JP2001011301A - 粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法、並びにこれを用いた表皮材 - Google Patents

粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法、並びにこれを用いた表皮材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらゆる形状の粉末熱可塑性ポリウレタン樹
脂をスラッシュ成形用にその粉体特性を更に改良する。 【解決手段】 A成分又はA′成分と、B成分とを含有
する粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物である。この
組成物を用いた成形方法、及びこれを用いた表皮材であ
る。 A成分:平均粒径900μm以下の粉末熱可塑性ポリウ
レタン樹脂。 A′成分:顔料を均一に含有する平均粒径900μm以
下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂。 B成分:カップリング剤で表面処理した平均粒径10μ
m以下の微粉末シリカ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状の熱可塑性
ポリウレタン樹脂とカップリング剤処理した微粉末シリ
カとを含有する粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、
及びこれを用いた成形方法、並びにこれを用いた表皮材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粉末成形用着色熱可塑性ポリウレ
タン樹脂は、押し出し機に代表される混練り機を使用し
て着色した熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た後、粉砕機
による物理的な方法で微粉末化して製造していた。この
方法により得られる着色熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末
の形状は不定形であるため、粉体特性が劣り、特に加工
時の大きな指標とされている安息角、流下速度について
は改善が必要であった。すなわち、加熱された金型上を
均一に着色樹脂粉末が流動しないため、形成品に欠肉部
分や肉厚の不均一が生じていた。
【0003】不定形粉末ではなく真球状のポリウレタン
樹脂粉末を得る技術は、例えば、特開平2−38453
号公報、特開平4−202330号公報、特開平8−1
20041号公報に報告されている。特開平2−384
53号公報には、特定の分散安定剤を用いた非水エマル
ジョン重合法による粉末成形用ポリウレタン樹脂が記載
されている。特開平4−202330号公報には、ポリ
ウレタン樹脂溶液を、特定の分散安定剤を含有する非芳
香族有機溶剤中に滴下後、溶剤を分離・除去して得られ
る熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末が記載されている。特
開平8−120041号公報には、水及び分散安定剤の
存在下で、イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂
とブロックされた鎖伸長剤とを反応させて得られる、粉
末状の熱可塑性ポリウレタン樹脂が記載されている。
【0004】近年、製造工程簡略化のため、粉末ポリウ
レタン樹脂を用いた成形品において、成形と同時に着色
も終了させることが求められている。しかしながら、特
開平2−38453号公報、特開平4−202330号
公報、特開平8−120041号公報には、これらを解
決する手段を示唆する記載はない。
【0005】着色された粉末ポリウレタン樹脂を得る方
法としては、例えば特開平2−294317号公報に記
載の技術が挙げられる。特開平2−294317号公報
には、ポリイソシアネートもしくはポリオールに顔料を
混合し、表面活性剤を添加し、不活性有機液に分散さ
せ、微細な非水エマルジョンとして反応させ、次いで、
不活性有機液を除去する方法が記載されている。
【0006】特開平2−294317号公報に記載され
ている表面活性剤は、オレフィン/ビニルピロリジンも
しくはピロリドン共重合体等の非イオン性表面活性剤で
ある。特開平2−294317号公報では、ポリオール
を顔料に添加した場合、回収分散媒に対する考慮がなさ
れていないため、一度使用した分散媒は、廃棄するか再
処理しなければならず、環境汚染の原因になる。また、
ポリイソシアネートに顔料を添加した場合は、通常、ポ
リイソシアネートの粘度が低いため、顔料を分散させて
もその分散安定性が悪く、静置すると顔料が沈降する場
合がある。更には、顔料は水分を含有している場合が多
いので、ポリイソシアネートの経時安定性に不安があ
る。
【0007】前述の通り、粉末状の熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂を得る方法には大別して、樹脂ペレットを物理的
手法で粉砕する方法と、分散剤を介在させることにより
樹脂粉末を得る方法とがある。これらの方法で得られる
粉末状の熱可塑性ポリウレタン樹脂をスラッシュ成形に
供した場合、充分な粉体特性が得られないため、表皮の
肉厚がばらつき、表皮風合いの低下、欠肉ピンホール等
を生じ、成形性が低下する。
【0008】これらの点を解決するため、特開平4−2
55755号公報には、樹脂粉末に粉末シリカを併用す
る方法が提案されている。この公報には、イソシアネー
ト基末端ウレタンプレポリマー(1)と、活性水素含有
ポリブタジエン誘導体などを含む原料から誘導されたウ
レタン樹脂系分散剤(2)と、低分子ポリアミン(3)
とから誘導される混濁重合体(A)に、粒径20μm以
下の無機系ブロッキング防止剤(B)が添加された熱可
塑性樹脂粉末組成物が開示されている。ここで用いられ
ている無機系ブロッキング防止剤の一つとして、ケイ酸
ナトリウムと酸との反応により合成される湿式法シリ
カ、4塩化ケイ素の燃焼加水分解により合成される乾式
法シリカ等のシリカ微粉末が開示されており、具体的商
品として、富士デヴィソン化学製のサイロイド404
(粒径5μm)が挙げられている。また、特開平6−4
1419号公報には、粒径500μm以下の粉末状ポリ
ウレタン樹脂(A)100重量部とシリカのエーロゾル
(B)0.1重量部とを混合した粉末状ポリウレタン樹
脂組成物が開示されており、エーロゾルの具体例とし
て、日本アエロジル製のアエロジルとトクヤマ製のレオ
ロシールが挙げられている。これらのシリカの併用によ
り、樹脂の耐ブロッキング性が改善され、粉末特性の指
標である流下速度や安息角は改善されたが、スラッシュ
成形における表皮レベリング性や表皮表面のピンホール
については、依然として未解決であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知技術で得
られるポリウレタン樹脂粉末は、粉末成形用の素材とし
て未だ十分な機能、性能を有しておらず、更なる改良が
求められてきた。本発明の目的は、あらゆる形状の粉末
熱可塑性ポリウレタン樹脂をスラッシュ成形用に粉体特
性を更に改良すると共に、これを用いた成形方法、及び
