JP4137187B2 - 時計用表示板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、時計に内蔵され光エネルギーを電気エネルギーに変換して使用する太陽電池(ソーラーセル)の表面側に配設された時計用表示板(文字板)に関する。
背景技術
従来から時計、電卓、携帯ラジオなどの電源として太陽電池が用いられているが、この太陽電池は、通常アモルファスシリコンなどから形成され、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、その機能から光があたる位置、すなわち外部から直接見える表面位置に配設する必要がある。
ところで、従来より腕時計の表示板構造に太陽電池が用いられているが、その構造としては、図23および図24に示したように、腕時計のモジュール131の上面に平面視で扇形のソーラーセル132を4枚、絶縁帯133を挟んで配置し、このソーラーセル132の上に透明なポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)樹脂もしくはアクリル樹脂の透明板134を介して半透明な樹脂薄膜層135を部分的にまたは全面的に積層した構成である。
しかしながら、このようなソーラー時計表示板構造にあっては、ソーラーセル132が通常茶褐色または暗青色であるため、透明板を介して下方に存在するソーラーセルなどが視認されることとなるため、文字板がソーラーセルの色となり、また、ソーラーセル132とソーラーセル132との間に絶縁帯133があるために、この絶縁帯133が十字線として現れ、色調を含めたデザインが大幅に限定されるばかりか、外観が劣り商品性が低下することとなっていた。
これに対して、従来より太陽電池の前面に干渉フィルタなどを設けて、太陽電池が直接見えないようにした時計などが提案されているが、太陽電池への光エネルギー供給に支障を来すという問題があり、また時計用文字板としての外観品質が悪いという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば、特公平5−38464号公報には、太陽電池と、この太陽電池の前面に設けられて太陽電池の発電に寄与する波長域の光を透過するカラーフィルタと、太陽電池とカラーフィルタとの間に設けられてカラーフィルタにより透過した光の一部を透過し、残りを四方に散乱する散乱層とから成るカラー拡散層とを有する色つき太陽電池が開示されている。
そして、このような散乱層として、白色拡散板が用いられており、白色拡散板として、具体的に、アクリル製乳白色板、ハーフミラーに艶消しクリヤラッカーを塗布したものや、片面をブラスト処理によって粗らしたガラスや、プラスチックの反対側にアルミニウムなどでストライプ状や網状にミラーを形成した白色拡散板などを用いることが示唆されている。
しかしながら、このような従来の技術では、散乱層として、アクリル製乳白色板を用いているが、アクリル製乳白色板は、腕時計の表示板として好まれ、かつ高級感を付与できる金属色調を得ることができず、しかも加工時にバリが発生し、バリ取り加工が必要なため工程が複雑でかつコストも高くなる。また、ハーフミラーに艶消しクリヤラッカーを塗布したものでは、ハーフミラー処理や塗布処理が必要で煩雑であり、しかも塗布処理によっては膜厚が不均一となり透過率にバラツキが生じ、色むらが発生するおそれがあった。さらに、片面をブラスト処理によって粗らしたガラスや、プラスチックの反対側にアルミニウムなどでストライプ状や網状にミラーを形成したものについても、このようなブラスト処理、ミラー処理などを施さなければならず、工程が複雑であり、これらの処理によっては膜厚、凹凸度などが不均一となり透過率がばらつき、色むらが発生するという問題があった。さらには、上記したいずれの材質も、時計の文字板としての外観品質が劣るという問題点があった。
いずれにしても、カラフィルターと太陽電池の間にこのような散乱層を設けることは、複雑な工程が必要で、その透過率にバラツキが生じて発電性能の低下、色むらの発生、材質自体の特性による外観品質の低下などをきたすこととなって好ましくなかった。
さらに、通常の時計の表示板に用いる金属製の表示板では、その特有な金属色などによってデザインの多様化が図れ、しかも高品質で高級感の溢れる表示板が種々提案されているが、ソーラー時計においては、金属製の表示板を用いることによって光が遮断されてしまうため、ソーラーセルの発電が生じないために、このような金属製の表示板を用いることができず、金属色特有の高級感とデザインバリエーションの多様化を図ることはできなかった。
発明の開示
本発明は、上記した問題点に着目して発明なされたものであって、表示板を介して、表示板の下方に位置するソーラーセルならびに絶縁帯の十字線などが透けて見えることがなく、しかも、表示板を金属に特有な金属色によってカラー化でき、通常の金属製表示板と同様のデザイン表現が可能で、高級感のある模様、色調(微妙な色合い)を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大されるとともに、外観品質がよく商品性に優れた時計用表示板を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明なされたものであって、本発明の時計用表示板は、時計に内蔵されたソーラーセルの表面側に配設される時計用表示板であって、
前記時計用表示板が、光が透過可能な樹脂基板と、前記樹脂基板の少なくとも片面にドライメッキ処理にて形成された金属薄膜層とで構成され、
前記時計用表示板が、前記時計用表示板を介してのソーラーセルの外部からの視認を妨げるとともに、表示板下方に内蔵されたソーラーセルの発電を少なくとも生じせしめる光透過率を有することを特徴とする。
このように構成することによって、金属薄膜層によって、表示板の下方に存在するソーラーセル、十字線などが透けて見えることがなく、金属薄膜層を介して光がある程度透過するので、その光透過率がソーラーセルの発電に寄与する大きさであり、ソーラー時計自体の機能を阻害することがなく、しかも、金属薄膜層の有する金属特有の金属色によって、カラー化することが可能でデザインバリエーションを大幅に拡大することが可能となる。
この場合、前記金属薄膜層は、その膜厚は、光透過率などを考慮して適宜設定できるものであるが、その膜厚が100Å〜500Åであるのが、表示板の下方に存在するソーラーセルなどが透けて見えることがなく、しかも光をある程度透過して、ソーラーセルの発電に寄与する光透過率を有し、ソーラー時計自体の機能を阻害することがないためには好ましい。さらに、このような範囲で、金属薄膜の膜厚を変化させることによって、同一金属薄膜であっても種々の金属色が得ることが可能で、光透過率も変化させることができる。
また、前記金属薄膜層は、単一層の金属薄膜層であっても良く、また、少なくとも2層以上の多層の金属薄膜層であっても良いが、2層以上の多層の金属薄膜層の場合には、単一層の膜では醸し出すことのできない微妙な金属色を現出することが可能となる。
さらに、前記金属薄膜層は、マスキング処理及びエッチング処理によって、部分的に欠落した部分を有するのが好ましく、この場合には、種々の模様を形成することができるので、デザインのバリエーションを拡大することが可能となる。
また、前記金属薄膜層は、Au、Ag、Al、Cu、Co、Cr、Fe、In、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Tiからなるグループから選択した1種の金属若しくは2種以上の合金金属から構成することが可能である。この場合、前記金属薄膜層は、前記金属若しくは合金金属の窒化膜、酸化膜、炭化膜又はこれらの混合膜から構成することもできる。
さらに、前記樹脂基板の少なくとも片面には、凹凸による模様が少なくとも部分的に形成されているのが好ましく、この場合には、通常の表示板と同様のデザイン表現が可能になって、高級感のある模様、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、微妙な色合いを出すことができる。
一方、前記樹脂基板は、透明樹脂又は有色樹脂から構成することができ、このような樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂などが使用可能である。この場合、樹脂基板を有色樹脂を用いた場合には、例えば、金属薄膜と同一の有色樹脂とすることにより質感の向上が図れるなど、色調を含めたデザインバリエーションの拡大が可能である。
また、樹脂基板として、他種類の樹脂をブレンドしたいわゆるポリマーアロイを用いてもよく、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂から選択した少なくとも2種の樹脂を組み合わせてなるポリマーアロイを用いることができる。
このようなポリマーアロイを用いることによって、金属薄膜層との密着性、表面処理性、成形性、吸湿性などをを向上することが可能となる。
また、前記金属薄膜の上面に表面保護層が形成されているのが好ましく、表面保護層としては、カラー塗装やグラーデション塗装、ラミネートフィルムなどを用いることができ、金属薄膜を酸化などから保護することが可能であるとともに、当該保護層によっても色調などを変化させることができデザインバリエーションの拡大が図れる。
この場合、特に、樹脂基板に形成した金属薄膜層が、Ag薄膜層またはCu薄膜層である場合には、この金属薄膜層の表面に表面保護層が存在しないと、変色、錆などが発生してしまうため、この表面保護層を形成する必要がある。
このような表面保護層としては、合成樹脂からなる塗料またはインキで形成すればよく、このような塗料またはインキとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂またはこれらの混合樹脂からなる塗料またはインキによって形成することができる。
また、表面保護層として、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルムで形成しても良い。
また、表面保護層として、金属酸化物被膜で形成しても良く、このような金属酸化物として、例えば、MgO、TiO2、SiO2、SiO、ZrO2、Al2O3などの金属酸化物を真空蒸着などによって真空蒸着することによって形成することができる。なお、樹脂基板の表面に金属酸化物被膜を形成する方法としては、このような真空蒸着の他、ドライメッキとして、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能である。
さらに、表面保護層として、金属薄膜層をクロム酸、クロム酸塩を含む液で処理することによりメッキ表面上にクロム酸塩被膜を形成したクロメート処理被膜で形成することもできる。
また、前記樹脂基板に、エンボス加工によって時字などを構成する表面突設部を設けてもよく、また、時計用表示板の上面に、印刷によるマーキングを施したり、時字などのマーキング部材を付着することも可能である。
さらに、前記時計用表示板に、時計用表示板を時計本体に取り付けるための取り付け手段が設けられているのが好ましく、このような取り付け手段としては、外周部に形成した切欠部、外周部に形成した突起部、外周部に形成した孔、又は表示板の裏面に形成した突設部とすることが可能である。
また、いずれの場合でも、時計用表示板の下方に位置するソーラーセルの発電機能を阻害しないために、時計用表示板の光透過率が、10%〜50%であるのが好ましい。
