JP3220007B2 - カルボン酸系重合体およびその製造方法 - Google Patents

カルボン酸系重合体およびその製造方法

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JP3220007B2
JP3220007B2 JP12752596A JP12752596A JP3220007B2 JP 3220007 B2 JP3220007 B2 JP 3220007B2 JP 12752596 A JP12752596 A JP 12752596A JP 12752596 A JP12752596 A JP 12752596A JP 3220007 B2 JP3220007 B2 JP 3220007B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F26/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen
    • C08F26/02Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a single or double bond to nitrogen or by a heterocyclic ring containing nitrogen by a single or double bond to nitrogen

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なカルボン酸
系重合体に関するものである。上記カルボン酸系重合体
はキレート化能を有し、例えば、金属の回収や金属を含
有する廃液の処理、触媒等、種々の用途に好適に用いる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属キレート化能の高い樹脂
としては、例えば、ローム&ハース社製のイオン交換樹
脂「デュオライトES466」(商品名)や、三菱化学
株式会社製のイオン交換樹脂「ダイヤイオンCR11」
(商品名)等の樹脂が知られている。これらの樹脂は、
イミノジ酢酸基を含有し、官能基主鎖にカルボキシル基
を含むと共に、電子供与性の高い窒素原子を含むことを
特徴としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂は、低pH条件下でプロトン交換を受け、金属
キレート化能が低下するという問題点を有している。さ
らに、上記従来の樹脂は、単位重量当りの金属イオンの
捕捉量が充分であるとは言い難い。そこで、より一層金
属イオン捕捉能に優れ、種々の用途に利用し得る樹脂が
切望されている。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、上記能力を備え、種々の用
途に好適に利用され得る新規なカルボン酸系重合体を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、新規な
カルボン酸系重合体を提供すべく鋭意検討した結果、側
鎖にアミノ結合、エーテル結合、およびチオエーテル結
合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結合を有す
ると共にカルボキシル基を有するカルボン酸系重合体
が、キレート化能に優れることを見いだして本発明を完
成するに至った。
【0006】
【0007】即ち、本発明は、一般式(1)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Xはカルボン酸系重合体本体を表
し、nは0〜6の整数を表し、mは0〜6の整数を表
す)で表される構造を備えた官能基を有するカルボン酸
系重合体に関するものである。
【0010】さらに、本発明は、一般式(2)
【0011】
【化6】
【0012】(式中、Zは水素原子、−(CHR3 c
−W2 −(CHR4 d COOH基または−(CH2
f −X基を表し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独
立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表
し、W1 、W2 はそれぞれ独立して−S−基または−O
−基を表し、Xはカルボン酸系重合体本体を表し、a、
b、c、d、e、fはそれぞれ独立して0〜6の整数を
表す)で表される構造を備えた官能基を有するカルボン
酸系重合体に関するものである。
【0013】また、本発明は、一般式(3)
【0014】
【化7】
【0015】(式中、Yは水素原子、アリル基または−
(CHR3 c −W2 −(CHR4 d COOH基を表
し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して水素原
子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、W1 、W2
はそれぞれ独立して−NH−基、−S−基または−O−
基を表し、a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の
