JPH09172198A - 発光ダイオードおよびその製造方法 - Google Patents

発光ダイオードおよびその製造方法

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JPH09172198A
JPH09172198A JP33206195A JP33206195A JPH09172198A JP H09172198 A JPH09172198 A JP H09172198A JP 33206195 A JP33206195 A JP 33206195A JP 33206195 A JP33206195 A JP 33206195A JP H09172198 A JPH09172198 A JP H09172198A
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JP
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layer
light emitting
semiconductor
semiconductor layer
crystal growth
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JP33206195A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Kato
俊宏 加藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09172198A publication Critical patent/JPH09172198A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率が高く、順方向電圧が低く、且つ高
い生産効率で得ることができる発光ダイオードおよびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 発光ダイオード10は、その表面側に p
型半導体であるキャップ層20が位置する活性層16を
含む複数の半導体層(すなわち第1クラッド層14乃至
キャップ層20)から成る結晶成長層と、その活性層1
6で発生する光のエネルギーよりもバンドギャップエネ
ルギーが大きくキャップ層20と同様な p型半導体から
構成されて、その結晶成長層の表面側に設けられてその
結晶成長層よりも厚い透明基板22と、結晶成長層と透
明基板22との界面30近傍に形成され、キャップ層2
0および透明基板22を p型半導体とするための不純物
(例えばZn等)が高濃度で拡散された高濃度拡散領域3
2と、基板12の裏面側および透明基板22の上面28
の一部にそれぞれ設けられた下部電極24および上部電
極26とを含んで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオードお
よびその製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発光層を含む複数の半導体層を備え、そ
の発光層で発生した光をそれら複数の半導体層の表面か
ら取り出す形式の面発光型の発光ダイオードが知られて
いる。このような発光ダイオードは、例えば、有機金属
化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor D
eposition )法等によって、所定の基板上に半導体層を
順次結晶成長させ、その基板の裏面および半導体層の表
面にそれぞれ下部電極および上部電極を蒸着等によって
設けることにより製造される。
【0003】ところで、半導体層の表面から光を取り出
す場合には、下部電極は基板の裏面全面に設けられる
が、上部電極はその表面の一部に設けられる。この場合
において、発光層の上側に形成された半導体層が比較的
薄い場合には、発光層と上部電極との距離が比較的小さ
くなるため、両電極間に所定の動作電圧が印加された際
に、発光層においては上部電極の直下の部分に電流が集
中することとなる。したがって、発光層のうちの実際に
光が発生させられる発光領域が比較的狭くなると共に、
発生した光のうち上部電極で遮蔽されて取り出されない
光が比較的多くなって発光出力が十分に得られないこと
となる。
【0004】そのため、上記のような発光ダイオードで
は、例えば、基板上に各半導体層を結晶成長させる際
に、発光層の上部の半導体層の表面側に、例えば10μm
以上の比較的厚い電流拡散層が同様に結晶成長により形
成されている。このようにすれば、発光層と上部電極と
の距離が比較的長くされるため、動作電流が拡散されて
発光層の発光領域が比較的広くなり、発光出力が高めら
れる。しかしながら、このような構造の発光ダイオード
では、厚い半導体層を結晶成長により形成するために多
大な時間を必要として生産効率が著しく低下すると共
