JP2002234861A - ヒドロキシアルキルエステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキルエステルの製造方法

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JP2002234861A
JP2002234861A JP2001034266A JP2001034266A JP2002234861A JP 2002234861 A JP2002234861 A JP 2002234861A JP 2001034266 A JP2001034266 A JP 2001034266A JP 2001034266 A JP2001034266 A JP 2001034266A JP 2002234861 A JP2002234861 A JP 2002234861A
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JP2001034266A
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Yasuhiro Shintani
恭宏 新谷
Koji Deguchi
幸治 出口
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/24Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or derivatives thereof with a carbon-to-oxygen ether bond, e.g. acetal, tetrahydrofuran
    • C07C67/26Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or derivatives thereof with a carbon-to-oxygen ether bond, e.g. acetal, tetrahydrofuran with an oxirane ring

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオキ
シドとを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製造
するプロセスにおいて、原料カルボン酸や、目的生成物
であるヒドロキシアルキルエステルで製造設備内を共洗
いしたり、水と共沸する溶剤を用いて共沸蒸留したりせ
ずに、ヒドロキシアルキルエステルへの水の混入を最小
限に抑えることができる方法の提供。 【解決手段】 ヒドロキシアルキルエステルの製造を停
止してから、これを再開するまでの間に、製造設備内を
水および/または塩基性水溶液で洗浄する洗浄工程と、
その後、前記製造設備内を減圧乾燥および/または熱風
乾燥させる乾燥工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の存在下でカ
ルボン酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキ
シアルキルエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシアルキルエステルは、水との
親和性が非常に高く、そのため、水と任意に混ざり合う
性質を有する。この性質を利用し、ヒドロキシアルキル
エステルの製造設備の洗浄には、水または水蒸気が一般
的に用いられる。他方、上記性質のため、一度、水がヒ
ドロキシアルキルエステル中に混入すると、分離が非常
に困難である。そのため、製造設備の洗浄直後に製造し
た製品は、水分が高くなっていた。また、水が混入する
と、原料カルボン酸や、目的生成物であるヒドロキシア
ルキルエステルの重合が促進され、装置閉塞などのトラ
ブルの原因となる。しかも、水の混入は製品純度の低下
を招くだけでなく、水分の高いヒドロキシアルキルエス
テルを原料モノマーとして使用し、それを単独重合した
り、他の共重合可能なモノマーと共重合したりすると、
(共)重合時にゲル化が起こる場合もあった。
【0003】このような水の混入を防ぐ方法としては、
たとえば、製造を停止し、製造設備内を水で洗浄した
後、製造設備内の水分を除去するために、原料カルボン
酸や、目的生成物であるヒドロキシアルキルエステルで
製造設備内を共洗いしたり、水と共沸する溶剤を用いて
共沸蒸留したりする方法が考えられる。しかし、この方
法には以下の問題がある。原料カルボン酸や、目的生成
物であるヒドロキシアルキルエステルで製造設備内を共
洗いする場合は、これら貴重な原料や生成物のロスにつ
ながったり、大量の原料や生成物が必要となり、経済的
に大きな損失になるばかりでなく、ノズル等の液だまり
部分の液置換が充分にできないという問題がある。ま
た、水と共沸する溶剤を用いて共沸蒸留する場合は、脱
水塔等の蒸留設備が別途必要になったり、残存共沸溶剤
を除去しなければならなかったりするという問題があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、触媒
の存在下でカルボン酸とアルキレンオキシドとを反応さ
せてヒドロキシアルキルエステルを製造するプロセスに
おいて、原料カルボン酸や、目的生成物であるヒドロキ
シアルキルエステルで製造設備内を共洗いしたり、水と
共沸する溶剤を用いて共沸蒸留したりせずに、ヒドロキ
シアルキルエステルへの水の混入を最小限に抑えること
ができる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討した。その結果、ヒドロキシアルキル
エステルの製造を停止してから、これを再開するまでの
間に、製造設備内を水および/または塩基性水溶液で洗
浄する洗浄工程と、その後、前記製造設備内を減圧乾燥
および/または熱風乾燥させる乾燥工程とを行えばよい
ことを見出し、本発明を完成させた。したがって、本発
明にかかるヒドロキシアルキルエステルの製造方法は、
触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオキシドとを反
