JP4077342B2 - 中間搬送部付き大量給紙装置 - Google Patents

中間搬送部付き大量給紙装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、印刷機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に画像形成すべき用紙を供給する中間搬送部付き大量給紙装置に関し、さらに詳しくは、中間搬送部付き大量給紙装置の本体給紙台用センサのシャッタ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、印刷機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の中でも、印刷機、取り分け孔版印刷機やオフセット印刷機のような画像形成装置の場合は、複写機のような場合と異なり、原稿画像の版を使用するために、1枚の原稿から製作した版に基づき印刷を行う際に使用するのに適しており、1枚の原稿から多いときでは数千枚の印刷を行うことも多い。
【0003】
このような印刷機等の画像形成装置に画像形成すべき大量の用紙を供給することが可能な中間搬送部付き大量給紙装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第5441247号明細書(特許文献1)記載の発明は、裁断され積み重ねられた紙片(カット紙とも呼ばれるいわゆる枚用紙であり、以下、「用紙」という)を収納機から取り出し、図形高速印刷機と連動し供給する装置とのその方法に関するものである。同発明によれば、最近の印刷機および複写機の高速化に伴い、その生産能力に対応し、また各種の機械に対応でき、携帯可能で、用紙収納量の大きい低価格の装置を供給できるというものである。
【0004】
上記発明に係る中間搬送部付き大量給紙装置は、用紙を大量に積載可能な積載部と、積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、給紙機構部から給送されてきた1枚の用紙を印刷機本体側の給紙部の本体給紙台に搬送する中間搬送部とを具備している。
【0005】
【特許文献1】
米国特許第5441247号明細書(SHEET FEEDING APPARATUS AND METHOD FOR THE SAME:図1ないし図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、米国特許第5441247号明細書(特許文献1)に記載された技術では、以下のような問題点があった。これについて、その技術に係る作業手順および動作を説明しながら述べる。
昇降自在な中間搬送部を印刷機の本体給紙台に載せることによって、本体給紙台に配置されている用紙の有無を検知する用紙有無センサ(反射型のフォトセンサ)を遮蔽して用紙有りの状態とする。この状態で、給紙機構部によって積載部から用紙を1枚取り出し、さらにその用紙を中間搬送部によって印刷機本体側へ用紙を供給できる適正位置(本体給紙ローラの下)に搬送して停止させる。
作業者や使用者等(以下、「作業者」という)は、用紙が適正位置(本体給紙ローラの下)に搬送されて停止した状態を確認してから、作業者が印刷機本体に配設されている製版スイッチや印刷スイッチに相当する印刷ボタンを押すと、印刷機本体側の制御装置は、中間搬送部が本体給紙台の用紙有無センサを遮蔽している信号に基づいて、本体給紙台上に用紙が有るものとみなして本体給紙ローラの給紙圧に係る給紙可能高さを検知する適正高さセンサ(透過型のフォトセンサ)がオンするまで本体給紙台を上昇させると、本体給紙台の上昇と共に中間搬送部も大量給紙装置との取付部で揺動しながら上昇する。適正高さセンサがオンするとスタンバイ状態(給紙可能状態)となり、中間搬送部上の用紙が印刷本体に取り込まれ印刷が始まる。このような作業手順・動作であるため、
▲1▼中間搬送部へ用紙を供給しない状態で、印刷機本体の印刷ボタンを押すと、印刷機本体側では用紙有りと判断して印刷を開始するが、用紙が給送されてこないため給紙ジャムと判断される。このため、作業者は何故給紙ジャムになったのか判断することができないことにより、その回復に時間が掛かる。加えて、作業者は常に変わるため、その作業手順を誤りやすく、もしも作業手順を誤ってしまった場合、印刷機は正常動作しなくなるから作業者の機械に対する訓練が必要となり、大変な熟練を要する作業となってしまう。
【0007】
▲2▼印刷中、積載部と中間搬送部側に用紙が無くなった場合、印刷機本体側で用紙無しを認識できないため(印刷機と中間搬送部付き大量給紙装置との間で電気信号のやり取りがないオフライン状態であるため)、給紙ジャムとなる。
【0008】
▲3▼印刷ボタンを押した後、中間搬送部が揺動・上昇し、適正高さセンサがオンしてから印刷可能状態となるため、本体給紙台が上昇している間の待ち時間がある。
【0009】
▲4▼専用の大量給紙台や搬送装置を既出荷機に接続する場合、印刷機本体との電気的接続が必要となるため、配線作業や外装カバーを取り外したりする必要があり、現地での改造作業は大変面倒であった。また、結線を間違うと重大な問題となるし、通電による危険性もあり、甚だ危険を伴う虞の高い作業となっていた。
【0010】
したがって、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、上記諸問題点を解決して、新規な中間搬送部付き大量給紙装置を提供することを主な目的としていて、請求項ごとに記載した後述する効果を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、各請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた1枚の用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、上記本体給紙台には、該本体給紙台上に積載された用紙の有無を検知する用紙有無検知手段および用紙の長さを検知する用紙長さ検知手段のうちの少なくとも上記用紙有無検知手段が配設されており、上記用紙有無検知手段および上記用紙長さ検知手段のうちの少なくとも上記用紙有無検知手段は、開閉動作によりそのオン/オフ信号を切り換えられる検知手段からなり、上記中間搬送部側に、上記用紙有無検知手段および上記用紙長さ検知手段のうちの少なくとも上記用紙有無検知手段を選択的に遮蔽するシャッタ機構を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、上記積載部に配設された大量給紙台上の用紙の有無を検知する用紙有無検知手段、上記中間搬送部に配設され用紙の有無および用紙の長さのうちの少なくとも一方を検出する用紙検出手段からの信号に基づいて、上記シャッタ機構の作動を制御する制御手段を上記中間搬送部付き大量給紙装置側に有することを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、上記シャッタ機構は、上記検知手段を選択的に遮蔽する遮蔽部材と、この遮蔽部材を駆動する駆動手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、上記中間搬送部付き大量給紙装置は、該中間搬送部が所定の高さに保持されたままの上記本体給紙台上に載置された状態で、上記中間搬送部から給送される用紙を上記本体給紙手段によって受け取られ給紙可能となる接続位置と、この接続位置から離間した非接続位置との間で移動可能であり、上記中間搬送部は、上記シャッタ機構を介して上記本体給紙台上に載置されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0016】
図1〜図26を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
まず、図1および図2に基づいて、本実施形態に係る中間搬送部付き大量給紙装置を含む全体の装置構成を説明する。両図において、符号1は中間搬送部付き大量給紙装置としての大量給紙搬送ユニットを、符号100は画像形成装置の一例としての孔版印刷装置を、符号200は大量排紙収納装置としての大量排紙収納ユニットをそれぞれ示す。
大量給紙搬送ユニット1と大量排紙収納ユニット200とは、図示しない電源ケーブルで電気的に接続されている。大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とは、電気的接続が無く、それ故に互いに信号の授受も無い「オフライン」と呼ばれる状態に置かれている。また、大量給紙搬送ユニット1は、孔版印刷装置100に対して、大量排紙収納ユニット200は、孔版印刷装置100に対して、それぞれ機械的に連結可能ないしは着脱可能になっていて、図1に示す状態はそれぞれ機械的に連結している状態を表している。
【0017】
大量給紙搬送ユニット1は、図1および図2に示すように、自身が用紙搬送方向Xに沿って移動されることにより、大量給紙搬送ユニット1を構成する中間搬送部4が所定の高さに保持されたままの本体給紙台110(本実施形態例では、給紙側板に配置されている下限検知センサ(図示せず)によって検知される本体給紙台110の最下降位置でもある下限位置に保持されたままの本体給紙台110)上に載置された状態で、すなわち本体給紙台110が上昇せずに下限位置を占めた状態のままで中間搬送部4から給送される用紙Pを本体給紙ローラ111によって受け取られ給紙可能となる接続位置と、図2に示すように自身が用紙搬送方向Xと反対方向X’に沿って移動されることにより、上記接続位置から離間した非接続位置との間で移動可能に構成されている。
【0018】
換言すれば、大量給紙搬送ユニット1は、自身が用紙搬送方向Xに沿って移動されることにより、図1に示すように後述する中間搬送部4の第3搬送ローラ32−3が孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111の下方に挿入されて該本体給紙ローラ111の外周面下部と圧接して大量給紙搬送ユニット1から給送される用紙Pを確実に受け渡し可能となる接続位置と、図2に示すように自身が用紙搬送方向Xと反対方向X’に沿って移動されることにより、中間搬送部4の第3搬送ローラ32−3と本体給紙ローラ111との圧接状態が解除される非接続位置との間で移動可能になっている。 接続位置は、「本体給紙台110が上昇せずに下限位置を占めた状態のまま…」に限定されず、本体給紙台が下限位置より少し上昇して給紙可能な位置を占めたままでもよく、つまり、中間搬送部4が所定の高さに保持されたままの本体給紙台110上に載置された状態で中間搬送部4から給送される用紙Pを本体給紙ローラ111によって受け取られ給紙可能となる位置であればよい。
上記のとおり、大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めた時、第3搬送ローラ32−3は本体給紙ローラ111から適度な給紙圧に相当する圧接力を受けるように各位置関係が設定されている。
【0019】
図1および図2において、符号6は大量給紙搬送ユニット1の後述する積載部2および給紙機構部3を収納している大量給紙装置本体としての骨組みをなす本体筐体を、符号7は大量給紙搬送ユニット1の後述する中間搬送部本体の骨組みをなす筐体を、符号107は画像形成装置本体としての孔版印刷装置100の本体側の骨組みをなす本体筐体を、符号204は排紙収納装置本体としての大量排紙収納ユニット200の本体側の骨組みをなす排紙ユニット筐体をそれぞれ示す。
【0020】
説明の都合上から、孔版印刷装置100、大量排紙収納ユニット200、大量給紙搬送ユニット1の順に説明する。
孔版印刷装置100は、例えば、本願出願人が提案した特開平8−67061号公報の図1に記載されている孔版印刷装置と実質的に同様の構成を具備している。すなわち、孔版印刷装置100は、本体筐体107の上部に配設され原稿画像を読み取る画像読取部101と、画像読取部101によって読み取られた画像情報または図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器により入力された画像情報に基づいてロール状に巻かれた図示しない感熱孔版マスタを製版すると共に給版する製版給版部103と、本体給紙台110に積載される図示しない印刷用紙(以下、単に「用紙」という)や大量給紙搬送ユニット1側から給送されてくる用紙Pを後述する印刷部102に向けて分離給送する画像形成装置本体側の給紙部としての本体給紙部104と、製版給版部103等で製版された図示しない感熱孔版マスタを外周面に巻装する版胴を外周部に備えた印刷ドラム115を有し、給送されてきた用紙Pに印刷画像を形成する画像形成部としての印刷部102と、印刷された画像を本体筐体107の外部に排出する排紙部106等を具備している。孔版印刷装置100は、本体筐体107を介してキャスタ109を有する専用テーブル108上に載置されている。
【0021】
本体給紙部104は、本体筐体107の右方に配設され用紙Pを積載して昇降可能な本体給紙台110と、本体給紙台110上の最上の用紙(図示せず)や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pを送り出す本体給紙ローラ111と、送り出されてきた用紙Pを1枚ずつ分離してレジストローラ対114に向けて給送する本体分離ローラ112と、本体分離ローラ112との協働作用により用紙Pを1枚ずつに分離する摩擦部材としての本体分離パッド113と、1枚ずつ分離・給送されてきた用紙を画像形成部としての印刷部102に所定のタイミングを取って送り出すレジストローラ対114等とを有している。
【0022】
本体給紙台110は、本体筐体107の給紙口125を塞ぐ位置と、図1に示す位置を占めることが可能なように折り畳み可能になっている。本体給紙台110の内部には、本体給紙台110上の用紙の有無を検知するための用紙有無検知手段としての用紙有無センサ127と、本体給紙台110上の用紙の長さを検知するための用紙長さ検知手段としての用紙長さセンサ128とが配設されている。用紙長さセンサ128は、本体給紙台110上を用紙幅方向Yに移動可能である図示しない左右一対のサイドフェンスの用紙揃え操作時の移動に連動して用紙の縦サイズおよび横サイズの両方の用紙サイズを検知する用紙サイズ検知手段を構成している。用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128は共に、周知の反射型センサである。それ故に、用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128は共に、遮蔽部材としての後述するシャッタを用いて機械的に開閉することにより、換言すれば選択的な遮蔽・遮光動作によりそのオン/オフ信号を切り換えられる検知手段となっている。
【0023】
本体給紙台110は、例えば実公平5−18342号公報の第3図および第8図に示されている自動間欠上昇機構と同様の構成を備えた昇降機構を採用していて、複数ないしは多数枚の用紙Pを積載して昇降可能になされている。本体給紙台110は、前記昇降機構により、積載された用紙の最上が常に本体給紙ローラ111に所定の給紙圧(用紙が搬送可能な押圧力)をもって接触する給紙位置を占めるように昇降駆動制御される。
給紙台111の昇降機構は、前記したものに限定されず、例えば特開昭59−124633号公報の第1図に示されているようなワイヤー等を用いた機構も用いられる。
【0024】
