JP4117717B2 - アルコール含有香味液及びアルコール飲料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新鮮な柑橘類香味を有する、アルコール含有香味液又はアルコール飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、柑橘類香味を有するアルコール飲料としてアルコールに糖類、酸味料、柑橘系香料及び柑橘類果汁等を加え、所望により炭酸ガスを含有させて製造した低アルコール飲料が市場に提供され、広く飲用されている。また、焼酎にレモン果皮を数ヶ月間漬け込んで製造する、いわゆるホームメイドリキュールも古くより知られている。
しかしながら、これらのアルコール飲料はいずれも柑橘類特有の香味を有するものの、搾りたてのような新鮮な柑橘類の香味に関しては十分でなく、近年ますます多様化し高級化する消費者のニーズを必ずしも満足させ得るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新鮮な柑橘類香味を有するアルコール含有香味液及び該香味液を含有する新鮮な柑橘類香味を有するアルコール飲料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、柑橘類果皮より得たフラベド部を含水アルコール中で破砕した場合に生成する液分を含有していることを特徴とする新鮮な柑橘類香味を有するアルコール含有香味液に関し、本発明の第2の発明は、第1の発明の香味液を含有する新鮮な柑橘類香味を有するアルコール飲料に関する。
【0005】
本発明者らは、新規アルコール飲料及び該アルコール飲料の原料として使用できる新規アルコール含有香味液を提供すべく、鋭意検討した。その結果、フラベド内の油胞を破壊しないように、かつアルベドを極力含まないようにフラベド部を剥皮し、次いで該フラベド部を含水アルコール中で破砕した場合に生成する液分を含有していることを特徴とする新鮮な柑橘類香味を有するアルコール含有香味液、及び該アルコール含有香味液を含有する新鮮な柑橘類香味を有するアルコール飲料を製造できることを見出し本発明を完成させた。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
柑橘類果皮の表面にはフラベドがあり、該フラベドには無数の油胞が含有されている。フラベドの内側には白く、柔らかな海綿状のアルベドがある。本発明でいうフラベド部とは、フラベド単独及びアルベドを一部含有するフラベドをいう。
【0007】
まず最初に、柑橘類果皮より得たフラベド部を含水アルコール中で破砕した場合に生成する液分を含有していることを特徴とする新鮮な柑橘類香味を有するアルコール含有香味液について、柑橘類としてレモン、含水アルコールとして67v/v%アルコールを用いた検討例1、2及び3で説明する。
【0008】
〔検討例1〕
柑橘類果皮(レモン果皮)よりフラベド部を得る方法の例として、剥皮条件の検討を行った。
柑橘類果皮のフラベドとアルベドの境界付近では、それぞれの細かい組織が互いに入り組むような構造となっているので、実際には両者の明確な境界線は存在しないが、本発明においては、柑橘類の果皮をその厚さ方向に対して垂直に切断したとき、切断面にフラベドとアルベドがほぼ同量存在している面を両者の境界と定義する。
まず、レモン(カリフォルニア産、ユーレカ種)のL・M・Sサイズを各々10個用いて、フラベドの厚さを測定した。該フラベドの平均厚さは、各々2.26mm(Lサイズ)、1.74mm(Mサイズ)、1.86mm(Sサイズ)であった。サイズによりフラベドの平均厚さが異なるので、Lサイズのレモンを用いて、フラベド内の油胞を破壊しないように一定の厚さでフラベド部を剥皮した。レモン果皮のフラベドの厚さ100部(2.26mm)に対して、柑橘果皮の内側に向かってフラベド部を100部(2.26mm超)、110部(2.49mm)、120部(2.71mm)、130部(2.94mm)、140部(3.16mm)を剥皮してフラベド部を得た。また、対照1としてフラベドの厚さ方向の中央を切断するように削りとったものを、対照2としてアルベドを取り除かない果皮そのものを調製した。油胞の破壊程度〔なし(−)、あり(+)〕、精油の漏出程度〔なし(−)、あり(+)〕を目視にて観察した。レモン果皮剥皮条件の検討結果を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