応させてヒドロキシアルキルエステルを製造する方法に
おいて、前記ヒドロキシアルキルエステルの製造を停止
してから、これを再開するまでの間に、製造設備内を水
および/または塩基性水溶液で洗浄する洗浄工程と、そ
の後、前記製造設備内を減圧乾燥および/または熱風乾
燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】初めに、本発明に係る特徴的な製
造方法を好ましく適用することができるヒドロキシアル
キルエステルの製造プロセスの概略を説明する。まず、
カルボン酸とアルキレンオキシドとを、触媒の存在下で
付加反応させる。この付加反応は反応率が100%に満
たないことが多く、反応終了時の反応液中には未反応の
カルボン酸やアルキレンオキシド等が残存する場合が一
般的である。そこで、上記の反応液は、反応終了後、こ
れら未反応原料等を反応液中から除去するための工程へ
と導かれる。そして、続く最終段階として、蒸留等によ
る精製が行われて、目的のヒドロキシアルキルエステル
が得られる。
【0007】以下、カルボン酸とアルキレンオキシドと
の、触媒の存在下での付加反応工程について説明する。
本発明を実施するにあたり、上記カルボン酸とアルキレ
ンオキシドとの反応における原料の仕込み量は、カルボ
ン酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1モル以上
が好ましい範囲であり、より好ましくは1.0〜5.0
モル、さらに好ましくは1.0〜3.0モル、よりさら
に好ましくは1.0〜2.0モルである。アルキレンオ
キシドの仕込み量が1.0モル未満の場合には、反応率
が低下し、副生成物が増加するので好ましくない。ま
た、アルキレンオキシドの仕込み量が多すぎると、特
に、5モルを超えると、経済的に好ましくない。
【0008】本発明において用いることが出来るカルボ
ン酸は、特に限定はされず、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マレイン酸、フ
マル酸、コハク酸、安息香酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸などが挙げられるが、特に好ま
しくは、アクリル酸とメタクリル酸(これらを併せて
(メタ)アクリル酸と称す)である。また、本発明にお
いて用いることが出来るアルキレンオキシドは、特に限
定はされないが、好ましくは炭素数2〜6、より好まし
くは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、例え
ば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシドであり、特に好ましくはエチレンオキ
シドである。
【0009】本発明において、触媒の存在下におけるカ
ルボン酸とアルキレンオキシドとの反応は、この種の反
応に一般的に用いられている方法に従って行うことがで
きる。例えば、バッチ式で反応を行う場合、カルボン酸
中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われる。カ
ルボン酸が固体の場合、溶媒中にカルボン酸を溶解させ
てからアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、
アルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にま
たは間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠
的に添加する場合、この種の反応においてよく行われる
ように、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させ
て、いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもでき
る。また、カルボン酸も初期に一度に仕込む必要は必ず
しもなく、いくつかに分割して投入することもできる。
【0010】また、連続式で反応を行う場合には、カル
ボン酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型などの
反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器か
ら抜き出して行われる。この際、触媒は、原料とともに
連続的に供給し、反応液とともに連続的に抜き出しても
よいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反応
器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用し
てもよい。また、槽型の反応器の場合には、固体触媒を
反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわゆ
る流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反応
の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとっても
よい。
【0011】原料カルボン酸と原料アルキレンオキシド
の反応器への投入については、それぞれ別々の投入ライ
ンから投入してもよいし、反応器へ投入する前に、配
管、又は、ラインミキサー、ミキシングタンクなどで予
め混合してから投入してもよい。また、反応器出口液を
反応器入口へ循環させる場合や、未反応のアルキレンオ
キシドや未反応のカルボン酸を回収再利用する場合に
は、これらの液を原料カルボン酸、原料アルキレンオキ
シドと混合してから反応器へ投入してもよい。しかし、
カルボン酸とアルキレンオキシドを別々の投入ラインか
ら反応液中に投入した場合、カルボン酸の投入口付近で
は反応液中のモル比がカルボン酸過剰になるので、好ま
しくは、反応器へ投入する前に、それぞれの原料を配管
などで予め混合してから投入するのがよい。
【0012】反応温度は、通常、40〜130℃の範囲
で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃
の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応
の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一
方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多
くなったり、原料であるカルボン酸が不飽和二重結合を
有していると、そのカルボン酸や生成物であるヒドロキ
シアルキルエステルの重合等が起こったりするので好ま
しくない。また、この反応において反応を温和に進行さ
せることなどを目的として、溶媒中で反応を行ってもよ
い。溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、オ
クタンなどの一般的なものを用いることができる。反応
時の系内圧力は、使用する原料の種類や混合比にもよる
が、一般には加圧下で行われる。
【0013】また、反応の際には、一般に用いられてい
る重合防止剤を安定剤として使用することができる。重
合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハ
イドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,
6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ
−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル
−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、クレゾール、tert−ブチルカテ
コール等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’
−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3
−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレ
ンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェ
ニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニ
ル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナ
フチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレン
ジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等
のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジプ
ロピルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミ
ン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキル
ジチオカルバミン酸銅塩類;ジフェニルジチオカルバミ
ン酸銅等のジアリールジチオカルバミン酸銅塩類;ニト
ロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、亜硝
酸イソアミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキ
シルアミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロ
キシルアミンおよびそれらの塩等のニトロソ化合物;
2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシ
ル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン
−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリ
ジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−
3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−
オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,
5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペ
リジン−1−オキシル、4,4’,4”−トリス−
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキ
シル)ホスファイト等のN−オキシル化合物;テトラブ
チルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジ
スルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィド等のテトラアルキルチウ
ラムジスルフィド類;メチレンブルーなどが例示され
る。重合防止剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。重合防止剤の添加量は、カルボン酸
に対して0.0001〜1重量%が好ましく、より好ま
しくは0.001〜0.5重量%である。
【0014】また、必要に応じ、さらに分子状酸素を併
用すれば、重合防止効果がさらに向上する。本発明にお
いては、さらに、未反応のアルキレンオキシド、および
/または、未反応のカルボン酸を回収し、ヒドロキシア
ルキルエステルの反応原料として再利用してもよい。こ
のように、未反応回収原料を反応原料に再利用すること
により、製造コストの一層の低減化を図ることができ
る。本発明において、カルボン酸とアルキレンオキシド
との反応に用いる触媒については、特に制限はなく、こ
の種の反応に一般に用いられている触媒を使用すること
ができる。具体的には、たとえば、塩化クロム、アセチ
ルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢酸クロム、アクリル
酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジ
ブチルジチオカルバミン酸クロムなどのクロム化合物;
鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタク
リル酸鉄などの鉄化合物;トリアルキルアミン類、ピリ
ジンなどの環状アミン類及びその4級塩や、3級アミノ
基、4級アンモニウム塩、ピリジニウム基などの塩基性
官能基をもつ樹脂などのアミン化合物からなる群から選
ばれた1種または2種以上を好ましく使用できる。
【0015】本発明の実施に用いる上記触媒の量は特に
限定されないが、不均一触媒でバッチ反応の場合には、
原料カルボン酸に対して5〜50重量%の範囲で用いる
ことが普通である。特に好ましくは、10〜30重量%
の範囲で用いる。また、連続反応の場合で、槽型反応器
などで流動床形式で使用する場合は、反応液の体積に対
して、通常30〜90vol%、好ましくは50〜80
vol%の範囲で用いる。また、管型反応器などで固定
床形式で使用する場合には、液空間速度(LHSV:h
-1)で好ましくは0.05〜15、より好ましくは0.
2〜8の範囲で反応原料を含んだ液を通液する。一方、
均一触媒の場合には、原料カルボン酸に対して、0.0
5〜10重量%の範囲で用いることが普通であり、特に
好ましくは0.1〜3重量%の範囲で用いる。
【0016】本発明においては、得られた粗ヒドロキシ
アルキルエステルについて、必要に応じ、さらに精製を
行ってもよい。精製方法としては、特に限定されない
が、例えば、蒸留による精製が挙げられる。より具体的
には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板
塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられるが、特に
これらに限定されない。また、蒸留精製に他の精製手段
を併用してもよい。本発明のヒドロキシアルキルエステ
ルの製造方法は、前述したように、ヒドロキシアルキル
エステルの製造を停止してから、これを再開するまでの
間に、製造設備内を水および/または塩基性水溶液で洗
浄する洗浄工程と、その後、前記製造設備内を減圧乾燥
および/または熱風乾燥させる乾燥工程とを含むことを
特徴とする。
【0017】洗浄工程では、製造設備内を洗浄する洗浄
液として、水および塩基性水溶液のうちのいずれか一方
を用いるか、あるいは、両方を併用する。洗浄液として
用いられる水、あるいは塩基性水溶液中の水は、上述の
ごとく、イオン交換水、蒸留水、水道水などを適宜用い
ることができるが、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートやその他の化学物質の製造工程で発生するエゼク
ター水、蒸気のドレン水、反応に伴って発生する生成水
などの前記の水と比較すると、比較的不純物の多い水で
あってもよい。洗浄液として用いられる水としては、上
述のように、イオン交換水、蒸留水、水道水が用いられ
るほか、水蒸気等を用いることもできる。中でも、水に
含まれるナトリウムやカルシウムのイオン等の不純物を
少なくする観点から、水の電気伝導度が10mS/m以
下のものが好ましく、1mS/m以下のものがより好ま
しい(ただし、零を含まない)。水は、1種のみ用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】洗浄液として少なくとも塩基性水溶液を用
いた場合、系内に堆積した原料や生成物の重合物を溶解
除去できる等の効果や利点があるので、好ましい。洗浄
液として用いられる塩基性水溶液は、塩基性物質の水溶
液である。塩基性物質としては、水に溶解して塩基性を
示すものであれば、特に限定はされないが、たとえば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等のアル
カリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩;マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等
のアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物等が挙げられ
る。これらの中でも、系内に堆積した原料や生成物の重
合物の溶解除去という点で、アルカリ金属の酸化物、水
酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましく、特に水酸化物
が好ましい。さらに、アルカリ金属としては、ナトリウ
ム、カリウムが好ましい。塩基性物質は、1種のみ用い
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】塩基性水溶液中、塩基性物質の濃度は、特
に限定はされないが、該塩基性水溶液の重量に対して、
好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは0.5
〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%であ
る。塩基性物質の濃度が0.1重量%未満だと、系内に
重合物等が堆積していた場合には、その除去が不充分と
なる等の傾向があり、40重量%を超えると、塩基性水
溶液を用いて洗浄した後の溶剤による洗浄に長時間を要
する等の傾向があるので、好ましくない。塩基性水溶液
は、1種のみ用いてもよいし、塩基性物質の種類や濃度
等が異なる2種以上を併用してもよい。
【0020】洗浄液として用いられる水、あるいは塩基
性水溶液には、洗浄効果を上げる目的で種々の添加物、
例えば界面活性剤としてアルキルサルフェート系、ベネ
ゼンスルフォネート系、スルフォコハク酸ジアルキルエ
ステル系、アミドスルフォネート系、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェノール系、ポリオキシエチレングリコー
