JP2015067569A - ホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の構造を有するホウ素含有化合物、及び、特定の構造を有するホウ素含有化合物由来の構造単位を有するホウ素含有重合体。
【選択図】なし
Description
このような状況下、ホウ素含有化合物を次世代の有機電子デバイス材料として活用するために、ホウ素原子に起因する優れた特有の性質を発揮させつつ、安定的に取り扱うことが可能な新規化合物の開発が進められている。
一方で、ホウ素含有化合物における課題は、ホウ素原子が空軌道を有することに伴って、安定な化合物が少ないということである。安定な化合物でありながら、HOMO、LUMOのエネルギー準位を下げることができれば、有機電子デバイス材料としての用途に有用である。そのような化合物のバリエーションを増やすことは、有機EL素子やn型半導体等の有機電子デバイスの分野で当該化合物をデバイス材料として用いる場合において大きな技術的意義がある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
なお、以下の説明において、「本発明のホウ素含有化合物」という場合、本発明のホウ素含有化合物(1)、(3)を含む。つまり、「本発明のホウ素含有化合物」についての説明は、本発明のホウ素含有化合物(1)、(3)のいずれにも適用できるものである。同様に、「本発明のホウ素含有重合体」という場合、本発明のホウ素含有重合体(2)、(4)を含み、「本発明のホウ素含有重合体」についての説明は、本発明のホウ素含有化合物(2)、(4)のいずれにも適用できるものである。
まず、本発明のホウ素含有化合物(1)について、以下に説明する。
本発明のホウ素含有化合物(1)は、下記式(1);
上記式(1)において、実線で表される骨格部分、すなわちホウ素原子とQ1とを繋ぐ骨格部分、及び、ホウ素原子とQ2と窒素原子とを繋ぐ骨格部分における点線部分は、それぞれの骨格部分において点線で結ばれる1対の原子が二重結合で結ばれていてもよいことを表す。
上記式(1)におけるQ1及びQ2としては、下記一般式(5−1)〜(5−8);
より好ましくは、水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、ボリル基、アリール基、オリゴアリール基、1価の複素環基、1価のオリゴ複素環基のいずれかである。
なお、上記式(1)において、X1、X2、X3及びX4が1価の置換基である場合、環構造に対するX1、X2、X3及びX4の結合位置や結合する数は、特に制限されない。
該電子輸送性の1価の置換基としては、例えば、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾチアジアゾール環等の環内に炭素−窒素二重結合(C=N)を有する窒素原子含有複素環由来1価の基;一つ以上の電子求引性置換基を有するベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環等の環内に炭素−窒素二重結合を有しない芳香族炭化水素環または芳香族複素環由来の1価の基;ジベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾホスホールオキシド環、シロール環等が挙げられる。
上記電子求引性置換基としては、−CN、−COR、−COOR、−CHO、−CF3、−SO2Ph、−PO(Ph)2等が挙げられる。ここで、Rは、水素原子又は1価の炭化水素基を表す。
これらの中でも、電子輸送性の1価の置換基は、環内に炭素−窒素二重結合(C=N)を有する窒素原子含有複素環由来の基であることが好ましい。
電子輸送性の1価の置換基は、環内に炭素−窒素二重結合を有する複素芳香環化合物由来の1価の基のいずれかであることがより好ましい。
なお、上記式(9)で表される合成方法の第1工程は、特開2011−184430号公報の記載を参照して行うことができる。
また、第2工程の反応を行う時間は、3〜48時間が好ましい。
また、上記カップリング反応の反応条件としては、各カップリング反応が通常行われる反応条件を適宜採用することができる。
次に、本発明のホウ素含有重合体(2)について、以下に説明する。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、下記式(2);
上記式(2)において、点線の円弧、実線で表される骨格部分における点線部分、窒素原子からホウ素原子への矢印は、上記式(1)と同様の意味であり、点線の円弧の好ましい構造も上記式(1)と同様である。すなわち、本発明のホウ素含有重合体(2)は、下記式(12);
