JP4118000B2 - 遠隔映像監視システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔映像監視システムに関し、特に、監視者がカメラ旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができ、それにより、監視者にとっては、違和感無く所望の画角の映像を監視することができる遠隔映像監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の遠隔映像監視システムにおいては、LAN、WANなどのネットワークを利用した方式が増加しつつある。
【0003】
これは、遠隔地に設置されたカメラや旋回装置をネットワーク経由で制御する方式である。
【0004】
ところが、従来、この種の方式では、監視制御端末から旋回監視カメラ装置(例えば、カメラと旋回装置が一体になっているもの)までに制御情報が届くまでの時間が問題となっている。
【0005】
この問題は、例えば、監視者が、監視制御端末の表示画面上に映し出される旋回中の映像を見ながら、ある任意の画角で旋回を停止させようとするときに顕著に発生する。
【0006】
すなわち、監視者がちょうど監視したいと思う画角で停止操作を行った場合でも、その停止を指示する制御情報が実際に旋回装置に届くまでに時間がかかるため、その伝送遅延時間分だけカメラが余計に動くことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来の遠隔映像監視システムにあっては、監視者がカメラの旋回中に、旋回を停止させて所望の画角の映像を見ようと停止操作を行った場合でも、その停止を指示する制御情報が旋回装置に届くまでに時間がかかり、実際には、カメラは監視者が所望する画角を超えて停止することになる。
【0008】
このため、監視者にとっては、カメラの旋回中に所望の画角でカメラの旋回を停止させて映像を監視したくても、制御情報の伝送遅延分だけカメラが余計に動いてしまい、非常に監視操作の使い勝手が悪いものとなっている。
【0009】
そこで、本発明では、上記不都合を解消し、監視者がカメラ旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができる遠隔映像監視システムを提供することを第1の目的とする。
【0010】
また、監視者にとって、違和感無く所望の画角の映像を監視することができる遠隔映像監視システムを提供することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、視方向を任意に変えられる旋回機能を有し非監視場所の情景を撮像する少なくとも1つ以上の撮像装置と、ネットワークを介して前記各撮像装置により撮像された情景の映像信号を受信して当該情景をモニタ画面上に表示する機能と前記撮像装置の旋回を制御する機能とを備えた監視制御端末とを有する遠隔映像監視システムにおいて、前記監視制御端末は、時間帯別に設定された時間間隔毎に、前記撮像装置に対して前記ネットワークにおける旋回中止指示の信号の伝送遅延時間を算出させるための当該信号の送出時刻情報を挿入した伝送遅延測定信号を生成して送信する手段を有し、前記撮像装置は、前記伝送遅延測定信号を受信した際、該伝送遅延測定信号を受信した時刻情報と前記送出時刻情報とから時間差から前記伝送遅延時間を算出し、該算出された伝送遅延時間を示す伝送遅延差情報を挿入した伝送遅延測定応答信号を生成して前記監視制御端末に対して送信する手段を有し、前記監視制御端末は、前記撮像装置から受信した前記伝送遅延測定応答信号に挿入された前記伝送遅延差情報に基づき前記伝送遅延時間を管理する管理手段と、前記撮像装置の旋回中に旋回中止指示が行われた場合、現旋回方向の逆方向に前記管理手段で管理されている前記伝送遅延時間に相当する所定角度だけ戻って停止されるように該撮像装置に対して旋回制御する旋回制御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
この請求項1の発明によれば、時間帯別に設定された時間間隔毎に、監視制御端末から撮像装置に伝送遅延測定信号を送信して、撮像装置から伝送遅延測定応答信号により時間帯別の時間間隔で伝送遅延時間を検出して管理することにより、実際の伝送遅れに近い伝送遅延時間で撮像装置を逆方向へ旋回する制御ができるようにして、監視者が撮像装置の旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができるようにしたものである
