JP3847594B2 - 時計用文字板及びその製造方法とそれを備えた携帯時計 - Google Patents

時計用文字板及びその製造方法とそれを備えた携帯時計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は時計用文字板及びその製造方法とそれを備えた携帯時計に関し、更に詳しくは太陽電池付時計用文字板或いはバックライト付時計用文字板に関する。
【0002】
【従来の技術】
(第1の従来技術)
太陽電池付時計用文字板、及び、バックライト付時計用文字板は光透過性を有することから比較的似たような文字板構成をとる。太陽電池付時計用文字板は、その下面側に配設される太陽電池(ソーラセル)に光を入射させるために透過性が要求される。従来、この太陽電池付時計用文宇板は透過性が求められることからプラスチック、セラミック、ガラス等の透光性材料が使われる。特に、プラスチックは安価であること、成形や加工などが容易であることなどから非常に多く使われている。叉、前記時計用文字板の下面側に配設される太陽電池は独特の濃紫色を示し、見た目に心地よい色調を呈さない。このため太陽電池の濃紫色が見えない様にするため、時計用文字板に様々の工夫が行われてきた。
【0003】
前述の従来技術で開示された太陽電池付時計用文字板の一例について図を用いて説明する。図26は、従来例における太陽電池付時計の断面図、図25は、太陽電池付時計用文字板、太陽電池(ソーラセル)等から構成される文字板部を示す断面図である。前記太陽電池付時計は、図26に示すように、外胴ケース201に透明ガラスからなる風防202を設け、前記外胴ケース201とウラブタ203からなる外装内に、時計駆動用ムーブメント204を設ける。叉、時針205、分針206、秒針207は、時計駆動用ムーブメント204内に設けられたステップモータ等を駆動源とし、輪列機構を介し駆動される。文字板部208は、中央に時針205、分針206、秒針207を通す貫通穴があいており、時計駆動用ムーブメント204の上に配置されている。
【0004】
次に、前記文字板部208の構造について説明する。図25に示すように前記文字板208は、足部209を介して、圧入や、かしめ等により、時計駆動用ムーブメント204に固定される。叉、基板210の上に絶縁被膜211を設け、その上に電極膜212を設け、更にソーラセル213を重ねて配置し、透明電極214でその上を覆う。透明電極214の上部にはスペーサ215を介し、時計用文字板216が配置され、前記時計用文字板216が反っていたり、外部からの衝撃等により時計用文字板216が撓んでも、太陽電池(ソーラセル)213を直撃しない構造となっている。叉、前記時計用文字板216はソーラセル213がもつ多段分割線を見えなくするための役割をかねている。スペーサ215は、光を透過しない物質で構成する。
【0005】
図22は前記時計用文字板216の要部拡大断面図を示すもので、この時計用文字板216は、金属感を出現させると共にソーラセル213の濃紫色か見えないようにしたものである。前記時計用文字板216は、透明なプラスチック板等からなる光透過性基板1の下面に小孔2aが均等間隔に多数設けられた金属膜2を形成した構成となっている。そして、この小孔2aは30μmより小さく形成されている。小孔の大きさが30μmより小さいとその小孔自体が目に殆ど見えず、従って、その下に配設されるソーラセル213自体も全く見えない。
【0006】
前記ソーラセル213は、一般的に、図23に示すように4等分割された4面(A1、A2、A3、A4)に設けられて、前記時計用文字板216の下面側に配設される。そして、前記時計用文字板216からの透過光量は4面に等しく放射されるように設計される。即ち前記光透過性基板1の下面に小孔2aを均等間隔に設けることによって4等分割されたソーラセル213のそれぞれに等しく透過光か放射される。更に、均等間隔に多数設けられる小孔2aは、その小孔2aの総面積が時計用文字板216の面積の25〜50%の範囲内で設けられる。小孔2aの総面積が25%あれば透過率が25%確保でき、十分な発電量を得ることができる。叉、この小孔2aの総面積が50%を越えるとソーラセル213の濃紫色か強く見えてくるようになる。
【0007】
次に前記時計用文字板216の製造方法について説明する。前記時計用文字板216は、図24に示す工程によって形成される。図24は製造方法を示す工程説明図で、図24(a)は透明なプラスチック板などからなる光透過性基板1に金属膜2を形成した状態を示す図で、金属膜2は蒸着方法によって形成する。この金属膜2はアルミニウム、ニッケルなどの各種の金属か選択でき、その厚みは光が透過しない程度の厚みに形成される。
【0008】
次に、図24(b)は図24(a)で形成した金属膜2の上面にレジスト膜3を形成した状態を示す図で、レジスト膜3は印刷や塗装などの公知の方法で形成される。
【0009】
次に、図24(c)は露光工程を示し、レジスト膜3の上面側にネガパターンフィルム4を載置して紫外線を照射し、露光している状態を示す図である。このネガパターンフィルム4は、小孔2aが均等間隔に多数設けた金属膜2に等しく対応させた被印刷体形状のネガパターンフィルムで、このネガパターンフィルム4の上から紫外線を照射してレジスト膜3を露光硬化させる。これによって、レジスト膜3の小孔2aに対応する部分は紫外線が照射されないので柔らかい状態にあり、それ以外の部分(図中矢印で示す)は紫外線が照射されて硬化状態になる。
【0010】
次に、図24(d)はレジスト膜3に小孔3aを形成した状態を示す図である。図24(c)で露光されなかったレジスト膜3の柔らかい部分(小孔2aに対応する部分にあたる)を剥離液でもって剥離すると、小孔3aを形成したレジスト膜3か得られる。このレジスト膜3の小孔3a部分は金属膜2の小孔2a部分に対応する。
【0011】
次に、図24(e)はレジスト膜3の小孔3a部分に露出する金属膜2をエッチング液によって剥離し、小孔2aを形成した状態を示す図である。エッチング液で露出している金属膜2を剥離することによって小孔2aが形成される。
【0012】
次に、図24(f)は残っているレジスト膜3を全部剥離して金属膜2を露出させた状態を示す図である。剥離液でレジスト膜3を全部剥離することによって小孔2aを形成した金属膜2が現れる。このようにして文字板の金属膜2を形成し、この金属膜2の面を下面側にして使用すれば図22に示す構成の時計用文字板216が得られる。
【0013】
(第2の従来技術)
次に画像を形成する従来技術として昇華性染料を使用してカラー着色する例が、特開平11−116692号公報に開示されている。これは、昇華性染料と親和性のあるオリゴマー、例えばポリエステル樹脂等に昇華性染料を含有させた染料溶液に加熱状態で被着色物、例えばプラスチック製品をディッピング(浸漬)し、プラスチック製品の樹脂表面を着色する方法である。この浸漬方法による着色は僅か数分の浸漬で十分な着色が施せるのでコスト的に非常に安い方法と言えるものである。
【0014】
一方、昇華性染料インクを用いた絵画、写真画、文字画、模様画等の画像を転写紙に印刷し、この転写紙に印刷された画像を金属板やガラス板等の表面に形成した受容層に加熱・加圧のもとで転写して、金属板やガラス板等に転写画像を形成することが行われている。この方法は、昇華性染料インクで画像を印刷形成した転写紙を、画像を下面側にして受容層を形成した被転写物の上に重ね合わせて、加熱のもとで加圧装置で、加圧して、被転写物の受容層に画像を転写するものである。
【0015】
前記被転写物は、基体と受容層からなるもので、基体は金属、プラスチック、繊維、ガラス等色々な材質のものが利用される。前記受容層はポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂等が選択され、印刷方法や塗装方法等によって形成される。前記被転写物の上に画像形成した転写紙を重ねて、加温のもとで加圧すると、昇華性染料が気化してその気化した染料か受容層内に浸透して入り込み、受容層内で同一画像(正確には反対画像)が描かれる。
【0016】
(第3の従来技術)
叉、従来の時計用文字板においては、金属感を有し高級感を出現させるために金メッキ等を施して文字板を仕立てることが良く行われている。この金メッキを施した時計用文字板は、高価な金を使用するため材料費が非常に高くなり、どちらかと言うと高価格帯の時計に使用されている。この時計用文字板は、真鍮材等の金属板の表面に旭光模様や梨地模様等の模様が施され、更にその上にニッケル(Ni)メッキ層、銀(Ag)メッキ層、金(Au)メッキ層と順に積層したメッキ層が施されて時計用文字板が形成される。
【0017】
上記した金色と言ってもその色合いは幾種類もある。大きく分類して、例えば「赤色系」、「青色系」、「山吹色系」と区分けして呼んでいる。叉、更にこれらにも濃いもの、ウスイものの区分けを設け、例えば、「赤色系」として、赤味がかった金色で金色の濃い状態の色調を「赤金」、赤金より少しウスイ金色の色調を「ウス赤金」と呼んでいる。
【0018】
叉、「山吹色系」として、ウス赤金より更にウスイ金色で殆ど赤味を持たない金色の色調を「ウス金」、ウス金より更にウスイ金色の色調を「ウスウス金」と呼んでいる。この様な区分けの中で、時計用文字板としては、「ウスウス金」の色調のものが良く使用されている。
前記時計用文字板は、上述した様に「山吹色系」でも特に「ウスウス金」の金色調が多く用いられている。時計用文字板はこの「ウスウス金」の色調を得るには、シアン金を使ってメッキを施している。このシアン金を使ってメッキする場合は、メッキにおける印加電圧や電流値及びメッキ時間等の調整で「ウスウス金」の色調を得ることができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
(第1の従来技術に対する課題)
しかしながら、第1の従来技術ような方法で形成した太陽電池付時計用文字板は、金属感が現れて、しかもソーラセルの濃紫色が見えないものになる。しかしながら有色の時計用文字板においては、明るさのある鮮明なカラー色調は得られず高級感のある外観品質を有する時計用文字板を得ることが困難であった。叉、製造方法においても、製造工程が多いためコスト的に非常に高いものになっていた。叉、小孔が非常に小さいため、寸法精度や位置精度もレジスト膜の厚みやフィルムの伸縮、及び金属膜のサイドエッチングなどの影響を受け、非常に精度良く仕上げることか難しいものとなっていた。従って、歩留まりも低いものとなり量産性には向いていなかった。叉、エッチング液や剥離液を使用することから身体的に好ましい作業とは言えないものであった。
【0020】
(第2の従来技術に対する課題)
叉、第2の従来技術のように、ディッピング(浸漬)して着色された被着色物や、転写紙に印刷された画像を転写して形成された転写画像は初期的には鮮明な画像が得られるものの、外光に長期間さらされたり外気温の変動する中で長期間使用していると、画像の色合いが変わったり、色合いが薄れてきて画像が不鮮明になると言う問題を有している。これは、昇華性染料が紫外線に弱く、紫外線で変質し易いことに起因する。
【0021】
叉、携帯時計にあっては絶えず腕にはめられて毎日の如く紫外線にさらされた状態で使用される。このようなことから、紫外線等による耐光性を十分保証するような構造が取られている。例えば、携帯時計の文字板にあっては、紫外線の耐光性を評価するためのサンシャインウエザーメータ試験なる耐光試験を行って耐光性を保証することが行われる。時計部品においては、このサンシャインウエザーメータのウエット試験で100時間保証できれば十分耐光性が保証できるものと認められている。
上記の従来技術で製作した文字板をサンシャインウエザーメータのウエット試験を行うと、約30時問前後で退色を起こし、時計用文字板には全く使用できないと言う問題があった。
【0022】
(第3の従来技術に対する課題)
叉、第3の従来技術においては、金メッキ処理により金色調を施した時計用文字板を得るために、金の材料費が高く、全く見えない時計用文字板の裏面側にも金メッキが施されるので材料費のムダも多い。安いコストで金メッキと同等の金属色の時計用文字板の出現が課題となっている。
【0023】
(目的)
本発明は上記課題に鑑みて成されたもので、透明プラスチックからなる光透過性基板の下面に反射膜を施した凹部と目に見えない大きさの光透過性(透明性)を有する凸部とを模様状に形成して、ソーラセルの濃紫色が目に見えないようにすると共に、前記光透過性基板に十分な耐光性を有し且つ明るく色鮮やかカラー画像を昇華性染料で形成し、色鮮やかな時計用文字板及び、それを用いた携帯時計を提供することを目的とする。
叉、昇華性染料を使って金メッキと同等の金属色を出現させ、安価で高級感を感じさせる時計用文字板及び、それを用いた携帯時計を提供することを目的とする。
更に、簡単な作業であって安いコストで製作でき、しかも精度良く作ることができて、且つ身体に害のない安全な作業で製作することができるの上記時計用文字板の製造方法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあることを特徴とする。
【0025】
又、請求項2の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあり、前記光透過性基板の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする。
【0026】
又、請求項3の発明に係わる時計用文字板は、請求項1又は請求項2記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記光透過性基板を前記昇華性染料の溶解溶液に加温の下で所定時間浸漬して、前記光透過性基板に前記昇華性染料を浸透させ、更に加温の下で前記光透過性基板を加圧することによって形成したことを特徴とする。
【0027】
又、請求項4の発明に係わる時計用文字板は、請求項1又は請求項2記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記光透過性基板を前記昇華性染料をポリエステル樹脂などに溶解した溶解溶液に、100〜120℃に加温した状態で略1〜3分浸漬して前記昇華性染料を浸透させ、更に前記光透過性基板を略180℃に加温した状態で略10〜20g/cm の力で加圧することによって形成したことを特徴とする。
【0028】
又、請求項5の発明に係わる時計用文字板は、請求項1又は請求項2記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0029】
又、請求項6の発明に係わる時計用文字板は、請求項1又は請求項2記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0030】
又、請求項7の発明に係わる時計用文字板は、請求項1又は請求項2記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0031】
又、請求項8の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあることを特徴とする。
【0032】
又、請求項9の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあり、前記受容層の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする。
