以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
図1、図2に基づいて、本実施形態に係る中間搬送部付き大量給紙装置を含む全体の装置構成を説明する。両図において、符号1は中間搬送部付き大量給紙装置としての大量給紙搬送ユニットを、符号100は画像形成装置の一例としての孔版印刷装置を、符号200は大量排紙収納装置としての大量排紙収納ユニットをそれぞれ示す。
大量給紙搬送ユニット1と大量排紙収納ユニット200とは、図示しない電源ケーブルで電気的に接続されている。大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とは、通信可能に接続されておらず互いに信号の授受も無い所謂「オフライン」と呼ばれる状態に置かれている。大量給紙搬送ユニット1は、孔版印刷装置100に対して、大量排紙収納ユニット200は、孔版印刷装置100に対して、それぞれ機械的に連結可能ないしは着脱可能になっていて、図1に示す状態はそれぞれ機械的に連結している状態を表している。
本形態において、大量給紙搬送ユニット1は、孔版印刷装置100との通信を行わないオフライン接続のために、接続する画像形成装置は、孔版印刷装置100でなくても良く、例えば、プリンタ、インクジェットプリンタ、オフセット印刷機、複写機であってもよい。
大量給紙搬送ユニット1は、自身が用紙搬送方向Xに沿って移動されることにより、図1に示すように中間搬送部となる中間搬送ユニット4の用紙搬送手段の一部を構成する第3搬送ローラ32−3が孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111の下方に挿入されて該本体給紙ローラ111の外周面下部と圧接して大量給紙搬送ユニット1から給送される用紙Pを確実に受け渡し可能となる接続位置と、図2に示すように自身が用紙搬送方向Xと反対方向X’に沿って移動されることにより、中間搬送ユニット4の第3搬送ローラ32−3と本体給紙ローラ111との圧接状態が解除される非接続位置との間で移動可能になっている。上記のとおり、大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めた時、第3搬送ローラ32−3は本体給紙ローラ111から適度な給紙圧に相当する圧接力を受けるように各位置関係が設定されている。
すなわち、大量給紙搬送ユニット1は、図1、図2に示すように、自身が用紙搬送方向Xに沿って移動されることにより、大量給紙搬送ユニット1を構成する中間搬送ユニット4が所定の高さに保持されたままの本体給紙台110(本実施形態例では、給紙側板に配置されている下限検知センサ(図示せず)によって検知される本体給紙台110の最下降位置でもある下限位置に保持されたままの本体給紙台110)上に載置された状態で、つまり本体給紙台110が上昇せずに下限位置を占めた状態のままで中間搬送ユニット4から給送される用紙Pを本体給紙ローラ111によって受け取られ給紙可能となる接続位置と、図2に示すように自身が用紙搬送方向Xと反対方向X’に沿って移動されることにより上記接続位置から離間した非接続位置との間で移動可能に構成されている。
接続位置は、「本体給紙台110が上昇せずに下限位置を占めた状態のまま」に限定されず、本体給紙台が下限位置より少し上昇して給紙可能な位置を占めたままでもよく、つまり、中間搬送ユニット4が所定の高さに保持されたままの本体給紙台110上に載置された状態で中間搬送ユニット4から給送される用紙Pを本体給紙ローラ111により受け取られ給紙可能となる位置であればよい。
図1、図2において、符号6は大量給紙搬送ユニット1の後述する積載部2および給紙機構部3を収納している大量給紙装置本体としての骨組みをなす本体筐体を、符号7は大量給紙搬送ユニット1の後述する中間搬送部本体の骨組みをなす筐体を、符号107は画像形成装置本体としての孔版印刷装置100の本体側の骨組みをなす本体筐体を、符号204は排紙収納装置本体としての大量排紙収納ユニット200の本体側の骨組みをなす排紙ユニット筐体をそれぞれ示している。
説明の都合上から、孔版印刷装置100、大量排紙収納ユニット200、大量給紙搬送ユニット1の順に説明する。
孔版印刷装置100は、周知の構成であり、本体筐体107の上部に配設され原稿画像を読み取る画像読取部101と、画像読取部101によって読み取られた画像情報または図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器により入力された画像情報に基づいてロール状に巻かれた図示しない感熱孔版マスタを製版すると共に給版する製版給版部103と、本体給紙台110に積載される図示しない印刷用紙(以下、単に「用紙」という)や大量給紙搬送ユニット1側から給送されてくる用紙Pを後述する印刷部102に向けて分離給送する画像形成装置本体側の給紙部としての本体給紙部104と、製版給版部103等で製版された図示しない感熱孔版マスタを外周面に巻装する版胴を外周部に備えた印刷ドラム115を有し給送されてきた用紙Pに印刷画像を形成する画像形成部としての印刷部102と、印刷された画像を本体筐体107の外部に排出する排紙部106等を具備している。孔版印刷装置100は、本体筐体107を介してキャスタ109を有する専用テーブル108上に載置されている。
本体給紙部104は、本体筐体107の右方に配設され用紙Pを積載して昇降可能な本体給紙台110と、本体給紙台110上の最上の用紙(図示せず)や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pを送り出す本体給紙ローラ111と、送り出されてきた用紙Pを1枚ずつ分離してレジストローラ対114に向けて給送する本体分離ローラ112と、本体分離ローラ112との協働作用により用紙Pを1枚ずつに分離する摩擦部材としての本体分離パッド113と、1枚ずつ分離・給送されてきた用紙を画像形成部としての印刷部102に所定のタイミングを取って送り出すレジストローラ対114等とを有している。
本体給紙台110は、本体筐体107の給紙口125を塞ぐ位置と、図1に示す位置を占めることが可能なように折り畳み可能になっている。本体給紙台110の内部には、本体給紙台110上の用紙の有無を検知するための用紙有無検知手段としての用紙有無センサ127と、本体給紙台110上の用紙の長さを検知するための用紙長さ検知手段としての用紙長さセンサ128とが配設されている。用紙長さセンサ128は、本体給紙台110上を用紙幅方向Yに移動可能である図示しない左右一対のサイドフェンスの用紙揃え操作時の移動に連動して用紙の縦サイズおよび横サイズの両方の用紙サイズを検知する用紙サイズ検知手段を構成している。用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128は共に、発光素子および受光素子を備えた反射型フォトセンサで構成されている。
本体給紙台110は、図示しない昇降機構により図中上下方向に移動可能に設けられていて、積載された用紙の最上が常に本体給紙ローラ111に所定の給紙圧(用紙が搬送可能な押圧力)をもって接触する給紙位置を占めるように昇降駆動制御される。本体給紙ローラ111は、本体給紙部104の給紙手段を構成している。本体分離ローラ112および本体分離パッド113は、本体筐体107側の分離給紙手段を構成している。なお、給紙手段としては、上述したものに限らず、給紙ローラと分離パッドの組み合わせ、あるいは一対の分離ローラからなるものも含まれる。上記した分離給紙手段のような摩擦分離方式、つまりフリクションパッド分離方式では、2つの分離ローラ対で用紙を1枚ずつ分離・給送する、所謂リバースローラ分離方式と比較して、簡単な構成で低コストに済むという利点がある。
本体給紙ローラ111は、図9に詳しく示すように、本体給紙部104の給紙口125における本体筐体107側の図示しない給紙側板に本体分離ローラ112の軸112aを中心として揺動自在に支持された図示しない給紙アーム(下向きに開口を有する断面コ字形状をなす)の自由端部に、軸111aを介して揺動自在かつ回転自在に設けられている。本体給紙ローラ111および本体分離ローラ112は、本体給紙機構130によって回転駆動される。すなわち、同図に簡略的に示すように、本体給紙ローラ111とその軸111aの間、本体分離ローラ112とその軸112aとの間には、それぞれ図示しないワンウェイクラッチがそれぞれ介装されている。本体給紙ローラ111の軸111aにはタイミングプーリ119が、本体分離ローラ112の軸112aにはタイミングプーリ120がそれぞれ取り付けられている。タイミングプーリ119とタイミングプーリ120との間には、タイミングベルト121が掛け渡されていて、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とはタイミングベルト121および各ワンウェイクラッチ(図示せず)を介して駆動力伝達関係にある。図示しない各ワンウェイクラッチのクラッチロック方向(回転駆動力の接続方向)は、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とが用紙Pを分離して給送するために回転される図中矢印で示されている時計回り方向に設定されている。これにより、本体分離ローラ112と本体給紙ローラ111とは、時計回り方向のみに回転可能となっている。本体分離ローラ112は、本体給紙駆動手段としての給紙モータ122によって回転駆動される。
本体分離ローラ112の軸112aと給紙モータ122の出力軸(図示せず)とは、各タイミングプーリ(図示せず)およびこれらのタイミングプーリ間に掛け渡されたタイミングベルト(図示せず)を介して駆動力伝達関係にある。給紙モータ122は、ステッピングモータからなる。したがって、給紙の場合には、給紙モータ122を例えば正転させることで、本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111が共に時計回り方向に回転し、本体給紙台110上に積載された最上の用紙(図示せず)や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pが図1に示すレジストローラ対114に向けて給送されることとなる。
上記給紙アームには、遮光板とも呼ばれる図示しない給紙フィラーが取り付けられている。上記給紙フィラー近傍の本体筐体107側に配設された図示しない不動部材には、上記給紙フィラーの自由端部を選択的に挟む態様で、給紙位置を検知するための発光素子および受光素子を備えた透過型フォトセンサからなる適正高さ検知センサ126(図2参照)が固設されている。図9において、符号123は、本体分離パッド113を本体分離ローラ112の外周面に押し付ける向きに付勢する付勢部材としての圧縮ばねを収納し移動可能な分離パッドホルダを、符号124は、本体給紙台110上に積載される用紙(図示せず)の先端を突き当て揃える前面板をそれぞれ示す。
印刷部102は、本体筐体107の略中央に配設されており、内部にインキ供給手段を備え外周面に製版された感熱孔版マスタが巻装される印刷ドラム115と、本体給紙部104や大量給紙搬送ユニット1から給送されてきた用紙Pを印刷ドラム115の外周面に押圧させてこれにインキを転写させる押圧部材としてのプレスローラ116等とを有している。押圧部材としては、印刷ドラム115の外径と略等しい外周面を備え印刷ドラム115と同期して回転し、その外周部に用紙の先端を保持する用紙クランパ(保持手段)を備えた圧胴を用いてもよい。
印刷ドラム115は、その印刷速度が「版付け速度」(例えば16枚/min:16rpmや、30枚/min:30rpm)から正規の通常印刷時の複数の印刷速度(本実施形態例では5段階の印刷速度、例えば60,75,90,105,120枚/min:60,75,90,105,120rpm)で印刷を行うべく回転自在に構成されている。ここで、例えば120枚/min:120rpmは、孔版印刷装置100の最高印刷速度である。印刷ドラム115は、印刷ドラム115を回転駆動する駆動手段としてのDCモータからなるメインモータを備えた周知の印刷ドラム駆動機構(共に図示せず)によって回転駆動される。
一方、画像読取部101の上部には、孔版印刷装置100の上記各装置・部に指示を与えて所望する動作を行わせるように操作したり、上記各装置・部の状態等を確認・認識したりするための図示しない操作パネルが配設されている。この操作パネルには、周知のように、原稿画像の画像読み取りから給版に至る各動作を起動させるスタート信号を生成する製版スタートキーと、印刷枚数等を設定・入力するテンキーと、このテンキーで設定・入力された印刷枚数の印刷動作を行わせる印刷スタート信号を生成する印刷スタートキーと、5段階の印刷速度(1速〜5速)の中から1つの印刷速度を選択的に設定して印刷ドラム115を回転するための印刷速度設定手段としての速度ダウンキーおよび速度アップキーからなる印刷速度設定キーと、速度ダウンキーまたは速度アップキーにより設定された印刷速度を表示するためのLEDランプ群からなる速度表示器と、原稿画像の画像読み取りから印刷に至る各動作工程での設定・検知情報を随時表示するためのLCD(液晶表示装置)表示部等とが配置されている。
排紙部106は、本体筐体107の左方に配設されており、印刷ドラム115の外周面より印刷された用紙を剥離する剥離爪117と、剥離された用紙を本体筐体107の用紙排出口(図示せず)より機外の大量排紙収納ユニット200へ吸引しつつ排出する吸着搬送ユニット118等を有している。
大量排紙収納ユニット200は、本願出願人が提案した特開2002−226122号公報の図1〜図9に示されている排紙収納装置(1)と略同様の構成を有していて、略同様の動作が行われる。大量排紙収納ユニット200は、排紙収納装置(1)と比較して、排紙収納装置(1)が有している第1排紙トレイ(23)および第2排紙トレイ(24)に代えて、単一の大量排紙台201を有している点が主に相違するだけであるため、その構成の詳細および動作説明を省略する。
図1において、符号202は用紙排出方向に沿って大量排紙台201の左右両側に配設され排出される用紙の幅方向(排紙の両側端面)揃えを行う一対のサイドフェンスを、符号203は排出される用紙の先端を突き当て揃えるエンドフェンスをそれぞれ示す。大量排紙台201は、上記公報の第1排紙トレイ(23)および第2排紙トレイ(24)と同様に、図示しない移動体を介して排紙ユニット筐体204に移動自在(昇降自在)に支持されている周知のものである。なお、大量排紙収納ユニット200は、これに限らず、例えば特開2002−226122号公報の図1〜図9に示されている排紙収納装置(1)と全く同様の構成であっても勿論構わない。大量排紙収納ユニット200は、排紙ユニット筐体204の下部に設けられたキャスタ205を介して、孔版印刷装置100の排紙部106の図示しない排紙口に接続される排紙接続位置とこの排紙接続位置から離間した非排紙接続位置との間で移動自在に構成されている。
