JP4137179B2 - 生物付着性物質としての脂肪酸エステルの使用 - Google Patents

生物付着性物質としての脂肪酸エステルの使用 Download PDF

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Description

本発明は、生体付着性物質としての脂肪酸エステルの使用に関する。脂肪酸エステルは、約1000ダルトンより低い分子量を有し、脂肪酸エステルの脂肪酸成分は、C8からC22の全炭素原子数を有する飽和又は不飽和の脂肪酸である。さらに、本発明は、噴霧剤の形態又は複合単位組成物である生体付着性組成物に関する。
発明の背景
最近10年間で、ドラッグデリバリー目的のため生物付着性/粘膜付着性ポリマーを用いる可能性に、大きな注意が向けられている。従来の放出制御ドラッグデリバリーシステムと関連した幾つかの問題は、生物付着性/粘膜付着性ドラッグデリバリーシステムを用いることにより、減少又は消失されるかもしれないと信じられている。
従来の放出制御ドラッグデリバリーシステムにおいて、投与後デリバリーシステムを局在させるための予防措置はなされておらず、さらに、ドラッグデリバリーシステムと特定の部位との間のインビボでの接触時間がしばしば非常に短いために、例えば組織浸透性を改良することに関して利点は期待されない。
従来の放出制御ドラッグデリバリーシステムと比較して、生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、以下の特徴を有する点で有用であると思われる:
i)生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、特定の領域に薬物を局在させ、それにより、それ自身では生物学的利用率の低い薬物に対する生物学的利用率を改良、促進させることができ、
ii)生物付着性ドラッグデリバリーシステムは生物付着性物質と粘膜との間の比較強い相互作用を生じる;そのような相互作用は、ドラッグデリバリーシステムと問題の組織との間の接触時間を増加させるのに寄与し、ドラッグデリバリーシステムの局在を特異的な部位に許容し、
iii)生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、ほとんどの経口ルートにおいて薬物デリバリーを助長することが期待され、
iv)生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、局部治療、例えば局部的な真菌症の治療、透過性改良、プロテアーゼ及び他の酵素阻害及び/又は免疫発現調整の目的で特定の部位に局在させることができ、
v)生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、特定の病気にかかった組織を標的とすることができ、及び
vi)生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、放出制御ドラッグデリバリーに対する従来方法が不適当である場合、例えば一定の薬物又はその群が十分に吸収されない場合に用いることができる。
生物付着性物質(粘膜付着性物質をも意味する)は、生物膜に結合することができ、延長した期間、膜上に保持される物質であることが一般に知られている。生物付着性ドラッグデリバリーシステムは、多くの特許出願の対象であるが(欧州特許出願0 516 141号、WO 93/21906及び欧州特許出願0 581 581号参照)、我々の知る限りでは、唯一のポリマーが生物付着性物質としてみなされている。そのようなポリマーは、例えばアクリル酸ホモポリマー及びコポリマー、親水性ビニルポリマー、親水性セルロース誘導体及び天然ポリマーを含む。
一般に、生物付着性組成物は、生物付着性物質の一定含量に基く。上述したように、公知の生物付着性物質は約10,000より大きな分子量を有する重合物質である。しかしながら、例えば医薬組成物における生物付着性物質としての重合物質の使用は、例えばゲルのような比較的高い動的粘度を有する組成物の一定のタイプに限定される。そのような限定は、主として、組成物自体が生物付着性であるならば、濃度の比較的高い生物付着性物質が組成物中に存在しなければならない事実のためである。上述のように、生物付着性ドラッグデリバリーシステムの適用は、従来のドラッグデリバリーシステムの適用が、予定されていた時間の間に所望の効果を得る点で不十分である多くの場合に有用であるかもしれない。しかし、公知の生物付着性組成物の適用は、唯一の比較的粘性の高い組成物が、例えば生物付着性の噴霧可能な組成物又は動的粘度の低い生物付着性溶液を有する可能性を除く生物付着性であるとして、むしろ限定される。
図面の説明
図1は、実験の項で詳細に記載した試験方法1で示された試験方法で用いた装置の概略図を示している。参照番号は、以下を示している:
1.温度制御水流
2.洗浄溶液含有水槽
3.蠕動ポンプ
4.ステンレス綱支持体
5.モデル膜
6.洗浄液回収受け器
図2Aは、実験の項で詳細に記載した試験方法2で示した試験方法で用いた装置の概略図を示している。参照番号は、以下を示している:
1.計器探針 6.スライドスタンド
2.固定板 7.置換変換器
3.第一ホルダー 8.コントロールユニット
4.モデル膜 9.パーソナルコンピューター
5.第二ホルダー
図2Bは、実験の項で詳細に記載した試験方法2で示した試験方法で用いた装置のバリエーションの概略図を示している。参照番号は、以下を示している:
1.計器探針 8.スライドスタンド
2.固定板 9.置換変換器
3.第一ホルダー 10.コントロールユニット
4.モデル膜 11.パーソナルコンピューター
5.第二ホルダ
6.温度制御ヒーター/撹拌器
7.容器
図3は、GMO/水組成物(85/15% w/w)に対する転移相LαからQ(層状から立方晶)を示すサーモグラムを示している。
図4は、GMO/水/リドカイン塩基/塩酸リドカイン組成物(62/33/1.7/3.3% w/w)に対する転移相LαからQ(層状から立方晶)を示すサーモグラムを示している。
図5は、GMO/水/リドカイン塩基/塩酸リドカイン組成物(62/33/2.5/2.5% w/w)に対するサーモグラムを示している;直線は転移相が生じないことを示している。
図6は、偏光により明らかにされたGMOの層状相写真を示している。外見はパイプクリーナーの構造のようである。
図7は実施例23で記載した研究からの結果を示している。GMOの回収率は適用後の時間に対する;3人の被験者が研究に参加した。
本発明の詳細な説明
上記から明らかなように、例えば噴霧剤、溶液、懸濁液、乳剤などの形態で、動物、例えばヒトの損傷を受けていないもしくは損傷を受けた皮膚又は粘膜に、又はそれらを通して適用するために、生物付着性組成物を開発することができる生物付着性物質を同定、開発及び/又は製造することが必要である。
本発明は、比較的低分子量で生物付着性を付与するような生物付着性を有する物質に、噴霧剤、溶液などの形態で提供できる組成物を提供することによってこの必要性が満たされる。本発明者は、ある群の物質が生物付着性を有していることを見い出したものである。公知の生物付着性物質に反して、新規物質はポリマーでないが、ほとんど約1000ダルトンの分子量を有する低分子量化合物である。
本明細書中において、用語「生物付着性物質(bioadhesive substances)」は生物膜に結合することができ、延長された期間膜上に保持される物質として広義に定義される。よって、「生物付着性」は生物物質、例えば生物膜への物質の付着である。用語「粘膜付着性物質」は、用語「生物付着性物質」と同義で用いられる一般的に認められた用語と一致している。用語「粘膜付着性」は、付着性結合が物質と生物膜の粘膜/粘液/ムチンとの間に形成され得る事実を強調している。
これまで知られていなかった生物付着性物質は、すべて脂肪酸エステルの群に属する。ある点で、本発明はそのような脂肪酸エステルの生物付着性物質としての使用に関する。しかし、脂肪酸エステル、例えば脂肪酸成分(又はその誘導体)と水酸基含有化合物との反応により形成されるエステルとして定義される全ての化合物が、生物付着性を有しているわけではない。例証のために、例えば量比1:1でC12及びC18脂肪酸エステルのモノグリセリドの組み合わせが、ここで示した定義によれば生物付着性でないことを発明者が見い出したことを述べておく。したがって、特定の脂肪酸エステルが生物付着性を有し、本発明に一致する生物付着性物質として用いることができるかどうかを決定するために、問題の脂肪酸エステルを生体付着力の試験に付す必要がある。適当な試験方法の例は、実験の項で詳細に記載され、物質が本明細書中において生物付着性物質として考慮されるために充足すべき必要条件の定義が示されている。
従って、ある点において、本発明は、脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの組み合わせの使用に関し、脂肪酸エステルの脂肪酸成分は、C8からC22の全炭素原子数を有する飽和又は不飽和の脂肪酸であり、脂肪酸エステルは、多価アルコールの脂肪酸エステル、ヒドロキシカルボン酸の脂肪酸エステル、単糖類の脂肪酸エステル、グリセリンホスファート誘導体の脂肪酸エステル、グリセリンスルファート誘導体の脂肪酸エステル及びその混合物からなる群から選択され、脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの組み合わせは、
i)脂肪酸エステルを塗付するために空腸の粘膜層を上面にして、ステンレス綱の支持体上に長手方向に切断した兎の空腸の断片を載置し、
ii)得られた支持体を37℃±0.5℃に温度調節し、相対湿度約100%に保持された円筒状セルに−21°±2°の角度で載置し、
iii)支持体上の空腸を0.02Mの等張リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で、流速10ml/分で5分間フラッシングし、
iv)支持体上の空腸粘膜の表面領域(約0.8x6cm)に、脂肪酸エステル(約50〜150mg、例えば約100mg)のサンプルを正確に計った量を塗付し、
v)塗付したサンプルにリン酸緩衝液約1mlを滴下し、
vi)工程v)から得られたサンプルを、サンプルと空腸の糖蛋白質とを相互作用させるために10分間セル中に放置し、
vii)流速10ml/分で30分間、リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)を適用したサンプルとともに空腸をフラッシングし、
viii)工程vii)で得た洗浄液を回収し、かつ
ix)洗浄液中のサンプ量を測定するか、又は空腸に残る量を測定することにより、空腸に残るサンプルの残留量を算出することからなる生物付着性テストシステムで試験した場合、
生物付着性物質として、少なくとも60%w/w、例えば少なくとも約70%w/w、80%w/w、85%w/w、90%w/w又は95%w/wの残留量をもたらす。
生物付着性の上述の試験は、「兎の空腸膜の方法による生体付着のインビトロのテストシステム」の見出しの下の「方法」の段落にさらに詳細に記載している。したがって、上記記載の試験方法は、−及びよって、脂肪酸エステルが生物付着性であるか否かを決定する必要条件は−、例えば「方法」の段落に記載した試験方法いずれかの他の試験方法に代えてもよいと理解される。
ここに記載した試験方法の1つのような試験方法により明示される生物付着性を有し、本発明による生物付着性物質として用いられる脂肪酸エステルは、脂肪酸エステルの脂肪酸成分がC8からC22の全炭素原子数を有する飽和又は不飽和脂肪酸である脂肪酸エステル(例えば脂肪酸成分及び水酸基含有成分からなる)である。
本発明による脂肪酸エステル中の成分としての飽和脂肪酸の特定の例は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸からなる群から選択される。
本発明による脂肪酸エステル中の成分としての不飽和脂肪酸の特定の例は、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びアラキドン酸からなる群から選択される。
本発明による使用に特に適当な脂肪酸エステルは、多価アルコールの脂肪酸エステル、ヒドロキシカルボン酸の脂肪酸エステル、単糖類の脂肪酸エステル、リン酸グリセリン誘導体の脂肪酸エステル、硫酸グリセリン誘導体の脂肪酸エステル及びその混合物からなる群から選択される脂肪酸エステルである。脂肪酸エステルの水酸基含有成分が多価である場合、水酸基含有成分は脂肪酸成分で又は脂肪酸成分の混合物で部分的又は全体的にエステル化されていてもよい。
本発明による使用のための脂肪酸エステルの多価アルコール成分は、グリセリン、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジアシルガラクトシルグリセロール、ジアシルジガラクトシルグリセロール、エリスリトール、キシリトール、アドニトール、アラビトール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選択されることが好ましい。そのような多価アルコールから形成される脂肪酸エステルは、モノ又は多価、例えば二価、三価などであってもよい。特に、脂肪酸モノエステルは生物付着性を有していることが立証されており、したがって、本発明による使用に好ましい脂肪酸エステルである。エステル結合が形成される多価アルコール上の位置は、どのような可能な位置でもよい。脂肪酸エステルがジエステル、トリエステルなどである場合、脂肪酸エステルの脂肪酸成分は同一か又は異なってもよい。本発明のもっとも好ましい点において、多価アルコール成分はグリセリンである。
水酸基含有成分が多価アルコールである本発明による使用のための脂肪酸エステルの例は、グリセリンモノオレアート、グリセリンモノリノラート、グリセリンモノリノレアート及びその混合物である。これら脂肪酸エステルは、生物付着性を特に有しがちである。実施例参照。
本発明による使用のための脂肪酸エステルが、オキシカルボン酸(又はその誘導体)と脂肪酸(又はその誘導体)との間で形成される場合、脂肪酸エステルのヒドロキシカルボン酸成分は、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸からなる群から選択されることが好ましい。本発明による使用のための脂肪酸エステルの重要な例は、クエン酸の脂肪酸モノエステルである。