に、このことから、十分に発光効率が高められる程度に
電流拡散層を更に厚くすることができないという問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、発光層を含む
複数の半導体層を結晶成長させた後に、その発光層で発
生する光のエネルギーよりも十分にバンドギャップエネ
ルギーが大きい、すなわち、発光ダイオードの光を吸収
しない半導体基板を、その結晶成長させられた半導体層
の表面(すなわち光取り出し面)に固着して電流拡散層
とし、その半導体基板上に上部電極を設けることが考え
られている。このようにすれば、電流拡散層を結晶成長
させる方法に比較して、膜厚を十分に厚くし且つ高い生
産効率で発光ダイオードを製造することが可能である。
【0006】しかしながら、上記の半導体層への半導体
基板の固着は、例えば、樹脂などを用いた機械的な張り
合わせによって行われている。そのため、結晶成長によ
って電流拡散層を形成した場合に比較して、接着界面の
電気抵抗が高くなって、順方向電圧が高くなるという問
題があった。
【0007】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、発光効率が
高く、順方向電圧が低く、且つ高い生産効率で得ること
ができる発光ダイオードおよびその製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、第1発明の発光ダイオードの要旨とするとこ
ろは、発光層を含む複数の半導体層を備え、その発光層
で発生した光をそれら複数の半導体層の表面側から取り
出す形式の発光ダイオードであって、(a) 前記表面側に
所定の導電型の第1半導体層が位置するように結晶成長
により順次積層された発光層を含む複数の半導体層から
成る結晶成長層と、(b) 前記発光層で発生する光のエネ
ルギーよりもバンドギャップエネルギーが大きく且つ導
電型が前記第1半導体層と同様な半導体から構成され、
前記結晶成長層よりも大きい厚さを備えてその結晶成長
層の前記表面側に設けられた第2半導体層と、(c) 前記
結晶成長層と前記第2半導体層との界面近傍に形成さ
れ、前記第1半導体層およびその第2半導体層を前記所
定の導電型とするための不純物がそれら第1半導体層お
よび第2半導体層よりも高濃度で拡散された高濃度拡散
領域と、(d) 前記結晶成長層の前記第1半導体層とは反
対側の裏面側および前記第2半導体層の表面の一部にそ
れぞれ設けられた下部電極および上部電極とを、含むこ
とにある。
【0009】
【第1発明の効果】このようにすれば、発光ダイオード
は、その表面側に所定の導電型の第1半導体層が位置す
る発光層を含む複数の半導体層から成る結晶成長層と、
その発光層で発生する光のエネルギーよりもバンドギャ
ップエネルギーが大きく導電型が第1半導体層と同様な
半導体から構成されて、その結晶成長層の前記表面側に
設けられた結晶成長層よりも厚い第2半導体層と、結晶
成長層と第2半導体層との界面近傍に形成され、第1半
導体層および第2半導体層を上記所定の導電型とするた
めの不純物が高濃度で拡散された高濃度拡散領域と、結
晶成長層の裏面側および第2半導体層の表面の一部にそ
れぞれ設けられた下部電極および上部電極とを含んで構
成される。
【0010】そのため、下部電極および上部電極間に所
定の動作電圧が印加されると、発光層を通る経路で通電
されてその発光層内で光が発生し、第2半導体層を通っ
てその表面から取り出されることとなるが、発光層と上
部電極との距離が十分に大きくされていることから、結
晶成長層内では電流が十分に拡散され、発光層内の発光
領域は十分に大きくなると共に、発生した光のうち上部
電極により遮蔽される割合が低くされる。すなわち、第
2半導体層が電流拡散層として機能する。このとき、結
晶成長層と第2半導体層との界面近傍では、不純物の拡
散濃度が比較的高くされていることから、その界面の電
気抵抗が十分に低くされて、順方向電圧が高くさせられ
ない。しかも、結晶成長層と第2半導体層とは、後述の
ように固相接合により接合し得ることから高い生産効率
で製造することが可能である。したがって、発光効率が
高く、順方向電圧が低く、且つ高い生産効率で得ること
ができる発光ダイオードが得られる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の製造方法の要旨とするところ
は、発光層を含む複数の半導体層を備え、その発光層で
発生した光をそれら複数の半導体層の表面側から取り出
す形式の発光ダイオードの製造方法であって、(e) 所定
の基板上に前記表面側に所定の導電型の第1半導体層が
位置するように、発光層を含む複数の半導体層を順次結
晶成長により積層して結晶成長層を形成する結晶成長工
程と、(f) 前記発光層で発生する光のエネルギーよりも
バンドギャップエネルギーが大きく且つ導電型が前記第
1半導体層と同様な半導体から構成され、前記結晶成長