大量給紙搬送ユニット1は、上述したように中間搬送ユニット4と大量給紙装置としての大量給紙ユニット5とを有する。大量給紙ユニット5は、用紙Pを大量に積載可能な積載部2と、積載部2の用紙Pを1枚ずつ取り出して給送する給紙機構部3と、上述した本体筐体6とを有する。中間搬送ユニット4は、給紙機構部3から給送されてきた1枚の用紙を本体給紙部104の本体給紙ローラ111が臨む給紙口125近傍に搬送する機能・構成を具備している。大量給紙ユニット5は、本体筐体6の下部に設けられたキャスタ9を有する基台8上に取付固定されている。
以下、積載部2、給紙機構部3、中間搬送ユニット4について詳述するが、これらを構成する構成要素の配置説明の簡明化を図るため、用紙搬送方向Xに見て紙面の手前側を「左」ないしは「操作側」と、紙面の奥側を「右」ないしは「反操作側」ということがある。また、同趣旨から、用紙搬送方向Xの下流側を「前」と、その上流側を「後」ということがある。図1に示されている本体筐体6の左右両側には、補助側板対29が立設されている。
積載部2は、大量の用紙Pを積載して昇降可能な大量給紙台10と、大量給紙台10上の用紙Pの幅(左右の両側端)を揃える用紙幅整合部材としての左右一対のサイドフェンス15,16(図4参照)と、大量給紙台10を昇降する給紙台昇降手段としての給紙台昇降機構25と、大量給紙台10の上限位置もしくは給紙ローラ11が給紙位置を占めたことを検知する給紙位置検知手段もしくは上限検知手段としての適正高さセンサ26と、大量給紙台10の下限位置を検知する下限検知手段としての下限センサ27とを具備している。
適正高さセンサ26および下限センサ27は、共に透過型センサである。適正高さセンサ26および下限センサ27は、本体筐体6内の所定位置にそれぞれ配設されている。
大量給紙台10は、例えばA3サイズの普通紙を少なくとも3000枚積載して昇降可能な構造と、各サイドフェンス15,16を用紙幅方向Yに移動可能とするための4箇所の切欠き10aとを有する。大量給紙台10の内部には、大量給紙台10上の用紙Pの有無を検知する用紙有無検知手段としての用紙有無センサ66が配置されている。用紙有無センサ66は、反射型センサである。本実施形態で「用紙サイズ」というときは、特に断らない限り用紙搬送方向Xに沿う長さを指すものとする。
各サイドフェンス15,16は、図4に示すように、中空の矩形状断面を有する四角柱状をなし、用紙搬送方向Xの前後および用紙幅方向Yの左右に各2本ずつ設けられている。各サイドフェンス15,16は、サイドフェンス操作用ハンドル17を回動操作することによって、本体筐体6の上下に2組配設された図示しないサイドフェンスセンタ合わせ機構を介して、各サイドフェンス15,16を用紙幅方向Yに移動させてサイドフェンス15,16のセンタ合わせを行えるようになっている。
給紙台昇降機構25は、大量給紙台10を略水平状態に保ちつつ昇降するように構成されていて、昇降駆動手段としての正逆転可能な昇降モータ28で大量給紙台10を昇降駆動する。大量給紙台10は、給紙台昇降機構25を介して、積載された用紙Pの最上が常に給紙ローラ11に所定の給紙圧(用紙が搬送可能な押圧力)をもって接触する給紙位置を占めるように、後述する制御装置によって制御される。
給紙機構部3は、積載部2の配置より上部の補助側板対29周りに配設されている。給紙機構部3は、図5において部材の厚み等を無視してやや簡略的に示すように、上述した本体給紙部104の給紙手段、分離給紙手段、給紙駆動手段および駆動力伝達手段等を具備する本体給紙機構130と同様の機能・構成を有しているため、重複説明を避ける上から本体給紙機構130の各構成要素の符号から数値「100」を減じた符号をもってその詳細説明に代えることとする。分離ローラ12および給紙ローラ11は、給紙駆動手段としてのステッピングモータからなる給紙モータ22によって回転駆動される。給紙モータ22および駆動力伝達手段等は、図1における紙面奥側の補助側板29の外壁面に配置されている。
給紙ローラ11および分離ローラ12を回転自在に支持している本体給紙機構130と同様の図示しない給紙アームには、本体給紙部104と同様の給紙フィラーとも呼ばれる図示しない給紙フィラーが取り付けられている。上記給紙フィラー近傍の本体筐体6側に配設された図示しない不動部材には、上記給紙フィラーの自由端部を選択的に挟む態様で適正高さセンサ26が固設されている。図1、図2、図5において、符号14は、大量給紙台10上に積載される用紙Pの先端を突き当て揃える面板を示す。面板14は、補助側板対29にねじ等の締結手段で取付固定されている。
大量給紙装置は、上述した大量給紙ユニット5に限らず、例えば本願出願人が提案した特開平8−259008号や特開平8−259009号公報に開示されている大容量給紙ユニットとしての給紙装置(100)を用いてもよい。すなわちLCT(大容量給紙テーブル)を搭載して昇降可能であり、かつ、給紙手段や分離給紙手段を備えることにより給紙可能である構成を有する大量給紙ユニットであってもよい。
次に、本発明の特徴的な構成に係る中間搬送ユニット4とその制御について説明する。
図1、図5、図9および図10等において、符号18は、給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを孔版印刷装置100の給紙口125に向けて搬送するための中間搬送部を示す。中間搬送ユニット4は、本体筐体6の補助側板対29に対して着脱可能に取り付けられている。
中間搬送ユニット4は、図5等に示すように、給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送する複数(本実施形態例では3つ)の用紙搬送手段としての第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3と、第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2に対応して設けられ、それぞれを独立して駆動する駆動手段としての複数の(本実施形態例では2つ)用紙搬送モータである第1モータ33−1、第2モータ33−2と、第1モータ33−1、第2モータ33−2の回転駆動力を第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2にそれぞれ伝達する第1駆動力伝達手段34−1、第2駆動力伝達手段34−2と、第1〜第2用紙搬送手段30−1〜30−2により搬送される用紙Pを孔版印刷装置100側の給紙口125近傍に案内する一対の案内手段を構成する後述する上案内部材および下案内部材と、第1〜第3用紙搬送手段30−1〜30−3、上記一対の案内手段を収納する上記した筐体7と、中間搬送路18の上流から下流に亘り所定の間隔を置いて上案内部材に複数配置され、搬送される用紙Pの先端およびその後端のうちの少なくとも一方(本実施形態例では用紙Pの先端およびその後端の両方)を検出する用紙検出手段としての8個の第1センサ50−1〜第8センサ50−8と、図12に示すように中間搬送路18と直交する用紙幅方向Yに所定の間隔を置いて複数配置され、二点鎖線で示すように搬送される用紙Pの用紙幅サイズを検出する用紙幅検出手段としての4個の第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4とを有する。
第1用紙搬送手段30−1は、第1搬送ローラ32−1とこれに圧接する第1加圧ローラ31−1とからなる。第2用紙搬送手段30−2は、第2搬送ローラ32−2とこれに圧接する第2加圧ローラ31−2とからなる。第3用紙搬送手段30−1は、第3搬送ローラ32−3からなる。第1用紙搬送手段30−1、第2用紙搬送手段30−2、第3用紙搬送手段30−3は、中間搬送路18の上流側から下流側に亘り所定の間隔を置いてこの順に配置されている。
第1加圧ローラ31−1は、少なくともその外周面を含む外周部が樹脂でできている。第1搬送ローラ32−1は、少なくともその外周面を含む外周部が大量給紙搬送ユニット1で使用される用紙Pに対して摩擦係数の高い適宜のゴム等の高摩擦弾性体で形成されている。他の第2加圧ローラ31−2、第2搬送ローラ32−2および第3搬送ローラ32−3も、上記と同様である。
以下、第1用紙搬送手段30−1と第2用紙搬送手段30−2とは、配置位置のみ異なりそれぞれが同様の構成要素を有していて共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、一方の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、中間搬送路18の上流側から下流側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第3」という接頭語を省略することがある。
第1モータ33−1、第2モータ33−2は、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、一方の詳細な説明をもって他方の説明に代える。第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、例えば一つの第1センサ50−1の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、中間搬送路18の上流側から下流側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第8」という接頭語を省略することがある。
第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4は、配置位置のみ異なりそれぞれが同様であって共通化が図られているため、その配置位置の説明以外については、例えば一つの第1用紙幅センサ95−1の詳細な説明をもって他方の説明に代える。上記構成等を説明するとき、符号のハイフォン以降の数字は、用紙幅方向Yに最も長い側から短い側へ向けてこの順に配置された順序を示すものとし、また「第1」〜「第4」という接頭語を省略することがある。
まず、筐体7について説明する。図1、図2、図3、図8等に示すように、筐体7は、中間搬送ユニット4の骨組みをなすものであり、平面視でH字状をなし、上に開口した略箱体形状に形成されている。筐体7は、例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。図8において、符号7aを筐体7の後部側壁と、符号7bを筐体7の前面壁と、符号7cを底壁とそれぞれ名付ける。底壁7cは、図5および図8等に示すように正面視で階段状をなす。図5において、符号57は、同図にのみ示すベルトカバーを表す。ベルトカバー57は、第2駆動力伝達手段34−2のタイミングベルトの外部露出を保護するものである。
図5、図6、図9、図10等を参照して、上記一対の案内手段周りについて説明する。図5に示すように、該一対の案内手段は、上案内部材を構成する上ガイド部材としての上ガイド板35および補助上ガイド板36と、これに対向した下案内部材としての下ガイド板37とからなる。上ガイド板35、補助上ガイド板36、下ガイド板37は、それぞれが例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。上ガイド板35および補助上ガイド板36と、下ガイド板37とで囲まれた空間が、中間搬送路18となる。
図5、図6および図9に示すように、上ガイド板35の前端部両端には、上向きに切り曲げられた軸支部35dが一体成形されている。これらの軸支部35dは、図7に示す下ガイド板37の前端部両端に一体成形された軸受部37dと共に、図6に二点鎖線で示す支軸45を貫通された上、止め輪で抜け止めされる。これにより、上ガイド板35は、その基端部が支軸45を中心として所定角度回動自在、すなわちその自由端部側が下ガイド板37に対して揺動自在、かつ、開閉自在になされている。
図6に示すように、上ガイド板35の後端部両端には、上向きに切り曲げられた切曲部35eが一体成形されている。これらの切曲部35eには、外向きに突出した固定軸47がそれぞれ固着されている。各固定軸47は、図7および図8に示すように、筐体7の後部側壁7aの左右両端に所定角度回動自在に設けられた上ガイド板固定用貫通軸48(以下、単に「貫通軸48」という)に固定された開閉用カム49(図6に二点鎖線で示す)の揺動によって選択的に係合され固定・ロックされる。図7において、符号51は、下ガイド板37の前端部に固定される例えば板金で形成された傾斜部材を示す。
図6、図9および図10において、符号35cは、下向きに凸形状の補強リブを示す。補強リブ35cは、図に示されている以外に、上ガイド板35の中央部にも適宜の本数形成されている。上ガイド板35上には、図5および図6に示すように、第1センサ50−1がセンサ取付部材38を介して、第2センサ50−2〜第7センサ50−7がセンサ取付部材39を介してそれぞれ図示しないねじ等の締結手段で取付・固定されている。図5、図6等では、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4の図示を省略しており、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4は、図12に示すように第1センサ50−1と共に図示している。また、図6では、各センサ取付部材38,39の図示を省略している。
第1センサ50−1〜第8センサ50−8は、反射型センサからなる。上ガイド板35には、第1センサ50−1〜第7センサ50−7にそれぞれ対応して各センサ50−1〜50−7からの投射光および反射光を透過させるための開口35aが7箇所形成されている。第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4は、反射型センサからなる。上ガイド板35には、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4にそれぞれ対応して各センサ95−1〜95−4からの投射光および反射光を透過させるための開口35aが4箇所形成されている。
図6および図10に示すように、上ガイド板35には、第1加圧ローラ31−1と第2加圧ローラ31−2との各外周部の一部を突出させるための開口部35bが前後、左右に各2箇所ずつ形成されている。
