JP2005037755A - 感光性樹脂組成物、それを用いた感光性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、それを用いた感光性フィルム及びその製造方法 Download PDF

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稔彦 田中
Kenshirou Shimada
健志郎 島田
Hiroaki Tsuruta
洋明 鶴田
Takashi Ishikawa
崇 石川
Yasuo Miura
康男 三浦
Nobuo Ito
信男 伊藤
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Abstract

【課題】 微細なパターンに対して、優れた解像度性を有すると共に、優れた耐熱性、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、金メッキ耐性及び電気絶縁性を発現するアルカリ現像型フォトソルダーレジストとして好適な感光性樹脂組成物、及びそれを用いた感光性フィルムの提供。
【解決手段】 フェノール性水酸基を有する重量平均分子量 300〜30000のアルカリ可溶性重合体(a1)と、重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物(a2)とを、化合物(a2)のイソシアネート当量/重合体(a1)の水酸基当量比を0.1〜0.8の範囲として反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)、フェノールフィラー(B)、光重合性モノマー(C)及びエポキシ基を有する光重合性を有しない化合物(D)を含有する感光性樹脂組成物、支持体上に上記感光性樹脂組成物からなる層が積層されている感光性フィルム及び該感光性フィルムの製造方法。

【選択図】 なし

Description

本発明は、プリント配線板製造工程等において好適に用いられる感光性樹脂組成物、それを用いた感光性フィルム及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、紫外線等の活性エネルギー線による照射でパタ−ン形成し、アルカリ水溶液により現像する際、優れた解像性を示し、更に優れた耐熱性、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、金メッキ耐性及び電気絶縁性を発現するアルカリ現像型フォトソルダーレジストとして好適な感光性樹脂組成物、支持体上に該感光性樹脂組成物からなる層が積層されている感光性フィルム及びその製造方法に関する。
ソルダーレジストは、プリント配線板製造において、ソルダリング工程で半田が不必要な部分に付着するのを防ぐ保護膜として、また永久マスクとして必要不可欠な材料である。従来、ソルダーレジストとしては、熱硬化型のものが多く用いられ、これをスクリーン印刷法で印刷して施す方法が一般的であった。ところが、近年、プリント配線板の配線の高密度化に伴い、スクリーン印刷法では解像度の点で限界があり、フォト法でパタ−ン形成するフォトソルダーレジストが盛んに用いられるようになっている。中でも、炭酸ソーダ水溶液等のアルカリ水溶液で現像可能なアルカリ現像型のものが、作業環境保全、地球環境保全の点から主流になっている(例えば、特許文献1参照。)。
フォト法は、所望の大きさに感光性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて乾燥して、感光性皮膜を形成し、この感光性皮膜にネガのフォトマスクを乗せて、紫外線等の活性光線で露光焼き付けを行い、フォトマスクの透明部分を透過した活性光線が感光性皮膜を硬化させ、未硬化部分は、現像で剥離して、感光性皮膜を除去し、パターンを形成する方法であり、フォトマスクの画像に近いパターンを形成できるという点で優れている。
特開平02−023351号公報。
しかしながら、フォト法では、フォトマスクと感光性皮膜界面または感光性皮膜中で活性光線の散乱が生じ、マスクされた部分においても、感光性皮膜の硬化が起こるため、フォトマスクのパターンが微細化するほど精度が低下し、近年の更なる配線の微細化に対する要求を達成することが困難になってきている。また、配線板上にソルダーレジストを設ける方法としては、前述のように直接印刷を施す方法が主流であるが、乾燥が不十分な場合はフォトマスクが汚れたり、そのため前段階の乾燥工程で多くの時間を費やす等の問題があり、作業工程の簡略化の目的で、フィルム状のソルダーレジストに対する要求が高まっている。しかしながら、フィルム状のソルダーレジストを用いる場合には、フォトマスクとソルダーレジストの間に支持体が介在するため、活性光線の散乱が更に起こりやすくなり、結果として通常の印刷方式と比べて、解像度が低下しているのが現状である。
そこで、本発明は、微細なパターンに対して、優れた解像度性を有すると共に、優れた耐熱性、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、金メッキ耐性及び電気絶縁性を発現するアルカリ現像型フォトソルダーレジストとして好適な感光性樹脂組成物、及びそれを用いた感光性フィルムの提供を目的とする。