上述のように、本発明による使用のための脂肪酸エステルの水酸基含有成分は、単糖類のような糖類、例えばグルコース、マンノース、フラクトース、トレオース、グロース、アラビノース、リボース、エリスロース、リキソース、ガラクトース、ソルボース、アルトロース、タロース、イドース、ラムノース又はアロースであってもよい。水酸基含有成分が単糖類である場合、脂肪酸エステルは、ソルボース、ガラクトース、リボース及びラムノースからなる群から選択される単糖類の脂肪酸モノエステルが好ましい。
本発明による使用のための脂肪酸エステルの水酸基含有成分は、グリセリルホスファート誘導体、例えばホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール及びジホスファチジルグリセロールからなる群から選択されるリン脂質であってもよい。
リン脂質部分を有する特に重要な化合物は、脂肪酸エステルがグリセリルホスファート誘導体の脂肪酸エステルで、脂肪酸成分がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びベヘン酸からなる群から選択される化合物である。そのような有用な脂肪酸エステルの例は、ジオレイルホスファチジルコリン、ジラウリルホスファチジルコリン、ジミリスチルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジミリスチルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジオレイルホスファチジルグリセロール、ジラウリルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジン酸及びその混合物である。
本発明による使用のための脂肪酸エステルのほとんどは、市販で入手可能か又は脂肪酸誘導体、例えば脂肪酸誘導体、例えば相当する酸塩化物と水酸基含有化合物(必要であれば好適な保護基で保護される)との反応を含み、その後、必要であればいずれかの保護基の除去した後に脂肪酸エステルを単離する従来のエステル化方法により製造することができる公知の化学化合物である。市販で入手可能な脂肪酸エステルの多くは、食品工業及び一般で用いられ、純粋な脂肪酸エステル約100%を得るための工程はとられてない。例として、デンマークのグリンステッドプロダクツ(Grindsted Products)A/Sのグリセリンモノオレアートは、約80%w/w以上がグリセリンモノオレアートである約98%w/wのモノエステル含有の非常に純粋な生成物であることが述べられるかもしれない;残留モノエステルはグリセリンモノリノラート、グリセリンモノパルミタート及びグリセリンモンステアラートである。つまり、本発明による使用のための脂肪酸エステル生成物は、脂肪酸エステルの混合物であってもよい。
生物付着性の他に、重要な共通の性質すなわち、例えば水性媒体と接触する液晶相を形成する能力が上述した脂肪酸エステルの多くに認識されている。いずれかの理論に限定されずに、現在の作用理論は、液晶を形成する特定の物質の能力及び生物付着性物質として機能する同一物質の能力が、どういうわけか互いに結合するということである。
ここで用いられる用語「液晶相」は、固体結晶及び等方性液体間の中間状態を示すのに用いられ、単純液体又は溶液のそれらに近い長距離秩序と短距離属性で特徴づけられる(ケラー(Keller)ら、ドイツ、バインハイム(Weinheim)、ベルラークケミ(Verlag Chemie)の「液晶ハンドブック」)。
優れた生物付着性並びに優れた液晶相を形成する能力を有する脂肪酸エステルの例は、脂肪酸のグリセリルモノエステルである。特定の例は、グリセリンモノオレアート(モノオレイン)及びグリセリンモノリノラートを含む。そのような脂肪酸エステルは、水又はグリセリンのような親水性媒体との接触で種々の液晶相を形成することができる。
液晶相は、立方晶(3つの立方晶が知られている:i)体心格子ii)原始ダイアモンド型格子及びiii)ギロイド)、六方晶、逆六方晶又は層状相であってもよい。ここで用語「立方晶相」は、熱力学的に安定で、粘性で、かつ脂肪酸エステル及び水性媒体からなる光学的に等方性の相を意味する。用語「六方晶相」及び「逆六方晶相」は、それぞれ熱力学的に安定で、粘性で、かつ2次元における長距離秩序によって特徴付けられ、脂肪酸エステル及び水性媒体からなる、光学的に非等方性の相を説明するのに用いられる。用語「層状相」は1次元における長距離秩序で特徴づけられる。層状構造は、脂質二分子層の球形の外形を有するリポソームに由来する。種々の液晶相を検出することができ、偏光の使用によって又はX線回折パターン分析よって同定することができる。(実施例参照)。
上述した所見に伴って、本発明による使用のための脂肪酸エステルは、水性媒体と接触して液晶相を形成し得る脂肪酸エステルであってもよい。水性媒体は、少なくとも一部に水を含有する媒体である。水性溶液又は分散剤とは別に、そのような媒体は、水を含むいずれかの体液又は分泌液、例えばヒトの体液の場合には唾液、汗、胃液などであってもよい。脂肪酸エステルがそのような液体と接触すると、体液は液晶相の形成を誘導し得る。
実施例で論じているように、現在の作用理論は、粘膜表面と生物付着性の脂肪酸エステルからなる組成物との間の生物付着性ができるのは、その場で組成物を水性媒体に付した後、その場での液晶相の形成に依存するということである。おそらく、立方晶相のその場での形成が、生物付着性ができる原因になっていると思われる。換言すれば、本明細書中の見込みのある生物付着性組成物は、その場で液晶相を形成する前駆体として作用し得る生物付着性脂肪酸エステルからなる組成物であり、つまり、その組成物は、適用部位で水性環境に組成物を付すか又は接触させた後に液晶相を形成するはずである。
生物付着性の機構は、生物組織の異なるタイプ(ブタ及び兎の粘膜、例えば口内粘膜、胃粘膜、腸粘膜、実施例参照)に脂肪酸エステルを付着させる脂肪酸エステルとしてかなり非特異的であってもよい。組織の脱水は機構に含まれているようである。
本発明による使用のための脂肪酸エステルの生物付着性のため、そのような脂肪酸エステルは、生物付着性組成物を得るために処方される組成物中の適当な成分である。ドラッグデリバリー分野内の生物付着性組成物(序文参照)を用いる好適性とは別にして、生物付着性組成物は化粧品、獣医学及び農薬の分野でも重要である。本発明による化粧用の使用に、皮膚塗付用の組成物が特に適当である。本発明による農薬の使用に、特に穀類、雑草、昆虫又は害虫に付着し得る組成物が重用である。
医薬、化粧品、獣医又は農薬組成物において、本発明による使用のための脂肪酸エステルは、組成物に対して計算して、約1%w/wから約90%w/w又は約95%w/wの濃度で一般に用いられる。医薬組成物において、脂肪酸エステルの濃度は約5〜95%w/wの範囲、例えば少なくとも6%w/wの濃度で、具体的には少なくとも約10%w/w、15%w/w、20%w/w、25%w/w、30%w/w、35%w/w、40%w/w、45%w/w又は50%w/wの濃度及び、最大90%w/wで、具体的には最大85%w/w、80%w/w、75%w/w、70%w/w、65%w/w、60%w/w又は55%w/wでの濃度が好ましい。
序文で上述したように、医薬組成物の粘度は組成物の適用性を決定するために重要な要因である。低分子量の生物付着性脂肪酸エステルの本発明による使用は、噴霧剤、溶液、懸濁液、乳剤などのような形態での組成物の処方において、そのような物質の使用の可能性を示す比較的低い動的粘度の生物付着性組成物の製造を可能にしている。しかし、生物付着性組成物の製造のため生体付着性脂肪酸エステルの本発明による使用は、比較的低い動的粘度の組成物に限定されない。
生物付着性脂肪酸エステルは、医薬、化粧品又は農薬組成物において使用することができ、その組成物は、剪断速度120/秒-1かつ20℃±0.5℃の温度で測定された動的粘度が最大3500mPaS、例えば最大約3000mPaS、2000mPaS、1500mPaS又は1000mPaSである。噴霧剤、溶液、懸濁液、分散剤又は乳剤又は好ましい形態で示されることを意図する組成物は、剪断速度120/秒-1かつ20℃±0.5℃の温度で測定され、最大500mPaS、例えば最大約450mPaS、400mPaS、350mPaS又は最大100mPaSと同じくらい低い動的粘度を有する。組成物がかなり固いか又は組成物の動的粘度が20℃で約2000mPaSを超える場合に、20℃の温度で正確な動的粘度を測定することは困難かもしれない。これらの場合には、動的粘度は37℃で測定され、次いで剪断速度120/秒-1かつ37℃±0.5℃の温度で測定された動的粘度は、最大500mPaS、例えば最大450mPaS、400mPaS、350mPaS又は最大100mPaSと同じくらい低いことが好ましい。一定の組成物の動的粘度の測定は、実験の項で記載される。動的粘度は、非希釈組成物について測定する。
生体付着性脂肪酸エステルからなる本発明による医薬組成物は、動物、例えばヒトの爪又は損傷を受けていない又は受けた皮膚又は粘膜に又はそれを通して適用される。粘膜は口、鼻、膣、直腸、耳、肺及び胃腸粘膜から選択されることが好ましい。皮膚又は粘膜もまた炎症を起こすかもしれない。組成物は体腔、例えば口腔に投与されるか又は口内ルートで投与してもよい。
さらに、生体付着性脂肪酸エステルからなる本発明による医薬組成物は、動物、例えばヒトの爪に適用してもよい。
上述したように、生体付着性脂肪酸エステルからなる本発明による組成物は、それ自体生物付着性であり得る。本発明の好ましい点において、その組成物は実験の項で記載した試験方法の少なくとも1つで立証されるように生物付着性である。本発明による生物付着性脂肪酸エステルからなる生物付着性組成物は、機構の隙間又は液体の隙間の影響、例えば鼻腔における睫毛の動き又は口腔における唾液の影響などが付される粘膜部位のような部位に有利に適用される。
さらに、序文の議論は別として、生物付着性脂肪酸エステルからなる本発明による組成物は、噴霧剤の形態で提供される。
したがって、別の点において、本発明は、脂肪酸エステルからなる噴霧形態の生物付着性医薬組成物に関する。脂肪酸エステルの脂肪酸成分は、C8からC22の全炭素原子数を有する飽和又は不飽和の脂肪酸であり、脂肪酸エステルは、多価アルコールの脂肪酸エステル、ヒドロキシカルボン酸の脂肪酸エステル、単糖類の脂肪酸エステル、グリセリンホスファート誘導体の脂肪酸エステル、グリセリンスルファート誘導体の脂肪酸エステル及びその混合物からなる群から選択され、脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの組み合わせは、生物付着性物質として、
i)脂肪酸エステルを塗付するために空腸の粘膜層を上面にして、ステンレス綱の支持体上に長手方向に切断した兎の空腸の断片を載置し、
ii)得られた支持体を37℃±0.5℃に温度調節し、相対湿度約100%に保持された円筒状セルに−21°±2°の角度で載置し、
iii)支持体上の空腸を0.02Mの等張リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で、流速10ml/分で5分間フラッシングし、
iv)支持体上の空腸粘膜の表面領域(約0.8×6cm)に、脂肪酸エステル(約100mg)のサンプルを正確に計った量を塗付し、
v)塗付したサンプルにリン酸緩衝液約1mlを滴下し、
vi)工程v)から得られたサンプルを、サンプルと空腸の糖蛋白質とを相互作用させるために10分間セル中に放置し、
vii)流速10ml/分で30分間、リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)を適用したサンプルとともに空腸をフラッシングし、
viii)工程vii)で得た洗浄液を回収し、かつ
ix)洗浄液中のサンプ量を測定するか、又は空腸に残る量を測定することにより、空腸に残るサンプルの残留量を算出することからなる生物付着性テストシステムで試験した場合、
少なくとも60%w/w残留量をもたらす。ただし、組成物は、インシュリンの10%w/w飽和溶液及び90%w/w液体モノリノレインの混合物からなるものではなく、または組成物は、モノガラクトイル−ジグリセライド80%w/wからなるものではない。
また、本発明は、複合単位組成物の形態で存在する組成物、つまり、生体付着性医薬複合単位組成物における生物付着性脂肪酸エステルの使用に関し、個々の単位は、脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの組み合わせからなり、
脂肪酸エステルの脂肪酸成分は、C8からC22の全炭素原子数を有する飽和又は不飽和の脂肪酸であり、脂肪酸エステルが、多価アルコールの脂肪酸エステル、ヒドロキシカルボン酸の脂肪酸エステル、単糖類の脂肪酸エステル、グリセリンホスファート誘導体の脂肪酸エステル、グリセリンスルファート誘導体の脂肪酸エステル及びその混合物からなる群から選択され、脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの組み合わせは、生物付着性物質として、
i)脂肪酸エステルを塗付するために空腸の粘膜層を上面にして、ステンレス鋼の支持体上に長手方向に切断した兎の空腸の断片を載置し、
ii)得られた支持体を37℃±0.5℃に温度調節し、相対湿度約100%に保持された円筒状セルに−21°±2°の角度で載置し、
iii)支持体上の空腸を0.02Mの等張リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で、流速10ml/分で5分間フラッシングし、
iv)支持体上の空腸粘膜の表面領域(約0.8×6cm)に、脂肪酸エステル(約100mg)のサンプルを正確に計った量を塗付し、
v)塗付したサンプルにリン酸緩衝液約1mlを滴下し、
vi)工程v)から得られたサンプルを、サンプルと空腸の糖蛋白質とを相互作用させるために10分間セル中に放置し、
vii)流速10ml/分で30分間、リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)を適用したサンプルとともに空腸をフラッシングし、
viii)工程vii)で得た洗浄液を回収し、かつ