整数を表す)で表されるカルボン酸系単量体を含む単量
体成分を重合させてなるカルボン酸系重合体に関するも
のである。
【0016】さらに、本発明は、一般式(3)
【0017】
【化8】
【0018】(式中、Yは水素原子、アリル基または−
(CHR3 c −W2 −(CHR4 d COOH基を表
し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して水素原
子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、W1 、W2
はそれぞれ独立して−NH−基、−S−基または−O−
基を表し、a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の
整数を表す)で表されるカルボン酸系単量体を含む単量
体成分を重合させることを特徴とするカルボン酸系重合
体の製造方法に関するものである。
【0019】上記の構成によれば、本発明にかかるカル
ボン酸系重合体は、側鎖にカルボキシル基のみならず、
電子供与性の高い硫黄原子や窒素原子、酸素原子を有し
ているので、キレート化能に優れ、種々の用途に好適に
利用することができる。このため、本発明にかかるカル
ボン酸系重合体は、例えば、金属の回収や金属を含有す
る廃液の処理等の用途に好適に用いることができる。ま
た、上記のカルボン酸系重合体が、窒素原子、硫黄原子
およびカルボキシル基を同一分子中に有する場合、一般
には存在しない形で金属イオンを安定化させることがで
きる。このため、上記のカルボン酸系重合体を各種反応
における触媒として用いることで、特殊な触媒作用が期
待できる。さらに、上記のカルボン酸系重合体は、金属
をキレートしなくても、窒素原子、硫黄原子およびカル
ボキシル基を同一分子中に有することで、酸および塩基
の相乗効果により、特殊な触媒機能を発揮することが期
待できる。従って、該カルボン酸系重合体は、触媒とし
ても好適に用いることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかるカルボン酸系重合
体は、側鎖にアミノ結合、エーテル結合、およびチオエ
ーテル結合からなる群より選ばれる少なくとも一種の結
合を有すると共にカルボキシル基を有する化合物であ
る。該カルボン酸系重合体は、側鎖に硫黄原子を含むと
共にカルボキシル基を含む化合物であれば、特に限定さ
れるものではないが、例えば、一般式(1)
【0021】
【化9】
【0022】(式中、Xはカルボン酸系重合体本体を表
し、nは0〜6の整数を表し、mは0〜6の整数を表
す)で表される構造を備えた官能基を有する化合物や、
一般式(2)
【0023】
【化10】
【0024】(式中、Zは水素原子、−(CHR3 c
−W2 −(CHR4 d COOH基または−(CH2
f −X基を表し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独
立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表
し、W1 、W2 はそれぞれ独立して−S−基または−O
−基を表し、Xはカルボン酸系重合体本体を表し、a、
b、c、d、e、fはそれぞれ独立して0〜6の整数を
表す)で表される構造を備えた官能基を有する化合物等
が挙げられる。ここで、カルボン酸系重合体本体とは、
該カルボン酸系重合体主鎖を示し、カルボキシル基を含
有するモノマー(カルボン酸系単量体)が単独重合した
ものであってもよく、或いは、カルボキシル基を含有す
るモノマーと、該カルボキシル基を含有するモノマーと
共重合可能な他の単量体とが共重合したものであっても
よい。
【0025】本発明にかかるカルボン酸系重合体の製造
方法は、特に限定されるものではなく、例えば、第一
級、第二級のアルキルハロゲンやスルホン酸エステルを
側鎖に有する重合体(A)と各種硫化剤を反応させ、こ
の中間体を加水分解や処理剤等で還元させることにより
末端に−SH基を生成させ、次いで、この重合体(A)
にアクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和カル
ボン酸を付加させる方法や、アリルアミノ基とカルボ
キシル基とを有し、かつ、アミノ結合、エーテル結合、
およびチオエーテル結合からなる群より選ばれる少なく
とも一種の結合を有するカルボン酸系単量体を含む単量
体成分を重合させる方法等、種々の方法により得ること
ができる。上記の方法は、例えば、前記一般式(1)
で表される構造を備えた官能基を有するカルボン酸系重
合体の製造に特に好適であり、また、上記の方法は、
例えば、前記一般式(2)で表される構造を備えた官能
基を有するカルボン酸系重合体の製造に特に好適であ
る。
【0026】上記の方法において原料として用いられ
る硫化剤としては、特に限定されるものではなく、具体
的には、例えば、一般式
【0027】
【化11】
【0028】で表される化合物等が挙げられる。これら
硫化剤は、一種類のみを用いてもよく、適宜二種類以上
を混合して用いてもよい。
