JP4107742B2 - ポケット縫着装置の布載置台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ポケットの型板上にポケット布を、布載置台上に身ごろ布をそれぞれ置き、型板上のポケット布を折り曲げて身ごろ布の上にセットした後、型板を抜き取る処理がなされるポケット縫着装置の布載置台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えばジーンズなどズボンの身ごろ布にポケットを縫い付けるポケット縫着装置が開発されている。
従来のポケット縫着装置について図1を参照して説明する。なお、図1は、本発明の実施の形態のポケット縫着装置1であるが、大部分は従来と同様の構成であるので、従来と同様の構成は従来技術の構成として同符号を付して説明する。
ポケット縫着装置は、通常、ポケット布Pの端を内側に折り込んで身ごろ布Mの上にセットする布合せ部2と、ポケット布Pがセットされた後に身ごろ布Mとポケット布Pを縫い合わせる縫製部9、並びに、ポケット布Pがセットされた身ごろ布Mを布合せ部2から縫製部9まで搬送する搬送装置8等を備えてなる。
【0003】
上記布合せ部2には、身ごろ布Mを置く布載置台30、ポケットの型板22、並びに、型板22をポケット布で包み込むようにポケット布Pを折り込む折り機21などが設けられている。そして、先ず、布載置台30の上方に型板22を離して折り機21によりポケット布Pを折り込み、折り込んだ状態で型板22と布載置台30とを近接させてポケット布Pを身ごろ布Mの上にセットする。セットしたら上述の搬送装置8の押え板81でポケット布Pの上から身ごろ布Mごと押え、その後、型板22を引き抜いてポケット布Pのセットが完了する。
なお、ポケット布Pを折り込む前に、身ごろ布Mとポケット布Pとを離す方式は、型板22を昇降可能とし、型板22を上昇させることで身ごろ布Mから型板22を離すタイプと、身ごろ布Mの置かれる布載置台30を下昇降可能とし、布載置台30の載置面を下降させることで、身ごろ布Mをポケット布Pから離すタイプとがある。
搬送装置8は、押え板81、搬送路83、この搬送路83上を移動する移動機構84等からなり、押え板81を搬送テーブルT上に押圧した状態で横にスライドさせることで、身ごろ布Mを搬送テーブルT上を滑らせて縫製部9まで搬送する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図12に示すように、ズボンの身ごろ布Mには、腰部に丸みをだすためにヨーク(別布)M2をズボン布M1に縫い合わせることがある。このヨークM2とズボン布M1との縫合部Zは、図12(b)に示すように、布が4重に重なり例えばジーンズなどの生地では段状に隆起する。
しかしながら、上記従来のポケット縫着装置では、ヨーク付きの身ごろ布Mにポケットを縫着する場合、型板22を抜く際に型板がヨークM2の縫合部Zに引っ掛かって、身ごろ布Mをずらしてしまうといった問題があった。
【0005】
この発明の目的は、上記実状に鑑み、ポケットの型板を引き抜く際に身ごろ布をずらすことなくスムーズに型板を引き抜くことの可能なポケット縫着装置の布載置台を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、ポケットの型板上にポケット布を、布載置台上に身ごろ布を、それぞれ置き、型板上のポケット布を折り曲げて身ごろ布の上にセットした後、型板を抜き取る処理を行うポケット縫着装置の布載置台において、身ごろ布の載置される載置面を2分割した内の一方で、身ごろ布のヨーク縫合部が載置される副載置面部と、身ごろ布の載置される載置面を2分割した内の他方で、身ごろ布とポケット布が載置される主載置面部と、前記主載置面部をエアー駆動により、最下点と、搬送テーブルと同じ高さの最上点とに上下動する第1昇降装置と、前記副載置面部をエアー駆動により、最下点と、中間点と、搬送テーブルと同じ高さの最上点とに上下動する第2昇降装置と、を備え、ヨークが縫合された身ごろ布を取り扱う場合、前記型板を抜き取るタイミングで、前記主載置面部の高さ位置を前記最上点に、前記副載置面部の高さ位置を前記主載置面部の高さ位置より低い前記中間点に位置させると共に、前記型板を抜き取ってからポケット布のセットされた身ごろ布を布載置台上を滑らせて次工程に送るまでの間に、前記副載置面部を前記最上点に位置させるように、前記第1昇降装置と前記第2昇降装置を制御する制御手段を備えた構成とした。