これを用いた表皮材を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者等は、鋭意検討した結果、スラッシュ成形
に適合した粉末特性を有し、レベリング性がよく、ピン
ホールのない表皮が得られる粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物を得ることに成功し、本発明を完成するに至
った。
【0011】すなわち本発明は、以下の(1)〜(1
0)である。 (1) 下記のA成分とB成分を含有すること、を特徴
とする粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。 A成分:平均粒径900μm以下の粉末熱可塑性ポリウ
レタン樹脂。 B成分:カップリング剤で表面処理した平均粒径10μ
m以下の微粉末シリカ。
【0012】(2) 下記のA′成分とB成分を含有す
ること、を特徴とする粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物。 A′成分:顔料を均一に含有する平均粒径900μm以
下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂。 B成分:カップリング剤で表面処理した平均粒径10μ
m以下の微粉末シリカ。
【0013】(3) 前記B成分の含有量が0.000
5〜3.0質量%である、前記(1)又は(2)の粉末
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
【0014】(4) 前記A成分が、下記のa成分、b
成分、c成分及びd成分を非水エマルジョン重合により
反応させて得られる、平均粒径900μm以下の粉末熱
可塑性ポリウレタン樹脂である、前記(1)又は(3)
の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:25℃で液状である数平均分子量500〜1
0,000の芳香環含有ポリエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。
【0015】(5) 前記A′成分が、下記のa成分、
b′成分、c成分及びd成分を非水エマルジョン重合に
より反応させて得られる、顔料を均一に含有する平均粒
径900μm以下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂であ
る、前記(2)又は(3)の粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b′成分:顔料を分散させた、25℃で液状である数平
均分子量500〜10,000の芳香環含有ポリエステ
ルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。
【0016】(6) 前記A′成分が、下記のa成分、
b成分、b′成分、c成分及びd成分を非水エマルジョ
ン重合により反応させて得られる、顔料を均一に含有す
る平均粒径900μm以下の粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂である、前記(2)又は(3)の粉末熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:25℃で液状である数平均分子量500〜1
0,000の芳香環含有ポリエステルポリオール。 b′成分:顔料を分散させた、25℃で液状である数平
均分子量500〜10,000の芳香環含有ポリエステ
ルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。
【0017】(7) 前記非水エマルジョン重合を分散
安定剤の存在下で行う、前記(4)、(5)又は(6)
の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
【0018】(8) 前記b′成分の顔料含有量が、
A′成分に対して、0.5〜50.0質量%である、前
記(5)又は(6)の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組
成物。
【0019】(9) 前記(1)〜(8)のいずれかの
粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物をスラッシュ成形
すること、を特徴とする成形方法。
【0020】(10) 前記(1)〜(8)のいずれか
の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる表皮
材。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。 本発明に用いられるA成分:粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂或いはA′成分:顔料含有粉末熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂は、どの様な形状であっても良く、その形状とし
ては例えば、非水エマルジョン重合法によって合成され
る真珠状、バルクでの反応で得られる樹脂ペレットを冷
凍粉砕又はグラインディングディスクを使用した遠心ミ
ル粉砕により得られる不定形等が挙げられる。本発明で
は粉末特性を考慮すると、真珠状が好ましい。
【0022】このA成分:粉末熱可塑性ポリウレタン樹
脂或いはA′成分:顔料含有粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂の平均粒径は900μm以下であり、好ましくは5
0〜600μmである。なお、A成分或いはA′成分に
おける「平均粒径」は、レーザー式粒度分析計にて測定
した粒径分布カーブにおける50%の累積パーセントの
値を意味する。平均粒径が900μmを越える場合は、
成形加工時の流れ性が悪く、金型絞り模様の転写性が悪
くなり、成形不良を起こす。
【0023】A成分:粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂或
いはA′成分:顔料含有粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂
の安息角は、40度以下が好ましく、25度〜37度が
更に好ましい。安息角が上限を越える場合は、成形加工
時の流れ性が悪くなり、成形不良を起こしやすい。ま
た、JIS−K−6721の装置を用いて測定される流
下速度が25秒以下(75gが流下し終えるまでの時
間)の流動性を有していることが好ましい。
【0024】本発明におけるB成分は、カップリング剤
で微粉末シリカを表面処理したものである。カップリン
グ剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系
カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤及びジ
ルコアルミネート系カップリング剤からなる群から選ば
れた1種又は2種以上が好ましく、特に、シラン系カッ
プリング剤は品種が多いので選択の幅が大きく、入手が
容易であるため好ましい。微粉末シリカとしては、例え
