JP6596109B2 - ホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体 - Google Patents

ホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体 Download PDF

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本発明は、ホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体に関する。より詳しくは、有機EL素子材料や有機半導体の材料等の有機電子デバイス材料として好適に用いることができるホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体に関する。
ホウ素原子を構造中に有するホウ素含有化合物は、ホウ素原子の分子軌道における電子状態に起因する電子的特性から有機電子デバイス材料として注目されているものである。例えば、電子受容性などの特性が必要とされる有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子の電子輸送/注入材料もしくは正孔阻止材料などや有機電子デバイスのn型半導体材料として期待されている。特に有機EL素子は、ディスプレイとしての種々の優れた特性を有することから、より一層の高性能化を実現できる材料の開発が盛んに進められている。
このような用途に利用できるホウ素含有化合物としては、これまで数例が知られているが、それらのほとんどは3つのアリール基がホウ素原子上に結合したものに限られていた。ホウ素含有化合物は、その電子的な特性に起因して安定な構造とすることが困難であり、そのために電子デバイス材料用途に実際に用いることができるものが限られているというのが現状である。
このような状況下、ホウ素含有化合物を次世代の有機電子デバイス材料として活用するために、ホウ素原子に起因する優れた特有の性質を発揮させつつ、安定的に取り扱うことが可能な新規化合物の開発が進められている。
これまで、有機電子デバイス材料としての利用を目指して検討が行われているホウ素含有化合物としては、例えば、不対電子を持ちホウ素と配位結合可能な元素を含み、特定の構造を有する有機ホウ素含有化合物である有機EL素子材料が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、分子内にホウ素原子を3〜15個有する特定の構造の有機ホウ素含有化合物である有機EL素子材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
更には、窒素がホウ素へ分子内配位した構造を含み、特定の構造を有する構成単位を1〜400個鎖状に結合した構造を有する有機ホウ素系π電子系化合物を電子輸送材料として用いることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。あるいは、光電子デバイス材料用途への展開を念頭に、特定の構造を有するN,C−キレートボリル化合物が検討されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特許第4600288号公報 特許第3994573号公報 国際公開第2006/070817号公報
チョル・ベク(Chul Baik)、外3名、「ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of the American Chemical Society)」、2009年、第131巻、第40号、p.14549−14559
ホウ素含有化合物は、ホウ素原子がその分子軌道に空軌道を有し、それによって最高被占軌道(HOMO)や最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位が低いという、ホウ素原子の電子状態に由来する特性を有する。特にLUMOのエネルギー準位が低いことに起因して、上記のように有機EL素子の材料やn型半導体の材料としての用途が期待されている。例えば、りん光発光を利用した有機EL素子の一般的な構成、すなわち、透明電極から形成される陽極、ホール(正孔)輸送層、りん光発光層(発光ドーパント、りん光ホスト材料)、電子輸送層、正孔阻止層、Mg、Al、Ca等から形成される陰極といった構成において、電子輸送層や正孔阻止層にLUMOのエネルギー準位が低い材料を使用すれば、有機EL素子としての性能が向上することになる。
一方で、ホウ素含有化合物における課題は、ホウ素原子が空軌道を有することに伴って、安定な化合物が少ないということである。安定な化合物でありながら、HOMO、LUMOのエネルギー準位を下げることができれば、有機電子デバイス材料としての用途に有用である。そのような化合物のバリエーションを増やすことは、有機EL素子やn型半導体等の有機電子デバイスの分野で当該化合物をデバイス材料として用いる場合において大きな技術的意義がある。
上述のように、ホウ素原子に起因する優れた特有の性質を発揮させながら、安定的に取り扱うことができるホウ素含有化合物の開発を目指して種々の構造を有するホウ素含有化合物が検討されているが、今後、有機EL素子材料やn型半導体等の有機電子デバイス材料の開発の中では、様々な特性が要求されることになると考えられ、そのような有機電子デバイス材料として、安定で更に種々の特性に優れたホウ素含有化合物の開発が期待されているところである。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、有機EL素子材料やn型半導体等の有機電子デバイス材料として好適なホウ素含有化合物を提供することを目的とする。
本発明者は、有機電子デバイス材料に好適に用いることができるホウ素含有化合物の開発を行う中でその構造について種々検討したところ、ホウ素含有化合物を安定的な化合物とするためには、ホウ素原子に対して窒素原子が配位した構造を有するようにすればよいことに着目した。そして、そのような構造の化合物について種々検討し、下記式(1)で表されるような特定の構造を有する化合物や、下記式(2)で表される繰り返し単位の構造を有する重合体の合成に成功した。これらの化合物は、ホウ素原子を有することに起因してHOMO、LUMOのエネルギー準位が低く、また、安定な化合物であることから、有機EL素子材料や有機半導体の材料等の有機電子デバイス材料として好適に用いることができる化合物である。更に本発明者は、下記式(3)で表されるホウ素含有化合物、及び、式(4)で表されるホウ素含有重合体の合成にも成功し、上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記式(1);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表す。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q及びQは、同一又は異なって、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、置換基を有していてもよい。X、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、環構造の置換基となる1価の置換基を表す。X、Xは、同一又は異なって、環構造の置換基となる電子輸送性の1価の置換基を表す。X、X、X及びXは、それぞれ点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。)で表されることを特徴とするホウ素含有化合物である。
本発明はまた、下記式(2);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表す。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q21及びQ22は、同一又は異なって、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、置換基を有していてもよい。X21、X22、X23及びX24は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、又は、直接結合を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。Aは、同一又は異なって、2価の基を表す。n21を付した括弧内の構造単位は、X21、X22、X23及びX24のいずれか2つで隣の構造単位と結合している。n21、n22は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有することを特徴とするホウ素含有重合体でもある。
本発明は更に、下記式(3);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。X31、X32、X33及びX34は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、2価の基、又は、直接結合を表し、環構造に複数個結合していてもよい。n31は、1〜10の整数を表す。n32は、0又は1を表す。n32が1の場合、Yは、n31価の連結基、又は、直接結合であり、n31個存在するY以外の構造部分とそれぞれ独立に、X31、X32、X33又はX34のいずれか1箇所で結合していることを表す。)で表されることを特徴とするホウ素含有化合物でもある。
