JP2007184891A - 映像配信支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ネットワークカメラで撮影される映像について、受信端末において常に適切な画質を維持することができる映像配信支援システムを提供する。
【解決手段】映像を撮影する可搬型のネットワークカメラ2と、このネットワークカメラ2からインターネット3を経由して配信されてくる映像信号を受信する受信端末4とを備え、受信端末4には、受信した映像のフレームレートを検知するフレームレート検知器5、このフレームレート検知器5で検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラ2の適切なカメラ操作スピードを指示するカメラス操作スピード指示器6、このカメラ操作スピード指示器6で指示されたカメラ操作スピードをネットワークカメラ2の操作者M1に通知するカメラ操作スピード通知手段7が設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、ネットワークカメラで撮影した映像を通信ネットワークを経由して受信端末に配信する場合の映像品質を常に良好に確保するための映像配信支援システムに関する。
近年、工事施工現場や災害発生現場などにネットワークカメラを設置し、このネットワークカメラで撮影した映像をインターネットやLANなどの通信ネットワークを介して遠隔地にある受信端末に配信することにより、受信端末が設置されている技術管理部門において現場監理や状況把握を容易に行えるようにした技術が採用されつつある。
この場合のネットワークカメラの種類としては、カメラ操作者が手操作でパン、チルト、ズームの操作を行うタイプのもの(以下、可搬型という)と、カメラ本体は三脚や筐体等に固定した状態で、外部からカメラ駆動操作用の制御信号を与えることによってパン、チルト、ズームの操作を行うタイプのもの(以下、固定型という)とがある。
ところで、このような可搬型や固定型のネットワークカメラで撮影した映像を通信ネットワークを経由して受信端末に配信する場合、映像の画質は、カメラ操作スピード、送信サーバの性能、ネットワークのトラフィックの状況、受信端末の処理能力などの要因によって大きく影響される。
従来、送信側のWebサーバにおいて、通信ネットワークのトラフィックを計測し、トラフィックの状況に応じてネットワークカメラから送出する映像のフレームレートを制御するようにしたり(例えば、特許文献1参照)、あるいは通信ネットワークのトラフィックの状況に応じてネットワークカメラから送出される映像の圧縮率を制御して(例えば、特許文献2,3参照)、画質を適切に維持するようにした技術が提案されている。
また、他の従来技術として、固定型のネットワークカメラで撮影した映像信号は、電話回線などの回線通信網を経由して受信端末側に配信し、固定型のネットワークカメラのパン、チルト、ズーム動作を制御する制御信号はパケット通信網を経由して送信することで、映像信号と制御信号とを効率的に送信できるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−163914号公報 特開平7−288806号公報 特開2001−36655号公報 特開2003−299069号公報
ところで、工事施工現場や災害発生現場などにおいて現場監理や状況把握をより的確に行うためには、現場の様子を多方面から撮影することがしばしば要求される。このように現場の様子を適切に撮影する上では、パン、チルト、ズーム等の各種のカメラ操作が必要となるが、このようなカメラ操作を行う場合、その操作スピードが映像品質に大きく影響する。例えば、映像伝送時のフレームレートが小さい状態で、カメラ操作スピードが速いときには、画質が大きく劣化する。これは可搬型のものは勿論のこと、固定型のものでも同様であって、特に映像伝送時にフレームレートが低下しているときに、パンチルトズーム操作が必要以上に速すぎると、画質が大きく劣化して撮影対象物を十分に確認できず撮影効率が低下するという不具合を生じる。
上記の特許文献1〜3に記載されている従来技術では、通信ネットワークのトラフィックの状況に応じて映像のフレームレートを制御したり、映像の圧縮率を制御したりしているが、ネットワークカメラの送信サーバ側でこのような対策を講じた場合であっても、カメラ操作スピードが適切でないときには、可搬型のものあっても、固定型のものであっても映像品質(フレームレートや画質)が大きく劣化することが避けられない。
すなわち、従来は、通信ネットワークのトラフィックの状況に応じて映像のフレームレートを制御したり、映像の圧縮率を制御したりすることは可能であるが、特に可搬型のネットワークカメラの場合、カメラ操作者は、受信端末側で表示されている映像がどのような画質であるかまでは即座に認識することができない。つまり、撮影時にカメラ操作スピードが適切に維持されているか否かを判断することが困難であり、操作スピードが不適切な場合には、受信端末での映像品質が劣化して、現場監理や状況把握を十分に行えなくなるという問題が生じていた。
