JP4098431B2 - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製法 Download PDF

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    • B01J31/06Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing organic compounds or metal hydrides containing polymers
    • B01J31/08Ion-exchange resins

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製法に関し、詳しくは(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを原料として使用し、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを工業的に有利に製造し得る様に改善された製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、塩化第二鉄、水酸化鉄などの鉄化合物;塩化クロム、アセチルアセトンクロムなどのクロム化合物;トリアルキルアミン類、ピリジンなどのアミン化合物の如き均一系触媒の存在下で、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させることによって得られることが知られている。ところがこれらの均一系触媒は、反応液からの触媒の分離が難しく、触媒の再使用が困難で経済性を欠く。
【0003】
またこれらの触媒は、生成するエステルの重合を促進する作用も有しているため、蒸留系に触媒が持ち込まれることによって蒸留ボトム液が重合したりゲル化を起こし、装置閉塞などのトラブルが発生する。
【0004】
そこでこれらの問題を解決するため、不均一系触媒としてアニオン交換樹脂を使用する方法が提案されている。例えば特公昭41−13019号公報には、イオン活性基の大部分が4級アンモニウム基であるイオン交換樹脂を触媒として使用する方法が開示されている。ここで用いられる代表的なイオン交換樹脂として、「ダイヤイオンRSA10A」(三菱化学社製のスチレン系アニオン交換樹脂)、「アンバーライトIRA−400」(ローム&ハース社製のスチレン系アニオン交換樹脂)が挙げられる。
【0005】
また特開平4−49265号公報には、アクリル主鎖を有する強塩基マクロ多孔質アニオン交換樹脂を触媒として使用する方法が開示されている。ここで用いられる代表的なイオン交換樹脂としては、「アンバーライトIRA−958」(ローム&ハース社製のアニオン交換樹脂)や「レバチットAP−247−A」(バイエル社製のアニオン交換樹脂)が挙げられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述した様な公知のスチレン系、或いはアクリル系アニオン交換樹脂には次の様な欠点が指摘される。
【0007】
即ち、トリメチルアンモニウム基を有する前記アニオン交換樹脂が耐熱性に劣ることはよく知られたことであり、これらの樹脂の使用可能な最高温度は50〜70℃程度とされている。一方、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを工業的に製造する際の好適反応温度は50℃以上であり、反応速度を高めて反応収率を高めるにはできるだけ高い反応温度を採用することが望まれるため、熱安定性を欠く上記イオン交換樹脂は触媒として有効に活用できない。
【0008】
具体的に説明すると上記アニオン交換樹脂は、高温の反応条件下で、反応の活性基として作用するトリメチルアンモニウム基の脱離が起こり易く、反応時間の経過に伴って触媒活性が急激に低下してくる。しかも、反応生成物中にアニオン交換樹脂由来のトリメチルアミンが混入して汚染され、最終製品の色調悪化などの問題を引き起こす。
【0009】
そこで上記アニオン交換樹脂の耐熱性を高めるため、ポリメチレン鎖を介してベンゼン環とアンモニウム基を結合させたアニオン交換体が提案されている(特開平4−349941号公報)。
【0010】
他方、ポリアルキレン鎖がエチレン鎖である場合はホフマン分解(トリメチルアミンの脱離反応)を起こし易く、また、該ホフマン分解を抑制するためα位にジメチル基を導入した1,1−ジメチルエチレン鎖では、α位の両メチル基の立体障害によりアニオン交換基の熱安定性が劣化することも報告されている[J.Appl.Polym.Sci.,8.1659(1964)]。
【0011】
即ち公知のイオン交換樹脂を触媒として使用する方法では、イオン交換樹脂の化学的もしくは熱的安定性が劣るため、結局のところ、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとからヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを工業的に効率よく製造することはできない。