本体給紙ローラ111は、本体給紙部104の給紙手段を構成している。本体分離ローラ112および本体分離パッド113は、本体筐体107側の分離給紙手段を構成している。なお、給紙手段としては、上述したものに限らず、給紙ローラと分離パッドの組み合わせ、あるいは一対の分離ローラからなるものも含まれる。上記した分離給紙手段のような摩擦分離方式、つまりフリクションパッド分離方式では、2つの分離ローラ対で用紙を1枚ずつ分離・給送するいわゆるリバースローラ分離方式と比較して、簡単な構成で低コストに済むという利点がある。
【0025】
本体給紙ローラ111は、図9に詳しく示すように、本体給紙部104の給紙口125における本体筐体107側の給紙側板(図示せず)に本体分離ローラ112の軸112aを中心として揺動自在に支持された図示しない給紙アーム(下向きに開口を有する断面コ字形状をなす)の自由端部に、軸111aを介して揺動自在かつ回転自在に設けられている。本体給紙ローラ111および本体分離ローラ112は、例えば本願出願人が提案した特開2002−326732号公報の図1〜図3に示されている給紙駆動手段(30)と同様の、図9に示す本体給紙機構130によって回転駆動される。
すなわち、同図に簡略的に示すように、本体給紙ローラ111とその軸111aの間、本体分離ローラ112とその軸112aとの間には、それぞれ図示しないワンウェイクラッチがそれぞれ介装されている。本体給紙ローラ111の軸111aにはタイミングプーリ119が、本体分離ローラ112の軸112aにはタイミングプーリ120がそれぞれ取り付けられている。タイミングプーリ119とタイミングプーリ120との間には、タイミングベルト121が掛け渡されていて、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とはタイミングベルト121および各ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して駆動力伝達関係にある。図示しない各ワンウェイクラッチのクラッチロック方向(回転駆動力の接続方向)は、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とが用紙Pを分離して給送するために回転される図中矢印で示されている時計回り方向に設定されている。これにより、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とは、時計回り方向のみに回転可能となっている。本体分離ローラ112は、本体給紙駆動手段としての給紙モータ122によって回転駆動される。
【0026】
本体分離ローラ112の軸112aと給紙モータ122の出力軸(図示せず)とは、各タイミングプーリ(図示せず)およびこれらのタイミングプーリ間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して駆動力伝達関係にある。給紙モータ122は、ステッピングモータからなる。したがって、給紙の場合には、給紙モータ122を例えば正転させることで、本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111が共に時計回り方向に回転し、本体給紙台110上に積載された最上の用紙(図示せず)や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pが図1に示すレジストローラ対114に向けて給送されることとなる。
上記給紙アームには、遮光板とも呼ばれる図示しない給紙フィラーが取り付けられている。上記給紙フィラー近傍の本体筐体107側に配設された図示しない不動部材には、上記給紙フィラーの自由端部を選択的に挟む態様で、給紙位置を検知するための発光素子および受光素子を備えた透過型フォトセンサ(以下、単に「透過型センサ」というときがある)からなる適正高さ検知センサ126(図2参照)が固設されている。図9において、符号123は、本体分離パッド113を本体分離ローラ112の外周面に押し付ける向きに付勢する付勢部材としての圧縮ばねを収納し移動可能な分離パッドホルダを、符号124は、本体給紙台110上に積載される用紙(図示せず)の先端を突き当て揃える前面板をそれぞれ示す。
【0027】
印刷部102は、本体筐体107の略中央に配設されており、内部にインキ供給手段を備え外周面に製版されたマスタが巻装される印刷ドラム115と、本体給紙部104や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pを印刷ドラム115の外周面に押圧させてこれにインキを転写させる押圧手段としてのプレスローラ116等とを有している。押圧手段としては、印刷ドラム115の外径と略等しい、その外周部に用紙の先端を保持する用紙クランパ(保持手段)を備えた圧胴等も用いられる。
排紙部106は、本体筐体107の左方に配設されており、印刷ドラム115の外周面より印刷された用紙を剥離する剥離爪117と、剥離された用紙を本体筐体107の用紙排出口(図示せず)より機外の大量排紙収納ユニット200へ吸引しつつ排出する吸着搬送ユニット118等を有している。
【0028】
大量排紙収納ユニット200は、本願出願人が提案した特開2002−226122号公報の図1〜図9に示されている排紙収納装置(1)と略同様の構成を有していて、略同様の動作が行われる。大量排紙収納ユニット200は、排紙収納装置(1)と比較して、排紙収納装置(1)が有している第1排紙トレイ(23)および第2排紙トレイ(24)に代えて、単一の大量排紙台201を有している点が主に相違するだけであるため、その構成の詳細および動作説明を省略する。
図1において、符号202は用紙排出方向に沿って大量排紙台201の左右両側に配設され排出される用紙の幅方向(排紙の両側端面)揃えを行う一対のサイドフェンスを、符号203は排出される用紙の先端を突き当て揃えるエンドフェンスをそれぞれ示す。大量排紙台201は、上記公報の第1排紙トレイ(23)および第2排紙トレイ(24)と同様に、図示しない移動体を介して排紙ユニット筐体204に移動自在(昇降自在)に支持されている周知のものである。なお、大量排紙収納ユニット200は、これに限らず、例えば特開2002−226122号公報の図1〜図9に示されている排紙収納装置(1)と全く同様の構成であっても勿論構わない。
【0029】
大量給紙搬送ユニット1は、中間搬送部4と大量給紙装置としての大量給紙ユニット5とを有する。大量給紙ユニット5は、用紙Pを大量に積載可能な積載部2と、積載部2の用紙Pを1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部3と、上述した本体筐体6とを有する。中間搬送部4は、給紙機構部3から給送されてきた1枚の用紙を本体給紙部104の本体給紙ローラ111が臨む給紙口125近傍に搬送する機能・構成を具備している。大量給紙ユニット5は、本体筐体6の下部に設けられたキャスタ9を有する基台8上に取り付け固定されている。
【0030】
以下、積載部2、給紙機構部3、中間搬送部4について詳述するが、これらを構成する構成要素の配置説明の簡明化を図るため、用紙搬送方向Xに見て紙面の手前側を「左」ないしは「操作側」と、紙面の奥側を「右」ないしは「反操作側」ということがある。また、同趣旨から、用紙搬送方向Xの下流側を「前」と、その上流側を「後」ということがある。図1に示されている本体筐体6の内側の左右両側には、補助側板対29が立設されている。
【0031】
積載部2は、大量の用紙Pを積載して昇降可能な大量給紙台10と、大量給紙台10上の用紙Pの幅(左右の両側端)を揃える用紙幅整合部材としての左右一対のサイドフェンス15,16(図4参照)と、大量給紙台10を昇降する給紙台昇降手段としての給紙台昇降機構25と、大量給紙台10の上限位置もしくは給紙ローラ11が給紙位置を占めたことを検知する給紙位置検知手段もしくは上限検知手段としての適正高さセンサ26と、大量給紙台10の下限位置を検知する下限検知手段としての下限センサ27とを具備している。
適正高さセンサ26および下限センサ27は、共に透過型センサである。適正高さセンサ26および下限センサ27は、本体筐体6内の所定位置にそれぞれ配設されている。
【0032】
大量給紙台10は、例えばA3サイズの普通紙を少なくとも3000枚積載して昇降可能な構造と、各サイドフェンス15,16を用紙幅方向Yに移動可能とするための4箇所の切欠き10aとを有する。大量給紙台10の内部には、大量給紙台10上の用紙Pの有無を検知する用紙有無検知手段としての用紙有無センサ66が配置されている。用紙有無センサ66は、反射型センサである。本実施形態で「用紙サイズ」というときは、特に断らない限り用紙搬送方向Xに沿う長さを指すものとする。
【0033】
各サイドフェンス15,16は、図4に示すように、中空の矩形状断面を有する四角柱状をなし、用紙搬送方向Xの前後および用紙幅方向Yの左右に各2本ずつ設けられている。各サイドフェンス15,16は、サイドフェンス操作用ハンドル17を回動操作することによって、本体筐体6の上下に2組配設された図示しないサイドフェンスセンタ合わせ機構を介して、各サイドフェンス15,16を用紙幅方向Yに移動させてサイドフェンス15,16のセンタ合わせを行えるようになっている。
【0034】
給紙台昇降機構25は、上記特開2002−226122号公報の図7および図8および段落番号「0024」〜「0026」に示されている排紙収納装置(1)のトレイ昇降機構(25)、移動体(57)と略同様の基本的構成を具備していて、大量給紙台10を略水平状態に保ちつつ昇降するようになっている。給紙台昇降機構25は、上述したとおり周知の構成であり、また本発明の要旨でもないことから重複説明を避けるためその詳細説明を省略することとし、本実施形態では図1に模式的に示す、大量給紙台10を昇降駆動する昇降駆動手段としての正逆転可能な昇降モータ28を挙げるに留める。大量給紙台10は、給紙台昇降機構25を介して、積載された用紙Pの最上が常に給紙ローラ11に所定の給紙圧(用紙が搬送可能な押圧力)をもって接触する給紙位置を占めるように、後述する制御装置によって制御される。
【0035】
給紙機構部3は、積載部2の配置よりも上部の補助側板対29周りに配設されている。給紙機構部3は、図5において部材の厚み等を無視してやや簡略的に示すように、上述した本体給紙部104の給紙手段、分離給紙手段、給紙駆動手段および駆動力伝達手段等を具備する本体給紙機構130と同様の機能・構成を有しているため、重複説明を避ける上から本体給紙機構130の各構成要素の符号から数値「100」を減じた符号をもってその詳細説明に代えることとする。分離ローラ12および給紙ローラ11は、給紙駆動手段としてのステッピングモータからなる給紙モータ22によって回転駆動される。給紙モータ22および駆動力伝達手段等は、図1における紙面奥側の補助側板29の外壁面に配置されている。
【0036】
給紙ローラ11および分離ローラ12を回転自在に支持している本体給紙機構130と同様の図示しない給紙アームには、本体給紙部104と同様の給紙フィラーとも呼ばれる図示しない給紙フィラーが取り付けられている。上記給紙フィラー近傍の本体筐体6側に配設された図示しない不動部材には、上記給紙フィラーの自由端部を選択的に挟む態様で適正高さセンサ26が固設されている。図1、図2、図5において、符号14は、大量給紙台10上に積載される用紙Pの先端を突き当て揃える面板を示す。面板14は、補助側板対29にねじ等の締結手段で取り付け固定されている。
【0037】
大量給紙装置は、上述した大量給紙ユニット5に限らず、例えば本願出願人が提案した特開平8−259008号や特開平8−259009号公報に開示されている大容量給紙ユニットとしての給紙装置(100)を用いてもよい。すなわちLCT(大容量給紙テーブル)を搭載して昇降可能であり、かつ、給紙手段や分離給紙手段を備えることにより給紙可能である構成を有する大量給紙ユニットであってもよい。
【0038】
次に、本発明の特徴的な構成に係る中間搬送部4について説明する。
図1、図5、図9および図10等において、符号18は、給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを孔版印刷装置100の給紙口125に向けて搬送するための中間搬送路を示す。中間搬送部4は、本体筐体6の補助側板対29に対して着脱可能に取り付けられている。
【0039】
中間搬送部4は、図5等に示すように、給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送する複数(本実施形態例では3つ)の第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3と、第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3に対応して設けられそれぞれを独立して駆動する駆動手段としての複数の(本実施形態例では3つ)用紙搬送モータである第1モータ33−1、第2モータ33−2、第3モータ33−3と、第1モータ33−1、第2モータ33−2、第3モータ33−3の回転駆動力を第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3に伝達する第1駆動力伝達手段34−1、第2駆動力伝達手段34−2、第3駆動力伝達手段34−3と、第1〜第3用紙搬送手段30−1〜30−3により搬送される用紙Pを孔版印刷装置100側の給紙口125近傍に案内する一対の案内手段を構成する後述する上案内部材および下案内部材と、第1〜第3用紙搬送手段30−1〜30−3、上記一対の案内手段を収納する上記した筐体7と、中間搬送路18の上流から下流に亘り所定の間隔を置いて上案内部材に複数配置され、搬送される用紙Pの先端およびその後端のうちの少なくとも一方(本実施形態例では用紙Pの先端およびその後端の両方)を検出する用紙検出手段としての8個の第1センサ50−1〜第8センサ50−8とを有する。
【0040】
第1用紙搬送手段30−1は、第1搬送ローラ32−1とこれに圧接する第1加圧ローラ31−1とからなる。第2用紙搬送手段30−2は、第2搬送ローラ32−2とこれに圧接する第2加圧ローラ31−2とからなる。第3用紙搬送手段30−1は、第3搬送ローラ32−3からなる。第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3は、中間搬送路18の上流側から下流側に亘り所定の間隔を置いてこの順に配置されている。
第1加圧ローラ31−1は、少なくともその外周面を含む外周部が樹脂でできている。第1搬送ローラ32−1は、少なくともその外周面を含む外周部が大量給紙搬送ユニット1で使用される用紙Pに対して摩擦係数の高い適宜のゴム等の高摩擦弾性体で形成されている。他の第2加圧ローラ31−2、第2搬送ローラ32−2および第3搬送ローラ32−3も、上記と同様である。
【0041】
以下、第1用紙搬送手段30−1と第2用紙搬送手段30−2とは、配置位置のみ異なりそれぞれが同様の構成要素を有していて共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、一方の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、中間搬送路18の上流側から下流側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第3」という接頭語を省略することがある。