ix)洗浄液中のサンプル量を測定するか、又は空腸に残る量を測定することにより、空腸に残るサンプルの残留量を算出することからなる生物付着性テストシステムで試験した場合、
少なくとも60%w/wの残留量をもたらす。
また、本発明は、
i)脂肪酸エステルを塗付するために空腸の粘膜層を上面にして、ステンレス綱の支持体上に長手方向に切断した兎の空腸の断片を載置し、
ii)得られた支持体を37℃±0.5℃に温度調節され、相対湿度約100%に保持された円筒状セルに−21°±2°の角度で載置し、
iii)支持体上の空腸を0.02Mの等張リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で、流速10ml/分で5分間フラッシングし、
iv)支持体上の空腸粘膜の表面領域(約0.8x6cm)に、脂肪酸エステル(約50〜150mg、例えば約100mg)のサンプルを正確に計った量を塗付し、
v)塗付したサンプルにリン酸緩衝液約1mlを滴下し、
vi)工程v)から得られたサンプルを、サンプルと空腸の糖蛋白質とを相互作用させるために10分間セル中に放置し、
vii)流速10ml/分で30分間、リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)を適用したサンプルとともに空腸をフラッシングし、
viii)工程vii)で得た洗浄液を回収し、かつ
ix)洗浄液中のサンプ量を測定するか、又は空腸に残る量を測定することにより、空腸に残るサンプルの残留量を算出することからなるテストシステムで試験し場合、
少なくとも60%w/w、例えば少なくとも約70%w/w、80%w/w、85%w/w、90%w/w又は95%w/wの残留量をもたらす脂肪酸エステルとの組み合わせにおいて活性物質又は保護物質からなる組成物を適用することからなる、
動物、例えばヒトの損傷を受けていない又は受けた皮膚、粘膜又は爪にそれを通して、活性又は保護物質を投与する方法を提供する。
その組成物は、活性又は保護物質、及得られる組成物がそれ自体で以下の基準の少なくとも1つに合致することが立証される生物付着性である脂肪酸エステルからなる:
a)組成物のサンプルが工程i)-ix)からなる上述した生物付着性テストシステムで試験される時に、組成物が、少なくとも40%w/w、例えば少なくとも45%w/w、50%w/w又は55%w/wの脂肪酸エステル又は少なくとも40%w/w、例えば45%w/w、50%w/w又は55%w/wの活性又は保護物質の残留量をもたらす、
b)張力学的試験方法、例えばここで記載の張力学的方法で試験した時に、組成物が、ここに定義する生物付着性の必要条件を満たし、
c)インビボモデル、例えば皮膚からの洗浄(rinsing off)能の試験を含むインビボモデルにおける生物付着性を試験した時に、組成物が、ここに定義する生体付着の必要条件を満たす。
上述した試験において、活性又は保護物質の残留量に関するa)で示された必要条件は、使用された活性又は保護物質が非常に水に溶けやすいので、その物質の大部分が試験中に溶解しないならば、適当であるのみである。
本明細書中において、用語「活性又は保護物質」は、生物学的又は医薬的に活性な物質または抗原含有物質のいずれかを意味することを意図し、その用語は、動物又はヒトに影響する疾患又は障害の治療又は予防において、又は動物又はヒトの生理状態の管理に有用である薬物を含み、有効量を投与した場合に、生きた細胞又は器官に影響する生物学的に活性な化合物又は組成物をも含む。
本発明において使用することができる薬理学的及び医薬的に許容される塩及びプロドラッグを含む活性物質は以下の群に属するもののうち、限定されることなく選択することができる:
鎮痛剤、例えばブプレノルフィン、コデイン、フェンタニル、モルヒネ、ヒドロモルフォン等;
抗炎症剤、例えば、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、ジクロフェナック、トルフェナミン酸、ピロキシカム等;
トランキライザー、例えば、ジアセパム、ドロペリオドール、フルスピリレン、ハロペリドール、ロラゼパム等;
強心配糖体、例えばジゴキシン、ウアバイン等;
麻酔拮抗剤、例えばナロキソン、ナロルフィン等;
抗パーキンソン病剤、例えばブロモクリプチン、ビペリジン、ベンズヘキソール、ベンズトロピン等;
抗うつ薬、例えばイミプラミン、ノルトリプチリン、プリチプチレン等;
抗腫瘍剤及び免疫抑制剤、例えばブレオマイシン、シクロスポリンA、フルオロウラシル、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン等;
抗ウェルス剤、例えばイドクスウリジン、アシクロビル、インターフェロン、ビダラビン等;
抗生物質、例えばクリンダマイシン、エリスロマイシン、フシジン酸、ゲンタマイシン等;
抗菌剤、例えばミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、アンホテリシンB、ナイスタチン等;
抗微生物剤、例えばメトロニダゾール、テトラサイクリン等;
食欲抑制剤、例えばフェンフルラミン、マジンドール、フェンターミン等;
抑吐剤、例えばメトクロプラミド、ドロペリドール、ハロペリドール、プロメタジン等;
抗ヒスタミン、例えばクロルフェニラミン、テルフェナジントリプロリジン等;
抗片頭痛剤、例えばジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、ピゾチリン等;
冠血管、脳血管又は抹消血管拡張剤、例えばニフェジピン、ジルチアゼム等;
抗狭心症剤、例えば硝酸グリセリン、硝酸イソソルビド、モルシドミン、ベラパミル等;
カルシウムチャネル阻害剤、例えばベラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ニカルジピン等;
ホルモン剤、例えばエストラジオール、エストロン、エストリオール、ポリエストラジオール、ポリエストリオール、ジエネストロール、ジエチルスチリベストール、プロゲステロン、ジヒドロエルゴステロン、シプロテロン、ダナゾール、テストテロン等;
避妊剤、例えばエチニルエストラジオール、リネストレノール、エチノジオール、ノルエチステロン、メストラノール、ノルゲストレル、レボノルゲストレル、デソゲストレル、メドロキシプロゲステロン等;
抗血栓剤、例えばヘパリン、ワルファリン等;
利尿剤、例えばヒドロクロロチアジン、フルナリジン、ミノキシヂル等;
抗血圧剤、例えばプロプラノロール、メトプロロール、クロニジン、ピンドロール等;
化学依存剤、例えばニコチン、メタドン等;
局所麻酔剤、例えばリドカイン、プリロカイン、ベンゾカイン等;
コルチコステロイド、例えばベクロメタゾン、ベタメタゾン、クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキアメタゾン、ジフルコルトロン、フルメタゾン、フルオシノロン アセトニド、フルオシノニド、ヒドロコーチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン アセトニド、ブデソニド、ハルシノニド等;
皮膚剤、例えばニトロフラントイン、ジスラノール、クリオキノール、ヒドロキシキノリン、イソトレチオニン、メトキサレン、メトトレキサート、トレチオニン、トリオキサレン、サリチル酸、ペニシラミン等;
ビタミン等
眼剤、例えばピロカルピン、エピネフリン、チモロール、アトロピン等;
である。
本発明の使用のための活性物質の他の特定の例は、
ステロイド、例えばエストラジオール、プロゲステロン、ノレチンドロン、レボノルゲストロール、エチノジオール、レベノルゲストレル、ノルゲスチマート、ゲスタニン、デソゲストレル、3−ケトン−デソゲストレル、デメゲストン、プロメトエストロール、テストテロン、スピロノラクトン及びそれらのエステル、
アゾール誘導体、例えばイミダゾール及びマゾール及びそれらの誘導体、
ニトロ化合物、例えば硝酸アミル、ニトログリセリン及び硝酸イソソルビド、
アミン化合物、例えばピロカイン、オキシアブチニンクロライド、リドカイン、ベンゾカイン、ニコチン、クロルフェニラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、プロパノロール、メトプロロール及びそれらの塩、
オキシカム誘導体、例えばピロキシカム、
ムコポリサッカライド、例えばチオムカシー、
オポイド化合物、例えばモルヒネ及びモルヒネ様薬、例えばブプレノルヒネ、オキシモスホン、ヒドロモルホン、レボルパノール、フェンタニル及びフェンタニル誘導体及びアナログ
プロスタグランジン、例えばPGA、PGB、PGE又はPGFシリーズのメンバー、例えばミソプロトール又はエナプロスチル、
ベンズアミド、例えばメトクロプラミド、スコポラミン
ペプチド、例えば成長ホルモン放出因子、成長因子(表皮成長因子(EGF)、伝達成長因子(NGF)、TGF、PDGF、インシュリン成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(aFGF,bFGF等)等)、ソマトスタチン、カルシトニン、インシュリン、バソプレシン、インターフェロン、IL−2、ウロキナーゼ、セラチオペプチダーゼ、スーパーオキシド ジスムターゼ(SOD)、トリロトロピン放出ホルモン(TRH)、黄体ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、コルチコトロピン放出ホルモン(CRF)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、オキシトシン、エリスロポイエチン(EPO)、コロニー刺激因子(CSF)等
キサンチン、例えばカフェイン、テオフィリン
カテコラミン、例えばエペドリン、サルブタモール、テルブタリン、
ジヒドロピリジン、例えばニフェジピン、
チアジド、例えばヒドロクロロチアジド、フルナリジン、
シドノニミン、例えばモルシドミン、
硫化ポリサッカライド、例えばヘパリンである。
上述の活性又は保護物質は、また、説明に役立つ目的のために挙げられている。本発明は、活性物質又はそれらを混合した物質に関係なく、生物付着性組成物、例えば医薬及び/又は化粧品の組成物に適用することができる。
実施例において示されているように、活性又は保護物質は、活性物質又は保護物質の濃度が比較的低い、例えば約10〜15%w/w以下、又は約8〜10%w/w以下であることを条件として、媒体の生物付着性に顕著に影響しない。活性物質の種類(構造、分子量、大きさ、物理学的性質、負荷、pKa等)は、もちろん、組成物の生物付着性に顕著に影響することのない媒体に混合することができる最大濃度に責任があるだろう。また、実施例において、活性物質が脂肪酸エステルの液晶相に局在し、おそらくこの相における活性物質の溶解度は、組成物の生物付着性ならびに放出性に影響を与えることも証明されている。
上述したように、適用は皮膚又は粘膜に使用するように意図する。他の適用は、もちろん、例えば、入れ歯、人口器官への塗布、体腔、例えば口腔への塗布に適切であるかもしれない。粘膜は、好ましくは、口、鼻、耳、肺、直腸、膣及び胃腸粘膜から選択されることが好ましい。
本発明の方法が、活性又は保護物質、又は損傷を受けていない又は損傷を受けた口、鼻、直腸、耳又は膣粘膜を経由した投与に使用するように意図されている場合には、活性又は保護物質及び脂肪酸エステルを含有する組成物は、剪断速度120秒-1及び20℃±0.5℃の温度で計算した、粘度が最大3500mPaS、例えば最大3000mPaS、2000PaS、又は1000mPaSを有しているかもしれない。上述したように、粘度は、特に組成物がスプレー、溶液等の形態で存在している場合、最大450mPaSと低いかもしれない。さらに、口、鼻、直腸、耳、膣粘膜への塗布のための生物付着性組成物は、組成物に対して計算して、好ましくは少なくとも組成物中に6%w/wの脂肪酸エステルを含有している。歯周ポケットにおける口への適用のための組成物及びグリセリンモノオレインを含有しているものは、文献中、例えば米国特許5,143,934号に記載されている。例えばグリセリン、モノオレインを含む組成物はまた、例えば欧州特許0 126 751号及び欧州特許0 267 671号にも記載されている。後者において、GMO/エタノール/塩酸プロパノール(80/15/5%w/w)、GMO/エタノール/クエン酸フェンタニル(78/20/2%w/w)、GMO/エタノール/硫酸ネオマイシン(75/20/5%w/w)、GMO/エタノール/塩酸フェンテルミン(60/30/10%w/w)及びGMO/エタノール/ナプロキセン ナトリウム(70/20/10%w/w)を含有する組成物が挙げられている。
本発明の投与のための生物付着性組成物は、複合単位組成物の形態であってもよい。複合単位組成物は皮膚又は粘膜に投与してもよく、粘膜は口、鼻、直腸、耳、膣、肺及び胃腸粘膜から選択されることが好ましい。より好ましくは生物付着性組成物は、胃腸管への投与のために使用されることを意図することである。
本発明の投与のための複合単位組成物の個々の単位は、例えば組成物の個々の単位は、脂肪酸エステルで被覆されるような方法で、脂肪酸エステルを含有する。個々の単位は、活性又は保護物質が放出される胃腸管における部位を制御するため、又は組成物からの活性又は保護物質の放出パターンを制御するためのいずれかのために、さらにフィルムコーティング、腸溶コーティング等の被覆膜が施されていてもよい。
複合単位組成物は、粉末形態、任意にフィルムコーティングや腸溶コーティングが施された錠剤又はカプセルの形態で存在していてもよい。
複合単位組成物の個々の単位のコアは、不活性コア、例えばカルメローズ、キトサン、ペクチン、キサンタンガム、カラギナン、ローカストビーンガム、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸及びデキストラン及びそれらの塩からなる群から選択される多糖類からなる生物分解可能なコアを含有してもよい。
本発明の皮膚に投与するための生物付着性組成物は、プラスターの形態でないほうが好ましく、組成物の全重量に対して計算して、生物付着性脂肪酸エステルを最大60%w/w、例えば55%w/wの濃度を有している。欧州特許0 267 617号において、脂肪酸エステル、例えばグリセリンモノオレアートは皮膚への塗布のために使用することを意図した組成物において含有されていることが述べられている。しかし、グリセリンモノオレアートは60%w/wを越える濃度で浸透増強剤として用いられている。
