WO2015025925A1 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

 ビア底部のアンダーカットを生じさせずに、小径ビアが形成できる感光性樹脂組成物を提供する。成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、前記成分(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を含み、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物。

Description

感光性樹脂組成物
 本発明は、感光性樹脂組成物に関する。
 近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、プリント配線板においては、配線の微細化及びビルドアップ層のさらなる多層化による配線の高密度化が行われており、ビルドアップ層の導通のために設けられるビアホール(以下、単にビアという場合がある。)においてもより小径化が求められている。一般にプリント配線板においては、ビルドアップ層の材料としては熱硬化性樹脂組成物が用いられ、ソルダーレジスト層の材料としては感光性樹脂組成物が用いられていた。感光性樹脂組成物は、安価であり、その硬化物の製造工程が簡便であるなどの利点があるものの、その硬化物の物理的特性は十分ではなく、ビルドアップ層に適用することは困難であった。
 例えば、特許文献1には、アクリレート変性フェノール樹脂を用いた感光性樹脂組成物において、ソルダーレジスト層の材料としての諸特性に優れ、かつアルカリ条件下でのメッキに十分な耐性を有する層を形成するための樹脂組成物が記載されている。しかしながら、ビルドアップ層に適用するにはその硬化物の物理的性能は十分とは言えなかった。
特開平7-56336号公報
 本発明者らは、アクリレート変性フェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物により形成される絶縁層(ビルドアップ層)において、より小径のビアの形成について検討を行っていたところ、アクリレート変性フェノール樹脂のラジカルトラップの影響により、ビアの底部まで十分な光硬化が進まず、アルカリ現像液に浸漬した際に、ビアの底部の解像性が十分ではないためアンダーカット、すなわちビアの底部側においてビアの輪郭の形状が所期の形状とはならず、拡径状となってしまうという問題が生じることを見出した。このようにアンダーカットが生じると絶縁層間の接続の信頼性に問題が生じるという顕著な不具合が発生してしまう。よって、アクリレート変性フェノール樹脂をビルドアップ層の絶縁層の材料として適用することは難しい。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、ビアの底部でのアンダーカットの発生を抑制し、小径のビアを形成できる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、前記成分(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を含み、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は以下の内容を含む。
〔1〕 成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、前記成分(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を含み、前記感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物。
〔2〕 前記感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂の含有量が5質量%~40質量%であり、前記成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の含有量が10質量%~50質量%であり、前記成分(C)光重合開始剤の配合量が0.1質量%~2質量%である、〔1〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔3〕 前記成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の(メタ)アクリレート基の比率が5~30%である、〔1〕又は〔2〕に記載の感光性樹脂組成物。
〔4〕 前記成分(C)光重合開始剤がオキシムエステル系光重合開始剤である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
〔5〕 前記成分(D)無機充填材が、平均粒径が0.01μm~3μmの無機充填材を含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
〔6〕 前記成分(D)無機充填材が、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材と平均粒径が0.15μm~3μmの無機充填材とを含む、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
〔7〕 前記成分(D)無機充填材の含有量を100質量部とした場合、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材を1~50質量部含む、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
〔8〕 多層プリント配線板の層間絶縁層の材料である、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
〔9〕 硬化物の線熱膨張係数が40ppm以下である、〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
〔10〕 〔1〕~〔9〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物層を含む、感光性フィルム。
〔11〕 〔1〕~〔9〕のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物を有する層を含む、多層プリント配線板。
〔12〕 〔11〕に記載の多層プリント配線板を含む、半導体装置。
〔13〕 成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、前記成分(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を含み、前記感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物を含む樹脂組成物層を回路基板上に形成する工程と、
 前記樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して、樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる露光工程と、
 前記樹脂組成物層を現像し、未露光部を除去することで、ビアを形成する現像工程と、
 前記樹脂組成物層をポストベークし、絶縁層を形成するポストベーク工程と
を含む、多層プリント配線板の製造方法。
〔14〕 前記現像工程の後であって前記ポストベーク工程の前に、前記樹脂組成物層を予備加熱するプリベーク工程を含む、〔13〕に記載の多層プリント配線板の製造方法。
〔15〕 前記ビアのトップ径が50μm以下である、〔13〕又は〔14〕に記載の多層プリント配線板の製造方法。
〔16〕 前記ビアの開口率が70%以上である、〔13〕~〔15〕のいずれか1つに記載の多層プリント配線板の製造方法。
 本発明によれば、多層プリント配線板の絶縁層の形成に好適な感光性樹脂組成物であって、ビア底部のアンダーカットを生じさせずに、小径のビアを形成することができる感光性樹脂組成物を提供できる。さらには本発明によれば、多層プリント配線板の絶縁層の形成に求められるガラス転移温度、線熱膨張係数において好適な特性を有する感光性樹脂組成物を提供することができる。
 本発明は、成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、成分(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量1000以下のエポキシ樹脂を含み、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物である。以下、感光性樹脂組成物の配合成分について詳述する。
<成分(A)エポキシ樹脂>
 本発明の感光性樹脂組成物は、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を含むことで、現像性を確保することができる。数平均分子量が1000を超えると、感光性樹脂組成物を露光し現像を行った際に、未露光部の感光性樹脂組成物が周囲の感光性樹脂組成物の表面に現像残渣として付着してしまうため、その後の工程で不具合を発生してしまうおそれがある。他方、感光性樹脂組成物の架橋密度を向上させ、ガラス転移温度を高め、線熱膨張係数を低くするためには、数平均分子量は100以上が好ましく、300以上がより好ましく、500以上が更に好ましい。
 数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定される。GPC法による数平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
 数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
 数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。数平均分子量1000以下のエポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合に、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるのが好ましい。
 数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂は、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)であってもよく、温度20℃で固形状のエポキシ樹脂(以下、「固形状エポキシ樹脂」という。)であってもよい。
 液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、又はナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「EXA4032SS」、「HP4032SS」、「EXA-7311G4S」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「YL7223」、「YL7723」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)等が挙げられる。液状エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