上記と同様に、第1モータ33−1と第2モータ33−2と第3モータ33−3とは、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、一方の詳細な説明をもって他方の説明に代える。
同じく、第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、例えば一つの第1センサ50−1の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、中間搬送路18の上流側から下流側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第8」という接頭語を省略することがある。
【0042】
まず、筐体7について説明する。図1、図2、図3、図8等に示すように、筐体7は、中間搬送部4の骨組みをなすものであり、平面視でH字状をなし、上に開口した略箱体形状に形成されている。筐体7は、例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。図8において、符号7aを筐体7の後部側壁と、符号7bを筐体7の前面壁と、符号7cを底壁とそれぞれ名付ける。底壁7cは、図5および図8等に示すように正面視で階段状をなす。図5において、符号57は、同図にのみ示すベルトカバーを表す。ベルトカバー57は、第2駆動力伝達手段34−2のタイミングベルトの外部露出を保護するものである。
【0043】
図5、図6、図9、図10等を参照して、上記一対の案内手段周りについて説明する。
図5に示すように、該一対の案内手段は、上案内部材を構成する上ガイド部材としての上ガイド板35および補助上ガイド板36と、これに対向した下案内部材としての下ガイド板37とからなる。上ガイド板35、補助上ガイド板36、下ガイド板37は、それぞれが例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。上ガイド板35および補助上ガイド板36と、下ガイド板37とで囲まれた空間が、中間搬送路18となる。
【0044】
図5、図6および図9に示すように、上ガイド板35の前端部両端には、上向きに切り曲げられた軸支部35dが一体成形されている。これらの軸支部35dは、図7に示す下ガイド板37の前端部両端に一体成形された軸受部37dと共に、図6に二点鎖線で示す支軸45を貫通された上、止め輪で抜け止めされる。これにより、上ガイド板35は、その基端部が支軸45を中心として所定角度回動自在、すなわちその自由端部側が下ガイド板37に対して揺動自在、かつ、開閉自在になされている。
【0045】
一方、図6に示すように、上ガイド板35の後端部両端には、上向きに切り曲げられた切曲部35eが一体成形されている。これらの切曲部35eには、外向きに突出した固定軸47がそれぞれ固着されている。各固定軸47は、図7に示すように筐体7の後部側壁7aの左右両端に所定角度回動自在に設けられた上ガイド板固定用貫通軸48(以下、単に「貫通軸48」という)に固定された開閉用カム49(図6に二点鎖線で示す)の揺動によって選択的に係合される。図7において、符号51は、下ガイド板37の前端部に固定される例えば板金で形成された傾斜部材を示す。
【0046】
図6、図9および図10において、符号35cは、下向きに凸形状の補強リブを示す。補強リブ35cは、図に示されている以外に、上ガイド板35の中央部にも適宜の本数形成されている。
上ガイド板35上には、図5および図6に示すように、第1センサ50−1がセンサ取付部材38を介して、第2センサ50−2〜第7センサ50−7がセンサ取付部材39を介してそれぞれねじ(図示せず)等の締結手段で取り付け・固定されている。なお、図6では、各センサ取付部材38,39の図示を省略している。
【0047】
第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、反射型センサからなる。第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、中間搬送部4の中間搬送路18上の用紙Pの有無を検出したり、用紙Pの長さ(用紙サイズ)を検出する機能も当然に有している。上ガイド板35には、第1センサ50−1〜第7センサ50−7にそれぞれ対応して各センサ50−1〜50−7からの投射光および反射光を透過させるための開口35aが7箇所形成されている。
図6および図10に示すように、上ガイド板35には、第1加圧ローラ31−1と第2加圧ローラ31−2との各外周部の一部を突出させるための開口部35bが前後、左右に各2箇所ずつ形成されている。
補助上ガイド板36にも、第8センサ50−8からの投射光および反射光を透過させるための上記開口35aと同様の図示しない開口が形成されている。図5、図6および図9に示すように、補助上ガイド板36の前後の両端部は、上向きに傾斜するように曲げ成形されている。図9に示すように、補助上ガイド板36の用紙搬送路18の下流端中央部には、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙ローラ111の外周部の一部を突出させるための開口部36bが形成されている。開口部36bの下方近傍には、図5に示すように後述する第3搬送ローラ32−3の外周部の一部が露出するようになっている。
【0048】
上ガイド板35は、図10に示す支持部材40によって、上ガイド板35の上方に配置された上カバー23に実質一体的に取り付けられている。上カバー23と上ガイド板35とを合わせて、以下、「上案内ユニット46」というときがある。支持部材40は、図10では1つのみが示されているが、第1加圧ローラ31−1付近にも配設されていて、上ガイド板35と上カバー23とを結合している。上カバー23は、例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。上記構成のとおり、上案内ユニット46の大量給紙ユニット5寄りの自由端部側は、支軸45を中心として下ガイド板37に対して揺動自在に、すなわち上ガイド板35を含む上案内ユニット46は、図5に実線で示す閉位置と、同図に二点鎖線で示す開放位置との間で開閉自在に構成されている。
【0049】
上カバー23の大量給紙ユニット5(給紙機構部3)寄りの上面には、上案内ユニット46を下ガイド板37に対して開閉操作するための摘み24が取り付けられている。これにより、中間搬送部4で用紙ジャムが発生した場合、摘み24を持って上案内ユニット46を、つまり上ガイド板35ごと上カバー23を開くことができるので、ジャム用紙を簡単に取り除くことができる。また、各加圧ローラ31−1,31−2や各搬送ローラ32−1〜32−3を清掃するときも、上ガイド板35ごと上カバー23を開放させて行うことができるため、メンテナンス性もよい。また、反射型フォトセンサからなる各センサ50−1〜50−7のセンサ面に付着した紙粉や汚れも容易に除去することができる。
さらに、揺動支点としての支軸45を孔版印刷装置100側に配置することにより、ジャム用紙を除去する際、手を入れるスペースが大きいため、余裕を持って安全にその作業を行うことができる。例えば、支軸45を上記したと反対に大量給紙ユニット5側に配置した場合、孔版印刷装置100側から手を入れようとすると、図1に示すように本体筐体107が邪魔になり手を入れずらいものとなってしまう。
【0050】
第1加圧ローラ31−1は、図6に示すように、その軸31aと一体的に形成されていて、軸31aの左右両端部に対称な位置関係で一対配置されている。第2加圧ローラ31−2も同様である。第1加圧ローラ31−1と第2加圧ローラ31−2とは、図6および図10に示す支持構造(第1加圧ローラ31−1側は、省略しているが同様である)で上カバー23と上ガイド板35との間に回転自在に配設されていて、第1、第2加圧ローラ31−1,31−2は、共にその外周部の一部が上ガイド板35の開口部35bから下方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。
【0051】
上記支持構造は、一対の第2加圧ローラ31−2の両端部の軸31a2を回転自在に支持する左右一対のばねガイド42と、上ガイド板35に溶接で固着され各ばねガイド42を上下方向に移動可能に案内する左右一対の上下案内部材43と、一対のばねガイド42を上方から覆うように支持部材40にねじで固定されたばね固定部材41と、各ばねガイド42に一体形成された上向きの凸部と各ばね固定部材41に一体形成された下向きの凸部との間に介装された左右一対の圧縮ばね44とから主に構成されている。
ばねガイド42は、軸31a2を回転自在に支持するため摺接抵抗が少なく耐磨耗性の良好な材料が適宜選定される。圧縮ばね44は、第2加圧ローラ31−2の外周面を下ガイド板37上から突出した第2搬送ローラ32−2の外周面に圧接する向きに付勢する付勢部材としての機能を有する。一対の第1加圧ローラ31−1側も上記と同様である。
本実施形態例に限らず、各加圧ローラを下案内部材側に、各搬送ローラを上案内部材側にそれぞれ配設して、各加圧ローラを各搬送ローラに圧接する向きに付勢する付勢部材(例えば上記圧縮ばね)を下案内部材側に配置してもよい。
【0052】
次に、図5、図7、図9、図10を参照して、下ガイド板37および筐体7の上部周りについて説明する。
下ガイド板37は、適宜の補強部材等を介して、図示しないねじ等の締結手段で上に開口した箱体状の筐体7の上部に取付・固定されている。下ガイド板37には、上ガイド板35に形成された7つの開口35aおよび補助上ガイド板36に形成された1つの開口36aにそれぞれ対応した下方の部位に8つの開口37aが形成されている。これらの8つの開口37aは、上ガイド板35に取り付けられた第1センサ50−1〜第8センサ50−8にそれぞれ対応して各投射光を透過するためのものである。
【0053】
図7、図9、図10に示すように、下ガイド板37には、その後端部側に第1搬送ローラ32−1と第2搬送ローラ32−2との各外周部の一部を突出させるための開口部37bが前後、左右に各2箇所ずつ形成されている。また、下ガイド板37の前端部中央部には、第3搬送ローラ32−3の外周部の一部を突出させるための開口部37bが形成されている。
【0054】
図7に示すように、下ガイド板37の前端部には、その前端側が下向きに傾斜した傾斜部材51が固着されている。傾斜部材51は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるべく用紙搬送方向Xに移動する際、本体給紙ローラ111および上記図示しない給紙フィラー下端部のコロにスムーズに当接することにより、上記図示しない給紙アームの揺動を介して上記図示しない給紙フィラーを適正高さセンサ126に係合させる向きに揺動させるためのものである。また、傾斜部材51は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時の用紙搬送方向Xの位置決め機能も有する。
【0055】
下ガイド板37の前端寄りの左右端部には、位置決め部材52がそれぞれねじで締結・固定されている。各位置決め部材52は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるべく用紙搬送方向Xに移動する際、給紙口125の左右に位置し本体筐体107に固設された左右一対の給紙側板107Aに対して用紙幅方向Yの位置決めを行うものである。
下ガイド板37の後端部寄りの左右両端上には、所定の厚みを有する当接部材53がそれぞれねじで締結・固定されている。当接部材53は、上案内ユニット46(上カバー23およびガイド板35)が閉位置を占めた時、上ガイド板35の下面と下ガイド板37の上面との隙間(例えば1.2mmの用紙高さを確保)を一定に保持して安定した中間搬送路18を形成するためのものである。
【0056】
図7に示すように、下ガイド板37の後部側(図において右側)には、筐体7の後部側壁7aの一部が示されている。左右両側の後部側壁7aの上部には、一部上述した貫通軸48が軸受部材を介して回動自在に支持されている。貫通軸48の左右両端部には、その位相を同じくした開閉用カム49がそれぞれ固着されている。また、貫通軸48の左端には、固定手段としてのロックレバー55が固着されている。
【0057】
開閉用カム49には、図6に示した固定軸47に沿って摺接する溝部(図示せず)とロック・固定するための嵌合部(図示せず)とが連通・形成されている。図1〜図3に示されている開閉用カム49およびロックレバー55は、上ガイド板35を含む上案内ユニット46が閉位置に固定されている位置状態を表している。
すなわち、閉位置にある上案内ユニット46に対して、ロックレバー55を図7において時計回りに揺動させると、貫通軸48を介して2つの開閉用カム49が揺動し、これにより図6に示した各固定軸47に対して各開閉用カム49が位相を同じくして上記嵌合部が係合することとなり、上案内ユニット46を閉位置に確実に固定することができる。
【0058】
図7、図9および図10において、符号37cは、上向きに凸形状の補強リブを示す。補強リブ37cは、図に示されている以外に、下ガイド板37の中央部にも適宜の本数形成されている。図5および図7において、符号54は、本体筐体6側に固定された上給紙板を示す。図7において、符号56は、各開閉用カム49近傍の後部側壁7aに固定されたストッパを示す。ストッパ56は、開閉用カム49に当接して開側位置を規制するものである。
【0059】
上述したとおり、本実施形態例によれば、上案内部材を構成する上ガイド部材としての下ガイド板37および補助上ガイド板36と、これに対向した下案内部材としての下ガイド板37との両方が、共に給紙口125近傍に延在しているので、例えば更紙のように薄く腰の強さのバラツキが大きい品質の安定しない用紙Pであっても、大量給紙ユニット5の給紙機構部3から中間搬送部4を経由して孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111に用紙Pを確実に搬送して受け渡すことができ、これにより、本体給紙ローラ111の突起部に用紙Pの先端が引っ掛かったり、用紙Pの先端折れやキズ、ジャム等が発生したりすることがない、という利点を奏する。
【0060】
上記本実施形態例ほどの利点を望まなくてもよいのであれば、上案内部材および下案内部材のうちの少なくとも一方が、本体給紙台110または給紙口125近傍に延在している構成であってもよい。ここで、本体給紙台110または給紙口125近傍に「延在している」とは、上記本実施形態例を示す図5を見てすぐ分かるように、補助上ガイド板36が下ガイド板37から分離・独立している場合も含むことを意味するものである。
【0061】
次に、図5、図8〜図10を参照して、筐体7周りについて説明する。
第1〜第3モータ33−1〜33−3は、それぞれパルス入力で駆動するステッピングモータである。各モータ33−1〜33−3は、それぞれ図示を省略したモータブラケットを介して筐体7の決められた底壁7cに、第1〜第3駆動力伝達手段34−1〜34−3を構成する各タイミングベルトの張力調整ができるように微移動可能にねじ等の締結手段で取り付け・固定されている。
【0062】
上記実施形態例ほどの利点を望まなくてもよいのであれば、上記実施形態例に限定されず、例えば各搬送ローラ32−1〜32−3を回転駆動する少なくとも一つの駆動手段(例えばステッピングモータ)を有している構成であっってもよい。この場合、各搬送ローラ32−1〜32−3のうちの少なくとも2つに例えば電磁クラッチ等を配設して、駆動手段(例えばステッピングモータ)の駆動力を適宜のタイミングで断接(オン/オフ)制御すればよい。