また、特許文献4に記載されている従来技術の場合、固定型のネットワークカメラから送られてくる映像信号は、受信端末のモニタ画面に表示されるので、カメラ操作者は、受信端末のモニタ画面を観察して映像信号の画質の良否を判断し、画質が劣化していると判断したときには、受信端末側からネットワークカメラに制御信号を送信してパン、チルト、ズーム操作の速度が適切になるように制御することが可能である。
しかしながら、この従来技術の場合、カメラ操作者は、固定型のネットワークカメラから遠く離れたところに設置されている受信端末のモニタ画面に表示される映像を見た目で判断してカメラ操作スピードを制御するしか手立てがないため、フレームレートの劣化程度に応じて常に適切なスピードでカメラ操作を行うのは難しい。すなわち、カメラ操作者は、モニタ画面の映像を見て適当なカメラ操作スピードを判断して駆動制御信号を出力するだけであって、いわばカメラ操作者の経験と勘に頼っており、フレームレートの劣化程度に基づいて適切な操作スピードを自動制御するものでなく、このため、常に適切な映像品質を得ることが難しい。さらに、一般的な遠隔操作画面では、パンチルトズームを行うためのカメラ操作スピードは事前に固定値に設定されていることが多く、カメラ操作スピードをリアルタイムで変更することができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ネットワークカメラが可搬型、固定型のいずれの場合でも、受信端末側において常に適切な映像品質をもつ映像を観察することができる映像配信支援システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明にあっては、次の構成を採用している。
すなわち、本発明の映像配信支援システムは、映像を撮影して通信ネットワークに送信するネットワークカメラと、このネットワークカメラから通信ネットワークを介して配信されてくる映像信号を受信する受信端末とを備え、上記受信端末には、受信した映像のフレームレートを検知するフレームレート検知手段、このフレームレート検知手段で検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラの適切なカメラ操作スピードを指示するカメラ操作スピード指示手段、および、このカメラ操作スピード指示手段で指示されたカメラ操作スピードを上記ネットワークカメラ、またはその操作者に対して通知するカメラ操作スピード通知手段が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、受信端末側のモニタに表示される映像のフレームレートを計測し、これに基づいてネットワークカメラで現場の様子を撮影する際に適切なカメラ操作スピードを指示できる一連のフィードバック系統を構築しているので、通信ネットワークのトラフィックや受信側の受信端末の映像表示性能の影響により、映像のフレームレートが低下しているときには、そのフレームレートに応じて適切なカメラ操作スピードを指示することができる。これにより、ネットワークカメラが可搬型、固定型のいずれの場合にも、受信端末側において常に適切な品質をもつ映像を観察することが可能となる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における映像配信支援システムの全体構成図である。
この実施の形態1の映像配信支援システム1は、ネットワークカメラ2と、このネットワークカメラ2からインターネット3を介して配信されてくる映像信号を受信する受信端末4とを備えている。なお、本例ではネットワークカメラ2と受信端末4とをインターネット3を介して接続しているが、これに限らずLANやWANといった他の通信ネットワークを使用することもできる。
上記のネットワークカメラ2は、カメラ操作者M1が携帯してパンチルトズーム操作を手動で行う可搬型のものであって、映像撮影用の固体撮像素子(CCD)を備えた撮影部21、この撮影部21で得られる映像を表示する液晶モニタ22、および撮影部21で得られる映像を画像圧縮してインターネット3に映像配信するWebサーバ機能部23を備えている。
一方、受信端末4は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション等からなるもので、この受信端末4は、液晶モニタ41を備えるとともに、フレームレート検知器5、カメラ操作スピード指示器6、およびカメラ操作スピード通知手段7が設けられている。
