、すなわち例えば画像形成装置が孔版印刷装置である場合にあっては、例えばプレスローラや圧胴等の押圧手段の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったり、さらに印刷した用紙が排紙できずにジャムを起こしたり、ジャムにより機械停止したりするという不具合を未然に防止できる。
【0213】
請求項2または6記載の発明によれば、大量給紙台上に積載された用紙中に所望する印刷物に対応した用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(製版・印刷サイズのうちの長さサイズおよび用紙幅サイズ)よりも例えば小さいサイズの用紙が混載していた場合でも、用紙長さサイズおよび用紙幅サイズを1枚ごとに検出して判別することができると共に、その用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方が初期化時に検出した用紙長さサイズデータおよび用紙幅サイズデータのうちの少なくとも一方と異なるとき、本体給紙手段による用紙搬送を停止させるので、特に初期化時以降に搬送される用紙の用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方が初期化時に検出した用紙長さサイズデータおよび用紙幅サイズデータのうちの少なくとも一方よりも小さい場合に発生する不具合、すなわち例えば画像形成装置が孔版印刷装置である場合にあっては、例えばプレスローラや圧胴等の押圧手段の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったり、さらに印刷した用紙が排紙できずにジャムを起こしたり、ジャムにより機械停止したりするという不具合を未然に防止できる。
【0214】
請求項3または6記載の発明によれば、大量給紙台上に積載された用紙中に所望する印刷物に対応した用紙長さサイズ(製版・印刷サイズのうちの長さサイズ)よりも例えば小さいサイズの用紙が混載していた場合でも、用紙長さサイズを1枚ごとに検出して判別することができると共に、初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の用紙長さサイズが初期化時に検出した大量給紙台上の用紙の用紙長さサイズデータと異なるとき、初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙についての本体給紙手段による用紙搬送を停止させるので、特に初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の用紙長さサイズが初期化時に検出した用紙長さサイズデータよりも小さい場合に発生する不具合、すなわち例えば画像形成装置が孔版印刷装置である場合にあっては、例えばプレスローラや圧胴等の押圧手段の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったり、さらに印刷した用紙が排紙できずにジャムを起こしたり、ジャムにより機械停止したりするという不具合を未然に防止できる。
【0215】
請求項4または6記載の発明によれば、大量給紙台上に積載された用紙中に所望する印刷物に対応した用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(製版・印刷サイズのうちの長さサイズおよび用紙幅サイズ)よりも例えば小さいサイズの用紙が混載していた場合でも、用紙長さサイズおよび用紙幅サイズを1枚ごとに検出して判別することができると共に、初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方が初期化時に検出した大量給紙台上の用紙の用紙長さサイズデータおよび用紙幅サイズデータのうちの少なくとも一方と異なるとき、初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙についての本体給紙手段による用紙搬送を停止させるので、特に初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方が初期化時に検出した用紙長さサイズデータおよび用紙幅サイズデータのうちの少なくとも一方よりも小さい場合に発生する不具合、すなわち例えば画像形成装置が孔版印刷装置である場合にあっては、例えばプレスローラや圧胴等の押圧手段の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったり、さらに印刷した用紙が排紙できずにジャムを起こしたり、ジャムにより機械停止したりするという不具合を未然に防止できる。
【0216】
請求項5または6記載の発明によれば、初期化状態は、中間搬送路の最下流側に配置された用紙搬送手段に1枚の用紙が位置し、かつ、該用紙の先端が本体給紙手段によって給紙可能となる位置に設定されているので、請求項1ないし4のうちの何れか一つに記載の発明の効果に加えて、画像形成装置本体側または孔版印刷装置側で確実に用紙を取り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す大量給紙搬送ユニットと孔版印刷装置と大量排紙収納ユニットとを接続した全体装置構成を一部破断して表す概略正面図である。
【図2】大量給紙搬送ユニットが非接続位置を占めた状態を示す概略正面図である。
【図3】大量給紙搬送ユニットの正面視外観を示す斜視図である。
【図4】図3の大量給紙搬送ユニットの背面視外観を示す斜視図である。
【図5】孔版印刷装置と大量排紙収納ユニットとを接続した状態における中間搬送部周りの主要な構成および上ガイド板を含む上案内ユニットの開閉状態を示す正面図である。
【図6】上カバーを取り外した状態の、上ガイド板周りの主要な構成を示す平面図である。
【図7】上カバー、上ガイド板および各搬送ローラを取り外した状態の、下ガイド板周りの主要な構成を示す平面図である。
【図8】上カバー、上ガイド板および下ガイド板を取り外した状態の、筐体周りの主要な構成を示す平面図である。