ル系などの化合物を添加することができる。製造設備内
を洗浄する条件については、製造設備内に付着した重合
物、析出物等の固形物の洗浄液への溶解しやすさ等を考
慮して任意に選択できるが、たとえば、塔底での洗浄温
度は、洗浄効果の点で、50℃から、洗い落とされた重
合物、析出物等の固形物を含む洗浄液の沸騰温度までの
範囲が好ましく、80℃から該沸騰温度までの範囲がさ
らに好ましく、特に塩基性水溶液を沸騰状態で用いるア
ルカリスチーミングが好ましい。洗浄時間についても、
特に制限はなく、通常、数時間で効果があるが、製造設
備内に付着した重合物、析出物等の固形物が完全に剥離
または溶解するまで実施できる。洗浄時の圧力について
も、特に制限はないが、蒸留塔内等の製造設備内におけ
る洗浄液の流動性を良くするために減圧下で行うのが好
ましい。減圧下で行うと、たとえば、蒸留塔トレー裏面
の洗浄効果が大きくなり、洗浄時間の短縮につながる。
減圧による洗浄効果を高めるためには、減圧度は、10
0〜1200hPaの範囲が好ましく、150〜300
hPaの範囲がより好ましい。
【0021】洗浄液で洗浄ができたか否かは、たとえ
ば、蒸留塔の圧力損失、熱交換器の伝熱係数、解体によ
る点検等によって確認できる。塩基性水溶液を用いて洗
浄する場合、洗浄後、塩基性水溶液を溶剤で洗浄除去す
ることが一般的である。この溶剤としては、塩基性水溶
液中に含まれている塩基性物質を洗浄除去できるもので
あれば何ら限定されないが、入手のしやすさ、取り扱い
のしやすさ等の点で特に水が好ましい。水としては、前
述のものが挙げられ、その好ましいものも前述の通りで
ある。また、塩基性水溶液を用いて洗浄した後の溶剤に
よる洗浄時の条件についても、特に制限はないが、たと
えば、洗浄効果を高めるためには、塔底での洗浄温度が
20℃から、洗い落とされた塩基性水溶液を含む溶剤の
沸騰温度までの範囲で実施することが好ましい。該洗浄
温度は、より好ましくは50℃から該沸騰温度までの範
囲、特に好ましくは80℃から該沸騰温度までの範囲で
ある。洗浄時の圧力についても、特に制限はないが、蒸
留塔内等の製造設備内における溶剤の流動性を良くする
ためには減圧下で行うことが好ましい。減圧下で行う
と、たとえば、蒸留塔トレー裏面の洗浄効果が大きくな
り、洗浄時間の短縮につながる。減圧による洗浄効果を
高めるためには、減圧度は、100〜1200hPaの
範囲が好ましく、150〜300hPaの範囲がより好
ましい。
【0022】塩基性水溶液で洗浄した後、水で洗浄する
場合、水洗後の排水のpHを50℃において9以下、望
ましくは6〜8の範囲とすることが好ましい。あるい
は、塩基性水溶液で洗浄した後、水洗する際に、排水中
の塩基性物質の含有量が好ましくは50mg/l以下、
より好ましくは10mg/l以下になるまで洗浄を行
う。このようにして水洗を行うと、特に、ヒドロキシア
ルキルエステルの精製工程において、該エステルの分解
によるカルボン酸の生成を減少させることができる。さ
らに、塩基性水溶液で洗浄を行う前に、予め溶剤、特に
水によって洗浄することも可能である。特に、洗浄すべ
き重合物の量が多い場合には、塩基性水溶液で直接洗浄
すると、該重合物が膨潤して製造設備等に損傷を与える
恐れがあるため、予め溶剤で洗浄しておくことにより、
該重合物のうち、溶剤に可溶な部分が予め除去されるの
で、上記の不具合を避けることが可能である。
【0023】塩基性水溶液を用いて洗浄する前の溶剤に
よる洗浄時の条件についても、特に制限はないが、たと
えば、洗浄効果を高めるためには、塔底での洗浄温度が
20℃から、洗い落とされた重合物(溶剤に可溶な部
分)を含む溶剤(その時の系内の圧力における)の沸騰
温度までの範囲で実施することが好ましい。該洗浄温度
は、より好ましくは50℃から該沸騰温度までの範囲、
特に好ましくは80℃から該沸騰温度までの範囲であ
る。洗浄時の圧力についても、特に制限はないが、蒸留
塔内等の製造設備内における溶剤の流動性を良くするた
めには減圧下で行うことが好ましい。減圧下で行うと、
たとえば、蒸留塔トレー裏面の洗浄効果が大きくなり、
洗浄時間の短縮につながる。減圧による洗浄効果を高め
るためには、減圧度は、100〜1200hPaの範囲
が好ましく、150〜300hPaの範囲がより好まし
い。
【0024】洗浄に用いた洗浄液は、回収し、新たな洗
浄工程に再利用してもよい。このように、回収洗浄液を
洗浄工程に再利用することにより、製造コストの一層の
低減化を図ることができる。洗浄工程の後に行われる乾
燥工程では、製造設備内を乾燥する方法として、減圧乾
燥法および熱風乾燥法のうちのいずれか一方を用いる
か、あるいは、両方を併用する。減圧乾燥を行う場合、
その減圧度は、特に限定はされないが、好ましくは2〜
900hPa、より好ましくは10〜300hPa、さ
らに好ましくは10〜100hPaである。減圧度が2
hPa未満だと、減圧設備として大型のものが必要とな
るため経済的でなく、また、このような減圧度を達成す
るのに長時間を要する等の傾向があり、900hPaを
超えると、乾燥に長時間を要する等の傾向があるので、
好ましくない。
【0025】減圧乾燥を行う場合、その乾燥温度は、特
に限定はされないが、好ましくは30〜160℃、より
好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは60〜1
30℃である。乾燥温度が30℃未満だと、乾燥に長時
間を要したり、減圧度を低く設定しなければならなかっ
たりする等の傾向があり、160℃を超えると、加温設
備として大型のものが必要となるため経済的でない等の
傾向があるので、好ましくない。熱風乾燥を行う場合、
熱風の温度は、特に限定はされないが、好ましくは40
〜160℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好
ましくは60〜150℃である。熱風の温度が40℃未
満だと、乾燥に長時間を要したり、通気するガスが大量
に必要となるため経済的でなかったりする等の傾向があ
り、160℃を超えると、熱風を発生させる設備として
大型のものが必要となるため経済的でない等の傾向があ
るので、好ましくない。