層よりも大きい厚さを備えた第2半導体層を、それら第
1半導体層および第2半導体層を前記所定の導電型とす
るための不純物を含む不純物層を介してその第1半導体
層と接触した状態に保持する接触保持工程と、(g) 前記
第1半導体層に前記第2半導体層が接触させられた状態
で熱処理することにより、前記結晶成長層およびその第
2半導体層を固着する熱処理工程とを、含むことにあ
る。
【0012】
【第2発明の効果】このようにすれば、結晶成長工程に
おいて、所定の基板上に表面側に所定の導電型の第1半
導体層が位置するように発光層を含む複数の半導体層か
ら成る結晶成長層が形成され、接触保持工程において、
発光層で発生する光のエネルギーよりもバンドギャップ
エネルギーが大きく且つ導電型が第1半導体層と同様な
半導体から構成され、結晶成長層よりも大きい厚さを備
えた第2半導体層が、第1半導体層および第2半導体層
を前記所定の導電型とするための不純物を含む不純物層
を介して第1半導体層に接触させられ、更に、熱処理工
程において、第1半導体層に第2半導体層が接触させら
れた状態で熱処理されることにより、結晶成長層および
第2半導体層が固着される。
【0013】そのため、熱処理工程において、不純物層
内の不純物が結晶成長層および第2半導体層内にそれぞ
れ拡散することにより、それら結晶成長層および第2半
導体層が固相接合させられることとなり、発光層の実質
的な発光領域を広げると共に電極に遮蔽される光の割合
を減じるための比較的厚い電流拡散層が、高い生産効率
が得られる接合方法によって設けられる。このとき、不
純物の拡散によって、結晶成長層および第2半導体層の
界面近傍に不純物の拡散濃度が高い高濃度拡散領域が形
成されて導電性が高められることから、その近傍におけ
る電気抵抗が低くされる。したがって、発光効率が高く
且つ順方向電圧が低い発光ダイオードを高い生産効率で
得ることができる。
【0014】
【発明の他の態様】ここで、好適には、(h) 前記結晶成
長工程と前記接触保持工程との間に設けられ、前記不純
物層を前記第1半導体層上または前記第2半導体層の裏
面に蒸着する蒸着工程を更に含むものである。このよう
にすれば、第1半導体層および第2半導体層のうち、そ
の不純物層が蒸着された一方のその一面が他方の半導体
層側に位置するように第1半導体層上に第2半導体層を
接触した状態で保持し、熱処理することにより、第1半
導体層上に第2半導体層が固着される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して説明する。なお、以下の説明において各部の寸
法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0016】図1は、本発明の一実施例の発光ダイオー
ド10の構成を示す図である。図において、発光ダイオ
ード10は、例えば、有機金属化学気相成長(MOCVD:Me
talOrganic Chemical Vapor Deposition )法等によっ
て、基板12上に順次結晶成長させられた第1クラッド
層14、活性層16、第2クラッド層18、キャップ層
20と、そのキャップ層20上に固着された透明基板2
2と、基板12の下面および透明基板22の上面にそれ
ぞれ蒸着された下部電極24および上部電極26とから
構成されている。本実施例においては、上記活性層16
が発光層に、第1クラッド層14乃至キャップ層20が
結晶成長層に、キャップ層20が第1半導体層に、透明
基板22が第2半導体層にそれぞれ相当する。
【0017】上記基板12は、例えば350 μm 程度の厚
さのn-GaAs単結晶から成る化合物半導体である。また、
前記第1クラッド層14は、例えば 2μm 程度の厚さの
n-Al 0.4Ga0.6As単結晶から成る化合物半導体である。ま
た、活性層16は、例えば 0.5μm 程度の厚さのp-GaAs
単結晶から成る化合物半導体、第2クラッド層18は、
例えば 4μm 程度の厚さのp-Al0.4Ga0.6As単結晶から成
る化合物半導体、キャップ層20は、例えば 1μm 程度
の厚さのp-Al0.1Ga0.9As単結晶から成る化合物半導体で
ある。
【0018】また、上記透明基板22は、例えば200 μ
m 程度の厚さのp-GaP 単結晶から成る化合物半導体であ
る。したがって、これらの化合物半導体の組成から明ら
かなように、透明基板22は、活性層16で発生する光
のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大きく
且つ導電型が第2クラッド層18と同様な半導体から構
成されており、その厚さは、第1クラッド層14乃至キ
ャップ層20により構成される結晶成長層(エピタキシ
ャル層)よりも十分に厚くされている。なお、基板12
および第1クラッド層14には、 n型のドーパントであ
る不純物(例えばSi等)がドープされることによりn型
