JPH11178537A - 柑橘フレーバー剤の製造法 - Google Patents

柑橘フレーバー剤の製造法

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JPH11178537A
JPH11178537A JP9364739A JP36473997A JPH11178537A JP H11178537 A JPH11178537 A JP H11178537A JP 9364739 A JP9364739 A JP 9364739A JP 36473997 A JP36473997 A JP 36473997A JP H11178537 A JPH11178537 A JP H11178537A
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JP
Japan
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citrus
flavor agent
immersed
pericarp
enzyme
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Pending
Application number
JP9364739A
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English (en)
Inventor
Masaru Matsuura
勝 松浦
Masao Hosoi
正男 細井
Atsushi Sasaki
淳 佐々木
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 柑橘果実から水溶性のフレーバー剤を効率よ
く製造する。 【解決手段】 ゆず、かぼす、すだち、レモン等の柑橘
果実の破砕物又は搾汁粕若しくは果皮を植物組織崩壊酵
素を溶解した含水アルコール溶液に浸漬したのち、濾過
することにより柑橘フレーバー剤を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な柑橘フレーバ
ー剤の製造法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】柑橘果実は独特の香りを有しており、フ
レーバ−付与剤として、食品はもとより色々な商品に利
用されている。とりわけ香酸柑橘類である、ゆず、かぼ
す、すだち等は、果皮のオイル中に含まれる特徴ある香
りが古くより日本料理に活かされてきた。例えば果皮細
片を煮物や汁物に浮かせたり、果汁をしょうゆに添加し
てポン酢しょうゆとして用いられている。
【0003】香酸柑橘類から果汁を搾取する場合、果実
を破砕しながら圧搾搾汁するのであるが、果肉部に対し
果皮部が厚いため、搾りにくく極めて少量の果汁しか得
られない。また果皮のオイル中に含まれる香気成分は、
圧搾では十分に採取することができない。このため有機
溶剤を用いて抽出する方法も試みられているが、得られ
た香気成分は油溶性のものであり、用途が限定されるき
らいがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は柑橘果実、特
に香酸柑橘類から水溶性の香気成分を効率よく採取し
て、柑橘フレーバー剤を製造することを課題とするもの
であり、柑橘果実の破砕物又は搾汁粕若しくは果皮を植
物組織崩壊酵素を溶解した含水アルコール溶液に浸漬し
たのち、濾過することにより、上記課題を解決できると
いう知見を得て本発明を完成したのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下本発明を具体的に説
明する。本発明の対象となる柑橘果実は、レモン、ライ
ム、オレンジ、ゆず、かぼす、すだち等であるが、果皮
が厚く、含有果汁量の少ない、ゆず、かぼす、すだち等
の香酸柑橘類が好適である。
【0006】これらの柑橘果実の破砕物、あるいは搾汁
粕若しくは果皮を植物組織崩壊酵素を溶解した含水アル
コールに浸漬する。本発明で用いられる植物組織崩壊酵
素とは、市販されているセルラーゼ、キシラナーゼ、マ
ンナナーゼ、ペクチナーゼ剤等をいい、これらの酵素剤
の1種以上を、含水アルコールに0.01〜1.0%の
濃度となるように溶解する。
【0007】含水アルコールのアルコール濃度は、15
〜85%であり、アルコール濃度が高すぎると酵素作用
が阻害され、また低すぎると香気成分の抽出が不十分と
なると同時に抽出時に微生物汚染を受け易い。浸漬に用