一方、本発明の時計用表示板の製造方法は、時計に内蔵されたソーラーセルの表面側に配設される時計用表示板であって、光が透過可能な樹脂基板と、前記樹脂基板の少なくとも片面に形成された金属薄膜層とで構成される時計用表示板の製造方法であって、
樹脂を射出成形し、必要に応じてプレス抜き加工することによって樹脂基板を作製する工程と、
前記樹脂基板の少なくとも片面にドライメッキ処理にて金属薄膜層を形成する金属薄膜形成工程とを含むことを特徴とする。
この場合、前記ドライメッキ処理としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能であり、前記ドライメッキ処理によって形成される金属薄膜の膜厚が、100Å〜500Åであるのが、表示板の下方に存在するソーラーセルなどが透けて見えることがなく、しかも光をある程度透過して、ソーラーセルの発電に寄与する光透過率を有し、ソーラー時計自体の機能を阻害することがないためには好ましい。さらに、このような範囲で、金属薄膜の膜厚を変化させることによって、同一金属薄膜であっても種々の金属色が得ることが可能で、光透過率も変化させることができる。
このように、物理的方法であるドライメッキ処理を用いることによって、湿式メッキ等に比較し、非導電体である樹脂に対しての膜付け、特に片面のみへの処理が容易に実施可能であると同時に、膜厚をモニターしながらの成膜によって膜厚の精密な制御と、良好な再現性のある量産が可能となる。
また、前記射出成形が、金型内面に凹凸模様を形成した射出成形金型を用いて、前記樹脂基板の少なくとも片面に、凹凸による模様を少なくとも部分的に形成するのが好ましく、このような金型は、従来より知られている電気鋳造法(いわゆる「電鋳」)によって作製することができ、このような方法で製造される模様としては、例えば、電鋳放射模様、電鋳砂地模様などがある。このように構成すことによって、通常の表示板と同様のデザイン表現が可能になって、高級感のある模様、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、微妙な色合いを出すことができる。
さらに、前記金属薄膜形成工程の前に、金属薄膜層と素地である樹脂基板との密着性ならびに金属薄膜の外観品質ならびに耐候信頼性を向上するために、樹脂基板の表面を清浄化する清浄化処理工程を含むのが好ましい。
このような清浄化処理としては、樹脂基板表面を脱脂したり、パーティクルや塵埃を除去するために、例えば中性洗剤による清浄化処理や、不活性ガスのイオンによる衝撃によって、樹脂基板表面の水分やCO2、CO、H2等の残存ガス分子を除去するいわゆるイオンボンバード(イオン衝撃法)を用いるのが好ましい。
また、このような清浄化処理として、水分や残存ガス分子などを除去するために、樹脂基板を加熱する加熱処理を行うのが望ましく、この加熱処理は、減圧下、好ましくは真空下で行うのが望ましい。
さらに、前記金属薄膜形成処理が、マスキング処理及びエッチング処理によって、部分的に欠落した部分を有する金属薄膜層を形成する処理を含むのが好ましい。具体的には、透過光量の許す範囲で金属薄膜層を多層に形成して、これにフォトレジストなどのマスキングを施し、エッチングによって部分的に上層の金属を取り除く方法、逆に、マスキングを施した後、金属薄膜層を形成し、その後にマスキング材料とともに最上層の金属薄膜層を除去する方法が使用できる。
このようにすることによって、最上層の金属薄膜層の金属色と、その下方の金属薄膜層の金属色、又は樹脂基板が有色である場合にはその色によって、種々の色の組み合わせによって、デザインバリエーションの拡大が図れることになる。
さらに、前記金属薄膜層の上面に表面保護層を形成する表面保護層形成処理工程を含むのが好ましく、この場合、表面保護層としては、カラー塗装やグラーデション塗装、ラミネートフィルムなどを用いることができ、金属薄膜を酸化などから保護することが可能であるとともに、当該保護層によっても色調などを変化させることができデザインバリエーションの拡大が図れる。
この場合、特に、樹脂基板に形成した金属薄膜層が、Ag薄膜層またはCu薄膜層である場合には、この金属薄膜層の表面に表面保護層が存在しないと、変色、錆などが発生してしまうため、この表面保護層を形成する必要がある。
このような表面保護層としては、合成樹脂からなる塗料またはインキで形成すればよく、このような塗料またはインキとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂またはこれらの混合樹脂からなる塗料またはインキによって形成することができる。
また、表面保護層として、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルムで形成しても良い。
また、表面保護層として、金属酸化物被膜で形成しても良く、このような金属酸化物として、例えば、MgO、TiO2、SiO2、SiO、ZrO2、Al2O3などの金属酸化物を真空蒸着などによって真空蒸着することによって形成することができる。なお、樹脂基板の表面に金属酸化物被膜を形成する方法としては、このような真空蒸着の他、ドライメッキとして、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能である。
さらに、表面保護層として、金属薄膜層をクロム酸を含む液で処理することによりメッキ表面上にクロム酸塩被膜を形成したクロメート処理被膜で形成することもできる。
また、前記金属薄膜形成処理工程の前に、前記樹脂基板にエンボス加工によって時字などを構成する表面突設部を設けるエンボス処理工程を含んでもよい。
さらに、前記時計用表示板の上面に、印刷によるマーキング又は時字などのマーキング部材を付着する仕上げ工程を含むことが好ましい。
また、前記射出成形処理によって、時計用表示板を時計本体に取り付けるための取り付け手段を一体成形により設けるのが好ましく、このような取り付け手段としては、外周部に形成した切欠部、外周部に形成した突起部、外周部に形成した孔、又は表示板の裏面に形成した突設部とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施例の時計用表示板を備えた腕時計の断面図である。
図2は本発明の第1の実施例の時計用表示板を備えたソーラー時計用表示板構造の断面図である。
図3は、図2のI部の拡大図である。
図4は、本発明の第2の実施例の時計用表示板の断面図である。
図5は、本発明の第3の実施例の時計用表示板の断面図である。
図6は、本発明の第4の実施例の時計用表示板の断面図である。
図7は、本発明の第5の実施例の時計用表示板の断面図である。
図8は、本発明の第6の実施例の時計用表示板の断面図である。
図9は、本発明の第7の実施例の時計用表示板の断面図である。
図10は、本発明の第8の実施例の時計用表示板の断面図である。
図11は、本発明の第9の実施例の時計用表示板の断面図である。
図12(A)〜(C)は、金属薄膜層に欠落部分を設ける方法を説明する断面図である。
図13(A)〜(C)は、金属薄膜層に欠落部分を設ける別の方法を説明する断面図である。
図14は、本発明の第10の実施例の時計用表示板の断面図である。
図15は、本発明の第11の実施例の時計用表示板の断面図である。
図16は、本発明の第12の実施例の時計用表示板の断面図である。
図17は、本発明の第13の実施例の時計用表示板の断面図である。
図18は、波長と吸収率の関係を示すグラフである。
図19は、本発明の第1の実施例の時計用表示板の平面図である。
図20は、本発明の第1の実施例の時計用表示板の固定状態を説明す断面図である。
図21は、本発明の第1の実施例の時計用表示板の固定部の別の実施例を示す平面図である。
図22は、本発明の第1の実施例の時計用表示板の固定部の別の実施例を示す平面図である。
図23は、従来のソーラー時計用表示板構造を備えた腕時計の平面図である。
図24は、従来のソーラー時計用表示板構造の断面図である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例の時計用表示板を備えた腕時計の断面図、図2は本発明の第1の実施例の時計用表示板を備えたソーラー時計用表示板構造の断面図、図3は、図2のI部の拡大図である。
図1に示すように、外胴2の内部に嵌着された合成樹脂から成る支持枠3を介してモジュール4を固定し、このモジュール4の表側にソーラー時計用表示板構造Aが構成されている。また、モジュール4に設けられた二重軸構成の針軸5を、ソーラー時計用表示板構造Aに穿設された中央の孔部A1を貫通させてあり、この針軸5の外軸5aに時針6を、内軸5bに分針7をそれぞれ取り付けている。さらに、外胴2の底側に防水パッキン8を介して裏蓋9を装着し、外胴2の表側に防水リング(テフロン樹脂)を介して風防ガラス10を装着することによって、腕時計1が構成されている。
そして、ソーラー時計用表示板構造Aは、基本的には、図2に示すように、モジュール4の表側に固着されたソーラーセル11と、このソーラーセル11の表側に設けられた時計用表示板Bから構成されている(以下の実施例においても同様である)。
時計用表示板Bは、図2及び図3に示したように、光が透過可能な樹脂からなる樹脂基板(文字板母材)12と、この樹脂基板12の表側(光入射側)12aに設けられた金属薄膜層13とから構成されている。なお、金属薄膜層13の表面には、所定の印刷・時字30が、印刷によって形成したり、またはマーキング部材を接着したり植え込みカシメなどによって取付けて形成してある(以下の実施例では、特に印刷・時字30については言及しないが、いずれの実施例においても最上層に設けられている)。また、ソーラーセル11は、従来例の図23に示すものと同様に、平面視で扇形状をしており、このソーラーセル11を4枚絶縁帯を挟んで配置される。
また、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面には、少なくとも部分的に、数十nm程度から数百μm程度の微小な凹凸による模様12cが形成されており、これによって、通常の表示板と同様のデザイン表現が可能になって、高級感のある模様を形成することができる。なお、このような、模様12cとしては、例えば、放射模様、砂地模様、天然貝模様、磨き鏡面、ホログラフなどがある。
このような模様を形成するには、従来より知られている電気鋳造法(いわゆる「電鋳」)によって金型内面に、電鋳放射模様、電鋳砂地模様などの凹凸模様を形成した射出成形金型を作製して、この凹凸模様を射出成形によって樹脂基板側に転写すればよい。なお、従来の機械的な目付、型打ちのような方法で模様を作成してもよいことは勿論である。
また、樹脂基板12を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂などが使用可能であり、射出成形によって成形して、腕時計寸法に応じた所定寸法に外形抜きによって作製すればよく、その厚さとしては、300〜500μmの厚さであるのが好ましい。
さらに、樹脂基板12として、他種類の樹脂をブレンドしたいわゆるポリマーアロイを用いてもよく、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂から選択した少なくとも2種の樹脂を組み合わせてなるポリマーアロイを用いることができる。
