JP2015059109A - フルベン誘導体及びフルベン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光材料としての特性に優れたフルベン誘導体、及び、そのようなフルベン誘導体のより安全な製造を可能とするフルベン誘導体の製造方法を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されるフルベン誘導体。点線の円弧は、同一又は異なって、炭素原子の5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Y1、Y2は、C,S,N,Oのいずれかを表す。R1、R2は、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表し、R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成している。【選択図】なし
Description
本発明は、フルベン誘導体及びフルベン誘導体の製造方法に関する。より詳しくは、有機EL素子等の発光デバイスの材料として好適に用いることができるフルベン誘導体及び発光材料として好適に用いることができるフルベン誘導体の製造方法に関する。
近年、従来の電機製品にとどまらず、自動車等の輸送機械をはじめとする様々な製品に電子制御が導入されており、このような電子制御に用いられる半導体等の電子部品に求められる性能もますます高いものとなってきている。このような電子部品には、シリコンやゲルマニウム等の遷移金属等を材料とする無機半導体のような無機材料の他、有機材料も用いられており、電子部品の材料として使用できる電気的特性を有する有機化合物について、研究が行われている。
有機半導体の分野では、p型有機半導体についてはポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)をはじめとする多くの材料が提案され開発が進んでいる。一方、フラーレン誘導体に代表されるn型有機半導体は、種々の理由で開発が遅れている。特に、塗布プロセスに適した高分子n型有機半導体はほとんど知られていないため、早急な開発が望まれている。このような有機半導体材料として用いる材料には、LUMOのエネルギー準位が低いことが要求されるため、LUMOのエネルギー準位が低い化合物について、研究、開発が行われている。
有機半導体の分野では、p型有機半導体についてはポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)をはじめとする多くの材料が提案され開発が進んでいる。一方、フラーレン誘導体に代表されるn型有機半導体は、種々の理由で開発が遅れている。特に、塗布プロセスに適した高分子n型有機半導体はほとんど知られていないため、早急な開発が望まれている。このような有機半導体材料として用いる材料には、LUMOのエネルギー準位が低いことが要求されるため、LUMOのエネルギー準位が低い化合物について、研究、開発が行われている。
フルベン由来の構造を有するフルベン誘導体は、このような有機半導体としての特性が研究されている化合物の1つであり、フルベン誘導体が有力な有機半導体であることが報告されている(非特許文献1参照。)。また、一般式で表される特定の構造のフルベン誘導体、及び、フルベン誘導体由来の繰り返し単位を有する重合体の合成について開示されている(特許文献1、2参照。)。更に、スタンノールを反応基質としたダブルクロスカップリング反応による種々の化合物の合成について開示され、フルベン誘導体の合成についても記載されている(非特許文献2参照。)。
また、フルベン誘導体の1種であるフルオレニリデンは、中心の二重結合により立体反発が分子内で生じている。また、ヒュッケル則を満たさないために芳香族ではないが、π電子を受け取ることでヒュッケル則を満たす。このことから、アクセプター性が強いと考えられるが、実際にLUMOのエネルギー準位が低くなることが論文により報告されている(非特許文献3参照。)。このようなフルオレニリデン構造を有する化合物の中でも、ビフルオレニリデン構造を有する化合物についての研究、開発例が報告されており、ビフルオレニリデン構造を有する化合物の合成や電気特性の評価、ビフルオレニリデン構造を有する化合物を電界発光素子として用いることが開示されている(特許文献3、4参照。)。更に、ビフルオレニリデン構造を有する化合物やビフルオレニリデン類似の構造を有する化合物について報告されている(非特許文献4〜12参照。)。
マーティン ヘーニィ(Martin Heeny)外7名 、「マクロモレキュールズ(Macromolecules)」、2004年、第37号、p.5250−5256
イクヒロ ナガオ(Ikuhiro Nagao)外2名、「アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション(Angewante Chemie International Edition)」、2009年、第48号、p.7573−7576
エフ.ジー.ブルネッティ(F.G.Brunetti)外4名、「アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション(Angewante Chemie International Edition)」、2010年、第49号、p.532−536
ジョージ R.ニュウコム(George R.Newkome)外1名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、1979年、第44巻、第4号、p.502−505
ユウ チイ イ(Yu Chi Yip)外5名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、1990年、第55巻、p.1881−1889
ピオトル ピオトロウィアク(Piotr PIOTROWIAK)外3名、「ブレティン オブ ザ ポリッシュ アカデミー オブ サイエンシズ ケミストリー(Bulletin of the Polish Academy of Science)」、1994年、第42巻、第4号、p.445−453
マリアンヌ リクリン(Marianne Riklin)外1名、「ヘルベチカ ケミカ アクタ(Helvetica Chemica Acta)」、1999年、第82巻、p.1666−1680
ラム ラン イェン(Lam Lung Yeung)外2名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、1990年、第55巻、p.1874−1881
ラム ラン イェン(Lam Lung Yeung)外2名、「ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサエティ ケミカル コミュニケーションズ(Journal of the Chemical Society, Chemical Communications)」、1987年、p.981−983
ジン ルオ(Jing Luo)外6名、「オーガニック レターズ(Organic Letters)」、2010年、第12巻、第24号、p.5660−5663
エリエス モリンズ(Elies Molins)外3名、「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)」、2002年、第67巻、p.7175−7178
マサヒロ ミナベ(Masahiro Minabe)外1名、「ブレティン オブ ザ ケミカル ソサエティ オブ ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan)」、1975年、第48巻、第2号、p.586−590
上記のようにフルベン誘導体は、有機半導体であることが報告され、発光材料等の電子素子材料としての展開が期待される化合物の1つである。発光材料により適したフルベン誘導体の開発のためには、より多くの様々な構造のフルベン誘導体を合成できるようにすることが不可欠である。また、電子素子材料に用いられる発光材料としては塗布により成膜が可能なものが求められているため、重合反応が可能な反応性基を有するフルベン誘導体が望まれる。しかしながら、従来より知られたフルベン誘導体の合成法では、合成できる構造に限りがあり、発光材料に適したフルベン誘導体の研究を進めるうえでの障害となっている。更に、上記非特許文献2に記載の従来の方法は、毒性の高いスタンノールを基質として用いる方法であるため、安全性の面でも課題を有している。
このため、より様々な構造のフルベン誘導体をより安全に合成することを可能とする新たな合成法、及び、発光材料に適した新たな誘導体の開発が望まれるところであった。
このため、より様々な構造のフルベン誘導体をより安全に合成することを可能とする新たな合成法、及び、発光材料に適した新たな誘導体の開発が望まれるところであった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、発光材料としての特性に優れたフルベン誘導体、及び、そのようなフルベン誘導体のより安全な製造を可能とするフルベン誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々の構造のフルベン誘導体の合成を可能とする製造方法について検討した。そして、それぞれに1価の置換基を有する2つの不飽和環構造が結合した構造を有する化合物と、二重結合で結合された2つの炭素原子の一方に1価の置換基を2つ有する構造のアルケン化合物とを反応させると、アルケン化合物のgeminalのポジションでダブルカップリング反応がおこり、フルベン誘導体を合成することができることを見出した。
非特許文献2に記載の従来のフルベン誘導体の製造方法は、基質に毒性の高いスタンノールを用いる方法であり、また、製造されるフルベン誘導体として反応性基を有するものは報告されていない。これに対し、本発明者が見出した方法は、スタンノールのような毒性の高いスズ化合物を用いなくてもフルベン誘導体を製造することができるより安全性の高い製造方法であり、また、反応原料となる2つの化合物の選択の幅が広く、反応原料をとして種々の化合物を用いることでフルベン誘導体のπ共役系や環の自在な修飾が可能となる点、また、反応性基を有するフルベン誘導体も合成できることからフルベン誘導体のオリゴマー、ポリマーの合成も可能とする製造方法である点において技術的意義の大きい製造方法である。
そして本発明者は、この製造方法によってこれまでに知られていなかった様々な構造の発光材料に適したフルベン誘導体を製造することに成功し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
非特許文献2に記載の従来のフルベン誘導体の製造方法は、基質に毒性の高いスタンノールを用いる方法であり、また、製造されるフルベン誘導体として反応性基を有するものは報告されていない。これに対し、本発明者が見出した方法は、スタンノールのような毒性の高いスズ化合物を用いなくてもフルベン誘導体を製造することができるより安全性の高い製造方法であり、また、反応原料となる2つの化合物の選択の幅が広く、反応原料をとして種々の化合物を用いることでフルベン誘導体のπ共役系や環の自在な修飾が可能となる点、また、反応性基を有するフルベン誘導体も合成できることからフルベン誘導体のオリゴマー、ポリマーの合成も可能とする製造方法である点において技術的意義の大きい製造方法である。
そして本発明者は、この製造方法によってこれまでに知られていなかった様々な構造の発光材料に適したフルベン誘導体を製造することに成功し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、
下記式(1);
下記式(1);
(式中、X1、X2が結合している点線の円弧は、同一又は異なって、炭素原子の5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表し、R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成している。)で表されることを特徴とするフルベン誘導体である。
本発明はまた、下記式(1’);
(式中、X1、X2が結合している点線の円弧は、同一又は異なって、炭素原子の5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを表す。R4、R5は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表す。)で表されるフルベン誘導体を製造する方法であって、
該製造方法は、下記式(2);
該製造方法は、下記式(2);
(式中、点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Z1、Z2は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(I)と、下記式(3);
(式中、Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子、のいずれかを表す。R4、R5は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2原子に結合する原子団を表す。Z3、Z4は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(II)とを反応させる工程を必須とすることを特徴とするフルベン誘導体の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のフルベン誘導体は、下記式(1);
(式中、X1、X2が結合している点線の円弧は、同一又は異なって、炭素原子の5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表し、R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成している。)で表されるものである。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体は、R1とR2とが少なくとも1箇所で結合を形成しているものである。上記式(1)における−Y1−R1及び−Y2−R2部分の運動は、フルベン誘導体の発光特性が徐々に失活する原因となるが、上記式(1)で表されるフルベン誘導体は、R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成していることにより、−Y1−R1及び−Y2−R2部分の運動が制限され、これにより、発光特性の失活が抑制されて、高い発光特性を発揮することができる。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体は、R1とR2とが少なくとも1箇所で結合を形成しているものである。上記式(1)における−Y1−R1及び−Y2−R2部分の運動は、フルベン誘導体の発光特性が徐々に失活する原因となるが、上記式(1)で表されるフルベン誘導体は、R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成していることにより、−Y1−R1及び−Y2−R2部分の運動が制限され、これにより、発光特性の失活が抑制されて、高い発光特性を発揮することができる。
上記式(1)において、X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。すなわち、X1が水素原子である場合、X1を有する環構造は置換基を有していないことを示し、X2が水素原子である場合、X2を有する環構造が置換基を有していないことを示す。
なお、本明細書中において置換基とは、炭素を含む有機基と、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等の炭素を含まない基とを含めた基を意味している。
なお、本明細書中において置換基とは、炭素を含む有機基と、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等の炭素を含まない基とを含めた基を意味している。
上記X1、X2は共に水素原子であってもよく、いずれか一方が水素原子、他方が1価の置換基であってもよく、X1、X2が共に1価の置換基であってもよいが、X1、X2が共に水素原子であるか、共に1価の置換基であることが好ましい。