補助上ガイド板36には、第8センサ50−8がセンサ取付部材38を介して、図示しないねじ等の締結手段で取付・固定されている。補助上ガイド板36にも、第8センサ50−8からの投射光および反射光を透過させるための上記開口35aと同様の図示しない開口が形成されている。図5、図6および図9に示すように、補助上ガイド板36の前後の両端部は、上向きに傾斜するように曲げ成形されている。図9に示すように、補助上ガイド板36の用紙搬送路18の下流端中央部には、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙ローラ111の外周部の一部を突出させるための開口部36bが形成されている。開口部36bの下方近傍には、図5に示すように後述する第3搬送ローラ32−3の外周部の一部が露出するようになっている。
上ガイド板35は、図10に示す支持部材40によって、上ガイド板35の上方に配置された上カバー23に実質一体的に取り付けられている。上カバー23と上ガイド板35とを合わせて、以下、「上案内ユニット46」というときがある。支持部材40は、図10では1つのみが示されているが、第1加圧ローラ31−1付近にも配設されていて、上ガイド板35と上カバー23とを結合している。上カバー23は、例えば適宜の表面処理を施された板金で一体的に形成されている。上記構成のとおり、上案内ユニット46の大量給紙ユニット5寄りの自由端部側は、支軸45を中心として下ガイド板37に対して揺動自在に、すなわち上ガイド板35を含む上案内ユニット46は、図5に実線で示す閉位置と、同図に二点鎖線で示す開放位置との間で開閉自在に構成されている。
上カバー23の大量給紙ユニット5(給紙機構部3)寄りの上面には、上案内ユニット46を下ガイド板37に対して開閉操作するための摘み24が取り付けられている。これにより、中間搬送ユニット4で用紙ジャムが発生した場合、摘み24を持って上案内ユニット46を、つまり上ガイド板35ごと上カバー23を開くことができるので、ジャム用紙を簡単に取り除くことができる。また、各加圧ローラ31−1,31−2や各搬送ローラ32−1〜32−3を清掃するときも、上ガイド板35ごと上カバー23を開放させて行うことができるため、メンテナンス性もよい。また、反射型フォトセンサからなる各センサ50−1〜50−7のセンサ面に付着した紙粉や汚れも容易に除去することができる。
さらに、揺動支点としての支軸45を孔版印刷装置100側に配置することにより、ジャム用紙を除去する際、手を入れるスペースが大きいため、余裕を持って安全にその作業を行うことができる。例えば、支軸45を上記したと反対に大量給紙ユニット5側に配置した場合、孔版印刷装置100側から手を入れようとすると、図1に示すように本体筐体107が邪魔になり手を入れずらいものとなってしまう。
第1加圧ローラ31−1は、図6に示すように、その軸31a1と一体的に形成されていて、軸31a1の左右両端部に対称な位置関係で一対配置されている。第2加圧ローラ31−2も同様である。第1加圧ローラ31−1と第2加圧ローラ31−2とは、図6および図10に示す支持構造(第1加圧ローラ31−1側は、省略しているが同様である)で上カバー23と上ガイド板35との間に回転自在に配設されていて、第1、第2加圧ローラ31−1,31−2は、共にその外周部の一部が上ガイド板35の開口部35bから下方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。
上記支持構造は、一対の第2加圧ローラ31−2の両端部の軸31a2を回転自在に支持する左右一対のばねガイド42と、上ガイド板35に溶接で固着され各ばねガイド42を上下方向に移動可能に案内する左右一対の上下案内部材43と、一対のばねガイド42を上方から覆うように支持部材40にねじで固定されたばね固定部材41と、各ばねガイド42に一体形成された上向きの凸部と各ばね固定部材41に一体形成された下向きの凸部との間に介装された左右一対の圧縮ばね44とから主に構成されている。
ばねガイド42は、軸31a2を回転自在に支持するため摺接抵抗が少なく耐磨耗性の良好な材料が適宜選定される。圧縮ばね44は、第2加圧ローラ31−2の外周面を下ガイド板37上から突出した第2搬送ローラ32−2の外周面に圧接する向きに付勢する付勢部材としての機能を有する。一対の第1加圧ローラ31−1側も上記と同様である。
本実施形態例に限らず、各加圧ローラを下案内部材側に、各搬送ローラを上案内部材側にそれぞれ配設して、各加圧ローラを各搬送ローラに圧接する向きに付勢する付勢部材(例えば上記圧縮ばね)を下案内部材側に配置してもよい。
次に、図5、図7、図9、図10を参照して、下ガイド板37および筐体7の上部周りについて説明する。
下ガイド板37は、適宜の補強部材等を介して、図示しないねじ等の締結手段で上に開口した箱体状の筐体7の上部に取付・固定されている。下ガイド板37には、上ガイド板35に形成された7つの開口35aおよび補助上ガイド板36に形成された1つの開口36aにそれぞれ対応した下方の部位に8つの開口37aが形成されている。これらの8つの開口37aは、上ガイド板35に取り付けられた第1センサ50−1〜第8センサ50−8にそれぞれ対応して各投射光を透過するためのものである。図7に示す下ガイド板37には、上ガイド板35に取り付けられた4個の第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4とにそれぞれ対応して各投射光を透過するための開口37aと同様の開口が形成されているが、これらの図示を省略している。
図7、図9、図10に示すように、下ガイド板37には、その後端部側に第1搬送ローラ32−1と第2搬送ローラ32−2との各外周部の一部を突出させるための開口部37bが前後、左右に各2箇所ずつ形成されている。また、下ガイド板37の前端部中央部には、第3搬送ローラ32−3の外周部の一部を突出させるための開口部37bが形成されている。
図7に示すように、下ガイド板37の前端部には、その前端側が下向きに傾斜した傾斜部材51が固着されている。傾斜部材51は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるべく用紙搬送方向Xに移動する際、本体給紙ローラ111および上記した図示しない給紙フィラー下端部のコロにスムーズに当接することにより、上記した図示しない給紙アームの揺動を介して上記図示しない給紙フィラーを適正高さセンサ126に係合させる向きに揺動させるためのものである。
下ガイド板37の前端寄りの左右端部には、位置決め部材52がそれぞれねじで締結・固定されている。各位置決め部材52は、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めるべく用紙搬送方向Xに移動する際、給紙口125の左右に位置し本体筐体107に固設された左右一対の給紙側板107Aに対して用紙幅方向Yの位置決めを行うものである。
下ガイド板37の後端部寄りの左右両端上には、所定の厚みを有する当接部材53がそれぞれねじで締結・固定されている。当接部材53は、上案内ユニット46(上カバー23およびガイド板35)が閉位置を占めた時、上ガイド板35の下面と下ガイド板37の上面との隙間(例えば1.2mmの用紙高さを確保)を一定に保持して安定した中間搬送路18を形成するためのものである。
図7に示すように、下ガイド板37の後部側(図において右側)には、筐体7の後部側壁7aの一部が示されている。左右両側の後部側壁7aの上部には、一部上述した貫通軸48が軸受部材を介して回動自在に支持されている。貫通軸48の左右両端部には、その位相を同じくした開閉用カム49がそれぞれ固着されている。また、貫通軸48の左端には、固定手段としての開閉用ハンドル55が固着されている。
開閉用カム49には、図6に示した固定軸47に沿って摺接する図示しない溝部とロック・固定するための図示しない嵌合部とが連通・形成されている。図1〜図3に示されている開閉用カム49および開閉用ハンドル55は、上ガイド板35を含む上案内ユニット46が閉位置に固定されている位置状態を表している。
すなわち、閉位置にある上案内ユニット46に対して、開閉用ハンドル55を図7において時計回りに揺動させると、貫通軸48を介して2つの開閉用カム49が揺動し、これにより図6に示した各固定軸47に対して各開閉用カム49が位相を同じくして上記嵌合部が係合することとなり、上案内ユニット46を閉位置近傍に確実に固定することができる。図7の右側(紙面の奥側、反操作側)の図示しない補助側板29には、開閉用カム49の上記嵌合部が上案内ユニット46側の固定軸47と係合して上ガイド板35を含む上案内ユニット46が下ガイド板37に対して固定・ロックされたことを検知する固定状態検知手段としての開閉センサ67(図13および図14に示す)が固着されている。開閉センサ67は、透過型センサからなる。
図7、図9および図10において、符号37cは、上向きに凸形状の補強リブを示す。補強リブ37cは、図に示されている以外に、下ガイド板37の中央部にも適宜の本数形成されている。図5および図7において、符号54は、本体筐体6側に固定された上給紙板を示す。図7において、符号56は、各開閉用カム49近傍の後部側壁7aに固定されたストッパを示す。ストッパ56は、開閉用カム49に当接して開側位置を規制するものである。
上述したとおり、本実施形態例によれば、上案内部材を構成する上ガイド部材としての上ガイド板35および補助上ガイド板36と、これに対向した下案内部材としての下ガイド板37との両方が、共に給紙口125近傍に延在しているので、例えば更紙のように薄く腰の強さのバラツキが大きい品質の安定しない用紙Pであっても、大量給紙ユニット5の給紙機構部3から中間搬送ユニット4を経由して孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111に用紙Pを確実に搬送して受け渡すことができ、これにより、本体給紙ローラ111の突起部(ローラ外周部に形成された鋸歯状部を指す)に用紙Pの先端が引っ掛かったり、用紙Pの先端折れやキズ、ジャム等が発生したりすることがない、という利点を奏する。
上記本実施形態例ほどの利点を望まなくてもよいのであれば、上案内部材および下案内部材のうちの少なくとも一方が、本体給紙台110または給紙口125近傍に延在している構成であってもよい。ここで、本体給紙台110または給紙口125近傍に「延在している」とは、上記本実施形態例を示す図5を見てすぐ分かるように、補助上ガイド板36が下ガイド板37から分離・独立している場合も含むことを意味するものである。
次に、図5、図8〜図10を参照して、筐体7周りについて説明する。第1及び第2モータ33−1、33−2は、それぞれパルス入力で駆動するステッピングモータであって、その回転速度が加減速可能となっている。各モータ33−1、33−2は、それぞれ図示を省略したモータブラケットを介して筐体7の決められた底壁7cに、第1〜第2駆動力伝達手段34−1〜34−2を構成する各タイミングベルトの張力調整ができるように微移動可能にねじ等の締結手段で取付・固定されている。
第1搬送ローラ32−1は、図8に示すように、その軸32a1の左右両端部に一対配置されている。これらの第1搬送ローラ32−1は、軸32a1および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取付・固定された第1ブラケット58に回転自在に支持されている。各第1搬送ローラ32−1と軸32a1との間には、一方向性回転駆動力伝達手段としてのワンウェイクラッチ61が介装されていて、各第1搬送ローラ32−1は、図5において反時計回りにのみ、つまり給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを用紙搬送方向Xに搬送する方向のみに回転可能になっている。第2搬送ローラ32−2も、上記と同様であり、軸32a2および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取付・固定された第2ブラケット59に回転自在に支持されている。第2搬送ローラ32−2側も上記と同様である。
図10に示すように、第1、第2搬送ローラ32−1,32−2は、共にその外周部の一部が下ガイド板37の開口部37bから上方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。
第3搬送ローラ32−3は、第1〜第3搬送ローラ32−1〜32−3のうちで中間搬送路18の最下流側に配置されており、単一のローラからなる。第3搬送ローラ32−3は、その軸32a3および図示しない軸受を介して、底壁7cにねじで取付・固定された第3ブラケット60に回転自在に支持されている。第3搬送ローラ32−3と軸32a3との間には、上記と同様のワンウェイクラッチ61が介装されていて、第3搬送ローラ32−3は、図5において反時計回りにのみ、つまり給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを用紙搬送方向Xに搬送する方向のみに回転可能になっている。図9に示すように、第3搬送ローラ32−3も、その外周部の一部が下ガイド板37の開口部37bから上方へ突出して用紙搬送路18に臨むように配置されている。第3搬送ローラ32−3は、孔版印刷装置100側の本体給紙ローラ111と対向する位置であって、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙ローラ111外周面の下に潜り込んでこれと圧接可能となるように中間搬送ユニット4の筐体7の各図に示す所定の位置に配置されている。
第1駆動力伝達手段34−1は、第1モータ33−1の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−1と、第1搬送ローラ32−1の軸32a1の一端部に固定されたタイミングプーリ64−1と、タイミングプーリ63−1とタイミングプーリ64−1との間に掛け渡されたタイミングベルト65−1とから主に構成される。
第2駆動力伝達手段34−2は、第2モータ33−2の出力軸(回転軸)に固定されたタイミングプーリ63−2と、第2搬送ローラ32−2の軸32a2の一端部に固定されたタイミングプーリ64−2と、タイミングプーリ63−2とタイミングプーリ64−2との間に掛け渡されたタイミングベルト65−2とから主に構成される。