【0012】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、熱的・化学的安定性の優れた特定のアニオン交換樹脂を触媒として使用することにより上記従来技術の問題点を解消し、蒸留ボトムの性状悪化等を招くことなく、効率的かつ経済的にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造することのできる方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明にかかる製法とは、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するに当たり、触媒として下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を構成要素として含むアニオン交換樹脂を使用するところに要旨を有している。
【0014】
【化2】
Figure 0004098431
【0015】
(式中、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基を表わし、R1,R2,R3は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基またはアルカノール基を表わし、X-はアンモニウム基に配位した対イオンを表わす。また、アンモニウム基を有する置換基は、ベンゼン環のどの位置に置換されていてもよく、該ベンゼン環はアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい)。
【0016】
本発明で触媒としてアニオン交換樹脂の中でも特に好ましいのは、上記一般式(1)で表わされる繰返し単位中、Aがブチレン基であるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
上記の様に本発明では、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を構成要素として含むアニオン交換樹脂を触媒として使用するところに特徴を有するもので、前記一般式(1)で示される如く、イオン交換基とベンゼン環との間に直鎖状アルキレン鎖を導入することにより、従来のアニオン交換樹脂に指摘される耐熱性不良の問題を解消し、比較的高い反応温度を採用した場合でも、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを効率よく反応させることができ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく製造可能にしたものである。
【0018】
本発明で用いられる前記一般式(1)の繰り返し単位を含むアニオン交換樹脂は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応系(反応原料および反応生成物)に不溶性の重合体であり、該一般式中のAは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基である。
【0019】
イオン交換基に結合した該Aは、イオン交換樹脂の耐熱性を高めるのに必須の要素であり、Aのアルキレン鎖が上記範囲を超えると、一般式(1)で表わされる構成単位の分子量が過大となり、単位重量当たりのイオン交換容量が減少することになって触媒としての作用が低くなる。従ってAが直鎖状アルキレン基の場合は、炭素数が8以下、より好ましくは6以下に抑えるべきである。但し、該アルキレン基が炭素数2以下のエチレン基やメチレン基である場合は、耐熱性不足となって触媒として満足な活性持続性が得られなくなるので、直鎖状アルキレンとしては炭素数が3以上のものを使用しなければならない。該アルキレン鎖の中でも特に好ましい具体例は、プロピレン鎖、ブチレン鎖、ペンチレン鎖である。
【0020】
イオン交換基を有する該アルキレン基は、ベンゼン環のどの位置に置換されていてもよい。また上記一般式(1)におけるベンゼン環には、アルキル基やハロゲン原子が置換されていてもよく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基などが、またハロゲンとしては塩素、臭素、沃素など挙げられる。
【0021】
アニオン交換基を示すR1、R2,R3は、炭素数1〜4のアルキル基、あるいはヒドロキシエチル基等のアルカノール基であり、これらの基は置換基として水酸基を有するものであっても良い。これらの基は、夫々異なるものであってもよいし、一部もしくは全部が同じ基であっても構わないが、中でも特に好ましいのは全てが炭素数1のメチル基であるトリメチルアンモニウム基である。
【0022】
一般式(1)中のX-は、イオン交換基として作用する上記アンモニウム基に配位して対イオンを構成するもので、対イオンの型は特に限定されるものではなく、Cl―等のハロゲン型、OH型、アルコレート(RO―)型など何れであっても構わないが、好ましいのは、本発明を実施する際に用いる反応原料である(メタ)アクリル酸、及び/又は反応生成物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの塩型である。
