JP4140007B2 - 発光素子及び発光素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は発光素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平7−66455号公報
【特許文献2】
特開2001−339100号公報
【0003】
発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子に使用される材料及び素子構造は、長年にわたる進歩の結果、素子内部における光電変換効率が理論上の限界に次第に近づきつつある。従って、一層高輝度の素子を得ようとした場合、素子からの光取出し効率が極めて重要となる。例えば、AlGaInP混晶により発光層部が形成された発光素子は、薄いAlGaInP(あるいはGaInP)活性層を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、高輝度の素子を実現できる。このようなAlGaInPダブルへテロ構造は、AlGaInP混晶がGaAsと格子整合することを利用して、GaAs単結晶基板上にAlGaInP混晶からなる各層をエピタキシャル成長させることにより形成できる。そして、これを発光素子として利用する際には、通常、GaAs単結晶基板をそのまま素子基板として利用することも多い。しかしながら、発光層部を構成するAlGaInP混晶はGaAsよりもバンドギャップが大きいため、発光した光がGaAs基板に吸収されて十分な光取出し効率が得られにくい難点がある。この問題を解決するために、半導体多層膜からなる反射層を基板と発光素子との間に挿入する方法(例えば特許文献1)も提案されているが、積層された半導体層の屈折率の違いを利用するため、限られた角度で入射した光しか反射されず、光取出し効率の大幅な向上は原理的に期待できない。
【0004】
そこで、特許文献2をはじめとする種々の公報には、成長用のGaAs基板を剥離する一方、補強用の素子基板(導電性を有するもの)を、反射用のAu層を介して剥離面に貼り合わせる技術が開示されている。このAu層は反射率が高く、また、反射率の入射角依存性が小さい利点がある。いずれも、ダブルへテロ構造をなす発光層部の一方のクラッド層に、Au層が直接形成された構造となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、反射用のAu層を発光層部に導通確保した状態で接合するためには、Au層と発光層部との間にオーミックコンタクトを確保するために、コンタクト金属層を介挿する必要がある。具体的には、発光層部上にコンタクト金属層を蒸着等に形成した後、コンタクト抵抗を下げるために合金化の熱処理を行なう。例えば、発光素子の光取出面を発光層部のp型層側とする場合、Au層には発光層部のn型層側が結合される。発光層部をAlGaInP等のIII−V族化合物半導体で構成するときは、n型層とのオーミックコンタクトを取るために、コンタクト金属層には通常Ge(ゲルマニウム)が配合される。
【0006】
しかし、上記特許文献1あるいは特許文献2の構造では、コンタクト金属層にGeを配合すると、上記の合金化熱処理を行った際に、コンタクト金属層からのGeが発光層部をなすクラッド層に直接拡散することになる。このクラッド層は通常薄いので、該Ge拡散の影響が、クラッド層を超えてノンドープとされた活性層にまで及びやすくなり、発光強度を大幅に低下させてしまう問題がある。
【0007】
本発明の課題は、コンタクト金属層及び反射用の金属層を介して素子基板を発光層部に結合した発光素子において、コンタクト金属層の合金化熱処理を行っても、該コンタクト金属層からの成分拡散の影響が発光層部に及びにくく、ひいては発光層部の発光能力を十分に引き出すことができる発光素子と、その製造方法とを提供することにある。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、
III−V族化合物半導体からなる発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に、前記発光層部からの光を前記光取出面側に反射させる反射面を有した主金属層を介して素子基板が結合された発光素子であって、
前記化合物半導体層と前記主金属層との間には、該主金属層と化合物半導体層との接触抵抗を減ずるために、Auを主成分としてGeとNiを含有するAuGeNi合金からなるコンタクト金属層が配置されてなり、かつ、前記化合物半導体層の、前記コンタクト金属層と前記発光層部との間に位置する部分が、前記発光層部からの発光光束に対して透光性を有し、かつ、前記コンタクト金属層から前記発光層部への、該コンタクト金属層に含有されるGeの拡散を抑制するAlaGa1−aAs(0.4≦a≦1)からなる厚さ1μm以上5μm以下の拡散ブロック用半導体層とされ、
