JP4134387B2 - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれらを用いためっきレジストの製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれらを用いためっきレジストの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれらを用いためっきレジストの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板の製造は、スルーホール導通部を無電解薄付けめっきと電解メッキとを併用して形成し、配線パターン部をエッチングで形成するサブトラクティブ法により主に行われている。一方、スルーホール導通部及び配線パターン部を無電解めっきで形成するアディティブ法が実用化されており、微細配線や小径スルーホールに適するため、高密度印刷配線板の製造方法として注目されている。
【0003】
このアディティブ法においては、高アルカリ(通常pH=11〜13.5)、高温度(通常60〜80℃)の無電解めっき液に長時間(通常4〜50時間)耐える無電解電気めっき用レジストが必要であり、また通常150μm(線幅及び間隔)の微細配線を形成するためには、スクリーン印刷用レジストでは困難で、フォトレジストが要求される。
【0004】
アディティブ法用のフォトレジストの提案が、特開昭50−43468号公報、特開昭54−770号公報、特開昭58−100490号公報、特開昭58−199341号公報、特開昭59−12434号公報、特開昭60−101532号公報などでなされている。しかしながらこれらの提案されたフォトレジストは、いずれも1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤を用いており、作業環境や処理コストの面で問題があった。更に、環境汚染の問題からハロゲン系有機溶剤の使用は規制されており、アディティブ法でも作業環境が良好で環境汚染の問題のない、すなわちハロゲン系有機溶剤を使用しない現像液を用いたフォトレジストによる印刷配線板の製造方法が求められている。
【0005】
アルカリ水溶液で現像可能な無電解めっき用フォトレジストとして、特開昭2−166452号公報には、無水マレイン酸とビニル基を有する芳香族炭化水素との共重合体にヒドロキシ(メタ)アクリレートを付加させた化合物と、カルボキシ基含有のエポキシアクリレートとを併せて含有する樹脂組成物に代表されるアルカリ現像型の樹脂組成物が開示されている。
【0006】
特開平2−230154号公報には、アルカリ水溶液で現像可能な銅のめっきレジスト材料として、スチレンとマレイン酸モノ−iso−プロピルの2元共重合体にグリシジルメタクリレートを付加した化合物に代表される重合体と、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル及びメタクリル酸の3元共重合体に代表される重合体とを併せて含有する光重合性組成物が開示されている。
【0007】
特開平5−72375号公報には、アルカリ水溶液で現像可能な無電解めっき用フォトレジストとして、親水基を有するモノマーの重合体を枝ポリマーとするグラフトポリマーとアルカリ水溶液に溶解又は膨潤するバインダーポリマーとを含有する感光性樹脂組成物が開示されている。
【0008】
特開平5−107760号公報には、アルカリ水溶液で現像可能な無電解めっき用フォトレジストとして、アルカリ水溶液に溶解又は膨潤するバインダーポリマーと、活性エネルギー線の照射により強酸を発生させる化合物とメチロール(メタ)アクリルアミド誘導体の共重合体とを含有する感光性樹脂組成物が開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの提案されたフォトレジストは耐無電解銅めっき液性の裕度が低く、めっき液のpHが高くなったり、めっき時間が長くなるとレジストのふくれや剥離が生じるなどの問題があり実用プロセスでの使用が難しい。更に、これらのレジスト中には多量のカルボン酸が残存しているために、pH12〜13のめっき液中でレジストが吸水膨潤する。この状態でめっき銅が析出した後、乾燥工程でレジストが乾燥収縮すると、レジストとめっき銅との間に間隙が発生するという本質的問題がある。この間隙の存在は、めっき後の工程で、使用する各種薬液の残留につながり、更に、ソルダーレジストが追従できないので、最終的に得られた印刷配線板の電気的な信頼性を大幅に低下させる。
【0010】
1〜10vol%の有機溶剤を含有するアルカリ水溶液を現像液とするフォトレジストとして特公昭47−39895号公報には、メタクリル酸及びメタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル及びイタコン酸共重合体、又はスチレン及びイタコン酸共重合体を含有する感光性樹脂組成物が開示され、また同様の現像液を用いるものとして、特開昭59−66289号公報には、メタクリル酸含有量が4〜12モル%、炭素数が3〜8のアルキル(メタ)アクリレートを共重合したポリマーを含有した感光性樹脂組成物が開示されている。これらの樹脂組成物について調べたところ、メタクリル酸含有量を多くした場合には、無電解銅めっき性が低下してレジストの一部が剥離したり、まためっき液を汚染してめっき速度が低下したり、あるいは析出しためっき銅の物性が低下し、メタクリル酸含有量の適性範囲が極めて狭いことが分かった。