【0007】
この請求項1記載の発明によれば、型板上でポケット布を折り込む際に、布載置台を下降させて身ごろ布を型板の下方に離してポケット布を折り込めると云った前提構成に加え、身ごろ布の置かれる載置面が副載置面部と主載置面部とに2分割され、ポケット布を折り込んで型板を抜き取る際に副載置面部が主載置面部より低く設定されるので、ヨークと身ごろ布の縫合部が副載置面部の低い面に載って身ごろ布のポケットの部分より上方に突出するのを防止する。それゆえ、型板を抜く際に、型板がヨークと身ごろ布の縫合部に引っ掛かって身ごろ布をずらしてしまうといった不都合が回避される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のポケット縫着装置の布載置台において、前記型板を抜き取るタイミングにおける前記副載置面部の中間点を設定変更可能な調整手段を設けた構成とした。この請求項2記載の発明によれば、例えば布の種類や縫合部の重ね数が変わってヨークと身ごろ布の縫合部の突出量が変化しても、上記調整手段により突出量の変化に対応させて副載置面部の上昇位置を調整することが出来る。したがって、必要以上に副載置面部の身ごろ布が下がってしまったり、下がりかたが不十分であったりすることを回避できる。また、上記調整手段により、副載置面部の上昇位置を主載置面部の上昇位置と同位置まで設定変更できるようにすることで、身ごろ布の置かれる載置面(副載置面部と主載置面部)を同一平面にして、従来と同様の布載置台の動作を行わせることが出来る。このような設定は、例えばヨークをポケット縫着より後工程で縫合する縫製工程において、ポケット縫着時に身ごろ布にヨークの縫合部がない場合などに都合が良い。
【0009】
ここで、例えば、昇降手段が、副載置面部やその支持部材または昇降手段の駆動部にストッパーを当接させて副載置面部の上昇を停止させる構成であれば、上記調整手段は、ストッパーの位置を調整可能とする構造により構成できる。また、昇降手段が、副載置面部やその支持部材または昇降手段の駆動部の位置を検出してこの位置検出に基づき昇降手段の運動を停止させる構成であれば、上記調整手段は、位置検出する検出手段の位置を調整可能とする構造、又は、検出手段が複数設置されている場合には、昇降手段を停止させる検出手段を変更調整する制御回路などから構成できる。或いは、昇降手段が、例えばサーボモータなど駆動量を制御可能な駆動手段により構成した場合は、上記調整手段は、この駆動手段の駆動量を調整する制御回路などから構成可能である。
【0011】
また、副載置面部が基準高さより低い状態にあると副載置面部と基準高さのテーブルとの境に急激な段部が形成される。そして、この状態のまま身ごろ布を布載置台上を滑らせると、副載置面部の縁部で身ごろ布が引っ掛かり身ごろ布がずれてしまうことが考えられる。そこで、上記の請求項1記載の発明によれば、身ごろ布を布載置台上を滑らせて次工程に送るまでの間に、副載置面部を搬送テーブルとほぼ同位置まで上昇させるので、副載置面部の端で身ごろ布が引っ掛かると云ったことがなく、スムーズに身ごろ布を滑らして次工程に移すことが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図11の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態のポケット縫着装置1の全体構成を示す斜視図である。
