JP4131573B2 - ピストンポンプ - Google Patents

Description

背景技術
本発明は主請求項の上位概念に記載の形式のピストンポンプに関する。
前記形式のピストンポンプは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第４１０７９７９Ａ１号公報により公知である。公知のピストンポンプはピストンを備えており、ピストンが軸線方向移動可能に案内ブッシュ内に案内されており、支承ブッシュがポンプケーシングのシリンダ孔内に差し込まれている。カバーの形の閉鎖エレメントがシリンダ孔内に差し込まれて、該シリンダ孔を圧密に閉鎖している。この場合、欠点として支承ブッシュと閉鎖エレメントとが別個の作業行程でシリンダ孔内に差し込まれねばならない。
発明の利点
請求項１に記載の特徴を有する本発明に基づくピストンポンプにおいては、閉鎖エレメントが支承ブッシュに結合されており、この場合、閉鎖エレメントと支承ブッシュとの間に半径方向遊びが形成されている。支承ブッシュが該支承ブッシュに取り付けられた閉鎖エレメントと一緒に１つの作業工程でシリンダ孔内に差し込まれ、かつ例えば閉鎖エレメントへのかしめ（Verstemmen）によってシリンダ孔内に取り付けられて、圧密に密閉（druckdicht abdichten）される。本発明に基づくピストンポンプは、利点としてポンプケーシング内への差し込みの前に予め完全に組み立てられて、良好に取り扱い可能なコンパクトな頑丈な構成ユニットを形成している。支承ブッシュと該支承ブッシュに取り付けられた閉鎖エレメントをポンプケーシングのシリンダ孔内に機械的に過剰に規定して取り付けることが避けられる。これによって、閉鎖エレメントと支承ブッシュとの間の整合誤差（Fluchtungsfehler）に基づく応力が避けられる。シリンダ孔内への取り付けの機械的な安定性（Festigkeit）、並びに漏れに対する安全性（Sicherheit）が高められる。
従属項に、主請求項に記載の本発明に基づく構成の有利な実施態様が記載してある。
ピストンポンプは特に車両のブレーキ装置内のポンプとして設けられていて、車輪ブレーキシリンダ内の圧力の制御に際して用いられる。ブレーキ装置の形式に応じて該形式のブレーキ装置に対して、短くＡＢＳ、ＡＳＲ、ＦＤＲ若しくはＥＨＢなる用語が用いられる。ブレーキ装置内において、ポンプは例えばブレーキ媒体を１つの車輪ブレーキシリンダ若しくは複数の車輪ブレーキシリンダから主ブレーキシリンダに戻すために役立ち（ＡＢＳ）及び／又はブレーキ媒体を貯蔵容器から１つの車輪ブレーキシリンダ若しくは複数の車輪ブレーキシリンダへ送るために役立つ（ＡＳＲ、ＦＤＲ若しくはＥＨＢ）。ポンプは例えば、車輪スキッドコントロール装置（Radschlupfregelung）を備えたブレーキ装置（ＡＢＳ若しくはＡＳＲ）、及び／又は操舵補助（Lenkhilfe）として役立つブレーキ装置（ＦＤＲ）、及び／又はエレクトロ液力式（elektrohydraulisch）のブレーキ装置（ＥＨＢ）において必要である。車輪スキッドコントロール装置（ＡＢＳ若しくはＡＳＲ）を用いて、ブレーキ過程中のブレーキペダルへの強い圧力の際の車両の車輪のロックが避けられ（ＡＢＳ）及び／又は、アクセルへの強い圧力の際の車両の駆動される車輪の空転が避けられる（ＡＳＲ）。操舵補助（ＦＤＲ）として役立つブレーキ装置においては、ブレーキペダル若しくはアクセルの操作に無関係に１つ若しくは複数の車輪ブレーキシリンダ内にブレーキ圧力が形成されて、例えば、運転者の所望する軌道からの車両の横滑りが防止される。ポンプはエレクトロ液力式のブレーキ装置（ＥＨＢ）においても用いられ、この場合、ポンプは電気的なブレーキペダルセンサがブレーキペダルの操作を検出するとブレーキ媒体を車輪ブレーキシリンダ内へ送り、若しくはポンプはブレーキ装置の貯蔵部を満たすために役立つ。
図面
図面に本発明の実施例を示してあり、
図１は本発明に基づくピストンポンプの軸線に沿った断面図、
図２は、図１の矢印IIで示す箇所の変化例の詳細図、及び
図３は図１のピストンポンプの閉鎖エレメントの内側の端面図である。
実施例の説明
図１に示し全体を符号１０で表す本発明に基づくピストンポンプ（Kolbenpumpe）は、段の付けられたシリンダ孔１２内に差し込まれており、シリンダ孔が液力ブロック（Hydraulikblock）に形成されており、液力ブロックがポンプケーシング１４を形成している。図面にはピストンポンプ１０を取り囲む断片部として示す液力ブロックは液力的（hydraulisch）な図示してない通常のスキッドコントロール式（schlupfgeregelt）の車両ブレーキ装置の構成部分である。液力ブロック内にはピストンポンプ１０のほかに、マグネット弁及び圧力貯蔵部（Druckspeicher）のような別の液力的な構成エレメントが設けられて、互いに液力的に接続され、かつ本発明に基づくピストンポンプに接続されている。
ピストンポンプ１０はピストン（Kolben）１６を有しており、ピストンの、押しのけ室（Verdraengungsraum）１８と逆の側の端部が案内リング２０で以てポンプケーシング１４内に案内されて、シールリング２２で以て密閉されている。ピストン１６の、押しのけ室１８に向いた別の端部が、案内リング２４で以てポンプピストン１０の支承ブッシュ（Laufbuchse）２６内に案内されて、シールリング２８で以て密閉されている。支承ブッシュ２６はプレスばめ（Presspassung）でポンプケーシング１４のシリンダ孔１２内に差し込まれている。プレスばめがピストンポンプ１０の入口側と出口側、即ち低圧側と高圧側との間の密閉を行っている。