【0033】
又、請求項10の発明に係わる時計用文字板は、請求項8又は請求項9記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0034】
又、請求項11の発明に係わる時計用文字板は、請求項8又は請求項9記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0035】
又、請求項12の発明に係わる時計用文字板は、請求項8又は請求項9記載の時計用文字板において、前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0036】
又、請求項13の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、8、9のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記反射膜は金属膜、又は塗料膜、又は金属膜と塗料膜の積層した膜であることを特徴とする。
【0037】
又、請求項14の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあることを特徴とする。
【0038】
又、請求項15の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあり、前記光透過性基板の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする。
【0039】
又、請求項16の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に、黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあることを特徴とする。
【0040】
又、請求項17の発明に係わる時計用文字板は、光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に、黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあり、前記受容層の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする。
【0041】
又、請求項18の発明に係わる時計用文字板は、請求項14又は請求項15記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記光透過性基板を前記黄色の昇華性染料と赤色の昇華性染料を所定の配合割合で混ぜ合わせた溶解溶液に加温の下で所定時間浸漬して、前記光透過性基板に前記昇華性染料を浸透させ、更に加温の下で前記光透過性基板を加圧することによって形成したことを特徴とする。
【0042】
又、請求項19の発明に係わる時計用文字板は、請求項14又は請求項15記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0043】
又、請求項20の発明に係わる時計用文字板は、請求項16又は17記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0044】
又、請求項21の発明に係わる時計用文字板は、請求項14、15、19のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記光透過性基板に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする。
【0045】
又、請求項22の発明に係わる時計用文字板は、請求項16、17、20のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記受容層に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする。
【0046】
又、請求項23の発明に係わる時計用文字板は、請求項14又は15記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0047】
又、請求項24の発明に係わる時計用文字板は、請求項14、15、23のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記光透過性基板の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記光透過性基板に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする。
【0048】
又、請求項25の発明に係わる時計用文字板は、請求項16又は17記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0049】
又、請求項26の発明に係わる時計用文字板は、請求項16、17、25のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記受容層の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記受容層に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする。
【0050】
又、請求項27の発明に係わる時計用文字板は、請求項14又は15記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0051】
又、請求項28の発明に係わる時計用文字板は、請求項14、15、27のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする。
【0052】
又、請求項29の発明に係わる時計用文字板は、請求項16又は17記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0053】
又、請求項30の発明に係わる時計用文字板は、請求項16、17、29のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする。
【0054】
又、請求項31の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記模様状に形成された凹凸部は一定間隔に並んで形成され、前記凸部上面は平滑面性と透過性を有することを特徴とする。
【0055】
又、請求項32の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記模様状に形成された凹凸部は一定間隔に並んで形成され、前記凹部は鏡面に仕上げられていることを特徴とする。
【0056】
又、請求項33の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記凹凸部の模様は、サークル模様、ストライプ模様、格子模様、幾何学模様などであることを特徴とする。
【0057】
又、請求項34の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記光透過性基板の上面は平滑な研磨面に形成されていることを特徴とする。
【0058】
又、請求項35の発明に係わる時計用文字板は、請求項8、9、16、17のいずれかの1項に記載の時計用文字板において、前記受容層の上面は平滑な研磨面に形成されていることを特徴とする。
【0059】
又、請求項36の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記光透過性基板の上面に模様状の第2の凹凸部が形成されていることを特徴とする。
【0060】
又、請求項37の発明に係わる時計用文字板は、請求項8、9、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記受容層の上面に模様状の第2の凹凸部が形成されていることを特徴とする。
【0061】
又、請求項38の発明に係わる時計用文字板は、請求項6、11、23、24、25、26のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記透明なフィルムシートは、25〜50μmの厚みを有することを特徴とする。
【0062】
又、請求項39の発明に係わる時計用文字板は、請求項6、11、23、24、25、26のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記透明なフィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0063】
又、請求項40の発明に係わる時計用文字板は、請求項7、12、27、28、29、30のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記転写フィルムシートは25〜50μmの厚みを有することを特徴とする。
【0064】
又、請求項41の発明に係わる時計用文字板は、請求項7、12、27、28、29、30のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記転写フィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0065】
又、請求項42の発明に係わる時計用文字板は、請求項1、2、14、15のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記光透過性基板に紫外線吸収剤を少なくとも一種類分散したことを特徴とする。
【0066】
又、請求項43の発明に係わる時計用文字板は、請求項8、9、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記受容層に紫外線吸収剤を少なくとも一種類分散したことを特徴とする。
【0067】
又、請求項44の発明に係わる時計用文字板は、請求項2、9、15、17のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記透明保護膜に紫外線吸収剤を少なくとも一種類分散したことを特徴とする。
【0068】
又、請求項45の発明に係わる時計用文字板は、請求項8、9、16、17、43のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記受容層は、透明なポリウレタンなどのバインダー100重量部に、紫外線吸収剤を少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有した塗料からなり、前記受容層の厚みは略10〜80μmであることを特徴とする。
【0069】
又、請求項46の発明に係わる時計用文字板は、請求項2、9、15、17、44のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記透明保護膜は、アクリル樹脂、透明なポリウレタンなどのバインダー100重量部に、紫外線吸収剤を少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有した塗料からなり、前記透明保護膜の厚みは略10〜30μmであることを特徴とする。
【0070】
又、請求項47の発明に係わる時計用文字板は、請求項42、43、44、45、46のいずれか1項に記載の時計用文字板において、前記紫外線吸収剤は、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール又は、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル
又は、
超微粒子酸化亜鉛
叉は、
超微粒子酸化チタン
叉は、
一般式
【化1】
Figure 0003847594
で表される化合物
からなることを特徴とする。
【0071】
又、請求項48の発明に係わる時計用文字板は、請求項36叉は請求項37に記載の時計用文字板において、前記光透過性基板の上面に形成されている第2の凹凸部にある模様と、下面に形成されている凹凸部にある模様とは異なる模様であることを特徴とする。
【0072】
又、請求項49の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法によって金属反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の金属反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板を加熱した昇華性染料溶液に浸漬する工程と、前記浸漬した光透過性基板を取り出して洗浄する工程と、前記洗浄した光透過性基板の上面を加熱のもとで加圧し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0073】
又、請求項50の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、前記光透過性基板を加熱した昇華性染料溶液に浸漬する工程と、前記浸漬した光透過性基板を取り出して洗浄する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記洗浄した光透過性基板の上面を加熱のもとで加圧し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0074】
又、請求項51の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項49叉は請求項50記載の時計用文字板の製造方法において、
前記洗浄した光透過性基板の上面を加熱のもとで加圧する工程の後に、
前記加圧した上面に、塗装又は印刷方法で透明保護膜を形成する工程と、
前記透明保護膜の表面を研磨する工程と
を有することを特徴とする。
【0075】
又、請求項52の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板の上面を研磨する工程と、前記光透過性基板の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0076】
又、請求項53の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板の上面を研磨する工程と、前記光透過性基板の上面に前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0077】
又、請求項54の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板の上面を研磨する工程と、前記光透過性基板の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0078】
又、請求項55の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項52〜54のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、カラー画像を前記光透過性基板に転写する工程の後に、
前記光透過性基板の上面を加熱・加圧して模様状の第2の凹凸部を形成する工程を有することを特徴とする。
【0079】