【0013】
た、請求項2の発明は、視方向を任意に変えられる旋回機能を有し非監視場所の情景を撮像する少なくとも1つ以上の撮像装置と、ネットワークを介して前記各撮像装置により撮像された情景の映像信号を受信して当該情景をモニタ画面上に表示する機能と前記撮像装置の旋回を制御する機能とを備えた監視制御端末とを有する遠隔映像監視システムにおいて、前記監視制御端末は、時間帯別に設定された時間間隔毎に、前記撮像装置に対して前記ネットワークにおける旋回中止指示の信号の伝送遅延時間を算出させるための当該信号の送出時刻情報を挿入した伝送遅延測定信号を生成して送信する手段を有し、前記撮像装置は、前記伝送遅延測定信号を受信した際、該伝送遅延測定信号を受信した時刻情報と前記送出時刻情報とから時間差から前記伝送遅延時間を算出し、該算出された伝送遅延時間を示す伝送遅延差情報を挿入した伝送遅延測定応答信号を生成して前記監視制御端末に対して送信する手段を有し、前記監視制御端末は、前記撮像装置から受信した前記伝送遅延測定応答信号に挿入された前記伝送遅延差情報に基づき前記伝送遅延時間を管理する管理手段と、前記撮像装置の旋回中に旋回中止指示が行われた場合、前記モニタ画面上に表示されている映像を保持する保持手段と、前記撮像装置の旋回中に旋回中止指示が行われた場合、現旋回方向の逆方向に前記管理手段で管理されている前記伝送遅延時間に相当する所定角度だけ戻って停止されるように該撮像装置に対して旋回制御する旋回制御手段と、当該撮像装置の所定角度の逆旋回が終了した場合、当該撮像装置から送られてくる映像を前記モニタ画面上に表示するように映像切換えを行う切換手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
この請求項2の発明によれば、時間帯別に設定された時間間隔毎に、監視制御端末から撮像装置に伝送遅延測定信号を送信して、撮像装置から伝送遅延測定応答信号により時間帯別の時間間隔で伝送遅延時間を検出して管理することにより、実際の伝送遅れに近い伝送遅延時間で逆方向へ旋回する制御ができるようにするとともに、撮像装置の旋回中止指示が行われた場合に、モニタ画面上に表示されている映像を一旦保持し、逆方向への旋回終了後に、撮像装置から送られてくる映像をモニタ画面上に表示させるようにして、監視者が撮像装置の旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができ、特に、監視者が違和感無く所望の画角の映像を監視することができるようにしたものである
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の遠隔映像監視システム100の一構成例を示す図であり、この遠隔映像監視システム100は、例えば、道路交通の監視、発電所内の監視、浄水場のポンプ室内の監視などに用いられるシステムである。
【0021】
図1に示すように、この遠隔映像監視システム100では、被監視場所Aの情景を撮像する旋回監視カメラ装置1と、この旋回監視カメラ装置1から送出される撮像された情景の映像信号を後述の監視制御装置3へ伝送中継する、或いは監視制御装置3から送出される旋回制御信号等を旋回監視カメラ装置1へ伝送中継するLANまたはWANから成るネットワーク2と、このネットワーク(LAN/WAN)2を介して映像信号を受信して当該撮像された被監視場所Aの情景を表示画面上に映し出す、或いは監視者の操作に基づき旋回監視カメラ装置1の旋回を制御する旋回制御信号を送出する監視制御装置3と、ネットワーク2に接続され、旋回監視カメラ装置1と監視制御装置3間の時刻合せを行うためのタイムサーバ4とを備えて構成される。
【0022】
なお、このタイムサーバ4による時刻合わせとは、旋回監視カメラ装置1と監視制御装置3の両者が実装する時計の時刻を一致させることであり、これにより、正確な伝送遅延差を算出させる。したがって、必ずしも通常の現在時刻に合わせる必要はなく、伝送遅延を求める旋回監視カメラ装置1と監視制御装置3の時計の時刻さえ一致していれば良い。
【0023】
次に、上記図1に示した本発明の遠隔映像監視システム100における旋回監視カメラ装置1および監視制御装置3の全体構成について更に詳細に説明する。
