JP2001072858A - 熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物

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JP2001072858A
JP2001072858A JP24974599A JP24974599A JP2001072858A JP 2001072858 A JP2001072858 A JP 2001072858A JP 24974599 A JP24974599 A JP 24974599A JP 24974599 A JP24974599 A JP 24974599A JP 2001072858 A JP2001072858 A JP 2001072858A
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polyurethane resin
thermoplastic polyurethane
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acid
diisocyanate
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JP24974599A
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Hiroyoshi Yokota
博栄 横田
Koichi Suzuki
浩一 鈴木
Toshihiko Tsuchida
俊彦 土田
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐熱性、耐湿熱性の優れた熱可塑性
ポリウレタン樹脂組成物並びにこれを用いたスラッシュ
成形用材料及び表皮材を提供する。 【解決手段】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部
あたり、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤を併用し、その合計添加量が
0.1〜5質量部であることを特徴とする、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂組成物並びに該組成物からなるスラッシ
ュ成形用材料及び表皮材により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂組成物に関するものであり、更には該組成物か
らなるスラッシュ成形用材料及び表皮材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱可塑性ポリウレタン樹脂からな
る成形品は紫外線による黄変及び酸化劣化により分解が
進行し大気中の水分等で分解が加速するとされている。
高分子の安定化剤としては、高分子材料の種類に応じ概
略が決められ、加工方法によって熱履歴の影響を加味
し、成形品としてどの様な環境下で使用されるかによっ
て総合的に決められて組み立てられる。例えば粉末成形
用熱可塑性ポリウレタン樹脂は、押し出し機に代表され
る混練り機を使用して着色化した熱可塑性ポリウレタン
樹脂を得た後、粉砕機による物理的な方法にて微粉末化
することが行われていた。この方法により得られる熱可
塑性ポリウレタン樹脂粉末の形状は不定形であるため、
粉末の粉特性が劣り、特に加工時の大きな指標とされて
いる安息角、流下速度については改善が必要とされてい
た。すなわち加熱された金型上を均一に樹脂粉末が流動
しないために欠肉部分や肉厚の不均一化が生じることで
ある。不定形粉末ではなく真球状のウレタン樹脂粉末を
得る技術としては、特開平2−38453号公報、特開
平4−202330号公報、特開平8−120041号
公報等に報告されている。
【0003】特開平2−38453号公報は、特定の分
散安定剤を用いた非水エマルジョン重合法による粉末成
型用ポリウレタン樹脂が記載されている。特開平4−2
02330号公報は、ポリウレタン樹脂溶液を、特定の
分散安定剤を含有している非芳香族有機溶剤に滴下後、
溶剤を分離・除去させて得られる熱可塑性ポリウレタン
樹脂粉末が記載されている。特開平8−120041号
公報では、水及び分散安定剤の存在下でイソシアネート
基を有するポリウレタン樹脂とブロックされた鎖伸長剤
とを反応させて得られる粉末状の熱可塑性ポリウレタン
樹脂が記載されている。
【0004】特開平11−116796号公報では、粉
末状ポリウレタン樹脂組成物に添加できる添加剤とし
て、可塑剤、顔料、ブロッキング防止剤、離型剤、耐候
性安定剤、滑剤、耐熱安定剤、難燃剤等を添加すること
ができること、及びこれらの添加方法については特に限
定されず、水性分散体の製造段階で添加してもよいし、
樹脂粉末に添加してもよいことが記載されている。ま
た、特開平11−12343号公報では、具体的に耐光
性安定剤として、DIC−TBS;大日本インキ化学工
業(株)製を添加した例が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの技術にて得ら
れるウレタン樹脂粉末では粉末成形用の素材として十分
な機能や性能を有しておらず、また、着色に際して効率
的なものではなく、従来のポリ塩化ビニル(PVC)と
同様可塑剤が使用される等、更なる改良が求められてき
た。本発明の目的は、任意に配合した添加剤の相乗効果
にて得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物、並びに
これを用いた、耐候性、耐熱性、耐湿熱性の優れたスラ
ッシュ成形用材料及びこれを用いた表皮を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明等は、鋭意検討した結果、製造条件や、加工
条件に適合した粉体特性を有する熱可塑性ポリウレタン
樹脂組成物を得ることに成功しスラッシュ成形用材料と
して使用出きることを見出し、最適な高分子安定化剤の
組み合わせにより本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、 (1) 熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部あた
り、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤を併用し、その合計添加量が0.