ば、日本シリカ工業製ニップシールが挙げられ、一般に
は天然ゴム、合成ゴムの(ホワイトカーボンと称され
る)高補強性充填剤として用いられている。微粉末シリ
カを表面処理するカップリング剤は具体的には、シラン
系では、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン等が挙げられる。チタネート系
としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファ
イト)チタネート、テトラブチルチタネート等が挙げら
れる。アルミニウム系としては、アルキルアセトアセテ
ート・アルミニウム・ジイソプロピレート等が挙げられ
る。ジルコアルミネート系としては、キャベドンケミカ
ル製のキャブコモッド等が挙げられる。
【0025】B成分:カップリング剤表面処理微粉末シ
リカの平均粒径は10μm以下であり、5μm以下が好
ましい。なお、B成分における「平均粒径」は、コール
ターカウンターTA−II(コールターエレクトロニクス
製)を用いて30μmのアパーチャーテューブにより測
定した粒度分布における50%累積パーセントの値であ
る。平均粒径が上限を越える場合は、流動性改善及びブ
ロッキング防止剤としての効果が悪くなる。カップリン
グ剤処理の方法としては、よく混合されている状態の微
粉末シリカに、カップリング剤液をスプレーで均一に付
着させた後に乾燥する方法、水又は有機溶剤に分散させ
スラリー化した微粉末シリカに、攪拌しながらカップリ
ング剤を加え、脱水、乾燥する湿式法などが挙げられ
る。 B成分:カップリング剤表面処理微粉末シリカの配合量
は、熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物中で0.0005
〜3.0質量%、特に0.1〜2.0質量%であること
が好ましい。この量より少ないとブロッキング防止性能
が発揮されず、多すぎるとポリウレタン樹脂の特性を減
ずるので好ましくない。
【0026】本発明においては、A成分:粉末熱可塑性
ポリウレタン樹脂或いはA′成分:顔料含有粉末熱可塑
性ポリウレタン樹脂は、下記の各成分を非水エマルジョ
ン重合方法により反応させて得られる、平均粒径900
μm以下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂、又は顔料を
含有する前記樹脂であることが好ましい。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:25℃で液状である数平均分子量500〜1
0,000の芳香環含有ポリエステルポリオール。 及び/又はb′成分:顔料を分散させた、25℃で液状
である数平均分子量500〜10,000の芳香環含有
ポリエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。 顔料を分散させたb′成分を使用すると、あらかじめ着
色された粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂が効率よく得ら
れる。
【0027】a成分:有機ジイソシアネート類として
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシ
アネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、キ
シリレン−1,2−ジイソシアネート、4,4′−ジフ
ェルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチ
レン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ま
た、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(以下、HDIという)、3−メチル
−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、また、水素添加
トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソ
シアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシア
ネート、更に、これらの有機ジイソシアネートのウレタ
ン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウ
レット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン
変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体
等の、単独あるいは2種類以上の混合物を挙げることが
できる。本発明で好ましい有機ジイソシアネート類は、
得られる粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂の耐候性等を考
慮すると、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジ
イソシアネートである。
【0028】b成分は、25℃で液状である数平均分子
量500〜10,000の芳香環を含有するポリエステ
ルポリオールであり、b′成分はこの芳香環含有ポリエ
ステルポリオールに顔料を分散させたものである。な
お、本発明において「液状」とは、粘度が1,000P
a・s以下であることを意味する。「液状」でない場
合、すなわち、粘度が1,000Pa・sを越える場合
は、顔料分散が困難になりやすい。b成分及び/又は
b′成分を用いることにより、非水エマルジョン法にお
いて、用いる分散媒に顔料が移行することなく、粉末熱
可塑性ポリウレタン樹脂或いは効率よく着色した粉末熱
可塑性ポリウレタン樹脂が得られることになる。粉末ポ
リウレタン樹脂を製造した後に着色しようとすると、均
一に着色しにくくなり、また、分散媒に顔料が移行しや
すくなり、分散媒の処理工程が必要となるため、作業効
率が低下しやすい。
【0029】b成分、b′成分における芳香環含有ポリ
エステルポリオールの芳香環含有量は、0.5〜3.0
mmol/gが好ましく、更には0.8〜2.8mmo
l/gが好ましい。芳香環含有量が下限未満の場合は、
顔料の分散が困難になったり、分散後のポリエステルポ
リオールを非水系分散媒への分散時に、分散媒に顔料が
移行しやすいため、その再利用が困難になりやすい。
【0030】この芳香環含有ポリエステルポリオールの
数平均分子量は、500〜6,000、特に1,000
〜5,000が好ましい。数平均分子量が500未満の
場合は、顔料の分散安定性が乏しくなる。また、10,
000を越える場合は、ウレタン化の際の作業性が極め
て低下し実用的でない。
【0031】前記芳香環含有ポリエステルポリオールと
しては、例えば、酸成分としてテレフタル酸、イソフタ
ル酸(以下、iPAという)、フタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、トリメリット酸等、これらの酸無水物、ジ
アルキルエステル、酸ハライドのいずれかを用いた芳香
族ポリカルボン酸と、エチレングリコール(以下、EG