上記のフレームレート検知器5は、図2ないし図4に示すように、センサ部51と本体部52とを有し、両者51,52がケーブル53で接続されている。センサ部51は、受信端末4の液晶モニタ41に表示されるネットワークカメラ2からの映像信号に含まれている秒精度のタイムコードTCの照度変化を検出するものであって、例えばCCDやフォトダイオード等の受光素子51aと集光レンズ51bとがケース51c内に収納されてなり、このセンサ部51が受信端末4の液晶モニタ41に画像表示されるウィンドウ内のタイムコードTCの表示箇所に対面するように、取付具13を介して液晶モニタ41のフレームに着脱可能に取り付けられている。また、本体部52は、センサ部51で検出されたタイムコードTCの照度変化からフレームレートを検知するもので、センサ部51からの検出信号の出力レベルの感度基準値Bbを調整する感度調節ボリューム52aなどを備えている。
カメラ操作スピード指示器6は、図8に示すように、フレームレートとネットワークカメラ2の適切な操作スピードとを予め対応付けた対応テーブルTB1を有し、この対応テーブルTB1を参照してフレームレート検知器5で検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラ2の適切な操作スピードを決定し、これをカメラ操作スピード指令信号として出力するようになっている。
また、カメラ操作スピード通知手段7は、音声合成器71と、この音声合成器71で音声合成された音声信号を回線交換網としての電話回線網8に送出する電話機72とを有している。なお、電話回線網8としては、固定電話網あるいは携帯電話網の一方または双方のいずれの場合でもよい。そして、音声合成器71は、図9に示すように、カメラ操作スピード指令信号と各種の音パターンをもつ可聴音とを対応付けた対応テーブルTB2を有し、この対応テーブルTB2を参照してカメラ操作スピード指示器6から与えられるカメラ操作スピード指令信号をこれに対応する可聴音に変換するとともに、この可聴音をカメラ操作者M1と通話する受信端末4側の通話者M2の音声に合成するようになっている。
次に、この実施の形態1における映像配信支援システムの動作について、図5ないし図9を参照して説明する。
可搬型のネットワークカメラ2の撮影部21で撮影された映像は、Webサーバ機能部23により、インターネット3を通じて受信端末4に配信される。その際、Webサーバ機能部23は、撮影時刻が分かるように、映像信号にタイムコードTCを付加して受信端末4に送信する。また、撮影部21で得られる映像は液晶モニタ22にも表示される。
受信端末4側では、このネットワークカメラ2から配信されてくる映像が液晶モニタ41に表示されるが、その際、フレームレート検知器5のセンサ部51は、図5に示すように、受信端末4の液晶モニタ41の画面に表示されるネットワークカメラ2からの映像信号に含まれている秒精度のタイムコードTCの平均的な照度変化(具体的にはタイムコードTCの秒表示の文字の明るさの変化)を検出し、これを照度変化信号として出力する。
この場合、センサ部51から出力される照度変化信号の時間変化は、例えば、図6に示すようになる。すなわち、単位時間(この例では1秒)T0よりもフレームレートが低いときには、コマ落ちが生じてタイムコードTCの映像が変化しなくなるので、照度変化信号の検出レベルの変化時間T1,T2,T3,…等が単位時間T0よりも長くなる。
フレームレート検知器5の本体部52は、センサ部51で検出された照度変化信号のレベル変化を映像のフレームの変化としてとらえて照度変化信号からフレームレートを算出する(図7のステップ1)。そして、このフレームレート検知信号を次段のカメラ操作スピード指示器6に送出する。
このように、この実施の形態1では、受信端末4の液晶モニタ41に表示されるネットワークカメラ2からの映像信号に含まれている秒精度のタイムコードTCの照度変化を検出する方式のため、秒単位のタイムコードTCの表示のある映像であれば、どのような映像表示能力のある受信端末4であっても、受信端末4に表示される実際の映像のフレームレートを確実に測定することができる。また、インターネット3のトラフィックを測定してフレームレートを決定しているものではなくて、ネットワークカメラ2のサーバ性能や受信端末4の性能の影響を含んだ最終的なフレームレートを検知する方式であるため、より現実的で正確なフレームレートを検知することができ、しかも安価に実現することができる。
カメラ操作スピード指示器6は、図8に示す対応テーブルTB1を参照して、検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラ2の適切な操作スピードを決定し、これをカメラ操作スピード指令信号として出力する(図7のステップ2)。図8に示す対応テーブルTB1の例では、検知されたフレームレートに応じて4段階のカメラ操作スピード指令信号(信号1〜信号4)が出力されるようになっている。