本発明は、フェノール性水酸基を有する重量平均分子量 300〜30000のアルカリ可溶性重合体(a1)と、重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物(a2)とを、化合物(a2)のイソシアネート当量/重合体(a1)の水酸基当量比を0.1〜0.8の範囲として反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)、フェノールフィラー(B)、光重合性モノマー(C)及びエポキシ基を有する光重合性を有しない化合物(D)を含有する感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、支持体上に上記感光性樹脂組成物からなる層が積層されている感光性フィルムを提供する。さらに、本発明は、支持体上に上記感光性樹脂組成物からなる層を積層する感光性フィルムの製造方法を提供する。
本発明の感光性樹脂組成物をアルカリ現像型フォトソルダーレジストとして用いることにより、プリント配線板上に優れた解像性による高密度パターンの形成を可能にし、さらに優れた耐熱性(耐はんだ性)、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性、金メッキ耐性及び電気絶縁性高いプリント配線板を得ることが出来る。
まず、本発明の感光性樹脂組成物について説明する。本発明の感光性樹脂組成物はフェノール性水酸基を有する重量平均分子量 300〜30000のアルカリ可溶性重合体(a1)と、重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物(a2)とを、化合物(a2)のイソシアネート当量/重合体(a1)の水酸基当量比を0.1〜0.8の範囲として反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)、フェノールフィラー(B)、光重合性モノマー(C)及びエポキシ基を有する光重合性を有しない化合物(D)を含有する感光性樹脂組成物である。
アルカリ可溶性樹脂(A)を構成するアルカリ可溶性重合体(a1)としては、例えばノボラック樹脂(下記一般式化1)が挙げられる。
Figure 2005037755
(式中、R1、R2及びR3は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜5のアルキル基、nは3〜50の整数)。
ノボラック樹脂の具体的な例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、エチルフェノールノボラック樹脂、イソプロピルフェノールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、3、5−キシレノールノボラック樹脂、ブロムフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフタレンノボラック樹脂等が挙げられ、これらの中でフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましい。
また、ポリビニルフェノールまたはその誘導体(下記一般式化2)も使用できる。
Figure 2005037755
(Yはラジカル重合性モノマー、mは正の数、nは0または正の数であり5≦m+n≦200、m/(m+n)≧0.5、OHは主鎖に対してパラ、オルソまたはメタ位をとる)。
共重合成分であるモノマーYは、重合体中50モル%未満とし、種々の重合性不飽和結合を有する化合物が用いられる。例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミドなどのアクリル系モノマー、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、無水マレイン酸、酢酸ビニル、ビニルピリジン等が挙げられる。これらポリビニルフェノール系の重合体は商業的に入手でき、例えば丸善石油化学社製「マルカリンカーM(ポリ−p−ビニルフェノール)」、「リンカーMB(臭素化ポリ−p−ビニルフェノール)」、「リンカーCMM(p−ビニルフェノール/メタクリル酸メチル共重合体)」、「リンカーCHM(p−ビニルフェノール/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体)」、「リンカーCST(p−ビニルフェノール/スチレン共重合体)」等が挙げられる。なお、上記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性重合体は2種以上を混合して使用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂(A)を構成する(a2)は、分子内に、a)少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合、及びb)イソシアネート基を有する化合物であり、重合可能な二重結合としては(メタ)アクリレート基または(メタ)アクリルアミド基などのアクリル基、アリル基、カルボン酸のビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル等各種の置換二重結合を用いることが可能であるが、特に好適なのはアクリル基である。分子内に少なくとも1つ以上の重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物としては、例えば(メタ)アクリロイルイソシアネート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びこれらの三量化物、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等のポリイソシアネート化合物と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の水酸基に代表されるイソシアネート基と反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレート化合物とを、部分的に付加反応させることにより得られる反応生成物または反応混合物が挙げられる。その合成については、炭化水素系、エーテル系、エステル系のようなイソシアネートと反応し得る活性水素を持たない溶剤中、(メタ)アクリレート化合物の水酸基当量/ポリイソシアネート化合物(1分子中n個のイソシアネート基を持つとする、n≧2)のイソシアネート当量比を(1−1/n)±0.1となるような比で混合し、反応温度40〜100℃、触媒として3級アミン、有機錫化合物を用いるなど公知の方法により行える。特に、モノヒドロキシ多官能(メタ)アクリレート化合物を用いた場合、光架橋性に優れたアルカリ可溶性樹脂が合成される。