更に、永久レジストとして使用する場合の電気絶縁性やはんだ耐熱性が不足するという問題があることが分かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーにより効率良く形成でき、解像度及び無電解銅めっき性に優れ、めっき銅の異常析出やめっき液汚染がなく、永久レジストとして使用する場合には、はんだ耐熱性、電気絶縁性、耐電食性等に優れた無電解銅めっき用フォトレジストとして好適な感光性樹脂組成物及びこれを用いたレジストの製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、感度及び光硬化性に優れ、フォトリソグラフィーにより効率良く形成でき、解像度及び無電解銅めっき性に優れ、めっき銅の異常析出やめっき液汚染がなく、永久レジストとして使用する場合には、はんだ耐熱性、電気絶縁性、耐電食性等に優れ、また、取り扱い性、作業性に優れた無電解銅めっき用フォトレジストとして好適な感光性エレメント及びこれを用いたレジストの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)下記一般式(I)
【0014】
【化4】
Figure 0004134387
(式中、R1は炭素数1〜12の2価の飽和脂肪族炭化水素基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
で示される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂中の水酸基に対して、飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を、当量比(酸無水物基/水酸基)が0.08〜0.8の範囲になるように反応させて得られるカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物20〜90重量部、
(B)末端にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する光重合性不飽和化合物80〜10重量部(但し、(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とする。)、
(C)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤0.1〜20重量部(但し、(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とする。)及び
(D)下記一般式(II)で表されるイソシアネート化合物(式中、R4はm価の有機基を表し、mは1〜6の整数を表す。)とこれと反応し得る、ジケトン類、オキシム類、フェノール類、アルカノール類及びカプロラクタム類から選ばれる少なくとも1種のブロック剤とを反応して得られる下記一般式(III)で表されるブロックイソシアネート化合物(式中、R4はm価の有機基を表し、mは1〜6の整数を表し、R5は一般式(II)で表されるイソシアネート化合物とこれと反応し得るブロック剤が反応した際に得られるブロック剤の残基を表す。)を1〜30重量部(但し、(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とする。)を含有する感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0015】
【化5】
Figure 0004134387
本発明はまた、前記感光性樹脂組成物の層とこの層を支持するフィルムを有する感光性エレメントを提供するものである。
【0016】
本発明はまた、前記感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、乾燥後、像的に活性光を照射し、次いで現像を行うめっきレジストの製造方法を提供するものである。
【0017】
本発明はまた、前記感光性エレメントを用い、その感光性樹脂組成物の層を基板上に積層し、像的に活性光を照射し、次いで現像を行うめっきレジストの製造方法を提供するものである。
【0018】
本発明はまた、前記感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用い、 現像後に活性光線の照射工程及び加熱工程の一方又は両方の工程を有するめっきレジストの製造方法を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性樹脂組成物において(A)成分のカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物を得るのに用いられる一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂は、例えばエピハロヒドリン0.985〜1.015モルと二価多核フェノール1モルとを、水酸化アルカリ金属、例えば水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム0.6〜1.5モルと共に、通常、水性溶媒中、温度10〜50℃、エピハロヒドリンの少なくとも約60モル%が消費されるまで混合することにより製造できる。
【0020】