このようにしてカメラ操作スピード指示器6から出力されるカメラ操作スピード指令信号は、次段の音声合成器71に与えられるので、音声合成器71は、図9に示す対応テーブルTB2を参照して、カメラ操作スピード指令信号をこれに対応した連続音、断続音、アラーム音などの特徴ある音パターンをもつ可聴音に変換する。そして、この可聴音をカメラ操作者M1と通話する受信端末4側の通話者M2の音声に合成する。
なお、この実施の形態1では、図9の対応テーブルTB2に示すように、音声合成器71からカメラ操作スピード指令信号に対応して発生される可聴音の音パターンは、次の点を考慮して設定されている。すなわち、フレームレートが1fps以上であれば、さほどカメラ操作スピードを配慮する必要がないため、一定の音程の連続音として発生される。逆に、フレームレートが0.2fps以下では、5秒以上も映像が更新されないような劣悪な撮影状況にあり、同一の撮影対象にそのままネットワークカメラ2を向け続ける必要があるため、三脚などの使用を促すためのアラーム音が発生される。また、1秒〜5秒程度で映像が変化する0.5fps〜0.2fpsの範囲では、カメラ操作者M1がカメラ操作スピードを調整することで画質劣化を防ぐことができるため、電話回線網8の伝送遅延を考慮した上で、撮影中に3秒と6秒の把握が容易なように、フレームレートが1fps〜0.5fpsの範囲では1秒ごとに音程が変化する3拍子の断続音、フレームレートが0.5fps〜0.2fpsの範囲では3秒周期の断続音が発生される。なお、この可聴音の音パターンはあくまで一例であって、これに限定されるものではない。
また、音声合成器71にカメラ操作スピード指令信号を可聴音に変換する際の音調整用のボリュームを設けておけば、カメラ操作者M1と受信端末4側の通話者M2との会話を妨げることなく、カメラ操作者M1に対して確実に可聴音を聞き取らせることができるので都合がよい。
こうして音声合成器71により合成された音声出力は、受信端末4側に設置された電話機72から電話回線網8を介してカメラ操作者M1が携帯する電話機9に送られる。これにより、カメラ操作者M1は、ネットワークカメラ2を操作する際、受信端末4側から送られてくる可聴音を電話機9で聞くことにより、常に適切なカメラ操作スピードを維持することができる。
なお、この実施の形態1のように、カメラ操作スピードを指示する可聴音を電話回線網8を利用して送信すれば、インターネット3を用いてカメラ操作スピード指令信号をネットワークカメラ2に返送する方式に比べてフィードバック遅延が少なくなり、また、遅延量も安定しているため、常にリアルタイムでカメラ操作スピードを指示することができる。
以上のように、この実施の形態1では、カメラ操作者M1は、パン、チルト、ズーム、フォーカス等の各種のカメラ操作によって現場撮影を行う際、受信端末4側から送られてくる可聴音を携帯の電話機9で聞きながら常に適切なカメラ操作スピードを維持することができる。このため、流れた映像や、見る人が酔う程に目まぐるしく変化する映像を受信端末4側に配信することがなくなり、しかも、インターネット3のトラフィックや受信端末4の映像表示能力に適応したフレームレートの映像を送信することができるため、映像がコマ落ちするなどの不具合が発生することがなく、常に良質な現場映像を受信端末4で観察することが可能になる。
上記の実施の形態1について、次の変形例や応用例を考えることができる。
(1)上記の実施の形態1では、フレームレート検知器5は、受信端末4の液晶モニタ41画面に表示されるネットワークカメラ2の映像に含まれるタイムコードTCの照度変化に基づいてフレームレートを検知するようにしているが、これに限らず、受信端末4の内部において、ネットワークカメラ2から送信される映像信号に含まれるフレームパルスを検出し、そのフレームパルスのパルス間隔をカウントすることで、フレームレートを検知する構成とすることも可能である。この構成にすれば、実施の形態1の場合に比べてコスト的には幾分割高になるものの、受信端末4内の電気的な信号処理によってフレームレートを確実に検出することができるので、システム構成が簡素化される。
(2)上記の実施の形態1では、カメラ操作スピード通知手段7として、電話機72に音声合成器71を設け、通話信号にカメラ操作スピードを指令する可聴音を重畳するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カメラ操作スピード指示器6で算出されたカメラ操作スピードに対応した合成音声信号を自動的に発生する合成音声発声器を設け、この合成音声信号を電話回線網8を通じてカメラ操作者M1が携帯する電話機9に送信することで、カメラ操作者M1に適切なカメラスピードを認識させることも可能である。この構成にすれば、受信端末4の設置側に技術指導等を行う通話者M2が常駐しなくても、カメラ操作者M1に対して、適切なカメラ操作スピードを自動的に指示することができるため、管理者側の負担が軽減される。