アルカリ可溶性樹脂(A)の合成反応時には、溶剤を使用するのが好ましい。溶剤としては、メチルエチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、メチルカルビト−ル、トリエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなどのグリコ−ルエ−テル類、酢酸エチル及び上記グリコ−ルエ−テル類の酢酸エステル化物などのエステル類、石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤などがある。上記のような溶剤は、単独または2種以上の混合物として用いられ、使用量の好適な範囲は、アルカリ可溶性重合体(a1)100重量部に対して10〜300重量部、好ましくは30〜200重量部である。更に反応を促進させるために触媒を少量添加するのが好ましい。イソシアネート基と水酸基の反応には、ジブチルスズジラウレートや3級アミン等のウレタン化触媒を、エポキシ基と水酸基の反応にはトリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、テトラエチルアンモニウムブロミド、トリフェニルホスフィン等を使用することが好ましく、該触媒の使用量はイソシアネート基の1化学当量に対して0.1〜10%化学当量、好ましくは1〜5%化学当量である。反応中の重合を防止するために重合禁止剤、例えばハイドロキノン、フェノチアジン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を使用するのが好ましく、その使用量は反応混合物に対して0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。反応温度は40〜150℃、好ましくは50〜110℃である。またイソシアネート基を有する化合物を使用の場合には、反応後メタノール、エタノール等の1級アルコールを用いて残存するイソシアネート基を失活させることが安全上及び保存安定性向上の上で望ましい。アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分に占める割合は10〜40重量%が好ましい。
フェノールフィラー(B)は、感光性樹脂組成物の解像性を向上させるものである。フェノールフィラー(B)としては、ノボラック型フェノール樹脂にヘキサメチレンテトラミン等のアミン化合物を架橋剤として添加し加熱する、またはレゾール型フェノール樹脂を加熱する等の工程により架橋し、有機溶剤に対して不溶化したものが挙げられる。また、ノボラック型とレゾール型フェノール樹脂を混合し、併用したものでも構わない。具体的には住友ベークライト社製「PR−RES−5」、昭和高分子社製「ショウノールPMB−1010」等が挙げられる。
フェノールフィラー(B)の平均粒径は0.01〜20μmであることが好ましく、更に0.1〜10μmであること、更には0.05〜4.5μmがより好ましい。上記範囲の上限より大きいとアルカリ現像した際、現像/非現像界面で粒子が突起物として、残る場合があり、パターンの精度が悪くなる。また、基板界面において、フェノールフィラーと基板の接触面積が低下するため、現像性が低下し、解像性が低下する。逆に下限より小さいと、基板との接触面積が増加するため、現像時にアンダーカットが生じやすくなり、好ましくない。尚、本発明におけるフェノールフィラーの平均粒径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて50個の粒子の粒径を測定し、その平均値を算出したものである。
フェノールフィラー(B)の含有量は感光性樹脂組成物中の固形分に占める割合として0.1〜20重量%であることが好ましく、更に0.5〜10重量%であることがより好ましい。20重量%より大きいと、アルカリ現像時にアンダーカットが生じやすくなり、また、ポストベーク後の塗膜が著しく変色してしまう。0.1重量%より小さいと、アルカリ現像性が低下する。
光重合性モノマー(C)は、皮膜物性の向上、感光性組成物の粘度調整の目的で添加されるものであり、(A)以外のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート類、スチレン、α−アルキルスチレン、ジアリルフタレート類等を用いることができる。光重合性モノマー(C)の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分の全量を基準として0.1〜30重量%であることが好ましい。