1〜5質量部であることを特徴とする熱可塑性ポリウレ
タン樹脂組成物。
【0008】(2) 発明(1)記載の熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物からなるスラッシュ成形用材料。
【0009】(3) 発明(1)記載の熱可塑性ポリウ
レタン樹脂組成物、又は請求項2記載のスラッシュ成形
用材料からなる表皮材。である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物は、どの
ような形状であってもよく、その形状としては例えば、
非水エマルジョン重合法によって合成される真珠状、押
し出し機先端部に取り付けた水中カット方式で製造され
るマイクロペレット状、樹脂ペレットを冷凍粉砕又はグ
ライディングディスクを使用した遠心ミル粉砕により得
られる不定形等が挙げられる。本発明では、粉末特性を
考慮すると、真珠状のものが好ましい。
【0011】粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の
平均粒径は、好ましくは950μm以下、更に好ましく
は10〜450μmである。なお、本発明でいう「平均
粒径」は、レーザー式粒度分析計にて測定した粒径分布
カーブにおける50%の累積パーセントの値である。平
均粒径が950μmを越える場合は、成形加工時の流れ
性が悪くなり、成形不良を起こしやすい。
【0012】粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物の
安息角は、50度以下が好ましく、更に好ましくは10
度〜40度である。安息角が上限を越える場合は、成形
加工時の流れ性が悪くなり、成形不良を起こしやすい。
また、JIS−K−6721の装置を用いて測定される
流下速度が25秒以下(75gが流下し終えるまでの時
間)の流動性を有していることが好ましい。
【0013】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂は、有
機ジイソシアネート類、数平均分子量500〜10,0
00のイソシアネート反応性化合物、数平均分子量50
0未満の鎖延長剤を反応させたものからなる。
【0014】前記有機ジイソシアネート類としては、例
えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソ
シアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、
キシリレン−1,2−ジイソシアネート、4,4′−ジ
フェルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイ
ソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイ
ソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,
4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニ
ルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナ
フチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフ
ェニル−4,4′−ジイソシアネート、テトラメチルキ
シリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー
ト、また、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(以下、HDIという)、3−
メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、また、水
素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレン
ジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシ
アネト、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート、更に、これらの有機ジイソシアネートのウレ
タン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビ
ウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミ
ン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性
体等の単独あるいは2種類以上の混合物を挙げることが
できる。本発明で好ましい有機ジイソシアネーは、最終
製品まで加工された表皮材の耐光性等を考慮すると脂肪
族及び/又は脂環族ジイソシアネートが好ましい。
【0015】数平均分子量500〜10,000のイソ
シアネート反応性化合物としては、エステル系、エーテ
ル系、ラクトン系、カーボネート系のポリオール等が挙
げられる。
【0016】エステル系のポリオールとしては、顔料を
予め分散させておき、その後ウレタン化反応を行うよう
な製造方法では、液状の芳香環含有ポリエステルに顔料
を分散させておくと、微粉末ポリウレタン製造時の分散
媒を汚さないので、このようなポリエステルポリオール
を一部使用することが好ましい。このようなポリエステ
ルポリオールの例としては、酸成分としてテレフタル
酸、イソフタル酸(以下、iPAという)、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等、これらの
酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハライドのいずれか
1種以上を用いた酸成分と、エチレングリコール(以
下、EGという)、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール(以下、
1,4−BDという)、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール(以下、MPDという)、ネオペンチルグ
リコール(以下、NPGという)1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ジメチロールヘプタン、ダ
イマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサ
イド付加物等の(数平均)分子量500未満の低分子ポ
リオール、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得ら
れる化合物が挙げられる。
【0017】更に、前記芳香環含有ポリエステルポリオ
ールは、上記のように酸成分や低分子ポリオール成分に
芳香環を有するポリエステルポリオールと、酸成分にも
低分子ポリオール成分にも芳香環を有しないポリエステ
ルポリオールやラクトン環が開環重合したポリエステル
ポリオールとの混合物であってもよい。芳香環を有しな
いポリエステルポリオールとしては、ε−カプロラクト
ン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラク
トン、アルキル置換δ−バレロラクトン、等の環状エス
テル(すなわちラクトン)モノマーの開環重合により得
られるラクトン系ポリエステルポリオールとのエステル
交換品等も使用できる。これらはいずれも、単独あるい
は2種類以上の混合物として使用できる。前記芳香環含
有ポリエステルポリオールの製造において、酸成分とし
て、アジピン酸(以下、AAという)、セバシン酸、ア
ゼライン酸等や、これらの酸無水物、ジアルキルエステ
ル、酸ハライドのいずれかを用いた脂肪族ポリカルボン
酸、特に炭素数5以上かつ奇数個の脂肪族ジカルボン酸
を併用し、また、1,2−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、MPD、N
PG等の側鎖含有低分子ジオールを併用すると、25℃
で液状のポリエステルポリオールが得られやすくなるの
で好ましい。
【0018】数平均分子量500〜10,000のイソ
シアネート反応性化合物としては、前述の芳香環含有ポ
リエステルポリオール以外に更に、その他のポリエステ
ル系ポリオール、ポリアミド系ポリオール、ポリエーテ
ル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリ
エステル系あるいはポリアミド系のポリアミンや(ポ
リ)アミノアルコール等が挙げられる。これらは単独あ
るいは2種類以上の混合物として使用できる。
【0019】このようなポリエステル系あるいはポリア
ミド系のイソシアネート反応性化合物としては、例え
ば、酸成分としてコハク酸、AA、セバシン酸、アゼラ
イン酸等、これらの酸無水物、ジアルキルエステル、酸
ハライドのいずれかを用いた脂肪族ポリカルボン酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等、
これらの酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハライドの
いずれかを用いた脂環族ポリカルボン酸と、EG、1,
2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−BD、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、MPD、NPG、1,8−オクタンジ
オール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ジメチロールヘプタン、ダ
イマー酸ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサ
イド付加物等の(数平均)分子量500未満の低分子ポ
リオール、又はエチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、ジエチレントリアミン等の(数平
均)分子量500未満の低分子ポリアミン、モノエタノ
ールアミン等の(数平均)分子量500未満のアミノア
ルコール、又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得ら
れる化合物が挙げられる。また、ε−カプロラクトン、
アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクト
ン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル
(すなわちラクトン)モノマーの開裂重合により得られ
るラクトン系ポリエステルポリオール及び/又はエステ
ル交換品等も挙げることができる。本発明の熱可塑性ポ
リウレタン樹脂を構成する成分には鎖延長剤が用いられ
る例えば、EG、プロピレングリコール、1,4−B
D、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、MPD、NPG、メチルオクタンジオール、1,9
−ノナンジオール等が挙げられる。
【0020】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物
は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤を含有する。ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−
ジ−t−ジブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニ
ルベンゾトリアゾール誘導体等を挙げることができる。
【0021】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、ビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸エチル)カルシウム等が挙げられる。
【0022】この2種の添加剤の添加量は、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部
である。
【0023】更に加えてもよい添加剤としては、ヒンダ
ードアミン系光安定剤、ヒドラジン系金属不活性剤等が
ある。
【0024】ヒンダードアミン系光安定剤として、ポリ
[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)}イミノ]、コハク酸ジメチル
・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重合物、N,
N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・
2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ
−1,3,5−トリアジン化合物等が挙げられる。
【0025】ヒドラジン系金属不活性剤としては、N,
N−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン、等が挙げら
れる。
【0026】燐系化合物としては、エチルジエチルホス
ホノアセテート、エチルアシッドホスフェート、ブチル
アシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、ブト
キシエチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシル
アシッドホスフェート(以下、EHAPという)、テト
ラコシルアシッドホスフェート、トリフェニルホスファ
イト、トリステアリルホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、等が挙げられ
る。
【0027】イオウ系加工安定剤としては、3,3′−
チオビスプロピオン酸ジオデシルエステル、3,3′−
チオビスプロピオン酸ジオクタデシルエステル、等が挙
げられる。
【0028】本発明のスラッシュ成形用材料は、平均粒
径950μm以下に加工した熱可塑性ポリウレタン樹脂
にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤を混合する方法によっても得られ
る。混合する方法で好ましい産業用機械としてはヘンシ
ェルミキサー、プラネタリーミキサー、MTIミキサー
等の強制攪拌機能を有するものが挙げられる。
【0029】本発明によって得られる熱可塑性樹脂組成
物には、必要に応じて、本発明で用いられる添加剤以外
の各種添加剤を更に加えることができる。酸化防止剤、
紫外線吸収剤、顔料、染料、難燃剤、加水分解防止剤、
潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等である。粉末樹
脂を用いてスラッシュ成形を行い、表皮材を得る場合
は、粉体特性の調整、ピンホール対策、脱型性の確保、
これらの添加剤による物性への悪影響の防止のため、燐
酸エステル、シリコーン系界面活性剤、脂肪酸金属塩、
カップリング処理した微粉末シリカを加えることが好ま
しい。配合方法は、公知の方法が適用可能であり、各成
分を粉末のままで混合しても良いし、樹脂粉末体と各添
加剤を溶剤に溶解又は分散させて混合しても良い。配合
装置としてはボールミル、サンドグラインドミル、シェ
イカー、三本ロール、押出機、ニーダー、エアガン、攪
拌機等を使用することができる。
【0030】本発明の成形方法におけるスラッシュ成形
は、例えば、100〜250℃に加熱した金型に粉末状
の熱可塑性樹脂を入れ、表面レベリング性が均一になる
まで、30秒〜10分間放置し、その後、金型を冷却
し、型温20〜80℃で脱型する、ことによって行われ
る。この成形には、粉末樹脂の安息角、流下速度等の粉
体特性を考慮した金型設計が必要である。
【0031】本発明の本発明の熱可塑性ポリウレタン樹
脂組成物及びスラッシュ成形用材料を使用して成形され
た表皮材は、インスツルメントパネル、コンソールボッ
クス、ドアトリム等の自動車内装用表皮材等に用いるこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例等により本発明について更に詳
細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定して解
釈されるものではない。以下の実施例等において、
「部」は全て「質量部」を意味する。
【0033】 使用原料の説明 ベンゾトリアゾール系:2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト リアゾール、 ヒンダードフェノール系:ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ −t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 ヒドラジン系:N,N−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ フェニル)プロピオニル〕ヒドラジンベンゾエート ヒンダードアミン系:ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2, 6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン {(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)}イミノ] 燐系 :トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト イオウ系 :3,3′−チオビスプロピオン酸ジオデシルエステル ポリエステル1:iPA/AA=1/1(モル比)とEG/NPG=9/1から 得られる芳香環含有ポリエステルポリオール 水酸基価=56mgKOH/g 芳香環含有量=2.16mmol/g 平均官能基数=2 ポリエステル2:MPDとAAから得られる芳香環非含有ポリエステルポリオー ル 水酸基価56mgKOH/g 平均官能基数2 顔料 :茶色顔料、日弘ビックス製のNW−36 分散媒 :パラフィン系溶剤、シェルゾール71(シェル化学製) 1,4−BD :1,4−ブタンジオール DBTDL :ジブチルチンジラウレート 分散媒 :パラフィン系溶媒 商品名:シェルゾール71(シェル化学製) 沸点170〜200℃ HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート 打粉剤 :下記の表面処理を行ったもの。 微粉末シリカ(日本シリカ工業製、Nipsil(登録商標)L−250、 平均粒径2.0μm)100部とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン( 信越化学工業製、KBE903)2部を混合機で5分間混合し、110℃で 2時間乾燥して、打粉剤を得た。 EHAP :2−エチルヘキシルアシッドホスフェート シリコーン系界面活性剤:L−7001(日本ユニカー製) Zn−St :ステアリン酸亜鉛 Al−St :ステアリン酸アルミニウム
【0034】〔分散安定剤の合成〕 (1)分子内に不飽和結合を有するポリオールの合成 2Lの4つ口フラスコに、攪拌機、温度計、留出塔、窒