(3)上記の実施の形態1では、カメラ操作スピード通知手段7として、電話回線網8を通じてカメラ操作者M1が携帯する電話機9に適切なカメラ操作スピードを指示するようにしているが、これに代えて、カメラ操作スピード指示器7で算出されたカメラ操作スピードに基づくカメラ操作スピード指令信号をインターネット3を介してネットワークカメラ2に直接送信し、ネットワークカメラ2側では、この受信端末4からのカメラ操作スピード指令信号を液晶モニタ22に画像表示することもできる。このようにすれば、カメラ操作者M1はネットワークカメラ2に加えて電話機9を携帯するといった必要性がなくなるので便利である。
(4)また、カメラ操作者M1に音声でカメラ操作スピードを指示する代わりに、ネットワークカメラ2に設けたLEDの点滅パターンをカメラ操作スピード指令信号の種類に応じて変化させたり、バイブレータの振動パターンをカメラ操作スピード指令信号の種類に応じて変化させたりすることで、カメラ操作者M1に適切なカメラ操作スピードを通知することも可能である。
(5)また、カメラ操作者M1に音声でカメラ操作スピードを指示する代わりに、カメラ操作スピード指令信号をインターネット3を介してネットワークカメラ2に送信し、ネットワークカメラ2側では、この受信端末4からのカメラ操作スピード指令信号に基づいて、受信端末4に向けて送信する映像信号のフレームレートを制御するようにすることも可能である。この構成にすれば、カメラ操作者M1は、ネットワークカメラ2の操作スピードを殊更意識せずに常に適切なフレームレートをもつ映像が自動的に受信端末4側に送出されることになるので利便性が増す。
実施の形態2.
図10は本発明の実施の形態2における映像配信支援システムの全体構成図であり、図1に示した実施の形態1と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
上記の実施の形態1におけるネットワークカメラ2は、カメラ操作者M1が携帯してパンチルトズーム操作を手動で行う可搬型のものであったが、この実施の形態2におけるネットワークカメラ2は、カメラ本体が三脚や筐体等に固定した状態で使用される固定型のものである。そのため、この固定型のネットワークカメラ2は、映像撮影用の固体撮像素子(CCD)を備えた撮影部21、撮影部21で得られる映像を画像圧縮してインターネット3に映像配信したり、受信端末4側から送られてくる信号を受信処理するWebサーバ機能部23、および受信端末4側から送信されてくるカメラ駆動操作コマンドに基づいてパン、チルト、ズームの各操作を行う駆動操作部24を備えている。
一方、カメラ操作スピード指示器6は、図11に示すように、フレームレートとネットワークカメラ2の適切な操作スピードとを予め対応付けた対応テーブルTB3を有し、この対応テーブルTB3を参照してフレームレート検知器5で検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラ2の適切な操作スピードを決定し、これをカメラ操作スピード指令信号として出力するようになっている。なお、図11に示す対応テーブルTB3も適切なカメラ操作スピードを維持するために、基本的に実施の形態1の場合の対応テーブルTB1(図8)と同じ考えに立って作成されている。
また、カメラ操作スピード通知手段7は、電話機72とカメラ駆動操作コマンド生成器73とを備えている。カメラ駆動操作コマンド生成器73は、カメラ操作者M3により入力されるカメラ操作指令信号に基づいてネットワークカメラ2のパン、チルト、ズームの各駆動操作用のカメラ駆動操作コマンドを生成するとともに、このカメラ駆動操作コマンドに対して上記カメラ操作スピード指示器6から与えられるカメラ操作スピード指令信号を付加するものである。また、電話機72は、カメラ駆動操作コマンド生成器73から出力されるカメラ操作スピード指令信号が付加されたカメラ駆動操作コマンドを回線交換網としての電話回線網8からネットワークカメラ2に向けて送信するものである。
その他の構成は図1に示した実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
次に、この実施の形態2における映像配信支援システム1の動作について、図10ないし図12を参照して説明する。
固定型のネットワークカメラ2からインターネット3を経由して送られてくる映像のフレームレートがフレームレート検知器5で検知され、そのフレームレート検知信号がカメラ操作スピード指示器6に与えられるまでの動作は、実施の形態1の場合と同様である。
