JP4136045B2 - ゴムクロ−ラ用芯金 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴムクロ−ラ用芯金に関し、特に言えば、芯金の横ずれに起因する脱輪を防止するためのハイスティッフタイプの芯金の改良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、農業用機械はもとより、建設用及び土木作業用機械の走行部としてゴムクロ−ラが広く使用されるようになってきた。かかるゴムクロ−ラは、無端状ゴム弾性体中にその幅方向に横並べされて埋入された芯金と、これを外囲いしたスチ−ルコ−ドよりなっている。そして用いられる芯金は、一般には中央部がスプロケットとの係合部となり、その左右の翼部がゴム中に埋入されており、隣り合う芯金間にあっては夫々動きを全く拘束することがなく、ゴム弾性体の動き得る範囲内では芯金が夫々独自の動きをすることとなっていた。例えば、転輪の通過時や小石等に乗り上げた際の前後への揺れや上下動或いは傾き等である。更には、旋回時や傾斜地走行における芯金の横ずれであり、場合によっては、ゴムクロ−ラの逆曲げ現象をも誘発することとなる。
【0003】
このゴム弾性体中の芯金の動きに対して機体に固定されたスプロケットや転輪は常に一定の軌道を通ることとなるから、相対的に予定された芯金との関係がずれることとなる。特に、芯金の横方向のずれに起因する脱輪の発生が生じることから脱輪対策が要求されている。
【0004】
このため、隣り合う芯金間において相互に干渉させる構造のいわゆるハイスティッフタイプの芯金が提案されている。これは芯金の左右の翼部に前後端より前後方向を逆にして嵌合可能な凹凸係止部を備えたものである。図5はこのハイスティッフタイプの芯金Bの正面図であり、図6はその外周側平面図である。図中、符号111 、112 は左右の翼部、12はスプロケット係合部、13は角部であり、左右の翼部111 、112 の前後端141 、142 より逆方向に凹凸係合部151 、152 が形成されたものである。
従って、この芯金Bがゴム弾性体中に埋設された際には隣り合う芯金B、B同士の凹凸係止部151 、152 が向い合い、これらが嵌合することによって芯金B、B同士が干渉して規制し合い、横ずれが防止されることとなっていた。
【0005】
しかるに、このような脱輪性能の高い芯金にあっても、ゴムクロ−ラが小石等に乗り上げて逆曲げが生じ、更にこれに旋回等による横方向への力が加わった場合、両者の嵌合が解かれてしまい凹係止部15 2 内より凸係止部15 1 が脱れた状態となってしまうことがある。従って、このまま走行に供されれば脱輪の発生はほとんど確実なこととなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はハイスティッフタイプの芯金の改良に係るものであり、凹係止部と凸係止部とが脱れてしまった場合でもこれが元の位置に戻りやすくして脱輪を防止しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであって、第1発明の要旨は、ゴムクロ−ラを構成する無端状ゴム弾性体中に埋設される左右の翼部と、この翼部にはさまれたスプロケット係合部と、このスプロケット係合部をはさみゴムクロ−ラの内周側に突出する一対の角部と、左右翼部より前後に夫々逆向きに凹係止部と凸係止部を形成し、ゴムクロ−ラに埋設された際には夫々の係止部が嵌合する構造としたゴムクロ−ラ用芯金であって、凹係止部がゴムクローラの外周側に向かって先細となるように、凹係止部のクローラの幅方向外側の外表面を傾斜させたゴムクロ−ラ用芯金にかかるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
一般に、ゴムクロ−ラにあってはゴム弾性体の長手方向に抗張体としてスチ−ルコ−ド列が芯金を外囲いして配置され、しかもゴムクロ−ラ自体に弾力性があることから、芯金が横ずれした場合にも元の位置に戻そうとする力が働くこととなる。本発明はこの復元力を高度に利用したものである。
【0010】
即ち、ハイスティッフタイプの芯金にあって、ゴムクロ−ラに逆曲げと横方向の力が加わり、凹凸係止部の嵌合が脱れてしまった場合にもこの復元力がかかるものであって、この力によって元の嵌合状態に戻ることがある。これは隣り合う芯金の相互の動きによってきまってくるが、ここで凹係合部を固定して考えると、凹係合部内より凸係合部が脱れて凹係合部の内側或いは外側に飛び出してしまった場合、前記の復元力によって凸係合部は凹係合部の外表面を伝ってその端部を乗り越えて元の位置に戻ることとなる。
【0011】
本発明にあっては、この凸係合部が凹係合部の端部を乗り越え易くしたものであり、特に元の位置に戻る際に両係合部が対向し合う外表面に工夫を凝らし、乗り越え易いように凹係合部の表面を傾斜面としたものであり、この傾斜面を形成したことにより凸係合部が動き易くなり、凹係合内に滑り込むことになるのである。場合によっては凹係合部の外表面をゴムクロ−ラの内外方向に略半々位置より夫々傾斜面を付けることも可能である。尚、この傾斜面の傾斜角度は一般には8〜16度、好ましくは10〜14度である。
