JP2001019863A - 粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材 - Google Patents

粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材

Info

Publication number
JP2001019863A
JP2001019863A JP19449999A JP19449999A JP2001019863A JP 2001019863 A JP2001019863 A JP 2001019863A JP 19449999 A JP19449999 A JP 19449999A JP 19449999 A JP19449999 A JP 19449999A JP 2001019863 A JP2001019863 A JP 2001019863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
parts
thermoplastic resin
molecular weight
number average
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19449999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyoshi Yokota
博栄 横田
Koichi Suzuki
浩一 鈴木
Toshihiko Tsuchida
俊彦 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP19449999A priority Critical patent/JP2001019863A/ja
Publication of JP2001019863A publication Critical patent/JP2001019863A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらゆる形状の粉末熱可塑性樹脂をスラッシ
ュ成形用にその粉体特性を更に改良する。 【解決手段】 下記に示すA〜E成分を含有する粉末熱
可塑性樹脂組成物である。また、A成分が、下記に示す
a〜d成分を非水エマルジョン重合により反応させて得
られる粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂である。粉末熱可
塑性樹脂組成物である。更に、この組成物を用いた成形
方法、及びこれを用いた表皮材である。 A成分:平均粒子径950μm以下の粉末熱可塑性樹
脂。 B成分:燐酸エステル及び/又は亜燐酸エステル。 C成分:シリコーン系界面活性剤。 D成分:脂肪酸系金属塩。 E成分:カップリング剤で表面処理した微粉末シリカ。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:顔料を均一に分散してもよい、25℃で液状で
ある数平均分子量500〜10,000の芳香環含有ポ
リエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0イソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖延長剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状の熱可塑性
樹脂組成物、燐酸エステル及び/又は亜燐酸エステル、
シリコーン系界面活性剤、脂肪酸金属塩、カップリング
剤で表面処理した微粉末シリカを含有する粉末熱可塑性
樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法、並びにこれを
用いた表皮材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粉末成形用着色熱可塑性ポリウレ
タン樹脂は、押し出し機に代表される混練り機を使用し
て着色した熱可塑性ポリウレタン樹脂を得た後、粉砕機
による物理的な方法で微粉末化して製造していた。この
方法により得られる着色熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末
の形状は不定形であるため、粉体特性が劣り、特に加工
時の大きな指標とされている安息角、流下速度について
は改善が必要であった。すなわち、加熱された金型上を
均一に着色樹脂粉末が流動しないため、成形品に欠肉部
分や肉厚の不均一化が生じていた。
【0003】不定形粉末ではなく真球状のポリウレタン
樹脂粉末を得る技術は、例えば、特開平2−38453
号公報、特開平4−202330号公報、特開平8−1
20041号公報に報告されている。特開平2−384
53号公報には、特定の分散安定剤を用いた非水エマル
ジョン重合法による粉末成形用ポリウレタン樹脂が記載
されている。特開平4−202330号公報には、ポリ
ウレタン樹脂溶液を、特定の分散安定剤を含有する非芳
香族有機溶剤に滴下後、溶剤を分離・除去させて得られ
る熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末が記載されている。特
開平8−120041号公報には、水及び分散安定剤の
存在下で、イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂
とブロックされた鎖伸長剤とを反応させて得られる、粉
末状の熱可塑性ポリウレタン樹脂が記載されている。
【0004】近年、製造工程簡略化のため、粉末ポリウ
レタン樹脂を用いた成型品において、成形と同時に着色
も終了させることが求められている。しかしながら、特
開平2−38453号公報、特開平4−202330号
公報、特開平8−120041号公報には、これらを解
決する手段を示唆する記載はない。
【0005】着色された粉末ポリウレタン樹脂を得る方
法としては、例えば特開平2−294317号公報記載
の技術が挙げられる。特開平2−294317号公報に
は、ポリイソシアネートもしくはポリオールに顔料を混
合し、表面活性剤を添加し、不活性有機液に分散させ、
微細な非水エマルジョンとして反応させ、次いで、不活
性有機液を除去する方法が記載されている。
【0006】特開平2−294317号公報に記載され
ている表面活性剤は、オレフィン/ビニルピロリジンも
しくはピロリドン共重合体等の非イオン性型表面活性剤
である。特開平2−294317号公報では、回収分散
媒に対する考慮がなされていないため、一度使用した分
散媒は、廃棄するか再処理しなければならず、環境汚染
の原因になる。また、ポリイソシアネートに顔料を添加
した場合は、通常、ポリイソシアネートの粘度が低いた
め、顔料を分散させても分散状態の安定性が悪く、静置
すると顔料が沈降する場合がある。更には、顔料は水分
を含有している場合が多いので、イソシアネートの経時