前記主金属層に対する前記コンタクト金属層の形成面積率は1%以上25%以下とされ、前記コンタクト金属層は、前記拡散ブロック用半導体層の主表面に分散形成された後、350℃以上500℃以下の温度域で合金化熱処理を施されたものであり、
前記発光層部が、導電型の異なる2つのクラッド層間に活性層を挟みこんだダブルへテロ構造を有する発光ダイオードとして構成され、前記拡散ブロック用半導体層が一方のクラッド層に接して配置されるとともに、該拡散ブロック用半導体層は前記活性層よりもバンドギャップが広くなるように混晶比aが調整されてなることを特徴とする。
【0009】
上記本発明の発光素子によると、化合物半導体層の、コンタクト金属層と発光層部との間に位置する部分が、コンタクト金属層から発光層部への、コンタクト金属層からの成分拡散を抑制する拡散ブロック用半導体層とされている。これにより、コンタクト金属層から発光層部への成分拡散が拡散ブロック用半導体層により妨げられ、ひいては該拡散の影響が発光層部に及びにくくなる。また、拡散ブロック用半導体層は発光層部からの発光光束に対して透光性を有するので、反射に関与する光束が該拡散ブロック用半導体層での吸収により減衰する心配もない。従って、発光層部の発光能力を十分に引き出すことができ、主金属層の反射効果による光取出し効率も良好となって、発光強度が大幅に改善された発光素子が実現する。
【0010】
また、本発明の発光素子の製造方法は、
発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に、コンタクト金属層を介して、発光層部からの光を光取出面側に反射させる反射面を有した主金属層を配置し、主金属層を介して素子基板が結合された発光素子の製造方法であって、
化合物半導体層を、発光層部と、該発光層部の前記第二主表面側に配置されるとともに、コンタクト金属層から発光層部への成分拡散を抑制する拡散ブロック用半導体層とを有するものとして形成し、
該拡散ブロック用半導体層の前記第二主表面側にコンタクト金属層を形成し、さらに該コンタクト金属層と拡散ブロック用半導体層とを合金化する合金化熱処理を行い、
コンタクト金属層が形成された拡散ブロック用半導体層の主表面、及び素子基板の主表面の少なくともいずれかに主金属層を形成し、主金属層を介して素子基板と化合物半導体層とを貼り合わせることを特徴とする。
【0011】
上記本発明の発光素子の製造方法によると、発光層部を有した化合物半導体層の第二主表面側に拡散ブロック用半導体層を形成し、さらに該拡散ブロック用半導体層の前記第二主表面側にコンタクト金属層を形成して、コンタクト金属層と拡散ブロック用半導体層とを合金化する合金化熱処理を行なう。これにより、合金化熱処理に伴うコンタクト金属層から発光層部への成分拡散が拡散ブロック用半導体層により妨げられ、ひいては該拡散の影響が発光層部に及びにくくなる。また、拡散ブロック用半導体層は発光層部からの発光光束に対して透光性を有するので、反射に関与する光束が該拡散ブロック用半導体層での吸収により減衰する心配もない。従って、発光層部の発光能力を十分に引き出すことができ、主金属層の反射効果による光取出し効率も良好となって、発光強度が大幅に改善された発光素子を製造することができる。
【0012】
発光層部は、導電型の異なる2つのクラッド層間に活性層を挟みこんだダブルへテロ構造を有するものとして構成することができ、拡散ブロック用半導体層が一方のクラッド層に接して配置されることが望ましい。ダブルへテロ構造の活性層は、発光再結合確率を向上させるために通常ノンドープにて構成され、コンタクト層からの成分拡散(特に、オーミック接触形成用のドーパント成分)による発光効率の低下を特に生じやすい。従って、拡散ブロック用半導体層を設けて、発光層部への拡散を抑制することが特に有効となる構造の一つである。また、クラッド層は、活性層へのドーパント拡散が過度に進まないよう、ドーピングの濃度は比較的低めに設定される。このため、クラッド層の厚さは、直列抵抗の増加を軽減するためなるべく薄く設定することが望ましいが、クラッド層を経た発光層部までの成分拡散距離が短くなるので、コンタクト層からの成分拡散の影響をより受けやすくなる。従って、本発明のように拡散ブロック用半導体層を設けることは、クラッド層厚さが薄くなる場合(例えば、0.3μm以上2μm未満)に、より顕著な効果を発揮する。
【0013】
拡散ブロック用半導体層の厚さは1μm以上5μm以下であることが望ましい。拡散ブロック用半導体層の厚さが1μm未満では、コンタクト層から発光層部へ向かう成分拡散を妨害する効果が不十分となる。他方、拡散ブロック用半導体層の厚さが5μmを超えると効果が飽和し、不必要に厚い拡散ブロック用半導体層をエピタキシャル成長させることによる無駄が多くなる。
【0014】