 固形状エポキシ樹脂としては、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、又はナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固形状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP-4700」、「HP-4710」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP7200」、「HP7200H」、「HP7200K」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311-G3」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN-502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鐵化学(株)製の「ESN475」、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)等が挙げられる。固形状エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
 数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、5質量%~40質量%が好ましく、10質量%~30質量%がより好ましく、15質量%~30質量%が更に好ましい。この範囲とすることにより、現像性をより良好にすることができる。
 また、成分(A)エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合、現像性を向上させる観点から、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂は50質量%~100質量%であることが好ましく、80質量%~100質量%であることがより好ましく、90質量%~100質量%であることが更に好ましい。
 数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50~3000であり、より好ましくは80~2000であり、さらに好ましくは110~1000である。この範囲となることで、硬化物の架橋密度が十分となり耐熱性に優れた絶縁層をもたらす。なお、エポキシ当量は、例えばJIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
<成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂>
 本発明の感光性樹脂組成物は、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂を含む。(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、成分(A)エポキシ樹脂の硬化剤としての機能を発揮するとともに、感光性樹脂組成物に光硬化性を付与することができ、該感光性樹脂組成物の硬化物に対し多層プリント配線板の絶縁層に好適なガラス転移温度、低い線熱膨張係数といった特性を付与することができる。ここで、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートおよびアクリレートを指す。
 (メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、フェノール性水酸基の一部が(メタ)アクリレート基に変性されている化合物であれば特に制限はない。(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、架橋密度を高め、ガラス転移温度をより高くし、線熱膨張係数をより低くするために、(メタ)アクリレート変性フェノールノボラック樹脂が好ましく、(メタ)アクリレート基((メタ)アクリロイル基)を1分子中に2つ以上有する(メタ)アクリレート変性フェノールノボラック樹脂がより好ましい。
 上記のような(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、(メタ)アクリレート化合物とイソシアネート化合物との反応物を合成し、該反応物とフェノール樹脂とを反応させることで製造することができる。(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂としては、たとえば、特開平7-56336号公報に記載されているアルカリ可溶性樹脂に包含される化合物が挙げられる。
 (メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、現像性と解像性とのバランスの観点から、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の(メタ)アクリレート基の比率が5~30%であることが好ましく、10~25%であることがより好ましい。ここで、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の(メタ)アクリレート基の比率とは、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基と(メタ)アクリレート基との合計数を100%とした場合の(メタ)アクリレート基の数の割合である。
 (メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の数平均分子量は、現像性を向上させるという観点から、10000以下が好ましく、8000以下がより好ましく、6000以下が更に好ましい。また(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の数平均分子量は、解像性を向上させるという観点から、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、3000以上が更に好ましい。
 (メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の水酸基当量は、熱硬化による架橋密度を適度に形成するために、100~500が好ましく、150~400がより好ましい。
 (メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、10質量%~50質量%が好ましく、15質量%~40質量%がより好ましく、20質量%~40質量%が更に好ましい。この範囲とすることにより、現像性と解像性とのバランスを保ち、ガラス転移温度、線熱膨張係数をより良好にすることができる。
<成分(C)光重合開始剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、成分(C)光重合開始剤を含有させることにより、効率的に光硬化させることができる。光重合開始剤は、特に限定されるものではないが、例えば、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルエチルエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,4-ジエチルチオキサントン、ジフェニル-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、エチル-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等のアルキルフェノン系光重合開始剤、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系光重合開始剤、スルホニウム塩系光重合開始剤等が挙げられる。
 市販されている光重合開始剤としては、例えば、BASFジャパン(株)製「OXE-02」(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム))、「OXE-01」(1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)])が挙げられる。
 特に、光重合開始剤がオキシムエステル系光重合開始剤であることが高感度であるため好ましい。光重合開始剤はいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
 光重合開始剤の配合量は、感光性樹脂組成物を十分に光硬化させ、線熱膨張係数を低下させるという観点から、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、その含有量を0.1質量%以上とすることが好ましく、0.3質量%以上とすることがより好ましく、0.5質量%以上とすることが更に好ましい。他方、光重合開始剤の配合量は、感度過多による解像性の低下を防止するという観点から、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、その含有量を2質量%以下とすることが好ましい。
<成分(D)無機充填材>
 本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上であることで、感光性樹脂組成物の解像性を確保することができる。無機充填材の含有量が35質量%未満であると、感光性樹脂組成物を露光、現像することによりビアを形成した際に、ビアのトップ径側の表面に樹脂だれが発生してしまい、円形状であるべきビアのトップ径側の輪郭の平面形状が歪んでしまう。このような樹脂だれの発生を抑制し、小径のビアにおいてもすぐれた解像性を有するという観点から、無機充填材の含有量は40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。また、感光性樹脂組成物の底部への光透過性が低下することによるアンダーカットの発生を防止するためには、無機充填材の含有量は80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
 無機充填材としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウムなどが挙げられる。なかでも無機充填材としては、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ、球状シリカ等のシリカが好ましく、とくに線熱膨張係数を低下させるという点で溶融シリカ、球状シリカがより好ましく、球状溶融シリカが更に好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。市販されている球状溶融シリカとしては、例えば、(株)アドマテックス製「SOC2」、「SOC1」、「SC2050」、電気化学工業(株)製「UFP-30」(平均粒径0.1μm)、旭硝子(株)製「AZフィラー」等が挙げられる。
 無機充填材の平均粒径としては、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の光透過性を向上させ、アンダーカットの発生を防止するという観点から、感光性樹脂組成物が含む無機充填材の平均粒径が3μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが更に好ましく、0.6μm以下であることが更に一層好ましく、0.4μm以下であることが殊更好ましく、0.2μm以下であることが特に好ましい。