【0063】
第1搬送ローラ32−1は、図8に示すように、その軸32a1の左右両端部に一対配置されている。これらの第1搬送ローラ32−1は、軸32a1および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取り付け・固定された第1ブラケット58に回転自在に支持されている。各第1搬送ローラ32−1と軸32a1との間には、一方向性回転駆動力伝達手段としてのワンウェイクラッチ61が介装されていて、各第1搬送ローラ32−1は、図5において反時計回りにのみ、つまり給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを用紙搬送方向Xに搬送する方向のみに回転可能になっている。第2搬送ローラ32−2も、上記と同様であり、軸32a2および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取り付け・固定された第2ブラケット59に回転自在に支持されている。第2搬送ローラ32−2側も上記と同様である。
図10に示すように、第1、第2搬送ローラ32−1,32−2は、共にその外周部の一部が下ガイド板37の開口部37bから上方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。
【0064】
第3搬送ローラ32−3は、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3のうちで中間搬送路18の最下流側に配置されており、単一のローラからなる。第3搬送ローラ32−3は、その軸32a3および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取り付け・固定された第3ブラケット60に回転自在に支持されている。第3搬送ローラ32−3と軸32a3との間には、上記と同様のワンウェイクラッチ61が介装されていて、第3搬送ローラ32−3は、図5において反時計回りにのみ、つまり給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを用紙搬送方向Xに搬送する方向のみに回転可能になっている。
図9に示すように、第3搬送ローラ32−3も、その外周部の一部が下ガイド板37の開口部37bから上方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。第3搬送ローラ32−3は、孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111と対向する位置であって、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙ローラ111外周面の下に潜り込んでこれと圧接可能となるように中間搬送部4の筐体7の各図に示す所定の位置に配置されている。
【0065】
図9に示すように、筐体7の前面壁7bの内側には、第3搬送ローラ32−3に適度の制動力を付与する制動力付与手段としての板ばね62がねじ等の締結手段で取付・固定されている。板ばね62による制動力は、同図に実線で示すように、第3駆動力伝達手段34−3およびワンウェイクラッチ61を介して第3モータ33−3の回転駆動力が伝達される側の第3搬送ローラ32−3の軸部としての芯金部32bに付与される。
これに限らず、板ばね62による制動力を、同図に二点鎖線で示すように、第3駆動力伝達手段34−3およびワンウェイクラッチ61を介して第3モータ33−3の回転駆動力が伝達される側でもある第3搬送ローラ32−3自体に付与するようにしてもよい。この際、第3搬送ローラ32−3に及ぼす耐久性やその駆動手段である第3モータ33−3に過度の負荷を掛けない範囲で制動力を付与することは当然である。
上記した適度の制動力を付与することにより、第3搬送ローラ32−3の搬送時の慣性による影響を抑えて安定した用紙の停止位置を確保でき、用紙搬送の精度向上を図れる。
【0066】
上記本実施形態例に限らず、一方向性回転駆動力伝達手段としてのワンウェイクラッチ61は、中間搬送路18のうちの最下流側に配置された第3搬送ローラ32−3の軸部に配置してもよい。また、制動力付与手段としての板ばね62による制動力は、中間搬送路18のうちの下流側に配置された第2搬送ローラ32−2や第1搬送ローラ32−1をも含めて適度に付与するようにしてもよい。この場合、板ばね62による制動力は、孔版印刷装置100の本体給紙ローラ111に近付くにつれて大きく設定されるようにするとよい。
【0067】
第1駆動力伝達手段34−1は、第1モータ33−1の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−1と、第1搬送ローラ32−1の軸32a1の一端部に固定されたタイミングプーリ64−1と、タイミングプーリ63−1とタイミングプーリ64−1との間に掛け渡されたタイミングベルト65−1とから主に構成される。
第2駆動力伝達手段34−2は、第2モータ33−2の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−2と、第2搬送ローラ32−2の軸32a2の一端部に固定されたタイミングプーリ64−2と、タイミングプーリ63−2とタイミングプーリ64−2との間に掛け渡されたタイミングベルト65−2とから主に構成される。
同じように、第3駆動力伝達手段34−3は、第3モータ33−3の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−3と、第3搬送ローラ32−3の軸32a3の一端部に固定されたタイミングプーリ64−3と、タイミングプーリ63−3とタイミングプーリ64−3との間に掛け渡されたタイミングベルト65−3とから主に構成される。
【0068】
図1、図5および図9に示すように、筐体7の下部には、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙台110の内部に配置された用紙長さセンサ128と対向してこれを選択的に遮蔽するための用紙長さ検知用シャッタ機構としての用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1と、用紙有無センサ127と対向してこれを選択的に遮蔽するための用紙有無検知用シャッタ機構としての用紙有無センサ用シャッタ機構70−2とが配設されている。用紙長さ用センサ用シャッタ機構70−1および用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、略同様に構成されているため、用紙有無センサ用シャッタ機構70−2側の細部構成を説明することで用紙長さ用センサ用シャッタ機構70−1側の説明を省略する。
【0069】
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、図9(a)の正面図および同図(b)の側面図に詳しく示すように、遮蔽手段・遮蔽部材としてのシャッタ71−2、シャッタ71−2を駆動する遮蔽駆動手段としてのプル型のソレノイド72−2、付勢手段としての引張ばね73−2、シャッタ機構保護部材74−2、支点軸75−2、ホルダ76−2から主に構成されている。
【0070】
シャッタ機構保護部材74−2は、不動部材であり、例えば板金でできていて、正面視で概略コ字状に曲げられて形成されている。シャッタ機構保護部材74−2、筐体7の底壁7c下面にねじ等の締結手段で取り付け・固定されている。シャッタ機構保護部材74−2の底壁には、用紙有無センサ127からの投射光・反射光を透過させる開口74a2が形成されている。シャッタ機構保護部材74−2の図9(a)における右側面には、ねじでソレノイド72−2を取り付け・固定すると共に支点軸75−2を固着するホルダ76−2がねじで取り付け・固定されている。これにより、ホルダ76−2はシャッタ機構保護部材74−2と同様に不動部材となる。ホルダ76−2の図9(b)における中央右端には、引張ばね73−2の一端を引っ掛け・係止するばね係止部76a2が折り曲げ形成されている。
【0071】
シャッタ71−2は、例えば板金でできていて、その自由端が、図9(b)に実線で示すように開口74a2を介して用紙有無センサ127の投射光を遮蔽・反射する用紙有り擬制位置と、図9(b)に二点鎖線で示すように用紙有無センサ127の投射光を透過する用紙無し擬制位置との間で、支点軸75−2を中心として揺動自在になっている。シャッタ71−2の図9(b)における上部右端には、引張ばね73−2の他端を引っ掛け・係止するばね係止部71a2が折り曲げ形成されている。シャッタ71−2の図9(b)における上部左端には、ソレノイド72−2のプランジャの先端部に圧入されたピン72a2を緩く嵌合する嵌合孔が形成されている。ソレノイド72−2のピン72a2は、ホルダ76−2に開けられたピン挿通長孔(図示せず)およびシャッタ71−2の上記嵌合孔を挿通してシャッタ71−2に連結される。
シャッタ71−2の下部は、L字状に折り曲げられていて、その下面には用紙の表面と同様程度に用紙有無センサ127からの投射光を反射する適宜の表面処理が施されている。引張ばね73−2は、ホルダ76−2のばね係止部76a2とシャッタ71−2のばね係止部71a2との間に張設されていて、シャッタ71−2の自由端(図における下面)を常に用紙有り擬制位置を占めさせる向きである図9(b)において時計回りに揺動させる向きに付勢している。また、引張ばね73−2の付勢力は、シャッタ71−2を介して、ソレノイド72−2のプランジャおよびピン72a2の復帰を補助している。
【0072】
ここで、前もって用紙有無センサ用シャッタ機構70−2の動作を説明しておく。ソレノイド72−2に電力が供給されてソレノイド72−2がオンすると、引張ばね73−2の付勢力に抗してその吸磁力によってプランジャおよびピン72a2が図9(a),(b)の略下側へ揺動変位し、これによりシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における反時計回りに揺動して同図(b)に二点鎖線で示す用紙無し擬制位置を占める。
一方、ソレノイド72−2への電力が断たれてソレノイド72−2がオフすると、引張ばね73−2の付勢力によってプランジャおよびピン72a2が図9(a),(b)の略上側へ揺動変位し、これによりシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における時計回りに揺動して同図(b)に実線で示す用紙有り擬制位置を占めることとなる。
【0073】
大量給紙搬送ユニット1が図1および図9に示す接続位置を占めたとき、後述する制御装置からの指令によってソレノイド72−2はオフしたままであり、これによりシャッタ71−2の自由端は用紙有無センサ127の投射光を遮蔽・反射する用紙有り擬制位置にある。そして、積載部2および中間搬送部4に用紙が無くなると、上記制御装置からの指令によってソレノイド72−2がオンされることにより、引張ばね73−2の付勢力に抗してシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における反時計回りに揺動して同図(b)に二点鎖線で示す用紙無し擬制位置を占めるので、孔版印刷装置100側の図示しない制御装置は用紙無しと認識する。
一方、中間搬送部4に用紙があると、上記制御装置からの指令によってソレノイド72−2がオフされ、上記したと同様にシャッタ71−2の自由端は用紙有り擬制位置にあり、孔版印刷装置100側の上記制御装置が用紙有りと認識することで、中間搬送部4から孔版印刷装置100側への通紙が可能な状態となる。
【0074】
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、用紙長さ用センサ用シャッタ機構70−1と比較して、大量給紙搬送ユニット1が図9に示す接続位置を占めているとき、シャッタ機構保護部材74−2が本体給紙部104の前面板124に当接して傾斜部材51と共に接続位置決めを行う機能を有している点が主に相違するだけである。それ故に、用紙長さ用センサ用シャッタ機構70−1は一部形状が異なるものの用紙有無センサ用シャッタ機構70−2と実質的に同一の構成要素を有していて、各構成要素の符号のハイフォンの後に数字1を付すことでその説明を省略する。
【0075】
用紙有無センサ127に対するシャッターの形状およびその覆いの位置を変更することにより、ソレノイドの吸引と復帰の動作を逆にすることも勿論可能である。大量給紙台10上の用紙Pが無くなり、中間搬送路18上にも用紙Pが無くなってから、ソレノイドを動作させて孔版印刷装置100側へその情報・信号を伝達するため、孔版印刷装置100側で次用紙の取り込み時間よりもシャッタにより用紙有無センサ127を開放(透過)する時間が長い場合、孔版印刷装置100側の図示しない制御装置で用紙の有無を判断する時に、シャッタが未だ用紙有無センサ127上に有る状況となり、孔版印刷装置100側で用紙有りと判断して給紙しても、用紙が来ない(用紙が無いので当然に用紙は来ない)と認識してしまい、給紙ジャムとなってしまう。これを防ぐため、ソレノイドの動作時間が短い吸引側・吸引方向(電磁的動作なので機械的な引張ばねの付勢復帰動作よりも当然に時間遅れが短くなる)でシャッタを開にすることで、確実に給紙ジャムを防ぐことができる。従って、ソレノイドの吸引と用紙有無センサ127の開放条件とを噛み合わせて使用することが安定した用紙搬送制御・給紙品質確保の前提となる。
【0076】
本実施形態例によれば、例えば用紙長さ用センサ用シャッタ機構70−1、用紙有無センサ用シャッタ機構70−2の各ソレノイド72−1,72−2等の電気的駆動手段が故障しても、積載部2に配設された大量給紙台10上の用紙Pの有無や、中間搬送部4の用紙Pの有無を作業者が視認して手動で操作することもできる。
【0077】
図8において、符号135は、印刷センタ合わせ用(用紙Pの幅方向調整)回転軸を示す。回転軸135の一端部は、雄ねじ(図示せず)を切られている。これは、回転軸135の一端部の雄ねじを、本体筐体6の左右一対の補助側板29の上部に雌ねじを切られた螺合部材(図示せず)に螺合させることにより、そのねじ機構による用紙幅方向Yへの移動を利用して用紙Pの幅方向調整を行うものである。
【0078】
図11および図12を参照して、上述した大量給紙搬送ユニット1の後述する動作を制御する電気的制御構成について説明する。なお、図の簡明化をはるため、各センサ26,27,66、第1〜第8センサ50−1〜50−8等の図示を三角形状にして、また各モータ22,28,33−1〜33−3,各ソレノイド72−1,72−2等も模式的にかつ簡略化して示す。図11および図12では、第1〜第8センサ50−1〜50−8が、あたかも下ガイド板37側に配置されているような図示になっているが、これはあくまでも制御構成や動作説明を簡明にするためのものであって、第1〜第8センサ50−1〜50−8は上述したとおり上ガイド板35側に配置されていることに変わりはない。
【0079】
まず図11に基づいて、第1〜第8センサ50−1〜50−8等の配置状態を補足説明する。