図1、図5および図9に示すように、筐体7の下部には、大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めた時、本体給紙台110の内部に配置された用紙長さセンサ128と対向してこれを選択的に遮蔽するための用紙長さ検知用シャッタ機構としての用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1と、用紙有無センサ127と対向してこれを選択的に遮蔽するための用紙有無検知用シャッタ機構としての用紙有無センサ用シャッタ機構70−2とが配設されている。用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1および用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、略同様に構成されているため、用紙有無センサ用シャッタ機構70−2側の細部構成を説明することで用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1側の説明を省略する。
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、図9(a)の正面図および同図(b)の側面図に詳しく示すように、遮蔽部材としてのシャッタ71−2、遮蔽駆動手段としてのプル型のソレノイド72−2、付勢手段としての引張ばね73−2、シャッタ機構保護部材74−2、支点軸75−2、ホルダ76−2から主に構成されている。
シャッタ機構保護部材74−2は、不動部材であり、例えば板金でできていて、正面視で概略コ字状に曲げられて形成されている。シャッタ機構保護部材74−2、筐体7の底壁7c下面にねじ等の締結手段で取付・固定されている。シャッタ機構保護部材74−2の底壁には、用紙有無センサ127からの投射光・反射光を透過させる開口74a2が形成されている。シャッタ機構保護部材74−2の図9(a)における右側面には、ねじでソレノイド72−2を取付・固定すると共に支点軸75−2を固着するホルダ76−2がねじで取付・固定されている。これにより、ホルダ76−2はシャッタ機構保護部材74−2と同様に不動部材となる。ホルダ76−2の図9(b)における中央右端には、引張ばね73−2の一端を引っ掛け・係止するばね係止部76a2が折り曲げ形成されている。
シャッタ71−2は、例えば板金でできていて、その自由端が、図9(b)に実線で示すように開口74a2を介して用紙有無センサ127の投射光を遮蔽・反射する用紙有り擬制位置と、図9(b)に二点鎖線で示すように用紙有無センサ127の投射光を透過する用紙無し擬制位置との間で、支点軸75−2を中心として揺動自在になっている。シャッタ71−2の図9(b)における上部右端には、引張ばね73−2の他端を引っ掛け・係止するばね係止部71a2が折り曲げ形成されている。シャッタ71−2の図9(b)における上部左端には、ソレノイド72−2のプランジャの先端部に圧入されたピン72a2を緩く嵌合する嵌合孔が形成されている。ソレノイド72−2のピン72a2は、ホルダ76−2に開けられたピン挿通長孔(図示せず)およびシャッタ71−2の上記嵌合孔を挿通してシャッタ71−2に連結される。
シャッタ71−2の下部は、L字状に折り曲げられていて、その下面には用紙の表面と同等程度に用紙有無センサ127からの投射光を反射する適宜の表面処理が施されている。引張ばね73−2は、ホルダ76−2のばね係止部76a2とシャッタ71−2のばね係止部71a2との間に張設されていて、シャッタ71−2の自由端(図における下面)を常に用紙有り擬制位置を占めさせる向きである図9(b)において時計回りに揺動させる向きに付勢している。また、引張ばね73−2の付勢力は、シャッタ71−2を介して、ソレノイド72−2のプランジャおよびピン72a2の復帰を補助している。
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2の動作を説明する。ソレノイド72−2に電力が供給されてソレノイド72−2がオンすると、引張ばね73−2の付勢力に抗してその吸磁力によってプランジャおよびピン72a2が図9(a),(b)の略下側へ揺動変位し、これによりシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における反時計回りに揺動して同図(b)に二点鎖線で示す用紙無し擬制位置を占める。一方、ソレノイド72−2への電力が断たれてソレノイド72−2がオフすると、引張ばね73−2の付勢力によってプランジャおよびピン72a2が図9(a),(b)の略上側へ揺動変位し、これによりシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における時計回りに揺動して同図(b)に実線で示す用紙有り擬制位置を占めることとなる。
大量給紙搬送ユニット1が図1および図9に示す接続位置を占めたとき、後述する制御装置からの指令によってソレノイド72−2はオフしたままであり、これによりシャッタ71−2の自由端は用紙有無センサ127の投射光を遮蔽・反射する用紙有り擬制位置にある。そして、積載部2および中間搬送ユニット4に用紙が無くなると、上記制御装置からの指令によってソレノイド72−2がオンされることにより、引張ばね73−2の付勢力に抗してシャッタ71−2の自由端が支点軸75−2を中心として図9(b)における反時計回りに揺動して同図(b)に二点鎖線で示す用紙無し擬制位置を占めるので、孔版印刷装置100側の図示しない制御装置は用紙無しと認識する。
一方、中間搬送ユニット4に用紙があると、上記制御装置からの指令によってソレノイド72−2がオフされ、上記したと同様にシャッタ71−2の自由端は用紙有り擬制位置にあり、孔版印刷装置100側の上記制御装置が用紙有りと認識することで、中間搬送ユニット4から孔版印刷装置100側への通紙が可能な状態となる。
用紙有無センサ用シャッタ機構70−2は、用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1と比較して、大量給紙搬送ユニット1が図9に示す接続位置を占めているとき、シャッタ機構保護部材74−2が本体給紙部104の前面板124に当接して傾斜部材51と共に接続位置決めを行う機能を有している点が主に相違するだけである。それ故に、用紙長さセンサ用シャッタ機構70−1は一部形状が異なるものの用紙有無センサ用シャッタ機構70−2と実質的に同一の構成要素を有していて、各構成要素の符号のハイフォンの後に数字1を付すことでその説明を省略する。
図8において、符号135は、印刷センタ合わせ用(用紙Pの幅方向調整)回転軸を示す。回転軸135の一端部は、雄ねじ(図示せず)を切られている。これは、回転軸135の一端部の雄ねじを、本体筐体6の左右一対の補助側板29の上部に雌ねじを切られた螺合部材(図示せず)に螺合させることにより、そのねじ機構による用紙幅方向Yへの移動を利用して用紙Pの幅方向調整を行うものである。
図11〜図13を参照して、上述した大量給紙搬送ユニット1の後述する動作を制御する電気的制御系の構成について説明する。なお、図の簡明化をはるため、各センサ26,27,66,67、第1〜第8センサ50−1〜50−8、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4等の図示を三角形状にして、また各モータ22,28,33−1〜33−2,各ソレノイド72−1,72−2等も模式的にかつ簡略化して示す。図11〜図13では、第1〜第8センサ50−1〜50−8や第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4が、あたかも下ガイド板37側に配置されているような図示になっているが、これはあくまでも制御構成や動作説明を簡明にするためのものであって、第1〜第8センサ50−1〜50−8や第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は上述したとおり上ガイド板35側に配置されていることに変わりはない。
まず図11に基づいて、第1〜第8センサ50−1〜50−8等の配置状態を補足説明する。
第1〜第8センサ50−1〜50−8は、具体的には中間搬送路18における用紙搬送方向Xに沿って上流から下流に亘り図11に示す寸法間隔を空けて上ガイド板35に配置・固定されている。これは、同図に括弧を付しておよび図15に示すように、用紙搬送方向Xに沿う用紙Pの長さが10種類の用紙サイズにそれぞれ対応して設定されていることに基づく。図11および図16において、ちなみに、例えばA3Y(横)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが420mmであることを、A4T(縦)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが210mmであることを、DLY(ダブルレター)サイズとは、用紙搬送方向Xに沿う長さが本実施形態例では最長の432mmであることを、それぞれ表している。
DLY(ダブルレター)サイズに対応して、中間搬送路18の用紙搬送長さは、480mmに設定されている。図11には、第1加圧ローラ31−1と第1搬送ローラ32−1とで形成されるニップ部中心から第2加圧ローラ31−2と第2搬送ローラ32−2とで形成されるニップ部中心までの距離170mm、第2加圧ローラ31−2と第2搬送ローラ32−2とで形成されるニップ部中心から本体給紙部104側の本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とで形成されるニップ部中心までの距離170mm等についても例示されている。
図12および図13に基づいて、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4の配置状態を補足説明する。
第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は、具体的には用紙幅方向Yに沿って所定の間隔を空けて上ガイド板35に配置・固定されている。これは、図12に括弧を付して示すように、用紙幅方向Yに沿う用紙Pの長さが中央振り分けで例えば7種類の用紙サイズにそれぞれ対応して設定されていることに基づく。図12において、ちなみに、例えばA3Y(横)、A4T(縦)サイズとは、用紙幅方向Yに沿う長さが297mmであることを、B4Y(横)、B5T(縦)サイズとは、用紙幅方向Yに沿う長さが257mmであることを、A4Y(横)、A5T(縦)サイズとは、用紙幅方向Yに沿う長さが210mmであることを、B5Y(横)サイズとは本実施形態例では最短の182mmであることを、それぞれ表している。
第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は、図12では上記したように用紙幅方向Yに沿って所定の間隔を空けて配置されていると共に、用紙搬送方向Xの上流側から下流側へ少しズレて上ガイド板35に配置・固定されているが、用紙幅サイズを検出するという機能からは上記した配置状態に限らず、例えば図13に簡略的に示すように用紙搬送方向Xの同一位置に配置しても構わない。
ここで、図1に示すように大量給紙搬送ユニット1が接続位置を占めている状態において、孔版印刷装置100の印刷部102、本体給紙部104、中間搬送ユニット4との主な位置関係の一実施例を補充説明する。
印刷ドラム115とプレスローラ116との押圧状態におけるニップ部中心からレジストローラ対114のニップ部中心までの距離は約120mm、レジストローラ対114のニップ部中心から本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3との圧接により形成されるニップ部中心までの距離は約120mmであり、印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部中心から本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とのニップ部中心までの距離は約240mmである。それ故に、最短サイズのB5T(182mm)を用いて中間搬送ユニット4から本体給紙部104へ給送したとき、B5Tの先端が印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部に達した点からB5Tの後端が位置する部位は、レジストローラ対114と本体分離ローラ112との間になる。
説明が前後するが、レジストローラ対114の上側ローラは、図示しないタイミング用カムや引張ばね等の付勢手段を具備した接離機構によって、下側のローラに対して接離自在に構成されている。この構成により、印刷ドラム115とプレスローラ116とのニップ部に用紙の先端部がある程度の長さをもって完全に挟持された状態では、上記接離機構によってレジストローラ対114の上側ローラが下側のローラから離間してレジストローラ対114のニップ部での圧接による負荷を用紙および印刷ドラム115の回転等に与えないようになっている。これと同様の目的から、本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111の各軸部に介装されたワンウェイクラッチにより本体分離ローラ112および本体給紙ローラ111に連結されている駆動力伝達手段や給紙モータ122(ステッピングモータ)等による負荷を搬送される用紙および印刷ドラム115の回転等にでき得る限り与えないようになっている。
本実施形態では共通のステッピングモータからなる第1〜第2モータ33−1〜33−2を使用しているため、上述したとおりのそれぞれ予め決められた距離を有する中間搬送路18や孔版印刷装置100側の用紙搬送路間で用紙を搬送する場合、各ステッピングモータへ供給するパルス数でその用紙搬送距離(もしくは用紙搬送量)を制御することができるから、簡単に精度の高い用紙搬送を行うことができる。これは、給紙モータ22や孔版印刷装置100側の給紙モータ122や本体給紙部104のレジストローラ対114を回転駆動するステッピングモータからなる図示しないレジストモータでも同様である。
図13を参照して、上述した制御構成要素の補足説明を含め本実施形態で使用する制御構成要素を説明する。図13において、符号78は電源基板を、符号78aは例えば商用の外部電源と接続するための電源ケーブルを、二点鎖線で示す符号79は後述する制御装置等を設置している制御基板を、符号80は電源ケーブル78aを介して供給される電力を断接する電源スイッチを、符号81は大量給紙搬送ユニット1の動作を初期化、すなわち初期化(もしくは初期セット)状態に起動する指示を与える初期セット設定手段としてのイニシャルスイッチ81を、符号82は所定の時間押下・操作することにより昇降モータ28を制御して大量給紙台10の最終下降位置を設定するための給紙台下降スイッチをそれぞれ示す。