【0026】減圧乾燥のみにより乾燥を行う場合、その
乾燥時間は、特に限定はされないが、好ましくは0.2
〜24時間、より好ましくは0.2〜15時間、さらに
好ましくは0.2〜10時間である。乾燥時間が0.2
時間未満だと、製造設備内の乾燥が充分でない等の傾向
があり、24時間を超えると、減圧度を維持するための
エネルギーが大量に必要となるため経済的でない等の傾
向があるので、好ましくない。熱風乾燥のみにより乾燥
を行う場合、その乾燥時間は、特に限定はされないが、
好ましくは0.2〜24時間、より好ましくは0.2〜
15時間、さらに好ましくは0.2〜10時間である。
乾燥時間が0.2時間未満だと、製造設備内の乾燥が充
分でない等の傾向があり、24時間を超えると、熱風を
発生させるためのエネルギーが大量に必要となるため経
済的でない等の傾向があるので、好ましくない。
【0027】乾燥方法として減圧乾燥と熱風乾燥とを併
用する場合、それらを用いた乾燥時間の合計は、特に限
定はされないが、好ましくは0.5〜24時間、より好
ましくは0.5〜12時間、さらに好ましくは0.5〜
8時間である。乾燥時間が0.5時間未満だと、製造設
備内の乾燥が充分でない等の傾向があり、24時間を超
えると、減圧度を維持したり熱風を発生させたりするた
めのエネルギーが大量に必要となるため経済的でない等
の傾向があるので、好ましくない。乾燥方法として減圧
乾燥と熱風乾燥とを併用する場合、それらを行う順番
は、特に限定はされないが、乾燥時間の短縮といった点
で、先に減圧乾燥してから、熱風乾燥することが好まし
い。
【0028】なお、減圧乾燥する際に、たとえば、計器
類の設置のためのノズル部分や配管類の継手部分等の加
熱、保温が不充分であると、水が凍結してしまい、除去
できなくなることがある。このため、これらの加熱、保
温が不充分になりやすい箇所には、装置全体の加温、保
温設備とは別に、これらの箇所用の加温、保温設備を設
けることが好ましい。また、装置内の隅に溜まった水を
効率的に除去するという観点からも、これらの措置を施
すことが好ましい。加熱、保温の方法としては、特に限
定はされないが、たとえば、保温材等を取り付ける等の
保温の施工を行う方法や、温水トレス、スチームトレス
等を設置する方法等が挙げられる。
【0029】本発明では、必要に応じ、前記洗浄工程と
前記乾燥工程との間において、製造設備内を非凝縮性か
つ不活性のガスにより加圧ブローする加圧ブロー工程を
行ってもよい。加圧ブロー工程を行うと、製造設備内の
隅、たとえば、計器類の設置のためのノズル部分や配管
類の継手部分等に溜まった水等をも除去でき、ヒドロキ
シアルキルエステルへの水の混入をより一層低減できる
ので、好ましい。この加圧ブロー工程で用いられる非凝
縮性かつ不活性のガスとしては、特に限定はされない
が、たとえば、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気、二酸
化炭素等が挙げられる。これらの中でも、経済性、入手
の容易さ等の点で、窒素、空気が好ましい。非凝縮性か
つ不活性のガスは、1種のみ用いてもよいし、2種以上
を併用してもよい。
【0030】上記ガスのブロー圧力は、特に限定はされ
ないが、好ましくは0.01〜1MPa、より好ましく
は0.03〜0.5MPa、さらに好ましくは0.05
〜0.3MPaである。ガスのブロー圧力が0.01M
Pa未満だと、製造設備内の隅に溜まった水等が充分に
除去できない等の傾向があり、1MPaを超えると、製
造設備に非常に高い耐圧性が必要となるため経済的でな
い等の傾向があるので、好ましくない。上記ガスの温度
は、特に限定はされないが、好ましくは0〜90℃、よ
り好ましくは5〜70℃、さらに好ましくは5〜50℃
である。ガスの温度が0℃未満だと、製造設備内の残水
分が凍結して系外への除去が困難になる等の傾向があ
り、90℃を超えると、ガスを加温するために多量のエ
ネルギーが必要となるため経済的でない等の傾向がある
ので、好ましくない。
【0031】加圧ブローを行う場合、その回数は、1回
でなく、複数回行うことが、後工程の乾燥時間の短縮等
の点で好ましい。加圧ブローの方法としては、特に限定
はされないが、たとえば、計器類の設置のためのノズル
部分に溜まった水を除去するという点で、これらの各ノ
ズル類にガスのブロー用のバルブ、コック類等を設置
し、これらバルブ、コック類を開放することによりガス
をブローさせることが好ましい方法である。なお、上述
した洗浄工程および乾燥工程(必要に応じ、さらに加圧
ブロー工程)は、ヒドロキシアルキルエステルの製造を
停止してから、これを再開するまでの間に行われるが、
これら各工程の回数は、製造停止から製造再開までの1
つの期間において、1回に限定されるわけではなく、2
回以上でもよい。たとえば、洗浄工程を行った後、(必
要に応じ、さらに加圧ブロー工程を行った後、)乾燥工
程を行うという一連の作業を1回だけでなく、2回以上
繰り返し行ってもよい。
【0032】また、上述した洗浄工程と乾燥工程(必要
に応じ、さらに加圧ブロー工程)を行う製造設備内とし
ては、特に限定はされないが、具体的には、たとえば、
反応装置、蒸留装置、原料タンク、中間タンク、製品タ
ンク、原料回収装置等の内部を指す。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を具体的に説
明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 <実施例1>温度計、加熱冷却装置および攪拌機を備え
た200Lオートクレーブ内のガスを酸素濃度5容量%
の窒素ガスで置換した。その後、原料アクリル酸を80
kg仕込み、これに、重合防止剤としてフェノチアジン
200gおよびハイドロキノンモノメチルエーテル50
0gと、触媒としてアクリル酸鉄3kgを投入した。次
に、オートクレーブ内の液温を反応温度である70℃に
昇温した。そして、エチレンオキシドを入れた耐圧容器
からオートクレーブに取り付けられた配管を通じてオー
トクレーブ内の液中にエチレンオキシド60kgを約4
時間かけてほぼ等速で送液ポンプで供給した。この間、
70℃を維持して反応させた。その後、70℃を維持し