という)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール(以下、1,4−B
Dという)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール
(以下、MPDという)、ネオペンチルグリコール(以
下、NPGという)、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘ
キサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、ジメチロールヘプタン、ダイマー酸ジオ
ール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン
トリオール、クオドロール又はビスフェノールAのエチ
レンオキサイド或いはプロピレンオキサイド付加物等の
(数平均)分子量500未満の低分子ポリオール、又は
これらの混合物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙
げられる。更に、前記芳香環含有ポリエステルポリオー
ルは、上記のように酸成分や低分子ポリオール成分に芳
香環を有するポリエステルポリオールと、酸成分にも低
分子ポリオール成分にも芳香環を有しないポリエステル
ポリオールやラクトン環が開環重合したポリエステルポ
リオールとの混合物であってもよい。芳香環を有しない
ポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクト
ン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステ
ル(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得ら
れるラクトン系ポリエステルポリオールとのエステル交
換品等も使用することができる。これらはいずれも、単
独或いは2種類以上の混合物として使用できる。前記芳
香環含有ポリエステルポリオールの製造において、酸成
分として、アジピン酸(以下、AAという)、セバシン
酸、アゼライン酸等や、これらの酸無水物、ジアルキル
エステル、酸ハライドのいずれかを用いた脂肪族ポリカ
ルボン酸、特に炭素数5以上かつ奇数個の脂肪族ジカル
ボン酸を併用し、また、1,2−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、M
PD、NPG等の側鎖含有低分子ジオールを併用する
と、25℃で液状のポリエステルポリオールが得られや
すくなるので好ましい。
【0032】c成分:b成分以外の数平均分子量500
〜10,000のイソシアネート反応性化合物として
は、前述の芳香環含有ポリエステルポリオール以外のポ
リエステル系ポリオール、ポリアミド系ポリオール、ポ
リエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオー
ル、ポリエステル系或いはポリアミド系のポリアミンや
(ポリ)アミノアルコール等が挙げられる。これらは単
独或いは2種類以上の混合物として使用できる。
【0033】このようなポリエステル系或いはポリアミ
ド系のイソシアネート反応性化合物としては例えば、酸
成分としてコハク酸、AA、セバシン酸、アゼライン酸
等、これらの酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハライ
ドのいずれかを用いた脂肪族ポリカルボン酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等、これら
の酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハライドのいずれ
かを用いた脂環族ポリカルボン酸と、EG、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−B
D、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、MPD、NPG、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール、ジメチロールヘプタン、ダイマー酸
ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキ
サントリオール、クオドロール等の(数平均)分子量5
00未満の低分子ポリオール、又はエチレンジアミン、
テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、ジエチレントリアミン等の(数平
均)分子量500未満の低分子ポリアミン、モノエタノ
ールアミン等の(数平均)分子量500未満のアミノア
ルコール、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得ら
れる化合物が挙げられる。また、ε−カプロラクトン、
アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル
(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られ
るラクトン系ポリエステルポリオール及び/又はエステ
ル交換品等も挙げることができる。
【0034】d成分:数平均分子量500未満の鎖長延
長剤としては、EG、1,2−プロパンジオール、1,
4−BD、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、MPD、NPG、メチルオクタンジオール、
1,9−ノナンジオール等が挙げられる。
【0035】顔料としては、公知の無機顔料及び有機顔
料が挙げられる。無機顔料としては、ベンガラ、鉛白、
鉛丹、黄鉛、銀朱、酸化コバルト、二酸化チタン、チタ
ニウムイエロー、チタンブラック等が挙げられる。有機
顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロ
シアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、ジ
オキサジンバイオレット等が挙げられる。
【0036】25℃で液状の芳香環含有ポリエステルポ
リオールに顔料を分散させる方法には、公知の方法を採
用することができる。このときに使用する分散機として
は、例えば、3本ロールミル、サンドグラインドミル
(縦型、横形)、アトライターミル、ボールミル等が挙
げられる。本発明において好ましい分散機は3本ロール
ミルである。
【0037】本発明におけるb′成分中の顔料の含有率
は、A′成分に対して、0.5〜50.0質量%、特に
1.0〜45.0質量%が好ましい。顔料濃度が下限未
満の場合は、成形品の着色が不十分で、再度の着色工程
が必要となりやすい。上限を越える場合は、非水エマル
ジョン重合時において、分散媒に顔料が移行し、分散媒
の再利用が困難になりやすい。
【0038】本発明におけるA成分:粉末熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂或いはA′成分:顔料含有粉末熱可塑性ポ
リウレタン樹脂は、例えば非水エマルジョン重合法によ
り合成することができる。この非水エマルジョン重合法