【0029】また、上記処理剤としては、特に限定され
るものではなく、具体的には、例えば、NaOH、HC
l、H+ 、LiAlH4 等が挙げられる。これら処理剤
は一種類のみを用いてもよく、適宜二種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0030】上記の方法によりカルボン酸系重合体を
製造する際の製造条件は、特に限定されるものではな
く、例えば、所望するカルボン酸系重合体の物性等に応
じて適宜設定すればよい。このようにして得られたカル
ボン酸系重合体は、側鎖にカルボキシル基のみならず、
電子供与性の高い硫黄原子や窒素原子、酸素原子を有し
ているので、キレート化能に優れ、例えば、金属の回収
や金属を含有する廃液の処理、触媒等、各種用途に好適
に用いることができる。
【0031】また、上記の方法において原料として用
いられるカルボン酸系単量体は、アリルアミノ基とカル
ボキシル基とを有し、かつ、アミノ結合、エーテル結
合、およびチオエーテル結合からなる群より選ばれる少
なくとも一種の結合を有する化合物であり、例えば、一
般式(3)
【0032】
【化12】
【0033】(式中、Yは水素原子、アリル基または−
(CHR3 c −W2 −(CHR4 d COOH基を表
し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して水素原
子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、W1 、W2
はそれぞれ独立して−NH−基、−S−基または−O−
基を表し、a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の
整数を表す)で表される構造を有している。そして、こ
れら化合物のうち、一般式(4)
【0034】
【化13】
【0035】、一般式(5)
【0036】
【化14】
【0037】、および一般式(6)
【0038】
【化15】
【0039】で表される化合物がより好ましく、上記一
般式(4)で表される化合物が特に好ましい。
【0040】上記のカルボン酸系単量体は、汎用の原料
を用いて、簡便な工程からなる製造方法によって容易に
得ることができる。該カルボン酸系単量体の製造方法
は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いて
製造することができる。例えば、一般式(7)
【0041】
【化16】
【0042】(式中、Aは水素原子、アリル基または−
(CHR3 c −R6 基を表し、R1 、R3 はそれぞれ
独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表
し、R5 、R6 はそれぞれ独立して−SH基、−OH基
または−NH2 基を表し、a、cはそれぞれ独立して0
〜6の整数を表す)で表される化合物と(メタ)アクリ
ル酸とを反応させることによって容易に所望するカルボ
ン酸系単量体を得ることができる。
【0043】上記一般式(7)で表される化合物は、特
に限定されるものではないが、式中、Aで示される置換
基が水素原子、アリル基または−(CHR3 c −R6
基で構成され、R1 、R3 で示される置換基がそれぞれ
独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基で構
成され、R5 、R6 で示される置換基がそれぞれ独立し
て−SH基、−OH基または−NH2 基で構成され、a
で表される繰り返し単位が0〜6の整数であり、cで表
される繰り返し単位が0〜6の整数である化合物であ
る。前記一般式(7)で表される化合物としては、具体
的には、例えば、一般式(8)
【0044】
【化17】
【0045】で表される2-アリルアミノエタンチオー
ル、一般式(9)
【0046】
【化18】
【0047】で表される2-( アリル-(2-メルカプトエチ
ル) アミノエタンチオール、一般式(10)
【0048】
【化19】
【0049】で表される2-ジアリルアミノエタンチオー
ル、および一般式(11)
【0050】
【化20】
【0051】で表されるアジアリルアミノエタノール等
が挙げられる。これら前記一般式(7)で表される化合
物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上
を混合して用いてもよい。
【0052】前記一般式(7)で表される化合物の製造
方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々
の方法により容易に得ることができる。例えば、J.Org.
Chem26,1961,p.5125 〜には、エチル- 2-ヒドロキシエ
チルチオカーボネートを用いて2-ジアリルアミノエタン
チオール等の化合物を合成している例が開示されてい
る。
【0053】尚、上記の反応において、前記一般式
(7)で表される化合物を単離する方法としては、特に
限定されるものではなく、例えば蒸留等の従来公知の種
々の方法を用いることができる。
【0054】前記一般式(7)で表される化合物と(メ
