JP6546045B2 - 金属錯体および該金属錯体を含む発光素子 - Google Patents

金属錯体および該金属錯体を含む発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、金属錯体、該金属錯体を含有する組成物および該金属錯体を含む発光素子に関する。
発光素子の発光層に用いる発光材料としては、三重項励起状態から発光する燐光発光性化合物等が知られている。このような発光材料として、例えば特許文献1には、下記式で表される金属錯体Aが記載されている。また、例えば特許文献2には、下記式で表される金属錯体Bが記載されている。金属錯体AおよびBは、いずれも配位子がフェニルイミダゾール構造を有する金属錯体である。
Figure 0006546045
特開2008−303150号公報 国際公開第2006/121811号
しかしながら、上記の先行技術文献にかかる金属錯体を含む発光素子では、演色性の高い白色の発光色を実現することが困難であった。
そこで、本発明は、発光素子において演色性の高い白色の発光色を実現できる金属錯体を提供し、ひいては該金属錯体を含有する組成物および該金属錯体を含む発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、下記[1]〜[10]を提供する。
[1] 下記式(1)で表される金属錯体。
Figure 0006546045
[式中、
は、1、2または3を表す。nは、0または1を表す。nが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、および、R10とR11は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、RおよびRからなる群から選ばれる少なくとも1つは、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルキル基、フッ素原子を置換基として有するアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するアリール基、フッ素原子を置換基として有するアリールオキシ基、フッ素原子を置換基として有する1価の複素環基、フッ素原子またはシアノ基であり、且つ、R、R、RおよびR10からなる群から選ばれる少なくとも1つは、下記式(D−A)または式(D−B)で表される基である。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006546045
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006546045
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
[2] 前記RおよびRのいずれか一方がフッ素原子を置換基として有するアルキル基である、[1]に記載の金属錯体。
[3] 前記RおよびRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、前記式(D−A)で表される基である、[1]または[2]に記載の金属錯体。
[4] 前記式(D−A)で表される基が、下記式(D−A1)、(D−A2)または(D−A3)で表される基である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の金属錯体。
Figure 0006546045
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は、1〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数存在するnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
[5] 前記式(D−A)で表される基が、前記式(D−A1)で表される基である、[4]に記載の金属錯体。
[6] 前記nが1である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の金属錯体。
[7] 前記nが3である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の金属錯体。
[8] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の金属錯体と、
下記式(H−1)で表される化合物とを含有する組成物。
Figure 0006546045
[式(H−1)中、
ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H3は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[9] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の金属錯体と、
正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料と
を含有する組成物。
[10] [1]〜[7]のいずれか1つに記載の金属錯体を含む発光素子。
本発明によれば、発光素子において演色性に優れた白色の発光色を実現できる金属錯体を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合または配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10〜1×10である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性または輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。この末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基または1価の複素環基と結合している基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、ドデシル基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖および分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A−1)〜式(A−20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表す。複数存在するRおよびRは、各々、同一でも異なっていてもよく、R同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、RおよびRは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、近紫外線照射処理、可視光照射処理、赤外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、式(B−1)−(B−17)のいずれかで表される基である。これらの基は、置換基を有していてもよい。
Figure 0006546045
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基またはシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
「デンドロン」とは、原子または環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造(即ち、デンドリマー構造)を有する基を意味する。デンドロンを有する化合物(以下、「デンドリマー」と言う。)としては、例えば、国際公開第2002/067343号、特開2003−231692号公報、国際公開第2003/079736号、国際公開第2006/097717号等の文献に記載の構造が挙げられる。
デンドロンとしては、好ましくは、式(D−A)または(D−B)で表される基である。
Figure 0006546045
[式中、
DA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006546045
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは0または1である。mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、同一の整数であることが好ましい。
DAは、好ましくは式(GDA−11)〜(GDA−15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006546045
[式中、
*は、式(D−A)におけるArDA1、式(D−B)におけるArDA1、式(D−B)におけるArDA2、または、式(D−B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D−A)におけるArDA2、式(D−B)におけるArDA2、式(D−B)におけるArDA4、または、式(D−B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D−A)におけるArDA3、式(D−B)におけるArDA3、式(D−B)におけるArDA5、または、式(D−B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、好ましくは式(ArDA−1)〜(ArDA−3)で表される基である。
Figure 0006546045
[式中、
DAは前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基または1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基である。
DAは、好ましくは式(TDA−1)〜(TDA−3)で表される基である。
Figure 0006546045
[式中、RDAおよびRDBは前記と同じ意味を表す。]
式(D−A)で表される基は、好ましくは式(D−A1)〜(D−A3)で表される基であり、より好ましくは式(D−A1)で表される基である。
Figure 0006546045
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
式(D−B)で表される基は、好ましくは式(D−B1)〜(D−B3)で表される基である。
Figure 0006546045
[式中、
p1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
np1は、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは1である。np2は、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。
p1、Rp2およびRp3は、好ましくはアルキル基またはシクロアルキル基である。
式(D−A1)〜式(D−A3)および式(D−B1)〜式(D−B3)中、複数あるRp1のうちの少なくとも1つは、炭素原子数が4以上のアルキル基または炭素原子数が4以上のシクロアルキル基であることが好ましく、複数あるRp1の全てが、炭素原子数が4以上のアルキル基であるか、または炭素原子数が4以上のシクロアルキル基であることが好ましい。
式(D−A)で表される基としては、例えば、式(D−A−1)〜式(D−A−17)で表される基が挙げられる。また、式(D−B)で表される基としては、例えば、式(D−B−1)〜式(D−B−7)で表される基が挙げられる。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、*、**および***は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006546045
Figure 0006546045
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、メチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、式(Rp−1)で表される基または2−エチルヘキシルオキシ基であることが好ましく、tert−ブチル基または式(Rp−1)で表される基がより好ましい。
Figure 0006546045
<金属錯体>
次に、本発明の金属錯体について説明する。本発明の金属錯体は、式(1)で表される。
式(1)で表される金属錯体は、イリジウム原子と、添え字nでその数を規定されている配位子と、添え字(3−n)でその数を規定されている配位子とから構成されている。
式(1)中、nは、2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
式(1)中、nは、1であることが好ましい。
式(1)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、*は、イリジウム原子と結合する部位を示す。]
式(1)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、下記式で表される配位子であってもよい。但し、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、添え字nでその数を定義されている配位子とは異なる。
Figure 0006546045
[式中、
*は、イリジウム原子と結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
L2は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
式(1)中、R〜RおよびR〜R10は、本発明の金属錯体の溶媒に対する溶解性および成膜性を高めることができるので、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、更に好ましくは、水素原子である。ここで、RおよびRからなる群から選ばれる少なくとも1つ、換言すると、RおよびRの両方またはいずれか一方は、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルキル基、フッ素原子を置換基として有するアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するアリール基、フッ素原子を置換基として有するアリールオキシ基、フッ素原子を置換基として有する1価の複素環基、フッ素原子またはシアノ基であり、好ましくは、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子またはシアノ基である。中でも、本発明の金属錯体の耐久性が優れることから、RおよびRのうちのいずれか一方がフッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子またはシアノ基であることが好ましく、RおよびRのいずれか一方がフッ素原子を置換基として有するアルキル基であることがより好ましく、Rがフッ素原子を置換基として有するアルキル基であるか、またはRがフッ素原子であることが特に好ましい。さらに、R、R、RおよびR10からなる群から選ばれる少なくとも1つは、式(D−A)または(D−B)で表される基であり、好ましくは、R、R、RおよびR10からなる群から選ばれる少なくとも1つが、式(D−A)で表される基である。
およびRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、式(D−A)または(D−B)で表される基であることが好ましく、RおよびRからなる群から選ばれる少なくとも1つが、式(D−A)で表される基であることがより好ましく、RおよびRのうちのいずれか一方が式(D−A)で表される基であることが更に好ましい。
式(1)中、RおよびR11は、本発明の金属錯体の発光色をより純青に近づける、換言すると金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長をより短波長側に存在させることができるので、好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、より好ましくは、アルキル基である。なお、純青である発光色とは、通常、発光スペクトルの最大ピーク波長が420〜465nmの範囲であり、かつ、波長420〜465nmに存在するピークの幅が、100nm以下である発光色を意味する。
式(1)中、Rは、式(D−A)で表される基、式(D−B)で表される基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、式(D−A)で表される基、式(D−B)で表される基またはアリール基であることがより好ましく、式(D−A)で表される基、式(D−B)で表される基またはフェニル基が更に好ましい。Rで表されるアリール基(例えば、フェニル基)および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基またはシクロアルキル基が好ましい。
式(1)で表される金属錯体としては、例えば、下記式(Ir−1)−(Ir−29)で表される金属錯体が挙げられ、本発明の金属錯体を含む発光素子の寿命が特に優れるので、好ましくは、式(Ir−1)〜(Ir−13)で表される金属錯体であり、より好ましくは、式(Ir−1)〜(Ir−9)で表される金属錯体である。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、
L1およびRL2は、前記と同じ意味を表す。
は、水素原子、または、炭素原子数が4以下のアルキル基もしくは炭素原子数が4以下のシクロアルキル基を表す。複数存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
は、前記式(D−A)または(D−B)で表される基である。Zが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
式(Ir−1)〜(Ir−29)中、Rは、好ましくは、群IIの式(II−01)〜(II−06)のうちのいずれかで表される基である。
<群II>
Figure 0006546045
本発明の発光素子には、本発明の金属錯体を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
式(1)で表される金属錯体には、複数種の幾何異性体が考えられ、式(1)で表される金属錯体はいずれの幾何異性体であってもよい。式(1)で表される金属錯体は、発光素子の輝度寿命を優れたものにできるので、facial体の式(1)で表される金属錯体が好ましく、facial体の式(1)で表される金属錯体の割合は、金属錯体の全量に対して、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、更に好ましくは99モル%以上であり、特に好ましくは100モル%である。