ながら5時間反応を継続した後、反応液を分析したとこ
ろ、アクリル酸濃度が0.7重量%であったので、すぐ
に冷却を行った。冷却後、生成した2−ヒドロキエチル
アクリレートを含む反応液をオートクレーブ内から抜き
出し、多管式熱交換器を備えた蒸留塔(塔径150m
m)へ移し、5hPaの減圧下で温度75〜85℃の条
件で5時間蒸留した。
【0034】蒸留終了後、蒸留塔内の洗浄を以下のよう
にして行った。蒸留塔底部に残存する2−ヒドロキエチ
ルアクリレートを除去するため、蒸留塔内に水を塔内容
積の1/4程度投入し、抜き出す操作を3回繰り返し
た。その後、蒸留塔上部の洗浄を水蒸気により行うた
め、蒸留塔内に水を投入した後、この水を、外部に設け
た多管式熱交換器を用いて沸騰させ、1時間加熱状態に
保った(常圧)。その後、多管式熱交換器による加熱を
やめ、塔内の液を抜き出した。この操作をさらに2回行
った。次に、蒸留塔内の加圧ブローを以下のようにして
行った。蒸留塔内を空気で0.1MPaまで加圧した
後、蒸留塔に装備されている圧力計、温度計、液面計等
のノズル部に溜まった液を系外へ除去するため、これら
の各ノズル部に設置したガスブロー用のバルブを開け、
数分間程度、ガス(空気)による加圧ブロー(ガスのブ
ロー圧力0.1MPa、ガスの温度25℃)を行うこと
により、水を飛散させた。
【0035】次に、蒸留塔内の乾燥を以下のようにして
行った。系内を常圧に戻した後、蒸気エゼクターにより
系内を50hPaの減圧にし、この減圧度を4時間維持
して、蒸留塔内を減圧乾燥した。減圧乾燥終了後、蒸留
塔内に空気を入れて真空を解き、蒸留塔内の点検を行っ
た。その後、2−ヒドロキエチルアクリレートの蒸留を
バッチ方式で再開した。蒸留再開後の最初のバッチの留
出品(製品2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分
濃度を測定したところ、1000重量ppmであった。
また、蒸留塔内には重合物の生成は見られなかった。
【0036】<実施例2>実施例1において、蒸留塔内
を加圧ブローする工程を省いたこと以外は実施例1と同
様の操作を行った。蒸留再開後の最初のバッチの留出品
(製品2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分濃度
を測定したところ、1500重量ppmであった。ま
た、蒸留塔内には重合物の生成は見られなかった。 <実施例3>実施例1において、蒸留塔内を減圧乾燥す
る際に蒸留塔本体の加熱ジャケットおよび多管式熱交換
器を100℃に加熱したこと以外は実施例1と同様の操
作を行った。蒸留再開後の最初のバッチの留出品(製品
2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分濃度を測定
したところ、700重量ppmであった。また、蒸留塔
内には重合物の生成は見られなかった。
【0037】<実施例4>実施例1において、蒸留塔内
の洗浄を以下の方法により行ったこと以外は実施例1と
同様の操作を行った。蒸留終了後、蒸留塔底部に残存す
る2−ヒドロキエチルアクリレートを除去するため、蒸
留塔内に水を塔内容積の1/4程度投入し、抜き出す操
作を2回繰り返した。その後、蒸留塔上部の洗浄を水蒸
気により行うため、蒸留塔内に水を塔内容積の1/2程
度投入した後、この水を、外部に設けた多管式熱交換器
を用いて沸騰させ、1時間加熱状態に保った(常圧)。
その後、多管式熱交換器による加熱をやめ、塔内の液を
抜き出した。その後、蒸留塔内の重合物を洗浄するた
め、蒸留塔内に4重量%の水酸化ナトリウム水溶液を塔
内容積の1/2程度投入し、多管式熱交換器により常圧
で水酸化ナトリウム水溶液を2時間加熱した(101
℃)。その後、多管式熱交換器による加熱をやめ、塔内
の液を抜き出した。さらに、この水酸化ナトリウム水溶
液による洗浄操作をもう1回行った。その後、蒸留塔内
に水を塔内容積の1/4程度投入し、抜き出す操作を行
った。その後、水蒸気により洗浄を行うため、蒸留塔内
に水を塔内容積の1/2程度投入した後、この水を、外
部に設けた多管式熱交換器を用いて沸騰させ、1時間加
熱状態に保った(常圧)。その後、多管式熱交換器によ
る加熱をやめ、塔内の液を抜き出した。この水洗に用い
る水としては、電気伝導度が25℃において5mS/m
の水を用いた。排水のpHが50℃において8になるま
で上記の水蒸気による水洗を繰り返し行った。排水のp
Hが50℃において8になった時点の排水中のアルカリ
金属およびアルカリ土類金属の含有量の合計は8mg/
lであった。
【0038】蒸留再開後の最初のバッチの留出品(製品
2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分濃度を測定
したところ、1000重量ppmであった。また、蒸留
塔内には重合物の生成は見られなかった。 <実施例5>実施例1において、蒸留塔内の洗浄を以下
の方法により行ったこと以外は実施例1と同様の操作を
行った。蒸留終了後、蒸留塔底部に残存する2−ヒドロ
キエチルアクリレートを除去するため、蒸留塔内に水を
塔内容積の1/4程度投入し、抜き出す操作を2回繰り
返した。その後、蒸留塔上部の洗浄を水蒸気により行う
ため、蒸留塔内に水を塔内容積の1/2程度投入した
後、この水を、外部に設けた多管式熱交換器を用いて沸
騰させ、この沸騰状態を保ちながら、かつ、液面が一定
となるように塔頂から水を供給しながら、1時間加熱状
態に保った(常圧)。その後、多管式熱交換器による加
熱をやめ、塔内の液を抜き出した。この操作をさらに1
回行った。
【0039】蒸留再開後の最初のバッチの留出品(製品
2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分濃度を測定
したところ、1000重量ppmであった。また、蒸留
塔内には重合物の生成は見られなかった。 <実施例6>実施例1において、蒸留塔内の洗浄を以下
の方法により行ったこと以外は実施例1と同様の操作を
行った。蒸留終了後、蒸留塔底部に残存する2−ヒドロ
キエチルアクリレートおよび重合物を除去するため、蒸
留塔内に8重量%の水酸化ナトリウム水溶液を塔内容積
の1/2程度投入し、多管式熱交換器により常圧で水酸