【0024】
図2は、上記図1に示した本発明の遠隔映像監視システム100における旋回監視カメラ装置1および監視制御装置3の全体構成を更に詳細に示した図である。図2に示すように、この旋回監視カメラ装置1では、カメラ部11、旋回制御部12、パケット送受信部13、遅延差算出制御部14を備えて構成されている。
【0025】
ここで、カメラ部11は、例えば、図1に示す被監視場所Aの情景を撮像し、映像信号に変換して出力する。
【0026】
旋回制御部12は、後述する監視制御装置3からの旋回制御信号に基づきカメラ部11の旋回を制御する。
【0027】
パケット送受信部13は、上記カメラ部11から出力された映像信号を、この通信で使用されるパケット(TCP/IPパケット)に変換してネットワーク(LAN/WAN)2側に送信する、或いは監視制御装置3からの旋回制御信号(本発明の旋回停止補正用の旋回制御信号も含む)のパケット或いは本発明の伝送遅延測定用信号のパケットを受信してそれぞれ所定の構成部(旋回制御部12或いは後述の遅延差算出制御部14)に出力する。
【0028】
遅延差算出制御部14は、パケット送受信部13から入力された伝送遅延測定用信号のパケット(図4(a)参照)に基づき制御情報の伝送遅延時間を算出するとともに、この値を挿入した伝送遅延測定信号のパケット(図4(b)参照)を生成してパケット送受信部13へ出力する。
【0029】
また、この監視制御装置3では、画像メモリ31、映像切替えスイッチ32、切替えスイッチ33、映像表示部34、旋回制御操作部35、旋回制御部36、旋回停止補正制御部37、パケット送受信部38、遅延差算出制御部39を備えて構成されている。
【0030】
ここで、画像メモリ31は、旋回監視カメラ装置1からリアルタイムで送られてくる映像信号を、例えば、n(n:任意の整数)フレーム分だけ順次蓄積するものであり、特に、本発明では、後述の旋回制御操作部35にて旋回操作が中止された場合に、後述の映像表示部34上に表示されている映像を固定表示する場合に用いられる。
【0031】
映像切替えスイッチ32は、後述の切替えスイッチ制御部33の制御のもと、上記画像メモリ31から出力される映像信号の経路と旋回監視カメラ装置1からリアルタイムで送られてくる映像信号の経路とを後述の映像表示部34への経路に切替え接続を行う。
【0032】
切替えスイッチ制御部33は、後述の旋回制御操作部35或いは旋回制御部36からの指示に従って上述の映像切替えスイッチ32の経路切替えを制御する。
【0033】
映像表示部34は、上述の映像切替えスイッチ32により切替え接続された経路から送られてくる映像信号を入力して表示画面に映像を表示する。
【0034】
旋回制御操作部35は、監視者の操作により、旋回監視カメラ装置1の旋回制御が操作される部分である。
【0035】
旋回制御部36は、上述の旋回制御操作部35の旋回操作に基づき旋回制御情報を乗せたパケット情報を生成し、後段のパケット送受信部38へ出力する。
【0036】
旋回停止補正制御部37は、監視者の操作に従って上述の旋回制御操作部35の旋回操作ボタンの押下が解除された場合、後述の遅延差算出部39から現時点のネットワーク経由による制御信号の伝送遅延時間の情報を受け取り、その伝送遅延時間に応じた旋回監視カメラ装置1の旋回停止位置のずれを補正するための旋回制御情報を生成し、旋回制御部36へ出力する。
【0037】
パケット送受信部38は、旋回制御部36から入力されたパケットを旋回監視カメラ装置1に対して送信するとともに、旋回監視カメラ装置1から送信されてきた各種情報が挿入されたパケットを受信する。
【0038】
遅延差算出制御部39は、一定時間毎に、旋回監視カメラ装置1に対して制御情報の伝送遅延時間の値を測定するための伝送遅延測定用信号のパケット(図4(a)参照。詳細は後述。)を生成して上述のパケット送受信部38へ出力するとともに、上記パケット送出後、旋回監視カメラ装置1からの応答信号となる伝送遅延測定信号のパケット(図4(b)参照。詳細は後述。)を受け取り、伝送遅延時間の値を記憶保持する。
【0039】
なお、この実施例の旋回監視カメラ装置1では、モータにステッピングモータを使用しており1秒間の旋回角度が正確に設定することが可能である。このため、旋回停止補正制御部37には、予め上記旋回監視カメラ装置1の旋回速度の値を示す情報を記憶保持しておくことで、遅延差算出部39に記憶保持されている伝送遅延時間の値を示す情報とから旋回停止位置のずれ補正を行うための旋回制御量が算出できる。
