JP4125801B2 - アニオン性黒色染料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は紙、パルプ、皮革、セルロース繊維を染色するための、また印刷インク、記録用インクを染色するのに有用なアニオン性黒色染料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、パルプ、皮革、各種繊維材料を染色する場合に染着性が良く、黒色に染める染料としては、C.I. Direct Black 154、C.I. Direct Black 169等がよく知られ使用されているが、これらの染料の大きな欠点は主原料としてトリジン、ジアニシジンを使用するが、これらトリジン、ジアニシジンは労安法特定化学物質に指定され、発癌性等により人体や環境への悪影響の為にその使用、取り扱いに関しては法規制を強く受け、極めて厳重な防備設備のもとに作業をする事を義務づけされる等、安全管理面および生産効率向上面において大きな障害となっている。即ち、造る側、使用する側に大きな障壁になっている。
また、トリジン、ジアニシジン系以外の染料を用いた紙、パルプ用黒色染料としては、C.I. Direct Black 166、C.I. Direct Black 168、C.I. Direct Black 19、C.I. Direct Black 22等も使用されてはいるが、染着性および耐光性等において満足する結果が得られていないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、トリジン、ジアニシジンを使用することなく染着性および耐光性の良好な紙、パルプ用の黒色染料の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記したような欠点のない染料を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は式
【化7】
〔式中、R1、R2は水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、−CF3、−SO3H、SO2R5(R5はC1〜C4のアルキル基)、−SO2N(R6R7)(R6、R7は水素、C1〜C4のアルキル基)、−COOH、−CON(R8R9)(R8、R9は水素、C1〜C4のアルキル)を、
R3は水素、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基、水酸基、C1〜C3のジアルキルアミノ基、−NHCOR10(R10はアミノ基、C1〜C3のアルキル基)基を、
R4は水素、C1〜C3のアルキル基を、
mは0〜3、nは1または2を、
そしてKはカップリング成分の基であって、n=1の場合は、式
【化8】
(式中、R11はC1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、R12はC1〜C3のアルキル基、アセチル基、カルボニルアミノ基、aは1〜2を表す)で表わされるカップリン
グ成分、式
(式中、R11はC1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシ基、R12はC1〜C3のアルキル基、アセチル基、カルボニルアミノ基、aは1〜2を表す)で表されるカップリング成分、式
【化9】
(式中、Xは直結合またはアルキレン−CO−基、bは1〜3、cは0〜1の数を表す)で表されるカップリング成分、または式
【化10】
(式中、R13、R14はC1〜C3のアルキル基、C1〜C3アルコキシ基、ハロゲン基、R15はC1〜C3のアルキル基、カルボニル基、カルボメチル基、dは1〜2を表す)で表わされるカップリング成分、
【0007】
n=2の場合は、式
【化11】
(式中、eは1〜2を表す)で表されるカップリング成分、式
【化12】
(式中、R16は水素、C1〜C3のアルキル基、Aは−CO−、C1〜C4のアルキル基、fは1〜2を表す)で表されるカップリング成分、または式
【化13】
(式中、R17は水素、C1〜C3のアルキル基、R18はC1〜C4のアルキルアミン、C1〜C4のアルカノールアミン、芳香族アミン、水酸基、gは1〜2を表す)で表されるカップリング成分である〕
で表される化合物またはその金属錯体からなるアニオン性黒色染料に係る。
【0008】
本発明のアニオン黒色染料は、例えば次の様にして製造することができる。
即ち、式
【化14】
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を表す)で表されるニトロアニリン類(例えばp−ニトロアニリン、2−メトキシ−4−ニトロアニリン、2−スルホ−4−ニトロアニリン等が挙げられる)を、例えば鉱酸中0〜10℃で亜硝酸ソーダを用いてジアゾ化し、式
【化15】
(式中、R3、R4は前記と同じ意味を表す)で表されるアニリン類(例えば2,5−ジメトキシアニリン、p−クレシジン等が挙げられる)とカップリング反応した後、得られたカップリング物を更に、例えば、鉱酸中0〜60℃で亜硝酸ソーダでジアゾ化し、式
【化16】
(式中、mは前記と同じ意味を表す)で表されるアミノヒドロキシナフタレンスルホン酸類と0〜10℃、pH9〜10でカップリング反応して、更に公知の方法、例えば鉱酸中0〜10℃で亜硝酸ソーダでジアゾ化し、一般式(1)において、 n=1の場合は、式(6)〜(8)で表されるカップリング成分を、さらにn=2の場合は式(9)〜(11)で表されるカップリング成分をカップリング反応させると前記一般式(1)で表される遊離の染料が得られる。
【0009】