タ)アクリル酸とを反応させる際には、必要に応じて反
応系に溶媒を添加することができる。上記の溶媒として
は、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の有機
溶剤が挙げられるが、上記反応を阻害するものでなけれ
ば、特に限定されるものではない。また、その使用量も
特に限定されるものではない。
【0055】前記一般式(7)で表される化合物と(メ
タ)アクリル酸とを反応させる際の反応温度は、特に限
定されるものではないが、0℃〜 200℃の範囲内に設定
することが好ましく、単量体の収率を向上させるために
は、10℃〜 100℃の範囲内に設定することがさらに好ま
しく、20℃〜80℃の範囲内に設定することが特に好まし
い。上記反応温度が0℃よりも低い場合には、反応時間
が長くなり過ぎ、反応を効率的に行うことができなくな
るので好ましくない。また、原料である(メタ)アクリ
ル酸やアリルアミン類、並びに、生成物であるカルボン
酸系単量体は、分子中にビニル基等を有しているので重
合し易い性質を有している。このため、上記反応温度が
200℃よりも高い場合には、これらの化合物の重合を抑
制することができなくなるので好ましくない。そして、
反応時間は、上記反応が完結するように、反応温度や、
前記反応生成物、(メタ)アクリル酸および溶媒等の種
類や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよ
い。また、反応圧力は、特に限定されるものではなく、
常圧(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
【0056】該カルボン酸系重合体は、上記のカルボン
酸系単量体を含む単量体成分を重合させることにより、
容易に得ることができる。また、上記単量体成分は、必
要に応じて、上記カルボン酸系単量体と共重合可能なそ
の他の単量体を含んでいてもよい。
【0057】上記その他の単量体としては、具体的に
は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル
酸等のカルボキシル基を含有するモノマーおよびそのエ
ステル、スチレン、ビニルピリジン、アリルアミン類等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
その他の単量体は、一種類のみを用いてもよく、二種類
以上を適宜混合して用いてもよい。これらその他の単量
体のなかでも、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
尚、上記カルボン酸系単量体に対するその他の単量体の
添加量は、特に限定されるものではない。
【0058】カルボン酸系重合体の製造方法、即ち、上
記カルボン酸系単量体を含む単量体成分の重合方法は、
特に限定されるものではなく、例えば、溶液重合法、懸
濁重合法、逆相懸濁重合法等、従来公知の種々の方法を
採用することができる。上記単量体成分を重合させる際
に用いられる溶媒としては、具体的には、例えば、水、
トルエン、シクロヘキサン等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。また、上記溶媒の使用量も特に限
定されるものではない。さらに上記懸濁重合を行う際の
懸濁剤としては、具体的には、例えば、ゼラチン、デキ
ストリン、ポリビニルアルコール等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。また、上記懸濁剤の使用量
も特に限定されるものではない。
【0059】上記単量体成分を重合させる際には、重合
開始剤を用いることができる。該重合開始剤としては、
具体的には、例えば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物;
2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、 2,2'-アゾビス(2
-アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸
アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の
過硫酸塩等のラジカル重合開始剤等が挙げられる。これ
ら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以
上を適宜混合して用いてもよい。尚、上記重合開始剤を
用いる代わりに、放射線や電子線、紫外線等を照射して
もよく、また、重合開始剤とこれら放射線や電子線、紫
外線等の照射とを併用してもよい。また、上記重合開始
剤の使用量は、特に限定されるものではない。
【0060】また、上記単量体成分を重合させる際に
は、必要に応じて架橋剤を用いてもよい。該架橋剤とし
ては、具体的には、例えば、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら架橋剤は、一種類
のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を混合して用い
