JP6150527B2 - フルバレン重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、フルバレン重合体に関する。より詳しくは、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ等に用いる有機半導体材料等や有機EL素子等の発光デバイス等の機能性電子素子素材として好適に用いることができるフルバレン重合体に関する。
近年、従来の電機製品にとどまらず、自動車等の輸送機械をはじめとする様々な製品に電子制御が導入されており、このような電子制御に用いられる半導体等の電子部品に求められる性能もますます高いものとなってきている。このような電子部品には、シリコンやゲルマニウム等の遷移金属等を材料とする無機半導体のような無機材料の他、有機材料も用いられており、電子部品の材料として使用できる電気的特性を有する有機化合物について、研究が行われている。
有機半導体の分野では、p型有機半導体についてはポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)をはじめとする多くの材料が提案され開発が進んでいる。一方、フラーレン誘導体に代表されるn型有機半導体は、種々の理由で開発が遅れている。特に、塗布プロセスに適した高分子n型有機半導体はほとんど知られていないため、早急な開発が望まれている。このような有機半導体材料として用いる材料には、LUMOのエネルギー準位が低いことが要求されるため、LUMOのエネルギー準位が低い化合物について、研究、開発が行われている。
フルオレニリデンは、中心の二重結合により立体反発が分子内で生じている。また、ヒュッケル則を満たさないために芳香族ではないが、π電子を受け取ることでヒュッケル則を満たす。このことから、アクセプター性が強いと考えられるが、実際にLUMOのエネルギー準位が低くなることが論文により報告されている(非特許文献1参照。)。このようなフルオレニリデン構造を有する化合物の中でも、ビフルオレニリデン構造を有する化合物についての研究、開発例が報告されており、ビフルオレニリデン構造を有する化合物の合成や電気特性の評価、ビフルオレニリデン構造を有する化合物を電界発光素子として用いることが開示されている(特許文献1、2参照。)。更に、ビフルオレニリデン構造を有する化合物やビフルオレニリデン類似の構造を有する化合物について報告されている(非特許文献2〜10参照。)。
特開平11−54284号公報 国際公開第2010/038251号
エフ.ジー.ブルネッティ(F.G.Brunetti)外4名、「アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション(Angewante Chemie International Edition)」、2010年、第49号、p.532−536 ジョージ R.ニュウコム(George R.Newkome)外1名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、1979年、第44巻、第4号、p.502−505 ユウ チイ イ(Yu Chi Yip)外5名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、1990年、第55巻、p.1881−1889 ピオトル ピオトロウィアク(Piotr PIOTROWIAK)外3名、「ブレティン オブ ザ ポリッシュ アカデミー オブ サイエンシズ ケミストリー(Bulletin of the Polish Academy of Science)」、1994年、第42巻、第4号、p.445−453 マリアンヌ リクリン(Marianne Riklin)外1名、「ヘルベチカ ケミカ アクタ(Helvetica Chemica Acta)」、1999年、第82巻、p.1666−1680 ラム ラン イェン(Lam Lung Yeung)外2名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、1990年、第55巻、p.1874−1881 ラム ラン イェン(Lam Lung Yeung)外2名、「ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサエティ ケミカル コミュニケーションズ(Journal of the Chemical Society, Chemical Communications)」、1987年、p.981−983 ジン ルオ(Jing Luo)外6名、「オーガニック レターズ(Organic Letters)」、2010年、第12巻、第24号、p.5660−5663 エリエス モリンズ(Elies Molins)外3名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、2002年、第67巻、p.7175−7178 マサヒロ ミナベ(Masahiro Minabe)外1名、「ブレティン オブ ザ ケミカル ソサエティ オブ ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan)」、1975年、第48巻、第2号、p.586−590
上記のようにフルオレニリデン構造を有する化合物は、有機半導体材料等の電子素子材料としての展開が期待され、電子素子材料用途により適した化合物の開発が求められている。また有機半導体材料として塗布により半導体層を形成することが可能なものがあれば半導体製造がより容易になり好ましい。このため、電子素子材料としての特性を有する化合物をポリマー化することが考えられる。この点に関し上記のようにビフルオレニリデン構造を有する化合物等について報告されているが、ビフルオレニリデン構造を有する化合物由来の構造単位を有する重合体は報告されていない。フルバレン骨格にベンゼン環が縮合したビフルオレニリデン構造を有する化合物をはじめとするフルバレン骨格に環構造が縮合した化合物は、電子素子材料としての利用が期待される化合物であり、電子素子材料としてより好適なものとするため、これらの化合物由来の構造単位を有する重合体を開発することが求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、n型有機半導体や有機EL素子等の材料として好適に用いることができるフルバレン骨格を有する重合体を提供することを目的とする。
本発明者は、重合可能なフルバレン骨格を有する種々の構造の化合物の合成を可能とする製造方法について検討し、フルバレン骨格に縮合した環構造の1つ又は2つに反応性基を有する置換基が結合した構造のフルバレン化合物の合成を可能とする新たな製造方法を見出した。そして、この製造方法により得られた重合可能なフルバレン骨格を有する種々の構造の化合物を用いて、フルバレン重合体を製造することに成功し、この重合体がLUMOのエネルギー準位が低く、かつ、塗布プロセスに適した有機半導体材料や有機EL素子等の発光デバイスの材料として好適に用いることができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記式(1);
Figure 0006150527
(式中、4つの点線の円弧は、同一又は異なって、フルバレン骨格を形成する5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X〜Xは、同一又は異なって、水素原子、又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。X〜Xのうち少なくとも1つは、反応性基を有する置換基である。)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分を重合して得られることを特徴とするフルバレン重合体である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のフルバレン重合体は、下記式(1);
Figure 0006150527
(式中、4つの点線の円弧は、同一又は異なって、フルバレン骨格を形成する5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X〜Xは、同一又は異なって、水素原子、又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。X〜Xのうち少なくとも1つは、反応性基を有する置換基である。)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分を重合して得られるものである。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物は、フルバレン構造を基本骨格とし、フルバレン骨格を形成する炭素の5員環の骨格部分の一部と共に4つの環構造が形成されている化合物である。
炭素の5員環と共に2つのベンゼン環構造が形成された構造を有するフルオレンを重合したポリフルオレンは、有機ELの発光剤等として使用できることが知られている。本発明のフルバレン重合体は発光デバイスの材料として好適に用いることができるものであるが、これは重合体の構造単位のもとになるフルバレン化合物がフルオレンと類似の炭素の5員環と共に2つの環構造が形成された構造部位を含んでいることのみを理由とするものではなく、フルバレン化合物が、その構造に起因してLUMOのエネルギー準位が低いものであることも重要な要因であり、本発明のフルバレン重合体は、フルオレン由来の構造部位を含んでいるだけの重合体では発現し得ない特性を発揮することができる化合物である。
上記式(1)において、X〜Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。すなわち、Xが水素原子である場合、Xを有する環構造は置換基を有していないことを示す。X〜Xが水素原子である場合についても同様に、X〜Xのそれぞれを有する環構造が置換基を有していないことを示す。
なお、本明細書中において置換基とは、炭素を含む有機基と、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等の炭素を含まない基とを含めた基を意味している。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物は、X〜Xのいずれか1つが1価の置換基であり、残り3つが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもの、X〜Xのいずれか1つが1価の置換基であり、残り3つが水素原子であるもの、X〜Xの全てが1価の置換基であるものがある。これらの中でも、X〜Xのいずれか1つが1価の置換基であり、残り3つが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもののいずれかが好ましい。より好ましくは、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるもの、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるものであり、更に好ましくは、X及びXが1価の置換基であり、X及びXが水素原子であるものである。