この実施の形態のポケット縫着装置1は、ポケット布Pの端を内側に折り込んで身ごろ布Mの上にセットする布合せ部2と、ポケット布Pがセットされた後に身ごろ布Mとポケット布Pを縫い合わせる縫製部9、並びに、ポケット布Pがセットされた身ごろ布Mを布合せ部2から縫製部9まで搬送する搬送装置8等を備えてなる。
【0013】
搬送装置8は、押え板81、搬送路83、この搬送路83上を移動する移動機構84等からなり、押え板81を搬送テーブルT上に押圧した状態で横にスライドさせることで、身ごろ布Mを搬送テーブルT上を滑らせて縫製部9まで搬送する。搬送装置8には、押え板81を昇降させる昇降アクチュエータ82(図5参照)や、移動機構84を搬送路83に沿って移動させるための駆動モータ84Aなどが備わっている。
【0014】
図2は布載置台30の昇降機構を示す側面図、図3は布載置台30を上方から眺めた平面図である。図4は、布合せ部2の構成を示す側面図である。
布合せ部2は、本発明の特徴をなす布載置台30や、ポケットの型板22、並びに、型板22をポケット布Pで包み込むようにポケット布Pを折り込む折り機21などが設けられている。
【0015】
布載置台30は、ポケットを付ける身ごろ布Mをセットする台であり、図2と図3にも示すように、身ごろ布Mの腰部(ヨーク(別布)M2の部分)が載置される副テーブル41と、身ごろ布Mの尻部から脚部に掛けた部分が載置される主テーブル31とに2分割されている。これら主テーブル31と副テーブル41の上面が、それぞれ主載置面部31Aと副載置面部41Aとを構成している。
主テーブル31の下側には、主テーブル31を昇降させる昇降装置34,34や、身ごろ布Mを保持するために主テーブル31の布吸引孔37a,37aからエアー吸引する吸引装置37、ポケット布Pを折り込む際に主テーブル31を突き抜けて型板22に当接することで型板22の高さ位置を固定する型板ストッパ38…および型板22を支持するサポートピン39などが設けられている。
【0016】
昇降装置34,34は、主テーブル昇降制御弁34A(図5)の開閉によりエアが送られて、プランジャ軸34a,34aを押し上げるようになっている。即ち、エアが送られないときは主テーブル31が自重により下降してストッパー36…に当接して支持される一方、エアが送られるとストッパー35,35がブラケット33に当接するまでプランジャ軸34a,34aが上昇し、この上昇により主テーブル31が押し上げられる。
主テーブル31は、上記昇降装置34,34により上下動し、最下点と最上点(搬送テーブルTと同高さ)との2つの高さで停止可能になっている。また、ストッパー36,36の位置を調整することで主テーブル31の最下点の位置が、ストッパー35,35の位置を調整することで主テーブル31の最上点の位置が、それぞれ調整できる。
【0017】
副テーブル41の下側には、副テーブル41を昇降させる昇降装置44が備わっている。昇降装置44は、2系統のエアーシリンダ44X,44Yの底面を固定して、垂直方向に立設したものである。そして、副テーブル第1昇降制御弁44Aと副テーブル第2昇降制御弁44Bとのそれぞれの開閉により、2系統のエアーシリンダ44X,44Yにそれぞれエアが送られて、2段階で副テーブル41を押し上げるようになっている。プランジャ軸44a,44aは、第1系統のエアーシリンダ44Xにエアが送られることで上昇し、ストッパー46,46がブラケット33に当接することで上昇が停止されるようになっている。また、プランジャ軸44bは、第2系統のエアシリンダ44Yにエアが送られることで上昇し、第2系統のエアシリンダ44Yに取り付けられた高さ調節ボルト47bが機枠に固定されたストッパ47bに当接することで、所定移動量で停止されるようになっている。また、両方のエアシリンダにエアが送られていない場合には、副テーブル41が自重により降下してストッパー49,49に当接して支持される。
【0018】