本発明は更に、下記式(4);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。X41、X42、X43及びX44は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、又は、直接結合を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。Aは、同一又は異なって、2価の基を表す。n43を付した括弧内の構造単位は、X41、X42、X43及びX44のいずれか1つ又は2つで隣の構造単位と結合している。n43、n44は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有することを特徴とするホウ素含有重合体でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本明細書において、上記式(1)で表されるホウ素含有化合物を本発明のホウ素含有化合物(1)とも記載し、上記式(3)で表されるホウ素含有化合物を本発明のホウ素含有化合物(3)とも記載する。また、上記式(2)、式(4)で表されるホウ素含有重合体をそれぞれ、本発明のホウ素含有重合体(2)、本発明のホウ素含有重合体(4)とも記載する。
なお、以下の説明において、「本発明のホウ素含有化合物」という場合、本発明のホウ素含有化合物(1)、(3)を含む。つまり、「本発明のホウ素含有化合物」についての説明は、本発明のホウ素含有化合物(1)、(3)のいずれにも適用できるものである。同様に、「本発明のホウ素含有重合体」という場合、本発明のホウ素含有重合体(2)、(4)を含み、「本発明のホウ素含有重合体」についての説明は、本発明のホウ素含有化合物(2)、(4)のいずれにも適用できるものである。
<本発明のホウ素含有化合物(1)>
まず、本発明のホウ素含有化合物(1)について、以下に説明する。
本発明のホウ素含有化合物(1)は、下記式(1);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表す。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q及びQは、同一又は異なって、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、置換基を有していてもよい。X、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、環構造の置換基となる1価の置換基を表す。X、Xは、同一又は異なって、環構造の置換基となる電子輸送性の1価の置換基を表す。X、X、X及びXは、それぞれ点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。)で表される構造を有する化合物である。
上記式(1)において、点線の円弧は、実線で表される骨格部分、すなわちホウ素原子とQとを繋ぐ骨格部分の一部又は、ホウ素原子とQと窒素原子とを繋ぐ骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表している。これは、式(1)で表される化合物が構造中に少なくとも4つ環構造を有し、式(1)において、ホウ素原子とQとを繋ぐ骨格部分及びホウ素原子とQと窒素原子とを繋ぐ骨格部分が、該環構造の一部として含まれていることを表している。
上記式(1)において、実線で表される骨格部分、すなわちホウ素原子とQとを繋ぐ骨格部分、及び、ホウ素原子とQと窒素原子とを繋ぐ骨格部分における点線部分は、それぞれの骨格部分において点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。
上記式(1)において、窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。ここで、配位しているとは、窒素原子がホウ素原子に対して配位子と同様に作用して化学的に影響していることを意味する。
上記式(1)において、Q及びQは、同一又は異なって、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しているものであって、置換基を有していてもよい。これは、Q及びQがそれぞれ、該環構造の一部として組み込まれていることを表している。
上記式(1)におけるQ及びQとしては、下記一般式(5−1)〜(5−8);
Figure 0006596109
で表される構造が挙げられる。なお、一般式(5−2)は、炭素原子に水素原子が2つ結合し、更に3つの原子が結合する構造であるが、当該水素原子以外の、炭素原子に結合する3つの原子は、いずれも水素原子以外の原子である。上記一般式(5−1)〜(5−8)の中でも、(5−1)、(5−7)、(5−8)のいずれかが好ましい。より好ましくは、(5−1)である。すなわち、Q及びQが、同一又は異なって、炭素数1の連結基を表すこともまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記式(1)において、X〜Xが結合している環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、トリフェニレン環、ピレン環、フルオレン環、インデン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、インドール環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾチアジアゾール環が挙げられ、これらはそれぞれ、下記式(6−1)〜(6−32)で表される。これらの中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、ベンゾチオフェン環が好ましい。より好ましくは、ベンゼン環である。
Figure 0006596109
上記式(1)において、Xが結合している環としては、例えば、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環、キノキサリン環、ベンゾチアジアゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環が挙げられる。これらはそれぞれ、下記一般式(7−1)〜(7−17)で表される。なお、下記式(7−1)〜(7−17)中の*印は、Xが結合している環を構成し、かつ、式(1)におけるホウ素原子とQと窒素原子とを繋ぐ骨格部分を構成する炭素原子が、*印の付された炭素原子のいずれか1つと結合することを表している。また、*印の付された炭素原子を除く位置で他の環構造と縮環していてもよい。これらの中でも、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、フェナントリジン環が好ましい。より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環である。更に好ましくは、ピリジン環である。
Figure 0006596109
すなわち、本発明のホウ素含有化合物(1)が、下記式(8);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印、X、X、X及びXは式(1)と同様である。)で表されるホウ素含有化合物であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。本発明のホウ素含有化合物は上記式(8)で表される構造を有することにより、ホウ素原子に配位している窒素原子を除いて、X、X、X、Xが結合している環が炭素原子のみで構成されることとなるため、Sなどのヘテロ原子を環内に含む化合物の場合に比べて、軌道の広がりが小さくなり、一般論としてHOMO−LUMOのエネルギーギャップが広く保たれるといった特徴を有することとなる。このような特徴から、例えば、有機EL素子のりん光ホスト材料としてより好適に用いることができる。
上記式(1)において、X、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、環構造の置換基となる1価の置換基を表す。該1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、置換基を有していてもよいアリール基、下記X、Xの具体例と同様の複素環基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールアルコキシ基、シリル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、チオール基、エポキシ基、アシル基、置換基を有していてもよいオリゴアリール基、1価のオリゴ複素環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アゾ基、スタニル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基;メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基等のアルキルスルホネート基;ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等のアリールスルホネート基;ベンジルスルホネート基等のアリールアルキルスルホネート基、ボリル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、アリールスルホネート基、アルデヒド基、アセトニトリル基等が挙げられる。