本発明の金属錯体の好ましい態様によれば、安定性に優れる金属錯体を提供することができる。
<金属錯体の製造方法>
・製造方法1
本発明の金属錯体は、例えば、配位子となる化合物と金属化合物とを反応させる製造方法により製造することができる。必要に応じて、金属錯体の配位子の官能基変換反応を行ってもよい。
式(1)で表される化合物は、例えば、下記式(M−1)で表される化合物と、イリジウム化合物またはその水和物とを反応させる工程A、および、下記式(M−2)で表される金属錯体と、式(M−1)で表される化合物またはA−G−Aで表される配位子の前駆体とを反応させる工程B、を含む製造方法により製造することができる。
Figure 0006546045
[式中、R〜R11およびnは、前記と同じ意味を表す。]
工程Aにおいて、イリジウム化合物としては、例えば、塩化イリジウム、クロロ(シクロオクタジエン)イリジウム(I)ダイマーが挙げられる。イリジウム化合物の水和物としては、例えば、塩化イリジウム・三水和物が挙げられる。
工程Aおよび工程Bは、通常、溶媒中で行う。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジグライム等のエーテル溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ヘキサン、デカリン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;アセトン、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
工程Aおよび工程Bにおいて、反応時間は、通常、30分間〜150時間であり、反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間である。
工程Aにおいて用いられる、式(M−1)で表される化合物の量は、イリジウム化合物またはその水和物1モルに対して、通常、2〜20モルである。
工程Bにおいて用いられる、式(M−1)で表される化合物またはA−G−Aで表される配位子の前駆体の量は、式(M−2)で表される金属錯体1モルに対して、通常、1〜100モルである。
工程Bにおいて、反応は、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の銀化合物の存在下で行うことが好ましい。銀化合物を用いる場合、その量は、式(M−2)で表される金属錯体1モルに対して、通常、2〜20モルである。
式(M−1)で表される化合物は、例えば、下記式(M−3)で表される化合物と、式(2)で表される化合物とを、Suzuki反応、Kumada反応、Stille反応等のカップリング反応により反応させる工程によって合成することができる。
Figure 0006546045
[式中、
およびZは、前記と同じ意味を表す。
12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、−B(ORW1で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ただし、R15、R19、R20およびR21のうちの少なくとも1つは、−B(ORW1で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、R15およびR16のうちの少なくとも1つは、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルキル基、フッ素原子を置換基として有するアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するアリール基、フッ素原子を置換基として有するアリールオキシ基、フッ素原子を置換基として有する1価の複素環基、フッ素原子またはシアノ基である。
は、−B(ORW1で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
W1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。]
−B(ORW1で表される基としては、例えば、下記式(W−1)−(W−10)で表される基が挙げられる。
Figure 0006546045
で表されるアルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
で表されるアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、p−トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
は、式(2)で表される化合物と式(M−3)で表される化合物とのカップリング反応を容易に進行させることができるので、好ましくは、−B(ORW1で表される基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、臭素原子またはヨウ素原子であり、より好ましくは、式(W−7)で表される基である。
15、R19、R20およびR21で表されるアルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基は、それぞれ、Wで表されるアルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基と同じ意味を表す。
15、R19、R20およびR21は、好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子または式(W−7)で表される基である。
この反応は、通常、溶媒中で行う。溶媒、反応時間および反応温度等の条件は、工程Aおよび工程Bについて説明した条件と同じである。
この反応において用いられる式(2)で表される化合物の量は、式(M−3)で表される化合物1モルに対して、通常、0.05〜20モルである。
式(2)で表される化合物は、例えば、国際公開第02/067343号、特開2003−231692号公報、国際公開第2003/079736号、国際公開第2006/097717号等の文献に記載の方法に従って合成することができる。
式(M−3)で表される化合物は、例えば、国際公開第06/121811号に記載の方法に従って合成することができる。
・製造方法2
本発明の金属錯体(化合物)は、例えば、金属錯体の前駆体と金属錯体の配位子の前駆体とを反応させる製造方法によっても製造することができる。
式(1)で表される化合物は、例えば、式(2)で表される化合物と、式(3)で表される金属錯体とをカップリング反応させることにより製造することができる。このカップリング反応は、式(M−1)で表される化合物について既に説明したカップリング反応と同じである。
Figure 0006546045
[式中、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、n1、n、A1、G1およびA2は、前記と同じ意味を表す。]
式(3)で表される金属錯体の実施形態の1つである式(3a)または式(3b)で表される金属錯体は、例えば、式(4)で表される金属錯体から合成することができる。
Figure 0006546045
[式中、R12、R13、R14、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、n、n、A、GおよびAは、前記と同じ意味を表す。]
より詳しくは、式(3a)で表される金属錯体は、例えば、有機溶媒中で、式(4)で表される金属錯体と、N−ブロモスクシンイミドとを反応させる工程Cにより合成することができる。
工程Cにおいて、N−ブロモスクシンイミドの量は、式(4)で表される化合物1モルに対して、通常、1〜50モルである。
より詳しくは、式(3b)で表される金属錯体は、例えば、有機溶媒中で、式(3a)で表される金属錯体と、ビス(ピナコラート)ジボロンとを反応させる工程Dにより合成することができる。
工程Dにおいて、ビス(ピナコラート)ジボロンの量は、式(3a)で表される化合物1モルに対して、通常、1〜50モルである。
工程Cおよび工程Dは、通常、溶媒中で行う。溶媒、反応時間および反応温度等の条件は、工程Aおよび工程Bについて既に説明した条件と同じである。
式(3)で表される金属錯体の実施形態の1つである式(3c)または式(3d)で表される金属錯体は、例えば、下記のスキームに従って式(5)で表される化合物から合成することができる。
Figure 0006546045
[式中、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R21、R22、n、n、A、GおよびAは、前記と同じ意味を表す。]
より詳しくは、式(3c)で表される金属錯体は、例えば、有機溶媒中で、式(5)で表される化合物と、イリジウム化合物とを反応させる工程Eにより合成することができる。工程Eは、既に説明した製造方法1の工程Aおよび工程Bと同様の反応により行うことができる。
より詳しくは、式(3d)で表される金属錯体は、例えば、有機溶媒中で、式(3c)で表される化合物と、ビス(ピナコラート)ジボロンとを反応させる工程Fにより合成することができる。
工程Fにおいて、ビス(ピナコラート)ジボロンの量は、式(3c)で表される化合物1モルに対して、通常、1〜50モルである。
工程Eおよび工程Fは、通常、溶媒中で行う。溶媒、反応時間および反応温度等の条件は、工程Aおよび工程Bについて既に説明した条件と同じである。
・製造方法3
式(1)で表される化合物は、nが3の場合、例えば、下記のスキームに示される式(M−1)で表される化合物と、イリジウム化合物とを反応させる工程Gを含む製造方法により合成することができる。
Figure 0006546045
[式中、R〜R11およびnは、前記と同じ意味を表す。]
工程Gにおいて、イリジウム化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)、酢酸イリジウム(III)が挙げられる。
工程Gは、通常、溶媒中で行うが、溶媒中で行わなくてもよい。溶媒としては、工程Aおよび工程Bについて既に説明した溶媒のうち、沸点が100〜300℃である溶媒が好ましい。
工程Gにおいて、反応時間は、通常、30分間〜150時間である。
工程Gにおいて、反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、100〜300℃が好ましく、200〜300℃がより好ましい。
工程Gにおいて、式(M−1)で表される化合物は、イリジウム化合物1モルに対して、通常、2〜20モルである。
・製造方法1と製造方法2との共通説明
カップリング反応において、反応を促進するために、パラジウム触媒等の触媒を用いてもよい。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。
パラジウム触媒は、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のリン化合物と併用してもよい。
カップリング反応においてパラジウム触媒を用いる場合、その量は、例えば、式(2)、式(3)、式(M−3)で表される化合物1モルに対して、通常、有効量であり、好ましくは、パラジウム元素換算で0.00001〜10モルである。
カップリング反応においては、必要に応じて、塩基を併用してもよい。
上述の<金属錯体の製造方法>で既に説明した各反応において用いられる化合物、触媒および溶媒は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<組成物>
本発明の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本発明の金属錯体とを含有する。
本発明の組成物において、本発明の金属錯体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
[ホスト材料]
本発明の金属錯体は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性からなる群から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料との組成物とすることにより、かかる組成物を含む発光素子の外部量子効率が特に優れたものとなる。本発明の組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の金属錯体とホスト材料とを含有する組成物において、本発明の金属錯体の含有量は、本発明の金属錯体とホスト材料との合計を100重量部とした場合、通常、0.05〜80重量部であり、好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜40重量部である。
ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T)は、得られる発光素子の外部量子効率をより向上させることができるので、本発明の金属錯体の有するTと同等のエネルギー準位であるか、または、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
ホスト材料としては、得られる発光素子を塗工液を用いる塗布法により製造できるので、本発明の金属錯体を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示す材料であることが好ましい。以下、ホスト材料について具体的に説明する。
ホスト材料となり得る化合物は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。
ホスト材料として用いられる低分子化合物(以下、「低分子ホスト」と言う。)について説明する。
[低分子ホスト]
低分子ホストは、好ましくは、下記式(H−1)で表される化合物である。
Figure 0006546045
[式中、
ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nH2が複数存在する場合、それらは、同一でも異なっていてもよい。
H3は、0以上の整数を表す。
H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
H21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArH1およびArH2は、フェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ピロリル基、インドリル基、アザインドリル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基またはフェノチアジニル基であることが好ましく、フェニル基、スピロビフルオレニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、カルバゾリル基またはアザカルバゾリル基であることがより好ましく、フェニル基、ピリジル基、カルバゾリル基またはアザカルバゾリル基であることが更に好ましく、上記式(TDA−1)または式(TDA−3)で表される基であることが特に好ましく、上記式(TDA−3)で表される基であることがとりわけ好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArH1およびArH2が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基が好ましく、アルキル基、シクロアルコキシ基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基がより好ましく、アルキル基またはシクロアルコキシ基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H1は、好ましくは1である。nH2は、好ましくは0である。
H3は、通常、0以上10以下の整数であり、好ましくは0以上5以下の整数であり、更に好ましくは1以上3以下の整数であり、特に好ましくは1である。
H11は、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましく1以上3以下の整数であり、更に好ましくは1である。
H11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはシクロアルキル基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H1は、アリーレン基または2価の複素環基であることが好ましい。
H1は、式(A−1)〜式(A−3)、式(A−8)〜式(A−10)、式(AA−1)〜式(AA−6)、式(AA−10)〜式(AA−21)または式(AA−24)〜式(AA−34)で表される基であることが好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(A−9)、式(AA−1)〜(AA−4)、式(AA−10)〜式(AA−15)または式(AA−29)〜式(AA−34)で表される基であることがより好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(A−9)、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)〜式(AA−15)で表される基であることが更に好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(A−8)、式(AA−2)、式(AA−4)、式(AA−10)、式(AA−12)または式(AA−14)で表される基であることが特に好ましく、式(A−1)、式(A−2)、式(AA−2)、式(AA−4)または式(AA−14)で表される基であることがとりわけ好ましい。
H1が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基または1価の複素環基がより好ましく、アルキル基、アリール基または1価の複素環基が更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
H21は、単結合またはアリーレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましく、このアリーレン基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義および例は、既に説明したLH1で表されるアリーレン基または2価の複素環基の定義および例と同様である。
H21は、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