この場合、樹脂のブレンドの割合は、成形性、金属メッキなどの表面処理性、吸湿性などを考慮して適宜変更可能であって特に限定されるののではなく、例えば、主成分樹脂として、ポリカーボネート樹脂を用い、副樹脂としてABS樹脂を用いた場合には、ABS樹脂の有する表面処理性、成形性などが発現することになるので、主樹脂に対して、一例を挙げれば、20重量%にするなど適宜変更することができる。このようなポリマーアロイとして、例えば、「ダイヤアロイ(商品名)」三菱レーヨン株式会社製などが使用可能である。この場合にも、射出成形によって成形して、腕時計寸法に応じた所定寸法に外形抜きによって作製すればよく、その厚さとしては、300〜500μmの厚さであるのが好ましい。
このようなポリマーアロイを用いることによって、金属薄膜層13との密着性、表面処理性、成形性、吸湿性などを向上することが可能となる。
なお、樹脂基板12のソーラセル11側の表面12bは、樹脂基板12を透過してソーラセルに向かう入射光が、樹脂基板12とソーラセルの界面にて乱反射し拡散することによって、ソーラセルの発電力が低下するのを防止するために、バフ研磨などでミラー処理(鏡面仕上げ処理)を施しておくのが好ましい。
また、金属薄膜層13は、ドライメッキ処理にて樹脂基板12上に形成するのが好ましく、ドライメッキ処理としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能であり、このように、物理的方法であるドライメッキ処理を用いることによって、湿式メッキ等に比較し、非導電体である樹脂に対しての膜付け、特に片面のみへの処理が容易に実施可能であると同時に、膜厚をモニターしながらの成膜によって膜厚の精密な制御と、良好な再現性のある量産が可能となる。
また、金属薄膜層13は、その膜厚は、光透過率などを考慮して適宜設定できるものであるが、膜厚としては、100Å〜500Åであるのが、表示板の下方に存在するソーラーセル11などが透けて見えることがなく、しかも光をある程度透過して、ソーラーセルの発電に寄与する光透過率を有し、ソーラー時計自体の機能を阻害することがないためには好ましい。すなわち、膜厚が100Åより小さければソーラーセルなどが透けてしまい、逆に、500Åより大きければ、光透過率が低く、ソーラーセルを駆動することが難しくなるからである。
そして、このような範囲で、金属薄膜の膜厚を変化させることによって、同一金属薄膜であっても種々の金属色が得ることが可能で、光透過率も変化させることができる。例えば、金の場合、膜厚が増加するに従い赤味のある金色から黄金色へと変化する。
なお、この場合、下記の表1および表2に示したように、金属薄膜層13の膜厚と光透過率とは、いずれの金属においても指数関数の関係にて増減する。すなわち、膜厚が薄くなれば透過率が大きくなり、膜厚が厚くなれば透過率が小さくなる。また、同じ膜厚でも透過率は、金属の種類によって特性があり、例えば、表1および表2では、金(Au)と銀(Ag)の透過率が拮抗しているが、実際には、図18の波長と吸収率の関係を示すグラフに示したように、ソーラーセルの駆動に有効な波長域のうち、350nm〜500nmの範囲では、銀の方が金よりも吸収率が小さい、すなわち、透過率が大きいため銀の表面反射の大きい点を補うものとなっている。
また、金属薄膜層13を構成する金属としは、Au、Ag、Al、Cu、Co、Cr、Fe、In、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Tiからなるグループから選択した1種の金属若しくは2種以上の合金金属から構成することが可能である。例えば、二元系合金としては、Au−Ag、Au−Cu、Au−Ni、Ag−Pd、Au−Al、Cu−Al、Au−Cr、Au−Co、Au−In、Pd−Niなどが使用可能であり、三元系合金としては、Au−Cu−Pd、Au−Ag−Cu、Au−In−Coなどが使用可能である。このように、二元系合金、三元系合金を用いることによって、単一金属にはない種々の金属色とすることが可能となり、デザインバリエーションが拡大する。例えば、Au−Agの場合には、イエローゴールド色を、Au−Cu合金の場合には、レッドゴールド色となる。
この場合、特に、樹脂基板12に形成した金属薄膜層13が、Ag薄膜層またはCu薄膜層である場合には、この金属薄膜層13の表面に表面保護層が存在しないと、変色、錆などが発生してしまうため、表面保護層を形成する必要がある。
このような表面保護層としては、合成樹脂からなる塗料またはインキで形成すればよく、このような塗料またはインキとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂またはこれらの混合樹脂からなる塗料またはインキによって形成することができる。この場合、このような塗料またはインキによって表面保護層を形成するには、スクリーン印刷、パッド印刷、塗装などで形成すればよく、その膜厚としては、金属薄膜層13に対する表面保護機能ならびに光透過率などを考慮すれば、5〜15μm、好ましくは10μmとするのが望ましい。
また、表面保護層として、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルムで形成しても良い。
この場合には、フィルム膜層を金属薄膜層13の上面に形成する方法としては、アクリル樹脂などの接着剤を介して金属薄膜層13の上面にフィルム膜層を貼着するか、又はポリエチレン、ポリエステルなどの樹脂を金属薄膜層13の上面に溶融押し出ししてラミネートするなどの方法が使用可能である。また、フィルム膜厚としては、金属薄膜層13に対する表面保護機能ならびに光透過率などを考慮すれば、10〜200μm、好ましくは30〜60μmとするのが望ましい。
また、表面保護層として、金属酸化物被膜で形成しても良く、このような金属酸化物として、例えば、MgO、TiO2、SiO2、SiO、ZrO2、Al2O3などの金属酸化物を真空蒸着などによって真空蒸着することによって形成することができる。この場合、蒸着機のチャンバー内の蒸着時の圧力は、1×10-6〜5×10-5torr(1.33×10-4〜6.65×10-3Pa)で行うのが好ましい。金属酸化物被膜の膜厚としては、光透過率および保護膜としての保護機能、機械的強度などを考慮すれば、500〜10000Å、好ましくは、1000〜5000Åとするのが望ましい。すなわち、膜厚が500Åより薄ければ、保護膜としての保護機能が良好でなく、10000Åより厚ければ、膜が脆くなり機械的強度が良好でないからである。
なお、樹脂基板12の表面に金属酸化物被膜を形成する方法としては、このような真空蒸着の他、ドライメッキとして、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能である。
さらに、表面保護層として、金属薄膜層をクロム酸、クロム酸塩を含む液で処理することによりメッキ表面上にクロム酸塩被膜を形成したクロメート処理被膜で形成することもできる。例えば、金属薄膜層が、アルミニウムの場合には、クロミッククロメートを含む酸化物の被膜が生成され、耐食性、密着性に優れるようになる。なお、銅、Ag等の金属薄膜層にもクロメート処理ができ、アルミと同様に耐食性が向上される。
この場合、クロメート処理としては、K2Cr2O7、Na2Cr2O7などのクロム酸塩、Cr2O3などのクロム酸に、硫酸や硝酸を添加した1〜3%の溶液中に、常温で10〜60秒の間浸漬してクロメート被膜を形成すればよい。
このように構成される時計用文字板は、その光透過率が、10%〜50%であるのが好ましい。このようにソーラーセルの発電に寄与する光透過率がこのような範囲にあれば、ソーラセルの発電を阻害することがないので、常時時計が作動して停止することがない。
なお、光透過率は、一般に太陽電池時計用文字盤を透過した光により太陽電池が発電した発電量により求められる。すなわち、外光が入らないようにした装置内で、光源から一定の距離に置かれた太陽電池に光を当て、光エネルギーから電気エネルギーに変換したときの電流値をAoとし、前記太陽電池の上に太陽電池時計用文字板を載せ、上記と同様にして測定した電流値をA1としてA1をAoに対する百分率として表される(以下の実施例についても同様である)。
また、図19に示したように、時計用表示板Bを時計本体に取り付け固定するために取り付け手段が形成されているのが好ましい。すなわち、時計用表示板Bの外周部の対称な位置に、ほぼ矩形の突出部12A〜12Dが形成されており、これらの突出部12A〜12Dが、図20に示したように、支持枠3の上部に形成された凹部3Aに嵌合されることにより固定されるようになっている。このとき時計用表示板Bの上面と支持枠3の上面とはほぼ同一面となるようになっている。なお、本実施例では、突出部12A〜12Dのうち、一箇所の突出部12Aの先端部に位置合わせ用の切欠部12Eが設けられており、支持枠3の凹部3Aの一つに設けられた位置合わせ用の突設部3Bと嵌合して位置合わせが可能なようになっている。
また、時計用表示板Bを時計本体に固定するためには、このような突出部12A〜12Dの代わりに、図21に示したように、時計用表示板Bの外周部の対称の位置にほぼ半円形の切欠部12’A〜12’Dを形成して、支持枠3に対応して形成した突設部(図示せず)と嵌合するようにして固定するようにした構成、又は図22に示したように、外周部近傍の対称の位置にほぼ円形の孔12”A〜12”Dを形成して、モジュール4の表側に対応して形成した突設部(図示せず)と嵌合するようにして固定するようにした構成とすることが可能である。また、図示しないが、時計用表示板Bの裏面に小柱形状の突設部を一体成形により突設させて、モジュール4の表側に対応して形成した凹部(図示せず)と嵌合するようにして固定するようにしても良い。なお、本実施例では、突出部、切欠、孔のうち1種のみ有しているが、2種以上有していてもよく、また、前記突出部、切欠、孔の数は4個で対称位置に設けられているが、2個以上設けられていてもよく、この場合突出部、切欠、孔は、非対象位置に設けられていてもよい。
なお、これらの取り付け手段については、以下の実施例においても同様である。
以下に、このような実施例1の時計用表示板Bを具体的に作製する方法について説明する。
電気鋳造法によって金型内面に、電鋳砂地模様などの凹凸模様を形成した射出成形金型を作製して、この射出成形金型を用いてポリカーボネートなどの樹脂を射出成形して、表面に数十nm程度から数百μm程度の凹凸模様12cを転写した樹脂基板12を成形し、デザインに応じて、プレス抜き加工によって、外径抜きして樹脂基板12を作製する。
その後、金属薄膜層13と素地である樹脂基板12との密着性ならびに金属薄膜の外観品質ならびに耐候信頼性を向上するために、樹脂基板12の表面を清浄化する清浄化処理を行う。
このような清浄化処理としては、樹脂基板表面を脱脂したり、パーティクルや塵埃を除去するために、例えば、中性洗剤による清浄化処理を行う。
また、必要に応じて、不活性ガスのイオンによる衝撃によって、樹脂基板表面の水分やCO2、CO、H2等の残存ガス分子を除去するいわゆるイオンボンバード(イオン衝撃法)を行うことが可能である。このイオンボンバードを行う場合には、例えば、樹脂基板12をカソードにして、適当な対極とともに、チャンバー内に配置して、チャンバー内を10-3torr〜10-1torrの真空として、数百から数千ボルトの電圧を印加して、空気又はArガスなどを導入して行えばよい。
なお、同様な目的で、水分や残存ガス分子などを除去するために、樹脂基板を加熱する加熱処理を行うのが望ましく、この加熱処理は、減圧下、好ましくは真空下で行うのが望ましい。この場合、加熱温度としては、樹脂基板の樹脂にもよるが、ポリカーボネートの耐熱限界温度130℃近傍、好ましくは80〜100℃、10-3torr〜10-5torrの真空下で行うのが望ましい。