上記X1、X2が1価の置換基である場合、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子;塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7の環状アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等の炭素数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基;ヒドロキシル基;チオール基;エポキシ基;ニトロ基;アゾ基;アリル基;シアノ基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜4のアルキル基を有するモノ又はジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、カルバゾリル基などのアミノ基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、ブテニル基、スチリル基等の炭素数2〜8のアルケニル基;エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、フェニルアセチニル等の炭素数2〜8のアルキニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基;エチニルオキシ基、フェニルアセチルオキシ基等のアルキニルオキシ基;フェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基、ピレニルオキシ基等のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のパーフルオロ基及び更に長鎖のパーフルオロ基;ジフェニルボリル基、ジメシチルボリル基、ビス(パーフルオロフェニル)ボリル基、ジボロン酸エステル基等のボリル基;アセチル基、ベンゾイル基等のカルボニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニルオキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基等のスルフィニル基;トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基、トリメトキシシリル基、トリフェニルシリル基等のシリル基;ハロゲン原子やアルキル基、アルコキシ基等で置換されていてもよいフェニル基、2,6−キシリル基、メシチル基、デュリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、フェナンスレニル基等のアリール基;オリゴアリール基;チエニル基、フリル基、シラシクロペンタジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリミジル基、イミダゾリル基等のヘテロ環基;オリゴヘテロ環基;カルボキシル基;カルボン酸エステル;エポキシ基;イソシアノ基;シアネート基;イソシアネート基;チオシアネート基;イソチオシアネート基;カルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基等のN,N−ジアルキルカルバモイル基;ホルミル基;ニトロソ基;ホルミルオキシ基;スタニル基;ホスフィノ基;シリルオキシ基;アリールスルホニルオキシ基;アルキルスルホニルオキシ基;アリールチオ基;アリールアルキル基;アリールアルケニル基;アリールアルキニル基;アリールアルコキシ基;アリールアルキルチオ基;下記式(4)で表される基等が挙げられる。これらの置換基は、反応性基で置換されていてもよい。
上記X1、X2として好ましくは、水素原子、又は、上記置換基の中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子;塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アゾ基、アシル基、アリル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等の反応性基;炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は該反応性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基又は該反応性基で置換された炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;アリール基又は該反応性基で置換されたアリール基;オリゴアリール基又は該反応性基で置換されたオリゴアリール基;1価のヘテロ環基又は該反応性基で置換された1価のヘテロ環基;1価のオリゴ複素環基又は該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基;アルキルチオ基;アリールオキシ基;アリールチオ基;アリールアルキル基;アリールアルケニル基;アリールアルキニル基;アリールアルコキシ基;アリールアルキルチオ基;アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基;アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基が好ましい。より好ましくは、水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価の複素環基、該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基、アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基、アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基である。
本発明のフルベン誘導体において、X1、X2が1価の置換基である場合、環構造に対するX1、X2の結合位置や結合する数は、特に制限されない。
本発明のフルベン誘導体において、X1、X2が1価の置換基である場合、環構造に対するX1、X2の結合位置や結合する数は、特に制限されない。
上記式(1)において、点線の円弧と、フルベン骨格を形成する5員環の骨格部分の一部とによって形成される環構造は、環状構造であれば特に制限されないが、例えば、ベンゼン環、シクロヘキサン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアゾール環、オキサゾール環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、インドール環、イソインドール環、キノリン環、イソキノリン環、フェナントリジン環が挙げられ、これらはそれぞれ下記式(5−1)〜(5−22)で表される。これらの中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環、チオフェン環、ピリジン環が好ましい。
また、X1が結合する環構造とX2が結合する環構造とは、異なる環構造であってもよく、同じ環構造であってもよいが、同じ環構造であることが好ましい。
また、X1が結合する環構造とX2が結合する環構造とは、異なる環構造であってもよく、同じ環構造であってもよいが、同じ環構造であることが好ましい。
上記式(1)において、Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを表す。これらの中でも、炭素原子、硫黄原子、酸素原子が好ましい。より好ましくは、炭素原子である。
Y1、Y2は、同一であっても異なっていてもよいが、同一の原子であることが好ましい。
Y1、Y2は、同一であっても異なっていてもよいが、同一の原子であることが好ましい。
上記式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表す。本発明において原子団とは、化合物の構造の一部を構成する水素原子以外の1つの原子又は複数の原子の集まりを意味する。原子団を構成する原子の数や種類は特に制限されないが、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、水素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子から構成されることが好ましい。
また、原子団を構成する原子の数は、1〜51であることが好ましい。より好ましくは、1〜21であり、更に好ましくは、1〜11である。
また、原子団を構成する原子の数は、1〜51であることが好ましい。より好ましくは、1〜21であり、更に好ましくは、1〜11である。
上記R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成しているものである。すなわち、本発明のフルベン誘導体では、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子(Y1、Y2と結合した炭素原子)と、−Y1−R1部分及び−Y2−R2部分とによって、環構造を有する1つの原子団が形成されているということもできる。環構造は、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子(Y1、Y2と結合した炭素原子)と、Y1、Y2と、R1、R2の一部又は全部とによって構成されるものである。すなわち、上記式(1)で表されるフルベン誘導体は、下記式(6);
(式中、X1、X2が結合している点線の円弧、X1、X2及びY1、Y2は、式(1)と同様である。Y1とY2とをつなぐ点線の円弧は、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子、Y1、Y2とともに環構造が形成されていることを表す。R3は、水素原子又はY1、Y2とをつなぐ点線の円弧で表される環構造に結合する原子団を表す。R3とY1、Y2とをつなぐ点線の円弧で表される環構造との間の実線と点線は、R3とY1、Y2とをつなぐ点線の円弧で表される環構造とが単結合又は二重結合で結合されることを表す。)のように表すこともできる。
上記式(6)において、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子、Y1、Y2と点線の円弧とで形成される環構造は、1つの環からなる構造であってもよく、複数の環が結合した構造、複数の環が縮合した構造のいずれの構造のものであってもよい。
1つの環からなる構造としては、炭素原子、又は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子からなる群より選択される2種以上の原子によって骨格が構成される4〜7員環構造であることが好ましい。より好ましくは、炭素原子で構成された環構造、炭素原子と硫黄原子とで構成された環構造、炭素原子と窒素原子とで構成された環構造、炭素原子と酸素原子とで構成された環構造のいずれかである。また、環構造は、5員環又は6員環であることがより好ましい。
1つの環からなる構造としては、炭素原子、又は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子からなる群より選択される2種以上の原子によって骨格が構成される4〜7員環構造であることが好ましい。より好ましくは、炭素原子で構成された環構造、炭素原子と硫黄原子とで構成された環構造、炭素原子と窒素原子とで構成された環構造、炭素原子と酸素原子とで構成された環構造のいずれかである。また、環構造は、5員環又は6員環であることがより好ましい。
上記1つの環からなる構造としては、下記式(7−1)〜(7−11)で表されるものが挙げられる。これらの中でも、(7−2)または(7−3)が好ましい。なお、下記式(7−1)〜(7−11)において、*を付した炭素原子は、上記式(6)において、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子(Y1、Y2と結合した炭素原子)に相当する。下記式(8−1)〜(8−10)、下記式(9−1)〜(9−10)においても同様である。
上記複数の環が結合した構造としては、下記式(8−1)〜(8−10)で表されるものが挙げられる。これらの中でも、(8−2)または(8−3)が好ましい。
上記複数の環が縮合した構造としては、下記式(9−1)〜(9−10)で表されるものが挙げられる。これらの中でも、(9−1)または(9−6)が好ましい。
(式中、点線の円弧は、実線で記載された、炭素原子、又は、炭素原子と窒素原子、硫黄原子、酸素原子のいずれかとによって形成された環構造の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。)
上記式(9−1)〜(9−10)において、点線の円弧で表される環構造としては、上記X1、X2が結合する環構造と同様に(5−1)〜(5−22)が挙げられ、好ましいものも同様である。
上記式(6)において、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子、Y1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造としては、上記のものの中でも、1つの環からなる構造、複数の環が結合した構造のいずれかが好ましい。より好ましくは、1つの環からなる構造である。
また、上記式(6)において、フルベンの5員環と二重結合で結合された炭素原子、Y1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造が上記式(7−3)で表されるシクロヘキシル環である場合、シクロヘキシル環の*を付した炭素原子に対してオルト位又はメタ位の炭素原子にR3が二重結合で結合した構造、又は、シクロヘキシル環にR3が単結合で結合した構造のいずれかの構造であることが好ましい。
上記式(6)において、R3がY1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造に結合する原子団である場合、R3は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。また、Y1、Y2を含んで形成された環構造が複数の環からなるものである場合、R3は、どの環に結合していてもよく、R3が2つ以上ある場合には、当該2つ以上のR3は同じ環に結合していてもよく、異なる環に結合していてもよい。
R3は、環構造と単結合により結合していてもよく、二重結合により結合していてもよい。R3が、環構造と単結合により結合するものである場合、R3は、1価の置換基である。この場合、R3としては上記X1、X2が1価の置換基である場合の1価の置換基と同様のものが好ましい。
R3は、環構造と単結合により結合していてもよく、二重結合により結合していてもよい。R3が、環構造と単結合により結合するものである場合、R3は、1価の置換基である。この場合、R3としては上記X1、X2が1価の置換基である場合の1価の置換基と同様のものが好ましい。
上記R3が、上記式(6)においてY1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造と二重結合により結合するものである場合、R3は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ホウ素原子、ケイ素原子、ハロゲン原子、水素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子から構成される原子団であることが好ましい。より好ましくは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、水素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子から構成される原子団である。また、R3は、1〜63個の原子により構成されることが好ましい。より好ましくは、1〜23個の原子により構成されることである。
特に好ましくは、下記式(10−1)〜(10−4)で表される構造である。なお下記式(10−1)〜(10−4)では、上記式(6)においてY1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造とR3との間の二重結合部分を含んで表している。(すなわち、=R3を表している。)
特に好ましくは、下記式(10−1)〜(10−4)で表される構造である。なお下記式(10−1)〜(10−4)では、上記式(6)においてY1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造とR3との間の二重結合部分を含んで表している。(すなわち、=R3を表している。)