 他方、感光性樹脂組成物を樹脂ワニスとした場合に、樹脂ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点、解像性の低下防止の観点から、感光性樹脂組成物が含む無機充填材の平均粒径が0.01μm以上であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.05μm以上であることが更に好ましい。上記無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA-950」等を使用することができる。
 また成分(D)無機充填材が、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材と平均粒径0.15μm~3μmの無機充填材とを含むことが好ましい。このようにすることで、感光性樹脂組成物の光透過性向上と解像性低下防止とのバランスを保つことが容易となる。特に成分(D)無機充填材が、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材と平均粒径が0.2μm~3μmの無機充填材とを含むことがより好ましい。
 さらに感光性樹脂組成物の無機充填材の含有量を100質量部とした場合、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材を1~50質量部含むことが好ましい。感光性樹脂組成物が平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材をこのような範囲で含むことで、感光性樹脂組成物の光透過性の向上と解像性の低下防止のバランスを保つことができる。平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材の含有量は、より好ましくは10~45質量部、更に好ましくは18~40質量部である。
 無機充填材は、表面処理剤で表面処理することが好ましく、具体的には、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、アクリレートシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物及びチタネート系カップリング剤より選択される1種以上の表面処理剤で表面処理することがより好ましい。これにより、無機充填材の分散性や耐湿性を向上させることができる。
 表面処理剤の例としては、具体的には、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系カップリング剤、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリルシラン系カップリング剤、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルジエトキシシラン等のアクリレートシラン系カップリング剤、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシラン系カップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィドシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン、tert-ブチルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、2,2,4,4,6,6-ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサオクチルジシラザン、1,3-ジエチルテトラメチルジシラザン、1,3-ジ-n-オクチルテトラメチルジシラザン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシラザン、1,3-ジメチルテトラフェニルジシラザン、1,3-ジエチルテトラメチルジシラザン、1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジメチルジシラザン、1,3-ジプロピルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラザン、テトラメチルジシラザン等のオルガノシラザン化合物、テトラ-n-ブチルチタネートダイマー、チタニウム-i-プロポキシオクチレングリコレート、テトラ-n-ブチルチタネート、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ-n-ブトキシチタンモノステアレート、テトラ-n-ブチルチタネート、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N-アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。これらのなかでもアミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物が好ましい。表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
 無機充填材は、感光性樹脂組成物の分散性の向上の観点から、シラザン化合物で表面処理した無機充填材を用いることが好ましい。そしてシラザン化合物で表面処理した後に、シランカップリング剤で表面処理することで、更なる分散性の向上を図ることができる。表面処理に用いられるシラザン化合物の量は、無機充填材100質量%に対して0.001質量%~0.3質量%であることが好ましく、0.005質量%~0.2質量%であることがより好ましい。ヘキサメチルジシラザンで表面処理した球状溶融シリカとしては、例えば、(株)アドマテックス製「SC2050」が挙げられる。また表面処理に用いられるシランカップリング剤の量は、無機充填材100質量%に対して0.1質量%~6質量%であることが好ましく、0.2質量%~4質量%であることがより好ましく、0.3質量%~3質量%であることが更に好ましい。
 表面処理剤で表面処理された無機充填材の表面処理方法は、特に限定されないが、例えば、乾式法や湿式法が挙げられる。乾式法としては、回転ミキサーに無機充填材を仕込んで、攪拌しながら表面処理剤のアルコール溶液又は水溶液を滴下又は噴霧した後、さらに攪拌し、ふるいにより分級する。その後、加熱により表面処理剤と無機充填材とを脱水縮合させることにより得ることができる。湿式法としては、無機充填材と有機溶媒とのスラリーを攪拌しながら表面処理剤を添加し、攪拌した後、濾過、乾燥及びふるいによる分級を行う。その後、加熱により表面処理剤と無機充填材とを脱水縮合させることにより得ることができる。また、表面処理方法は樹脂組成物中に表面処理剤を添加するインテグラルブレンド法でもよい。なかでも、無機充填材を表面処理剤により表面処理した後、樹脂組成物に添加することが好ましい。この場合には、無機充填材の分散性をより一層高めることができる。
<成分(E)反応性希釈剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、更に成分(E)反応性希釈剤を含有させることにより、露光時の反応性を向上させることができる。反応性希釈剤としては、例えば、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する室温で液体、固体又は半固形の感光性(メタ)アクリレート化合物が使用できる。
 代表的な感光性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノまたはジアクリレート類、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド若しくはε-カプロラクトンの付加物の多価アクリレート類、フェノキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等のフェノール類、あるいはそのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルから誘導されるエポキシアクリレート類、メラミンアクリレート類、及び/又は上記のアクリレートに対応するメタクリレート類などが挙げられる。これらのなかでも、多価アクリレート類または多価メタクリレート類が好ましく、例えば、3価のアクリレート類またはメタクリレート類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラフルフリルアルコールオリゴ(メタ)アクリレート、エチルカルビトールオリゴ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンオリゴ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールオリゴ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N,N',N'-テトラキス(β-ヒドロキシエチル)エチルジアミンの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、3価以上のアクリレート類またはメタクリレート類としては、トリ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、トリ(2-(メタ)アクリロイルオキシプロピル)ホスフェート、トリ(3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル)ホスフェート、トリ(3-(メタ)アクリロイル-2-ヒドロキシルオキシプロピル)ホスフェート、ジ(3-(メタ)アクリロイル-2-ヒドロキシルオキシプロピル)(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(3-(メタ)アクリロイル-2-ヒドロキシルオキシプロピル)ジ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート等のリン酸トリエステル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これら感光性(メタ)アクリレート化合物はいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
 市販されている反応性希釈剤としては、日本化薬(株)製「DPHA」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、共栄社化学工業(株)製「DCPA」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)が挙げられる。
 反応性希釈剤を配合する場合の含有量は、光硬化を促進させ、かつ硬化物としたときにべたつきを防止するという観点から、感光性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、0.5質量%~10質量%が好ましく、3質量%~9質量%がより好ましい。
<成分(F)硬化促進剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、更に成分(F)硬化促進剤を含有させることにより、熱硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、特に限定されないが、たとえば、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