上記X〜Xが1価の置換基である場合、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子;塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7の環状アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;ニトロ基;アゾ基;アリル基;シアノ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキル基を有するモノ又はジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基などのアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、ブテニル基、スチリル基等の炭素数2〜8のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、フェニルアセチニル等の炭素数2〜8のアルキニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基等のアルキニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のパーフルオロ基及び更に長鎖のパーフルオロ基;ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ビス(パーフルオロフェニル)ボリル基、ジボロン酸エステル基等のボリル基;アセチル基、ベンゾイル基等のカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等のスルフィニル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリフェニルシリル基等のシリル基;ハロゲン原子やアルキル基、アルコキシ基等で置換されていてもよいフェニル基、2,6−キシリル基、メシチル基、デュリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、フェナンスレニル基等のアリール基;オリゴアリール基;チエニル基、フリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基等のヘテロ環基;オリゴヘテロ環基;カルボキシル基;カルボン酸エステル;エポキシ基;イソシアノ基;シアネート基;イソシアネート基;チオシアネート基;イソチオシアネート基;カルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等のN,N−ジアルキルカルバモイル基;ホルミル基;ニトロソ基;ホルミルオキシ基;スタニル基;ホスフィノ基;シリルオキシ基;アリールスルホニルオキシ基;アルキルスルホニルオキシ基;アリールチオ基;アリールアルキル基;アリールアルケニル基;アリールアルキニル基;アリールアルコキシ基;アリールアルキルチオ基;等が挙げられる。これらの置換基は、反応性基で置換されていてもよい。
なお、ボリル基とは、(RO)B−(Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を表し、2つのRが結合していてもよい。)で表される基である。
本発明においては、上記式(1)におけるX〜Xのうち少なくとも1つが、反応性基を有する置換基である。反応性基を有する置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アゾ基、アシル基、アリル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等の反応性基;該反応性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;該反応性基で置換された炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;該反応性基で置換されたアリール基;該反応性基で置換されたオリゴアリール基;該反応性基で置換された1価のヘテロ環(複素環)基;該反応性基で置換された1価のオリゴヘテロ環基;アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基;アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基が好ましい。より好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基、ホルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価の複素環基、該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基、アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基、アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基である。更に好ましくは、臭素原子、ボリル基、ホルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価の複素環基、該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基、アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基、アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基である。
上記X〜Xの1価の置換基のうち、反応性基を有する置換基以外の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;アリール基;オリゴアリール基;1価の複素環基;1価のオリゴ複素環基;アルキルチオ基;アリールオキシ基;アリールチオ基;アリールアルキル基;アリールアルコキシ基;アリールアルキルチオ基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、オリゴアリール基、下記式(4)で表される基等の1価の複素環基、1価のオリゴ複素環基である。
〜Xが1価の置換基である場合、環構造に対するX〜Xの結合位置や結合する数は、特に制限されないが、X〜Xの数は、それぞれ1〜5であることが好ましい。より好ましくは、1〜4である。
Figure 0006150527
上記X〜Xの少なくとも1つが反応性基を有する置換基である本発明のフルバレン重合体の原料となる単量体成分は、以下のいずれかのものである。
(i)X、X、X及びXのうち1つが単独で重合することができる反応性基を有する置換基であるフルバレン化合物を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの。
(ii)X、X、X及びXのうち2つが反応性基を有する置換基であって、かつ、それらの2つの反応性基どうしが反応し得るものであり、1種のフルバレン化合物が単独で重縮合し得る反応性基の組み合わせであるフルバレン化合物を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの。
(iii)式(1)で表されるフルバレン化合物を2種以上含み、これらのフルバレン化合物が共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの。
(iv)式(1)で表されるフルバレン化合物を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とを含み、これらが共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの。
なお、上記(iii)、(iv)において、共重合には、重縮合が含まれる。すなわち、(iii)には、式(1)で表されるフルバレン化合物を2種以上含み、これらのフルバレン化合物が重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが含まれ、(iv)には、式(1)で表されるフルバレン化合物を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とが重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが含まれる。
これらの中でも、本発明のフルバレン重合体の原料となる単量体成分は、式(1)で表されるフルバレン化合物を1種又は2種以上含み、これらが重縮合するような反応性基の組合せを有するもの、又は、式(1)で表されるフルバレン化合物を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とを含み、これらが重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが好ましい。
上記式(1)において、点線の円弧と、フルバレン骨格を形成する5員環の骨格部分の一部とによって形成される環構造は、環状構造であれば特に制限されないが、例えば、ベンゼン環、シクロヘキサン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、イソインドール環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環が挙げられ、これらはそれぞれ下記式(5−1)〜(5−22)で表される。これらの中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環、チオフェン環、ピリジン環が好ましい。
Figure 0006150527
式(1)には、点線の円弧と、フルバレン骨格を形成する5員環の骨格部分の一部とによって形成される環構造が4つあるが、これら4つの環構造のうち、X、Xが結合する2つの環構造は、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ピリジン環のいずれかであることが好ましく、X、Xが結合する2つの環構造は、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ピリジン環のいずれかであることが好ましい。
また上記式(1)における点線の円弧で表される4つの環構造のうち1〜3つがチオフェン環であることは、本発明のフルバレン重合体の好適な実施形態の1つである。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物において、4つの環構造が2種類の環構造からなり、XとX、XとXが結合している環構造がそれぞれ同じ環構造であることは本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、上記式(1)において、Xが結合する環構造とXが結合する環構造とが同一の環構造、かつ、Xが結合する環構造とXが結合する環構造とが同一の環構造であって、X、Xが結合する環構造とX、Xが結合する環構造とが異なる環構造であるフルバレン化合物を単量体成分とするフルバレン重合体は、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、上記式(1)においてX〜Xが結合する4つの環構造のうち、3つが同一の環構造であり、1つだけが他の3つと異なる環構造であるフルバレン化合物を単量体成分とするフルバレン重合体もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
更に、X〜Xが結合している環構造の全てが同じ環構造であって、XとXとが同一の1価の置換基であり、XとXとが共に水素原子、又は、同一の置換基であって、かつX、Xとは別の置換基であるフルバレン化合物を単量体成分とするフルバレン重合体も本発明の好適な実施形態の1つである。
更に、X〜Xが結合している環構造の全てが同じ環構造であって、X〜Xのうちいずれか1つが1価の置換基であり、それ以外の3つが水素原子であるもの、又は、X〜Xのうちいずれか3つが、同一又は異なって、1価の置換基であり、残り1つが水素原子であるフルバレン化合物を単量体成分とするフルバレン重合体も本発明の好適な実施形態の1つである。
このように、本発明のフルバレン重合体は、上記式(1)において、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位、及び、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位の4つの構造部位のうち、少なくとも1つが他の3つの構造部位のうちの少なくとも1つとは異なるものであるフルバレン化合物を含む単量体成分から得られるものであることが好ましい。
更に、上記式(1)で表されるフルバレン化合物は、X〜Xが結合する4つの環構造が全てベンゼン環であって、X、Xが同一の1価の置換基A、かつ、X、Xが水素原子である場合、置換基Aは、臭素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−COCH基、−CHOH基、−CONHR基(Rは、構造中にフェニル基を含む炭化水素基を表す。)以外の置換基であることが好ましく、X〜Xが結合する4つの環構造が全てベンゼン環であって、X、Xが同一の1価の置換基A、かつ、X、Xが水素原子である場合、置換基Aは、臭素原子、メトキシ基、−COCH基、−CONHR基(Rは、構造中にフェニル基を含む炭化水素基を表す。)以外の置換基であることが好ましい。また、X〜Xが結合する4つの環構造が全てベンゼン環であって、X〜Xが全て同一の1価の置換基である場合、当該1価の置換基は、臭素原子以外の置換基であることが好ましい。
これらの場合、置換基Aとして好ましいものは、上述したX〜Xが1価の置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、これらの好ましくない置換基を除いたものである。