いる含水アルコールの量は、浸漬する柑橘果実の破砕
物、あるいは搾汁粕若しくは果皮の2〜10倍量であ
り、このような含水アルコールに5〜50℃で1〜20
日浸漬する。そしてこの間、適宜軽い攪拌を行うことが
好ましい。こうして浸漬することにより、添加酵素によ
り植物組織が崩壊され含水アルコールによるフレーバー
オイルの抽出が促進される。
【0008】次いで、濾布等にて固液分離を行い、その
濾液をそのまま冷凍あるいは冷蔵してもよいが、好まし
くは80℃以上に加熱して酵素の失活処理を行う。この
ようにして得られた抽出液は、水溶性の柑橘フレーバー
剤として各種食品等に添加して、用いることが出来る。
【0009】
【発明の効果】本発明によると含水アルコール中に含有
される植物組織崩壊酵素類の作用で、柑橘果実、特に果
皮に含まれる新鮮なフレーバーが強く、渋み等の雑味が
少なく、呈味もまろやかな水溶性の柑橘フレーバー剤が
得られる。特に柚、すだち、かぼす等においては和風料
理に適した新鮮な香味の水溶性フレーバー剤となる。含
水アルコール中に添加された植物組織崩壊酵素の作用
で、フレーバーのみならずエキスの抽出も促進され、ま
た抽出時間の短縮という効果も有する。
【0010】以下の実験例で本発明の効果を確認する。
【実験例】ゆず果実200個(25Kg)を破砕し、これ
を6kgづつに四分し、(a)セルロシンAC40粉末
(阪急バイオインダストリー(株)製)を0.2%溶解
した80%含水アルコール1L中に浸漬、(b)同含水
アルコール2L中に浸漬、(c)酵素剤無添加の60%
含水アルコール1L中に浸漬、(d)同含水アルコール
2L中に浸漬し、20℃で48時間浸漬した。浸漬20
時間後に全体を軽く攪拌し、アルコール溶液が破砕物に
均一に接触するようにした。48時間後に濾布を用いて
圧搾して、各サンプルからゆずフレーバー剤を得た。
【0011】結果を表1に示す。
【表1】 サンプル 酵素剤 濾過液量 リモネン量* γ−テルピネン量* (ml) (ppm) (ppm) (a) 有り 1423 148 23 (b) 有り 2392 51 7 (c) なし 808 156 24 (d) なし 2398 36 5 *リモネン量、γ−テルピネン量の定量法 各試料を希釈液(0.2%ツイーン80添加20%アル
コール溶液)で100倍に希釈、この希釈サンプル4g
に対し、内部標準として50μlの3−オクタノール溶
液(2000ppmエタノール溶液)を20ml容バイ
アル瓶に詰め、ニトフロン製のフタをアルミ冠で巻き締
めることにより密封した。これをHP7694ヘッドス
ペースサンプラー/HP6890ガスクロマトグラフィ
ー/HP5973質量分析計(ヒューレットパッカード
社製)を用いてバイアル瓶を55℃、20分間加熱後ヘ
ッドスペースガスの分析を行った。カラムはHP−WA
X(ヒューレットパッカード社製、60×0.25×
0.5)、温度条件は35℃、5分保持後、毎分5℃の
昇温により180℃とし、その後毎分10℃の昇温によ
り240℃とした。
【0012】<実施例1>レモン果実を搾汁して得られ
た搾汁粕10.7kgを、0.05%のセルロシンAC4
0粉末(阪急バイオインダストリー(株)製)を溶解し
た60%含水アルコール2L中に浸漬し、20℃で72
時間浸漬した。この間、4回軽く攪拌した。その後濾布
を用いて圧搾し、濾液2.5Lを得た。この液を80℃
で3分間加熱して酵素を失活させてレモンフレーバー剤
を得た。
【0013】<実施例2>ゆずの果皮7kgを、0.1%
のセルロシンPE60粉末(阪急バイオインダストリー
(株)製)を溶解した70%含水アルコール3L中に浸
漬し、20℃で24時間浸漬した。この間、3回軽く攪
拌した。その後濾布を用いて圧搾し、濾液2.7Lを得
た。この液を80℃で3分間加熱して酵素を失活させて
ゆずフレーバー剤を得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柑橘果実の破砕物又は搾汁粕若しくは果皮
    を植物組織崩壊酵素を溶解した含水アルコール溶液に浸
    漬したのち、濾過することを特徴とする柑橘フレーバー
    剤の製造法。
  2. 【請求項2】柑橘果実が香酸柑橘果実である請求項1記
    載の柑橘フレーバー剤の製造法。
JP9364739A 1997-12-22 1997-12-22 柑橘フレーバー剤の製造法 Pending JPH11178537A (ja)

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