JP5955566B2 - 燐光性発光化合物及び高分子化合物を含む組成物、並びにそれを用いた発光素子 - Google Patents

燐光性発光化合物及び高分子化合物を含む組成物、並びにそれを用いた発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、燐光性発光化合物及び高分子化合物を含む組成物、並びにそれを用いた発光素子に関する。
発光素子の発光層に用いる発光材料として、三重項励起状態からの発光を示す燐光性発光化合物をドーパントとしてホスト材料にドーピングしてなる組成物が知られている。
燐光性発光化合物として、トリアゾール構造を有する配位子を含む燐光性発光化合物(特許文献1)が知られている。また、該燐光性発光化合物に対するホスト材料として、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)−ビフェニル誘導体(特許文献1)やポリビニルカルバゾール(非特許文献1)が知られている。
特表2007−504272号公報
Chem.Commun.,2005,4708−4710
しかし、上記の燐光性発光化合物及びホスト材料を含む組成物を用いて作製した燐光発光素子は、得られる発光効率が十分ではない。
そこで、本発明は、発光効率に優れた燐光発光素子の作製に有用な、燐光性発光化合物及び高分子化合物を含む組成物を提供することを目的とする。また、本発明は該組成物を用いた発光素子を提供することを目的とする。
本発明は第一に、
(I)下記式(A)、(B)及び(C)で表される配位子からなる群から選ばれる少なくとも1種の配位子を有する燐光性発光化合物と、
(II)下記式(1)−1で表される構成単位、下記式(1)−2で表される構成単位、下記式(2)−1で表される構成単位、及び、下記式(2)−2で表される構成単位から選ばれる構成単位からなり、少なくとも下記式(1)−1で表される構成単位及び下記式(1)−2で表される構成単位の双方を含む高分子化合物と、
を含有する組成物を提供する。
Figure 0005955566
〔式中、
a1及びRa2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
a3は、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
a1及びR105は互いに結合して、Ra1に結合する窒素原子及びR105に結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、Ra3及びR105は互いに結合して、Ra3に結合する炭素原子及びR105に結合する窒素原子とともに環を形成していてもよい。
101、R102、R103、R104及びR105は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の芳香族複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
101及びR102は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R102及びR103は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R103及びR104は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。〕
Figure 0005955566
〔式中、
は、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
は、水素原子、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。〕
本発明は第二に、前記組成物を含有する薄膜を提供する。
本発明は第三に、陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に設けられた前記組成物を含有する層と、を有する発光素子を提供する。
本発明は第四に、前記発光素子を備える面状光源及び表示装置を提供する。
本発明によれば、発光効率が十分に高い発光素子の作製に有用な組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該組成物を用いた発光素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「構成単位」は、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味するが、「繰り返し単位」(即ち、高分子化合物中に2個以上存在する単位)として高分子化合物中に存在することが好ましい。また、本明細書中において、「1価の芳香族複素環基」は、芳香族性を示す複素環式化合物から1個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。
本明細書において、「アリール基」は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。「C〜C12アルキルオキシ」は、その直後に記載されたアルキルオキシ部分の炭素原子数が1〜12であることを示す。「C〜C12アルキル」は、その直後に記載されたアルキル部分の炭素原子数が1〜12であることを示す。
本明細書において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、i−Prはイソプロピル基を表し、n−Prはn−プロピル基を表し、n−Buはn−ブチル基を表し、t−Buはtert−ブチル基を表す。
本明細書において、所定の基が「置換基を有していてもよい」又は「置換されていてもよい」とは、所定の基が非置換の基であること、又は所定の基が置換されていることを意味する。「非置換の」とは、その直後に記載された基の水素原子が置換基で置換されていないことを意味する。基の直前に付されている「置換」とは、その基の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていることを意味する。
該置換基としては、特に説明がない限り、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30のヒドロカルビル基及び炭素原子数1〜30のヒドロカルビルオキシ基が挙げられ、これらの中でも、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のヒドロカルビル基及び炭素原子数1〜18のヒドロカルビルオキシ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のヒドロカルビル基及び炭素原子数1〜12のヒドロカルビルオキシ基がより好ましく、ハロゲン原子及び炭素原子数1〜12のヒドロカルビル基がさらに好ましく、ハロゲン原子及び炭素原子数1〜6のヒドロカルビル基が特に好ましい。
ヒドロカルビル基及びヒドロカルビルオキシ基の例は、それぞれ、後述するアルキル基及びアルキルオキシ基の例と同様である。所定の基が置換されている場合における置換基の個数は、通常、1〜4個であり、好ましくは1〜3個であり、より好ましくは1〜2個である。
本発明の組成物は、所定の配位子を有する燐光性発光化合物と、所定の構成単位を含む高分子化合物とを含有する。以下、前記燐光性発光化合物及び前記高分子化合物の順に説明する。
<燐光性発光化合物>
まず、本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物について説明する。
本発明の燐光性発光化合物は、トリアゾール環及びフェニル環から構成される前記式(A)、(B)及び(C)からなる群から選ばれる少なくとも1種の配位子を有する燐光性発光化合物である。
燐光性発光化合物が有する配位子は、燐光性発光化合物の発光色、発光効率、安定性等に影響を与える。さらに、配位子の有する置換基の種類及び/又は置換位置は、配位子の電子的特性に影響を及ぼすので、上記の燐光性発光化合物の特性に影響を与える。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物の中心金属となる金属原子は、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子又は白金原子からなる群から選ばれる金属原子であることが好ましい。これらの金属原子は、燐光性発光化合物にスピン−軌道相互作用を及ぼし、一重項状態と三重項状態間の系間交差を起こし得るものである。これらの金属原子の中でも、好ましくはオスミウム原子、イリジウム原子、白金原子であり、さらに好ましくはイリジウム原子、白金原子であり、特に好ましくはイリジウム原子である。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物の発光スペクトルのピーク波長は、特に限定されないが、好ましくは400nm〜700nmであり、さらに好ましくは400nm〜600nmであり、より好ましくは400nm〜500nmである。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物の発光スペクトルピークは、例えば、該化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液を調製し、該希薄溶液のPLスペクトルを測定することで、評価し得る。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa1、Ra2、Ra3、R101、R102、R103、R104及びR105で表されるアルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。直鎖状および分岐状のアルキル基の炭素数は、通常1〜12であり、好ましくは3〜10である。また、環状のアルキル基における炭素数は、通常3〜12であり、好ましくは3〜10である。なお、アルキル基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa3、R101、R102、R103、R104及びR105で表されるアルキルオキシ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。直鎖状および分岐状のアルキルオキシ基の炭素数は、通常1〜12であり、好ましくは3〜10である。また、環状のアルキルオキシ基の炭素数は、通常3〜12であり、好ましくは3〜10である。アルキルオキシ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアルキルオキシ基の例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、ペンタフルオロエチルオキシ基、パーフルオロブチルオキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メチルオキシメチルオキシ基、2−メチルオキシエチルオキシ基等が挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよい。直鎖状および分岐状のアルキルチオ基の炭素数は、通常1〜12であり、好ましくは3〜10である。また、環状のアルキルチオ基の炭素数は、通常3〜12であり、好ましくは3〜10である。アルキルチオ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアルキルチオ基の例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基、ブチルチオ基、iso−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等が挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa1、Ra2、Ra3、R101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリール基は、炭素数が、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。アリール基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリール基の例としては、フェニル基、C〜C12アルキルオキシフェニル基(「C〜C12アルキルオキシ」は、アルキルオキシ部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基(「C〜C12アルキル」は、アルキル部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。ここで、アリール基とは、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団である。この芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環及び/又は縮合環から選ばれる2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。
上述のC〜C12アルキルは、炭素数1〜12のアルキルであり、前記アルキル基で説明し、例示したものと同様である。したがって、例えば、前記基におけるC〜C12アルキルオキシとしては、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、iso−プロピルオキシ、ブチルオキシ、iso−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシ等が挙げられる。また、前記基におけるC〜C12アルキルフェニルとしては、メチルフェニル、エチルフェニル、ジメチルフェニル、プロピルフェニル、メシチル、メチルエチルフェニル、iso−プロピルフェニル、ブチルフェニル、iso−ブチルフェニル、tert−ブチルフェニル、ペンチルフェニル、イソアミルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ドデシルフェニル等が挙げられる。以下同様である。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa3、R101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールオキシ基は、炭素数が、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールオキシ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基、C〜C12アルキルオキシフェニルオキシ基、C〜C12アルキルフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニルオキシ基、C〜C12アルキルフェニルオキシ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールチオ基は、炭素数が、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールチオ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールチオ基の例としては、フェニルチオ基、C〜C12アルキルオキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa1、Ra2、Ra3、R101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールアルキル基は、炭素数が、通常7〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールアルキル基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールアルキル基の例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa3、R101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールアルキルオキシ基は、炭素数が、通常7〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールアルキルオキシ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールアルキルオキシ基の例としては、フェニルメチルオキシ基、フェニルエチルオキシ基、フェニルブチルオキシ基、フェニルペンチルオキシ基、フェニルヘキシルオキシ基、フェニルヘプチルオキシ基、フェニルオクチルオキシ基等のフェニル−C〜C12アルキルオキシ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルオキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルオキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルオキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルオキシ基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルオキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルオキシ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールアルキルチオ基は、炭素数が、通常7〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールアルキルチオ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールアルキルチオ基の例としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアシル基は、炭素数が、通常2〜20であり、好ましくは2〜18である。アシル基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアシル基の例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアシルオキシ基は、炭素数が、通常2〜20であり、好ましくは2〜18である。アシルオキシ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアシルオキシ基の例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるカルバモイル基は、置換基を有していてもよく、置換基の炭素数を含めた炭素数が、通常1〜20であり、好ましくは2〜18である(即ち、一般式:NR−CO−で表され、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。)。
このようなカルバモイル基の例としては、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアミド基は、置換基を有していてもよく、置換基の炭素数を含めた炭素数が、通常1〜20であり、好ましくは2〜18である(即ち、一般式:R−CO−NR−で表され、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す)。
このようなアミド基の例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表される酸イミド基とは、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を1個除いて得られる1価の残基を意味する。この酸イミド基は、炭素数が、通常2〜60であり、好ましくは2〜48である。酸イミド基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このような酸イミド基の例としては、以下の構造式で示される基等が挙げられる。
Figure 0005955566
[式中、窒素原子から延びた線は結合手を表し、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Prはn−プロピル基を表す。以下、同様である。]
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるイミン残基とは、イミン化合物(即ち、分子内に−N=C−を持つ有機化合物である。その例としては、アルジミン、ケチミン、及び、これらの分子中の窒素原子に結合した水素原子が、アルキル基等で置換された化合物等が挙げられる。)から水素原子1個を除いた1価の残基を意味する。このイミン残基は、炭素数が、通常2〜20であり、好ましくは2〜18である。イミン残基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなイミン残基の例としては、以下の構造式で示される基等が挙げられる。
Figure 0005955566
[式中、i−Prはiso−プロピル基、n−Buはn−ブチル基、t−Buはtert−ブチル基を表す。波線で示した結合は、「楔形で表される結合」及び/又は「破線で表される結合」であることを意味する。ここで、「楔形で表される結合」とは、紙面からこちら側に向かって出ている結合を意味し、「破線で表される結合」とは、紙面の向こう側に出ている結合を意味する。]