には、粒径の制御のため分散安定剤を用いるのが好まし
い。この分散安定剤は、目的とする(着色)粉末熱可塑
性ポリウレタン樹脂を得るに際し、a〜d成分の総和量
に対して1〜30質量%を配合するのが好ましい。
【0039】本発明において好ましい分散安定剤は、分
子内に活性水素基を含有しているもの(イ)と含有して
いないもの(ロ)とがあり、本発明における粉末熱可塑
性ポリウレタン樹脂の構成成分の活性水素基含有化合物
を細分化し、分散媒に均一に分散させるため、活性水素
基含有化合物との親和性の高い部分と分散媒との親和性
の高い部分が一つの分子中に存在する構造である。本発
明では、スラッシュ成形加工後の加工品のブリード等を
考慮すると、(イ)のほうが好ましい。
【0040】この活性水素基を含有する分散安定剤
(イ)としては、活性水素基含有で不飽和結合を有する
有機オリゴマーと、炭素数6以上の側鎖をもつエチレン
性不飽和単量体との反応生成物が好適である。活性水素
基を含有しない分散安定剤(ロ)としては、(1)活性
水素基非含有で不飽和結合を有する有機オリゴマーと、
炭素数6以上の側鎖をもつエチレン性不飽和単量体との
反応生成物、(2)前記の活性水素基含有分散安定剤の
活性水素基にフェニルイソシアネート等のモノイソシア
ネート、モノカルボン酸等の活性水素基マスク剤を反応
させて得られる反応生成物が好適である。
【0041】この活性水素基含有で不飽和結合を有する
有機オリゴマーとしては、例えば、グリコール類や二塩
基酸類の一部に不飽和結合含有グリコール或いは不飽和
結合含有ジカルボン酸を用いて製造したポリエステルポ
リオール、不飽和結合含有グリコールを出発物質に用い
て製造したポリエーテルポリオール、数平均分子量2,
000以下の水酸基末端のポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリカーボネート等と不飽和結合含有ジカルボン酸
とのエステル化反応によって得られるポリオール等の他
に、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。この不
飽和結合含有グリコールとしては例えば、2−ブテン−
1,4−ジオール、グリセリンモノアリルエーテルが挙
げられる。また、不飽和結合含有ジカルボン酸としては
例えば、マレイン酸、イタコン酸が挙げられる。
【0042】活性水素基非含有で不飽和結合を有する有
機オリゴマーとしては、例えば、前述のポリエステルポ
リオールの原料のポリオールとモノオールからなるOH
成分と、前述のポリエステルポリオールの原料の二塩基
酸とマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和結合
含有ジカルボン酸からなるCOOH成分とを反応させて
得られるポリエステル、ポリエーテルモノオールと不飽
和結合含有ジカルボン酸との脱水反応物や、ポリブタジ
エン、ポリイソプレンのようなジエンモノマーの重合体
等が挙げられる。
【0043】これらの有機オリゴマーの数平均分子量は
500〜10,000、特に500〜9,000が好ま
しい。また、不飽和結合濃度は有機オリゴマー1分子当
たり平均10モル以下が好ましい。
【0044】炭素数6以上の側鎖をもつエチレン性不飽
和単量体としては、例えば、1−オクテン、1−又は2
−ノネン、1−又は2−デセン、1−又は2−ヘプタデ
セン、2−メチル−1−ノネン、2−メチル−1−デセ
ン、2−メチル−1−ドデセン、2−メチル−1−ヘキ
サデセン、2−メチル−1−ヘプタデセン等のビニル
基、プロペニル基或いはイソプロペニル基含有脂肪族直
鎖型不飽和炭化水素、アクリル酸又はメタクリル酸と2
−エチルヘキシルアルコール、ヘキシルアルコール、ラ
ウリルアルコール等の炭素数6以上の脂肪族アルコール
又はシクロヘキサノール、ノルボナール、アダマンタノ
ール等の炭素数6以上の脂環族アルコールとのエステル
等の他、アクリル酸とポリカプロラクトンジオールとの
反応物、具体的には、ダイセル化学工業製のプラクセル
(登録商標)FA−4等が挙げられる。
【0045】不飽和結合含有有機オリゴマーとエチレン
性不飽和単量体との反応においては特に制限はないが、
通常、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル
等のラジカル重合反応における公知の反応開始剤や、酢
酸エチル、シクロヘキサン等の溶剤を用いることができ
る。更に、不飽和結合を有する有機オリゴマーと炭素数
6以上のエチレン性不飽和単量体との比率は、有機オリ
ゴマー/エチレン性不飽和単量体=100/20〜10
0/400(質量比)が好ましい。有機オリゴマー10
0質量部に対するエチレン性不飽和単量体の反応比率が
20質量部未満の場合は、分散安定剤として十分な性能
を得にくい。また400質量部を超える場合は、非水エ
マルジョン重合の際、反応系における原料分散のバラン
スが失われて、分散安定剤としての効果が十分に発揮さ
れにくい。
【0046】本発明の(着色)粉末熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂の製造方法には、(1)ワンショット法と(2)
プレポリマー法がある。
【0047】(1)のワンショット法は、b及び/又は
b′、c、d成分とa成分を一括で反応させる方法であ
る。本発明においては、貧溶媒にb及び/又はb′、
c、d成分及び好ましくは分散安定剤を分散させてお
き、これにa成分を仕込んで反応させる。次に液相から
分離、乾燥させて、目的とする(着色)粉末熱可塑性ポ
リウレタン樹脂が得られる。
【0048】この(1)のワンショット法に用いる全イ
ソシアネート基と全活性水素基のモル比は、全イソシア
ネート基:全活性水素基=1.00:0.80〜1.0
0:1.20、特に1.00:0.95〜1.00:
1.10が好ましい。
【0049】(2)のプレポリマー法には、(イ)イソ
シアネート基末端プレポリマー法と(ロ)活性水素基末
端プレポリマー法の2つの方法がある。
【0050】(イ)のイソシアネート基末端プレポリマ
ー法では、一般的にはb及び/又はb′、c成分及び好
ましくは分散安定剤を貧溶媒に分散させておき、これに
a成分の全部を反応させて、イソシアネート基末端プレ
ポリマーを得る。次いで、d成分を仕込んで反応させ、
液相から分離し、乾燥させて、目的とする(着色)粉末
熱可塑性ポリウレタン樹脂が得られる。
【0051】(ロ)の活性水素基末端プレポリマー法で
は、b及び/又はb′、c、d成分及び好ましくは分散
安定剤を貧溶媒に分散させておき、これにa成分の一部
を反応させて、活性水素基末端プレポリマーを得る。次
いで、残りのa成分を仕込んで反応させ、液相から分離
し、乾燥させて、目的とする(着色)粉末熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂が得られる。
【0052】このプレポリマー化反応におけるイソシア
ネート基と活性水素基のモル比は、(イ)イソシアネー
ト基末端のプレポリマー化反応では、イソシアネート
基:活性水素基=1.1:1.0〜5.0:1.0、特
に1.3:1.0〜3.0:1.0、(ロ)活性水素基
末端のプレポリマー化反応では、イソシアネート基:活
性水素基=1.0:1.1〜1.0:5.0、特に1.