半導体にされているが、活性層16乃至キャップ層20
および上記透明基板22には、 p型のドーパントである
不純物(例えばZn等)がドープされることによりp型半
導体とされている。
【0019】また、下部電極24は例えば 1μm 程度の
厚さであって、例えば基板12の下面全面にその基板1
2側から順にAu−Ge合金、NiおよびAuが積層形成された
ものである。また、上部電極26は、透明基板22の上
面28中央部にその透明基板22側から順にAu−Zn合金
およびAuが積層形成された円形電極である。これら下部
電極24および上部電極26は、何れもオーミック電極
である。
【0020】また、上記キャップ層20と透明基板22
との界面30近傍には、p型のドーパントである不純物
(例えばZn等)が高濃度で拡散された高濃度拡散領域3
2が形成されている。この高濃度拡散領域32において
は、界面30からキャップ層20側および透明基板22
側へそれぞれ離隔するに従って、それらキャップ層20
および透明基板22のその高濃度拡散領域32以外の部
分と同様な濃度となるように次第に不純物濃度が低くな
っている。
【0021】以上のように構成された発光ダイオード1
0は、下部電極24および上部電極26間に所定の動作
電圧が印加されることにより、活性層16を通る経路で
両電極24,26間に通電されると、その活性層16内
で光が発生し、透明基板22の上面28から放射され
る。このとき、本実施例においては、非発光領域を斜線
で表す図2(a) に示されるように、透明基板22の上面
28中央部に設けられた上部電極26を除く略全面から
一様に光が放射されることとなる。なお、図2(b) は、
キャップ層20の上側に透明基板22を固着せず、その
キャップ層20上に直接上部電極26が設けられた場合
の発光状態を示すものであるが、図から明らかなよう
に、光が放射されるのは上部電極26周辺の小さな範囲
のみである。
【0022】ところで、上記の発光ダイオード10は、
例えば、図3(a) 〜(e) に示される工程に従って製造さ
れる。先ず、結晶成長工程に対応する図3(a) におい
て、例えばMOCVD 法等により基板12上に第1クラッド
層14乃至キャップ層20を結晶成長させて積層し、エ
ピウェハ34を作製する。次いで、蒸着工程に対応する
図3(b) において、例えば真空蒸着によって、例えば、
厚さが30nm(300Å) 程度のZnAs2 から成る不純物層36
を、エピウェハ34の表面38に蒸着する。接触保持工
程に対応する図3(c) においては、例えば、両面が鏡面
研磨され且つ清浄化された透明基板22を用意し、例え
ば、その透明基板22およびエピウェハ34をそれぞれ
平坦なシリコン板40,40等の上に載置して重ね合わ
せることにより、透明基板22およびエピウェハ34を
張り合わせる。そして、熱処理工程に対応する図3(d)
において、例えば、水素雰囲気下800 ℃で16時間程度保
持する。これにより、不純物層36内のZnが透明基板2
2内およびキャップ層20内に拡散し、それらの界面3
0近傍に不純物濃度が高い高濃度拡散領域32が形成さ
れると同時に透明基板22とエピウェハ34とが固相接
合させられる。
【0023】上記のようにエピウェハ34に透明基板2
2を接合した後、電極形成工程に対応する図3(e) にお
いて、基板12の下面と透明基板22の上面28に下部
電極24および上部電極26をそれぞれ蒸着し、更に、
例えば400 μm ×400 μm 程度の所定の寸法の個々の素
子毎に分離し、例えばTO18のステム上にダイボンデ
ィングした後、上部電極26にワイヤボンディングする
ことによって、発光ダイオード10が得られる。
【0024】ここで、本実施例においては、発光ダイオ
ード10は、その表面側に p型半導体であるキャップ層
20が位置する活性層16(発光層)を含む複数の半導
体層(すなわち第1クラッド層14乃至キャップ層2
0)から成る結晶成長層と、その活性層16で発生する
光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大き
くキャップ層20と同様な p型半導体から構成されて、
その結晶成長層の表面側に設けられてその結晶成長層よ
りも厚い透明基板22と、結晶成長層と透明基板22と
の界面30近傍に形成され、キャップ層20および透明
基板22を p型半導体とするための不純物(例えばZn
等)が高濃度で拡散された高濃度拡散領域32と、基板
12の裏面側および透明基板22の上面28の一部にそ
れぞれ設けられた下部電極24および上部電極26とを
含んで構成される。
【0025】そのため、下部電極24および上部電極2
6間に所定の動作電圧が印加されると、活性層16を通
る経路で通電されてその活性層16内で光が発生し、透
明基板22を通ってその上面28から取り出されること
となるが、透明基板22が200 μm 程度と十分に厚いこ
とから、活性層16と上部電極26との距離dが十分に