 アミン系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン(以下、DBUという。)などのアミン化合物などが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
 グアニジン系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
 イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
 ホスホニウム系硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
 市販されている硬化促進剤としては、例えば、四国化成(株)製「2P4MZ」(2-フェニル-4-メチルイミダゾール)、「2E4MZ」(2-エチル-4-メチルイミダゾール)が挙げられる。
 硬化促進剤を配合する場合の含有量は、感光性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、0.005質量%~1質量%の範囲であることが好ましく、0.01質量%~0.5質量%の範囲であることがより好ましい。0.005質量%未満であると、硬化が遅くなり硬化時間が長く必要となる傾向にあり、1質量%を超えると樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向となる。
<成分(G)有機充填材>
 本発明の感光性樹脂組成物は、更に成分(G)有機充填材を含有させることにより、硬化物としたときに加わる応力を緩和することができ、クラックの発生を防止することができる。有機充填材としては、たとえば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられる。
 ゴム粒子としては、ゴム弾性を示す樹脂に化学的架橋処理を施し、有機溶剤に不溶かつ不融とした樹脂の微粒子体であるものならばどのようなゴム粒子でもよく、たとえば、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。ゴム粒子としては、具体的には、XER-91(日本合成ゴム(株)製)、スタフィロイドAC3355、AC3816、AC3816N、AC3832、AC4030、AC3364、IM101(以上、アイカ工業(株)製)、パラロイドEXL2655、EXL2602(以上、呉羽化学工業(株)製)などが挙げられる。
 ポリアミド微粒子としては、アミド結合を有する樹脂の50μm以下の微粒子であればどのようなポリアミド微粒子でもよく、たとえば、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ケブラー等の芳香族ポリアミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。ポリアミド微粒子としては、具体的には、VESTOSINT 2070(ダイセルヒュルス(株)製)や、SP500(東レ(株)製)などが挙げられる。
 有機充填材の平均粒径は、0.005μm~1μmの範囲であることが好ましく、0.2μm~0.6μmの範囲であることがより好ましい。成分(G)有機充填材の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。有機充填材の平均粒径は、例えば、適当な有機溶剤に有機充填材を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(FPAR-1000;大塚電子(株)製)を用いて、有機充填材の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。
 有機充填材を配合する場合の含有量は、耐熱性の向上、レーザー加工性の向上という観点から、感光性樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、0.1質量%~6質量%が好ましく、1質量%~3質量%がより好ましい。
<成分(H)光増感剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、更に成分(H)光増感剤を含有させることにより、光硬化性を向上させることができる。光増感剤として、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類を加えてもよいし、ピラリゾン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、チオキサントン類などのような光増感剤を加えてもよい。本発明においては、光増感剤として、チオキサントン類を使用するのが好ましく、2,4-ジエチルチオキサントンを使用するのがさらに好ましい。市販されている光増感剤としては、例えば、日本化薬(株)製「DETX-S」(2,4-ジエチルチオキサントン)が挙げられる。光増感剤はいずれか1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
<成分(I)有機溶剤>
 本発明の感光性樹脂組成物は、更に成分(I)有機溶剤を含有させることにより感光性樹脂組成物(樹脂ワニス)の粘度を調整することができる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。有機溶剤を用いる場合の含有量は、感光性樹脂組成物の塗布性の観点から適宜調整することができる。
<成分(J)その他の添加剤>
 本発明の感光性樹脂組成物では、本発明の目的を阻害しない程度に、成分(J)その他の添加剤を更に配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、メラミン、有機ベントナイト等の微粒子、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の着色剤、ハイドロキノン、フェノチアジン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤、臭素化エポキシ化合物、酸変性臭素化エポキシ化合物、アンチモン化合物、リン系化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等の難燃剤、フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、アミノ樹脂、アルキルエーテル化されたアミノ基を2つ以上有する化合物、オキセタン環含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。)、アルデヒド基含有フェノール化合物、メチロール基含有フェノール化合物等の熱硬化樹脂、等の各種添加剤を添加することができる。
 本発明の感光性樹脂組成物は、上記成分(A)~成分(J)を適宜混合し、また、必要に応じて3本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の撹拌手段により混練または撹拌することにより、樹脂ワニスとして製造することができる。
 本発明の感光性樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、感光性フィルム、支持体付き感光性フィルム、プリプレグ等の絶縁樹脂シート、回路基板(積層板用途、多層プリント配線板用途等)、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等、樹脂組成物が必要とされる用途の広範囲に使用できる。なかでも、多層プリント配線板(感光性樹脂組成物の硬化物を(層間)絶縁層とした多層プリント配線板)の(層間)絶縁層の形成用の樹脂組成物、メッキにより導体層が形成された多層プリント配線板(感光性樹脂組成物の硬化物上にメッキにより導体層が形成された多層プリント配線板)の(層間)絶縁層の形成用の樹脂組成物として好適に使用することができる。
<感光性フィルム>
 本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂ワニスとして支持基板上に塗布し、有機溶剤を乾燥させることで樹脂組成物層を形成して、感光性フィルムとすることができる。また、予め支持体上に形成された感光性フィルムを支持基板に積層して用いることもできる。本発明の感光性フィルムは様々な支持基板に積層させることができる。支持基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板が挙げられる。
<支持体付き感光性フィルム>
 本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂組成物層が支持体に設けられた支持体付き感光性フィルムの形態で好適に使用することができる。つまり、支持体付き感光性フィルムは感光性樹脂組成物の層が支持体上に形成されている。支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、トリアセチルアセテートフィルム等が挙げられ、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。市販の支持体としては、例えば、王子製紙株式会社製の製品名「アルファンMA-410」、「E-200C」、信越フィルム株式会社製等のポリプロピレンフィルム、帝人株式会社製の製品名「PS-25」等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるが、これらに限られたものではない。これらの支持体は、樹脂組成物層の剥離を容易にするため、シリコーンコート剤のような剥離剤を表面に塗布してあるのがよい。支持体の厚さは、5μm~50μmの範囲であることが好ましく、10μm~25μmの範囲であることがより好ましい。この厚さが5μm未満では、現像前に行う支持体の剥離の際に支持体(支持フィルム)が破れやすくなる傾向があり、他方で、厚さが50μmを超えると、支持体の上方から露光する際の解像性が低下する傾向がある。
 また、紫外線等の活性エネルギー線による露光時の光の散乱を低減するため、支持体は透明性に優れるものが好ましい。支持体は、具体的には、透明性の指標となる濁度(JIS-K6714で規格化されているヘーズ)が0.1~5であるものが好ましい。さらに支持体上の樹脂組成物層は保護フィルムで保護されていてもよい。
 支持体付き感光性フィルムの樹脂組成物層側を保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。保護フィルムとしては上記の支持体と同様の材料により構成されたフィルムを用いることができる。保護フィルムの厚さは特に限定されないが、1μm~40μmの範囲であることが好ましく、5μm~30μmの範囲であることがより好ましく、10μm~30μmの範囲であることが更に好ましい。この厚さが1μm未満では、保護フィルムの取り扱い性が低下する傾向があり、40μmを超えると廉価性に劣る傾向がある。なお、保護フィルムは、樹脂組成物層と支持体との接着力に対して、樹脂組成物層と保護フィルムとの接着力の方が小さいものが好ましい。