更に、上記式(1)で表されるフルバレン化合物は、X〜Xが結合する4つの環構造が全てベンゼン環であって、X〜Xの中にハロゲン原子が含まれる場合には、X〜Xのうち少なくとも1つはハロゲン原子以外の1価の置換基であることが好ましい。この場合、ハロゲン原子以外の1価の置換基として好ましいものは、上述したX〜Xが1価の置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、ハロゲン原子を除いたものである。
また、上記式(1)で表されるフルバレン化合物は、点線の円弧で表される4つの環構造が全てチオフェン環であって、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが2つの炭素原子を介して結合した構造を有し、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが2つの炭素原子を介して結合した構造を有する場合、X〜Xのうち少なくとも1つは臭素原子、5−ブロモ−2−チオフェン基以外の1価の置換基であることが好ましい。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物において、点線の円弧で表される4つの環構造が全てチオフェン環であって、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが2つの炭素原子を介して結合した構造を有し、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが2つの炭素原子を介して結合した構造を有する場合とは、フルバレン化合物が下記式(6−1)のような構造を有する場合である。下記式(6−2)で表される構造は、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが3つの炭素原子を介して結合した構造であるため、この場合には含まれない構造である。
Figure 0006150527
上記式(1)で表されるフルバレン化合物が上記式(6−1)で表される構造を有する場合、X〜Xのうち少なくとも1つは臭素原子、5−ブロモ−2−チオフェン基以外の1価の置換基であることが好ましい。
この場合、臭素原子、5−ブロモ−2−チオフェン基以外の1価の置換基として好ましいものは、上述したX〜Xが1価の置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、臭素原子、5−ブロモ−2−チオフェン基を除いたものである。
更に、上記式(1)で表されるフルバレン化合物において、X〜Xの少なくとも1つが炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基であって、かつ、X〜Xの全てが炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基ではないものであることもまた、本発明のフルバレン重合体の好適な実施形態の1つである。
炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基としては、炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含むものである限り特に制限されないが、上述したX〜Xが1価の置換基である場合の1価の置換基として好ましいもののうち、炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含むものが好ましい。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物において、X〜Xの少なくとも1つが炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基である場合、炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基ではない置換基としては、上述したX〜Xが1価の置換基である場合の1価の置換基として好ましいもののうち、炭素−炭素間の二重結合、三重結合を含まないものが好ましい。
本発明における好ましいフルバレン化合物のうち、反応性基を有する置換基としてハロゲン原子、又は、アルケニル基を有するものとしては、例えば、下記(7−1)〜(7−13)のような構造の化合物が挙げられる。これらの中でも、(7−1)〜(7−7)がより好ましい。
Figure 0006150527
本発明のフルバレン重合体は、上記式(1)中のX〜Xの少なくとも2つの基が重縮合するか、又は、少なくとも1つの基が重合して形成される繰り返し単位を有するものである。すなわち、下記式(8);
Figure 0006150527
(式中、点線の円弧は、式(1)と同様である。X´〜X´は、それぞれ、式(1)のX〜Xと同様の基、2価の基、3価の基、又は、直接結合を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有するフルバレン重合体である。上記式(8)は、X´〜X´のいずれか1つ以上が、重合体の主鎖の一部として結合を形成することを意味する。上記式(1)中のX〜Xのうち少なくとも2つの基が重縮合してフルバレン重合体が形成された場合、上記式(8)におけるX´〜X´のうち少なくとも2つの基が2価の基、又は、直接結合である。上記式(1)中のX〜Xのうち少なくとも1つの基が単独で重合してフルバレン重合体が形成された場合、上記式(8)におけるX´〜X´のうち少なくとも1つの基が3価の基、又は、直接結合である。
上記式(8)で表される繰り返し単位を有するフルバレン重合体は、上記式(8)で表される構造の1種からなるものであってもよく、上記式(8)で表される2種以上の構造を含むものであってもよい。また、上記式(8)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有するものであってもよい。上記式(8)で表される2種以上の構造を含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体等であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記式(8)で表される繰り返し単位の構造の具体例のうち、重縮合によって得られる構造は、以下の式(9−1)〜(9−6)のような構造のものである。これらの中でも、(9−1)、(9−3)、(9−4)又は(9−6)のいずれかが好ましい。より好ましくは、(9−1)である。すなわち、式(1)で表される構造を有し、式(1)におけるX及びXが、反応性基を有する置換基であるフルバレン化合物から得られるフルバレン重合体もまた、本発明の1つである。なお、(9−1)〜(9−3)において、X´が2価の基、3価の基、又は、直接結合であって、X´が2つ以上ある場合、2つ以上のX´いずれか1つが2価の基、3価の基、又は、直接結合であればよい。X´、X´、X´が2価の基、3価の基、又は、直接結合である場合についても同様である。
Figure 0006150527
Figure 0006150527
上記重縮合し得る反応性基の組み合わせとしては、重合し得るものであれば特に制限されないが、例えば、カルボキシル基とヒドロキシ基、カルボキシル基とチオール基、カルボキシル基とアミノ基、カルボン酸エステルとアミノ基、カルボキシル基とエポキシ基、ヒドロキシ基とエポキシ基、チオール基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、イソシアネート基とヒドロキシ基、イソシアネート基とチオール基、イソシアネート基とアミノ基、ヒドロキシ基とハロゲン原子、チオール基とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホニウムメチル基、ビニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホネートメチル基、ハロアルキル基とハロアルキル基、スルホニウムメチル基とスルホニウムメチル基、アルデヒド基とアセトニトリル基、アルデヒド基とアルデヒド基、ハロゲン原子とボリル基、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム、ハロゲン原子とハロゲン原子等が挙げられる。
これらの中でも、ハロゲン原子とボリル基との組み合わせ、ハロゲン原子とハロゲン原子との組み合わせ、スタニル基とハロゲン原子との組み合わせが好ましい。
本発明のフルバレン重合体が上記式(9−2)又は(9−5)で表される構造を有するものであって、点線の円弧で表される4つの環構造が全てベンゼン環であり、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成していない基がいずれも水素原子又は臭素原子の場合、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成している基の少なくとも1つは、臭素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−COOCH基、−CHOH基、−CONHR基(Rは、構造中にフェニル基を含む炭化水素基を表す。)のいずれかと他の反応性置換基とが反応して形成される基以外の基であることが好ましい。当該基としては、上述したX〜Xが1価の反応性基を有する置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、臭素原子、メトキシ基、カルボキシル基、−COOCH基、−CHOH基、−CONHR基(Rは、構造中にフェニル基を含む炭化水素基を表す。)を除いたものと、他の反応性置換基とが反応して形成される基が好ましい。
フルバレン重合体が上記式(9−3)又は(9−4)で表される構造を有するものであって、点線の円弧で表される4つの環構造が全てベンゼン環であり、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成していない基がいずれも水素原子又は臭素原子の場合、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成している基の少なくとも1つは、臭素原子、メトキシ基、−COOCH基、−CONHR基(Rは、構造中にフェニル基を含む炭化水素基を表す。)のいずれかと他の反応性置換基とが反応して形成される基以外の基であることが好ましい。当該基としては、上述したX〜Xが1価の反応性基を有する置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、臭素原子、メトキシ基、−COOCH基、−CONHR基(Rは、構造中にフェニル基を含む炭化水素基を表す。)を除いたものと、他の反応性置換基とが反応して形成される基が好ましい。
また、本発明のフルバレン重合体は、上記式(9−1)〜(9−6)における点線の円弧で表される4つの環構造が全てチオフェン環であって、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが2つの炭素原子を介して結合した構造を有し、Xが結合しているチオフェン環の硫黄原子とXが結合しているチオフェン環の硫黄原子とが2つの炭素原子を介して結合した構造を有し、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成していない基がいずれも臭素原子、5−ブロモ−2−チオフェン基のいずれかである場合、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成している基の少なくとも1つは、臭素原子又は5−ブロモ−2−チオフェン基と他の反応性置換基とが反応して形成される基以外の基であることが好ましい。当該基としては、上述したX〜Xが1価の反応性基を有する置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、臭素原子、5−ブロモ−2−チオフェン基を除いたものと、他の反応性置換基とが反応して形成される基が好ましい。
更に、本発明のフルバレン重合体は、上記式(9−1)〜(9−6)における点線の円弧で表される4つの環構造が全てベンゼン環であって、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成していない基がいずれも水素原子又はハロゲン原子である場合、X´〜X´のうち重合体の主鎖を形成している基の少なくとも1つは、ハロゲン原子と他の反応性置換基とが反応して形成される基以外の基であることが好ましい。当該基としては、上述したX〜Xが1価の反応性基を有する置換基である場合の1価の置換基として好ましいものから、ハロゲン原子を除いたものと、他の反応性置換基とが反応して形成される基が好ましい。