表1に示したように、対照1は、油胞が破壊され、精油が漏出した。剥皮条件100部、110部、120部、130部、140部及び対照2は、油胞が破壊されず、精油の漏出は認められなかった。すなわち、対照1は、精油が漏出して香味成分の回収率が悪くなるだけでなく、新鮮な柑橘類の香りが揮散し、本発明の目的とする新鮮な柑橘類香味を有さないことが確認された。
【0011】
〔検討例2〕
次いで、検討例1と同様の方法で得られた柑橘類各種果皮(レモン果皮、80g)を含水アルコール(67v/v%アルコール、480ml)中で破砕した場合に生成する液分を含有しているアルコール含有香味液を調製した。
破砕は、大気中・切断(包丁で細かく刻む)、大気中・破断(家庭用ミキサー使用)、大気中・磨砕(磨砕機使用)、脱酸素雰囲気下・磨砕(磨砕機使用)の4条件で行った。該磨砕は、石うす式タイプの回転磨砕機を用いて、粒度設定クリアランス300μm、1500rpmの条件で行った。また、脱酸素雰囲気条件は、ドライボックスの中に磨砕機を設置した後、ドライボックスの空気を窒素ガスで置換することにより調整した。これらの香味液は、破砕後に固形分を分離して調整した。アルコール含有香味液の配合の例を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
調製した各種のアルコール含有香味液の官能検査を行い、新鮮な柑橘類香味の程度〔悪い(−)、普通(±)、やや良い(+)、良い(++)、非常に良い(+++)、極めて良い(++++)〕を評価した。各種アルコール含有香味液の官能検査結果を表3に示す。
【0014】
【表3】
【0015】
表3に示したように、対照1は、すべての破砕条件で柑橘類香味が悪く、立ち香が低いと評価された。すなわち、本発明の目的とするアルコール含有香味液ではなかった。
100部の場合は、新鮮な柑橘類香味の程度が、大気中・切断条件及び大気中・破断条件ではやや良く、大気中・磨砕条件では良く、脱酸素雰囲気下・磨砕条件では非常に良く、またすべての破砕条件で味がスッキリしていると評価された。
110部及び120部は、新鮮な柑橘類香味が、大気中・切断条件及び大気中・破断条件では良く、大気中・磨砕条件では非常に良く、脱酸素雰囲気下・磨砕条件では極めて良く、またすべての破砕条件でほのかな苦味が認められると評価された。
130部は、新鮮な柑橘類香味が、大気中・切断条件及び大気中・破断条件ではやや良く、大気中・磨砕条件では良く、脱酸素雰囲気下・磨砕条件では非常に良かった。しかしながら、すべての破砕条件でやや苦味が認められると評価された。
140部は、すべての剥皮条件で新鮮な柑橘類香味の程度が普通であり、苦味が認められると評価された。
対照2は、すべての剥皮条件で新鮮な柑橘類香味の程度が普通であり、強い苦味が認められると評価された。
すなわち、剥皮条件100部〜130部で得たフラベド部を破砕して調製したアルコール含有香味液は、新鮮な柑橘類香味を有していた。剥皮条件100部〜120部で得たフラベド部を破砕して調製したアルコール含有香味液は、味がスッキリしている又はアルベド由来のほのかな苦味を感じ、かつ新鮮な柑橘類香味を有していた。
【0016】
〔検討例3〕
検討例2の剥皮条件100部〜130部と同様の方法で調製した香味液を、水で希釈(2倍〜10倍)した。該希釈液の官能検査を行った結果、どの希釈倍率の香味液も、原液と同様の新鮮な柑橘類香味を有すると評価された。
【0017】
次に、検討例2で説明した香味液を含有する新鮮な柑橘類香味を有するアルコール飲料について、柑橘類としてレモン、含水アルコールとして67v/v%アルコールを用いた検討例4及び5で説明する。
【0018】
〔検討例4〕