第1〜第8センサ50−1〜50−8は、具体的には中間搬送路18における用紙搬送方向Xに沿って上流から下流に亘り図11に示す寸法間隔を空けて上ガイド板35に配置・固定されている。これは、同図に括弧を付しておよび図14に示すように、用紙搬送方向Xに沿う用紙Pの長さが10種類の用紙サイズにそれぞれ対応して設定されている。図11において、ちなみに、例えばA3Y(横)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが420mmであることを、A4T(縦)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが210mmであることを、DLY(ダブルレター)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが本実施形態例では最長の432mmであることを、それぞれ表している。
また、DLY(ダブルレター)サイズに対応して、中間搬送路18の用紙搬送長さは、480mmに設定されている。図11には、第1加圧ローラ31−1と第1搬送ローラ32−1とで形成されるニップ部中心から第2加圧ローラ31−2と第2搬送ローラ32−2とで形成されるニップ部中心間までの距離170mm、第2加圧ローラ31−2と第2搬送ローラ32−2とで形成されるニップ部中心間から本体給紙部104側の本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで形成されるニップ部中心間まで間の距離170mm等についても例示されている。
【0080】
ここで、図1および図9に示すように大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めている状態において、孔版印刷装置100の印刷部102、本体給紙部104、中間搬送部4との主な位置関係の一実施例を補充説明する。
印刷ドラム115とプレスローラ116との押圧状態におけるニップ部中心からレジストローラ対114のニップ部中心までの距離は約120mm、レジストローラ対114のニップ部中心から本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3との圧接により形成されるニップ部中心までの距離は約120mmであり、印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部中心から本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とのニップ部中心までの距離は約240mmである。それ故に、最短サイズのB5T(182mm)を用いて中間搬送部4から本体給紙部104へ給送したとき、B5Tの先端が印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部に達した点からB5Tの後端が位置する部位は、レジストローラ対114と本体分離ローラ112との間になる。
【0081】
説明が前後するが、レジストローラ対114の上側ローラは、図示しないタイミング用カムや引張ばね等の付勢手段を具備した接離機構によって、下側のローラに対して接離自在に構成されている。この構成により、印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部に用紙の先端部がある程度の長さをもって完全に挟持された状態では、上記接離機構によってレジストローラ対114の上側ローラが下側のローラから離間してレジストローラ対114のニップ部での圧接による負荷を用紙および印刷ドラム115の回転等に与えないようになっている。これと同様の目的から、本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111の各軸部に介装されたワンウェイクラッチにより本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111に連結されている駆動力伝達手段や給紙モータ122(ステッピングモータ)等による負荷を搬送される用紙および印刷ドラム115の回転等にでき得る限り与えないようになっている。
【0082】
また、本実施形態例では共通のステッピングモータからなる第1〜第3モータ33−1〜33−3を使用しているため、上述したとおりのそれぞれ予め決められた距離を有する中間搬送路18や孔版印刷装置100側の用紙搬送路間を用紙を搬送する場合、各ステッピングモータへ供給するパルス数でその用紙搬送距離(もしくは用紙搬送量)を制御することができるから、簡単に精度の高い用紙搬送を行うことができる。これは、給紙モータ22や孔版印刷装置100側の給紙モータ122や本体給紙部104のレジストローラ対114を回転駆動するステッピングモータからなる図示しないレジストモータでも同様である。
【0083】
図12を参照して、上述した制御構成要素の補足説明を含め本実施形態で使用する制御構成要素を説明する。
図12において、符号78は電源基板を、符号78aは例えば商用の外部電源と接続するための電源ケーブルを、二点鎖線で示す符号79は後述する制御装置等を設置している制御基板を、符号80は電源ケーブル78aを介して供給される電力を断接する電源スイッチを、符号81は大量給紙搬送ユニット1の動作を初期化、すなわち初期化(もしくは初期セット)状態に起動する指示を与える初期セット設定手段としてのリセットスイッチを、符号82は昇降モータ28を制御して大量給紙台10を下降させる際の起動指示を所定の時間押下作動させることにより与える給紙台下降スイッチをそれぞれ示す。
電源スイッチ80は操作側の左側壁に、リセットスイッチ81および給紙台下降スイッチ82は、大量給紙搬送ユニット1の操作パネルとも呼ぶべき本体筐体6の上部にそれぞれ配置されている。給紙台下降スイッチ82は、積載部2の大量給紙台10に用紙の補充・継ぎ足しを行う場合、その継ぎ足し分に相当するだけ大量給紙台10を下降させて用紙を供給したり、また給紙機構部3等でジャム等の発生があった場合、大量給紙台10を少し下降させてその処理等を行ったりする場合に操作するものである。
【0084】
図13は、大量給紙搬送ユニット1の主な制御構成をブロック図的に示している。同図において、制御装置85は、内部にCPU(中央演算処理装置)86、RAM(読み書き可能な記憶装置)87、計時手段としてのタイマ88、記憶手段としてのROM(読み出し専用記憶装置)89等を有し、CPU86とROM89とがアドレスバス90、データバス91で接続されると共に、CPU86とRAM87とタイマ88とがそれぞれ図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。制御装置85は、図12に示した制御基板79の配置部に設けられている。
【0085】
CPU86は、大量給紙ユニット5側に設けられた適正高さセンサ26、下限センサ27、用紙有無センサ66、電源スイッチ80、リセットスイッチ81、給紙台下降スイッチ82と、図示しない各センサ入力回路やスイッチ入力回路および入力ポート92を介して、また中間搬送部4側に設けられた第1〜第8センサ50−1〜50−8、開閉センサ67と図示しない各センサ入力回路および入力ポート92を介して、それぞれ電気的に接続されていて、これらの各センサや各スイッチからの各種信号を受信する。
【0086】
CPU86は、大量給紙ユニット5側に設けられた給紙モータ22、昇降モータ28と図示しないモータ駆動回路および出力ポート93を介して、また中間搬送部4側に設けられた第1〜第3モータ33−1〜33−3、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1、用紙有無センサ用ソレノイド72−2と図示しないモータ駆動回路、ソレノイド駆動回路および出力ポート93を介して、それぞれ電気的に接続されていて、上記各センサや上記各スイッチからの各種信号およびROM89から呼び出された動作に係るプログラム等に基づいて、上記各モータや上記各ソレノイド等の作動を制御する各種指令信号を送信して、大量給紙搬送ユニット1の起動、停止およびタイミング等の動作全体のシステムを制御している。
【0087】
ROM89には、大量給紙搬送ユニット1全体の動作あるいは用紙搬送動作フローを表す後述するフローチャートに示されているプログラムやCPU86の制御機能を発揮するための各種の関係データが記憶されており、これら動作プログラムや関係データはCPU86によって適宜呼び出される。RAM87は、CPU86の計算結果を一時的に記憶する機能、上記各スイッチや上記各センサからの各種設定・入力されたオン・オフ信号やデータ信号等の各種信号を随時記憶する機能等を有している。タイマ88は、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動による本体給紙ローラ111による給紙開始に対応して各センサ50−1〜50−8上の用紙Pの搬送が始まる時、その用紙Pの後端が移動する時の各センサ50−1〜50−8間の時間を計測する計時手段としての機能を有する。
【0088】
第1に、CPU86(以下、説明の便宜上から「制御装置85」というときがある)は、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時であるリセット時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙サイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式を変える制御を行う制御手段としての制御機能を有する。
上記リセット時の状態は、中間搬送路18の最下流側に配置された第3搬送ローラ32−3に用紙Pが位置し、かつ、その用紙Pの先端が図12に二点鎖線で示す本体給紙ローラ111によって給紙可能となる位置、図11に示す用紙の停止位置P0になるように予め設定されている。ちなみに、停止位置P0は、図11に示すとおり、本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とが圧接することにより形成されるニップ部中心から大体38.5mm程度用紙搬送方向Xに進んだ位置に設定されている。
【0089】
第1の制御装置85(CPU86)の制御機能は、別言すれば、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙サイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式を切り換えるように各モータ33−1〜33−3を制御すると言い替えることができる。
【0090】
第2に、制御装置85(CPU86)は、上記第1の制御機能を発揮する時に、タイマ88からの予め設定されたセンサ50−1〜50−8の何れかの間の時間を計測した計測時間に係る信号を加味して、第1の制御機能に加えて用紙搬送速度を変える制御を行う制御手段としての制御機能を有する。
【0091】
本実施形態例では共通のステッピングモータからなる第1〜第3モータ33−1〜33−3を使用しているため、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送速度(周速度もしくは回転速度)の変更は、制御装置85(CPU86)によって第1〜第3モータ33−1〜33−3に供給するパルスの周波数(pps:pulse per second)を変えること、すなわちパルス間隔を変える(パルス間隔を狭くしていけば加速、一定間隔では等速、パルス間隔を広くしていけば減速)ことで容易かつ正確に行える。
【0092】
次に、図14に基づいて、制御装置85による大量給紙搬送ユニット1の特有の制御動作の詳細を説明する前に、中間搬送部4における用紙搬送動作の原理的な制御内容を説明しておく。同図において、説明の簡単化のために、用紙搬送方向Xに所定の間隔を置いて配置された第1〜第3センサ50−1〜50−3を用いて、前用紙P1と次用紙P2との各先端およびその各後端の位置に係る用紙搬送制御方式について簡単に説明しておく。以下、前用紙P1とは、中間搬送部4の中間搬送路18に載っていて本体給紙部104に取り込まれる用紙を指し、次用紙P2ては、大量給紙台10および給紙機構部3から中間搬送路18へ前用紙P1に続いて連続的に給送・搬送される用紙を指す。なお、汎用的には、前用紙P1をPnと、次用紙P2をPn+1とそれぞれ書き直すことができる。但し、nは自然数である。
【0093】
まず、図14(a)に示すように、前用紙P1の後端が第2センサ50−2を通過していないので、次用紙P2の先端は用紙搬送方向Xの最上流に位置する第1センサ50−1に検出される前の位置で停止している。但し、この場合、第1センサ50−1で次用紙P2の先端を検出してからも、その次用紙P2はこれに対応した搬送ローラの慣性(上記したようなワンウェイクラッチ61を内蔵しているため搬送ローラの慣性とみなせる)によるスローダウン分進んで停止することとなる。
【0094】
次いで、図14(b)に示すように、前用紙P1の後端が第2センサ50−2を通過したら(反射型センサの遮蔽・反射→透過)、次用紙P2の搬送が開始される。次用紙P2の先端が第2センサ50−2によって検出されるまで、次用紙P2が搬送され進む。この次用紙P2が用紙搬送方向Xの下流側に搬送されて進むか停止するかは、前用紙P1の後端と第3センサ50−3との位置関係および用紙搬送方向Xに沿う用紙サイズ(以下、「用紙サイズ」という)よって異なる。
【0095】
図14(c)に示すように、前用紙P1の後端が第3センサ50−3を通過している場合は、次用紙P2はその速度(用紙搬送速度)を落とすことなく同図に二点鎖線で示すように第2センサ50−2を通過して、その先端が第3センサ50−3まで到達可能となる。しかし、前用紙P1の後端が第3センサ50−3を通過していない場合は、次用紙P2は同図に実線で示すように第2センサ50−2の位置で停止する。
【0096】
このように、本実施形態例では、前用紙P1および次用紙P2の各先端およびその各後端の位置を各センサ50−1〜50−8で常に検出しながら、前用紙P1の後端と次用紙P2の先端とを接触させることなく順次搬送可能となるように、用紙搬送制御方式を切り換える、換言すれば予め設定された用紙搬送制御パターンをROM89から選択すると共に、各搬送ローラ32−1〜32〜3の用紙搬送速度を変える特有の制御が行われる。本実施形態例によれば、図11や図15に示す10種類の用紙サイズを最少の8個のセンサ50−1〜50−8で検出できるので、用紙サイズの検出構成が簡素になると共にコストダウンを図れる。
【0097】
それ故に、本発明は、例えば本実施形態例のように中間搬送路18に配置された8個のセンサ50−1〜50−8に限らず、これを第1〜第Nセンサ50−1〜50−N、但しNは自然数と一般的に置き換えて多数配置(例えば8を超えて配置)すると共に、中間搬送路18を上記したよりもさらに長く延長したような場合でも、前用紙P1(Pn)後端と次用紙P2(Pn+1)先端とを接触させることなく順次搬送可能となるように、例えば各搬送ローラ32−1〜32〜3の起動・停止やその用紙搬送速度を変えることができるものであり、また第1〜第Nセンサ50−1〜50−N上に用紙Pが3枚以上載っている場合でも勿論制御可能となるものである。
【0098】
上述したことから、上記実施形態例に限定されず、中間搬送部は、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出する用紙検出手段としての第1〜第Nセンサ50−1〜50−Nとを有するものであってもよい。
【0099】
図11、図15〜図18を参照して、制御装置85による大量給紙搬送ユニット1の特に中間搬送部4における特有の用紙搬送動作を説明する。
