JP4151103B2 - シロールジボロン酸化合物、シロール共重合体及びそれらの製造方法並びにシロール誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光機能材料、電子機能材料等の合成原料として使用されるシロールジボロン酸化合物及びその製造方法に関する。また、本発明は、光機能材料、電子機能材料等としての用途が期待できるシロール共重合体及びシロール誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
π電子系有機化合物を光機能材料や電子機能材料に応用しようとする試みは、多種多彩で多くの研究機関で行われている。これらの中で代表的な化合物群の1つとして、基本構造にヘテロ5員環構造を持つ1群のπ電子系有機化合物、例えばチオフェンあるいはピロールなどが知られている。しかしながら、これらの大部分のヘテロ5員環は電子供与性であるため、その特徴から材料への応用に制限があった。このため、電子受容性の化合物が求められていた。
【0003】
最近、ヘテロ元素がケイ素であるシラシクロペンタジエン環(シロール環)が電子受容性を示すことが報告され、種々の機能性材料への応用が予測されている。例えば、特開平6−100669号では導電性重合体への応用の可能性が示され、特開平6ー166746号では光機能性材料への応用の可能性が示されている。また、日本化学会第70春季年会講演予稿集IIの700ページ(2D102)及び701ページ(2D103)、日本化学会第71秋季年会講演予稿集の32ページ(2P1α21及び2P1α22)には、シラシクロペンタジエン誘導体を有機EL素子に応用した例が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように種々の機能性材料にシラシクロペンタジエン誘導体を応用する場合、目的に応じてシラシクロペンタジエン誘導体に様々な置換基を導入することは、化合物の性質をコントロールすることに繋がり、結果として機能性材料の性能が向上するために、非常に重要な技術の1つと考えられる。
【0005】
ところが、従来のシラシクロペンタジエン誘導体の合成法は、ケミカルレビュウ、90巻、215〜263ページ、1990年(Chem. Rev., 90, 215-263(1990))及びその参考文献、あるいはオルガノメタリックス、14巻、1089〜1091ページ、1995年(Organometallics, 14, 1089-91(1995))に記載されているように特定のものに限定されており、種々の誘導体を自由に合成することはできなかった。
【0006】
そこで、新規合成法として、特開平9−194487、特開平7−179477及び特開平7−300489には、2,5位に反応性の置換基を導入したシロール誘導体の合成が開示されている。しかしながら、これらに記載の方法では、過剰に用いた金属錯体を消費するために用いるシリルクロライドに由来する副生成物が生じ、最終的に得られるシロール誘導体の精製を困難にさせる欠点があった。
【0007】
一方、光機能材料、電子機能材料等としての用途が期待できるシロール−チオフェン共重合体が、特開平6−166746及び特開平6−100669に開示されているが、これらに記載の共重合体はシロールとチオフェンの1対1の共重合体ではなく、チオフェンが過剰になっていた。また、これらに記載の製造法では、シロールとチオフェンの1対1の交互共重合体を合成することは不可能であった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、光機能材料、電子機能材料あるいはそれらの合成原料等として使用できるπ電子系化合物や共重合体を自由にかつ収率良く合成することが可能なシロールジボロン酸化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、光機能材料、電子機能材料等としての用途が期待できるシロール共重合体及びその製造方法並びにシロール誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するため、下記の第1〜第5発明を提供する。
第1発明
下記式(I)
【化11】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示す。]
で示されるシロールジボロン酸化合物。
【0010】
第2発明
下記式(II)
【化12】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示す。]
で示されるジエチニルシラン化合物にホウ素化合物を作用させて、下記式(I)
【化13】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示す。]
で示される化合物を得ることを特徴とするシロールジボロン酸化合物の製造方法。
【0011】
第3発明
下記式(III)