【0023】
上記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を構成要素として含むアニオン交換樹脂は、様々の方法によって合成することができ、その製法自体は本発明を制限するものではないが、例えば特開平4−349941号公報に記載された様な方法が挙げられる。
【0024】
即ち、一般式(1)で表わされる構造単位を有する共重合成分は、不飽和炭化水素含有架橋性単量体、及び必要に応じて第三の不飽和炭化水素含有単量体との共重合により製造することができる。この不飽和炭化水素含有架橋性単量体(即ち、2個以上のラジカル重合活性なエチレン性不飽和二重結合を有する単量体)は、反応系(反応原料および反応生成物)に不溶性の架橋重合体として得るための必須成分であり、かかる単量体としては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、アルキルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、触媒として実用化する際の物理的強度を維持するには、これらの架橋性単量体を全単量体中に占める比率で0.1〜50重量%、より好ましくは0.5重量%以上、25重量%以下の範囲で含有させることが望ましい。
【0025】
第三の成分として用いられる不飽和炭化水素含有単量体としては、例えば、スチレン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル等が、イオン交換樹脂に求められる前記機能を損なわない範囲で共重合できるが、それらの含有率は、重合性単量体中に占める比率で50重量%以下、より好ましくは20重量%以下に抑えるべきである。
【0026】
本発明で触媒として用いられる該アニオン交換樹脂は、公知の方法で様々の形状・サイズに成形でき、触媒としての機能を有効に発揮させる上で好ましいサイズ・形状は100μm〜10mmの粒状であるが、必要により塊状、粉末状、繊維状、膜状などに成形して使用することもできる。その例として、イオン交換膜やイオン交換繊維が挙げられる。
【0027】
この触媒を用いて(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドからヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する反応は、攪拌回分式反応器または固定床もしくは流動床反応器等を用いて行なうことができ、反応方式もバッチ式および連続式の如何を問わない。
【0028】
この合成反応に使用されるアルキレンオキシドは、炭素数が好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4のアルキレンオキシドであり、代表例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられる。
アルキレンオキシドは(メタ)アクリル酸に対して当モル以上、好ましくは1.0〜5.0倍モルの範囲で用いられ、この反応は通常50〜130℃、好ましくは50〜100℃の温度範囲で行われる。反応温度が50℃未満では、反応速度が遅すぎて実際的でなくなり、また130℃を超える高温になると、反応原料や反応生成物が重合反応を起こし易くなるので好ましくない。
【0029】
この合成反応は通常加圧下に液状で行われ、該圧力は反応混合物を液相に保つのに十分な圧力を採用することが望ましい。また反応を行う際の雰囲気条件は特に制限されないが、窒素などの不活性雰囲気で行うのがよい。
この反応に際し、(メタ)アクリレートの重合を防止する目的で通常は重合防止剤が使用されるが、その種類にも格別の制限はなく、この種の反応に一般に用いられる重合防止剤を適宜選択して使用すればよい。
【0030】
その代表例としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅などが例示される。該重合防止剤の使用量は、通常(メタ)アクリル酸に対して0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上で、1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。また、この反応は溶剤の存在下に行うこともでき、溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、石油エ−テルなど、上記反応に不活性の溶剤が適宜選択して使用される。
【0031】
そして本発明では、これらの反応系に、触媒として前記(1)で表わされる繰り返し単位を構成要素として含有するアニオン交換樹脂を共存させることにより、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを高い収率で効率よく得ることができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0033】