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa3、R101、R102、R103、R104及びR105で表される置換アミノ基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1個又は2個の基で置換されたアミノ基を意味する。アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基は、置換基を有していてもよいが、該置換基の炭素数は、置換アミノ基の炭素数に含まれない。置換アミノ基の炭素数は、通常1〜60であり、好ましくは2〜48である。
このような置換アミノ基の例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、iso−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、iso−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルキルオキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルオキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表される置換シリル基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基を意味する。アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、該置換基の炭素数は、置換シリル基の炭素数に含まれない。置換シリル基の炭素数は、通常1〜60であり、好ましくは3〜48である。
このような置換シリル基の例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−iso−プロピルシリル基、ジメチル−iso−プロピルシリル基、ジエチル−iso−プロピルシリル基、tert−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
P1、RP2、RP3、RP4、RP5及びRP6で表される置換シリルオキシ基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリルオキシ基を意味する。アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、該置換基の炭素数は、置換シリルオキシ基の炭素数に含まれない。置換シリルオキシ基の炭素数は、通常1〜60であり、好ましくは3〜48である。
このような置換シリルオキシ基の例としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリ−iso−プロピルシリルオキシ基、ジメチル−iso−プロピルシリルオキシ基、ジエチル−iso−プロピルシリルオキシ基、tert−ブチルシリルジメチルシリルオキシ基、ペンチルジメチルシリルオキシ基、ヘキシルジメチルシリルオキシ基、ヘプチルジメチルシリルオキシ基、オクチルジメチルシリルオキシ基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリルオキシ基、ノニルジメチルシリルオキシ基、デシルジメチルシリルオキシ基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリルオキシ基、ラウリルジメチルシリルオキシ基、フェニル−C〜C12アルキルシリルオキシ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルシリルオキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリルオキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリルオキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリルオキシ基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表される置換シリルチオ基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリルチオ基を意味する。アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、該置換基の炭素数は、置換シリルチオ基の炭素数に含まれない。置換シリルチオ基の炭素数は、通常1〜60であり、好ましくは3〜48である。
このような置換シリルチオ基の例としては、トリメチルシリルチオ基、トリエチルシリルチオ基、トリプロピルシリルチオ基、トリ−iso−プロピルシリルチオ基、ジメチル−iso−プロピルシリルチオ基、ジエチル−iso−プロピルシリルチオ基、tert−ブチルシリルジメチルシリルチオ基、ペンチルジメチルシリルチオ基、ヘキシルジメチルシリルチオ基、ヘプチルジメチルシリルチオ基、オクチルジメチルシリルチオ基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリルチオ基、ノニルジメチルシリルチオ基、デシルジメチルシリルチオ基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリルチオ基、ラウリルジメチルシリルチオ基、フェニル−C〜C12アルキルシリルチオ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルシリルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリルチオ基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリルチオ基、トリフェニルシリルチオ基、トリ−p−キシリルシリルチオ基、トリベンジルシリルチオ基、ジフェニルメチルシリルチオ基、tert−ブチルジフェニルシリルチオ基、ジメチルフェニルシリルチオ基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表される置換シリルアミノ基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリルアミノ基を意味する。置換シリルアミノ基の炭素数は、通常、1〜60程度であり、好ましくは3〜48である。アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、該置換基の炭素数は、置換シリルアミノ基の炭素数に含まれない。
このような置換シリルアミノ基の例としては、トリメチルシリルアミノ基、トリエチルシリルアミノ基、トリプロピルシリルアミノ基、トリ−iso−プロピルシリルアミノ基、ジメチル−iso−プロピルシリルアミノ基、ジエチル−iso−プロピルシリルアミノ基、tert−ブチルシリルジメチルシリルアミノ基、ペンチルジメチルシリルアミノ基、ヘキシルジメチルシリルアミノ基、ヘプチルジメチルシリルアミノ基、オクチルジメチルシリルアミノ基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリルアミノ基、ノニルジメチルシリルアミノ基、デシルジメチルシリルアミノ基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリルアミノ基、ラウリルジメチルシリルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルシリルアミノ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルシリルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリルアミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリルアミノ基、トリフェニルシリルアミノ基、トリ−p−キシリルシリルアミノ基、トリベンジルシリルアミノ基、ジフェニルメチルシリルアミノ基、tert−ブチルジフェニルシリルオアミノ基、ジメチルフェニルシリルアミノ基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるRa1、Ra2、Ra3、R101、R102、R103、R104及びR105で表される1価の芳香族複素環基とは、芳香族複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。1価の芳香族複素環基の炭素数は、通常4〜60であり、好ましくは4〜20である。1価の芳香族複素環基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。ここで、芳香族複素環式化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、燐原子、硼素原子等のヘテロ原子を含むものをいう。
このような1価の芳香族複素環基の例としては、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられ、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるヘテロアリールオキシ基は、炭素数が、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。ヘテロアリールオキシ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなヘテロアリールオキシ基の例としては、チエニルオキシ基、C〜C12アルキルオキシチエニルオキシ基、C〜C12アルキルチエニルオキシ基、ピリジルオキシ基、C〜C12アルキルオキシピリジルオキシ基、C〜C12アルキルピリジルオキシ基、イソキノリルオキシ基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシピリジルオキシ基、C〜C12アルキルピリジルオキシ基が好ましい。
上述のC〜C12アルキルピリジルオキシ基としては、メチルピリジルオキシ基、エチルピリジルオキシ基、ジメチルピリジルオキシ基、プロピルピリジルオキシ基、1,3,5−トリメチルピリジルオキシ基、メチルエチルピリジルオキシ基、iso−プロピルピリジルオキシ基、ブチルピリジルオキシ基、iso−ブチルピリジルオキシ基、tert−ブチルピリジルオキシ基、ペンチルピリジルオキシ基、イソアミルピリジルオキシ基、ヘキシルピリジルオキシ基、ヘプチルピリジルオキシ基、オクチルピリジルオキシ基、ノニルピリジルオキシ基、デシルピリジルオキシ基、ドデシルピリジルオキシ基等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるヘテロアリールチオ基は、炭素数が、通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48である。ヘテロアリールチオ基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなヘテロアリールチオ基の例としては、ピリジルチオ基、C〜C12アルキルオキシピリジルチオ基、C〜C12アルキルピリジルチオ基、イソキノリルチオ基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシピリジルチオ基、C〜C12アルキルピリジルチオ基が好ましい。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールアルケニル基は、炭素数が、通常7〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールアルケニル基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールアルケニル基の例としては、フェニル−C〜C12アルケニル基(「C〜C12アルケニル」は、アルケニル部分の炭素数が2〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
上述のC〜C12アルケニルの例としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表されるアリールアルキニル基は、炭素数が、通常7〜60であり、好ましくは7〜48である。アリールアルキニル基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記の炭素数には含まれない。
このようなアリールアルキニル基の例としては、フェニル−C〜C12アルキニル基(「C〜C12アルキニル」は、アルキニル部分の炭素数が2〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基等が挙げられ、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
上述のC〜C12アルキニルの例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル等が挙げられる。
前記式(A)〜(C)で表される配位子におけるR101、R102、R103、R104及びR105で表される置換カルボキシル基(一般式:R−O−CO−で表され、Rはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基を表す。)は、炭素数が、通常1〜60であり、好ましくは2〜48であり、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基を意味する。該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は、置換基を有していてもよいが、置換基の炭素数は上記炭素数には含まれない。
このような置換カルボキシル基の例としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、iso−プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、iso−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ペンタフルオロエチルオキシカルボニル基、パーフルオロブチルオキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物は、R101〜R105の少なくとも1つが、電子吸引性の置換基であることが好ましく、フッ素原子又はフッ素原子を含有する置換基であることがさらに好ましい。フッ素原子又はフッ素原子を含有する置換基は、Cで示される1価の基を表す。ここで、pは1〜10から選ばれる整数を表し、qは1〜(2p+1)から選ばれる整数を表し、rは0〜(2p+1)から選ばれる整数を表し、sは0又は1であり、下記式(F1)〜(F32)で示される基を例示することができる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物の安定性の観点から、C中、sは0であることが好ましく、上記式(F1)〜(F14)で示される基であることが好ましい。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物は、R101〜R105の少なくとも1つが、溶解性、塗布成膜性を向上させるため、又は/及び、更なる機能性(例えば電荷輸送性。)を導入するため、デンドロン、上記の電子吸引性の置換基により置換されたアルキル基、又は上記の電子吸引性の置換基により置換されたアリール基であることが好ましく、デンドロンであることが好ましい。なお、デンドロンは置換基を有していてもよい。
デンドロンは分枝構造(branching structure)を有する基であり、燐光性発光化合物に種々の機能を付与することを可能にする。デンドロンを有する高度に枝分かれした巨大分子はデンドリマーと呼ばれることがあり、例えば、WO02/066575、WO02/066552、WO02/067343等において紹介されており、種々の機能を付与することを目的として設計及び合成がされている。
具体的には、デンドロンは、置換基を有することに起因する分岐構造を有する基であり、好ましくは、2個以上の置換基を有するアリール基及び2個以上の置換基を有する1価の芳香族複素環基であり、より好ましくは、2個以上の置換基を有するアリール基であり、さらにより好ましくは2個以上の置換基を有するフェニル基である。アリール基及び1価の芳香族複素環基の詳細は、前記で説明し、例示したものと同様である。デンドロンとしてアリール基、1価の芳香族複素環基およびフェニル基が有する置換基は、前記で説明し、例示したものと同様であるが、該置換基はアルキル基又はアルキルオキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
101〜R105の少なくとも1つがデンドロンである場合、該デンドロンと配位子は共役で繋がれていても、非共役で繋がれていてもよい。デンドロンが非共役で連結されている場合、デンドロンと配位子の間にアルキレン連結基(例えば、メチレン連結基またはエチレン連結基等)を設けることが好ましい。また、デンドロンの置換位置については、R101〜R105のいずれかであるが、R102又はR103のいずれかであることが好ましく、R103がさらに好ましい。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物が有する前記(A)、(B)及び(C)で表される配位子の数は、1個、2個又は3個であり、好ましくは2個又は2個であり、より好ましくは3個である。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物は、前記(A)、(B)および(C)で表される配位子以外の構造として、他の配位子、例えば、2座配位子を含んでいてもよく、2座配位子としてはモノアニオン性の2座配位子が好ましい。燐光性発光化合物に含まれる他の配位子の数は、好ましくは0個又は1個であり、より好ましくは0個である。
2座配位子としては、2座の配位子であれば特に限定されないが、例えば、以下の構造が好ましい。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
(式中、*は燐光性発光化合物の中心金属原子と結合する部位を示す。)
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物は、下記式(A1)、(B1)及び(C1)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0005955566
〔式中、
a1、Ra2、Ra3、R101、R102、R103、R104及びR105は、前記と同じ意味を有する。
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子及び白金原子からなる群から選ばれる金属原子を表す。
mは、1、2又は3である。〕
mが1又は2である場合、金属原子Mは、他の配位子(例えば、上述したモノアニオン性の2座配位子)に配位していてもよい。好ましくはmは3である。なお、金属原子Mは、トリアゾール環の窒素原子と配位結合が可能であり、かつ、ベンゼン環の炭素原子と共有結合が可能であり、Mから伸びている実線は、このような結合を示す。
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物において、前記式(A)で表される配位子を有する燐光性発光化合物としては、以下の燐光性発光化合物A−1〜A−16が挙げられる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物において、前記式(B)で表される配位子を有する燐光性発光化合物としては、以下の燐光性発光化合物B−1〜B−20が挙げられる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物において、前記式(C)で表される配位子を有する燐光性発光化合物としては、以下の燐光性発光化合物C−1〜C−3が挙げられる。
Figure 0005955566
−錯体の製造方法−
次に、本発明の燐光性発光化合物の合成方法を説明する。
本発明の燐光性発光化合物は、例えば、配位子となる化合物と金属化合物とを溶液中で反応させることにより合成することができる。必要に応じて、反応系中に塩基、塩化銀化合物等が存在していてもよい。また、フェニルトリアゾール誘導体を配位子に有する燐光性発光化合物と芳香族複素環式化合物とのカップリング反応により、本発明の組成物に含まれる燐光性発光化合物を合成することができる。
錯体化の方法(即ち、配位子となる化合物と金属化合物とを溶液中で反応させる方法)としては、イリジウム原子を有する錯体の場合、J.Am.Chem.Soc.1984,106,6647;Inorg.Chem.1991,30,1685;Inorg.Chem.1994,33,545;Inorg.Chem.2001,40,1704;Chem.Lett.,2003,32,252等に記載の方法が挙げられ、白金原子を有する錯体の場合、Inorg.Chem.,1984,23,4249;Chem.Mater.1999,11,3709;Organometallics,1999,18,1801等に記載の方法が挙げられ、パラジウム原子を有する錯体の場合、J.Org.Chem.,1987,52,73等に記載の方法が挙げられる。