0:1.3〜1.0:3.0が好ましい。
【0053】プレポリマー法における最終的な全イソシ
アネート基と全活性水素基のモル比(トータルの全イソ
シアネート基と全活性水素基のモル比)は、活性水素基
末端プレポリマー法、イソシアネート末端プレポリマー
法ともに、全イソシアネート基:全活性水素基=1.0
0:0.80〜1.00:1.20、特に1.00:
0.95〜1.00:1.10が好ましい。
【0054】ワンショット法におけるウレタン化反応温
度、プレポリマー法におけるプレポリマー反応温度や第
2段での反応温度は、ウレタン化反応以外の副反応が起
きない温度条件、すなわち、好ましくは20〜120
℃、更に好ましくは30〜100℃である。反応装置と
しては、攪拌装置の付いた反応釜等が挙げられる。ま
た、反応を早く進めるため、ウレタン化触媒としてポリ
ウレタンの製造において常用されるジブチルチンジラウ
レート(以下、DBTDLという)等の金属触媒、トリ
エチルアミン等の三級アミン触媒等のウレタン化触媒を
用いることもできる。
【0055】本発明では、反応制御の容易さ、得られる
(着色)粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の加工適
性等を考慮すると、前記(2)−(イ)のイソシアネー
ト基末端プレポリマー法が好ましい。
【0056】前記反応における分散媒としては、ノルマ
ルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イ
ソオクタン、石油ベンジン、リグロイン、ミネラルスピ
リット、シクロヘキサン、ケロシン、石油ナフサ等の脂
肪族及び脂環式炭化水素;ジオクチルフタレート、ジオ
クチルアジペート等の液状可塑剤;流動パラフィン等
の、ポリウレタン樹脂に対する貧溶媒が挙げられる。
【0057】また、(着色)粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂の粒径の調節等、必要に応じて分散媒に良溶媒を併
用することができる。この良溶媒には、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサンノン等のケトン系有機
溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系有機溶
媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル系有機溶媒、N−メチルピロリドン、N,N−ジメ
チルホルムアミド等の非プロトン系有機溶媒等が挙げら
れる。
【0058】(着色)粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂を
製造する装置には、公知のあらゆる形式の乳化分散装置
が使用できる。
【0059】上記のような製造方法で得られるA成分:
粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂或いはA′成分:顔料含
有粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂の形状は、真珠のよう
な球状である。
【0060】このようして、A成分:粉末熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂或いはA′成分:顔料含有粉末熱可塑性ポ
リウレタン樹脂を製造した後、B成分:微粉末シリカを
添加・混合して、本発明の(着色)粉末熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物が得られる。B成分の配合により、本
発明の(着色)粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の
粉末特性は、流下速度8〜19秒、安息角20〜35度
に調節されるのが好ましい。
【0061】本発明における(着色)粉末熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂組成物には、必要に応じて他の熱可塑性樹
脂を混合して使用することができる。このような熱可塑
性樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセ
タール樹脂等が挙げられる。
【0062】本発明の(着色)粉末熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、顔料、染料、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑
剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合
することができる。配合方法は、各成分を粉末のままで
混合しても良いし、粉末樹脂と各添加剤を溶剤に溶解又
は分散させて混合しても良い。配合方法は公知の方法が
適用可能であり、配合装置としてはボールミル、サンド
グラインドミル、シェイカー、三本ロール、押出機、ニ
ーダー、エアガン、攪拌機等を使用することができる。
【0063】本発明の成形方法におけるスラッシュ成形
は、例えば、100〜250℃に加熱した金型に粉末状
の(着色)熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を入れ、表
面レベリング性が均一になるまで30秒〜10分間放置
し、その後、金型を冷却し、型温20〜80℃で脱型す
る、ことによって行われる。この成形には、具体的に
は、粉末樹脂組成物の安息角、流下速度等の粉体特性を
考慮した金型設計が必要である。
【0064】本発明の表皮材は、前記特定のカップリン
グ剤により表面改質した微粉末シリカを含有する(着
色)熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物から成形されるも
のであり、インスツルメントパネル、コンソールボック
ス、ドアトリム等の自動車内装用表皮材等に用いること
ができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例等により本発明について更に詳
細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定して解
釈されるものではない。以下の実施例等において、
「部」は全て「質量部」を意味する。
【0066】使用原料の説明 ポリエステル−1:iPA/AA=1/1(モル比)と
EG/NPG=9/1から得られる芳香環含有ポリエス
テルポリオール 水酸基価=56mgKOH/g 芳香環含有量=2.16mmol/g 平均官能基数=2 ポリエステル−2:1,4−BDとAAから得られる芳
香環非含有ポリエステルポリオール 水酸基価=56mgKOH/g 平均官能基数=2 ポリエステル−3:MPDとAAから得られる芳香環非
含有ポリエステルポリオール 水酸基価=56mgKOH/g 平均官能基数=2 顔料 :茶色顔料 商品名:NW−36(日弘ビックス製) 分散媒 :パラフィン系溶媒 商品名:シェルゾール71(シェル化学製) 沸点170〜200℃
【0067】〔分散安定剤の合成〕 合成例1 (1)分子内に不飽和結合を有するポリオールの合成 攪拌機、温度計、留出塔、窒素ガス導入管を取り付けた
2Lの4つ口フラスコに、数平均分子量1,000のポ
リブチレンアジペートポリオール1,000部、及び無
水マレイン酸49部を秤量して添加し、窒素ガスを流し
ながら加熱混合した。温度を140〜160℃にして反
応させ、縮合水を系外に出した後、更に系内を徐々に減
圧しながら反応を続け、最終的に190℃、30mmH
gの条件で4時間反応させて、反応終了とした。得られ
たポリオールの水酸基価は53mgKOH/g、酸価は
4.1mgKOH/gであった。このポリオールは数平
均分子量2,100で、1分子中に平均1個の二重結合
を有するものであった。
【0068】(2)分散安定剤の合成 攪拌機、温度計、滴下ロート、冷却器を取り付けた50
0mlの4つ口フラスコに、(1)で合成したポリオー