【0040】
また、この実施例の監視制御装置3では、一般的なパーソナルコンピュータを使用しており、上記図2に示す各機能ブロック構成は、例えば、プログラム等のソフトウェアにより実現される。なお、旋回監視カメラ装置1からの映像信号は、例えば、ビデオキャプチャボード等によって取り込まれる。
【0041】
また、上記実施例の遅延差算出制御部39における伝送遅延測定用信号のパケット(図4(a)参照)を生成するタイミング(一定時間間隔)は、本発明の制御をより正確に行うために、例えば、使用されるネットワーク(LAN/WAN)2のトラフィック状況を考慮して、時間帯(混雑する時間帯或いは空いている時間帯など)別に設定される時間間隔を採用しても良いものとする。
【0042】
次に、上記構成による本発明の一連の動作について説明する。
【0043】
図3は、上記図2に示した遠隔映像監視システム100の監視制御装置3において、旋回監視カメラ装置1の旋回中に監視者により旋回停止指示が行われた場合の監視制御装置3の処理動作手順を示すフローチャートである。
【0044】
図3に示すように、この処理を開始する場合、まず、監視制御装置3では、監視者により旋回制御操作部35を介して旋回指示がONされたかどうかを判定する(ステップS301)。
【0045】
この判定の結果、旋回指示がONされたと判定した場合(ステップS301YES)、次いで、監視制御装置3では、旋回監視カメラ装置1に対して監視者の操作に基づく旋回指示(左右、上下、左右斜め上下方向など)の制御信号を送信する(ステップS302)。
【0046】
その後、監視制御装置3では、監視者により旋回指示がOFFされたかどうかを判定する(ステップS303)。
【0047】
この判定の結果、監視者により旋回指示がOFFされたと判定した場合(ステップS303)、次いで、監視制御装置3では、現在、映像表示部34(モニタ画面)上に表示されている映像、すなわち、旋回を中止した時に表示されている映像をモニタ画面上に静止画像として保持する(ステップS304)。
【0048】
また、監視制御装置3では、旋回監視カメラ装置1に対して、現旋回方向の逆方向に所定角度だけ戻って停止するように旋回指示の制御信号を送信する、すなわち、旋回中止指示の伝送遅延によるカメラ装置の停止位置のずれを補正するための旋回制御信号を送信する(ステップS305)。
【0049】
その後、監視制御装置3では、上記旋回監視カメラ装置1の逆方向への所定角度の旋回が終了したかどうかを判定する(ステップS306)。
【0050】
この判定の結果、逆方向への所定角度の旋回が終了したと判定した場合(ステップS306YES)、旋回監視カメラ装置1から送られてくる映像をモニタ画面上に表示すべく、上記ステップS304で保持した映像から現在の旋回監視カメラ装置1からリアルタイムに送られてくる映像に切替え(ステップS307)、ここでの処理を終了する。
【0051】
この処理により、監視者が旋回監視カメラ装置の旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができ、それにより、監視者にとっては、違和感無く所望の画角の映像を監視することができる。
【0052】
ここで、上記図2の説明中に述べた伝送遅延測定用パケットについて、その一構成例を示す図4を用いて説明する。図4(a)が、上記図2に示した監視制御装置3の遅延差算出制御部39が生成する伝送遅延測定用パケットの一構成例を示し、図4(b)が、上記図2に示した旋回監視カメラ装置1の遅延差算出制御部14が生成する伝送遅延測定用パケットの一構成例を示している。なお、この実施例では、ネットワーク(LANまたはWAN)2で使用されるIPパケット構成を採っている。
【0053】
図4(a)に示すように、この伝送遅延測定用パケットは、監視制御装置3から旋回監視カメラ装置1に伝送されるパケットであるため、送信元アドレス部分に監視制御装置のアドレスが挿入され、宛先アドレス部分に旋回監視カメラ装置のアドレスが挿入されている。そして、IPパケット情報部には、この伝送遅延測定パケットを送出する時刻を示す情報が挿入されている。
【0054】