【0012】
【実施例】
以下、主として第1発明をもって更に詳細に説明する。
図1は第1発明のゴムクロ−ラ用芯金A1 の正面図、図2はその外周側平面図である。又、図3はゴムクロ−ラを構成するゴム弾性体10中に埋設された状態を示すゴムクロ−ラ断面図である。図の芯金A1 において、11 、12 は左右にのびる翼部であり、これにはさまれてスプロケット係合部2、更にはゴムクロ−ラの内周側より突出する一対の角部3が形成されている。そして、この例では角部3の外側に転輪が転動するための平面4が形成されている。そして、芯金A1 の左右の翼部11 、12 がゴム弾性体10中に埋設されるものであり、転動平面4はゴムクロ−ラ内周面に露呈し、角部3は内周面より突出している。尚、この翼部11 、12 の外周側にはスチ−ルコ−ド列5が配置されるものである。
【0013】
さて、かかる芯金A1にあって、翼部11、12の前後端61、62より角部3と重り合うように係止部7を形成したもので、この係止部7はその先端が前後方向に逆向きに凹係止部7 2 と凸係止部7 1 とをなしている。この凹係止部7 2 と凸係止部7 1 とはゴム弾性体10中に埋設された際には嵌合された状態(a)となっており、これによって特に隣り合う芯金A1 同士が干渉しあい横方向のずれを規制するものである。
【0014】
しかるに、ゴムクロ−ラに逆曲げが発生しかつ横方向に力が加わった場合には凸係止部7 1 が凹係止部7 2 内より脱れてしまうこととなる。これを図面では状態(b)で示す。
【0015】
さて、第1発明の特徴はかかる凹係止部72 の外表面即ちゴムクロ−ラの幅方向面をゴムクロ−ラの外周側に向かって先細となす傾斜面721、722(角度θ=12.5度)としたものである。従って、凸係止部71 が凹係止部72 内より脱れてしまった場合でも、スチ−ルコ−ド列5の張力及びゴムクロ−ラを構成するゴム弾性体10の弾力性とによって凸係止部71 がこの傾斜面721或いは722にて滑る方向に移動し、両者は元通りの嵌合状態に戻ることとなる。
【0016】
尚、凹係止部72 の外表面はゴムクロ−ラ外周側へ張り出すこととなるが、傾斜面721、722を形成したことによりゴムクロ−ラの外表面との間のゴム厚が大きくなるため損傷の程度が低くなるという効果をも併せもつものである。
【0017】
図4は参考発明の例を示す芯金A2の正面図であって、この場合には凹係止部72の外表面にゴムクロ−ラの内周側に向かって先細となる傾斜面723、724とした例であり、前例と同様にこの傾斜面723、724に沿って凸係止部71が滑り元の位置に戻ることとなる。
【0018】
【発明の効果】
本発明はゴムクロ−ラの基体となるゴム弾性体の弾性力とスチ−ルコ−ドの張力を利用し、ハイスティッフタイプのゴムクロ−ラの脱輪防止をもたらしたものであり、その実用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1発明のゴムクローラ用芯金の正面図である。
【図2】図2は図1の芯金の外周側平面図である。
【図3】図3は図1に示すゴムクローラ用芯金をゴム弾性体中に埋設されたゴムクローラ断面図である。
【図4】図4は参考発明のゴムクローラ用芯金の正面図である。
【図5】図5は従来の芯金の正面図である。
【図6】図6は図5の芯金の外周側平面図である。
【符号の説明】
A1,A2・・・・ゴムクローラ用芯金、
θ・・・・傾斜角度、
a・・・・凹凸係止部の嵌合された状態、
b・・・・凹凸係止部が外れた状態、
11、12・・・・翼部、
2・・・・スプロケット係合部、
3・・・・角部、
4・・・・転輪の転動面、
5・・・・スチールコード列、
61、62・・・・翼部の前後端、
7・・・・係止部、
71・・・・凸係止部、
72・・・・凹係止部、
Claims (3)
- ゴムクロ−ラを構成する無端状ゴム弾性体中に埋設される左右の翼部と、この翼部にはさまれたスプロケット係合部と、このスプロケット係合部をはさみゴムクロ−ラの内周側に突出する一対の角部と、左右翼部より前後に夫々逆向きに凹係止部と凸係止部を形成し、ゴムクロ−ラに埋設された際には夫々の係止部が嵌合する構造としたゴムクロ−ラ用芯金であって、凹係止部がゴムクローラの外周側に向かって先細となるように、凹係止部のクローラの幅方向外側の外表面を傾斜させたことを特徴とするゴムクロ−ラ用芯金。
- 傾斜面の角度は8〜16度である請求項第1項に記載のゴムクロ−ラ用芯金。
- 角部とほぼ重り合う位置に係止部を形成した請求項第1項に記載のゴムクロ−ラ用芯金。
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1997
- 1997-12-14 JP JP36317497A patent/JP4136045B2/ja not_active Expired - Fee Related
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