安定性に不安が生じる。
【0007】特開平11−49948号公報には、ガラ
ス転移温度が−35℃以下の熱可塑性ポリウレタン樹脂
をベースとしたスラッシュ成形用材料が記載されてい
る。この技術は、表皮の低温特性は非現実的な範囲で優
れるものの、現行用いられている軟質ポリ塩化ビニル樹
脂にて成形される表皮材のガラス転移温度は常温付近に
あるため本革のような性質、手触り感がある。即ち表皮
材としての感触を得ようとするには、ガラス転移温度が
常温付近にある素材が好ましいともされている。また、
この技術においては可塑剤が使用されている。例えばフ
タル酸エステル系可塑剤やトリメリット酸エステル系可
塑剤であり、一般的に、飛散しにくい可塑剤としてはト
リメリット酸系の可塑剤である。しかしながら可塑剤は
環境ホルモン物質として好ましくない物質として近年ク
ローズアップされており、可塑剤を含有する物質を土壌
埋め立てした場合、可塑剤がしみだし河川の汚染を招い
ている。
【0008】特開平7−278428号公報には、自己
離型性を有し、耐熱性等に優れている熱可塑性ポリウレ
タン樹脂組成物が開示されている。この公報には、熱可
塑性ポリウレタン樹脂を冷凍粉砕したものに、シリコー
ン系界面活性剤、脂肪酸金属塩、燐酸エステル系化合物
を添加した組成物が開示されている。更に、打粉剤とし
て、シリカ系のニップシールNS(日本シリカ工業製)
が用いられている。しかし、この打粉剤については、カ
ップリング処理については触れられいないし、示唆する
記載もない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの公知技術で得
られるポリウレタン樹脂粉末は、粉末成形用の素材とし
て未だ十分な機能や性能を有しておらず、更なる改良が
求められてきた。本発明の目的は、あらゆる形状の粉末
熱可塑性樹脂をスラッシュ成形用に粉末特性を更に改良
すると共に、これを用いた成形方法、及びこれを用いた
表皮材を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明等は、鋭意検討した結果、製造条件や、加工
条件に適合した粉体特性を有するスラッシュ成形用熱可
塑性樹脂組成物を得ることに成功し、本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)
である。 (1) 下記の5成分を含有すること、を特徴とする粉
末熱可塑性樹脂組成物。 A成分:平均粒径950μm以下の粉末熱可塑性樹脂。 B成分:燐酸エステル及び/又は亜燐酸エステル C成分:シリコーン系界面活性剤 D成分:脂肪酸系金属塩 E成分:カップリング剤で表面処理した微粉末シリカ
【0012】(2)前記A成分が、下記のa成分、b成
分、c成分及びd成分を非水エマルジョン重合により反
応させて得られる、平均粒径950μm以下の粉末熱可
塑性ポリウレタン樹脂である、(1)記載の粉末熱可塑
性樹脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:顔料を均一に分散していてもよい、25℃で液
状である数平均分子量500〜10,000の芳香環含
有ポリエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖延長剤。
【0013】(3) (1)又は(2)に記載の粉末熱
可塑性樹脂組成物をスラッシュ成形することを特徴とす
る成形方法。
【0014】(4) (1)又は(2)に記載の粉末熱
可塑性樹脂組成物からなる表皮材。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明に用いられるA成分:粉末熱可塑性樹脂組成
物は、どのような形状であっても良く、その形状として
は例えば、非水エマルジョン重合法によって合成される
真珠状、押し出し機先端部に取り付けた水中カット方式
で製造されるマイクロペレット状、樹脂ペレットを冷凍
粉砕又はグライディングディスクを使用した遠心ミル粉
砕により得られる不定形等が挙げられる。本発明では粉
末特性を考慮すると、真珠状のものが好ましい。
【0016】このA成分:粉末状熱可塑性樹脂の平均粒
径は、950μm以下、更に好ましくは10〜450μ
mである。なお、A成分における「平均粒径」は、レー
ザー式粒度分析計にて測定した粒径分布カーブにおける
50%の累積パーセントの値を意味する。平均粒径が9
50μmを越える場合は、成形加工時の流れ性が悪く、
金型絞り模様の転写性が悪くなり、成形不良を起こしや
すい。
【0017】A成分:粉末熱可塑性樹脂の安息角は、5
0度以下が好ましく、更に好ましくは10度〜40度で
ある。安息角が上限を越える場合は、成形加工時の流れ
性が悪くなり、成形不良を起こしやすい。また、JIS
−K−6721の装置を用いて測定される流下速度が2
5秒以下(75gが流下し終えるまでの時間)の流動性
を有していることが好ましい。
【0018】本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、例え
ば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、
ポリエステルエラストマー樹脂、ポリスチレンエラスト
マー樹脂、スチレン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合
樹脂、ABS樹脂、ポリブテン系樹脂、EPDM系樹
脂、ポリイソブレン系樹脂である。低温特性等の表皮材
特性を考慮すると最も優れる熱可塑性樹脂はポリウレタ
ン樹脂である。
【0019】熱可塑性ポリウレタン樹脂は、有機ジイソ
シアネート類、数平均分子量500〜10,000のイ
ソシアネート反応性化合物、数平均分子量500未満の
鎖延長剤からなり、更に好ましいものとしては、下記の
5成分からなる樹脂である。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:顔料を均一に分散していてもよい、25℃で液
状である数平均分子量500〜10,000の芳香環含
有ポリエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖延長剤。 顔料を分散させたb成分を使用すると、あらかじめ着色
された粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂が効率よく得られ
る。
【0020】a成分:有機ジイソシアネート類として
は、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、キシリレン−1,4−
ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネ
ート、キシリレン−1,2−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェルメタンジイソシアネート、2,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエー
テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパ
ン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチル
ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェ
ニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチ
レン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキ
シジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、テトラメ
チルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシア
ネート、また、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート(以下、HDIという)、
3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ま
た、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシ
リレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネト、水素添加テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジ
イソシアネート、更に、これらの有機ジイソシアネート
のウレタン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性
体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレト
ンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレー
ト変性体等の単独あるいは2種類以上の混合物を挙げる
ことができる。本発明で好ましい有機ジイソシアネート
類は、得られる粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂の耐光性
等を考慮すると脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環
族ジイソシアネートである。
【0021】b成分:顔料を均一に分散していてもよ
い、25℃で液状である数平均分子量500〜10,0
00の芳香環含有ポリエステルポリオールの芳香環含有
ポリエステルポリオールとしては、例えば、酸成分とし
てテレフタル酸、イソフタル酸、(以下、iPAとい
う)、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリッ
ト酸等、これらの酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハ
ライドのいずれかを用いた芳香族ポリカルボン酸と、エ
チレングリコール(以下、EGという)、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール(以下、1,4−BDという)、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール(以下、MPDとい
う)、ネオペンチルグリコール(以下、NPGとい
う)、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4
−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ジメチロールヘプタン、ダイマー酸ジオール、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ク
オドロールあるいはビスフェノールAのエチレンオキサ
イド又はプロピレンオキサイド付加物等の(数平均)分
子量500未満の低分子ポリオール、又はこれらの混合
物との脱水縮合反応で得られる化合物が挙げられる。
【0022】更に、前記芳香環含有ポリエステルポリオ
ールは、上記のように酸成分や低分子ポリオール成分に
芳香環を有するポリエステルポリオールと、酸成分にも
低分子ポリオール成分にも芳香環を有しないポリエステ
ルポリオールやラクトン環が開環重合したポリエステル
ポリオールとの混合物であってもよい。芳香環を有しな
いポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクト
ン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、アルキル置換δ−バレロラクトン、等の環状エス
テル(すなわちラクトン)モノマーの開環重合により得
られるラクトン系ポリエステルポリオールとのエステル
交換品等も使用できる。これらはいずれも、単独あるい
は2種類以上の混合物として使用できる。前記芳香環含
有ポリエステルポリオールの製造において、酸成分とし
て、アジピン酸(以下、AAという)、セバシン酸、ア
ゼライン酸等や、これらの酸無水物、ジアルキルエステ
ル、酸ハライドのいずれかを用いた脂肪族ポリカルボン
酸、特に炭素数5以上かつ奇数個の脂肪族ジカルボン酸
を併用し、また、1,2−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、MPD、ん
PG等の側鎖含有低分子ジオールを併用すると、25℃
で液状のポリエステルポリオールが得られやすくなるの
で好ましい。
【0023】c成分:b成分以外の数平均分子量500
〜10,000のイソシアネート反応性化合物として
は、前述の芳香環含有ポリエステルポリオール以外のポ
リエステル系ポリオール、ポリアミド系ポリオール、ポ
リエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオー
ル、ポリエステル系あるいはポリアミド系のポリアミン
や(ポリ)アミノアルコール等が挙げられる。これらは
単独あるいは2種類以上の混合物として使用できる。
【0024】このようなポリエステル系あるいはポリア
ミド系のイソシアネート反応性化合物としては、例え
ば、酸成分としてコハク酸、AA、セバシン酸、アゼラ
イン酸等、これらの酸無水物、ジアルキルエステル、酸
ハライドのいずれかを用いた脂肪族ポリカルボン酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等、
これらの酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハライドの
いずれかを用いた脂環族ポリカルボン酸と、EG、1,
2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−BD、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、MPD、NPG、1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ジメチロールヘプタン、ダ
イマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサ
イド付加物等の(数平均)分子量500未満の低分子ポ
リオール、又はエチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、ジエチレントリアミン等の(数平
均)分子量500未満の低分子ポリアミン、モノエタノ
ールアミン等の(数平均)分子量500未満のアミノア
ルコール、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得ら
れる化合物が挙げられる。また、ε−カプロラクトン、
アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル
(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られ
るラクトン系ポリエステルポリオール及び/又はエステ
ル交換品等も挙げることができる。
【0025】d成分:数平均分子量500未満の鎖延長
剤としては、EG、プロピレングリコール、1,4−B
D、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、MPD、NPG、メチルオクタンジオール、1,9
−ノナンジオール等が挙げられる。
【0026】B成分:燐酸エステル及び/又は亜燐酸エ
ステルとしては、エチルジエチルホスホノアセテート、
エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェ
ート、ブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッ
ドホスフェート(以下、BEAPという)、2−エチル
ヘキシルアシッドホスフェート(以下、EHAPとい
う)、テトラコシルアシッドホスフェート、トリフェニ
ルホスファイト、トリステアリルホスファイト、等が挙
げられる。含有量は熱可塑性樹脂100質量部に対し、
0.01〜5質量が好ましい。
【0027】C成分:シリコーン系界面活性剤として
は、ポリジメチルシロキサン・ポリアルキレングリコー
ル共重合体より成る非イオン型の界面活性剤である。H
LB指数として3〜20の範囲にあるものが好ましい。
市販品の例としては、共栄社油脂化学工業のグラノール
100、グラノール400、ポリフローNo.425、
日本ユニカーのL−720、L−7001、L−700
2、L−7602、L−7604、L−7605、FZ
−2161、FZ−2162を挙げることができる。含
有量は熱可塑性樹脂100質量部に対し0.01〜5質
量部が好ましい。
【0028】D成分:脂肪酸系金属塩の脂肪酸として
は、炭素数9〜50の脂肪酸が好ましく、例えば、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、n−ペンタデシレン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸等の飽和モノカルボン酸等を挙げ
ることができる。上記の脂肪酸金属塩の金属としては、
マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、鉄、亜鉛、
チタン、銅を例示することができる。好ましくは、亜鉛
塩とアルミニウム塩である。好ましい脂肪酸金属塩とし
ては、例えば、ステアリン酸亜鉛(以下、Zn−Stと
いう)、ステアリン酸アルミニウム(以下、Al−St
という)、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、
ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸マグネシウムが挙
げられる。特に好ましいものとしては、Zn−StとA
l−Stの併用が挙げられる。含有量は、熱可塑性樹脂
100質量部に対し、0.5〜10質量部が好ましい。
【0029】E成分:カップリング剤で表面処理した微
粉末シリカとは、シランカップリング剤又はチタンカッ
プリング剤で表面処理したものであり、シリカ粉末とし
ては、日本シリカ工業株式会社のニップシール等が挙げ
られる、一般的はホワイトカーボンを称される天然ゴ
ム、合成ゴムの高補強性充填剤として用いられている。
【0030】微粉末シリカを表面処理するカップリング
剤は具体的には、シラン系では、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等
が挙げられ、チタネート系としては、テトラブチルチタ
ネート等が挙げられる。
【0031】E成分:カップリング剤で表面処理した微
粉末シリカの平均粒径は10μm以下であることが好ま
しい。更に好ましくは、5μm以下である。なお、E成
分における「平均粒径」は、コールターカウンターTA
−II(コールターエレクトロニクス製)を用いて30
μmのアパーテャーチューブにより測定した粒度分布に
おける50%累積パーセントの値である。平均粒径が大
きくなると、流動性改善及びブロッキング防止剤として
の効果が悪くなる。カップリング剤処理の方法として
は、よく混合されている状態の微粉末シリカに、カップ
リング剤液をスプレーで均一に付着させた後に乾燥する
方法、水又は有機溶剤に分散させスラリー化した微粉末
シリカに、攪拌しながらカップリング剤を加え、脱水、
乾燥する湿式法等が挙げられる。E成分:カップリング
剤で表面処理した微粉末シリカの配合量は、熱可塑性樹
脂組成物中で、0.0005〜3.0質量%、特に0.
1〜2.0質量%であることが好ましい。この量より少
ないとブロッキング防止性能が発揮されず、多すぎると
熱可塑性樹脂の特性を減ずるので好ましくない。
【0032】本発明の粉末熱可塑性樹脂組成物を調整す
る方法とは、A成分の平均粒径950μm以下に加工し
た熱可塑性樹脂と下記に示す各成分を共存混合する方法
によっても得られる。 B成分:燐酸エステル及び/又は亜燐酸エステル C成分:シリコーン系界面活性剤 D成分:脂肪酸系金属塩 E成分:カップリング剤で表面処理した微粉末シリカ 共存混合する方法で好ましい産業用機械としてはヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、MTIミキサー
等の強制攪拌機能を有するものが挙げられる。
【0033】本発明によって得られる粉末熱可塑性樹脂