尚、下記実施例、比較例において、meq/gは乾燥樹脂量当りの交換容量(ミリ当量)を示し、また、アニオン交換樹脂の交換容量は、ダイヤイオンマニュアル(三菱化学発行)に従って測定した。比較例1のアニオン交換樹脂としては、三菱化学社製の「ダイヤイオンSAlOA」を使用し、反応原料である(メタ)アクリル酸の転化率および耐熱試験後の残存率は下記式によって求めた。
【0034】
転化率(%)=[消費された(メタ)アクリル酸のモル数/供給した(メタ)アクリル酸のモル数]×100
残存率(%)=[耐熱試験後の中性塩分解量(meq/ml)×試験後のCl型樹脂の体積]/[耐熱試験前の中性塩分解量(meq/ml)×試験前のCl型樹脂の体積]×100。
【0035】
製造例1
(ω−ハロゲノアルキルスチレンの合成)
クロルメチルスチレン100gを、窒素置換したジエチルエーテル中で金属マグネシウムと攪拌下に0℃で3時間保持し、マグネシウム複合体とした。溶媒を窒素置換したテトラヒドロフランと置換した後、0℃で1,3−ジブロモプロパンとLi2CuCl4を滴下し、0℃に保って5時間反応を続けた後、得られた生成物を蒸留により分取した。
【0036】
4−(4−ブロモブチル)スチレン(以下、4−ブロモブチルスチレンと略記する)は0.3torr、120℃で得られ、原料クロルメチルスチレンを基準とする収率は35%であった。4−ブロモブチルスチレンの同定は、「ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション、第20巻、1982年、3015頁」に記載されたNMR法によって行なった。
【0037】
(架橋化ω−ハロゲノアルキルスチレンの合成)
上記で得た4−ブロモブチルスチレン92.7重量部と、工業グレードのジビニルベンゼン(純度55%、残りの主成分はエチルビニルベンゼン)7.3重量部に、1.0重量部のアゾビスイソブチロニトリルを加え、窒素雰囲気下に70℃18時間保持する懸濁重合法によりポリマービーズを90%の収率で得た。
【0038】
(アニオン交換体の合成)
上記で得た架橋化4−ブロモブチルスチレン100重量部をジオキサン300重量部中に懸濁させ、2時間攪拌して膨潤させた。次いで、ブロモ基に対して3モル当量のトリメチルアミンを滴下し、懸濁液を50℃で10時間反応させた。得られたアニオン交換体を脱塩水で十分に洗浄した後、塩型をクロル型に変換し、下記特性のアニオン交換樹脂を得た。
・中性塩分解容量:1.10meq/ml(3.65meq/g)
・水分含有量 :54.1%
・膨潤度 :3.32ml/g
なお上記一般性能の測定は「本田ら編著、イオン交換樹脂、廣川書店、17〜56頁」に記載の方法によって行なった。
【0039】
比較剤1
比較剤1として用いた「ダイヤイオンSA10A(三菱化学社製のアニオン交換樹脂)」の性能は下記の通りである。
・中性塩分解容量:1.37meq/ml
・水分含有量 :45.4%
尚、ダイヤイオンSA10Aは、下記化学式で示される繰返し単位を構成要素として含むアニオン交換樹脂である。
【0040】
【化3】
Figure 0004098431
【0041】
[アニオン交換樹脂の耐熱試験1]
前記製造例1で得たアニオン交換樹脂または比較剤1の樹脂50mlを秤り取った。この樹脂を500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通液して再生し、体積を測定した。これを、脱塩水中で以下の耐熱性試験に供した。
【0042】
一方この再生型樹脂に、樹脂量の10倍量の60%エチレングリコール(EG)水溶液、又は100%EG水溶液を通液し、樹脂をEG溶液で置換した。脱塩水またはEG溶液で置換した各樹脂をガラス製オートクレーブ管に入れ、OH型樹脂の体積に対し0.8倍量の脱塩水を加え、容器内の溶存酸素を除去するため、50℃に加温した状態で窒素ガスを30分間通じた。
【0043】
このオートクレーブ管をオイルバスに浸し、表1,2に示す温度で30日間または90日間静置した。耐熱試験後、樹脂を500m1の2N水酸化ナトリウム水溶液で再生し、樹脂の体積を測定した。更に、5倍量の4%塩化ナトリウム水溶液を通液し、対イオンX-をCl型に変換してから、該樹脂の体積と一般性能を測定した。結果を表1,2に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004098431
【0045】
【表2】
Figure 0004098431
【0046】
製造例2
上記製造例1におけるω−ハロゲノアルキルスチレンの合成において、1,3−ジブロモプロパンに代えて1,6−ジブロモヘキサンを使用した以外は製造例1と同様の方法でアニオン交換樹脂を得た(前記一般式(1)におけるAの炭素数が7の例)。
・交換容量 :1.16meq/ml
・水分含有量:44.1%
なお、中間体である7−ブロモヘプチルスチレンは、0.4torr,120℃の条件で蒸留分取された。
【0047】
比較例2
上記製造例1におけるω−ハロゲノアルキルスチレンの合成において、1,3−ジブロモプロパンに代えて1,9−ジブロモノナンを使用した以外は製造例1と同様の方法でアニオン交換樹脂を得た(前記一般式(1)におけるAの炭素数が10の例)。
・交換容量 :0.91meq/ml
・水分含有量:40.3%