カップリング反応は一般的に0〜10℃、pH4〜9で実施することにより一般式(1)で表されるアニオン性黒色染料を得ることができる。次いでこのようにして得られた反応液をろ過(必要に応じて塩析してもよい)、あるいは反応液を鉱酸で酸析した後、ろ過し、水洗を行い無機塩を充分に除き、得られた湿ケーキに水とリチウムまたはナトリウムの水酸化物、炭酸塩、または必要に応じてエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、N−メチルピロリゾン、DMI等の有機溶剤、および尿素のような一般的なヒドロトロープ剤を加えることにより、液状化染料を得ることができる。尚、液状化を容易にするために反応液を逆浸透膜、限外ろ過膜、電気浸透膜等で処理して無機塩を除去することもできる。
【0010】
更にこの染料は、耐光性を向上させるために金属錯体とすることができる。金属錯体としては銅、コバルト、ニッケル、マンガン等の錯体があり、例えば硫酸銅とアンモニア水またはアミノアルコールヘキサメチレンテトラミンとからなる銅錯塩化剤を加えて95℃以下の温度で行うと一般式(1)の染料の錯体が得られる。これら錯体は、式
【化17】
で表すことができる。
【0011】
本発明の染料はパルプ、紙、セルロース繊維製品あるいは皮革の染色に適しており、耐光性も優れている。このため印刷インク、記録用インク用の染料としても適している。また染着力も強く、染色後の廃水等も殆ど無色であるから廃水等の処理も容易である。
【0012】
なお本発明の染料を紙、パルプの染色に使用する場合は希釈性、飛散性等の取り扱い上から液状品が好ましいが、必要に応じて反応液をスプレー乾燥あるいは反応液を塩析、ろ過、湿ケーキを造粒機にかけて顆粒状にしたり、乾燥し、粉砕して、結晶粉末を得ることも可能である。
次に本発明の染料の合成例および染色例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0013】
参考例1
p−ニトロアニリン13.8部(100%換算)を公知の方法によりジアゾ化した後、2,5−ジメトキシアニリン15.3部(100%換算)を濃塩酸11部、水200mlと共に加熱して、完溶した溶液に氷を加えて冷却し、5℃以下で、p−ニトロアニリンのジアゾ化溶液を1時間要して投入して、同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸10部を添加した後、60℃に上昇し、同温度で1時間を要して、20%亜硝酸ソーダ溶液50部を滴下し、ジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液を、γ酸23.9部(100%換算)、ソーダ灰20部、水160mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入し、更に、1時間同温度および同pHで1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸80部を加えた後、0〜5℃で20%亜硝酸ソーダ溶液35部を加えてジアゾ化を完結させる。このようにして得られたジアゾ化溶液を、m−フェニレンジアミン−4−スルホン酸18.8部(100%換算)、ソーダ灰40部および水250mlからなる溶液に5℃以下、pH7〜8で1時間要して流入し、更に、同pHおよび同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。このようにして得られた反応溶液をろ過、乾燥して100部の遊離酸の形で下記の構造の染料を得た。
【化18】
【0014】
参考例2
参考例1と同様に反応を行った後、ろ過する前に濃塩酸70部で酸析した後、ろ過する。
得られた湿ケーキ300部を水455部、トリエタノールアミン45部、尿素200部で溶解して、長期間貯蔵にも安定な液状化染料溶液組成物1000部を得た。
【0015】
実施例1
p−ニトロアニリン13.8部(100%換算)を公知の方法によりジアゾ化した後、2,5−ジメトキシアニリン15.3部(100%換算)を濃塩酸11部、水200mlと共に加熱して、完溶した溶液に氷を加えて冷却し、5℃以下で、p−ニトロアニリンのジアゾ化溶液を1時間要して投入して、同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸10部を添加した後、60℃に上昇し、同温度で1時間を要して、20%亜硝酸ソーダ溶液50部を滴下し、ジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液を、γ酸23.9部(100%換算)、ソーダ灰20部、水160mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して、更に1時間同温度および同pHで1時間撹拌してカップリング反応を終了させる。次いで、この反応液に濃塩酸80部を加えた後、0〜5℃で20%亜硝酸ソーダ溶液35部でジアゾ化を完結させる。このジアゾ化溶液を、ジ−J酸31.5部(100%換算)、ソーダ灰35部および水300mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して、同pHおよび同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。
反応完結後、硫酸銅(M.W.250)27.5部を28%アンモニア水50部、水150部に溶解した溶液およびジエタノールアミン14部を投入して90〜95℃で、薄層クロマトで出発物質が確認できなくなるまで反応を行う。反応完結後、ろ過、乾燥して110部の遊離酸の形で下記の構造の染料を得た。
【化19】
【0016】
参考例3