すなわち、副テーブル41は、上記昇降装置44により上下動し、最下点と中間点および最上点(搬送テーブルTと同高さ)との3つの高さで停止可能になっている。また、ストッパー49,49の位置を調整することで副テーブル41の最下点の位置が、ストッパー46,46の位置を調整することで副テーブル41の中間点の位置が、高さ調節ボルト47bの位置を調整することで副テーブル41の最上点の位置が、それぞれ調整できる。これらの内、ストッパー46,46が、型板22を抜き取るタイミングにおける副載置面部41Aの高さ位置を設定変更可能な調整手段を構成する。
【0019】
型板22は、ポケットの型となるものであり、機枠に対して水平方向に移動可能なベースブラケット28と、支点23aを中心に回動可能に固定されたブラケット23を介して設置されている。そして、エアシリンダ24の駆動により支点23aを中心に上下動すると共に、型板アクチュエータ25の駆動により水平移動可能になっている。エアシリンダ24は布合せ機昇降弁24Aの制御により駆動する。
折り機21は、ブラケット91、支点91bを中心に回動可能に固定されたアーム21aを介して取り付けられており、エアシリンダ26の駆動により支点91bを中心に上下動し、型板22上に降下したり型板22から上方に離れたりする。折り機21には、図示略の複数の折り込み板が設けられており、これら折り込み板が折り込み板アクチュエータ27の駆動により作動して、型板22上のポケット布Pを型板22を包み込むように内側に折り込むようになっている。これら折り機21の構成は従来と同様のものである。
【0020】
図5には、本発明に係るポケット縫着装置1の回路構成の要部を示すブロック図である。
ポケット縫着装置1には、少なくとも布合せ部2と搬送装置8とを一括的に制御する制御回路60が設けられている。この制御回路60には、CPU(Central Processing Unit )61、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)63、I/Oインターフェース64、上述した布合せ部2や搬送装置8の各駆動部を制御するドライバ回路(主テーブルドライバ65、副テーブルドライバ66、型板ドライバ67、折り機ドライバ68、搬送ドライバ69)が設けられている。そして、上記CPU61により、RAM62中の所定領域を作業領域として、ROM63中に記憶された制御データや制御プログラムに従って、制御回路に接続された各駆動部ならびにエアー流路を開閉する制御弁の駆動制御や、各スイッチ(セット終了スイッチ▲1▼71、セット終了スイッチ▲2▼72)や各センサ類からの信号入力処理が行われる。
【0021】
次に、上記構成のポケット縫着装置1の処理動作について説明する。
先ず、その概要を説明する。
処理開始前には、型板22が1段上がった位置に、布載置台30の主テーブル31と副テーブル41は最上点の基準位置まで上がった状態にある。この状態において作業者は身ごろ布Mを布載置台30の載置面上に、ポケット布Pを型板22上にセットする。そして、セットし終わったらセット終了スイッチ▲1▼71とセット終了スイッチ▲2▼72をオン操作する。
これらスイッチ操作が行われると、先ず、布載置台30(主テーブル31、副テーブル41)が大きく下がり、型板22と布載置台30の間が大きく開けられる。そして、折り機21が型板22上に降りてきて折り込み板を作動し、それによりポケット布Pが型板22を包み込むようにポケット布Pが型板22に沿って折り込まれる。
【0022】
型板22上でポケット布Pが折り込まれたら、布載置台30が上昇して主テーブル31に型板22が押圧した状態となる。その後、折り機21が型板22上から上方に退避し、更に、押え板81が型板22上に移動した後、上から型板22を押圧する。
押え板81により押圧されると、次に、型板22が奥方に引かれ、ポケット布Pから型板22が引き抜かれる。型板22が引き抜かれたら、搬送装置8の移動機構84が横に移動して、押え板81の押圧によりポケット布Pがセットされた身ごろ布Mが縫製部9に搬送される。そして、縫製部9によりポケット布Pと身ごろ布Mの縫着が行われる。
【0023】
次に、処理動作の詳細を説明する。