本発明の皮膚への塗布のための生物付着性組成物は、一般に、組成物に対して計算して、少なくとも6%の生物付着性脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの混合物の含量を有している。
組成物は、損傷を受けた皮膚、例えば傷に塗布することが有利であるかもしれない。皮膚、特に傷への塗布のための組成物は組成物の総重量に対して計算して、少なくとも15%w/wの濃度で多糖類を含有している。多糖類は、カルメローズ、キトサン、ペクチン、キサンタンガム、カラギナン、ローカスト ビーンガム、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸及びデキストラン、及びそれらの塩からなる群から選択されることが好ましい。組成物は傷に塗布するのが容易であり、傷からの水を引き出すことができ、よって傷を乾燥すると思われる。
欧州特許O 126 751号は、アセチルサリチル酸及びインシュリンの組成物を、それぞれ吸入による投与に使用することを意図するものとして記載している。組成物は生物付着性であると記載されていない。インシュリン組成物は、インシュリンの10%w/w飽和溶液及び90%w/w液体リノレインの混合物からなり、アセチルサリチル酸組成物は、モノガラクトイル−ジグリセライド80%w/wからなる。従って、肺粘膜への適用のための本発明による使用のためにスプレーの形態での生物付着性組成物は、上記した構成を有していない。
活性又は保護物質及び生物付着性脂肪酸エステル物質とは別に、本発明の使用のための生物付着性組成物は、医薬的又は化粧品的に許容される賦形剤を含有していてもよい。
生物付着性組成物は、例えばスプレー、溶液、分散剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、飲薬、デリバリー・デバイス、坐薬、浣腸、埋没剤、エアロゾル、マイクロカプセル、マイクロスフェア、ナノ粒子、リポゾームの形態又は他の適当な形態であってもよい。
生物付着性組成物は、例えば、スワルビック、J.及びJ.C.ボイランにより1988年にマーセル デッカー イン コーポレーテッド(ニューヨーク)によって編集された「レミントンの薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」及び「薬学技術の専門辞典(Encyclopedia of Pharmaceutical Tecnology)」を参照して、従来の医薬的慣行に従って処方してもよい。
本発明の使用のため、生物付着性組成物の使用のための医薬的に許容な賦形剤は、例えば、
不活性希釈剤又は充填剤、例えばシュクロース、ソルビトール、シュガー、マニトール、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、じゃがいも澱粉を含む澱粉、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;
顆粒化及び崩壊剤、例えば微晶質セルロースを含むセルロース誘導体、じゃがいも澱粉、ナトリウムデンプングリコレートを含む澱粉、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルギン酸塩又はアルギン酸;
結合剤、例えば、シュクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギニン酸、アルギニン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、プレゼラチン化デンプン、微晶質セルロース、マグネシウム アルミニウム シリケート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール又はポリエチレングリコール;
潤滑剤及び抗接着剤を含む滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油又はタルク;
であってもよい。
他の医薬的に許容される賦形剤は、着色剤、着香・着味剤、可塑剤、湿潤剤、緩衝剤、可溶化剤、放出緩和剤等であってもよい。
生物付着性組成物が、複合単位組成物である場合、個々の単位又は個々の単位を含有する錠剤又はカプセルは、例えばシュガーコーティング、フィルムコーティング(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒロドキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸コポリマー(オイドラギッド)、ポリエチレングリコール及び/又はポリビニルピロリドンに基づく)又は腸溶コーティング(例えばメタクリル酸コポリマー(オイドラギッド)、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテート サクシネート、ポリビニルアセテート フタレート、シェラック及び/又はエチルセルロースに基づく)等でコーティグされていてもよい。さらに、時間遅延材、例えばグルセリンモノオレアート又はグリセリンジステアラートを使用してもよい。
コーティングは、スワルブリック、J.及びJ.C.ボイランにより1988にマーセル デッカー インコーポレーテッド(ニュヨーク)によって編集された「薬学技術の専門辞書」第1巻、337〜349頁において、ジェームズA.サイツによる「水性フィルムコーティング」に記載と同様の方法で固体投与形態において適用してもよい。
直腸又は膣粘膜への適用に関して、本発明の使用のための適当な組成物は、坐薬(乳剤又は懸濁剤タイプ)、溶液、浣腸及び直腸ゼラチンカルセル(溶液又は懸濁剤)を含む。好適な薬学的に許容される坐薬基材は、ココア脂、エステル化脂肪酸、グリセリン化ゼラチン及び種々の水溶性又は分散可能な基材、例えばポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含む。種々の添加剤、例えば増強剤又は界面活性剤を併用してもよい。
鼻粘膜への適用に関して、鼻スプレー及び吸入用エアロゾルは、本発明の使用のために適当な組成物である。典型的な鼻の処方において、活性成分は適当な媒体に溶解又は分散する。例えば、希釈剤、増強剤、着香・着味剤、保存剤等の組成物中に存在する薬学的に許容される媒体及び賦形剤、及び任意の他の薬学的に許容される材料は、製薬の分野における当業者によって理解される意味で、すべて従来の薬学的慣行に従って選択することができる。
皮膚又は爪への塗布に関して、本発明の使用の組成物は、マイクロスフェア及びリポゾームを含む従来の無毒性の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含有してもよい。剤型は、クリーム、軟膏、ローション、リニメント、ゲル、ハイドロゲル、溶液、懸濁剤、スティック、スプレー及びパスタ剤を含む。薬学的に許容される担体又は賦形剤は、乳化剤、抗酸化剤、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、浸透増強剤、キレート剤、ゲル形成剤、軟膏基材、パフューム及び皮膚保護剤を含む。
乳化剤の例は、天然由来ガム、例えばアラビアゴム又はトラガカント、自然由来リン脂質、例えば大豆レシチン及びソルビタンモノオレアート誘導体である。
抗酸化剤の例は、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アルコルビン酸及びそれらの誘導体、トコフェロール及びそれらの誘導体、ブチル化ヒドロキシアニソール及びシステインである。
保存剤の例は、例えばメチル、エチル又はプロピルp−ヒドロキシベンゾエートのようなパラベン、塩化ベンザルコニウム及びベンジルアルコールである。
湿潤剤の例は、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール及び尿素である。
可溶化剤(活性又は保護物質のための、及び/又は生物付着性脂肪酸エステルのための可溶化剤として機能してもよい)の例は、ベンジルアルコールである。
本発明の使用のための適当な放出緩和剤の例は、グリセリン、ゴマ油、大豆油、レシチン及びコレステロールである。
浸透増強剤の例は、プロピレングリコール、DMSO、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、2−ピロリドン及びそれらの誘導体、テトラヒドロフーフリル アルコール及びアゾンである。
キレート剤の例はEDTAナトリウム、クエン酸及びリン酸である。
本発明の使用のための組成物における使用の他の賦形剤の例は、食用油、例えばアーモンド油、ひまし油、カカオ脂、ココナツ油、とうもろこし油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ケシ油、あぶらな油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油及び茶油;及びポリマー、例えばカルメローズ、カルメローズナトリウム、ヒドロキリプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キトサン、ペクチン、キサンタンガム、ガラギナン、ローカストビーンガム、アラビアゴム、ゼラチン及びアルギン酸;及び溶媒、例えばグリセリン、エタノール、プロピレングリコール、PEG200又はPEG400のようなポリエチレングリコール、プルロニック、ポリソルベート及びエチレングリコールである。
軟膏基材の例は、ミツロウ、パラフィン、パルミチン酸セチル、植物油、脂肪酸のソルビタンエステル(スパン)、ポリエチレングリコール、及び脂肪酸のソルビタンエステルとエチレンオキサイドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレン ソルビタン モノオレアート(ツイーン)である。
理解されるように、本発明の方法の観点に関する説明及び詳述は、上記で述べた使用面に関する説明及び詳述と同様又は類似するであろう。また、これは、適当であれば、生物付着性脂肪酸エステル、それらの製剤、改善特性及び使用に関する陳述は、適当な変更を加えて、本発明の投与面のための異なった方法において使用される組成物に適用することを意味する。
本発明をさらに以下に述べる具体的な実施例によって説明する。
材料
グリセリンモノオレアート(モノレイン)は、グリンドステット プロダクトA/S(デンマーク)によって製造され、使用された製品は、総含量が少なくとも約96%の脂肪酸モノエステルを有している。ここで示した実施例において使用されている製品は以下の脂肪酸モノエステルの組成を有していた:
グリセリンモノオレアート 約84%w/w
グリセリンモノリノレアート 約7%w/w
グリセリンモノパルミタート 約3%w/w
グリセリンモノステアラート 約4%w/w
以下の実施例において、用語「GMO」は上記グリセリンモノオレアート製品、つまり、少なくとも約84%w/wのグリセリンモノオレアートを含有する製品を採用することを示すために示している。
上記の製品と比較して脂肪酸モノエステルの組成が異なる他の市販のグリセリンモノオレアート製品(例えば、ミベロール▲R▼18−99、コダック エストマン(米国)から入手可能)も適用することができる。
グリセリンモノリノレアート(ディモダン▲R▼LS)は、グリンドステット プロダクトA/S(デンマーク)によって製造され、使用された製品は、総含量が少なくとも約90%、例えば96%の脂肪酸モノエステルを有している。ここで示した実施例において使用されている製品は以下の脂肪酸モノエステルの組成を有していた:
グリセリンモノパルミタート 約6%w/w
グリセリンモノステアラート 約6%w/w
グリセリンモノオレアート 約22%w/w
グリセリンモノリノレアート 約63%w/w
上記の製品と比較して脂肪酸モノエステルの組成が異なる他の市販のグリセリンモノリノレアート製品(例えば、ミベロール▲R▼18−92、コダック エストマン(米国)から入手可能)も適用することができる。
ミコナゾール塩基 メディオラストSPA(イタリア、ミラノ)から入手可能
塩酸プロパノール シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
塩酸リドカイン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
リドカイン塩基 シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
メトクロプラミド シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
硝酸イソソルビド シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
イソソルビド一硝酸塩 ルソケミアから入手可能
プロクロルオルペラジン ジオシンスから入手可能
ニコチン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
ニフェジピン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
ブプレノルフィン ジオシンスから入手可能
アシクロバール ヒューマン パルマから入手可能
インドメタシン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
ジクロフェナック ヒューマン パルマから入手可能
エストラジオール シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
プロゲステロン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
トリクロサン チバガイギーから入手可能
フッ化ナトリウム シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
塩酸クリンダマイシン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
リン酸クリンダマイシン シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