(式中、Ra、Rb、Rcは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)
またR3が、上記式(6)においてY1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造と二重結合により結合するものである場合、R3は環構造を有するものであってもよい。環構造としては、1つの環からなる構造、複数の環が結合した構造、複数の環が縮合した構造が挙げられ、上記式(7−1)〜(7−11)、(8−1)〜(8−10)、(9−1)〜(9−10)と同様のものが挙げられる。
本発明のフルベン誘導体は、上記式(1)におけるX1、X2、R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有するものであることが好ましい。
X1、X2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有する場合とは、X1、X2の少なくとも1つが反応性基を有する置換基である場合である。
R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有する場合とは、R1、R2で表される原子団の中に少なくとも1つの反応性基を有する置換基を有する場合である。また、フルベン誘導体が上記式(6)で表される構造を有する場合には、R3が構造中に反応性基を有する置換基を有する、又は、R3が反応性基を有する置換基であることになる。
X1、X2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有する場合とは、X1、X2の少なくとも1つが反応性基を有する置換基である場合である。
R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有する場合とは、R1、R2で表される原子団の中に少なくとも1つの反応性基を有する置換基を有する場合である。また、フルベン誘導体が上記式(6)で表される構造を有する場合には、R3が構造中に反応性基を有する置換基を有する、又は、R3が反応性基を有する置換基であることになる。
上記反応性基を有する置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、アゾ基、アシル基、アリル基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等の反応性基;該反応性基で置換された炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基;該反応性基で置換された炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状アルコキシ基;該反応性基で置換されたアリール基;該反応性基で置換されたオリゴアリール基;該反応性基で置換された1価のヘテロ環基;該反応性基で置換された1価のオリゴヘテロ環基;アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基;アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基が好ましい。より好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基、ホルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価の複素環基、該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基、アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基、アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基である。更に好ましくは、臭素原子、ボリル基、ホルミル基、スタニル基、ホスフィノ基、該反応性基で置換されたアリール基、該反応性基で置換されたオリゴアリール基、該反応性基で置換された1価の複素環基、該反応性基で置換された1価のオリゴ複素環基、アルケニル基又は該反応性基で置換されたアルケニル基、アルキニル基又は該反応性基で置換されたアルキニル基である。
本発明の好ましいフルベン誘導体としては、例えば、下記式(11−1)〜(11−26)のような構造のものが挙げられる。これらの中でも、(11−1)〜(11−4)、(11−6)〜(11−12)、(11−14)〜(11−24)または、(11−26)が好ましい。より好ましくは、(11−1)〜(11−2)、(11−9)〜(11−10)、(11−12)、(11−14)または(11−17)〜(11−19)である。
また、下記式(11−1)〜(11−26)の化合物は、いずれも上記式(6)において、Y1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造が、上記式(7−3)のシクロヘキシル環であるものに相当するが、下記式(11−1)〜(11−26)のシクロヘキシル環を、上記式(7−2)で表されるシクロペンチル環に変えた構造に相当するフルベン誘導体も、本発明の好ましいフルベン誘導体である。
また、下記式(11−1)〜(11−26)の化合物は、いずれも上記式(6)において、Y1、Y2をつなぐ点線の円弧で表される環構造が、上記式(7−3)のシクロヘキシル環であるものに相当するが、下記式(11−1)〜(11−26)のシクロヘキシル環を、上記式(7−2)で表されるシクロペンチル環に変えた構造に相当するフルベン誘導体も、本発明の好ましいフルベン誘導体である。
本発明のフルベン誘導体は、上記式(1)におけるX1、X2、R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有するものであると、フルベン誘導体をポリマー製造の原料として用いることができる。このようにして得られるフルベン誘導体ポリマーもまた、本発明の1つである。すなわち、フルベン誘導体を含む単量体成分を重合して得られるフルベン誘導体ポリマーであって、該フルベン誘導体は、下記式(1)で表され、X1、X2、R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有するものであることを特徴とするフルベン誘導体ポリマーもまた、本発明の1つである。
(式中、X1、X2が結合している点線の円弧は、同一又は異なって、炭素原子の5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを表す。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表し、R1とR2とは少なくとも1箇所で結合を形成している。)
また、フルベン誘導体を含む単量体成分を重合して得られるフルベン誘導体ポリマーであって、該フルベン誘導体は、上記式(6)で表され、X1、X2、R3の少なくとも1つが構造中に反応性基を有するものであることを特徴とするフルベン誘導体ポリマーは、本発明のフルベン誘導体ポリマーの好適な実施形態の1つである。
上記X1、X2、R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有するフルベン誘導体を含む単量体成分は、以下のいずれかのものである。
(i)X1、X2、R1、R2のうち1つが単独で重合することができる反応性基を有するものであるフルベン誘導体を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの。
(ii)X1、X2、R1、R2のうち2つが反応性基を有し、かつ、それらの2つの反応性基どおしが反応し得るものであり、1種のフルベン誘導体が単独で重縮合し得る反応性基の組み合わせであるフルベン誘導体を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの。
(iii)式(1)で表されるフルベン誘導体を2種以上含み、これらのフルベン誘導体が共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの。
(iv)式(1)で表されるフルベン誘導体を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とを含み、これらが共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの。
なお、上記(iii)、(iv)において、共重合には、重縮合が含まれる。すなわち、(iii)には、式(1)で表されるフルベン誘導体を2種以上含み、これらのフルベン誘導体が重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが含まれ、(iv)には、式(1)で表されるフルベン誘導体を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とが重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが含まれる。
(i)X1、X2、R1、R2のうち1つが単独で重合することができる反応性基を有するものであるフルベン誘導体を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの。
(ii)X1、X2、R1、R2のうち2つが反応性基を有し、かつ、それらの2つの反応性基どおしが反応し得るものであり、1種のフルベン誘導体が単独で重縮合し得る反応性基の組み合わせであるフルベン誘導体を1種含み、重合体の主鎖を形成するその他の化合物を含まないもの。
(iii)式(1)で表されるフルベン誘導体を2種以上含み、これらのフルベン誘導体が共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの。
(iv)式(1)で表されるフルベン誘導体を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とを含み、これらが共重合し得るような反応性基の組み合わせを有するもの。
なお、上記(iii)、(iv)において、共重合には、重縮合が含まれる。すなわち、(iii)には、式(1)で表されるフルベン誘導体を2種以上含み、これらのフルベン誘導体が重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが含まれ、(iv)には、式(1)で表されるフルベン誘導体を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とが重縮合し得るような反応性基の組み合わせを有するものが含まれる。
本発明における単量体成分が上記(i)に該当するものである場合、単独で重合することができる反応性基は、炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基である。このような炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含む1価の置換基としては、上述した反応性基を有する置換基のうち、炭素−炭素間の二重結合又は三重結合を含むものが好ましい。
本発明のフルベン誘導体ポリマーの原料となる単量体成分は、上記(i)〜(iv)の中でも、式(1)で表されるフルベン誘導体を1種又は2種以上含み、これらが重縮合するような反応性基の組合せを有するもの、又は、式(1)で表されるフルベン誘導体を1種又は2種以上と反応性基を少なくとも1つ有する他の化合物とを含み、これらが重縮合するような反応性基の組み合わせを有するものが好ましい。
上記重縮合するような反応性基の組み合わせとしては、重合し得るものであれば特に制限されないが、例えば、カルボキシル基とヒドロキシ基、カルボキシル基とチオール基、カルボキシル基とアミノ基、カルボン酸エステルとアミノ基、カルボキシル基とエポキシ基、ヒドロキシ基とエポキシ基、チオール基とエポキシ基、アミノ基とエポキシ基、イソシアネート基とヒドロキシ基、イソシアネート基とチオール基、イソシアネート基とアミノ基、ヒドロキシ基とハロゲン原子、チオール基とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホニウムメチル基、ビニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホネートメチル基、ハロアルキル基とハロアルキル基、スルホニウムメチル基とスルホニウムメチル基、アルデヒド基とアセトニトリル基、アルデヒド基とアルデヒド基、ハロゲン原子とボリル基、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム、ハロゲン原子とハロゲン原子等が挙げられる。
これらの中でも、ハロゲン原子とボリル基との組み合わせ、ハロゲン原子とハロゲン原子との組み合わせ、スタニル基とハロゲン原子との組み合わせが好ましい。
これらの中でも、ハロゲン原子とボリル基との組み合わせ、ハロゲン原子とハロゲン原子との組み合わせ、スタニル基とハロゲン原子との組み合わせが好ましい。
本発明のフルベン誘導体ポリマーは、上記式(1)中のX1、X2、R1、R2の有する反応性基の少なくとも2つが重縮合するか、又は、少なくとも1つの反応性基が重合して形成される繰り返し単位を有するものである。すなわち、下記式(12);
(式中、点線の円弧、Y1、Y2は、式(1)と同様である。X1´、X2´は、それぞれ、式(1)のX1、X2と同様の基、2価の基、3価の基、又は、直接結合を表す。R1´、R2´は、それぞれ、式(1)のR1、R2と同様の原子団、2価の原子団、3価の原子団、又は、直接結合を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有するフルベン誘導体ポリマーである。上記式(12)は、X1´、X2´、R1´、R2´のいずれか1つ以上が、重合体の主鎖の一部として結合を形成することを意味する。上記式(1)中のX1、X2、R1、R2の有する反応性基のうち少なくとも2つが重縮合してフルベン誘導体ポリマーが形成された場合、上記式(12)におけるX1´、X2´、R1´、R2´のうち少なくとも2つの基(又は原子団)が2価の基(又は原子団)、又は、直接結合である。上記式(1)中のX1、X2、R1、R2の有する反応性基のうち少なくとも1つが単独で重合してフルベン誘導体ポリマーが形成された場合、上記式(12)におけるX1´、X2´、R1´、R2´のうち少なくとも1つの基(又は原子団)が3価の基(又は原子団)、又は、直接結合である。
上記式(12)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーは、上記式(12)で表される構造の1種からなるものであってもよく、上記式(12)で表される2種以上の構造を含むものであってもよい。また、上記式(12)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有するものであってもよい。上記式(12)で表される2種以上の構造を含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体等であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記式(12)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーは、上記式(12)で表される構造の1種からなるものであってもよく、上記式(12)で表される2種以上の構造を含むものであってもよい。また、上記式(12)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有するものであってもよい。上記式(12)で表される2種以上の構造を含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体等であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記式(12)で表される繰り返し単位の構造の具体例のうち、重縮合によって得られる構造は、以下の式(13−1)〜(13−6)のような構造のものである。これらの中でも、(13−1)、(13−3)、(13−4)又は(13−6)のいずれかが好ましい。より好ましくは、(13−1)である。すなわち、式(1)で表される構造を有し、式(1)におけるX1及びX2が、反応性基を有する置換基であるフルベン誘導体から得られるフルベン誘導体ポリマーもまた、本発明の1つである。なお、(13−1)〜(13−3)において、X1´が2価の基、3価の基、又は、直接結合であって、X1´が2つ以上ある場合、2つ以上のX1´いずれか1つが2価の基、3価の基、又は、直接結合であればよい。X2´、R1´、R2´が2価の基(又は原子団)、3価の基(又は原子団)、又は、直接結合である場合についても同様である。