ここで用いられる二価多核フェノールとしては、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシナフチル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジフェニルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパンなどが好ましい。
【0021】
特に好ましいポリヒドロキシエーテル樹脂としては、下記構造式を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びエピクロロヒドリンから誘導される縮合ポリマーが挙げられる。このポリヒドロキシエーテル樹脂は数平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定し標準ポリスチレン換算したもの)が10,000〜20,000であることが好ましく、このようなポリヒドロキシエーテル樹脂はユニオンカーバイド社からフェノキシ樹脂(商品名 UCAR Phenoxy PKKH、PLHJ又はPKFE)として市販されている。
【0022】
【化6】
Figure 0004134387
(A)成分のカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物は、上記のポリヒドロキシエーテル樹脂をテトラヒドロフラン、モノグライム、ジメチルホルムアミド等の可溶性有機溶媒に溶解させ、必要によりトリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の触媒を用い、温度60〜115℃で飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を付加反応させることにより得られる。
【0023】
この反応の際、一般式(I)で示されるポリヒドロキシエーテル樹脂中の水酸基に対して飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を当量比(酸無水物基/水酸基)が0.08〜0.8の範囲になるように反応させることが必要である。この当量比が0.08未満では、現像残りが生じ、この当量比が0.8を超えると耐めっき液性が低下する。
【0024】
上記のポリヒドロキシエーテル樹脂中の水酸基に反応させる飽和又は不飽和の多塩基酸無水物の例としては、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチル2置換ブテニルテトラヒドロフタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水アルケニル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸のリノレイン酸付加物、無水クロレンド酸、メチルシクロペンタジエンの無水マレイン酸付加物、無水アルキル化エンドアルキレンテトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸等を挙げることができる。
【0025】
なお、密着性、耐めっき液性の点から、飽和又は不飽和の多塩基酸無水物の他に、更に、エチレン性不飽和基とイソシアネート基をそれぞれ1個有する化合物(例えば、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリル酸エチルイソシアネート等)を一般式(I)で示される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂の水酸基に反応させてもよい。この場合、当量比(イソシアネート基/水酸基)を0.1〜0.5の範囲として反応させることが好ましい。この当量比が0.1未満では、密着性、耐めっき液性等の向上効果が不十分となる傾向があり、0.5を超えるとゲル化する傾向がある。
【0026】
このようにして得られた(A)成分の使用量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜90重量部とする必要がある。(A)成分の使用量が20重量部未満では、現像性、はんだ耐熱性等が不良となる。また、90重量部を超えると、光感度、解像度、耐めっき液性等が低下する。
【0027】
本発明の感光性樹脂組成物を構成する末端にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する光重合性不飽和化合物である(B)成分としては、例えば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、例えば、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等)、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等)、多価カルボン酸(無水フタル酸等)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する化合物(β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル((メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等)、ウレタン(メタ)アクリレート(トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等)などを挙げることができる。