発光層部がAlGaInPなどのIII−V族化合物半導体からなる場合、コンタクト金属層に含有されるGe、Au、Ni、Zn及びBeが特に発光層部への拡散を生じやすいので、拡散ブロック用半導体層は、これらの少なくともいずれかの拡散を抑制するものとして構成することが望ましい。
【0015】
発光層部をIII−V族化合物半導体にて構成し、コンタクト金属層をそのn型層側に形成する場合は、本発明の発光素子を次のように構成することができる。すなわち、拡散ブロック用半導体層をn型のIII−V族化合物半導体にて構成し、発光層部を該拡散ブロック用半導体層と格子整合するIII−V族化合物半導体にて構成し、かつそのn型層側を、該拡散ブロック用半導体層側に位置するように配置する。この場合、コンタクト金属層はGeを含有した合金にて構成することが、n型のIII−V族化合物半導体と良好なオーミック接触を形成する上で有利である。そして、拡散ブロック用半導体層は、コンタクト金属層から発光層部へのGe拡散を抑制するものとすれば、発光層部へのGe拡散を阻止することができ、ひいてはGe拡散による発光層部の発光効率低下を効果的に抑制することができる。
【0016】
また、発光層部をIII−V族化合物半導体にて構成し、コンタクト金属層をそのp型層側に形成する場合は、本発明の発光素子を次のように構成することができる。すなわち、拡散ブロック用半導体層をp型のIII−V族化合物半導体にて構成し、発光層部は拡散ブロック用半導体層と格子整合するIII−V族化合物半導体にて構成し、かつそのp型層側が、該拡散ブロック用半導体層側に位置するように配置する。この場合、コンタクト金属層はBeを含有した合金にて構成することが、p型のIII−V族化合物半導体と良好なオーミック接触を形成する上で有利である。そして、拡散ブロック用半導体層は、コンタクト金属層から発光層部へのBe拡散を抑制するものとすれば、発光層部へのBe拡散を阻止することができ、ひいてはBe拡散による発光層部の発光効率低下を効果的に抑制することができる。
【0017】
上記構成は、特に、発光層部がAlGaInPからなるダブルへテロ構造を有するものとして構成され、その一方の(n型又はp型)クラッド層側に拡散ブロック用半導体層が接して配置されている場合に、とりわけその効果が顕著である。すなわち、AlGaInPからなる発光層部は、一般にMOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法により成長されることが多いが、結晶欠陥等の少ない良質なAlGaInPをMOVPEにより厚膜に成長させることは非常に難しい。従って、そのクラッド層も通常、0.3μm以上2μm以下と、相当薄膜に形成される。また、AlGaInP中のGe(n型コンタクト用)あるいはBe(p型コンタクト用)の拡散速度は、合金化熱処理を行なう350℃以上660℃以下の温度域において比較的大きい。そのため、上記のようなAlGaInPからなるn型クラッド層上にGeないしBeを含有したコンタクト金属層が直接形成されていると、AlGaInP活性層へのGeないしBeの拡散が特に進みやすく、発光強度の低下を招きやすくなるが、本発明のようにコンタクト金属層とn型クラッド層との間に拡散ブロック用半導体層を配置することで、該不具合を効果的に防止ないし抑制することができる。この場合、拡散ブロック用半導体層を、AlGaAs又はAlInPにて構成すると、GeないしBeの拡散速度がAlGaInPよりも小さく、かつ、AlGaInP発光層部よりもバンドギャップが広いので、発光光束に対する透光性も良好であり、本発明に好適に採用することができる。
【0018】
n型III−V族化合物半導体層に対するコンタクト金属層としては、合金化の容易性と、接触抵抗の低減効果との両立が容易であることから、Auを主成分としてGeとNiとを含有するAuGeNi合金、又はAgを主成分としてGeとNiとを含有するAgGeNi合金を、本発明に効果的に採用することができる。AuGeNi合金あるいはAgGeNi合金の具体的な組成は、例えばGe:0.1質量%以上25質量%以下、Ni:0.1質量%以上20質量%以下、残部Au又はAgとする組成を例示でき、この範囲外の組成では接触抵抗低減効果が十分に得られない場合がある。この場合、GeとともにNiやAu(AuGeNi合金の場合のみ)も発光層部への拡散を生じやすく、拡散ブロック用半導体層は、GeとともにNiないしAuの拡散をブロックするものとして構成しておくことが望ましい。前述のAlGaAs又はAlInPからなる拡散ブロック用半導体層は、GeとともにAuやNiの拡散をブロックする効果においても優れており、本発明に好適に採用できる。
【0019】