図11に具体的に示すように、本実施形態における用紙サイズの検出は、後で詳述するリセット時の動作を介して、1枚の用紙Pが各センサ50−1〜50−8上へ搬送終了された停止後に、すなわち、同図においてその1枚の用紙P、つまり前用紙P1の先端部が本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とのニップ部で挟持されて停止位置P0において、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて制御装置85によって判断される。
【0100】
ちなみに、リセット時において、用紙搬送方向Xに最長のDLY(ダブルレター)サイズおよびA3Yサイズの用紙Pでは、第8センサ50−8から第1センサ50−1に至るまでこれらのセンサ上(厳密にはセンサ下)に位置していることにより、第8センサ50−8〜第1センサ50−1がオンしていることで最大用紙長であると判定する。また、最短のB5Tサイズの用紙Pでは、第8センサ50−8から第6センサ50−6に至るまでこれらのセンサ上に位置していることにより、第8センサ50−8〜第6センサ50−6がオンしていることで最短用紙長であると判定する。
これは、図15の図表において、本実施形態例で最短の用紙P:B5Tサイズのリセット時の搬送停止状態を特に16rpmや30rpm(図1に示す印刷ドラム115の外周面にインキの粘着力で製版済みの感熱孔版マスタを密着させるための版付けないしは試し刷り時の印刷ドラム115の回転速度(周速度に対応した用紙搬送速度でもある))の低速側の印刷速度で実現しようとするとき、同用紙Pが短いために第1〜第3用紙搬送手段30−1〜30−3のうちの何れか2つの用紙搬送手段30(加圧ローラ31と搬送ローラ32と)で挟持・搬送されていない状態が存在し、これにより第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3のうちの特に最下流に位置する第3搬送ローラ32−3による慣性によって、図9に示した板ばね62による制動力にも拘わらず第5センサ50−5をオーバーランしてしまうことがあるため、その余裕を見て第6センサ50−6のオン・オフ状態で確実に検出するようにしているためである。
【0101】
図15の図表において、「他速度」とは通常印刷時の印刷速度であって、例えば60〜120rpmを挙げることができる。「初期用紙後端位置:センサ間(…0−〜−5)」とは、リセット時において1枚の用紙Pの後端を検出する第1〜第8センサ50−1〜50−8に対応しているセンサ番号を指している。この例で、センサ番号「0」は、分離ローラ12の配置位置を表す。また、「2枚目取込センサ」とは、前用紙が搬送された後で次用紙を搬送可能とするためのその先端を検出するセンサ番号を表す。2枚目取込センサのセンサ番号は、同表に括弧を付して表すように後述する搬送タイプ1〜6の番号に対応している。この意味において、B5Tサイズの用紙Pの場合の2枚目取込センサは、上記した内容から同表に示す第6センサ50−6の他に第5センサ50−5も含まれる。
【0102】
上述した内容から、大量給紙ユニット5から1枚に分離されて給送されてきた用紙Pを搬送する際の用紙搬送制御方式に係る用紙搬送制御パターンは、次の6通りの搬送タイプに分類することができる。つまり、中間搬送部4にある前用紙P1の先端が孔版印刷装置100側の給紙ローラ111の回転開始によって持っていかれた時、どの時点で次用紙P2の搬送開始を行うかの制御を行っているわけである。本実施形態例では、中間搬送路18が比較的短いため1枚の用紙Pのみを順次搬送しているが、中間搬送部の中間搬送路が長ければそれぞれの用紙サイズにより、中間搬送路に用紙Pが載る枚数分だけの搬送制御を行うことができるのは言うまでもない。
【0103】
下記の搬送タイプ5と搬送タイプ6とは、上述した内容から同様の用紙搬送制御処理がなされる。
搬送タイプ1:第8センサ50−8〜第1センサ50−1までオン状態
搬送タイプ2:第8センサ50−8〜第2センサ50−2までオン状態
搬送タイプ3:第8センサ50−8〜第3センサ50−3までオン状態
搬送タイプ4:第8センサ50−8〜第4センサ50−4までオン状態
搬送タイプ5:第8センサ50−8〜第5センサ50−5までオン状態
搬送タイプ6:第8センサ50−8〜第6センサ50−6までオン状態
図16に示すフローチャートは、制御装置85(CPU86)によってリセット動作終了後にROM89から呼び出される搬送タイプ1〜搬送タイプ6に係る搬送制御分岐処理内容を示している。
まず、同図のステップS1では、リセット時において、1枚の用紙Pの後端が第1センサ50−1に位置しているか否かが判断される。用紙Pの後端が第1センサ50−1に位置していれば(第1センサ50−1・オン)、ステップS4へ進んで搬送タイプ1に係る用紙搬送制御のサブルーチンプログラムが実行される。用紙Pの後端が第1センサ50−1に位置していなければ(第1センサ50−1・オフ)、ステップS2へ進み、その用紙Pの後端が第2センサ50−2に位置しているか否かが判断される。用紙Pの後端が第2センサ50−2に位置していれば、ステップS5へ進んで搬送タイプ2に係る用紙搬送制御のサブルーチンプログラムが実行される。用紙Pの後端が第2センサ50−2に位置していなければ、その用紙Pの後端が第3センサ50−3に位置しているか否かが判断される。以下、同様な内容となるため、途中の搬送タイプ3〜5を含めその説明を省略する。
【0104】
図15〜図18を参照して、制御装置85の制御の下に実行される搬送タイプ3で他速度かつ短サイズ(図15に示すA4Y、B5Y、レターYサイズ)の用紙搬送制御例を述べる。中間搬送条件として、給紙ローラ11、分離ローラ12、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3による用紙搬送速度が一定となるように、給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3が制御される。このときの用紙搬送速度は、印刷ドラム115による最高印刷速度120rpm(用紙搬送速度換算で1130mm/sec相当)に略対応して設定されている(実施例的には、1130mm/sec相当よりもやや速度アップした1370mm/secに設定されている)。孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111、本体分離ローラ112による用紙搬送速度も上記と同様となるように孔版印刷装置100側の図示しない制御装置で給紙モータ122が制御される。
図15に示されているとおり、短サイズの搬送タイプ3の初期用紙後端位置は第3センサ50−3と第2センサ50−2との間にあり、2枚目取込センサは第3センサ50−3がオフになった時である。
【0105】
図17に示す用紙の状態は、大量給紙台10上の最上の用紙Pの1枚が分離されて取り出され中間搬送路18に給送・搬送されたリセット動作終了後の1枚の前用紙P1を示す。この前用紙P1のリセット停止状態は、第8センサ50−8〜第3センサ50−3までがオンしている搬送タイプ3を示しているため、搬送タイプ3での搬送制御を行う。
次いで、図18(a)に示す状態に進む。この状態は、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動により本体給紙ローラ111の回転開始によって前用紙P1が孔版印刷装置100側へ進み出し、その後端が第3センサ50−3から抜けて第3センサ50−3〜第1センサ50−1が共にオフになった状態を示している。2枚目取込センサである第3センサ50−3がオフになったので、次用紙P2が大量給紙台10上から給紙ローラ11および分離ローラ12によって1枚だけ分離されて中間搬送路18へ搬送開始される。
【0106】
次いで、図18(b)に示すように、次用紙P2が第4センサ50−4と第3センサ50−3間の2個のセンサで前用紙P1の後端をチエックしながら搬送される。この場合、第3センサ50−3がオンで、前用紙P1の後端を検出する第5センサ50−5がオフとなっていないので、次用紙P2は図18(b)に示す位置に停止する。
【0107】
このように、大量給紙台10上から搬送開始される用紙Pは搬送開始後、▲1▼前用紙P1の後端チエックのため直前の数個のセンサ50(用紙長さにより変化する)の空きをチエックする。▲2▼次用紙P2は、前用紙P1の後端が所定個数のセンサ50上に用紙Pがない(つまり前用紙P1が進んでいる)時に、次のセンサ50まで進むことができる。前用紙P1が進んでいない場合は、前用紙P1が進むまで停止する。▲3▼次用紙P2の先端が次のセンサ50に到達した時に上記▲1▼に戻る。これを搬送定位置(用紙P後端が第8センサ50−8を通り過ぎる位置)まで繰り返すという用紙搬送制御が実行される。
【0108】
次に、図19および図20の用紙搬送遷移状態、図21〜図24のフローチャートおよび図25のタイミングチャートを参照しながら、制御装置85の制御の下に実行される搬送タイプ3で低速度かつ短サイズ(図15に示すA4Y、B5Y、レターYサイズ)の用紙搬送制御例をさらに詳細に説明する。図21〜図24のフローチャートは、ステップS10から始まる。中間搬送条件は、図15〜図18に示した例と同様である(ステップS10参照)。
【0109】
この例の場合のリセット動作終了後の1枚の前用紙P1の停止状態は図17に示したと同様である(第8センサ50−8〜第3センサ50−3までがオンしている搬送タイプ3である)。
次いで、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動により、本体給紙ローラ111が一定の回転速度(例えば、上記したように印刷ドラム115の最高印刷速度120rpm(周速度)に対応した本体給紙ローラ111の周速度、すなわち用紙搬送速度でもある)で回転開始されることで、本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで挟持されていた前用紙P1が本体給紙部104へと取り込まれ・搬送されて行く。この時、第3搬送ローラ32−3は本体給紙ローラ111から適度の給紙圧を受けているため、前用紙P1と第3搬送ローラ32−3外周面の高摩擦面(ゴム面)との摩擦で前用紙P1の動きに合わせて図19に破線で示すように反時計回りに連れ回り・従動回転し始める。この際の第3モータ33−3の負荷は第3搬送ローラ32−3の軸部に内蔵されたワンウェイクラッチ61の働きでほとんど無視できるくらい小さいものとなっている。以下、本体給紙ローラ111、各搬送ローラ33−1〜33−3、分離ローラ12、給紙ローラ11等の回転については、実線で示すものが自身による回転、破線で示すものが連れ回りないしは従動回転を表すものとして区別することとする。
【0110】
こうして前用紙P1が孔版印刷装置100側へ進み出し、前用紙P1の後端が第3センサ50−3から抜けて第3センサ50−3〜第1センサ50−1が共にオフになったか否かが判断される(ステップS11参照)。すなわち、ここでは図15に示した2枚目取込センサのチエックがなされる。第3センサ50−3〜第1センサ50−1が共にオフになったとき、給紙モータ22および第1モータ33−1の起動により、給紙ローラ11および分離ローラ12が時計回りに回転し始めると共に、第1搬送ローラ32−1が反時計回りに回転し始めることで次用紙P2が1枚に分離されて中間搬送路18に向けて搬送開始される(ステップS12参照)。ステップS11において、第3センサ50−3がオフのままであるようなとき、同判断処理動作が繰り返される。
また、ステップS12では、制御装置85のタイマ88による時間計測が開始され、前用紙P1後端が第3センサ50−3〜第5センサ50−5を移動・通過する際の通過時間が計測される(図15参照)。
【0111】
次いで、ステップS13において、次用紙P2が搬送されてその先端の到達位置によって第2センサ50−2がオンになったか否かが判断される。次用紙P2が搬送されずに第2センサ50−2がオフのとき、同判断処理動作が繰り返される(以下、このようなフローの説明は同フローチャートから自明であるため省略する)。第2センサ50−2がオンであれば、ステップS14へ進む。
ステップS14において、前用紙P1が搬送されて第4センサ50−4がオフになったか否かが判断される。第4センサ50−4がオフのとき、ステップS15に進み、第2モータ33−2が起動する。ここで、第4センサ50−4がオンのままであるとき、ステップS35に進んで、前用紙P1が搬送されずにその後端が第4センサ50−4上に載っていると判断し、第1モータ33−1の起動が停止される。そして、上記と同様に、前用紙P1が搬送されて進み出し第4センサ50−4がオフになったか否かが判断される(ステップS36参照)。第4センサ50−4がオフのとき、ステップS37に進み、第1および第2モータ33−1,33−2共に起動する。
上述したステップS13〜ステップS15およびステップS35〜ステップS37がチエックの基本パターンとなる。
【0112】
次いで、図19(a)およびステップS16において、次用紙P2が搬送されて第3センサ50−3がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第3センサ50−3がオンしたとき、図22に示すステップS17に進み、前用紙P1が搬送されて第5センサ50−5がオフされたか否かが判断される。ここで、図20に示すように、前用紙P1が進んでその後端が第5センサ50−5を抜けたとき、制御装置85のタイマ88による計測時間に係る信号に基づいて、CPU86はそれが予め設定されている一定時間を超えるものであれば前用紙P1は低速すなわち前用紙P1の用紙搬送速度(以下、「前用紙搬送速度」というときがある)が低速(例えば60rpm未満の15,30rpm)であるとみなし、前用紙P1の後端に次用紙P2の先端が追いついて衝突することを回避すべく、次用紙P2が進まないように一旦第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる。そして、給紙ローラ11、分離ローラ12、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3による用紙搬送速度が低速(例えば60rpm未満の15,30rpmに対応して)となるように、それぞれステッピングモータからなる給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3の回転速度が制御される(ステップS18〜ステップS20参照)。
次いで、ステップS20で切り換えられた低速の用紙搬送速度で、第1および第2搬送ローラ32−1,32−2を回転させるように第1および第2モータ33−1,33−2が起動・スタートする(ステップS21参照)。
【0113】
一方、ステップS17において、前用紙P1が搬送されずにその後端が第5センサ50−5上に位置することで、同センサ50−5がオンしているノーのとき、次用紙P2が進まないように一旦第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる(ステップS18参照)。
次いで、ステップS39に進み、これからステップS41に至るまで、ステップS17〜ステップS19までの一連の制御処理動作と同様に行われる。次いで、ステップS42に進み、給紙ローラ11、分離ローラ12、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3による用紙搬送速度が低速(例えば60rpm未満の15,30rpmに対応して)となるように、それぞれステッピングモータからなる給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3の回転速度が制御される。