上記式(1)中のX〜Xの少なくとも2つが重縮合してフルバレン重合体が形成される場合、上記式(8)におけるX´〜X´のうち少なくとも2つの基が2価の基、又は、直接結合を表すが、該2価の基は、反応性基を有する置換基間の重縮合反応により脱離しない残基を表すこととなる。上記重縮合し得る反応性基の組み合わせとなるような反応性基を有する置換基が重縮合反応した場合には、残基が重合体中に残る場合と、残らない場合とがあり、前者の場合には、X´〜X´のうち少なくとも1つは、反応性基を有する置換基間の重縮合反応により脱離しない残基を表し、後者の場合には、X´〜X´のうち少なくとも1つは、直接結合を表すこととなる。
また、上記式(8)で表される繰り返し単位が2つ以上続く場合には、2つの繰り返し単位の間に、例えば、−X´−X´−のように、X´とX´とが連続する結合が形成されることになるが、この場合、当該2つのうちいずれか一方は、直接結合である。
上記重縮合し得る反応性基の組み合わせとなるような反応性基を有する置換基が重縮合反応して残基が重合体中に残る場合の具体的としては、カルボキシル基を有する置換基とヒドロキシ基を有する置換基との組み合わせが挙げられる。例えば、−CHCOOH基と−CHCHOH基とが重縮合反応した場合、重合体中に残る残基は−CH(CO)−O−CHCH−基となる。また、例えば、−COOH基と−OH基との反応のように、反応性基を有する置換基が反応性基のみから構成される場合、重合体中に残る残基は−(CO)−O−基となる。
また、上記重縮合し得る反応性基の組み合わせが重縮合反応して残基が重合体中に残らない場合の具体例としては、ボリル基とハロゲン原子、ハロゲン原子とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム等の組み合わせが挙げられる。
上記式(8)で表される繰り返し単位の構造の具体例のうち、上記式(1)中のX〜Xの少なくとも1つが単独で重合して得られる構造として、例えば、Xが重合して得られる構造は、下記式(10)のような構造である。このように、式(1)中のXが、構造中に単独で重合し得る反応性基を有する置換基である場合、X´が3価の基又は直接結合である構造の繰り返し単位となる。同様に、式(1)中のX、X、Xが、構造中に単独で重合し得る反応性基を有する置換基である場合、それぞれX´、X´、X´が3価の基又は直接結合である構造の繰り返し単位となる。
Figure 0006150527
上記式(10)で表される繰り返し単位を有するフルバレン重合体は、上記式(10)で表される構造の1種からなるものであってもよく、上記式(10)で表される2種以上の構造を含むものであってもよい。また、上記式(10)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有するものであってもよい。上記式(8)で表される2種以上の構造を含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体等であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記単独で重合し得る反応性基としては、3,5−ジブロモフェニル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基等が挙げられる。上記式(1)のフルバレン化合物がこれらの基のいずれかを少なくとも1つ有することで、上記式(1)のフルバレン化合物は単独で重合することができる。これらの中でも、アルケニル基、エポキシ基、3,5−ジブロモフェニル基が好ましい。
上記式(1)中のX〜Xの中で、重縮合する基は、上記重縮合し得る反応性基を構造中に有する置換基であればよい。同様に、単独重合する場合は、上記単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基であればよい。このような置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数3〜7の環状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルコキシ基、アリール基やヘテロ環基等のいずれかの基の水素原子が上記重縮合し得る反応性基や単独で重合し得る反応性基で置換された基が挙げられる。これらの中でも、スチリル基、3,5−ジブロモフェニル基が好ましい。
本発明のフルバレン重合体は、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分から得られるものである限り、単量体成分にその他の単量体が含まれていてもよい。
すなわち、式(1)で表されるフルバレン化合物と、下記式(11);
Figure 0006150527
(式中、Aは、2価の基を表す。X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又は1価の置換基を表し、X及びXの少なくとも1つの基は、反応性基を有する置換基である。)で表されるその他の単量体とを重合して形成されるフルバレン重合体もまた、本発明のフルバレン重合体に含まれる。
上記式(11)で表される化合物において、X及びXは、上記X〜Xが有する1価の置換基と同様のものを用いることができる。
上記式(11)におけるAは、2価の基であれば、特に制限されないが、その構造を相当する化合物名として挙げると例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ルブレン、ピレン、ペリレン、インデン、アズレン、アダマンタン、フルオレン、フルオレノン、ジベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、チオフェン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、ノルボルネン、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、クマリン、シノリン、キノキサリン、アクリジン、フェナントロリン、フェノチアジン、フラボン、トリフェニルアミン、アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ピコリン酸、シロール、ポルフィリン、イリジウム等の金属配位化合物、又は、それらが置換基を有している誘導体、それら誘導体の構造を含むポリマー若しくはオリゴマー等が挙げられる。
上記Aとしては、上述したものに加えて、例えば、下記式(12−1)〜(12−4)の構造が挙げられる。
Figure 0006150527
(式中、Ar1、Ar2、Ar3は、同一若しくは異なって、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。Z1は、−C≡C−、−N(Q3)−、−(SiQ4Q5)b−、又は、直接結合を示す。Z2は、−CQ1=CQ2−、−C≡C−、−N(Q3)−、−(SiQ4Q5)b−、又は、直接結合を表す。Q1及びQ2は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基(ヘテロ環基)、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、又は、シアノ基を表す。Q3、Q4及びQ5は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、又は、アリールアルキル基を示す。aは0〜1の整数を表す。bは1〜12の整数を表す。)
上記アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、環を構成する炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。該芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。
上記アリーレン基としては、例えば、下記式(13−1)で表されるフェニレン基、下記式(13−2)〜(13−3)で表されるナフタレンジイル基、下記式(13−4)〜(13−7)で表されるアントラセンジイル基、下記式(13−8)で表されるビフェニル−ジイル基、下記式(13−9)で表されるフルオレン−ジイル基、下記式(13−10)で表されるターフェニル−ジイル基、下記式(13−11)〜(13−12)で表されるスチルベン−ジイル基、下記式(13−13)〜(13−14)で表されるジスチルベン−ジイル基、下記式(13−15)〜(13−20)で表される縮合環化合物基、下記式(13−21)〜(13−23)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
なお、式(13−1)〜(13−23)において、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミン残基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールエチニル基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基またはシアノ基を表す。式(13−1)中においてx−yで示した線のように、環構造に交差して付された線は、環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。すなわち、式(13−1)においては、x−yで示される線が付された環を構成する炭素原子のいずれかと直接結合することを意味し、その環構造における結合位置は限定されない。式(13−10)中においてz−で示した線のように、環構造の頂点に付された線は、その位置において環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。また、環構造に交差して付されたRの付いた線は、Rが、その環構造に対して1つ結合していてもよく、複数結合していてもよいことを意味し、その結合位置も限定されない。
また、式(13−1)〜(13−10)及び(13−15)〜(13−20)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Figure 0006150527
Figure 0006150527
上記2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、環を構成する炭素数は通常3〜60程度である。該複素環化合物としては、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものも含まれる。
上記2価の複素環基としては、例えば、下記式(14−1)で表されるピリジン−ジイル基、下記式(14−2)〜(14−3)で表されるジアザフェニレン基、下記式(14−4)〜(14−6)で表されるキノリンジイル基、下記式(14−7)〜(14−9)で表されるキノキサリンジイル基、下記式(14−10)〜(14−12)で表されるアクリジンジイル基、下記式(14−13)で表されるビピリジルジイル基、下記式(14−14)で表されるフェナントロリンジイル基等のヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;
下記式(14−15)〜(14−17)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基;
下記式(14−18)〜(14−20)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基;
下記式(14−21)〜(14−26)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基;
下記式(14−27)〜(14−29)で表される、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基;
下記式(14−30)〜(14−35)で表される、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基;下記式(14−36)〜(14−38)で表される、ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基;等が挙げられる。
なお、式(14−1)〜(14−38)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。Yは、O、S、SO、SO、Se、又は、Teを表す。環構造に交差して付された線、環構造の頂点に付された線、環構造に交差して付されたRの付いた線については、式(14−1)〜(14−23)と同様である。
また、式(14−1)〜(14−38)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Figure 0006150527
Figure 0006150527