柑橘類果皮(レモン果皮)を用いて、検討例2と同様の方法で、各種のアルコール含有香味液を調製した。また、柑橘類果実(レモン、93g)を搾汁(インライン搾汁機)し、レモン果汁を得た。次に、該果汁(30ml)に含水アルコール(67v/v%アルコール、44ml)を混合し、果汁原液を調製した(なお、該果汁原液は遠心分離して調製した)。果汁原液の配合例を表4に示す。
【0019】
【表4】
【0020】
次に、各種のアルコール含有香味液と含水アルコールを混合した果汁原液とを配合してアルコール飲料を調製した。アルコール飲料の配合例を表5に示す。
【0021】
【表5】
【0022】
調製した各種のアルコール飲料の官能検査を行い、新鮮な柑橘類香味の程度〔悪い(−)、普通(±)、やや良い(+)、良い(++)、非常に良い(+++)、極めて良い(++++)〕を評価した。アルコール飲料の官能検査結果を表6に示す。
【0023】
【表6】
【0024】
表6に示したように、対照1は、すべての破砕条件で、柑橘類香味が悪く、立ち香が低いと評価された。すなわち、本発明の目的とするアルコール飲料ではなかった。
100部は、新鮮な柑橘類香味が、大気中・切断条件及び大気中・破断条件ではやや良く、大気中・磨砕条件では良く、脱酸素雰囲気下・磨砕条件では非常に良く、またすべての破砕条件でスッキリした味が認められると評価された。
110部及び120部は、新鮮な柑橘類香味が、大気中・切断条件及び大気中・破断条件では良く、大気中・磨砕条件では非常に良く、脱酸素雰囲気下・磨砕条件では極めて良く、また、すべての破砕条件でほのかな苦味が認められると評価された。
130部は、新鮮な柑橘類香味が、大気中・切断条件及び大気中・破断条件ではやや良く、大気中・磨砕条件では良く、脱酸素雰囲気下・磨砕条件では非常に良かった。しかしながら、すべての破砕条件でやや苦味が認められると評価された。
140部は、すべての剥皮条件で新鮮な柑橘類香味が普通で、苦味が認められると評価された。
対照2は、すべての剥皮条件で新鮮な柑橘類香味が普通で、やや強い苦味が認められると評価された。
すなわち、剥皮条件100部〜130部で得たフラベド部を破砕して調製したアルコール飲料は、新鮮な柑橘類香味を有していた。剥皮条件100部〜120部で得たフラベド部を破砕して調製したアルコール飲料は、味がスッキリしている又はアルベド由来のほのかな苦味を感じ、かつ新鮮な柑橘類香味を有していた。
【0025】
柑橘類の種類としては、レモン、オレンジ、温州ミカン、グレープフルーツ、スダチ、ライム、マンダリン、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー、ユズ等があるが、本発明でいう柑橘類は、これらの種類に限定されず、また2種類以上を併用してもよい。
【0026】
本発明でいう剥皮は、フラベドの油胞を破壊しないように、かつアルベドを極力含まないように鋭利な刃物等を用いてフラベド部を分離して採取すればよく、分離方法には限定されない。好ましくは、柑橘類果皮のフラベドの厚さ100部に対して、フラベド部100部〜130部を、更に好ましくは、柑橘類果皮のフラベドの厚さ100部に対して、フラベド部100部〜120部を剥皮することが好ましい。
剥皮する際の温度、酸素(大気中、脱酸素雰囲気下等)、pH等の条件には制限はなく、通常広く用いられる条件の中から適宜選択することができる。更に、含水アルコール下で剥皮することも可能である。
剥皮したフラベド部は、速かに含水アルコール中で破砕することが望ましいが、保存してから含水アルコール中で破砕をしてもよい。該保存条件は、剥皮したフラベド部が劣化しないように、低温下、高濃度アルコール下、脱酸素雰囲気下及び/又は中性付近(pH6.0〜pH8.0)が好ましい。
【0027】
本発明で用いる含水アルコールとしては、特に限定はなく、例えば、醸造用アルコール、スピリッツ類(ラム、ウォッカ、ジン等)、リキュール類、ウイスキー、ブランデー又は焼酎等をそれぞれ単独又は併用して用いることができるが、柑橘類の香りを生かすような含水アルコールを選択して用いることが望ましい。本発明で用いる含水アルコールの度数は、限定されないが、40v/v%〜90v/v%が好ましい。
【0028】