【化14】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、Arはアリーレン基又は2価のヘテロ環基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子又は下記式
【化15】
で示される基(ただし、Y1は水素原子又はB(OH)2である)を示し、Yは水素原子、B(OH)2又はArX1(ただし、X1は水素原子又はハロゲン原子である)を示す。nは1以上の数である。]
で示されるシロール共重合体。
【0012】
第4発明
下記式(I)
【化16】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示す。]
で示されるシロールジボロン酸化合物にジハロゲン化合物を作用させて、下記式(III)
【化17】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、Arはアリーレン基又は2価のヘテロ環基を示し、Xは水素原子、ハロゲン原子又は下記式
【化18】
で示される基(ただし、Y1は水素原子又はB(OH)2である)を示し、Yは水素原子、B(OH)2又はArX1(ただし、X1は水素原子又はハロゲン原子である)を示す。nは1以上の数である。]
で示される化合物を得ることを特徴とするシロール共重合体の製造方法。
【0013】
第5発明
下記式(I)
【化19】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示す。]
で示されるシロールジボロン酸化合物にハロゲン化合物を作用させて、下記式(IV)
【化20】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、R3及びR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基又はシリル基で置換されていてもよい、アルキル基又はアリール基を示し、Arはアリール基又はヘテロ環基を示す。]
で示される化合物を得ることを特徴とするシロール誘導体の製造方法。
【0014】
この場合、式(I)〜(III)の化合物において、R1及びR2のアルキル基としては、炭素数1〜10のもの、特に1〜6のものが好ましい。R1及びR2のアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、アニシル基が特に好適である。また、R1及びR2のアルキル基又はアリール基における置換基としては、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基、シリル基が挙げられる。
【0015】
式(I)〜(III)の化合物において、R3及びR4のアルキル基としては、炭素数1〜10のもの、特に1〜6のものが好ましい。また、R3及びR4のアルキル基における置換基としては、アルキル基、アルコシキ基、アリール基、アリールオキシ基、シリル基が挙げられる。
【0016】
式(III)の化合物において、Xのハロゲン原子としては、臭素、塩素、ヨウ素が特に適当である。また、nは1〜10000、特に10〜1000であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
第2発明では、式(II)のジエチニルシラン化合物にホウ素化合物を作用させて、式(I)のシロールジボロン酸化合物を得る。この場合、ホウ素化合物としては、例えばビス(ジエチルアミノ)ボリルクロライドを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ベンゼン、トルエン等の任意のものを使用することができる。反応温度は、特に制限はないが、通常、−78℃〜室温程度が好ましい。
【0018】
より具体的には、第2発明では、例えば後述する合成例1に示すように、式(II)のジエチニルシラン化合物のLDMAN(リチウムジメチルアミノナフタレニド)を用いた分子内還元的環化反応により、2,5−ジリチオシロールを得、これをジアミノクロロボランで捕捉した後、加水分解することにより、式(I)のシロールジボロン酸化合物を得ることができる。
【0019】
第3発明の共重合体の末端部分については、確認することが困難であるため、特定することが難しいが、第3発明の共重合体では、両末端にシロール環が存在してもよく、両末端にArが存在してもよく、一方の末端にシロール環、他方の末端にArが存在してもよい。また、重合性の反応部位についても、ボロン酸又はハロゲンのまま停止しているか、それらが水素に置き換わっていることが推測される。
【0020】
第4発明では、式(I)のシロールジボロン酸化合物にジハロゲン化合物を作用させて、式(III)のシロール共重合体を得る。この場合、ジハロゲン化合物としては、例えば2,5−ジブロモチオフェンを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、反応溶媒、反応温度については前記と同様である。
【0021】