錯体化の反応温度は、特に限定されないが、通常、溶媒の融点から沸点の間で反応させることができ、−78℃〜溶媒の沸点が好ましい。反応時間は特に限定されないが、通常、30分間から30時間程度である。ただし、錯体化反応においてマイクロウェーブ反応装置を使用する場合、溶媒の沸点以上で反応させることもでき、反応時間は特に限定されないが、数分から数時間程度である。
前記配位子となる化合物は、例えば、フェニルトリアゾール誘導体と芳香族複素環式化合物とのSuzukiカップリング、Grignardカップリング、Stilleカップリング等により合成することができる。必要に応じて有機溶媒に溶解し、例えば、塩基、適切な触媒等を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で反応させることにより合成することができる。この合成には、例えば、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”、コレクティブ第6巻(Collective Volume VI)、407−411頁、ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、1988年;ケミカル レビュー(Chem.Rev.)、第106巻、2651頁(2006年);ケミカル レビュー(Chem.Rev.)、第102巻、1359頁(2002年);ケミカル レビュー(Chem.Rev.)、第95巻、2457頁(1995年);ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.)、第576巻、147頁(1999年)等に記載の方法を用いることができる。
前記芳香族複素環式化合物は、“HOUBEN−WEYL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY 4TH EDITION”,第E9b巻、1頁、GEORG THIEME VERLAG STUTTGART;HOUBEN−WEYL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY 4TH EDITION,第E9c巻、667頁、GEORG THIEME VERLAG STUTTGART等に記載の方法で合成することができる。
得られた化合物の同定・分析は、CHN元素分析、NMR分析、MS分析及びX線結晶構造解析を用いて行うことができる。
<高分子化合物>
−置換基の説明−
まず本発明の組成物に含有される高分子化合物を構成する各構成単位中の置換基について、以下説明する。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるアルキル基は、直鎖状、分岐状及び環状のものを含み、置換基を有していてもよい。直鎖状及び分岐状のアルキル基の炭素原子数は通常1〜20である。環状のアルキル基の炭素原子数は通常3〜20である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。アルキル基が有する置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基及びパーフルオロオクチル基が挙げられる。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるアルキルオキシ基は、直鎖状、分岐状及び環状状のものを含み、置換基を有してていもよい。直鎖状及び分岐状のアルキルオキシ基の炭素原子数は、通常1〜20である。環状のアルキルオキシ基の炭素原子数は通常3〜20である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。アルキルオキシ基の例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、ペンタフルオロエチルオキシ基、パーフルオロブチルオキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メチルオキシメチルオキシ基、2−メチルオキシエチルオキシ基及び2−エトキシエチルオキシ基が挙げられる。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるアリール基は、縮合環を有するものを含み、置換基を有していてもよい。アリール基の炭素原子数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜20であり、更に好ましくは6〜14である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子及びシアノ基が挙げられる。
前記アリール基としては、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。フェニル基が有する置換基は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキル基及び置換アミノ基のいずれかを含むものであることが好ましく、アルキル基、アリール基及び1価の芳香族複素環基のいずれかを含むことが更に好ましい。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるアリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基の炭素原子数は、通常6〜60である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。アリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基、C〜C12アルキルオキシフェニルオキシ基、C〜C12アルキルフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基及びペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるアリールアルキル基は、置換基を有していてもよい。アリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜60である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。アリールアルキル基の例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキル基及びC〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が挙げられる。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2におけるアリールアルキルオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールアルキルオキシ基の炭素原子数は、通常7〜60である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。アリールアルキルオキシ基の例としては、フェニル−C〜C12アルキルオキシ基、C〜C12アルキルオキシフェニル−C〜C12アルキルオキシ基及びC〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルオキシ基が挙げられる。
前記式(1)−1、(1)−2及び(2)−2における置換アミノ基の炭素原子数は、通常2〜60である。前記置換アミノ基が有する置換基の例としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。置換アミノ基には、アミノ基の置換基同士が直接結合したもの、及び、アミノ基の置換基同士が炭素原子、酸素原子、硫黄原子等の原子を介して結合して縮合環を形成したものも含まれる。置換アミノ基としては、ジアルキル置換アミノ基又はジアリール置換アミノ基であることが好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ−4−トリルアミノ基、ジ−4−tert−ブチルフェニルアミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N−カルバゾリル基、N−フェノキサジニル基、N−アクリジニル基又はN−フェノチアジニル基であることがより好ましい。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2における1価の芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。1価の芳香族複素環基の炭素原子数は、通常3〜60であり、好ましくは3〜20である。該炭素原子数には置換基の炭素原子数は含まない。1価の芳香族複素環基の例としては、2−オキサジアゾリル基、2−オキサチアジアゾリル基、2−チアジアゾリル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−ピリミジル基、2−トリアジル基、3−ピリダジル基、3−カルバゾリル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基及び2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基が挙げられる。1価の芳香族複素環基が有する置換基の例としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子及びシアノ基が挙げられる。
前記1価の芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−ピリミジル基、2−トリアジル基又は3−ピリダジル基であることが好ましい。1価の芳香族複素環基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基及び1価の芳香族複素環基のいずれかを含むことが好ましい。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2における置換カルボニル基の炭素原子数は、通常2〜60である。置換カルボニル基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。置換カルボニル基としては、アセチル基、ブチリル基又はベンゾイル基が好ましい。
前記式(1)−1、(1)−2、(2)−1及び(2)−2における置換カルボキシル基の炭素原子数は、通常2〜60である。置換カルボキシル基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の芳香族複素環基が挙げられる。置換カルボキシル基としては、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基が好ましい。
−式(1)−1で表される構成単位及び式(2)−1で表される構成単位−
本発明の組成物に含まれる高分子化合物は、下記式(1)−1で表される構成単位を含み、さらに下記式(2)−1で表される構成単位を含んでいてもよい。なお、下記式(2)−1で表される構成単位は、下記式(1)−1で表される構成単位とは別物である。式(1)−1で表される構成単位及び式(2)−1で表される構成単位は、2価の基である。
Figure 0005955566
前記式(1)−1中、Rは、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
前記式(1)−1及び前記式(2)−1中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
前記式(2)−1中、Rは、水素原子、ハロゲン原子又はアルキルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一であも異なっていてもよい。
前記式(1)−1中、Rは、高分子化合物の耐熱性及び有機溶媒への溶解性のバランスの観点から、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、1価の芳香族複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基であることがより好ましく、アルキル基であることが更に好ましく、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基又はドデシル基であることが特に好ましい。上記各基における水素原子の一部又は全部は、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記式(1)−1及び前記式(2)−1中、Rは、高分子化合物の耐熱性の観点、有機溶媒への溶解性の観点、及び、単量体の重合時の反応性の観点から、水素原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
前記式(2)−1中、Rは、高分子化合物の耐熱性の観点、有機溶媒への溶解性の観点、及び、単量体の重合時の反応性の観点から、水素原子又はアルキルオキシ基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
前記式(1)−1で表される構成単位としては、下記式(1)−1−001〜(1)−1−017及び(1)−1−101〜(1)−1−105で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
前記式(2)−1で表される構成単位としては、下記式(2)−1−001〜(2)−1−015及び(2)−1−101〜(2)−1−105で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
前記式(1)−1で表される構成単位及び前記式(2)−1で表される構成単位は、高分子化合物中に、一種のみ含まれていても二種以上含まれていてもよい。
−式(1)−2で表される構成単位及び式(2)−2で表される構成単位−
本発明の組成物に含まれる高分子化合物は、下記式(1)−2で表される構成単位を含み、さらに下記式(2)−2で表される構成単位を含んでいてもよい。なお、下記式(2)−2で表される構成単位は、下記式(1)−2で表される構成単位とは別物である。式(1)−2で表される構成単位及び式(2)−2で表される構成単位は、2価の基である。
Figure 0005955566
前記式(1)−2中、Rは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
前記式(1)−2及び前記式(2)−2中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
前記式(2)−2中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
前記式(1)−2中、Rは、単量体の重合時の反応性の観点から、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
前記式(1)−2及び(2)−2中、Rは、本発明の組成物を用いて得られる発光素子の駆動電圧の観点から、
水素原子、アルキル基、アリール基、置換アミノ基又は1価の芳香族複素環基であることが好ましく、
非置換のアリール基、又は、アルキル基、アリール基、置換アミノ基若しくは1価の芳香族複素環基で置換されているアリール基;非置換の1価の芳香族複素環基、又は、アルキル基、アリール基若しくは1価の芳香族複素環基で置換された1価の芳香族複素環基;ジアリール置換アミノ基であることがより好ましく、
1価の芳香族複素環基又は置換アミノ基で置換されているアリール基;非置換の1価の芳香族複素環基、又は、アルキル基、アリール基若しくは1価の芳香族複素環基で置換されている1価の芳香族複素環基;ジアリール置換アミノ基であることが更に好ましく、
1価の芳香族複素環基又は置換アミノ基で置換されているフェニル基;アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基で置換されているピリジル基;アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基で置換されているピラジル基;アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基で置換されているピリダジル基;アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基で置換されているピリミジル基;アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基で置換されている1,3,5−トリアジン−2−イル基;ピリジル基、又はジアリール置換アミノ基であることが特に好ましい。
は、下記式(3)で表される基又は下記式(4)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005955566
前記式(3)及び前記式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する窒素原子とともに環を形成していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
前記式(1)−2及び(2)−2中、Rは、単量体の重合時の反応性の観点から、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の芳香族複素環基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
前記式(2)−2中、Rは、単量体の重合時の反応性の観点から、水素原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアリールアルキルオキシ基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
前記式(1)−2で表される構成単位としては、下記式(1)−2−001〜(1)−2−017、(1)−2−101〜(1)−2−107及び(1)−2−201〜(1)−2−206で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
前記式(2)−2で表される構成単位としては、下記式(2)−2−001〜(2)−2−019、(2)−2−101〜(2)−2−107及び(2)−2−201〜(2)−2−206で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005955566
Figure 0005955566
Figure 0005955566
前記式(1)−2及び(2)−2で表される構成単位は、前記高分子化合物中に、それぞれ一種のみ含まれていても二種以上含まれていてもよい。
−前記式(A)、(B)及び(C)で表される配位子からなる群から選ばれる少なくとも1種の配位子を有する燐光性発光化合物から誘導される構成単位−
高分子化合物は、発光素子の作製における作業性の観点から、前述の燐光性発光化合物から誘導される構成単位を含んでいてもよい。前記高分子化合物が、前記燐光性発光化合物から誘導される構成単位を含む場合には、該高分子化合物は単独で、発光素子の作製に用いることができる。すなわち、該高分子化合物は、前記燐光性発光化合物との組成物ではなく、単独で発光素子の作製に用いることができる。
「前記式(A)、(B)及び(C)で表される配位子からなる群から選ばれる少なくとも1種の配位子を有する燐光性発光化合物から誘導される構成単位」としては、例えば、前記燐光性発光化合物の水素原子を1個除いた残りの残基を置換基として有する、アリーレン基又は2価の芳香族複素環基;前記燐光性発光化合物の水素原子を2個除いた残りの残基;前記燐光性発光化合物の水素原子を3個除いた残りの残基が挙げられる。前記構成単位が、前記燐光性発光化合物の水素原子を3個除いた残りの残基である場合、前記高分子化合物は、該構成単位において分岐する構造をとる。前記高分子化合物の全構成単位の合計モル数に対する、燐光性発光化合物から誘導される構成単位の合計モル数の割合は、通常、0.01〜0.3であり、本発明の組成物から得られる発光素子の発光効率の観点から、0.05〜0.3が好ましく、0.05〜0.2がより好ましく、0.1〜0.2が更に好ましい。
−高分子化合物中の構成単位の割合−
本発明の組成物に含まれる高分子化合物の例としては、以下の化合物EP−1〜EP−4が挙げられる。
Figure 0005955566
本発明の組成物に含まれる高分子化合物において、前記式(1)−2で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数の、前記式(1)−1で表される構成単位及び前記式(2)−1で表される構成単位の合計モル数に対する割合は、通常、0.1〜9.0であり、単量体の重合時の反応性の観点から、0.2〜5.0であることが好ましく、0.25〜1.0であることがより好ましい。
本発明の組成物に含まれる高分子化合物において、該組成物から得られる発光素子の駆動電圧の観点から、
が前記式(3)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、Rが前記式(3)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位、Rが前記式(4)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(4)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数の、