 本発明の支持体付き感光性フィルムは、当業者に公知の方法に従って、例えば、本発明の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを調製し、支持体上にこの樹脂ワニスを塗布し、加熱又は熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成することにより製造することができる。具体的には、まず、真空脱泡法等で感光性樹脂組成物中の泡を完全に除去した後、感光性樹脂組成物を支持体上に塗布し、熱風炉あるいは遠赤外線炉により溶剤を除去し、乾燥せしめ、ついで必要に応じて得られた樹脂組成物層上に保護フィルムを積層することにより支持体付き感光性フィルムを製造することができる。具体的な乾燥条件は、樹脂組成物の硬化性や樹脂ワニス中の有機溶剤量によっても異なるが、30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスにおいては、80℃~120℃で3分間~13分間で乾燥させることができる。樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、樹脂組成物層の総量に対して5質量%以下とすることが好ましく、2質量%以下とすることがより好ましい。当業者は、簡単な実験により適宜、好適な乾燥条件を設定することができる。樹脂組成物層の厚さは、取り扱い性を向上させ、かつ樹脂組成物層の内部の感度及び解像度が低下するのを防止するという観点から、1μm~100μmの範囲とすることが好ましく、3μm~80μmの範囲とすることがより好ましく、5μm~50μmの範囲とすることが更に好ましく、8μm~40μmの範囲とすることが更に一層好ましく、10μm~30μmの範囲とすることが殊更好ましい。
 感光性樹脂組成物の塗布方式としては、たとえば、グラビアコート方式、マイクログラビアコート方式、リバースコート方式、キスリバースコート方式、ダイコート方式、スロットダイ方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコート方式、チャンバーグラビアコート方式、スロットオリフィス方式、スプレーコート方式、ディップコート方式等が挙げられる。
 感光性樹脂組成物は、数回に分けて塗布してもよいし、1回で塗布してもよく、また異なる方式を複数組み合わせて塗布してもよい。中でも、塗布された層の均一性に優れる、ダイコート方式が好ましい。また、異物混入等をさけるために、クリーンルーム等の異物が少ない環境で塗布工程を実施することが好ましい。
<多層プリント配線板>
 次に、感光性樹脂組成物を用いる多層プリント配線板の製造方法の例を説明する。
 (樹脂組成物層を形成する工程)
 この工程では回路基板上に樹脂組成物層(感光性フィルム)を形成する。回路基板に含まれる基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターニングされた導体層(回路)が形成された基板をいう。また導体層と絶縁層とを交互に積層してなる多層プリント配線板において、該多層プリント配線板の最外層の片面又は両面がパターニングされた導体層(回路)とされている基板も、ここでいう回路基板に含まれる。なお導体層の表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。樹脂組成物層の形成工程は、下記のとおり(1)塗布方式、あるいは(2)ラミネート工程により行うことが好ましい。
 (1)塗布方式
 塗布方式による樹脂組成物層の形成は、感光性樹脂組成物を樹脂ワニスとして直接的に回路基板上に塗布し、有機溶剤を乾燥させることにより行われる。
 樹脂ワニスの塗布方式としては、スクリーン印刷方式による全面印刷が一般に多く用いられているが、その他にも均一に塗布できる塗布方式であればどのような手段を用いてもよい。例えば、スプレーコート方式、ホットメルトコート方式、バーコート方式、アプリケーター方式、ブレードコート方式、ナイフコート方式、エアナイフコート方式、カーテンフローコート方式、ロールコート方式、グラビアコート方式、オフセット印刷方式、ディップコート方式、刷毛塗り、その他通常の塗布方式はすべて使用できる。塗布後、必要に応じて熱風炉あるいは遠赤外線炉等で乾燥を行う。乾燥条件は、80℃~120℃で3分間~13分間とすることが好ましい。このようにして、回路基板上に樹脂組成物層が形成される。
 (2)ラミネート工程
 支持体付き感光性フィルムを用いる場合には、ラミネート工程によって、樹脂組成物層を回路基板の片面又は両面に形成する。このラミネート工程において、支持体付き感光性フィルムが保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じて感光性フィルム及び回路基板をプレヒートし、樹脂組成物層を加圧及び加熱しながら回路基板に圧着する。本発明の感光性フィルムにおいては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。
 ラミネート工程の条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70℃~140℃とし、圧着圧力を好ましくは1kgf/cm~11kgf/cm(9.8×10N/m~107.9×10N/m)、圧着時間を好ましくは5秒間~300秒間とし、空気圧を20mmHg(26.7hPa)以下とし、減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネート工程は、バッチ式であってもロールを用いる連続式であってもよい。真空ラミネート法は、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアプリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。このようにして、回路基板上に樹脂組成物層が形成される。
 (露光工程)
 前記塗布方式、あるいはラミネート工程により、回路基板上に樹脂組成物層を設けた後、該樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して、樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる露光工程を行う。活性光線としては、たとえば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特に紫外線が好ましい。紫外線の照射量はおおむね10mJ/cm2~1000mJ/cm2である。露光方法にはマスクパターンを樹脂組成物層に密着させて行う接触露光法と、密着させずに平行光線を使用して露光する非接触露光法とがあるが、どちらを用いてもよい。また、樹脂組成物層上に支持体が存在している場合は、支持体上から露光してもよいし、支持体を剥離後に露光してもよい。
 (現像工程)
 露光工程後、樹脂組成物層上に支持体が存在している場合にはその支持体を除去した後、ウエット現像又はドライ現像により樹脂組成物層を現像して未露光部(光硬化されていない部分)を除去することで、ビアを形成することができる。
 上記ウエット現像の場合、現像液としては、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の安全かつ安定であり操作性が良好な現像液を用いることが好ましく、なかでもアルカリ性水溶液による現像工程が好ましい。また、現像方法としては、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法が適宜採用される。
 現像液として使用されるアルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸塩又は重炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩の水溶液、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の金属イオンを含有しない有機塩基の水溶液が挙げられ、金属イオンを含有せず、半導体チップに影響を与えないという点で水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の水溶液が好ましい。
 現像液として使用される上記アルカリ性水溶液には、現像効果の向上のため、界面活性剤、消泡剤等を添加することができる。上記アルカリ性水溶液のpHは、例えば、8~12の範囲であることが好ましく、9~11の範囲であることがより好ましい。また、上記アルカリ性水溶液の塩基濃度は、0.1質量%~10質量%とすることが好ましい。上記アルカリ性水溶液の温度は、樹脂組成物層の現像性に合わせて適宜選択することができるが、20℃~50℃とすることが好ましい。
 現像液として使用される有機溶剤としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、炭素原子数1~4のアルコキシ基を有するアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
 このような有機溶剤の濃度は、現像液の全量に対して2質量%~90質量%であることが好ましい。また、このような有機溶剤の温度は、現像性にあわせて調節することができる。さらに、このような有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。単独で用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1-トリクロロエタン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ-ブチロラクトンが挙げられる。
 本発明の樹脂組成物を用いるパターン形成(露光工程および現像工程)においては、必要に応じて、上記した2種類以上の現像方法を併用して用いてもよい。現像の方式には、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、高圧スプレー方式、ブラッシング、スクラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度の向上のためには好適である。スプレー方式を採用する場合のスプレー圧としては、0.05MPa~0.3MPaが好ましい。
 本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、アンダーカットを生じさせずにより小径のビアを形成することが可能であり、現像工程後のビアのトップ径(樹脂組成物層表面の開口の輪郭の直径)を50μm以下とすることができる。微細配線形成の観点から、45μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、35μm以下が更に好ましい。ビアのトップ径の下限値は、ビア内にメッキにより導電性の材料を導入することによって絶縁層間の電気的な接続が確保できればよく、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。
 本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、アンダーカットを生じさせずにより小径のビアを形成することが可能であり、ビアのトップ径とビアの底部径との差が小さくなり、ビアの開口率が向上することで絶縁層間の接続の信頼性が向上する。ここで、ビアの開口率とは、ビアのトップ径を100%とした場合の底部径の開口率(底部径/トップ径×100)を表す。ビアの開口率は70%以上であるのが好ましく、75%以上であるのがより好ましく、80%以上であるのが更に好ましく、85%以上であるのが特に好ましい。
 (プリベーク工程)
