JP2004018737A - 柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料とする精油抽出法 - Google Patents
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Abstract
【課題】柑橘類の搾汁残渣を原料として減圧蒸留装置により、効率的かつ簡単にエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを抽出する。
【解決手段】柑橘類の搾汁残渣に水を加え、セルラーゼやペクチナーゼなどの酵素処理を行い、減圧蒸留法により、効率的にかつ簡単にエッセンシャルオイルやフローラルウォーター抽出する。また、高価で貴重な柑橘類のエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを利用した食品、化粧品、医薬部外品やアロマテラピー関連製品の製造ができる。
【選択図】 図１
【解決手段】柑橘類の搾汁残渣に水を加え、セルラーゼやペクチナーゼなどの酵素処理を行い、減圧蒸留法により、効率的にかつ簡単にエッセンシャルオイルやフローラルウォーター抽出する。また、高価で貴重な柑橘類のエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを利用した食品、化粧品、医薬部外品やアロマテラピー関連製品の製造ができる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柚子などの柑橘類をベルト式搾汁機で搾汁後、１００メッシュの振動篩にかけ、果汁と振動篩残渣を分ける。この振動篩残渣を原料として減圧蒸留により効率よく柑橘類のエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを抽出することに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の柑橘類の精油抽出は生果を圧搾するコールドプレス法や柑橘類果皮から有機溶剤により精油を抽出する有機溶剤抽出法であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抽出方法ではフローラルウォーターが得られなかったり、有機溶剤を使うために危険性が高いという問題があった。また、柑橘類の搾汁振動篩残渣は産業廃棄物として処理せざろう得ないという問題があった。
【０００４】
本発明は安全性が高く、柑橘類の搾汁振動篩残渣という産業廃棄物より、減圧蒸留法により高価で有用なエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを得られる抽出方法を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の抽出方法においては、柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料として、原料を酵素処理することにより、効率的な減圧蒸留を行い、高価で有用な柑橘類エッセンシャルオイルやフローラルウォーターを同時に得られる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき説明する。
【０００７】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【０００８】
図１の減圧蒸留装置（株式会社 清水理化学機器製作所：ＶＳＣＴ−５０型）において（２５）コールドトラップのスイッチを入れ、一次トラップに水を流し、（６）蒸発缶に柑橘類搾汁残渣１０Ｋｇ、水１０〜２０Ｋｇをいれ、さらにセルラーゼやペクチナーゼを０〜０．２％加えて蒸発缶上蓋をかぶせる。
【０００９】
（８）湯浴槽の温度を４０〜６０℃に設定して、（１１）真空ポンプのスイッチを入れ２〜５時間運転する。
【００１０】
柚子搾汁残渣を原料とした実施例を表１に示す。
【００１１】
【表１】
【００１２】
実施例１は残渣１０Ｋｇと水１０Ｋｇにセルラーゼ、ペクチナーゼをそれぞれ０．０５％加え、攪拌した後に５０℃、３時間で抽出を行い、精油とフローラルウォーターが得られた。
【００１３】
フッ素樹脂製分液ロートで精油とフローラルウォーターを分離して、精油３１．８２ｇが得られた。
【００１４】
実施例２は実施例１を踏まえ、水を２０Ｋｇに増やし、抽出開始より２、３、４、５時間後に精油をそれぞれ３５．０９ｇ、４．９２ｇ、２．８５ｇ、１．０４ｇが得られ、合計で４３．９ｇ得られた。以上に実施例を踏まえて、今後抽出時間を３時間に設定した。
【００１５】
実施例３は設定温度を４０℃にして、酵素処理を行わずに３時間抽出して精油１７．３ｇ、フローラルウォーター約１２５０ｇが得られた。
【００１６】
実施例４は設定温度を６０℃にして、酵素処理を行わずに３時間で精油４１．８ｇ、フローラルウォーター約７１００ｇが得られた。
実施例５、６、７は酵素量を０．１にして、各酵素と複合酵素処理における精油の抽出量は６２．９６ｇ、８８．０５ｇ、６８．９９ｇであった。フローラルウォーターは約７１００ｇ、約７９００ｇ、約７５００ｇ得られた。
【００１７】