次に、樹脂基板12の表面12aに金属薄膜層13を形成するために、蒸着機に樹脂基板12を取り付けて、ドライメッキの一種である真空蒸着を行う。蒸着機のチャンバー内の蒸着時の圧力は、1×10-6〜5×10-5torr(1.33×10-4〜6.65×10-3Pa)で行うのが好ましい。金属薄膜層12の膜厚としては、100Å〜500Åの範囲で、デザイン上必要な金属色と、ソーラーセルの駆動に必要な透過光量とを考慮して、この範囲で任意に設定することができる。
なお、樹脂基板12の表面に金属薄膜層13を形成する方法としては、このような真空蒸着の他、ドライメッキとして、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能である。
また、本実施例では、金型内面に、電鋳砂地模様などの凹凸模様を形成した射出成形金型を用いて樹脂を射出成形して、凹凸模様12cを樹脂基板12の表面に転写するようにした。しかしながら、工数が増加して、コスト高となり、金属薄膜層の品質が不安定となるので、あまり実用的ではないが、樹脂基板12の表面に模様12cを射出成形時には設けず、金属薄膜層13を形成した後、蒸着された金属薄膜層13は非常に薄いが、その表面に、機械的加工、例えば、金属若しくは樹脂のブラシなどによる模様付け、物理的加工、例えば、液体中にアルミナなどの研磨剤を分散させ、空気圧によって液体を吹き付け金属表面をに凹凸をつけたり、光沢観を調整し質感を変えたりするいわゆる「液体ホーニング」などの物理的加工を施すことも勿論可能である。
なお、以上の時計用表示板を作製する方法については、基本的には以下の実施例においても同様である。
具体的な時計用表示板の作製例としては、以下の通りである。
電気鋳造法によって金型内面に電鋳砂地模様を形成した射出成形金型を作製した。この射出成形金型を用いてポリカーボネートを射出成形して、電鋳砂地模様を転写した樹脂基板を成形した。この樹脂基板の表面に清浄化処理(表面の脱脂による清浄化処理、中性洗剤による清浄化処理、または必要に応じて、イオンボンバード(イオン衝撃法)による清浄化処理)(以下の実施例においても同様)を行った。次に、この樹脂基板を、5×10-6torrの圧力下で加熱して、金を真空蒸着して、透過率、膜厚がそれぞれ、50%(135Å)、35%(215Å)、25%(295Å)、15%(410Å)、10%(500Å)の5種類の時計用表示板を作製した。
この5種類の時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、色調等は下記のようになった。
すなわち、透過率が50%、膜厚が135Åのものでは、赤味がかった色調であり、ソーラーセルの十字線は視認できず、ソーラーセルの色調の見えも使用可能な範囲であった。透過率が35%、膜厚が215Åのものでは、やや赤味がかった色調であり、ソーラーセルの色調も目立たず、ほとんど全ての模様で使用可能であった。透過率が25%、膜厚が295Åのものでは、若干赤味が残った色調であり、ソーラセルは全く見えなくなり、外観は最良となり、ソーラーセルの駆動上も最適であった。透過率が15%、膜厚が410Åのものでは、完全に金色の色調であり、ソーラセルは全く見えなくなり、外観は最良となり、ソーラーセルの駆動上も最適であった。透過率が10%、膜厚が500Åのものでも、完全に金色の色調であり、ソーラセルは全く見えなくなり、ソーラーセルの駆動にも適していた。
(実施例2)
図4は、本発明の第2の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、樹脂基板12を他種類の樹脂をブレンドしたいわゆるポリマーアロイを用いた点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
樹脂基板12として、他種類の樹脂をブレンドしたいわゆるポリマーアロイとして、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂から選択した少なくとも2種の樹脂を組み合わせてなるポリマーアロイを用いることができる。
この場合、樹脂のブレンドの割合は、成形性、金属メッキなどの表面処理性、吸湿性などを考慮して適宜変更可能であって特に限定されるものではなく、例えば、主成分樹脂として、ポリカーボネート樹脂を用い、副樹脂としてABS樹脂を用いた場合には、ABS樹脂の有する表面処理性、成形性などが発現することになるので、主樹脂に対して、一例を挙げれば、20重量%にするなど適宜変更することができる。このようなポリマーアロイとして、例えば、「ダイヤアロイ(商品名)」三菱レーヨン株式会社製などが使用可能である。
また、この場合に、射出成形によって成形して、腕時計寸法に応じた所定寸法に外形抜きによって作製すればよく、その厚さとしては、300〜500μmの厚さであるのが好ましい。
このようなポリマーアロイを用いることによって、金属薄膜層13との密着性、表面処理性、成形牲、吸湿性などを向上することが可能となる。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とを、重量%比で1:1となるようにブレンドしてペレットを作製し、射出成形によって、前述した第1の実施例と同様にして、ポリマーアロイの電鋳砂地模様の樹脂基板12を作製した。この樹脂基板12の透過率は70%であった。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、Auを250Å(透明な樹脂基板の表面に蒸着した場合の透過率:21.5%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、やや赤みがかった色調でしかも砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は20%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例3)
図5は、本発明の第3の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板とした点が相違する。従って、第1および第2の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
例えば、金属薄膜13が銀からなる場合に、銀の色調をより白い色にするために、樹脂基板に酸化チタンなどの白色顔料を添加するようにするなどすれば、より金属色の色調の多様化を図ることができる。
この場合、顔料又は染料を含有した樹脂基板12を作製するには、アクリル樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)樹脂などの透明樹脂の中に染料あるいは顔料を混入してペレットを作製し、射出成形によって、所定の寸法、例えば300〜500μmの厚さに成形すればよい。この場合、染料あるいは顔料の配合割合としては、色調、光の透過率によって適宜決定すればよいが、染料あるいは顔料が多くなると光の透過率が悪くなるので、透明樹脂に対して、染料あるいは顔料を0.001〜1.0重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%の量で用いればよい。また、用いる顔料あるいは染料の種類については、所望とする色調から適宜選択すればよく、例えば、白色色調の顔料成分として、酸化チタン、酸化亜鉛など、赤色色調成分としてベンガラ(酸化第二鉄)、緑色色調成分として酸化クロムを含む顔料又は染料の他、青、赤、オレンジ色、黄色、緑、紫、茶色、グレーなどの無機、有機の顔料、染料から適宜選択すればよい。
従って、樹脂基板12に含有させる顔料又は染料の種類を選択するとともに、金属薄膜層13の金属の種類を前述した第1の実施例と同様に選択して、これらを種々組み合わせることによって、色調のバリエーションの拡大が図れることになる。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
ポリカーボネートの透明樹脂の中に酸化チタンからなる白色顔料を、ポリカーボネート樹脂に対して0.05重量%を混入してペレットを作製し、射出成形によって、前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板12を作製した。この樹脂基板12の透過率は70%であった。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、銀を250Å(透明な樹脂基板の表面に蒸着した場合の透過率:27.5%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、銀特有の銀色よりも白い銀白色でしかも砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は20%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例4)
図6は、本発明の第4の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、さらに、金属薄膜層13の上面に別の金属からなる金属薄膜層14を形成して、金属薄膜層を層状に多層に積層した点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
例えば、金は、100Å〜150Åの様な膜厚の薄い膜では、金特有のゴールド色を呈せず、赤味がかったゴールド色となる。しかし、樹脂基板12の表側の表面に、先ず蒸着などによって銀の金属薄膜層13を形成して、この銀の金属薄膜層13の上面に、さらに蒸着などによって金の金属薄膜14を形成して層状に積層することにより、薄い金の単独の金属薄膜層では金特有のゴールド色を再現することが不可能であったが、下層の銀の金属薄膜層13の銀白色と、上層の金の金属薄膜14の赤味がかったゴールド色が相俟って、時計用表示板Bを金特有のゴールド色とすることが可能となるとともに、その光透過率も低下することがない。
また、本実施例の場合、2層の金属薄膜層13、14を積層したが、3層以上の金属薄膜層を多層に積層することも勿論可能である。この場合、金属薄膜層の膜厚は、光透過率を考慮すれば、金属薄膜層の合計の膜厚で100Å〜500Åの範囲となるようにする必要がある。
なお、金属薄膜層13、14を構成する金属としては、前述した第1の実施例と同様に、Au、Ag、Al、Cu、Co、Cr、Fe、In、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Tiからなるグループから選択した1種の金属若しくは2種以上の合金金属から構成することが可能である。例えば、二元系合金としては、Au−Ag、Au−Cu、Au−Ni、Ag−Pd、Au−Al、Cu−Al、Au−Cr、Au−Co、Au−In、Pd−Niなどが使用可能であり、三元系合金としては、Au−Cu−Pd、Au−Ag−Cu、Au−In−Coなどが使用可能である。従って、これらの金属を種々組み合わせて、多層に層状に積層することによって、単独の金属薄膜層では実現できなかった様々な金属色の時計用表示板を作製することが可能となり、大幅にデザインバリエーションが増大する。