2−メトキシ−4−ニトロアニリン16.8部(100%換算)を公知の方法によりジアゾ化した後、p−クレシジン13.7部(100%換算)を濃塩酸11部、水150mlに加熱して、完溶した溶液に氷を加えて、5℃以下で、2−メトキシ−4−ニトロアニリンのジアゾ化溶液を1時間要して投入して、ぎ酸ソーダ30部を加えて同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸40部を添加した後、50℃に上昇して、同温度で1時間を要して、20%亜硝酸ソーダ溶液50部を滴下し、ジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液をJ酸23.9部(100%換算)、ソーダ灰20部、水160mlの溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して、更に1時間同温度および同pHで1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。この反応液に濃塩酸80部を加え、0〜5℃で20%亜硝酸ソーダ溶液35部でジアゾ化を完結させる。このようにして得られたジアゾ化溶液を、フェニルγ酸31.5部(100%換算)、ソーダ灰35部および水300mlの溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して、同pHおよび同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。反応終了後、ろ過、乾燥して110部の遊離酸の形で下記の構造の染料を得た。
【化20】
【0017】
実施例2
参考例3のフェニルγ酸をベンジルJ酸に替えることにより遊離酸の形で110部の下記構造の染料を得た。
【化21】
【0018】
参考例4
m−ニトロアニリン13.8部(100%換算)を公知の方法によりジアゾ化した後、2,5−ジメトキシアニリン15.3部(100%換算)を濃塩酸11部、水200mlと共に加熱して、完溶した溶液に氷を加えて冷却し、5℃以下で、m−ニトロアニリンのジアゾ化溶液を1時間要して投入して、同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸10部を添加した後、60℃に上昇し、同温度で1時間を要して、20%の亜硝酸ソーダ溶液50部を滴下し、ジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液をγ酸23.9部(100%換算)、ソーダ灰20部、水160mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入し、更に、一時温度及び同pHで1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸80部を加えた後、0〜5℃で20%亜硝酸ソーダ溶液36部を加えてジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液をベンゾイルJ酸18.8部(100%換算)、ソーダ灰40部及び水250mlからなる溶液に5℃以下、pH7〜8で1時間要して流入し、更に、同pH及び同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。
反応完結後、硫酸銅(m.w. 250)27.6部を28%アンモニア水50部、水150部に溶解した溶液及びジエタノールアミン14部を投入して90〜95℃で、薄層クロマトで出発物質が確認できなくなるまで反応を行う。このようにして得られた反応溶液を濾過し、乾燥して115部の遊離酸の形で下記の構造の染料を得た。
【化22】
【0019】
参考例5
カップリング成分の製法
H酸16部(100%換算)を水200ml、苛性ソーダ42.4部に溶解した溶液を、シアヌルクロライド9.5部、分散剤1部を0℃の氷水200ml中に分散した溶液中に0〜5℃で1時間要して流入した後、同温度で1時間撹拌して、薄層クロマトで未反応のH酸が無くなったのを確認後、ソーダ灰2部を投入してpHを約4に調製した後、H酸23.9部(100%換算)を水200ml、苛性ソーダ2.4部に溶解した溶液を投入して、1時間を要して60℃に上昇し、同温度で1時間撹拌した。薄層クロマトで未反応のH酸が確認できなくなった後、ジエタノールアミン5.8部を投入し、90〜95℃に上昇させ、1時間撹拌後、ソーダ灰5.5部を添加して、更に同温度で2時間反応してカップリング成分溶液600部を得た。
【0020】
実施例3
m−ニトロアニリン13.8部(100%換算)を公知の方法によりジアゾ化した後、p−クレシジン13.7部(100%換算)を濃塩酸11部、水150mlと共に加熱して、完溶した溶液に氷を加えて冷却し、5℃以下でm−ニトロアニリンのジアゾ化溶液を1時間要して投入して、同温度で1時間撹拌して反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸10部を加え、60℃に上昇して、同温度で1時間を要して20%亜硝酸ソーダ溶液50部を滴下し、ジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液を、γ酸23.9部(100%換算)、ソーダ灰20部、水160mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して更に、1時間同温度および同pHで1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。この反応液に濃塩酸80部を加え、0〜5℃で20%亜硝酸ソーダ溶液35部でジアゾ化を完結させる。