破砕の手段としては、切断、破断、磨砕等の方法があるが、本発明でいう破砕はこれらの方法に限定されず、フラベドの油胞が充分に破壊されればよい。新鮮な柑橘類香味を豊富に有するアルコール含有香味液又はアルコール飲料を得るためには、磨砕により破砕することが好ましい。
破砕する際の温度、酸素(大気中、脱酸素雰囲気下等)、pH等の条件には制限はなく、通常広く用いられる条件の中から適宜選択することができる。新鮮な柑橘類香味を豊富に有するアルコール含有香味液又はアルコール飲料を得るためには、低温下、脱酸素雰囲気下及び/又は中性付近(pH6.0〜pH8.0)での処理が好ましい。脱酸素雰囲気下条件にするための方法は、窒素等の不活性ガスによる置換、脱酸素剤の使用等のいずれの方法でもよく、脱酸素の程度も適宜選択すればよい。
破砕したフラベド部は、固液分離をしても、しなくてもよいが、速かに固形分を分離することが望ましい。しかしながら、保存してから固液分離をしてもよい。該保存条件は、破砕したフラベド部が劣化しないように、低温下、高濃度アルコール下、脱酸素雰囲気下及び/又は中性付近(pH6.0〜pH8.0)が好ましい。
【0029】
固液分離は、ろ過、遠心分離等の方法があるが、本発明でいう固液分離はこれらの方法に限定されない。
固液分離は、低温、高濃度アルコール下、脱酸素雰囲気下及び/又は中性付近(pH6.0〜pH8.0)での処理が好ましい。
【0030】
破砕する際、柑橘類果皮より得たフラベド部と含水アルコールの混合比は、限定されない。フラベド部の重量1に対して含水アルコールの容量は、通常2〜20、好ましくは5〜10である。
果汁原液を調製する際、柑橘類果汁と含水アルコールの混合比は、限定されない。香味成分の揮散防止・分解防止、微生物汚染の防止、ペクチン質の晶析による除去等の観点から、果汁原液の最終アルコール濃度が40v/v%〜90v/v%になるように混合することが好ましい。
本発明のアルコール飲料を調製する際、アルコール含有香味液と果汁原液の混合比は、限定されない。目的とするアルコール飲料に応じて任意の比率で混合すればよい。この混合の前又は後で固液分離を行っても良い。
【0031】
本発明のアルコール含有香味液及び本発明でいうアルコール含有果汁原液を保存する場合は、香味成分の揮散防止・分解防止、微生物汚染の防止、ペクチン質の晶析による除去等の観点から低温、高濃度アルコール下、脱酸素雰囲気下及び/又は中性付近(pH6.0〜pH8.0)での保存が好ましい。
本発明のアルコール含有香味液は、本発明のアルコール飲料の原料として使用できるだけでなく、酒類、食品、飲料等に広く利用することが可能である。
【0032】
本発明のアルコール飲料のアルコール濃度は、1v/v%〜12v/v%、好ましくは4v/v%〜8v/v%であるが、本発明の効果が得られる範囲で12v/v%より以上の濃度に適用することも可能である。
本発明のアルコール飲料は、カーボネーションの有無は任意であり、また果肉、果汁、乳汁、野菜汁等の添加の有無も任意であるが、柑橘類の香りを生かすような原料を選択することが好ましい。例えば、前記したような、固形分を分離していない本発明のアルコール含有香味液、及び/又は固形分を含有する果汁原液を使用しても良い。
本発明のアルコール飲料は、香料を添加することも可能であり、柑橘類の香りを生かすような香料(例えば、柑橘類精油を通常の香料よりテルペンレスの度合いが浅い80w/w%以上のエタノールに溶解処理して得られる柑橘類精油の弱テルペンレス香料)、添加量を選択することが好ましい。
本発明のアルコール飲料のpHは、通常の範囲で選択することが可能であり、pH2.5〜8.0の範囲を採用することが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
実施例1