他方、p型III−V族化合物半導体層に対するコンタクト金属層としては、n型III−V族化合物半導体層の場合と同様の観点から、Auを主成分としてBeを含有するAuBe合金を、本発明に効果的に採用することができる。p型III−V族化合物半導体層合金の具体的な組成は、例えばBe:0.1質量%以上25質量%以下、残部Au又はAgとする組成を例示でき、この範囲外の組成では接触抵抗低減効果が十分に得られない場合がある。この場合、BeとともにAuも発光層部への拡散を生じやすく、拡散ブロック用半導体層は、BeとともにAuの拡散をブロックするものとして構成しておくことが望ましい。前述のAlGaAs又はAlInPからなる拡散ブロック用半導体層は、BeとともにAuの拡散をブロックする効果においても優れており、本発明に好適に採用できる。
【0020】
主金属層の反射面を形成する部分は、Auを主成分とするAu系反射層とすることができる。Au系反射層は反射率が高く、また、反射率の入射角依存性が小さい利点がある。この場合、発光層部は、ピーク波長が550nm以上の可視光を発光するものであることが望ましい。図6にAu層の反射率の波長依存性を示すが(プロット点「△」)、波長550nmより短波長側の可視光域に強い吸収があることがわかる。そこで、発光層部のピーク波長が550nm以上とすることで、反射率低下を効果的に抑制でき、発光強度を向上させることができる。また、取り出される光のスペクトルが、吸収により本来の発光スペクトルとは異なるものとなったり、発光色調が変化したりする不具合も生じにくい。この観点で、発光層部の発光の望ましい色調とピーク波長域は、以下の通りである:
・黄緑系:550nm以上580nm未満
・黄色系:580nm以上595nm未満
・アンバー系:595nm以上610nm未満
・オレンジ系:610nm以上630nm未満
・赤色系:630nm以上780nm未満
【0021】
なお、図6から明らかなように、発光層部のピーク波長が、望ましくは580nm以上、より望ましくは600nm以上のとき、より反射率が向上し、発光強度を高めることができる。この観点において、発光層部は、黄色系、アンバー系、オレンジ系あるいは赤色系のものを採用するとき、Au系層による反射率を特に高めることができ、発光強度向上効果が顕著となる。こうした色調の発光光束は、前述のAlGaInPの混晶比調整により容易に実現できる。Au系反射層を用いる場合、コンタクト金属層は、例えばAuGeNi合金にて構成することが、Au系反射層とコンタクト金属層との密着性を高める上で望ましい。
【0022】
一方、主金属層の反射面を形成する部分は、Alを主成分とするAl系反射層とすることもできる。図6にはAl層の反射率の波長依存性も示しているが(プロット点「◆」)、Alの場合は波長550nm未満の可視光域においても、Auのような強い吸収はなく、また、Auに比べるとはるかに安価であり、汎用の反射層として本発明に好適に使用できる。特に、波長400nm以上550nm以下の青色から緑色にかけての発光波長域に対しては、Auよりも反射率が良好であり、光取出し効率の向上にも寄与する。この場合、コンタクト金属層は、例えばAuGeNi合金又はAgGeNi合金のいずれを採用することも可能であり、Al系反射層との密着性においても大きな差異は生じない。ただし、発光層部のピーク波長が400nm以上550nm以下である場合は、吸収の少ないAgGeNi合金を用いることがより有利である。
【0023】
さらに、主金属層の反射面を形成する部分は、Agを主成分とするAg系反射層とすることもできる。Ag系反射層は、Au系反射層と比べれば安価であり、しかも可視光の略全波長域(350nm以上700nm)に渡ってAu系金属よりも良好な反射率を示し反射率の波長依存性が小さい。その結果、素子の発光波長によらず高い光取出効率を実現できる。またAl系反射層と比較した場合、青色から緑色の発光に対しても、酸化皮膜等の形成による反射率低下も生じにくい。図6のプロット点「■」はAgの反射率の波長依存性を示す。また、プロット点「×」はAgPdCu合金である。Agの反射率は、350nm以上700nm以下(また、それより長波長側の赤外域)、特に、380nm以上700nm以下にて、可視光の反射率が特に良好である。当然、ピーク波長が400nm以上550nm以下の青色から緑色の発光波長域においても良好な反射率が得られる。
【0024】
なお、前述のAl系反射層はAg系反射層と比較しても安価であるが、酸化皮膜形成による反射率低下があるため、可視光域での反射率は多少低い値(例えば85〜92%)に留まっている。他方、Ag系反射膜はAl系反射層よりは酸化皮膜が形成されにくいため、Alよりも高い反射率を可視光域に確保できる。なお、青色系のピーク波長を有する発光層部としては、例えばInGaAlN系発光層部を例示できる。なお、Ag系反射層を用いる場合、コンタクト金属層はAgGeNi合金を用いることが、Ag系反射層との密着性も良好であり、本発明に好適である。
【0025】