てもよい。上記重合反応に架橋剤を用いることにより、
得られるカルボン酸系重合体の架橋密度を制御すること
ができる。尚、架橋剤の使用量は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、用いる単量体成分や架橋剤の種類、
所望する架橋密度等によって適宜設定すればよい。
【0061】上記重合反応を行う際の反応温度は、単量
体成分や溶媒の種類等に応じて適宜設定すればよく、特
に限定されるものではないが、50℃〜 120℃の範囲内が
好ましく、60℃〜 100℃の範囲内がさらに好ましい。
尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応
温度や、単量体成分、重合開始剤、および溶媒等の種類
や組み合わせ、使用量等に応じて適宜設定すればよく、
特に限定されるものではない。また、反応圧力は特に限
定されるものではなく、常圧(大気圧)、減圧、加圧の
何れであってもよい。
【0062】該カルボン酸系重合体は、重合反応後、濾
過して溶媒で充分に洗浄した後、エバポレーター、減圧
乾燥等、常用の方法を用いて乾燥することによって容易
に得ることができる。
【0063】このようにして得られたカルボン酸系重合
体は、側鎖にカルボキシル基のみならず電子供与性の高
い窒素原子や硫黄原子、酸素原子を有しているので、低
pH条件下(pH=3以下)においても金属キレート能
が高く、また、単位容量当りの金属イオンの捕捉量が、
1cc当たり10mmolと非常に高い。
【0064】このため、上記カルボン酸系重合体は、例
えば、金属の回収や金属を含有する廃液の処理等、各種
用途に好適に用いることができる。また、該カルボン酸
系重合体が、窒素原子、硫黄原子およびカルボキシル基
を同一分子中に有する場合、一般には存在しない形で金
属イオンを安定化させることができる。このため、該カ
ルボン酸系重合体を各種反応における触媒として用いる
ことで、特殊な触媒作用が期待できる。さらに、該カル
ボン酸系重合体は、金属をキレートしなくても、窒素原
子、硫黄原子およびカルボキシル基を同一分子中に有す
ることで、酸および塩基の相乗効果により、特殊な触媒
機能を発揮することが期待できる。
【0065】本発明にかかるカルボン酸系重合体を触媒
として用いる場合には、該カルボン酸系重合体をそのま
ま、あるいは、金属を担持させて用いることができる。
【0066】本発明にかかるカルボン酸系重合体は、そ
のまま用いることで、例えば、Knoevenagel 縮合反応用
触媒等に用いることができ、金属を担持させることで、
例えば、ヒドロキシアルカナール等の反応における触媒
として特に好適に用いることができる。上記の金属とし
ては、具体的には、例えば、銅、鉛、ニッケル、亜鉛、
鉄、コバルト、クロム、マンガン、ビスマス、錫、アン
チモン、およびアルカリ土類金属等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。また、金属を担持させた上
記カルボン酸系重合体は、アクリル酸エステルの選択的
合成用触媒として特に好適に用いられる。
【0067】該カルボン酸系重合体に金属を担持させる
場合における、カルボン酸系重合体に対する金属の担持
量は、カルボン酸系重合体の種類や、適用する合成反応
の種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定される
ものではない。
【0068】例えば、前記一般式(2)で表される構造
を備えた官能基を有するカルボン酸系重合体をヒドロキ
シアルカナールの合成反応における触媒として用いる場
合には、上記金属の担持量は、カルボン酸系重合体に対
して、0.001 重量%〜10重量%の範囲内が好ましく、0.
01重量%〜5重量%の範囲内がより好ましく、0.01重量
%〜1重量%の範囲内が特に好ましい。上記金属の担持
量が0.001 重量%よりも少ない場合には、該カルボン酸
系重合体に金属を担持させる効果が充分に発揮されない
虞れがある。一方、上記金属の担持量が10重量%よりも
多い場合には、ヒドロキシアルカナールの収率が低下す
る虞れがある。尚、ここでいう担持とは、キレート以外
にも、塩、吸着、包接等が挙げられ、その形態は特に限
定されるものではない。また、担持される金属はイオ
ン、金属の何れであってもよい。また、イオンの形態と
しては、酸化物、ハロゲン化物、硫化物等が挙げられ
る。
【0069】該カルボン酸系重合体に金属を担持させる
方法としては、特に限定されるものではなく、常用の方
法を用いることができる。金属、例えば、鉛のカルボン
酸系重合体への担持は、具体的には、例えば、硝酸鉛、
酢酸鉛等の鉛化合物を所定量溶解させた水溶液に該カル
ボン酸系重合体を浸漬し、所定条件下で攪拌して陽イオ
ン交換を行わせた後、濾過等により該カルボン酸系重合
体を取り出し、水洗することによって達成される。
【0070】このように、本発明にかかるカルボン酸系
重合体は、キレート化能を有し、該カルボン酸系重合体
をそのまま、或いは、金属を担持させた状態で種々の用
途に好適に用いることができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0072】〔実施例1〕温度計、攪拌機、滴下装置お