 上記現像工程後、必要に応じて樹脂組成物層を予備加熱するプリベーク工程を行うことで、ビアのアンダーカットを更に減少させることができ、ビアの開口率をより向上させることができる。プリベーク工程としては、50~100℃で1分~10分の範囲で加熱を行うことが好ましい。
 (ポストベーク工程)
 上記現像工程終了後、樹脂組成物層に対し加熱工程(ポストベーク工程)を行い、樹脂組成物層を硬化して感光性樹脂組成物の硬化物を有する層である絶縁層を形成する。ポストベーク工程としては、例えば、高圧水銀ランプによる紫外線照射工程、クリーンオーブンを用いた加熱工程等が挙げられる。紫外線を照射する場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.05J/cm~10J/cm程度の照射量で照射を行うことができる。また加熱工程の条件は、樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃~220℃で20分間~180分間の範囲、より好ましくは160℃~200℃で30分間~120分間の範囲で選択される。
 本発明の感光性樹脂組成物は、多層プリント配線板の絶縁層に好適なガラス転移温度、低い線熱膨張係数の特性を有し、ポストベーク工程後の硬化物のガラス転移温度を160℃以上とすることができ、好ましくは170℃以上とすることができる。ガラス転移温度の上限値は特に制限はないが、一般的に250℃以下となる。また、本発明の感光性樹脂組成物は、ポストベーク工程後の硬化物の線熱膨張係数(25℃から150℃までの平均線熱膨張係数)を40ppm以下とすることができる。線熱膨張係数の下限値は特に制限はないが、一般的に20ppm以上となる。
 (メッキ工程)
 次に、乾式メッキ又は湿式メッキにより絶縁層上に導体層を形成する。乾式メッキとしては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法を使用することができる。蒸着法(真空蒸着法)では、例えば、支持体を真空容器内に入れ、金属を加熱蒸発させることにより絶縁層上に金属膜(導体層)を形成することができる。スパッタリング法では、例えば、絶縁層が形成された構造体を真空容器内に入れ、アルゴン等の不活性ガスを導入し、直流電圧を印加して、イオン化した不活性ガスをターゲット金属に衝突させ、叩き出された金属により絶縁層上に導体層を形成することができる。
 湿式メッキの場合は、形成された絶縁層の表面に対して、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理及び中和液による中和処理をこの順に行うことによって凸凹のアンカーを形成する。膨潤液による膨潤処理は、絶縁層を50℃~80℃で5分間~20分間膨潤液に浸漬させることで行われる。膨潤液としてはアルカリ溶液が挙げられ、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等が挙げられる。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のスウェリング・ディップ・セキュリガンスP(Swelling Dip Securiganth P)、スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU(Swelling Dip Securiganth SBU)等を挙げることができる。酸化剤による粗化処理は、絶縁層を60℃~80℃で10分間~30分間酸化剤溶液に浸漬することで行われる。酸化剤としては、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等を挙げることができる。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5重量%~10重量%とするのが好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製のコンセントレート・コンパクトCP、ドージングソリューション・セキュリガンスP等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。中和液による中和処理は、30℃~50℃で3分間~10分間中和液に浸漬させることで行われる。中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、アトテックジャパン(株)製のリダクションソリューション・セキュリガンスPが挙げられる。
 次いで、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせて導体層を形成する。また導体層とは逆パターンのメッキ用レジストパターンを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成することもできる。導体層のパターニングの方法として、例えば、当業者に公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
<半導体装置>
 本発明の多層プリント配線板を用いることで該多層プリント配線板を含む半導体装置を製造することができる。本発明の多層プリント配線板の導通箇所に、半導体チップを実装することにより半導体装置、すなわち本発明の多層プリント配線板を含む半導体装置を製造することができる。「導通箇所」とは、「多層プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は多層プリント配線板の表面であっても、埋め込まれた箇所であってもよい。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
 本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法などが挙げられる。
 以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例の説明において、「部」は「質量部」を意味する。
<合成例1> アクリレート変性フェノール樹脂Aの合成
 300mLセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート25g、3-イソシアナト―3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアナート(エボニック社)50gを量り取り、40℃で加熱撹拌した。また、ペンタエリスリトールトリアクリレート含有物(東亜合成社製「M306」)92.23g、カルビトールアセテート25g、ジブチル錫ジラウリレート(東京化成社)0.45g、ハイドロキノン(東京化成社)0.4gを量り取り、攪拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)にて8分間混合した混合物を用意し、滴下ロートを用いて、1時間以上かけてセパラブルフラスコ内に滴下した。その後、30分間、40℃にて加熱撹拌し、3-イソシアナト―3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアナートとペンタエリスリトールアクリレートとのエステル反応物193.08gを得た。
 他方、500mLセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート132.26g、フェノールノボラック樹脂(DIC社製「TD-2090」)132.26gを量り取り、75℃にて完全に溶解するまで撹拌した。次いで、上記エステル反応物193.08gを加え、イソシアネート基が消失するまでIR(赤外分光光度計)で確認しつつ85℃にて加熱撹拌を行った。40℃に冷却後、エタノール(純正化学社)3.11gを加え、さらに2時間以上撹拌し、アクリレート変性フェノール樹脂Aを460.71gを得た。得られたアクリレート変性フェノール樹脂Aの性状は下記のとおりであった。
・不揮発成分60質量%の溶剤溶解品
・アクリレート基の比率:18%
・数平均分子量:4000
・水酸基当量:246
<実施例1>
 結晶性2官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)111.4部、アクリレート変性フェノール樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-02」、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)17.4部、無機充填材((株)アドマテックス製「SC2050」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.5μm)34部、無機充填材(電気化学工業(株)製「UFP-30」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.1μm)25.5部、無機充填材(旭硝子(株)製「AZフィラー」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形ガラスフィラー、平均粒径0.2μm、比重2.2g/m)17部、(メタ)アクリレート含有化合物(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)10部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)8.8部、ゴム粒子(アイカ工業(株)製「AC3816N」)2.4部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX-S」、2,4-ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)4.4部、有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート)10部、を配合し、3本ロールを用いて混錬して、樹脂ワニスを調製した。
 次に、かかる樹脂ワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製「R310-16B」、厚さ16μm)上にダイコーターにて厚さが均一になるように塗布し、熱風対流式乾燥機を用いて75℃~120℃(平均100℃)で6分間乾燥させて、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
(評価用積層体の製造)
 厚さ18μmの銅層をパターニングすることにより回路が形成されているガラスエポキシ基板(銅張積層板)の銅層をCZ8100(有機酸を含む表面処理剤、メック(株)製)にて処理して粗化を施した。次に支持体付き感光性フィルムの樹脂組成物層が回路の表面と接するように配置し、真空ラミネーター(ニチゴー・モートン株式会社製「VP160」)を用いて積層し、前記銅張積層板と、前記樹脂組成物層と、前記支持体とがこの順に積層された積層体を形成した。ラミネート条件は、真空引きの時間20秒、圧着温度80℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間20秒で行った。
 得られた積層体を室温で1時間以上静置し、該積層体の支持体上から、丸穴パターンを用いて、直径(トップ径)30μmの丸穴を形成すべく、パターン形成装置を用いて、50mJ/cmの紫外線で露光を行った。室温にて30分間静置した後、前記積層体から支持体を剥がし取った。