上記式(1)中のX1、X2、R1、R2の少なくとも2つが重縮合してフルベン誘導体ポリマーが形成される場合、上記式(12)におけるX1´、X2´、R1´、R2´のうち少なくとも2つの基(又は原子団)が2価の基(又は原子団)、又は、直接結合を表すが、該2価の基(又は原子団)は、反応性基を有する置換基間の重縮合反応により脱離しない残基(又は原子団)を表すこととなる。上記重縮合し得る反応性基の組み合わせとなるような反応性基を有する置換基(又は原子団)が重縮合反応した場合には、残基(又は原子団)が重合体中に残る場合と、残らない場合とがあり、前者の場合には、X1´、X2´、R1´、R2´のうち少なくとも1つは、反応性基を有する置換基間の重縮合反応により脱離しない残基(又は原子団)を表し、後者の場合には、X1´、X2´、R1´、R2´のうち少なくとも1つは、直接結合を表すこととなる。
また、上記式(12)で表される繰り返し単位が2つ以上続く場合には、2つの繰り返し単位の間に、例えば、−X1´−X2´−のように、X1´とX2´とが連続する結合が形成されることになるが、この場合、当該2つのうちいずれか一方は、直接結合である。
また、上記式(12)で表される繰り返し単位が2つ以上続く場合には、2つの繰り返し単位の間に、例えば、−X1´−X2´−のように、X1´とX2´とが連続する結合が形成されることになるが、この場合、当該2つのうちいずれか一方は、直接結合である。
上記重縮合し得る反応性基の組み合わせとなるような反応性基を有する置換基(又は原子団)が重縮合反応して残基(又は原子団)が重合体中に残る場合の具体例としては、カルボキシル基を有する置換基(又は原子団)とヒドロキシ基を有する置換基(又は原子団)との組み合わせが挙げられる。例えば、−CH2COOH基と−CH2CH2OH基とが重縮合反応した場合、重合体中に残る残基(又は原子団)は−CH2(CO)−O−CH2CH2−基となる。また、例えば、−COOH基と−OH基との反応のように、反応性基を有する置換基(又は原子団)が反応性基のみから構成される場合、重合体中に残る残基(又は原子団)は−(CO)−O−基となる。
また、上記重縮合し得る反応性基の組み合わせが重縮合反応して残基(又は原子団)が重合体中に残らない場合の具体例としては、ボリル基とハロゲン原子、ハロゲン原子とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム等の組み合わせが挙げられる。
また、上記重縮合し得る反応性基の組み合わせが重縮合反応して残基(又は原子団)が重合体中に残らない場合の具体例としては、ボリル基とハロゲン原子、ハロゲン原子とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム等の組み合わせが挙げられる。
上記式(12)で表される繰り返し単位の構造の具体例のうち、上記式(1)中のX1、X2、R1、R2の少なくとも1つが単独で重合して得られる構造として、例えば、X1が重合して得られる構造は、下記式(14)のような構造である。このように、式(1)中のX1が、構造中に単独で重合し得る反応性基を有する置換基である場合、X1´が3価の基又は直接結合である構造の繰り返し単位となる。同様に、式(1)中のX2、R1、R2が、構造中に単独で重合し得る反応性基を有する置換基(又は原子団)である場合、それぞれX2´、R1´、R2´が3価の基又は直接結合である構造の繰り返し単位となる。
上記式(14)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーは、上記式(14)で表される構造の1種からなるものであってもよく、上記式(14)で表される2種以上の構造を含むものであってもよい。また、上記式(14)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有するものであってもよい。上記式(12)で表される2種以上の構造を含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合体であっても、ブロック重合体でも、グラフト重合体等であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記単独で重合し得る反応性基としては、3,5−ジブロモフェニル基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基等が挙げられる。上記式(1)のフルベン誘導体がこれらの基のいずれかを少なくとも1つ有することで、上記式(1)のフルベン誘導体は単独で重合することができる。これらの中でも、アルケニル基、エポキシ基、3,5−ジブロモフェニル基が好ましい。
上記式(1)中のX1、X2、R1、R2の中で、重縮合する基(又は原子団)は、上記重縮合し得る反応性基を構造中に有する置換基(又は原子団)であればよい。同様に、単独重合する場合は、上記単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基(又は原子団)であればよい。このような置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数3〜7の環状アルキル基、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状アルコキシ基、アリール基やヘテロ環基等のいずれかの基の水素原子が上記重縮合し得る反応性基や単独で重合し得る反応性基で置換された基が挙げられる。これらの中でも、スチリル基、3,5−ジブロモフェニル基が好ましい。
また、R1、R2が重縮合し得る反応性基を構造中に有する原子団である場合、このような原子団としては、上述したR1、R2の原子団の水素原子が上記重縮合し得る反応性基や単独で重合し得る反応性基で置換された原子団が挙げられる。これらの中でも、フルベン誘導体が上記式(6)で表される構造を有し、R3で表される原子団が上記式(7−1)〜(7−11)のいずれかの構造のものであり、これらの原子団の水素原子が上記重縮合し得る反応性基や単独で重合し得る反応性基で置換された原子団が好ましい。
また、R1、R2が重縮合し得る反応性基を構造中に有する原子団である場合、このような原子団としては、上述したR1、R2の原子団の水素原子が上記重縮合し得る反応性基や単独で重合し得る反応性基で置換された原子団が挙げられる。これらの中でも、フルベン誘導体が上記式(6)で表される構造を有し、R3で表される原子団が上記式(7−1)〜(7−11)のいずれかの構造のものであり、これらの原子団の水素原子が上記重縮合し得る反応性基や単独で重合し得る反応性基で置換された原子団が好ましい。
本発明のフルベン誘導体ポリマーは、上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分から得られるものである限り、単量体成分にその他の単量体が含まれていてもよい。
すなわち、式(1)で表されるフルベン誘導体と、下記式(15);
すなわち、式(1)で表されるフルベン誘導体と、下記式(15);
(式中、Aは、2価の基を表す。X3及びX4は、同一若しくは異なって、水素原子又は1価の置換基を表し、X3及びX4の少なくとも1つの基は、反応性基を有する置換基である。)で表されるその他の単量体とを重合して形成されるフルベン誘導体ポリマーもまた、本発明のフルベン誘導体ポリマーに含まれる。
上記式(15)で表される化合物において、X3及びX4は、上記X1、X2が有する1価の置換基と同様のものを用いることができる。
上記式(15)におけるAは、2価の基であれば、特に制限されないが、その構造を相当する化合物名として挙げると例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ルブレン、ピレン、ペリレン、インデン、アズレン、アダマンタン、フルオレン、フルオレノン、ジベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、フラン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、チオフェン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、ノルボルネン、ベンゾフラン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、クマリン、シノリン、キノキサリン、アクリジン、フェナントロリン、フェノチアジン、フラボン、トリフェニルアミン、アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ピコリン酸、シロール、ポルフィリン、イリジウム等の金属配位化合物、又は、それらが置換基を有している誘導体、それら誘導体の構造を含むポリマー若しくはオリゴマー等が挙げられる。
上記Aとしては、上述したものに加えて、例えば、下記式(16−1)〜(16−4)の構造が挙げられる。
(式中、Ar1、Ar2、Ar3は、同一若しくは異なって、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。Z1は、−C≡C−、−N(Q3)−、−(SiQ4Q5)b−、又は、直接結合を示す。Z2は、−CQ1=CQ2−、−C≡C−、−N(Q3)−、−(SiQ4Q5)b−、又は、直接結合を表す。Q1及びQ2は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基(ヘテロ環基)、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、又は、シアノ基を表す。Q3、Q4及びQ5は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、又は、アリールアルキル基を示す。aは0〜1の整数を表す。bは1〜12の整数を表す。)
上記アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、環を構成する炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。該芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。
上記アリーレン基としては、例えば、下記式(17−1)で表されるフェニレン基、下記式(17−2)〜(17−3)で表されるナフタレンジイル基、下記式(17−4)〜(17−7)で表されるアントラセンジイル基、下記式(17−8)で表されるビフェニル−ジイル基、下記式(17−9)で表されるフルオレン−ジイル基、下記式(17−10)で表されるターフェニル−ジイル基、下記式(17−11)〜(17−12)で表されるスチルベン−ジイル基,下記式(17−13)〜(17−14)で表されるジスチルベン−ジイル基、下記式(17−15)〜(17−20)で表される縮合環化合物基、下記式(17−21)〜(17−23)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
なお、式(17−1)〜(17−23)において、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミン残基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールエチニル基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基またはシアノ基を表す。式(17−1)中においてx−yで示した線のように、環構造に交差して付された線は、環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。すなわち、式(17−1)においては、x−yで示される線が付された環を構成する炭素原子のいずれかと直接結合することを意味し、その環構造における結合位置は限定されない。式(17−10)中においてz−で示した線のように、環構造の頂点に付された線は、その位置において環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。また、環構造に交差して付されたRの付いた線は、Rが、その環構造に対して1つ結合していてもよく、複数結合していてもよいことを意味し、その結合位置も限定されない。
また、式(17−1)〜(17−10)及び(17−15)〜(17−20)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
上記アリーレン基としては、例えば、下記式(17−1)で表されるフェニレン基、下記式(17−2)〜(17−3)で表されるナフタレンジイル基、下記式(17−4)〜(17−7)で表されるアントラセンジイル基、下記式(17−8)で表されるビフェニル−ジイル基、下記式(17−9)で表されるフルオレン−ジイル基、下記式(17−10)で表されるターフェニル−ジイル基、下記式(17−11)〜(17−12)で表されるスチルベン−ジイル基,下記式(17−13)〜(17−14)で表されるジスチルベン−ジイル基、下記式(17−15)〜(17−20)で表される縮合環化合物基、下記式(17−21)〜(17−23)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
なお、式(17−1)〜(17−23)において、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミン残基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールエチニル基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基またはシアノ基を表す。式(17−1)中においてx−yで示した線のように、環構造に交差して付された線は、環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。すなわち、式(17−1)においては、x−yで示される線が付された環を構成する炭素原子のいずれかと直接結合することを意味し、その環構造における結合位置は限定されない。式(17−10)中においてz−で示した線のように、環構造の頂点に付された線は、その位置において環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。また、環構造に交差して付されたRの付いた線は、Rが、その環構造に対して1つ結合していてもよく、複数結合していてもよいことを意味し、その結合位置も限定されない。
また、式(17−1)〜(17−10)及び(17−15)〜(17−20)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
上記2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、環を構成する炭素数は通常3〜60程度である。該複素環化合物としては、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものも含まれる。
上記2価の複素環基としては、例えば、下記式(18−1)で表されるピリジン−ジイル基、下記式(18−2)〜(18−3)で表されるジアザフェニレン基、下記式(18−4)〜(18−6)で表されるキノリンジイル基、下記式(18−7)〜(18−9)で表されるキノキサリンジイル基、下記式(18−10)〜(18−12)で表されるアクリジンジイル基、下記式(18−13)で表されるビピリジルジイル基、下記式(18−14)で表されるフェナントロリンジイル基等のヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;
下記式(18−15)〜(18−17)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基;
下記式(18−18)〜(18−20)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基;
下記式(18−21)〜(18−26)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基;
下記式(18−27)〜(18−29)で表される、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基;