又、請求項56の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって、形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板の上面に塗装又は印刷方法で受容層を形成する工程と、前記受容層を硬化させる工程と、前記受容層の上面を研磨する工程と、前記受容層の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0080】
又、請求項57の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって、形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板の上面に塗装又は印刷方法で受容層を形成する工程と、前記受容層を硬化させる工程と、前記受容層の上面を研磨する工程と、前記受容層の上面に前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0081】
又、請求項58の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって、形成する工程と、前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、前記光透過性基板の上面に塗装又は印刷方法で受容層を形成する工程と、前記受容層を硬化させる工程と、前記受容層の上面を研磨する工程と、前記受容層の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【0082】
又、請求項49の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項56〜58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
カラー画像を前記受容層に転写する工程の後に、
前記受容層の上面を加熱・加圧して模様状の第2の凹凸部を形成する工程を有することを特徴とする。
【0083】
又、請求項60の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項52から54のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
カラー画像を前記光透過性基板に転写する工程の後に、
前記カラー画像を転写した光透過性基板の上面に、塗装又は印刷方法で透明保護膜を形成する工程と、
前記透明保護膜の表面を研磨する工程と、
を有することを特徴とする。
【0084】
又、請求項61の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項56から58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
カラー画像を前記受容層に転写する工程の後に、
前記カラー画像を転写した受容層の上面に、塗装又は印刷方法で透明保護膜を形成する工程と、
前記透明保護膜の表面を研磨する工程と、
を有することを特徴とする。
【0085】
又、請求項49の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項53叉は請求項57に記載の時計用文字板の製造方法において、前記透明なフィルムシートは、25〜50μmの厚みを有することを特徴とする。
【0086】
又、請求項63の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項53叉は請求項57に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記透明なフィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0087】
又、請求項64の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項54叉は請求項58に記載の時計用文字板の製造方法において、前記転写フィルムシートは25〜50μmの厚みを有することを特徴とする。
【0088】
又、請求項65の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項54叉は請求項58に記載の時計用文字板において、前記転写フィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0089】
又、請求項66の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項49、50、52、53、54、56、57、58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記光透過性基板には紫外線吸収剤が少なくとも一種類が分散されていることを特徴とする。
【0090】
又、請求項67の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項56〜59のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記受容層には紫外線吸収剤が少なくとも一種類が分散されていることを特徴とする。
【0091】
又、請求項68の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項51、60、61のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記透明保護膜には紫外線吸収剤が少なくとも一種類が分散されていることを特徴とする。
【0092】
又、請求項69の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項66〜68のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記紫外線吸収剤は、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール又は、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル
又は、
超微粒子酸化亜鉛
叉は、
超微粒子酸化チタン
叉は、
一般式
【化1】
Figure 0003847594
で表される化合物
からなることを特徴とする。
【0093】
又、請求項70の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項56〜59のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記受容層は、透明なポリウレタン樹脂等のバインダー100重量部に、紫外線吸収剤を少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有した塗料からなり、前記受容層の厚みは略10〜80μmであることを特徴とする。
【0094】
又、請求項71の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項51、60、61、68のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記透明保護膜は、アクリル樹脂、透明なポリウレタン樹脂等のバインダー100重量部に、前記紫外線吸収剤の少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有配合した塗料からなり、積層する厚みは略10〜30μmであることを特徴とする。
【0095】
又、請求項72の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項49、50、52、53、54、55のいずれか1項に記截の時計用文字板の製造方法において、
前記切削方法又は研磨方法によって形成された凸部の平滑な上面は、その幅が120μmより細いことを特徴とする。
【0096】
又、請求項73の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項49、50、52、53、54、55、56、57、58のいずれか1項に記截の時計用文字板の製造方法において、前記模様状の凹凸部は一定な問隔で並んで形成されていることを特徴とする。
【0097】
又、請求項74の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項49、50、52、53、54、55、56、57、58のいずれか1項に記截の時計用文字板の製造方法において、
前記凹凸部の模様はサークル模様、ストライプ模様、格子模様、幾何学模様などであることを特徴とする。
【0098】
又、請求項75の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項49、50、52、53、54、55、56、57、58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記反射膜は金属膜、又は塗料膜、又は金属膜と塗料膜の積層した膜であるであることを特徴とする。
【0099】
又、請求項76の発明に係わる時計用文字板の製造方法は、請求項55叉は請求項59に記載の時計用文字板の製造方法において、
前記光透過性基板の上面に形成されている第2の凹凸部にある模様と、下面に形成されている凹凸部にある模様とは異なる模様であることを特徴とする。
【0100】
又、請求項77の発明に係わる携帯時計は、請求項1から48のいずれか1項に記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
【0101】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係わる時計用文字板について図1、図2に基づいて説明する。図1は時計用文字板の要部拡大図で、図1(a)は、要部拡大断面図、図1(b)は、図1(a)に示す時計用文字板をその下面側から見た要部拡大斜視図である。また、図2は、時計用文字板、太陽電池(ソーラセル)等から構成される文字板部の断面図を示す。
【0102】
まず、本実施形態における太陽電池付時計用文字板の構成を説明する。図2に示すように、太陽電池付時計用文字板10は太陽電池(ソーラセル)213の上に配設されている。又、図1(a)に示すように前記時計用文字板10の主体である光透過性基板11は、透明なポリカーボネイト樹脂からなり、紫外線吸収剤13が分散配合されている。更に、前記光透過性基板11には昇華性染料を浸透させてカラー画像14が形成されている。
【0103】
前記カラー画像14は、
(1)全面に亘って一色のカラーで着色されたもの。
(2)部分的に文字、数字、マーク等が施されたもの。
(3)上記(1)と(2)とが混ざり合ったもの。
(4)白・黒でまとめられたもの。
(5)絵画、写真、模様画。
等全ての画像が含まれる。
又、この時計用文字板10は、図中省略してあるが、光透過性基板11の上面側に時字やマークなどの指標か形成されて完成の仕上がりとなる。
【0104】
前記紫外線吸収剤13は、超微粒子の酸化亜鉛からなり、前記光透過性基板11の材料である透明なポリカーボネイト樹脂100重量部に超微粒子の酸化亜鉛1重量部配合したものである。この超微粒子酸化亜鉛は超微粒子の酸化チタンと同様に優れた紫外線吸収性能を有していると共に、超微粒子酸化亜鉛は透明であるため画像色調に何ら影響を与えないので、紫外線保護としては好適である。また、この超微粒子酸化亜鉛は抗菌作用にも優れているのでその最表面に設けると衛生上良い効果を得ることができる。
【0105】
本実施の形態では、超微粒子酸化亜鉛を1重量部配合したが、0.5〜1.5重量部の配合で十分あ紫外線吸収効果を出すことかできる。尚、上記構成の時計用文字板10をウェット状態でのサンシャインウエザーメータ試験を200時間行ったところ、何ら画像に変質か認められず、非常に良い耐光性性能が得られた。
【0106】
前記光透過性基板11の上面は研磨によって平坦、且つ平滑面になっている。又、下面には模様状に形成された凹部11bと凸部11aとからなる凹凸部を有し、凹部11bがマトリクス状に密集している。前記凹部11bの底面は鏡面に仕上げられていて、前記凹部11bの内面には金属の反射膜12が形成されている。又、前記凸部11aの上面(図中では下表面にあたる)11cは、研磨されて光透過性基板11の一部が露出し、平滑面に形成され光透過部となっている。
【0107】
図1(b)は時計用文字板10の下面側から見た要部料視図である。凸部11aと凹部11bは一定の間隔で並んで格子状に形成されており、全体的に格子模様を成している。また、図1(a)において、前記凸部11aの研磨された上面11cの幅(t)は120μm以下に形成されていて、凸部11aの上面11cの総面積は光透過性基板11の上面側の面積に対して20〜50%の範囲で形成されているものである。
【0108】
前記凹部11bの内面に形成されている前記金属の反射膜12は、金属を蒸着方法によって形成した金属蒸着膜で、光が透過しない程度の厚みで形成したものである。この反射膜は、特に金属に限定するものではなく、印刷や塗装方法で光か透過しない程度の厚みに形成した塗料膜であっても良い。また、反射膜を施した後、塗料膜を積層して反射膜としても良い。
【0109】
上記構成の時計用文字板10においては、凹部11bの部分では反射膜12によって光が透過せず、むしろ反射作用が現れて反射膜12の色調が見える。また、凸部11aの部分では光か透過してその下面に配設したソーラセル(図中略)に入射する。そして、凸部11aの上面11cは平滑面になっているので散乱することなく入射して入射効率を高める。
【0110】
更に、凸部11aの部分から光が透過するものの、その上面11cの幅が非常に細いためにソーラセル213の濃紫色は殆ど見えない。前記カラー画像14を形成した光透過性基板11においても、カラー画像14は、透明性を有するためソーラセル213の濃紫色は殆ど確認されない。
【0111】
また、凸部11aの上面11cの総面積が文字板10の上面側の面積の20〜50%範囲内に形成されているので、ソーラセル213の発電に十分な光量を与えることができる。近年のソーラセルには少なくとも20%位の透過率で十分な発電量を得るものが現れてきている。従って、光透過部分である凸部11aの上面11cの総面積が文字板10の上面側の面積の20%有れぱ20%の透過率が得られ発電に支障のない光量が得られることになる。また、光透過部分である前記上面11cの総面積が文字板10の上面側の面積の50%を越えてくると反射膜12が目立たなくなりソーラセル213の濃紫色が目立って見えてくるようになる。このことから、光透過部分である上面11cの総面積を文字板10の上面側の20〜50%の範囲内におさめることによって十分な発電量を得ると共に反射膜が大きく目について凸部11aの光透過部分が全く目立たない。
【0112】
この実施形態は凹凸模様を格子模様に形成したものであるか、ストライプ模様、サークル模様、旭光模様、幾何学模様など各種の模様が同様に選択できるものである。
【0113】