図6は、ヨークM2付きの身ごろ布Mを処理する場合の布載置台30の上昇位置を説明する側方図である。図7は、ヨーク無しの身ごろ布M0を処理する場合の布載置台30の上昇位置を説明する側方図である。
型板22が引き抜かれるタイミングにおける布載置台30の上昇位置は、身ごろ布Mの種類やヨークM2の有る無しなどにより変更調整される。
ヨークM2が縫合された身ごろ布Mを取り扱う場合、図6に示すように、型板22が引き抜かれるタイミングにおいて、副テーブル41を一段下げた位置(中間点の位置)にして、ヨークM2とズボン布M1の縫合部Zのでっぱりを低くする。好ましくは、このでっぱりを主テーブル31の上面よりも低い位置にもっていく。この副テーブル41の位置は、昇降装置44のストッパー46,46(図2)の位置を調整することで設定変更可能である。
一方、ヨークが付けられてない身ごろ布M0などある程度フラットなものを扱う場合、図7に示すように、副テーブル41と主テーブル31とは同じ高さに保つことで従来と同様の処理を実現する。この副テーブル41の位置は、ストッパー46,46の位置を調整したり、制御回路60の制御プログラムを変更することで設定可能である。
【0024】
以下、ヨークM2が縫合された身ごろ布Mを取り扱う場合の処理手順を、図8〜図11の図面を参照しながら詳述する。
図8と図9は、上記処理手順の流れを示すフローチャートである。図10と図11は、上記処理手順を説明する布載置台30の側方図である。
ステップS1〜ステップS3において、先ず、作業者により身ごろ布Mを布載置台30の載置面に、ポケット布Pを型板22上にセットし(図10(a)の状態)、その後、セット終了スイッチ▲1▼71とセット終了スイッチ▲2▼72を同時にオン操作する。
これらオン操作により、制御回路60のROM63中に記憶された布合せ処理のプログラムが進行されステップS4に移行する。
【0025】
ステップS4〜S6では、制御回路60の制御により、布合せ機昇降弁24Aとや折り機昇降制御弁26Aが作動され、型板22が基準面u(図10)上まで降下し、更に、折り機21が型板22上まで降下する。そして、ステップS7に移行する。
ステップS7では、主テーブル昇降制御弁34Aと副テーブル第1昇降制御弁44A、および、副テーブル第2昇降制御弁44Bが作動され、主テーブル31と副テーブル41が最下点まで降下する。つまり、この処理により、型板22から布載置台30の載置面までの間隔が開く。そして、ステップS8に移行する。
【0026】
ステップS8では、折り機21の折り込み板を作動させて型板22に沿ってポケット布Pを折り込み(図10(b)の状態)ステップS9に移行する。ステップS9では、主テーブル31を最上点(基準面uの位置)まで上昇させ、次いで、ステップS10で副テーブル41を1段あげて中間点まで上昇させる(図10(c)の状態)。それにより、型板22の下側に折り込まれたポケット布Pが型板22と布載置台30とに挟まれた状態になる。そして、ステップS11に移行する。
【0027】
ステップS11では、制御回路60の制御により主テーブル31と副テーブル41を上昇させているエアシリンダの圧力を下げ、型板22と主テーブル31との押圧力を一旦減圧する。その後、ステップS12とステップS13において折り機21の折り込み板を戻して待機状態に戻し、ステップS14に移行する。
ステップS14では、再び、主テーブル31と副テーブル41を上昇させているエアシリンダの圧力を上げ、型板22と主テーブル31との押圧力を昇圧する。その後、ステップS15で折り機21を上昇させて折り機21を待機位置に戻し、ステップS16に移行する。
【0028】
ステップS16〜ステップS18では、搬送装置8を作動させて、押え板81を型板22の上方まで移動させた後、押え板81(布押え小と布押え大)を下降させてポケット布Pを挟み型板22を押圧する。そして、ステップS19に移行する。
ステップS19では、型板アクチュエータ25を駆動させて、型板22をポケット布Pから引き抜く(図10(d))。型板22が抜かれると、押え板81と主テーブル31との押圧によりポケット布Pと身ごろ布Mが挟まれた状態で押圧される。その後、ステップS20で型板22を上昇して退避位置まで戻し、ステップS21に移行する。