第5発明では、式(I)のシロールジボロン酸化合物にハロゲン化合物を作用させて、式(IV)のシロール誘導体を得る。この場合、ハロゲン化合物としては、例えば3−ブロモピリジンを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、反応溶媒、反応温度については前記と同様である。
【0022】
より具体的には、第4発明及び第5発明では、例えば後述する合成例2〜4に示すように、Pd(0)触媒を用いた式(I)の化合物と臭化アリールとのクロスカップリング反応により、一連の2,5−ジアリールシロールを良好な収率で得ることができる。また、例えば後述する合成例5に示すように、ジブロモチオフェンとのカップリング反応により、これまで合成が不可能であったシロール−チオフェン交互共重合体を得ることができる。
【0023】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。以下の合成例で使用した原料化合物あるいは合成した化合物は次の通りである。したがって、合成例1が第1及び第2発明の実施例であり、合成例2〜4が第5発明の実施例であり、合成例5が第3及び第4発明の実施例である。なお、以下の記述において、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。
【0024】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0025】
ただし、前記式(IIIa)のシロール−チオフェン共重合体において、Xは水素原子、ハロゲン原子又は下記式
【化27】
で示される基(ただし、Y1は水素原子又はB(OH)2である)を示し、Yは水素原子、B(OH)2又は下記式
【化28】
で示される基(ただし、X1は水素原子又はハロゲン原子である)を示す。
【0026】
(合成例1)1,1−ジエチルシロール−2,5−ジボロン酸の合成(式(Ia)の化合物)
ナフタレン(15.4g,12mmol)及び粒状リチウム(82mg,12mmol)のTHF(9ml)溶液を、アルゴン下において室温で6時間撹拌した。得られた濃い緑色のリチウムナフタレナイド溶液に、式(IIa)で示されるジエチニルシラン(0.87g,3mmol)のTHF(5ml)溶液を室温で加えた。同温度で5分間撹拌した後、混合物を−78℃に冷却した。混合物に、トリフェニルシリルクロライド(1.77g,6mmol)のTHF(5ml)溶液を添加した。同温度で1時間撹拌した後、ビス(ジエチルアミノ)ボリルクロライド(1.14g,6mmol)のTHF(5ml)溶液を加えた。混合物を6時間で室温に加温した。生じた白色の沈殿物を濾去し、濾液を濃縮した。混合物をEt2Oに溶解し、1N塩酸水溶液で加水分解した。Et2Oで抽出した後、抽出混合物を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。混合物にヘキサンを加え、シロールジボロン酸及びトリフェニルジシロキサンの混合物である沈殿物を濾過して採取した。この操作を3回繰り替えした後、全沈殿物を1,2−ジクロロエタンに溶解した。混合物を濾過したところ、不溶分として分光的に純粋な式(Ia)の化合物(500mg,1.32mmol)が収率44%で得られた。
【0027】
その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3)δ1.01−1.05(m,10H),6.90−7.00(m,4H),7.15−7.20(m,6H).
【0028】
(合成例2)1,1−ジエチル−2,5−ジ(3−ピリジル)シロール(式(IVa)の化合物)の合成
式(Ia)の化合物(189mg,0.5mmol)と3−ブロモピリジン(158mg,1.0mmol)との混合物及びNa2CO3(106mg,1mmol)に、Pd2(dba)3・CHCl3(26mg,0.025mmol)及びPPh3(26mg,0.1mmol)のTHF(3.5ml)溶液を室温において加えた。1mlの水を添加した後、混合物を撹拌下において42時間環流した。1H−NMRによって反応の完了を確認した後、水を添加し、混合物をEt2Oで抽出した。エーテル層を1N塩酸水溶液で抽出した。水層を1N水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、Et2Oで抽出した。有機層抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥した後、濾過した。濾液をロータリーエバポレーションにより濃縮したところ、純粋な式(IVa)の化合物(204mg,0.46mmol)が収率92%で得られた。
【0029】
その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3)δ0.98−1.05(m,10H),6.74−6.80(m,4H),6.95−7.15(m,10H),8.20−8.30(m,4H).