電源スイッチ80は操作側の左側壁に、イニシャルスイッチ81および給紙台下降スイッチ82は、大量給紙搬送ユニット1の操作パネルとも呼ぶべき本体筐体6の上部にそれぞれ配置されている。給紙台下降スイッチ82は、積載部2の大量給紙台10に用紙の補充・継ぎ足しを行う場合、その継ぎ足し分に相当するだけ大量給紙台10を下降させて用紙を供給したり、また給紙機構部3等でジャム等の発生があった場合、大量給紙台10を少し下降させてその処理等を行ったりする場合に操作するものである。符号83は、第2モータ33−2の減速タイミングとなるオフタイミングを任意に選択する際に操作する選択手段としての調整スイッチを示す。
図14は、大量給紙搬送ユニット1の主な制御構成をブロック図的に示している。同図において、制御装置85は、内部にCPU(中央演算処理装置)86、RAM(読み書き可能な記憶装置)87、計時手段としてのタイマ88、記憶手段としてのROM(読み出し専用記憶装置)89等を有し、CPU86とROM89とがアドレスバス90、データバス91で接続されると共に、CPU86とRAM87とタイマ88とがそれぞれ図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。制御装置85は、図13に示した制御基板79の配置部に設けられている。
大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とが通信不能に接続されているオフライン状態(以下、「オフラインモード」というときがある)で使用される場合、図12〜図14に示した第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4は無くても成立する。後述するように大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とが通信可能に接続されているオンライン状態(以下、「オンラインモード」というときがある)にあって、後述する本発明に特有の制御が実行可能な場合には、必要な制御構成となるため説明の便宜上から図14に敢えて示したものである。
CPU86は、大量給紙ユニット5側に設けられた適正高さセンサ26、下限センサ27、用紙有無センサ66、電源スイッチ80、イニシャルスイッチ81、給紙台下降スイッチ82と、図示しない各センサ入力回路やスイッチ入力回路および入力ポート92を介して、また中間搬送ユニット4側に設けられた第1〜第8センサ50−1〜50−8、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4、開閉センサ67と図示しない各センサ入力回路および入力ポート92を介して、それぞれ電気的に接続されていて、これらの各センサや各スイッチからの各種信号を受信する。
CPU86は、大量給紙ユニット5側に設けられた給紙モータ22、昇降モータ28と図示しないモータ駆動回路および出力ポート93を介して、また中間搬送ユニット4側に設けられた第1〜第2モータ33−1〜33−2、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1、用紙有無センサ用ソレノイド72−2と図示しないモータ駆動回路、ソレノイド駆動回路および出力ポート93を介して、それぞれ電気的に接続されていて、上記各センサや上記各スイッチからの各種信号およびROM89から呼び出された動作に係るプログラム等に基づいて、上記各モータや上記各ソレノイド等の作動を制御する各種指令信号を送信して、大量給紙搬送ユニット1の上記各制御対象手段の起動、停止およびタイミング等の動作全体のシステムを制御している。
ROM89には、大量給紙搬送ユニット1全体の動作あるいは用紙搬送動作フローを表す後述するフローチャートに示されているプログラムやCPU86の制御機能を発揮するための各種の関係データが記憶されており、これら動作プログラムや関係データはCPU86によって適宜呼び出される。RAM87は、CPU86の計算結果を一時的に記憶する機能、上記各スイッチや上記各センサからの各種設定・入力されたオン・オフ信号やデータ信号等の各種信号を随時記憶する機能等を有している。タイマ88は、孔版印刷装置100側の給紙モータ122の起動による本体給紙ローラ111による給紙開始に対応して各センサ50−1〜50−8上の用紙Pの搬送が始まる時、その用紙Pの後端が移動する時の各センサ50−1〜50−8間の時間を計測する計時手段としての機能を有する。
CPU86(以下、説明の便宜上から「制御装置85」というときがある)は、オフラインモード時において、孔版印刷装置100側の印刷速度の如何に関わらず、孔版印刷装置100側の最高印刷速度(本実施形態例では120枚/min:120rpm)に対応した用紙搬送速度で、各搬送ローラ32−1〜32−3が給紙機構部3から給送されてきた用紙Pを搬送するように各モータ33−1〜33−2を制御する用紙搬送速度制御手段としての機能を有する。
制御装置85(CPU86)は、オフラインモード時において、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時であるイニシャル時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙サイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式を変える制御を行う用紙搬送制御方式変更制御手段としての機能を有する。
上記イニシャル時の状態は、中間搬送路18の最下流側に配置された第3搬送ローラ32−3に用紙Pが位置し、かつ、その用紙Pの先端が図13に二点鎖線で示す本体給紙ローラ111によって給紙可能となる位置、図11に示す用紙の基本となる停止位置P0になるように予め設定されている。ちなみに、用紙Pの停止位置P0は、図11に示すとおり、用紙サイズにかかわらず本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とが圧接することにより形成されるニップ部中心から大体38.5mm程度用紙搬送方向Xに進んだ位置に設定されている。
すなわち、制御装置85(CPU86)は、各センサ50−1〜50−8上への1枚の用紙Pの搬送が終了した初期化時、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて、その用紙サイズを判断し、かつ、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送制御方式を切り換えるように各モータ33−1〜33−2を制御するものである。
本実施形態では、各搬送ローラ32−1〜32−3の用紙搬送速度を変える必要はないが、他の目的で用紙搬送速度を変える場合、共通のステッピングモータからなる第1〜第2モータ33−1〜33−2を使用しているため、第1〜第2搬送ローラ32−1〜32−2の用紙搬送速度(周速度もしくは回転速度)の変更は、制御装置85(CPU86)によって第1〜第2モータ33−1〜33−2に供給するパルスの周波数(pps:pulse・per・second)を変えること、すなわちパルス間隔を変える(パルス間隔を狭くしていけば加速、一定間隔では等速、パルス間隔を広くしていけば減速)ことで容易かつ正確に行える。
次に、オフライン状態にある大量給紙搬送ユニット1の特有の制御動作の詳細を説明する前に、図15に基づいて、中間搬送ユニット4における用紙搬送動作の原理的な制御内容を説明しておく。同図において、説明の簡単化のために、用紙搬送方向Xに所定の間隔を置いて配置された第1〜第3センサ50−1〜50−3を用いて、前用紙P1と次用紙P2との各先端およびその各後端の位置に係る用紙搬送制御方式について簡単に説明しておく。以下、前用紙P1とは、中間搬送ユニット4の中間搬送路18に載っていて本体給紙部104に取り込まれる用紙を指し、次用紙P2とは、大量給紙台10および給紙機構部3から中間搬送路18へ前用紙P1に続いて連続的に給送・搬送される用紙を指す。なお、汎用的には、前用紙P1をPnと、次用紙P2をPn+1とそれぞれ書き直すことができる。但し、nは自然数である。
まず、図15(a)に示すように、前用紙P1の後端が第2センサ50−2を通過していないので、次用紙P2の先端は用紙搬送方向Xの最上流に位置する第1センサ50−1に検出される前の位置で停止している。但し、この場合、第1センサ50−1で次用紙P2の先端を検出してからも、その次用紙P2はこれに対応した搬送ローラの慣性(上記したようなワンウェイクラッチ61を内蔵しているため搬送ローラの慣性とみなせる)によるスローダウン分進んで停止することとなる。
次いで、図15(b)に示すように、前用紙P1の後端が第2センサ50−2を通過したら(反射型センサの遮蔽・反射→透過)、次用紙P2の搬送が開始される。次用紙P2の先端が第2センサ50−2によって検出されるまで、次用紙P2が搬送され進む。この次用紙P2が用紙搬送方向Xの下流側に搬送されて進むか停止するかは、前用紙P1の後端と第3センサ50−3との位置関係および用紙搬送方向Xに沿う用紙サイズ(以下、「用紙長さサイズ」というときがある)よって異なる。
図15(c)に示すように、前用紙P1の後端が第3センサ50−3を通過している場合は、次用紙P2はその速度(用紙搬送速度)を落とすことなく同図に二点鎖線で示すように第2センサ50−2を通過して、その先端が第3センサ50−3まで到達可能となる。しかし、前用紙P1の後端が第3センサ50−3を通過していない場合は、次用紙P2は同図に実線で示すように第2センサ50−2の位置で停止する。
このように、本実施形態例では、前用紙P1および次用紙P2の各先端およびその各後端の位置を各センサ50−1〜50−8で常に検出しながら、前用紙P1の後端と次用紙P2の先端とを接触させることなく順次搬送可能となるように、用紙搬送制御方式を切り換える、換言すれば予め設定された用紙搬送制御パターンをROM89から選択する特有の制御が行われる。本実施形態例によれば、図11や図16に示す10種類の用紙サイズを最少の8個のセンサ50−1〜50−8で検出できるので、用紙長さサイズの検出構成が簡素になると共にコストダウンを図れる。
それ故に、本発明は、例えば本実施形態例のように中間搬送路18に配置された8個のセンサ50−1〜50−8に限らず、これを第1〜第Nセンサ50−1〜50−N、但しNは自然数と一般的に置き換えて多数配置(例えば8を超えて配置)すると共に、中間搬送路18を上記したよりもさらに長く延長したような場合でも、前用紙P1(Pn)後端と次用紙P2(Pn+1)先端とを接触させることなく順次搬送可能となるように、例えば各搬送ローラ32−1〜32〜3の起動・停止を変えることができるものであり、また第1〜第Nセンサ50−1〜50−N上に用紙Pが3枚以上載っている場合でも、搬送する用紙長さサイズに合わせ搬送ローラを増やすことにより勿論制御可能となるものである。
上述したことから、上記実施形態例に限定されず、中間搬送部としての中間搬送ユニットは、その中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、給紙機構部から給送されてきた用紙を搬送する用紙搬送手段と、中間搬送路の上流から下流に亘り間隔を置いて複数配置され、搬送される用紙の先端およびその後端のうちの少なくとも一方を検出する用紙検出手段としての第1〜第Nセンサ50−1〜50−Nとを有するものであってもよい。
図11に示すように、本実施形態における用紙長さサイズの検出は、イニシャル動作を介して、1枚の用紙Pが各センサ50−1〜50−8上へ搬送終了された停止後に、すなわち、図11においてその1枚の用紙P、つまり前用紙P1の先端部が本体給紙ローラ111と第3搬送ローラ32−3とのニップ部で挟持されて停止した停止位置P0において、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて制御装置85によって判断される。
本形態において、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100は、オフラインであるので、孔版印刷装置100側での用紙サイズ検知が必要となる。このため、孔版印刷装置100の給紙台110上の用紙長さセンサ128と用紙幅センサそれぞれ手動によって大量給紙搬送ユニット1に積載した用紙サイズと合う様に孔版印刷装置100側の用紙サイズ設定する。本形態において、オフライン時に給紙台下降スイッチ82を操作すると、操作している問、大量給紙台10が下降し、下限センサ27がオンすると停止する。第1センサ50−1〜第8センサ50−8で検知して、第1モータ33−1、第2モータ33−2によって搬送する用紙搬送制御は、孔版印刷装置100が給紙を開始すると、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4の最先端部に搬送され停止していた用紙Pが搬送されて移動すると、用紙搬送面の第1センサ50−1〜第8センサ50−8がオフとなる。
このような制御手段85による大量給紙搬送ユニット1の基本動作の概略について図16のフローチャートに沿って説明する。この基本動作は、オンライン/オフラインで共有の動作となる。
図16において、大量給紙搬送ユニット1では、ステップa1においてイニシャルスイッチ81が押下されると、ステップa2に進んで大量給紙台10上の用紙Pの有無が判断される。用紙がなければ、この動作を終了させ、図示しない表示部などに用紙の無いことを表示してオペレータに提示する。
ステップa2において、大量給紙台10の用紙有無センサ66からの出力があり、用紙ありと判断すると、ステップa3に進んで適正高さセンサ26がオン状態であるか否かを判断し、オン状態でなければステップa4に進んで昇降モータ28を駆動し、用紙Pを積載した大量給紙台10を適正高さセンサ26がオンするまで上昇させる。そして、適正高さセンサ26がオンすると、ステップa5において昇降モータ28を停止し、ステップa6、a7に進んで、分離処理および中間搬送用紙送り処理を実行して終了する。
分離処理は図17に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、昇降モータ28の駆動が停止すると実行される。ステップb1では、第1センサ50−1のオン/オン状態が判断され、第1センサ50−1がオンしてなければ給紙モータ22をオン状態として駆動し、大量排紙台10の最上位の用紙Pを一枚分離搬送開始する。用紙Pが給紙されて第1センサ50−1がオン状態となると、ステップb3に進んで用紙センサ50−2のオン/オフ状態が判断される。ここで用紙センサ50−2がオン状態であるとステップb4に進んで給紙モータ22をオフ状態として分離処理を終了し、中間搬送用紙送り処理へと移行する。