成物には、必要に応じて、各種添加剤を加えることが出
来る。酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、難燃
剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安
定剤等である。配合方法は、各成分を粉末のままで混合
しても良いし、樹脂粉末体と各添加剤を溶剤に溶解又は
分散させて混合しても良い。配合方法は公知の方法が適
用可能であり、配合装置としてはボールミル、サンドグ
ラインドミル、シェイカー、三本ロール、押出機、ニー
ダー、エアガン、攪拌機等を使用することができる。
【0034】本発明の成形方法におけるスラッシュ成形
は、例えば、100〜250℃に加熱した金型に粉末状
の熱可塑性樹脂を入れ、表面レベリング性が均一になる
まで、30秒〜10分間放置し、その後、金型を冷却
し、型温20〜80℃で脱型する、ことによって行われ
る。この成形には、粉末樹脂の安息角、流下速度等の粉
体特性を考慮した金型設計が必要である。
【0035】本発明の表皮材は、前記特定の5成分を含
有する樹脂組成物から成形されるものであり、インスツ
ルメントパネル、コンソールボックス、ドアトリム等の
自動車内装用表皮材等に用いることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例等により本発明について更に詳
細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定して解
釈されるものではない。以下の実施例等において、
「部」は全て「質量部」を意味する。
【0037】 使用原料の説明 スチレン系エラストマー:タフプレンA(旭化成工業製) ポリエステル系エラストマー:ペルプレンP−40B(東洋紡績製) ポリウレタン系エラストマー:P-25M(日本ポリウレタン工業製) ポリエステル−1:iPA/AA=1/1(モル比)とEG/NPG=9/1か ら得られる芳香環含有ポリエステルポリオール 水酸基価=56mgKOH/g 芳香環含有量=2.16mmol/g 平均官能基数=2 ポリエステル−2:1,4−BDとAAから得られる芳香環非含有ポリエステル ポリオール 水酸基価=56mgKOH/g 平均官能基数=2 ポリエステル−3:MPDとAAから得られる芳香環非含有ポリエステルポリオ ール 水酸基価56mgKOH/g 平均官能基数2 顔料 :茶色顔料 商品名:NW−36(日弘ビックス製) 分散媒 :パラフィン系溶媒 商品名:シェルゾール71(シェル化学製) 沸点170〜200℃ 打粉剤 :下記の表面処理を行ったもの。 微粉末シリカ(日本シリカ工業製、Nipsil(登録商標)L-250、 平均粒径2.0μm)100部及びをγ-アミノプロピルトリエトキシシラン (信越化学工業製、KBE903)2部を混合機で5分間混合し、110℃で 2時間乾燥して、打粉剤を得た。 EHAP :2−エチルヘキシルアシッドホスフェート BEAP :ブトキシエチルアシッドホスフェート シリコーン系界面活性剤:L−7001(日本ユニカー製) :L−7602(日本ユニカー製) Zn−St :ステアリン酸亜鉛 Al−St :ステアリン酸アルミニウム
【0038】〔分散安定剤の合成〕 合成例1 (1)分子内に不飽和結合を有するポリオールの合成 2Lの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、留出塔、窒
素ガス導入管を取り付け、数平均分子量1,000のポ
リブチレンアジペートポリオール1000部、及び無水
マレイン酸を49部を秤量し、窒素ガスを流しながら加
熱混合した。温度を140〜160℃にして反応させ、
縮合水を系外に出した後、更に系内を徐々に減圧しなが
ら反応を続け、最終的に190℃、30mmHgの条件
で4時間反応させて、反応終了とした。得られたポリオ
−ルの水酸基価は53mgKOH/g、酸価は4.1m
gKOH/gであった。このポリオールは数平均分子量
2,100で、1分子中に平均1個の二重結合を有する
ものであった。
【0039】(2)分散安定剤の合成 500mlの4つ口フラスコに攪拌機、温度計、滴下ロ
ート、冷却器を付け、(1)で合成したポリオール44
部及び酢酸ブチル99部を秤量して添加した。窒素ガス
を滴下ロートの上部から系内に流しながら加熱混合し
た。110℃になったとき、滴下ロートからラウリルメ
タアクリレート102部及びベンゾイルパ−オキサイド
2部の溶解混合物を滴下開始した。1時間半で滴下終了
し、その後130℃で2時間反応させ反応終了とした。
得られた分散安定剤の水酸基価は11mgKOH/gで
あった。
【0040】〔顔料を分散させた芳香環含有ポリエステ
ルポリオールの調製〕 調製例1 ポリエステル−1を40部、ポリエステル−3を40
部、顔料を20部とを、3本ロールミルにて混りを行
い、顔料を分散した芳香環含有ポリエステルポリオール
PES−1を得た。PES−1は、25℃で粘度140
Pa・Sの流動性を有する粘稠液体であった。
【0041】合成例2 高速仕様攪拌モーターの設置してある内容量5Lの4つ
口フラスコに、合成例1で得た分散安定剤を182部、
100℃に加温したPES−1を100部、100℃に
加温したポリエステル−1を333部、ポリエステル−
3を333部、1,4−BDを59部、DBTDLを
0.02部仕込み、均一に混合した後、分散媒を100
0部仕込み、更に高速攪拌を10分間行った。次にHD
Iを174部仕込み、120℃に昇温し、4時間反応さ
せた後、遠心脱水機にて分散媒と樹脂とを分離、減圧乾
燥して平均粒径180μmの茶色に着色した粉末熱可塑
性ポリウレタン樹脂PU1を994部を得た。分離濾液
には顔料の移行が認められなかった。
【0042】実施例1 粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂PUIの1000部に
対し、EHAP:2部、L−7001:1部、Zn−S
t:1部、Al−St:9部、打粉剤:0.5部、を加
えMTIミキサーに充填後、2分間強制攪拌しスラッシ
ュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得た。粉体特性について
表1に示した。
【0043】合成例3 合成例2と同様な反応容器に、合成例1で得た分散安定
剤を182部、100℃に加温したPES−1を100
部、100℃に加温したポリエステル−2を333部、
ポリエステル−3を333部、1,4−BDを59部、
DBTDLを0.02部仕込み、均一に混合した後、分
散媒を1000部仕込み、更に高速攪拌を10分間行っ
た。次にHDIを174部仕込み、120℃に昇温し、
4時間反応させた後、遠心脱水機にて分散媒と樹脂とを
分離し、減圧乾燥して平均粒径160μmの茶色に着色
した粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂PU2を994部を
得た。分離濾液には顔料の移行が認められなかった。
【0044】実施例2 粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂PU2の1000部に
対し、BEAP:2部、L−7602:1部、Zn−S
t:2部、Al−St:8部、打粉剤:1.0部、を加
えMTIミキサーに充填後、2分間強制攪拌しスラッシ
ュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得た。粉体特性について
表1に示した。
【0045】実施例3 スチレン系エラストアー:タフプレンA 98部にNW
−36を2部をドライブレンドした後、2軸押し出し機
のホッパ−付近温度170℃、中間部温度180℃、先
端部温度190℃に温度調節し、スクリュー回転数50
rpmでコンパウンドを行い水中カット方式による茶色
の米粒形状樹脂を得た。この樹脂ペレットを冷凍粉砕に
より平均粒径250μmのスチレン系エラストマー樹脂
パウダーを得た。この樹脂パウダー1000部に対し、
BEAP:2部、L−7602:1部、Zn−St:
0.5部、Al−St:5.5部、打粉剤:2.0部、
を加えMTIミキサーに充填後、2分間強制攪拌しスラ
ッシュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得た。粉体特性につ
いて表1に示した。
【0046】実施例4 ポリエステル系エラストマー:ペルプレンP−40B
98部にNW−36を2部をドライブレンドした後、2
軸押し出し機のホッパ−付近温度170℃、中間部温度
180℃先端部温度190℃に温度調節し、スクリュー
回転数50rpmでコンパウンドを行い水中カット方式
による茶色の米粒形状樹脂を得た。この樹脂ペレットを
冷凍粉砕により平均粒径250μmのポリエステル系エ
ラストマー樹脂パウダーを得た。この樹脂パウダー10
00部に対し、EHAP:2部、L−7001:1部、
Zn−St:0.5部、Al−St:5.5部、打粉
剤:2.0部、を加えMTIミキサーに充填後、2分間
強制攪拌しスラッシュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得
た。粉体特性について表1に示した。
【0047】実施例5 ポリウレタン系エラストマー:P−25M98部にNW
−36を2部をドライブレンドした後、2軸押し出し機
のホッパ−付近温度170℃、中間部温度180℃先端
部温度190℃に温度調節し、スクリュー回転数50r
pmでコンパウンドを行い水中カット方式による茶色の
米粒形状樹脂を得た。この樹脂ペレットを冷凍粉砕によ
り平均粒径250μmのポリエステル系エラストマー樹
脂パウダーPU3を得た。この樹脂パウダーPU3の1
000部に対し、EHAP:2部、L−7001:1
部、Zn−St:0.5部、Al−St:15.5部、
打粉剤:0.5部、を加えMTIミキサーに充填後、2
分間強制攪拌しスラッシュ成形用熱可塑性樹脂組成物を
得た。粉体特性について表1に示した。
【0048】合成例4 2軸押し出し機のホッパー付近温度160℃、中間部温
度180℃、先端部温度200℃に温度調節し、そのホ
ッパー口より、HDI:348g/min、ポリエステ
ル−1:667g/min、ポリエステル−3:667
g/min、PES−1:200g/min、1,4-
BG:118g/minの条件で連続的に原料供給し、
ストランドダイから溶融樹脂を吐出させ、ストランドカ
ットにて熱可塑性ポリウレタン樹脂ペレットを得た。樹
脂フィード量は120kg/hrである。この樹脂ペレ
ットを冷凍粉砕により平均粒径250μmの熱可塑性ポ
リウレタン樹脂パウダーPU4を得た。
【0049】実施例6 この樹脂パウダーPU4の1000部に対し、EHA
P:2部、L−7001:1部、Zn−St:0.5
部、Al−St:15.5部、打粉剤:0.5部、を加
えMTIミキサーに充填後、2分間強制攪拌しスラッシ
ュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得た。粉体特性について
表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】流下速度、安息角、かさ比重:JIS−K
−6721(1977)の方法に準じて測定した。な
お、 流下速度:粉末組成物75gをかさ比重測定用ダンパー
付きロート(JIS−K−6721)に投入し、ホッパ
ーから全量流下するまでの時間を測定。 安息角:粉末組成物75gをかさ比重測定用ダンパー付
きロート(JIS−K−6721)に投入し、ホッパー
から全量流下させたときのひろがりと高さから安息角を
算出。
【0052】合成例5 合成例2と同様な反応容器に、合成例1で得た分散安定
剤を182部、100℃に加温したポリエステル−2を
746部、1,4−BDを59部、DBTDLを0.0
2部仕込み均一に混合した後、分散媒を1000部仕込
み、更に高速攪拌を10分間行った。次にHDIを17
4部仕込み、120℃に昇温し、4時間反応させた後、
遠心脱水機にて分散媒と樹脂とを分離、減圧乾燥して平
均粒径120μmの無色の粉末熱可塑性ポリウレタン樹
脂PU5を992部を得た。
【0053】比較例1 この粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂PU5の1000
部に対しアエロジル200(日本アエロジル製):5部
を加えヘンシェルミキサーに充填後、強制攪拌し流れ性
を改良したスラッシュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得
た。粉体特性について表2に示した。
【0054】合成例6 合成例4と同様の方法にて2軸押し出し機のホッパー付
近温度160℃、中間部温度180℃、先端部温度20
0℃に温度調節し、そのホッパー口より、HDI:34
8g/min、ポリエステル−1:667g/min、
ポリエステル−3:667g/min、PES−1:2
00g/min、1,4−BD:118g/minの条
件で連続的に原料供給しストランドダイから溶融樹脂を
吐出させストランドカットにて熱可塑性ポリウレタン樹
脂ペレットを得た。樹脂フィード量は120kg/hr
である。この樹脂ペレットを冷凍粉砕により平均粒径2
50μmの熱可塑性ポリウレタン樹脂パウダーPU6を
得た。
【0055】比較例2 この粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂PU5の1000
部に対しアエロジル200(日本アエロジル製):5部
を加えヘンシェルミキサーに充填後、強制攪拌し流れ性
を改良したスラッシュ成形用熱可塑性樹脂組成物を得
た。粉体特性について表2に示した。
【0056】比較例3 合成例3から得られた粉末状ポリウレタン樹脂PU2の