以上のように本実施形態においては、反射膜を施した下面の凹部1bを鏡面にしたことで、反射膜からの光の反射率が大きくなり、これによって前記凸部11aの上面11cである光透過部の大きさ(幅t)を120μmまで大きくしてもソーラセル213の濃紫色が見えなくすることが出来た。図27に凸部11aの上面11cの幅tを変化させて実験した結果を示す。前記凸部11aの上面11cの幅tが120μmまでは文字板10の上からソーラセル213の濃紫色を認識することかできない。幅tが130μmでは、若干見えてくる。
【0114】
なお、時計用文字板10に画像14を形成しても凸部上面11cを平滑面にすることにより、上方から光を殆ど透過させることができ透過率を下げない。叉、凹凸部か一定間隔で並んでいることにより、ソーラセルに均一な光量か得られる。そして、透過部の面積が20〜50%あれば発電に十分で効率の良い発電が得られる。更に模様は何れも上下左右対称なものであるから、ソーラセル213の各部に均一な光量が得られる。反射膜12は反射率の高い金属(銀、アルミ等)蒸着膜が一番よい。また、鏡面になっていることで、金属光沢が現れて金属感か得られる。塗料膜の場合には、様々の色調を帯びた塗料が使用できるが、反射率の高い塗料で良い効果が得られる。
【0115】
以上のように本実施形態によれば、透明プラスチックからなる光透過性基板11の下面に反射膜12を施した凹部11bと目に見えない大きさの光透過性(透明性)を有する凸部11aとを模様状に形成して、ソーラセル213の濃紫色が目に見えないようにすると共に、前記光透過性基板11に十分な耐光性を有し且つ明るく色鮮やかカラー画像14を昇華性染料で形成し、色鮮やかな時計用文字板10を実現することが出来る。
【0116】
(製造方法)
次に、上記構成の文字板10の製造方法を図12に基づいて説明する。図12は文字板10の製造工程を示す工程説明図で、要部断面図で示してある。まず、光透過性プラスチツク基板から成る文字板ブランクに凹凸部を形成する。図12(a)は射出成形方法で形成した下面に凹部11bと凸部11aを有する光透過性基板11のブランク11Aを示している。このブランク11Aは射出成形装置を用いて光透過性樹脂を加熱・加圧の基で金型内に射出して成形される。下面の凹凸部は前記金型に形成した凹凸部から転写によって形成されるため、予め文字板の凹部底面に対応する金型の凸面を鏡面に仕上げておく。又、射出成形するための材料である光透過性樹脂は、透明なポリカーボネイト樹脂からなり、このポリカーボネイト樹脂100重量部に、紫外線吸収剤13としての超微粒子の酸化亜鉛1重量部配合したものである。
【0117】
次に、図12(b)は凹凸部のある下面全体に金属蒸着膜からなる反射膜12を形成した図である。射出成形方法によって形成した光透過性基板11のブランク11Aの下面全体に蒸着装置で金属蒸着を施して金属蒸着膜の反射膜12を形成する。この金属蒸着膜は光が透過しない程度の厚み(概ね1000 以上)に形成する。尚、この反射膜12は塗装方法で光が透過しない程度の厚みに形成した塗料膜でも良いものである。
【0118】
次に、図12(c)は凸部11aの上面を研磨して反射膜12を除去し、平滑な凸部上面11cに仕上げた状態を示す図である。研磨装置によって反射膜12が形成された凸部11aの上面側を光透過性基板が露出する程度まで研磨し、反射膜12を除去すると共に平滑な凸部上面11cに仕上げる。尚、本実施の形態においては研磨方法で平滑面に什上げたが、ダイヤモンドチップを付けたバイトなどを使用した切削方法で平滑面に什上げても良いものである。
【0119】
次に図12(d)は、前記光透過性基板11の上面側に転写法で昇華性染料を浸透させてカラー画像14を形成する状態を示す図である。叉、図17は、転写によってカラー画像を形成する状態を示し、図17(a)は転写前、図17(b)は転写後の状態を示す断面図である。図17(a)に示すように、載品具111の上に前記光透過性基板11を載置する。次に昇華性染料インクで印刷したカラー画像112aを形成した転写紙112を前記光透過性基板11の上に載せ、略180℃位に加温した状態で約10g/cmの圧力で約1分間加圧して転写紙112の昇華性染料を気化させて光透過基板11の中に浸透させてカラー画像14を転写し形成する。以上の製造工程によって、十分な耐光性を有し且つ明るく色鮮やかカラー画像を有する時計用文字板10て文字板が得らた。
【0120】
尚、本実施形態においては片面に凹凸を有する光透過性基板11を得るのに金型を用いて射出成形方法で形成したものであるが、他の方法として図16に示す方法がある。図16に示すものは、平坦な載品台42上に予め紫外線吸収剤13が混合分散されている光透過性のプラスチック板11Bを載せ、上から凹凸(43a、43b)の形成された押圧具43でもって加熱の基で加圧すると前記図12(a)で示した光透過性基板11のブランク11Aと同じ形状のものが得られる。
【0121】
以上の製造方法をとれば、光透過性基板11の模様状の凹凸部は、金型または押圧具に形成した模様状の凹凸形状から転写によって形成されるので、寸法及び形状はバラツキの少ない非常に安定した精度で形成することができる。更に、凹凸形状を形成した金型または押圧具は長期間に渡って使用できると共に、この製造加工時間も短時間で出来るので量産性に優れ、加工コストも非常に安くすることかできる。また、後加工も蒸着加工、叉は塗装加工、研磨加工と簡単な加工方法をとるのでトータルの加工時間も少なくて済み、コスト的にも非常に安くすることかできる。更にまた、従来使用した剥離液とかエッチング液などは使用しないので身体への悪影響はなく健康的な作業が可能となる。
【0122】
尚、光透過性基板11の上面側にカラー画像を形成する方法として転写紙の昇華性染料をを転写する方法で説明したが、この他に、昇華性染料を含有させた染料溶液に加熱状態で光透過性基板11をディッピング(浸漬)し、光透過性基板11を着色する浸漬方法も使用できる。但し、この浸漬方法(ディッピング)によって得られる画像は、「全面に亘って一色のカラーで着色されたもの」に限定される。叉、反射膜12として金属膜を使用する場合は、前述した製造工程において、転写工程を浸漬(ディッピング)工程に変更するだけよいが、反射膜として塗料膜を使用する場合は、浸漬(ディッピング)工程で、反射膜として設けた塗料膜に昇華性染料が浸透して着色し、反射泣くとしての機能を低下させることが起きるので、製造工程を変更する必要がある。これについては、次の第2の実施形態で詳述する。
【0123】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係わる時計用文字板について図3、図13に基づいて説明する。図3は時計用文字板の要部拡大図である。また、図13は、時計用文字板の製造工程を示す工程説明図で、要部断面図で示してある。
図3に示すように、本実施形態における時計用文字板20は、以下の点が第1の実施形態と異なっている。光透過性基板21は、上面側に第2の凹凸部15を備えている。叉、反射膜22は塗料膜で構成されている。更に、画像24の形成方法とて浸漬(ディッピング)法を採用しており、これによって製造工程が第1の実施形態と異なっている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0124】
図3において、本実施形態における時計用文字板20は、その下面に凹部21bと凸部21aを有し、その上面に第2の凹凸部15を有する光透過性基板21と、光透過性基板21の下面凹部21bに設けた反射膜22とを有している。叉光透過性基板21には紫外線吸収剤13が分散配合されている。前記光透過性基板21の下面側に設けた凹部21bと凸部21a、及び紫外線吸収剤13は、図1で示した第1の実施の形態の時計用文字板10と同様である。叉光透過性基板21に形成される画像24は、全面に亘って一色のカラーで着色されたものとなる。
【0125】
叉、前記凹部21bに形成した反射膜22は塗料膜からなり光が透過しない程度の厚みに形成されている。前記光透過性基板21の上面側に設けた第2の凹凸部15は微小の凹凸を成す梨地模様を形成しているが、この第2の凹凸部15は梨地模様の他に旭光模様,各種の編み目模様、各種の幾何学模様など色々な模様を選択することができる。但し、光透過性基板21の下面側に設けた凹部21bと凸部21aとから構成される凹凸模様とは異なる模様が選択される。このように光透過性基板21の上面側に第2の凹凸部15があると、その部で光が屈折していろいろな方向に放射されていくのでソーラセルの濃紫色は見えにくくなると共に第2の模様が見えるので装飾性が増す。特に、第2の凹凸部15が細かい模様になってくると濃紫色は全く視認されなくなってくる。
【0126】
以上のように、本実施の形態では、光透過性基板21の上面に形成した第2の凹凸部15からなる模様が光透過性基板21の下面凹部21bに施した反射膜22の色調と、光透過性基板21に形成される画像24の色調との組み合わせのもとで見える文字板か得られる。その他作用効果については、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0127】
次に、上記構成をなす文字板20の製造方法を図13に基づいて説明する。図13(a)は射出成形方法で形成した下面に凹部21bと凸部21aと、上面に梨地模様からなる第2の凹凸部15とを有する光透過性基板21のブランク21Aを示している。下面の凹部21bや凸部21aと上面の第2の凹凸部15は金型から転写して形成する。又、射出成形するための材料である光透過性樹脂は、透明なポリカーボネイト樹脂からなり、このポリカーボネイト樹脂100重量部に、紫外線吸収剤13としての超微粒子の酸化亜鉛1重量部配合したものである。
【0128】
次に、図13(b)は、前記光透過性基板21に浸漬(ディッピング)法によって昇華性染料を浸透させてカラー画像24を形成した状態を示す図である。この画像24は、全面に亘って一色のカラーで着色されている。以下、このカラー画像24の着色方法について説明する。このカラー着色方法は、略110°Cに加熱した昇華性染料溶液に略1分間浸漬し、浸漬後洗浄・乾燥を行い、略180°Cの加熱状態で略10〜20g/cm圧力のもとで前記光透過性基板21の上面側を加圧装置で押圧して着色したものである。
【0129】
昇華性染料溶液に浸漬した状態では、染料の光透過性基板21への浸漬深さは浅く、後工程で加温・加圧することによって染料の浸漬深さが深くなり、着色色合いの持ちを非常に長くすることができる。
【0130】
昇華性染料溶液は、染料と親和性のある可塑性で昇華性染料を配合した溶液で、本実施の形態ではポリエステル樹脂100重量部に昇華性染料を略4重量部を配合した溶液である。この溶液を加熱した状態で浸漬して着色するが、浸漬時間は溶液の加温温度や着色の濃度等を考慮して適宜設定されるが、概ね略1〜3分間位の範囲で充分である。3分以上浸漬しても着色濃度は殆ど変わらない。着色濃度は浸漬時間の調整によって自由に調整できる便利さがある。
【0131】
染料溶液の加温温度は使用するバインダーによって多少異なるが、本実施の形態のポリエステル樹脂においては概ね100〜120°Cの範囲の中で設定すると、上記の浸漬時間で着色が可能となる。温度が低いと着色に時間がかかり、高いと早く着色が施される。
【0132】
この様にして光透過性基板21に着色した後、洗浄・乾燥し、その後、光透過性基板21を形成するバインダーの軟化点温度の近くに加温して加圧を行うと染料の浸漬深さは更に深く浸透する。この加圧力は小さいと浸透が浅く、大きいと光透過性基板21が圧縮で変形してしまう。略10〜20g/cm前後の加圧力で充分である。
【0133】
次に、図13(c)は、前記光透過性基板21のブランク21Aの凹凸部(21b、21a)のある下面全体に塗料膜からなる反射膜22を形成した図である。浸漬(ディッピング)法によって画像24が形成されている光透過性基板21のブランク21Aの下面全体に塗装による塗料膜からなる反射膜22を形成する。この塗料膜は光が透過しない程度の厚みに形成する。
【0134】
次に、図9(d)は研磨方法または切削方法によって凸部21aの山の一部を削り取ってブランク21Aを露出させ、凸部21aに平滑な上面21cを形成した状態を示している。研磨装置によって反射膜22が形成された凸部21aの上面側を光透過性基板21が露出する程度まで研磨し、反射膜22を除去すると共に平滑な凸部上面21cに仕上げる。尚、本実施の形態においては研磨方法で平滑面に仕上げたが、ダイヤバイトなどを使用した切削方法で平滑面に仕上げても良いものである。以上のような製造工程でカラー着色することによって、染料が光透過性基板21に深く浸透すると共に、紫外線に対して耐光性が著しく向上したカラー着色が施された時計用文字板20が得られた。尚、上記構成の時計用文字板20をウェット状態でのサンシャインウエザーメータ試験を100時間行ったところ、何ら画像に変質か認められず、非常に良い耐光性性能が得られた。
【0135】
以上本実施の形態の時計用文字板の製造方法によれば、製造方法が簡単で、しかも製造工程数も少ないので安いコストで製作することが出来る。特に光透過性基板21のブランク21Aをディッピング(浸漬)し、ブランク21Aを着色する方法は、僅か数分の浸漬で十分な着色が施せるのでコスト的に非常に安い方法である。
【0136】
尚、第1及び第2の実施形態において紫外線吸収剤13として、超微粒子の酸化亜鉛を例として説明したが、この他に微粒子の酸化チタンの紫外線吸収剤でも同様の効果を得ることが出来る。叉、光透過性基板21の材料であるポリカーボネイト樹脂100重量部に対して、高温加工に適する有機系化合物である、化学式
【化1】
Figure 0003847594
の紫外線吸収剤を2.5重量部配合した場合においても同様の効果を得ることが出来る。叉、第1及び第2の実施形態においては、何れも単一の紫外線吸収剤を使用したものであるが、これらの紫外線吸収剤を混ぜ合わせて使用しても同様な効果が得られる。
【0137】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係わる時計用文字板について図4、図14に基づいて説明する。図4は時計用文字板の要部拡大図である。また、図14は、時計用文字板の製造工程を示す工程説明図で、要部断面図で示してある。
【0138】
図4に示すように、本実施形態における時計用文字板30は、以下の点が第1の実施形態と異なっている。光透過性基板31は、紫外線吸収剤が分散配合されておらず、上面側に紫外線吸収剤23を配合した透明保護膜16を備えている。その他の点については、第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0139】
図4において、本実施形態における時計用文字板30は、その下面に凹部31bと凸部31aを有し、カラー画像14が形成されている光透過性基板31と、光透過性基板31の下面凹部31bに設けた反射膜12と、更に、その上に透明なポリウレタン樹脂100重量部に対して、化学式
【化3】
Figure 0003847594
を示す、2‐(3‐t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの紫外線吸収剤23を2.5重量部分散配合した塗料で略20μmの厚みに塗布形成した透明保護膜16を設けた構成にしたものである。尚、前記光透過性基板21に設けた凹部31bと凸部321a、凹部31bに設けた反射膜12、及びカラー画像14は、図1で示した第1の実施の形態の時計用文字板10と同様である。
【0140】