次いで、ステップS42で切り換えられた低速の用紙搬送速度で、第1および第2搬送ローラ32−1,32−2を回転させるように第1および第2モータ33−1,33−2が起動・スタートすることにより、次用紙P2が搬送される(ステップS43参照)。
【0114】
上述したステップS18〜ステップS21までの一連の制御処理動作は、前用紙P1後端に次用紙P2先端が追い付いていない場合を表しており、図15に示した「速度測定区間」が搬送タイプ(もしくは搬送パターン)により変わることを示している。
また、ステップS38〜ステップS43までの一連の制御処理動作は、前用紙P1後端に次用紙P2先端が追い付いた場合を表しており、図15に示した「速度測定区間」が搬送タイプ(もしくは搬送パターン)により変わることを示している。
【0115】
次いで、図23に示すステップS22に進んで、次用紙P2が搬送されて第4センサ50−4がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第4センサ50−4がオンしたとき、ステップS23に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けて同センサ50−6がオフされたか否かが判断される。前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けたとき、ステップS24に進み、次用紙P2が搬送されてその先端が第5センサ50−5に到達して同センサ50−5がオンされたか否かが判断される。
【0116】
一方、ステップS23において、前用紙P1が搬送されずにその後端が第6センサ50−6上にあるとき、すなわち同センサ50−6がオンになっているままであるとき、次用紙P2が進まないように一旦第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる(ステップS44参照)。次いでステップS44に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けたイエスのとき、第1および第2搬送ローラ32−1,32−2を回転させるように第1および第2モータ33−1,33−2が起動・スタートする(ステップS46参照)。
【0117】
次に、図24のステップS25に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第7センサ50−7を抜けて同センサ50−7がオフされたか否かが判断される。前用紙P1が搬送されてその後端が第6センサ50−6を抜けたとき、ステップS26に進み、一旦第1モータ33−1を停止させる。これは、次用紙P2の先端が既に第2搬送ローラ32−2に達して同ローラ32−2上を通過しているため、第1モータ33−1を停止させる。
【0118】
一方、ステップS25において、前用紙P1が搬送されずにその後端が第6センサ50−7上にあるとき、すなわち同センサ50−7がオンになっているままであるとき、次用紙P2が進まないように一旦第1および第2モータ33−1、33−2共に停止させる(ステップS47参照)。次いでステップS48に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第7センサ50−7を抜けたイエスのとき、第2搬送ローラ32−2だけを回転させるように第2モータ33−2が起動・スタートする(ステップS49参照)。
【0119】
次いで、ステップS27に進み、次用紙P2が搬送されて第6センサ50−6がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第6センサ50−6がオンしたとき、ステップS28に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第8センサ50−8を抜けて同センサ50−8がオフされたか否かが判断される。前用紙P1が搬送されてその後端が第8センサ50−8を抜けたとき、ステップS29に進み、第3搬送ローラ32−3を回転させるように第3モータ33−3が起動・スタートする(ステップS29参照)。
一方、ステップS28において、前用紙P1が搬送されずにその後端が第8センサ50−8上にあるとき、すなわち同センサ50−8がオンになっているままであるとき、次用紙P2が進まないように一旦第2モータ33−2を停止させる(ステップS50参照)。次いでステップS51に進み、前用紙P1が搬送されてその後端が第8センサ50−8を抜けたイエスのとき、第2および第3搬送ローラ32−2,32−3を回転させるように第2および第3モータ33−2,33−3が起動・スタートする(ステップS52参照)。
【0120】
次いで、ステップS30に進み、次用紙P2が搬送されて第8センサ50−8がオンされたか否かが判断される。ここで、次用紙P2が搬送されてその先端の到達によって第8センサ50−8がオンしたとき、ステップS31に進み、第2および第3モータ33−2、33−3共に停止させることとなる。
【0121】
図25に、上述した用紙搬送制御動作のうち、次用紙P2の先端が前用紙P1の後端に追い付いていない場合についての、第1〜第8センサ50−1〜50−8、給紙モータ22、第1〜第3モータ33−1〜33−3の各オン・オフに係るタイミングチャートの一例を示しておく。
上記のとおりの特有の用紙搬送制御によって、例えば孔版印刷装置100側の印刷速度(印刷ドラム115の回転速度)が極端に遅い速度(上述したように60rpm未満)の場合、第1、第2モータ33−1、33−2の回転速度を通常の回転速度(約3800pps)の約半分(1600pps)に変えることで中間搬送部4における用紙搬送速度を遅くして、前用紙の後端に次用紙の先端が追い付くことによる生じる従来の問題点を解消し、これにより精度が高く安定した用紙搬送を行うことができる。
【0122】
次に、図1および図9を参照して大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めるように用紙搬送方向Xの下流側へ移動する際の動作を簡単に説明し、その後で、大量給紙搬送ユニット1が図1および図9に示す接続位置を占めている場合の装置全体の動作の概要を説明する。
【0123】
大量給紙搬送ユニット1の接続位置への移動の際、傾斜部材51の先端面が本体給紙部104の前面板124に当接すると同時に、シャッター保護部材74−2の先端面が前面板124に当接することによって、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送部4の孔版印刷装置100に対する用紙搬送方向Xの位置決めがなされる。また同時に、図示しない給紙フィラーが揺動変位されることにより、その遮光部が適正高さセンサ126の光路を完全に遮蔽して給紙フィラーが給紙検知位置を占める。
【0124】
一方、上記動作と同時に、第3搬送ローラ32−3が本体給紙ローラ111の外周面の下方に潜り込む態様で圧接することにより、大量給紙搬送ユニット1が完全に接続位置を占めることとなる。大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めた時、給紙フィラーが給紙検知位置を常に占める、すなわち適正高さセンサ126が常時オンして給紙可能状態である信号を制御装置85(CPU86)へ送信することとなる。
【0125】
次に、図26を併用しながら図1に示す装置全体の動作を説明する。大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めている場合の装置全体の動作の概要は次のとおりである。
先ず、図26(b)に示すように大量給紙搬送ユニット1側の電源スイッチ80の投入・オンと、図26(a)に示すように孔版印刷装置100に配設されている図示しない電源スイッチの投入・オンとの先後は問わないものの、各電源からの電力の供給がそれぞれ独立になされる。
【0126】
次いで、大量給紙搬送ユニット1側と孔版印刷装置100側の動作の順番は問わないが、大量給紙搬送ユニット1側では、リセットスイッチ81が押下されることにより、図1に示す給紙台昇降機構25の昇降モータ28の駆動によって、大量給紙台10が適正高さセンサ26で検知される上限位置(大量給紙台10上の最上の用紙Pが給紙位置)を占めるまで上昇する。次いで、上述したリセット動作が実行される(例えば図17参照)。すなわち、給紙機構部3で用紙P1枚を取り込み、中間搬送路18のリセット位置に給送し、その用紙Pの先端が本体給紙部104の前面板124の略手前位置で停止してリセット動作が終了する。この際、用紙Pの先端が第8センサ50−8を通過した時点で、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオフ(復帰)して用紙P有りとなる。従って、中間搬送路18の用紙Pが無い場合は、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオンすることとなる。
【0127】
次いで、順番は問わないが図9等に示した用紙有無センサ用ソレノイド72−2がオフのままであり、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1がオフのまま(但し、条件として中間搬送路18に用紙Pが有って、かつ、用紙長さが長い場合:用紙長さA4以上の長さサイズでシャッタ71−1遮蔽、用紙長さA4未満の長さサイズでシャッタ71−1開放)であることにより、孔版印刷装置100側の本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128が各シャッタ71−2,71−1で遮蔽されたままである。これにより、あたかも本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128上に用紙が積載されているものとして騙し、用紙有無センサ127のオン・タイミングで初めて孔版印刷装置100側(印刷、製版等)の操作が可能となる。また、図26にはそのフローを省略しているが、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるために用紙搬送方向Xの下流側に移動されるとき、図9に示した傾斜部材51で本体給紙ローラ111がスムーズに給紙位置を占めるべく図示しない給紙アームと共に上昇揺動し、これにより図示しない給紙フィラーが図2に示す適正高さセンサ126をオンさせることも、本体給紙手段が給紙可能となっていることとして騙している。
【0128】
一方、孔版印刷装置100側では、図示しない操作パネルに配設されている製版スタートキーを押下することによるスタート信号がトリガとなって、周知の動作、すなわち排版動作、原稿画像読取動作、製版・給版動作終了と同時に試し刷りとも呼ばれる版付けもしくは版付け印刷が通常1枚だけ行われる。この際、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送部4からは上述したとおりの詳細な用紙搬送制御によって1枚の用紙Pが搬送され、さらにその用紙Pの先端が本体給紙部104の本体給紙ローラ111および本体分離ローラ112の最高印刷速度120rpmに対応した用紙搬送速度でレジストローラ対114に送り出されて、レジスト精度を向上するためにレジストローラ対114のニップ部に突き当たることで一時的に停止され、その用紙Pの先端部上方に所定の大きさの撓みが形成される。
一方、印刷ドラム115は図1中矢印で示す時計回りに極めて低速の回転速度(印刷速度)である、例えば60rpm未満の15〜30rpmで緩やかに回転し始める。そして、印刷ドラム115の外周面に巻装された製版済みの感熱孔版マスタ先端の画像位置に所定のタイミングを取って、ステッピングモータからなる図示しないレジストモータの起動によりレジストローラ対114が回転駆動されることにより、また同時にこれとタイミングを合わせて図1中二点鎖線で示すように上昇変位しているプレスローラ116と印刷ドラム115との間に用紙Pが送出されることによって、印刷ドラム115上の製版済みの感熱孔版マスタに用紙Pが押し付けられることで、印刷ドラム115の内部から供給されるインキの粘着力で製版済みの感熱孔版マスタが外周面に密着されると共に、用紙Pにインキが転移することで版付け印刷が行われる。
【0129】
版付け印刷を終えた用紙Pは周知の排紙動作によって大量排紙ユニット200の大量排紙台201上に整然と排出・積載される。この後、上記操作パネルに配設されている図示しない印刷スタートキーを押下すると、上記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷、排紙の各工程がセットされた印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷工程が終了する。版付け印刷が、通常の正規の印刷動作と相違する点は、上記したように印刷速度が極めて低速であることおよび正規の印刷物としてカウントされないことだけである。
大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めておらず、非接続位置にある場合、孔版印刷装置100側では、本体給紙台110上に用紙を積載しての周知の上記各動作が行われる。
【0130】
上記実施形態によれば、後述する効果に加えて次の諸利点が得られた。
▲1▼用紙サイズや、孔版印刷装置100側の印刷速度に関係なく、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送部4からの用紙搬送が可能となり、孔版印刷装置100との電気的接続がない場合でも、用紙供給が可能となった。
用紙サイズが長い場合
前用紙の後端が第Nセンサ(番号が大きい程孔版印刷装置100側にセンサがあることと定義する)を通過したことで、次用紙の先端がNセンサまで到達してよいとの判断で用紙搬送を行い、また、前用紙の後端がN+1センサを通過していない場合、次用紙の先端はNセンサで停止する制御を基本とすることにより、孔版印刷装置100側の印刷速度に関係なく、常に用紙間距離を確保して、用紙搬送を行うことができる。これにより、一定時間内に供給される次用紙が、複写機、印刷機等の画像形成装置本体に取り付けられている本体給紙台の本体給紙ローラの略対向する位置に設置された第3搬送ローラ32−3上に到達すれば、本体給紙台上から給紙される用紙と同じ条件で用紙搬送が可能となる。
【0131】
用紙サイズが短い場合
前用紙の後端がNセンサを通過したことで、次用紙の先端がN−1センサまで到達してよいとの判断で用紙搬送を行い、また、前用紙の後端がN+1を通過していない場合、次用紙の先端はN−1で停止する制御を基本とすることにより、孔版印刷装置100の印刷速度に関係なく、常に用紙間距離を確保して、用紙搬送を行うことができる。これにより、一定時間内に供給される次用紙が、複写機、印刷機等の画像形成装置本体に取り付けられている本体給紙台110の本体給紙ローラ111の略対向する位置に設置された第3搬送ローラ32−3上に到達すれば、本体給紙台上から給紙される用紙と同じ条件で用紙搬送が可能となる。
【0132】
用紙サイズが短い場合、用紙が早く中間搬送部4から無くなることにより、次用紙は停止することなく本体給紙ローラ111下に到達できるため、用紙長さの長い用紙に比較して時間的余裕を多く取ることができ、これにより用紙間隔を決定するセンサ間を2個としている。逆に用紙サイズが長い場合、時間的余裕がないため、用紙間隔を決定するセンサ間は1個としている。