n21、n22は、それぞれ独立した数である。このため、n21、n22は同じ数であっても異なる数であってもよい。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、上記式(2)で表される構造を1つ有するものであってもよく、複数有するものであってもよい。本発明のホウ素含有重合体(2)が上記式(2)で表される構造を複数有するものである場合、ある構造におけるn21、n22と、隣り合う構造におけるn21、n22とは、同一であっても異なっていてもよい。
したがって、本発明のホウ素含有重合体(2)には、交互共重合体(上記式(2)で表される構造を2つ以上有し、全ての式(2)で表される構造において、n21が同じ数であり、n22も同じ数である)、ブロック共重合体(上記式(2)で表される構造を1つ有し、n21、n22の少なくとも1つが2以上)、ランダム共重合体(上記式(2)で表される構造を2つ以上有し、該複数の式(2)で表される構造の中に少なくとも1つ、n21、n22のいずれか又は両方が他の構造におけるn21、n22と異なるものがある)のいずれの構造のものも含まれる。
本発明のホウ素含有重合体(2)は、これらの中でも、交互共重合体であることが好ましい。
上記式(2)では、X21、X22、X23及びX24のいずれか2つが、重合体の主鎖の一部として結合を形成することになる。X21〜X24のうち、重合体の主鎖の一部として結合を形成するものは、直接結合となる。X21、X22、X23及びX24のうち、重合に関与しないものは、水素原子又は1価の置換基となる。
X21、X22、X23及びX24のうち、重合に関与しない1価の基の具体例及び好ましいものは、上述した本発明のホウ素含有化合物(1)のX1、X2の具体例及び好ましいものと同様である。
X25−A1−X26 (15)
(式中、A1は、式(2)と同様である。X25、X26は、反応性基を表す。)で表される化合物とを反応させることで製造することが好ましい。
このようなホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とを反応させると、重縮合反応によりホウ素含有重合体(2)が合成されることになる。
X21’〜X24’のうち、式(15)のX25、X26と反応する反応性基以外の1価の置換基は、上記式(2)におけるX21〜X24の1価の置換基と同様である。
ボリル基とハロゲン原子、スタニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホニウムメチル基、ビニル基とハロゲン原子、アルデヒド基とホスホネートメチル基、ハロゲン原子とハロゲン化マグネシウム、ハロゲン原子とハロゲン原子、ハロゲン原子とシリル基、ハロゲン原子と水素原子。
上記アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、環を構成する炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。該芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。
上記アリーレン基としては、例えば、下記式(16−1)〜(16−23)で表される基等が挙げられる。これらの中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
なお、式(16−1)〜(16−23)において、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド基、イミン残基、アミノ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールエチニル基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基またはシアノ基を表す。式(16−1)中においてx−yで示した線のように、環構造に交差して付された線は、環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。すなわち、式(16−1)においては、x−yで示される線が付された環を構成する炭素原子のいずれかと直接結合することを意味し、その環構造における結合位置は限定されない。式(16−10)中においてz−で示した線のように、環構造の頂点に付された線は、その位置において環構造が被結合部分における原子と直接結合していることを意味する。また、環構造に交差して付されたRの付いた線は、Rが、その環構造に対して1つ結合していてもよく、複数結合していてもよいことを意味し、その結合位置も限定されない。
また、式(16−1)〜(16−10)及び(16−15)〜(16−20)において、炭素原子は、窒素原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