前記式(1)−1で表される構成単位、前記式(2)−1で表される構成単位、Rが前記式(3)で表される基及び前記式(4)で表される基のいずれでもない前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(3)で表される基及び前記式(4)で表される基のいずれでもない前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数に対する割合が、
0.1〜9.0であることが好ましく、0.2〜1.0であることがより好ましく、0.25〜1.0であることが更に好ましい。
本発明の組成物に含まれる高分子化合物において、該組成物から得られる発光素子の駆動電圧及び発光効率の観点から、
が前記式(3)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(3)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数の、
が前記式(4)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(4)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数に対する割合が、
0.1〜9.0であることが好ましく、0.2〜5.0であることがより好ましく、0.5〜2.0であることが更に好ましい。
前記式(1)−1で表される構成単位及び前記式(1)−2で表される構成単位は、高分子化合物中にそれぞれ1種ずつ以上含まれていればよく、いずれか一方又は両方が2種以上含まれていてもよい。
前記式(2)−1で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位は、高分子化合物に含まれ得る任意の構成単位であり、それぞれ1種ずつ以上が含まれ得る。前記式(2)−1で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位のうちの、一方又は両方が2種以上含まれていてもよい。
本発明の組成物に含まれる高分子化合物における各構成単位の存在形態は特に限定されない。同じ種類の構成単位同士が連続して結合していてもよく、また異なる種類の構成単位同士が結合していてもよい。
本発明の組成物から得られる発光素子の発光効率の観点からは、前記式(2)−1で表される構成単位同士、前記式(2)−2で表される構成単位同士、前記式(2)−1で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位同士が、実質的に隣り合わないことが好ましい。ここで、「実質的に隣り合わない」とは、全ての構成単位同士の結合の個数に対する、前記式(2)−1で表される構成単位同士が隣り合う結合の個数、前記式(2)−2で表される構成単位同士が隣り合う結合の個数、並びに前記式(2)−1で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位が隣り合う結合の個数の合計の割合が、0.05未満であることを意味する。
−その他−
本発明の組成物に含まれる高分子化合物は、線状ポリマー、分岐ポリマー、ハイパーブランチポリマー、環状ポリマー、櫛形ポリマー、星型ポリマー、網目ポリマー等の任意の形状のポリマーとなり得る。また高分子化合物は、前記任意の形状を有する、ホモポリマー、交互コポリマー、周期コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー等の任意の組成及び/又は規則性を有するポリマーでもよい。
本発明の組成物に含まれる高分子化合物の末端基は、重合活性基であると、該組成物を発光素子の作製に用いられる場合に、得られる発光素子の発光効率や寿命が低下する可能性があるので、安定な基が好ましい。この末端基は、主鎖と共役結合しているものが好ましく、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は1価の芳香族複素環基と結合しているものである。このアリール基、1価の芳香族複素環基としては、前記式(1)−1中のRで表されるアリール基、1価の芳香族複素環基として説明し例示したものと同じである。
本発明の組成物に含まれる高分子化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と言う)によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、通常、1×10〜1×10であり、好ましくは1×10〜1×10であり、より好ましくは1×10〜5×10である。また、前記高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、1×10〜1×10であり、成膜性、本発明の組成物から得られる発光素子の発光効率の観点から、好ましくは1×10〜5×10であり、より好ましくは3×10〜1×10であり、更に好ましくは3×10〜5×10である。GPCの分析条件としては、特に記載がない限りは、後述の実施例にて示す分析条件が挙げられる。
発光素子等を作製するためのプロセスに対する耐久性、発光素子の駆動中の発熱に対する安定性、耐熱性の観点から、本発明の組成物に含まれる高分子化合物のガラス転移温度は、70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
本発明の組成物に含まれる、燐光性発光化合物と高分子化合物の合計重量に対する、高分子化合物の重量の割合は、通常0.1〜0.99であり、該組成物から得られる発光素子の発光効率の観点から、0.5〜0.95であることが好ましく、0.6〜0.95であることがより好ましい。
本発明の組成物に含まれる、燐光性発光化合物と高分子化合物の合計重量に対する、高分子化合物の重量の割合は、通常0.01〜0.99であり、該組成物から得られる発光素子の発光効率の観点から、0.05〜0.5が好ましく、0.05〜0.4がより好ましい。
本発明の組成物には、前記燐光性発光化合物以外の燐光性発光化合物が含まれていてもよい。前記燐光性発光化合物以外の燐光性発光化合物の具体例としては、イリジウム原子を中心金属とする化合物(イリジウム錯体):Ir(ppy)(例えば、Appl.Phys.Lett.,(1999),75(1),4や、Jpn.J.Appl.Phys.,34,1883(1995)に記載);アメリカンダイソース社から市販されているADS066GE(商品名);BtpIr(acac)(例えば、Appl.Phys.Lett.,(2001),78(11),1622に記載);発光材料P〜発光材料U、白金原子を中心金属とする化合物(白金錯体):PtOEP(例えば、Nature,(1998),395,151に記載)、ユーロピウム原子を中心金属とする化合物(ユーロピウム錯体):Eu(TTA)phen等が挙げられ、これらのうち、イリジウム錯体が好ましい。
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本発明の組成物に、前記燐光性発光化合物以外の燐光性発光化合物が含まれることで、発光スペクトルを調整することが可能である。中でも、発光スペクトルピークが400nm〜500nmに存する本発明の燐光性発光化合物と、緑色領域に発光スペクトルピークを有する前記燐光性発光化合物以外の燐光性発光性化合物、及び、赤色領域に発光スペクトルピークを有する前記燐光性発光化合物以外の燐光性発光化合物の組み合わせであることで、得られる組成物は白色発光素子の作製に利用されることが可能となる。
<高分子化合物及び燐光性発光化合物以外の成分>
本発明の組成物は、前記高分子化合物及び前記燐光性発光化合物以外の成分として、正孔輸送材料、電子輸送材料及び燐光性発光化合物以外の発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含有していてもよい。なお、本発明の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料及び燐光性発光化合物以外の発光材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、「正孔輸送材料、電子輸送材料及び燐光性発光化合物以外の発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料」と「前記高分子化合物及び前記燐光性発光化合物」との比率は、「前記高分子化合物及び前記燐光性発光化合物」の合計を100重量部とした場合、「正孔輸送材料、電子輸送材料及び燐光性発光化合物以外の発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料」の割合は、各材料ごとに、通常、0.01〜400重量部であり、好ましくは0.05〜150重量部である。
正孔輸送材料は、有機EL素子の正孔輸送材料として公知の材料であればよい。正孔輸送材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;ポリシラン及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体;ピラゾリン誘導体;アリールアミン誘導体;スチルベン誘導体;ポリアニリン及びその誘導体;ポリチオフェン及びその誘導体;ポリアリールアミン及びその誘導体;ポリピロール及びその誘導体;ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体;ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体、が挙げられる。正孔輸送材料は、アリーレン基、2価の芳香族複素環基等を共重合成分(構成単位)として有していてもよい。
電子輸送材料は、有機EL素子の電子輸送材料として公知の材料であればよい。電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、トリアリールトリアジン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、が挙げられる。電子輸送材料は、アリーレン基、2価の芳香族複素環基等を共重合成分(構成単位)として有していてもよい。
電子輸送材料としては、本発明の組成物を用いて得られる発光素子の駆動電圧の観点から、下記式(5)で表される構造を有する電子輸送材料が好ましい。
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式(5)中、R10は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。3個存在するR10は同一でも異なっていてもよい。
発光材料は、燐光性発光化合物以外の発光材料であればよく、例えば、蛍光発光性化合物が挙げられる。蛍光発光性化合物には、低分子蛍光材料、高分子蛍光材料がある。低分子蛍光材料は、通常、400nm〜700nmの波長範囲に蛍光発光の極大ピークを有する材料であり、その分子量は、通常、3000未満であり、好ましくは100〜2000であり、より好ましくは100〜1000である。
低分子蛍光材料は、有機EL素子の発光材料として公知の材料であればよい。低分子蛍光材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、キナクリドン誘導体、キサンテン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、オリゴチオフェン誘導体等の色素系材料;アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等、中心金属に、Al、Zn、Be等又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等の金属錯体系材料が挙げられる。
高分子蛍光材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記低分子蛍光材料において例示した色素系材料を含む色素体が挙げられる。
なお、本発明の組成物において、前記高分子化合物等の各成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
<液状組成物>
本発明の組成物は、溶媒をさらに含有する液状組成物であってもよい。本発明の液状組成物は、印刷法等に有用であり、一般に、インク、インク組成物等と呼ぶことがある。本発明の液状組成物において用いられる溶媒は、必要に応じて、安定剤、増粘剤(粘度を高めるための高分子量の化合物)、粘度を低くするための低分子量の化合物、界面活性剤、酸化防止剤、本発明の高分子化合物以外の高分子量の化合物等を含んでいてもよい。なお、本発明の液状組成物に含まれる各成分は、各々、一種単独であっても二種以上の組み合わせであってもよい。
本発明の液状組成物における本発明の組成物の割合は、液状組成物全体を100重量部としたとき、通常、0.1重量部〜99重量部であり、好ましくは0.5重量部〜40重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜20重量部である。
本発明の液状組成物の粘度は、本発明の液状組成物をどの印刷法に用いるかにより調整すればよい。該印刷法が、インクジェットプリント法等の、液状組成物が吐出装置を経由する印刷法の場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために、25℃における液状組成物の粘度が、1mPa・s〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
前記増粘剤は、本発明の液状組成物において用いられる溶媒に可溶性であり、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよい。増粘剤としては、高分子量のポリスチレン、高分子量のポリメチルメタクリレート等の化合物を用い得る。前記増粘剤の、ポリスチレン換算の重量平均分子量が5×10以上であることが好ましく、1×10以上であることがより好ましい。
前記酸化防止剤は、前記液状組成物の保存安定性を向上させるためのものである。酸化防止剤は、本発明の組成物と同じ溶媒に可溶性であり、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤が挙げられる。
本発明の液状組成物を構成する溶媒は、溶質である固形分を溶解できる溶媒、又は該固形分を均一に分散できる溶媒が好ましい。前記溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジ(メチルオキシ)エタン、プロピレングリコール、ジ(エチルオキシ)メタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。
前記溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。前記液状組成物の成膜性、前記液状組成物から得られる発光素子の素子特性等の観点から、2種以上を併用することが好ましく、2〜3種を併用することがより好ましく、2種を併用することが特に好ましい。
本発明の液状組成物に2種の溶媒が含まれる場合、それらのうちの1種の溶媒は25℃において固体状態のものでもよい。また、前記液状組成物の成膜性の観点から、それらのうちの1種の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であることが好ましく、200℃以上の溶媒であることがより好ましい。また、前記液状組成物の粘度の観点から、2種の溶媒のいずれにも60℃において1重量%以上の濃度で本発明の高分子化合物が溶解することが好ましく、2種の溶媒のうちの1種の溶媒には、25℃において1重量%以上の濃度で本発明の組成物が溶解することが好ましい。
本発明の液状組成物に2種以上の溶媒が含まれる場合、前記液状組成物の粘度及び成膜性の観点から、沸点が最も高い溶媒の割合が、該液状組成物中の全溶媒の重量の40〜90重量%であることが好ましく、50〜90重量%であることがより好ましく、65〜85重量%であることが更に好ましい。
本発明の液状組成物には、更に、水、金属及びその塩、ケイ素、リン、フッ素、塩素、臭素等が、重量基準で1ppm〜1000ppmの範囲で含まれていてもよい。前記金属としては、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガン、コバルト、白金およびイリジウムが挙げられる。
<薄膜>
本発明の薄膜は、本発明の組成物を含有するものであり、発光性薄膜、導電性薄膜である。
本発明の薄膜は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、キャピラリーコート法、ノズルコート法等の方法で作製し得る。
本発明の液状組成物を用いて薄膜を作製する場合、該液状組成物に含まれる高分子化合物のガラス転移温度にもよるが、通常、100℃以上の温度(例えば、130℃、160℃)でベークして作製し得る。
前記薄膜の発光量子収率は、素子の輝度、発光電圧の観点から、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
前記薄膜の表面抵抗は、1KΩ/□以下であることが好ましく、100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることが更に好ましい。薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物等をドープすることにより、電気伝導度を高め得る。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に設けられた、本発明の組成物を含有する層とを有する発光素子である。
本発明の発光素子は、陰極及び陽極の間に通常、発光層として機能する層(以下、単に「発光層」と言う。)を有している。前記電極間には、該発光層に限らずその他の層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層)を有していてもよい。前記電極間の各層は、一層からなるものであっても、二層以上からなるものであってもよい。また、各層を構成する材料・化合物は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。本発明の発光素子においては、前記各層が二層以上である場合には、少なくとも一層が前記組成物を含有していればよく、二層以上が前記組成物を含有していてもよい。また、前記組成物を含有する層は、通常上記したいずれの層としても機能するが、通常は発光層、正孔輸送層、電子ブロック層として機能し得るものであり、好ましくは発光層として機能する。
前記陽極と発光層との間に設けられ得る層としては、正孔注入層、正孔輸送層及び電子ブロック層が挙げられる。前記陽極と発光層との間に設けられる層が一層である場合には、その層は正孔注入層であり、前記陽極と発光層との間に設けられる層が二層以上である場合には、陽極に接している層が正孔注入層であり、それ以外の層が正孔輸送層である。
前記正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。前記正孔輸送層は、正孔注入層又は陽極により近い層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。正孔注入層又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合、その層は電子ブロック層とも称されることがある。電子の輸送を堰き止める機能を有することは、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認し得る。
前記陰極と発光層との間に設けられ得る層としては、電子注入層、電子輸送層及び正孔ブロック層が挙げられる。前記陰極と発光層との間に設けられる層が一層のみの場合には、その層は電子注入層であり、前記陰極と発光層との間に二層以上設けられた場合には、陰極に接している層が電子注入層であり、それ以外の層が電子輸送層である。前記電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。前記電子輸送層は、電子注入層又は陰極により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。電子注入層又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、その層は正孔ブロック層とも称されることがある。正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、正孔(ホール)電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認し得る。
本発明の発光素子の構造としては、以下のa)〜d)の構造が挙げられる。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
電極に隣接して設けた正孔輸送層及び電子輸送層のうち、電極からの電荷(正孔・電子)注入効率を改善する機能を有し、発光素子の駆動電圧を低下させる効果を有するものは、電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と称されることがある。
更に、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して、前記電荷注入層、又は絶縁層を設けてもよい。また、界面の密着性向上や混合の防止等のために、前記電荷輸送層や発光層の界面に、薄いバッファー層を挿入してもよい。電極間に積層する層の順番や数、及び各層の厚さは、発光素子の発光効率や素子寿命を勘案して調整すればよい。
電荷注入層を設けた本発明の発光素子の構造としては、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