上記のものの中でも、X、Xとしては、水素原子;ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシ基、チオール基、エポキシ基、アミノ基、アゾ基、アシル基、アリル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等の反応性基;炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;アリール基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、アリール基;オリゴアリール基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、オリゴアリール基;1価の複素環基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、1価の複素環基;1価のオリゴ複素環基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、1価のオリゴ複素環基;アルキルチオ基;アリールオキシ基;アリールチオ基;アリールアルキル基;アリールアルコキシ基;アリールアルキルチオ基;アルケニル基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、アルケニル基;アルキニル基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は該反応性基で置換された、アルキニル基のいずれかが好ましい。
より好ましくは、水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、ボリル基、アリール基、オリゴアリール基、1価の複素環基、1価のオリゴ複素環基のいずれかである。
なお、上記式(1)において、X、X、X及びXが1価の置換基である場合、環構造に対するX、X、X及びXの結合位置や結合する数は、特に制限されない。
上記式(1)において、X、Xは、同一又は異なって、環構造の置換基となる電子輸送性の1価の置換基を表す。X、Xとして電子輸送性の置換基を有することで、本発明のホウ素含有化合物(1)は、電子輸送性に優れた材料となる。
該電子輸送性の1価の置換基としては、例えば、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾチアジアゾール環等の環内に炭素−窒素二重結合(C=N)を有する窒素原子含有複素環由来1価の基;一つ以上の電子求引性置換基を有するベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環等の環内に炭素−窒素二重結合を有しない芳香族炭化水素環または芳香族複素環由来の1価の基;ジベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾホスホールオキシド環、シロール環等が挙げられる。
上記電子求引性置換基としては、−CN、−COR、−COOR、−CHO、−CF、−SOPh、−PO(Ph)等が挙げられる。ここで、Rは、水素原子又は1価の炭化水素基を表す。
これらの中でも、電子輸送性の1価の置換基は、環内に炭素−窒素二重結合(C=N)を有する窒素原子含有複素環由来の基であることが好ましい。
電子輸送性の1価の置換基は、環内に炭素−窒素二重結合を有する複素芳香環化合物由来の1価の基のいずれかであることがより好ましい。
上記X、X、X及びXにおける置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子;塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7の環状アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基;ヒドロキシ基;チオール基;ニトロ基;シアノ基;アミノ基;アゾ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜40のアルキル基を有するモノ又はジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基などのアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、ブテニル基、スチリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、フェニルアセチニル等の炭素数2〜20のアルキニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基等のアルキニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロフェニル基等のパーフルオロ基及び更に長鎖のパーフルオロ基;ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ビス(パーフルオロフェニル)ボリル基等のボリル基;アセチル基、ベンゾイル基等のカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等のスルフィニル基;アルキルスルホニルオキシ基;アリールスルホニルオキシ基;ホスフィノ基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリフェニルシリル基等のシリル基;シリルオキシ基;スタニル基;ハロゲン原子やアルキル基、アルコキシ基等で置換されていてもよいフェニル基、2,6−キシリル基、メシチル基、デュリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、フェナンスレニル基等のアリール基;チエニル基、フリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基等のヘテロ環基;カルボキシル基;カルボン酸エステル;エポキシ基;イソシアノ基;シアネート基;イソシアネート基;チオシアネート基;イソチオシアネート基;カルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等のN,N−ジアルキルカルバモイル基;ホルミル基;ニトロソ基;ホルミルオキシ基;等が挙げられる。なお、これらの基は、ハロゲン原子やアルキル基、アリール基等で置換されていてもよく、更に、これらの基がお互いに任意の場所で結合して環を形成していてもよい。
本発明のホウ素含有化合物(1)は、下記式(9)のような合成方法により合成することが好ましい。なお、下記式中、Zは、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Zは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
Figure 0006596109
このような合成方法により本発明のホウ素含有化合物(1)を製造することにより、ホウ素含有化合物(1)を安価に製造することができる。この合成方法の第2工程は、これまでにはない新たな反応である。このような反応を用いたホウ素含有化合物(1)の製造方法、すなわち、下記式(1);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表す。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q及びQは、同一又は異なって、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、置換基を有していてもよい。X、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、環構造の置換基となる1価の置換基を表す。X、Xは、同一又は異なって、環構造の置換基となる電子輸送性の1価の置換基を表す。X、X、X及びXは、それぞれ点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。)で表されるホウ素含有化合物を製造する方法であって、該製造方法は、下記式(10);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧、実線で表される骨格部分における点線部分、窒素原子からホウ素原子への矢印、Q、X、及び、Xは、式(1)と同様である。Zは、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される化合物(I)と、下記式(11);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧はそれぞれ、2つのMgZをつなぐ骨格部分と共に環構造が形成されていることを表す。骨格部分の2つの炭素原子間の点線部分、及び、炭素原子とQとの間の点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。Q、X、Xは、式(1)と同様である。Zは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される化合物(II)とを反応させる工程を含むことを特徴とするホウ素含有化合物の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記式(9)で表される合成方法の第1工程に用いる溶媒は特に制限されないがヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