メトロニダゾール A/Sドゥメックス(コペンハーゲン)から入手可能
エタノール ダニスコ A/S(デンマーク)から入手可能、DLS基準(98.8〜100%w/wエタノール)を満たす
プロピレングリコール BASFアクチエンゲセルシャフト(ドイツ)から入手可能
ごま油 ノメコ(デンマーク)から入手可能
大豆油 ノメコ(デンマーク)から入手可能
ポリソルベート20 ノメコ(デンマーク)から入手可能
ポリソルベート80 ノメコ(デンマーク)から入手可能
グリコフロール シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
グリセリン ジョリ ハンデル ApS(デンマークから入手可能
レシチン エピクロン200 ルーカス マイヤー又はレシチン アーフス オリエ ファブリックから
ベンジルアルコール メルクAG(ドイツ)から入手可能
精製又は蒸留水
エリゾール ▲R▼ デンタル ゲル A/S ドゥメックスから入手可能
DEAE−デキストラン(分子量=500000) シグマ ケミカル コーポレーテッド(米国、セントルイス)から入手可能
アルギン酸ナトリウム(ソバルグFD120) ギリンドステッド プロダクトA/S(デンマーク)から入手可能
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトセル K15MCR プレミアム USP) カラルコン リミテッド(米国)から入手可能
カルボポール934 BFグッドリッチ カンパニー(米国)から入手可能
方法
生物付着性のためのテストシステム
1.兎空腸膜による生物付着性のインビトロテストシステム
以下に示す生物付着性のテストシステムは、ランガ ラオ及びブリ(Ranga Rao & Buri)(Int.J.Pharm.1989,52,265-270)によって示された方法の改良システムである。
雄性アルビノ兎(3〜4kg、ニュージーランドシロウサギSSC:CPH)に、ペントバルビタール・ナトリム注射により屠殺する前に20時間絶食させた。兎の腸管を切断し、室温(約18℃)で等張の0.9%塩化ナトリウム水溶液に入れた。30分以内に空腸を切断し、0.9%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。管腔は、生理食塩水で腸管がきれいになるまで緩やかに洗浄した。空腸は長さ約8〜9cm片に切断し、即座に冷凍(−20℃)した。空腸は使用前3か月まで保存した(以下に示す試験を行うとき、新鮮な空腸の使用又は3カ月まで冷凍された空腸は、再生可能で、かなり類似の結果を得たことが分かった)。試験前、空腸の断片を緩やかに解凍した。
空腸の断片を長手方向に切断した。それをステンレス綱の支持体(直径2センチのチューブ及びその中央に平行な軸で長手方向に切断)上に粘膜層を上向きで載置し、支持体上の適所に広げ、保持した。空腸を有した支持体は、約−5°〜約−25°、例えば−7°又は−21°の角度に置いた(実施例中、適用角度は、37℃に温度自動調節された円筒のセルにおける「角度」と示す)。セルの図示説明を図1に示す。温度自動調節されたセル中の相対湿度を約100%に調節した。次いで空腸を0.02Mの等張リン酸緩衝液(pH6.5,37℃)の媒体で、それぞれ、蠕動ポンプを用い、緩衝液で空腸を平衡させるため及び脱着した粘膜を洗浄するため、流速5又は10ml/分(以下において「初期洗浄流通」と示す)で、2又は5分間(以下において「初期洗浄期間」と示す)フラッシュした。生物付着性試験されるサンプルの正確に秤量された量(約50〜150mg)を、空腸(約0.8〜6cm)の粘膜上に平らに載置した。緩衝液約1mlを、可能ならば液晶相のような形成を確かにするために、適用されたサンプル上に平らに注意深く滴下した(モノオレインの場合には、液晶相は、立方晶、六方晶、逆六方晶、ミセル性又は層状相かもしれない)。〔試験サンプルの粘度が比較的高いか、沈殿物が生じる場合には、試験サンプルは、GMO又はGMLの場合において、加熱プレート上又はオーブン中で、最大60℃の温度で緩やかに溶融され、かつ兎空腸に塗布する前に最大約40℃の温度に冷却される。〕その後すぐに、断片を、5〜20分間、例えば10分間セル中でサンプルを空腸の糖蛋白と相互作用させ、粘液の乾燥を防止するために放置した。10分後、断片を、15〜60分間、例えば30分間、流速5〜15ml/分、例えば10ml/分(実施例では「流速」と示す)にて等張の0.02Mリン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で均等にフラッシュした。緩衝液を移送するチューブの先端は、粘膜上への平らな液体流通を確かにするために空腸の上方3〜4mmに位置させた。洗浄液をビーカーに集めた。空腸上に残っている生物付着性成分の量は、適当な分析法、例えばHPLCで、ビーカー中のサンプルの量を測定すること、又は空腸に残っているサンプルの量を測定することによって計算した。
実験の終了時、空腸上に残っているサンプルを、疑陽性結果を明らかにするために、一対の鉗子でチェックした。
10回のうち1〜2回の試験において、たぶん兎空腸の粘膜層の遊離のために、疑陰性結果が観察された。
試験及び方法の実証の間、上述したパラメータを変化させた(例えば適用角度、流速、適用量等)。疑陰性及び疑陽性結果をなくすため、以下の条件を満たすことが見いだされた:
サンプル適用前の予備水和時間:10分間
塗布量:約50〜150mg(試験は、約25mg〜約225mgの範囲内での塗布量の変化は得られた結果に顕著な影響を与えなかったことを示している)。
角度:−21°
流速:10ml/分
流通時間:30分間(少なくとも10分間の流通時間は再現性のある結果を示し、約50分間への期間の延長は結果を顕著に変化させなかった)
さらに、その方法は、水性媒体によって空腸に塗布したサンプルを洗浄することができ、よって液晶相を形成させることができるという利点を見いだした。また、その方法においては液体サンプル及びペレットを適用してもよい。
試験サンプルの生物付着力の測定
試験サンプルが脂肪酸エステルである場合、脂肪酸エステルが、もし残留量が少なくとも約60%w/w、例えば少なくとも約65%w/w、約70%w/w、約75%w/w、約80%w/w、約85%w/w、約90%w/w又約95%w/wであれば、生物付着性であると思われる。
試験サンプルが脂肪酸エステルと活性又は保護物質との組み合わせからなる組成物である場合、組成物は、もし残留量(脂肪酸エステル又は活性/保護物質の)が少なくとも約40%w/w、例えば少なくとも約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、約70%w/w、約75%w/w又約80%w/wであれば、生物付着性であると思われる。
本明細書においては、物質の生物付着性の評価は、テストシステム及び上述した試験条件の使用によって行うことができるが、膜のタイプ、試験サンプルの適用量、試験角度、流速、媒体等について変更してもよい。これに関連して、試験は、試験結果において異なった膜の影響を評価するために行われた。以下の結果は上述の試験条件(角度:−21℃、流速:10ml/分及び流通期間:30分)を用い、膜上にGMOを適用して得ている:
Figure 0004137179
2.テンシオメトリーによる生物付着性のインビトロテストシステム
以下に述べた生物付着性テストシステムはトビン,M.,J.ジョンソン及びS.ギブソン(Tobyn,M.,J.Jhonson & S.Gibson)(“Use of a TA.XT2 Texture Analyser in Mucoadhesive Research”International LABMATE,1992,XIVII(issue VI),35-38)によって述べられた方法の改良システムである。
テストシステムは、モデル膜及び試験サンプル(つまり、その生物付着性を試験するサンプル)との間に形成された付着結合を破壊するために必要な張力を測定することを含む。
以下において使用された試験装置は、DOSバージョン、XT−RAディメンション・ソフトウェアをはしらせているIBM PCコンピュータを介在させた5kg負荷セルを装備したTA.XT2テクスチャー・アナライザー(英国、ハスレマーのスタブル・ミクロ・システム・リミテッド)(図2)である。試験は、モデル膜、つまりこの場合豚の腸管断片と試験サンプルとの接触によってできた付着結合の強度を測定することができる。類似の試験装置も使用することができる。
TA.XT2テクスチャー・アナライザー装置は、種々の速度で垂直方向に可動な計器探針(インストルメント・プローブ)1(図2参照)を装備している。いわゆる試験の脱退期(withdrawal phase)の間、計器探針を、剥離が起こるまで一定速度で上方に動かす(以下参照)。さらに、装置は、第一ホルダー3が載置された固定板2を装備している。試験前及び間、モデル膜4をこのホルダー上に、例えば、キャップ又は二重接着テープ又は接着剤によって固定する。試験にさらされた面積は探針(この場合においては好ましい)の面積又は試験サンプル(例えば被覆されたカバーガラス)の面積、又は探針に固定されたホルダーの面積によって測定することができるかもしれない。さらされた面積の正確な大きさは、付着強度の計算において使用される(以下参照)。
上述したように、試験は、本質的に動物由来のモデル膜の採用を含む。膜は、例えば兎、ラット又は豚の胃粘膜であってもよく、兎、ラット又は豚の腸管の断片は、例えば兎空腸の断片、兎又は豚口内粘膜の断片であってもよく、又は試験前に粘膜層が除去された兎、ラット又は豚の腸管、又は動物からの皮膚(実質的に全ての皮下脂肪を除去した後)、又は人工的又は市販のムチンであってもよい。
以下に示した試験において、屠殺したばかりの豚からの十二指腸、空腸及び上部回腸を使用した。消化管は、二時間以内に0.9w/w塩化ナトリウム溶液で洗浄するまで氷で保存した。管腔を、生理食塩水で腸管がきれいになるまで緩やかに洗浄した。消化管を3〜4cm2の断片に切断し、即座に冷凍(−20℃)した。腸管を使用前2か月保存した。試験前、断片を緩やかに解凍した。消化管断片は腸間膜縁にそって開けた。漿液膜及び筋層を一対の鉗子で、粘膜層の完全な状態を保持するために慎重に、剥ぐことにより除去した。これは、初め襞状の粘膜表面の平坦化をもたらした。使用前、組織は約10分間、試験媒体中で平衡化し、組織がpH紙によって測定される温度及びpH平衡に達するのに十分であった。
もし、結果が、種々の物質又は組み合わせの生物付着性を比較するために上述したのより他の膜を使用して得られたならば、参照化合物の結果が含められる。以下によって議論するように、参照サンプルの試験は、常法により行うことができる。ポリカルボフィル及びカルボポール934は参照化合物として適当であることが見いだされている。
試験サンプル(約25〜500mg)の正確な量を、
i)第一ホルダー上に載置されたモデル膜の管腔側上、
ii)計器探針上に直接、もし必要ならば試験サンプルを適用する前に計器探針上に適用されたキャップ、二重接着テープ又は接着剤によって、
iii)下側に面する試験サンプルを有する計器探針上に載置されたカバーガラス上に、又は
iv)比較的低い粘度又は半固体サンプルの適用を可能とするように改良された探針を経由して、改良探針は水性媒体の必要な添加も可能とする
のいずれかに均一の層に塗布した。
計器探針に試験サンプルを固定することができない場合、装置は、他のモデル膜を固定した第二ホルダー5を装備してもよい。このような場合、2つのホルダー上に使用されたモデル膜は、通常同タイプのものである。またそれは、他のモデル膜を計器探針に、例えば二重接着テープ、接着剤又はキャップによって、直接固定することができる。
付着試験について、約3×3cmの組織(豚腸管粘膜)を、粘膜層が上側となるように組織ホルダー3上に固定した。組織に塗布する前、ガーゼの断片を直接組織ホルダー上に置き、その上に組織を載置した。この事前の策は接触力を安定化させるために行った。組織を湿潤させ、かつサンプルを水和させるために、等張の0.05Mリン酸緩衝液、pH6.0を約0.5mlの組織に添加した。このような添加は、また、立方晶相を形成させることができる。サンプルとともに計器探針(以下参照)を、組織及びサンプルと一定の強度で接触させるために、0.1mm/秒の試験スピードで下げた。接触面積は、サンプルの製造方法によって、1.33cm2(カバーガラス)又は1.27cm2(探針)のいずれかであった。接触強度は0.2Nに設定され、接触時間は30分であった。30分後、探針を10mm、0.1mm/秒の速度で(後テスト速度)引き上げた。初期実験は、この距離がサンプルと粘液が引き上げ中に分離した点を十分越えていることを示している。
ピークの分離強度及び強度/時間曲線下面積をXT−RAディメンションソフトウェアを用いて自動的に計算した。粘膜付着性性能の最も正確な予測といわれる付着仕事(work of adhesion)(mJcm-2)を計算した。
サンプル製剤
参照として用いたポリマーの塗布方法:
直径13mm(面積1.33cm2)のカバーガラスを、ガラスプレートの中央に1%w/wメタノール又は水の溶液100μmをピペットで計ることにより、観察下ポリマーで被覆した。2時間、60℃にてオーブン中で乾燥した後、ポリマーの薄膜が残った。1つのカバーガラスを、二重接着テープによって被覆されていない側で探針(直径12.7mm)に付けた。
カバーガラス及び粘膜を1回のみ使用した(つまり、1回の測定のために)。
脂肪酸エステル組成物の塗布:
A.(もし可能ならば)固体又は半固体の組成物を溶融し、探針をそこへ浸した(この方法は、溶融方法が組成物の特性を変化しないもののみに使用する)。サンプル(25〜100mg)を、溶融GMOに探針を浸すことによって平滑層において探針に塗布した。サンプルを、室温、必要ならば冷却して固化させた。
B.サンプル25〜100mgを直接探針に塗りつける。
C.キャップ、二重接着テープ又は接着剤でサンプルを固定する。
試験作業は、組織を5〜20分室温で水性媒体中で平衡化した後おこなった。次いで、組織を水性媒体から取り出し、試験装置に載置し、テストを行った。
ある場合において、上述した方法の変更は、例えば、水性媒体中での試験作業、例えば37℃である室温と異なる温度での試験作業が適当かもしれない。
さらに、試験パラメータは、例えば以下のように変化させてもよい:
水和時間:0〜20分間