本発明の発光素子は、通常、基板を用いて形成される。基板の一方の面には電極が形成され、他方の面に素子の各層を形成する。上記基板としては、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材質の基板、高分子フイルムの基板が挙げられる。
本発明の発光素子に含まれる陽極及び陰極は、通常、透明又は半透明であるが、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極は、通常、透明又は半透明であり、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜から構成され、それらの中でも透過率が高い材料から構成されることが好ましい。前記陽極の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性無機化合物;金、白金、銀、銅等の金属;ポリアニリン及びその誘導体;ポリチオフェン及びその誘導体、が挙げられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド又は酸化スズであることが好ましい。前記導電性無機化合物はNESA膜として陽極を構成しうる。また、ポリアニリン及びその誘導体やポリチオフェン及びその誘導体は、有機の透明導電膜を構成しうる。
前記陽極の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等の方法を用い得る。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択すればよく、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは40nm〜500nmである。
正孔注入層に用いられる材料としては例えば、フェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、フタロシアニン系化合物;酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物;アモルファスカーボン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、及びその他の導電性高分子が挙げられる。
正孔注入層に用いられる材料が導電性高分子である場合、該導電性高分子の電気伝導度を向上させるために、必要に応じて、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等のアニオンをドープしてもよい。
正孔輸送層に用いられる材料の例としては、前記正孔輸送材料として説明し例示したものが挙げられる。正孔輸送層に用いられる材料が低分子化合物である場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
本発明の発光素子において、本発明の組成物を含有する層が正孔輸送層である場合は、本発明の組成物に含まれる高分子化合物が、正孔輸送性基(例えば、置換アミノ基、チエニル基等)を該高分子化合物の構成単位及び/又は置換基として含むことが好ましい。
正孔輸送層に用いられる材料としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアリールアミン及びその誘導体のほか、又は、本発明の組成物が好ましい。
正孔輸送層の形成方法としては、前記正孔輸送層に用いられる材料が低分子化合物である場合には、該低分子化合物と高分子バインダーとの混合溶液からの成膜が挙げられ、高分子化合物である場合には、該高分子化合物の溶液からの成膜が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、正孔輸送層に用いられる材料を溶解させるものであればよい。該溶媒として例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、が挙げられる。
溶液からの成膜は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法により行い得る。
前記高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましい。また前記高分子バインダーは、可視光に対する吸収が強くないものが好適である。前記高分子バインダーとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリシロキサンが挙げられる。
正孔輸送層の厚さは、発光素子の駆動電圧と発光効率を考慮して調整すればよいが、ピンホールが発生するおそれがない厚さであることが好ましい。厚過ぎると、発光素子の駆動電圧が高くなることがある。従って、正孔輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
発光層は、通常、蛍光又は燐光を発する有機化合物(低分子化合物、高分子化合物)と、必要に応じてこれを補助するドーパントとから形成される。本発明の発光素子における発光層に本発明の組成物が含まれることが好ましい。前記発光層に本発明の組成物が含まれる場合には、該組成物と共に、前記した、燐光性発光化合物以外の発光材料が含まれ得る。該発光材料が低分子化合物である場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
発光層には、発光素子の発光効率を向上させたり、発光素子の発光波長を変化させたりするために、ドーパントを添加してもよい。ドーパントとしては例えば、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン及びフェノキサゾンを挙げ得る。
発光層の厚さは、発光素子の駆動電圧と発光効率を考慮して選択すればよいが、通常、2nm〜200nmである。
発光層の形成には、発光層に用いられる材料を含む溶液を基体の上又は上方に塗布する方法、真空蒸着法、転写法等の方法を用い得る。前記溶液の調製に用いる溶媒は、正孔輸送層の溶液からの成膜の項で説明し例示したものと同じである。発光材料を含む溶液を基体の上又は上方に塗布する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スリットコート法等の印刷法が挙げられる。発光材料が昇華性の低分子化合物の場合は、真空蒸着法を用いることが好ましい。前記転写法とは、レーザーによる転写や熱転写により、所望の位置に発光層を形成する方法である。
電子輸送層に用いられる材料としては、本発明の組成物及び前記電子輸送材料が挙げられる。
本発明の組成物が電子輸送層に用いられる場合は、本発明の組成物に含まれる高分子化合物が、電子輸送性基(オキサジアゾール基、オキサチアジアゾール基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、トリアジル基等)を該高分子化合物の構成単位及び/又は置換基として含むことが好ましい。
電子輸送層に用いられる材料としては、本発明の組成物、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が好ましい。
電子輸送層の形成方法としては、前記電子輸送層に用いられる材料が低分子化合物である場合には、粉末からの真空蒸着法、及び、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、前記電子輸送層に用いられる材料が高分子化合物である場合には、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。溶液又は溶融状態からの成膜の場合には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液からの成膜は、前記溶液から正孔輸送層を成膜する方法と同じにすればよい。
電子輸送層の厚さは、発光素子の駆動電圧と発光効率を考慮して調整すればよいが、ピンホールが発するおそれがない厚さであることが好ましい。厚過ぎると、発光素子の駆動電圧が高くなることがある。従って、電子輸送層の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmである。
電子注入層としては、Ca層の単層構造からなる電子注入層;周期表1族及び2族から選ばれる金属(ただしCaを除く)であり、かつ仕事関数が1.5〜3.0eVの金属、該金属の酸化物、該金属のハロゲン化物、及び該金属の炭酸化物、から選ばれる1種又は2種以上で形成された層と、Ca層との積層構造からなる電子注入層、が挙げられ、これらのいずれかを発光層の種類に応じて適宜選択し得る。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期表1族の金属、該金属の酸化物、該金属のハロゲン化物、及び該金属の炭酸化物の例としては、リチウム、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム及び炭酸リチウムが挙げられる。また、仕事関数が1.5〜3.0eVの、Caを除いた周期表2族の金属、該金属の酸化物、該金属のハロゲン化物及び該金属の炭酸化物の例としては、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム及び炭酸マグネシウムが挙げられる。
電子注入層の形成方法の例としては、蒸着法、スパッタリング法および印刷法が挙げられる。電子注入層の厚さは、1nm〜1μmが好ましい。
陰極の材料は、仕事関数の小さく発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属;上記金属のうち2種以上の合金;上記金属及び合金のうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;グラファイト又はグラファイト層間化合物、が挙げられる。前記合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
前記陰極は、2層以上の積層構造であってもよい。該積層構造は、前記金属、前記の金属金属酸化物、前記金属の金属フッ化物、及びこれらの合金から選ばれる1又は2以上の層と、アルミニウム、銀、クロム等の金属の層との積層構造であることが好ましい。
前記陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して選択すればよく、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは50nm〜500nmである。
前記陰極の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等の方法が用いられ得る。陰極作製後、発光素子の周囲の一部又は全部に、保護層及び/又は保護カバーを装着していてもよい。発光素子を長期安定的に用いるためには、該発光素子を外部から保護することが好ましく、保護層及び/又は保護カバーを発光素子に装着することがより好ましい。
保護層としては、高分子量の化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等の材料から形成される層が挙げられる。保護層は、例えば陰極側に装着し得る。保護カバーとしては、金属板、ガラス板及び表面に低透水率処理を施したプラスチック板が挙げられる。保護カバーの装着方法としては、保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が挙げられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、発光素子の損傷を防ぐことが容易である。該空間には、窒素、アルゴン等の不活性ガスの封入や、酸化バリウム等の乾燥剤の設置を行ってもよく、これらのいずれかを行うことが好ましい。不活性ガスの封入により、陰極の酸化を防止し得る。また、乾燥剤の設置により、製造工程で吸着した水分又は硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分による発光素子の損傷を容易に抑制し得る。
本発明の発光素子は、面状光源、表示装置(セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置)、液晶表示装置のバックライト等として用い得る。本発明の発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得る方法としては、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法;非発光部の層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法;陽極若しくは陰極の一方、又は両方の電極をパターン状に形成する方法、が挙げられる。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。更に、ドットマトリックスタイプの表示装置とするためには、発光素子の作製にあたり陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックスタイプの表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。前記表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用い得る。更に、前記面状光源は、自発光薄型の面状光源として、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、面状の照明用光源等として好適に用い得る。また、フレキシブルな基板を用いて得られる本発明の発光素子は、曲面状の光源や表示装置としても使用し得る。
以下、本発明を詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
数平均分子量及び重量平均分子量は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量として求めた。SECのうち移動相が有機溶媒である場合をゲル浸透クロマトグラフィー(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、GPC)と言う。なお、該GPCの分析条件として、下記の分析条件に示す方法を用いた。
[分析条件]
測定試料は、約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、GPC(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)に10μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを2.0mL/分の流量で流した。カラムは、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器は、UV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
LC−MSの測定は、下記の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に1μL注入した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン及びそれらの混合液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
TLC−MSの測定は、下記の方法で行った。測定試料をクロロホルム、トルエン又はテトラヒドロフランに溶解させて、得られた溶液を予め切断したTLCガラスプレート(メルク製、商品名:Silica gel 60 F254)の表面に少量塗布した。これをTLC−MS(日本電子製、商品名:JMS−T100TD)にて、240〜350℃に加熱したヘリウムガスを用いて測定した。
NMRの測定は、特に記載のない限りは、測定試料5〜20mgを約0.5mLの重クロロホルムに溶解させて、NMR(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:MERCURY 300)を用いて行った。
<合成例1>(化合物M−1の合成)
Figure 0005955566
300ml四つ口フラスコに、1,4−ジヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン8.08g、ビス(ピナコレート)ジボロン12.19g、及び酢酸カリウム11.78gを仕込み、フラスコ内の気体をアルゴンガスで置換した。そこに、脱水1,4−ジオキサン100mlを仕込み、アルゴンで脱気した。そこに、〔1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン〕ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl)0.98gを仕込み、更にアルゴンで脱気した。得られた混合液を6時間加熱還流させた。反応溶液に、トルエンを加え、イオン交換水で洗浄した。洗浄した有機層に、無水硫酸ナトリウム及び活性炭を加え、セライトをプレコートした漏斗でろ過した。得られたろ液を濃縮し、こげ茶色の結晶11.94gを得た。この結晶をn−ヘキサンで再結晶し、メタノールで結晶を洗浄した。得られた結晶を減圧乾燥させ、4.23gの化合物M−1の白色針状結晶を得た。収率は42%であった。
H−NMR及びLC−MSによる化合物M−1の分析結果を、それぞれ以下に示す。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=0.88(t、6H)、1.23−1.40(m、36H)、1.47−1.56(m、4H)、2.81(t、4H)、7.52(s、2H).
LC−MS(ESI、positive)m/z=573 [M+K]
<合成例2>(化合物M−2の合成)
Figure 0005955566
アルゴンガス雰囲気下、ディーンスターク脱水装置を取り付けた200mlフラスコ中、3,5−ジブロモ−4−メチルアニリン(5.30g、20.0mmol)、塩化銅(I)(0.99g、10mmol)、1,10−フェナントロリン(1.80g、10mmol)、水酸化カリウム(8.98g、160mmol)、4−tert−ブチルヨードベンゼン(16.1g、62mmol)及び脱水トルエン(40ml)を混合し、130℃の油浴にて加熱しながら約8時間攪拌下で還流しながら脱水した。トルエン(200ml)で希釈し、室温まで冷却した後に、セライトを敷いたろ過器に通液することにより、不溶物をろ別した。ろ液に活性白土(和光純薬社製、40g)を加え、室温にて1時間攪拌した後に固体をろ別する操作を3回繰り返した後にろ液を濃縮し、ヘキサンを加えることで固体を析出させ、ろ取した。得られた固体をトルエン−メタノールで再結晶し、更にトルエン−エタノールで再結晶し、続いて、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)にて精製した後に、再度トルエン−メタノールで再結晶することにより、目的物である化合物M−2(5.70g、HPLC面積百分率(紫外線波長254nm)で>99.9%、収率54%)を白色結晶として得た。
H−NMRによる化合物M−2の分析結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz、THF−d):δ(ppm)=1.33(s、18H),2.49(s、3H),7.01(d、4H)、7.16(s、2H)、7.36(d、4H).
<合成例3>(化合物M−3の合成)
Figure 0005955566
(工程(3a))
アルゴンガス雰囲気下、1000mlフラスコ中、3,5−ジブロモ−4−メチルアニリン(47.0g、177mmol)、35重量%塩酸(111ml)及びイオン交換水(111ml)を混合し、氷浴にて冷却したところに、亜硝酸ナトリウム(12.9g、186mmol)をイオン交換水(約130ml)に溶解した溶液を約30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて約1時間攪拌した後に、再度氷浴にて冷却してから、ヨウ化カリウム(30.9g、186mmol)をイオン交換水(約130ml)に溶解した溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて約3時間攪拌した後、別途、調製した10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(約1200ml)に攪拌しながらゆっくりと加えた。酢酸エチル(約1000ml)を加え抽出し、有機層を10重量%亜硫酸ナトリウム水溶液(約450ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(50g)で乾燥させ、ろ過、ろ液を濃縮することにより、粗生成物(77g)を得た。上記粗生成物をアセトン(750ml)に溶解させ、活性炭(10g)を加え攪拌した後に、ろ過、ろ液を濃縮した。
再度、アセトン(750ml)に溶解させ、活性炭(20g)を加え攪拌した後に、ろ過、ろ液を濃縮し、析出した固体を減圧乾燥させることにより、黄褐色固体(約50g)を得た。得られた固体をヘキサンに溶解させ、エタノールを加えることにより晶析し、得られた結晶をろ取、減圧乾燥させることにより、中間体2,6−ジブロモ−4−ヨードトルエン(28.4g、収率43%、化合物M3a)を白色結晶として得た。
H−NMRによる化合物M3aの分析結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=2.51(s、3H)、7.83(s、2H).