H21で表されるアリール基および1価の複素環基の定義および例は、ArH1およびArH2で表されるアリール基および1価の複素環基の定義および例と同様である。
H21が有していてもよい置換基の定義および例は、ArH1およびArH2が有していてもよい置換基の定義および例と同様である。
式(H−1)で表される化合物は、下記式(H−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006546045
[式中、ArH1、ArH2、nH3およびLH1は、前記と同じ意味を表す。]
式(H−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(H−101)〜式(H−118)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
ホスト材料として用いられる高分子化合物(以下、「高分子ホスト」と言う。)としては、例えば、後述する正孔輸送材料である高分子化合物、後述する電子輸送材料である高分子化合物が挙げられる。
[高分子ホスト]
ホスト材料として用いられる好ましい高分子化合物について説明する。
高分子ホストは、好ましくは、下記式(Y)で表される構成単位を含む高分子化合物である。
Figure 0006546045
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは、式(A−1)、式(A−2)、式(A−6)〜式(A−10)、式(A−19)または式(A−20)で表される基であり、更に好ましくは、式(A−1)、式(A−2)、式(A−7)、式(A−9)または式(A−19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−4)、式(AA−10)〜式(AA−15)、式(AA−18)〜式(AA−21)、式(AA−33)または式(AA−34)で表される基であり、更に好ましくは、式(AA−4)、式(AA−10)、式(AA−12)、式(AA−14)または式(AA−33)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
「少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基」としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0006546045
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有していてもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、後述する下記式(Y−1)〜下記式(Y−10)で表される構成単位が挙げられ、高分子ホストと本発明の金属錯体とを含む組成物を用いた発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは下記式(Y−1)〜下記式(Y−3)で表される構成単位であり、電子輸送性の観点からは、好ましくは下記式(Y−4)〜下記式(Y−7)で表される構成単位であり、正孔輸送性の観点からは、好ましくは下記式(Y−8)〜下記式(Y−10)で表される構成単位である。以下、式(Y−1)〜式(Y−10)で表される構成単位について具体的に説明する。
式(Y−1)で表される構成単位は、下記式(Y−1)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y−1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y−1’)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、アルキル基またはシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y−2)で表される構成単位は、下記式(Y−2)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。XY1は、−C(RY2−で表される基、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基またはC(RY2−C(RY2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基であって他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基であって他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2−で表される基としては、好ましくは下記式(Y−A1)〜下記式(Y−A5)で表される基であり、より好ましくは下記式(Y−A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006546045
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは両方がアルキル基もしくはシクロアルキル基、または、一方がアルキル基もしくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2−C(RY2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基またはシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2−C(RY2−で表される基は、好ましくは下記式(Y−B1)〜下記式(Y−B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y−B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0006546045
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y−2)で表される構成単位は、下記式(Y−2’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006546045
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y−3)で表される構成単位は、下記式(Y−3)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
[式中、RY1およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y−3)で表される構成単位は、下記式(Y−3’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006546045
[式中、RY11およびXY1は前記と同じ意味を表す。]
式(Y−4)〜式(Y−7)で表される構成単位は、下記式(Y−4)〜下記式(Yー7)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、RY1は前記と同じ意味を表す。RY3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y−4)で表される構成単位は、下記式(Y−4’)で表される構成単位であることが好ましく、式(Y−6)で表される構成単位は、下記式(Y−6’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006546045
[式中、RY1およびRY3は前記と同じ意味を表す。]
式(Y−8)〜式(Y−10)で表される構成単位は、下記式(Y−8)〜下記式(Y−10)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、下記式(Y−101)〜下記式(Y−121)で表されるアリーレン基からなる構成単位、下記式(Y−201)〜下記式(Y−206)で表される2価の複素環基からなる構成単位、下記式(Y−301)〜下記式(Y−304)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、高分子ホストと本発明の金属錯体とを含む組成物を用いた発光素子の輝度寿命をより向上させることができるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、高分子ホストと本発明の金属錯体とを含む組成物を用いた発光素子の電荷輸送性をより向上させることができるので、高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜30モル%であり、より好ましくは3〜20モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、高分子ホスト中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストは、正孔輸送性をより向上させることができるので、更に、下記式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 0006546045
[式中、aX1およびaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。ArX1およびArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2およびArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、または、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX1、RX2およびRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
X1は、高分子ホストと本発明の金属錯体とを含む組成物を用いた発光素子の輝度寿命をより向上させることができるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは1である。
X2は、高分子ホストと本発明の金属錯体とを含む組成物を用いた発光素子の輝度寿命をより向上させることができるので、好ましくは2以下であり、より好ましくは0である。
X1、RX2およびRX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A−1)または式(A−9)で表される基であり、更に好ましくは式(A−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA−1)、式(AA−2)または式(AA−7)〜式(AA−26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1およびArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2およびArX4で表されるアリーレン基としては、より好ましくは式(A−1)、式(A−6)、式(A−7)、式(A−9)〜式(A−11)または式(A−19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2およびArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1およびArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1およびArX3で表されるアリーレン基および2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArX2およびArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(Y)のArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArX2およびArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4およびRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは下記式(X−1)〜下記式(X−7)で表される構成単位であり、より好ましくは下記式(X−1)〜下記式(X−6)で表される構成単位であり、更に好ましくは下記式(X−3)〜下記式(X−6)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
[式中、RX4およびRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性をより向上させることができるので、高分子ホストに含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜50モル%であり、より好ましくは1〜40モル%であり、更に好ましくは5〜30モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、下記式(X1−1)〜下記式(X1−11)で表される構成単位が挙げられ、好ましくは下記式(X1−3)〜下記式(X1−10)で表される構成単位である。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
高分子ホストにおいて、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
高分子ホストとしては、例えば、下記表3の高分子化合物(P−1)〜(P−6)が挙げられる。ここで、「その他」の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 0006546045
[表中、p、q、r、sおよびtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。その他の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
<高分子ホストの製造方法>
高分子ホストは、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、例えば、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応およびKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が挙げられる。
前記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、例えば、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続または分割して仕込む方法、単量体を連続または分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独または組み合わせて行うことができる。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
本発明の金属錯体および溶媒を含有する組成物は塗工液(以下、「インキ」と言う。)の材料または塗工液自体としてとして用いることができる。インキは、インクジェットプリント法、ノズルプリント法等の印刷法(塗布法)による発光素子の製造に好適に用いることができる。
インキの粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の液体が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
インキに含まれる溶媒は、好ましくは、インキ中の固形分を溶解または均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素化溶媒;THF、ジオキサン、アニソール、4−メチルアニソール等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
インキにおいて、溶媒の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1000〜100000重量部であり、好ましくは2000〜20000重量部である。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物であり、より好ましくは架橋基を有する高分子化合物である。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体;側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレンおよびその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノンが挙げられ、好ましくはフラーレンである。
本発明の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔輸送材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレンおよびジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、および、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
本発明の組成物において、電子輸送材料の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
電子輸送材料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料および電子注入材料]
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリンおよびポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
本発明の組成物において、正孔注入材料および電子注入材料の配合量は、各々、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、1〜400重量部であり、好ましくは5〜150重量部である。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10−5S/cm〜1×10S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープされるイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープされるイオンは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、並びに、イリジウム、白金またはユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