また、図4(b)に示すように、この伝送遅延測定用パケットは、旋回監視カメラ装置1から監視制御装置3に伝送されるパケットであるため、送信元アドレス部分に旋回監視カメラ装置のアドレスが挿入され、宛先アドレス部分に監視制御装置のアドレスが挿入されている。そして、IPパケット情報部には、上記図4(a)に示す伝送遅延測定用パケットの情報部に挿入されている伝送遅延測定パケットの送出時刻情報をもとに算出された伝送遅延差を示す情報が挿入されている。
【0055】
図5は、上記図2に示した監視制御装置3の映像表示部34の表示画面の一構成例を示す図である。
【0056】
図5に示すように、この映像表示部34の表示画面には、この遠隔映像監視システムで使用される映像監視用ウィンドウ340が表示されている。そして、この例では、この映像表示用ウィンドウ340には、旋回監視カメラ装置1の旋回制御操作ボタン341と監視映像表示エリア342を備えて構成される。
【0057】
ここで、旋回制御操作ボタン341は、監視者により旋回監視カメラ装置1の旋回方向を指示するための矢印キーから構成されており、この例では、右、右斜め上、上、左斜め上、左、左斜め下、下、右斜め下の全8方向の矢印キーが備えられている。
【0058】
また、監視映像表示エリア342には、旋回監視カメラ装置1から送られてくる映像信号に基づき被監視対象場所Aの情景が映し出される。
【0059】
図6は、監視者が旋回監視カメラ装置1の旋回中に旋回を停止させて見たい画角の表示映像のイメージ(B)、および旋回停止が行われても実際伝送遅延分dtだけずれて停止すると思われる画角の表示映像のイメージ(C)を示す図である。
【0060】
図6において、dxは、伝送遅延によりずれると思われる横方向の旋回度を示し、dyは、伝送遅延によりずれると思われる縦方向の旋回度を示している。
【0061】
なお、上記実施例では、監視制御装置3にパーソナルコンピュータを適用した場合を例にしているが、本発明は、これに限定されず、この種の遠隔映像監視システムに専用的に使用される装置として、上記図2に示した各機能構成部毎にハードウェア的に実現する場合にも適用できるものとする。
【0062】
また、上記実施例の監視制御装置3では、旋回監視カメラ装置1から旋回停止補正が完了した旨を通知された場合に、リアルタイムで送られてくる映像信号の経路に映像表示部34への経路を切換え接続するようにしているが、本発明は、これに限定されず、旋回監視カメラ装置1に対して旋回停止補正を指示してから当該伝送遅延時間に相当する時間が経過した後、自動的にリアルタイムで送られてくる映像信号の経路に映像表示部への経路を切換え接続するように構成しても良いものとする。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、時間帯別に設定された時間間隔毎に、監視制御端末から撮像装置に伝送遅延測定信号を送信して、撮像装置から伝送遅延測定応答信号により時間帯別の時間間隔で伝送遅延時間を検出して管理することにより、実際の伝送遅れに近い伝送遅延時間で撮像装置を逆方向へ旋回する制御ができることができるので、監視者が撮像装置の旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができる。
【0064】
また、本発明によれば、時間帯別に設定された時間間隔毎に、監視制御端末から撮像装置に伝送遅延測定信号を送信して、撮像装置から伝送遅延測定応答信号により時間帯別の時間間隔で伝送遅延時間を検出して管理することにより、実際の伝送遅れに近い伝送遅延時間で撮像装置を逆方向へ旋回する制御ができるとともに、撮像装置の旋回中止指示が行われた場合に、モニタ画面上に表示されている映像を一旦保持し、逆方向への旋回終了後に、撮像装置から送られてくる映像をモニタ画面上に表示させるようにしたため、監視者が撮像装置の旋回中に旋回を停止させて見たい場所の映像を画面上でずれることなく表示させることができ、特に、監視者が違和感無く所望の画角の映像を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遠隔映像監視システムの一構成例を示す図。
【図2】図1に示した本発明の映像監視システムにおける旋回監視カメラ装置および監視制御装置の全体構成を詳細に示した図。
【図3】図2に示した遠隔映像監視システムの監視制御装置において、旋回監視カメラ装置の旋回中に監視者により旋回停止指示が行われた場合の監視制御装置の処理動作手順を示すフローチャート。