前記透明保護膜16はカラー画像14を保護するために設けるもので、透明なウレタン樹脂やアクリル樹脂などの塗料を用いて印刷方法や塗装方法などで形成したものである。そして、この透明保護膜16の上面は研磨されて光沢のある平滑面に仕上げられている。
【0141】
上記の構成の時計用文字板30をウエット状態でのサンシャインウエザーメータ試験100時間の結果、転写画像には何の変質も認められず、耐光性の良い時計用文字板30が得られた。
【0142】
尚、本実施の形態での透明保護膜16は、略20μmの厚みに施したが、薄いと耐光性が悪くなるので少なくとも10μm以上の厚みにするのが好ましい。また、逆に厚すぎると紫外線吸収剤の色調か濃く現れ、画像か調色されて画像色調が著しく変わってくる。実験結果、厚くても30μmであると画像色調に見劣りない色調が得られた。このことより、透明保護膜16は、略10〜30μmの範囲の厚みが好ましいものと言える。
【0143】
(製造方法)
次に、上記構成の文字板30の製造方法を図14に基づいて説明する。図14は文字板30の製造工程を示す工程説明図で、要部断面図で示してある。まず、光透過性プラスチツク基板から成る文字板ブランクに凹凸部を形成する。図14(a)は射出成形方法で形成した下面に凹部31bと凸部31aを有する光透過性基板31のブランク31Aを示している。このブランク31Aは、紫外線吸収剤が配合されていない。その他の点については、第1の実施形態における製造方法と同様である。
【0144】
次に、図14(b)は凹凸部のある下面全体に金属蒸着膜からなる反射膜12を形成した図である。この工程も第1の実施形態と同様に光透過性基板31のブランク31Aの下面全体に金属蒸着膜の反射膜12を形成する。
【0145】
次に、図14(c)は凸部31aの上面を研磨して反射膜12を除去し、平滑な凸部上面31cに仕上げ、光透過性基板31とした状態を示す図である。この工程も第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0146】
次に図14(d)は、前記光透過性基板31の上面側に転写法で昇華性染料を浸透させてカラー画像14を形成する状態を示す図である。この工程も第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0147】
次に、図14(e)は光透過性基板31の上に透明保護膜16を印刷方法または塗装方法でもって形成し、更に、この透明保護膜16の上面を研磨方法でもって平滑面に仕上げた状態を示している。前記透明保護膜16の形成工程は、透明なポリウレタン樹脂100重量部に対して、化学式
【化3】
Figure 0003847594
を示す、2‐(3‐t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールの紫外線吸収剤23を2.5重量部分散配合して塗料化し、略20μmの厚みに印刷叉は塗布方法で透明保護膜16を形成する。以上の製造工程によって十分な耐光性を有し且つ明るく色鮮やかカラー画像を有する時計用文字板30が得られた。
【0148】
尚、本実施形態においては、光透過性基板31に紫外線吸収剤を分散配合しない例で説明したが、図5に示すように第1の実施形態と同様に、光透過性基板11に紫外線吸収剤13としての超微粒子の酸化亜鉛を分散配合してあっても同様の効果を得ることができる。
【0149】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係わる時計用文字板について図6、図15に基づいて説明する。図6は時計用文字板の要部拡大図である。また、図15は、時計用文字板の製造工程を示す工程説明図で、要部断面図で示してある。
【0150】
図6に示すように、本実施形態における時計用文字板50は、以下の点が第1の実施形態と異なっている。光透過性基板41は、紫外線吸収剤が分散配合されておらず、カラー画像も形成されていない。叉、光透過性基板41の上面側に紫外線吸収剤を分散配合し、カラー画像を形成した受容層17を備えている。その他の点については、第1の実施形態と同様である。
【0151】
図6において、本実施形態における時計用文字板50は、その下面に凹部41bと凸部41aを有する光透過性基板41と、下面凹部41bに設けた反射膜12と、更に、前記光透過性基板41の上面に施された転写画像34を形成した受容層17とで構成されている。
【0152】
前記受容層17は、透明なポリウレタン樹脂100重量部に、
2‐(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなる紫外線吸収剤33を2.5重量部分散配合した塗料でもって略20μmの厚みに塗布形成したものてあり、その表面は研磨によって平滑面になっている。
【0153】
そして、この受容層17には昇華性染料インクで印刷画像を形成した転写紙から180℃の加熱と、10g/cmの加圧のもとで画像転写を行って転写画像34を形成している。
【0154】
以上の構成とした結果、サンシャインウェザーメータのウエット試験100時間の結果において転写画像に何の変質も認められず非常に良い耐光性を得られた。
【0155】
本実施の形態の受容層17はポリウレタン樹脂100重量部に対して、化学式
【化2】
Figure 0003847594
を示す、2‐(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの紫外線吸収剤33を2.5重量部配合したものである。この紫外線吸収剤33は粉末状では淡黄色を呈しているもので、配合量は耐光性の性能と受容層の色調具合を見て設定しなければならない。配合量か少ないと耐光性が悪くなり、逆に多いと耐光性は非常に良くなるが受容層17に色が付き、転写画像に調色が現れて本来の画像色調が出ないと言うことか生じる。各種の実験の結果、略0.5〜10重量割合が好ましい範囲である。
【0156】
叉、受容層17のバインダーは二液性のポリウレタン樹脂を使用したが、これに限定されるものではなく、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の樹脂も選択することができる。
【0157】
受容層17の厚みは昇華性染料の浸透する深さに影響を及ぼすので大変重要な管理要素になる。厚みが浅いと温度変化等によって染料が抜け出してしまって画像が退色する現象が現れる。実験結果から受容層17の厚みは10μm以上あることが好ましいものと分かった。また、厚い方については特に限定するものではなく、厚ければ染料の浸透する深さを深くすることかでき、深くする程染料の抜け出しを抑えることができるので好ましいものである。逆に印刷コストが高くなると言う問題も出てくる。厚い方は80μmの厚みが有れば十分である。更に、この受容層17はその表面が研磨した光沢のある平滑面であると、表面全体が一様な加圧力のもとで転写が行われるので転写画像は色ムラが発生せず綺麗な転写画像が得られる。
【0158】
以上述べたように、第3の実施の形態で、2‐(3‐t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなる紫外線吸収剤を選択し、,第4の実施の形態で、2‐(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなる紫外線吸収剤を選択した。紫外線吸収剤第3及び第4の実施の形態は、何れも単一の紫外線吸収剤を使用したものであるが、この2つの紫外線吸収剤を混ぜ合わせて使用しても同様な効果か得られる。叉、第3及び第4の実施の形態においては、この他に前述の超微粒子の酸化亜鉛、超微粒子の酸化チタン、化学式
【化1】
Figure 0003847594
を示す紫外線吸収剤も単一叉は混ぜ合わせて使用しても同様な効果か得られる。
【0159】
(製造方法)
次に、上記構成の文字板50の製造方法を図15に基づいて説明する。図15は文字板40の製造工程を示す工程説明図で、要部断面図で示してある。図15(a)は射出成形方法で形成した下面に凹部41bと凸部41aを有する光透過性基板41のブランク41Aを示している。このブランク41Aは、第3の実施形態における製造工程と同様である。叉図(b)、図(c)に示す工程も、第3の実施形態における製造工程と同様であるため説明を省略する。
【0160】
次に、図15(d)は光透過性基板41の上に受容層17を印刷方法または塗装方法でもって形成し、更に、この受容層17の上面を研磨方法でもって平滑面に仕上げた状態を示している。前記受容層17の形成工程は、透明なポリウレタン樹脂100重量部に対して、化学式
【化2】
Figure 0003847594
を示す、2‐(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの紫外線吸収剤33を2.5重量部分散配合して塗料化し、略20μmの厚みに印刷叉は塗布方法で受容層17を形成する。
【0161】
次に図15(e)は、前記受容層17に転写法で昇華性染料を浸透させてカラー画像34を形成する状態を示す図である。カラー画像形成工程は、昇華性染料インクで印刷画像を形成した転写紙から180℃の加熱と、10g/cmの加圧のもとで画像転写を行って転写画像34を形成する。この工程も第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以上の製造工程によって十分な耐光性を有し且つ明るく色鮮やかカラー画像を有する時計用文字板50が得られた。
【0162】
尚、図7に示すように、本実施形態における時計用文字板50の上面に透明保護膜16を形成し、時計用文字板60としても同様の効果が得られる。前記透明保護膜16及び形成方法、並びにその作用効果については、第3の実施形態で説明した透明保護膜16と同様であるため説明を省略する。
【0163】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係わる時計用文字板について説明する。本実施形態における時計用文字板は金色に仕上げられた時計用文字板で、その下面に凹凸部を有する光透過性基板と、下面凹部に設けた金属の反射膜と、更に、前記光透過性基板の上面に施された転写画像を形成した受容層とで構成されている。この受容層に、黄色と赤色又はそれらを所定の量で混ぜ合わせた橙色の昇華性染料インクを使って、インクジェットプリンターでドットを印刷形成した転写紙を、重ねて加熱及び加圧することにより所望の色合いに調整することにより金色調となるように設定されている。
【0164】
ここで、転写紙から受容層にドットを転写する際に、印刷ドットの染料か十分混ざり合わない場合があり、転写ドットが斑点状に視認されることがある。本実施形態においては、転写紙から受容層にドットを転写する際に、透明なフィルムシートを介して転写しており、これにより転写紙からフィルムシートに転写し更に受容層に転写するときに、染料が良好に混ざり合い、ドット状の斑点の発生を防いでいる。
【0165】
また、本実施形態では、黄色と赤色又はそれらを所定の量で混ぜ合わせた橙色の昇華性染料インクを使ってドットが印刷された転写紙から転写された染料が浸透したフィルムシートから、更に受容層に転写するようにも構成している。この場合も、上述した透明なフィルムシートを介在させた場合と同様にドツト状の斑点の発生を防ぐことができる。
【0166】
更に、本実施形態では、黄色と赤色の2色の昇華性染料インクを浸透させて所定の割合で均一に混ぜ合わせるか又は黄色と赤色の昇華性染料インクを所定の量で混ぜ合わせた橙色の昇華性インクを使用することにより、所望の色合いに調整した金色調となる。このように金メツキを使用せずに、昇華性染料インクを受容層に浸透させることで、低コストで、金メッキに相当する金色調を出すことができる。また、紫外線吸収剤を含む透明保護膜を設けたり、紫外線吸収剤を含む受容層を用いることにより、耐光性を向上させることかできる。
【0167】
【実施例】
以下本実施形態の実施例に係る金色調の時計用文字板について説明する。図10は金色に仕上げられた金色調の時計用文字板の要部拡大図であり、この実施例においては特に「ウスウス金」の金色調を得るための構成を説明する。
【0168】
図10に示す時計用文字板90は、本実施形態における時計用文字板90は、その下面に凹部41bと凸部41aを有する光透過性基板41と、下面凹部41bに設けた金属の反射膜32と、更に、前記光透過性基板41の上面に施された転写画像54としての金色調を形成した受容層17とで構成されている。前記金属の反射膜32は、銀(Ag)の蒸着膜である。
【0169】
受容層17は紫外線吸収剤を分散させた塗料を用いて、前記光透過性基板41の上面に印刷等の方法によって形成されている。この紫外線吸収剤は、第4の実施形態における受容層17と同様であるため説明は省略する。この受容層17には、後述する転写方法にて昇華性染料か浸透しており、次のように設定することにより「ウスウス金」に仕上げられている。
【0170】
即ち、はじめに、昇華性染料インクを使って、インクジェットプリンターで転写紙に印刷を行う。この印刷は、自色の転写紙上に、「赤色」と「黄色」の2色の昇華性染料インクを略1440dpiの大きさのドットで印刷することにより行う。このときの「黄色」のドットの印刷面積は略8%、「赤色」のドットの印刷面積は略2%、残りの白地面積は略90%となるように設定し、「黄色」と「赤色」のドットが重積しないように均一に分散させる。
【0171】
次に、この転写紙を受容層17の平滑面上に載せ、加熱・加圧条件は、受容層17を形成する樹脂によって異なるが、例えば、ポリウレタン樹脂を使った場舎には、加熱温度略180℃、加圧力10g/cmで約40秒問加熱及び加圧する。これにより、転写紙の昇華性染料が気化して受容層17に染み込み、受容層17に所望の金色調が転写される。
【0172】
このようにして形成された金色調においては、加圧しながら転写するので、隣接している色の異なるドットの染料が十分混ざり合わない場合があり、転写後もドット形状を維持していることがある。しかも、浸透するときに個々のドットがかなり大き目になることから、場合によっては転写ドットが斑点状に視認されることがある。たとえば、多数の「黄色」の印刷ドットの中に少数の「赤色」の印刷ドットを配列させて「薄い橙色」を出す場合に、目視では目立たないものの、少し拡大すると「赤色」の転写ドヅト部分が「赤色」の斑点となって視認される。これが「濃い橙色」の場合にはほとんど目立たない。これは、インクジェットプリンターで印刷するため起きる現象である。この現象は、加熱温度や加圧力を調整しても大きな変化はなく、解消されない。
【0173】
上記のようなドットの斑点を消すために、受容層を再加熱する方法があるが、この再加熱工程においては、短時間でドット状の染料を十分に混ぜ合わせるため、受容層内にて染料か対流するように加熱することか必要であった。このように高温で受容層を加熱すると、気化した染料が受容層から逃げ出すことがある。また、受容層の上に設けられるクリアー塗装等の透明保護膜内に染料か染み込んで色ムラか生じることもある。本実施例においては、再加熱することなく、透明なフィルムシートを使用することにより上記のような斑点が発生することを防いでいる。以下にこの透明なフィルムシートを用いた転写を説明する。
【0174】