ポンプ入口のためにピストン１６内に、押しのけ室側から軸線方向の袋孔３０を設けてあり、袋孔が該袋孔の底部の近傍で横孔（Querbohrung）３２によって交差されている。袋孔３０及び横孔３２は支承ブッシュ２６の周壁３６の窓（Fenster）３４を介して流入孔３８と連通しており、流入孔はピストンポンプ１０に対して半径方向に、ポンプケーシング１４を形成する液力ブロックに設けられている。
ピストン１６の押しのけ室側の端部に入口弁４０としての逆止弁が配置されている：入口弁４０が弁閉鎖体としての弁球体４２を有しており、弁球体が円錐形の弁座４４と協働するようになっており、弁座がピストン１６の袋孔３０の開口に設けられている。弁閉鎖ばね４６としてのコイル圧縮ばねが、弁球体４２を弁座４４に向けて押圧している。弁球体４２及び弁閉鎖ばね４６は１つの弁ケーシング４８内に受容されており、弁ケーシングは薄板からの鉢状（napffoermig）の深絞り部品として、ピストン１６の直径にほぼ相応する直径で形成されて、貫流開口（Durchstroemoeffnung）５０を備えている。弁ケージ４８はリング段部（Ringstufe）５２を有しており、リング段部がピストン１６の、押しのけ室１８に向いた端面に接触している。弁ケージは外側へ突出する一体の半径方向フランジ（Radialflansch）５４を有しており、該半径方向フランジを、ピストン戻しばね５６としてのコイル圧縮ばねが押圧して、これによって弁ケーシング４８をピストン１６に保持している。半径方向フランジ５４は同時に、案内リング２４及びシールリング２８を、軸線方向で半径方向フランジ自体とピストン１６のリング肩部（Ringschulter）５８に支えられた支持リング６０との間でピストン１６に保持している。
ピストン戻しばねは弁ケーシング４８の半径方向フランジ５４を介してピストン１６を軸線方向で、電動モータによって駆動可能な偏心体６２に向けて押圧しており、偏心体が公知の形式でピストン１６を駆動して往復行程運動させるために用いられる。
支承ブッシュ２６は押しのけ室側に、支承ブッシュと一体の支承ブッシュ底部６４を有しており、支承ブッシュ底部にポンプ出口のための貫通した中央孔６６が設けられている。
円筒形の栓の形を成している閉鎖エレメント６８が、押しのけ室側でシリンダ孔１２内に差し込まれて、かしめ部（Verstemmung）７０によって固定されて、液密（fluiddicht）に密閉されている。閉鎖エレメント６８は同時に支承ブッシュ２６をシリンダ孔１２内に保持している。
閉鎖エレメント６８の、支承ブッシュ（２６）に向いた端面側で閉鎖エレメント６８に、扁平な有利には円筒形の切欠き（Ausnehmung）７２が形成されており、該切欠き内に支承ブッシュ２６の端部が差し込まれている。切欠き７２と支承ブッシュ２６との間に半径方向遊び（Radialspiel）が形成されており、その結果、閉鎖エレメント６８が支承ブッシュ２６に対して半径方向に運動可能である。支承ブッシュ２６と閉鎖エレメント６８とがシリンダ孔１２内への差し込みに際して互いに合致するように整合される。
閉鎖エレメント６８を支承ブッシュ２６に取り付けるために、支承ブッシュ２６が閉鎖エレメント６８内に差し込まれた端部に、外側へ突出する半径方向つば（Radialbund）７２を有しており、半径方向つばがバックカット部（Hinterschneidung）７６を形成しており、バックカット部が閉鎖エレメント６８の切欠き７２の縁部７８によって係合されている。縁部７８をバックカット部７６に係合させるために、縁部は半径方向内側へ、例えばかしめ（Verstemmen）によって若しくは図２に示すように、つば出し（Boerdeln）によって変形されている。このようにして、閉鎖エレメント６８が半径方向遊びを以て支承ブッシュ２６に取り付けられている。取り付けのために、かしめ若しくはつば出しは周囲の３乃至４つの箇所で十分である。
閉鎖エレメント６８内には切欠き７２の底部に軸線方向の袋孔８０が設けられており、袋孔内に出口弁８２としての逆止弁を収容してあり、該逆止弁が円錐形の弁座８４と協働するようになっており、弁座が支承ブッシュ底部６４の中央孔６６の、閉鎖エレメント６８に向けられた開口に形成されている。閉鎖エレメント６８の袋孔８０内に弁閉鎖体としての弁球体８６を差し込んであり、弁球体が弁閉鎖ばねとしてのコイル圧縮ばね８８によって弁座８８に対して押圧されている。
ポンプ出口として円形の３つの凹所（Vertiefung）９０が閉鎖エレメント６８の切欠き７２のの底部に等角度間隔に分配して設けられている（図３）。凹所９０は内側で、弁球体８６の開放に際して支承ブッシュ６４の中央孔６６と連通する袋孔８０から外側で、切欠き７２を取り囲む縁部７８まで達している。凹所９０は縁部７８内の軸線方向の円形溝（Rundnut）９２として続いている。円形溝９２は切欠き７２の開いた側でリング通路（Ringkanal）９４に開口しており、リング通路がポンプケーシング１４と支承ブッシュ２６と閉鎖エレメント６８との間に形成されている。リング通路９４から出口孔９６が液力ブロック、即ちポンプケーシング１４内を外側へ延びている。閉鎖エレメント６８の切欠き７２の底部の円形の凹所９０及び、閉鎖エレメント６８の縁部７８の円形溝９２が、ピストンポンプ１０の内部から外側へ貫通する溝を形成しており、該溝が支承ブッシュ底部６４によって被われて、折れ曲がった出口通路（abgewinkelter Auslasskanal）９０，９２を成している。出口通路を形成するために、溝が閉鎖エレメント６８の切欠き７２の底部に設けられて、切欠き７２の縁部７８を、折れ曲がりなしに直接に外側へ、切欠き７２の開いた側に向かって開く開口部（Ausbruch）として貫通していてもよい（図示せず）。
外側へ突出する半径方向つば（Radialbund）７４の代わりに、バックカット部７６が、例えば支承ブッシュ２６の周囲の環状の１つの溝若しくは個別の凹所によって形成されてよい。