上記金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、例えば、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体等が挙げられる。
上記金属錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられ、上記有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
上記金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、例えば下記式(15−1)〜(15−7)で表される基が挙げられる。
なお、式(15−1)〜(15−7)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。環構造の頂点に付された線については、式(13−1)〜(13−23)と同様、直接結合を意味する。
また、式(15−1)〜(15−7)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Figure 0006150527
Figure 0006150527
また、Aの構造としては、下記式(12−5)のような構造も挙げられる。
Figure 0006150527
(式中、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7は、同一又は異なって、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。Ar8、Ar9及びAr10は、同一又は異なって、アリール基又は1価の複素環基を表す。m及びnは、同一又は異なって、0又は1を表し、0≦m+n≦1である。)
上記式(12−5)で表される構造の具体例としては、下記式(16−1)〜(16−8)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006150527
Figure 0006150527
なお、式(16−1)〜(16−8)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。環構造の頂点に付された線については、式(13−1)〜(13−23)と同様、直接結合を意味する。上記式(16−1)〜(16−8)において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なる基であってもよい。溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた構造の形状の対称性が少ないことが好ましい。更に、上記式(16−1)〜(16−8)において、Rがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらが更に1つ以上の置換基を有していてもよい。また、Rがアルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐若しくは環状のいずれか又はそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合としては、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基等が挙げられる。本発明のフルバレン重合体の溶媒への溶解性を高めるためには、1つ以上に環状または分岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。
また、複数のRが連結して環を形成していてもよい。更に、Rがアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖は、ヘテロ原子を含む基で中断されていてもよい。該ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
上記Aの構造としては、上述したものの中でも、式(12−5)、式(13−9)、式(14−16)、式(14−28)であることが好ましい。
本発明のフルバレン重合体の原料となる単量体成分が、上記式(1)で表されるフルバレン化合物と上記式(11)で表されるその他の化合物とを含む場合、単量体成分全体100モル%に対して、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を5〜95モル%、上記式(11)で表されるその他の化合物を95〜5モル%含むことが好ましい。より好ましくは、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を10〜90モル%、上記式(11)で表されるその他の化合物を90〜10モル%含むことであり、更に好ましくは、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を20〜80モル%、上記式(11)で表されるその他の化合物を80〜20モル%含むことである。
本発明のフルバレン重合体が、上記式(1)で表されるフルバレン化合物と上記式(11)で表されるその他の化合物とを含む単量体成分から得られたものである場合、式(1)中のX〜Xの少なくとも1つの基と式(11)中のX、Xの少なくとも1つの基とが重合して形成される繰り返し単位を有するものである。すなわち、下記式(17);
Figure 0006150527
(式中、点線の円弧は、式(1)と同様である。X´〜X´は、式(8)と同様である。Aは、同一若しくは異なって、2価の基を表す。X´及びX´は、それぞれ式(11)のX及びXと同様の基、2価の基、3価の基、又は、直接結合を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有するフルバレン重合体もまた本発明のフルバレン重合体に含まれる。
上記式(17)は、X´〜X´のいずれか1つ又は2つ、かつ、X´及び/又はX´が、重合体の主鎖の一部として結合を形成することを意味する。
上記式(17)で表される繰り返し単位を有するフルバレン重合体において、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(11)由来の繰り返し単位は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体あってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。また、上記式(1)で表されるフルバレン化合物と上記式(11)で表される化合物とが反応して形成される構造単位が繰り返し単位となるものであってもよい。
また、上記式(17)で表される繰り返し単位を有するフルバレン重合体は、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(11)由来の繰り返し単位をそれぞれ1種含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。繰り返し単位を2種以上含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体あってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記式(17)で表されるフルバレン重合体としては、(i)上記式(1)中のX〜Xのいずれか2つと、上記式(11)中のX及びXとが、重合体の主鎖を形成するための結合形成に使用される場合、(ii)上記式(1)中のX〜Xのいずれか1つと、上記式(11)中のX又はXのいずれか1つの基とが、重合体の主鎖の一部として結合を形成する場合がある。これらの場合の繰り返し単位の構造の具体例として、それぞれ一例を示すと、例えば、下記式(18)、(19)のような構造がある。
Figure 0006150527
(i)上記式(1)中のX〜Xのいずれか2つと、上記式(11)中のX及びXとが、重合体の主鎖を形成するための結合形成に使用される場合、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(11)由来の繰り返し単位がランダム付加したものであってもよく、ブロック付加したものであってもよく、上記式(1)中のX〜Xのいずれかの基と上記式(11)中のX及び/又はXとが重縮合したものであってもよいが、これらの中でも、上記式(1)中のX〜Xのいずれかの基と上記式(11)中のX及び/又はXとが重縮合したものであることが好ましい。そのような重合体の一例として、上記式(1)中のX、Xと上記式(11)中のX及びXとが重縮合したものは、下記式(20)で表される構造を繰り返し単位とする重合体となる。
Figure 0006150527
上記式(1)中のX〜Xのいずれかの基と上記式(11)中のX及び/又はXとが重縮合する場合の反応性基の組み合わせとしては、上述したものと同様のものが挙げられる。また、反応性基の組み合わせとして好ましいものもまた、上述したものと同様である。すなわち、上記式(1)中のX〜Xのいずれかの基と上記式(11)中のX及び/又はXとが重縮合する場合、上記式(11)中のX及びXのうち、当該重縮合する基としては、上述した重縮合し得る反応性基を構造中に有する置換基のいずれかであることが好ましい。またその中でも、上記式(1)で表されるフルバレン化合物と上記式(11)で表される化合物との重縮合反応が、上述した好ましい反応性基の組み合わせによる反応となるような置換基が好ましい。
また、上記式(11)中のX及びXのいずれかが、単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基である場合、当該置換基は、上述した単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基のいずれかであることが好ましい。
本発明のフルバレン重合体の両末端に結合している基は、特に制限されず、また、同一であっても良く、異なっていてもよい。上記両末端に結合している基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリール基、オリゴアリール基、1価の複素環基、1価のオリゴ複素環基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
本発明のフルバレン重合体は、重量平均分子量が10〜10であることが好ましい。重量平均分子量がこのような範囲であると、良好に薄膜化できる。より好ましくは、10〜10であり、更に好ましくは10〜10である。
上記重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定することができる。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分から重合体を製造する際に用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、トルエン、クロロホルム、テトラヒドフランが好ましい。より好ましくは、トルエン、テトラヒドフランである。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分から重合体を製造する際の反応温度は、−100℃〜300℃であることが好ましい。より好ましくは、−50℃〜200℃であり、更に好ましくは、0℃〜150℃である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、1〜72時間であることが好ましい。より好ましくは、10〜48時間であり、更に好ましくは、10〜24時間である。
本発明のフルバレン重合体を上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分から製造する際には、触媒や重合開始剤を使用することができる。
上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分を重合する反応が重縮合反応である場合、触媒としては、塩酸のような無機酸、または有機酸、無機塩基、有機塩基、有機金属化合物等を用いることができ、重縮合反応する反応性基の種類に合わせて適宜選択して用いることができる。
触媒や重合開始剤の使用量は、上記式(1)で表されるフルバレン化合物1モルに対して、0.0001〜1000モルが好ましい。より好ましくは、0.001〜100モルである。
また、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分を重合する際には、連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、ヒドロキシスチレン、チオールメルカプタン等の中から、適宜選択して用いることができる。