【図9】孔版印刷装置と大量給紙搬送ユニットとを接続した状態における中間搬送部周りの主要な構成を示す断面図である。
【図10】中間搬送部における第2加圧ローラおよび第2搬送ローラの圧接状態を示す断面図である。
【図11】中間搬送部における用紙検出手段(第1〜第8センサ)、用紙搬送手段の配置・寸法状態および各種用紙長さサイズを説明する図である。
【図12】中間搬送部における用紙幅検出手段(第1〜第4用紙幅センサ)および各種用紙幅サイズを説明する平面図である。
【図13】大量給紙搬送ユニット側の主要な制御構成要素の配置状態を簡略的に示す斜視図である。
【図14】オフラインモードにおける大量給紙搬送ユニットの主な電気的制御構成を示すブロック図である。
【図15】上記実施形態における用紙搬送制御を原理的に説明する平面図である。
【図16】上記実施形態における用紙搬送制御パターンに用いられるデータ等をまとめた図表である。
【図17】上記実施形態におけるリセット動作終了後に呼び出される搬送制御分岐処理に係るフローチャートである。
【図18】上記実施形態例におけるリセット動作終了後の中間搬送路上の短サイズ用紙状態を表す正面図である。
【図19】図18に引き続く前用紙と次用紙との用紙搬送遷移状態およびその制御を説明する正面図である。
【図20】上記実施形態例の搬送タイプ3に係る用紙搬送制御のフローチャートである。
【図21】図20の続きのフローチャートである。
【図22】図21の続きのフローチャートである。
【図23】図22の続きのフローチャートである。
【図24】上記実施形態例の搬送タイプ3に係る用紙搬送制御の基本的なタイミングチャートである。
【図25】上記実施形態例におけるリセット動作終了後の中間搬送路上の最も長い長手サイズ用紙状態を表す正面図である。
【図26】図25に引き続く前用紙と次用紙との用紙搬送遷移状態およびその制御を説明する正面図である。
【図27】上記実施形態例の搬送タイプ1に係る用紙搬送制御の基本的なタイミングチャートである。
【図28】上記実施形態例におけるリセット動作終了後の中間搬送路上の最も短い短サイズ用紙状態を表す正面図である。
【図29】図28に引き続く前用紙と次用紙との用紙搬送遷移状態およびその制御を説明する正面図である。
【図30】上記実施形態例の搬送タイプ5に係る用紙搬送制御の基本的なタイミングチャートである。
【図31】孔版印刷装置と大量給紙搬送ユニットとの主要な動作順序を示すフローチャートである。
【図32】 リセット動作の一連の遷移状態を説明する正面図である。
【図33】リセット処理に係るフローチャートである。
【図34】孔版印刷装置と大量給紙搬送ユニットとがオンラインモードにあるときの主要な電気的制御構成を簡略化して示すブロック図である。
【図35】用紙長さサイズ検知に係るフローチャートである。
【図36】用紙幅サイズ検知に係るフローチャートである。
【図37】第3の実施形態に係る孔版印刷装置と大量給紙搬送ユニットとがオンラインモードにあるときの主要な電気的制御構成を示すブロック図である。
【図38】第3の実施形態に係る大量給紙台に配設された用紙サイズ検出機構の一部を破断して示す要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 中間搬送部付き大量給紙装置としての大量給紙搬送ユニット
2 積載部
3 給紙機構部
4 中間搬送部としての中間搬送ユニット
5 大量給紙装置としての大量給紙ユニット
7 筐体
10 大量給紙台
11 給紙手段としての給紙ローラ
18 中間搬送路
22 給紙駆動手段としての給紙モータ
23 上カバー
30−1,30−2,30−3 第1〜第3用紙搬送手段
32−1,32−2,32−3 第1〜第3搬送ローラ
33−1,33−2,33−3 駆動手段としての第1〜第3モータ
50−1〜50−8 用紙検出手段としての第1〜第8センサ
85 制御手段としての制御装置
86 制御手段としてのCPU
88 計時手段としてのタイマ
94 シリアルI/F
95−1〜95−4 用紙幅検出手段としての第1〜第4用紙幅センサ
131a,131b 用紙長さ検出手段としての用紙長さセンサ群
132a,132b 大量給紙台用用紙幅検出手段としての用紙幅センサ群
100 画像形成装置の一例としての孔版印刷装置
104 本体給紙部
110 本体給紙台
111 本体給紙手段としての本体給紙ローラ
114 レジストローラ対
115 印刷ドラム
122 本体側の給紙駆動手段としての給紙モータ
125 給紙口
130 本体給紙機構
140 制御手段としての本体制御装置
141 制御手段としてのCPU
144 シリアルI/F
P シート状記録媒体の一例としての用紙
X 用紙搬送方向
Y 用紙幅方向
Claims (6)
- 用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、
上記中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、上記各用紙搬送手段を駆動する少なくとも一つの駆動手段と、上記中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出することにより、用紙長さサイズを検出する用紙検出手段とを有し、
上記画像形成装置と上記中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態にある場合であって、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時に、上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、上記初期化時以降に搬送される用紙について判断される上記用紙長さサイズが異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。 - 請求項1記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、