(工程(3b))
アルゴンガス雰囲気下、1000mlフラスコ中、化合物M3a(22.6g、60.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン(300ml)に溶解させた溶液に、室温にて、イソプロピルマグネシウムクロライドのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製、濃度2.0M、60ml)を10分かけて滴下し、室温にて1時間攪拌した。氷浴にて冷却した後に、2−イソプロピルオキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(22.3g、120mmol)を加え、室温にて2時間攪拌した後に、再度氷浴にて冷却してから0.1規定塩酸(180ml)を滴下した。酢酸エチル(360ml)で抽出し、有機層を15重量%食塩水(180ml)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、メタノールを加えることで、固体を析出させた。析出した固体をろ取、減圧乾燥させることにより、中間体2,6−ジブロモ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン(16.3g、収率72%、化合物M3b)を白色結晶として得た。
H−NMRによる化合物M3bの分析結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=1.33(s、12H)、2.58(s、3H)、7.90(s、2H).
(工程(3c))
アルゴンガス雰囲気下、1000mlフラスコ中、4−ブロモ−tert−ブチルベンゼン(125g、587mmol)を脱水テトラヒドロフラン(470ml)に溶解させ、−70℃に冷却したところに、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.6M、367mL、587mmol)を90分間かけて滴下し、続いて2時間攪拌することにより、4−tert−ブチルフェニルリチウム/テトラヒドロフラン溶液を調製した。
別途、アルゴンガス雰囲気下、2000mlフラスコ中、塩化シアヌル(50.8g、276mmol)を脱水テトラヒドロフラン(463mL)に溶解させ、−70℃に冷却した。これに、先に調製した4−tert−ブチルフェニルリチウム/テトラヒドロフラン溶液全量を内温が−60℃以下を保持する速度で滴下した。滴下終了後、−40℃で4時間、続いて室温で4時間攪拌した。得られた反応混合物にイオン交換水(50ml)をゆっくりと加えた後に、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にイオン交換水(約1000ml)とクロロホルム(約2000ml)を加えて有機層を抽出し、更にイオン交換水(約1000ml)で有機層を洗浄した後に溶媒を減圧留去した。得られた残渣にアセトニトリル(600ml)を加え、加熱還流下で攪拌した後に、熱時ろ過により不溶物をろ別した。ろ液を約100mlまで減圧濃縮し、更に70℃に冷却させることにより固体を析出させ、ろ取した。得られた固体をクロロホルム(200mL)/ヘキサン(600mL)混合溶媒に溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン)で精製し、更にアセトニトリルから再結晶することにより、目的物である、中間体4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−2−クロロ−1,3,5−トリアジン(41.3g、109mmol、収率39%、化合物M3c)を白色結晶として得た。
H−NMR及びLC−MSによる化合物M3cの分析結果を、それぞれ以下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=1.39(s、18H)、7.56(d、4H)、8.54(d、4H).
LC/MS(APPI,positive) m/z=380[M+H]
(工程(3d))
窒素ガス雰囲気下、200mlフラスコ中、化合物M3b(7.52g、20.0mmol)、化合物M3c(9.12g、24.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.32g、2.0mmol)、炭酸銀(16.5g、60mmol)及び脱水テトラヒドロフラン(160ml)を混合し、遮光下、加熱還流下で33時間攪拌した。反応終了後、トルエン(400ml)で希釈した後に不溶物をろ別した。ろ液を濃縮し、アセトニトリル(200ml)を加え、還流下で1時間攪拌した後に、室温まで冷却し、析出した固体をろ取、減圧乾燥させることにより、粗生成物を得た。中圧シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=98/2〜70/30)で精製した後に、トルエン−アセトニトリルで再結晶を3回繰り返すことにより、目的物である化合物M−3(2.46g、HPLC面積百分率(紫外線波長254nm)で99.6%、収率21%)を白色結晶として得た。
H−NMRによる化合物M−3の分析結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz、THF−d):δ(ppm)=1.43(s、18H)、2.68(s、3H)、7.65(d、4H)、8.67(d、4H)、8.89(s、2H).
<合成例4>化合物(B−1)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
塩化ベンゾイル3mL(26mmol)とブチルイミド酸エチル塩酸塩3.9g(26mmol)を秤量し、クロロホルム300mLに溶解させて窒素雰囲気下に置いた。その後、トリエチルアミン7.2mL(52mmol)のクロロホルム溶液25mLを滴下し、室温窒素雰囲気下で撹拌した。15時間後、溶媒のクロロホルムを濃縮してから水200mLに懸濁させて、これをジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を減圧濃縮し、淡黄色の液体として化合物(B1a)5.3g(24mmol)を得た。
<stage2>
化合物(B1a)5.3g(24mmol)をクロロホルム200mLに溶解させて窒素雰囲気下に置いた。そこへ、メチルヒドラジン1.2mL(26mmol)と水0.5mLを含むクロロホルム溶液25mLを室温窒素下で滴下した。滴下後、室温窒素雰囲気下で15時間撹拌し、水100mLを加えて反応を止めた。分液ロートに反応溶液を移し、水洗後油層を回収して濃縮した。シリカゲルカラムに粗生成物を通し、ジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶媒で精製した。溶離液を濃縮し無色の液体として化合物(B1b)を2.9g、収率60%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.75(m,3H)、7.66(m,2H)、3.93(s,3H)、2.73(t,2H)、1.82(hex,2H)、1.02(t,3H).
<stage3>
塩化イリジウム350mg(1.0mmol)と化合物(B1b)440mg(2.2mmol)を秤量し、2−エトキシエタノール10mLと水5mLを加えてから窒素雰囲気下に置き、15時間加熱還流した。放冷後、反応溶媒を濃縮し、残渣に水とジクロロメタンを加えて油層を洗浄した。油層を回収し、濃縮乾燥後、黄色油状物質として化合物(B1c)を660mg得た。
<stage4>
化合物(B1c)625mg(0.5mmol)と化合物(B1b)1.0g(5.0mmol)を秤量し、トリフルオロメタンスルホン酸銀260mgを加えて反応系内をアルゴンガスで置換した。165℃で15時間加熱反応させてから放冷し、ジクロロメタン15mLを注いだ。懸濁液を吸引ろ過してから、シリカゲルカラムに通してジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。黄色粉末として、化合物(B−1)[fac−トリス(1−メチル−3−プロピル−5−フェニル−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]630mgを収率80%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.50(d,3H)、6.88(t,3H)、6.80(t,3H)、6.63(d,3H)、4.11(s,9H)、2.18(hep,3H)、1.87(hep,3H)、1.38−1.30(m,3H)、1.18−1.10(m,3H)、0.68(t,9H).
<合成例5>化合物(B−4)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
塩化−4−トリフルオロメチルベンゾイル6.2g(30mmol)とブチルイミド酸エチル塩酸塩4.5g(30mmol)を秤量し、クロロホルム300mLに溶解させて窒素雰囲気下に置いた。その後、トリエチルアミン8.4mL(60mmol)のクロロホルム溶液25mLを滴下し、室温窒素雰囲気下で撹拌した。15時間後、溶媒のクロロホルムを濃縮してから水200mLに懸濁させて、これをジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を減圧濃縮し、淡黄色の液体として化合物(B4a)8.0g(28mmol)を得た。この化合物はこれ以上精製せず用いた。
<stage2>
化合物(B4a)8.0g(28mmol)をクロロホルム200mLに溶解させて窒素雰囲気下に置いた。そこへ、メチルヒドラジン1.6g(35mmol)と水0.7mLを含むクロロホルム溶液25mLを室温窒素下で滴下した。滴下後、室温窒素雰囲気下で15時間撹拌し、水100mLを加えて反応を止めた。分液ロートに反応溶液を移し、水洗後油層を回収して濃縮した。シリカゲルカラムに粗生成物を通し、ジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶媒で精製した。溶離液を濃縮し無色の液体として化合物(B4b)を4.8g、収率64%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.80(m,4H)、3.97(s,3H)、2.74(t,2H)、1.83(hex,2H)、1.02(t,3H).
<stage3>
塩化イリジウム350mg(1.0mmol)と化合物(B4b)590mg(2.2mmol)を秤量し、2−エトキシエタノール10mLと水5mLを加えてから窒素雰囲気下に置き、15時間加熱還流した。放冷後、反応溶媒を濃縮し、残渣に水とジクロロメタンを加えて油層を洗浄した。油層を回収し、濃縮乾燥後、黄色油状物質として化合物(B4c)を820mg得た。
<stage4>
化合物(B4c)760mg(0.5mmol)と化合物(B4b)1.35g(5.0mmol)を量りとりトリフルオロメタンスルホン酸銀260mgを加えて反応系内をアルゴン置換した。165℃で15時間加熱反応させてから放冷し、ジクロロメタン15mLを注いだ。懸濁液を吸引ろ過してから、シリカゲルカラムに通してジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。黄色粉末として、化合物(B−4)[fac−トリス(1−メチル−3−プロピル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]900mgを収率90%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.58(d,3H)、7.18(d,3H)、6.75(s,3H)、4.23(s,9H)、2.21(hep,3H)、1.85(hep,3H)、1.45−1.29(m,3H)、1.22−1.07(m,3H)、0.70(t,9H).
<合成例6>化合物(C−3)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
化合物(B−4)の合成stage1に記載の方法で、化合物(C3a)を得た。
<stage2>
化合物(C3a)3.0g(10mmol)をクロロホルム60mLに溶解させて窒素雰囲気下に置いた。そこへ、ヒドラジン水和物0.55mL(11mmol)を室温窒素下で滴下した。滴下後、室温窒素雰囲気下で17時間撹拌し、水50mLを加えて反応を止めた。分液ロートに反応溶液を移し、水洗後油層を回収して濃縮した。粗生成物トルエン−ヘキサンから再結晶し、白色固体として化合物(C3b)を2.1g、収率82%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.15(d,2H)、7.66(d,2H)、2.78(t,2H)、1.82(hex,2H)、0.94(t,3H).
<stage3>
化合物(C3b)720mg(2.8mmol)、3,5−ジフェニルフェニルボロン酸1.6g(5.8mmol)、酢酸銅(II)810mg(4.5mmol)と3Aモレキュラーシーブス(和光純薬社製)10gを秤量し、ジクロロメタン20mLとピリジン10mLを加えて、48時間室温撹拌した。その後、ジクロロメタン50mLを注ぎ、懸濁液を吸引ろ過した。ろ液を濃縮してからジクロロメタンに溶解させ、水100mLで洗浄した。油層を乾燥後シリカゲルカラムに通し、ジクロロメタンで分離精製した。白色固体として化合物(C3c)を750mg、収率55%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.30(d,2H)、7.92(t,1H)、7.71−7.66(m,8H)、7.49(t,4H)、7.41(t,2H)、2.91(t,3H)、1.90(hex,2H)、1.01(t,3H).
<stage4>
塩化イリジウム100mg(0.28mmol)と化合物(C3c)280mg(0.58mmol)を秤量し、2−エトキシエタノール12mLと水4mLを加えて窒素雰囲気下に置いた。この混合物を12時間加熱還流し、放冷後、反応溶媒を減圧濃縮した。粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、洗浄し、有機層を濃縮乾燥して粉末状黄色固体を240mg得た。この粉末状黄色固体180mgと化合物(C3c)270mg(0.56mmol)を秤量し、アルゴン雰囲気下でトリフルオロメタンスルホン酸銀42mg(0.16mmol)を加えた。アルゴン雰囲気下で166℃に加熱し61時間反応させた。放冷後、ジクロロメタン15mLを加えてから吸引ろ過した。ろ液に水、ジクロロメタンを加えて油層を洗浄した。油層を乾燥後、シリカゲルカラムに通して、ジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶液で分離精製した。溶離液を濃縮し、ジクロロメタン−ヘキサンから再結晶を行った。淡黄色の黄色針状結晶として化合物(C−3)[fac−トリス(1−(3,5−ジフェニルフェニル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)−5−プロピル−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]を120mg、収率65%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.93(d,1H)、7.92(s,1H)、7.84(t,1H)、7.75(d,1H)、7.65−7.61(m,7H)、7.56−7.42(m,20H)、7.39−7.31(m,4H)、7.27−7.25(m,4H)、7.20−7.19(m,4H)、7.12(dd,1H)、6.80(s,2H)、6.71(t,1H)、6.62(d,1H)、2.80−2.72(m,1H)、2.64−2.49(m,3H)、2.12−1.95(m,2H)、1.76(hex,2H)、1.14−1.02(m,2H)、0.89(m,5H)、0.68(t,3H)、0.41(t,3H).
<合成例7>化合物(A−14)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
化合物(B−4)の合成stage1に記載の方法で、化合物(A14a)を得た。
<stage2>
化合物(C−3)の合成stage2に記載の方法で、化合物(A14b)を得た。
<stage3>
化合物(A14b)20g(80mmol)、3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニルボロン酸41g(107mmol)、酢酸銅(II)24.4g(135mmol)と3Aモレキュラーシーブス(和光純薬社製)50gを秤量し、ジクロロメタン1Lとピリジン50mLを加えて、60時間室温撹拌した。60時間後、懸濁液を吸引ろ過しジクロロメタン500mLで洗浄した。ろ液を濃縮してからジクロロメタンに溶解させ、水300mLで数回洗浄した。油層を乾燥後シリカゲルカラムに通し、ジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒で分離精製した。得られた化合物をメタノール−テトラヒドロフランの混合溶媒から再結晶を行い、淡黄色固体として化合物(A14c)を15g(25mmol)、収率31%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/(CDCO):δ(ppm)=8.24 (d,2H)、7.94(t,1H)、7.72(d,2H)、 7.70 (d,2H)、7.65(d,4H)、7.44(dt,4H)、2.85(t,2H)、1.76(td,2H)、1.24(s,18H)、0.87(t,3H).