Claims (7)

1. ピストンポンプであって、往復行程運動のために駆動可能なピストンを備えており、ピストンが軸線方向移動可能に支承ブッシュ内に受容されており、支承ブッシュがポンプケーシングのシリンダ孔内に差し込まれており、支承ブッシュに直接結合された閉鎖エレメントを備えており、閉鎖エレメントがシリンダ孔を圧密に閉鎖すると共にポンプケーシングにおいて支承ブッシュを保持するようにポンプケーシングに取り付けられている形式のものにおいて、閉鎖エレメント（６８）が第１の係合部を有し、支承ブッシュ（２６）が第２の係合部を有しており、前記第１の係合部と前記第２の係合部とは、前記シリンダ孔の半径方向に遊びを有して互いに係合可能に形成されており、閉鎖エレメント（６８）と支承ブッシュ（２６）とは前記第１の係合部及び前記第２の係合部を介して互いに相対的に半径方向運動可能に結合されていることを特徴とするピストンポンプ。
2. 閉鎖エレメント（６８）が押しのけ室側でシリンダ孔（１２）内に取り付けられている請求項１記載のピストンポンプ。
3. 閉鎖エレメント（６８）が変形過程によって半径方向運動可能に支承ブッシュ（２６）に結合されている請求項１記載のピストンポンプ。
4. 前記第２の係合部は、支承ブッシュ（２６）の端部に形成されたバックカット部（７６）を有しており、前記第１の係合部は、前記支承ブッシュ（２６）の端部を前記半径方向に遊びを持って収容可能に形成された切欠き（７２）と、該切欠き（７２）の縁部を形成する切欠き縁部（７８）とを有しており、切欠き（７２）内に前記支承ブッシュ（２６）の端部が半径方向遊びを持って差し込まれており、切欠き縁部（７８）とバックカット部（７６）とが互いに係合している請求項１記載のピストンポンプ。
5. 支承ブッシュ（２６）が一体成形の支承ブッシュ底部（６４）を有しており、支承ブッシュ底部が、弁座（８４）を有する流体貫通孔（６６）を備えている請求項１記載のピストンポンプ。
6. 閉鎖エレメント（６８）内に、支承ブッシュ底部（６４）の弁座（８４）と協働する逆止弁（８２）が配置されている請求項５記載のピストンポンプ。
7. 閉鎖エレメント（６８）及び／又は支承ブッシュ（２６）が、支承ブッシュ（２６）若しくは閉鎖エレメントに向けられた面内に内側から外側へ延びる溝を有しており、該溝が支承ブッシュ（２６）若しくは閉鎖エレメント（６８）によって被われて出口若しくは入口通路（９０，９２）を形成している請求項１記載のピストンポンプ。

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