 該積層体の樹脂組成物層の表面に、現像液として30℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaにて最小現像時間(未露光部が現像される最小時間)の1.5倍の時間でスプレー現像した。スプレー現像後、1J/cmの紫外線照射を行い、さらに190℃で、60分間加熱処理し、直径30μmの開口部を有する絶縁層を形成した。これを評価用積層体として下記のとおり評価した。結果を表1に示す。
(評価用硬化物の調製)
 支持体付き感光性フィルムの樹脂組成物層を離型処理されたPETフィルム(リンテック(株)製「PET501010」)の離型面と接するように配置し、真空ラミネーター(ニチゴー・モートン株式会社製「VP160」)を用いて積層した。ラミネート条件は、真空引きの時間20秒間、圧着温度80℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間20秒間で行った。
 得られた積層体を室温1時間以上静置し、支持体上から樹脂組成物層に50mJ/cmの紫外線で露光を行った。支持体を剥離した後、樹脂組成物層の全面に1J/cmの紫外線照射を行い、さらに190℃で、90分間加熱処理し、硬化物を形成した。その後、硬化物を支持体から剥がし取り、これを評価用硬化物とした。
(現像性の評価)
 現像性の評価として、評価用積層体の丸穴の回路側の底部の残渣を倍率を1000倍としてSEMにて観察し、丸穴の底部の残渣の有無を下記の評価基準で評価した。
評価基準
○:直径30μmの丸穴の底部に現像残渣はなく、現像性に優れている。
×:直径30μmの丸穴の底部に現像残渣があり、現像性が劣っている。
(解像性の評価)
 解像性の評価として、評価用積層体の丸穴の断面の形状(丸穴の深さに沿って積層体の厚さ方向から見た形状)を倍率を2500倍としてSEMで観察し、下記の評価基準で評価した。
評価基準
○:直径30μmの丸穴の断面の底部の形状が良好で、アンダーカットが発生していない。
×:直径30μmの丸穴の断面の底部にアンダーカットが発生している。
(ガラス転移温度の評価及び線熱膨張係数の評価)
 評価用硬化物を、幅5mm、長さ15mmの試験片に切断し、評価サンプルとした。続いて、熱機械分析装置TMA-SS6100(セイコーインスツルメンツ(株)製)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。評価サンプルを前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における寸法変化シグナルの傾きが変化する点からガラス転移点温度(℃)を算出した。また、2回目の測定における25℃から150℃までの平均線熱膨張係数(ppm)を算出した。
(ビアの開口率の評価)
 丸穴(ビア)の底部径とトップ径のそれぞれについて、ビアの深さ方向に沿って延在する軸線と直交しかつ互いに直交する2つの方向(縦方向、横方向)においてビアの直径を測定して、その平均値を計算した。ビアの底部径及びトップ径の測定は(株)日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡(型式「SU-1500」) にて行った。まずビアトップ(トップ径)に焦点を合わせ、縦、横の直径を、観察した倍率にて表示されるスケールより算出し、その平均値をトップ径とした。次に、ビアの底部に焦点を合わせ、縦、横の直径を、観察した倍率にて表示されるスケールより算出し、その平均値を底部径とした。
<実施例2>
 液状ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032SS」、エポキシ当量144、数平均分子量740)25.8部、アクリレート変性フェノール樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-02」、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)14部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-01」、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、不揮発成分10質量%のMEK溶液)5.8部、無機充填材((株)アドマテックス製「SC2050」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.5μm)51部、無機充填材(電気化学工業(株)製「UFP-30」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.1μm)23部、(メタ)アクリレート含有化合物(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)8部、(メタ)アクリレート含有化合物(共栄社化学工業(株)製「DCPA」、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)5部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2P4MZ」、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)8.8部、ゴム粒子(アイカ工業(株)製「AC3816N」)2.4部、有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート)10部を配合し、3本ロールを用いて混錬して、樹脂ワニスを調製した。次に、実施例1と同様にして、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得て、同様にして評価を行った。
<実施例3>
 液状ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA-7311G4S」、エポキシ当量187、数平均分子量810)33部、アクリレート変性フェノール樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-02」、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)12部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-01」、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、不揮発成分10質量%のMEK溶液)8部、無機充填材((株)アドマテックス製「SC2050」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.5μm)42部、無機充填材(電気化学工業(株)製「UFP-30」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.1μm)25.5部、無機充填材(旭硝子(株)製「AZフィラー」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形ガラスフィラー、平均粒径0.2μm、比重2.2g/m)8部、(メタ)アクリレート含有化合物(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)10部、(メタ)アクリレート含有化合物(共栄社化学工業(株)製「DCPA」、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)2部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2E4MZ」、2-エチル-4-メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)7部、ゴム粒子(アイカ工業(株)製「AC3816N」)2.4部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX-S」、2,4-ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部、有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート)10部を配合し、3本ロールを用いて混錬して、樹脂ワニスを調製した。次に、実施例1と同様にして、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得て、同様にして評価を行った。
<実施例4>
 結晶性2官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)39部、液状ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂(DIC(株)製「EXA-7311G4S」、エポキシ当量187、数平均分子量810)11.7部、ビスAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7723」、エポキシ当量233、数平均分子量880)11.7部、アクリレート変性フェノール樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-02」、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)12部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-01」、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、不揮発成分10質量%のMEK溶液)8部、無機充填材((株)アドマテックス製「SC2050」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.5μm)42部、無機充填材(電気化学工業(株)製「UFP-30」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.1μm)25.5部、無機充填材(旭硝子(株)製「AZフィラー」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形ガラスフィラー、平均粒径0.2μm、比重2.2g/m)8部、(メタ)アクリレート含有化合物(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)10部、(メタ)アクリレート含有化合物(共栄社化学工業(株)製「DCPA」、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)2部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2E4MZ」、2-エチル-4-メチルイミダゾール、不揮発分2.5質量%のMEK溶液)7部、ゴム粒子(アイカ工業(株)製「AC3816N」)2.4部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX-S」、2,4-ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部、有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート)10部、有機溶剤(メチルエチルケトン)5部を配合し、3本ロールを用いて混錬して、樹脂ワニスを調製した。次に、実施例1と同様にして、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得て、同様にして評価を行った。