発光材料は、好ましくは、三重項発光錯体を含む。
本発明の金属錯体と組み合わせて高い演色性を有する白色の発光色を実現するために、本発明の金属錯体とは異なる発光材料として、発光スペクトルの最大ピーク波長が495nm以上750nm未満の2種以上の三重項発光錯体を更に用いることが好ましい。
なお、演色性は、例えば、発光スペクトルより、JIS Z8726−1990に記載の方法により算出された平均演色評価数Raにより評価することができる。平均演色評価数Raを算出するに際しては、発光スペクトルとして、本発明の金属錯体および本発明の金属錯体と組み合わせて用いる1種以上の発光材料(例えば、2種以上の三重項発光錯体)のPLスペクトルをそれぞれ測定し、それらのPLスペクトルを白色発光スペクトルになるように足し合わせて得られるスペクトルを用いてもよい。
本発明の金属錯体と、上記2種以上の三重項発光錯体の含有量との比率を調整することで、発光色を白色に調整することが可能である。
発光素子の発光色は、発光素子の発光色度を測定して色度座標(CIE色度座標)を求めることで確認することできる。ここで、白色の発光色とは、プランキアン軌跡における色温度2500K〜7000Kの近傍(相関色温度2500K〜7000K)の発光色を意味し、通常、CIE色度座標のX座標(CIE−x)が0.25〜0.55の範囲内であり、かつ、CIE色度座標のY座標(CIE−y)が0.25〜0.55の範囲内であり、好ましくは、CIE色度座標のX座標が0.30〜0.50の範囲内であり、CIE色度座標のY座標が0.30〜0.50の範囲内である。
本発明の金属錯体と、上記2種以上の三重項発光錯体とを含む発光素子の発光色を白色に調整するためには、本発明の金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、好ましくは400nm以上490nm以下であり、より好ましくは420nm以上480nm以下である。
本発明の金属錯体と、上記2種以上の三重項発光錯体とを含む発光素子の発光色を白色に調整するためには、2種以上の三重項発光錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、好ましくは500nm以上680nm以下であり、より好ましくは505nm以上630nm以下である。
本発明の金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長と、上記2種以上の三重項発光錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長とは、発光素子の発光色を白色に調整するためには、互いに異なることが好ましく、その差は、好ましくは10〜200nmであり、より好ましくは20〜180nmであり、更に好ましくは40〜125nmである。
本発明の金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長と、上記2種以上の三重項発光錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長とが異なる場合、得られる発光素子の発光色を白色に調整するためには、上記2種以上の三重項発光錯体のうち、発光スペクトルの最大ピーク波長が最も短波長側にある三重項発光錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、好ましくは500nm以上570nm未満であり、より好ましくは505nm以上550nm以下である。また、上記2種以上の三重項発光錯体のうち、発光スペクトルの最大ピーク波長が最も長波長側にある三重項発光錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長は、好ましくは570nm以上680nm以下であり、より好ましくは590nm以上630nm以下である。
本発明の金属錯体と、上記2種以上の三重項発光錯体とを含む発光素子の発光色を白色に調整するためには、2種以上の三重項発光錯体の合計含有量は、本発明の金属錯体の含有量を100重量部とした場合、好ましくは0.01〜50重量部であり、より好ましくは0.05〜30重量部であり、更に好ましくは0.1〜10重量部であり、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
本発明の金属錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長と、上記2種以上の三重項発光錯体の発光スペクトルの最大ピーク波長とが異なる場合、本発明の金属錯体を含む発光素子の発光色を白色に調整するためには、上記2種以上の三重項発光錯体のうち、発光スペクトルの最大ピーク波長が最も長波長側にある三重項発光錯体の含有量は、発光スペクトルの最大ピーク波長が最も短波長側の三重項発光錯体を100重量部とした場合、通常、1〜10000重量部であり、本発明の金属錯体を含む発光素子の色再現性が優れるので、好ましくは5〜1000重量部であり、より好ましくは10〜200重量部である。
本発明の金属錯体と組み合わせて本発明の発光素子中に2種以上含有されていてもよい三重項発光錯体は、好ましくは下記式(GR)で表される三重項発光錯体(燐光発光性化合物)である。
Figure 0006546045
[式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子または白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表し、n+nは2または3である。Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子または白金原子の場合、n+nは2である。
は、炭素原子または窒素原子を表す。
環Rは、6員環の芳香族複素環を表し、この環Rは置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環Rは、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環を表し、環Rは置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、環Rが6員環の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子である。
環Rが有していてもよい置換基と環Rが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
−G−Aは、アニオン性の2座配位子を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
は、炭素原子であることが好ましい。
Mがルテニウム原子、ロジウム原子またはイリジウム原子の場合、nは2または3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
Mがパラジウム原子または白金原子の場合、nは2であることが好ましい。
環Rは、6員環の芳香族複素環であるが、環Rが有する置換基同士が互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成したものであってもよい。環Rとしては、1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員環の芳香族複素環であることが好ましく、1つ以上2つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員環の芳香族複素環であることがより好ましく、ピリジン環、ジアザベンゼン環、キノリン環またはイソキノリン環であることが更に好ましく、ピリジン環、キノリン環またはイソキノリン環が特に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環Rは、5員環もしくは6員環の芳香族炭化水素環、または、5員環もしくは6員環の芳香族複素環であるが、環Rが有する置換基同士が互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Rとしては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、ピロール環、フラン環またはチオフェン環であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環またはフルオレン環であることがより好ましく、ベンゼン環であることが更に好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。
環Rおよび環Rが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基ハロゲン原子またはデンドロンが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンがより好ましく、アルキル基、アリール基またはデンドロンが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。環Rおよび環Rが有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合してそれぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
式(GR)中、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子の定義および例は、前述の式(1)で表される金属錯体におけるA−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子の定義および例と同様である。但し、A−G−Aで表されるアニオン性の2座配位子は、添え字nでその数を定義されている配位子とは異なる。
式(GR)で表される三重項発光錯体は、式(GR−A1)〜式(GR−A5)で表される燐光発光性化合物であることが好ましく、式(GR−A1)、式(GR−A2)または式(GR−A5)で表される三重項発光錯体がより好ましい。
Figure 0006546045
[式中、
、A−G−A、nおよびnは前記と同じ意味を表す。
1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7CおよびR8Cは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子またはデンドロンを表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7CおよびR8Cが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R1CとR2C、R2CとR3C、R3CとR4C、R4CとR5C、R5CとR6C、R6CとR7C、および、R7CとR8Cは、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7CおよびR8Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
デンドロンとしては、式(D−A1)、式(D−A3)、式(D−B1)または式(D−B3)で表される基であることが好ましく、式(D−A1)または式(D−A3)で表される基であることがより好ましい。
1C、R4C、R5CおよびR8Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
2C、R3C、R6CおよびR7Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることがより好ましく、水素原子またはデンドロンであることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
2C、R3C、R6CおよびR7Cからなる群から選ばれる少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R2CまたはR6Cがデンドロンであることがより好ましい。
式(GR−A1)で表される三重項発光錯体としては、例えば、下記表4〜表6に示される下記式(GR−A1−1)〜下記式(GR−A1−24)で表される三重項発光錯体が挙げられる。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
Figure 0006546045
式(GR−A2)で表される三重項発光錯体は、具体的には下記式(GR−A2)で表される金属錯体である。
Figure 0006546045
[式中、
、A−G−A、nおよびnは前記と同じ意味を表す。
9C、R10C、R11C、R12C、R13C、R14C、R15C、R16C、R17CおよびR18Cは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子またはデンドロンを表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R9C、R10C、R11C、R12C、R13C、R14C、R15C、R16C、R17CおよびR18Cが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R9CとR10C、R10CとR11C、R11CとR12C、R12CとR13C、R13CとR14C、R14CとR15C、R15CとR16C、R16CとR17C、および、R17CとR18Cは、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
9C、R10C、R11C、R12C、R13C、R14C、R15C、R16C、R17CおよびR18Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
デンドロンとしては、式(D−A1)、式(D−A3)、式(D−B1)または式(D−B3)で表される基であることが好ましく、式(D−A1)または式(D−B1)で表される基であることがより好ましく、式(D−A1)で表される基であることが更に好ましい。
9C、R14C、R15CおよびR18Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基またはシクロアルコキシ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
11C、R12CおよびR13Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることがより好ましく、水素原子またはアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
10C、R16CおよびR17Cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはデンドロンであることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはデンドロンであることがより好ましく、水素原子またはデンドロンであることが更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
10C〜R13C、R16CおよびR17Cからなる群から選ばれる少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R16CまたはR17Cがデンドロンであることがより好ましく、R16Cがデンドロンであることが更に好ましい。
式(GR−A2)で表される三重項発光錯体としては、例えば、下記表7に示される下記式(GR−A2−1)〜下記式(GR−A2−8)で表される三重項発光錯体が挙げられる。
Figure 0006546045
式(GR−A3)で表される三重項発光錯体は、具体的には下記式(GR−A3)で表される金属錯体である。
Figure 0006546045
[式中、M、A−G−A、n、n、R9C、R10C、R11C、R12C、R13C、R14C、R15C、R16C、R17CおよびR18Cは、前記と同じ意味を表す。]
式(GR−A3)で表される三重項発光錯体としては、例えば、下記表8に示される下記式(GR−A3−1)〜下記式(GR−A3−8)で表される三重項発光錯体が挙げられる。
Figure 0006546045
式(GR−A4)で表される三重項発光錯体は、具体的には下記式(GR−A4)で表される金属錯体である。
Figure 0006546045
[式中、M、A−G−A、n、n、R9C、R10C、R11C、R12C、R13C、R14C、R15C、R16C、R17CおよびR18Cは、前記と同じ意味を表す。]
式(GR−A4)で表される三重項発光錯体としては、例えば、下記表9に示される下記式(GR−A4−1)〜下記式(GR−A4−8)で表される三重項発光錯体が挙げられる。
Figure 0006546045
式(GR−A5)で表される三重項発光錯体は、具体的には下記式(GR−A5)で表される金属錯体である。
Figure 0006546045
[式中、
、R1C、R2C、R3C、R4C、R5C、R6C、R7C、R8C、R9C、R10C、R11C、R12C、R13C、R14C、R15C、R16C、R17CおよびR18Cは、前記と同じ意味を表す。
3Aおよびn4Aは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、n3A+n4Aは2または3である。Mがイリジウム原子の場合、n3A+n4Aは3であり、Mが白金原子の場合、n3A+n4Aは2である。]
式(GR−A5)で表される三重項発光錯体としては、例えば、下記表10に示される下記式(GR−A5−1)〜下記式(GR−A5−11)で表される三重項発光錯体が挙げられる。なお、式(GR−A5−1)〜(GR−A5−11)において、式(GR−A5)中のR1C、R4C、R5C、R8C〜R15CおよびR18Cは水素原子を表す。
Figure 0006546045
本発明の組成物において、発光材料の含有量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、0.1〜400重量部である。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、本発明の金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明の組成物において、酸化防止剤の配合量は、本発明の金属錯体100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部である。