連鎖移動剤の使用量は、上記式(1)で表されるフルバレン化合物1モルに対して、0.0001〜1000モルが好ましい。より好ましくは、0.001〜100モルである。
本発明のフルバレン重合体は上記式(1)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分から得られるものであるが、上記式(1)で表されるフルバレン化合物は、2通りの方法により製造することができる。以下においては、これらの製造方法を第1のフルバレン化合物の製造方法、第2のフルバレン化合物の製造方法と記載する。
以下においては、まず、第1のフルバレン化合物の製造方法について記載する。
第1のフルバレン化合物の製造方法は、下記式(21);
Figure 0006150527
(式中、点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。X、Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Yは、水素原子又は1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(I)と、下記式(22);
Figure 0006150527
(式中、点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。X、Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。R、Rは、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(II)とを反応させる工程含む製造方法である。ただし、上記X〜Xのうち少なくとも1つは、反応性基を有する置換基である。
このような製造方法を用いると、上記式(21)で表される化合物や上記式(22)で表される化合物を適宜選択することでX〜Xが結合する環の構造を種々に変えたフルバレン化合物を製造することができ、そのフルバレン化合物を原料として用いる本発明のフルバレン重合体も、種々の繰り返し単位の構造を有するものを製造することができる。
上記第1のフルバレン化合物の製造方法は、上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである。この反応工程において、上記式(21)で表される化合物、上記式(22)で表される化合物は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、上記第1のフルバレン化合物の製造方法は、上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記式(21)、式(22)で表される化合物における点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。すなわち、上記式(21)、式(22)で表される化合物が、それぞれ構造中に少なくとも2つの環構造を有し、上記式(21)、式(22)において、炭素原子間の二重結合部分が、該環構造の一部として含まれていることを表している。
上記式(21)においてX、Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、上記式(22)において、X、Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表す。
〜Xの構造の具体例及び好ましい構造、並びに、1価の置換基が結合する環の位置は、上記式(1)におけるX〜Xの構造の具体例及び好ましい構造、並びに、1価の置換基が結合する環の位置と同様である。
上記式(21)におけるYは、水素原子又は1価の置換基を表す。1価の置換基としては、式(22)で表される化合物との反応系中で末端アルキンを発生させ、最終的に銅(I)アセチリド中間体を発生させるものであればよい。
このような1価の置換基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、等が挙げられる。
Yとしては、水素原子又は1価の置換基の中でもトリメチルシリル基であることが好ましい。
上記式(22)におけるR、Rは、同一又は異なって、1価の置換基を表す。1価の置換基は、Pd(0)種が酸化的付加を起こすことが可能な置換基であればよい。このような1価の置換基としては、ハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基等が挙げられる。この中でも好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子である。
上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程においては、上記式(21)で表される化合物1モルに対して上記式(22)で表される化合物を0.5〜1.5モル用いて反応を行うことが好ましい。このような比率で用いることで、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を高収率で製造することができる。より好ましくは、上記式(21)で表される化合物1モルに対して上記式(22)で表される化合物を0.7〜1.3モル用いることである。
上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程は、触媒を用いて行うことが好ましい。触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl(PPh)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PBu)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pddba)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))等のパラジウム錯体の1種又は2種以上と、ヨウ化銅、臭化銅、塩化銅等の銅触媒の1種又は2種以上とを用いることが好ましい。より好ましくは、Pd(PPh又はPd(PBuとヨウ化銅等の一価の銅触媒とを用いることである。
また触媒の使用量としては、上記式(21)で表される化合物1モルに対して、パラジウム錯体と銅触媒との合計が0.001〜0.2モルとなるように用いることが好ましい。より好ましくは、0.01〜0.05モルとなるように用いることである。
また、上記触媒の反応性を上げるために配位子を用いてもよい。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh)、トリ(o−トリル)ホスフィン(P(o−tol))、トリ(2−フリル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル等のリン配位子が挙げられる。これらの配位子のうち、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンが好ましい。
配位子の使用量としては、パラジウム触媒1モルに対して、0.5〜4モル用いることが好ましい。より好ましくは、1〜2.5モル用いることである。
なお、ホスフィン配位子などの安定化剤を含む触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなど)を用いた場合には、さらに配位子を用いる必要はない。
上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程においては、C−H結合活性化剤を加える必要がある。活性化剤としては、エチルジイソプロピルアミン(DIPEA)、ピリジン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等のアミン系化合物が挙げられる。これらの活性化剤は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記活性化剤の使用量としては、上記式(21)で表される化合物1モルに対して、1モル〜10モルであることが好ましい。さらに好ましくは1モル〜5モルであり、特に好ましくは、3モル〜5モルである。
上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程に用いる溶媒としては、当該反応が進行するものである限り特に制限されず、ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドフラン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程は、不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、アルゴン、ヘリウム等のいずれを用いてもよいが、窒素、アルゴンが好ましい。不活性ガスは、1種又は2種以上を用いることができる。
上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程の反応温度は、−100℃〜300℃であることが好ましい。より好ましくは、0℃〜200℃であり、特に好ましくは溶媒にもよるが、0℃〜150℃である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、1〜48時間であることが好ましい。より好ましくは、10〜36時間であり、特に好ましくは、工業的、実用的な側面からみても12〜30時間である。
次に、第2のフルバレン化合物の製造方法について記載する。
第2のフルバレン化合物の製造方法は、下記式(22’);
Figure 0006150527
(式中、点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。X、Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。R’、R’は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(II’)と、下記式(23);
Figure 0006150527
(式中、点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。X、Xは、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。R、Rは、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(III)とを反応させる工程を必須とすることを特徴とする製造方法である。
上記第2のフルバレン化合物の製造方法のように、上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させてフルバレン化合物を製造すると、フルバレン化合物をより高い収率で製造することができる。また、比較的温和な条件で毒性の高い化合物を使用することなくフルバレン化合物を製造することができる点もこの方法の有利な点である。
上記第2のフルバレン化合物の製造方法は、上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである。この反応工程において、上記式(22’)で表される化合物、上記式(23)で表される化合物は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、上記第2のフルバレン化合物の製造方法は、上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記式(23)で表される化合物における点線の円弧は、炭素の5員環の骨格部分の一部と共に2つの環構造が形成されていることを表す。上記式(22’)で表される化合物における点線の円弧については、上記式(22’)で表される化合物における点線の円弧と同様である。
〜Xの構造の具体例及び好ましい構造、並びに、1価の置換基が結合する環の位置は、上記式(1)におけるX〜Xの構造の具体例及び好ましい構造、並びに、1価の置換基が結合する環の位置と同様である。
なお、X〜Xのうち、少なくとも1つは、反応性基を有する置換基である。
上記式(22’)におけるR’、R’は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。1価の置換基としては、ハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基、ボリル基等が挙げられる。この中でも好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基である。R’、R’は同一の置換基であることが好ましい。