よび還流冷却器を備えた反応容器に、溶媒としてのシク
ロヘキサン 400gおよび所定の懸濁剤3gを仕込んで攪
拌した。そして、上記の反応容器に、6-(N,N-ジプロペ
ニルアミノ)-4-チアヘキサン酸とアクリル酸とからなる
単量体成分30g、架橋剤としてのトリメチロールプロパ
ントリアクリレート0.96g、および溶媒としての水30g
を添加し、70℃に昇温した。尚、上記6-(N,N-ジプロペ
ニルアミノ)-4-チアヘキサン酸は、単量体成分中におけ
る6-(N,N-ジプロペニルアミノ)-4-チアヘキサン酸の使
用量が30モル%となるように添加した。一方、重合開始
剤としての2,2'- アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩
酸塩(和光純薬工業株式会社製;商品名 V−50)の
0.5 重量%濃度の水溶液10ccを滴下装置に仕込んだ。次
いで、上記滴下装置内の重合開始剤を、上記反応溶液に
約20分間かけて滴下し、その後、この反応溶液をさらに
3時間攪拌して攪拌を停止した。次いで、上記の反応溶
液を一晩室温で維持することにより反応を熟成させた後
濾過し、減圧下、80℃で乾燥させることにより23gの重
合体を得た。得られた重合体について、所定の方法によ
り物質の同定を行うと共に元素分析を行った結果、該重
合体が、約30モル%の6-(N,N-ジプロペニルアミノ)-4-
チアヘキサン酸を含む新規なカルボン酸系共重合体であ
ることを確認した。尚、元素分析の結果、炭素原子54.1
重量%、水素原子7.4 重量%、窒素原子4.0 重量%、酸
素原子24.5重量%、硫黄原子9.0 重量%を含むことが確
認された。これは、モル換算すれば、本樹脂に含まれる
カルボキシル基のうち27モル%が−N(CH2 2
(CH2 2 COOH基であることになる。
【0073】〔実施例2〕温度計、攪拌機および還流冷
却器を備えた反応容器に、6-(N,N-ジプロペニルアミ
ノ)-4-チアヘキサン酸とアクリル酸とからなる単量体成
分70.2g、溶媒としてのトルエン 400g、および架橋剤
としてのジビニルベンゼン 1.7gを仕込んで攪拌した。
尚、上記6-(N,N-ジプロペニルアミノ)-4-チアヘキサン
酸は、単量体成分中における6-(N,N-ジプロペニルアミ
ノ)-4-チアヘキサン酸の使用量が30モル%となるように
添加した。次に、この反応溶液を80℃に昇温させた後、
重合開始剤としての 2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレ
ロニトリル) (和光純薬工業株式会社製;商品名 V−
65) 0.1gを添加し、5時間反応させることにより反
応を完了させた。次いで、得られた反応生成物を濾過
し、減圧下、80℃で乾燥させることにより28gの重合体
を得た。得られた重合体について実施例1と同様の方法
により分析を行った結果、該重合体が、約30モル%の6-
(N,N-ジプロペニルアミノ)-4-チアヘキサン酸を含む新
規なカルボン酸系共重合体であることを確認した。
【0074】〔実施例3〕温度計、攪拌機、滴下装置お
よび還流冷却器を備えた反応容器に、溶媒としてのシク
ロヘキサン8kgおよび所定の懸濁剤60gを仕込んで攪
拌した。次いで、上記反応容器に、6-(N,N-ジプロペニ
ルアミノ)-4-チアヘキサン酸とアクリル酸とからなる単
量体成分 597g、架橋剤としてのトリメチロールプロパ
ントリアクリレート56g、および溶媒としての水 751g
を添加し、70℃に昇温した。尚、上記6-(N,N-ジプロペ
ニルアミノ)-4-チアヘキサン酸は、単量体成分中におけ
る6-(N,N-ジプロペニルアミノ)-4-チアヘキサン酸の使
用量が5モル%となるように添加した。一方、重合開始
剤としての2,2'- アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩
酸塩(和光純薬工業株式会社製;商品名 V−50)の
0.5 重量%濃度の水溶液 200ccを滴下装置に仕込んだ。
次いで、上記滴下装置内の重合開始剤を、上記反応溶液
に20分間かけて滴下し、その後、この反応溶液をさらに
3時間攪拌して攪拌を停止した。次いで、上記の反応溶
液を一晩室温で維持することにより反応を熟成させた。
この結果、0.1mm 〜2mm程度のビーズ状重合体が得られ
た。
【0075】その後、得られたビーズ状重合体をロータ
リーエバポレータに移し、シクロヘキサンを留去した
後、減圧下、80℃で乾燥させることにより、 540gの重
合体を得た。得られた重合体について、実施例1と同様
の方法を用いて分析した結果、上記重合体が、本発明に
かかる新規なカルボン酸系共重合体であることを確認し
た。
【0076】次に、この重合体0.6 gを、室温に保持し
た1Mの酢酸銅水溶液中に70時間浸漬した後、イオン交
換水で充分に洗浄した。この結果、青色に着色したゲル
体が得られた。次に、このゲル体を、0.9 Mの塩酸水溶
液50gで洗浄した後、この洗液をICP(誘導結合高周
波プラズマ)分光分析により分析した結果、0.41gの銅