1000部に対し、BEAP:2部、L−7602:1
部、Zn−St:2部、Al−St:8部、を加えMT
Iミキサーに充填後、2分間強制攪拌した。この組成物
は、粘着性があり、粉体特性を測定することができなか
った。そのためスラッシュ成形は実施しなかった。
【0057】比較例4 合成例3から得られた粉末状ポリウレタン樹脂PU2の
1000部に対し、BEAP:2部、L−7602:1
部、打粉剤1.0部を加えMTIミキサーに充填後、2
分間強制攪拌し、スラッシュ成形用組成物を得た。この
粉体特性を表2に示した。
【0058】比較例5 合成例3から得られた粉末状ポリウレタン樹脂PU2の
1000部に対し、BEAP:2部、Zn−St:2
部、Al−St:8部、打粉剤1.0部を加えMTIミ
キサーに充填後、2分間強制攪拌し、スラッシュ成形用
組成物を得た。この粉体特性を表2に示した。
【0059】比較例6 合成例3から得られた粉末状ポリウレタン樹脂PU2の
1000部に対し、L−7602:1部、Zn−St:
2部、Al−St:8部、打粉剤1.0部を加えMTI
ミキサーに充填後、2分間強制攪拌し、スラッシュ成形
用組成物を得た。この粉体特性を表2に示した。
【0060】
【表2】
【0061】(スラッシュ成形) 実施例7〜12、比較例7〜11 実施例1〜6及び比較例1、2、4、5、6より得たス
ラッシュ成形用熱可塑性樹脂組成物を使用し、スラッシ
ュ成形により表皮材を成形した。 (スラッシュ成形方法)縦24cm、横28cm、型深
さ10cm(金型表面積672cm2 )の金型を220
℃にオイル加熱し、60gの着色粉末熱可塑性ポリウレ
タン樹脂を仕込み、オイルバス中で表面レベリング性が
均一化するまで放置する。その後金型を冷却し、型温6
0℃で脱型した。得られた表皮材の厚さは約600μm
であった。比較例7、8、9では、金型からの剥離が困
難であり、耐熱性と耐候性の試験は実施しなかった。成
形した表皮材の評価結果を表3及び表4に示した。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】(評価方法) 金型離型力:幅10cmにカットしたスラッシュシート
をバネ秤を用いて引っ張り、離型に必要な力を測定し
た。表中の値は1cmに換算したものである。 耐熱性試験:ギィヤーオーブン中にて120℃×500
時間での引張力保持率(%) 耐候性試験:キセノンウエザオメーター、ブラックパネ
ル温度83℃、50サイクルで引張力保持率(%)
【0065】
【発明の効果】本発明のスラッシュ成形用熱可塑性樹脂
組成物は、非水エマルジョン合成法により合成された微
粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂であっても、冷凍粉砕に
より物理的に微粉末化された熱可塑性樹脂であっても、
あるいはその他の熱可塑性樹脂であっても、スラッシュ
成形に適合する粉末特性に合わせて成形加工することが
可能となった。また、ピンホールの発生がなく、表皮レ
ベリング性に優れ、実質的に可塑剤の飛散がないオール
熱可塑性樹脂表皮材の提供が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/541 C08K 9/06 9/06 C08L 75/04 C08L 75/04 C08K 5/54 Fターム(参考) 4F205 AA24A AA31A AB10 AB17 AB19 AB28 AC04 AM32 GA13 GB01 GC04 GE03 GE21 GE24 GF01 GF02 GN13 GN29 4J002 AA011 AC081 BB001 BB151 BB171 BB181 BC031 BC041 BN151 CF001 CK031 CK041 CK051 CP172 DJ018 EG037 EG047 EW046 EW066 FB098 FB198 GT00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の5成分を含有すること、を特徴と
    する粉末熱可塑性樹脂組成物。 A成分:平均粒径950μm以下の粉末熱可塑性樹脂。 B成分:燐酸エステル及び/又は亜燐酸エステル C成分:シリコーン系界面活性剤 D成分:脂肪酸系金属塩 E成分:カップリング剤で表面処理した微粉末シリカ
  2. 【請求項2】前記A成分が、下記のa成分、b成分、c
    成分及びd成分を非水エマルジョン重合により反応させ
    て得られる、平均粒径950μm以下の粉末熱可塑性ポ
    リウレタン樹脂である、請求項1記載の粉末熱可塑性樹
    脂組成物。 a成分:有機ジイソシアネート類。 b成分:顔料を均一に分散していてもよい、25℃で液
    状である数平均分子量500〜10,000の芳香環含
    有ポリエステルポリオール。 c成分:b成分以外の数平均分子量500〜10,00
    0のイソシアネート反応性化合物。 d成分:数平均分子量500未満の鎖延長剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の粉末熱可
    塑性樹脂組成物をスラッシュ成形することを特徴とする
    成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の粉末熱可
    塑性樹脂組成物からなる表皮材。
JP19449999A 1999-07-08 1999-07-08 粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材 Pending JP2001019863A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19449999A JP2001019863A (ja) 1999-07-08 1999-07-08 粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19449999A JP2001019863A (ja) 1999-07-08 1999-07-08 粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001019863A true JP2001019863A (ja) 2001-01-23

Family

ID=16325544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19449999A Pending JP2001019863A (ja) 1999-07-08 1999-07-08 粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001019863A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301810A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Toppan Printing Co Ltd 包装用積層体