カメラ操作スピード指示器6は、図11に示す対応テーブルTB3を参照して、検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラ2の適切な操作スピードを決定し、これをカメラ操作スピード指令信号として出力する。図11に示す対応テーブルTB3の例では、検知されたフレームレートに応じて4段階のカメラ操作スピード指令信号(信号1〜信号4)が出力されるようになっている。
このようにしてカメラ操作スピード指示器6から出力されるカメラ操作スピード指令信号は、次段のカメラ駆動操作コマンド生成器73に与えられる。カメラ駆動操作コマンド生成器73は、カメラ操作者M3により受信端末4に入力されるカメラ操作指令信号に基づいてネットワークカメラ2のパン、チルト、ズームの各駆動操作用のカメラ駆動操作コマンドを生成する。その際、カメラ駆動操作コマンドで指示されるパン、チルト、ズームの各操作に対応して、カメラ操作スピード指示器6で指示されたカメラ操作スピード指令信号を、当該カメラ駆動操作コマンドに付加する。すなわち、図12(a)に示すように、パン、チルト、ズームの各操作を指令するカメラ駆動操作コマンドの直前に、各操作に適合したカメラ操作スピード指令信号(図中★印で示す)を挿入して一括送信する。この方式はカメラの既存の操作コマンド体系と同じであるため、カメラ側を改造しなくても容易に実現することができる。
そして、カメラ駆動操作コマンド生成器73から出力されるカメラ駆動操作コマンドとこれに付加されたカメラ操作スピード指令信号は、共に受信端末4側に設置された電話機72から電話回線網8を介してネットワークカメラ2に送られる。
ネットワークカメラ2のWebサーバ機能部23は、これらの信号を受信すると、これを処理して駆動操作部24に与えるので、駆動操作部24は、図12(b)に示すように、各カメラ駆動操作コマンドに従ってパン、チルト、ズームの各動作を行う。しかも、その動作の際、各コマンドに付加されたカメラ操作スピード指令信号に従ったカメラ操作スピードでカメラを操作する。これにより、ネットワークカメラ2はパン、チルト、ズーム動作を行う際に、各動作に応じて常に適切なカメラ操作スピードを維持することができる。
その他の制御動作および作用効果は実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
以上のように、この実施の形態2では、固定型のネットワークカメラ2を使用する場合、受信端末側においてネットワークカメラ2を遠隔操作しているカメラ操作者M3は、従来のように、受信端末4の液晶モニタ41に表示される映像を見ながらカメラ操作スピードを指示しなくても、フレームレート検知器5とカメラ操作スピード指示器6とによって、フレームレートの劣化程度に応じた適切なカメラ操作スピードが自動的に設定されるため、常に最適の映像品質を得ることが可能となる。
上記の実施の形態2について、次の変形例や応用例を考えることができる。
(1)上記の実施の形態2では、図12に示したように、カメラ駆動操作コマンドで指示されるパン、チルト、ズームの各操作に対応したカメラ操作スピード指令信号を、当該カメラ駆動操作コマンドの直前に挿入して一括送信しているが、これに代えて、図13に示すように、フレームレート検知器5で検知されるフレームレートが現在の状態から変化したときにのみ、カメラ操作スピード指令信号をカメラ駆動操作コマンドとは別に独立して送信してもよい。
すなわち、カメラ駆動操作コマンド生成器73は、図13(a)に示すように、パン、チルト、ズームの各操作を行う場合のカメラ操作スピード指令信号(図中、★印で示す)を、上記パン、チルト、ズームの各カメラ駆動操作コマンドを送信する前にネットワークカメラ2に送信しておく。そして、ネットワークカメラ2は、そのカメラ操作スピード指令信号を受信すると、パン、チルト、ズームの各操作スピードを指定された操作スピードに予め設定する。その後、受信端末4側からパン、チルト、ズームの各駆動操作コマンドが送られてきた場合には、駆動操作部24は、図13(b)に示すように、先に設定しておいたカメラ操作スピードによってパン、チルト、ズームの各動作を行う。また、フレームレート検知器5で検知されるフレームレートが現在の状態から変化したときには、カメラ操作スピード指示器6からそのフレームレートの変化に適合したカメラ操作スピード指令信号が出力されるので、カメラ駆動操作コマンド生成器73は、このカメラ操作スピード指令信号をカメラ駆動操作コマンドとは別個にネットワークカメラ2に送信する。
このようにすれば、カメラ駆動操作コマンド生成器73は、カメラ駆動操作コマンドを送信するたびに、これらのコマンドにカメラ操作スピード指令信号を付加して一括送信する必要がなくなるため、カメラ駆動操作コマンド生成器73における信号送信処理の負担が軽減されるとともに、ネットワークカメラ2に対する信号伝送時間も短くなるので、カメラ動作の応答性を高めることができる。