イオンがキレートされていることが確認された。これ
は、重合体1cc当たり6.4mmol の銅イオンがキレートさ
れていることに相当する。
【0077】〔実施例4〕実施例3において、1Mの酢
酸銅水溶液に代えて、1Mの硝酸銅水溶液を用いた以外
は、実施例3と同様の操作を行って、青色に着色したゲ
ル体を得た。次に、このゲル体を用いて、実施例3と同
様の方法により洗浄、分析を行った結果、0.40gの銅イ
オンがキレートされていることが確認された。これは、
重合体1cc当たり6.1mmol の銅イオンがキレートされて
いることに相当する。
【0078】〔実施例5〕実施例3において、1Mの酢
酸銅水溶液に代えて、0.2 Mの硝酸銅水溶液を用いた以
外は、実施例3と同様の操作を行って、青色に着色した
ゲル体を得た。そして、得られたゲル体を、pH1の塩
酸水溶液に10日以上浸漬した。この操作を、塩酸水溶液
のpHを1〜7の範囲内で種々変更して同様に行った。
この結果、pH3以上の塩酸水溶液に浸漬したゲル体
は、青色に呈色したままであった。
【0079】〔実施例6〕また、実施例3で得られたカ
ルボン酸系共重合体をアクロレインの水和反応における
触媒として用いた。先ず、温度計および攪拌装置等を備
えた反応容器に水20gを入れた後、水溶液中における濃
度が28重量%となるようにアクロレインを所定量仕込ん
だ。次に、上記の水溶液に触媒として、上記の反応によ
って得られたカルボン酸系共重合体8gを仕込んだ。そ
の後、上記の反応溶液を、攪拌しながら90℃で5時間反
応させることにより、アクロレインを水和した。
【0080】反応終了後、この反応溶液を濾過し、濾液
を所定の方法により分析した結果、アクロレインの転化
率は72%であり、水和反応生成物である3-ヒドロキシプ
ロパナールおよびその2量体の合計の選択率は90%であ
った。尚、上記アクロレインの転化率および3-ヒドロキ
シプロパナールおよびその2量体の選択率は、以下の定
義に従った。 アクロレインの転化率(%)=(消費されたアクロレイ
ンのモル数/供給したアクロレインのモル数)×100 3-ヒドロキシプロパナールの選択率(%)=(3-ヒドロ
キシプロパナールに転化したアクロレインのモル数/消
費されたアクロレインのモル数)×100 3-ヒドロキシプロパナール2量体の選択率(%)=(3-
ヒドロキシプロパナール2量体に転化したアクロレイン
のモル数/消費されたアクロレインのモル数)×100 尚、アクロレイン、3-ヒドロキシプロパナール、3-ヒド
ロキシプロパナール2量体は、ガスクロマトグラフィー
等、公知の方法で定量することができる。
【0081】上記実施例1〜6の結果から、本発明によ
れば、キレート能に優れると共に、例えば、アクロレイ
ンの水和反応における触媒として好適に用いられる新規
なカルボン酸系重合体を得ることができる。
【0082】
【発明の効果】本発明は、以上のように、側鎖にカルボ
キシル基を有する、以下のようなカルボン酸系重合体に
関するものである。
【0083】即ち、本発明は、以上のように、一般式
(1)
【0084】
【化21】
【0085】(式中、Xはカルボン酸系重合体本体を表
し、nは0〜6の整数を表し、mは0〜6の整数を表
す)で表される構造を備えた官能基を有するカルボン酸
系重合体に関するものである。
【0086】さらに、本発明は、以上のように、一般式
(2)
【0087】
【化22】
【0088】(式中、Zは水素原子、−(CHR3 c
−W2 −(CHR4 d COOH基または−(CH2
f −X基を表し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独
立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表
し、W1 、W2 はそれぞれ独立して−S−基または−O
−基を表し、Xはカルボン酸系重合体本体を表し、a、
b、c、d、e、fはそれぞれ独立して0〜6の整数を
表す)で表される構造を備えた官能基を有するカルボン
酸系重合体に関するものである。
【0089】また、本発明は、以上のように、一般式
(3)
【0090】
【化23】
【0091】(式中、Yは水素原子、アリル基または−
(CHR3 c −W2 −(CHR4 d COOH基を表
し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して水素原
子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、W1 、W2
はそれぞれ独立して−NH−基、−S−基または−O−
基を表し、a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の
整数を表す)で表されるカルボン酸系単量体を含む単量
体成分を重合させてなるカルボン酸系重合体に関するも
のである。
【0092】さらに、本発明は、以上のように、一般式
(3)
【0093】
【化24】
【0094】(式中、Yは水素原子、アリル基または−
(CHR3 c −W2 −(CHR4 d COOH基を表