ル44部及び酢酸ブチル99部を秤量して添加した。窒
素ガスを滴下ロートの上部から系内に流しながら加熱混
合した。110℃になったとき、滴下ロートからラウリ
ルメタクリレート102部及びベンゾイルパーオキサイ
ド2部の溶解混合物を滴下開始した。1時間半で滴下終
了し、その後130℃で2時間反応させ反応終了とし
た。得られた分散安定剤の水酸基価は11mgKOH/
gであった。
【0069】〔顔料を分散させた芳香環含有ポリエステ
ルポリオールの調製〕 調製例1 ポリエステル−1を40部、ポリエステル−3を40
部、及び顔料を20部3本ロールミルにて混合し、顔料
を分散した芳香環含有ポリエステルポリオールPES−
1を得た。PES−1は、25℃で粘度140Pa・S
の流動性を有する粘稠液体であった。
【0070】〔(着色)粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂
の合成〕 合成例2 高速仕様攪拌モーターの設置してある内容量5Lの4つ
口フラスコに、合成例1で得た分散安定剤を182部、
100℃に加温したポリエステル−1を373部、ポリ
エステル−3を353部、1,4−BDを59部、DB
TDLを0.02部仕込み、均一に混合した後、分散媒
を1,000部仕込み、更に高速攪拌を10分間行っ
た。次に、HDIを174部仕込み、120℃に昇温
し、4時間反応させた後、遠心脱水機にて分散媒と樹脂
とを分離、減圧乾燥して、平均粒径180μmの粉末熱
可塑性ポリウレタン樹脂PU−1を974部得た。
【0071】合成例3 合成例2と同様な反応容器に、合成例1で得た分散安定
剤を182部、100℃に加温したPES−1を100
部、100℃に加温したポリエステル−1を333部、
ポリエステル−3を333部、1,4−BDを59部、
及びDBTDLを0.02部仕込み、均一に混合した
後、分散媒を1,000部仕込み、更に高速攪拌を10
分間行った。次に、HDIを174部仕込み、120℃
に昇温し、4時間反応させた後、遠心脱水機にて分散媒
と樹脂とを分離し、減圧乾燥して、平均粒径180μm
の茶色に着色した粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂PU−
2を994部得た。分離濾液には顔料の移行が認められ
なかった。
【0072】合成例4 合成例2と同様な反応容器に、合成例1で得た分散安定
剤182部、100℃に加温したPES−1を100
部、100℃に加温したポリエステル−2を333部、
ポリエステル−3を333部、1,4−BDを59部、
及びDBTDLを0.02部仕込み、均一に混合した
後、分散媒を1,000部仕込み、更に高速攪拌を10
分間行った。次に、HDIを174部仕込み、120℃
に昇温し、4時間反応させた後、遠心脱水機にて分散媒
と樹脂とを分離し、減圧乾燥して、平均粒径160μm
の茶色に着色した粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂PU−
3を994部得た。分離濾液には顔料の移行が認められ
なかった。
【0073】合成例5 2軸押し出し機のホッパー付近温度160℃、中間部温
度180℃、先端部温度200℃に温度調節し、そのホ
ッパー口より、HDI:348g/min、ポリエステ
ル−1:667g/min、ポリエステル−3:667
g/min、PES−1:200g/min、1,4−
BG:118g/minの条件で連続的に原料供給し、
ストランドダイから溶融樹脂を吐出させ、ストランドカ
ットにて、着色熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレットを得
た。樹脂フィード量は120kg/hrである。この樹
脂ペレットを冷凍粉砕して、平均粒径250μmの着色
粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂PU−4を得た。
【0074】〔微粉末シリカのシランカップリング剤処
理〕 調製例2 微粉末シリカ(日本シリカ工業製、Nipsil(登録
商標)E−200、平均粒径3.2μm)100部及び
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業
製、KBE903)2部を混合機で5分間混合し、11
0℃で2時間乾燥して、シラン系カップリング剤処理微
粉末シリカ−1を得た。
【0075】調製例3 微粉末シリカ(日本シリカ工業製、Nipsil(登録
商標)N300A、平均粒径2.2μm)100部及び
N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(信越化学工業製、KBM603)5部を混合
機で5分間混合し、110℃で2時間乾燥して、シラン
系カップリング剤処理微粉末シリカ−2を得た。
【0076】実施例1 合成例2で得たPU−1:100部及び調製例2で得た
シラン系カップリング剤処理微粉末シリカ−1:0.5
部を混合したものについて、粉末特性(流下速度、安息
角、かさ比重、平均粒径)を測定した。この結果を表1
に示す。流下速度、安息角、かさ比重は、JIS−K−
6721(1977)の方法に従って測定した。なお、 流下速度:粉末組成物75gをかさ比重測定用ダンパー
付きロート(JIS−K−6721)に投入し、ホッパ
ーから全量流下するまでの時間を測定。 安息角:粉末組成物75gをかさ比重測定用ダンパー付
きロート(JIS−K−6721)に投入し、ホッパー
から全量流下させたときのひろがりと高さから安息角を
算出。
【0077】実施例2 合成例3で得たPU−2:100部及び調製例2で得た
シラン系カップリング剤処理微粉末シリカ−1:0.5
部を混合したものについて、粉末特性(流下速度、安息
角、かさ比重、平均粒径)を測定した。この結果を表1
に示す。
【0078】実施例3 合成例4で得たPU−3:100部及び調製例3で得た
シラン系カップリング剤処理微粉末シリカ−2:0.5
部を混合したものについて、粉末特性(流下速度、安息
角、かさ比重、平均粒径)を測定した。この結果を表1
に示す。
【0079】実施例4 合成例5で得たPU−4:100部及び調製例2で得た
シラン系カップリング剤処理微粉末シリカ−1:0.5
部を混合したものについて、粉末特性(流下速度、安息
角、かさ比重、平均粒径)を測定した。この結果を表1
に示す。
【0080】比較例1 合成例4で得たPU−3:100部及びアエロジル20
0(日本アエロジル製):0.5部を混合したものにつ
いて、粉末特性(流下速度、安息角、かさ比重、平均粒
径)を測定した。この結果を表1に示す。
【0081】比較例2 合成例5で得たPU−4:100部及びミクロマイカM
K−200(コープケミカル製):0.5部を混合した
ものについて、粉末特性(流下速度、安息角、かさ比
重、平均粒径)を測定した。この結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】〔スラッシュ成形による表皮材の製造〕 実施例5〜8、比較例3〜4 実施例1〜4及び比較例1〜2により得られた(着色)
熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を使用し、スラッシュ
成形により表皮材(シート)を製造した。 スラッシュ成形方法 縦24cm、横28cm、深さ10cm(金型表面積6
72cm2 )の金型を220℃にオイル加熱し、60部
の(着色)粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物を仕込
み、オイル中で表面レベリング性が均一化するまで放置
した。その後金型を冷却し、型温60℃で脱型した。得
られた表皮材(シート)の厚さは約600μmであっ
た。成形したシートの性能(表皮レベリング性、ピンホ
ールの有無、耐熱性、耐候性)を測定した。その評価結
果を表2に示す。 耐熱性:120℃、500時間での測定値。 耐候性:キセノンウエザオメーター、ブラックパネル温
度83℃、50サイクルでの測定値。 表皮レベリング性の評価基準 ○:目視により凹凸や波打ちが認められない。 ×:目視により凹凸や波打ちが認められる。