図18は、透明なフィルムシートを用いた転写によってカラー画像を形成する状態を示し、図18(a)は転写前、図18(b)は転写後の状態を示す断面図である。図18(a)に示すように、載品具111の上に上述した時計用文字板90を載置する。ここで転写紙112には上述したように所定の割合でドットが印刷形成されている。叉、透明なフィルムシート115は、表示板90の光透過基板41の上面に形成される受容層17と転写紙112との間に挟み込まれている。このフィルムシート115は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂からできていて、光沢のある平滑な表面を有している。このフィルムシート115を形成する樹脂は、上記の樹脂に限定されるものではなく、比較的耐熱性の高い樹脂であれば他のものでも選択できる。尚、撥水性のある樹脂、例えばフッ素系の樹脂等は好ましくない。また、この透明なフィルムシート115は、厚みが25〜50μmの範囲に設定されている。
【0175】
このように時計用文字板90の上にフィルムシート115と転写紙112とを重ねた上から、加熱しながら押圧具113で加圧して転写を行う。加熱温度、加圧力は前述したように約180℃、10g/cm程度でよいが、加圧時問はより長く設定した方か良い。例えぱ、加圧時間を90秒に設定していた場合には、100〜110秒位に設定し、少し長めにすることが好ましい。
【0176】
このような転写方法により、転写紙112側の昇華陸染料によるドットがフィルムシート115に浸透し、更に、受容層17に浸透する。このように、転写紙112からフィルムシート115に転写し、更に受容層17に転写するときに、染料が良好に混ざり含い、ドット状の斑点の発生を防ぎ、非常に綺麗な「ウスウス金」の金色調を得ることかできる。
【0177】
この転写方法においては、フィルムシート115の厚みが金色調の品質に大きな影響を及ぼすことになる。このため、各種実験を行った結果、フィルムシート115の厚みを25〜50μmに設定することが好適であることが判明した。厚みが25μmより薄いと、転写紙112の凹凸紙模様が受容層17にまで届いて受容層17に移ってしまう。また、50μmより厚いと、フィルムシート115内に染料か残ってしまい、受容層17に形成される金色調に鮮明さか欠けるという間題が生じる。このため、前記範囲にフィルムシート115の厚みを設定することが最も好ましい。
【0178】
また、受容層17の上面を研磨して平滑面に仕上げることにより、一定の加圧力で転写することかでき、転写色調にムラか発生しなくなる。更に、受容層17の平滑面と平滑なフィルムシート115とが接触するため、加圧後においても受容層17の平滑面は維持され、綺麗な表面に仕上げることができる。
【0179】
次に、「ウス金」の色調を得るための設定について説明する。この場合にも、昇華性染料インクを使って、インクジェットプリンターで転写紙に略1440dpiの大きさのドットで印刷を行う。このときの「黄色」のドットの印刷面積は略30%、「赤色」のドットの印刷面積は略5%、残りの白地面積は略65%となるように設定し、「黄色」と「赤色」のドットが重積しないように均一に分散させる。そして、前述した色調の場合と同様に、フィルムシートを介して加熱及び加圧することにより転写紙から受容層へ転写し、ドットの斑点の発生を防きながら、綺麗な「ウス金」の金色調を得る。
【0180】
次に、「ウス赤金」の色調を得るための設定について説明する。この場合にも、昇華性染料インクを使って、インクジェットプリンターで転写紙に略1440dpiの大きさのドットで印刷を行う。このときの「黄色」のドットの印刷面積は略39%、「赤色」のドットの印刷面積は略7%、残りの自地面積は略54%となるように設定し、「黄色」と「赤色」のドットか重積しないように均一に分散させる。そして、前述した色調の場合と同様に、フィルムシートを介して加熱及び加圧することにより転写紙から受容層へ転写し、ドットの斑点の発生を防ぎながら、綺麗な「ウス赤金」の金色調を得る。
【0181】
次に、「赤金」の色調を得るための設定について説明する。この場合にも、昇華性染料インクを使って、インクジェットプリンターで転写紙に略1440d piの大きさのドットで印刷を行う。このときの「黄色」のドツトの印刷面積は略49%、「赤色」のドットの印刷面積は略12%、残りの白地面積は略39%となるように設定し、「黄色」と「赤色」のドツトか重積しないように均一に分散させる。そして、前述した色調の場合と同様に、フィルムシートを介して加熱及び加圧することにより転写紙から受容層へ転写し、ドットの斑点の発生を防きながら、綺麗な「赤金」の金色調を得ている。
【0182】
上記のように、「ウスウス金」、「ウス金」、「ウス赤金」及び「赤金」に調整するには、「黄色」のドット印刷の合計面積と「赤色」のドット印刷の合計面積との比率が、略4〜6:lになるように設定し、且つ、「黄色」のドット印刷の合計面積と「赤色」のドット印刷の合計面積との和が転写紙の単位面積当たり、略10〜61%になるように設定される。「ウスウス金」から「赤金」になるに従って赤味を帯びた金色になるが、「赤色」の混合比率は多くならず、赤味を増すには、浸透する染料の量、即ち、「黄色」と「赤色」の合計面積を多くする。「ウスウス金」から「赤金」の設定は、色の配合比率よりも、むしろ浸透量の増減で調整することかできる。
【0183】
上記実施例における転写紙には、「黄色」と「赤色」の2色の昇華性染料インクを使って、それぞれの色のドットを重ならないように均一に分散させて印刷し、フィルムシートを介した転写時にドットが混ざり合うことにより混合色か出ることになる。これを、例えば、「黄色」と「赤色」の2色の昇華性染料インクを所定の量で混ぜ合わせた「橙色」の昇華性染料インクを使って、インクジェツトプリンターで自色の転写紙にドット印刷を行うように変更することもできる。
【0184】
尚、この場合においても受容層への転写時の加熱及び加圧とフィルムシートの厚み等の各条件に関しては、前述した実施例と同様に設定する。この場合においてもフィルムシートを用いることにより、ドットの混ざり合いが良好になり、ムラのない綺麗な発色を得ることができる。
【0185】
また、上記各実施例においては、受容層17をポリウレタン樹脂に紫外線吸収剤を分散配合した塗料で形成して、耐光性を得ているが、この他、図11に示すように受容層17の上面に紫外線吸収剤を分散したクリアー塗装を印刷又は塗布することにより透明保護膜16を設けて耐光性を得ることもできる。この場合、クリアー塗装の上面を研磨して光沢のある平滑面を形成することにより、耐光性に優れた時計用文字板を形成することができる。
【0186】
一方、フィルムシートを使用した転写方法は、上記のように、転写紙112から昇華性染料インクを受容層17に転写する際にフィルムシート115を介在させる方法だけでなく、予め昇華性染料インクが転写されたフィルムシートを用いて受容層に転写する方法もある。次に、予め昇華性染料インクが転写された転写フィルムシートを用いた転写方法について説明する。
【0187】
図19に示すように、予め昇華性染料インクが転写された転写フィルムシート121は、透明なフィルムシート122の中に加熱・加圧の下で昇華性染料インクを気化した状態で浸透させ、その昇華性染料インクにより調色された色調部123を形成したものである。この転写フィルムシート121は、図20に示すように、載品具111の上に透明なフィルムシート122を載置し、その上に昇華性染料インクでドットを印刷形成した転写紙112を載せ、押圧具113で転写紙112を押圧することによって形成される。転写紙112からフィルムシート122への昇華性染料インクの転写は、前述した実施例と同様に、フィルムシート122をその樹脂成分の軟化点付近の温度に加熱し、転写紙112を一定の圧力で加圧することにより行われる。このときに、転写紙112に印刷された昇華性染料インクは気化し、フィルムシート122内に浸透して色調部123を形成する。上記加熱と加圧は、フィルムシート122の内部深くに昇華性染料を浸透させるために必要であり、フィルムシート122の分子間結合を弱め、分子間の隙問に気化した昇華性染料を浸透し易くする。上記のように転写形成した後、フィルムシート122を常温に戻すと、図19に示す昇華性染料による色調部123が形成された転写フィルムシート121か完成する。このように常温に戻った転写フィルムシート121は、分子間結合が強固な状態に戻っているので、色調部123を形成している昇華性染料か容易に抜け出すことがない。
【0188】
尚、転写フィルムシート121の材質及び厚みは、前述した実施例におけるフィルムシート115と同様である。また、転写紙112に関しても前述した実施例と同様のものとなっている。
【0189】
次に、上記転写フィルムシート121を用いて受容層に昇華性染料インクを転写する方法を図21に基づいて説明する。図21(a)は転写前、図21(b)は転写後の状態を示す断面図である。図21(a)に示すように、はじめに載品具111の上に時計用文字板90を截置する。この時計用文字板90は、前述した実施例と同様に、光透過性基板41の上面に受容層17を形成したものである。この受容層17の上面も研磨されて平滑な面に仕上げられている。
【0190】
この時計用文字板90の上に転写フィルムシート121を重ね、転写フィルムシート121及び時計用文字板90を一定の温度で加熱しながら、押圧具113で加圧する。尚、ここでの加熱温度、加圧力等の転写条件は、上記実施例と同様に設定されている。
【0191】
この転写方法によれば、転写フィルムシート121の色調部123を形成する気化した昇華性染料が受容層17に浸透し、転写フィルムシート121に形成された色調部123と同じ色調か受容層17の中に取り込まれる。その際に、前述した実施例と同様に、昇華性染料がよく混合され、ドット状の斑点は発生しない。
【0192】
このように、予め昇華性染料インクを浸透させた転写フィルムシート121を用意しておけば、必要なときに必要なだけ金色調時計用文字板に金色調を転写することがてきる。特に、転写フィルムシート121は、転写紙112のように時問の経過と共に昇華性染料インクか気化して抜け出てしまうことがなく、長期間ストックすることが可能である。また、フィルムシート122に紫外線吸収剤等を混入しておくことにより、紫外線により昇華性染料インクが変質することを防ぐこともできる。
【0193】
尚、本実施形態おいては、光透過基板の上に受容層を設ける例で説明したが図8に示すように、紫外線吸収剤13を配合した光透過性基板11に金色の色調を転写し、画像44を形成した時計用文字板70においても同様の効果を得ることが出来る。叉、図9に示すように、画像44を形成した光透過性基板31の上面に紫外線吸収剤23を配合した透明保護膜16を設けて時計用文字板80においても同様の効果を得ることが出来る。
【0194】
以上述べた本発明の時計用文字板を携帯時計に組み込むことにより、ソーラセルの濃紫色が目に見えないようにすると共に、鮮明な画像が長期間維持される耐光性に優れた携帯時計を出現させることができる。
【0195】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光透過性基板を用いた太陽電池付時計用文字板やバックライト付時計用文字板において、その下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部は鏡面に仕上げられていて反射膜を有し、前記凸部は平滑面になっていて透過性を有し、更に、この凸部の平滑面の幅又は大きさを120μm以下に形成したので、文字板の上からソーラセルの濃紫色が目立たなくすることかできる透過部の幅を広げることがてきるようになった。従って金型の製作が容易になり、時計用文字板のコストを引き下げることができる。
【0196】
また、下面のみでなく、光透過性基板の上面にも模様状に形成された凹凸部を形成したので、なお一層ソーラセルからの反射光が分散、散乱するので、ソーラセルの濃紫色が全く見えなくなった。
【0197】
また、バックライト付時計用文字板にあっては、光の透過部分を広くとることができるので、多くの光量をとりだすことができ、なお一層明るく文字板表面を照明することができる。
【0198】
叉、時計用文字板を構成する光透過性基板や受容層に紫外線吸収剤を分散することにより、昇華性染料で形成した非常に鮮やかな転写画像が退色することなく耐光性に優れた転写画像を形成した時計用文字板が得られる。
【0199】
また、受容層に紫外線吸収剤を分散し、更に、その上に紫外線吸収剤を分散した透明保護膜を重層することにより、更に高い耐光性効果を有する転写画像形成部品が得られる。
【0200】
また、受容層の表面が研磨した光沢のある平滑面であるので、表面全体が一様に加圧力のもとで転写が行われるので転写画像に色ムラが発生せず綺麗な転写画像が得られる。
【0201】
また、昇華性染料を使って、インクジェットプリンターで所定の色調を転写紙に印刷形成し、フィルムシートを介して加熱及び加圧することによりその色調を受容層に綺麗に転写することで金色調の時計用文字板を得ているので、高価な金を使用することなく金メッキと同等の金色調を出すことかでき、時計用文字板のコストを大幅に低減することができる。
【0202】
また、転写紙と受容層との間にフィルムシートを介在させてドット状に印刷された昇華性染料インクを転写しているので、転写時にドット状をなす染料か十分に混ざり合い、再加熱することなくドット状の斑点が発生することを防いで、ムラのない綺麗な金色調を有する時計用文字板を得ることが出来る。
【0203】
また、予めフィルムシートに金色調となる所定の色調の昇華性染料インクを浸透させた転写フィルムシートを用いることにより、時計用文字板の生産効率を高め、コストの低減を図ることかできる。
【0204】
また、受容層やその上に形成される保護塗装膜に紫外線吸収剤を分散させているので、紫外線による退色及び変色を防ぎ、耐光性に優れた金色調の時計用文字板を提供することができる。
【0205】
また、以上述べた本発明の時計用文字板を携帯時計に組み込むことにより、ソーラセルの濃紫色が目に見えないようにすると共に、鮮明な画像が長期間維持される耐光性に優れた携帯時計を出現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における時計用文字板を示す要部拡大図で、図1(a)は、要部拡大断面図、図1(b)は、図1(a)に示す時計用文字板をその下面側から見た要部拡大斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における時計用文字板、太陽電池(ソーラセル)等から構成される文字板部を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における上面側に第2の模様を設けた時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における保護膜を設けた時計用文字板の一例を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における保護膜を設けた時計用文字板の他の例を示す要部拡大断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態における受容層を設けた時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態における受容層と保護膜とを設けた時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態における金色を有する時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における金色を有し且つ保護膜を設けた時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態における金色を有し受容層を設けた時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態における金色を有し且つ受容層と保護膜とを設けた時計用文字板を示す要部拡大断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態における時計用文字板の製造工程を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態における時計用文字板の製造工程を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態における時計用文字板の製造工程を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態における時計用文字板の製造工程を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施形態における時計用文字板の光透過性基板の製造方法を示す図である。