【0133】
▲2▼上記制御により、孔版印刷装置100の印刷速度を読み取る必要がないため、既に市場にある機械にも適用でき、新しい機械を購入することなく、大量印刷可能な孔版印刷装置を含む印刷装置に容易に変換・変貌可能となる。
▲3▼本体給紙ローラ111の下に第3搬送ローラ32−3を配置したことにより、第3搬送ローラ32−3の駆動で本体給紙ローラ111を回転させることができ、本体給紙ローラ111の突起部に用紙先端が嵌って傷つくことが防止できる。また、固定されたゴムパッドと違ってローラのため、用紙不送りの問題も解決できた。用紙先端停止位置を決めるための長さが短いため、正確な送り量を確保できる。
【0134】
▲4▼搬送ローラ間隔+αが最低搬送用紙サイズとなるため、複数個設置することにより、より短サイズの用紙に対応することができる。
▲5▼(用紙)センサを多数個配置することにより、用紙の後端位置がどのセンサ間で停止したかを検出することにより、用紙サイズを判定することができる。また、用紙間距離を常に開けて(当接しないように検知して)おくには、センサを多数個配置することが必要となり、多いほど用紙間距離の確保につながる。
▲6▼用紙送り量を確保するため、正確に用紙移動距離を送れるステッピングモータを第1〜第3モータ33−1〜33−3に使うことによって、制御がより簡単になった。また、ステッピングモータへ供給するパルス数とセンサ間を通過する時間を比較して、どのくらい用紙がスリップしているか判断できるため、より正確な用紙送りが可能となった。
▲7▼第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の各軸部にワンウェイクラッチ61を内蔵することにより、本体給紙ローラ111による引き込みの力に対して、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の抵抗を軽減することができる。
【0135】
▲8▼反面、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の慣性により、用紙の停止精度がずれる可能性もある。これを改善するため、各モータが停止したら、一定したブレーキ機構により第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3の空走を止めることができ、安定した用紙の停止精度を確保できる。孔版印刷装置100側が用紙供給している場合は、用紙にできるだけ負荷を掛けないように上記したワンウェイクラッチ61を第3搬送ローラ32−3の軸部に介装している。このため、複写機、印刷機等の画像形成装置本体側での印刷速度や用紙サイズにより、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3は連続回転や途中停止を繰り返すことになり、ステッピングモータのスローアップあるいはスローダウン領域でも停止状態に入ることもあり、慣性力の差で停止位置がバラツク傾向にある。また、用紙の表面状態の差による摩擦係数の違いや、秤量(重さ)によっても、用紙の進む距離やこれに伴う慣性による用紙の停止位置精度が変化している。これにより、長い用紙で用紙間距離が小さく、印刷速度が速い条件では前用紙の後端がNセンサを通過したことで、次用紙の先端がNセンサまで到達してよいとの判断で用紙搬送を行う中間搬送部4において、前用紙の後端がN+1センサを通過してない場合、次用紙の先端はNセンサで停止することになる。ところが、スローアップ制御で停止するかあるいは無理矢理停止させても、上記したワンウェイクラッチ61が使われているため、本体給紙ローラ111(あるいはその軸も含まれる場合もある)の慣性で予定の位置で停止できない。そのため、最悪のケースでは前用紙の後端に次用紙の先端が追い付き・当接して用紙にキズがついたり、当接による用紙の変形で搬送途中でのジャムを引き起こすことがあったが、本実施形態では、第3搬送ローラ32−3に板ばねによる制動力を与えて、慣性による影響を抑えてて安定した停止位置を得、これにより用紙搬送の質向上が図れた。
【0136】
上述した実施形態等では、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とは電気的接続が無く、互いに信号の授受の無いオフライン状態で説明したが、これに限らず、電気的接続が有って互いに信号の授受も有る「オンライン」状態にあってもよいことは言うまでもない。オンライン状態にあっても、上述したと同様の利点や後述する効果と同様の効果を奏することも当然である。
【0137】
大量給紙搬送ユニット1が接続される画像形成装置は、上記したような外周部に版胴を備えた印刷ドラム115の内部に配設されたインキ供給部材が該版胴の内周面に接触することにより、版胴の内側から該版胴上の製版済みのマスタにインキを供給して印刷を行う孔版印刷装置100に限らず、例えば複写機、印刷機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に上述したと同様に接続して構成したり、使用することができることは言うまでもない。
上述した技術事項から、本実施形態は、中間搬送部4で搬送される用紙のサイズおよび用紙搬送速度を検出して認識することが可能となり、ひいては画像形成装置本体側との電気的接続がない状態でも、本体給紙手段または給紙口近傍に前用紙の後端と次用紙の先端とを接触させることなく順次搬送可能にすることができる。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0138】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述した従来装置の有する諸問題点を解決して新規な中間搬送部付き大量給紙装置を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば、次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、シャッタ機構を使用することにより、画像形成装置本体側との電気的な接続が無いオフライン状態で、本体給紙台の用紙有無検知手段および用紙長さ検知手段のうちの少なくとも用紙有無検知手段のオン/オフ信号を切り換えて画像形成装置本体側に伝達することができるため、用紙無しによる給紙ジャムの発生を未然に防止することができ、既出荷機・製品からこれから生産される製品に至るまで幅広く対応できる。また、画像形成装置本体側と中間搬送部付き大量給紙装置側との電気的接続作業が不要となり(オフライン)、市場での取り付け・接続も大幅に簡素化できる。
【0139】
請求項2記載の発明によれば、中間搬送部付き大量給紙装置側にある制御手段は、積載部に配設された大量給紙台上の用紙の有無を検知する用紙有無検知手段、中間搬送部に配設され用紙の有無および用紙の長さのうちの少なくとも一方を検出する用紙検出手段からの信号に基づいて、シャッタ機構の作動を制御するので、自動的な制御によって請求項1記載の発明の効果を奏する。
【0140】
請求項3記載の発明によれば、シャッタ機構は、検知手段を選択的に遮蔽する遮蔽部材と、この遮蔽部材を駆動する駆動手段とを有することにより、請求項2記載の発明の効果に加えて、信号・情報の伝達が例えば最も簡素なソレノイド等の電気的駆動手段を用いて行うことができるので、安価に済む。
【0141】
請求項4記載の発明によれば、中間搬送部付き大量給紙装置は、中間搬送部が所定の高さに保持されたままの本体給紙台上に載置された状態で、中間搬送部から給送される用紙を本体給紙手段によって受け取られ給紙可能となる接続位置と、この接続位置から離間した非接続位置との間で移動可能であり、中間搬送部は、シャッタ機構を介して本体給紙台上に載置されることにより、従来のように本体給紙台に中間搬送部を載せて上昇させる必要がないので、請求項1、2または3記載の発明の効果に加えて、待ち時間を節約できると共に、請求項1における用紙無しによる給紙ジャムの発生をより確実に未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す大量給紙搬送ユニットと孔版印刷装置と大量排紙収納ユニットとを接続した全体装置構成を一部破断して表す概略正面図である。
【図2】大量給紙搬送ユニットが非接続位置を占めた状態を示す概略正面図である。
【図3】大量給紙搬送ユニットの正面視外観を示す斜視図である。
【図4】図3の大量給紙搬送ユニットの背面視外観を示す斜視図である。
【図5】孔版印刷装置と大量排紙収納ユニットとを接続した状態における中間搬送部周りの主要な構成および上ガイド板を含む上案内ユニットの開閉状態を示す正面図である。
【図6】上カバーを取り外した状態の、上ガイド板周りの主要な構成を示す平面図である。
【図7】上カバー、上ガイド板および各搬送ローラを取り外した状態の、下ガイド板周りの主要な構成を示す平面図である。
【図8】上カバー、上ガイド板および下ガイド板を取り外した状態の、筐体周りの主要な構成を示す平面図である。
【図9】孔版印刷装置と大量排紙収納ユニットとを接続した状態における中間搬送部周りの主要な構成を示す断面図である。
【図10】中間搬送部における第2加圧ローラおよび第2搬送ローラの圧接状態を示す断面図である。
【図11】中間搬送部における用紙検出手段(第1〜第8センサ)、用紙搬送手段の配置・寸法状態および各種用紙サイズを説明する図である。
【図12】大量給紙搬送ユニット側の主要な制御構成要素の配置状態を簡略的に示す斜視図である。
【図13】大量給紙搬送ユニットの主な電気的制御構成を示すブロック図である。
【図14】上記実施形態における用紙搬送制御を原理的に説明する平面図である。
【図15】上記実施形態における用紙搬送制御パターンに用いられるデータ等をまとめた図表である。
【図16】上記実施形態におけるリセット動作終了後に呼び出される搬送制御分岐処理に係るフローチャートである。
【図17】上記実施形態例におけるリセット動作終了後の中間搬送路上の短サイズ用紙状態を表す正面図である。
【図18】図17に引き続く前用紙と次用紙との用紙搬送遷移状態およびその制御を説明する正面図である。
【図19】上記実施形態の他の例における前用紙と次用紙との用紙搬送遷移状態およびその制御を説明する正面図である。
【図20】図19の続きの正面図である。
【図21】上記実施形態例の搬送タイプ3に係る用紙搬送制御のフローチャートである。
【図22】図21の続きのフローチャートである。
【図23】図22の続きのフローチャートである。
【図24】図23の続きのフローチャートである。
【図25】上記実施形態例の搬送タイプ3に係る用紙搬送制御の基本的なタイミングチャートである。
【図26】孔版印刷装置と大量給紙搬送ユニットとの主要な動作順序を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 中間搬送部付き大量給紙装置としての大量給紙搬送ユニット
2 積載部
3 給紙機構部
4 中間搬送部
5 大量給紙装置としての大量給紙ユニット
7 筐体
10 大量給紙台
11 給紙手段としての給紙ローラ
12 分離給紙手段を構成する分離ローラ
13 分離給紙手段を構成する、分離部材としての分離パッド
18 中間搬送路
22 給紙駆動手段としての給紙モータ
23 上カバー
26 上限検知手段としての適正高さセンサ
30−1,30−2,30−3 第1〜第3用紙搬送手段
31−1,31−2 第1〜第2加圧ローラ
32−1,32−2,32−3 第1〜第3搬送ローラ
33−1,33−2,33−3 駆動手段としての第1〜第3モータ
35 上案内部材としての上ガイド板
36 上案内部材としての補助上ガイド板
37 下案内部材としての下ガイド板
38,39 センサ取付部材
46 上案内ユニット
50−1〜50−8 用紙検出手段としての第1〜第8センサ
70−1 用紙長さ検知用シャッタ機構としての用紙長さセンサ用シャッタ機構
70−2 用紙有無検知用シャッタ機構としての用紙有無センサ用シャッタ機構
71−1,71−2 遮蔽部材としてのシャッタ
72−1 遮蔽駆動手段としての用紙長さセンサ用ソレノイド
72−2 遮蔽駆動手段としての用紙有無センサ用ソレノイド
85 制御手段としての制御装置
86 制御手段としてのCPU
100 画像形成装置の一例としての孔版印刷装置
104 本体給紙部
110 本体給紙台
111 本体給紙手段としての本体給紙ローラ
114 レジストローラ対
115 印刷ドラム
122 本体側の給紙駆動手段としての給紙モータ
125 給紙口
130 本体給紙機構
P シート状記録媒体の一例としての用紙
X 用紙搬送方向
Y 用紙幅方向

Claims (4)

  1. 用紙を大量に積載可能な積載部と、該積載部の用紙を1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部と、該給紙機構部から給送されてきた1枚の用紙を画像形成装置本体側の給紙部の本体給紙台または該給紙部の本体給紙手段が臨む給紙口近傍に搬送する中間搬送部とを具備する中間搬送部付き大量給紙装置において、
    上記本体給紙台には、該本体給紙台上に積載された用紙の有無を検知する用紙有無検知手段および用紙の長さを検知する用紙長さ検知手段のうちの少なくとも上記用紙有無検知手段が配設されており、上記用紙有無検知手段および上記用紙長さ検知手段のうちの少なくとも上記用紙有無検知手段は、開閉動作によりそのオン/オフ信号を切り換えられる検知手段からなり、
    上記中間搬送部側に、上記用紙有無検知手段および上記用紙長さ検知手段のうちの少なくとも上記用紙有無検知手段を選択的に遮蔽するシャッタ機構を有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。
  2. 請求項1記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、
    上記積載部に配設された大量給紙台上の用紙の有無を検知する用紙有無検知手段、上記中間搬送部に配設され用紙の有無および用紙の長さのうちの少なくとも一方を検出する用紙検出手段からの信号に基づいて、上記シャッタ機構の作動を制御する制御手段を上記中間搬送部付き大量給紙装置側に有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。
  3. 請求項2記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、
    上記シャッタ機構は、上記検知手段を選択的に遮蔽する遮蔽部材と、この遮蔽部材を駆動する遮蔽駆動手段とを有することを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。
  4. 請求項1、2または3記載の中間搬送部付き大量給紙装置において、
    上記中間搬送部付き大量給紙装置は、該中間搬送部が所定の高さに保持されたままの上記本体給紙台上に載置された状態で、上記中間搬送部から給送される用紙を上記本体給紙手段によって受け取られ給紙可能となる接続位置と、この接続位置から離間した非接続位置との間で移動可能であり、
    上記中間搬送部は、上記シャッタ機構を介して上記本体給紙台上に載置されることを特徴とする中間搬送部付き大量給紙装置。
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