【0028】
(B)成分の使用量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、10〜80重量部とする必要がある。(B)成分の使用量が10重量部未満では、光感度、解像度、耐めっき液性等が低下する。また、80重量部を超えると、現像性、はんだ耐熱性等が不良となる。
【0029】
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)成分及び(B)の総量100重量部に対し、(C)成分の活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤を0.1〜20重量部含有する。光重合開始剤は0.1重量部未満では光感度が低く、20重量部を超えると形成されるネガティブパターンの形状が悪くなる。
【0030】
(C)成分の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製、イルガキュア651)、ベンジルジエチルケタール等のベンジルケタール類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−ブチルジシクロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のキサントン類、あるいはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0031】
また(C)成分として使用しうる光重合開始剤としては、例えば、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体と2−メルカプトベンゾオキサゾール、ロイコクリスタルバイオレット、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン等との組み合わせも挙げられる。また、それ自体では光重合開始性はないが、前記物質と組み合わせて用いることにより全体として光重合開始性能のより良好な増感剤系となるような添加剤、例えば、ベンゾフェノンに対するトリエタノールアミン等の三級アミンを用いることができる。
【0032】
(D)成分のブロックイソシアネート化合物を得るのに用いられる一般式(II)で表されるイソシアネート化合物としては、一般式(IV)で表されるイソシアヌレート型や一般式(V)で表されるビウレット型、一般式(VI)で表されるアダクト型等が挙げられ、特にイソシアネート骨格を持つイソシアヌレート型が密着性の面から好ましい。
【0033】
【化7】
Figure 0004134387
(一般式IV、V、VI中のR6〜R14は、互いに独立して、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数4〜6のシクロアルキレン基、該アルキレン基と該シクロアルキレン基を有する2価の炭化水素基又は炭素数6〜14のアリーレン基であり、前記基の水素原子は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
上記アルキレン基とシクロアルキレン基を有する2価の炭化水素基の具体例としては下記に示すものが挙げられる。
【0034】
【化8】
Figure 0004134387
ブロック剤としては、ジケトン類、オキシム類、フェノール類、アルカノール類及びカプロラクタム類から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。具体的には、メチルエチルケトンオキシム、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
【0035】
また、一般式(II)、(III)中のmは1〜6の整数であり、mが7以上だと、市販品の入手が困難である。
【0036】
(D)成分の使用量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して1〜30重量部とする。(D)成分が1重量部未満では、耐めっき性、はんだ耐熱性が不十分となり、30重量部を超えるとパターン形状が悪くなったり、無電解めっき液を汚染する。
【0037】
本発明の感光性樹脂組成物は、更に他の副次的成分を含有してもよい。そのような副次的成分としては、例えば、熱重合防止剤、染料、顔料、塗工性向上剤、密着性向上剤などが挙げられ、これらの選択は、通常の感光性樹脂組成物と同様の考慮の下に行われる。副次的な成分として、本発明の目的を損なわない範囲で少量のエポキシ樹脂を含有することもできる。
【0038】
次に、本発明の感光性エレメントについて詳細に説明する。
【0039】
本発明の感光性エレメントは、支持体フィルム上に前記感光性樹脂組成物の層を積層して形成することにより得られる。支持体フィルム上への感光性樹脂組成物層の形成は、常法により行うことができる。例えば、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトン、塩化メチレン等の有機溶剤に均一に溶解させ、この溶液を該支持体フィルム上にナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スピンコート法等で塗布し、乾燥することにより行われる。感光層中の残存溶剤量は、特性保持のために2重量%以下に抑えることが好ましい。