【0084】
【表2】
【0085】この表から、流下速度や安息角で見た粉末
特性がほぼ同等であっても、従来のシリカを用いた比較
例では、成形品の表皮レベリング性不良や表皮表面のピ
ンホールが発生した。一方、特定カップリング剤処理シ
リカ微粉末を添加した本発明実施例の場合には、これら
が解決できたことが判る。
【0086】
【発明の効果】本発明の(着色)熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物は、非水エマルジョン合成法により合成され
た微粉末(着色)熱可塑性ポリウレタン樹脂であって
も、冷凍粉砕により物理的に微粉末化された(着色)熱
可塑性ポリウレタン樹脂であっても、スラッシュ成形に
適合する粉末特性に合わせて成形加工する事が可能とな
った。また、ピンホールの発生がなく、表皮レベリング
性に優れ、実質的に可塑剤の飛散がないオール熱可塑性
ポリウレタン樹脂表皮材の提供が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 18/42 C08G 18/65 D 18/65 C08K 3/00 C08K 3/00 3/36 3/36 9/04 9/04 C08G 18/08 // B29K 75:00 B29L 7:00 (72)発明者 川崎 勝弘 東京都港区白金台3−7−7 (72)発明者 村上 武司 山口県新南陽市古泉三丁目7−1 (72)発明者 赤崎 忠行 山口県新南陽市宮の前2丁目1−20 プレ ザンヴィ201号 Fターム(参考) 4F205 AA31B AB12 AB17B AB28B AC04 AH26 GA13 GB01 GC04 GE03 GE21 GE24 GF01 GF02 GN13 GN29 4J002 CK021 CK031 DJ016 FB086 FB116 FB136 FB146 FB156 FB166 FB206 FB216 FD016 FD090 GH00 HA09 4J034 BA08 CA02 CA04 CA13 CA15 CC03 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 DA01 DA03 DF02 DF11 DF12 DF16 DF20 DF21 DF22 DF28 DG00 DL01 DL03 HA01 HA07 HB05 HB06 HB07 HB08 HB09 HB11 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC34 HC35 HC46 HC52 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 JA42 MA01 QA05 QA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA成分とB成分を含有すること、
    を特徴とする粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。 A成分:平均粒径900μm以下の粉末熱可塑性ポリウ
    レタン樹脂。 B成分:カップリング剤で表面処理した平均粒径10μ
    m以下の微粉末シリカ。
  2. 【請求項2】 下記のA′成分とB成分を含有するこ
    と、を特徴とする粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成
    物。 A′成分:顔料を均一に含有する平均粒径900μm以
    下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂。 B成分:カップリング剤で表面処理した平均粒径10μ
    m以下の微粉末シリカ。
  3. 【請求項3】 前記B成分の含有量が0.0005〜
    3.0質量%である、請求項1又は2記載の粉末熱可塑
    性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記A成分が、下記のa成分、b成分、
    c成分及びd成分を非水エマルジョン重合により反応さ
    せて得られる、平均粒径900μm以下の粉末熱可塑性
    ポリウレタン樹脂である、請求項1又は3記載の粉末熱
    可塑性ポリウレタン樹脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:25℃で液状である数平均分子量500〜1
    0,000の芳香環含有ポリエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
    0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。
  5. 【請求項5】 前記A′成分が、下記のa成分、b′成
    分、c成分及びd成分を非水エマルジョン重合により反
    応させて得られる、顔料を均一に含有する平均粒径90
    0μm以下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂である、請
    求項2又は3記載の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成
    物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b′成分:顔料を分散させた、25℃で液状である数平
    均分子量500〜10,000の芳香環含有ポリエステ
    ルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
    0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。
  6. 【請求項6】 前記A′成分が、下記のa成分、b成
    分、b′成分、c成分及びd成分を非水エマルジョン重
    合により反応させて得られる、顔料を均一に含有する平
    均粒径900μm以下の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂
    である、請求項2又は3記載の粉末熱可塑性ポリウレタ
    ン樹脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:25℃で液状である数平均分子量500〜1
    0,000の芳香環含有ポリエステルポリオール。 b′成分:顔料を分散させた、25℃で液状である数平
    均分子量500〜10,000の芳香環含有ポリエステ
    ルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
    0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖長延長剤。
  7. 【請求項7】 前記非水エマルジョン重合を分散安定剤
    の存在下で行う、請求項4、5又は6記載の粉末熱可塑
    性ポリウレタン樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記b′成分の顔料含有量が、A′成分
    に対して、0.5〜50.0質量%である、請求項5又
    は6記載の粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の粉
    末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物をスラッシュ成形す
    ること、を特徴とする成形方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の
    粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物からなる表皮材。
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