なお、式(17−1)〜(17−38)において、Rは、上記アリーレン基の有するRと同様である。Yは、O、S、SO、SO2、Se、又は、Teを表す。環構造に交差して付された線、環構造の頂点に付された線、環構造に交差して付されたRの付いた線については、式(16−1)〜(16−23)と同様である。
また、式(17−1)〜(17−38)において、炭素原子は、窒素原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
重量平均分子量がこのような範囲であると、良好に薄膜化できる。より好ましくは、10,000〜500,000であり、更に好ましくは30,000〜200,000である。
上記重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;クロロホルム)によって以下の装置、及び、測定条件で測定することができる。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
該単量体成分は、ホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物とを含む限り、その他の単量体を含んでいてもよいが、単量体成分全体100モル%に対して、ホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物との合計が90モル%以上であることが好ましい。より好ましくは、95モル%以上であり、最も好ましくは、100モル%、すなわち、単量体成分がホウ素含有化合物(2’)と式(15)で表される化合物のみを含むことである。
上記その他の単量体としては、ホウ素含有化合物(2’)又は式(15)で表される化合物と反応し得る反応性基を有する化合物が挙げられる。なお、上記単量体成分は、ホウ素含有化合物(2’)、式(15)で表される化合物とも、1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
次に、本発明のホウ素含有化合物(3)について記載する。
本発明のホウ素含有化合物(3)は、下記式(3);
本発明のホウ素含有化合物(3)は、ホウ素原子に対して窒素原子が配位した構造であることに加え、X33が結合したベンゼン環とX34が結合したピリジン環との間に縮合ベンゼン環が形成された、剛直なベンゾキノリン構造を有することにより、高い安定性を有する化合物である。
上記式(3)において、n31が1である場合、n32は0であり、上記式(3)におけるY以外の構造部分のみからなる化合物となる。
上記式(3)において、n31が2である場合、上記式(3)におけるY以外の構造部分が2つ存在することになる。ここで、Yが2価の連結基である場合、2つ存在するY以外の構造部分が2価の連結基であるYを介して結合することになる。Yが直接結合である場合、2つ存在するY以外の構造部分が直接結合することになる。
上記式(3)で表される化合物において、n31が3以上である場合、Yはn31価の連結基であり、上記式(3)におけるY以外の構造部分が複数存在し、それらが連結基であるYを介して結合することとなる。
なお、Yがn31価の連結基である場合、Yはn31個存在するY以外の構造部分とそれぞれ独立に、X31、X32、X33又はX34のいずれか1箇所で結合しているが、これは、Y以外の構造部分のYとの結合部位は、n31個存在するY以外の構造部分それぞれに独立であって、全て同一部位であってもよいし、一部が同一部位であってもよいし、全て異なる部位であってもよい、ということを意味している。当該結合位置は特に制限されないが、n31個存在するY以外の構造部分の全てが、X33又はX34で結合していることが好ましい。
また、n31個存在するY以外の構造部分の構造は、全て同一であってもよいし、一部が同一であってもよいし、全て異なっていてもよい。
更に、Yは、上述した連結基が複数組み合わさった構造を有する連結基であってもよい。
上記へテロ元素を含む基としては、下記一般式(18−9)〜(18−13)のいずれかで表される基であることが好ましい。これらの中でも、下記一般式(18−12)、(18−13)がより好ましい。
これらの中でも、Yにおける鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基、ヘテロ元素を含む基、アリール基、複素環基が有する置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基、アリール基、複素環基、ジアリールアミノ基が好ましい。より好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアリールアミノ基である。
上記Yにおける鎖状、分岐鎖状又は環状の炭化水素基、ヘテロ元素を含む基、アリール基、複素環基が置換基を有する場合、置換基が結合する位置や数は特に制限されない。