【0040】
本発明に用いられる支持体フィルムは、感光性エレメントの製造時に必要な耐熱性、耐溶剤性を有していることが好ましいが、テフロンフィルム、離型紙等の離型性フィルムを一時的な支持体フィルムとし、この上に感光性樹脂組成物の層を形成した後、この層の上に耐熱性あるいは耐溶剤性の低いフィルムをラミネートし、前記一時的な支持体フィルムを剥離して耐熱性あるいは耐溶剤性の低い支持体フィルムを有する感光性エレメントを製造することもできる。また、支持体フィルムは、活性光線に対して透明であっても不透明であってもよい。使用しうる支持体フィルムの例として、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の公知のフィルムを挙げることができる。
【0041】
長尺の感光性エレメントを製造する場合には、製造の最終段階で該エレメントをロール状に巻き取る。この場合、感圧性粘着テープ等で公知の方法を用い、背面処理した支持体フィルムを用いることにより、ロール状に巻き取ったときの感光性樹脂組成物の層の支持体フィルム背面への転着を防ぐことができる。同じ目的、更に塵の付着を防ぐ目的で、感光性エレメントの感光性樹脂組成物の層の上に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。
【0042】
剥離可能なカバーフィルムの具体例としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、テフロンフィルム、表面処理した紙などがあり、カバーフィルムを剥離するときに感光性樹脂組成物の層と支持体フィルムとの接着力よりも感光性樹脂組成物の層とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
【0043】
本発明の感光性エレメントを構成する感光性樹脂組成物の層の厚さは、無電解めっきにより析出させるめっき銅の厚さによって異なるが、通常10〜100μmとされる。
【0044】
本発明の感光性樹脂組成物を溶液として、基板上に塗布し、乾燥後、あるいは感光性エレメントとして、その感光性樹脂組成物の層を基板上に積層した後、像的に露光し、現像してめっきレジストが製造される。
【0045】
次に、本発明の感光性エレメントの使用方法について説明する。本発明の感光性エレメントの印刷配線基板上への積層は容易である。すなわち、カバーフィルムのない場合にはそのまま、カバーフィルムのある場合はカバーフィルムを剥離して又は剥離しながら、加熱、加圧積層する。加熱、加圧積層は、印刷配線板製造業者では周知の常圧ラミネータを用いて行うことができる。基板が、導体配線ラインの形成された印刷配線板のように10μm以上の凹凸のあるものの場合には、減圧又は真空下で積層することが好ましい。
【0046】
このための装置としては、特公昭53−31670号公報、特公昭55−13341号公報等に記載されている積層装置などがある。
【0047】
アディティブ法では、基板として、通常絶縁性基板が用いられる。絶縁性基板としては、紙フェノール、ガラスエポキシ等の積層板、鉄ホウロウ基板、アルミ板等の両面にエポキシ樹脂絶縁層を形成した基板等の金属芯入り基板などを使用することができる。これらの基板は、穴あけ後にめっき触媒を含む溶液に浸漬され、スルーホール内壁にめっき触媒をつけることもできる。このようなめっき触媒溶液としては、日立化成工業(株)製増感剤HS−101B等が使用できる。基板の表面には、めっき触媒の付着を良好とするためあるいは析出する無電解めっき銅の基板に対する密着性を良好とするため等に接着剤層を塗布することが好ましい。
【0048】
接着剤としては、フェノール変性ニトリルゴム系接着剤等のアディティブ法用接着剤として知られているものが使用できる。電食性及び耐熱性に優れる点で特開昭61−276875号公報に示されているエポキシ樹脂、エポキシ変性ポリイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の未硬化耐熱性樹脂中に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等の硬化処理された耐熱性樹脂の微粉末を分散した接着剤の使用も好ましい。また、基板自体の表面に微細な凹凸を形成することにより、めっき銅の基板に対する密着性を確保する方法もあり、この場合には接着剤層を特に必要としない。
【0049】
内部にPd化合物等の無電解銅めっきの触媒となる化合物を分散させた積層板もスルーホール内壁に無電解めっき銅を析出させる場合などに好ましい基板である。めっき触媒を内部に含んだガラスエポキシ積層板の表面にめっき触媒を含んだ接着剤を形成した基板として、日立化成工業(株)製積層板ACL−E−161などがある。このような基板を使用する場合には、新たにめっき触媒を付着させる工程は不要になる。めっき触媒の付着性を良好とするため、あるいは析出する無電解めっき銅の密着性を良好とするため、無電解めっき処理の前に接着剤層表面を粗化することが好ましい。粗化方法としては、重クロム酸ナトリウム又はクロム酸などを含む酸性溶液などに浸漬する方法があるが、公知の通り、粗化工程は無電解銅めっき工程の前であれば、感光性エレメントを積層する前であっても、後で述べるめっきレジストパターン形成後であってもよい。
【0050】