(2)現場の迅速な状況把握のためには、ネットワークカメラ2のパン、チルト、ズーム操作を最高速で行って目的とする撮影対象物に視野を向けることが必要となる場合がある。その際には、インターネット3で送られる映像のフレームレートよりもパン、チルト、ズームの操作スピードが速くなるので、当然のこととして映像が乱れて画質が劣化する。したがって、このような画質の劣化した映像を受信端末4側に送信しても意味がない。
そこで、図14(a)に示すように、受信端末側のカメラ駆動操作コマンド生成器73からカメラ駆動操作コマンドに対してカメラ高速操作指令信号(図中、●印で示す)が付加されて送信された場合、ネットワークカメラ側のWebサーバ機能部23は、図14(b)に示すように、受信信号にカメラ高速操作指令信号が含まれていると、映像のフレーム更新を停止する一方、操作駆動部24は、このカメラ駆動操作コマンドとカメラ高速操作指令信号に基づいて、高速でパン、チルト、ズームの各操作を実行する。そして、Webサーバ機能部23は、駆動操作部24が高速のパン、チルト、ズームの各操作を停止した直後から映像のフレーム更新を再開する。
このようにすれば、ネットワークカメラ2が受信端末4側に意味のない映像を送信する必要がなくなるため、ネットワークカメラ2の映像送信処理の負担が軽減されるとともに、インターネット3が不要な情報によって込み合うといった不具合発生を回避することができる。
(3)上記の実施の形態2では、カメラ操作スピード通知手段7は、カメラ操作スピード指令信号とカメラ駆動操作コマンドを電話回線網8を介してネットワークカメラに送信している。このようにすれば、実施の形態1の場合と同様、フィードバック遅延が少なくなり、また、遅延量も安定しているため、常にリアルタイムでカメラ操作スピードを指示することができるので都合が良いが、このような電話回線網8を使用する代わりに、インターネット3を介してネットワークカメラ2に送信することも可能である。この場合にはカメラ操作スピード指令信号やカメラ操作コマンドを送信する場合の通信コストを電話回線網8を使用する場合よりも下げることができる。
本発明は上記の実施の形態1,2の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において各種の変形を加えることが可能である。
本発明の実施の形態1における映像配信支援システムの全体構成図である。 同システムを構成する受信端末の液晶モニタにフレームレート検知器を取り付けた状態を示す側面図である。 同フレームレート検知器のセンサ部を拡大して示す側面図である。 同フレームレート検知器のセンサ部を受信端末の液晶モニタに取り付けた状態を示す平面図である。 フレームレート検知器のセンサ部によりネットワークカメラからの映像信号に含まれているタイムコードの照度変化を検出する場合の説明図である。 フレームレート検知器のセンサ部により検出されたタイムコードの時間的な照度変化を示すタイムチャートである。 フレームレート検知器で検出されたタイムコードの照度変化信号に基づいてカメラ操作スピード指令信号を生成するまでの手順を示すフローチャートである。 検知されるフレームレートとネットワークカメラの適切な操作スピードとを予め対応付けた対応テーブルの一例を示す説明図である。 カメラ操作スピード指令信号と各種の音パターンをもつ可聴音とを対応付けた対応テーブルの一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における映像配信支援システムの全体構成図である。 検知されるフレームレートとネットワークカメラの適切な操作スピードとを予め対応付けた対応テーブルの一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態2において、受信端末側からカメラ操作スピード指令信号がカメラ駆動操作コマンドに付加されて送信される信号パターンと、この信号に基づくネットワークカメラ側の動作手順の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態2において、受信端末側からカメラ操作スピード指令信号がカメラ駆動操作コマンドに付加されて送信される信号パターンと、この信号に基づくネットワークカメラ側の動作手順の他の一例を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態2において、受信端末側からカメラ操作スピード指令信号がカメラ駆動操作コマンドに付加されて送信される信号パターンと、この信号に基づくネットワークカメラ側の動作手順のさらに他の一例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 映像配信支援システム、2 ネットワークカメラ、
3 インターネット(通信ネットワーク)、4 受信端末、