接触時間:60秒〜50分
接触強度:0.05〜0.4N
平衡媒体
試験速度:0.02〜1mm/秒
後試験速度:0.02〜1mm/秒
試験作業温度を、英国、ハスレマーからのスタブル・ミクロシステム、SMTC/04のような適当な温度制御オーブンを採用することによって変化させてもよい。
試験サンプルの生物付着性の測定
試験サンプルは生物付着性か否かを試験するため、2種の試験作業を行う:
1.塗布された試験サンプルでの試験作業(結果:付着仕事WAS
2.公知及び優秀な生物付着性サンプル(例えばポリカルボフィル)での試験作業(結果:付着仕事WAR
いずれの場合においても、付着仕事を計算し、WAS/WAR×100%が少なくとも30%、例えば35%、40%、45%、50%又は55%であれば、試験サンプルは生物付着性であると見なす。一般に、結果が約30%以下であれば、弱い生物付着性と、結果が約30〜50%であれば中等度の生物付着性と、結果が少なくとも50%であれば強力な生物付着性と等級分けされる。
ポリカルボフィル(ノベオンTM AA−1,BF グッドリッチ、ハンスロー、英国)は、おおざっぱにジビニルグリコールとクロスリンクした高分子量ポリ(アクリル酸)コポリマーである。その公知の優秀な粘膜付着性のため、このポリマーは参照として用いる。上述の張力学的試験を試験する前に、ポリカルボフィルゲルを、ポリカルボフィルを水又はメタノールと混合(得られた濃度は約10〜20mgml-1)することによって調製し、混合物を24時間室温にて水和させる。ポリマー溶液を定期的に攪拌する。得られたゲルをカバーグラス上に塗布し、上述のように試験し、得られた結果を優秀な生物付着性物質の参照値として使用した。
同様に、生物付着性物質として知られている他の物質、例えばキトサン、トラガカント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カラヤガム、ヒドロキシメチルセルロース(CMC)、ゼラチン、ペクチン、アカシア、PEG6000、ポビドン又はDEAE−デキストラン(ポリカルボフィルよりも小さい生物付着性)を試験した。生物付着力の種々の程度を有する試験物質を選択することによって、評価基準を作ることができ、生物付着力に関する試験サンプルの性能を評価することができる。上述の試験条件が適用されることを条件に、以下の基準が適用可能であると予想される。もし試験条件を変化した場合には、他の基準がより適当であることは明らかである。適当な基準は、よって、優秀な生物付着性カルボフィル及び弱い生物付着性、例えばDEAE−デキストランで得られた値に基づくべきである。
生物付着性 付着仕事(mJcm-2
なし 0.005未満
弱い 約0.005〜約0.012
中等度 約0.012〜約0.020
良好 約0.020〜約0.04
優秀 0.04より大
いくつかの公知の生物付着性物質及びGMOを試験する場合、以下の結果が6回の実験の平均として得られた。
試験物質 付着仕事(mJcm-2
DEAE−デキストラン 0.010
アルギン酸ナトリウム 0.015
GMO/水 85/15%w/w 0.028
HPMC 0.036
カルボポール934 0.031
GMO 0.047
ポリカルボフィル 0.060
*:層状相
3.生物付着性のインビボ試験シルテム−皮膚からのウォッシュオフ(washing off)能
水溶性染料(エディコール サンセット イエロー,E110,アマラント,E−123又はブリリアントブルー、E−131)及び/又は脂質溶解生物付着染料(ワキソリン バイオレットA FW(マキシメクス)、カラー フラバス インソルビリス DAK63又はエディレーク タートラジンNS)を試験サンプルに添加し、均一混合物を形成するために混合した。水溶性染料を使用した場合、染料は、混合前に水性媒体に溶解することが好ましい。約0.05〜0.5gの得られた混合物を手又は手首の皮膚約4cm2の面積上に均一層において塗布した。試験サンプルを乾燥皮膚ならびに湿潤した皮膚上に塗布してもよい。いくつかの場合、試験作業前約5分、少量の水を塗布された試験サンプルに添加してもよい。塗布後そくざに、皮膚上の試験サンプルを先端からの水で洗浄に付した(約6〜8リットル/分に相当する流速及び35〜40℃の温度)。洗浄を約3分間行った。次いで、皮膚上に保持された試験サンプルの程度を視覚的に評価した。視覚的な評価は1〜5に等級分けされた基準を使用することによって行った。ここで、5は皮膚上に塗布された試験サンプルの全量の保持を示し、1は皮膚上の試験サンプルなしを示す。
もし、上述の試験の結果が少なくとも4であれば、本明細書において、試験サンプルは生物付着性を有していると評価する。
上述の試験は、生物付着力の試験組成物及び問題の組成物が、兎空腸モデルに組成物を塗布することを困難にさせる比較的高い粘性を有している場合、適当であることを証明している。
粘性の測定
試験サンプル又は組成物の動的粘性を、RS100 1.2ソフロウェア パッケージを装備したレオストレス RS100 レオメータ、HAAKE(ドイツ)を用いて測定した。測定は20℃±0.5℃、又は37℃±0.5℃で、以下の条件を用いて行った:探針:プレート(d=20mm),ひっかけ(gab)0.5mm,切断速度:120秒-1、時間:300秒。粘度は時間t=180秒で読んだ。
HPLCによるグリセリンモノオレアート又はグリセリンモノリノレアートの定量的測定
グリセリンモノオレアート又はグリセリンモノリノレアートの定量的測定を、シマズ LC−6AHPLCポンプ、シマズ SPD−6A UV検出器、シマズ C−5A インテグレーター及びシマズSIL−6オートサンプラーを使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で行った。
カラム(25cm×4mm i.d.)をスペルコシルLC18−DMで充填し、メタノール:水:アセテート緩衝液(pH3.5)(840:120:40v/v)からなる移動相で、室温にて均一に(isocratically)溶出した。しかし、いくつかの場合、他の物質からの干渉が起こるかもしれず、よって溶離剤の組成において、多少の変更を行う必要があるかもしれない。
カラムに注入されたサンプルサイズは20μlであり、流速は1.2ml/mlであった。カラム流出物は214nmでモニターした。
粘膜におけるグリセリンモノオレアート又はグリセリンモノリノレアートの分析前の抽出方法
問題の粘膜(脂肪酸エステル、例えばグリセリンモノオレアート伴う)をメタノール50.00ml中に載置し、2時間振盪した。混合物を0.45μmの濾過膜(ミリポア16555Qから)を通して濾過し、ろ液を上述の方法を用いたHPLC分析に付した。
回収率
分析を、生物付着性試験No1(上記)に関する兎空腸断片における脂肪酸エステル(例えばグリセリンモノオレアート)の残留量を測定するために行った場合、残留量の計算は、回収率における適当な補正を考慮する。この補正は正確な量の脂肪酸エステルを塗布した後、兎空腸断片における脂肪酸エステルの量を測定することに基づいて見いだした(この試験は5回繰り返され、回収率を平均値として示す)。
兎空腸における約125mgGMO/エタノール60/40%w/wの回収率を試験した。回収率は、約90%であることを見いだした。回収率は、GMO/エタノール60/40%w/wの他の量については測定しておらず、薬物又は賦形剤を添加したGMO又はGML組成物についても測定していない。
実施例
以下の実施例1から13は、本発明の使用のための生物付着性組成物又は生物付着性媒体の製造方法に関する。
特に言及しないかぎり、パーセントは全て重量パーセントである。
全ての実施例において、グリセリンモノオレアート(以下GMOと略す)(ディモダン▲R▼LSに相当する)は加熱板上又はオーブン内で緩やかに溶融し、得られた液体(溶解した液体の最高温度は約60℃である)は、他の成分と混合する前に約40℃に冷却される。モノグリセライド混合物及び成分は攪拌又は振盪によって混合する。組成物がGMO/エタノール又はGML/エタノール媒体中に活性物質を含有する場合においては、以下の方法の1つが適用される:
1.活性物質をエタノール中に溶解又は分散し、次いで攪拌下、溶解したGMOと混合する、
2.活性物質を溶融したGMO中に溶解又は分散し、次いで攪拌下、エタノールを添加する、
3.活性物質をGMO/エタノール混合物中に溶解又は分散する。
室温(22℃)で保持する場合、ある処方は不均一となる。問題となる場合においては、組成物を溶融又は攪拌して使用前に均一な混合物を得る。
生物付着試験を行う場合には、示された値は2〜4回の試験結果の平均値である。実施例において示された値は、回収率の補正はしていないことに注意すべきである。つまり、その値は最小値である。もし回収率の補正がなされれば値は大きくなるからである。
以下の実施例1〜13において、生物付着力の試験No.1を行う試験条件は、
角度 −7°
初期洗浄時間 2分
初期洗浄流 5ml/分
流速 5ml/分
流通期間 30分間。
以下の実施例14〜21において、生物付着力の試験No.1を行う試験条件は、
角度 −21°
初期洗浄時間 5分
初期洗浄流 10ml/分
流速 10ml/分
流通期間 30分間。
実施例1
活性物質として塩酸リドカインを含有するスプレー可能な組成物の製造
組成物1A及び1Bは、それぞれ以下の成分から製造した:
Figure 0004137179
GMOをエタノールと混合し、攪拌しながら塩酸リドカインを混合物へ添加した。
組成物は、テストシステムNo.1で生物付着力を試験した。組成物1A及び1Bの約71%w/w及び84%w/wのGMOの残留量は、それぞれ試験後に見いだした。
実施例2
活性物質なしの半固体(無色ゲル)組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 65g
水 35g
GMO及び水を振盪によって混合した。得られたゲルの液晶構造は、偏光によって証明された立方晶である。
組成物は、テストシステムNo.3(ウォッシュオフ能)で生物付着力を試験した。4〜5のスコアは、組成物が生物付着性であると示すことが見いだされている。
実施例3
活性物質なしの半固体組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 85g
水 15g
GMO及び水を振盪によって混合し、偏光によって証明されたGMOの層状相が得られた。
組成物は、テストシステムNo.1で生物付着力を試験した。約84%w/wのGMOの残留量が試験後に見いだされた。
組成物は、テストシステムNo.3(ウォッシュオフ能)でも生物付着力を試験した。スコア4は、組成物が生物付着性であると示すことが見いだされた。
実施例4
スプレー可能な水含有の組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 50g
エタノール 40g
水 10g
GMOをエタノールと水との混合物に添加した。混合物を、最後に強力に振盪した。
実施例5
活性物質なしの半固体(無色ゲル)組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 65g
グリセロール 35g
GMO及びグリセロールを振盪によって混合した。
得られたゲルの液晶構造は、偏光によって証明された立方晶である。
組成物はテストシステムNo.3(ウォッシュオフ能)で生物付着力を試験した。4〜5のスコアは、組成物が生物付着性であると示すことを見いだしている。
実施例6
活性物質なしの液体組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 50g
エタノール 30g
グリセロール 20g
GMOをエタノールと混合し、グリセロールを、攪拌しながら得られた混合物に添加した。
組成物はテストシステムNo.1で生物付着力を試験した。約81%w/w GMOの残留量が試験後見いだされた。
実施例7
活性物質なしの液体組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 60g
エタノール 30g
ベンジルアルコール 10g
GMOをエタノールと混合し、ベンジルアルコールを、攪拌しながら得られた混合物に添加した。
組成物はテストシステムNo.1で生物付着力を試験した。約87%w/w GMOの残留量が試験後見いだされた。
実施例8
活性物質なしの半固体組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した、
ディモダン▲R▼LS 65g
水 35g
水をディモダン▲R▼LSに強力攪拌下で添加した。
組成物はテストシステムNo.3(ウォッシュオフ能)で生物付着力を試験した。4〜5のスコアは、組成物が生物付着性であると示していることを見いだしている。
実施例9
活性物質なしの噴霧可能組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
ディモダン▲R▼LS 60g
エタノール 40g
エタノールをディモダン▲R▼LSに混合した。
組成物はテストシステムNo.1で生物付着力を試験した。約95%w/w GMOの残留量が試験後見いだされた。
実施例10
GMO含有ペレット(GMO11%w/wに相当)の製造
約100〜200μmの粒径を有する不活性コアを、2種の異なった膜形成材料で被覆した。内覆は、コロイド状エチルセルロースと可塑剤との水性分散液であるスレレアーゼ(Surelease)(カラーコン(Colorcon))であった。外覆は、エタノールの80%溶液として適用されたGMOであった。
組成物は、テストシステムNo.1で生物付着力を試験した。適用された量は55mgのペレットであった。約72%w/wのGMOの残留量が試験後に見いだされた。
実施例11
GMO含有ペレット(GMO18%w/wに相当)の製造
約100〜200μmの粒径を有する不活性コアを、2種の異なった膜形成材料で被覆した。内覆は、コロイド状エチルセルロースと可塑剤との水性分散液であるスレレアーゼ(カラーコン)であった。外覆は、エタノールの80%溶液として適用されたGMOであった。
組成物は、テストシステムNo.1で生物付着力を試験した。適用された量は55mgのペレットであった。約68%w/wのGMOの残留量が試験後に見いだされた。
実施例12
活性物質なしのスプレー可能な組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 60g