上記式(19)で表される合成方法の第1工程は、特開2011−184430号公報の記載を参考にして行うことができる。
上記式(19)で表される合成方法の第2工程での反応条件(温度、圧力)、反応時間は、上述した式(9)で表される合成方法の第2工程と同様である。
また、上記式(19)で表される合成方法は、上記式(9)で表される合成方法と同様に、第2工程の後に、X31〜X34の置換基を別の置換基に交換する1つ又は複数の工程を行ってもよい。当該1つ又は複数の工程の方法は、上述した式(9)で表される合成方法におけるX1又はX2の置換基を別の置換基に交換する工程と同様である。
次に、本発明のホウ素含有重合体(4)について記載する。
本発明のホウ素含有重合体(4)は、下記式(4);
上記式(4)におけるX41〜X44は、それぞれ、上記式(2)におけるX21〜X24と同様であり、好ましい形態も同様である。
上記式(4)におけるA2は、上記式(2)におけるA1と同様であり、好ましい形態も同様である。
重量平均分子量がこのような範囲であると、良好に薄膜化できる。より好ましくは、10,000〜500,000であり、更に好ましくは30,000〜200,000である。
上記重量平均分子量は、上記ホウ素含有重合体(2)の重量平均分子量と同様の装置、及び、測定条件で測定することができる。
X45−A2−X46 (23)
(式中、A2は、式(4)と同様である。X45、X46は、反応性基を表す。)で表される化合物とを反応させることで製造することが好ましい。
このようなホウ素含有化合物(4’)と式(23)で表される化合物とを反応させると、重縮合反応によりホウ素含有重合体(4)が合成されることになる。
X41’〜X44’のうち、下記式(23)のX45、X46と反応する反応性基以外の1価の置換基は、上記式(4)におけるX41〜X44の1価の置換基と同様である。
上記その他の単量体としては、ホウ素含有化合物(4’)、式(23)で表される化合物と反応し得る反応性基を有する化合物が挙げられる。なお、上記単量体成分は、ホウ素含有化合物(4’)、式(23)で表される化合物とも、1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
本発明のホウ素含有化合物、及び、ホウ素含有重合体は、安定な化合物でありながら、HOMO、LUMOのエネルギー準位が低く、また、良好な膜、特には塗布膜、を作製することが可能なものであり、有機EL素子材料やn型半導体等の有機電子デバイス材料等として好適に用いることができるものである。
<1H−NMR>
得られたホウ素含有化合物、ホウ素含有重合体を、重水素化クロロホルムの溶液とし、高分解能核磁気共鳴装置(製品名「Gemini 2000」;400MHz、Varian,Inc.社製)を用いて測定した。化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場側における100万分の1(ppm;δスケール)として記録し、テトラメチルシランの水素核(δ0.00)を参照とした。
<重量平均分子量、数平均分子量>
重量平均分子量は、ポリスチレン換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC装置、展開溶媒;テトラヒドロフラン)によって以下の装置、及び、測定条件で測定した。
高速GPC装置:HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いて測定した。
展開溶媒 クロロホルム
カラム TSK−gel GMHXL ×2本
溶離液流量 1ml/min
カラム温度 40℃
アルゴン雰囲気下、5−ブロモ−2−(4−ブロモフェニル)ピリジン(94mg、0.30mmol)を含むジクロロメタン溶液(0.3ml)に、エチルジイソプロピルアミン(39mg、0.30mmol)を加えた後、0℃で三臭化ホウ素(1.0Mジクロロメタン溶液、0.9ml、0.9mmol)を加え、室温で9時間攪拌した。反応溶液を0℃まで冷却した後、飽和炭酸カリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濾過した。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、生成した白色固体を濾取し、ヘキサンで洗浄することにより、ホウ素化合物1(40mg、0.082mmol)を収率28%で得た。この反応は、下記式(24)の反応である。
その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):7.57−7.59(m,2H),7.80(dd,J=8.4,0.6Hz,1H),7.99(s,1H),8.27(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),9.01(d,J=1.5Hz,1H).