下記式(18−30)〜(18−35)で表される、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基;下記式(18−36)〜(18−38)で表される、ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基;等が挙げられる。
なお、式(18−1)〜(18−38)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。Yは、O、S、SO、SO2、Se、又は、Teを表す。環構造に交差して付された線、環構造の頂点に付された線、環構造に交差して付されたRの付いた線については、式(18−1)〜(18−23)と同様である。
また、式(18−1)〜(18−38)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
下記式(18−15)〜(18−17)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基;
下記式(18−18)〜(18−20)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基;
下記式(18−21)〜(18−26)で表されるヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基;
下記式(18−27)〜(18−29)で表される、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基;
下記式(18−30)〜(18−35)で表される、ヘテロ原子としてケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基;下記式(18−36)〜(18−38)で表される、ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基;等が挙げられる。
なお、式(18−1)〜(18−38)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。Yは、O、S、SO、SO2、Se、又は、Teを表す。環構造に交差して付された線、環構造の頂点に付された線、環構造に交差して付されたRの付いた線については、式(18−1)〜(18−23)と同様である。
また、式(18−1)〜(18−38)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
上記金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、例えば、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体等が挙げられる。
上記金属錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられ、上記有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
上記金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、例えば下記式(19−1)〜(19−7)で表される基が挙げられる。
なお、式(19−1)〜(19−7)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。環構造の頂点に付された線については、式(17−1)〜(17−23)と同様、直接結合を意味する。
また、式(19−1)〜(19−7)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
なお、式(19−1)〜(19−7)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。環構造の頂点に付された線については、式(17−1)〜(17−23)と同様、直接結合を意味する。
また、式(19−1)〜(19−7)において、炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
また、Aの構造としては、下記式(16−5)のような構造も挙げられる。
(式中、Ar4、Ar5、Ar6及びAr7は、同一又は異なって、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。Ar8、Ar9及びAr10は、同一又は異なって、アリール基又は1価の複素環基を表す。m及びnは、同一又は異なって、0又は1を表し、0≦m+n≦1である。)
上記式(16−5)で表される構造の具体例としては、下記式(20−1)〜(20−8)で表される構造が挙げられる。
なお、上記式(20−1)〜(20−8)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。環構造の頂点に付された線については、上記式(17−1)〜(17−23)と同様、直接結合を意味する。上記式(20−1)〜(20−8)において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なる基であってもよい。溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた構造の形状の対称性が少ないことが好ましい。更に、上記式(20−1)〜(20−8)において、Rがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらが更に1つ以上の置換基を有していてもよい。また、Rがアルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐若しくは環状のいずれか又はそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合としては、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基等が挙げられる。本発明のフルベン誘導体ポリマーの溶媒への溶解性を高めるためには、1つ以上に環状または分岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。
また、複数のRが連結して環を形成していてもよい。更に、Rがアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖は、ヘテロ原子を含む基で中断されていてもよい。該ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
また、複数のRが連結して環を形成していてもよい。更に、Rがアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖は、ヘテロ原子を含む基で中断されていてもよい。該ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
上記Aの構造としては、上述したものの中でも、式(16−5)、式(17−9)、式(18−16)、式(18−28)であることが好ましい。
本発明のフルベン誘導体ポリマーが、上記式(1)で表されるフルベン誘導体と上記式(15)で表されるその他の化合物とを含む単量体成分から得られたものである場合、式(1)中のX1、X2で表される1価の置換基、R1、R2で表される原子団が有する1価の置換基のうちの少なくとも1つの基と式(15)中のX3、X4の少なくとも1つの基とが重合して形成される繰り返し単位を有するものである。すなわち、下記式(21);
(式中、点線の円弧は、式(1)と同様である。X1´、X2´、R1´、R2´は、式(10)と同様である。Aは、同一若しくは異なって、2価の基を表す。X3´及びX4´は、それぞれ式(15)のX3及びX4と同様の基、2価の基、3価の基、又は、直接結合を表す。)で表される繰り返し単位の構造を有するフルベン誘導体ポリマーもまた本発明のフルベン誘導体ポリマーに含まれる。
また、フルベン誘導体が、上記式(6)で表される構造を有するものである場合には、下記式(22);
また、フルベン誘導体が、上記式(6)で表される構造を有するものである場合には、下記式(22);
(式中、X1´、X2´が結合する点線の円弧は、式(1)と同様である。Y1、Y2、及び、Y1とY2とをつなぐ点線の円弧は、式(6)と同様である。X1´、X2´は、式(12)と同様である。A、X3´、X4´は、式(21)と同様である。R3´は、式(6)のR3と同様の原子団、2価の原子団、3価の原子団、4価の原子団、又は、直接結合を表す。R3´とY1、Y2とをつなぐ点線の円弧で表される環構造との間の実線と点線は、R3´とY1、Y2とをつなぐ点線の円弧で表される環構造とが単結合又は二重結合で結合されることを表す。)で表される繰り返し単位の構造を有するフルベン誘導体ポリマーが本発明のフルベン誘導体ポリマーに含まれることになる。
上記式(21)は、X1´、X2´、R1´、R2´のいずれか1つ又は2つ、かつ、X3´及び/又はX4´が、重合体の主鎖の一部として結合を形成することを意味する。また、上記式(22)は、X1´、X2´、R3´のいずれか1つ又は2つ、かつ、X3´及び/又はX4´が、重合体の主鎖の一部として結合を形成することを意味する。
上記式(21)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーにおいて、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位は、ランダム重合であっても、ブロック重合でも、グラフト重合あってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。また、上記式(1)で表されるフルベン誘導体と上記式(15)で表される化合物とが反応して形成される構造単位が繰り返し単位となるものであってもよい。
上記式(22)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーにおいても同様に、上記式(6)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位は、ランダム重合であっても、ブロック重合でも、グラフト重合であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。また、上記式(6)で表されるフルベン誘導体と上記式(15)で表される化合物とが反応して形成される構造単位が繰り返し単位となるものであってもよい。
上記式(21)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーにおいて、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位は、ランダム重合であっても、ブロック重合でも、グラフト重合あってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。また、上記式(1)で表されるフルベン誘導体と上記式(15)で表される化合物とが反応して形成される構造単位が繰り返し単位となるものであってもよい。
上記式(22)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーにおいても同様に、上記式(6)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位は、ランダム重合であっても、ブロック重合でも、グラフト重合であってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。また、上記式(6)で表されるフルベン誘導体と上記式(15)で表される化合物とが反応して形成される構造単位が繰り返し単位となるものであってもよい。
また、上記式(21)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーは、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位をそれぞれ1種含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。上記式(22)で表される繰り返し単位を有するフルベン誘導体ポリマーにおいても同様に上記式(6)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位をそれぞれ1種含むものであってもよく、2種以上含むものであってもよい。
繰り返し単位を2種以上含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合であっても、ブロック重合でも、グラフト重合あってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
繰り返し単位を2種以上含むものである場合、当該2種以上の構造は、ランダム重合であっても、ブロック重合でも、グラフト重合あってもよい。また、高分子主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーでも良い。
上記式(21)で表されるフルベン誘導体ポリマーとしては、(i)上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれか2つと、上記式(15)中のX3及びX4とが、重合体の主鎖を形成するための結合形成に使用される場合、(ii)上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれか1つと、上記式(15)中のX3又はX4のいずれか1つの基とが、重合体の主鎖の一部として結合を形成する場合がある。これらの場合の繰り返し単位の構造の具体例として、それぞれ一例を示すと、例えば、下記式(23)、(24)のような構造がある。また、上記式(22)で表されるフルベン誘導体ポリマーについても同様にそれぞれ一例を示すと、例えば、下記式(25)、(26)のような構造がある。
上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれか2つと、上記式(15)中のX3及びX4とが、重合体の主鎖を形成するための結合形成に使用される場合、上記式(1)由来の繰り返し単位、上記式(15)由来の繰り返し単位がランダム付加したものであってもよく、ブロック付加したものであってもよく、上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれかの基と上記式(15)中のX3及び/又はX4とが重縮合したものであってもよいが、これらの中でも、上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれかと上記式(15)中のX3及び/又はX4とが重縮合したものであることが好ましい。そのような重合体の一例として、上記式(1)中のX1、X2と上記式(15)中のX3及びX4とが重縮合したものは、下記式(27)で表される構造を繰り返し単位とする重合体となる。また、フルベン誘導体ポリマーが上記式(22)で表される構造のものである場合には下記式(28)で表される構造を繰り返し単位とする重合体となる。
上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれかと上記式(15)中のX3及び/又はX4とが重縮合する場合の反応性基の組み合わせや、フルベン誘導体が式(6)で表される構造を有する場合の式(6)中のX1、X2、R3のいずれかと上記式(15)中のX3及び/又はX4とが重縮合する場合の反応性基の組み合わせとしては、上述したものと同様のものが挙げられる。また、反応性基の組み合わせとして好ましいものもまた、上述したものと同様である。すなわち、上記式(1)中のX1、X2、R1、R2のいずれかと上記式(15)中のX3及び/又はX4とが重縮合する場合、及び、フルベン誘導体が上記式(6)で表される構造を有し、上記式(6)中のX1、X2、R3のいずれかと上記式(15)中のX3及び/又はX4とが重縮合する場合、上記式(15)中のX3及びX4のうち、当該重縮合する基としては、上述した重縮合し得る反応性基を構造中に有する置換基のいずれかであることが好ましい。またその中でも、上記式(1)又は式(6)で表されるフルベン誘導体と上記式(15)で表される化合物との重縮合反応が、上述した好ましい反応性基の組み合わせによる反応となるような置換基が好ましい。