(メタ)アクリレート類として具体的には、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)モノアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリレート、エポキシアクレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート,ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート,クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート及びカルボキシル基含有クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等)、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基を有する光重合性を有しない化合物(D)は、ソルダーレジストに必要な皮膜強度、耐熱性、耐久性、耐薬品性、耐環境性等の性能を発現させるために必要な化合物である。エポキシ基を有する他の化合物としては、トリグリシジルイソシアヌレート、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上を用いることが、反応性、物性、貯蔵安定性の面から最も好ましい。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては大日本インキ化学社製の「エピクロンN−695」が、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては大日本インキ化学社製の「エピクロンN−775」、油化シェルエポキシ社製の「エピコート152」、同「エピコート154」、ダウ・ケミカル社製の「DEN431」、同「DEN438」、チバ社製の「EPN1138」等が、ビスフェノールジグリシジルエーテルとしては油化シェルエポキシ社製の「エピコート828」、同「エピコート1001」、同「エピコート1004」、同「エピコート1007」、同「エピコート1009」等が挙げられるが、これらに限定されない。エポキシ基を有する光重合性を有しない化合物(D)の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分の全量を基準として0.5〜20重量%が好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、必須成分である(A)〜(D)の他に、物性の向上、作業性の向上、貯蔵安定性の向上等の目的で、必要に応じて下記(E)〜(H)の各成分を含有させることができる。
(E)光重合開始剤及び(または)光重合促進剤
(F)潜在性熱硬化剤、常温で固体の熱硬化剤、または熱硬化促進剤
(G)有機溶剤及び(または)水
(H)その他の添加剤。
光重合開始剤及び(または)光重合促進剤(E)は光重合のために使用する活性エネルギー線が紫外線である場合必要なものである。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルエチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン等やスルホニウム塩系、オキシムエステル系光重合開始剤が挙げられる。また、光重合促進剤としては、p−ジメチル安息香酸イソアミル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。光重合開始剤及び(または)光重合促進剤(E)の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分に占める割合は1〜10重量%が好ましい。
潜在性熱硬化剤、常温で固体の熱硬化剤、または熱硬化促進剤(F)は、従来公知のもの、例えば、「新エポキシ樹脂」(昭晃堂刊,昭和60年5月)第164頁〜263頁及び第356頁〜405頁記載のもの、「架橋剤ハンドブック」(大成社刊、昭和56年10月)第606頁〜655頁記載のもののうち、貯蔵安定性の良好なものから1種または2種以上が選択される。潜在性熱硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)とその誘導体、メラミンとその誘導体、アミンイミド(AI)、ポリアミンの塩等が挙げられる。
また、常温で固体の熱硬化剤としては、メタフェニレンジアミン(MP−DA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、チバガイギー社製の「ハードナーHT972」等の芳香族アミン類、無水フタール酸、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタール酸等の環状脂肪族酸無水物等が挙げられる。また、熱硬化促進剤としてはアセチルアセトナートZn、アセチルアセトナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7及びその2−エチルヘキサン酸塩及びフェノール塩、イミダゾール、イミダゾリウム塩、トリエタノールアミンボレート等が挙げられる。
有機溶剤及び(または)水(G)は、感光性樹脂組成物を構成する各成分を溶解もしくは分散させる目的や、粘度調整の目的で用いられるものであり、各成分の溶解性、分散性、沸点、人体への影響等を考慮して、公知のものから適宜選択される。
その他の添加剤(H)としては、塗布状態を確認し易くするための染顔料、イオン捕集剤、流動性の調整,硬化収縮の低減,粘度の調整,現像を容易にするための(A)以外の有機/無機フィラー、暗反応を防止し貯蔵安定性を向上させるための重合禁止剤、その他消泡剤、熱重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
染顔料としては、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、キナクリドンレッド、ジアゾイエロー、酸化チタンが挙げられる。
イオン捕集剤としては、無機あるいは有機のイオン交換体が好適に用いられる。詳しくは無機イオン交換体イグゼ(東亞合成(株)製)、やイオン交換樹脂「ダイアイオン」(三菱化学(株)製)が用いられるが、イオン捕集能を有するものであればこれらに限定されない。