JP2012504696A (ja) * 2008-10-15 2012-02-23 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 熱可塑性ポリウレタンのための加工助剤
JP2013227525A (ja) * 2012-03-28 2013-11-07 Sanyo Chem Ind Ltd スラッシュ成形用熱可塑性樹脂粒子
CN103897380A (zh) * 2012-12-27 2014-07-02 中纺投资发展股份有限公司 一种复合增强型耐水解热塑性聚氨酯弹性体及其制备方法
CN105764987A (zh) * 2013-11-29 2016-07-13 和仁化学株式会社 粉末搪塑组合物
KR20190076532A (ko) * 2017-12-22 2019-07-02 한국신발피혁연구원 난연성을 가진 열가소성 폴리우레탄 수지 조성물 및 그 제조 방법

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007301810A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Toppan Printing Co Ltd 包装用積層体
JP4661681B2 (ja) * 2006-05-10 2011-03-30 凸版印刷株式会社 包装用積層体
JP2012504696A (ja) * 2008-10-15 2012-02-23 エボニック デグサ ゲーエムベーハー 熱可塑性ポリウレタンのための加工助剤
JP2013227525A (ja) * 2012-03-28 2013-11-07 Sanyo Chem Ind Ltd スラッシュ成形用熱可塑性樹脂粒子
CN103897380A (zh) * 2012-12-27 2014-07-02 中纺投资发展股份有限公司 一种复合增强型耐水解热塑性聚氨酯弹性体及其制备方法
CN105764987A (zh) * 2013-11-29 2016-07-13 和仁化学株式会社 粉末搪塑组合物
EP3059282A4 (en) * 2013-11-29 2017-06-21 Fine Chemical Co., Ltd. Powder slush molding composition
KR20190076532A (ko) * 2017-12-22 2019-07-02 한국신발피혁연구원 난연성을 가진 열가소성 폴리우레탄 수지 조성물 및 그 제조 방법
KR102007219B1 (ko) 2017-12-22 2019-08-05 한국신발피혁연구원 난연성을 가진 열가소성 폴리우레탄 수지 조성물 및 그 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0794527B2 (ja) エンボス加工した焼結シートを製造するための熱可塑的に加工可能な硬化性ポリウレタン組成物
JP4936209B2 (ja) 粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法
US9273188B2 (en) Process for producing urethane resin particles for slush molding
JP2001019863A (ja) 粉末熱可塑性樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法並びにこれを用いた表皮材
JP4001444B2 (ja) 粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及びこれを用いた成形方法、並びにこれを用いた表皮材
US6235830B1 (en) Polyurethane resin type composition for slush molding
JP2011140644A (ja) スラッシュ成形用ウレタン樹脂粒子
JP5110342B2 (ja) 粉末状熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂の製造方法
JP2012031374A (ja) ウレタン樹脂粒子
JP5883332B2 (ja) スラッシュ成形用ポリウレタン樹脂粉末組成物
JP2009029860A (ja) 粉末状熱可塑性ポリウレタン(ポリウレア)樹脂組成物
JP3419068B2 (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物および該組成物からつくられた表皮材
JP4042148B2 (ja) スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂組成物及びスラッシュ成形方法
JP2001072858A (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
JP2004067954A (ja) スラッシュ成形用熱可塑性ポリウレタン粉体組成物及び表皮体
JP2010070670A (ja) 粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、並びにそれを用いたシート状ポリウレタン樹脂成形物及びその製造方法
JP4126720B2 (ja) スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法
JP6026460B2 (ja) 自動車内装材用樹脂成形品
JP4539814B2 (ja) 粉体成形用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法
JP5791921B2 (ja) 熱可塑性ポリウレタン樹脂粉体の製造方法
JP2000327907A (ja) スラッシュ成形用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、及びこれを用いた表皮材
JP2018115257A (ja) スラッシュ成形用粉末状ポリウレタンウレア樹脂組成物
JP2000017032A (ja) ポリウレタン樹脂系スラッシュ成形用材料
JP2024010486A (ja) 成形用樹脂組成物及び成形体
JP2004161866A (ja) スラッシュ成形用粉末ポリウレタン樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050622

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050627

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051031