また、上記式(15)中のX3及びX4のいずれかが、単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基である場合、当該置換基は、上述した単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基のいずれかであることが好ましい。
また、上記式(15)中のX3及びX4のいずれかが、単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基である場合、当該置換基は、上述した単独で重合し得る反応性基を構造中に有する置換基のいずれかであることが好ましい。
本発明のフルベン誘導体ポリマーの両末端に結合している基は、特に制限されず、また、同一であっても良く、異なっていてもよい。上記両末端に結合している基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリール基、オリゴアリール基、1価の複素環基、1価のオリゴ複素環基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、スタニル基、ボリル基、ホスフィノ基、シリルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
本発明のフルベン誘導体ポリマーは、重量平均分子量が103〜108であることが好ましい。重量平均分子量がこのような範囲であると、良好に薄膜化できる。より好ましくは、103〜107であり、更に好ましくは104〜106である。
上記重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定することができる。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
上記重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定することができる。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
次に、本発明のフルベン誘導体の製造方法について記載する。
本発明のフルベン誘導体の製造方法は、下記式(1’);
本発明のフルベン誘導体の製造方法は、下記式(1’);
(式中、X1、X2が結合している点線の円弧は、同一又は異なって、炭素原子の5員環の骨格部分の一部と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、酸素原子のいずれかを表す。R4、R5は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表す。)で表されるフルベン誘導体を製造する方法であって、該製造方法は、下記式(2);
(式中、点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、点線の円弧部分を形成する環構造にそれぞれ複数個結合していてもよい。Z1、Z2は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(I)と、下記式(3);
(式中、Y1、Y2は、同一又は異なって、炭素原子、硫黄原子、窒素原子、のいずれかを表す。R4、R5は、同一又は異なって、それぞれY1、Y2原子に結合する原子団を表す。Z3、Z4は、同一又は異なって、1価の置換基を表す。)で表される不飽和結合含有化合物(II)とを反応させる工程を必須とする製造方法である。
本発明のフルベン誘導体の製造方法は、式(3)で表されるアルケンのgeminalポジションでのダブルカップリング反応により式(1’)で表されるフルベン誘導体を製造する方法である。上記式(2)で表される化合物であって点線の円弧で表される環構造を様々に変えたものや、それらの環に置換基を有するものは比較的容易に入手又は合成でき、また、式(3)で表されるアルケンについても、様々な構造のものが入手又は合成できる。このため、この製造方法によれば、上記式(2)で表される化合物や上記式(3)で表される化合物を適宜選択することで様々な構造のフルベン誘導体を製造することができ、また、反応性基を有し、ポリマーの原料として用いることができるフルベン誘導体も種々の構造のものを製造することができる。
本発明のフルベン誘導体の製造方法は、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである。この反応工程において、上記式(2)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、本発明のフルベン誘導体の製造方法は、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである限り、その他の工程を含んでいてもよい。
本発明のフルベン誘導体の製造方法は、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである。この反応工程において、上記式(2)で表される化合物、上記式(3)で表される化合物は、それぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、本発明のフルベン誘導体の製造方法は、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程を含むものである限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記式(2)で表される化合物における点線の円弧は、炭素原子間の二重結合を構成する2つの炭素原子と共に環構造が形成されていることを表す。すなわち、上記式(2)で表される化合物が、それぞれ構造中に少なくとも2つの環構造を有し、上記式(2)において、炭素原子間の二重結合部分が、該環構造の一部として含まれていることを表している。当該環構造としては、上記式(1)において、点線の円弧で表される環構造の具体例及び好ましい構造と同様である。
上記式(2)においてX1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、X1、X2の構造の具体例及び好ましい構造は、上記式(1)におけるX1、X2の構造の具体例及び好ましい構造、並びに、1価の置換基が結合する環の位置と同様である。
上記式(2)においてX1、X2は、同一又は異なって、水素原子又は環構造の置換基となる1価の置換基を表し、X1、X2の構造の具体例及び好ましい構造は、上記式(1)におけるX1、X2の構造の具体例及び好ましい構造、並びに、1価の置換基が結合する環の位置と同様である。
上記式(2)におけるZ1、Z2は同一又は異なって、1価の置換基を表す。1価の置換基としては、ハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基、ボリル基が好ましい。Z1、Z2がこのようなものであると、上述した非特許文献2において反応が全く進行しないとされているビフェニル化合物とアルケンとを原料としたアルケンのgeminalポジションでのダブルカップリング反応も効率的にすすめることができる。
Z1、Z2としてはこれらの中でも、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基が好ましい。また、Z1、Z2は同一の置換基であることが好ましい。なお、ボリル基とは、(RO)2B−(Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を表し、2つのRが結合していてもよい。)で表される基である。
Z1、Z2とは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
Z1、Z2としてはこれらの中でも、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基が好ましい。また、Z1、Z2は同一の置換基であることが好ましい。なお、ボリル基とは、(RO)2B−(Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭化水素基を表し、2つのRが結合していてもよい。)で表される基である。
Z1、Z2とは同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
上記式(3)におけるZ3、Z4は、同一又は異なって、1価の置換基を表し、上記式(2)におけるZ1、Z2とは異なる置換基である。1価の置換基としては、ハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基、ボリル基等が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物として、Z1、Z2がハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基、ボリル基のいずれかであるものを用い、上記式(3)で表される化合物として、Z3、Z4がこのような置換基であるものを用いることで、ビフェニル化合物を原料とした場合でもダブルカップリング反応をより効率的に進行させることができる。また、このような反応は、毒性の高い有機スズ化合物を用いない反応であることから、この点においても好ましい。Z3、Z4としてより好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基である。Z3、Z4とは同一であっても異なっていてもよいが、同一の置換基であることが好ましい。
上記式(2)で表される化合物として、Z1、Z2がハロゲン原子、トリフラート基、トシラート基、ボリル基のいずれかであるものを用い、上記式(3)で表される化合物として、Z3、Z4がこのような置換基であるものを用いることで、ビフェニル化合物を原料とした場合でもダブルカップリング反応をより効率的に進行させることができる。また、このような反応は、毒性の高い有機スズ化合物を用いない反応であることから、この点においても好ましい。Z3、Z4としてより好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子、ボリル基である。Z3、Z4とは同一であっても異なっていてもよいが、同一の置換基であることが好ましい。
上記式(2)のZ1、Z2、上記式(3)のZ3、Z4としてより好ましくは、上記式(2)におけるZ1、Z2がともに臭素原子又はヨウ素原子であり、上記式(3)におけるZ3、Z4がともにボリル基であること、又は、上記式(2)におけるZ1、Z2がともにボリル基であり、上記式(3)におけるZ3、Z4がともに臭素原子又はヨウ素原子であることである。最も好ましくは、上記式(2)におけるZ1、Z2がともにボリル基であり、上記式(3)におけるZ3、Z4がともに臭素原子又はヨウ素原子であることである。上記式(2)におけるZ1、Z2がともにボリル基であり、上記式(3)におけるZ3、Z4がともに臭素原子又はヨウ素原子であると、より高い収率でフルベン誘導体を製造することができる。
上記式(3)におけるY1、Y2の構造の具体例及び好ましい構造は、上記式(1)におけるY1、Y2の構造の具体例及び好ましい構造と同様である。
上記式(3)におけるR4、R5は、それぞれY1、Y2に結合する原子団を表し、原子団を構成する原子の数や種類は特に制限されないが、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、からなる群より選択される少なくとも1種の原子から構成されることが好ましい。
また、原子団を構成する原子の数は、1〜51であることが好ましい。より好ましくは、1〜21であり、更に好ましくは、1〜11である。
R4、R5は、少なくとも1箇所で結合を形成しているものに制限されない。
R4、R5とが結合を形成していない場合、すなわち、R4がY1のみ、R5がY2のみと結合している場合、R4、R5は、水素原子又は1価の置換基である。R4、R5が1価の置換基である場合、R4、R5は同一又は異なって、上記式(1)のX1、X2における1価の置換基と同様のものが好ましい。
また、原子団を構成する原子の数は、1〜51であることが好ましい。より好ましくは、1〜21であり、更に好ましくは、1〜11である。
R4、R5は、少なくとも1箇所で結合を形成しているものに制限されない。
R4、R5とが結合を形成していない場合、すなわち、R4がY1のみ、R5がY2のみと結合している場合、R4、R5は、水素原子又は1価の置換基である。R4、R5が1価の置換基である場合、R4、R5は同一又は異なって、上記式(1)のX1、X2における1価の置換基と同様のものが好ましい。
上記式(3)において、R4とR5とが少なくとも1箇所で結合を形成していることは本発明の好適な実施形態の1つである。すなわち、本願発明のフルベン誘導体の製造方法を用いて、上記式(1)で表される本発明のフルベン誘導体を製造することは本発明の好適な実施形態の1つである。
R4、R5が、少なくとも1箇所で結合を形成している場合、式(3)で表される化合物(II)は、下記式(29)
R4、R5が、少なくとも1箇所で結合を形成している場合、式(3)で表される化合物(II)は、下記式(29)
(式中、Y1、Y2、Z3、Z4は、上記式(3)と同様である。Y1とY2とをつなぐ点線の円弧は、Y1とY2との間の炭素原子、及び、Y1、Y2とともに環構造が形成されていることを表す。R6は、水素原子、又は、Y1、Y2を含んで形成された環構造に結合する原子団を表す。R6とY1、Y2を含んで形成された環構造との間の実線と点線は、R6とY1、Y2を含んで形成された環構造とが単結合又は二重結合で結合されることを表す。)のように表すことができる。
上記式(29)において、Y1とY2との間の炭素原子、Y1、Y2と点線の円弧とで形成される環構造としては、上記式(6)において、Y1とY2との間の炭素原子、Y1、Y2と点線の円弧とで形成される環構造と同様のものが好ましい。また、R6は、上記式(6)におけるR3と同様のものが好ましい。
上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程において、上記式(2)で表される化合物1モルに対して上記式(3)で表される化合物を0.5〜1.5モル用いて反応を行うことが好ましい。このような比率で用いることで、上記式(1)で表されるフルベン誘導体を高収率で製造することができる。より好ましくは、上記式(2)で表される化合物1モルに対して上記式(3)で表される化合物を0.7〜1.3モル用いることである。
また、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物の一方が臭素原子又はヨウ素原子を有し、他方がボリル基を有する場合、臭素原子又はヨウ素原子を有する化合物1モルに対して、ボリル基を有する化合物を1〜1.2モル用いることがより好ましい。
また、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物の一方が臭素原子又はヨウ素原子を有し、他方がボリル基を有する場合、臭素原子又はヨウ素原子を有する化合物1モルに対して、ボリル基を有する化合物を1〜1.2モル用いることがより好ましい。
上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程は、触媒を用いて行うことが好ましい。触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(PdCl2(PPh3)2)、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(PtBu3)2)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2dba3)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2等のパラジウム錯体の1種又は2種以上と、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性化合物の1種又は2種以上とを用いることが好ましい。より好ましくは、Pd(PPh3)4又はPd(PtBu3)2と炭酸カリウムとを用いることである。
また触媒の使用量としては、上記式(2)で表される化合物1モルに対して、パラジウム錯体と塩基性化合物との合計が0.001〜0.2モルとなるように用いることが好ましい。より好ましくは、0.01〜0.05モルとなるように用いることである。
また触媒の使用量としては、上記式(2)で表される化合物1モルに対して、パラジウム錯体と塩基性化合物との合計が0.001〜0.2モルとなるように用いることが好ましい。より好ましくは、0.01〜0.05モルとなるように用いることである。