なお、上記式(9)で表される合成方法の第1工程は、特開2011−184430号公報の記載を参照して行うことができる。
第2工程の反応を行う温度は、0℃〜40℃が好ましく、常圧、減圧、加圧のいずれの条件で反応を行ってもよい。
また、第2工程の反応を行う時間は、3〜48時間が好ましい。
上記式(9)で表される合成方法では、上記第2工程の後に更に、X〜Xのいずれか1つ以上の置換基を別の置換基に交換する1つ又は複数の工程を行ってもよい。例えば、X〜Xのいずれかがハロゲン原子である場合は、Stillクロスカップリング反応や鈴木−宮浦クロスカップリング反応、園頭クロスカップリング反応、Heckクロスカップリング反応、桧山カップリング反応、根岸カップリング反応等を用いることで、ハロゲン原子を置換基Xに交換することができる。
また、上記カップリング反応の反応条件としては、各カップリング反応が通常行われる反応条件を適宜採用することができる。
<本発明のホウ素含有重合体(2)>
次に、本発明のホウ素含有重合体(2)について、以下に説明する。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、下記式(2);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表す。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q21及びQ22は、同一又は異なって、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、置換基を有していてもよい。X21、X22、X23及びX24は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、又は、直接結合を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。Aは、同一又は異なって、2価の基を表す。n21を付した括弧内の構造単位は、X21、X22、X23及びX24のいずれか2つで隣の構造単位と結合している。n21、n22は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有する重合体である。
上記式(2)におけるQ21、Q22はそれぞれ、上記式(1)におけるQ、Qと同様であり、好ましい形態も同様である。すなわち、Q21及びQ22は、同一又は異なって、炭素数1の連結基を表すことが好ましい。
上記式(2)において、点線の円弧、実線で表される骨格部分における点線部分、窒素原子からホウ素原子への矢印は、上記式(1)と同様の意味であり、点線の円弧の好ましい構造も上記式(1)と同様である。すなわち、本発明のホウ素含有重合体(2)は、下記式(12);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印、X21、X22、X23、X24、A、n21及びn22は、式(2)と同様である。n21を付した括弧内の構造単位の隣の構造単位との結合も式(2)と同様である。)で表される繰り返し単位の構造を有することが好ましい。
上記式(2)において、n21は、n21を付した括弧内の構造単位の数を表し、1以上の数を表す。n22は、n22を付した括弧内の構造単位の数を表し、1以上の数を表す。n21、n22は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表すが、これは、以下のような意味である。
21、n22は、それぞれ独立した数である。このため、n21、n22は同じ数であっても異なる数であってもよい。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、上記式(2)で表される構造を1つ有するものであってもよく、複数有するものであってもよい。本発明のホウ素含有重合体(2)が上記式(2)で表される構造を複数有するものである場合、ある構造におけるn21、n22と、隣り合う構造におけるn21、n22とは、同一であっても異なっていてもよい。
したがって、本発明のホウ素含有重合体(2)には、交互共重合体(上記式(2)で表される構造を2つ以上有し、全ての式(2)で表される構造において、n21が同じ数であり、n22も同じ数である)、ブロック共重合体(上記式(2)で表される構造を1つ有し、n21、n22の少なくとも1つが2以上)、ランダム共重合体(上記式(2)で表される構造を2つ以上有し、該複数の式(2)で表される構造の中に少なくとも1つ、n21、n22のいずれか又は両方が他の構造におけるn21、n22と異なるものがある)のいずれの構造のものも含まれる。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、これらの中でも、交互共重合体であることが好ましい。
上記式(2)において、X21、X22、X23及びX24は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、又は、直接結合を表す。
上記式(2)では、X21、X22、X23及びX24のいずれか2つが、重合体の主鎖の一部として結合を形成することになる。X21〜X24のうち、重合体の主鎖の一部として結合を形成するものは、直接結合となる。X21、X22、X23及びX24のうち、重合に関与しないものは、水素原子又は1価の置換基となる。
21、X22、X23及びX24のうち、重合に関与しない1価の基の具体例及び好ましいものは、上述した本発明のホウ素含有化合物(1)のX、Xの具体例及び好ましいものと同様である。
上記ホウ素含有重合体(2)において、X21、X22、X23及びX24のうち、直接結合は、X21、X22、X23及びX24のいずれのものであってもよいが、X21とX22、又は、X23とX24とが直接結合であることが好ましい。この場合、ホウ素含有重合体(3)は、下記式(13−1)、式(13−2)で表される繰り返し単位の構造を有する重合体となる。
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧、実線で表される骨格部分における点線部分、窒素原子からホウ素原子への矢印、Q21、Q22、A、n21及びn22は、式(2)と同様である。式(13−1)中、X21、X22は、直接結合を表し、X23、X24は、水素原子又は1価の置換基を表す。式(13−2)中、X23、X24は、直接結合を表し、X21、X22は、水素原子又は1価の置換基を表す。)
本発明のホウ素含有重合体(2)は、下記式(14);
Figure 0006596109
(式中、点線の円弧、実線で表される骨格部分における点線部分、窒素原子からホウ素原子への矢印、Q21及びQ22は、式(2)と同様である。X21’、X22’、X23’及びX24’は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、X21’、X22’、X23’及びX24’のうち少なくとも2つは、下記式(15)のX25、X26と反応する反応性基である。)で表される反応性基を有するホウ素含有化合物(2’)と、下記式(15)
25−A−X26 (15)
(式中、Aは、式(2)と同様である。X25、X26は、反応性基を表す。)で表される化合物とを反応させることで製造することが好ましい。
このようなホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とを反応させると、重縮合反応によりホウ素含有重合体(2)が合成されることになる。
21’〜X24’のうち、式(15)のX25、X26と反応する反応性基以外の1価の置換基は、上記式(2)におけるX21〜X24の1価の置換基と同様である。
重縮合し得る反応性基の組み合わせとしては、以下のいずれかのものが好ましく、ホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とが、これらのいずれかの重縮合し得る反応性基の組み合わせにより重縮合反応を行うことが好ましい。
ボリル基とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホニウムメチル基、ビニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホネートメチル基、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム、ハロゲン原子とハロゲン原子、ハロゲン原子とシリル基、ハロゲン原子と水素原子。