フェノールフィラー(B)以外の有機/無機フィラーとしては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂を使用する溶剤に不溶となるまで高分子化し微粒子化した有機フィラー類、シリカ、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、沈降性炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム等の無機フィラー類が挙げられる。上記フィラーは1種又は2種以上を混合して使用しても構わない。上記フィラーは、好ましくは、平均粒径が10μm以下の微粒子であり、より好ましくは5μm以下の微粒子である。重合禁止剤としてはハイドロキノン、フェノチアジン等が挙げられる。消泡剤としてはシリコーン系、炭化水素系化合物等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)、必要に応じて(E)〜(H)を混合し、また必要に応じて三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または混合することにより、製造することができる。
次に、本発明の感光性フィルム及びその製造方法について説明する。本発明の感光性フィルムは、支持体上に上記感光性樹脂組成物からなる層が積層されている感光性フィルムである。支持体としては、一般的な熱可塑性樹脂のフィルムが用いられるが、感光性樹脂組成物からなる層の除去が不可能となるような材質からなるフィルムや、除去が不可能となるような表面処理が施されたフィルムは不適当である。熱可塑性樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、トリアセチルアセテート等からなるフィルムが挙げられ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの熱可塑性樹脂フィルムは、感光性樹脂組成物からなる層の除去を容易にするため、シリコーンコート剤のような剥離剤を表面に塗布したものでも構わない。
支持体の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは5〜25μmである。また、紫外線等の活性エネルギー線による露光時の光の散乱を低減するため、熱可塑性樹脂フィルムは透明性に優れる方が好ましい。具体的には、透明性の指標となる濁度(ヘーズ,JIS-K6714)が0.1〜5であるものが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムは、感光性樹脂組成物からなる層の支持体として使用するが、感光性樹脂組成物からなる層の保護フィルムとして感光性樹脂組成物からなる層の両面に積層してもよい。その場合、より容易に剥離する側が保護フィルムとなる。ただし、感光性樹脂組成物からなる層を支持体上に積層した後、同一工程内で直ちに使用される場合や、常温でほとんど粘着性が無い場合には保護フィルムは設けなくても構わない。
本発明の感光性フィルムは、支持体上に上記感光性樹脂組成物を塗布、乾燥し、感光性樹脂組成物からなる層を積層することにより製造することができる。具体的には、まず、真空脱泡方法等で感光性樹脂組成物中の泡を完全に除去した後、感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し、熱風炉あるいは遠赤外線炉により溶剤を除去し、乾燥せしめ、ついで必要に応じて得られた乾燥皮膜上に保護フィルムを積層することにより感光性フィルムを製造することができる。
感光性樹脂組成物の塗布方式としては、グラビアコート方式、マイクログラビアコート方式、リバースコート方式、キスリバースコート方式、ダイコート方式、スロットダイ方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコート方式、チャンバーグラビアコート方式、スロットオリフィス方式、スプレーコート方式、ディップコート方式等が挙げられる。感光性樹脂組成物は、数回に分けて塗布しても良いし、1回で塗布しても良く、また異なる方式を複数組み合わせて塗布しても良い。中でも、均一塗工性に優れる、ダイコート方式が好ましい。また、異物混入等をさけるために、クリーンルーム等の異物発生の少ない環境で塗布することが好ましい。
また、支持体の厚みが薄い場合、加熱による支持体の収縮や支持体の破断が起こる場合があるため、100μm程度のシリコーン剥離処理のされたフィルムに感光性樹脂組成物を一旦塗布し、乾燥後、所望する支持体を積層して、感光性樹脂組成物からなる層を支持体側に転移させた後、シリコーン剥離処理のされたフィルムを除去して、再度保護フィルムを積層する方法で製造しても構わない。感光性樹脂組成物からなる層の厚みは特に制限されないが、通常5〜100μm、好ましくは15〜45μmである。
さらに、本発明の感光性樹脂組成物及び感光性フィルムをフォトソルダーレジストとして用いたプリント配線基板の製造方法について説明する。感光性樹脂組成物を直接銅回路の形成されたプリント配線基板上に塗布する場合には、プリント配線基板上に乾燥後の厚みとして5〜100μm、好ましくは15〜45μmの厚みで塗布される。塗布の手段としては、現在はスクリーン印刷法による全面印刷が一般に多く用いられているが、これを含めて均一に塗工できる塗工手段であればどのような手段を用いてもよい。例えば、スプレーコート方式、ホットメルトコート方式、バーコート方式、アプリケーター方式、ブレードコート方式、ナイフコート方式、エアナイフコート方式、カーテンフローコート方式、ロールコート方式、グラビアコート方式、オフセット印刷方式、ディップコート方式、刷毛塗り、その他通常の方法はすべて使用できる。