【図4】図2の説明中に述べた伝送遅延測定用パケットの一構成例を示す図。
【図5】図2に示した監視制御装置の映像表示部の表示画面の一構成例を示す図。
【図6】監視者が旋回監視カメラ装置の旋回中に旋回を停止させて見たい画角の表示映像のイメージ(B)、および旋回停止が行われても実際伝送遅延分だけずれて停止すると思われる画角の表示映像のイメージ(C)を示す図。
【符号の説明】
100 遠隔映像監視システム
A 被監視対象場所
1 旋回監視カメラ装置
11 カメラ部
12 旋回制御部
13 パケット送受信部
14 遅延差算出制御部
2 LAN/WAN
3 監視制御装置
31 画像メモリ
32 映像切替えスイッチ
33 切替えスイッチ制御部
34 映像表示部
35 旋回制御操作部
36 旋回制御部
37 旋回停止補正制御部
38 パケット送受信部
39 遅延差算出部
4 タイムサーバ

Claims (2)

  1. 視方向を任意に変えられる旋回機能を有し非監視場所の情景を撮像する少なくとも1つ以上の撮像装置と、ネットワークを介して前記各撮像装置により撮像された情景の映像信号を受信して当該情景をモニタ画面上に表示する機能と前記撮像装置の旋回を制御する機能とを備えた監視制御端末とを有する遠隔映像監視システムにおいて、
    前記監視制御端末は、
    時間帯別に設定された時間間隔毎に、前記撮像装置に対して前記ネットワークにおける旋回中止指示の信号の伝送遅延時間を算出させるための当該信号の送出時刻情報を挿入した伝送遅延測定信号を生成して送信する手段
    を有し、
    前記撮像装置は、
    前記伝送遅延測定信号を受信した際、該伝送遅延測定信号を受信した時刻情報と前記送出時刻情報とから時間差から前記伝送遅延時間を算出し、該算出された伝送遅延時間を示す伝送遅延差情報を挿入した伝送遅延測定応答信号を生成して前記監視制御端末に対して送信する手段
    を有し、
    前記監視制御端末は、
    前記撮像装置から受信した前記伝送遅延測定応答信号に挿入された前記伝送遅延差情報に基づき前記伝送遅延時間を管理する管理手段と、
    前記撮像装置の旋回中に旋回中止指示が行われた場合、現旋回方向の逆方向に前記管理手段で管理されている前記伝送遅延時間に相当する所定角度だけ戻って停止されるように該撮像装置に対して旋回制御する旋回制御手段と
    を具備することを特徴とする遠隔映像監視システム。
  2. 視方向を任意に変えられる旋回機能を有し非監視場所の情景を撮像する少なくとも1つ以上の撮像装置と、ネットワークを介して前記各撮像装置により撮像された情景の映像信号を受信して当該情景をモニタ画面上に表示する機能と前記撮像装置の旋回を制御する機能とを備えた監視制御端末とを有する遠隔映像監視システムにおいて、
    前記監視制御端末は、
    時間帯別に設定された時間間隔毎に、前記撮像装置に対して前記ネットワークにおける旋回中止指示の信号の伝送遅延時間を算出させるための当該信号の送出時刻情報を挿入した伝送遅延測定信号を生成して送信する手段
    を有し、
    前記撮像装置は、
    前記伝送遅延測定信号を受信した際、該伝送遅延測定信号を受信した時刻情報と前記送出時刻情報とから時間差から前記伝送遅延時間を算出し、該算出された伝送遅延時間を示す伝送遅延差情報を挿入した伝送遅延測定応答信号を生成して前記監視制御端末に対して送信する手段
    を有し、
    前記監視制御端末は、
    前記撮像装置から受信した前記伝送遅延測定応答信号に挿入された前記伝送遅延差情報に基づき前記伝送遅延時間を管理する管理手段と、
    前記撮像装置の旋回中に旋回中止指示が行われた場合、前記モニタ画面上に表示されている映像を保持する保持手段と、
    前記撮像装置の旋回中に旋回中止指示が行われた場合、現旋回方向の逆方向に前記管理手段で管理されている前記伝送遅延時間に相当する所定角度だけ戻って停止されるように該撮像装置に対して旋回制御する旋回制御手段と、
    当該撮像装置の所定角度の逆旋回が終了した場合、当該撮像装置から送られてくる映像を前記モニタ画面上に表示するように映像切換えを行う切換手段と
    を具備することを特徴とする遠隔映像監視システム。
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