なお、本実施例においても、第3の実施例と同様に、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板として、色調のバリエーションの拡大を図ることも勿論可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板12を作製して、表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、銀を115Å(透過率:50%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。その後、この金属薄膜層13の上面に、蒸着によって金を90Å(透過率:60%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層14を形成して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金特有のゴールド色でしかも砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は30%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例5)
図7は、本発明の第5の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、さらに、金属薄膜層13の上面に、表面保護層としても機能する塗装膜層15を形成してある点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
この場合、塗装膜層15は、金属薄膜層13の表面に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの半透明樹脂(有色インキ)をスクリーン印刷もしくはパッド印刷するか、有色塗料を塗装することによりコーティングして形成することができる。また、スプレーなどを用いて金属薄膜層13の表面に有色塗料を吹き付けることによって、グラデーション(ぼかし)塗装を行うことも可能である。また、この塗装膜層15は、金属薄膜層13の全面に形成することも、部分的に形成することも可能である。なお、この塗装膜層15は、金属薄膜層13の酸化などによる劣化を防止する効果もある。なお、必要に応じてラッピング研磨、バフ研磨などで研磨して、この表面保護層の表面を平滑にかつ光沢を付与することにより表示板として外観品質をより向上することも可能である。
この場合、特に、樹脂基板に形成した金属薄膜層が、Ag薄膜層またはCu薄膜層である場合には、この金属薄膜層の表面に表面保護層が存在しないと、変色、錆などが発生してしまうため、このように表面保護層を形成するのが好ましい。
このように構成することによって、金属薄膜層13による金属色とこの塗装膜層15の塗料の色が相俟って、時計用表示板のデザインの多様化が図れる。
なお、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの透明樹脂(透明インキ)を用いて、表面を保護することも勿論可能である。
また、本実施例においても、第3の実施例と同様に、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板として、色調のバリエーションの拡大を図ることも勿論可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板を作製した。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、金を400Å(透過率:16%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。次に、この金属薄膜層13の上面に、青色塗料を約10μmの厚さとなるように塗装して時計用表示板を作製した(透明な樹脂基板の表面に塗装した場合の透過率:63%)。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金特有のゴールド色よりもやや緑色がかったゴールド色でしかも砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は10%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例6)
図8は、本発明の第6の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、さらに、金属薄膜層13の上面に、表面保護層としても機能するフィルム膜層16を形成してある点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
この場合、フィルム膜層16としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムなどが使用可能であり、フィルムの膜厚としては、10〜200μm、好ましくは30〜60μmであるのが、金属薄膜層13の表面保護のためには好ましい。このようフィルム膜層16を金属薄膜層13の上面に形成する方法としては、アクリル樹脂などの接着剤を介して金属薄膜層13の上面にフィルム膜層16を貼着するか、又はポリエチレン、ポリエステルなどの樹脂を金属薄膜層13の上面に溶融押し出ししてラミネートするなどの方法が使用可能である。また、フィルム自体に前述したような顔料又は染料を含有させることも可能であり、これによって、時計用表示板の色調のバリエーションが拡大する。
このようなフィルム膜層16は、表面保護層として機能し、特に、樹脂基板に形成した金属薄膜層が、Ag薄膜層またはCu薄膜層である場合には、この金属薄膜層の表面に表面保護層が存在しないと、変色、錆などが発生してしまうため、このフィルム膜層16からなる表面保護層を形成するのが望ましい。
なお、このフィルム膜層16は、金属薄膜層13の全面に形成することも、部分的に形成することも可能である。
このように構成することによって、このフィルム膜層16によって、金属薄膜層13の酸化などによる劣化を防止できるとともに、フィルム膜層16自体に顔料や染料を含有させたものでは、金属薄膜層13による金属色とこのフィルム膜層16の塗料又は顔料の色が相俟って、時計用表示板のデザインの多様化が図れる。
なお、本実施例においても、第2の実施例と同様に、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板として、色調のバリエーションの拡大を図ることも勿論可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板を作製した。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、金を200Å(透過率:37.5%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。次に、この金属薄膜層13の上面に、酸化チタンからなる白色顔料をポリエチレン樹脂に対して0.002重量%を含有させた樹脂を溶融押し出しして、50μm(透過率:60%)の膜厚となるようにラミネートして時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金特有のゴールド色よりもやや乳白色のゴールド色でしかも砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は22.5%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例7)
図9は、本発明の第7の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、さらに、金属薄膜層13の上面に、表面保護層としても機能する金属酸化物被膜層16’を形成してある点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
樹脂基板12に形成した金属薄膜層13が、Ag薄膜層またはCu薄膜層である場合には、この金属薄膜層の表面に表面保護層が存在しないと、変色、錆などが発生してしまうため、この表面保護層を形成する必要がある。
このため、表面保護層として、金属酸化物被膜で形成しても良く、このような金属酸化物として、例えば、MgO、TiO2、SiO2、SiO、ZrO2、Al2O3などの金属酸化物を真空蒸着などによって真空蒸着することによって形成するのが望ましい。
この場合、蒸着機のチャンバー内の蒸着時の圧力は、1×10-6〜5×10-5torr(1.33×10-4〜6.65×10-3Pa)で行うのが好ましい。金属酸化物被膜の膜厚としては、光透過率および保護膜としての保護機能、機械的強度などを考慮すれば、500〜10000Å、好ましくは、1000〜5000Åとするのが望ましい。すなわち、膜厚が500Åより薄ければ、保護膜としての保護機能が良好でなく、10000Åより厚ければ、膜が脆くなり機械的強度が良好でないからである。
なお、樹脂基板12の表面に金属酸化物被膜16’を形成する方法としては、このような真空蒸着の他、ドライメッキとして、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法を用いることが可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、電気鋳造法によって金型内面に電鋳砂地模様を形成した射出成形金型を作製した。この射出成形金型を用いてポリカーボネートを射出成形して、電鋳砂地模様を転写した樹脂基板を成形した。この樹脂基板の表面に清浄化処理(表面の脱脂による清浄化処理、中性洗剤による清浄化処理、または必要に応じて、イオンボンバード(イオン衝撃法)による清浄化処理)を行った。次に、この樹脂基板を、蒸着機内のチャンバー内で5×10-6torrの圧力下で加熱して、銀を真空蒸着して、銀を250Å(透明な樹脂基板の表面に蒸着した場合の透過率:27.5%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。
続いて、同じ蒸着機内で同じ条件で、SiO2を金属薄膜層13の上面に蒸着することにより、1500Åの膜厚となるように金属酸化物被膜層16’を形成して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、銀特有の銀色よりも白い銀白色でしかも砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は30%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例8)
図10は、本発明の第8の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層17が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、金属薄膜層17が、窒化金属として黒色色調の金属薄膜としてある点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
この場合、金属薄膜層17を構成する窒化金属としては、Au、Ag、Al、Cu、Co、Cr、Fe、Ni、Pd、Rh、Ti、又はTi合金が使用可能であり、樹脂基板12の表面に金属薄膜層17を形成する方法としては、ドライメッキ法の1種であるイオンプレーティング法を用いればよい。イオンプレーティングの条件としては、チャンバー内を5×10-5torr〜5×10-1torrの真空として、数百から数千ボルトの電圧を印加して、酸素と二酸化炭素を含む窒素ガスとArガスの混合ガスを導入して行えばよい。