酸化防止剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<膜>
本発明の金属錯体を含有する組成物は、膜(層)の形態とすることができる。
本発明の金属錯体(組成物)を含有する膜には、本発明の金属錯体、または他の成分を架橋により溶媒に対して不溶化させた、不溶化膜も含まれる。不溶化膜は、本発明の金属錯体または他の成分を加熱、光照射等の外部刺激により架橋させて得られる膜である。不溶化膜は、溶媒に実質的に不溶であるので、発光素子の機能、特性を損なうことなく更なる多層化、ひいては高性能化が可能となる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25〜300℃であり、外部量子効率をより向上させることができるので、好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは150〜200℃である。
架橋させるための光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
本発明の金属錯体を含有する膜は、発光素子における発光層、正孔輸送層または正孔注入層として好適である。
本発明の金属錯体を含有する膜は、インキを用いて、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法により形成することができる。
本発明の金属錯体を含有する膜の厚さは、通常、1nm〜10μmである。
<発光素子>
本発明の発光素子は、本発明の金属錯体を含む発光素子である。発光素子に含有される本発明の金属錯体は、分子内または分子間で架橋されていてもよく、本発明の金属錯体が分子内および分子間で架橋されていてもよい。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の金属錯体を含む層とを有する構成が挙げられる。
[層構成]
本発明の金属錯体を含む層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、および電子輸送層、電子注入層から選ばれる1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。
これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させて調製されたインキを用い、上述した塗布法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極の間に発光層を有する。本発明の発光素子は、正孔注入性および正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性および電子輸送性の観点からは、陰極と発光層との間に、電子注入層および電子輸送層のうちの少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層および電子注入層の材料としては、例えば、本発明の金属錯体の他、各々、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料および電子注入材料等が挙げられる。
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料および発光層の材料は、発光素子の製造において、各々、正孔輸送層、電子輸送層および発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋基を有することが好ましい。架橋基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
本発明の発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液または溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層される層の順序、数および厚さは、外部量子効率および輝度寿命を勘案して設定すればよい。
[基板および電極]
発光素子は、通常、基板上に設けられる。発光素子が設けられる基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
電極のうちの陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド(IZO)等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅が挙げられる。
電極のうちの陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイトおよびグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
陽極および陰極は、各々、2層以上を含む積層構造としてもよい。
[発光素子の用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極とが重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極とを共にストライプ状に形成してこれらの延在方向が互いに直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、本実施例中、室温とは、25±5℃の範囲の温度を意味する。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)およびポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。なお、SECの測定条件は、次のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物を約0.05重量%の濃度でTHFに溶解させ、SECに10μL注入した。
SECの移動相としてTHFを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)は、下記の方法で行った。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはTHFに溶解させ、LC−MS(アジレントテクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相としては、アセトニトリルおよびTHFをその比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。
カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRの測定は、下記の方法で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl−d)、重テトラヒドロフラン(THF−d)または重アセトン((CDCO−d)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian,Inc)製、商品名:MERCURY 300)、NMR装置(JEOL製、商品名:JNM−ECX400)、または、NMR装置(ブルカー(Bruker corporation)製、商品名:Avance III 600)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、HPLC(島津製作所製、商品名:LC−20A)での254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにTHFまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびTHFを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/THF=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析として流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)または同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
<合成例M1> 金属錯体CB1の合成
まず、下記のスキームに従って、化合物L1−aおよび化合物L1−bを用いて化合物L1を得た。
Figure 0006546045
化合物L1−aは、米国特許出願公開第2011/0057559号明細書に記載される方法に準じて合成された。
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物L1−a(9.9g)、化合物L1−b(15g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.11g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.12g)、20重量%のテトラエチルアンモニウム水溶液(20mL)、トルエン(200mL)およびエタノール(50mL)を加え、加熱還流下で18時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、トルエンを加えて抽出し、有機層を得た。得られた有機層を、イオン交換水を用いて洗浄した後、減圧濃縮することで固体を得た。得られた固体を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒)で精製し、更に、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶した後、減圧乾燥することで化合物L1(17g、収率90%)を得た。
下記のスキームに従って、化合物L1から化合物CB1を得た。
Figure 0006546045
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物L1(10g)、塩化イリジウム水和物(2.2g)、2−エトキシエタノール(120mL)および水(40mL)を加え、加熱還流下で14時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、メタノールを加えたところ、沈殿が生じた。得られた沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、化合物CB1−a(10g、黄色粉末)を得た。
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物CB1−a(9.5g)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(31g)、ジクロロメタン(100mL)およびメタノール(30mL)を加え、室温で一晩攪拌した。析出した沈殿をろ過した後、得られたろ液を減圧濃縮した。その後、そこへ、化合物L1(7.8g)、2,6−ルチジン(6.7mL)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(180mL)を加え、加熱還流下で一晩攪拌した。その後、室温まで冷却し、イオン交換水およびメタノールの混合溶媒を加え、析出した沈殿をろ過して固体を得た。得られた固体を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)で精製し、更に、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶した後、減圧乾燥することで金属錯体CB1(1.2g、収率6.5%)を得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(600MHz、(CDCO−d)δ(ppm)=8.01−7.97(m,9H),7.91(d,6H),7.81(d,12H),7.59(d,12H),7.25(s,3H),6.92−6.89(m,6H),6.57(t,3H),5.87−5.81(m,6H),2.89−2.86(m,3H),2.52−2.48(m,3H),1.87(s,12H),1.42(s,36H),1.38(d,9H),1.16(d,9H),1.12(d,9H),1.07(d,9H),0.80(54H).
<合成例M2> 化合物S1の合成
下記のスキームに従って、化合物S1を得た。
Figure 0006546045
<stage1>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、4−tert−オクチルフェノール(250.00g、1.21mol、Aldrich製)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(177.64g、1.45mol)およびジクロロメタン(3100mL)を加え、これを5℃に氷冷した。その後、これに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(376.06g、1.33mol)を45分間かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下で30分間攪拌し、次いで、室温に戻して更に1.5時間攪拌して反応混合物を得た。得られた反応混合物にヘキサン(3100mL)を加え、この反応混合物を、410gのシリカゲルを用いてろ過してろ液を得て、更に、ヘキサン/ジクロロメタン(1/1(体積基準))の混合溶媒(2.5L)でろ過に用いたシリカゲルを洗浄して洗浄液を得た。得られたろ液と洗浄液とを濃縮し、無色オイル状の化合物S1−a(410.94g、1.21mol、LC純度99.7%)を得た。
<stage2>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、化合物S1−a(410.94g、1.21mol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(338.47g、1.33mol)、酢酸カリウム(237.83g、2.42mol)、1,4−ジオキサン(2600mL)、酢酸パラジウム(4.08g、0.018mol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(10.19g、0.036mol)を加え、2時間還流した。室温まで冷却後、得られた反応混合物をろ過してろ液を集め、さらにろ過物を1,4−ジオキサン(2.5L)で洗浄し、得られたろ液と洗浄液とを濃縮した。この濃縮により得られた残渣を、ヘキサン/ジクロロメタン(1/1(体積基準))の混合溶媒に溶解させ、770gのシリカゲルを用いてろ過してろ液を得て、更に、ヘキサン/ジクロロメタン(1/1(体積基準))の混合溶媒(2.5L)でろ過に用いたシリカゲルを洗浄して洗浄液を得た。得られたろ液と洗浄液とを濃縮し、得られた残渣にメタノール(1500mL)を加えて30分間超音波洗浄を行った。その後、得られた混合物をろ過することにより、化合物S1−b(274.27g)を得た。ろ液と洗浄液とを濃縮し、得られた残渣にメタノールを加え、超音波洗浄を行い、ろ過する操作を繰り返すことことにより、化合物S1−b(14.29g)を得た。得られた化合物S1−bの合計の収量は288.56gであった。
<stage3>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、1,3−ジブロモベンゼン(102.48g、0.434mol)、化合物S1−b(288.56g、0.912mol)、トルエン(2100mL)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(962.38g、1.31mol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(3.04g、0.004mol)を加え、7時間還流した。室温に冷却後、水層と有機層を分離し、(第1)有機層を集めた。この水層にトルエン(1L)を加えて、(第2)有機層をさらに抽出した。得られた(第1および第2)有機層を合わせて、これを蒸留水/飽和食塩水(1.5L/1.5L)の混合水溶液で洗浄した。得られた有機層を400gのシリカゲルでろ過してろ液を得、更にトルエン(2L)でろ過に用いたシリカゲルを洗浄して洗浄液を得た。得られたろ液と洗浄液とを濃縮し、得られた残渣をヘキサンに溶解させて溶解液を得た。この溶解液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。展開溶媒であるヘキサンで不純物を溶出させた後に、ヘキサン/ジクロロメタン(10/1(体積基準))の混合溶媒で展開した。得られた各フラクションを減圧濃縮により溶媒を除去し、無色結晶の化合物S1−c(154.08g、LC純度99.1%)、および、粗製の化合物S1−c(38.64g、LC純度83%)を得た。この粗製の化合物S1−cを再び上記と同様の展開条件にてカラム精製し、溶媒を減圧留去し、化合物S1−c(28.4g、LC純度99.6%)を得た。得られた化合物S1−cの合計の収量は182.48g(0.40mol)であった。
<stage4>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、化合物S1−c(182、48g、0.401mol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(112.09g、0.441mol)、4,4’−ジ-tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(3.23g、0.012mol)、シクロヘキサン(2000mL)およびビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)(3.99g、0.006mol)を加え、2時間還流した。室温まで空冷後、得られた反応混合物を攪拌しながらシリカゲル(220g)を20分間かけて加えた。得られた懸濁液を440gのシリカゲルでろ過し、さらにジクロロメタン(2L)でシリカゲルを洗浄し、溶液を濃縮した。得られた残渣に、メタノール(1100mL)およびジクロロメタン(110mL)を加え、1時間還流した。室温まで冷却後、これをろ過した。得られたろ過物をメタノール(500mL)で洗浄し、得られた固体を乾燥させて、化合物S1(220.85g、0.380mol)を得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.00(d,J=1.8Hz,2H),7.92(t,J=1.9Hz,1H),7.60(d,J=8.5Hz,4H),7.44(t,J=8.5Hz,4H),1.78(s,4H),1.41(s,12H),1.37(s,12H),0.75(s,18H).