主金属層と拡散ブロック用半導体層との間に配置するコンタクト金属層は、主金属層の主表面上に分散する形で配置することが好ましい。コンタクト金属層はオーミック接合確保のために必要な合金成分を比較的多量に配合する必要があり、かつ、拡散ブロック用半導体層との合金化を伴うので反射率が若干劣る。そこで、コンタクト金属層を主金属層の主表面上に分散形成しておけば、コンタクト金属層の非形成領域で高い反射率を確保できる。なお、光取出効果を十分に高めるために、主金属層に対するコンタクト金属層の形成面積率(主金属層の全面積にてコンタクト金属層の形成面積を除した値である)は1%以上25%以下とすることが望ましい。コンタクト金属層の形成面積率が1%未満では接触抵抗の低減効果が十分でなくなり、25%を超えると反射強度が低下することにつながる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100を示す概念図である。発光素子100は、素子基板をなす導電性基板であるn型Si(シリコン)単結晶よりなるSi基板7の一方の主表面上に主金属層10を介して、発光層部24を含む化合物半導体層60が貼り合わされた構造を有してなる。主金属層10は反射面10R全体がAuを主成分(最も質量含有率の高い成分)とするAu系層として構成され、発光層部24(化合物半導体層)上に形成された第一Au系層10aと、Si基板7上に形成された第二Au系層10bとが貼り合せ熱処理により貼り合わされたものである。本実施形態において第一Au系層10a及び第二Au系層10bは、純AuもしくはAu含有率が95質量%以上のAu合金よりなる。
【0027】
発光層部24はAlGaInP、具体的には、ノンドープ(AlxGa1−x)yIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、第一導電型クラッド層、本実施形態ではp型(AlzGa1−z)yIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6と、前記第一導電型クラッド層とは異なる第二導電型クラッド層、本実施形態ではn型(AlzGa1−z)yIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有し、活性層5の組成に応じて、発光波長を、緑色から赤色領域(発光波長(ピーク発光波長)が550nm以上670nm以下)にて調整できる。発光層部24を構成するAlGaInPは、いずれもGaAsと格子整合(格子定数差にて1%以内)するものである。発光素子100においては、金属電極9側にp型AlGaInPクラッド層6が配置されており、金属層10側にn型AlGaInPクラッド層4が配置されている。従って、通電極性は金属電極9側が正である。なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm3程度を上限とする)をも排除するものではない。
【0028】
また、発光層部24の基板7に面しているのと反対側の主表面上には、AlGaAsよりなる電流拡散層20が形成され、その主表面の略中央に、発光層部24に発光駆動電圧を印加するための金属電極(例えばAu電極)9が、該主表面の一部を覆うように形成されている。電流拡散層20の主表面における、金属電極9の周囲の領域は、発光層部24からの光取出領域をなす。また、Si単結晶基板7の裏面にはその全体を覆うように金属電極(裏面電極:例えばAu電極である)15が形成されている。金属電極15がAu電極である場合、金属電極15とSi単結晶基板7との間には基板側接合層として、AuSb接合層16が介挿される。なお、AuSb接合層16に代えてAuSn接合層を基板側接合層として用いてもよい。
【0029】
他方、化合物半導体層60と主金属層10との間には、該主金属層10と化合物半導体層60との接触抵抗を減ずるためにコンタクト金属層32が配置されている。そして、化合物半導体層60の、コンタクト金属層32と発光層部24との間に位置する部分が、発光層部24からの発光光束に対して透光性を有し、かつ、コンタクト金属層32から発光層部24への成分拡散を抑制する拡散ブロック用半導体層25とされている。本実施形態において、コンタクト金属層32はAuGeNi層32(例えばGe:15質量%、Ni:10質量%)であり、主金属層10(第一Au系層10a)の主表面上に分散形成され、その形成面積率は1%以上25%以下である。また、拡散ブロック用半導体層25は、AlGaAs、具体的にはn型クラッド層4に格子整合し(格子定数差にて1%以内)、かつ、活性層5よりもバンドギャップが広くなるように、AlaGa1−aAsのAlAs混晶比aが0.4以上1以下に調整されたAlGaAsよりなる。なお、拡散ブロック用半導体層25の厚さtは1μm以上5μm以下である。
【0030】