積層後の露光及び現像処理は、常法により行いうる。すなわち、支持体フィルムが活性光線に不透明である場合は、支持体フィルムを剥離した後、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を用い、ネガマスクを通して像的に露光する。露光前後の50〜100℃での加熱処理は、基板と感光性樹脂層との密着性を向上するために好ましい。
【0051】
現像処理に用いられる現像液としては、1〜90容積%の有機溶剤を含有するアルカリ水溶液を現像液として、像的に活性光線の照射された基板を浸漬するか、又は現像液をスプレーする等して行える。
【0052】
このようにしてめっきレジストパターンを形成した後、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を用いて、活性光線を再照射することが好ましく、めっきレジストの耐薬品性が向上する。紫外線の照射量としては0.2〜10J/cm2とすることが好ましく、この照射時に60〜150℃に加熱することが好ましい。
【0053】
更に、活性光線の再照射後、加熱処理を施すことが望ましい。加熱処理を行うことにより、耐無電解銅めっき液性やはんだ耐熱性が著しく向上する。加熱温度、加熱時間としては、例えば、それぞれ140〜220℃、30〜90分が挙げられる。
【0054】
また、本発明の感光性樹脂組成物の溶液をディップコート法、フローコート法等の方法で基板に直接塗布し、溶剤を乾燥後、直接あるいはポリエステルフィルム等の活性光線に透明なフィルムを積層後、前記の感光性エレメントの場合と同様にして、ネガマスクを通して像的に露光し、現像し、活性光線の露光及び加熱処理をすることによって前記と同様に特性の優れためっきレジストが形成できる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の実施例及びその比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」は特に断らない限り、重量部を示す。
【0056】
合成例1
温度計、撹拌装置、冷却管、乾燥空気導入管及び滴下器の付いた、加熱及び冷却可能な容積約1リットルの反応容器に表1のAを入れ、115℃に昇温し、B及びCを添加した。B及びCの添加後115℃で約15時間反応させた後、室温に冷却してカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−1)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比は、(酸無水物基/水酸基)=0.2である。
【0057】
【表1】
Figure 0004134387
合成例2
合成例1において、Cを無水トリメリット酸16.9部に代えて反応を行った以外は、合成例1と同様に操作することによりカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−2)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比は、(酸無水物基/水酸基)=0.25である。
【0058】
合成例3
温度計、撹拌装置、冷却管、乾燥空気導入管及び滴下器の付いた、加熱及び冷却可能な容積約1リットルの反応容器に表2のAを入れ、75℃に昇温し、反応温度を73〜75℃に保ちながら、0.5時間かけて均一にBを滴下した。Bの滴下後75℃で約4時間反応を続けた。次いで、反応系を100℃に降温し、C及びDを添加した。C及びDの添加後、100℃で約15時間反応させた後、室温に冷却してエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−3)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比は、(イソシアネート基/水酸基)=0.25、(酸無水物基/水酸基)=0.25である。
【0059】
【表2】
Figure 0004134387
比較合成例
温度計、撹拌装置、冷却管、乾燥空気導入管及び滴下器の付いた、加熱及び冷却可能な容積約1リットルの反応容器に表3のAを入れ、75℃に昇温し、反応温度を73〜75℃に保ちながら、0.5時間かけて均一にBを滴下した。Bの滴下後75℃で約4時間反応させた後、室温に冷却してエチレン性不飽和基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂化合物(A−4)の溶液を得た。なお、合成の際反応の当量比は、(イソシアネート基/水酸基)=0.25である。
【0060】
【表3】
Figure 0004134387
実施例1〜5及び比較例1〜2
表4に示す材料を配合し溶液を得た。
【0061】
【表4】
Figure 0004134387
この溶液に表5に示す成分(A)、(B)、(D)を配合して感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
【0062】
【表5】
Figure 0004134387
*1:新中村化学工業社製NK−エステル、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレート
*2:住友バイエルウレタン社製下記構造のブロックイソシアネートの商品名
【0063】
【化9】
Figure 0004134387