化ナトリウム水溶液を加熱して沸騰状態にした(102
℃)。この沸騰状態を保ちながら、かつ、液面が一定と
なるように8重量%の水酸化ナトリウム水溶液を2−ヒ
ドロキエチルアクリレート溶液とその蒸気とが接する面
に塔頂から供給しながら、3時間加熱状態に保った(常
圧)。その後、多管式熱交換器による加熱をやめ、塔内
の液を抜き出した。その後、蒸留塔内に水を塔内容積の
1/4程度投入し、抜き出す操作を行った。その後、水
蒸気により洗浄を行うため、蒸留塔内に水を塔内容積の
1/2程度投入した後、この水を、外部に設けた多管式
熱交換器を用いて沸騰させ、1時間加熱状態に保った
(常圧)。その後、多管式熱交換器による加熱をやめ、
塔内の液を抜き出した。この水洗に用いる水としては、
電気伝導度が25℃において5mS/mの水を用いた。
排水のpHが50℃において8になるまで上記の水蒸気
による水洗を繰り返し行った。排水のpHが50℃にお
いて8になった時点の排水中のアルカリ金属およびアル
カリ土類金属の含有量の合計は20mg/lであった。
【0040】蒸留再開後の最初のバッチの留出品(製品
2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分濃度を測定
したところ、1000重量ppmであった。また、蒸留
塔内には重合物の生成は見られなかった。 <実施例7>実施例1において、蒸留塔内を乾燥する
際、減圧乾燥の代わりに熱風乾燥を以下のようにして行
ったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。加圧ブ
ローを行った後、系内を常圧に戻した。その後、80℃
の熱風(空気)を蒸留塔内へ100m3/hrの流量で8時
間通気させることにより、蒸留塔内を熱風乾燥した。
【0041】その後、2−ヒドロキエチルアクリレート
の蒸留をバッチ方式で再開した。蒸留再開後の最初のバ
ッチの留出品(製品2−ヒドロキエチルアクリレート)
中の水分濃度を測定したところ、2000重量ppmで
あった。また、蒸留塔内には重合物の生成は見られなか
った。 <実施例8>実施例3において、蒸留塔内を乾燥する
際、減圧乾燥を行った後、さらに熱風乾燥を以下のよう
にして行ったこと以外は実施例3と同様の操作を行っ
た。蒸留塔内の減圧乾燥を行った後、系内を常圧に戻し
た。その後、80℃の熱風(空気)を蒸留塔内へ100
m3/hrの流量で4時間通気させることにより、蒸留塔内
を熱風乾燥した。
【0042】その後、2−ヒドロキエチルアクリレート
の蒸留をバッチ方式で再開した。蒸留再開後の最初のバ
ッチの留出品(製品2−ヒドロキエチルアクリレート)
中の水分濃度を測定したところ、500重量ppmであ
った。また、蒸留塔内には重合物の生成は見られなかっ
た。 <比較例1>実施例1において、蒸留塔内の乾燥を行わ
ないこと以外は実施例1と同様の操作を行った。蒸留再
開後の最初のバッチの留出品(製品2−ヒドロキエチル
アクリレート)中の水分濃度を測定したところ、700
0重量ppmであった。また、蒸留塔に装備されている
圧力計のノズル部分等に2−ヒドロキエチルアクリレー
トの重合物の生成が見られた。
【0043】<比較例2>実施例1において、蒸留塔内
の水洗を行った後、加圧ブローや減圧乾燥を行わずに生
成物である2−ヒドロキエチルアクリレートで蒸留塔内
を以下のようにして共洗いしたこと以外は実施例1と同
様の操作を行った。蒸留塔内の水洗を行った後、蒸留塔
内に2−ヒドロキエチルアクリレートを塔内容積の1/
4程度投入し、抜き出す操作を3回繰り返した。その
後、2−ヒドロキエチルアクリレートの蒸留をバッチ方
式で再開した。蒸留再開後の最初のバッチの留出品(製
品2−ヒドロキエチルアクリレート)中の水分濃度を測
定したところ、3300重量ppmであった。また、蒸
留塔に装備されている圧力計のノズル部分等に2−ヒド
ロキエチルアクリレートの重合物の生成が見られた。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、触媒の存在下で
カルボン酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロ
キシアルキルエステルを製造するプロセスにおいて、原
料カルボン酸や、目的生成物であるヒドロキシアルキル
エステルで製造設備内を共洗いしたり、水と共沸する溶
剤を用いて共沸蒸留したりせずに、ヒドロキシアルキル
エステルへの水の混入を最小限に抑えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 AD41 BA18 BA32 BB17 BB71 BC10 BC18 BC19 BC40 BD20 KA19 KC14 4H039 CA66 CD10 CF90 CH70

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下でカルボン酸とアルキレンオ
    キシドとを反応させてヒドロキシアルキルエステルを製
    造する方法において、前記ヒドロキシアルキルエステル
    の製造を停止してから、これを再開するまでの間に、製
    造設備内を水および/または塩基性水溶液で洗浄する洗
    浄工程と、その後、前記製造設備内を減圧乾燥および/
    または熱風乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とす
    る、ヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】前記洗浄工程と前記乾燥工程との間におい
    て、前記製造設備内を非凝縮性かつ不活性のガスにより
    加圧ブローする加圧ブロー工程をも含む、請求項1に記
    載のヒドロキシアルキルエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】前記カルボン酸が(メタ)アクリル酸であ
    る、請求項1または2に記載のヒドロキシアルキルエス
    テルの製造方法。
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