5 フレームレート検知器(フレームレート検知手段)、
6 カメラ操作スピード指示器(カメラ操作スピード指示手段)、
7 カメラ操作スピード通知手段、71 音声合成器、72 電話機、
73 カメラ駆動操作コマンド生成器、8 電話回線網、9 電話機、
M1 カメラ操作者、M2 受信端末側の通話者、M3 カメラ操作者、
TB1 対応テーブル、TB2 対応テーブル、TB3 対応テーブル。

Claims (10)

  1. 映像を撮影して通信ネットワークに送信するネットワークカメラと、このネットワークカメラから通信ネットワークを介して配信されてくる映像信号を受信する受信端末とを備え、
    上記受信端末には、受信した映像のフレームレートを検知するフレームレート検知手段、このフレームレート検知手段で検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラの適切なカメラ操作スピードを指示するカメラ操作スピード指示手段、および、このカメラ操作スピード指示手段で指示されたカメラ操作スピードを上記ネットワークカメラ、またはその操作者に対して通知するカメラ操作スピード通知手段が設けられていることを特徴とする映像配信支援システム。
  2. 上記フレームレート検知手段は、上記受信端末のモニタ画面に表示されるネットワークカメラからの映像に含まれるタイムコードの照度変化を検出して、その照度変化からフレームレートを検知するものである、ことを特徴とする請求項1記載の映像配信支援システム。
  3. 上記フレームレート検知手段は、ネットワークカメラから送信される映像信号に含まれるフレームパルスを検出し、そのフレームパルスのパルス間隔をカウントしてフレームレートを検知するものであることを特徴とする請求項1記載の映像配信支援システム。
  4. 上記カメラ操作スピード指示手段は、フレームレートとネットワークカメラの適切な操作スピードとを予め対応付けた対応テーブルを有し、この対応テーブルを参照して上記フレームレート検知手段で検知されたフレームレートに対応したネットワークカメラの操作スピードを決定するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の映像配信支援システム。
  5. 上記ネットワークカメラは可搬型のものであって、上記カメラ操作スピード通知手段は、上記カメラ操作スピード指示手段で指示されたカメラ操作スピードの情報を音声信号に変換して回線交換網を介してカメラ操作者が携帯する電話機に通知するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の映像配信支援システム。
  6. 上記ネットワークカメラは可搬型のものであって、上記カメラ操作スピード通知手段は、上記カメラ操作スピード指示手段で指示されたカメラ操作スピードの情報を上記通信ネットワークを介して上記ネットワークカメラに直接送信するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の映像配信支援システム。
  7. 上記ネットワークカメラは固定型のものであって、上記カメラ操作スピード通知手段は上記カメラ操作スピード指示手段で指示されたカメラ操作スピードの情報をネットワークカメラの駆動操作用のカメラ駆動操作コマンドと共に上記通信ネットワークまたは回線交換網を介して上記ネットワークカメラに送信するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の映像配信支援システム。
  8. 上記カメラ操作スピード通知手段は、上記カメラ駆動操作コマンドで指示されるパン、チルト、ズームの各操作に対応したカメラ操作スピードの情報を、当該カメラ駆動操作コマンドに付加して送信するものであることを特徴とする請求項7記載の映像配信支援システム。
  9. 上記カメラ操作スピード通知手段は、上記カメラ駆動操作コマンドで指示されるパン、チルト、ズームの各操作に対応したカメラ操作スピードの情報を上記フレームレート検知手段で検知されるフレームレートが現在の状態から変化したときにのみ上記カメラ駆動操作コマンドとは別に独立して送信するものであることを特徴とする請求項7記載の映像配信支援システム。
  10. 上記ネットワークカメラは、上記カメラ操作スピード通知手段からカメラ駆動操作コマンドと共に送信されるカメラ操作スピードの情報にカメラ高速操作指令情報が含まれている場合には、上記カメラ駆動操作コマンドを実行するまでの間、受信端末側への映像信号の配信を停止するものであることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の映像配信支援システム。
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