アルコール含有レモン香味液(以下、レモン香味液と略記する)とアルコール含有ライム香味液(以下、ライム香味液と略記する)を調製するために、まず果実のフラベドの厚さを測定した。フラベドの平均厚さはレモン果実(カリフォルニア産、ユーレカ種)で2.2mm、ライム果実(メキシカンライム)で1.1mmであった。レモン果皮からフラベド部を2.64mmの厚さ(フラベド100部に対して、フラベド部120部)で剥皮した。また、ライム果皮からフラベド部を1.32mmの厚さ(フラベド100部に対して、フラベド部120部)で剥皮した。次いで各々の該フラベド部を、窒素ガスによる脱酸素条件下、67v/v%アルコール中で、石うす式タイプの回転磨砕機で磨砕した。該磨砕液は、マイナス10℃で一晩置いたのち、遠心分離機で固形分(パルプ及び不溶化した物質)を分離して、レモン香味液とライム香味液を調製した。アルコール含有香味液の配合表を表7に示す。
【0035】
【表7】
【0036】
得られたレモン香味液とライム香味液を、各々、水で希釈(1倍〜10倍)し、官能検査を行った結果、どの希釈倍率の香味液も、新鮮な柑橘類香味を有すると評価された。
【0037】
実施例2
実施例1と同様の方法で、レモン香味液とライム香味液を調製した。
別途、レモン果実93kgとライム果実65.6kgを、インライン搾汁機で搾汁し、レモン果汁とライム果汁を得た。各々の該果汁に67v/v%アルコールを混合し、マイナス10℃で一晩置いた後、パルプ分及び不溶化したペクチン質等を遠心分離して取り除き、レモン果汁原液とライム果汁原液を調製した。果汁原液の配合表を表8に示す。
【0038】
【表8】
【0039】
次に、レモン香味液とレモン果汁原液とを配合してレモンアルコール飲料、またライム香味液とライム果汁原液とを配合してライムアルコール飲料を調製した。アルコール飲料の配合表を表9に示す。
【0040】
【表9】
【0041】
調製したアルコール飲料の分析値を表10に示す。
【0042】
【表10】
【0043】
得られたレモンアルコール飲料とライムアルコール飲料を官能検査した結果、新鮮な柑橘類香味が豊富で、ほのかな苦味を有し、ボディ感があるというという評価であった。
【0044】
実施例3
実施例2と同様のアルコール飲料配合に香料を配合し、レモンアルコール飲料とライムアルコール飲料を調製した。香料は、通常の調合香料〔フレーバー〕と弱テルペンレス香料〔フレーバー〕を用い、合計添加量は、1.2kg/1000リットルで配合した。得られたレモンアルコール飲料とライムアルコール飲料を官能検査した結果、新鮮な柑橘類香味が豊富で、ほのかな苦味を有し、ボディ感があるという評価であった。
【0045】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明により、新鮮な柑橘類香味を有するアルコール含有香味液、新鮮な柑橘類香味を有するアルコール飲料を提供することが可能になる。
Claims (8)
- 柑橘類果皮より得たフラベド部を含水アルコール中で破砕した場合に生成する液分を含有していることを特徴とする新鮮な柑橘類香味を有するアルコール含有香味液。
- 該香味液が、破砕後に固形分を分離したものであることを特徴とする請求項1に記載の香味液。
- 該フラベド部は、柑橘類果皮のフラベド内の油胞を破壊しないように一定の厚さで剥皮することにより得られるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の香味液。
- フラベド部を破砕する手段が磨砕であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の香味液。
- フラベド部の破砕を、脱酸素雰囲気下で行ったものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の香味液。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の香味液を含有する新鮮な柑橘類香味を有するアルコール飲料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の香味液と、柑橘類果汁に含水アルコールを混合した果汁原液とを配合して得られる請求項6に記載のアルコール飲料。
- 柑橘類がレモンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の香味液又はアルコール飲料。
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