発光層部24からの光は、光取出面側に直接放射される光に、主金属層10による反射光が重畳される形で取り出される。主金属層10の厚さは、反射効果を十分に確保するため、80nm以上とすることが望ましい。また、厚さの上限に制限は特にないが、反射効果が飽和するため、コストとの兼ね合いにより適当に定める(例えば1μm以下)。
【0031】
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
まず、図2の工程1に示すように、発光層成長用基板をなす半導体単結晶基板であるGaAs単結晶基板1の主表面に、p型GaAsバッファ層2を例えば0.5μm、AlAsからなる剥離層3を例えば0.5μm、さらにp型AlGaAsよりなる電流拡散層20を例えば5μm、この順序にてエピタキシャル成長させる。また、その後、発光層部24として、1μmのp型AlGaInPクラッド層6、0.6μmのAlGaInP活性層(ノンドープ)5、及び1μmのn型AlGaInPクラッド層4を、さらに、5μmのAlGaAsよりなる拡散ブロック用半導体層25を、この順序にエピタキシャル成長させる。これら各層のエピタキシャル成長は、公知のMOVPE法により行なうことができる。Al、Ga、In、P及びAsの各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス;ターシャルブチルホスフィン(TBP)、ホスフィン(PH3)など。
・As源ガス;ターシャルブチルアルシン(TBA)、アルシン(AsH3)など。
【0032】
また、ドーパントガスとしては、以下のようなものを使用できる;
(p型ドーパント)
・Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)など。
・Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
・Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
【0033】
次に、工程2に示すように、拡散ブロック用半導体層25の主表面に、AuGeNi層32を分散形成する。AuGeNi層32を形成後、350℃以上500℃以下の温度域で合金化熱処理を行ない、その後、AuGeNi層32を覆うように第一Au系層10aを形成する。拡散ブロック用半導体層25とAuGeNi層32との間には、上記合金化熱処理により合金化層が形成され、直列抵抗が大幅に低減される。また、該合金化熱処理時において、AuGeNi層32から発光層部24のn型クラッド層4を経て活性層5に向かう成分拡散、すなわち、Ge、Au及びNi成分の拡散が、拡散ブロック用半導体層25により妨げられ、活性層5がGe、Au及びNi成分によって汚染される不具合が効果的に抑制される。また、拡散ブロック用半導体層25は活性層5からの発光光束に対して透光性を有するので、反射に関与する光束が該拡散ブロック用半導体層25での吸収により減衰する心配もない。従って、発光層部24の発光能力を十分に引き出すことができ、主金属層10の反射効果による光取出し効率も良好となる。
【0034】
図8は、上記AuGeNi層にて被覆したAlGaAs基板を450℃にて10分熱処理したときの、Au、Ge及びNiの深さ方向の拡散プロファイルを、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)により測定した結果を示すものである。これによると、AlGaAs基板側にGe、Au及びNiが多少拡散しているが、いずれも1μm前後の拡散深さで濃度が2桁程度減少しており、AlGaAsがこれらの元素に対する拡散ブロック層として有効であることがわかる。
【0035】
次に、工程3に示すように、別途用意したSi単結晶基板7(n型)の両方の主表面に基板側接合層となるAuSb接合層31,16(前述の通りAuSn接合層でもよい)を形成し、250℃以上359℃以下の温度域で合金化熱処理を行なう。そして、AuSb接合層31上には第二Au系層10bを、AuSb接合層16上には裏面電極層15(例えばAu系金属よりなるもの)をそれぞれ形成する。以上の工程で各金属層は、スパッタリングあるいは真空蒸着等を用いて行なうことができる。
【0036】
そして、工程4に示すように、Si単結晶基板7側の第二Au系層10bを、発光層部24上に形成された第一Au系層10aに重ね合わせて圧迫して、180℃よりも高温かつ360℃以下、例えば250℃にて貼り合せ熱処理することにより、基板貼り合わせ体50を作る。Si単結晶基板7は、第一Au系層10a及び第二Au系層10bを介して発光層部24に貼り合わせられる。また、第一Au系層10aと第二Au系層10bとは、上記貼り合せ熱処理を採用することにより十分な強度にて結合され、AuSb接合層31及びAuGeNi層32とともに金属層10となる。第一Au系層10a及び第二Au系層10bが、いずれも酸化しにくいAuを主体に構成されているため、上記貼り合せ熱処理は、例えば大気中でも問題なく行なうことができる。当然、この貼り合わせ熱処理時にもコンタクト金属層32からGe、Au及びNiが発光層部24に向けて拡散する可能性があるが、拡散ブロック用半導体層25を設けてあるので、該拡散の影響が発光層部24に及ぶ不具合が生じにくい。