<合成例M3> 三重項発光錯体G1の合成
下記のスキームに従って、化合物G1−aから化合物G1を得た。
Figure 0006546045
<stage1>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、特開2008−179617号公報に記載の方法に従って合成した化合物G1−a(36.17g)、化合物S1(94.20g)、トルエン(1545mL)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(341.28g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(8.927g)を加え、80℃で4時間攪拌した。室温まで冷却後、得られた反応液に水(1545mL)を加え、有機層を抽出した。得られた有機層を、水(1545mL)で2回、食塩水(1545mL)で1回洗浄した。得られた有機層を、188gのシリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。得られた残渣に、トルエン(235g)およびメタノール(1174g)を加え、60℃で30分間加熱した。その後、これを氷浴で5℃に冷却し、固体を析出させた。得られた固体をろ過し、冷メタノールで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、上記式G1−bで表される化合物G1−b(82.0g)を得た。
<stage2>
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、塩化イリジウム三水和物(11.51g)およびイオン交換水(114mL)を加え、50℃に加温して溶解させた。容器内の雰囲気を窒素ガス雰囲気とした別の反応容器に、化合物G1−b(43.80g)、2−エトキシエタノール(792mL)およびイオン交換水(57mL)を加え、100℃で1時間加熱攪拌した。その後、この溶液に、先に準備した塩化イリジウム水溶液(全量)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、120℃で15時間攪拌した。室温まで冷却後、得られた反応混合物にメタノール(207g)を加え、ろ過して固体を得た。得られた固体を、メタノール(207g)で4回、ヘキサン(115g)で1回洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、化合物G1の中間体(42.88g)を得た。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物G1の中間体(7.61g)、化合物G1−b(16.05g)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(1.63g)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(79mL)を加え、160℃で16時間撹拌した。室温まで冷却後、得られた反応混合物にメタノール(304mL)を加え、生じた沈澱をろ過した。ろ過により得られた沈澱を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン=4/6.5(体積基準)の混合溶媒)で精製し、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣(8.05g)をジクロロメタン(80mL)に溶解させ、この溶液にメタノール(80mL)を加えた。生じた沈澱をろ別して集め、これを減圧乾燥させることにより、化合物G1(6.25g)を得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.09(m,3H),8.01(s,6H),7.84(m,3H),7.72(d,3H),7.57(m,6H),7.42(d,12H),7.19(d,12H),7.03(d,3H),6.96−6.86(m,6H),1.65(s,12H),1.24(s,36H),0.63(s,54H).
<合成例M4> 三重項発光錯体G2の合成
Figure 0006546045
上記式G2で表される三重項発光錯体G2は、特開2006−188673号公報に記載の方法に従って合成した。
<合成例M5> 三重項発光錯体R1の合成
Figure 0006546045
上記式R1で表される三重項発光錯体R1は、特開2008−179617号公報に記載の方法に従って合成した。
<合成例M6> 三重項発光錯体R2の合成
Figure 0006546045
上記式R2で表される三重項発光錯体R2は、特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。
<合成例M7> 三重項発光錯体R3の合成
Figure 0006546045
上記式R3で表される三重項発光錯体R3は、特開2006−188673号公報に記載の方法に従って合成した。
<実施例1> 化合物(B1)の合成
下記式B1で表される化合物(B1)(フェイシャル体)を、下記の工程(1)から工程(6−1)を含むスキームに従って合成した(なお、後述する実施例2の化合物(
B2)(メリジオナル体)の合成のための工程(6−2)についても併せて示した。)。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
工程(1)
3−ブロモ−4−フルオロベンゾイルクロリド13.4g(56.5mmol)とピリジン11.5g(154mmol)とを三口フラスコに入れ、三口フラスコ中に2,6−ジメチルアニリン6.20g(51.2mmol)を滴下し、アルゴンガス雰囲気下で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧留去し固体を得た。得られた固体を水中に投入した後、減圧濾過により回収し、化合物(B1−A)を14.8g、収率99%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.14(dd,1H),7.83−7.93(m,1H),7.30(s,1H),7.10−7.25(m,4H),2.27(s,6H).
工程(2)
化合物(B1−A)6.87g(21.3mmol)と五塩化リン4.39g(21.4mmol)を三口フラスコに入れた後、三口フラスコ中に塩化ホスホリル60mLを滴下し、アルゴンガス雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで冷却した後、塩化ホスホリルを減圧留去した。ここへ2−プロパノール60mLを加え、さらにアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール44.0g(0.42mol)を滴下した。16時間撹拌した後、12Mの塩酸を滴下し16時間加熱還流した。反応終了後、析出してきた黒色固体をろ別してろ液を得た。得られたろ液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9程度としてから、トルエンを加えて抽出し、黒色オイル状の生成物を回収した。この生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとジクロロメタンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B1−B)を4.73g、収率64%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.74(dd,1H),7.28−7.32(m,2H),7.17(d,2H),7.13−7.16(m,1H),6.88−6.93(m,2H),1.97(s.6H).
工程(3)
化合物(B1−B)4.93g(14.3mmol)、化合物(B1−G)8.04g(17.2mmol)、トリフェニルホスフィン0.76g(2.86mmol)、トルエン30mL、エタノール15mL、2Mの炭酸ナトリウム水溶液30mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを15分間通気した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド0.52g(0.72mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで冷却した後、トルエンを加え抽出し、油層を回収した。油層を減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとジクロロメタンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B1−C)を8.68g、収率99%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)=7.86(t,1H),7.74−7.80(m,1H),7.69(dt,4H),7.60(dt,4H),7.44(t,1H),7.36(dd,2H),7.28(d,1H),7.21−7.27(m,2H),7.14−7.20(m,2H),2.08(s,6H),1.37(s,18H).
工程(4)
塩化イリジウムn水和物400mg(1.14mmol)、化合物(B1−C)1.51g(2.49mmol)、2−エトキシエタノール36mL、および水18mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応液を減圧濃縮した。ここへ水20mLを加えて、析出した黄色固体をろ別し、水とメタノールとで洗浄し、黄色粉末として化合物(B1−D)を1.66g得た。得られた化合物(B1−D)はこれ以上精製せず用いた。
工程(5)
化合物(B1−D)1.65g(0.573mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀309mg(1.20mmol)、ジクロロメタン60mL、およびメタノール60mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で21.5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへナトリウムアセチルアセトナート700mg(5.73mmol)、アセトニトリル100mLを加え、アルゴンガス雰囲気下で17時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへジクロロメタン100mLを加えろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B1−E)を1.03g、収率60%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)=7.70(s,2H),7.60(d,8H),7.55(d,8H),7.31−7.41(m,14H),6.44(d,2H),6.39(d,2H),5.33(s,1H),2.24(s,6H),2.13(s,6H),1.80(s,6H),1.36(s,36H).
工程(6−1)(フェイシャル体の化合物(B1)の合成)
化合物(B1−E)500mg(0.31mmol)、化合物(B1−C)300mg(0.49mmol)、グリセリン10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、225℃付近の温度で26時間加熱して反応させた。室温まで冷却し、メタノール50mLを加え、生成した固体をろ過することで回収した。引き続いて、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、フェイシャル体の化合物(B1)を92mg、収率15%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(Acetone−d):δ(ppm)=7.69(s,3H),7.62(d,12H),7.57(d,12H),7.33−7.40(m,12H),7.25(s,3H),7.19(t,3H),6.95(s,3H),6.76(d,3H),6.59(d,3H),2.21(s,9H),1.99(s,9H),1.26(s,54H).