し、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ独立して水素原
子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、W1 、W2
はそれぞれ独立して−NH−基、−S−基または−O−
基を表し、a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の
整数を表す)で表されるカルボン酸系単量体を含む単量
体成分を重合させることを特徴とするカルボン酸系重合
体の製造方法に関するものである。
【0095】上記の構成によれば、本発明にかかるカル
ボン酸系重合体は、側鎖にカルボキシル基のみならず、
電子供与性の高い硫黄原子や窒素原子、酸素原子を有し
ているので、キレート化能に優れ、種々の用途に好適に
利用することができる。このため、本発明にかかるカル
ボン酸系重合体は、例えば、金属の回収や金属を含有す
る廃液の処理等の用途に好適に用いることができる。ま
た、上記のカルボン酸系重合体が、窒素原子、硫黄原子
およびカルボキシル基を同一分子中に有する場合、一般
には存在しない形で金属イオンを安定化させることがで
きる。このため、上記のカルボン酸系重合体を各種反応
における触媒として用いることで、特殊な触媒作用が期
待できる。さらに、上記のカルボン酸系重合体は、金属
をキレートしなくても、窒素原子、硫黄原子およびカル
ボキシル基を同一分子中に有することで、酸および塩基
の相乗効果により、特殊な触媒機能を発揮することが期
待できる。従って、該カルボン酸系重合体は、触媒とし
ても好適に用いることができるという効果を併せて奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 広一 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (56)参考文献 特開 平4−211044(JP,A) 特開 昭60−65003(JP,A) 特開 昭53−122690(JP,A) 特開 昭61−106603(JP,A) 特開 昭59−161407(JP,A) 仏国特許出願公開2612521(FR,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 26/00 - 26/04 C08F 28/00 - 28/04 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Xはカルボン酸系重合体本体を表し、nは0〜
    6の整数を表し、mは0〜6の整数を表す) で表される構造を備えた官能基を有することを特徴とす
    るカルボン酸系重合体。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 (式中、Zは水素原子、−(CHR 3 c −W 2 −(C
    HR 4 d COOH基または−(CH 2 f −X基を表
    し、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立して水素原
    子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、W 1 、W 2
    はそれぞれ独立して−S−基または−O−基を表し、X
    はカルボン酸系重合体本体を表し、a、b、c、d、
    e、fはそれぞれ独立して0〜6の整数を表す) で表される構造を備えた官能基を有することを特徴とす
    るカルボン酸系重合体。
  3. 【請求項3】一般式(3) 【化3】 (式中、Yは水素原子、アリル基または−(CHR 3
    c −W 2 −(CHR 4 d COOH基を表し、R 1 、R
    2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立して水素原子または炭素
    数1〜6のアルキル基を表し、W 1 、W 2 はそれぞれ独
    立して−NH−基、−S−基または−O−基を表し、
    a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の整数を表
    す) で表されるカルボン酸系単量体を含む単量体成分を重合
    させてなることを特徴とするカルボン酸系重合体。
  4. 【請求項4】一般式(3) 【化4】 (式中、Yは水素原子、アリル基または−(CHR 3
    c −W 2 −(CHR 4 d COOH基を表し、R 1 、R
    2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立して水素原子または炭素
    数1〜6のアルキル基を表し、W 1 、W 2 はそれぞれ独
    立して−NH−基、−S−基または−O−基を表し、
    a、b、c、dはそれぞれ独立して0〜6の整数を表
    す) で表されるカルボン酸系単量体を含む単量体成分を重合
    させることを特徴とするカルボン酸系重合体の製造方
    法。
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