素ガス導入管を取り付け、数平均分子量1,000のポ
リブチレンアジペートポリオール1000部、及び無水
マレイン酸を49部を秤量し、窒素ガスを流しながら加
熱混合する。温度を140〜160℃にして反応させ、
縮合水を系外に出した後、更に系内を徐々に減圧しなが
ら反応を続け、最終的に190℃、30mmHgの条件
で4時間反応した後、反応終了とした。得られたポリオ
−ルの水酸基価は53mgKOH/g、酸価4.1mg
KOH/gであった。このポリオールは数平均分子量
2,100で、1分子中に平均1個の二重結合を有する
ものであった。
【0035】(2)分散安定剤の合成 500mlの4つ口フラスコに攪拌機、温度計、滴下ロ
ート、冷却器を付け、(1)で合成したポリオール44
部及び酢酸ブチル99部を秤量して添加した。窒素ガス
を滴下ロートの上部から系内に流しながら加熱混合す
る。110℃になったとき、滴下ロートからラウリルメ
タアクリレート102部及びベンゾイルパ−オキサイド
2部の溶解混合物を滴下開始した。1時間半で滴下終了
し、その後130℃で2時間反応させ反応終了とした。
この分散安定剤の水酸基価は11mgKOH/gであっ
た。
【0036】〔顔料を分散させたポリエステルポリオー
ルの調製〕ポリエステル1を10部、ポリエステル2を
70部、顔料を20部とを、3本ロールミルにて混りを
行い、顔料を分散した芳香環含有ポリエステルポリオー
ルPES1を得た。PES1は、25℃で流動性を有す
る粘稠液体であった。
【0037】合成例1 (茶色に着色した粉末熱可塑性ポリウレタン樹脂の合
成)高速仕様攪拌モーターの設置してある内容量5Lの
4つ口フラスコに前述した分散安定剤を182部、10
0℃に加温したPES1を100部、100℃に加温し
たポリエステル1を333部、ポリエステル2を333
部、1,4−BDを59部、DBTDLを0.02部仕
込み、均一に混合した後、分散媒を1000部仕込み更
に高速攪拌を10分間行った。次にHDIを174部仕
込み、120℃に昇温し、4時間反応させた後、遠心脱
水機にて分散媒と樹脂とを分離、減圧乾燥して平均粒径
180μmの茶色に着色した粉末熱可塑性ポリウレタン
樹脂を994部得た。分離濾液には顔料の移行が認めら
れなかった。
【0038】(実施例1〜5、比較例1〜5)合成例1
により得た茶色に着色した粉末熱可塑性ポリウレタン樹
脂1000部と表1に示す各種高分子安定剤、EHA
P:2部、L−7001:1部、Zn−St:1部、A
l−St:9部、打粉剤:0.5部、を加えMTIミキ
サー(月島機械製)に充填後、2分間強制攪拌しスラッ
シュ成形用材料を得た。粉体特性について表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】流下速度、安息角、かさ比重:JIS−K
−6721(1977)の方法に準じて測定した。な
お、 流下速度:粉末組成物75gをかさ比重測定用ダンパー
付きロート(JIS−K−6721)に投入し、ホッパ
ーから全量流下するまでの時間を測定。 安息角:粉末組成物75gをかさ比重測定用ダンパー付
きロート(JIS−K−6721)に投入し、ホッパー
から全量流下させたときの広がりと高さから安息角を算
出。
【0041】(スラッシュ成形)実施例1〜5及び比較
例1〜5より得たスラッシュ成形用組成物を使用し、ス
ラッシュ成形により表皮材を成形した。成形した表皮材
の評価結果を表2に示す。いずれの表皮も離型でき、表
面のピンホールが無く、溶融性に優れ平滑であった。
【0042】(スラッシュ成形方法)縦24cm、横2
8cm、型深さ10cm(金型表面積672cm2 )の
金型を220℃にオイル加熱し、60gの着色粉末熱可
塑性ポリウレタン樹脂を仕込み、オイルバス中で表面レ
ベリング性が均一化するまで放置する。その後金型を冷
却し、型温60℃で脱型する。得られた表皮材の厚さは
約600μmであった。
【0043】
【表2】
【0044】初期物性はJIS−K−7311に準じて
測定した。 耐熱性試験:ギィヤーオーブン中にて120℃×500
時間での引張強さ保持率(%)と変色(ΔE;JIS−
Z−8730に準じて)を測定した。 耐候性試験:キセノンウエザオメーター、ブラックパネ
ル温度83℃、50サイクルで引張強さ保持率(%)と
変色(ΔE)を測定した。
【0045】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂組成
物を用いることにより、表皮材として重要視される耐熱
性、耐光性等の耐久性を高めることを可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F205 AA31 AB06 AB14 AC05 AE10 AH23 AH25 AH26 GA13 GB01 GC04 GE02 GE06 GE24 GF01 GF02 GF47 GN13 GN18 GN29 4J002 CK031 CK041 EJ017 EJ047 EU176 EW127 FD056 FD077 GN00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタン樹脂100質量部
    あたり、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダー
    ドフェノール系酸化防止剤を併用し、その合計添加量が
    0.1〜5質量部であることを特徴とする熱可塑性ポリ
    ウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン樹
    脂組成物からなるスラッシュ成形用材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性ポリウレタン樹
    脂組成物、又は請求項2記載のスラッシュ成形用材料か
    らなる表皮材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007211071A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Sanyo Chem Ind Ltd スラッシュ成形用樹脂粉末組成物及び成形品
JP2013227525A (ja) * 2012-03-28 2013-11-07 Sanyo Chem Ind Ltd スラッシュ成形用熱可塑性樹脂粒子

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