振動篩残渣からのゆず精油抽出にはセルラーゼ処理が最も有効と思われた。
【００１８】
実施例８はセルラーゼを０．２に増やして同様の操作により精油６５．８４ｇ、フローラルウォーター約７５００ｇが得られた。
【００１９】
実施例９は温州ミカン搾汁残渣１０Ｋｇ、水２０Ｋｇとセルラーゼ１０ｇを仕込み、３時間運転してフローラルウォーター約５６００ｇが得られたが、精油は得られなかった。
【００２０】
実施例１０はレモン搾汁残渣を１０Ｋｇを使い、実施例９と同様に運転してフローラルウォーター約５１００ｇが得られたが、精油は得られなかった。
【００２１】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような
効果を奏する。
【００２２】
柚子などの香酸柑橘類やイヨカン、大津２号のような果皮に精油の多い柑橘類をベルト式搾汁機などで搾汁、振動篩にかけた後の搾汁振動篩残渣を原料にして、減圧蒸留により、高価で有用なエッセンシャルオイルとフローラルウォーターが同時に得られる。
【００２３】
温州ミカンやレモンなどのような精油成分の少ない柑橘類の搾汁振動篩残渣からは有用なフローラルウォーターが得られる。
【００２４】
セルラーゼやペクチナーゼの酵素処理によりエッセンシャルオイルの収量を上げることが出来る。
【００２５】
エッセンシャルオイルやフローラルウォーター利用した食品、化粧品、医薬部外品やアロマテラピー関連製品の製造ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】減圧蒸留装置である。
【符号の説明】
１ 湯浴槽空炊防止装置
２ 温度計
３ 観察窓
４ 上蓋取手
５ 蒸発缶取手
６ 蒸発缶
７ 湯浴槽水位計
８ 湯浴槽
９ 湯浴槽ドレーンバルブ
１０ ヒーター
１１ 水封式真空ポンプ
１２ キャスター
１３ アジャスター
１４ リークバルブ
１５ 攪拌モーター
１６ 真空計
１７ 真空引口バルブ
１８ 真空ポンプ接続バルブ
１９ 真空ポンプ接続バルブ
２０ 一次トラップ接続口
２１ 湯浴槽給水バルブ
２２ 真空ポンプ給水バルブ
２３ 冷却器給水バルブ
２４ 逆止弁
２５ コールドトラップ
２６ トラップ水位計
２７ トラップドレーンバルブ
２８ 油水分離器
２９ 冷凍機
３０ 操作盤
３１ 総排水口
【発明の属する技術分野】
本発明は、柚子などの柑橘類をベルト式搾汁機で搾汁後、１００メッシュの振動篩にかけ、果汁と振動篩残渣を分ける。この振動篩残渣を原料として減圧蒸留により効率よく柑橘類のエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを抽出することに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の柑橘類の精油抽出は生果を圧搾するコールドプレス法や柑橘類果皮から有機溶剤により精油を抽出する有機溶剤抽出法であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の抽出方法ではフローラルウォーターが得られなかったり、有機溶剤を使うために危険性が高いという問題があった。また、柑橘類の搾汁振動篩残渣は産業廃棄物として処理せざろう得ないという問題があった。
【０００４】
本発明は安全性が高く、柑橘類の搾汁振動篩残渣という産業廃棄物より、減圧蒸留法により高価で有用なエッセンシャルオイルやフローラルウォーターを得られる抽出方法を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の抽出方法においては、柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料として、原料を酵素処理することにより、効率的な減圧蒸留を行い、高価で有用な柑橘類エッセンシャルオイルやフローラルウォーターを同時に得られる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき説明する。
【０００７】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【０００８】
図１の減圧蒸留装置（株式会社 清水理化学機器製作所：ＶＳＣＴ−５０型）において（２５）コールドトラップのスイッチを入れ、一次トラップに水を流し、（６）蒸発缶に柑橘類搾汁残渣１０Ｋｇ、水１０〜２０Ｋｇをいれ、さらにセルラーゼやペクチナーゼを０〜０．２％加えて蒸発缶上蓋をかぶせる。
【０００９】
（８）湯浴槽の温度を４０〜６０℃に設定して、（１１）真空ポンプのスイッチを入れ２〜５時間運転する。
【００１０】
柚子搾汁残渣を原料とした実施例を表１に示す。
【００１１】
【表１】
実施例１は残渣１０Ｋｇと水１０Ｋｇにセルラーゼ、ペクチナーゼをそれぞれ０．０５％加え、攪拌した後に５０℃、３時間で抽出を行い、精油とフローラルウォーターが得られた。
【００１３】
フッ素樹脂製分液ロートで精油とフローラルウォーターを分離して、精油３１．８２ｇが得られた。
【００１４】
実施例２は実施例１を踏まえ、水を２０Ｋｇに増やし、抽出開始より２、３、４、５時間後に精油をそれぞれ３５．０９ｇ、４．９２ｇ、２．８５ｇ、１．０４ｇが得られ、合計で４３．９ｇ得られた。以上に実施例を踏まえて、今後抽出時間を３時間に設定した。