上記式(2)におけるAとしては、2価の基であれば、特に制限されないが、アルケニル基、アリーレン基、2価の芳香族複素環基のいずれかが好ましい。
上記アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、環を構成する炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。該芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。
上記アリーレン基としては、例えば、下記式(16−1)〜(16−23)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
なお、式(16−1)〜(16−23)において、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミン残基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールエチニル基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基またはシアノ基を表す。式(16−1)中においてx−yで示した線のように、環構造に交差して付された線は、環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。すなわち、式(16−1)においては、x−yで示される線が付された環を構成する炭素原子のいずれかと直接結合することを意味し、その環構造における結合位置は限定されない。式(16−10)中においてz−で示した線のように、環構造の頂点に付された線は、その位置において環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。また、環構造に交差して付されたRの付いた線は、Rが、その環構造に対して1つ結合していてもよく、複数結合していてもよいことを意味し、その結合位置も限定されない。
また、式(16−1)〜(16−10)及び(16−15)〜(16−20)において、炭素原子は、窒素原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Figure 0006596109
Figure 0006596109
上記2価の芳香族複素環基とは、芳香族複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、環を構成する炭素数は通常3〜60程度である。該芳香族複素環化合物としては、環式構造をもつ芳香族有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものも含まれる。
上記2価の複素環基としては、例えば、下記式(17−1)〜(17−38)で表される複素環基等が挙げられる。
なお、式(17−1)〜(17−38)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。Yは、O、S、SO、SO、Se、又は、Teを表す。環構造に交差して付された線、環構造の頂点に付された線、環構造に交差して付されたRの付いた線については、式(16−1)〜(16−23)と同様である。
また、式(17−1)〜(17−38)において、炭素原子は、窒素原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Figure 0006596109
Figure 0006596109
本発明のホウ素含有重合体(2)の塗布による成膜性を向上させる点からは、Aとしては上述したものの中でも、(16−1)、(16−9)、(17−1)、(17−9)、(17−16)、(17−17)が好ましい。より好ましくは、(16−1)、(16−9)である。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であることが好ましい。
重量平均分子量がこのような範囲であると、良好に薄膜化できる。より好ましくは、10,000〜500,000であり、更に好ましくは30,000〜200,000である。
上記重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定することができる。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
本発明のホウ素含有重合体(2)は、上述したホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とを含む単量体成分を反応させることにより製造される。
該単量体成分は、ホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とを含む限り、その他の単量体を含んでいてもよいが、単量体成分全体100モル%に対して、ホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物との合計が90モル%以上であることが好ましい。より好ましくは、95モル%以上であり、最も好ましくは、100モル%、すなわち、単量体成分がホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物のみを含むことである。
上記その他の単量体としては、ホウ素含有化合物(2’)又は式(15)で表される化合物と反応し得る反応性基を有する化合物が挙げられる。なお、上記単量体成分は、ホウ素含有化合物(2’)、式(15)で表される化合物とも、1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明のホウ素含有重合体(2)の原料となる単量体成分におけるホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とのモル比は、100/0〜10/90であることが好ましい。より好ましくは、70/30〜30/70であり、最も好ましくは、50/50である。
また、重合反応の際には、単量体成分の固形分濃度は、0.01質量%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜設定することができるが、希薄すぎると反応の効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難しくなる恐れがあることから、好ましくは、0.05〜10質量%である。
本発明のホウ素含有重合体(2)の製造方法は特に制限されないが、例えば、特開2011−184430号公報に記載の製造方法により製造することができる。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、塗布による均一な成膜が可能であり、低いHOMO、LUMO準位を持つため、有機電界発光素子の材料として好適に用いることができるものである。
<本発明のホウ素含有化合物(3)>
次に、本発明のホウ素含有化合物(3)について記載する。
本発明のホウ素含有化合物(3)は、下記式(3);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。X31、X32、X33及びX34は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、2価の基、又は、直接結合を表し、環構造に複数個結合していてもよい。n31は、1〜10の整数を表す。n32は、0又は1を表す。n32が1の場合、Yは、n31価の連結基、又は、直接結合であり、n31個存在するY以外の構造部分とそれぞれ独立に、X31、X32、X33又はX34のいずれか1箇所で結合していることを表す。)で表される構造を有する化合物である。
本発明のホウ素含有化合物(3)は、ホウ素原子に対して窒素原子が配位した構造であることに加え、X33が結合したベンゼン環とX34が結合したピリジン環との間に縮合ベンゼン環が形成された、剛直なベンゾキノリン構造を有することにより、高い安定性を有する化合物である。
上記X31、X32、X33及びX34が環構造の置換基となる1価の置換基である場合の1価の置換基としては、上記式(1)におけるX、Xが1価の置換基である場合の具体例と同様であり、好ましい置換基も同様である。
上記式(3)において、n31は1〜10の整数を表し、Yは、n31価の連結基、又は、直接結合である。
上記式(3)において、n31が1である場合、n32は0であり、上記式(3)におけるY以外の構造部分のみからなる化合物となる。
上記式(3)において、n31が2である場合、上記式(3)におけるY以外の構造部分が2つ存在することになる。ここで、Yが2価の連結基である場合、2つ存在するY以外の構造部分が2価の連結基であるYを介して結合することになる。Yが直接結合である場合、2つ存在するY以外の構造部分が直接結合することになる。
上記式(3)で表される化合物において、n31が3以上である場合、Yはn31価の連結基であり、上記式(3)におけるY以外の構造部分が複数存在し、それらが連結基であるYを介して結合することとなる。