50mL2口フラスコにマグネシウム(561mg,23.1mmol)を入れ反応容器内を窒素雰囲気下にした後、シクロペンチルメチルエーテル(10mL)を入れ、ヨウ素をひとかけら投入し、着色がなくなるまで攪拌した。これに2,2‘−ジブロモビフェニル(3.0g,9.6mmol)のシクロペンチルメチルエーテル溶液(9mL)を滴下し、室温で12時間、50℃で1時間攪拌しGrignard試薬を調整した。
別の200mL3つ口フラスコにホウ素化合物1(3.71g,7.7mmol)を入れ窒素雰囲気下にした後、トルエン(77mL)を入れた。これを−78℃にて攪拌しながら上記Grignard試薬をキャヌラーで一度に加えた。10分攪拌後、室温まで昇温しさらに12時間攪拌した。この反応溶液に水をくわえ、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ濾過した。ろ液を濃縮し残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することによりホウ素化合物2を3.0g(収率82%)得た。この反応は、下記式(25)の反応である。
その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):6.85(d,J=7.04Hz,2H),7.05(t,J=7.19Hz,2H),7.32(t,J=7.48Hz,2H),7.47(s、1H)7.49−7.57(m、1H),7.74−7.84(m,3H),7.90−8.00(m,2H),8.07−8.20(m,1H).
100mL2口フラスコにホウ素化合物2(2.0g,4.2mmol)、Pd(PPh3)4(240mg,0.21mmol)を入れ、反応容器内を窒素雰囲気下にした。これにトルエン(21mL)、トリブチル(2−ピリジル)スズ(3.7g,10.1mmol)を入れ、120℃で終夜攪拌した。反応終了後、濃縮し、残差をカラムクロマトグラフィーで精製することにより本発明のホウ素含有化合物1を800mg得た(収率40%)。この反応は、下記式(26)の反応である。
その物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3):6.93(m,J=7.04Hz,2H),7.03(t,J=7.19Hz,2H),7.13−7.20(m,1H),7.21−7.26(m,1H),7.30(t,J=7.48Hz,2H),7.51(d,J=7.92Hz,1H),7.60−7.74(m,3H),7.82(m,J=7.63Hz,2H),7.87(s,1H),8.12(d,J=8.22Hz,1H),8.18(d,J=7.92Hz,1H),8.22(d,J=8.51Hz,1H),8.39(s,1H),8.59−8.69(m,2H),8.76(dd,J=8.51,1.17Hz,1H).
シュレンクフラスコにホウ素化合物2(474mg,1.00mmol)、9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ボロン酸−ビス(プロパンジオール)エステル(568mg,1.02mmol)を入れ、反応容器内を窒素雰囲気下にした後、THF(6mL)を入れ溶解させた。これに35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム(1.68mL,3.99mmol)、水(2.2mL)、Aliquat(登録商標)(40mg,0.10mmol)のトルエン溶液(6mL)を加えた。90℃に加熱し、Pd(PPh3)4(23mg,0.020mmol)を入れ、90℃で12時間攪拌した。ブロモベンゼン(204mg,1.30mmol)を加えて5時間攪拌後、フェニルボロン酸(572mg,4.69mmol)を加えて終夜攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液をトルエンで希釈して有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過して濃縮後残渣をクロロホルムに溶解させ、シリカゲルショートカラムに通した。この溶液を濃縮し、メタノールに投入して得られる黄色沈澱物ろ取し、ホウ素含有重合体1を386mg得た。この反応は、下記式(27)の反応である。本発明のホウ素含有重合体1の1H−NMR測定結果を図1に示す。
得られたホウ素含有重合体1は、Mn=14,304、Mw=36,646、PDI=2.56であった。
反応を115℃、4時間行う以外は実施例2と同様に合成し、本発明のホウ素含有重合体2を750mg得た。
得られたホウ素含有重合体2は、Mn=53,133、Mw=125,343、PDI=2.36であった。
Claims (9)
- 下記式(1);
- 前記Q1及びQ2は、同一又は異なって、炭素数1の連結基を表すことを特徴とする請求項1に記載のホウ素含有化合物。
- 前記電子輸送性の1価の置換基は、環内に炭素−窒素二重結合を有する複素芳香環化合物由来の1価の基のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のホウ素含有化合物。
- 下記式(2);
- 前記Q21及びQ22は、同一又は異なって、炭素数1の連結基を表すことを特徴とする請求項5に記載のホウ素含有重合体。
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