【0029】
ステップS21では、副テーブル41を最上点まで上昇させる。この上昇により副テーブル41の上面と主テーブル31の上面および搬送テーブルTの上面が同一高さになる(図11(e)の状態)。そして、ステップS22に移行する。ステップS22では、搬送装置8を駆動して押え板81を縫製部9へ移動させることで、ポケット布Pのセットされた身ごろ布Mを搬送テーブルT上を滑らせて縫製部9まで搬送する(図11(f)の状態)。
そして、ステップS23に移行し、該ステップで型板22を前進させて初期位置に戻して1サイクルの布合せ処理が完了する。
【0030】
以上のように、この実施の形態のポケット縫着装置1の布載置台30によれば、身ごろ布Mの置かれる載置面が副テーブル41の副載置面部41Aと主テーブル31の主載置面部31Aとに2分割され、ポケット布Pを折り込んで型板22を抜き取る際に副載置面部41Aが主載置面部31Aより低く設定可能なるので、ヨークM2とズボン布M1の縫合部Zが副載置面部41Aの低い面に載って身ごろ布Mのポケットの部分より上方に突出するのを防止する。それゆえ、型板22を抜く際に、型板22がヨークM2とズボン布M1の縫合部Zに引っ掛かって身ごろ布Mをずらしてしまうといった不都合が回避される。
【0031】
また、例えば布の種類や縫合部の重ね数が変わってヨークM2とズボン布M1の縫合部Zの突出量が変化しても、昇降装置44のストッパー46,46の位置を調整することで、上記突出量の変化に対応させて副テーブル41の副載置面部41Aの上昇位置を調整することが出来るので、必要以上に副載置面部41A上の身ごろ布Mが下がってしまったり、下がりかたが不十分であったりすることを回避できる。
また、型板22を引き抜く際に、副テーブル41の上昇位置を主テーブル31の上昇位置と同位置に設定することで、身ごろ布Mの置かれる載置面を同一平面にして、従来と同様の布載置台の動作を行わせることが出来る。
【0032】
また、副テーブル41が基準面uの高さ(搬送テーブルTの上面高さ)より低い状態にあると副テーブル41と搬送テーブルTとの境に急激な段部が形成される。そして、この状態のまま身ごろ布Mを布載置台30上を滑らせると、副テーブル41の縁部で身ごろ布Mが引っ掛かり身ごろ布Mがずれてしまうことが考えられる。
そこで、身ごろ布Mを布載置台30上を滑らせて次工程に送る際に、型板22を引き抜く際に1段下がっていた副テーブル41を主テーブル31と同位置まで上昇させるので、副テーブル41の端で身ごろ布Mを引っ掛かけてずらしてしまうと云った不都合が防止され、スムーズに身ごろ布Mを滑らして次工程に移すことが出来る。
【0033】
なお、本発明は、この実施の形態のポケット縫着装置1の布載置台30に限られるものでなく、例えば、副載置面部と主載置面部とを分割する分割ラインは曲線状でも良いし、分割する割合もどのような割合でも良い。また、布載置台を昇降させる昇降手段や、副載置面部の昇降位置を調整する調整手段などは、この実施の形態に示した具体例に限られず、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、身ごろ布の置かれる載置面が副載置面部と主載置面部とに2分割され、ポケット布を折り込んで型板を抜き取る際に副載置面部が主載置面部より低く設定されるので、ヨークと身ごろ布の縫合部が副載置面部の低い面に載って身ごろ布のポケットの部分より上方に突出するのを防止する。それゆえ、型板を抜く際に、型板がヨークと身ごろ布の縫合部に引っ掛かって身ごろ布をずらしてしまうといった不都合が回避される。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、例えば布の種類や縫合部の重ね数が変わってヨークと身ごろ布の縫合部の突出量が変化しても、上記調整手段により突出量の変化に対応させて副載置面部の上昇位置を調整することが出来るので、必要以上に副載置面部の身ごろ布が下がってしまったり、下がりかたが不十分であったりすることを回避できる。