なお、Yがn31価の連結基である場合、Yはn31個存在するY以外の構造部分とそれぞれ独立に、X31、X32、X33又はX34のいずれか1箇所で結合しているが、これは、Y以外の構造部分のYとの結合部位は、n31個存在するY以外の構造部分それぞれに独立であって、全て同一部位であってもよいし、一部が同一部位であってもよいし、全て異なる部位であってもよい、ということを意味している。当該結合位置は特に制限されないが、n31個存在するY以外の構造部分の全てが、X33又はX34で結合していることが好ましい。
また、n31個存在するY以外の構造部分の構造は、全て同一であってもよいし、一部が同一であってもよいし、全て異なっていてもよい。
上記式(3)におけるYが、n31価の連結基である場合、該連結基としては、例えば、置換基を有していてもよい鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基、置換基を有していてもよいヘテロ元素を含む基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。これらの中でも、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよい複素環基といった芳香環を有する基であることが好ましい。すなわち、上記式(3)におけるYは、芳香環を有する基であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
更に、Yは、上述した連結基が複数組み合わさった構造を有する連結基であってもよい。
上記鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基としては、下記式(18−1)〜(18−8)のいずれかで表される基であることが好ましい。これらの中でも、下記一般式(18−1)、(18−7)がより好ましい。
上記へテロ元素を含む基としては、下記一般式(18−9)〜(18−13)のいずれかで表される基であることが好ましい。これらの中でも、下記一般式(18−12)、(18−13)がより好ましい。
上記アリール基としては、下記一般式(18−14)〜(18−20)のいずれかで表される基であることが好ましい。これらの中でも、下記一般式(18−14)、(18−19)、(18−20)がより好ましい。
上記複素環基としては、下記一般式(18−21)〜(18−27)のいずれかで表される基であることが好ましい。これらの中でも、下記一般式(18−23)、(18−24)がより好ましい。
Figure 0006596109
上記鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基、ヘテロ元素を含む基、アリール基、複素環基が有する置換基としては、上述した式(1)において、X、Xが有してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、Yにおける鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基、ヘテロ元素を含む基、アリール基、複素環基が有する置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、複素環基、ジアリールアミノ基が好ましい。より好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアリールアミノ基である。
上記Yにおける鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基、ヘテロ元素を含む基、アリール基、複素環基が置換基を有する場合、置換基が結合する位置や数は特に制限されない。
上記式(3)におけるn31は、1〜10の整数を表すが、好ましくは、1〜6である。より好ましくは、1〜3であり、最も好ましくは、1〜2である。すなわち、本発明のホウ素含有化合物(3)は、単量体又は二量体であることが最も好ましい。
本発明のホウ素含有化合物(3)は、下記式(19)で表される合成方法により合成することが好ましい。なお、下記式中、Zは、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Zは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。
Figure 0006596109
このような合成方法により本発明のホウ素含有化合物(3)を製造することにより、ホウ素含有化合物(3)を安価に製造することができる。この合成方法の第2工程は、これまでにはない新たな反応である。このような反応を用いたホウ素含有化合物(3)の製造方法、すなわち、下記式(3);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。X31、X32、X33及びX34は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、2価の基、又は、直接結合を表し、環構造に複数個結合していてもよい。n31は、1〜10の整数を表す。n32は、0又は1を表す。n32が1の場合、Yは、n31価の連結基、又は、直接結合であり、n31個存在するY以外の構造部分とそれぞれ独立に、X31、X32、X33又はX34のいずれか1箇所で結合していることを表す。)で表されるホウ素含有化合物を製造する方法であって、該製造方法は、下記式(20);
Figure 0006596109
(式中、X33、及び、X34は、式(3)と同様である。Zは、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される化合物(III)と、下記式(21);
Figure 0006596109
(式中、X31、X32は、式(3)と同様である。Zは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される化合物(IV)とを反応させる工程を含むことを特徴とするホウ素含有化合物の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記式(19)で表される合成方法に用いる溶媒は、上述した式(9)で表される合成方法に用いる溶媒と同様のものを用いることができる。
上記式(19)で表される合成方法の第1工程は、特開2011−184430号公報の記載を参考にして行うことができる。
上記式(19)で表される合成方法の第2工程での反応条件(温度、圧力)、反応時間は、上述した式(9)で表される合成方法の第2工程と同様である。
また、上記式(19)で表される合成方法は、上記式(9)で表される合成方法と同様に、第2工程の後に、X31〜X34の置換基を別の置換基に交換する1つ又は複数の工程を行ってもよい。当該1つ又は複数の工程の方法は、上述した式(9)で表される合成方法におけるX又はXの置換基を別の置換基に交換する工程と同様である。
<本発明のホウ素含有重合体(4)>
次に、本発明のホウ素含有重合体(4)について記載する。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、下記式(4);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。X41、X42、X43及びX44は、同一又は異なって、水素原子、環構造の置換基となる1価の置換基、又は、直接結合を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。Aは、同一又は異なって、2価の基を表す。n43を付した括弧内の構造単位は、X41、X42、X43及びX44のいずれか1つ又は2つで隣の構造単位と結合している。n43、n44は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有する重合体である。
上記式(4)において、n43、n44は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表すが、これは、上記式(2)において、n21、n22が、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表すことと同様の意味を表す。
上記式(4)におけるX41〜X44は、それぞれ、上記式(2)におけるX21〜X24と同様であり、好ましい形態も同様である。
上記式(4)におけるAは、上記式(2)におけるAと同様であり、好ましい形態も同様である。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であることが好ましい。
重量平均分子量がこのような範囲であると、良好に薄膜化できる。より好ましくは、10,000〜500,000であり、更に好ましくは30,000〜200,000である。
上記重量平均分子量は、上記ホウ素含有重合体(2)の重量平均分子量と同様の装置、及び、測定条件で測定することができる。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、下記式(22);
Figure 0006596109