図18に示すように、中間搬送用紙送り処理では、第3センサ50−3から第8センサ50−8を用いた搬送制御がそれぞれ実行される。これら制御が実行されることで第1モータ33−1と第2モータ33−2の駆動が制御されて、分離搬送された用紙Pが搬送されて、中間搬送ユニット4の用紙搬送面に臨んでいる各用紙搬送センサにより検知されて、中間搬送ユニット4の最先端部まで搬送されて停止する。そして、大量給紙搬送ユニット1に設けた用紙有無センサ用シャッタ機構70−2のソレノイド72−2を駆動して、孔版印刷装置100の用紙有りセンサ127をオンさせて、用紙有り状態とする。
その後、孔版印刷装置100が印刷等を開始すると、給紙開始されて大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4の最先端部に搬送されて停止していた用紙Pが搬送されて用紙搬送面の第1センサ50−1〜第8センサ50−8上から無くなると、給紙モータ22が動作して大量給紙台10の用紙Pを一枚分離搬送開始し、搬送開始した用紙Pは中間搬送ユニット4の用紙搬送面に付いている用紙搬送センサにより検知されて、第1モータ33−1、第2モータ33−2によって搬送されて、中間搬送ユニット4の最先端部まで搬送して停止する動作を繰り返す。本形態では、制御手段85によってこのような制御が実行される。
詳しく述べると、後半印刷装置100が給紙を開始すると、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4に停止している用紙Pが移動する。用紙Pが搬送されて移動すると、用紙搬送面に並んでいる第1センサ50−1がオフとなる。さらに用紙Pが搬送されると、第2センサ50−2がオフになると、第1センサ50−1がオフのままであるので、この時に分離コロ12を回転させて大量給紙台10上の用紙Pを1枚分離して搬送開始し、搬送開始した用紙は、第1センサ50−1がオンするまで搬送されて停止する。第2センサ50−2はオフであるが、第3センサ50−3がオンのままであるために第2センサ50−2まで搬送することができない。搬送してしまうと、第2センサ50−2と第3センサ50−3がオンしたままとなってしまい用紙Pの間がわからなくなってしまうためにセンサ間を1つ分空けて搬送制御する。
その後、さらに用紙Pが搬送されて、第3センサ50−3がオフになると、第2センサ50−2がオフのままであるので、この時に第1モータ33−1を動作させて第1搬送ローラ32−1を回転させて中間搬送ユニト4の用紙Pの搬送を開始し、搬送開始した用紙Pは、第2センサ50−2がオンするまで搬送されて停止し、このあとから図19に示す第3センサ50−3を用いた搬送制御が行われる。ここでは、ステップc1において、第2センサ50−2の状態が判断され、第2センサ50−2が御であると、ステップc2に進んで第4センサ50−4の状態が判断される。用紙Pの搬送が進んで第4センサ50−4がオフになると、ステップc3において第3センサ50−3の状態が判断される。ここでは第3センサ52−3はオフのままであるので、ステップc4に進んで第1モータ33−1を動作させて第1搬送ローラ32−1を回転させて中間搬送ユニット4の用紙Pを搬送開始し、搬送開始した用紙Pは、第3センサ50−3がオンするまで搬送する。そして、第3センサ50−3がオン状態となると、ステップc5に進んで第1モータ33−1を停止する。
図20では第4センサ50−4を用いた搬送制御が行われる。ステップd1において第3センサ50−3の状態が判断され、オンであるとステップd2に進んで第5センサ50−5の状態が判断され、用紙Pの搬送により第5センサ50−5がオフ状態となると、ステップd3に進んで第4センサ50−4の状態を判断する。このとき第4センサ50−4はオフのままであるので、ステップd4に進んで第2モータ33−2を動作させて第2搬送ローラ32−2を回転させて中間搬送ユニット4の用紙Pの搬送を開始する。搬送を開始された用紙Pは、第4センサ50−4がオンするまで搬送され、第4センサ50−4がオン状態となると、ステップd5に進んで第2モータ33−2を停止する。
図21では第5センサ50−5を用いた搬送制御が行われる。ステップe1において第4センサ50−4の状態が判断され、オンであるとステップe2に進んで第6センサ50−6の状態が判断され、用紙Pの搬送により第6センサ50−6がオフ状態となると、ステップe3に進んで第5センサ50−5の状態を判断する。このとき第5センサ50−5はオフのままであるので、ステップe4に進んで第2モータ33−2を動作させて第2搬送ローラ32−2を回転させて中間搬送ユニット4の用紙Pの搬送を開始する。搬送を開始された用紙Pは、第5センサ50−5がオンするまで搬送され、第5センサ50−5がオン状態となると、ステップe5に進んで第2モータ33−2を停止する。
図22では第6センサ50−6を用いた搬送制御が行われる。ステップf1において第5センサ50−5の状態が判断され、オンであるとステップf2に進んで第7センサ50−7の状態が判断され、用紙Pの搬送により第7センサ50−7がオフ状態となると、ステップf3に進んで第6センサ50−6の状態を判断する。このとき第6センサ50−6はオフのままであるので、ステップf4に進んで第2モータ33−2を動作させて第2搬送ローラ32−2を回転させて中間搬送ユニット4の用紙Pの搬送を開始する。搬送を開始された用紙Pは、第6センサ50−6がオンするまで搬送され、第6センサ50−6がオン状態となると、ステップf5に進んで第2モータ33−2を停止する。
図23では第7センサ50−7を用いた搬送制御が行われる。ステップg1において第6センサ50−6の状態が判断され、オンであるとステップg2に進んで第8センサ50−8の状態が判断され、用紙Pの搬送により第8センサ50−8がオフ状態となると、ステップg3に進んで第7センサ50−7の状態を判断する。このとき第7センサ50−7はオフのままであるので、ステップg4に進んで第2モータ33−2を動作させて第2搬送ローラ32−2を回転させて中間搬送ユニット4の用紙Pの搬送を開始する。搬送を開始された用紙Pは、第7センサ50−7がオンするまで搬送され、第7センサ50−7がオン状態となると、ステップg5に進んで第2モータ33−2を停止する。
本形態にかかる制御手段85においては、図24で行う処理に最大の特徴がある。すなわち、制御の一形態としては、ステップh1で第7センサ50−7がオンした状態で、第8センサ50−8の状態を判断する。このとき第8センサ50−8はオフのままであるので、ステップh4に進んで第2モータ33−2を動作させて第2搬送ローラ32−2を回転させて中間搬送ユニット4の用紙Pの搬送を開始する。搬送を開始された用紙Pは、第8センサ50−8がオンするまで搬送され、第8センサ50−8がオン状態と時点でステップh5において第2モータ33−2を停止すればよい。しかしこれでは、用紙のサイズや厚さなどの違いにより用紙Pを基本となる停止位置P0に停止できない場合がある。このため、本形態では、ステップh1で第7センサ50−7がオンしている場合には、ステップh2のディレイタイマー処理(遅延処理)を実行してからステップh3へ進むようにしている。
ここで、ディレイタイマー処理(遅延処理)について図25のフローチャートに沿って説明する。この処理では、ステップj1において、調整スイッチ83の操作によって設定された中間搬送ユニット最先端停止位置調整用データとしての遅延時間をROM89から読み出して設定しステップj2に進む。ステップj2では、ステップj1で設定した最先端停止位置調整用データとしての遅延時間をカウントし、ステップj3において設定された遅延時間の経過状態が判断される。ここでは、所定の遅延時間のカウントが終了すると、ステップj4に進んで第2モータ33−2の減速動作を開始して、図24のステップh3に戻る。
このような制御動作は、中間搬送ユニット4内に停止していた用紙Pが、孔版印刷装置100の給紙によって搬送されていくと、大量給紙台10上の次の用紙を分離搬送して、搬送されていく前の用紙の後端に同期して搬送していき、最終的に前の用紙Pが無くなると中間搬送ユニット4の先端に用紙先端を停止するように制御する。このため、調整スイッチ83の操作によって中間搬送ユニット最先端停止位置調整用データと成る遅延時間を設定し、その時間分だけ遅らせて第2搬送ローラ32−2の回転を停止させることによって、第8センサ50−8がオンしたところで用紙搬送動作を完全に終了させることができる。これによって、分離搬送された用紙Pの先端は、第8センサ50−8がオンした状態で停止することができる。すなわち、基本となる停止位置P0に停止させることができるので、孔版印刷装置100への給紙の安定化を図ることができる。また、用紙サイズを第1センサ50−1から第8センサ50−8を用いて行う場合には、停止位置の安定により、検知精度を高めることができ誤検知を低減することができる。
つまり、本形態の制御において、制御手段85は、図25に示すように、調整用スイッチ83の操作によって、第2モータ33−2のモータ搬送制御の減速開始タイミングを可変することを特徴としている。本形態では、ディレイタイマー処理を行うための遅延回路を構成するディレイタイマー84を備えている。ディレイタイマー84は、第8センサ50−8がオンしてから、第2モータ33−2の減速を開始する間に機能するものであり、操作スイッチ83よって選択される中間搬送ユニット最先端停止位置調整用データとなる遅延時間分だけ動作を中断するように構成されている。この遅延時間は予めROM89に設定されていて、調整スイッチ83の操作によって選択されて設定されるように構成されている。このため、搬送されてきた用紙Pの先端位置は、調整スイッチ84を操作することで選択設定された遅延時間だけ減速動作開始時期、すなわち第2モータ33−2のオフタイミングまたは減速タイミングを中断するため、先端位置が進むことになる。このため、調整スイッチ83の調整範囲を、移動調整範囲の中央に設定しておくことによって、用紙Pの先端位置は、設定の中央位置の前後に調整することができることになる。
ROM89に設定する遅延時間の設定方法について説明する。これは、大量給紙搬送ユニット1の組み立て時に標準紙を搬送テストして停止位置を確認して、狙いの位置となる基準位置P0に停止する様に初期値を設定する。またユーザーによっては、標準紙以外の用紙サイズや紙厚などの用紙Pを搬送すると、用紙Pの停止位置が狙いの位置からずれてしまい、上手く孔版印刷装置100からの給紙ができない場合に、搬送テストを実行して停止位置を確認して、狙いの位置に停止する様に調整スイッチ83を操作すればよい。なお、遅延時間としては、調整スイッチ83を一回操作すると、所定時間毎に増減できるよう複数設定しておけばよい。
(第2の実施形態)
用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bは、大量給紙台10の上記不動部材に取付・固定されている。用紙幅センサ群132a,132bは、透過型センサである。用紙長さセンサ群131a,131bは、反射型センサである。用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bは、用紙検出手段を構成しており、用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bで検出された用紙長さサイズに係るデータ信号および用紙幅に係るデータ信号を組み合わせて制御装置85のCPU86が判断・認識することにより、最終的な用紙サイズを決定するものである。
上記した用紙サイズ検出機構では、説明の簡明化を図るため各センサの数を2個に限って図示したが、例えば図11に示したように10種類の用紙サイズを自動的に検出できるように、上記各センサを増加し付設してあるものとする。これを簡略的に表すために、用紙長さセンサ群131a,131bおよび用紙幅センサ群132a,132bと名付けたのである。この方式では、用紙幅センサ群132a,132bからの用紙幅データと、用紙長さセンサ群131a,131bからのデータの組み合わせを、予め給紙サイズのテーブルに登録されている。
大量給紙搬送ユニット1からの用紙サイズ情報としては、中間搬送ユニット4で用紙搬送中に、第1用紙幅センサ95−1から第4用紙幅センサ95−4を用いて、第7センサ50−7がオンした時に第1用紙幅センサ95−1から第4用紙幅センサ95−4の内何番目までの用紙幅センサがオンしているかをCPU86で演算することによって用紙幅を検知することができる。
大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4で搬送され用紙Pを中間搬送ユニット先端に用紙先端を停止させる時に、用紙Pの大きさによって停止位置がばらついてしまうことがある。これは、用紙Pが大きい場合には、搬送時の慣性が大きくなるために停止距離が大きくなるので停止位置が進んでしまう。逆に用紙Pが小さい場合にはこの停止距離が小さいので停止位置があまり進まない。
このように大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4で搬送され用紙Pを中間搬送ユニット先端に用紙先端を停止させる時に、用紙Pの大きさによって停止位置がバラついてしまうことがある。このため、第2モータ33−2のモータ搬送制御の減速開始タイミングを可変できるように構成し、用紙サイズが基準サイズよりも大きい場合には遅延時間を短くし、用紙サイズが小さい場合には遅延時間を長くするように設定することにより、中間搬送ユニット4の最先端部に停止する用紙Pの位置を一定にすることができる。
本形態では、用紙サイズに応じて遅延時間を可変するが、この遅延時間は予めROM89に記憶しておいても良いし、サービスやユーザーの過去のデータを変更できる様に、図示しないRAM88に遅延時間を配置しておいても良い。書き換えは、図示しない操作パネルを用いて書き換えの操作によって行えようにすればよい。
(第3の実施形態)
中間搬送ユニット4で搬送された用紙Pを中間搬送ユニット先端に用紙先端を停止させるときに、用紙Pの種類によって停止位置がバラついてしまうことがある。これは用紙Pが厚紙の場合の停止距離と薄紙の場合の停止距離が異なるため、同一の停止制御タイミングを用いると、用紙の種類によって停止位置が異なってしまうことになる。
そこで本形態は、用紙Pの種類を設定する用紙種類設定手段96を大量給紙搬送ユニット1に設け、制御手段85で、用紙種類設定手段96で設定された用紙種類情報に応じて、第モータ33−2の減速開始タイミングを制御することを特徴としている。具体的には、用紙の種類に応じた第2モータ33−2の減速タイミング、すなわち、遅延時間を設定している。ここでの遅延時間は、標準タイプの用紙種類の場合には、初期設定のタイミングで第2モータ33−2の減速を実行し、用紙が厚紙の場合には、所定のタイミングよりも遅いタイミングで第2モータ33−2の減速を開始し、用紙が薄紙の場合には、所定のタイミングよりも早いタイミングで第2モータ33−2の減速を開始するようにする。これらデータは、装置の工場出荷時に予めROM89に設定しておいてもよいし、あるいは、不揮発性のメモリに工場出荷時のデータを記憶し、大量給紙搬送ユニット1にこのデータを書き換える書換スイッチ97を設けて、機器のオペレータやサービスマンが任意に変更できるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