塗布後、必要に応じて熱風炉あるいは遠赤外線炉等でプリベーク工程すなわち仮乾燥を行う。プリベークの温度はおおむね50〜100℃程度が好ましい。次に、露光工程に入る。露光工程では、半田メッキされる部分だけが活性エネルギー線を通さないようにしたネガマスクを用いて活性エネルギー線による露光が行なわれる。また、ネガマスクを用いずに活性エネルギー線のビームで直接描画してもよい。ネガマスクとしては活性エネルギー線が紫外線、可視光線の場合にはネガフィルムが、電子線の場合には金属性マスクが、X線の場合には鉛性マスクがそれぞれ使用されるが、簡便なネガフィルムを使用できるためプリント配線基板製造では活性エネルギー線としては紫外線が多く用いられる。露光方法にはネガマスクをプリント配線基板に密着して行う接触露光法と、密着させずに平行光線を使用して露光する非接触露光法とがあるが、どちらを用いてもかまわない。紫外線の照射量はおおむね10〜1000mJ/cm2 である。
露光工程の後、現像工程にはいる。現像工程は炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ液を現像液とし、スプレー、浸漬等の手段で行なわれ、未露光部分が溶解、膨潤、剥離等の作用で除去される。最後に、ポストベーク工程に入る。ポストベークは熱風炉あるいは遠赤外線炉等で、エポキシ成分が十分反応する温度、時間で行えばよい。以上の工程でプリント配線基板上にフォトソルダーレジストが施される。
感光性フィルムを用いて、プリント配線基板上に感光性樹脂組成物からなる層を設ける場合には、保護フィルムがあれば保護フィルムを除去後、感光性フィルム及び/またはプリント配線基板を加熱しながら、感光性樹脂組成物からなる層とプリント配線基板が接触する向きで圧着させることにより積層する。加熱、圧着方法は特に限定されないが、通常80〜120℃に加熱し、空気等が含有されにくい、真空ラミネート法で行うことが好ましい。圧着後、支持体を残した状態で、ネガマスクを支持体上に置き、前述の直接印刷の場合と同様に露光した後、支持体の除去を行い、以下、現像、ポストベークを直接印刷と同様に行うことにより、基板上に感光性フィルムによるフォトソルダーレジストが施される。
次に、実施例をもって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。
(製造例1)
[アルカリ可溶性樹脂(A1)の合成]
2,4−トリレンジイソシアネート165部、カルビトールアセテート300部を撹拌機及び冷却機の付いた3つ口フラスコにいれ、60℃で0.5時間加熱撹拌する。次に同温度で、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成化学工業製、アロニックスM−305)395部、ソルベントナフサ150部、ジブチルスズジラウレート2部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を含む溶液を約0.5時間かけて滴下し、1.5時間撹拌を続けた。この反応生成物を、あらかじめポリ−p−ビニルフェノール(マルカリンカーM、S−2P)400部、カルビトールアセテート400部を含み、65℃で2時間加熱撹拌しておいた冷却機付きの3つ口フラスコにジブチルスズジラウレート1部とともに加え、同温度で12時間撹拌反応させた。その後、反応混合物を60℃まで冷却した後、エタノール13部を加え1時間撹拌反応させ、樹脂溶液(不揮発分約53%)を得た。これをアルカリ可溶性樹脂(A1)とする。
(製造例2)
[アルカリ可溶性樹脂(A2)の合成]
イソホロンジイソシアネート190部、カルビトールアセテート180部を撹拌機及び冷却機の付いた3つ口フラスコにいれ、60℃で0.5時間加熱撹拌する。次に同温度で、ペンタエリスリトールトリアクリレート(アロニックスM−305)360部、ソルベントナフサ90部、ジブチルスズジラウレート2部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を含む溶液を約0.5時間かけて滴下し、2時間撹拌を続けた。この反応生成物を、あらかじめフェノールノボラック樹脂(大日本インキ(株)製、バーカムTD−2090−P)500部、カルビトールアセテート500部を含み、65℃で2時間加熱撹拌しておいた冷却機付きの3つ口フラスコにジブチルスズジラウレート1部とともに加え、同温度で12時間撹拌反応させた。その後、反応混合物を60℃まで冷却した後、エタノール12部を加え1時間撹拌反応させ、樹脂溶液(不揮発分約57%)を得た。これをアルカリ可溶性樹脂(A2)とする。
(比較製造例1)
[アルカリ可溶性樹脂(J1)の合成]
スチレン/無水マレイン酸共重合体である商品名アドマスト1000(出光石油化学(株)製、無水マレイン酸含有率50モル%)130.9g、ブチルセロソルブ125.4g、トリエチルアミン1.5g、ハイドロキノン0.28gをフラスコに仕込み、90℃に昇温し、この系に無水マレイン酸残基に対して0.55当量の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(46.4g)を30分かけて滴下し、その後6時間反応させた。反応中空気を吹き込み続けた。さらに、無水マレイン酸残基に対して0.45当量のエタノール(13.5g)を添加し、4時間反応させた、樹脂溶液(不揮発分60%、酸価160mgKOH/g)のアルカリ可溶性樹脂(J1)を得た。
(実施例1)