<実施例2> メリジオナル体の化合物(B2)の合成
下記式B2で表される化合物(B2)(メリジオナル体)を、上記の工程(1)から工程(5)に引き続いて行われる下記の工程(6−2)により合成した。
Figure 0006546045
工程(6−2)(メリジオナル体の化合物(B2)の合成)
実施例1の工程(5)で得られた化合物(B1−E)500mg(0.31mmol)、化合物(B1−C)300mg(0.49mmol)、エチレングリコール10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、3時間加熱還流した。室温まで冷却し、メタノール50mLを加え、生成した固体をろ過することで回収した。引き続いて、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒)を用いて分離精製し、メリジオナル体の化合物(B2)を165mg、収率26%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(Acetone−d):δ(ppm)=7.68−7.71(m,3H),7.55−7.64(m,24H),7.18−7.43(m,16H),7.11(s,2H),6.93−6.96(m,2H),6.84(d,1H),6.79(s,1H),6.65−6.72(m,3H),6.57(t,2H),2.22−2.25(m,9H),2.06(s,3H),1.97−1.99(m,6H),1.38(s,54H).
<実施例3> 化合物(B3)の合成
下記式B3で表される化合物(B3)(フェイシャル体)を、下記の工程(1)から工程(6)を含むスキームに従って合成した。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
工程(1)
3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド7.79g(37.4mmol)とピリジン3mL、クロロホルム20mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン6.76g(33.8mmol)を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧留去し淡黄色固体を得た。得られた淡黄色固体をジクロロメタンを用いて再結晶し、化合物(B3−A)を10.2g、収率81%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.16(s,1H),8.10(d,1H),7.84(d,1H),7.66(t,1H),7.29(s,2H),2.27(s,6H).
工程(2)
化合物(B3−A)4.28g(11.5mmol)と五塩化リン2.40g(11.5mmol)とを三口フラスコに入れた後、塩化ホスホリル5mLを滴下し、アルゴンガス雰囲気下で5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、塩化ホスホリルを減圧留去した。ここへ2−プロパノール10mLを加え、さらにアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール10.5g(99.9mmol)を滴下した。5時間撹拌した後、12Mの塩酸を滴下して16時間加熱還流した。反応終了後、析出してきた黒色固体をろ別し水で洗浄した。この黒色固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)により分離精製し、化合物(B3−B)を3.43g、収率75%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.83(s,1H),7.52(d,1H),7.35−7.43(m,5H),6.93(s,1H),1.94(s,6H).
工程(3)
塩化イリジウムn水和物1.11g(3.15mmol)、化合物(B3−B)2.60g(6.58mmol)、2−エトキシエタノール100mL、および水50mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応液を減圧濃縮した。ここへ水50mLを加え、析出した黄色固体をろ別し、水とメタノールとで洗浄し、黄色粉末として化合物(B3−C)を3.20g得た。この化合物(B3−C)はこれ以上精製せず用いた。
工程(4)
化合物(B3−C)3.43g(1.69mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀920mg(3.58mmol)、ジクロロメタン80mL、およびメタノール80mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で17時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへナトリウムアセチルアセトナート791mg(6.48mmol)、アセトニトリル100mLを加え、アルゴンガス雰囲気下で18時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ジクロロメタン200mLを加え、ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとトルエンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B3−D)を2.47g、収率82%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.48(s,4H),7.25(s,2H),6.97(s,2H),6.79(d,2H),6.59(d,2H),6.30(s,2H),5.26(s,1H),2.13(s,6H),2.05(s,6H),1.83(s,6H).
工程(5)
化合物(B3−D)1.51g(1.39mmol)、化合物(B3−B)818mg(2.07mmol)、エチレングリコール10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、160℃で15時間加熱反応した。室温まで冷却し、水50mLを加え、生成した固体をろ過することで回収した。引き続いて、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒)を用いて分離精製した。フェイシャル体の化合物(B3−E)を1.18g、収率62%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.43(s,6H),6.82(d,6H),6.79(s,3H),6.72(d,3H),6.39(d,3H),2.08(s,9H),1.84(s,9H).
工程(6)
化合物(B3−E)1.83g(1.33mmol)、化合物(B3−G)2.83g(6.04mmol)、トルエン80mL、エタノール15mL、2Mの炭酸ナトリウム水溶液25mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを15分間通気した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.486g(0.42mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で62時間加熱還流した。室温まで冷却した後、トルエンを加え抽出し、油層を回収した。油層を減圧濃縮して、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、フェイシャル体の化合物(B3)を0.851g、収率30%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)=7.85(d,6H),7.80(dd,9H),7.66(t,12H),7.45(dt,12H),7.26(d,3H),6.82−6.86(m,6H),6.75(dd,3H),6.43(d,3H),2.17(s,9H),1.87(s,9H),1.26(s,54H).
<実施例4> 化合物(B4)の合成
下記式B4で表される化合物(B4)(フェイシャル体)を、下記の工程(1)から工程(6−1)を含むスキームに従って合成した(なお、後述する実施例5の化合物(B5)(メリジオナル体)の合成のための工程(6−2)についても併せて示した。)。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
工程(1)
4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド5.08g(22.4mmol)とピリジン3mL、クロロホルム20mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン4.45g(22.2mmol)を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧留去し固体を得た。これをジクロロメタンとヘキサンとを用いて再結晶し、化合物(B4−A)を8.47g、収率98%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.18(d,1H),8.12−8.15(m,1H),7.35(t,1H),7.29(s,2H),2.25(s,6H).
工程(2)
化合物(B4−A)3.54g(9.07mmol)と五塩化リン1.71g(8.23mmol)を三口フラスコに入れた後、塩化ホスホリル10mLを滴下し、アルゴンガス雰囲気下で5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、塩化ホスホリルを減圧留去した。ここへ2−プロパノール20mLを加え、さらにアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール9.37g(89.1mmol)を滴下した。5時間撹拌した後、12Mの塩酸15mLを滴下し、16時間加熱還流した。反応終了後、10%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7に調整し、析出してきた固体をろ別して水で洗浄した。得られた固体を、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)により分離精製し、化合物(B4−B)を2.638g、収率78%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.79(d,1H),7.41(m,1H),7.35(m,3H),7.05(t,1H),6.91(s,1H),1.94(s,6H).
工程(3)
塩化イリジウムn水和物152mg(0.43mmol)、化合物(B4−B)349mg(0.84mmol)、2−エトキシエタノール14mL、および水7mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応液を減圧濃縮した。ここへ水7mLを加え、析出した黄色固体をろ別し、水とメタノールとで洗浄し、黄色粉末として化合物(B4−C)を401mg得た。化合物(B4−C)はこれ以上精製せず用いた。
工程(4)
化合物(B4−C)401mg(0.19mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀106.8mg(0.42mmol)、ジクロロメタン30mL、およびメタノール10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で17時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへナトリウムアセチルアセトナート96.2mg(0.78mmol)、アセトニトリル30mLを加え、アルゴンガス雰囲気下で2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへジクロロメタン100mLを加えろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた褐色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒)を用いて分離精製した。黄色粉末として化合物(B4−D)を306mg、収率72%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.47(d,4H),7.20(d,2H),6.98(d,2H),6.26(d,2H),6.17(d,2H),5.28(s,1H),2.12(s,6H),2.04(s,6H),1.85(s,6H).
工程(5)
化合物(B4−D)280mg(0.25mmol)、化合物(B4−B)127mg(0.31mmol)、エチレングリコール15mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、150℃で15時間加熱反応した。室温まで冷却し、水50mLを加え、生成した固体をろ過することで回収した。引き続いて、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒)を用いて分離精製したところ、フェイシャル体の化合物(B4−E)およびメリジオナル体の化合物(B4−E)がそれぞれ得られた。
フェイシャル体の化合物(B4−E)の収量は55.2mg、収率15%であった。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.45(s,6H),6.80(d,3H),6.66(d,3H),6.48(d,3H),6.36(d,3H),2.08(s,9H),1.86(s,9H).
また、メリジオナル体の化合物(B4−E)の収量は207mg、収率58%であった。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.39−7.48(m,6H),6.81(s,1H),6.69−6.72(m,3H),6.59−6.64(m,3H),6.40−6.47(m,3H),6.37(t,2H),2.11(s,3H),2.07(d,6H),1.93(s,3H),1.84(d,6H).
工程(6−1)(フェイシャル体の化合物(B4)の合成)
フェイシャル体の化合物(B4−E)1.60g(1.12mmol)、化合物(B4−G)1.69g(3.62mmol)、トルエン40mL、エタノール15mL、2Mの炭酸ナトリウム水溶液20mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを15分間通気した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.2876g(0.249mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で13時間加熱還流した。室温まで冷却した後、トルエンを加えて抽出し、油層を回収した。油層を減圧濃縮して、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製した。フェイシャル体の化合物(B4)を1.39g、収率56%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.83(s,3H),7.77(s,6H),7.64(d,12H),7.57(d,6H),7.53(d,12H),6.93(s,3H),6.75(s,3H),6.55(d,3H),6.45(d,3H),2.20(s,9H),1.99(s,9H),1.37(s,54H).
<実施例5> 金属錯体B5の合成
下記式B5で表される化合物(B5)(メリジオナル体)を、上記の工程(1)から工程(5)に引き続いて行われる下記の工程(6−2)により合成した。
Figure 0006546045
工程(6−2)(メリジオナル体の化合物(B5)の合成)
実施例4の工程(5)で得られたメリジオナル体の化合物(B4−E)531mg(0.371mmol)、化合物(B4−G)548mg(1.17mmol)、トルエン20mL、2Mの炭酸ナトリウム水溶液10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを15分間通気した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)144mg(0.125mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で15時間加熱還流した。室温まで冷却した後、トルエンを加えて抽出し、油層を回収した。油層を減圧濃縮して、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、メリジオナル体の化合物(B5)を237mg、収率29%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.82−7.84(m,3H),7.76−7.78(m,6H),7.63−7.68(m,12H),7.51−7.57(m,18H),6.94(s,1H),6.85(m,1H),6.77−6.81(m,2H),6.70−6.74(m,2H),6.66−6.67(m,1H),6.53−6.57(m,3H),6.45−6.50(m,2H),2.24(s,3H),2.19(s,6H),2.06(s,3H),1.97(s,6H),1.39(s,54H).