得られた感光性樹脂組成物の溶液を図1に示す装置を用いて20μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム12上に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機7で約10分間乾燥して溶剤を除去した。感光性樹脂組成物層の乾燥後の厚さは、約35μmであった。感光性樹脂組成物層の上には、更に図1に示したようにして厚さ約25μmのポリエチレンフィルム13を保護フィルムとして貼り合わせ、本発明の感光性エレメントを得た。
【0064】
なお、図1において、1はポリエチレンテレフタレートフィルム繰り出しロール、2はフィードロール、3はバッキングロール、4はドクターロール、9及び10はロール、5はナイフ、6は感光性樹脂組成物の溶液、8はポリエチレンフィルム繰り出しロール、11は感光性エレメント巻き取りロールである。
【0065】
得られた感光性エレメントの現像性、レジストの形成後の無電解めっき性、めっき析出性及びはんだ耐熱性について下記の方法で評価し、結果を表6に示す。
【0066】
(1)現像性
日立化成工業(株)製アディティブ法用基板ACL−E−168(Pd系めっき触媒含有ガラスエポキシ積層板の両面に、めっき触媒を含有するフェノール変性ニトリルゴム系接着剤を約30μmの厚さに塗布した基板)を住友スリーエム社製スコッチブライトで研磨、水洗し、80℃で15分乾燥した。この試験基板の両面に上記で得られた感光性エレメントを日立エーアイシー社製A−3000型ラミネータを用いてポリエチレンフィルムを剥がしながら積層した。次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がした後、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル500ml、ホウ砂(Na247・10H2O)8g、水500mlの割合で調製した半水性現像液で40℃で70秒間スプレー現像した。現像後、30倍の倍率の実体顕微鏡を用いて下記の評価基準で評価した。
○:現像性の良好なもの(基板表面に樹脂が全く残らないもの)
×:現像性の不良なもの(基板表面に樹脂が少し残るもの)
(2)無電解銅めっき性
上記(1)と同様に、日立化成工業(株)製アディティブ法用基板ACL−E−168(Pd系めっき触媒含有ガラスエポキシ積層板の両面に、めっき触媒を含有するフェノール変性ニトリルゴム系接着剤を約30μmの厚さに塗布した基板)に感光性エレメントを積層した試料のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から図2に示す試験用ネガマスクを密着させ、(株)オーク製作所製HMW−590型露光機を使用し250mJ/cm2で露光した。常温で20分間放置した後、試料のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル200ml、ホウ砂(Na247・10H2O)8g、水800mlの割合で調製した半水性現像液で40℃で70秒間スプレー現像したあと、80℃で10分間乾燥した。次いで、東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行い、更に160℃で60分間加熱処理を行い、めっきレジストを形成した試験基板を得た。
【0067】
このようにしてめっきレジストを形成した試験基板を42%ホウフッ化水素酸1リットルに重クロム酸ナトリウム20gを溶かした40℃の液に15分間浸漬し、接着剤層の露出部分を粗化し水洗後、濃度3規定の塩酸に浸漬し水洗した。この試験基板をCuSO45H2O15g/リットル、エチレンジアミン4酢酸30g/リットル、37%ホルマリン水溶液10ml/リットルを含み、NaOHでpH=12.5に調整した無電解銅めっき液に70℃で15時間浸漬し、水洗後80℃で10分間乾燥した。無電解銅めっき後、30倍の倍率の実体顕微鏡を用いて下記の評価基準で評価した。
○:無電解銅めっき性の良好なもの(レジストにクラックや浮き、ハガレの発生が全くないもの)
△:無電解銅めっき性がやや不良なもの(レジストの一部にクラックや浮き、ハガレが発生したもの)
×:無電解銅めっき性が不良なもの(レジストの全面にクラックや浮き、ハガレが発生したもの)
(3)めっき析出性
上記(2)と同様の操作で日立化成工業(株)製アディティブ法用基板ACL−E−168(Pd系めっき触媒含有ガラスエポキシ積層板の両面に、めっき触媒を含有するフェノール変性ニトリルゴム系接着剤を約30μmの厚さに塗布した基板)にめっきレジストを形成した後に無電解銅めっきを行い、無電解銅めっきが施された導体部分のめっき析出状況を30倍の倍率の実体顕微鏡を用いて下記の評価基準で評価した。
○:めっき表面が平滑なもの
×:めっき表面が平滑でないもの又はめっきがこぶ状や枝状に異常析出しているもの)
(4)はんだ耐熱性
上記(2)と同様の操作で、日立化成工業(株)製アディティブ法用基板ACL−E−168(Pd系めっき触媒含有ガラスエポキシ積層板の両面に、めっき触媒を含有するフェノール変性ニトリルゴム系接着剤を約30μmの厚さに塗布した基板)にめっきレジストを形成した後に無電解銅めっきを行い作製された試験基板に、ロジン系フラックスMH−820V(タムラ化研(株)製)を塗布した後、260℃のはんだ浴中に30秒間浸漬してはんだ付け処理を行った。その後、めっきレジストクラック発生状況、基板からのレジストの浮きや剥がれの状況を目視で次の基準で評価した。