また、上記触媒の反応性を上げるために配位子を用いてもよい。配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン(PPh3)、トリ(o−トリル)ホスフィン(P(o−tol)3)、トリ(2−フリル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ビフェニル)ジ−tert−ブチルホスフィン2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル等のリン配位子が挙げられる。これらの配位子のうち、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンが好ましい。
配位子の使用量としては、パラジウム触媒1モルに対して、0.5〜4モル用いることが好ましい。より好ましくは、1〜2.5モル用いることである。
なお、ホスフィン配位子などの安定化剤を含む触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなど)を用いた場合には、さらに配位子を用いる必要はない。
配位子の使用量としては、パラジウム触媒1モルに対して、0.5〜4モル用いることが好ましい。より好ましくは、1〜2.5モル用いることである。
なお、ホスフィン配位子などの安定化剤を含む触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムなど)を用いた場合には、さらに配位子を用いる必要はない。
上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程に用いる溶媒としては、当該反応が進行するものである限り特に制限されないが、テトラヒドフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系極性溶媒の1種又は2種以上を用いることが好ましい。より好ましくは、テトラヒドフランである。
更に、溶媒として水を混合したものを用いることがより好ましい。エーテル系極性溶媒と水とを混合して用いる場合の比率は、エーテル系極性溶媒:水=3:1〜10:1であることが好ましい。より好ましくは、4:1〜5:1である。
更に、溶媒として水を混合したものを用いることがより好ましい。エーテル系極性溶媒と水とを混合して用いる場合の比率は、エーテル系極性溶媒:水=3:1〜10:1であることが好ましい。より好ましくは、4:1〜5:1である。
上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程は、不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、アルゴン、ヘリウム等のいずれを用いてもよいが、窒素、アルゴンが好ましい。不活性ガスは、1種又は2種以上を用いることができる。
上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程の反応温度は、20℃〜100℃であることが好ましい。より好ましくは、40℃〜80℃である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、30時間以上であることが好ましい。より好ましくは、30〜48時間である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、30時間以上であることが好ましい。より好ましくは、30〜48時間である。
本発明のフルベン誘導体の製造方法における、上記式(2)で表される化合物と上記式(3)で表される化合物とを反応させる工程の後に、得られた上記式(1’)で表されるフルベン誘導体を精製する工程を含んでいてもよい。精製方法は特に制限されず、抽出、濾過、シリカゲルクロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、リサイクル分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、再結晶、昇華等の方法の中から適した方法を適宜選択して用いることができる。また、これらの精製方法のいずれか1つを用いてもよく、2つ以上を用いてもよい。
次に本発明のフルベン誘導体ポリマーを製造する方法について記載する。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分から重合体を製造する際の重合方法は、重合反応が進行する限り特に制限されず、種々の重合方法を用いることができるが、溶液重合が好ましい。
溶液重合に用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、トルエン、クロロホルム、テトラヒドフランが好ましい。より好ましくは、トルエン、テトラヒドフランである。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分から重合体を製造する際の重合方法は、重合反応が進行する限り特に制限されず、種々の重合方法を用いることができるが、溶液重合が好ましい。
溶液重合に用いる溶媒としては、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタン等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、トルエン、クロロホルム、テトラヒドフランが好ましい。より好ましくは、トルエン、テトラヒドフランである。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分から重合体を製造する際の反応温度は、−100℃〜300℃であることが好ましい。より好ましくは、−50℃〜200℃であり、更に好ましくは、0℃〜150℃である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、1〜72時間であることが好ましい。より好ましくは、10〜48時間であり、更に好ましくは、10〜24時間である。
反応圧力は、加圧、常圧、減圧のいずれであってもよいが、常圧であることが好ましい。また、反応時間は、1〜72時間であることが好ましい。より好ましくは、10〜48時間であり、更に好ましくは、10〜24時間である。
本発明のフルベン誘導体ポリマーを上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分から製造する際には、触媒や重合開始剤を使用することができる。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分を重合する反応が重縮合反応である場合、触媒としては、塩酸のような無機酸、または有機酸、無機塩基、有機塩基、有機金属化合物等を用いることができ、重縮合反応する反応性基の種類に合わせて適宜選択して用いることができる。
触媒や重合開始剤の使用量は、上記式(1)で表されるフルベン誘導体1モルに対して、0.0001〜1000モルが好ましい。より好ましくは、0.001〜100モルである。
上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分を重合する反応が重縮合反応である場合、触媒としては、塩酸のような無機酸、または有機酸、無機塩基、有機塩基、有機金属化合物等を用いることができ、重縮合反応する反応性基の種類に合わせて適宜選択して用いることができる。
触媒や重合開始剤の使用量は、上記式(1)で表されるフルベン誘導体1モルに対して、0.0001〜1000モルが好ましい。より好ましくは、0.001〜100モルである。
また、上記式(1)で表されるフルベン誘導体を含む単量体成分を重合する際には、連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、ヒドロキシスチレン、チオールメルカプタン等の中から、適宜選択して用いることができる。
連鎖移動剤の使用量は、上記式(1)で表されるフルベン誘導体1モルに対して、0.0001〜1000モルが好ましい。より好ましくは、0.001〜100モルである。
連鎖移動剤としては、ヒドロキシスチレン、チオールメルカプタン等の中から、適宜選択して用いることができる。
連鎖移動剤の使用量は、上記式(1)で表されるフルベン誘導体1モルに対して、0.0001〜1000モルが好ましい。より好ましくは、0.001〜100モルである。
本発明のフルベン誘導体を含む単量体成分が、上記式(1)で表されるフルベン誘導体と、上記式(15)で表されるその他の化合物とを含むものである場合、上記式(1)で表されるフルベン誘導体1モルに対して、上記式(15)で表されるその他の化合物を1〜5モル含むものであることが好ましい。より好ましくは、上記式(1)で表されるフルベン誘導体1モルに対して、上記式(15)で表されるその他の化合物を1モル含むことである。
本発明のフルベン誘導体、及び、フルベン誘導体ポリマーは、発光量子収率が、20〜100%であることが好ましい。フルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーの発光量子収率がそのような範囲のものであると、有機EL素子やHOILED素子等における発光層として用いた場合に、充分に安定した発光を得ることが可能となる。発光量子収率としてより好ましくは、30〜100%であり、更に好ましくは、40〜100%である。発光量子収率は、以下の方法により測定することができる。
<発光量子収率>
フルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーについて、濃度の異なる数種類のジクロロメタン溶液を調製し、紫外可視分光光度計(製品名「Agilent 8453」、アジレント・テクノロジー社製)を用いて、各溶液の吸光度を測定する。また、各溶液の蛍光スペクトルを測定し、蛍光強度(波数積分値)を求める。得られた吸光度及び蛍光強度から、横軸が吸光度、縦軸が蛍光強度のグラフを作成する。また、標準物質として、キニーネ硫酸塩の0.1M硫酸溶液について、同様に測定を行い、それぞれのグラフを同様に作成する。フルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーについてのグラフ(正の相関を有する直線となる)の傾きをGS、キニーネ硫酸塩についてのグラフの傾きをGR、ジクロロメタンの屈折率をnS、0.1M硫酸の屈折率をnR、キニーネ硫酸塩(文献値)をYRとして、フルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーの発光量子収率YSを下記数式(1)により求める。なお、nS、nR、YRについては、文献値として、nS=1.4242、nR=1.333、YR=0.54の各値を用いる。
<発光量子収率>
フルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーについて、濃度の異なる数種類のジクロロメタン溶液を調製し、紫外可視分光光度計(製品名「Agilent 8453」、アジレント・テクノロジー社製)を用いて、各溶液の吸光度を測定する。また、各溶液の蛍光スペクトルを測定し、蛍光強度(波数積分値)を求める。得られた吸光度及び蛍光強度から、横軸が吸光度、縦軸が蛍光強度のグラフを作成する。また、標準物質として、キニーネ硫酸塩の0.1M硫酸溶液について、同様に測定を行い、それぞれのグラフを同様に作成する。フルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーについてのグラフ(正の相関を有する直線となる)の傾きをGS、キニーネ硫酸塩についてのグラフの傾きをGR、ジクロロメタンの屈折率をnS、0.1M硫酸の屈折率をnR、キニーネ硫酸塩(文献値)をYRとして、フルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーの発光量子収率YSを下記数式(1)により求める。なお、nS、nR、YRについては、文献値として、nS=1.4242、nR=1.333、YR=0.54の各値を用いる。
本発明のフルベン誘導体、及び、フルベン誘導体ポリマーは、LUMOのエネルギー準位が低いために、n型半導体の材料や有機EL素子の材料として好適に用いることができるものであるが、そのような用途として用いられるフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーのLUMOのエネルギー準位としては、例えば、3.0eV〜5.2eVであることが好ましい。そのような範囲であると、n型半導体の材料や有機EL素子の材料として用いた場合に、充分に性能を発揮することができる。LUMOのエネルギー準位としてより好ましくは、3.2eV〜5.1eVであり、更に好ましくは、3.4eV〜5.0eVである。特に好ましくは、3.6eV〜5.0eVである。LUMOのエネルギー準位は、以下のようにして求めることができる。
<LUMOのエネルギー準位>
pドープシリコン基板(フルウチ化学社製)を25mm角に切断し、アセトン中、及び、イソプロピルアルコール中でそれぞれ10分間超音波洗浄した後、UVオゾン処理を20分間施す。この基板に0.5〜2重量%の濃度に調整した試料溶液を垂らし、毎分1000〜3000回転の速度でスピンコートして測定サンプルとする。作成した測定サンプルについて、紫外光電子分光装置(コベルコ科研社製)を用いて、イオン化ポテンシャルを測定し、測定値を試料の最高被占軌道(HOMO)のエネルギー準位とする。
同時に、上記同様に作成した別の試料薄膜について、紫外可視分光光度計(製品名「Agilent 8453」、アジレント・テクノロジー社製)を用いて、吸収スペクトルを測定する。得られたスペクトルから吸収ピークの長波長側吸収端λ(単位:nm)を読み取り、下記数式(2)により、HOMO−LUMOギャップ(B.G.)を求める。
<LUMOのエネルギー準位>
pドープシリコン基板(フルウチ化学社製)を25mm角に切断し、アセトン中、及び、イソプロピルアルコール中でそれぞれ10分間超音波洗浄した後、UVオゾン処理を20分間施す。この基板に0.5〜2重量%の濃度に調整した試料溶液を垂らし、毎分1000〜3000回転の速度でスピンコートして測定サンプルとする。作成した測定サンプルについて、紫外光電子分光装置(コベルコ科研社製)を用いて、イオン化ポテンシャルを測定し、測定値を試料の最高被占軌道(HOMO)のエネルギー準位とする。
同時に、上記同様に作成した別の試料薄膜について、紫外可視分光光度計(製品名「Agilent 8453」、アジレント・テクノロジー社製)を用いて、吸収スペクトルを測定する。得られたスペクトルから吸収ピークの長波長側吸収端λ(単位:nm)を読み取り、下記数式(2)により、HOMO−LUMOギャップ(B.G.)を求める。
更に、上記のように複合電子分光分析装置を用いて求めたHOMOのエネルギー準位と、上記数式(2)から求めたHOMO−LUMOギャップ(B.G.)とから、下記数式(3)により、LUMOのエネルギー準位を求める。
本発明のフルベン誘導体、及び、フルベン誘導体ポリマーは、n型半導体や有機EL素子の発光デバイスの材料として好適に用いることができるものである。有機EL素子は、陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、陰極を順に積層させた構造のもの、又は、更にホール注入層、電子注入層を有する構造のもの等がある。これらの素子においては、陰極から注入された電子が電子輸送層を通過して発光層に到達することになるが、エネルギー効率の点から、発光層や電子輸送層の材料の最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位は、電子注入層の材料の有するLUMOのエネルギー準位及び陰極の価電子帯との間でエネルギーギャップが小さいことが好ましい。陰極としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等の金属やこれらの合金等が用いられるが、これらのうち価電子帯のエネルギーが高いものは、酸化されやすい性質を有するため、エネルギーの低いものを用いることが好ましい。最低空軌道(LUMO)のエネルギー準位の低いフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーを用いることで、陰極として価電子帯のエネルギーが低く、酸化されにくい物質を陰極に用いることが可能となるため、陰極の選択の自由度を広げることができる。