このように構成することによって、この金属薄膜層17の黒色色調によって貴石のような高級感を醸し出すことができ、時計用表示板のデザインの多様化が図れる。
なお、本実施例においても、第2の実施例と同様に、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板として、色調のバリエーションの拡大を図ることも勿論可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳放射模様の樹脂基板を作製した。その後、樹脂基板の表面を洗浄処理した後、この樹脂基板を基体ホルダーに取り付け、3容積%の酸素と2容積%の二酸化炭素を含む窒素とアルゴンの混合ガスを、チャンバー内に導入して、排気と給気の量を調整することによりチャンバー内の圧力を5×10-3torrに保持した。
次に、加速電圧10kV、電流0.3Aの電子ビームで金属チタンをボンバードして加熱して1600℃に昇温してチタンを気化させた。ついで、陽極である金属チタンの蒸発源と陰極である基体との間に、直流電圧50V、10Aのイオン電流を5分間流して、樹脂基板上に約450Åの膜厚の窒化チタンの薄膜を形成した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、黒色色調で貴石のような光沢を有ししかも放射模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は10%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例9)
図11は、本発明の第9の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、金属薄膜層13の上面に別の金属からなる金属薄膜層14が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていることなど、基本的には前述した第4の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、さらに、この金属薄膜層14に部分的な欠落部分18を設けた点が相違する。従って、第4の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
例えば、金は、100Å〜150Åの様な膜厚の薄い膜では、金特有のゴールド色を呈せず、赤味がかったゴールド色となる。しかし、樹脂基板12の表側の表面に、先ず蒸着などによって銀の金属薄膜層13を形成して、この銀の金属薄膜層13の上面に、さらに蒸着などによって金の金属薄膜14を形成して層状に積層することにより、薄い金の単独の金属薄膜層では金特有のゴールド色を再現することが不可能であったが、下層の銀の金属薄膜層13の銀白色と、上層の金の金属薄膜14の赤味がかったゴールド色が相俟って、時計用表示板Bを金特有のゴールド色とすることが可能となるとともに、その光透過率も低下することがない。
また、金属薄膜層14の欠落部分18では、下層の銀の金属薄膜層13の薄い銀白色が現れる模様となるので、デザインのバリエーションが図られることになる。
このように、金属薄膜層14に欠落部分を設けるには、図12(A)に示したように、樹脂基板12の表側12aの表面に金属薄膜層13を蒸着などのドライメッキによって形成した後、金属薄膜層13の上面に欠落部分18に相当する部分にフォトレジストやマスキングインキによってリフトオフ材としてマスキング19を施した後に、図12(B)に示したように、全面に金属薄膜層14を蒸着などによって形成し、その後、図12(C)に示したように、マスキング19を溶解処理等によって、金属薄膜層14の欠落部部分18に相当する部分をマスキング19ごと除去(リフトオフ)して、図11のような構造の時計用表示板を作製する方法が採用可能である。
また、金属薄膜層14に欠落部分を設ける方法として、図13(A)に示したように、樹脂基板12の表側12aの表面に金属薄膜層13を蒸着などのドライメッキによって形成した後、図13(B)に示したように、全面に金属薄膜層14を蒸着などによって形成し、その後、図13(C)に示したように、金属薄膜層14の上面に欠落部分18に相当する部分以外の部分にフォトレジストによってマスキング19’を施した後に、エッチング処理によって、金属薄膜層14の欠落部部分18に相当する金属薄膜層14を取り除いた後、欠落部部分18に相当する部分のマスキング19’を除去して、図11のような構造の時計用表示板を作製する方法も採用可能である。
また、本実施例の場合、2層の金属薄膜層13、14を積層したが、3層以上の金属薄膜層を多層に積層することも勿論可能である。この場合、金属薄膜層の膜厚は、光透過率を考慮すれば、金属薄膜層の合計の膜厚で100Å〜500Åの範囲となるようにする必要がある。
従って、これらの金属を種々組み合わせて、多層に層状に積層することによって、単独の金属薄膜層では実現できなかった様々な金属色の時計用表示板を作製することが可能となるとともに、金属薄膜層の欠落部分によって、最上層の金属薄膜層と、中間の金属薄膜層、下層の金属薄膜層の金属の色調の相違が織りなす模様によって、大幅にデザインバリエーションが増大する。
なお、本実施例においても、第3の実施例と同様に、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板として、色調のバリエーションの拡大を図ることも勿論可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板12を作製して、表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、クロムを150Å(透過率:40%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。その後、この金属薄膜層13の上面に欠落部分18に相当する部分に溶剤等による溶解が可能なフォトレジストによってリフトオフ材としてマスキング19を施した後、全面に蒸着によって金を150Åの膜厚(透明な樹脂基板の表面に蒸着した場合の透過率:47%)となるように蒸着して金属薄膜層14を形成し、その後、溶剤可溶のマスキング材料であるレジストを専用の有機溶媒、例えば、キシレン、トルエン又はアセトン等を用いて溶解処理によって、金属薄膜層14の欠落部部分18に相当する部分をマスキング19ごと除去して、時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金属薄膜層14の欠落部分18では、下層のクロムからなる金属薄膜層13のメタリックグレー色の模様があり、それ以外の部分では、金特有のゴールド色であり、微妙な色調と、砂地模様によって、意匠デザイン的にも特有で高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は23%(欠落部分を含む全体の透過率)(クロムの単層部の面積:20%)あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
また、前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳放射模様の樹脂基板12を作製して、表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、アルミを100Å(透過率:50%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。その後、全面に蒸着によって銅を130Å(透明な樹脂基板の表面に蒸着した場合の透過率:50%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層14を形成し、その後、この金属薄膜層14の上面に欠落部分18に相当する部分以外の部分にPVA(ポリビニルアルコール)−重クロム酸アンモン系からなるフォトレジストによってマスキング19’を施した後、40°ボーメの塩化第二鉄水溶液(40℃〜60℃に加温)を用いてエッチング処理によって、金属薄膜層14の欠落部部分18に相当する部分の金属薄膜層14を取り除いた後、アセトン等の有機溶剤によってマスキング19’を除去した。次に、同様にしてマスキング(アルミが見える欠落部分18にもマスキング処理をする)によって、この金属薄膜層14の上面に、部分的に欠落部分を有するように、金を150Å(透過率:47%)の蒸着にて膜厚となるように蒸着して金属薄膜層を形成して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、最上層の金の金属薄膜層、中間の銅の金属薄膜層14、及び最下層のアルミの金属薄膜層13が重なりあった部分は、金特有のゴールド色の色調であり、最上層の金の金属薄膜層が欠落した部分は紫がかったピンク色であり、中間の金属薄膜層14および最上層の金の金属薄膜層が欠落した部分では、下層のアルミのメタリックシルバー色の模様があるなど、微妙な色調と、放射模様によって、意匠デザイン的にも特有で高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は17.5%(欠落部分を含む全体の透過率)(三層部の面積:80%、二層部の面積:10%、単層部の面積10%)あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例10)
図14は、本発明の第10の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されていること、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板とした点などは、第3の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、金属薄膜層13に部分的な欠落部分20を設けた点が第3の実施例と相違する。従って、第3の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
また、このように金属薄膜層13に欠落部分20を設ける方法としては、前述した第7の実施例のようにフォトレジストまたはマスキングインキを用いたマスキングによって形成すればよい。
このように構成することによって、金属薄膜層13の欠落部分20において部分的に樹脂基板12の透明感や種々の色調を生かした模様が現出できるとともに、非欠落部分においては、樹脂基板12に含有させる顔料又は染料の種類を選択するとともに、金属薄膜層13の金属の種類を前述した第1の実施例と同様に選択して、これらを種々組み合わせることによって、金属色の色調のバリエーションの拡大が図れることになる。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