【0037】
次に、工程5に進み、上記基板貼り合わせ体50を、例えば10%フッ酸水溶液からなるエッチング液に浸漬し、バッファ層2と発光層部24との間に形成したAlAs剥離層3を選択エッチングすることにより、GaAs単結晶基板1(発光層部24からの光に対して不透明である)を、発光層部24とこれに接合されたSi単結晶基板7との積層体50aから除去する。なお、AlAs剥離層3に代えてAlInPよりなるエッチストップ層を形成しておき、GaAsに対して選択エッチング性を有する第一エッチング液(例えばアンモニア/過酸化水素混合液)を用いてGaAs単結晶基板1をGaAsバッファ層2とともにエッチング除去し、次いでAlInPに対して選択エッチング性を有する第二エッチング液(例えば塩酸:Al酸化層除去用にフッ酸を添加してもよい)を用いてエッチストップ層をエッチング除去する工程を採用することもできる。
【0038】
そして、工程6に示すように、GaAs単結晶基板1の除去により露出した電流拡散層20の主表面の一部を覆うように、ワイヤボンディング用の電極9(ボンディングパッド:図1)を形成する。以下、通常の方法によりダイシングして半導体チップとし、これを支持体に固着してリード線のワイヤボンディング等を行なった後、樹脂封止をすることにより最終的な発光素子が得られる。
【0039】
以下、本発明の発光素子の変形例について説明する。
図1の発光素子100は、図3の発光素子200のように、拡散ブロック用半導体層25を、n型AlGaAsに代えて、n型AlInPにより構成することもできる。この場合、AlGaInPよりなるn型クラッド層4に格子整合し(格子定数差にて1%以内)、かつ、活性層5よりもバンドギャップが広くなるように、AlbIn1−bPのAlP混晶比bを、0.5以上1以下に調整することが望ましい。
【0040】
また、図4の発光素子300は、主金属層110を、Agを主成分とするAg系金属層(例えば、Agを95質量%以上含有するもの:本実施形態では純Ag)とした例であり、コンタクト金属層をAgGeNi層132(例えばGe:15質量%、Ni:10質量%)として構成している。製造方法は、図2の工程と略同様であるが、工程2において第一Au系層10a及び第二Au系層10bに代えて第一Ag系層110a及び第二Ag系層110b(図4)を用い、AuGeNi層32に代えてAgGeNi層132(図4)を形成するようにする。合金化熱処理温度は例えば350℃以上500℃以下である。また、第一Ag系層110a及び第二Ag系層110bの貼り合わせ熱処理温度は、Au系金属層の場合と略同じ温度域を採用できる。
【0041】
また、図5の発光素子400においては、主金属層10のうち、反射面を形成する部分をAg系層30(例えば、Agを95質量%以上含有するもの:本実施形態では純Ag)として形成し、残余の部分をAu系層(10a,10b)として構成した例である。コンタクト金属層はAgGeNi層132により構成している。この場合の製造工程は、図2において、AuGeNi層32に代えてAgGeNi層132(図4)を形成し、これを覆うように先にAg系層30を形成した後、第一Au系層10aを形成する。以降の工程は、図2と全く同じである。なお、図5において、反射面を形成する層は、Ag系層30に代えて、Alを主成分とするAl系層(例えば、Alを95質量%以上含有するもの:本実施形態では純Al)を形成してもよい。
【0042】
さらに、図7の発光素子500は、発光層部24におけるp型クラッド層6、活性層5及びn型クラッド層4の積層順序を図1とは逆順とし、拡散ブロック用半導体層225をp型AlGaAs層とし、コンタクト金属層としてAuBe層232を形成した例である。拡散ブロック用半導体層225は、AuBe層232からのAuないしBeがp型クラッド層6側に拡散することを抑制する働きをなす。なお、AuBe層232に代えてAuZn層を用いた場合も同様の効果が得られる。
【0043】
また、いずれの実施形態においても、素子基板としてSi基板を使用する以外に、他の導電性基板、例えばAl(合金含む)などの金属基板を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一実施形態を積層構造にて示す模式図。
【図2】本発明に係る発光素子の製造工程の一例を示す説明図。
【図3】本発明の発光素子の第一変形例を積層構造にて示す模式図。
【図4】本発明の発光素子の第二変形例を積層構造にて示す模式図。
【図5】本発明の発光素子の第三変形例を積層構造にて示す模式図。