銅張りガラスエポキシ基板(以下、銅張り基板と略す。)及びテスト用プリント配線板〔最小回路幅が0.1mm(ピン間4本)のもの。以下、プリント配線板と略す。〕及びIPCテストボード(IPC−B−250櫛形テストパターンB,以下IPCテストボードという)上に、下記組成の感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法にて乾燥後の皮膜の厚みが30μmになるように塗布、熱風炉で80℃、20分間乾燥した後、銅張り基板の皮膜上には50μm,100μmの円状パターンを施したフォトマスク、プリント配線板の皮膜上にはその回路パターンを有するフォトマスクをそれぞれ載せ、7kW高圧水銀灯で露光強度10.5mW/cm2 (波長365nmにおける)、露光量300mJ/cm2 で露光した。次いで、2重量%水酸化ナトリウム水溶液で液温30℃、スプレー圧3kg/cm2 にて60秒間現像した後、シャワー水洗を30秒間行い、熱風炉で175℃、30分ポストベークを行った。以上の工程でフォトソルダーレジストを施した銅張り基板(Cu−1),プリント配線板(P−1)及びIPCテストボード(I−1)を作成した。
(A)アルカリ可溶性樹脂(A1)の樹脂溶液 301重量部
(B)フェノールフィラー (住友ベークライト社製 「PR−RES−5」,平均粒径1.2μm) 30重量部
(C)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 110.5重量部
(D)エポキシ化合物(大日本インキ化学社製 エピクロンN−695クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、固形分70%) 202重量部
(E)光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア651」) 50重量部
(F)ジシアンジアミド(潜在性熱硬化剤) 9重量部
(G)メチルカルビトール(溶剤) 23重量部
(H1)顔料 (東洋インキ製造(株)製シアニングリーンTK) 4重量部
(H2)チクソトロープ剤(日本シリカ工業(株)製ニップシールN−300A) 21重量部
(H3)体質顔料 沈降性硫酸バリウム 186重量部
(H4)消泡剤 25重量部。
(実施例2)
アルカリ可溶性樹脂(A1)の樹脂溶液をアルカリ可溶性樹脂(A2)の樹脂溶液 280重量部に変更した以外は実施例1と同様の組成の感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、銅張り基板(Cu−2)、プリント配線板(P−2)及びIPCテストボード(I−2)を作成した。
(実施例3)
フェノールフィラーの含有量を30重量部(固形分中4重量%)から135重量部(固形分中16重量%)に変更した以外は実施例2と同様の組成の感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、銅張り基板(Cu−3),プリント配線板(P−3)及びIPCテストボード(I−3)を作成した。
(実施例4)
フェノールフィラーの含有量を30重量部(固形分中4重量%)から2.1重量部(固形分中0.3重量%)に変更した以外は実施例2と同様の組成の感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、銅張り基板(Cu−4),プリント配線板(P−4)及びIPCテストボード(I−4)を作成した。
(実施例5)
厚さ16μmのニ軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ 0.4%)の表面に下記組成からなる感光性樹脂組成物をダイコート方式で乾燥後の皮膜厚みが30μmになるように塗布し、80℃で20分間乾燥後、厚さ40μmのポリプロピレンフィルムを積層して、感光性フィルム(RF−1)を得た。
銅張り基板及び/またはプリント配線板、及び感光性フィルム(RF−1)を80℃の雰囲気で予備加熱し、気圧4000Pa(30mmHg)以下、積層圧力2.94×105Pa(3kgf/cm2)で真空ラミネートを行った。冷却した後、感光性フィルムの支持体上に実施例1と同様のフォトマスクを載せ、7kW高圧水銀灯で露光強度10.5mW/cm2 (波長365nmにおける)、露光量300mJ/cm2 で露光をした。次いで、支持体を除去し、2%水酸化ナトリウム水溶液で液温30℃、スプレー圧3kg/cm2 にて60秒間現像した後、シャワー水洗を30秒間行なった。次いで熱風炉で175℃、30分ポストベークを行なった。以上の工程でフォトソルダーレジストを施した銅張り基板(Cu−5)、プリント配線板(P−5)及びIPCテストボード(I−5)を得た。
(A)アルカリ可溶性樹脂(A2)の樹脂溶液 280重量部
(B)フェノールフィラー (住友ベークライト社製
「PR−RES−5」,平均粒径1.2μm) 30重量部
(C)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 110.5重量部
(D)光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製
「イルガキュア651」) 50重量部
(E)エポキシ化合物(大日本インキ化学社製 エピクロンN−695
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、固形分70%) 202重量部
(F)ジシアンジアミド(潜在性熱硬化剤) 9重量部
(G)メチルカルビトール(溶剤) 23重量部
(G)メチルエチルケトン(溶剤) 300重量部
(H1)顔料 (東洋インキ製造(株)製シアニングリーンTK) 4重量部
(H2)チクソトロープ剤(日本シリカ工業(株)製
ニップシールN−300A) 21重量部
(H3)体質顔料 沈降性硫酸バリウム 186重量部
(H4)消泡剤 25重量部。
(比較例1)