<stage4>
塩化イリジウム290mg(0.82mmol)と化合物(A14c)1.23g(2.1mmol)を秤量し、水6mLと2−ブトキシエタノール18mLを加えてアルゴン雰囲気下、15時間加熱還流した。放冷後、反応溶媒を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させて洗浄した。油層を濃縮、乾燥しジクロロメタン−ヘキサンより再結晶を行った。粉末状黄色固体として1.2gを得た。この粉末状黄色固体1.2gと化合物(A14c)2.44g(4.1mmol)を秤量し、アルゴン雰囲気下でトリフルオロメタンスルホン酸銀210mg(0.82mmol)を加えてからジエチレングリコールジメチルエステル6mLを注いだ。アルゴン雰囲気下で24時間加熱還流した後、放冷した。反応混合物にジクロロメタン20mLを注ぎ吸引ろ過後、ろ液を濃縮、乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラムに通して、ジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒を用いて分離精製した。溶離液を濃縮後メタノール−テトラヒドロフランより再結晶を行い、次いでジクロロメタン−ヘキサンより再結晶した。淡黄色結晶として、化合物(A−14)[fac−トリス(1−(3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニル)−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)−5−プロピル−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]を680mg(0.34mmol)、収率42%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm) 7.90(t,3H)、7.83(d,3H)、7.59(d,6H)、7.55(dd,12H)、7.48(dd,12H)、7.19(dd,3H)、6.86(d,3H)、2.60(dt,3H)、2.44(dt,3H)、1.35(s,54H)、1.29(m,3H)、1.08(m,3H)、0.64(t,9H).
<合成例8>化合物(B−10)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
化合物(A−18)の合成stage3に記載の反応により生成される、化合物(B10a)をシリカゲルカラム精製により分取した。得られた溶離液を濃縮し、メタノール−テトラヒドロフラン混合溶媒より再結晶を行い、黄白色粉末として化合物(B10a)2.2g(3.7mmol)得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/(CDCO):δ(ppm)=7.99 (t,1H)、7.86(d,2H)、7.79(d,2H)、 7.62 (d,2H)、7.60(ddd,4H)、7.50(ddd,4H)、2.78(t,2H)、1.87(td,2H)、1.34(s,18H)、1.06(t,3H).
<stage2>
塩化イリジウム140mg(0.4mmol)と化合物(B10a)600mg(1.0mmol)を秤量し、水3mLと2−ブトキシエタノール9mLを加えてアルゴン雰囲気下、15時間加熱還流した。放冷後、反応溶媒を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させて洗浄した。油層を濃縮、乾燥しジクロロメタン−ヘキサンより再結晶を行った。粉末状黄色固体として680mgを得た。この粉末状黄色固体680mgと化合物(B10a)1.23g(2.1mmol)を秤量し、アルゴン雰囲気下でトリフルオロメタンスルホン酸銀120mg(0.47mmol)を加えてからジエチレングリコールジメチルエステル3mLを注いだ。アルゴン雰囲気下で24時間加熱還流した後、放冷した。反応混合物にジクロロメタン20mLを注ぎ吸引ろ過後、ろ液を濃縮、乾燥した。粗生成物をシリカゲルカラムに通して、ジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒を用いて分離精製した。溶離液を濃縮後メタノール−テトラヒドロフランより再結晶を行い、次いでジクロロメタン−ヘキサンより再結晶した。淡黄色結晶として、化合物(B−10)[fac−トリス(1−(3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニル)−3−プロピル−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]を710mg(0.36mmol)、収率90%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.04(dd,3H)、7.65(d,6H)、7.61(d,12H)、7.50(d,12H)、7.07(d,3H)、6.94(d,3H)、6.84(s,3H)、2.49(hep,3H)、2.27(hep,3H)、1.69−1.56(m,3H)、1.52−1.38(m,3H)、1.37(s,54H)、0.88(t,9H).
<合成例9>化合物(B−6)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
塩化3−ブロモベンゾイル6.92g(31.5mmol)とブチルイミド酸エチル塩酸塩4.95g(32.6mmol)を秤量し、クロロホルム150mLを加えて窒素雰囲気下に設置した。そこへトリエチルアミン8.0mL(60mmol)を含むクロロホルム溶液20mLを滴下し、窒素雰囲気下にて15時間室温撹拌した。溶液を濃縮してからジクロロメタンに懸濁させて分液ロートに取り入れ洗浄した。油層を濃縮、乾燥し無色の液体として化合物(B6a)を9.47g得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=8.14(t,1H)、7.93(dd,1H)、7.65−7.63(m,1H)、7.31(t,1H)、4.29(q,2H)、2.36(t,2H)、1.60(td,2H)、1.37(t,3H)0.88(t,3H).
<stage2>
化合物(B6a)9.0g(30mmol)をクロロホルム100mLに溶解させ窒素雰囲気下に置いた。そこへ、メチルヒドラジン1.52g(33mmol)と水0.6mLを含むとクロロホルム溶液15mLを滴下し、窒素雰囲気下で7時間室温撹拌した。反応溶液に水100mLを注ぎ分液ロートにあけて洗浄した。油層を回収、濃縮しシリカゲルへ通した。ジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶媒を用いて分離精製し、薄黄色液体として化合物(B6b)を5.8g(21mmol)、収率69%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.85(d,1H)、7.60(m,2H)、7.37(dd,1H)、3.93(s,3H)、2.72(t,2H)、1.81(m,2H)、1.01(t,3H).
<stage3>
化合物(B6b)1.3g(4.6mmol)、3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニルボロン酸ピナコールエステル2200mg(4.7mmol)と炭酸ナトリウム1250mg(11.6mmol)を秤量し、エタノール5mL、水10mL及びトルエン10mLを加えて窒素雰囲気下に設置した。そこへ、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(0)260mg(0.23mmol)を加えて、再び窒素雰囲気下に置いた。反応混合物を80℃で15時間加熱した。放冷後、水、トルエンを注ぎ洗浄した。油層を回収した後濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに通して、ジクロロメタン−酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。白色粉末として化合物(B6c)を2.18g(4.0mmol)、収率88%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/(CDCO):δ(ppm)=8.19(t,1H)、7.98(dt,1H)、7.93(d,2H)、7.91(t,1H)、7.80(t,1H)、7.77(dt,4H)、7.66(t,1H)、7.54(dt,4H)、4.01(s,3H)、2.63(t,2H)、1.76(td,2H)、1.36(s,18H)、0.98(t,3H).
<stage4>
塩化イリジウム226mg(0.64mmol)と化合物(B6c)760mg(1.4mmol)を秤量し、水2mLと2−ブトキシエタノール6mLを加えて窒素雰囲気下に置き17時間加熱還流した。放冷後、水、ジクロロメタンを注ぎ油層を洗浄した。油層を濃縮、乾燥し、黄褐色の飴色固体として840mg得た。この黄褐色の飴色固体840mgと化合物(B6c)1300mg(2.4mmol)を秤量し、アルゴン雰囲気下でトリフルオロスルホン酸銀165mg(0.64mmol)を加えた。そこへ、ジエチレングリコールジメチルエステル1.25mLを添加し、アルゴン雰囲気で15時間加熱還流した。放冷後、ジクロロメタンを注ぎ懸濁液を吸引ろ過した。ろ液を分液ロートにあけて洗浄し、油層を回収後濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムに通じてジクロロメタンと酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。得られた黄色固体をジクロロメタン−メタノールから再結晶し、次いでジクロロメタン−ヘキサンから再結晶した。黄色粉末として化合物(B−6)[fac−トリス(1−メチル−3−プロピル−5−(5−(3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニル)フェニル)−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]を850mg(0.48mmol)、収率73%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.82(d,3H)、7.75(d,6H)、7.72(d,3H)、7.62(d,12H)、7.48(d,12H)、7.20(dd,3H)、6.87(d,3H)、4.27(s,9H)、2.26(ddd,3H)、1.96(ddd,3H)、1.37(s,54H)、1.05(m,6H)、0.73(t,9H).
<合成例10>化合物(B−12)の合成
Figure 0005955566
<stage1>
亜硝酸ナトリウム1.38g(20mmol)を窒素雰囲気下、0℃の水11mLに溶解させた。4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン4.0g(20mmol)を33mLの濃塩酸(和光純薬社製、塩酸濃度35〜37%)に懸濁させて、5℃を超えないよう範囲で亜硝酸水溶液に滴下した。0℃で15分撹拌した後、塩化スズ(II)5.31g(28mmol)の濃塩酸溶液15mLを反応溶液に加えてから室温に戻し6時間撹拌した。懸濁液を吸引ろ過し、濃塩酸と冷水で洗浄し真空乾燥した。乳白色の固体として、化合物(B12a)を4.98g得た。
<stage2>
化合物(B−1)の合成stage1に記載の方法で、化合物(B12b)を得た。
<stage3>
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニルヒドラジン塩酸塩2.4g(9.6mmol)、化合物(B12b)2.2g(10mmol)と酢酸ナトリウム800mg(9.7mmol)を秤量し、酢酸とジオキサンを15mLずつ加えてから窒素雰囲気下に置いた。反応混合物を90℃で15時間加熱した後、放冷した。水と酢酸エチルを加えて、洗浄した後油層を回収した。この粗生成物をシリカゲルカラムに通し、ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒を用いて分離精製した。淡黄色固体として化合物(B12c)を1.2g(3.2mmol)、収率33%で得た。
<stage4>
化合物(B12c)1.2g(3.2mmol)、3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニルボロン酸ピナコールエステル1.7g(3.6mmol)、炭酸ナトリウム690mg(6.5mmol)とテトラキストリフェニルフォスフィノパラジウム(0)190mgを秤量し、水8mL,ジオキサン8mLを加えて窒素雰囲気下に置いた。反応混合物を10時間加熱還流した後、放冷した。反応溶媒を濃縮後水、ジクロロメタンを加えて洗浄し、油層を回収後濃縮した。メタノール−ジクロロメタンから再結晶を行い、白色粉末として化合物(B12d)を1.1g(1.7mmol)、収率51%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/(CDCO):δ(ppm)=7.92(d,2H)、7.89(tt,1H)、7.75−7.74(m,6H)、7.58−7.52(m,6H)、7.40−7.31(m,3H)、2.76(t,2H)、2.04(s,6H)、1.85(td,2H)、1.36(s,18H)、1.01(t,3H).
<stage5>
塩化イリジウム88mg(0.25mmol)と化合物(B12d)390mg(0.63mmol)に水4mL、2−ブトキシエタノール8mLを加えて窒素雰囲気下に置いた。混合物を15時間加熱還流した後、放冷した。反応溶媒を濃縮した後ジクロロメタン、水を加えて洗浄した。油層を回収、濃縮後、褐色固体として430mgを得た。この褐色固体430mg、化合物(B12d)670mg(1.1mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸銀64mg(0.25mmol)を秤量し、ジエチレングリコールジメチルエステル1mLを加えて、アルゴン雰囲気下15時間加熱還流した。放冷後、ジクロロメタンを加えてから吸引ろ過し、ろ液を濃縮、乾燥した。この粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、シリカゲルカラムに通し、ジクロロメタン−ヘキサンの混合溶媒を用いて分離精製した。得られた溶離液を濃縮し、ジクロロメタン−ヘキサンより再結晶を行った。次いで、ジクロロメタン−エタノールより再結晶を行い、淡黄色粉末として化合物(B−12)[fac−トリス(1−(4−(3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニル)−2,6−ジメチルフェニル)−3−プロピル−5−フェニル−1H−[1,2,4]−トリアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)]を、320mg(0.15mmol)、収率61%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.79(d,6H)、7.77(t,3H)、7.62(dt,12H)、7.59(s,3H)、7.51(s,3H)、7.47−7.44(m,12H)、6.61−6.47(m,12H)、2.43(dt,3H)、2.30−2.22(m,12H)、1.82(s,9H)、1.65(td,6H)、1.30(s,54H)、0.80(t,9H).