良好:クラック、浮き及び剥がれがないもの
不良:クラック、浮き及び剥がれが発生したもの
【0068】
【表6】
Figure 0004134387
【0069】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントは、作業環境の良好な現像液を用いて現像でき、感度及び光硬化性に優れ、解像度や無電解銅めっき性に優れ、また永久レジストとして使用する場合には、はんだ耐熱性に優れるなど無電解銅めっき用のレジストとして好適である。
【0070】
また、本発明の感光性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメントは、耐薬品性に優れるためエッチングレジスト、電気めっき用レジストとしても好適に使用できる。
【0071】
また、本発明のめっきレジストははんだ耐熱性、耐薬品性に優れ印刷配線板製造のレジストとして好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜5及び比較例1〜2で用いた感光性エレメントの製造装置の略図。
【図2】実施例1〜5及び比較例1〜2で用いた試験用ネガマスクの説明図。
【符号の説明】
1 ポリエチレンテレフタレートフィルム繰り出しロール
2 フィードロール
3 バッキングロール
4 ドクタロール
5 ナイフ
6 感光性永久マスク材料の溶液
7 乾燥機
8 ポリエチレンフィルム繰り出しロール
9、10 ロール
11 感光性エレメント巻き取りロール
12 ポリエチレンテレフタレートフィルム
13 ポリエチレンフィルム
14 感光性エレメント

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(I)
    Figure 0004134387
    (式中、R1は炭素数1〜12の2価の飽和脂肪族炭化水素基を表し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。)
    で示される繰り返し単位を有するポリヒドロキシエーテル樹脂中の水酸基に対して、飽和又は不飽和の多塩基酸無水物を、当量比(酸無水物基/水酸基)が0.08〜0.8の範囲になるように反応させて得られるカルボキシル基含有ポリヒドロキシエーテル樹脂化合物20〜90重量部、
    (B)末端にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する光重合性不飽和化合物80〜10重量部(但し、(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とする。)、
    (C)活性光線により遊離ラジカルを生成する光重合開始剤0.1〜20重量部(但し、(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とする。)及び
    (D)下記一般式(II)で表されるイソシアネート化合物(式中、R4はm価の有機基を表し、mは1〜6の整数を表す。)とこれと反応し得る、ジケトン類、オキシム類、フェノール類、アルカノール類及びカプロラクタム類から選ばれる少なくとも1種のブロック剤とを反応して得られる下記一般式(III)で表されるブロックイソシアネート化合物(式中、R4はm価の有機基を表し、mは1〜6の整数を表し、R5は一般式(II)で表されるイソシアネート化合物とこれと反応し得るブロック剤が反応した際に得られるブロック剤の残基を表す。)を1〜30重量部(但し、(A)成分と(B)成分の総量を100重量部とする。)を含有する無電解銅めっき用感光性樹脂組成物。
    Figure 0004134387
  2. 一般式(II)で表されるイソシアネート化合物が下記式で表されるイソシアヌレート骨格を持つ化合物である請求項1記載の感光性樹脂組
    成物。
    Figure 0004134387
    (式中、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数1〜12のシクロアルキレン基、該アルキレン基と該シクロアルキレン基を有する2価の炭化水素基又は炭素数6〜14のアリーレン基であり、前記基の水素原子は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよい。)
  3. 請求項1又は請求項2記載の感光性樹脂組成物の層とこの層を支持するフィルムを有する感光性エレメント。
  4. 更に、剥離可能なカバーフィルムを感光性樹脂組成物の層の上に積層してなる請求項3記載の感光性エレメント。
  5. 請求項1又は請求項2記載の感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、乾燥後、像的に活性光を照射し、次いで現像を行うめっきレジストの製造方法。
  6. 請求項3又は請求項4記載の感光性エレメントを用い、その感光性樹脂組成物の層を基板上に積層し、像的に活性光を照射し、次いで現像を行うめっきレジストの製造方法。
  7. 現像後に活性光線の照射工程及び加熱工程の一方又は両方の工程を有する請求項5又は6記載のめっきレジストの製造方法。
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