大きくされているため、結晶成長層内では電流が十分に
拡散され、活性層16内の発光領域は十分に大きくなる
と共に、発生した光のうち上部電極26により遮蔽され
る割合が低くされる。すなわち、透明基板22が電流拡
散層として機能する。このとき、結晶成長層と透明基板
22との界面30近傍では、不純物(例えばZn等)の拡
散濃度が比較的高くされていることから、その界面30
の電気抵抗が十分に低くされて、順方向電圧が高くさせ
られない。しかも、結晶成長層と透明基板22とは、固
相接合により接合されることから高い生産効率で製造す
ることが可能である。したがって、発光効率が高く、順
方向電圧が低く、且つ高い生産効率で得ることができる
発光ダイオード10が得られる。
【0026】これに対して、透明基板22が固着され
ず、例えばキャップ層20上に上部電極26が直接蒸着
されていた従来の発光ダイオードにおいては、活性層1
6と上部電極26との距離d0 は、第2クラッド層18
とキャップ層20との厚みにより決定される比較的小さ
い値(本実施例の構成では4 μm +1 μm =5 μm )で
あったため、活性層16内の発光領域すなわち通電領域
が上部電極26の直下近傍に集中することとなって、前
記図2(b) に示されるように発光ダイオードの全面から
は光が取り出されなかったのである。
【0027】また、本実施例においては、図3(a) に示
される結晶成長工程において、基板12上に表面側に p
型半導体であるキャップ層20が位置するように活性層
16を含む複数の半導体層(第1クラッド層14乃至キ
ャップ層20)から成る結晶成長層が形成され、図3
(c) に示される接触保持工程において、活性層16で発
生する光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギー
が大きく且つキャップ層20と同様な p型半導体から構
成され、結晶成長層よりも大きい厚さを備えた透明基板
22が、キャップ層20および透明基板22を p型半導
体とするための不純物を含む不純物層36を介してキャ
ップ層20に接触させられ、更に、図3(d) に示される
熱処理工程において、キャップ層20に透明基板22が
接触させられた状態で熱処理されることにより、結晶成
長層および透明基板22が固着される。
【0028】そのため、熱処理工程において、不純物層
36内の不純物(Zn等)が結晶成長層および透明基板2
2内にそれぞれ拡散することにより、それら結晶成長層
および透明基板22が固相接合させられることとなり、
活性層16の実質的な発光領域を広げると共に上部電極
26に遮蔽される光の割合を減じるための比較的厚い電
流拡散層が、高い生産効率が得られる接合方法によって
設けられる。このとき、不純物の拡散によって、結晶成
長層および透明基板22の界面30近傍に不純物の拡散
濃度が高い高濃度拡散領域32が形成されて導電性が高
められることから、その近傍における電気抵抗が低くさ
れる。したがって、発光効率が高く且つ順方向電圧が低
い発光ダイオード10を高い生産効率で得ることができ
る。
【0029】また、本実施例においては、図3(a) の結
晶成長工程と図3(c) の接触保持工程との間に設けら
れ、不純物層36をキャップ層20の表面38に蒸着す
る図3(b) の蒸着工程を更に含むものである。そのた
め、キャップ層20の表面38に透明基板22が接触し
た状態で保持し、熱処理することにより、キャップ層2
0上に透明基板22が固着される。
【0030】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において、前述の実施例と共通する部分
は同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】図4は、他の実施例の発光ダイオード50
の構成を示す図である。図において、発光ダイオード5
0は、基板12上に例えばMOCVD 法等によって順次結晶
成長させられた反射層52、第1クラッド層54、活性
層56、第2クラッド層58、およびウィンドウ層60
を備えており、これら反射層52乃至ウィンドウ層60
から結晶成長層が構成されている。その他の部分の構成
は発光ダイオード10と同様である。
【0032】上記反射層52は、例えば厚さ55nm程度の
n-AlAs単結晶から成る化合物半導体と、厚さ48nm程度の
n-Al0.2Ga0.8As単結晶から成る化合物半導体とが、前者
が基板12側となるように交互に例えば20組積層されて
成る所謂分布反射型半導体多層膜反射層(DBR)であ
る。上記の両半導体層の厚さは、活性層56で発生して
基板12側へ向かう光が透明基板22側に向かって反射
されて、効率的に光が取り出されるように、例えばそれ
ぞれ発光波長の1/4 波長の厚さに設定されている。
【0033】また、第1クラッド層54は、例えば 2μ
m 程度の厚さのn-Al0.7Ga0.3In0.5P 0.5 単結晶から成る