<合成例11>(高分子化合物HP−1の合成)
不活性雰囲気下、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン5.20g、ビス(4−ブロモフェニル)−(4−sec−ブチルフェニル)−アミン5.42g、酢酸パラジウム2.2mg、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン15.1mg、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat336、アルドリッチ製)0.91g及びトルエン70mlを混合し、105℃に加熱した。反応溶液に2M炭酸ナトリウム水溶液19mlを滴下し、4時間還流させた。反応後、フェニルボロン酸121mgを加え、更に3時間還流させた。次いで、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物の水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、反応溶液を、水、3重量%酢酸水溶液、水の順で洗浄し、得られたトルエン溶液を、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。得られたトルエン溶液を大量のメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させ、高分子化合物HP−1を得た。前記分析条件より求めた高分子化合物HP−1のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは8.4×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは3.4×10であった。
高分子化合物HP−1は、単量体の仕込み比から以下の構成単位及びモル比率を有し、各々の構成単位が交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0005955566
<合成例12>(高分子化合物P−1の合成)
不活性ガス雰囲気下、化合物M−1(0.537g)、化合物M−2(0.227g)、化合物M−3(0.384g)及びトルエン15mlを混合し、加熱しながら撹拌した。反応溶液に酢酸パラジウム(II)(0.4mg)及びトリス(2−メチルオキシフェニル)ホスフィン(2.3mg)を加え、100℃まで加熱した後に20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.5ml)を加え、5時間還流させた。
次に、2−イソプロピルフェニルホウ酸(17.9mg)、酢酸パラジウム(II)(0.4mg)、トリス(2−メチルオキシフェニル)ホスフィン(2.3mg)及び20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(3.6ml)を加え、更に17時間還流させた。
反応溶液から水層を除去した後、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(0.60g)をイオン交換水(12ml)に溶解した溶液を加え、85℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、水(14ml)で2回、3重量%の酢酸水溶液(14ml)で2回、水(14ml)で2回洗浄し、得られたトルエン溶液をメタノール(180ml)に滴下したところ沈殿が生じたので、この沈殿を濾取し乾燥させた。十分に乾燥させた沈殿(固体)をトルエン38mlに溶解させ、シリカゲル及びアルミナを充填したカラムに通すことにより精製した。得られたトルエン溶液をメタノール(270ml)に滴下したところ沈殿が生じたので、この沈殿を濾取し乾燥させた。この沈殿(以下、「高分子化合物P−1」という)の収量は0.56gであった。また、前記分析条件より求めた高分子化合物P−3のポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=2.5×10、Mw=1.1×10であった。
高分子化合物P−1は、単量体の仕込み比から以下の構成単位及びモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0005955566
<合成例13>(高分子化合物CP−1の合成)
窒素雰囲気下、200mlフラスコ中、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(1.2851mg、2.000mmol)、1,4−ジヘキシル−2,5−ジブロモベンゼン(646.8mg、1.600mmol)、化合物M−3(238.3mg、0.400mmol)及びトルエン(40ml)の混合物を90℃に加熱し、酢酸パラジウム(0.9mg、4μmol)、トリス(2−メチルオキシフェニル)ホスフィン(5.6mg、16μmol)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.6ml、9.4mmol)を加え、更に加熱することにより還流下で、約6時間攪拌した。
次に、トルエン(20ml)に溶解したフェニルホウ酸(25.7mg、0.200mmol)、酢酸パラジウム(0.9mg、4μmol)、トリス(2−メチルオキシフェニル)ホスフィン(5.6mg、16μmol)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(6.6ml、9.4mmol)を加え105℃に加熱しながら約16時間還流下で攪拌した。
更に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.22g)をイオン交換水(20ml)に溶解した溶液を加え、85℃に加熱しながら2時間攪拌した。
有機層を水層と分離した後、有機層をイオン交換水(約26ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(約26ml)で2回、イオン交換水(約26ml)で2回、順次洗浄した。有機層をメタノールに滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させ固体を得た。この固体をトルエン(62ml)に溶解し、予めトルエンを通液したシリカゲルカラム及びアルミナカラムに通液し、得られた溶液をメタノール(310ml)に滴下し高分子化合物を沈殿させ、ろ取、乾燥させ、高分子化合物CP−1(1.14g)を得た。また、前記分析条件より求めた高分子化合物CP−1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、Mn=5.6×10、Mw=1.4×10であった。
高分子化合物CP−1は、単量体の仕込み比から以下の構成単位及びモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0005955566
<実施例1>(発光素子1の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−1=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層1を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層1の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子1を作製した。
発光素子1に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は4.92cd/Aであり、外部量子収率は3.54%であり、そのときの電圧は5.93Vであった。
<実施例2>(発光素子2の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−1=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層2を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層2の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子2を作製した。
発光素子2に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は5.47cd/Aであり、外部量子収率は3.44%であり、そのときの電圧は6.38Vであった。
<実施例3>(発光素子3の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−4をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−4=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層3を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層3の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子3を作製した。
発光素子3に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は2.49cd/Aであり、外部量子収率は1.53%であり、そのときの電圧は5.34Vであった。
<実施例4>(発光素子4の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−4をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−4=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層4を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層4の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子4を作製した。
発光素子4に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は5.39cd/Aであり、外部量子収率は3.03%であり、そのときの電圧は5.74Vであった。
<実施例5>(発光素子5の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物C−3をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物C−3=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層5を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層5の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子5を作製した。
発光素子5に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は3.27cd/Aであり、外部量子収率は1.94%であり、そのときの電圧は5.51Vであった。
<実施例6>(発光素子6の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物C−3をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物C−3=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層6を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層6の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子6を作製した。
発光素子6に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は3.35cd/Aであり、外部量子収率は1.88%であり、そのときの電圧は5.75Vであった。
<実施例7>(発光素子7の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物A−14をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物A−14=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層7を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層7の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子7を作製した。
発光素子7に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は1.82cd/Aであり、外部量子収率は1.35%であり、そのときの電圧は6.26Vであった。
<実施例8>(発光素子8の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物A−14をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物A−14=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層8を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層8の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子8を作製した。
発光素子8に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は3.35cd/Aであり、外部量子収率は2.24%であり、そのときの電圧は6.68Vであった。
<実施例9>(発光素子9の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−10をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−10=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層9を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層9の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子9を作製した。
発光素子9に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は3.47cd/Aであり、外部量子収率は1.56%であり、そのときの電圧は5.21Vであった。
<実施例10>(発光素子10の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−10をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−10=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層10を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層10の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子10を作製した。
発光素子10に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は11.28cd/Aであり、外部量子収率は4.38%であり、そのときの電圧は5.52Vであった。
<実施例11>(発光素子11の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−6をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−6=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層11を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層11の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子11を作製した。
発光素子11に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は14.47cd/Aであり、外部量子収率は8.41%であり、そのときの電圧は5.54Vであった。
<実施例12>(発光素子12の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−6をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−6=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層12を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層12の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子12を作製した。
発光素子12に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は17.38cd/Aであり、外部量子収率は9.84%であり、そのときの電圧は5.01Vであった。
<実施例13>(発光素子13の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−12をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−12=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層13を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層13の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子13を作製した。
発光素子13に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は2.24cd/Aであり、外部量子収率は1.59%であり、そのときの電圧は5.46Vであった。
<実施例14>(発光素子14の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(H.C.Starck社製、商品名:CLEVIOS P AI4083)(以下、「CLEVIOS P」と言う。)の懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物B−12をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物B−12=70/30)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層14を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層14の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子14を作製した。
発光素子14に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は6.43cd/Aであり、外部量子収率は4.37%であり、そのときの電圧は5.61Vであった。
<比較例1>(発光素子C1の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物P−1、燐光性発光化合物FIrpicをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物P−1/燐光性発光化合物FIrpic=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層C1を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C1の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子C1を作製した。
なお、下記で表される、燐光性発光化合物FIrpicは、アメリカンダイソース社の商品名ADS065BEを購入して使用した。
Figure 0005955566
発光素子C1に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は1.79cd/Aであり、外部量子収率は1.04%であり、そのときの電圧は6.14Vであった。
<比較例2>(発光素子C2の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物CP−1、燐光性発光化合物FIrpicをキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物CP−1/燐光性発光化合物FIrpic=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層C2を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C2の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子C2を作製した。
発光素子C2に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は0.32cd/Aであり、外部量子収率は0.38%であり、そのときの電圧は12.78Vであった。
<比較例3>(発光素子C3の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物CP−1、燐光性発光化合物B−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.9重量%(重量比で、高分子化合物CP−1/燐光性発光化合物B−1=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層C3を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C3の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子C3を作製した。
発光素子C3に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は0.29cd/Aであり、外部量子収率は0.35%であり、そのときの電圧は14.03Vであった。
<比較例4>(発光素子C4の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物CP−1、燐光性発光化合物B−4をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に1.8重量%(重量比で、高分子化合物CP−1/燐光性発光化合物B−4=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層C4を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C4の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子C4を作製した。
発光素子C4に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は0.17cd/Aであり、外部量子収率は0.22%であり、そのときの電圧は13.95Vであった。
<比較例5>(発光素子C5の作製)
スパッタリング法により45nmの厚みでITO膜をつけたガラス基板に、CLEVIOS Pの懸濁液をのせ、スピンコート法により約50nmの厚みとなるように成膜し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥させた。次に、高分子化合物HP−1をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に0.7重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液をCLEVIOS Pの膜の上にのせ、スピンコート法により約20nmの厚みとなるように成膜し、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥させることにより熱処理膜を得た。次に、高分子化合物CP−1、燐光性発光化合物B−6をキシレン(関東化学社製:電子工業用(ELグレード))に2.0重量%(重量比で、高分子化合物CP−1/燐光性発光化合物B−6=95/5)の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を高分子化合物HP−1の熱処理膜の上にのせ、スピンコート法により約60nmの厚みとなるように発光層C5を成膜した。そして、酸素濃度及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、130℃、10分乾燥させた。1.0×10−4Pa以下となるまで減圧した後、陰極として、発光層C5の膜の上にフッ化ナトリウムを約5nm、次いでフッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約120nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、発光素子C5を作製した。
発光素子C5に電圧を20Vまで印加したところ、青色発光のエレクトロルミネッセンス(EL)が観測された。輝度が100cd/mでの発光効率は0.28cd/Aであり、外部量子収率は0.22%であり、そのときの電圧は15.40Vであった。
Figure 0005955566

Claims (25)

  1. (I)下記式(B)で表される配位子を有する燐光性発光化合物と、
    (II)下記式(1)−1で表される構成単位、下記式(1)−2で表される構成単位、下記式(2)−1で表される構成単位、及び、下記式(2)−2で表される構成単位から選ばれる構成単位からなり、少なくとも下記式(1)−1で表される構成単位及び下記式(1)−2で表される構成単位の双方を含む高分子化合物と、
    を含有する組成物。
    Figure 0005955566
    〔式中、
    a2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    101、R102、R104及びR105は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の芳香族複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    103は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。
    101及びR102は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R102及びR103は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、R103及びR104は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。〕
    Figure 0005955566
    〔式中、
    は、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、1価の芳香族複素環基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキルオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよい。
    は、水素原子、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アリールアルキルオキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。〕
  2. 101、R102 、R 104及びR105の少なくとも1つが、電子吸引性の置換基である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記電子吸引性の置換基が、フッ素原子又はフッ素原子を含有する置換基である、請求項2に記載の組成物。
  4. 101、R102、R103、R104及びR105の少なくとも1つが、デンドロンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記燐光性発光化合物が、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子及び白金原子からなる群から選ばれる金属原子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記燐光性発光化合物が、白金原子又はイリジウム原子を含む、請求項5に記載の組成物。
  7. が、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. が、水素原子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. が、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. が、メチル基である、請求項9に記載の組成物。
  11. が、水素原子である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. が、下記式(3)で表される基又は下記式(4)で表される基である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
    Figure 0005955566
    〔式中、
    及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する窒素原子とともに環を形成していてもよい。2個存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。〕
  13. 前記式(1)−2で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数の、前記式(1)−1で表される構成単位及び前記式(2)−1で表される構成単位の合計モル数に対する割合が、0.1〜9.0である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. が前記式(3)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、Rが前記式(3)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位、Rが前記式(4)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(4)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数の、
    前記式(1)−1で表される構成単位、前記式(2)−1で表される構成単位、Rが前記式(3)で表される基及び前記式(4)で表される基のいずれでもない前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(3)で表される基及び前記式(4)で表される基のいずれでもない前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数に対する割合が、
    0.1〜9.0である、請求項12又は13に記載の組成物。
  15. が前記式(3)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(3)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数の、
    が前記式(4)で表される基である前記式(1)−2で表される構成単位、及び、Rが前記式(4)で表される基である前記式(2)−2で表される構成単位の合計モル数に対する割合が、
    0.1〜9.0である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記式(2)−1で表される構成単位同士、前記式(2)−2で表される構成単位同士、前記式(2)−1で表される構成単位及び前記式(2)−2で表される構成単位同士が、実質的に隣り合わない、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記高分子化合物の重量に対する、前記燐光性発光化合物の重量の割合が、0.05〜0.5である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 前記燐光性発光化合物以外の燐光性発光化合物をさらに含有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 正孔輸送材料、電子輸送材料、及び、燐光性発光材料以外の発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料をさらに含有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 溶媒をさらに含有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物を含有する薄膜。
  22. 陽極及び陰極からなる電極と、
    該電極間に設けられた、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物を含有する層と、を有する発光素子。
  23. 前記層が発光層である、請求項22に記載の発光素子。
  24. 請求項22又は23に記載の発光素子を備える面状光源。
  25. 請求項22又は23に記載の発光素子を備える表示装置。
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