【図17】本発明の時計用文字板に転写紙によって画像形成する方法を示す図であり、図17(a)は転写前、図17(b)は転写後の状態を示す断面図である。
【図18】本発明の時計用文字板に透明フィルムを介して転写紙によって画像形成する方法を示す図であり、図18(a)は転写前、図18(b)は転写後の状態を示す断面図である。
【図19】本発明の時計用文字板に画像形成する時に使用する転写シートを示す図である。
【図20】図19における転写シートの製造方法を示す図である。
【図21】本発明の時計用文字板に転写シートによって画像形成する方法を示す図である。図21(a)は転写前、図21(b)は転写後の状態を示す断面図である。
【図22】従来例における太陽電池付時計用文字板を示す断面図である。
【図23】従来例における太陽電池(ソーラセル)を示す平面図である。
【図24】従来例における太陽電池付時計用文字板の製造工程を示す図である。
【図25】従来例における太陽電池付時計用文字板とソーラセル等から構成される文字板部を示す断面図である。
【図26】従来例における太陽電池付時計用文字板を用いた携帯時計を示す断面図である。
【図27】本発明の第1の実施形態における時計用文字板の凸部の幅と外観品質との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光透過性基板
2 金属膜
2a 小孔
3 レジスト膜
3a 小孔
4 ネガパターンフィルム
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 文字板
11、21、31、 光透過性基板
11A、21A、31A、 光透過性基板のブランク
11a、21a、31a 凸部
11b、21b、31b 凹部
11c、21c、31c 凸部上面
12、22、32 反射膜
13、23、33 紫外線吸収剤
14、24、34、44、54 カラー画像
15 第2の凹凸部
16 透明保護膜
17 受容層
42 載品具
43 押圧具
43a 凹部
43b 凸部
111 載品具
112 転写紙
112a 転写画像
113 押圧具
115 透明フイルムシート
121 転写フイルムシート
122 透明フイルムシート
123 色調部
201 外胴ケース
202 風防
203 ウラブタ
204 時計駆動用ムーブメント
205 時針
206 分針
207 秒針
208 文字板部
209 足部
210 基板
211 絶縁被膜
212 電極膜
213 ソーラセル
214 透明電極
215 スペーサ
216 時計用文字板

Claims (77)

  1. 透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあることを特徴とする時計用文字板。
  2. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、
    透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあり、前記光透過性基板の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする時計用文字板。
  3. 前記カラー画像は、前記光透過性基板を前記昇華性染料の溶解溶液に加温の下で所定時間浸漬して、前記光透過性基板に前記昇華性染料を浸透させ、更に加温の下で前記光透過性基板を加圧することによって形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の時計用文字板。
  4. 前記カラー画像は、前記光透過性基板を前記昇華性染料をポリエステル樹脂などに溶解した溶解溶液に、100〜120℃に加温した状態で略1〜3分浸漬して前記昇華性染料を浸透させ、更に前記光透過性基板を略180℃に加温した状態で略10〜20g/cm2の力で加圧することによって形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の時計用文字板。
  5. 前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の時計用文字板。
  6. 前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の時計用文字板。
  7. 前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の時計用文字板。
  8. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、
    透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあることを特徴とする時計用文字板。
  9. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、
    透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する反射膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に昇華性染料を浸透させて透明性を有する所望のカラー画像を形成してあり、前記受容層の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする時計用文字板。
  10. 前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項8又は9記載の時計用文字板。
  11. 前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項8又は9記載の時計用文字板。
  12. 前記カラー画像は、前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項8又は9記載の時計用文字板。
  13. 前記反射膜は金属膜、又は塗料膜、又は金属膜と塗料膜の積層した膜であることを特徴とする請求項1、2、8、9のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  14. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあることを特徴とする時計用文字板。
  15. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板に黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあり、
    前記光透過性基板の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする時計用文字板。
  16. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に、黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあることを特徴とする時計用文字板。
  17. 光透過性基板を用いた時計用文字板において、前記光透過性基板は、透明プラスチック材からなり、下面に模様状に形成された凹凸部を有し、前記凹部には光を反射する銀金属膜を有すると共に前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定され、前記光透過性基板の上面には透明な受容層を有し、該受容層に、黄色と赤色の昇華性染料を所定の割合で浸透させて調色したカラー画像を形成して、前記銀金属膜の色調と前記カラー画像の色調とを調色して金色調を呈するとともに透明性を有するカラー画像を形成してあり、前記受容層の上面側に平滑な透明保護膜を有することを特徴とする時計用文字板。
  18. 前記金色調のカラー画像は、前記光透過性基板を前記黄色の昇華性染料と赤色の昇華性染料を所定の配合割合で混ぜ合わせた溶解溶液に加温の下で所定時間浸漬して、前記光透過性基板に前記昇華性染料を浸透させ、更に加温の下で前記光透過性基板を加圧することによって形成したことを特徴とする請求項14又は15記載の時計用文字板。
  19. 前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項14又は15記載の時計用文字板。
  20. 前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項16又は17記載の時計用文字板。
  21. 前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記光透過性基板に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする請求項14、15、19のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  22. 前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記受容層に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする請求項16、17、20のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  23. 前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項14又は15記載の時計用文字板。
  24. 前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記光透過性基板の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記光透過性基板に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする請求項14、15、23のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  25. 前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を前記光透過性基板の受容層の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項16又は17記載の時計用文字板。
  26. 前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を前記受容層の上に透明フィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記受容層に前記黄色と赤色の昇華性染料を転写して形成したことを特徴とする請求項16、17、25のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  27. 前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項14又は15記載の時計用文字板。
  28. 前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写して形成したことを特徴とする請求項14、15、27のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  29. 前記金色調のカラー画像は、前記黄色の昇華性染料インクと赤色の昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項16又は17記載の時計用文字板。
  30. 前記金色調のカラー画像は、黄色と赤色の昇華性染料インクで、転写紙に均一に分散された黄色のドットと該黄色のドットに重なることなく均一に分散された赤色のドットを、前記黄色のドットの合計面積と前記赤色のドットの合計面積の比率が略4〜6:1となるように設定し、且つ黄色のドットの合計面積と赤色のドットの合計面積の和が単位面積当たり略10〜61%となるように設定して印刷形成し、該印刷された前記転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写して形成したことを特徴とする請求項16、17、29のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  31. 前記模様状に形成された凹凸部は一定間隔に並んで形成され、前記凸部上面は平滑面性と透過性を有することを特徴とする請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  32. 前記模様状に形成された凹凸部は一定間隔に並んで形成され、前記凹部は鏡面に仕上げられていることを特徴とする請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  33. 前記凹凸部の模様は、サークル模様、ストライプ模様、格子模様、
    幾何学模様などであることを特徴とする請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  34. 前記光透過性基板の上面は平滑な研磨面に形成されていることを特徴とする請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  35. 前記受容層の上面は平滑な研磨面に形成されていることを特徴とする請求項8、9、16、17のいずれかの1項に記載の時計用文字板。