エタノール 40g
エタノールをGMOに添加し、混合した。
組成物は、テストシステムNo.1で生物付着力を試験した。約81%w/wのGMOの残留量が試験後に見いだされた。
実施例13
活性物質なしのスプレー可能な組成物の製造
組成物は以下の成分から製造した:
GMO 60g
エタノール 40g
エタノールをGMOに添加し、混合した。
組成物は、テストシステムNo.1で生物付着力を試験した。
テストシステムは、粘液層が除去された兎空腸の断片を用いた点において変更した。約82%w/wのGMOの残留量が試験後に見いだされた。
実施例14
生物付着力における活性物質の濃度の影響の研究
組成物を、それぞれGMO/エタノール60/40%w/w溶液又はGML/エタノール60/40%w/wの溶液に、ミコナゾールの異なった量を添加することによって製造した。以下に示した表において、結果は、テストシステムNo.1で組成物の試験を行った後の生物付着力に関して示す。
Figure 0004137179
結果は、約6〜8%w/wまでの濃度でミコナゾールを含有する組成物は生物付着性であることを示す。組成物中における薬物の高濃度は、負の方向へ生物付着力に影響するようである。
多くの場合において、活性物質は、立方晶相で溶解することが見いだされている。立方晶相における活性物質の溶解度が限界を越えている場合、立方晶相構造は妨害され、他の液晶相が形成されるかもしれない。上記に示された結果は、もとの場所で形成された時、GMO及びGMLの立方晶相が最強の生物付着性結晶相であることを示す。
実施例15
活性物質としてメトクロプラミドからなる生物付着性組成物の製造
種々の濃度のメトクロプラミドからなる組成物を、メトクロプラミドの適当量をGMO/エタノール60/40%w/w溶液に添加し、次いで混合物を攪拌することによって製造した。組成物は、テストシステムNo.1にそれらを付すことにより生物付着性を試験した。その結果を以下に示す。
Figure 0004137179
結果は、少なくとも5%w/wのメトクロプラミドを含有するGMO/エタノール60/40%w/w溶液に基づく組成物が生物付着性であることを示す。
実施例16
硝酸イソソルビド含有生物付着性組成物の製造
組成物は、主にメトクロプラミドの代わりに硝酸イソソルビドを用いた以外は実施例15に記載したように製造した。しかし、硝酸イソソルビドはラクトースとの混合においてのみ利用できる。従って、組成物の製造は、硝酸イソソルビド/ラクトース及びエタノールの混合物からのエタノール中にわずかに溶解するラクトースの濾過を含む(硝酸イソソルビドは自由にエタノールに溶解する)。ラクトースは濾過して除去し、溶融したGMOを攪拌下に添加した。
テストシステムNo.1を採用した組成物の生物付着力の結果を以下に示し、実施例15で得られたものと同様の状況、つまり、生物付着性混合物(例えばGMOとエタノールの混合物)に基づく組成物は、薬物、例えば硝酸イソソルビドが少なくとも5%w/wの濃度で添加された場合であっても、それらの生物付着力を維持することを示す。
Figure 0004137179
実施例17
生物付着性媒体に基づく活性薬物を含有する組成物の試験
種々の異なった濃度の活性薬物を含有する組成物を一般的な方法を用いて製造した。製造された組成物は、それら自体で生物付着性となることが証明されている濃度におけるGMO及びエタノールの混合物に基づく。活性薬物を含有する組成物は、テストシステムNo.1を用いた生物付着力を試験した。その結果を以下に示す。
Figure 0004137179
Figure 0004137179
結果は、試験された全ての組成物が、表された濃度で採用された活性物質のいずれも、採用された媒体(比較的高濃度のイソソルビド一硝酸塩及びジクロロフェナックを除いて)の生物付着力において負の影響を有するものでないことを示し、生物付着性を有することを示す。この観察は、液晶相(おそらく立方晶相)のその場における生成は、上記に示された濃度において試験された活性物質によって著しく影響を受けないことを示す。一般的な作用理論は、粘膜表面と生物付着性を有する脂肪酸エステルからなる組成物との間の生物付着の確立は、水性媒体に組成物をその場で付した後のその場での液晶相の生成に依存するということである。おそらく、立方晶相のその場での生成は、生物付着の確立を招く。従って、幾つかの因子が組成物、例えば、問題となる組成物における活性物質の技術や構造、活性物質の物理化学的特性及び活性物質の濃度等の生物付着力に影響するかもしれない。もし、活性物質の濃度が高くなりすぎると、組成物の生物付着性液晶相の形成能が負に影響するかもしれない。
実施例18
GMO又GMLベース組成物の生物付着力における異なった賦形剤又は溶媒の影響の研究
種々の賦形剤又は溶媒の影響を研究した。種々の組成物を上記に述べたように製造し、テストシステムNo.1を用いて生物付着力試験を行った。その結果を以下に示す。
Figure 0004137179
上記に示された結果は、適切な賦形剤又は溶媒、例えば活性物質のため可溶化剤と知られている薬剤又は放出制御剤として知られている薬剤(つまり、それを添加した場合に組成物から活性物質の放出を調整又は制御することができる薬剤)の添加は、薬剤(賦形剤又は溶媒)を比較的低い濃度(約10%w/w未満)で添加した場合、組成物の生物付着力に顕著に影響しないことを示す。このように、生物付着性を有することが証明されている組成物からの活性物質の放出は、放出制御剤(例えばグリセロール、ごま油、大豆油、レシチン、コレステロール等)の量を調整することにより制御することができる。さらに、もし必要ならば、生物付着性組成物で使用するための活性物質の可溶化剤又は脂肪酸エステルは、例えばベンジルアルコールを使用することにより、組成物の生物付着性に顕著に影響せずに、有効かもしれない。要するに、本発明の生物付着原理は、与えられた環境下で好ましい又は必要である薬物局在、薬物放出プロファイル及び薬物持続期間を有する生物付着性薬物組成物を開発することに関して高い可能性を有している。よって、本発明は、生物付着性ドラッグ・デリバリー・システムを得るための非常に柔軟な原理を見いだしている。
実施例19
GMOの液晶相における活性物質の存在の研究
本研究は、液晶相を形成しうる媒体における活性物質の取り込みが、液晶相における活性物質の取り込みを導くか否かを研究するために行った。
さらに、本研究は適用されたサンプルの回収率を試験するために行った。
親油性(ミコナゾール)及び親水性(塩酸リドカイン)の活性物質を、それぞれ、生物付着力用兎空腸モデル(テストシステムNo.1)に塗布した。2%w/wのミコナゾール又は塩酸リドカインのいずれかを取り込んだGMO/エタノール 60/40%w/w媒体を用いた。GMO/エタノール媒体はそれ自体生物付着性である。10秒間の流通時間の後(t=0に対応)、塗布されたサンプルを除去し、塗布された活性物質の含量を分析した。実験はGMO/エタノール/活性物質の組成物の同量を塗布することを繰り返したが、流通時間は、例の通り30分間であった(実験の終了)。
上述したように、サンプルは、それぞれ、ミコナゾール及び塩酸リドカインの含量を分析した。以下の分析法を採用した。
塩酸リドカイン
塩酸リドカインの含量をHPLC法により測定する。
T:組成物を30mlのメタノールに溶解し、50ml容量フラスコに定量的にそれを移した。50.00mlまでメタノールを添加した。
R:100.00mg塩酸リドカインを100ml容量フラスコに秤量した。1000μlを移動相で50.00mlに希釈した。
UV検出器及びインテグレータを有した適当な液体クロマトグラフでT及びRを分析する。
カラム:綱カラム、長さ25センチ×4.6mmi.d.
固定相:ヌクレオシル C−18、10μm
移動相:メタノールR:酢酸:トリエチルアミン:水
(50:1.5:0.5:48)
流通:1.5ml/分
温度:室温
検出:254nm
注入:20μlループ
保持時間:塩酸リドカイン:約3分
計算:
Figure 0004137179
ここで、ATは試験溶液の面積T、ARは標準溶液の面積R、nは秤量された標準品の量(g)、mは腸管に塗布した組成物の量(g)、塩酸リドカイン%は%w/wとして測定した組成物における塩酸リドカインの含量。
ミコナゾール
ミコナゾールの含量もHPLC法により測定した。
T:組成物を30mlのメタノールに溶解し、50ml容量フラスコに定量的にそれを移した。50.00mlまでメタノールを添加した。
R:100.00mgミコナゾールを100ml容量フラスコに秤量した。1000μlを移動相で50.00mlに希釈した。
UV検出器及びインテグレータを有する適当な液体クロマトグラフでT及びRを分析する。
カラム:綱カラム、長さ25センチ×4.6mmi.d.
固定相:スフェリソーブ(Spherisorb)ODS 1,S5
移動相:メタノールR:緩衝液(85:15)
流通:1.0ml/分
温度:70℃
検出:230nm
注入:20μlループ
保持時間:ミコナゾール:約8分
緩衝液:0.05M NH42PO4(1000ml水中5.75g)
計算:
Figure 0004137179
ここで、ATは試験溶液の面積T、ARは標準溶液の面積R、nは秤量された標準品の量(g)、mは腸管に塗布した組成物の量(g)、ミコナゾール%は%w/wとして測定した組成物におけるミコナゾールの含量。
得られた結果を以下に示す。他の実験において、塗布した両組成物が、GMOの残留量を試験することによって生物付着性となることが見いだされている。しかし、組成物を兎空腸から除去した場合に、塗布した活性物質のいくらかが失われる恐れがあり、従って、以下の結果は最小値とみなすべきである。
Figure 0004137179
結果は、親油性物質ミコナゾールの回収率は、流通時間に関係なくほぼ100%であることを示す。これは、ミコナゾールは、組成物の兎腸管への塗布によって組成物を水性媒体に付した後に形成される液晶相に取り込まれ又は取り囲まれることを示す。さらに、ミコナゾールは、その場で形成された液晶相から非常にゆっくりと放出されると理解され得る。
塩酸リドカインは、親水性物質である。塗布された活性物質の約50%が、兎空腸の初期の水和(10分)後に放出され(つまり、t=0時)、ほとんどすべての塩酸リドカインが、30分の流通時間後に放出される。しかし、塩酸リドカインの回収率が低いのは、おそらく活性物質が自由に水に溶解するためである。よって、塩酸リドカインは、この場合においても、おそらく組成物の塗布によって形成される液晶相に取り込まれ又は取り囲まれるが、塩酸リドカインの水への溶解度は非常に高いので、迅速に溶解し、液晶相から放出される。
要するに、上記に報告した実験は、GMO及び活性物質がエタノール中に溶解した組成物が、その場で液晶相を含有する活性物質形成のための前駆体として作用する、つまりそのような組成物がその場で生物付着性になることを示す。
実施例20
GMO含有組成物の相転移
皮膚又は粘膜に塗布した後にその場で生物付着性である組成物を得ることに関して、現在の作用理論は、生物付着性脂肪酸エステルを含有する生物付着性組成物を見込むことは、その場で液晶相の形成のための前駆体として作用することを可能にすること、つまり、組成物は、塗布部位で組成物を水溶性環境に付すか又は接触させた後、液晶相を形成することができるにちがいないということである。たぶん、生物付着性効果をもたらす脂肪酸エステルの立方晶相のその場での形成である。
以下で、本発明の使用のための適当な組成物の結晶構造を測定することを可能にする試験を説明する。試験は、例えば、層状、六方晶又は立方晶相におけるGMOの存在の測定を可能にし、適当な塗布部位に塗布する前後における組成物を試験することを可能にする。GMO又は他のグリセロール脂肪酸エステル中の種々の液晶相の存在に関して、優秀な報告が、ACS Symp.Ser.(1991),pp251-265,American Chemical Societyにおいてエリクソンらによって、及びガンストーンらにより編集された脂質ハンドブックの8章(層状及び六方晶液晶相と表題された8.2.1)においてラルソンによってなされている。要するに、層状相は、比較的低い水含量(20%w/w以下)で及び約37℃の温度で優位なものであり、一方、立方晶相は、水含量の増加(約20%w/wより大)につれて優位をしめるものである。
A.示差走査熱量計(DSC)によって測定されたGMO組成物の相転移
DSC測定は、パーキン エルマー ユニックス DSCモデル7示差走査熱量計を用いて行った。加熱速度は5℃/分であり、走査温度は15℃〜60℃であった。サンプルを、シールアルミニウムパン(パーキン エルマーNo.BO14−3017)に納め、対照として空のアルミニウムパンを用いた。相転移は、比較的小さなエンタルピー変化のみを引き起こし、従って、試験されたサンプル量は約30mgに最適化した。
以下の組成物を試験した、
1.GMO/水 85/15%w/w
2.GMO/水/リドカイン塩基/塩酸リドカイン
62/33/1.7/3.3%w/w
3.GMO/水/リドカイン塩基/塩酸リドカイン
62/33/2.5/2.5%w/w
結果を図3〜5に示す。DSC実験は、相転移がどの温度で起こるかの情報を示す。DSC測定単独では、含まれている特定の相(例えば、層状、立方晶、六方晶等)の情報は与えない。しかし、この場合のようなDSC結果を、例えば偏光(以下のB参照)における組成物の観察からの結果と比較すれば、結晶相及び転移温度における情報が得られる。
組成物No.1に関して、DSC及び偏光測定からの結果は、層状相が室温で存在し、温度が上昇した場合に層状相が立方晶相に変化することを示している(図3)。転移温度は約37℃である。組成物No.2に関して、組成物No.1と同様の状況が観察される(図4)。この場合における転移温度は約30℃である。組成物No.3に関して、他の相転移は観察されない(図5)。
B.偏光分析によって測定されたGMO組成物の相転移
液晶相は、また偏光を用い、偏光フィルターを装備した立体顕微鏡を使用して測定することができる。逆ミセル(L2)の外観は、液油として見られ、層状相(Lα)は粘液様であり、偏光中で複屈折である。立方晶相の外観は、非常に粘性でかつガラス−透明サンプルのようである。偏光において立方晶相(Q)は、光を反射しないことを示す詳細のない黒背景を示す。層状相は、黒背景においてパイプクリーナーのような構造を示し(図6)、立方晶相は異なるパターンを示すが、ほとんどの場合において、モザイク様構造のようである。