【００１５】
実施例３は設定温度を４０℃にして、酵素処理を行わずに３時間抽出して精油１７．３ｇ、フローラルウォーター約１２５０ｇが得られた。
【００１６】
実施例４は設定温度を６０℃にして、酵素処理を行わずに３時間で精油４１．８ｇ、フローラルウォーター約７１００ｇが得られた。
実施例５、６、７は酵素量を０．１にして、各酵素と複合酵素処理における精油の抽出量は６２．９６ｇ、８８．０５ｇ、６８．９９ｇであった。フローラルウォーターは約７１００ｇ、約７９００ｇ、約７５００ｇ得られた。
【００１７】
振動篩残渣からのゆず精油抽出にはセルラーゼ処理が最も有効と思われた。
【００１８】
実施例８はセルラーゼを０．２に増やして同様の操作により精油６５．８４ｇ、フローラルウォーター約７５００ｇが得られた。
【００１９】
実施例９は温州ミカン搾汁残渣１０Ｋｇ、水２０Ｋｇとセルラーゼ１０ｇを仕込み、３時間運転してフローラルウォーター約５６００ｇが得られたが、精油は得られなかった。
【００２０】
実施例１０はレモン搾汁残渣を１０Ｋｇを使い、実施例９と同様に運転してフローラルウォーター約５１００ｇが得られたが、精油は得られなかった。
【００２１】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような
効果を奏する。
【００２２】
柚子などの香酸柑橘類やイヨカン、大津２号のような果皮に精油の多い柑橘類をベルト式搾汁機などで搾汁、振動篩にかけた後の搾汁振動篩残渣を原料にして、減圧蒸留により、高価で有用なエッセンシャルオイルとフローラルウォーターが同時に得られる。
【００２３】
温州ミカンやレモンなどのような精油成分の少ない柑橘類の搾汁振動篩残渣からは有用なフローラルウォーターが得られる。
【００２４】
セルラーゼやペクチナーゼの酵素処理によりエッセンシャルオイルの収量を上げることが出来る。
【００２５】
エッセンシャルオイルやフローラルウォーター利用した食品、化粧品、医薬部外品やアロマテラピー関連製品の製造ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】減圧蒸留装置である。
【符号の説明】
１ 湯浴槽空炊防止装置
２ 温度計
３ 観察窓
４ 上蓋取手
５ 蒸発缶取手
６ 蒸発缶
７ 湯浴槽水位計
８ 湯浴槽
９ 湯浴槽ドレーンバルブ
１０ ヒーター
１１ 水封式真空ポンプ
１２ キャスター
１３ アジャスター
１４ リークバルブ
１５ 攪拌モーター
１６ 真空計
１７ 真空引口バルブ
１８ 真空ポンプ接続バルブ
１９ 真空ポンプ接続バルブ
２０ 一次トラップ接続口
２１ 湯浴槽給水バルブ
２２ 真空ポンプ給水バルブ
２３ 冷却器給水バルブ
２４ 逆止弁
２５ コールドトラップ
２６ トラップ水位計
２７ トラップドレーンバルブ
２８ 油水分離器
２９ 冷凍機
３０ 操作盤
３１ 総排水口
Claims (2)
- 柚子などの柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料として減圧蒸留法により得られる柑橘類エッセンシャルオイルやフローラルウォーター（芳香蒸留水）。
- 柑橘類の搾汁振動篩残渣をセルラーゼ、ペクチナーゼなどの酵素処理をすることによる効率的な抽出方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002177408A JP2004018737A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料とする精油抽出法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002177408A JP2004018737A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料とする精油抽出法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004018737A true JP2004018737A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31175449
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002177408A Pending JP2004018737A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 柑橘類の搾汁振動篩残渣を原料とする精油抽出法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004018737A (ja) |
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- 2002-06-18 JP JP2002177408A patent/JP2004018737A/ja active Pending
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