【図6】種々の金属の反射スペクトルを示す図。
【図7】本発明の発光素子の第四変形例を積層構造にて示す模式図。
【図8】AlGaAs基板へのGe、Au及びNiの拡散プロファイルを示す図。
【符号の説明】
1 GaAs単結晶基板(発光層成長用基板)
4 n型クラッド層(第二導電型クラッド層)
5 活性層
6 p型クラッド層(第一導電型クラッド層)
7 Si単結晶基板(素子基板)
9 金属電極
25 拡散ブロック用半導体層
24 発光層部
60 化合物半導体層
10,110 主金属層
10a 第一Au系層
10b 第二Au系層
110a 第一Ag系層
110b 第二Ag系層
32 AuGeNi接合層(コンタクト金属層)
132 AgGeNi接合層(コンタクト金属層)
100,200,300,400,500 発光素子
Claims (7)
- III−V族化合物半導体からなる発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に、前記発光層部からの光を前記光取出面側に反射させる反射面を有した主金属層を介して素子基板が結合された発光素子であって、
前記化合物半導体層と前記主金属層との間には、該主金属層と化合物半導体層との接触抵抗を減ずるために、Auを主成分としてGeとNiを含有するAuGeNi合金からなるコンタクト金属層が配置されてなり、かつ、前記化合物半導体層の、前記コンタクト金属層と前記発光層部との間に位置する部分が、前記発光層部からの発光光束に対して透光性を有し、かつ、前記コンタクト金属層から前記発光層部への、該コンタクト金属層に含有されるGeの拡散を抑制するAlaGa1−aAs(0.4≦a≦1)からなる厚さ1μm以上5μm以下の拡散ブロック用半導体層とされ、
前記主金属層に対する前記コンタクト金属層の形成面積率は1%以上25%以下とされ、前記コンタクト金属層は、前記拡散ブロック用半導体層の主表面に分散形成された後、350℃以上500℃以下の温度域で合金化熱処理を施されたものであり、
前記発光層部が、導電型の異なる2つのクラッド層間に活性層を挟みこんだダブルへテロ構造を有する発光ダイオードとして構成され、前記拡散ブロック用半導体層が一方のクラッド層に接して配置されるとともに、該拡散ブロック用半導体層は前記活性層よりもバンドギャップが広くなるように混晶比aが調整されてなることを特徴とする発光素子。 - 前記発光層部は前記拡散ブロック用半導体層と格子整合するIII−V族化合物半導体にて構成され、かつそのn型層側が、該拡散ブロック用半導体層側に位置するように配置されてなり、
前記コンタクト金属層はGeを含有した合金からなり、前記拡散ブロック用半導体層は、前記コンタクト金属層から前記発光層部へのGe拡散を抑制するものであることを特徴とする請求項1記載の発光素子。 - 前記発光層部がAlGaInPからなるダブルへテロ構造を有するものとして構成され、その一方のクラッド層側に前記拡散ブロック用半導体層が接して配置されていることを特徴とする請求項2記載の発光素子。
- 前記主金属層の前記反射面を形成する部分がAuを主成分とするAu系反射層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記主金属層の前記反射面を形成する部分がAlを主成分とするAl系反射層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
- 前記主金属層の前記反射面を形成する部分がAgを主成分とするAg系反射層であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発光素子。
- 発光層部を有した化合物半導体層の第一主表面を光取出面とし、該化合物半導体層の第二主表面側に、コンタクト金属層を介して、前記発光層部からの光を光取出面側に反射させる反射面を有した主金属層を配置し、主金属層を介して素子基板が結合された、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法であって、
前記化合物半導体層を、前記発光層部と、該発光層部の前記第二主表面側に配置されるとともに、前記コンタクト金属層から前記発光層部への成分拡散を抑制する拡散ブロック用半導体層とを有するものとして形成し、
該拡散ブロック用半導体層の前記第二主表面側に前記コンタクト金属層を形成し、さらに該コンタクト金属層と前記拡散ブロック用半導体層とを合金化する合金化熱処理を行い、
前記コンタクト金属層が形成された前記拡散ブロック用半導体層の主表面、及び前記素子基板の主表面の少なくともいずれかに前記主金属層を形成し、前記主金属層を介して前 記素子基板と前記化合物半導体層とを貼り合わせることを特徴とする発光素子の製造方法。
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