(式中、窒素原子からホウ素原子への矢印は、式(4)と同様である。X41’、X42’、X43’及びX44’は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、X41’、X42’、X43’及びX44’のうち少なくとも2つは、下記式(23)のX45、X46と反応する反応性基である。)で表される反応性基を有するホウ素含有化合物(4’)と、下記式(23)
45−A−X46 (23)
(式中、Aは、式(4)と同様である。X45、X46は、反応性基を表す。)で表される化合物とを反応させることで製造することが好ましい。
このようなホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物とを反応させると、重縮合反応によりホウ素含有重合体(4)が合成されることになる。
41’〜X44’のうち、下記式(23)のX45、X46と反応する反応性基以外の1価の置換基は、上記式(4)におけるX41〜X44の1価の置換基と同様である。
重縮合し得る反応性基の組み合わせとしては、上述したホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物との反応における重縮合し得る反応性基の組み合わせと同様のものが好ましく、ホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物とが、それらのいずれかの重縮合し得る反応性基の組み合わせにより重縮合反応を行うことが好ましい。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、ホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物とを含む単量体成分を重合することにより製造される。該単量体成分は、ホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物とを含む限り、その他の単量体を含んでいてもよいが、単量体成分全体100モル%に対して、ホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物との合計が90モル%以上であることが好ましい。より好ましくは、95モル%以上であり、最も好ましくは、100モル%、すなわち、単量体成分がホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物のみを含むことである。
上記その他の単量体としては、ホウ素含有化合物(4’)、式(23)で表される化合物と反応し得る反応性基を有する化合物が挙げられる。なお、上記単量体成分は、ホウ素含有化合物(4’)、式(23)で表される化合物とも、1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明のホウ素含有重合体(4)の原料となる単量体成分におけるホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物とのモル比は、100/0〜10/90であることが好ましい。より好ましくは、70/30〜30/70であり、最も好ましくは、50/50である。
また、重合反応の際には、単量体成分の固形分濃度は、0.01質量%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜設定することができるが、希薄すぎると反応の効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難しくなる恐れがあることから、好ましくは、0.05〜10質量%である。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、ホウ素含有重合体(2)の場合と同様に、例えば、特開2011−184430号公報に記載の製造方法により製造することができる。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、ホウ素含有化合物由来の構造単位が剛直なベンゾキノリン構造を有することに起因する高い安定性を有し、塗布による均一な成膜が可能であり、低いHOMO、LUMO準位を持つため、有機電界発光素子の材料として好適に用いることができるものである。
<本発明のホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体の特性>
本発明のホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体は、安定な化合物でありながら、HOMO、LUMOのエネルギー準位が低く、また、良好な膜、特には塗布膜、を作製することが可能なものであり、有機EL素子材料やn型半導体等の有機電子デバイス材料等として好適に用いることができるものである。
本発明のホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体は、上述の構成よりなり、安定な化合物でありながら、HOMO、LUMOのエネルギー準位が低い等の特性を有し、更に、塗布により塗膜を形成することができることから、有機EL素子材料やn型半導体等の有機電子デバイス材料等に好適に用いることができる。
実施例2で製造したホウ素含有重合体1のH−NMRの測定結果を示した図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味するものとする。
以下の実施例において、H−NMR、及び、重量平均分子量、数平均分子量は以下のようにして測定した。
H−NMR>
得られたホウ素含有化合物、ホウ素含有重合体を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「Gemini 2000」;400MHz、Varian,Inc.社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、テトラメチルシランの水素核(δ0.00)を参照とした。
<重量平均分子量、数平均分子量>
重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;テトラヒドロフラン)によって以下の装置、及び、測定条件で測定した。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
合成例1(ホウ素化合物1の合成)
アルゴン雰囲気下、5−ブロモ−2−(4−ブロモフェニル)ピリジン(94mg、0.30mmol)を含むジクロロメタン溶液(0.3ml)に、エチルジイソプロピルアミン(39mg、0.30mmol)を加えた後、0℃で三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液、0.9ml、0.9mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応溶液を0℃まで冷却した後、飽和炭酸カリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、生成した白色固体を濾取し、ヘキサンで洗浄することにより、ホウ素化合物1(40mg、0.082mmol)を収率28%で得た。この反応は、下記式(24)の反応である。
その物性値は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl):7.57−7.59(m,2H),7.80(dd,J=8.4,0.6Hz,1H),7.99(s,1H),8.27(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),9.01(d,J=1.5Hz,1H).
Figure 0006596109
合成例2(ホウ素化合物2の合成)
50mL2口フラスコにマグネシウム(561mg,23.1mmol)を入れ反応容器内を窒素雰囲気下にした後、シクロペンチルメチルエーテル(10mL)を入れ、ヨウ素をひとかけら投入し、着色がなくなるまで攪拌した。これに2,2‘−ジブロモビフェニル(3.0g,9.6mmol)のシクロペンチルメチルエーテル溶液(9mL)を滴下し、室温で12時間、50℃で1時間攪拌しGrignard試薬を調整した。
別の200mL3つ口フラスコにホウ素化合物1(3.71g,7.7mmol)を入れ窒素雰囲気下にした後、トルエン(77mL)を入れた。これを−78℃にて攪拌しながら上記Grignard試薬をキャヌラーで一度に加えた。10分攪拌後、室温まで昇温しさらに12時間攪拌した。この反応溶液に水をくわえ、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濾過した。ろ液を濃縮し残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することによりホウ素化合物2を3.0g(収率82%)得た。この反応は、下記式(25)の反応である。
その物性値は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl):6.85(d,J=7.04Hz,2H),7.05(t,J=7.19Hz,2H),7.32(t,J=7.48Hz,2H),7.47(s、1H)7.49−7.57(m、1H),7.74−7.84(m,3H),7.90−8.00(m,2H),8.07−8.20(m,1H).