したがって、このような点から、本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーは、n型半導体や有機EL素子の材料として好適に用いることができるものである。このように、本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーが発光デバイス形成に用いられることもまた、本発明の1つであり、本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーを含む発光材料もまた、本発明の1つである。更にこのような、本発明のフルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーを用いて形成される発光デバイスもまた、本発明の1つである。
したがって、このような点から、本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーは、n型半導体や有機EL素子の材料として好適に用いることができるものである。このように、本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーが発光デバイス形成に用いられることもまた、本発明の1つであり、本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーを含む発光材料もまた、本発明の1つである。更にこのような、本発明のフルベン誘導体、又は、フルベン誘導体ポリマーを用いて形成される発光デバイスもまた、本発明の1つである。
本発明のフルベン誘導体やフルベン誘導体ポリマーは、上述の構成よりなり、LUMOのエネルギー準位が低く、n型有機半導体材料等や有機EL素子等の発光デバイス等の機能性電子素子素材として好適に用いることができるものである。また、本発明のフルベン誘導体の製造方法は、毒性の高い材料を用いることなく、また、高温条件を必要とせずに反応性基を有するもの等の様々な構造のフルベン誘導体を製造することができることができ、フルベン誘導体のπ共役系や環構造の自在な修飾を可能とする有用な製造方法である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
以下の実施例及び比較例において、1H−NMR、重量平均分子量は以下のようにして測定した。
<1H−NMR>
得られたフルベン誘導体を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「Gemini 2000」;300MHz、Varian,Inc.社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、テトラメチルシランの水素核(δ0.00)を参照とした。
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定した。高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
測定条件:
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
<1H−NMR>
得られたフルベン誘導体を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「Gemini 2000」;300MHz、Varian,Inc.社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、テトラメチルシランの水素核(δ0.00)を参照とした。
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定した。高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)
測定条件:
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
実施例1
50mlシュレンク管に3,3’−ジブロモビチオフェン(324mg、1.0mmol)、ジボロン酸エステル(451.7mg、1.1mmol)、パラジウム触媒(57.8mg,0.05mmol)、炭酸カリウム(829.3mg,6.0mmol)、THF20ml、水4mlを加え窒素置換した。これを65℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をリサイクル分取HPLC(移動相:クロロホルム)によって精製することで、目的物(177mg、0.5mmol)を得た。この反応は、下記式(30)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.08(m,2H)、7.24−7.29(d,2H)、7.34−7.38(m,2H)、7.57(d,2H)、7.68−7.70(m,2H)、8.28(d,2H)
50mlシュレンク管に3,3’−ジブロモビチオフェン(324mg、1.0mmol)、ジボロン酸エステル(451.7mg、1.1mmol)、パラジウム触媒(57.8mg,0.05mmol)、炭酸カリウム(829.3mg,6.0mmol)、THF20ml、水4mlを加え窒素置換した。これを65℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をリサイクル分取HPLC(移動相:クロロホルム)によって精製することで、目的物(177mg、0.5mmol)を得た。この反応は、下記式(30)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.08(m,2H)、7.24−7.29(d,2H)、7.34−7.38(m,2H)、7.57(d,2H)、7.68−7.70(m,2H)、8.28(d,2H)
実施例2
30mlシュレンク管にテトラブロミド(246.9mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(213.2mg、0.5mmol)、パラジウム触媒(28.9mg、0.03mmol)、炭酸カリウム(414.6mg、3.0mmol)、THF10ml、水2mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することで、目的物(209mg、0.43mmol)を得た。この反応は、下記式(31)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.24−7.27(m,2H)、7.37(t,2H)、7.45−7.47(m,2H)、7.56(d,2H)、7.69(d,2H)、8.28(d,2H)、8.49(d,2H)
30mlシュレンク管にテトラブロミド(246.9mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(213.2mg、0.5mmol)、パラジウム触媒(28.9mg、0.03mmol)、炭酸カリウム(414.6mg、3.0mmol)、THF10ml、水2mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することで、目的物(209mg、0.43mmol)を得た。この反応は、下記式(31)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.24−7.27(m,2H)、7.37(t,2H)、7.45−7.47(m,2H)、7.56(d,2H)、7.69(d,2H)、8.28(d,2H)、8.49(d,2H)
実施例3
30mlシュレンク管にジブロミド(67.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(89.3mg、0.22mmol)、パラジウム触媒(11.6mg、0.01mmol)、炭酸カリウム(165.9mg、1.2mmol)、THF4ml、水1mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン)で精製することで、目的物(59.1mg、0.18mmol)を得た。この反応は、下記式(32)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.24−7.29(m,8H)、7.36−7.40 (m,4H)、7.66−7.69(m,4H)
30mlシュレンク管にジブロミド(67.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(89.3mg、0.22mmol)、パラジウム触媒(11.6mg、0.01mmol)、炭酸カリウム(165.9mg、1.2mmol)、THF4ml、水1mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン)で精製することで、目的物(59.1mg、0.18mmol)を得た。この反応は、下記式(32)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.24−7.29(m,8H)、7.36−7.40 (m,4H)、7.66−7.69(m,4H)
実施例4
30mlシュレンク管にジブロミド(167.0mg、0.35mmol)、ボロン酸(104.7mg、0.71mmol)、パラジウム触媒(17.6mg、0.03mmol)、水酸化ナトリウム(82.8mg、2.1mmol)、THF10ml、水2mlを加え窒素置換した。これを70℃に加熱し、12時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム)で精製し、溶媒を留去した。得られた固体を濾取し、メタノールで洗浄後、乾燥させることで、目的物(150.0mg、0.28mmol)を得た。この反応は、下記式(33)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.03−7.14(m,4H)、7.24−7.29 (m,4H)、7.33−7.40(m,6H)、7.49−7.53(m,6H)、7.69(d,2H)、7.76(d,2H)、8.46(d,2H)、8.57(s,2H)
30mlシュレンク管にジブロミド(167.0mg、0.35mmol)、ボロン酸(104.7mg、0.71mmol)、パラジウム触媒(17.6mg、0.03mmol)、水酸化ナトリウム(82.8mg、2.1mmol)、THF10ml、水2mlを加え窒素置換した。これを70℃に加熱し、12時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム)で精製し、溶媒を留去した。得られた固体を濾取し、メタノールで洗浄後、乾燥させることで、目的物(150.0mg、0.28mmol)を得た。この反応は、下記式(33)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.03−7.14(m,4H)、7.24−7.29 (m,4H)、7.33−7.40(m,6H)、7.49−7.53(m,6H)、7.69(d,2H)、7.76(d,2H)、8.46(d,2H)、8.57(s,2H)
実施例5
30mlシュレンク管にジブロミド(67.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(89.3mg、0.22mmol)、パラジウム触媒(11.6mg、0.01mmol)、炭酸カリウム(165.9mg、1.2mmol)、THF4ml、水1mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン)で精製することで、目的物(59.1mg、0.18mmol)を得た。この反応は、下記式(34)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.24−7.29(m,8H)、7.36−7.40 (m,4H)、7.66−7.69(m,4H)
30mlシュレンク管にジブロミド(67.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステル(89.3mg、0.22mmol)、パラジウム触媒(11.6mg、0.01mmol)、炭酸カリウム(165.9mg、1.2mmol)、THF4ml、水1mlを加え窒素置換した。これを60℃に加熱し、48時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで三度抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン)で精製することで、目的物(59.1mg、0.18mmol)を得た。この反応は、下記式(34)の反応である。
得られたフルベン誘導体の物性値は以下のとおりである。
1H−NMR(CDC13):δ7.24−7.29(m,8H)、7.36−7.40 (m,4H)、7.66−7.69(m,4H)
実施例6
30mlシュレンク管に、上記実施例2で合成したジブロモモノマー(97.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステルモノマー(112.2mg、0.20mmol)、Pd触媒(2.3mg、0.002mmol)を加え窒素流通を開始した。ここへトルエン2.4mlを加え、室温で10分間攪拌した。ここへ、アンモニウム炭酸塩(192.3mg、0.6mmol)を0.6mlの水の溶解させた溶液を加え、さらに室温で20分間攪拌した。これを115℃に加熱し、窒素を流通させながら24時間加熱攪拌した。ここへブロモベンゼンを0.1ml加え3時間攪拌し、フェニルボロン酸80mgを加えさらに3時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、水を加えた。クロロホルムで抽出し、塩酸で1回、水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒留去することで、目的のポリマーを105mg得た。この反応は、下記式(35)の反応である。
重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mw=16000であった。
30mlシュレンク管に、上記実施例2で合成したジブロモモノマー(97.2mg、0.2mmol)、ジボロン酸エステルモノマー(112.2mg、0.20mmol)、Pd触媒(2.3mg、0.002mmol)を加え窒素流通を開始した。ここへトルエン2.4mlを加え、室温で10分間攪拌した。ここへ、アンモニウム炭酸塩(192.3mg、0.6mmol)を0.6mlの水の溶解させた溶液を加え、さらに室温で20分間攪拌した。これを115℃に加熱し、窒素を流通させながら24時間加熱攪拌した。ここへブロモベンゼンを0.1ml加え3時間攪拌し、フェニルボロン酸80mgを加えさらに3時間加熱攪拌した。室温まで冷却し、水を加えた。クロロホルムで抽出し、塩酸で1回、水で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した後に溶媒留去することで、目的のポリマーを105mg得た。この反応は、下記式(35)の反応である。
重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mw=16000であった。
Claims (5)
- フルベン誘導体を含む単量体成分を重合して得られるフルベン誘導体ポリマーであって、
該フルベン誘導体は、下記式(1)で表され、X1、X2、R1、R2の少なくとも1つが構造中に反応性基を有するものであることを特徴とするフルベン誘導体ポリマー。
- 前記フルベン誘導体ポリマーは、発光デバイス形成に用いられることを特徴とする請求項2に記載のフルベン誘導体ポリマー。
- 請求項1に記載のフルベン誘導体、若しくは、請求項2又は3に記載のフルベン誘導体ポリマーを用いて形成されることを特徴とする発光デバイス。
- 下記式(1’);
該製造方法は、下記式(2);
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CN110326122A (zh) * | 2017-09-18 | 2019-10-11 | 株式会社Lg化学 | 有机晶体管 |
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-
2013
- 2013-09-19 JP JP2013194479A patent/JP2015059109A/ja active Pending
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