上記式(23)におけるR、Rは、同一又は異なって、1価の置換基を表し、上記式(22’)におけるR’、R’とは異なる置換基である。1価の置換基としては、ハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基、ボリル基等が挙げられる。この中でも好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基である。R’、R’は同一の置換基であることが好ましい。
より好ましくは、上記式(22’)におけるR’、R’がともに臭素原子又はヨウ素原子であり、上記式(23)におけるR、Rがともにボリル基であること、又は、上記式(22’)におけるR’、R’がともにボリル基であり、上記式(23)におけるR、Rがともに臭素原子又はヨウ素原子であることである。最も好ましくは、上記式(22’)におけるR’、R’がともにボリル基であり、上記式(23)におけるR、Rがともに臭素原子又はヨウ素原子であることである。上記式(22’)におけるR’、R’がともにボリル基であり、上記式(23)におけるR、Rがともに臭素原子又はヨウ素原子であると、より高い収率でフルバレン化合物を製造することができる。
上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程において、上記式(22’)で表される化合物1モルに対して上記式(23)で表される化合物を0.5〜1.5モル用いて反応を行うことが好ましい。このような比率で用いることで、上記式(1)で表されるフルバレン化合物を高収率で製造することができる。より好ましくは、上記式(22’)で表される化合物1モルに対して上記式(23)で表される化合物を0.7〜1.3モル用いることである。
また、上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物の一方が臭素原子又はヨウ素原子を有し、他方がボリル基を有する場合、臭素原子又はヨウ素原子を有する化合物1モルに対して、ボリル基を有する化合物を1〜1.2モル用いることがより好ましい。
上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程は、触媒を用いて行うことが好ましい。触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl(PPh)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PBu)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pddba)、酢酸パラジウム(Pd(OAc))等のパラジウム錯体の1種又は2種以上と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性化合物の1種又は2種以上とを用いることが好ましい。より好ましくは、Pd(PPh又はPd(PBuと炭酸カリウムとを用いることである。
また触媒の使用量としては、上記式(22’)で表される化合物1モルに対して、パラジウム錯体と塩基性化合物との合計が0.001〜0.2モルとなるように用いることが好ましい。より好ましくは、0.01〜0.05モルとなるように用いることである。
また、上記触媒の反応性を上げるために配位子を用いてもよい。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh)、トリ(o−トリル)ホスフィン(P(o−tol))、トリ(2−フリル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル等のリン配位子が挙げられる。これらの配位子のうち、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンが好ましい。
配位子の使用量としては、パラジウム触媒1モルに対して、0.5〜4モル用いることが好ましい。より好ましくは、1〜2.5モル用いることである。
なお、ホスフィン配位子などの安定化剤を含む触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなど)を用いた場合には、さらに配位子を用いる必要はない。
上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程に用いる溶媒としては、当該反応が進行するものである限り特に制限されないが、テトラヒドフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系極性溶媒の1種又は2種以上を用いることが好ましい。より好ましくは、テトラヒドフランである。
更に、溶媒として水を混合したものを用いることがより好ましい。エーテル系極性溶媒と水とを混合して用いる場合の比率は、エーテル系極性溶媒:水=3:1〜10:1であることが好ましい。より好ましくは、4:1〜5:1である。
上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程は、不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、アルゴン、ヘリウム等のいずれを用いてもよいが、窒素、アルゴンが好ましい。不活性ガスは、1種又は2種以上を用いることができる。
上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程の反応温度は、20℃〜100℃であることが好ましい。より好ましくは、40℃〜80℃である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、30時間以上であることが好ましい。より好ましくは、30〜48時間である。
上記第1のフルバレン化合物の製造方法における、上記式(21)で表される化合物と上記式(22)で表される化合物とを反応させる工程の後や、上記第2のフルバレン化合物の製造方法における、上記式(22’)で表される化合物と上記式(23)で表される化合物とを反応させる工程の後に、得られた上記式(1)で表されるフルバレン化合物を精製する工程を含んでいてもよい。精製方法は特に制限されず、抽出、濾過、シリカゲルクロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、リサイクル分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、再結晶、昇華等の方法の中から適した方法を適宜選択して用いることができる。また、これらの精製方法のいずれか1つを用いてもよく、2つ以上を用いてもよい。
本発明のフルバレン重合体は、LUMOのエネルギー準位が低いために、n型半導体の材料や有機EL素子の材料として好適に用いることができるものであるが、そのような用途として用いられるフルバレン重合体のLUMOのエネルギー準位としては、例えば、3.0eV〜5.2eVであることが好ましい。そのような範囲であると、n型半導体の材料や有機EL素子の材料として用いた場合に、充分に性能を発揮することができる。LUMOのエネルギー準位としてより好ましくは、3.2eV〜5.1eVであり、更に好ましくは、3.4eV〜5.0eVである。特に好ましくは、3.6eV〜5.0eVである。LUMOのエネルギー準位は、以下のようにして求めることができる。
<LUMOのエネルギー準位>
pドープシリコン基板(フルウチ化学社製)を25mm角に切断し、アセトン中、及び、イソプロピルアルコール中でそれぞれ10分間超音波洗浄した後、UVオゾン処理を20分間施す。この基板に0.5〜2重量%の濃度に調整した試料溶液を垂らし、毎分1000〜3000回転の速度でスピンコートして測定サンプルとする。作成した測定サンプルについて、紫外光電子分光装置(コベルコ科研社製)を用いて、イオン化ポテンシャルを測定し、測定値を試料の最高被占軌道(HOMO)のエネルギー準位とする。
同時に、上記同様に作成した別の試料薄膜について、紫外可視分光光度計(製品名「Agilent 8453」、アジレント・テクノロジー社製)を用いて、吸収スペクトルを測定する。得られたスペクトルから吸収ピークの長波長側吸収端λ(単位:nm)を読み取り、下記数式(1)により、HOMO−LUMOギャップ(B.G.)を求める。
Figure 0006150527
更に、上記のように複合電子分光分析装置を用いて求めたHOMOのエネルギー準位と、上記数式(1)から求めたHOMO−LUMOギャップ(B.G.)とから、下記数式(2)により、LUMOのエネルギー準位を求める。
Figure 0006150527
本発明のフルバレン重合体は、n型半導体や有機EL素子の材料として好適に用いることができるものであり、太陽電池や有機トランジスタの材料として好適に用いることができるものである。
有機EL素子は、陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、陰極を順に積層させた構造のもの、又は、更にホール注入層、電子注入層を有する構造のもの等がある。これらの素子においては、陰極から注入された電子が電子輸送層を通過して発光層に到達することになるが、エネルギー効率の点から、発光層や電子輸送層の材料の最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位は、電子注入層の材料の有するLUMOのエネルギー準位及び陰極の価電子帯との間でエネルギーギャップが小さいことが好ましい。陰極としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等の金属やこれらの合金等が用いられるが、これらのうち価電子帯のエネルギーが高いものは、酸化されやすい性質を有するため、エネルギーの低いものを用いることが好ましい。最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位の低いフルバレン重合体を用いることで、陰極として価電子帯のエネルギーが低く、酸化されにくい物質を陰極に用いることが可能となるため、陰極の選択の自由度を広げることができる。
したがって、このような点から、本発明のフルバレン重合体は、n型半導体や有機EL素子の材料として好適に用いることができるものである。このように、本発明のフルバレン重合体が発光デバイス形成に用いられることもまた、本発明の1つである。このような、本発明のフルバレン重合体を用いて形成される発光デバイスもまた、本発明の1つである。
本発明のフルバレン重合体は、上述の構成よりなり、LUMOのエネルギー準位が低く、n型有機半導体材料、特に有機薄膜太陽電池材料、有機トランジスタ材料や、有機EL素子等の発光デバイス等の機能性電子素子素材として好適に用いることができるものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
以下の実施例及び比較例において、H−NMR、重量平均分子量は以下のようにして測定した。
H−NMR>
得られたフルバレン化合物を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「Gemini 2000」;300MHz、Varian,Inc.社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、テトラメチルシランの水素核(δ0.00)を参照とした。
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定した。高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
測定条件:
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
合成例1
30mlシュレンク管に2、6’−ジヨード−4,4’−ジブロモビフェニル(281mg、0.5mmol),2−エチニルビフェニル(89.1mg、0.5mmol)、パラジウム触媒(35.1mg、0.1mmol)、ヨウ化銅(7.6mg、0.05mmol)、DBU(380.6mg、2.5mmol)を加え窒素置換し、DMFを溶媒として3ml加えた。これを140℃に加熱し、24時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、溶媒を留去した。シリカゲルクロマトグラフィーにより(移動相:ヘキサン)精製したものを更にリサイクル分取GPCにより精製することで、目的物(15mg,0.03mmol)を得た。この反応は、下記式(24)の反応である。
得られたフルバレン化合物の物性値は以下のとおりである。
H−NMR(CDCl3):δ7.08(m,2H)、7.24−7.29(d,2H)、7.34−7.38(m,2H)、7.57(d,2H)、7.68−7.70(m,2H)、8.28(d,2H)