化合物半導体、活性層56は、例えば0.5 μm 程度の厚
さのp-Al0.2Ga0.8In0.5P0.5 単結晶から成る化合物半導
体、第2クラッド層58は、例えば2 μm 程度の厚さの
p-Al0.7Ga0.3In0.5P0.5 単結晶から成る化合物半導体で
ある。また、ウィンドウ層60は、例えば2 μm 程度の
厚さのp-GaP 単結晶から成る化合物半導体であり、光を
十分に透過させつつ、下部電極24と上部電極26との
間に流された電流を拡散させるためのものである。これ
らの各半導体層のうち、 p型半導体である活性層56乃
至ウィンドウ層60は、前記透明基板22と同様に、例
えばZn等のp 型のドーパントである不純物が所定の濃度
で拡散されている。そして、本実施例においても、結晶
成長層と透明基板22との界面(すなわちウィンドウ層
60と透明基板22との界面)30には、その不純物が
高濃度で拡散された高濃度拡散領域32が形成されてい
る。
【0034】上記の発光ダイオード50も、前述の実施
例と同様に例えば図3(a) 〜(e) に示される工程に従っ
て製造されるものであるが、その図3(b) に示される蒸
着工程においては、例えば、Znのみから構成される50nm
(500Å) 程度の蒸着膜が透明基板22の裏面(ウィンド
ウ層60側の一面)に蒸着されることで不純物層36が
設けられる。その他の工程については、発光ダイオード
10と同様であり、例えば400 ×400 μm 程度の個々の
素子毎に分離された後、TO18ステム等にマウントす
ることにより発光ダイオード50が得られる。
【0035】上記の発光ダイオード50の発光出力をそ
の表面に樹脂をコーティングしない状態で測定した結果
を、透明基板22を固着していない比較例と共に下記に
示す。下記の測定結果から明らかなように、本実施例に
おいては、透明基板22を固着していない比較例に対し
て3倍程度の高い光度が得られた。
【0036】すなわち、本実施例においても、前述の実
施例と同様に、基板12上に結晶成長させられた活性層
56を含む複数の半導体層から成る結晶成長層と、その
結晶成長層よりも十分に厚い透明基板22とが固相接合
により接合されて、その界面30近傍に不純物の拡散濃
度が高くされた高濃度拡散領域32が形成されている。
そのため、活性相56と上部電極26との距離が十分に
大きくされて結晶成長層内で電流が十分に拡散されるこ
とにより、発光領域が十分に大きくなって発生した光が
上部電極26に遮蔽される割合が低くされ、また、界面
30近傍の電気抵抗値が低くされていることから順方向
電圧が低くされ、更に、結晶成長層の上に透明基板22
を接合することにより十分に厚い電流拡散層を設けてい
ることから生産効率が高められているのである。
【0037】また、本実施例においては、透明基板22
と結晶成長層の表面側に設けられているウィンドウ層6
0とが何れもp-GaP から構成されているため、活性層5
6で発生した光を吸収せず、また、固相接合時に混晶化
してバンド不連続を生じせしめない。
【0038】また、本実施例においては、基板12と第
1クラッド層52との間に反射層52が備えられている
ため、基板12側へ向かう光もその反射層52で反射さ
れて透明基板22の表面28側へ向かわせられ、基板1
2に吸収されることなく取り出されることとなって、一
層高い発光効率が得られる。
【0039】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0040】例えば、前述の実施例においては、GaAs/
AlGaAsダブルヘテロ構造の面発光型発光ダイオード10
や AlGaInPダブルヘテロ構造の面発光型発光ダイオード
50について説明したが、そのAlとGaとの組成比やInと
P の組成比等は適宜設定されると共に、GaP ,InP ,In
GaAlP ,InGaN 等から成るダブルヘテロ構造の発光ダイ
オードや、単なるpn接合から成る発光ダイオードにも本
発明は同様に適用され得る。
【0041】また、前述の実施例においては、透明基板
22としてGaP 単結晶から成る化合物半導体基板を用い
たが、用いられる化合物半導体は、発光ダイオードの発
光波長に対して透光性を有するもの、すなわち発光波長
の光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大
きいものであれば良く、発光ダイオードの組成すなわち
結晶成長層の組成に応じて適宜変更される。例えば、実
施例や上記のような発光ダイオードに対しては、GaP の
他に、ZnSeやZnS 等の基板が用いられても良い。
【0042】また、実施例においては、不純物層36に
含まれる不純物として、 p型のドーパントであるZnが用
いられていたが、含まれる不純物は、結晶成長層のうち
の表面側に位置する半導体層(すなわちキャップ層20
或いはウィンドウ層60)や透明基板22をその導電型