このジアゾ化溶液を参考例5で得られたカップリング成分溶液に、5℃以下で10%ソーダ灰溶液でpH9〜10を保持しながら、1時間要して流入して、更に、同pHおよび同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。
反応終了後、塩析、ろ過、乾燥して120部の遊離酸の形で下記の構造の染料を得た。
【化23】
【0021】
実施例4
2−メチル−4−ニトロアニリン15.2部(100%換算)を公知の方法によりジアゾ化した後、p−クレシジン13.7部(100%換算)を濃塩酸11部、水150mlと共に加熱して、完溶した溶液に氷を加えて冷却し、5℃以下で、2−メチル−4−ニトロアニリンのジアゾ化溶液を1時間要して投入して、ぎ酸ソーダ30部を添加して同温度で1時間撹拌して反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸40部を添加した後、50℃に上昇して、同温度で1時間を要して20%亜硝酸ソーダ溶液50部を滴下し、ジアゾ化を完結させる。このようにして得られたジアゾ化溶液をγ酸23.9部(100%換算)、ソーダ灰20部、水160mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して、更に1時間同温度および同pHで1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。次いで、この反応液に濃塩酸80部を加え、0〜5℃で20%亜硝酸ソーダ溶液35部でジアゾ化を完結させる。
このようにして得られたジアゾ化溶液を、1−(4′−スルホフェニル)−メチル−5−ピラゾロン25.4部(100%換算)、ソーダ灰35部および水300mlからなる溶液に5℃以下、pH9〜10で1時間要して流入して、同pHおよび同温度で1時間撹拌してカップリング反応を完結させる。反応を完結させた後、ろ過、乾燥して110部の遊離酸の形で下記の構造の染料を得た。
【化24】
【0022】
参考染色例1
叩解度25°SRのLBKP:NBKP(50:50)パルプ100部(乾燥重量20部)と水600部のパルプ溶液に上記参考例1で得られた染料1部(添加する前に60mlの熱水に溶解する)を添加してかきまぜた。10分後、常法によるサイジングと固定を行った。これに水1300部を加えて希釈し後、常法に従って抄紙した。抄紙廃液の着色は全く無く、得られた染色紙は良好な耐光、湿潤およびアルコール堅牢度を有するカラーバリューのある黒色であった。
参考染色例2
参考染色例1で使用した参考例1の染料に替えて参考例2で得られた染料9部を添加すると、参考染色例1と同様の染色物が得られた。
染色例1
参考染色例1に使用した参考例1の染料に替えて実施例1で得られた染料1部を添加すると、参考染色例1と同様の染色物が得られた。
参考染色例3
参考染色例1に使用した参考例1の染料に替えて参考例3で得られた染料1部を添加すると、参考染色例1と同様の染色物が得られた。
【0023】
比較染色例1
叩解度25°SRのLBKP:NBKP(50:50)パルプ100部(乾燥重量20部)と水600部のパルプ溶液にC.I. Direct Black 154の染料1.4部(添加する前に90mlの熱水に溶解する)を添加してかきまぜた。10分後、常法によるサイジングと固定を行った。これに水1300部を加えて希釈し後、常法に従って抄紙した。
比較染色例2
比較染色例1に使用した染料に替えてC.I. Direct Black 166の染料1.4部を添加して染色物を得た。
比較染色例3
比較染色例1に使用した染料に替えてC.I. Direct Black 168の染料1.4部を添加して染色物を得た。
比較染色例4
比較染色例1に使用した染料に替えてC.I. Direct Black 19の染料1.5部を添加して染色物を得た。
【0024】
染色例1、参考染色例1〜3および比較染色例1〜4で得られた染色紙をFade-Meter〔Xenon Arc灯:スガ試験機(株)型式FAL−3H〕にて耐光堅牢度を測定した(JIS L0804変退色グレースケールで判定)。抄紙後の排出液の着色度(白色汚染)および抄紙時に使用するろ紙の着色度(ろ紙汚染)を目視にて判定した。
その結果を以下の表1に示す。
【0025】
着色度(目視)判定基準および記号
◎:極めて少ない
○:少ない
×:多い
【表1】
【0026】
染色例2
木綿100部を室温で水5000部に溶解した上記実施例3で得られた染料4部、炭酸ナトリウム2部および硫酸ナトリウム20部の染浴に加える。染浴は約30分かけて90〜95℃に加温し、同温度で30分保持した。その後、染色した木綿を濯ぎ、乾燥して緑味黒色の染色物を得た。
参考染色例4
100部のクロムなめしをした皮革を800部の水、2部の25%アンモニア水溶液および3部の1モルのノニルフェノールの10モルのエチレンオキサイドの付加物で50℃において90分間湿らせた。次いで槽を排出し、皮革を50℃の400部の水、1.5部の25%アンモニア水溶液、2部ファットリカーリング剤(脂肪酸エステルのエマルジョン)および1部のフェノールシンタン(フェノールと硫酸の縮合生成物)で処理した。10分後、参考例4で得られた8部の染料(あらかじめ50℃の400部の水に溶解したもの)を加え、ドラミングを60分間続けた。次いで槽を、1.5部の85%ぎ酸溶液を2回加え(2回の添加の間隔分)酸性化した。10分後、皮革を洗浄し、乾燥し、硬化させた。顕著な堅牢度を有する均一な黒色の皮革を得た。
Claims (1)
- 式
n=1の場合は、
式
式
n=2の場合は、
式
式
式
で表される化合物もしくはその金属錯体、または
式
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