本形態は、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とが通信可能となるオンライン時における搬送制御に関するものである。以下、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とは図1に示すように機械的に連結され、かつ、オンラインモード状態で使用される場合の制御構成について上述したオフラインモード状態のそれと相違する点を中心に説明する。
図27は、孔版印刷装置100と大量給紙搬送ユニット1とが例えば図示しない通信ケーブルを介して通信可能に連結されたオンライン状態で使用される場合の概略の制御構成をブロック図的に示している。
孔版印刷装置100の本体筐体107には、図27に示すように、孔版印刷装置100の動作を制御するための本体制御装置140が配設されている。本体制御装置140は、内部にCPU(中央演算処理装置)141、図示しないRAM(読み書き可能な記憶装置)、図示しない計時手段としてのタイマ、図示しない記憶手段としてのROM(読み出し専用記憶装置)、大量給紙搬送ユニット1の制御装置85とシリアル通信するためのシリアルI/F(インターフェース)144(以下、単に「シリアルI/F144」という)、大量排紙ユニット200の図示しない排紙制御装置とシリアル通信するためのシリアルI/F145(以下、単に「シリアルI/F145」という)等を有し、CPU141と上記ROMとがアドレスバス、データバス(共に図示せず)で接続されると共に、CPU141と上記RAMと上記タイマとシリアルI/F144とシリアルI/F145とがそれぞれ図示しない信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。本体制御装置140は、本体筐体107内に配置された図示しない制御基板に設けられている。
本体制御装置140には、図27ではその図示を省略しているが、適正高さセンサ126、用紙有無センサ127や用紙長さセンサ128、あるいは給紙モータ122、共に図示しないレジストモータやメインモータ等の入出力に係る制御構成が入力ポートや出力ポート(共に図示せず)等を介して接続されている。
大量給紙搬送ユニット1側の制御装置85にも、本体制御装置140とシリアル通信するためのシリアルI/F97(以下、単に「シリアルI/F97」という)が配設されている。制御装置85には、図27ではその図示を省略しているが、図14に示したと同様の各センサや各モータあるいは各ソレノイド等の入出力に係る制御構成が入力ポート92や出力ポート93(図27には図示せず)等を介して接続されている。
本体制御装置140は、大量給紙搬送ユニット1がシリアル通信可能に接続されていると認識すると、オンラインモードに係る動作(以下、「オンライン動作」という)を行うように孔版印刷装置100の各制御対象手段を制御する。制御装置85は、孔版印刷装置100がシリアル通信可能に接続されていると認識すると、オンライン動作を行うように大量給紙搬送ユニット1の各制御対象手段を制御する。従って、大量給紙搬送ユニット1と孔版印刷装置100とがオンラインモードで使用される場合の制御構成は、それらがオフラインモードで使用されることがある場合の制御構成と比較して、第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4を具備すると共にオフライン時の制御装置85の上記機能に加えて以下の機能を有することが主に相違する。
本体制御装置140(CPU141)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上および第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4上への1枚の用紙Pの搬送が終了したイニシャル時に、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび各用紙幅センサ95−1〜95−4からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)のサイズと比較して、イニシャル時以降に搬送される用紙Pについて判断される用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)が異なると制御装置85からコマンドが送信されたとき、本体給紙ローラ111がイニシャル時以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御する制御手段としての機能を有する。
オンラインモードにあるから、本体制御装置140(CPU141)の上記機能を制御装置85に分担させてもよい。すなわち、制御装置85(CPU86)は、オンラインモードにある場合、第1〜第9センサ50−1〜50−8上および第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4上への1枚の用紙Pの搬送が終了したイニシャル時に、各センサ50−1〜50−8からの信号に基づいて判断した用紙長さサイズおよび各用紙幅センサ95−1〜95−4からの信号に基づいて判断した用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)のサイズと比較して、イニシャル時以降に搬送される用紙Pについて判断される用紙長さサイズおよび用紙幅サイズのうちの少なくとも一方(本実施形態例では両方)が異なるとき、本体給紙ローラ111がイニシャル時以降に搬送される用紙Pの搬送を停止するように給紙モータ122を制御するコマンド(指令信号)を本体制御装置140に送信する。これにより、制御装置85(CPU86)は、本発明の制御手段としての機能を有する。
オンラインモード時において、孔版印刷装置100をオンライン動作・制御するために用いる用紙サイズ検知は、本体給紙台110側に配設された用紙長さセンサ128からの用紙サイズ検知信号を使用しないで、大量給紙搬送ユニット1の制御装置85から送信される用紙サイズ検知データに係るコマンド(指令信号)を用いる。また、オンラインモード時において、用紙有無検知は、本体給紙台110側に配設された用紙有無センサ127からの用紙有無検知信号を使用しないで、大量給紙搬送ユニット1の制御装置85から送信される用紙有無検知に係るコマンド(指令信号)を用いる。制御装置85による用紙有無のコマンドは、大量給紙台10に配設されている用紙有無センサ66からの用紙有無検知信号や各センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズおよび用紙有無に係る信号を用いて、用紙有りのときには用紙有りコマンドを、用紙無しのときには用紙無しコマンドを一定間隔で各シリアルI/F94、144を介して本体制御装置140のCPU141へ送信する。
用紙サイズ検知には、上述したように用紙長さサイズ検知と用紙幅サイズ検知とがある。図28は、用紙長さサイズ検知に係るフローチャートを、図29は用紙幅サイズ検知に係るフローチャートをそれぞれ表しており、それらサイズの検出例は上述したとおりである。図28および図29のフローチャートの詳細説明は、自明事項に属することからその説明を省略する。
第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4の配置位置は、初期化用の1枚の用紙Pを含め初期化時以降に搬送される用紙Pが初期位置P0を占めたときにその用紙Pの用紙幅サイズを検出可能な図12および図13に示した位置に限らず、例えば中間搬送路18を搬送中の用紙Pの用紙幅サイズを検出できるような位置であってもよい。また、用紙幅センサの種類としては、上述したような複数個のセンサでなく、用紙幅を検出できる密着イメージセンサ等でもよい。これは、用紙長さを検出するセンサについても同様である。
本実施形態では、第1〜第8センサ50−1〜50−8による用紙長さサイズ検知と第1用紙幅センサ〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4による用紙幅サイズ検知とが同時的に行われ、これらのオン/オフ信号の組み合わせに基づいて、制御装置85は最終的な用紙サイズを正確に判断・認識することとなる。
次に、図27〜図31を用いて大量給紙搬送ユニット1が図1に示す接続位置を占めていて、オンラインモードにある場合の装置全体の動作について、オフラインモードにある場合と相違する点を中心に説明する。
先ず、図30(b)に示すように大量給紙搬送ユニット1側の電源スイッチ80の投入・オンと、図30(a)に示すように孔版印刷装置100に配設されている図示しない電源スイッチの投入・オンとの先後は問わないものの、各電源からの電力の供給がそれぞれ独立になされる。
次いで、孔版印刷装置100側と大量給紙搬送ユニット1側との動作の順番は問わないが、孔版印刷装置100側では上記製版スタートキーが押下されオンされたか否かが、大量給紙搬送ユニット1側ではイニシャルスイッチ81が押下されオンされたか否かがそれぞれ本体制御装置140、制御装置85によって判断される。オンラインモードでは、イニシャルスイッチ81がオンされただけではオフラインモードで説明したようなイニシャル処理動作は自動的に実行されず、必ず、これに加えて上記製版スタートキー・オンにより生成されるスタート信号がトリガとなって、そのスタート信号に係るコマンドが制御装置85に入力されることによってイニシャル処理動作が自動的に実行される。イニシャルキーを設けてオフラインと同様のイニシャル処理動作を行ってもよい(手動動作)。
初期セット用の1枚の用紙P(説明の簡明化のため前用紙P1とする)の先端がイニシャル位置を占めたことが、第8センサ50−8からの用紙有り信号で検知されると、第1〜第3モータ33−1〜33−3がオフされる。そして、初期セット用の1枚の用紙Pの先端が、本体給紙部104の前面板124の略手前位置で停止してイニシャル位置を占めると、イニシャル動作が終了する。この時、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は前用紙P1の用紙サイズを判断・認識すると共に、その用紙サイズに係るデータはRAM87に一時的に記憶される。
この時、用紙Pの先端が第8センサ50−8を通過した時点で、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオフ(復帰)して用紙有りとなる。従って、中間搬送路18の用紙Pが無い場合は、用紙有無センサ用ソレノイド72−2はオンすることとなる。用紙有無センサ用ソレノイド72−2がオフのままであり、用紙長さセンサ用ソレノイド72−1がオフのままであることにより、孔版印刷装置100側の本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128が各シャッタ71−2,71−1で遮蔽されたままである。これにより、あたかも本体給紙台110の用紙有無センサ127および用紙長さセンサ128上に用紙が積載されているものとして騙される。
オフラインの場合には、センサを騙すシャッタは必ずしも必要でなく、大量給紙搬送ユニットからの情報によって動作するようにしてもよい(オフラインの場合は、大量給紙搬送ユニット側の情報を孔版印刷装置本体側の制御装置へ伝達することができないため、センサを騙すシャッタにより用紙の有無や用紙サイズ情報を孔版印刷装置本体側の制御装置へ伝達することを行っている)。
一方、孔版印刷装置100側では、上記スタート信号がトリガとなって、上記排版動作、原稿画像読取動作、製版・給版動作終了と同時に試し刷りとも呼ばれる版付けもしくは版付け印刷が通常1枚だけ行われる。この際、大量給紙搬送ユニット1の中間搬送ユニット4からは上述したとおりの詳細な用紙搬送制御によって1枚の前用紙P1が搬送され、孔版印刷装置100側での上述した動作によって版付け印刷が行われる。
この後、上記印刷スタートキーを押下することによって、セットされた印刷枚数分に対応した中間搬送ユニット4を介しての連続用紙搬送時において、次用紙P2がイニシャル位置に停止した時に、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は次用紙P2の用紙サイズを判断し認識すると共に、RAM87に記憶されている前用紙P1の用紙サイズに係るデータを呼び出して、両者を比較する。この比較結果、両者の用紙サイズが同じならば給紙モータ122をオンし本体給紙ローラ111の回転駆動によって次用紙P2の搬送を継続し、違っていた場合には給紙モータ122をオフすることで本体給紙ローラ111の回転駆動を停止・中断させると共に、本体制御装置140にジャムのコマンドを送信する。
この際、本体制御装置140からの指令により、孔版印刷装置100の上記操作パネルに配設された報知手段あるいは表示手段としてのLCD(液晶表示装置)の表示部などに「搬送ジャム」や「エラー」のメッセージ表示による報知、あるいはLED(発光ダイオード)の点灯・点滅による「搬送ジャム」や「エラー」の警告表示による報知をさせることによって、用紙の搬送を何故中断したかをユーザーに知らせるようにしてもよい。また、大量給紙搬送ユニット1側に、上記操作パネルと同様の報知手段あるいは表示手段を配設して、「搬送ジャム」や「エラー」の警告表示による報知をさせることによって、用紙の搬送を何故中断したかをユーザーに知らせるようにしてもよい。以下、上記報知手段による説明は、後述する各実施形態等でも同様である。
本実施形態によれば、上述したように例えば大量給紙台10上に積載された用紙P中に所望する印刷物に対応した用紙サイズ(製版・印刷サイズ)よりも小さいサイズの用紙が混載していた場合でも、用紙サイズを1枚ごとに正確に検出して判別することができて、その用紙サイズがイニシャル時に検出した初期セット用の用紙サイズデータと異なるとき、本体給紙手段による用紙搬送を停止させるので、特にイニシャル時以降に搬送される用紙の用紙サイズがイニシャル時に検出した用紙サイズデータよりも小さい場合に発生する不具合、すなわちプレスローラや圧胴の外周面にインキが転移して印刷されてしまうことで、次に給送されてくる用紙がプレスローラや圧胴の外周面上のインキに貼り付いてジャムを起こしたり、あるいはジャムに至らなくても順次給送されてくる用紙の裏面をインキで汚したり、あるいはプレスローラや圧胴の外周面上のインキが経時的に堆積して飛散ないしは落下等することで機械内部を汚してしまったり、さらに印刷した用紙が排紙できずにジャムを起こしたりするという不具合を未然に防止できる。これによって、用紙サイズの異なる用紙が印刷時に搬送されて印刷されてしまうことで発生する用紙の汚れを未然に防止するとともに、ジャムによる機械停止をも未然に防止できる。