また、副載置面部の上昇位置を主載置面部の上昇位置と同位置に設定することで、身ごろ布の置かれる載置面(副載置面部と主載置面部)を同一平面にして、従来と同様の布載置台の動作を行わせることが出来る。
【0036】
また、上記の請求項1記載の発明によれば、身ごろ布を布載置台上を滑らせて次工程に送る際に、副載置面部が搬送テーブルとほぼ同位置まで上昇するので、副載置面部の端で身ごろ布を引っ掛かけてしまうと云った不都合が防止され、スムーズに身ごろ布を滑らして次工程に移すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のポケット縫着装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の布載置台の昇降装置を示す側面図である。
【図3】同、布載置台を上方から眺めた平面図である。
【図4】ポケット布の端を内側に折り込んで身ごろ布の上にセットする布合せ部の構成を示す側面図である。
【図5】図1のポケット縫着装置の回路構成を示すブロック図である。
【図6】同、ポケット縫着装置において、ヨーク付きの身ごろ布を処理する場合の布載置台の上昇位置を説明する側方図である。
【図7】同、ポケット縫着装置において、ヨーク無しの身ごろ布を処理する場合の布載置台の上昇位置を説明する側方図である。
【図8】ポケット布の端を内側に折り込んで身ごろ布の上にセットし、その後、この身ごろ布を縫製部に送るまでの処理の流れの前半部を示すフローチャートである。
【図9】同、処理の流れの後半部を示すフローチャートである。
【図10】同、処理の流れの前半部を説明する布載置台の側方図である。
【図11】同、処理の流れの後半部を説明する布載置台の側方図である。
【図12】ポケットが縫着されるズボンの後部を示すもので、(a)はその平面図、(b)はヨークの縫合部を示す(a)の矢印A−A線断面図である。
【符号の説明】
1 ポケット縫着装置
8 搬送装置
9 縫製部
21 折り機
22 型板
30 布載置台
31 主テーブル
31A 主載置面部
34 昇降装置
41 副テーブル
41A 副載置面部
44 昇降装置
46,46 ストッパ(調節手段)
60 制御回路(制御手段)
81 押え板
Claims (2)
- ポケットの型板上にポケット布を、布載置台上に身ごろ布を、それぞれ置き、型板上のポケット布を折り曲げて身ごろ布の上にセットした後、型板を抜き取る処理を行うポケット縫着装置の布載置台において、
身ごろ布の載置される載置面を2分割した内の一方で、身ごろ布のヨーク縫合部が載置される副載置面部と、
身ごろ布の載置される載置面を2分割した内の他方で、身ごろ布とポケット布が載置される主載置面部と、
前記主載置面部をエアー駆動により、最下点と、搬送テーブルと同じ高さの最上点とに上下動する第1昇降装置と、
前記副載置面部をエアー駆動により、最下点と、中間点と、搬送テーブルと同じ高さの最上点とに上下動する第2昇降装置と、を備え、
ヨークが縫合された身ごろ布を取り扱う場合、
前記型板を抜き取るタイミングで、前記主載置面部の高さ位置を前記最上点に、前記副載置面部の高さ位置を前記主載置面部の高さ位置より低い前記中間点に位置させると共に、
前記型板を抜き取ってからポケット布のセットされた身ごろ布を布載置台上を滑らせて次工程に送るまでの間に、前記副載置面部を前記最上点に位置させるように、前記第1昇降装置と前記第2昇降装置を制御する制御手段を備えたことを特徴とするポケット縫着装置の布載置台。 - 前記型板を抜き取るタイミングにおける前記副載置面部の中間点を設定変更可能な調整手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のポケット縫着装置の布載置台。
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