<実施例5>
 実施例1と同様にして、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
 評価用積層体の調製において、スプレー現像後、60℃で5分間のプリベーク工程を行い、その後1J/cmの紫外線照射を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、評価用積層体を調製し、評価を行った。
 評価用硬化物の調製において、支持体を剥離した後、60℃で5分間のプリベーク工程を行い、その後樹脂組成物層の全面に1J/cmの紫外線照射を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、評価用硬化物を調製した。
<比較例1>
 結晶性2官能エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)111.4部、アクリレート変性フェノール樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE-01」、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、不揮発成分10質量%のMEK溶液)25部、無機充填材((株)アドマテックス製「SC2050」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.5μm)25部、(メタ)アクリレート含有化合物(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)16部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2E4MZ」、2-エチル-4-メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)9部、ゴム粒子(アイカ工業(株)製「AC3816N」)2.4部、有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート)10部、を配合し、3本ロールを用いて混錬して、樹脂ワニスを調製した。次に、実施例1と同様にして、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得て、同様にして評価を行った。なお、ビアの開口率については評価を行っていない。
<比較例2>
 固体状クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製「N-695」、エポキシ当量212、数平均分子量4100、不揮発成分60質量%のMEK溶液)を62部、アクリレート変性フェノール樹脂Aを73部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「IC819」、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、不揮発成分10質量%のMEK溶液)を40部、無機充填材((株)アドマテックス製「SC2050」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.5μm)80部、無機充填材(電気化学工業(株)製「UFP-30」、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球状溶融シリカ、平均粒径0.1μm)15部、(メタ)アクリレート含有化合物(日本化薬(株)製「DPHA」、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)12部、(メタ)アクリレート含有化合物(共栄社化学工業(株)製「DCPA」、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)10部、硬化促進剤(四国化成(株)製「2E4MZ」、2-エチル-4-メチルイミダゾール、不揮発成分2.5質量%のMEK溶液)12部、ゴム粒子(アイカ工業(株)製「AC3816N」)2.4部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX-S」、2,4-ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)5部、有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート)10部、を配合し、3本ロールを用いて混錬して、樹脂ワニスを調製した。次に、実施例1と同様にして、樹脂組成物層の厚さが20μmの支持体付き感光性フィルムを得て、同様にして評価を行った。なお、解像性、ビアの開口率については評価を行っていない。
 結果を表1に示す。なお、感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合の成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)それぞれの比率(%)についても併せて表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 実施例1~5は本発明の感光性樹脂組成物を用いているため良好な結果となっている。一方、比較例1は無機充填材の含有量が少ないため、アンダーカットが発生し、解像性に劣ること分かる。また、比較例2は数平均分子量1000以下のエポキシ樹脂を用いていないため、現像性に劣ることが分かる。
 本発明によれば、ビアの底部のアンダーカットを生じさせずに、小径のビアを形成することができる感光性樹脂組成物を提供でき、さらには多層プリント配線板の絶縁層に好適なガラス転移温度、低い線熱膨張率を有する感光性樹脂組成物を提供することができる。更にそれを用いた感光性フィルム、多層プリント配線板、半導体装置を提供することができる。

Claims (16)

  1.  成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、
     前記成分(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂を含み、
     前記感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記成分(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物。
  2.  前記感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記数平均分子量が1000以下のエポキシ樹脂の含有量が5質量%~40質量%であり、前記成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の含有量が10質量%~50質量%であり、前記成分(C)光重合開始剤の配合量が0.1質量%~2質量%である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3.  前記成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の(メタ)アクリレート基の比率が5~30%である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4.  前記成分(C)光重合開始剤がオキシムエステル系光重合開始剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5.  前記成分(D)無機充填材が、平均粒径が0.01μm~3μmの無機充填材を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6.  前記成分(D)無機充填材が、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材と平均粒径が0.15μm~3μmの無機充填材とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7.  前記成分(D)無機充填材の含有量を100質量部とした場合、平均粒径が0.01μm~0.15μmの無機充填材を1~50質量部含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8.  多層プリント配線板の層間絶縁層の材料である、請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9.  硬化物の線熱膨張係数が40ppm以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10.  請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物層を含む、感光性フィルム。
  11.  請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を有する層を含む、多層プリント配線板。
  12.  請求項11に記載の多層プリント配線板を含む、半導体装置。
  13.  成分(A)エポキシ樹脂、成分(B)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂、成分(C)光重合開始剤、成分(D)無機充填材を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(A)エポキシ樹脂は、数平均分子量1000以下のエポキシ樹脂を含み、前記感光性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、前記(D)無機充填材の含有量が35質量%以上である感光性樹脂組成物を含む樹脂組成物層を回路基板上に形成する工程と、
     前記樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して、樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる露光工程と、
     前記樹脂組成物層を現像し、未露光部を除去することで、ビアを形成する現像工程と、
     前記樹脂組成物層をポストベークし、絶縁層を形成するポストベーク工程と
    を含む、多層プリント配線板の製造方法。
  14.  前記現像工程の後であって前記ポストベーク工程の前に、前記樹脂組成物層を予備加熱するプリベーク工程を含む、請求項13に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  15.  前記ビアのトップ径が50μm以下である、請求項13又は14に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  16.  前記ビアの開口率が70%以上である、請求項13~15のいずれか1項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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