ポリカーボネートの透明樹脂の中に酸化チタンからなる白色顔料を、ポリカーボネート樹脂に対して0.05重量%を混入してペレットを作製し、射出成形によって、前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板12を作製した。なお、この樹脂基板12の透過率は70%であった。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表側の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、金を200Å(透明な樹脂基板の表面に蒸着した場合の透過率:37.5%)の膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。次に、この金属薄膜層13の上面に欠落部分20に相当する部分以外の部分にエポキシ樹脂からなるマスキングインキを印刷することによってマスキングを施した後、王水を用いてエッチング処理によって、金属薄膜層13の欠落部部分に相当する部分の金属薄膜層13を取り除いた後、MEK(メチルエチルケトン)にギ酸等の強酸を添加した剥離剤によってマスキングを除去して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金属薄膜層13の部分では、金特有のゴールド色であり、金属薄膜層13の欠落部分20(欠落部分の面積:10%)では白色でしかも透明感があり、全体としても砂地模様があり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は約30%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例11)
図15は、本発明の第11の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bでは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に部分的に欠落した欠落部分21を有する金属薄膜層13が形成されるとともに、樹脂基板12の裏側12b(ソーラーセル側)に、この欠落部分に相当する位置に金属薄膜層22が設けられている。また、この金属薄膜層22は、上層の金属薄膜層13に対応する部分が欠落部分23となっている。さらに、本実施例では、前述した実施例1〜8とは違って、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されているのではなく、樹脂基板12の裏側12b(ソーラーセル側)の表面に微小な凹凸による模様12dが形成されている。なお、金属薄膜層13、22、樹脂基板12、模様12dなどは、その構成は上記の実施例1と同様であるのでその説明は省略する。
また、このように金属薄膜層13に欠落部分21を、および金属薄膜層22に欠落部分23を設ける方法としては、前述した第7の実施例のようにフォトレジストまたはマスキングインキの印刷を用いたマスキングによって形成すればよい。
このように構成することによって、金属薄膜層13の欠落部分21においては、下層の金属薄膜層22の金属色に、部分的に樹脂基板12の透明感が付与され、模様12dが三次元的に深みのある表現となるとともに、金属薄膜層13の部分では、その金属色が模様12dによって奥深いものとなり、デザインバリエーションの拡大が図れることになる。
なお、本実施例においても、第3の実施例と同様に、樹脂基板12に顔料又は染料などの着色材料を添加して樹脂基板を有色樹脂基板として、色調のバリエーションの拡大を図ることも勿論可能である。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネート樹脂を射出成形して、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板12を作製した。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の模様12dを形成していない面を表側としてその表面に、第8の実施例と同様にマスキングによって、金を295Å(透過率:25%)の膜厚となるように蒸着して、欠落部分21を有する金属薄膜層13を形成した。次に、裏側(ソーラーセル側)となる樹脂基板12の模様側12dの表面に、同様にマスキングによって銀を265Å(透過率:25%)の膜厚となるように蒸着して、上層の金属薄膜層13に相当する部分に欠落部分23を有する金属薄膜層22を形成して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金属薄膜層13の部分では、金特有のゴールド色でありしかも金属色が砂地模様によって奥深いものであり、金属薄膜層13の欠落部分21においては、下層の金属薄膜層22の銀白色に部分的に樹脂基板12の透明感が付与され、模様12dが三次元的に深みのある表現となり、意匠デザイン的に特有で高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は約25%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
なお、上記実施例9〜11の各実施例における欠落部分の作成方法は、マスキング処理後の化学エッチングで行うか、マスキング処理後、その表面に金属薄膜を形成し、その後、有機溶剤によりマスキングを溶解するとともに、その上面の金属薄膜を除去するリフトオフで行うかであったが、どちらの方法で行っても欠落部分の作成ができることは言うまでもない。
(実施例12)
図16は、本発明の第12の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成され、その表側に塗装膜層15が形成されている。さらに、樹脂基板12の裏側12b(ソーラーセル側)に金属薄膜層24が形成されている。従って、金属薄膜層24については第1の実施例と同様であるのでその説明は省略する。
この場合、塗装膜層15は、模様12cの表面に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの透明樹脂(半透明樹脂を含む)を塗装またはスクリーン印刷することによりコーティングして形成することができる。また、この塗装膜層15は、模様12cの全面に形成することも、部分的に形成することも可能である。なお、必要に応じてラッピング研磨、バフ研磨などで研磨して、この塗装膜層15の表面を平滑にかつ光沢を付与することにより表示板として外観品質をより向上することも可能である。
また、樹脂基板12の裏側には、第4の実施例のように金属薄膜層を多層に積層することも、第5の実施例にように塗装、グラデーション塗装を行うことも、第9及び第10実施例のようにマスキングによって部分的に金属薄膜層の欠落部分を設けることも勿論可能である。
このように構成することによって、樹脂基板12の模様12cを透明なまま活かすことができ、しかも、金属薄膜層24と模様12cとが樹脂基板12の厚さ部分だけ離間しているので、この模様が、いわゆる厚塗装のポリッシングと同様に、透明樹脂基板12の三次元的な深みのある表現が可能となり、時計用表示板のデザインの多様化が図れる。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板を作製した。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の裏側(模様を形成していない側)の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、金を410Åの膜厚となるように蒸着して金属薄膜層24を形成した。次に、この樹脂基板の模様側の表面に、アクリル樹脂からなる透明塗料を塗装して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、金特有のゴールド色でしかも、砂地模様がいわゆる厚塗装のポリッシングと同様に、三次元的な深みのある表現となり、高級感に溢れていた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は約15%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
(実施例13)
図17は、本発明の第13の実施例の時計用表示板の断面図である。
この実施例の時計用表示板Bは、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に金属薄膜層13が形成され、樹脂基板12の表側(光入射側)12aの表面に微小な凹凸による模様12cが形成されている点において、基本的には前述した第1の実施例と同様であるが、この実施例の時計用表示板Bでは、エンボス加工によって時字などを構成する表面突設部25が設けられている点が相違する。従って、第1の実施例と同じ構成部分については、その説明を省略する。
この場合、樹脂基板12に表面突設部25を設けるには、一対のエンボス加工金型を用いてエンボス加工を行えばよい。
また、この表面突設部25の上面には、カラーインキ又はカラー塗料、夜光塗料などの処理26を行ってもよく、また、表面突設部25に金属薄膜層13と異なる金属からなる金属薄膜層を設けてもよい。
このように構成することによって、樹脂基板12自体に表面突設部25により時字などを形成できるので、工程が簡単でコストが低減できるとともに、この表面突設部25の上面に、カラーインキ又はカラー塗料、夜光塗料、金属薄膜層を形成することによって、時字自体のデザインも拡大され、その結果、時計用表示板のデザインの多様化が図れる。
なお、本実施例の時計用表示板の具体的な作製例としては、下記の通りである。
前述した第1の実施例と同様にして、ポリカーボネートの電鋳砂地模様の樹脂基板を作製した。次に、この樹脂基板12を一対のエンボス加工金型を用いてエンボス加工を行い、表面突設部25を設けた。その後、この樹脂基板の表面を洗浄処理した後、樹脂基板の表面に、第1の実施例と同様に蒸着によって、銀を135Åの膜厚となるように蒸着して金属薄膜層13を形成した。なお、この際、表面突設部25の上面には、マスキングインキによってマスキング処理をしておいた。次に、この樹脂基板12の表面突設部25の上のマスキングインキを除去してから、プロメシウムからなる自発光夜光塗料または硫化亜鉛等の蓄光塗料を塗布して時計用表示板を作製した。
この時計用表示板をソーラー時計に用いたところ、銀特有のシルバー色でしかも、夜間において表面突設部が光り、時字を確認することができた。また、茶褐色または暗青色のソーラーセルおよび絶縁帯の十字線が透けて見えず、しかも、時計用表示板の光透過率は45%あり、ソーラーセルを駆動するためには十分であった。
以上説明した第1の実施例から第13の実施例はあくまでも、実施例であって、本発明は何らこれらに限定されるものではなく、例えば、樹脂基板12の表側の模様12cの代わりに樹脂基板12の裏側に模様12dを施すなど種々の変更が可能であることは勿論である。また、本発明の時計用表示板は、ソーラーセルの駆動によるソーラー時計用として説明したが、一般の時計に用いることも勿論可能である。
発明の効果
本発明の時計用表示板では、光が透過可能な樹脂基板と、前記樹脂基板の少なくとも片面にドライメッキ処理にて形成された金属薄膜層とで構成され、時計用表示板を介してのソーラーセルの外部からの視認を妨げるとともに、表示板下方に内蔵されたソーラーセルの発電を少なくとも生じせしめる光透過率を有するようにした。
従って、金属薄膜層によって、表示板の下方に存在するソーラーセル、十字線などが透けて見えることがなく、金属薄膜層を介して光がある程度透過するので、その光透過率がソーラーセルの発電に寄与する大きさであり、ソーラー時計自体の機能を阻害することがなく、しかも、金属薄膜層の有する金属特有の金属色によって、カラー化することが可能でデザインバリエーションを大幅に拡大することが可能となる。
また、金属薄膜の膜厚を変化させることによって、同一金属薄膜であっても種々の金属色が得ることが可能で、光透過率も変化させることができる。