フェノールフィラー(B)を除いた以外は実施例1と同様の組成の感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、銅張り基板(Cu−6)、プリント配線板(P−6)及びIPCテストボード(I−6)を作成した。
(比較例2)
アルカリ可溶性樹脂(A1)の樹脂溶液をアルカリ可溶性樹脂(J1)の樹脂溶液 266重量部に変更した以外は実施例1と同様の組成の感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にして、銅張り基板(Cu−7)、プリント配線板(P−7)及びIPCテストボード(I−7)を作成した。
(比較例3)
下記組成の感光性樹脂組成物を用いた以外は、実施例5と同様に行い、銅張り基板(Cu−8)及びプリント配線板(P−8)を得た。
(A)アルカリ可溶型光重合性樹脂(J1、固形分60%) 266重量部
(C)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート 110.5重量部
(D)エポキシ化合物(大日本インキ化学社製 エピクロンN−695
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、固形分70%) 132重量部
(E)光重合開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア651」) 50重量部
(F)ジシアンジアミド(潜在性熱硬化剤) 6重量部
(G)溶剤 メチルカルビトール 23重量部
(G)溶剤 メチルエチルケトン 300重量部
(H1)顔料 (東洋インキ製造(株)製シアニングリーンTK) 4重量部
(H2)無機フィラー(日本シリカ工業(株)製
ニップシールN−300A) 21重量部
(H3)無機フィラー 沈降性硫酸バリウム 186重量部
(H4)消泡剤 25重量部。
得られた銅張り基板及びプリント配線板について、以下の評価、試験を行った。結果を表1〜4に示す。
1. 解像性の評価 : 銅張り基板上に作成した50μm及び100μmパターンの形状を開孔率として評価した。
開孔率(%)=(得られたパターンの直径÷フォトマスクの直径)×100
2. 煮沸試験 : 銅張り基板及びプリント配線板を沸騰水に1時間浸漬した後、セロハンテープ剥離を行った。プリント配線板については、最小回路幅の箇所でセロハンテープ剥離を行った。
3. 耐薬品性試験 : 銅張り基板及びプリント配線板を10%硫酸水溶液(耐酸性)、10%NaOH水溶液(耐アルカリ性)それぞれに1時間浸漬した後、セロハンテープ剥離を行った。プリント配線板については、最小回路幅の箇所でセロハンテープ剥離を行った。
4. 耐溶剤性試験 : 銅張り基板及びプリント配線板を塩化メチレン中に1時間浸漬した後、セロハンテープ剥離を行った。プリント配線板については、最小回路幅の箇所でセロハンテープ剥離を行った。
5. 金メッキ耐性試験 :プリント配線板をソフトエッチ、酸浸漬、アクチベーション処理後、無電解ニッケル5μm、無電解金0.07μmのメッキを行なった。処理後、セロハンテープ剥離を行った。プリント配線板については、最小回路幅の箇所でセロハンテープ剥離を行った。
6. ガラス転移点(Tg)の測定。
動的粘弾性測定器(アイティ制御機器社製 DVA−200)にて、
tanδが最大値となる温度(℃)を測定した。
7. 皮膜外観 : ポストベーク後の皮膜の色相変化を目視で観察した。
8. 絶縁抵抗試験: IPCテストボードを、IPC−SM−840Bの試験方法に従って、常態及び25〜65℃の温度サイクルで相対湿度90%の条件で直流100Vを印加し、7日後の絶縁抵抗を測定した。
なお、表1及び表2は直接印刷で評価、表3及び表4はフィルムで評価した。
Figure 2005037755
Figure 2005037755
Figure 2005037755
Figure 2005037755
注:ガラス転移点(Tg,℃)

Claims (6)

  1. フェノール性水酸基を有する重量平均分子量300〜30000のアルカリ可溶性重合体(a1)と、重合可能な二重結合及びイソシアネート基を有する化合物(a2)とを、化合物(a2)のイソシアネート当量/重合体(a1)の水酸基当量比を0.1〜0.8の範囲として反応させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)、フェノールフィラー(B)、光重合性モノマー(C)及びエポキシ基を有する光重合性を有しない化合物(D)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. フェノールフィラー(B)の含有量が、組成物中の固形分の全量を基準として0.1〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. フェノールフィラー(B)の平均粒径が0.01〜20μmであることを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 感光性樹脂組成物が、さらに光重合開始剤及び(または)光重合促進剤(E)を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物。
  5. 支持体上に、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる層が積層されていることを特徴とする感光性フィルム。
  6. 支持体上に、請求項1乃至4のいずれか1項記載の感光性樹脂組成物からなる層を積層することを特徴とする感光性フィルムの製造方法。
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