  36. 前記光透過性基板の上面に模様状の第2の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、8、9、14、15、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  37. 前記受容層の上面に模様状の第2の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項8、9、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  38. 前記透明なフィルムシートは、25〜50μmの厚みを有することを特徴とする請求項6、11、23、24、25、26のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  39. 前記透明なフィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項6、11、23、24、25、26のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  40. 前記転写フィルムシートは25〜50μmの厚みを有することを特徴とする請求項7、12、27、28、29、30のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  41. 前記転写フィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項7、12、27、28、29、30のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  42. 前記光透過性基板に紫外線吸収剤を少なくとも一種類分散したことを特徴とする請求項1、2、14、15のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  43. 前記受容層に紫外線吸収剤を少なくとも一種類分散したことを特徴とする請求項8、9、16、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  44. 前記透明保護膜に紫外線吸収剤を少なくとも一種類分散したことを特徴とする請求項2、9、15、17のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  45. 前記受容層は、透明なポリウレタンなどのバインダー100重量部に、紫外線吸収剤を少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有した塗料からなり、前記受容層の厚みは略10〜80μmであることを特徴とする請求項8、9、16、17、43のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  46. 前記透明保護膜は、アクリル樹脂、透明なポリウレタンなどのバインダー100重量部に、紫外線吸収剤を少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有した塗料からなり、前記透明保護膜の厚みは略10〜30μmであることを特徴とする請求項2、9、15、17、44のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  47. 前記紫外線吸収剤は、
    2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール又は、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル又は、超微粒子酸化亜鉛叉は、超微粒子酸化チタン叉は、一般式
    【化1】
    で表される化合物からなることを特徴とする請求項42、43、44、45、46のいずれか1項に記載の時計用文字板。
  48. 前記光透過性基板の上面に形成されている第2の凹凸部にある模様と、下面に形成されている凹凸部にある模様とは異なる模様であることを特徴とする請求項36叉は請求項37に記載の時計用文字板。
  49. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法によって金属反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の金属反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板を加熱した昇華性染料溶液に侵漬する工程と、
    前記浸漬した光透過性基板を取り出して洗浄する工程と、
    前記洗浄した光透過性基板の上面を加熱のもとで加圧し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  50. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、
    前記光透過性基板を加熱した昇華性染料溶液に浸漬する工程と、
    前記浸漬した光透過性基板を取り出して洗浄する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記洗浄した光透過性基板の上面を加熱のもとで加圧し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  51. 前記洗浄した光透過性基板の上面を加熱のもとで加圧する工程の後に、
    前記加圧した上面に、塗装又は印刷方法で透明保護膜を形成する工程と、
    前記透明保護膜の表面を研磨する工程とを有することを特徴とする請求項49叉は請求項50記載の時計用文字板の製造方法。
  52. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板の上面を研磨する工程と、
    前記光透過性基板の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  53. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板の上面を研磨する工程と、
    前記光透過性基板の上面に前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記光透過性基板に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  54. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板の上面を研磨する工程と、
    前記光透過性基板の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記光透過性基板の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記光透過性基板に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  55. カラー画像を前記光透過性基板に転写する工程の後に、
    前記光透過性基板の上面を加熱・加圧して模様状の第2の凹凸部を形成する工程を有することを特徴とする請求項52〜54のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  56. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって、形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板の上面に塗装又は印刷方法で受容層を形成する工程と、
    前記受容層を硬化させる工程と、
    前記受容層の上面を研磨する工程と、
    前記受容層の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  57. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって、形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板の上面に塗装又は印刷方法で受容層を形成する工程と、
    前記受容層を硬化させる工程と、
    前記受容層の上面を研磨する工程と、
    前記受容層の上面に前記昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明なフィルムシートを介して重ねて加温・加圧の下で、前記転写紙のカラー画像を前記受容層に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  58. 光透過性基板に昇華性染料を浸透させることによって所望の画像を形成する時計用文字板の製造方法において、
    下面に模様状の凹凸部を有し、前記凸部上面は巾70μmから120μmの範囲に設定されて光が透過し、該凸部の上面の総面積は前記光透過性基板の上面側の面積に対して20〜50%の範囲に設定されている光透過性基板を射出成形方法、又はプラスチック板を加熱・加圧する方法によって、形成する工程と、
    前記光透過性基板の凹凸部に蒸着方法又は塗装方法によって反射膜を形成する工程と、
    前記光透過性基板の凸部の反射膜を切削方法又は研磨方法によって除去して凸部の上面を平滑面にする工程と、
    前記光透過性基板の上面に塗装又は印刷方法で受容層を形成する工程と、
    前記受容層を硬化させる工程と、
    前記受容層の上面を研磨する工程と、
    前記受容層の上面に昇華性染料インクでカラー画像を印刷形成した転写紙を透明な転写フィルムシートに重ねて加温・加圧の下で転写フィルムシートにカラー画像を転写して形成し、該カラー画像の形成された転写フィルムシートを前記受容層の上に重ねて加温・加圧の下で、前記転写フィルムシートのカラー画像を前記受容層に転写し透明性を有するカラー画像を形成する工程と、を有することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  59. カラー画像を前記受容層に転写する工程の後に、
    前記受容層の上面を加熱・加圧して模様状の第2の凹凸部を形成する工程を有することを特徴とする請求項56〜58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  60. カラー画像を前記光透過性基板に転写する工程の後に、
    前記カラー画像を転写した光透過性基板の上面に、塗装又は印刷方法で透明保護膜を形成する工程と、
    前記透明保護膜の表面を研磨する工程と、を有することを特徴とする請求項52から54のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  61. カラー画像を前記受容層に転写する工程の後に、前記カラー画像を転写した受容層の上面に、塗装又は印刷方法で透明保護膜を形成する工程と、
    前記透明保護膜の表面を研磨する工程と、を有することを特徴とする請求項56から58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  62. 前記透明なフィルムシートは、25〜50μmの厚みを有することを特徴とする請求項53叉は請求項57に記載の時計用文字板の製造方法。
  63. 前記透明なフィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項53叉は請求項57に記載の時計用文字板の製造方法。
  64. 前記転写フィルムシートは25〜50μmの厚みを有することを特徴とする請求項54叉は請求項58に記載の時計用文字板の製造方法。
  65. 前記転写フィルムシートは、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ニトロセルロース樹脂、ニトロフロン樹脂、及びアクリル樹脂の中から選択された1又は2以上の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項54叉は請求項58に記載の時計用文字板。
  66. 前記光透過性基板には紫外線吸収剤が少なくとも一種類が分散されていることを特徴とする請求項49、50、52、53、54、56、57、58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  67. 前記受容層には紫外線吸収剤が少なくとも一種類が分散されていることを特徴とする請求項56〜59のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  68. 前記透明保護膜には紫外線吸収剤が少なくとも一種類が分散されていることを特徴とする請求項51、60、61のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  69. 前記紫外線吸収剤は、
    2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール又は、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル又は、超微粒子酸化亜鉛叉は、超微粒子酸化チタン叉は、一般式
    【化1】
    で表される化合物からなることを特徴とする請求項66〜68のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  70. 前記受容層は、透明なポリウレタン樹脂等のバインダー100重量部に、紫外線吸収剤を少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有した塗料からなり、
    前記受容層の厚みは略10〜80μmであることを特徴とする請求項56〜59のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  71. 前記透明保護膜は、アクリル樹脂、透明なポリウレタン樹脂等のバインダー100重量部に、前記紫外線吸収剤の少なくとも一種類を略0.5〜10重量部含有配合した塗料からなり、積層する厚みは略10〜30μmであることを特徴とする請求項51、60、61、68のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  72. 前記切削方法又は研磨方法によって形成された凸部の平滑な上面は、その幅が120μmより細いことを特徴とする請求項49、50、52、53、54、55のいずれか1項に記截の時計用文字板の製造方法。
  73. 前記模様状の凹凸部は一定な問隔で並んで形成されていることを特徴とする請求項49、50、52、53、54、55、56、57、58のいずれか1項に記截の時計用文字板の製造方法。
  74. 前記凹凸部の模様はサークル模様、ストライプ模様、格子模様、幾何学模様などであることを特徴とする請求項49、50、52、53、54、55、56、57、58のいずれか1項に記截の時計用文字板の製造方法。
  75. 前記反射膜は金属膜、又は塗料膜、又は金属膜と塗料膜の積層した膜であるであることを特徴とする請求項49、50、52、53、54、55、56、57、58のいずれか1項に記載の時計用文字板の製造方法。
  76. 前記光透過性基板の上面に形成されている第2の凹凸部にある模様と、下面に形成されている凹凸部にある模様とは異なる模様であることを特徴とする請求項55叉は請求項59に記載の時計用文字板の製造方法。
  77. 請求項1から48のいずれか1項に記載の時計用文字板を備えた携帯時計。
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