方法が、種々の生物付着性組成物の相挙動の試験において用いられた。組成物は、生物付着性の試験No.1に付した後、結晶相を試験した、つまり形成された液晶相は、兎空腸に適用した後及び組成物を水性媒体に付した後に試験した。試験された組成物はGMO/エタノール中に溶解された問題の活性物質を含有する、つまり、液晶相は初期に存在しない。
以下の組成物を試験した、
1.GMO/エタノール 60/40%w/w
2.組成物1と3%w/wエストラジオール
3.組成物1と5%w/wインドメタシン
4.組成物1と10%w/wイソソルビド一硝酸塩
5.GMO/ミコナゾール 97/2%w/w
6.GMO/ミコナゾール 92/8%w/w
組成物は、テストシステムNo.1での試験後すぐに除去し、結晶相を室温にて偏光中で試験した。全ての組成物において立方晶相が形成されていた。組成物No.1において、結晶沈殿物は観察されなかった。組成物No.2において、エストラジオールの結晶が沈殿しており、結晶は液晶相中に含有されていることが観察された。組成物No.3において、インドメタシン結晶の沈殿が約20分後に観察された。さらに、組成物No.3に関して層状相を有した領域も観察された。組成物No.4〜6における液晶相も立方晶であることが観察された。他の実験は、組成物No.4が部分的にのみ生物付着性であり(テストシステムNo.1で試験された場合に残留量が約30%)、組成物No.6において結晶沈殿が観察されたことを示している。
要するに、組成物No.1〜3及び5〜6は、他の実験において生物付着性であることが証明されている。その結果は、立方晶相が活性物質の存在と関係なく形成されることを示している。その結果は、立方晶相の形成は生物付着性を達成するために必要であるが、確かな結論を引き出すことはできない。しかし、その結果は、立方晶相がその場で形成され、次いで組成物が生物付着性になる場合を示す。
C.X線回折によって測定されたGMO組成物の相転移
改良回折熱図(DTP)カメラを用いた。ソースは1.5418Åの波長でKα線を放射するCu−アノードを装備したX線チューブであった。X線ジェネレータはフィリップスPW1729であった。
液晶状態は低角度X線回折及び偏光中でのその外観によって同定することができる。3つの液晶(液晶は、本明細書では液晶と同義で用いている)の固有X線回折図(層状、六方晶、立方晶)は、以下の順で回折線を生じさせるだろう。
1:1/2:1/1:4……(層状)
1:1/√3:1/4:1/√7……(六方晶)
1:1/√2:1/√3:1/√4:1/√5:1/√6:1/√8……(立方晶)
立方晶型の場合、2つの異なった格子が異なった回折線を生じさせるだろう。
方法B及びCは、種々の組成物の相挙動を試験する場合に使用した。試験の組成物及び結果を以下に示す。
以下の組成物は試験した組成物の前駆体である。前駆体組成物は単一溶液であり、エタノールを溶媒として使用した。水は前駆体組成物に含有されておらず、よって液晶相が存在しない。
前駆体組成物:
1.GMO/エタノール/ミコナゾール 57/38/5%w/w
2.GMO/エタノール/レシチン 55/40/5%w/w
3.GMO/イソソルビド一硝酸塩 97/3%w/w
4.GML/エタノール/リドカイン塩基/塩酸リドカインリドカイン 57/38/2.5/2.5%w/w
5.GML/エタノール/リドカイン塩基/塩酸リドカインリドカイン 58.2/38.8/1.5/1.5%w/w
Figure 0004137179
実施例21
生物付着性と米国特許5,262,164号(プロクター アンド ギャンブル カンパニー)に開示の選択GMO含有組成物及びエリゾール▲R▼デンタルゲルの粘度とにおける研究
本研究は、上述の米国特許に開示されている組成物及びエリゾール▲R▼デンタルゲルが生物付着性を有しているか否かを試験するためになされた。プロクター アンド ギャンブル カンパニーによる試験された組成物は、米国特許5,262,164号の実施例I〜IIIに開示されている。
試験された組成物は以下の組成を有する:
US5,262,164号による組成物:
実施例I:塩酸テトラサイクリン 49.9%w/w
ヒドロキシプロピルセルロース 2.5%w/w
グリセリンモノオレアート 47.6%w/w
実施例II:リン酸クリンダマイシン 35%w/w
ヒドロキシプロピルセルロース 5%w/w
レシチン 25%w/w
グリセリンモノオレアート 30%w/w
ポリエチレングリコール400 5%w/w
実施例III:メトロニダゾール 30%w/w
ヒドロキシプロピルセルロース 5%w/w
レシチン 15%w/w
グリセリンモノオレアート 30%w/w
以下に明確に示された結果は、試験された組成物のいずれも生物付着性を有していないことを示す。
Figure 0004137179
実施例22
リドカインを含有する生物付着性組成物の溶解速度
リドカイン塩基と塩酸リドカインとの混合物を含む生物付着性組成物からのリドカインの溶解速度を、1.77cm2の拡散面積を有するフランツ拡散セルを使用して測定した。その研究は37℃の温度で行い、拡散膜としてメディセル インターナショナル リミテッドのセルロース膜を用いた。用いた膜は約2.4μmの孔径を有し、約12000〜14000より大きな分子量を有する粒子を保持する。適用の前、膜を前処理し、蒸留水で徹底的に洗浄した。レセプターとして、等張0.05Mリン酸緩衝液pH6.3(ダニッシュ ドラッグ スタンダードDLS)を使用し、媒体は300rpm.で磁気攪拌した。
セルロース膜は、用いたレセプター媒体において30分間37℃にて平衡化させた。拡散セル中に膜をおいた後、試験すべき組成物の適量をシリンジによって適用し、拡散のために膜の全面積に組成物を均一に分布するように注意した。次いで、リン酸緩衝液を適当な時間間隔でレセプター部に負荷し(時間t=0)、lmlサンプルを取り出し、リドカインの含量を分析した。取り出したレセプター媒体の量を新しいレセプター媒体1mlと置き換えた。用いたHPLC法は以下のようであった:
移動相:メタノール:氷酢酸:トリエチルアミン:水(50:1.5:0.5:48)20%v/vの水をこれに添加した
カラム:ヌクレオシル C18,10μm,25cm2,4.6mm i.d.
カラム温度:室温
流速:1.5ml/分
波長:254nm
感度:最低検出可能濃度は約5μg/mlに対応する
分析は取り出したサンプル中のリドカインの総量でおこなった(リドカイン塩基と塩酸リドカインとの判別は行っていない)。
試験した組成物は、
1.1%w/wリドカイン塩基及び1%w/w塩酸リドカインを含有するGMO/水 65/35%w/wからなる組成物
2.3%w/wリドカィン塩基及び3%w/w塩酸リドカインを含有するGMO/水 65/35%w/wからなる組成物
3.5%w/wリドカイン塩基及び5%w/w塩酸リドカインを含有するGMO/水 65/35%w/wからなる組成物
適用した量は約350mgであった。
結果を2回の試験の平均値として以下に示す。
Figure 0004137179
結果は、GMOベース媒体からのリドカインの放出は、用いられたリドカインの濃度とは独立していることを示している。ただし、放出は立方晶相系から起こる。さらに、結果は、GMOベース媒体がドラッグ・デリバリー・システム(たぶん拡散制御ドラッグ・デリバリー・システム)として機能する可能性を有することを示している。
ブタの頬粘膜を含む実験に関して、その結果は、予測していたように、膜を通しての拡散速度が、セルロース膜について測定された溶解速度に比較して低いことを示している。その結果は、ドラッグ・デリバリー・システムとして生物付着性脂肪酸エステルを含有する生物付着性組成物の可能性の明確な説明を示している。
実施例23
GMO/エタノール溶液のスプレー適用後の経時グリセリンモノオレアート(GMO)の生物付着性特性の試験的研究
研究のねらいは、経口スプレー投与後のGMOの回収率を測定することによって、グリセリンモノオレアート(GMO)の生物付着性を評価することである。研究はオープン・パイロット・スタディとして計画され、3人の健康はデュメックス従業員が研究に参加した。
研究材料
適用されたスプレーはGMO/エタノール 60/40%w/w(バッチNo.BDM29)の組成物であった。マウスリンスは20mlの45%w/wエタノール水溶液であった。
方法
溶液を、溶液250〜300mgに対応する各か所に一吹き(合計三吹き)スプレーすることによって、舌及び頬粘膜に適用した。適用した溶液の量は、使用前後のブスレーボトルの重量を計ることによって測定した。
溶液を適用した後、被験者は飲み込むことは認められた(GMO/エタノール及び唾液)。しかし、試験期間中、飲食は認められなかった。
サンプルはt=0,15,30,45,60,90,120分に応じて採取された(tは塗布後の時間)。所定の時間の後口はゆすがれた。45%水性エタノールで口をゆすぐこと及びサンプル容器に直接GMO溶液をスプレーすることによって、2つのコントロールがつくられた。採取されたサンプルは分析されるまで−18℃でフリーザーにて保持した。
試験的調査は、20mlの45%水性エタノールで15秒間口をゆすぐことにより、非常に変化しやすいが許容することができる回復率を得たことを示している。
評価
サンプル中のGMO含量が以下のHPLC法によって測定された。
口のゆすぎからの溶液を50ml容量フラスコに移し、96%エタノールを総容量50.00mlになるまで添加した。試験溶液はTと示す。
Rと示す標準溶液を50ml容量フラスコ中で100.00mgグリセリンモノオレアート(GMO)を秤量して調製し、総容量50.00mlになるまでメタノールを添加した。
T及びRを、UV検出器及びインテグレーターを備えた適当な液相クロマトフラフで分析した。
カラム:綱カラム、長さ25センチ×4.6mmi.d.
固定相:スペルコシル LC−18 DM、5μm
移動相:メタノールR:水:緩衝液(840:120:40)
流通:1.2ml/分
温度:室温
検出:214nm
注入:20μlループ
保持時間:GMO:約24分
緩衝液の調製
酢酸ナトリウム(CH3COONa,3H2O)13.33gを1000ml容量フラスコに秤量し、500mlのH2Oで溶解する。氷酢酸5.8mlを添加する。1000mlまで水を添加する。塩酸(2N)でpH3.5に調節する。
GMOの回収率を以下の計算によって測定した。
計算:
Figure 0004137179
ここで、ATは試験溶液の面積T、ARは試験溶液の面積R、nは秤量された標準品(g)の量、mは使用前後のスプレーボトルを秤量することにより確認した適用溶液の量、GMO%は%w/wとして測定された溶液におけるGMOの含量。
結果
参加した3名の被験者(男1名、女2名)
試験は、デュメックスA/S機関(コペンハーゲン)で、1995年第2週に行った。
その結果を以下の表1及び図7に示す。
Figure 0004137179
GMOの回収率は15分後、約10%に減少しており、続いて次の時間に渡って非常にゆっくり約5%にまで減少している。
その結果は、適用された組成物の大部分が口中粘膜に付着することを促進しないことを示している。これは、たぶん、組成物を脂ぎらせることを導く組成物と唾液との初期反応の観察及び次いで、組成物の脂ぎった部分が飲み込まれるためであると思われる。しかし、t=15分〜t=120分の時間間隔からの結果は、口中粘膜に実際に付着する組成物の量が、この期間中一定の状態であることを示す。

Claims (8)

  1. i)脂肪酸エステルを塗付するために空腸の粘膜層を上面にして、ステンレス鋼の支持体上に長手方向に切断した兎の空腸の断片を載置し、
    ii)得られた支持体を37℃±0.5℃に温度調節し、相対湿度約100%に保持された円筒状セルに−21°±2°の角度で載置し、
    iii)支持体上の空腸を0.02Mの等張リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で、流速10ml/分で5分間フラッシングし、
    iv)支持体上の空腸粘膜の表面領域(約0.8×6cm)に、脂肪酸エステル(約100mg)のサンプルを正確に計った量を塗付し、
    v)塗付したサンプルにリン酸緩衝液約1mlを滴下し、
    vi)工程v)から得られたサンプルを、サンプルと空腸の糖蛋白質とを相互作用させるために10分間セル中に放置し、
    vii)流速10ml/分で30分間、リン酸緩衝液(pH6.5、37℃)で、サンプルを適用した空腸をフラッシングし、
    viii)工程vii)で得た洗浄液を回収し、かつ
    ix)洗浄液中のサンプル量を測定するか、又は空腸に残る量を測定することにより、空腸に残るサンプルの残留量を算出することからなる生物付着性テストシステムで試験した場合、
    脂肪酸エステル又は脂肪酸エステルの組み合わせ或いは脂肪酸エステルと活性物質若しくは保護物質との組み合わせを含む組成物が少なくとも60%w/w残留量となり、
    脂肪酸エステルの脂肪酸成分が、オレイン酸又はリノール酸を含み、脂肪酸エステルが、グリセリンの脂肪酸モノエステルからなる群から選択される
    脂肪酸エステル又は脂肪酸エステル組み合わせで含む、剪断速度120秒-1かつ
    温度20℃±0.5℃で測定して最大500mPaSの動的粘度を有する医薬組成物。
  2. 残留量が、少なくとも70%w/wである請求の範囲1に記載の組成物
  3. 脂肪酸エステルが、水性媒体との接触において液晶相を形成する脂肪酸エステルである請求項1又は2に記載の組成物
  4. ト又は動物用である請求の範囲1〜のいずれか1つに記載の組成物
  5. 脂肪酸エステルの濃度が、医薬組成物に対して計算して、少なくとも約6%w/w、かつ最大約95%w/wである請求の範囲1〜のいずれか1つに記載の組成物
  6. トのような動物の損傷を受けていない、受けた又は炎症した皮膚又は粘膜に適用するための、それを通して適用するためのあるいは爪へ適用するためのものである請求の範囲1〜のいずれか1つに記載の組成物
  7. 粘膜が口、鼻、膣、直腸、耳、肺及び胃腸粘膜から選択される請求の範囲に記載の組成物
  8. 霧剤の形態である請求の範囲1〜のいずれか1つに記載の組成物
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