なお、中間体である10−ブロモデシルスチレンは、0.2torr,130℃の条件で蒸留分取された。
【0048】
実施例1
内径10mm、長さ5000mmのステンレス製反応管に、上記製造例1で得たアニオン交換樹脂を390ml(水膨潤状態)充填し、反応管の両端には樹脂が系外へ流出しない様に金属製の金網を設置した。またこの反応管の上端(反応管出口側)には、反応管内の圧力を約1MPaに保つ様に背圧弁を設置し、この反応管を70℃のオイルバスに浸漬した。
【0049】
次にこの反応管の下端側から、毎時、アクリル酸:235g、エチレンオキシド:145g、ハイドロキノンモノメチルエーテル:2gよりなる混合液を連続的に導入した。反応管の出口側液組成が一定となるまで通液を続けた後、この反応管の出口から流出する反応生成物を分析したところ、アクリル酸の69%が2−ヒドロキシエチルアクリレートに転化していることが確認され、この反応管の出口留出液に着色は認められなかった。
【0050】
実施例2
ステンレスチューブの反応管に充填する樹脂として、製造例1の樹脂に代えて製造例2の樹脂を使用した以外は実施例1と同様の操作を行なった。反応管(ステンレスチューブ)の出口から流出する反応生成物を分析したところ、アクリル酸の63%が2−ヒドロキシエチルアクリレートに転化していることが確認された。該反応管の出口留出液に着色は認められなかった。
【0051】
比較例1
反応管に充填する樹脂を、比較剤1の樹脂に代えた以外は上記実施例1と同様の実験を行った。そして、反応管の出口から流出する反応生成物を分析したところ、アクリル酸の2−ヒドロキシエチルアクリレートへの転化率は58%で、実施例1に比べて低く、しかも該反応管の出口留出液には若干の着色(黄色)が認められた。
【0052】
比較例2
ステンレスチューブの反応管に充填する樹脂を、比較剤2の樹脂に代えた以外は上記実施例1と同様の実験を行った。そして、反応器(ステンレスチューブ)の出口から流出する反応生成物を分析したところ、アクリル酸の2−ヒドロキシエチルアクリレートへの転化率は49%で、実施例1に比べて低かった。但し、該反応管の出口留出液に着色は認められなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、反応系(反応原料および反応生成物)に不溶性の架橋重合体からなるアニオン交換樹脂を触媒として使用するので、反応生成物と触媒の分離が容易となり、触媒の蒸留工程への持ち込みによる蒸留ボトム液の性状悪化等を効果的に防止しつつ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく製造できる。
【0054】
特に本発明で触媒として用いられるアニオン交換樹脂は熱的、化学的に安定であるので、従来のアニオン交換樹脂を触媒として使用した場合に見られる官能基などの脱離による製品の着色といった問題を引き起こすこともない。
【0055】
また該アニオン交換樹脂は、高温条件下においても長期的に安定で、且つ反応系(反応原料および反応生成物)に不溶性であるので、反応生成物からの分離が容易であり、バッチ反応を採用する場合は、該アニオン交換樹脂を触媒として長期にわたってリサイクル使用することができ、また連続反応を採用する場合は、長期にわたって連続使用することができ、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを経済的に効率よく製造できる。

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するに当たり、触媒として下記一般式(1)で表わされる繰り返し単位を構成要素として含むアニオン交換樹脂を使用することを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製法。
    Figure 0004098431
    (式中、Aは炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基を表わし、R1,R2,R3は水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基またはアルカノール基を表わし、X-はアンモニウム基に配位した対イオンを表わす。また、アンモニウム基を有する置換基は、ベンゼン環のどの位置に置換されていてもよく、該ベンゼン環はアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい)
  2. 上記一般式(1)で表わされる繰返し単位中、Aがブチレン基であるアニオン交換樹脂を使用する請求項1に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製法。
JP03909799A 1999-02-17 1999-02-17 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製法 Expired - Fee Related JP4098431B2 (ja)

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