【0030】
(合成例3)1,1−ジエチル−2,5−ジフェニルシロール(式(IVb)の化合物)の合成
合成例2において、3−ブロモピリジンをブロモベンゼンに代えたこと以外は、合成例2に準ずる方法で式(IVb)の化合物を合成した。収率は93%であった。
【0031】
(合成例4)1,1−ジエチル−2,5−ジ(2−チエニル)シロール(式(IVc)の化合物)の合成
合成例2において、3−ブロモピリジンを2−ブロモチオフェンに代えたこと以外は、合成例2に準ずる方法で式(IVc)の化合物を合成した。収率は97%であった。
【0032】
(合成例5)式(IIIa)のシロール−チオフェン共重合体の合成
合成例2において、3−ブロモピリジンを2,5−ジブロモチオフェンに代えたこと以外は、合成例2に準ずる方法で式(IIIa)のシロール−チオフェン共重合体を合成した。収率は83%であった。得られたポリマーの分子量は、ポリスチレン換算でMw=6900、Mn=3500であった。
【0033】
(比較合成例)1,1−ジメチル−2,5−ジ(3−ピリジル)−3,4−ジフェニルシラシクロペンタジエンの合成
ナフタレン2.56gの入った50ml二口フラスコ内をアルゴンガスで置換後、フラスコ内にリチウム140mg及びTHF15mlを加えた。4時間撹拌した後、合成例1で得られたシラン誘導体1.3gを滴下した。続いて10分後に0℃まで冷却後、ターシャリーブチルジフェニルシリルクロライド2.75gを加え、20分撹拌後、塩化亜鉛のテトラメチルエチレンジアミン錯体5.05gを添加した。反応温度を室温に戻し、3ーブロモピリジン1.9gとビストリフェニルフォスフィンジクロロパラジウム175mgを加え、16時間還流した。析出した固体を濾過後、反応溶液を濃縮した。これに1N塩酸とエーテルを加え、水層に抽出した。水層を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にした後、エーテルにて抽出し、さらに水で洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥し濃縮した。ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒から再結晶を行い、目的化合物を得た。収率は33%であり、合成例2に比べて収率は低かった。
【0034】
その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3)δ0.50(s,6H),6.75−6.80(m,4H),6.95−7.06(m,8H),7.06−7.12(m,2H).
【0035】
(応用例)
25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITOを蒸着法にて100nmの厚さで製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板を市販のスピンナーに固定し、合成例5で得られたシロール−チオフェン共重合体のクロロフォルム溶液を基板表面に滴下した。5000rpmの回転速度で、基板にシロール−チオフェン共重合体をスピンコートした。次いで、この共重合体を塗布した基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホルダーに固定し、石英製のるつぼにN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル(以下、TPDと略記する)を入れ、別のるつぼに8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(以下、Alqと略記する)を入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。るつぼを加熱し、膜厚40nmになるようにTPDを蒸着した。この上に、Alq入りのるつぼを加熱して、膜厚50nmになるようにAlqを蒸着した。蒸着速度は0.1〜0.2nm/秒であった。次に、グラファイト製のるつぼにマグネシウムをいれ、別のるつぼに銀を入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。その後、真空槽を1×10-4Paまで減圧してから、グラファイト製のるつぼからマグネシウムを1.2〜2.4nm/秒の蒸着速度で、同時にもう一方のるつぼから銀を0.1〜0.2nm/秒の蒸着速度で蒸着した。上記条件でマグネシウムと銀の混合金属電極を発光層の上に200nm積層蒸着して対向電極とし、素子を形成した。ITO電極を陽極、マグネシウムと銀の混合電極を陰極として、得られた素子に直流電圧を印加すると、電流が流れ、発光面が均一な緑色の発光を得た。
【0036】
【発明の効果】
第1発明に係る式(I)のシロールジボロン酸化合物は、単離可能であるとともに、含シロールπ共役化合物の有用な前駆体として作用するため、該化合物を出発物質として用いることにより、非線形光学材料、導電性材料、有機EL素子、電子写真などの光電子機能材料あるいはそれらの合成原料等として使用できるπ電子系化合物や共重合体を自由にかつ収率良く合成することが可能となる。また、第3発明に係る式(III)のシロール共重合体及び第5発明で得られるシロール誘導体は、上記光電子機能材料等としての用途が期待できる。
Claims (5)
- 下記式(II)
で示されるジエチニルシラン化合物にホウ素化合物を作用させて、下記式(I)
で示される化合物を得ることを特徴とするシロールジボロン酸化合物の製造方法。 - 下記式(III)
で示されるシロール共重合体。 - 下記式(I)
で示されるシロールジボロン酸化合物にジハロゲン化合物を作用させて、下記式(III)
で示される化合物を得ることを特徴とするシロール共重合体の製造方法。 - 下記式(I)
で示されるシロールジボロン酸化合物にハロゲン化合物を作用させて、下記式(IV)
で示される化合物を得ることを特徴とするシロール誘導体の製造方法。
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