<実施例6>化合物(B6−F)の合成
下記式(B6−F)で表される化合物(B6−F)を、下記の工程(1)から工程(6)を含むスキームに従って合成した。
Figure 0006546045
Figure 0006546045
工程(1)
4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン1.43g(7.15mmol)、化合物(B6−G)4.03g(8.60mmol)、トリフェニルホスフィン279mg(1.06mmol)、KPO6.3991g(30.1mmol)、トルエン30mL、エタノール15mL、水15mL、2Mの炭酸ナトリウム水溶液10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを15分間通気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム508mg(0.55mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下で3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、トルエンを加え抽出し、油層を回収した。油層を減圧濃縮して、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B6−A)を2.53g、収率76%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.69(m,3H),7.61(d,4H),7.50(d,4H),7.29(s,2H),3.67(s,2H),2.26(s,6H),1.38(s,18H).
工程(2)
3−ブロモベンゾイルクロリド2.00g(9.12mmol)とピリジン2mL、ジクロロメタン50mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で化合物(B6−A)3.31g(7.17mmol)を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧留去し固体を得た。これをジクロロメタンとヘキサンとを用いて再結晶し、化合物(B6−B)を3.91g、収率85%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.09(s,1H),7.86(d,1H),7.77(s,1H),7.73−7.76(m,3H),7.63(d,4H),7.51(s,4H),7.36−7.44(s,4H),2.37(s,6H),1.38(s,18H).
工程(3)
化合物(B6−B)2.49g(3.86mmol)と五塩化リン778mg(3.74mmol)とを三口フラスコに入れた後、塩化ホスホリル20mLを滴下し、アルゴンガス雰囲気下で5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、塩化ホスホリルを減圧留去した。ここへ2−プロパノール40mLを加え、さらにアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール7.82g(74.4mmol)を滴下した。7時間撹拌した後、12Mの塩酸20mLを滴下して16時間加熱還流した。反応終了後、2−プロパノールを減圧留去したのち、10%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11に調整し、ジクロロメタンで抽出して生成物を回収した。この生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンと酢酸エチルとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B6−C)を2.29g、収率91%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.77−7.81(m,4H),7.64(d,4H),7.48−7.52(m,6H),7.36−7.38(m,2H),7.19(d,1H),7.05(t,1H),6.98(s,1H),2.04(s,6H),1.39(s,18H).
工程(4)
化合物(B6−C)1.60g(2.3mmol)、シアン化銅(I)433mg(4.9mmol)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)30mLを、アルゴンガス雰囲気下、175℃で40時間加熱して反応させた。反応液を室温まで冷却後、シアン化ナトリウム1.02g(20.9mmol)を溶解させた水200mLに注いで、50℃で2時間撹拌した。室温まで冷却後に反応液をジクロロメタンで抽出し、減圧濃縮して、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサンとの混合溶媒)を用いて分離精製し、化合物(B6−D)を1.20g、収率85%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)=7.82(d,2H),7.79(t,1H),7.69−7.71(m,3H),7.64(dd,4H),7.55(t,2H),7.43(dd,4H),7.35(t,1H),7.22(s,1H),7.19(s,1H),1.94(s,6H),1.25(s,18H).
工程(5)
塩化イリジウムn水和物80mg(0.022mmol)、化合物(B6−D)27.3mg(0.044mmol)、2−エトキシエタノール20mL、および水10mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で16時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応液を減圧濃縮した。ここへ水10mLを加え、析出した固体をろ別し、水とメタノールとで洗浄し、化合物(B6−E)を32.1mg得た。この化合物(B6−E)はこれ以上精製せず用いた。
工程(6)
化合物(B6−E)804mg(0.28mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀161.6mg(0.63mmol)、ジクロロメタン40mL、およびメタノール20mLを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下で17時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへナトリウムアセチルアセトナート138.1mg(1.13mmol)、アセトニトリル30mLを加え、アルゴンガス雰囲気下で3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、ここへジクロロメタン100mLを加えろ過した。ろ液を減圧留去し、得られた褐色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)を用いて分離精製し、化合物(B6−F)を285mg、収率34%で得た。H−NMRの結果は下記のとおりである。
H−NMR(400MHz/Acetone−d):δ(ppm)=7.97−8.03(m,8H),7.93(s,2H),7.78(d,8H),7.57(t,10H),7.37(d,2H),6.84(t,2H),6.76(d,2H),6.40(d,2H),5.34(s,1H),2.29(s,6H),2.20(s,6H),1.80(s,6H),1.38(s,36H).
<PLスペクトル測定>
PLスペクトルの測定は、下記の方法で行った。
測定試料を、キシレンに8.0×10−4重量%の濃度になるように溶解させて石英セルに封入し、励起光源にキセノンランプ(浜松ホトニクス社製、Model E7536)を用い、分光器(浜松ホトニクス社製、Model A10080−02)を介して励起波長300nmで測定試料を励起した。PLスペクトルの測定はマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA12)を用いて行った。
<金属錯体のPLスペクトル>
金属錯体(化合物)CB1、B1、B2、B3、B4、B5、G1、G2、R1、R2、およびR3のPLスペクトル測定を行った。各金属錯体の発光ピーク波長(最大ピーク波長)およびCIE色度座標(CIE−x,CIE−y)を表11に示す。
Figure 0006546045
<演色性の評価>
本発明の金属錯体のPLスペクトル、および発光スペクトルの最大ピーク波長が495nm以上750nm未満の2種類の三重項発光錯体のPLスペクトルを、プランキアン軌跡上の色温度3500K、4000K、または5000Kの白色発光スペクトルになるように足し合わせて得られたスペクトルからJIS Z8726−1990に記載の方法により、平均演色評価数Raを算出して演色性を評価した。得られたRaの値が大きいほど、演色性がより高いことを示す。
<比較例1> 金属錯体CB1の平均演色評価数Ra
金属錯体CB1のPLスペクトルと、金属錯体G1またはG2のPLスペクトルと、金属錯体R1、R2、およびR3から選ばれる1種類のPLスペクトルとを、、プランキアン軌跡上の色温度3500K、4000K、または5000Kの白色発光スペクトルになるように足し合わせて得られたPLスペクトルから既に説明したとおり平均演色評価数Raを算出した。結果を下記表12に示す。
Figure 0006546045
<実施例7> 金属錯体B1の平均演色評価数Ra
金属錯体CB1の代わりに金属錯体B1を用いた以外は比較例1と同様にして、金属錯体B1を用いた時の平均演色評価数Raを算出した。結果を下記表13に示す。
Figure 0006546045
<実施例8> 金属錯体B2の平均演色評価数Ra
金属錯体CB1の代わりに金属錯体B2を用いた以外は比較例1と同様にして、金属錯体B2を用いた時の平均演色評価数Raを算出した。結果を下記表14に示す。
Figure 0006546045
<実施例9> 金属錯体B3の平均演色評価数Ra
金属錯体CB1の代わりに金属錯体B3を用いた以外は比較例1と同様にして、金属錯体B3を用いた時の平均演色評価数Raを算出した。結果を下記表15に示す。
Figure 0006546045
<実施例10> 金属錯体B4の平均演色評価数Ra
金属錯体CB1の代わりに金属錯体B4を用いた以外は比較例1と同様にして、金属錯体B4を用いた時の平均演色評価数Raを算出した。結果を下記表16に示す。
Figure 0006546045
<実施例11> 金属錯体B5の平均演色評価数Ra
金属錯体CB1の代わりに金属錯体B5を用いた以外は比較例1と同様にして、金属錯体B5を用いた時の平均演色評価数Raを算出した。結果を下記表17に示す。
Figure 0006546045
これらの結果から、本発明の金属錯体を用いれば、金属錯体CB1を用いた場合と比較して演色性に優れる白色の発光色を実現することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される金属錯体。
    Figure 0006546045
    [式中、
    は、1、2または3を表す。nは、0または1を表す。nが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、および、R10とR11は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、R 、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルキル基、フッ素原子を置換基として有するアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するシクロアルコキシ基、フッ素原子を置換基として有するアリール基、フッ素原子を置換基として有するアリールオキシ基、フッ素原子を置換基として有する1価の複素環基、フッ素原子またはシアノ基であり、且つ、 、下記式(D−A1)、(D−A2)または(D−A3)で表される基である。
    −G−Aは、アニオン性の2座配位子を表し、Gは、単結合、または、AおよびAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。A−G−Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006546045
    [式中、
    p1 、R p2 およびR p3 は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはハロゲン原子を表す。R p1 およびR p2 が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    np1は、1〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数存在するnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
  2. 前記 、前記式(D−A1)で表される基である、請求項に記載の金属錯体。
  3. 前記nが1である、請求項1または2に記載の金属錯体。
  4. 前記nが3である、請求項1〜のいずれか1項に記載の金属錯体。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属錯体と、
    下記式(H−1)で表される化合物とを含有する組成物。
    Figure 0006546045
    [式(H−1)中、
    ArH1およびArH2は、それぞれ独立に、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    H1およびnH2は、それぞれ独立に、0または1を表す。nH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    H3は、0以上の整数を表す。
    H1は、アリーレン基、2価の複素環基、または、−[C(RH11]nH11−で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LH1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    H11は、1以上10以下の整数を表す。RH11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRH11は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
    H2は、−N(−LH21−RH21)−で表される基を表す。LH2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    H21は、単結合、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RH21は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属錯体と、
    正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料と
    を含有する組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の金属錯体を含む発光素子。
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