初期セット用の1枚の用紙P(前用紙P1)や、これに連続して搬送される数枚のみが、所望する印刷物に対応した用紙サイズ(製版・印刷サイズ)と異なる場合が想定されるが、このような場合、通常、ユーザーが大量給紙台10に用紙Pを積載する場合や補充したときに一番上に有ることから視認できるものであり、このような場合に上記不具合が発生することは極めて稀であると考えられることおよび次の理由により問題にならないと考えられる。する場合や
このような場合、孔版印刷装置100が比較的高級グレードに属するものにあっては、通常、本体制御装置140によって上記不具合発生を防止するため、印刷ドラム上に巻装されていて印刷に用いられる感熱孔版マスタのサイズ(製版・印刷サイズ)に対応して使用可能な用紙サイズを常に監視・制御されている(但し、例えば本体給紙台110上に積載されている用紙束の用紙サイズを検出していて、本発明のように搬送される用紙P1枚ごとの用紙長さサイズおよび用紙幅サイズ(用紙サイズ)を検出して制御するものではない)から、これを利用するとよい。すなわち、例えばイニシャル時に検出された初期セット用の用紙サイズが製版・印刷サイズと異なる場合(特に用紙搬送方向や用紙幅方向に小さいときが問題になる)、本体制御装置140から制御装置85に送信される製版・印刷サイズに対応した用紙サイズデータ信号に基づいて、給紙モータ122をオフすることで本体給紙ローラ111の回転駆動を停止・中断させる制御を実行させる。これにより、初期セット用の1枚の用紙P(前用紙P1)が本体給紙ローラ111によって印刷部102に搬送されることが防止される。以下、このような制御方式を製版・印刷サイズ制御方式と名付ける。
製版・印刷サイズ制御方式を具備する孔版印刷装置100にあっては、上記動作例に限らず、第1〜第8センサ50−1〜50−8からの用紙長さサイズ検知に係る信号と第1〜第4用紙幅センサ95−1〜95−4からの用紙幅サイズ検知に係る信号とに基づいて、制御装置85は次用紙P2の用紙サイズを判断し認識すると共に、RAM87に記憶されている前用紙P1の用紙サイズに係るデータを呼び出して両者を比較する動作に代えて、RAM87に記憶されている前用紙P1の用紙サイズに係るデータを使用せずに、本体制御装置140から制御装置85に送信される製版・印刷サイズに対応した用紙サイズデータを一旦RAM87に記憶しこれを呼び出して比較するようにしてもよい。
本形態の場合、本体制御装置140の不揮発性メモリ146には、大量給紙搬送ユニット1側での用紙Pの停止位置調整データ情報となる遅延時間データが格納されていて、このデータを用いて第2モータ33−2の減速開始タイミングを可変として、中間搬送ユニット4の最先端部に停止する用紙Pの位置を調整可能としている。
すなわち、本形態では、オンラインモードとなると、孔版印刷装置100の本体制御装置140に格納されている停止位置調整データ情報を孔版印刷装置100から大量給紙搬送ユニット1に送信することによって、大量給紙搬送ユニット1の制御手段85のRAM87の停止位置調整用データエリアに孔版印刷装置100側で設定された設定値を受信して格納するようになっている。孔版印刷装置100から大量給紙搬送ユニット1ヘのデータの送信タイミングは、電源オン時や印刷開始前などに実施すれば良い。
孔版印刷装置100側の停止位置調整用データの書き換えは、孔版印刷装置100の図示しない操作パネルに設けれ、本体制御手段140に接続された調整スイッチ83を用いて行なわれ、電源をオフしても消えることはない。中間搬送ユニット4で搬送された用紙Pを中間搬送ユニット先端に用紙先端を停止させる時に、上記形態で説明したように(図23参照)に、第7センサ50−7がオンしてから、第2モータ53−2の減速を開始すると、用紙停止位置にバラツキができることが懸念されること、このため、本形態においても、図24に示すように、第7センサ50−7がオンしてから第2モータ3−2の減速を開始する間にディレイタイマー処理を行うディレイタイマー84を設ける。このディレイタイマー84は、上述したように設定されたデータの時間動作を中断するように機能する。
本形態においては、停止位置調整用データとは遅延時間であり、その時間分だけ遅らせて第2搬送ローラ32−2の回転を停止させることによって、第8センサ50−8がオンしたところで用紙搬送動作を完全に終了させることができる。これによって、分離搬送された用紙Pの先端は、第8センサ50−8がオンした状態で停止することができる。すなわち、基本となる停止位置P0に停止させることができるので、孔版印刷装置100への給紙の安定化を図ることができる。また、用紙サイズを第1センサ50−1から第8センサ50−8を用いて行う場合には、停止位置の安定により、検知精度を高めることができ誤検知を低減することができる。
つまり、本形態の制御において、制御手段85は、孔版印刷装置100の記憶部となるRAM146に記憶されている用紙停止位置情報となる遅延時間に応じて、第2モータ33−2の減速開始タイミングを制御することになる。このため、中間搬送よユニット4で搬送されてきた用紙Pの先端位置は、遅延時間だけ減速動作開始時期、すなわち第2モータ33−2のオフタイミングまたは減速タイミングを中断するため、先端位置が進むことになる。遅延時間の調整範囲を、移動調整範囲の中央に設定しておくことによって、用紙Pの先端位置は、設定の中央位置の前後に調整することができることになる。
(第5の実施形態)
本形態は、オンラインモードにかかる制御であって、用紙サイズ情報を大量給紙搬送ユニット1側から取得するものではなく、孔版印刷装置100側から取得し、その用紙サイズ情報に応じて、第2モータ33−2の減速開始タイミングを制御するものである。
本形態において、本体制御手段140には、用紙長さ情報と用紙幅情報から用紙サイズを判別する用紙サイズテーブルが設定されている。このテーブルでの判断に用いる用紙長さ情報としては、大量給紙搬送ユニット1側の第1センサ〜第8センサ50−1〜50−8の検知情報または図26に示す大量給紙台10の用紙長さセンサ131a,131bの検知情報のオンラインで取得する。用紙幅情報としては、第1用紙幅センサ95−1〜第4用紙幅センサ95−4の検知情報または図26に示す用紙幅センサ132a,132bの検知情報をオンラインで取得する。
このような方式においては、用紙サイズを判断するための用紙サイズテーブルを孔版印刷装置100側が備えているので、孔版印刷装置100側でこのテーブルの条件を変更することができる。例えば、日本においては、JIS規格で設定されるが、北米等においてはインチサイズ用のデータテーブルを用いて、中国の場合には中国系の用紙サイズテーブルをそれぞれ予め、不揮発性メモリ146に格納しておき、日のデータテーブルを孔版印刷装置100で適宜選択するようにすればよい。本形態においては、用紙サイズに応じた停止位置調整用データとなる遅延時間が不揮発性メモリ146に記憶されていて、このデータはオンライン時にメモリ87に送信される。
中間搬送ユニット4で搬送され用紙Pを中間搬送ユニット先端に用紙先端を停止させる時に、用紙Pの大きさによって停止位置がバラついてしまうことがあるが、第2モータ33−2のモータ搬送制御の減速開始タイミングを用紙サイズに応じて可変できるように構成する。具体的には、用紙サイズが基準サイズよりも大きい場合には遅延時間を短くし、用紙サイズが小さい場合には遅延時間を長くするように設定している。
つまり、本形態の制御において、制御手段85は、孔版印刷装置100の不揮発性メモリ146に記憶されている用紙サイズに応じた用紙停止位置情報となる遅延時間に応じて、第2モータ33−2の減速開始タイミングを制御することになる。このため、中間搬送ユニット4で搬送されてきた用紙Pの先端位置は、用紙サイズに応じて遅延時間だけ減速動作開始時期、すなわち第2モータ33−2のオフタイミングまたは減速タイミングを中断するため、用紙サイズが基準サイズよりも大きい場合には停止が早く、用紙サイズが小さい場合には停止が遅くなり、中間搬送ユニット4の最先端部に停止する用紙Pの位置を一定にすることができる。遅延時間の調整範囲を、移動調整範囲の中央に設定しておくことによって、用紙Pの先端位置は、設定の中央位置の前後に調整することができることになる。
(第6の実施形態)
本形態は、制御手段85が、孔版印刷装置100と通信可能となるオンライン時に、孔版印刷装置100に設定されている用紙種類情報に応じて、第2モータ33−2の減速開始タイミングを制御することを特徴としている。
本形態において、孔版印刷装置100には、図32に示す用紙種類を設定するための用紙種類設定手段としての用紙種類スイッチ150が設けられている。用紙種類スイッチ150は、標準厚さの用紙の場合に操作するスイッチ150aと、標準厚よりも薄い用紙の場合に操作するスイッチ150bと、標準厚よりも厚い用紙の場合に操作するスイッチ150cとを備えていて、本体制御装置140と信号線で接続されている。
本体制御装置140では、用紙種類スイッチ150の何れかが操作されると、その選択された用紙種類に対応するモードがそれぞれ設定される。各モードが設定されると、給紙分離圧設定、給紙圧設定変更や、給紙モータ122の速度変更、図示しない排紙ジャシプ台の角度変更などの設定が用紙種類に応じて設定されている。例えば、用紙が薄い場合には、給紙分離圧や給紙圧、給紙モータ122の速度を標準圧の場合よりも高く設定し、用紙が厚い場合には、給紙分離圧や給紙圧、給紙モータ122の速度を標準圧の場合よりも低く設定する。これらモードデータは、図31に示す不揮発性メモリ146に予め用紙種類データとして格納されている。本形態においても、用紙種類スイッチ150の操作によって選択された用紙種類データは不揮発性メモリ146に記憶され、オンライン時にメモリ87に送信される。
本形態において、制御手段85は、送信された用紙種類データが標準厚の場合には、初期設定のタイミングで第2モータ33−2の減速を実行し、用紙種類データが厚紙の場合には、所定のタイミングよりも遅いタイミングで第2モータ33−2の減速を開始し、用紙種類が薄紙の場合には、所定のタイミングよりも早いタイミングで第2モータ33−2の減速を開始するようにする。
つまり、本形態の制御において、制御手段85は、孔版印刷装置100の不揮発性メモリ146に記憶された用紙種類データに応じた用紙停止位置情報となる遅延時間に応じて、第2モータ33−2の減速開始タイミングを制御することになる。このため、中間搬送ユニット4で搬送されてきた用紙Pの先端位置は、用紙サイズに応じて遅延時間だけ減速動作開始時期、すなわち第2モータ33−2のオフタイミングまたは減速タイミングを中断するため、用紙が基準厚よりも薄い場合には停止が遅く、用紙が標準厚よりの厚いには停止が早くなり、中間搬送ユニット4の最先端部に停止する用紙Pの位置を一定にすることができる。遅延時間の調整範囲を、移動調整範囲の中央に設定しておくことによって、用紙Pの先端位置は、設定の中央位置の前後に調整することができることになる。
(第7の実施形態)
本形態は、制御手段85が、孔版印刷装置100とのオンライン時に、孔版印刷装置100に設定されている印刷速度情報に応じて、第2モータ33−2の減速開始タイミングを制御することを特徴としている。
孔版印刷装置100の図示しない操作パネルには、印刷速度を設定するための速作設定キー151が設けられている。この速度設定キー151は、図33に示すように本体制御手段140と信号線によって接続されている。本体制御手段140は、速度設定キー151によって印刷速度が設定されると、その印刷速度で印刷か実行できるように孔版印刷装置100の各部の動作を制御する。これら印刷速度に対応した各部への制御用データは予め不揮発性メモリ146に格納されている。この速度設定キー151で設定された印刷速度情報は、不揮発性メモリ146に記憶され、オンライン時にメモリ87に送信される。孔版印刷装置100から大量給紙搬送ユニット1へのデータの送信タイミングは、印刷開始前やドラム回転毎などに実施すれば良い。
本形態において、孔版印刷装置100と大量給紙搬送ユニット1とはオンライン状態となると、相互の情報を通信するように構成されている。この通信情報の中には孔版印刷装置の印刷速度情報も含まれている。制御装置85は、印刷情報が入力されると、その印刷速度に対応したタイミングで大量給紙搬送ユニット1から孔版印刷装置100へ用紙Pを供給可能とするために、第1モータ33−1及び第2モータ33−2の駆動を制御して用紙搬送速度を調整するようになっている。このため、孔版印刷装置100から送信される印刷速度情報が基準速度にし対して早い場合には、第1モータ33−1及び第2モータ33−2の回転速度を早くし、印刷速度情報が基準速度にし対して遅い場合には、第1モータ33−1及び第2モータ33−2の回転速度を遅くするように制御する。
このため、印刷速度が早くなると、中間搬送ユニット4を移動する用紙Pの慣性力が大きく基準のタイミングで第2モータ33−2をオフさせても、用紙の慣性力によって基本となる停止位置P0よりも進んで停止する。印刷速度が遅くなると、中間搬送ユニット4を移動する用紙Pの慣性力は小さくなるので基準のタイミングで第2モータ33−2をオフさせても、基本となる停止位置P0の手前で停止することが考えられる。
そこで制御手段85は、送信された印刷速度情報が標準速度よりも早い場合には、第2モータ33−2の減速開始タイミングを早くし、送信された印刷速度情報が標準速度よりも遅い場合には、第2モータ33−2の減速開始タイミングを遅くするように制御する。つまり、制御手段85は、印刷速度情報が早い場合には、遅延時間を短くして所定のタイミングよりも早く第2モータ33−2の減速を開始し、印刷速度情報が遅い場合には、遅延時間を長くして所定のタイミングよりも遅く第2モータ33−2の減速を開始する。
このため、孔版印刷装置100側の印刷速度が変動し、それに伴い中間搬送ユニット4で搬送される用紙Pの搬送速度が変動しても、用紙Pの先端位置は、印刷速度に応じた遅延時間だけ減速動作開始時期、すなわち第2モータ33−2のオフタイミングまたは減速タイミングを中断されるので、印刷速度が基準速度よりも早い場合には停止が早く、印刷速度が遅い場合には停止が遅くなり、中間搬送ユニット4の最先端部に停止する用紙Pの位置を一定にすることができる。遅延時間の調整範囲を、移動調整範囲の中央に設定しておくことによって、用紙Pの先端位置は、設定の中央位置の前後に調整することができることになる。