上記中間搬送部は、上記中間搬送路と直交する用紙幅方向に間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の用紙幅サイズを検出する用紙幅検出手段を有し、
上記制御手段は、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時に、上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび上記複数の用紙幅検出手段からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズと比較して、上記初期化時以降に搬送される用紙について判断される上記用紙長さサイズおよび上記用紙幅サイズのうちの少なくとも一方が異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。 - 用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、
上記積載部は、大量の用紙を積載可能な大量給紙台と、該大量給紙台の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記大量給紙台上の用紙の用紙長さサイズを検出する用紙長さ検出手段とを有し、
上記中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、上記各用紙搬送手段を駆動する少なくとも一つの駆動手段と、上記中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出することにより、用紙長さサイズを検出する用紙検出手段とを具備し、
上記画像形成装置と上記中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態にある場合であって、上記複数の用紙長さ検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズと比較して、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙について上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズが異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。 - 用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、
上記積載部は、大量の用紙を積載可能な大量給紙台と、該大量給紙台の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記大量給紙台上の用紙の用紙長さサイズを検出する用紙長さ検出手段および上記大量給紙台の用紙幅方向に間隔を置いて複数配置され、上記大量給紙台上の用紙の用紙幅サイズを検出する大量給紙台用用紙幅検出手段とを有し、
上記中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、上記給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、上記各用紙搬送手段を駆動する少なくとも一つの駆動手段と、上記中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出することにより、用紙長さサイズを検出する用紙検出手段と、上記中間搬送路と直交する用紙幅方向に間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の用紙幅サイズを検出する用紙幅検出手段とを有し、
上記画像形成装置と上記中間搬送部付き大量給紙装置とが機械的に連結され、かつ、通信可能に連結された状態にある場合であって、上記複数の用紙長さ検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび上記複数の大量給紙台用用紙幅検出手段からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズと比較して、上記複数の用紙検出手段上への1枚の用紙の搬送が終了した初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙について上記複数の用紙検出手段からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび上記複数の用紙幅検出手段からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方のサイズが異なるとき、上記本体給紙手段をして上記初期化時を含め該初期化時以降に搬送される用紙の搬送を停止させる制御手段を有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。 - 請求項1ないし4のうちの何れか一つに記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、
上記初期化時状態は、上記中間搬送路の最下流側に配置された上記用紙搬送手段に上記用紙が位置し、かつ、該用紙の先端が上記本体給紙手段によって給紙可能となる位置に設定されていることを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。 - 請求項1ないし5のうちの何れか一つに記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、
上記画像形成装置が、製版済みの感熱孔版マスタを巻装する印刷ドラムを有し、該印刷ドラムの内部からインキを供給することにより、上記中間搬送部から給送されてきた用紙を上記印刷ドラム上の感熱孔版マスタに押し付けて印刷を行う孔版印刷装置であることを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。
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