さらに、樹脂基板の少なくとも片面には、砂地模様、放射模様のような凹凸による模様が少なくとも部分的に形成されているので、通常の表示板のデザインと同様のデザイン表現が可能になって、高級感のある模様、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、微妙な色合いを出すことができる。
従って、本発明の時計用表示板によれば、表示板を介して、表示板の下方に位置するソーラーセルならびに絶縁帯の十字線などが透けて見えることがなく、しかも、表示板を金属に特有な金属色によってカラー化でき、通常の金属製表示板と同様のデザイン表現が可能で、高級感のある模様、色調(微妙な色合い)を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大されるとともに、外観品質がよく商品性に優れた時計用表示板を提供できる。
また、本発明の時計用表示板の製造方法によれば、物理的方法である真空蒸着法、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法によるドライメッキ処理を用いることによって、湿式メッキ等に比較し、非導電体である樹脂に対しての膜付け、特に片面のみへの処理が容易に実施可能であると同時に、膜厚をモニターしながらの成膜によって膜厚の精密な制御と、良好な再現性のある量産が可能となる。
また、樹脂基板として、他種類の樹脂をブレンドしたいわゆるポリマーアロイとして、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂から選択した少なくとも2種の樹脂を組み合わせてなるポリマーアロイを用いた場合には、このようなポリマーアロイを用いることによって、金属薄膜層との密着性、表面処理性、成形性、吸湿性などを向上することが可能となる。
さらに、本発明の時計用表示板の製造方法では、射出成形が、金型内面に凹凸模様を形成した射出成形金型を用いて、樹脂基板の少なくとも片面に、凹凸による模様を少なくとも部分的に形成するが、このような金型は、従来より知られている電気鋳造法を用いて、例えば、電鋳放射模様、電鋳砂地模様など通常の表示板と同様のデザイン表現が可能であり、高級感のある模様、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、微妙な色合いを出すことができ、しかも射出成型時に模様が形成できるので大量に連続的に生産することが可能で、コストの低減化が図れる。
また、本発明の時計用表示板は、いずれの場合であっても、光をある程度透過して、ソーラーセルの発電に寄与する光透過率10%〜50%を有し、ソーラー時計自体の機能を阻害することがなく、常時時計が作動して停止することがない。
Claims (39)
- 時計に内蔵されたソーラーセルの表面側に配設される時計用表示板であって、
前記時計用表示板が、光が透過可能な樹脂基板と、前記樹脂基板の少なくとも片面にドライメッキ処理にて形成された金属薄膜層とで構成され、
前記時計用表示板が、前記時計用表示板を介してのソーラーセルの外部からの視認を妨げるとともに、表示板下方に内蔵されたソーラーセルの発電を少なくとも生じせしめる光透過率を有することを特徴とする時計用表示板。 - 前記金属薄膜層の膜厚が、100Å〜500Åであることを特徴とする請求項1に記載の時計用表示板。
- 前記金属薄膜層が、単一層の金属薄膜層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の時計用表示板。
- 前記金属薄膜層が、少なくとも2層以上の多層の金属薄膜層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の時計用表示板。
- 前記金属薄膜層が、部分的に欠落した部分を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記金属薄膜層が、Au、Ag、Al、Cu、Co、Cr、Fe、In、Ni、Pd、Pt、Rh、Sn、Tiからなるグループから選択した1種の金属若しくは2種以上の合金金属からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記金属薄膜層が、前記金属若しくは合金金属の窒化膜、酸化膜、炭化膜又はこれらの混合膜からなることを特徴とする請求項6に記載の時計用表示板。
- 前記樹脂基板の少なくとも片面には、凹凸による模様が少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記樹脂基板が、透明樹脂又は有色樹脂からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記樹脂基板が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂からなることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記樹脂基板が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリエチレンテレフタレート樹脂から選択した少なくとも2種の樹脂を組み合わせてなるポリマーアロイからなることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記樹脂基板が、エンボス加工によって表面突設部が設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記金属薄膜層の上面に表面保護層が形成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記表面保護層が、合成樹脂からなる塗料またはインキで形成されていることを特徴とする請求項13に記載の時計用表示板。
- 前記塗料またはインキが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂またはこれらの混合樹脂からなることを特徴とする請求項14に記載の時計用表示板。
- 前記表面保護層が、合成樹脂フィルムで形成されていることを特徴とする請求項13に記載の時計用表示板。
- 前記表面保護層が、金属酸化物被膜で形成されていることを特徴とする請求項13に記載の時計用表示板。
- 前記表面保護層が、クロメート処理被膜で形成されていることを特徴とする請求項13に記載の時計用表示板。
- 前記時計用表示板の光透過率が、10%〜50%であることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記時計用表示板の上面に、印刷によるマーキングが施されていることを特徴とする請求項1から19のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記時計用表示板の上面に、時字などのマーキング部材が付着されていることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の時計用表示板。
- 前記時計用表示板に、時計用表示板を時計本体に取り付けるための取り付け手段が設けられていることを特徴とする請求項1から21のいずれかに記載の時計用表示板。
- 時計に内蔵されたソーラーセルの表面側に配設される時計用表示板であって、光が透過可能な樹脂基板と、前記樹脂基板の少なくとも片面に形成された金属薄膜層とで構成される時計用表示板の製造方法であって、
樹脂を射出成形し樹脂基板を作製する工程と、
前記樹脂基板の少なくとも片面にドライメッキ処理にて金属薄膜層を形成する金属薄膜形成工程とを含むことを特徴とする時計用表示板の製造方法。 - 前記ドライメッキ処理が、真空蒸着法、イオンプレーティング法、又はスパッタリング法であることを特徴とする請求項23に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記ドライメッキ処理によって形成される金属薄膜の膜厚が、100Å〜500Åであることを特徴とする請求項23又は24のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記射出成形が、金型内面に凹凸模様を形成した射出成形金型をもちいて、前記樹脂基板の少なくとも片面に、凹凸による模様を少なくとも部分的に形成することを特徴とする請求項23から25のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記金属薄膜形成工程の前に、樹脂基板の表面を清浄化する清浄化処理工程を含むことを特徴とする請求項23から26のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記清浄化処理が、イオンボンバードによる清浄化処理であることを特徴とする請求項27に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記清浄化処理が、加熱処理であることを特徴とする請求項27に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記金属薄膜形成処理が、マスキング処理及びエッチング処理によって、部分的に欠落した部分を有する金属薄膜層を形成する処理を含むことを特徴とする請求項23から29のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記金属薄膜形成処理工程の前に、前記樹脂基板にエンボス加工によって表面突設部を設けるエンボス処理工程を含むことを特徴とする請求項23から30のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記金属薄膜層の上面に表面保護層を形成する表面保護層形成処理工程を含むことを特徴とする請求項23から31のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記表面保護層を、合成樹脂からなる塗料またはインキで形成することを特徴とする請求項32に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記塗料またはインキが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂またはこれらの混合樹脂からなることを特徴とする請求項33に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記表面保護層を、合成樹脂フィルムで形成することを特徴とする請求項32に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記表面保護層を、金属酸化物被膜で形成することを特徴とする請求項32に記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記表面保護層を、クロメート処理被膜で形成することを特徴とする請求項32に記載の時計用表示板。
- 前記時計用表示板の上面に、印刷によるマーキング又は時字などのマーキング部材を付着する仕上げ工程を含むことを特徴とする請求項23から37のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
- 前記射出成形処理によって、時計用表示板を時計本体に取り付けるための取り付け手段を一体成形により設けることを特徴とする請求項23から38のいずれかに記載の時計用表示板の製造方法。
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