Figure 0006150527
合成例2
30mlシュレンク管にテトラブロミド(246.9mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(213.2mg、0.5mmol)、パラジウム触媒(28.9mg、0.03mmol)、炭酸カリウム(414.6mg、3.0mmol)、THF10ml、水2mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することで、目的物(209mg、0.43mmol)を得た。この反応は、下記式(25)の反応である。
得られたフルバレン化合物の物性値は以下のとおりである。
H−NMR(CDC13):δ7.24−7.27(m,2H)、7.37(t,2H)、7.45−7.47(m,2H)、7.56(d,2H)、7.69(d,2H)、8.28(d,2H)、8.49(d,2H)
Figure 0006150527
合成例3
100mlシュレンク管にジブロミド(554.7mg、1.7mmol)、ジボロン酸エステル(1050.0mg、1.8mmol)、パラジウム触媒(98.9mg、0.09mmol)、炭酸カリウム(1419.4mg、10.3mmol)、THF17ml、水3.4mlを加え窒素置換した。これを70℃に加熱し、24時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することで、中間体(508.8mg、1.0mmol)を得た。この中間体を50ml二口ナスフラスコへ移し、クロロホルム20mLと酢酸2mLを加え溶解させた。ここへ、N−ブロモスクシンイミド(373.8mg、2.1mmol)を加え窒素置換し、60℃で12時間加熱撹拌した。反応終了後、室温まで冷却し水を加え、クロロホルムで三度抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=100/1)で精製することで、目的物(533.3mg、0.8mmol)を得た。この反応は、下記式(26)の反応である。
得られたフルバレン化合物の物性値は以下のとおりである。
H−NMR(CDC1):δ0.89(m,6H)、1.25−1.33(m,12H)、1.62−1.67(m,4H)、2.64(t,4H)、7.14(m,4H)、7.49(m,2H)、7.55(s,2H)、7.91(s,2H)
Figure 0006150527
実施例1
30mlシュレンク管に、上記合成例1、2で合成したジブロモモノマー(97.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステルモノマー(112.2mg、0.20mmol)、Pd触媒(2.3mg、0.002mmol)を加え窒素流通を開始した。ここへトルエン2.4mlを加え、室温で10分間攪拌した。ここへ、アンモニウム炭酸塩(192.3mg、0.6mmol)を0.6mlの水の溶解させた溶液を加え、さらに室温で20分間攪拌した。これを115℃に加熱し、窒素を流通させながら24時間加熱攪拌した。ここへブロモベンゼンを0.1ml加え3時間攪拌し、フェニルボロン酸80mgを加えさらに3時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、水を加えた。クロロホルムで抽出し、塩酸で1回、水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒留去することで、目的のポリマーを105mg得た。この反応は、下記式(27)の反応である。
重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mw=16000であった。
Figure 0006150527
実施例2
30mlシュレンク管に、上記合成例3で合成したジブロモモノマー(78.0mg、0.1mmol)、ジボロン酸エステルモノマー(65.7mg、0.1mmol)、Pd触媒(1.4mg、0.001mmol)を加え窒素流通を開始した。ここへトルエン3.0mlを加え、室温で10分間攪拌した。ここへ、アンモニウム炭酸塩(112.3mg、0.3mmol)を0.4mlの水の溶解させた溶液を加え、さらに室温で20分間攪拌した。これを115℃に加熱し、窒素を流通させながら24時間加熱攪拌した。ここへブロモベンゼンを0.1ml加え3時間攪拌し、フェニルボロン酸80mgを加えさらに3時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、水を加えた。濾過した後に固体をメタノール、アセトン、水で洗浄し、目的のポリマーを65mg得た。この反応は、下記式(28)の反応である。
重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mw=28000であった。
Figure 0006150527

Claims (5)

  1. 下記式(1);
    Figure 0006150527
    (式中、4つの点線の円弧は、同一又は異なって、フルバレン骨格を形成する5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X〜Xは、同一又は異なって、水素原子、又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造に複数個結合していてもよい。X〜Xのうち少なくとも1つは、反応性基を有する置換基である。)で表されるフルバレン化合物を含む単量体成分を重合して得られ、該単量体成分は、
    (i)X、X、X及びXのうち1つが単独で重合することができる反応性基を有する置換基であるフルバレン化合物を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの、
    (ii)X、X、X及びXのうち2つが反応性基を有する置換基であって、かつ、それらの2つの反応性基どうしが反応し得るものであり、1種のフルバレン化合物が単独で重縮合し得る反応性基の組み合わせであるフルバレン化合物を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの、
    (iii)式(1)で表されるフルバレン化合物を2種以上含み、これらのフルバレン化合物が共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの、又は、
    (iv)式(1)で表されるフルバレン化合物を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とを含み、これらが共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの、のいずれかであり、
    上記(i)、(ii)における反応性基を有する置換基は、反応性基、又は、該反応性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、該反応性基で置換された炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価のヘテロ環(複素環)基、該反応性基で置換された1価のオリゴヘテロ環基、該反応性基で置換されたアルケニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基のいずれかであり、
    上記(i)における単独で重合することができる反応性基は、3,5−ジブロモフェニル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれかであり、
    上記(ii)における重縮合し得る反応性基の組み合わせは、カルボキシル基とヒドロキシ基、カルボキシル基とチオール基、カルボキシル基とアミノ基、カルボン酸エステルとアミノ基、カルボキシル基とエポキシ基、ヒドロキシ基とエポキシ基、チオール基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、イソシアネート基とヒドロキシ基、イソシアネート基とチオール基、イソシアネート基とアミノ基、ヒドロキシ基とハロゲン原子、チオール基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホニウムメチル基、ビニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホネートメチル基、ハロアルキル基とハロアルキル基、スルホニウムメチル基とスルホニウムメチル基、アルデヒド基とアセトニトリル基、アルデヒド基とアルデヒド基のいずれかであり、
    上記(iii)、(iv)における共重合し得るような反応性基の組み合わせは、カルボキシル基とヒドロキシ基、カルボキシル基とチオール基、カルボキシル基とアミノ基、カルボン酸エステルとアミノ基、カルボキシル基とエポキシ基、ヒドロキシ基とエポキシ基、チオール基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、イソシアネート基とヒドロキシ基、イソシアネート基とチオール基、イソシアネート基とアミノ基、ヒドロキシ基とハロゲン原子、チオール基とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホニウムメチル基、ビニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホネートメチル基、ハロアルキル基とハロアルキル基、スルホニウムメチル基とスルホニウムメチル基、アルデヒド基とアセトニトリル基、アルデヒド基とアルデヒド基、ハロゲン原子とボリル基、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム、ハロゲン原子とハロゲン原子から選択される重縮合し得る反応性基の組み合わせ、又は、3,5−ジブロモフェニル基、アルケニル基、アルキニル基から選択される単独で重合することができる反応性基の組み合わせのいずれかであり、ただし、上記(iii)における式(1)で表されるフルバレン化合物、及び、上記(iv)における式(1)で表されるフルバレン化合物並びに他の化合物が反応性基を1つだけ有するものである場合、該反応性基は、3,5−ジブロモフェニル基、アルケニル基、アルキニル基から選択される
    ことを特徴とするフルバレン重合体。
  2. 前記式(1)において、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位、及び、XとXが結合する環構造とによって構成される構造部位の4つの構造部位のうち、少なくとも1つが他の3つの構造部位のうちの少なくとも1つとは異なるものであることを特徴とする請求項1に記載のフルバレン重合体。
  3. 前記反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物が、下記式(11);
    −A−X (11)
    (式中、Aは、2価の基を表す。X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又は1価の置換基を表し、X及びXの少なくとも1つの基は、反応性基を有する置換基である。該反応性基を有する置換基は、反応性基、又は、該反応性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、該反応性基で置換された炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価のヘテロ環(複素環)基、該反応性基で置換された1価のオリゴヘテロ環基、該反応性基で置換されたアルケニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基のいずれかであり、該反応性基は、前記(iii)、(iv)における共重合し得るような反応性基の組み合わせに含まれる反応性基のいずれかである。)で表される化合物であり、
    前記単量体成分全体100モル%に対するフルバレン化合物の割合が5〜95モル%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフルバレン重合体。
  4. 前記フルバレン重合体は、発光デバイス形成に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフルバレン重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフルバレン重合体を用いて形成されることを特徴とする発光デバイス。
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