にするために用いられ得るものであれば種々のものが用
いられ得る。例えば、透明基板22等が p型半導体であ
る場合には、 p型のドーパントであるB ,Be,Li,Te等
が用いられ得、 n型半導体である場合には、 n型のドー
パントであるS ,Se,Ge,Sn等が用いられ得る。
【0043】また、前述の実施例においては、基板12
側に n型半導体が、第2クラッド層18,58側に p型
半導体が用いられ、上部電極26から下部電極24に向
かって動作電流が流れるようにされていたが、 p型, n
型を反対にして動作電流の流れる方向を反対にしても良
い。
【0044】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発光ダイオードの構成を示
す図である。
【図2】(a) は図1の発光ダイオードの発光状態を示す
図であり、(b) は従来の発光ダイオードの発光状態を示
す図である。
【図3】図1の発光ダイオードの製造方法を示す図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例の発光ダイオードの構成を
示す図である。
【符号の説明】
10:発光ダイオード {14:第1クラッド層,16:活性層,18:第2ク
ラッド層,20:キャップ層}(結晶成長層) 16:活性層(発光層) 20:キャップ層(第1半導体層) 22:透明基板(第2半導体層)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光層を含む複数の半導体層を備え、該
    発光層で発生した光を該複数の半導体層の表面側から取
    り出す形式の発光ダイオードであって、 前記表面側に所定の導電型の第1半導体層が位置するよ
    うに結晶成長により順次積層された発光層を含む複数の
    半導体層から成る結晶成長層と、 前記発光層で発生する光のエネルギーよりもバンドギャ
    ップエネルギーが大きく且つ導電型が前記第1半導体層
    と同様な半導体から構成され、前記結晶成長層よりも大
    きい厚さを備えて該結晶成長層の前記表面側に設けられ
    た第2半導体層と、 前記結晶成長層と前記第2半導体層との界面近傍に形成
    され、前記第1半導体層および該第2半導体層を前記所
    定の導電型とするための不純物が該第1半導体層および
    該第2半導体層よりも高濃度で拡散された高濃度拡散領
    域と、 前記結晶成長層の前記第1半導体層とは反対側の裏面側
    および前記第2半導体層の表面の一部にそれぞれ設けら
    れた下部電極および上部電極とを、含むことを特徴とす
    る発光ダイオード。
  2. 【請求項2】 発光層を含む複数の半導体層を備え、該
    発光層で発生した光を該複数の半導体層の表面側から取
    り出す形式の発光ダイオードの製造方法であって、 所定の基板上に前記表面側に所定の導電型の第1半導体
    層が位置するように、発光層を含む複数の半導体層を順
    次結晶成長により積層して結晶成長層を形成する結晶成
    長工程と、 前記発光層で発生する光のエネルギーよりもバンドギャ
    ップエネルギーが大きく且つ導電型が前記第1半導体層
    と同様な半導体から構成され、前記結晶成長層よりも大
    きい厚さを備えた第2半導体層を、該第1半導体層およ
    び該第2半導体層を前記所定の導電型とするための不純
    物を含む不純物層を介して該第1半導体層と接触した状
    態に保持する接触保持工程と、 前記第1半導体層に前記第2半導体層が接触させられた
    状態で熱処理することにより、前記結晶成長層および該
    第2半導体層を固着する熱処理工程とを、含むことを特
    徴とする発光ダイオードの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記結晶成長工程と前記接触保持工程と
    の間に設けられ、前記不純物層を前記第1半導体層上ま
    たは前記第2半導体層の裏面に蒸着する蒸着工程を更に
    含むものである請求項2の発光ダイオードの製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002176200A (ja) * 2000-09-12 2002-06-21 Lumileds Lighting Us Llc 改良された光抽出効率を有する発光ダイオード
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US10312422B2 (en) 2000-09-12 2019-06-04 Lumileds Llc Light emitting devices with optical elements and bonding layers

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