Figure 0006596109
実施例1(本発明のホウ素含有化合物1の合成)
100mL2口フラスコにホウ素化合物2(2.0g,4.2mmol)、Pd(PPh(240mg,0.21mmol)を入れ、反応容器内を窒素雰囲気下にした。これにトルエン(21mL)、トリブチル(2−ピリジル)スズ(3.7g,10.1mmol)を入れ、120℃で終夜攪拌した。反応終了後、濃縮し、残差をカラムクロマトグラフィーで精製することにより本発明のホウ素含有化合物1を800mg得た(収率40%)。この反応は、下記式(26)の反応である。
その物性値は以下の通りであった。
H−NMR(CDCl):6.93(m,J=7.04Hz,2H),7.03(t,J=7.19Hz,2H),7.13−7.20(m,1H),7.21−7.26(m,1H),7.30(t,J=7.48Hz,2H),7.51(d,J=7.92Hz,1H),7.60−7.74(m,3H),7.82(m,J=7.63Hz,2H),7.87(s,1H),8.12(d,J=8.22Hz,1H),8.18(d,J=7.92Hz,1H),8.22(d,J=8.51Hz,1H),8.39(s,1H),8.59−8.69(m,2H),8.76(dd,J=8.51,1.17Hz,1H).
Figure 0006596109
実施例2(本発明のホウ素含有重合体1の合成)
シュレンクフラスコにホウ素化合物2(474mg,1.00mmol)、9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ボロン酸−ビス(プロパンジオール)エステル(568mg,1.02mmol)を入れ、反応容器内を窒素雰囲気下にした後、THF(6mL)を入れ溶解させた。これに35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム(1.68mL,3.99mmol)、水(2.2mL)、Aliquat(登録商標)(40mg,0.10mmol)のトルエン溶液(6mL)を加えた。90℃に加熱し、Pd(PPh(23mg,0.020mmol)を入れ、90℃で12時間攪拌した。ブロモベンゼン(204mg,1.30mmol)を加えて5時間攪拌後、フェニルボロン酸(572mg,4.69mmol)を加えて終夜攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液をトルエンで希釈して有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過して濃縮後残渣をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルショートカラムに通した。この溶液を濃縮し、メタノールに投入して得られる黄色沈澱物ろ取し、ホウ素含有重合体1を386mg得た。この反応は、下記式(27)の反応である。本発明のホウ素含有重合体1のH−NMR測定結果を図1に示す。
得られたホウ素含有重合体1は、Mn=14,304、Mw=36,646、PDI=2.56であった。
Figure 0006596109
実施例3(本発明のホウ素含有重合体2の合成)
反応を115℃、4時間行う以外は実施例2と同様に合成し、本発明のホウ素含有重合体2を750mg得た。
得られたホウ素含有重合体2は、Mn=53,133、Mw=125,343、PDI=2.36であった。

Claims (4)

  1. 下記式(1);
    Figure 0006596109
    (式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表し、X〜Xが結合している環は、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環のいずれかであり、Xが結合している環は、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環のいずれかである。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q及びQは、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、下記一般式(5−1)で表される構造である。X、Xは、同一又は異なって、水素原子、又は、ハロゲン原子;炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;アリール基;1価の複素環基のいずれかの環構造の置換基となる1価の置換基を表す。X、Xは、同一又は異なって、ハロゲン原子、ハロアルキル基;炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;炭素数5〜7の環状アルキル基;ボリル基;ハロゲン原子又はアルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよいアリール基を表す。X、X、X及びXは、それぞれ点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。)で表されることを特徴とするホウ素含有化合物を含む有機電子デバイス材料。
    Figure 0006596109
  2. 前記ホウ素含有化合物は、下記式(8);
    Figure 0006596109
    (式中、窒素原子からホウ素原子への矢印、X、X、X及びXは式(1)と同様である。)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機電子デバイス材料。
  3. 下記式(2)で表される繰り返し単位の構造を複数有することを特徴とするホウ素含有重合体。
    Figure 0006596109
    (式中、点線の円弧は、実線で表される骨格部分と共に環構造が形成されていることを表し、X21〜X23が結合している環は、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環のいずれかであり、X24が結合している環は、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環のいずれかである。実線で表される骨格部分における点線部分は、点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。窒素原子からホウ素原子への矢印は、窒素原子がホウ素原子へ配位していることを表す。Q21及びQ22は、実線で表される骨格部分における連結基であり、少なくとも一部が点線の円弧部分と共に環構造を形成しており、下記一般式(5−1)で表される構造である。X21、X22、X23及びX24は、同一又は異なって、ハロゲン原子;炭素数〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;炭素数5〜7の環状アルキル基;炭素数〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基;ハロゲン原子又はアルキル基、アルコキシ基で置換されアリール基;ヘテロ環基を置換基として有する炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。Aは、同一又は異なって、アルケニル基、アリーレン基、2価の芳香族複素環基(ただしホウ素原子を含むものを除く)のいずれかの2価の基を表す。n21を付した括弧内の構造単位は、X21、X22、X23及びX24のいずれか2つで隣の構造単位と結合している。n21、n22は、それぞれ独立に、同一又は異なって、1以上の数を表す。)
    Figure 0006596109
  4. 前記ホウ素含有重合体は、下記式(12);
    Figure 0006596109
    (式中、窒素原子からホウ素原子への矢印、X21、X22、X23、X24、A、n21及びn22は、式(2)と同様である。n21を付した括弧内の構造単位の隣の構造単位との結合も式(2)と同様である。)で表される繰り返し単位の構造を有することを特徴とする請求項3に記載のホウ素含有重合体。
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